サトシ「バリコオル！？そんなポケモン持ってたんだ！」ダンデ「サトシ、『バトルはもう始まっているぞ』」

サトシ「え……」

サトシはゾッとした
何が起きたのか理解が追いつかなかった
気づいたときには、バトルフィールド一面が氷で覆われたまさしく絶対零度の領域に達していた


バリコオル「……」ﾋｮｵｵｵｵｫｫｫｫ

ルカリオ「」ｶﾁｺﾁ


審判「…ル、ルカリオ！戦闘不能！！」



ソニア「私がトレーナーを辞めた理由がこれ、ダンデくんはポケモンを超強化する特別な力があるの」

ホップ「特別な力…？聞いたことないぞ俺！」

ソニア「私もこれを見るのは初めてよ」

ホップ「どういうことだ！？ソニアは知ってるんじゃないのか！？」

ソニア「ダンデくんに敗れたあの日にダンデくんからその片鱗を感じ取ったの、そのときは分からなかったけどダンデくんにはもう二度と敵わないと直感したわ」

ソニア「あの力の前ではどんな巨大な力をも無に帰す」

サトシ（な、なにが……起きたんだ……？）

ダンデ「何が起きたんだ？って顔をしているな」

サトシ「…！！」

ダンデ「この力は開放する気はなかったが、メガシンカZワザダイマックス絆現象の使い手である君には出し惜しみせず全力でやらせてもらう」

サトシ（くっ！切り替えろ俺！ダンデさんが何を言ってるのか全然わかんないけど、まだ逆転のチャンスはある！！）

サトシ「いけ！ネギガナイト！！」

ダンデ「戻れバリコオル、エルレイド！！」

サトシ「エルレイド、同じ剣を使う者か」

サトシ「ネギガナイト！スターアサルト！！」

ダンデ「ぶった斬れ」

エルレイド「……！！」ｷｯ!!

ソニア「ホップ！握って！！」手ｷﾞｭｯ

ホップ「えっ！？」


ｽﾞﾊﾞｯ!!!!!


サトシ「え……」ｿﾞﾜｯ

エルレイドの刃から放たれた飛ぶ斬撃がサトシの頭上をかすり、会場全体を真っ二つに割れた


『な、なんて斬れ味だァァァ！！エルレイドの刃が観客バリアごと会場を横にぶった切ったァァァ！！しかし斬れ味が良すぎて会場が斬られたことに気づかず特にズレなど無いィィィィィ！！！！！』

ホップ「ちょっ……」

客「「「ダンデェ！！やり過ぎだアホー！！」」」💢💢💢

ダンデ「あっ……すまん」

ホップ「な、何だ今の……ミホークが氷山をぶった斬るシーンじゃないのかこれ……」

ソニア「まさか会場巻き込むとは、修理費大変よこれ」

ホップ「それも大事だけど、重要なのはそこじゃない」

ソニア「それにしても規格外すぎる力、トレーナー辞めて正解だったわ、あんなの絶対に勝てないもん」

ホップ「それを察知したソニアすげぇよ」

アラン「まさかダンデさんが力を隠し持ってたなんて……」

カルネ「私たちのときは全然本気出してなかったってこと……？」

ダイゴ「なるほど、彼がなぜ公式戦無敗なのかずっと疑問だったけどこれにあるんだね」

ワタル「道理で……世界チャンピオンという座は本物ということか」

シロナ「彼は一体何者なの」

アイリス「見たことない、こんな力……」


セレナ「サトシ、頑張って……」

ヒカリ「あのときの悲劇を再び……」

タケシ「ヒカリ、上手いこと言わなくていい」

デント「これはデンジャラスなテイストだね」

コハル「バトルよく分かんないけど、ダンデさんってすごく強いの？」

ゴウ「すごく強いなんてもんじゃない、異次元だよあの力……」

カキ「ああ、あれは俺たちが手を出していい領域じゃない」

リーリエ「踏み込むことすら許されない力です」

サトシ「まだだ！ネギガナイト！スターアサ」

ダンデ「無限切り！！」

エルレイド「！！」ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ!!!!!!

ネギガナイト「ガァァァァァ！！！！！」

サトシ「ネギガナイトぉぉぉぉぉ！！！！！」

審判「ネギガナイト戦闘不能！！」

いいぞーダンデ！やれやれダンデ！

ﾏｹﾙｼﾞｬﾈｿﾞダンデ

サトシ「ネギガナイト！！」ﾀﾀｯ!!

