【SS】イッシュ三国志:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】イッシュ三国志:ポケモンBBS

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【SS】イッシュ三国志

 ▼ 1 さん厨◆Y0TXrTESFs 15/12/29 16:59:43 ID:FtQJpbp. NGネーム登録 NGID登録 報告
前回の奴が放置した結果過去ログ送りになったので
一度完結した物を加筆修正したものです

〜1番道路〜

おじさん「お〜い、少年…そんな川沿いで何をしているんだね?」

その呼ばれた少年…彼はこの1番道路沿いの町カノコタウンに住む少年、トウヤである。

トウヤ「いえ、おじさん…僕はここで、貿易船を待っているんです。」

おじさん「貿易船…?」

トウヤ「ええ、僕はその貿易船の商人から、あるものを買いたいのです。」

おじさん「あるもの…?」

トウヤ「モーモーミルクです。」

おじさん「モーモーミルク…!?
少年、お前わかっているのか?
今のイッシュはミルタンクの生息数が減少しているから、
モーモーミルクはとても高価なものなんだぞぉっ!?」

トウヤ「はい、わかっています。
だからこそ、僕はこれまでカラクサタウンで働き続け、お金を貯めてきたのです。
それに…僕には病気がちの母がいます。その母に、ミルクというものを一回でも飲ませてやりたいのです。」

おじさん「わ、わかった…。
しかし気をつけてな。ここらにはならずものの集団…プラズマ賊が最近出没するからな。」
 ▼ 118 さん厨◆Y0TXrTESFs 15/12/31 22:10:46 ID:foBvLThY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒガナ「え、ええっ…!
あんな、遠い遠いシンオウ地方に封じる…!?」

チェレン「嫌なのか?
だったら、こっちは男三人…。」

ロジカ「我、女だったんですなwww」

チェレン「…あんなことをやって貰っても良いんだぞ?」

ヒガナ「…!」

ヒガナはシンオウ地方に封じられ、チェレンは支配下をそのまま手に収めることになる。

かくしてチェレンは自身の国…ラック国を建国する。

今ここに、イッシュ、ラック、ホワイ…三国が成立した。
 ▼ 119 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 00:20:36 ID:HbE/KDDQ [1/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
それから、10年もの時が流れた。

今や一大勢力と成上がったチェレンのラック国は、ヒウンシティに拠点を置き、トウヤのイッシュ国、Nのホワイ国と日々睨み合いを続けていた。

…………………………

〜イッシュ国〜

国王トウヤは、国を治めるに相応しい立派な青年へと成長を遂げていた。
だが、慕っていた母親は既に他界してしまっていた。

そんなある日、トウヤの元に一人の赤髪の青年が訪問した。
 ▼ 120 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 00:22:07 ID:HbE/KDDQ [2/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
トウヤ「果て…お主、我がイッシュ国に務めたいということだが、どこかで…お会いしたことがなかったかな?」

青年「フフ…スカイアローブリッジを壊した子ども、と言えば思い出して下さるだろうか。」

ベル「あ、もしかして君は…!!」

フラダリ「そうですよ。あの時のフラダリです。」

ベル「…なんか年齢の割りに老けてみえるね。」

フラダリ「気にしてるのです。言わないで貰いたい。
あなたこそ、身体は随分成長しておられるが、顔が…あの頃からあまり変わっておられぬな。
まぁ、それは良いとして…。
プラズマ賊を打ち倒したあの時のトウヤ殿の勇姿…あなたに仕える日を心待ちにしていました。
どうぞ、私を召し使えては頂けぬか。」

トウヤ「わかり申した。それに、お主とはずっと前からの仲であるしな。
これからは、私の為に存分に働いて貰いたい。」

フラダリ「ありがたいお言葉です、わが主よ。」

キョウヘイ「心強い仲間がまた一人増えましたな。」

そしてこの日に、イッシュ国は一旦崩壊するのである。
 ▼ 121 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 11:51:23 ID:HbE/KDDQ [3/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
あくる日。

