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ガラス越しの日差しを浴び、草葉に覆われたバトルコートが柔らかな光を返してくる。赤い閃光に包まれ小さくなった松葉色のポケモンが、相手の手元に吸い込まれていく。
それを認めてから私の相棒──ラウドボーン──が、鼻息を撒き撒き、こちらへ振り向いた。
「やったねラウドボーン! 貴方のおかげだよ!」
彼のところに小走りで駆けていって、その大きな体躯にふさわしいように力強く撫で回してあげる。
ポケモンバトルは大好きだ。試合中は体の芯まで熱を孕んで心地よく、勝利の快感は筆舌に尽くしがたい悦びをくれる。
ラウドボーンをモンスターボールに戻してからふと背後を振り向くと、近付いてくる人影が視界に入り込んできた。
「アオイちゃん! 今の試合凄く良かったよ!」
「タロちゃん! 観ててくれたの!? 忙しいでしょ」
「何よりも優先! わたし、アオイちゃんの大ファンだもん!」
「ははは……ありがとう」
ブルーベリー学園では、切磋琢磨するライバルの存在が実力を伸ばしてくれる、との理由でパートナー制度というものが導入されている。タロちゃんの前のパートナーが無事卒業して空きとなっていたところに、交換留学でやってきた私が当て込まれた形だ。
彼女は私より一学年上だけど、知り合ったその瞬間から打ち解けて、一ヶ月ほどの付き合いでも既に親友と言える間柄だ。
学園内TOP4とされるブルベリーグ四天王の彼女は、私を遥かに卓越した実力を持っていて、正直勝ち目なんか無い。
だけど、だからこそ、日々鍛錬を積み、ポケモンとの信頼関係を築いて、自身も品行方正な、誰からも憧れられる人間になろうと努力を積み重ねている、そんな彼女を心の底から尊敬しているんだ。