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B技後ホミカゾーン化

 ▼ 1 ルガー@りゅうのプレート 23/12/12 21:24:49 ID:Qh1E1VUg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ぎたぁ…」

「ごめんストリンダ―、まさかここもハズレだったなんて…」


ホミカたちの眼前に広がるのは透き通った湖。

景観を見ても衛生面を見ても大衆にとっては好ましい光景なのだろうが、二人にとってはとてもではないがそうとは言えない。恐らくスイクンを連れた二組のバディーズ、特に色違いを連れたトレーナーのせいだろう。

ホミカのストリンダ―がまるでローになって剰え身体の調子まで悪いのはそんなあまりにも清らかな環境に起因する。

今朝から片時も休まず淀んだ湖水を探しているのもあり、当のストリンダ―はもちろん、ホミカも少し休憩を挟みたいと思い始めてきた。クリスマスも近づいており外気も冷たい。

脚をすり合わせてホミカはストリンダ―に問いかける。


「ストリンダ―、まだ大丈夫そう? 調子が悪いときは練習休んでもいいんだよ? 川探しだってあたし一人でやっておくし」

「ぎいた!」

「もちろん見つけたら連絡するよ?」

「ぎたぎた!」


ここまで意固地になっているのはエレズンを託されて1月ほど経ったあの日以来である。

当時のホミカはまだ手探りでエレズンを育てており、よく笑いよく泣く子に手を焼いたものだった。
 ▼ 8 リンク@じゅうでんち 23/12/12 21:53:19 ID:7xggjl5w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 9 レシー@マグマのしるし 23/12/13 17:21:48 ID:30eEz0qY [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ごめんなさい、今ちょうど在庫が切れているの」

「ぎたっ?」


トリカから受けた回答は期待していたものではなかった。
流石に生き死にに関わるような問題ではないが、毒ポケモンにとってはこれ以上ない問題なのだ。


ストリンダ―は聞いているのかいないのかせめて最悪の答えは返ってこないでくれと祈りながらホミカは質問を続ける。


「じゃあトリカさん、在庫補充っていつくらいになるかわかる?」

「少し待って、今確認してみます」


ストリンダ―のことを考えているつもりでも、真っ直ぐ立っているだけでは意識が己の下半身に向いてしまう。
気がかりな感覚を逸らそうとしてカウンターの前で小回りしたり、さりげなく前腕を使って抑えてみたりする。


かたや配送表を見たトリカの顔色はあまり良くない。
明後日か、もしかすれば明々後日になるかと不安が煽られる。


しかし二人に告げられた回答はそれより厳しいものだった。
 ▼ 10 ガヤンマ@モーモーチーズ 23/12/13 17:23:19 ID:30eEz0qY [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「最近は時空の裂け目発生の関係で安全チェックがいたく厳重に行われていて、早く見積もって1週間後ですね」

「1週間?!」

「ぎたっ?!」


良い知らせであればストリンダ―も多少回復したかもしれないが、この回答には人前だろうとショックを隠せない。

それはそうだろう、この不調は何も今朝に始まったことではなく、もっと前から兆候が出ていたであろうもののはずだ。
あくまでも症状が目に見えるよう表面化してきただけで、ストリンダーのことを苦しめていた。

しかしいくら彼女を思いいくら待とうが、今ここでの販売が無いとなるともう店類では手に入りそうにない。

外にも中にもない。

途方に暮れるホミカにトリカは憐憫を込めて続ける。



「お急ぎでしたよね?」

「え?」

「先ほどから落ち着きがなくソワソワしていましたし、バディであるポケモンたちのことが心配なのかなって」
 ▼ 11 ッシブーン@リニアパス 23/12/13 17:27:11 ID:30eEz0qY [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「なっ…」


この言葉は額面通り受け取って問題ないものであることはわかる。
あれこれ気を揉んだ末に行動に表出した自分を訝しんで、その結果としてストリンダ―に辿り着いたのだろうというのがごく自然だ。

しかし万に一つといえど生理現象も我慢できない幼稚な一面を見透かされたかもしれないと思うと気が気でない。


「あーそうなんだよ。心配で、そう、心配でさ」

「ぎ!」

「? そうですよね、入荷の予定が早まればまた連絡します」


調子が狂ったことで言葉の抑揚までおかしくなる。
バディのことを気にも留めていなかったかのようなトーンで自己嫌悪に陥りそうだ。


「色々ありがとうトリカさん、またねっ!」


取って付けたような挨拶をしてこの場から離れようと踵を返す。

もしかしたら建物内に他に相談できるバディーズがいたのかもしれないが、心理的に居心地が悪くなったことでもう留まっていられない。


(今レジェンドアドベンチャーやってるし、きっとケイに誘われてバディーズたちはみんな外にいる。きっとそう。)