キョウヘイ「…遂に、恐れていた自体が。」

そして…。

イッシュ兵「た、大変でございます!
スペトリ国が…兵を引き連れて我が国に攻めて参りました!あの国王のチェレンが自ら前身を取っております!!」

トウヤ「な、なんだと…!?」

すっかり平和ボケしたイッシュ国。狙うには最適の機会だったのである。

トウヤ「キ、キョウヘイ…どうすればいい?」

キョウヘイ「この日が来ることはわかっていましたが…この日、我がイッシュ国は崩壊を迎えるでしょう。」

トウヤ「!」

キョウヘイ「だが、これはある意味チャンスなのです。」

トウヤ「ど、どういうことだ?」

キョウヘイ「思うところあり、私は先に行っておりますが、直にこのカノコにも敵は攻めて来ますことでしょう。
国王、早くお逃げなさい。国民は多少犠牲となっても仕方ありません。」

キョウヘイは、一番道路へと向かって行った。
 ▼ 122 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 11:52:17 ID:HbE/KDDQ [4/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
スペトリ国はラック国の間違いです
 ▼ 123 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 11:55:29 ID:HbE/KDDQ [5/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
ベル「な、なに…あいつ!
前から嫌な奴だとは思っていたけれど、トウヤを置いて先に逃げるなんて!
やっぱりあいつはどこかおかしいと思ってたのよぉっ!!」

フラダリ「まぁ、キョウヘイ殿にも何か考えがあってのことでしょうが…。
まさか従事早々、こんなことになるとは…。」

トウヤ「チェレン…。」

カノコの入口には、既にチェレン率いるラック軍が大勢居たのであった。

チェレン「トウヤ…久しぶりだな。ベルも居るな。
フフ…僕たち三人が、またこの場に集った。」

ベルは眼鏡を掛けていたが、チェレンは眼鏡を外していた。

トウヤ「…ああ。ただ、違うのは…。
あの時は、お前は仲間であり…。」

チェレン「…今は互いに目障りな敵同士だ。
モモンの誓い、忘れてはいないよ。世に天下は、僕と君だけだ。」

トウヤ「…だから…。」

チェレン「ああ、僕は自分の信念に従い、このイッシュ国を打ち倒しに来た!
お前たち、このカノコタウンに火を放て!!」

ラック軍「ハッ!」

トウヤ「!」
 ▼ 124 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 11:57:30 ID:HbE/KDDQ [6/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
チェレンは、かつての故郷にもお構いなしに火を放させた。

ボオォッ…。

ベル「…火が。」

メラメラ…。

三人で誓いあった、モモンの園も燃えていく。

あの時の…全てが火に包まれた。

トウヤ「チェレンめ…ベル、君は僕と来い!
フラダリ、君は兵と国民を引き連れてシッポウシティに向かってくれ!
そこで落ち合おう!!」

フラダリ「ハッ!」

トウヤたちは二手に別れ、カノコタウンより逃れる。

チェレン「メンドーだな…。
あいつらを逃がすな、お前たち…追え!!」

ラック軍「ハッ!」
 ▼ 125 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 12:02:50 ID:HbE/KDDQ [7/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
ベル「エンブオー…ほのおのパンチッ!!」

エンブオー「ブオ〜ッ!!」ボオォッ

ベルは逃げながらも、追ってくるスペトリ軍と応戦を続けていた。ポカブはエンブオーに進化を遂げていた。

トウヤの足手まといにならぬよう…この10年で徹底的に己の技量を磨き上げたのだ。

しかし、いくらベルが強くなったといえども女性である。

ベル「ハァ、ハァ…。」

いつしか体力が尽き果てたベルは、トウヤとはぐれてしまっていた。

トウヤ「べ、ベル!?
おい、どこに行った…ベルウゥゥゥッ!!」
 ▼ 126 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 12:04:55 ID:HbE/KDDQ [8/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
チェレン「ロジカ将軍…この後、どうする?」

ボオォッ…。

カノコタウンは、激しく燃え上がっている。

ロジカ「まずはこのカノコタウンを再建させ、ここからシッポウシティを我がラック国の拠点の一部とするのが良いですなwww
そして、あいつらが例え逃げ切ろうとも…イッシュ国は崩壊www
あとはホワイ国を残すのみですなwww」

チェレン「トウヤ、あいつが生き延びたら、必ず厄介事の火種となる!
ここで…仕留めなくてはならない!!」
 ▼ 127 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 12:10:27 ID:HbE/KDDQ [9/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
ベル「ハァ…ハァ…。」

