ハイダイ「必殺……ッ!」ハルト(来るか、高い他界《High Die》……ッ!)
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Nの暗い眼差しにアデクの体がピクッと震えた。
「え、N君」
だが、それ以上アデクはなにも言えなかった。アデクの口をNのコマンドが塞いでいた。
ロビーの中にランク99のハイダイ使いが入ってくる。
登場時演出がスキップされ、FIGHTの文字があらわになった。
ワシでプレイする・・・それだけはしないでくれ、頼む!
ハイダイの右殴が一気にアデクの膝の下に直撃する。
アデクとNは激しく抵抗した。ハイダイの顔に爪を立て、胸を叩いた。
───刹那。
真正面からのみ向けられていた殺意が、
──前方。
──後方。
──右方。
──左方。
──右前方。
──右後方。
──左前方。
──左後方。
──そして、上方。
分裂した九つの殺意は、それぞれの方角から、まるで突き刺すかのようにアデクを捉えた。
ハイダイ「───九死《Nine Die》」
九方向から"同時"に放たれる拳撃は、互いに干渉することなくアデクの急所を穿つ。
こめかみ、目頭、乳様突起、顎、喉、みぞおち、脇腹、金的、膝。
その全てを、僅かながらのズレもなく打ち抜いた。突然自分の体から力が抜けていくのをアデクは感じた。
K.O!!
「助けてくれ、アデク」
Nは囁きながらそう言って、コントローラーを手放す。それがアデクの体から力を奪った。
大きく足が広げられ、高い他界《High Die》がアデクの全身を貫いていく。
アデクは手の中で賞金を握りしめた。