理屈をこねくり回し自己正当化を試みるがもう頭も回らない。
頭では考えているはずなのに情報が入ってこないし纏まらない。
 ▼ 12 ックル@おっとりミント 23/12/13 17:31:58 ID:30eEz0qY [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「あら、ホミカさんではありませんか」

「......」

「ホミカさん?」

「えっ?」


物思いに耽っていたことで周りの状況に気付いていなかったが、二度も声を掛けられたことで目の前の人物が視界に飛び込んでくる。


「オリーヴさん! えーっと、この前はありがとう!」


ホミカが声掛けに気付いたことでオリーヴは一安心する。


「いえ、わたくしこそホミカさんのおかげで有意義な時間を過ごすことができました」

「それはオリーヴさんのキャスティングが良かったからだって」


合同ライブが終わって以降オリーヴとの交流の機会も増えた。
音楽関係の仕事のみならず、パシオでバトルをするときに相性が良いというのがバディーズとして大きい。


「ところで何かお困りですか? 何か考え事をされていたようですし、加えて申し上げると失礼ながら顔色があまりよろしくない」

「顔は…ちょっとメイクを」

「色彩的な意味ではありません。表情の話です」
 ▼ 13 マガル@スリープのけ 23/12/13 17:33:44 ID:30eEz0qY [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホミカ個人の困り事とストリンダ―の困り事が混ざって反射的に嘘を吐いてしまったが、考えてみればこの状況で嘘を吐く意味はない。

むしろ大企業の社長秘書という存在は。現状の打開策になり得る。


「オリーヴさん、こんなこと頼むの申し訳ないんだけど…」

「どうなさいましたか?」

「毒ポケモン用のサプリとかドリンクってマクロコスモスで扱ってないかな? ストリンダーが毒不足で元気をなくしちゃって」


オリーヴはストリンダ―に目を遣ってなるほどと頷くと、ポリゴンフォンを取り出し連絡ツールを開く。


「少々お待ちください」

「ありがとうオリーヴさん」


普段から山のような作業を捌いているためか、秘書の連絡業務はメールの送信から電話での口頭連絡まで何から何まで早い。


「そうですか――――では早くとも――――やはり難しいでしょうか――――」

(ポリゴンフォン打つの早すぎ)


人に頼んでいる目の前で席を外すことはすべきでないが、もしかしたら多少の時間があるかもしれないとホミカは僅かに期待していた。

背後に十メートル先にある女性のピクトグラムを一瞥する。


(せいぜい7分、いや、5分もあれば…でももう電話が終わるかもしれないし…)
 ▼ 14 ジーロン@コンペボール 23/12/13 17:36:39 ID:30eEz0qY [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ぎぎた」

「どうしたのストリンダ―? 今はオリーヴさんが確認してくれるのを待とうって」

「ぎぎた、ぎたあ!」


疲労感や倦怠感のため一刻も早くモノが欲しいのだろうということは伝わるが、それでも褒められた行為ではない。

ライブで声を張り上げた翌日の形容し難い感覚は良くわかっていると自負しているからなんとか落ち着かたいが、エレズンに幼児退行してしまったストリンダ―の、それも本日二度目の説得は難しい。

泣きべそをかくことは無くなったが今日はほとんどあの日と同じである。


「ずっと声出してたら体力なくなっちゃうよ?」

「ぎた、ぎぎた!」


ストリンダ―は首を振るが流石に暴れすぎたようでへなへなと座り込んでしまった。

何か言い足りない様子だが身体は自由自在とは行かなくなったようで目から気力は感ぜられない。


座り込んでしまったことへの心配半分、休んでもらえばストリンダ―の体力が無駄に減らずにすむという安心半分にストリンダ―を宥める。
 ▼ 15 ルタンク@カクトウZ 23/12/13 17:40:00 ID:30eEz0qY [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ストリンダ―が観念したのを確認しつつホミカはオリーヴの通話が終わるのを待つ。

しかしストリンダ―という気を紛らす対象がなくなったことで、膀胱に溜まり続けるものを意識外に飛ばせなくなってしまった。


(どうしよ、今行けるなら行きたいけど…)


オリーヴとてこちらを見ているわけではない。
いなくなっているのがバレても後で適当な口実で済ませるか、そもそも正直に我慢できなかったと言えばわかってもらえる気がする。

けれど忙しい合間を縫って自分たちを助けようとしてくれているのだと思うとどうにも踏ん切りがつかない。

トリカやストリンダ―を始めとした周囲の人やポケモンに見られているような気すらしてきて、つま先でトンと床を叩いたりゆらゆらと振れたり、とにかく何もせずに立っているということができない。