ベルは現在、一人であった。

エンブオー「ブオ〜…。」

息も切れ、足もおぼつかなく、エンブオーも体力を消耗している。今、敵に襲われたら…。

スペトリ軍「あ、いたぞ、イッシュ国の一将軍…ベルだ!
弱りきっている。チャンスだ。ここで仕留める!!」

ベル「…!」

ベルは、死を覚悟した。

その時。

フラダリ「カエンジシ、奴らにだいもんじだ!!」

カエンジシ「カエ〜ッ!!」ボオォッ

大の字に拡がる炎が、スペトリ軍を襲う。

ラック軍「う、うぅ…。」ドサッ…

ラック軍は倒れ、焼き焦がれる。

ベル「あ、ありがとう…フラダリ君。」

フラダリ「礼は良いです。それより、炎がどんどん広がっていきます。国民を引き連れここまで来るのも本当に苦労しました。
さあ、我が主がシッポウシティでお待ちです。幸いまだあそこまでは火は来ておりません!!」
 ▼ 128 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 12:13:16 ID:HbE/KDDQ [10/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜シッポウシティ〜

トウヤ「おお、ベル、フラダリ!
無事で…良かった…。
…これからどうしたものか…。」

すると…。

キョウヘイ「おお、我が主…ご無事で何よりです。」

キョウヘイが、トウヤたちの元へとやってきた。

ベル「あ、あんた!
私たちが、こんな思いをしたというのに…。
今までどこに行ってたのよぉ!!」

トウヤ「軍師!
どうしてここが…。」

キョウヘイ「スカイアローブリッジが封鎖され、そしてこの火の移り具合…逃れるのはここしかないでしょう。
さあ、敵に見つからぬよう来て下さい!
近くに船を停めておりますぬえ…。
今から私たちは、ホワイ国へと向かいます!!」

トウヤ「ホ、ホワイ国!?」
 ▼ 129 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 12:15:01 ID:HbE/KDDQ [11/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜数時間前〜

ヴィオ「久し振りの出番ですな。N様。」

N「ああ。このままフェードアウトしてしまうんじゃないかと不安だったよ。」

N(…なぜ目覚めてくれない。僕のライトストーンよ。
僕は国を造った。この地を良くし、あわよくば天下を統一しようと努めている。だのに…なぜ?)

その時、三強集のアダンがNの元へと報告にやって来た。

アダン「N様、申し上げます。」

N「どうした、アダン。」

アダン「先ほどタチワキに到着しました不審な船…。
中に乗っておりましたのは、あのイッシュ国軍師、キョウヘイでございました。」

N「なんだと?
すぐに…余に面会させるのだ!!」
 ▼ 130 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 12:18:51 ID:HbE/KDDQ [12/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
やがて。

N「キョウヘイよ。なぜ敵国と分かっていながら、我らホワイ国の元へとわざわざやって来たのだ?」

キョウヘイ「あなたにお会いするためでございます。ホワイ国王。」

N「ほう、なぜだ。申してみよ。」

キョウヘイ「あなたがたホワイ国と、同盟を結ぶためにてございます。」

N「!」

キョウヘイは全てを語った。

イッシュ国にラック軍が攻め入り、辺り一面が火の海と化したことを。イッシュ国が崩壊を招いたことも。

そして…。

キョウヘイ「この勢いでラック軍は次にあなたがたに攻め込むことでしょう。おそらく今の戦力差ではあなたがたに勝機はございますまい。
だから、同盟を結びそれがしを撃退致すのです。」

ヴィオ「う〜む。確かに我らは小さな国。イッシュ国再建の手伝いをすることになるのは癪に障るが…わかり申した。
あなたがたイッシュ国と同盟を結びましょう。」
 ▼ 131 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 13:16:40 ID:HbE/KDDQ [13/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
キョウヘイ「それに…。」