ネギガナイト「」

サトシ「はぁ、はぁ……なんだよこれ……斬られたのに、切り傷一つもない……」

ダンデ「簡単な理屈さ、体が斬られたことに気づけないほどの速度で斬ったからだ」

サトシ「……」

サトシ（体が斬られたことに気づけないほどの速度で斬ったから……？何を言ってるのか分かんねぇよ……）


ソニア「とうとう物理法則も無視しだしか、怖いわぁ」

ホップ「ソニアさっきから楽観的じゃね！？俺から見たら不可思議でしかないんだけど！！」

ソニア「私もう諦めてるもん、今更取り乱す方がカッコ悪いわよ」

ホップ（ああー、あのときギャン泣きしてたし、吹っ切れたんだな）

サトシ「ぐっ……！ウオノラゴン！！」

ダンデ「ん？見たことのないポケモンだな、その風貌からすると化石ポケモンか？奇遇だ、こっちもそのポケモンを出そう！」

ダンデ「ゲノセクト・オリジン！！」

サトシ「！？」

シトロン「ゲノセクトですって！？」

マーマネ「化石ポケモン！？」

デント「あれ？確か僕が見たゲノセクトとは姿が違うよ」

リーリエ「あれはゲノセクトの本来の姿です」

デント「えっ！？」

タケシ「最近登録されたゲノセクトは改造された姿だと聞く、となれば本来の姿がいるのは当然だ」

ゴウ「ゲノセクトは化石を見つけるのが困難で本当の姿の発見例は未だ報告がないのに、まさかこんなところで見れるなんて……！」

コハル「へぇ、珍しいポケモンなんだ」

ゴウ「珍しいってもんじゃないよ！レア級のレアだよ！！」

コハル「わ、分かったから！落ち着いて！」

サトシ「ゲノセクト、だって……」

ダンデ「お互い見たことのないポケモン同士、相対してみようじゃないか！」

サトシ（俺の知ってるゲノセクトじゃない、大砲らしきものは付いてないし、どんな技を使うのか分からない……）

サトシ「エラがみ！！」

ウオノラゴン「ウオオオオオ！！」ｶﾞﾐｨ!!

サトシ「よしっ！」

『サトシ選手！初めて攻撃が決まったぞ！ここから流れが……！？！？！？」

ウオノラゴン「がっ……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ……

サトシ「ウオノラゴン！？」

攻撃したはずのウオノラゴンのエラがボロボロと破砕されていた

サトシ「な、なんで！？どうしてウオノラゴンがダメージを受けているんだ！？」

ダンデ「本来のゲノセクトはダイヤモンド以上の硬度を持つんだ」

サトシ「ダイヤモンド…！？」

ダンデ「故に、ゲノセクト・オリジンには傷一つつかない」

ウオノラゴン「……！！」ﾌﾞﾁｯ

ダンデのその発言はウオノラゴンの逆鱗に触れる


サトシ「ウオノラゴン？」

ウオノラゴン「ウオオオオオ！！！！！」ﾀﾞｯ!!

サトシ「お、おい！！」

ウオノラゴン「グギャアアアアアア！！！！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

攻撃するもそのダメージが跳ね返り自傷する


ダンデ「C(カーボン)・コヴァレント、炭素原子間の自由電子の共有結合を自在に操ることで硬度を変えることができる」

ウオノラゴン「ゼェ、ゼェ……ウオオオオオオオ！！！！！」ﾀﾞｯ!!


ウオノラゴンはそれでも怯まず、絶えず攻撃する
しかし、攻撃するたびに攻撃したダメージが跳ね返り、ついに力尽きる



ウオノラゴン「ウ、オ……」ﾊﾞﾀｯ

審判「ウオノラゴン戦闘不能！！」

ホップ「つ、つえぇ……ゲノセクト・オリジン、硬すぎるだろ……」

ソニア「あんなのされたら心折れるわねぇ」ｼﾞｭｰｽｽﾞｽﾞｯ

ホップ「ソニア…緊張感ねぇな……」


アイリス「ウオノラゴンの攻撃が何一つ通用しないなんて……」

シロナ「ウオノラゴンは決して弱くない、ただゲノセクト・オリジンの硬度がそれを上回った」

ワタル「攻撃ではなく防御で翻弄するとは……」

アラン「俺のブリガロンも防御型だが、それ以上だ……いや、比較にすらならない」

ダイゴ「ゲノセクト・オリジンの化石が欲しい」

カルネ「手数が多すぎるわ」