「ええ、ホミカさんとストリンダ―に――――ではわたくしから伝えておきます――――」


オリーヴが電話相手に問い、確認のため向こうが時間を取り、その答えに対し新たに質問や提案を投げかけ、電話はまだ切れることがなさそうだ。


(こんなに掛かるなら十分行って戻って来れたじゃん…これ以上話すこともないだろうし、けどそういうこと考えたときに限ってまだ続くし…)
 ▼ 16 ルクジラ@テラピースはがね 23/12/13 17:41:31 ID:30eEz0qY [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
決心が付かずとうとう20分経った頃、ようやく通話が終わった。

どうせ行く勇気は持てなかっただろうし、いっそここで切れてくれて助かったとプラス思考に持っていくのが良いだろう。


「本社の者に確認を取りましたが、」


オリーヴは淡々と話すが、困り眉を見るに決していい知らせではなさそうだと悟る。

問題は本社に在庫かあるかどうかではなくパシオの地へ届けられるかどうか。
パシオは上陸の方法も特殊であるし郵送はなかなか厳しい。


(いくらオリーヴさんでもやっぱ無理だったか)


予想通り、商品が届くまでには相当時間がかかると話が続く。

それでも社長秘書の権限を使うことにより少々早く届けることはできるらしいが、あくまで2日早まるかどうかというレベルとのことだった。
 ▼ 17 ノハナ@かたっぽピアス 23/12/13 17:42:44 ID:30eEz0qY [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「そっか、じゃああたしはもう一回パシオのどこかに良い感じの湖でもないか探してみるよ」


今の身体に冷えた気温は響くが背に腹は代えられない。

幸いにもまだ限界ではないし、うじうじせずまた外へ探しに出よう。

そう腹を括った矢先、オリーヴの口からある名前が挙げられる。


「ここはジムリーダーネズに話を聞いてもらうのが良いでしょう」

「ネズさんに?」

「ぎぎ?」


灯台下暗し、確かにこのストリンダ―はネズから託されたのだからネズのもとではストリンダ―の育成環境が整っているはずだ。

育成というとやや大げさかもしれないが、ボディのメンテナンスができるものは十分にあると考えられる。
 ▼ 18 ンダース@ハッサムナイト 23/12/13 17:44:11 ID:30eEz0qY [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ジムチャレンジでは見かけませんがあのストリンダ―、タチフサグマたちと同じくらい手塩に掛けて育てたポケモンと見受けします。わざわざ取り寄せる間待つより、持っている人から貰う方が早い」

「確かにこの子にとってももう一人の親みたいな存在だし、いいかもしれないけど…」


納得する反面、勝手に押しかけて物資を分けてくれと主張するのは如何なものかとの抵抗感が頭を占める。

しかしオリーヴは想定済みとの目線を送る。


「ネズには今の電話で話を通しておきました。彼の人柄からしても、困っている人に手を差し伸べないような人間ではありませんよ」


そこで先の電話がやけに長かったのはネズに取り次がれるのを待っていたのだと気付く。

ネズも自分のライブの準備で暇を持て余しているわけではないだろうに、今は手元に土産などないが後からじっくりとお礼をしたい。


「ネズは今日自室で作業をしていたそうですから、部屋に行けばお会いできると思います」

「そっか、ありがとうオリーヴさん!」
 ▼ 19 ーテング@ガーディのけ 23/12/13 17:48:36 ID:30eEz0qY [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ライブの一部打ち合わせの関係でネズの宿泊する部屋は知っているので、訪ねるまでにさほど時間は掛からない。


「行くよ、ストリンダ―!」

「ぎ…」

「ストリンダ―? 大丈夫?」


やはり何か言いたげだったがストリンダ―は言葉を飲み込んだ。

ホミカにしてもお互いのためモタモタしていられないとそれ以上は言及しない。

ホミカが時折身を捩って歩くのをストリンダ―は不安視しながら二人はネズのもとへと向かっていった。
 ▼ 20 ゲータ@ドリームボール 23/12/15 21:17:06 ID:7MIgJFUI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
部屋の前に着きインターホンを押すと確認のための応答もせずネズが扉を開けた。

首にはヘッドホンが掛けられており、いつ来てもすぐに気付けるように作曲作業を中断していたようだ。


「こ、こんにちはネズさん」
「ぎた、ぎたあ」


一目見て不機嫌とわかる目つきに背筋が冷える。
思わずホミカを敬語に戻させるほどの声色は今まで話してきたネズのそれではない。

虫ポケモンの居所が悪いようだ。


「とりあえず入りやがりなさい」


向けられた視線に一瞬力が抜ける。
じわりと温水が滲み出て反射的に前を押さえるが、布がぺたりと張り付いて気持ち悪い。

ダメージの小さいうちに脚をキュッと締めて波を抑え込む。


「ぎたぎた?」

「何を突っ立ってやがるんですか? 話は例の秘書から聞いてますから、後は用を済ますだけです」


託されたストリンダ―のケアをきちんとこなせていなかったことへのお叱りか。
自己責任のため文句を言うつもりはないが、他人から叱咤を受けるのはかなり久しい。

それでも自分が叱られるだけでストリンダ―を助けてもらえるというのなら安いものだと足を踏み入れる。
 ▼ 21 クマ@ライボルトナイト 23/12/15 21:19:03 ID:7MIgJFUI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
既に何度か訪れているはずだが、哀愁など感じない冷ややかな声に怯えてしまい足元が覚束ない。