ヴィオ「なんじゃ?」

キョウヘイ「チェレンは、なんでもあなたの娘さんを狙っていると、噂で聞くとかなんとか。」

ヴィオ「な、なに!?」

その娘とは、かつてヴィオがフキヨセの町令の娘と結婚し誕生した娘…フウロである。

ヴィオ「あ、あの若造があぁぁぁっ!
成り上がりの身の癖して…私の可愛いフウロに手を掛けようというのかぁぁぁっ!!」

キョウヘイ「ええ。フウロさんは顔も可愛いし身体つきも良い…そりゃ年頃の男が放っておく訳がございませんよ。」

ヴィオ「う…うるさい、お前にフウロの何がわかるっ!
よぉし、こうなったら…あの憎きラック国を、骨も残さず喰らい尽くしてくれるわあぁぁぁっ!!」

N「お、落ち着くのだっ、ヴィオよ!!」
 ▼ 132 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 13:17:11 ID:HbE/KDDQ [14/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
キョウヘイ「…という訳でございます。」

トウヤ「よくチェレンがヴィオの娘を狙っていると知っていたな。」

キョウヘイ「いえ、知りませんでした。私の言ったことは全くのデタラメです。」

フラダリ「え?」

キョウヘイ「あのヴィオが娘を溺愛しているのは知っていましたから…そこに付け込んだだけです。」

ベル「うわぁ…最悪。」
 ▼ 133 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 13:30:01 ID:HbE/KDDQ [15/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜カノコタウン〜

ニック「あいつら…見事に生きてましたね。」

チェレン「そして、トウヤはホワイ国と同盟を結んだとか。
くそ…だから、あの時に殺しておきたかったんだ。」

アデク「ふ〜む。イッシュ・ホワイ連合軍は、こちらに攻め込んでくること間違いないでしょうな。
ならば、私たちは…イッシュ中央の島、ハイリンクにてこれを向かい打ちましょう。」

ロジカ「ああ、それが良いんですなwww
なにせ、私たちにはヒガナから奪ったあの水軍がおりますしなwww
シャガ水軍長、よろしく頼みますなwww」

シャガ「…。」
 ▼ 134 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 13:35:53 ID:HbE/KDDQ [16/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
決戦前日

〜トウヤサイド〜

トウヤ「軍師はヴィオの元に行ってしまったな。
ベル、フラダリ、ここまで僕に付いて来てくれたことを本当に感謝する。明日は討ち死にをも覚悟している。」

ベル「そんなこと言わないでよぉ。トウヤ。私はあなたのための強くなったのよ。
それにチェレン…カノコタウンを燃やすなんて、絶対に許せない!!」

フラダリ「あの日の自分とは違う。
今は仕えるべき主君を見つけた。力も付けた。
我が身朽ち果てるまで、お供をしますぞ。」

トウヤ「ベル、フラダリ…本当にありがとう。
必ずチェレンに打ち勝ち、イッシュ国を再建しようじゃないか…。」
 ▼ 135 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 13:36:59 ID:HbE/KDDQ [17/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜チェレンサイド〜

チェレン「ハイリンクであいつらを打ち倒し、天下を我が物としてやる。これはその祝杯だ。
…ウップ。慣れないことをするもんじゃないな。
しかし、こんな時にアデクがぎっくり腰になるとは。」

ニック「大丈夫ですよ、チェレン様、私たちがいるんですから。」

ロジカ「そうですなwww
なにも心配することなどありませんぞwww」

チェレン「ああ、わかっている。頼もしいな、お前たち。」
 ▼ 136 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 13:39:28 ID:HbE/KDDQ [18/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜Nサイド〜

N(確かに、このライトストーンは僕の血筋を示すものであるが…もしかしたらこの石は、僕ではない…誰かを待ち望んでいたのかもしれない…。)

だとしたら…。

…………………………

フウロ「トウヤ様…。」

…………………………

ヴィオ「この前はお見苦しいところをお見せしましたな。」

キョウヘイ「ハハハ。お気にならずに。
そうだ、ヴィオ殿。明日の戦い…考えている策を、共に一文字で表してはみませんか?
互いの手の平にそれを書き、合図で広げてみせるのです。」

ヴィオ「ハハハ。面白そうですな。やってみましょう。」

そして、二人は手の平にそれぞれ文字を書き、それを合図で互いに見せ合う。

そこに、書かれていたのは…。
 ▼ 137 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 13:40:42 ID:HbE/KDDQ [19/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
バッ。