心配したストリンダ―がホミカの手を引くが、その方向はネズの行く先と真逆でホミカが手を離す。


「大丈夫だから! ストリンダ―は自分の体調のことだけ考えてればいいんだって」


すると部屋に来てからずっともたついている二人を怪訝に思ったネズが振り返った。

ネズの目を見て完全に怒らせたと思ったホミカの表情が固まるが、その口から掛けられた言葉は予想とは全く異なるものだった。


「ケガでもしましたか?」

「え?」

「何か歩き方が不自然ですし、今に至ってはストリンダ―側がホミカを介抱しているようにも見える。朝から忙しなく動き回ったことで足を挫いたのかと思ったので」

「えっと…別にそんなことは」

「ストリンダ―だけでなくお前も少し休むべきじゃないですかね。知らず知らずに疲れも溜まっているでしょうし、回し疲れた頭はスッキリさせた方が能率が高まります」


言い切ったところでネズはドアを開けて二人に入室を促す。

ドアが開いたことで中からポケモンの鈍重な鳴き声とバタバタと大きな物音が漏れ聞こえ出した。

ネズに共鳴するように機嫌が悪そうで、険悪なムードに部外者が立ち入るようでまたも尻込みしてしまう。
 ▼ 22 リープ@ライボルトナイト 23/12/15 21:19:29 ID:71eMM.vo NGネーム登録 NGID登録 報告
CEN
 ▼ 23 ゲータ@ももいろはなびら 23/12/15 21:20:32 ID:7MIgJFUI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「モルペコ、客人です。動けば動くほど腹が減りますよ。少しは落ち着きやがりなさい」

「ウララ!!!」

「空腹だってのにその溢れんばかりのパワー、他のところに活かしてもらいたいんだけどね」
「べーす」
「グマア!」


ネズに続いてローなストリンダ―とタチフサグマがモルペコを諫める。
よくもこれほど詰められて反省せず暴れられるものだとホミカは一周回って感心してしまう。


「勝手に夜食してフーズを食いつくしたのは誰ですか。その上翌朝になれば空腹で暴れまわる。おれは頭が痛いです」


ローなストリンダ―かタチフサグマがデスボイスのトレーニングでもしているのかと推測していたが、その正体は腹をすかせたモルペコだったようだ。

自分たちが部屋を訪れるずっと前から、もう作曲どころではなかったのだろう。
 ▼ 24 ラッキー@ネクロプラスソル 23/12/15 21:22:32 ID:7MIgJFUI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「すみませんね、見苦しいところを。おれもさっきから幾らか失礼な態度を取ったでしょう」

「そんなの別に大丈夫だって」

「もしかしたらお前にも聞こえてやがったんですかね。防音・吸音と言っても100%ではありませんから音は多少漏れてしまう。それが聞こえてびくびくしてたんですか?」

「え…そっ、そうなんだよ、そんなとこ!」

「モルペコは後でマリィにこってり絞られるでしょうから今は堪忍してやってください」


ネズが頭を下げたのを見てホミカはなんとも心苦しくなる。

嫌な事実の突きつけとそれへの言い訳が同時に来たことで咄嗟に乗ってしまったが、これでは皮肉でも嫌味でもなくただのクレームである。

だが考えても取り繕う言葉も出せずホミカはストリンダ―とソファに腰かける。




モルペコが一旦落ち着いたのを見届けると、ネズは二人を見て再び話しだした。


「お詫びといってはなんですが、ストリンダ―の毒と一緒に何か飲み物でも用意しましょう」

「そんな、あたしが一方的に来たのに気にしないで」

「そういうわけにもいきませんよ。モルペコのお詫び、それにおれはそいつの第二の親みたいなもんですし、こういうときはね」

「ウラ?!」

「お前にはあげませんよ。6時間も前には食べているはずですし栄養過多になります。マリィが帰るのをお待ちなさい」
 ▼ 25 ブト@ディフェンダー 23/12/15 21:24:35 ID:7MIgJFUI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
会話が途切れたところでネズはストリンダ―を見る。

ハイとローではミュージシャンにとって違いが大きいが、基本的な生態はそこまで変わるものではない。
早いうちに自分もこの技術を身につけようとホミカは決心した。


「こんなに萎れて、すっかり毒が抜けてしまったということですね」

「ぎ…」

「自分の身体のことは自分にしかわからねえんですから、今後はもっと早くホミカに言うように努めやがりなさい」


まだネズのもとで過ごしていたときに耳が痛いことでも言われたのだろう。ストリンダ―は耳を塞ぐ素振りをする。

ネズはそれを咎めて頭にコツンと手刀を落とすと、ストックがまだあると言ってキッチンへ向かっていった。





ドアがかちゃりと閉まった瞬間、ホミカは全身を強張らせて間を抑えつける。


(さっきからスッキリとか溢れるとか漏らすとか…ッ)


ホミカの窮状を知っているなら悪であるが、知らなくともまた悪である。流石あくタイプジムリーダーなどと軽口を叩く余裕などない。
 ▼ 26 コルピ@メガラペルピン 23/12/15 21:25:49 ID:wMAUltlM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
cーc−えん
 ▼ 27 リキテル@ふっかつそう 23/12/15 21:25:59 ID:7MIgJFUI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ぎた?」

「ううん、何でもないよストリンダ―」


ストリンダーという言葉に反応したのかネズのストリンダ―が一緒に振り向く。

自分のことではなかったと気付いても、苦しむホミカにただ事ではないと感じたようでタチフサグマと一緒に駆け寄って来る。


「べーす?」
「グママ?! グマア?!」


ジェスチャーを交えネズを呼ぼうか、救急車を呼ぼうかと言っているようだが、彼らが来たとしてトイレに行くのを我慢していただけですなどと言えるわけもない。


「大丈夫、大丈夫だからみんな!」
(ちょっと、ヤバイかも…)


声を張り上げたことで強くなっていた波がさらに強くなり、ホミカはソファから立って必死に股間を押さえ込む。

ポケモンを託され、バディの体調チェックの尻拭いまでしてもらって、これだけお世話になっておいて粗相をするわけにもいかない。


(ダメだってホミカ…! もう少しこらえて!)
 ▼ 28 スブレロ@コイン 23/12/15 21:29:26 ID:7MIgJFUI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
願いが通じたのかどうにか尿意は引いた。
これであと1本もサイコソーダでも飲んでいれば悲惨なことになっていただろう。


「はぁ…みんな、もう大丈夫だか

「ウラアアアア!!!」


そのときモルペコが大きな声を上げる。

だがモルペコがずっと喚いていることで耐性が付いたようで、どうにか醜態を晒すことは免れた。

一方でホミカを囲っていたポケモンたちは皆、モルペコを落ち着かせようと向かっていく。


「べーす、べー」
「ぎぎいた?」
「グマア!」

「ウララ!!」


ポケモンたちが離れたのを見てホミカは溜息を吐きながら現状を捉え直す。

素直にトイレを貸してほしいと頼めばそれで終わる話ではあるが、自分の見通しの甘さで底を付いた道具を乞いに来ておきながらトイレを貸してくれなんて勝手なことが言えるだろうか。
それに希望的観測だが、ここまで我慢できたのだからきっと最後まで我慢できるという自身もある。



時計を見ると、キッチンから物を取るだけという割には結構な時間が経過しており、いまやいつ戻ってきてもおかしくない。

ソファに座れば動きによる尿意の誤魔化しが効かせにくいと考え、ホミカは立ったままモルペコを見るふりをしてネズを待つことにした。
 ▼ 29 シコ@たべのこし 23/12/17 00:28:36 ID:sjFUHC9s NGネーム登録 NGID登録 報告
ホミカは失禁の素質がある
 ▼ 30 シャーナ@もうどくプレート 23/12/17 00:36:34 ID:cXLYFSno NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホミカゾーンってそういう……
 ▼ 31 ローラディグダ@そらのシズメダマ 23/12/17 22:57:30 ID:tH6MPqn2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「行儀が悪くて失礼しますよ」

「おかえりネズさん」

「ぎた!」


開いた扉から見えたネズは右手でチャック式の袋を抱えて左手では菓子と飲み物を乗せた盆を持っていた。
一度に運ぼうと横着した結果、あまりの運びにくさに時間がかかってしまったと見える。


「ウラッ!」

「あげませんよ」

「ウララッ!」

「あげませんからね」

「…!!」


一触即発の空気にポケモンたちは再び暴れ出しそうなモルペコを抑えようとネズとモルペコの間に入る。

そんな状況に早くこの部屋から退出し悦楽に浸りたいホミカは苦笑いする顔に隠して苛立ちを覚える。
これに至ってはモルペコの生態の問題ではなくこのモルペコ自身のワガママだからだ。
 ▼ 32 イティオ@ぬまのシズメダマ 23/12/17 22:58:56 ID:tH6MPqn2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モルペコとのガンの飛ばし合いを終えたところでネズは部屋を見渡して言う。