ヴィオ「…!」

キョウヘイ「ハハハ。
考えている事は、お互い同じでしたな。」

二人の手に書かれていた字は、
共に『火』であった。
 ▼ 138 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 14:17:47 ID:HbE/KDDQ [20/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜ハイリンクの戦い〜

イッシュ、ホワイ連合軍は、町々のラック軍をなぎ倒し、チェレンたちが集うイッシュ中央の島…ハイリンクへとやって来た。

チェレン「遂に来たか…。
ラック軍、やつらを迎え撃て!!」

ラック軍「うおおおーっ!!」ドドド

アダン「フフ…。雑魚共め、わらわら向かって来おるわ。」

ミクリ「ここは…私たちが喰い止めよう!!」

そして、キョウヘイとヴィオには、なにやら作戦があるようだ。
 ▼ 139 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 14:22:36 ID:HbE/KDDQ [21/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
フラダリ「フン、こんな小童が私の相手だとは。」

ニック「あっ、お前…俺を馬鹿にしたなあっ!?
チェレン様に仕える実力…見せてやる!!」

《フラダリ vs ニック》

ロジカ「んんwww
この男は、我に夜の役割が持てますなwww」

ダイゴ「悪いが…僕は石だけしか興味はない!!」

《ダイゴ vs ロジカ》

シャガ「…こんな小娘までが…。」

ベル「おじさん、わるいけど…行くよ!」

《ベル vs シャガ》

チェレン「まて、トウヤ…お前を逃がしたのは僕のミスだ。
メンドーだが…ここで決着を付ける!!」

トウヤ「クッ…!」

《トウヤ vs チェレン》

かくして、各々の闘いが始まった。
 ▼ 140 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 14:40:08 ID:HbE/KDDQ [22/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
フラダリ「カエンジシ、だいもんじだ!!」

カエンジシ「カエ〜ッ!」ボオォッ

カエンジシは、ローブシンに向け炎を放った。

その炎は大の字に広がりローブシンを襲うが…。

ニック「ローブシン、かわせ!」

ローブシン「ロロ〜ッ!」サッ

フラダリ「つっ…カエンジシ、ガードだ!!」

フラダリは、咄嗟にカエンジシに守らせる。

ニック「ローブシン、マッハパンチ!!」

ローブシン「ローブウゥゥッ!」ガシュッ

ローブシンの攻撃を、ローブシンは耐え凌ぐ。

そのまま二匹は攻防を繰り返す。

ガキン、ギイィン…。

フラダリ「…なかなかやるな、小童よ。」

ニック「だから、小童って呼ぶなぁっ!!」

二匹の実力は均衡しているようだ。
 ▼ 141 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 14:43:16 ID:HbE/KDDQ [23/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
チェレン「ほら、どうした…トウヤァ!!」

ジャローダ「ジャロ〜!」ビシィ

トウヤ「く、くそっ…。
フタチマル、耐えるんだ!!」

フタチマル「フタァ…。」

力を追い求めるチェレンは、この10年間ポケモンを鍛えに鍛えてきたのだが…。

対するトウヤは、平和なイッシュ国を治める生活に慣れ、ポケモンを鍛えることを疎かっていた。

トウヤ「ハァ、ハァ…。」

フタチマル「フ、フタ…。」

防戦が精一杯で…まるで、勝負というものではなかった。

チェレンによる一方的な展開であった。
 ▼ 142 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 14:47:36 ID:HbE/KDDQ [24/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
ダイゴ「メタグロス、メガシンカだ!!」

メタグロス「メタメタ〜!」キュイィン

ダイゴのメガラペルピンとメタグロスのメタグロスナイトが反応する。

メタグロスの身体が光に包まれ、今…。

メガメタグロス「メ…タァ〜ッ!」ドドォ

メガメタグロスへと、メガシンカを遂げた。

ダイゴ「メガメタグロス、コメットパンチ!!」

ロジカ「んん、我のヌメルゴンはHC振りですぞwww
そんなもの、余裕で耐えるんですなwww
ヌメルゴン、かえんほうしゃですぞwww」

ユメルゴン「ヌメ〜ッ!」ボオォッ

ドガッ、ボオォォ…。

両者は、攻撃を真っ向から受け止め合い勝負を続ける…。

互いに、どんどん体力が削られていった。
 ▼ 143 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 15:08:40 ID:HbE/KDDQ [25/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
N「待てっ、ギギギアル…ギアソーサーだ!!」