「そこにあるテーブル、こっちまで持ってきてもらえますか」


部屋の端には丸型テーブルが4本の脚を折りたたんで立てかけてあった。

ちょっと運ぶくらいなら身体への刺激も少ないだろう。

いくらなんでも引きずって運ぶことはできないと数センチ浮き上がらせるようにして移動させるが、大して重くもないのにへっぴり腰になってしまう。

ぷるぷると震えながら今度はテーブルをソファに立てかけたホミカを見てネズは戸惑う。


「運ぶだけじゃなく、脚、開いてもらえますか?」

「え?」

「おれ両手塞がってますし、地べたにこれを置くわけにはいかないでしょう」


なぜ今そんな指示をと疑問を抱きながらホミカはストレッチをするように自身の脚を開いていく。

腹部が床と垂直になったことで今にも決壊してしまいそうだが、滲む涙をどうにかのみ込んで伸ばしていく。
 ▼ 33 パルダス@チルタリスナイト 23/12/17 23:01:13 ID:tH6MPqn2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ふっ、おれを笑わせようとしてるんですか? テーブルの脚ですよ」


ネズから至極当然な補足を受けてホミカの頬が赤く染まる。

今の自分に運動などさせるなという怒りと、自分より若い女に何をさせるんだという疑心。

自分のてんねん故に起きた勘違いが生んだ槍がすべて自分に刺さって来たことで目を泳がせるしかできない。


ネズは耳まで赤くなったホミカに罪悪感を覚えたのか、タチフサグマに荷物を渡すと自分でテーブルを立てていく。

ホミカはハッとして駆け寄ろうとするもネズに制止され、ただそれを見下ろすことになった。


「なんだか昔のマリィのようで、すみませんね」


ネズは懐かしんで呟く。

ホミカにとっては笑われたことより尿意が加速したことの方が深刻だが、今のストレッチでトイレが限界だなんて伝えれば笑うどころか引かれるだろう。



《あいつの変な挙動の原因は小便の我慢で、もしかしたらそれを部屋にぶちまけるところだったかもしれない》



もしネズの頭にそんなことが浮かぶようなら、なんならその可能性を考えた時点で乙女としてのプライドに大きなヒビが入る。

あり得ないとはわかっていても100%ではない。

更には自分がいつの間にかストリンダ―のことではなく尿意にばかり気を取られていることに気付き、トレーナーやバディとしての尊厳も打ち砕かれてしまいそうになる。
 ▼ 34 ングース@サンのみ 23/12/17 23:05:37 ID:tH6MPqn2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「おれもガラルにいたときは淀んだ川を探すのに苦労したんだよね。ガラルを席巻する企業の発言力が強く、環境問題にはひどくうるさかったですから」


ホミカの顔が知らず知らずに険しくなっていたようで、ネズは話題をストリンダ―の方へと転換する。

寒いからということでネズから差し出されたのはエネココアだった。


「温かいね」

「マリィが昔から好きでね、おれもいつのまにかハマってしまいました」


正直今飲み物は遠慮したいところだが、冷たいものでなく温かいものであるだけ救いがある。

ホミカはありがとうと伝えて口へ運んだ。


普段なら美味しく頂くところだが、ここ現状に際してはこれがあと何秒で膀胱まで届くかというところを思索してしまう。
 ▼ 35 メノデス@ミネラルよせだま 23/12/17 23:15:20 ID:tH6MPqn2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この場ですぐに席を立つまでのことはしないが、ネズもまだ仕事があるだろうしそろそろ帰れるはずだ。

続けて差し出された菓子を一包み手に取る。

袋を開けるような細かい動作となると集中力が必要で、尿意を前になかなか封が開かない。

袋ではなく自分の身の方を捩りながら何度も封を切ろうとする。


(なんで開かないのこれ...!)


相手は幼い子どもではないのでネズも手を貸したりはせずに黙ってその様子を見ているが、決して難しくない作業にホミカが手間取っているのが怪訝に思えてならない。

焦っていては開くはずもなく袋の両端は伸びきってしまいもう手では切れなくなってしまった。


「ハサミ、持ってきましょう」


ネズが諦めて再びキッチンへ向かおうとするが、その眼前を何かが凄い勢いで飛んでいく。



「ウラララ!!」

「ぎた?!」

「うわっ?!」

「モルペコ、お前!」
 ▼ 36 クスレッグ@テラピースフェアリー 23/12/17 23:17:25 ID:tH6MPqn2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なかなか開かない菓子袋目掛けてモルペコが飛び掛かった。

加減もなくぶつかったことでホミカはソファから滑り落ちて蹲る。

普段から自分の手持ちとじゃれ合っているので痛みこそないが、突発的に受けた凄まじい衝撃でホミカの緊張の糸が切れてしまう。


「モルペコ、客人にたいあたりなんてするもんじゃねえですよ。お前も早く謝りやがりなさい。ホミカ、保護者としておれからも謝罪を… 




 ホミカ?」



返事のないホミカにネズは最悪の事態をも想定して駆け寄る。

ホミカは膝立ちになって全身を震わせながら俯いていた。

左手はその姿勢を支え、右手は最後の抵抗をしようとネズたちの目に構うことなく股を押さえ込んでいる。
 ▼ 37 ィアルガ@ふねのチケット 23/12/20 00:10:18 ID:Nt/kF2zw [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
目を潤ませ歯を食いしばってどうにか耐えきろうと試みるが、たいあたりのショックで括約筋に上手く力を込められない。

ストリンダ―は主人ホミカの危機だとモルペコを回収するが最早何の意味もない。

モルペコは元凶でありながら自分のしたことについて一切理解していないようで、黙々と砕けた菓子を頬張っている。


「ホミカ、立てますか?」


ホミカの体勢にネズは理由を悟り、せめてもの尊厳は守ろうと手を差し出して問うが答えはない。

マジコスはとうに色濃く染まっており、しゃくりあげるような呼吸を続けながら太ももには一筋流れた跡ができる。

絞り出される声は意味も持たず、無理に立つことも移動させることもできない。


15秒ほどの短くも長くて惨い時間が過ぎた後、強張っていたホミカの身体から力が抜ける。


ぺたりとへたり込んでシィィという水音とともにホミカを中心として温かい液体が広がっていく。

誰に言われたわけでもなく我慢して、ネズに大きな迷惑を掛けることとなってしまった。

水たまりの大きさに比例して膨らむ羞恥心にホミカは今一度溢れるものを止めようとするが、抵抗も虚しく勢いは40秒近くもの間収まることがなかった。
 ▼ 38 モット@かいふくポケット 23/12/20 00:10:48 ID:Nt/kF2zw [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ただいま! モルペコ、あんたが好き勝手食べたポケモンフーズ買ってきたけん」


ホミカの失禁が終わり無音になった空間をマリィの声が破る。


マリィは買い物に行く前とは明らかに雰囲気の異なる部屋に驚くが、モルペコがあばれるのをやめ佇んでいるのを見てネズに突っかかった。


「アニキ! まさかモルペコに何か食べさせた? 痛い目を見せないとわからないから何も食べさせんでって言ったよね」


ネズに説教されてもマリィのことを見ようともしない。

自分の妹や妹と歳の近いような子どもも失敗ならまだしも、非常に難しい年頃の女性に同様な対応で済ませてしまっていいものか判断を下せずにいる。


「アニキ聞いとるん?」


ネズは一言、準備の間ホミカを頼みますと告げて部屋を出て行った。

その言葉にマリィが視線をずらすとへたり込むホミカに気付く。

任せるとはどういうことかと近づくと独特な臭いとみずたまりが視界に入った。
 ▼ 39 バット@メガストーン 23/12/20 00:11:37 ID:Nt/kF2zw [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「マリィ?」

「風邪引いちゃうし、これ使って」


マリィは微笑んでホミカにタオルを差し出した。
多少ぎこちなくはあるが、ホミカを励ましケアしようと試みた末の純粋な微笑みである。


「でも…」


水や飲み物を拭くのならともかく、決して綺麗ではないものに他者から借りたタオルを使うのは非常に申し訳ないとホミカは受け取ることができない。

ホミカが自分からは動けないと理解したマリィは彼女に代わって濡れた身体を拭こうとする。


だが今の自分の身体にマリィが触れることになると、ホミカは謝りながらタオルを受け取った。


マリィに支えられながら立つと服から吸収しきれなくなった雫がぽたぽたと落ちる。

自分の身体から滴るそれを見てホミカは再度失禁の事実を突きつけられ、下唇を血が出そうなほどに噛み涙を堪える。

泣くまい泣くまいと目をぱちぱちさせながら尿に浸ってしまった膝下を拭き、衣服に沁み込んだ水気を取っていく。


そしてタオルそのものが水気を取りきれないほどに液体を吸収したタイミングでネズが戻ってきた。
 ▼ 40 ルヴァディ@おしゃれカードあお 23/12/20 00:12:29 ID:Nt/kF2zw [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「洗濯の用意をしてきましたから、お前はシャワーでも浴びて着替えておいでなさい」


ネズからアイコンタクトを受けてマリィはホミカの手を取る。

失禁した張本人が呑気に着替えているわけにはいかない、まず掃除を担当させてほしいと主張したが、ネズは大変な思いをさせた罰として自分とモルペコがやると答えた。




マリィがホミカのマジコス一式を洗濯している間、ホミカは厚意に預かりシャワーを浴びていた。

むず痒い肌に温かいお湯が当たり流れていくのが心地よい。
扉二枚先にはマリィが待機しているので長居することはできないが、息苦しい空間からようやく少し安らげる場に来られたことでホミカの感情が溢れ出した。


呼吸が落ち着いたから何分経ったのかと急いで濡らした顔を洗って脱衣所に出る。
着替えの持ち合わせはないので先に受け取っていた替えの衣服を素早く着込む。


ドアを開けた先にはマリィ、ホミカのストリンダ―、モルペコがいた。

ストリンダ―はホミカが着替えをしている間に提供された毒で回復したらしく、胸をじゃらんと掻いて元気をアピールする。
一方のモルペコはまんぷくもようでありながらしょげかえっていた。
 ▼ 41 ウッツェル@ヒウンアイス 23/12/20 00:13:27 ID:Nt/kF2zw [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「アニキたちもさっき掃除が終わったところで、この子が話したそうにしてたから」


マリィに説明をされストリンダ―が近寄る。


「ぎたあ」


ストリンダ―は顔に謝罪と後悔の意を込めてホミカに話す。
いくらバディーズといえども伝わらないと思ったのか、トイレのある場所とホミカ、自分を順に指さす。


「今回のことはあたしの自己管理の問題だし、あんたのせいじゃないって」


「あ、そういえば」


既視感を覚え記憶を遡ると、昔エレズン時代のストリンダ―と川探しに行ったことを思い出した。

一日中散策したことで飲み過ぎたおいしいみず、耳に残る川のせせらぎ。そのせいで強く尿意を催したうえ、トイレに行く時間も見つけられず失意に陥った。
急いでトイレに駆け込んだ後、エレズンから向けられた顔もはっきりと思い出せる。
 ▼ 42 ンナ@あおぼんぐり 23/12/20 00:14:21 ID:Nt/kF2zw [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「もしかして、あの日のことで心配してくれてたの?」

「ぎた」


結局心配は意味をなさなかったとストリンダ―は気まずそうな顔をする。

しかし自分も大変な中でバディのことを案じていたという事実が今のホミカにとっては何より嬉しい。


「ありがとう、ストリンダ―」

「ぎたあ!」


ライブ時のような爆裂スマイルにはまだ遠いが元気をダイブ取り戻した様子のホミカを見てマリィは安堵する。
そして同じく笑うモルペコの頬をつねってからホミカに話す。


「折角来てくれたし、ちょっとマリィともお話していかんと思って。毒ポケモンだったらあたしもパシオにドクロッグ連れてきとるし、ストリンダ―と同じ電気ポケモンもいるからさ」


訊けば自分がシャワーを浴びている間に確認としてネズから事情を聴いたらしい。
今日ホミカがストリンダ―とやっていたこと、ネズを訪ねた理由、こんなことになってしまった理由。


一通り話したところで話題は足元のにめんポケモンに移る。


「何よりも、モルペコに償いをさせないといけないし」
 ▼ 43 ースター@ふうせん 23/12/20 00:16:57 ID:Nt/kF2zw [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
柔和だった顔がモルペコに向けられ鋭い眼光が刺さる。

モルペコも自身の罪の重さを理解したこともあってかだらだらと汗を流し、引きつった笑みでぷるぷると口元を震わせた。


「うらら、う

「あたしじゃなくて」


マリィはわざとモルペコと目を合わせずにそう言いつける。
言われると同時、モルペコも間違いに気付いて謝ろうとする。

しかしホミカに謝りたいのと一緒に元気づけることもしたく、申し訳なさと笑顔の混ざった不格好な顔になってしまった。


「うれら? うらりゃ!」


もともとの責任はモルペコでなく自分にあるというのに、全責任を負って謝罪するモルペコ。

沈み込んだ空気に堪えきれなくなってホミカはつい吹き出してしまう。


「あははっ、別にあんたは


立場も弁えず笑い出したことにホミカはハッと口を塞ぐ。
目線を上げるとマリィは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに元気になってくれてよかったと微笑した。



お詫びとお礼をしたら、今度のライブはスパイクの兄妹と最高に盛り上がるライブがしたい。



今度こそ、二人とも体調を万全にして
 ▼ 44 ビエ@ミアレガレット 23/12/20 00:17:30 ID:kiesNf3w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いいね
 ▼ 45 ノムッチ@きんりょくのもち 23/12/20 00:20:19 ID:Nt/kF2zw [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
な ぜ か 
ホミカのそういうSSが見つからないので割と勢いで書いてしまいました

本編とポケマスの履修が甘いまま書いてしまったので口調やバックボーンは適当に補ってやってください

言い出しっ尿の法則は守ったので、他の人に書いてくれって言ってもいいですよね?
 ▼ 46 ゼリア@ワッカネズミのけ 23/12/20 00:22:34 ID:3gf.1/b6 NGネーム登録 NGID登録 報告
とてもよかった
名作すぎる
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