チェレン「!」

ドガッ。

ジャローダのフタチマルへの攻撃を、Nのギギギアルが遮った。

トウヤ「え、N…。
あ、ありがとう…。」

チェレン「ああ、そうだったな。
目障りな奴は、もう一人…居たんだったなあっ!!」

N「同盟を組んだのもあるが…それ以上に…。
チェレン、お前に用がある…。」

チェレン「…なんだと?」

トウヤ「…?」
 ▼ 144 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 15:17:15 ID:HbE/KDDQ [26/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
ベル「エンブオー、ヒートスタンプ!!」

エンブオー「エンブー!」ドドッ

エンブオーの巨体が、オノノクスにのしかかる。

確かにベルは、かつてプラズマ賊と戦った時よりは、比べ物にならぬ程強くはなった。

だが…。

ジャガ「オノノクス、そいつを受け止めろ!
そして、ドラゴンクローを近距離で喰らわせろ!!」

オノノクス「オノー!」ザシュッ

ベル「!」

ドシャ…。

ベル「エ、エンブオー…。」

シャガには長年培った経験がある。
まだ若いベルには、それがあまりにも不足していたのだ。
ベル側が、やや押されながらの攻防である。

エンブオーは、思わずダウンを許してしまうことになる。
 ▼ 145 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 15:22:56 ID:HbE/KDDQ [27/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
チェレン「…僕になんの用だ?
ヘクス国王。」

N「まず、話をしたい。
そもそもかつてのイッシュ国を造った双子の英雄。その兄の血筋を僕が、弟の血筋をトウヤが引いている。」

トウヤ「ああ、前日話をNとしたのだ。僕はその証、ダークストーンを…。」

N「そして僕は、ライトストーンを所有している。
ただ、僕は気付いたのだ。
血は引いているが、英雄になる真実を追求する資質。いや、野望は僕にはないと。」

チェレン「…。」

N「僕の本来の役目…。それは、国を造りこの地の平和を築き上げること。
そして、このライトストーンを…本当の真実の追求者が現れるまで守り切ることだったんだよ。」

チェレン「…何が言いたい?」
 ▼ 146 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 15:26:12 ID:HbE/KDDQ [28/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
ベル「な、なぜ…なの!?」

エンブオー「ブオ〜…。」

その頃、ベルはシャガに問いかけていた。

オノノクス「オノ…。」

無理もない。
なにせ、戦っていた相手が突然攻撃の手を止めたからだ。

シャガ「フフ…これ以上悪戯に戦っていても、あやつの思う壺ではないのか?」

ベル「…!
あなた、まさか…!?」

シャガ「味方に悟られぬよう…こっそり聞いてくれ。」

水軍長、シャガ。
彼の運命もまた、変化を遂げようとしていた。
 ▼ 147 トモシ@ていこうのハネ 16/01/01 15:59:52 ID:HbE/KDDQ [29/59] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
Nが放った言葉は、驚愕のものであった。

N「わからないのか?
ライトストーンは…今まで君を求めていたんだ。」

チェレン「…!」

トウヤ(…あの時。)

《チェレンがあんな風に、力こそが「真実」だと…。》

トウヤ「僕は既に…気づいていたのかもしれない。」

《いつかお前の力を認めた時に、そのドラゴンポケモンが目覚めて共に闘うのだと。》

《世に天下は僕と君だけだ。》

チェレン「…。」

《あなたの持つそのライトストーン…。
それこそあなたがこの地の覇者となるに相応しい証。》

《なぜ目覚めてくれない。僕のライトストーンよ。》

N「正直、複雑な思いだが…。
君と対峙した時、このライトストーンが反応したことで確信した。」

《例え立場が違えども、国救う気持ちは皆同じ!》

N「君こそ…このライトストーンを持つに相応しい、真の英雄だったんだよ。」
 ▼ 148 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:05:14 ID:HbE/KDDQ [30/59] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
〜高台〜

キョウヘイ「よし、そろそろ良い具合だ。この時を待っていた。」

ヴィオ「凄いですな、キョウヘイ殿。この日の風向きまで予測しておられたとは。」

ヴィオ(N様…。)

キョウヘイ「…どうかなされたかな、ヴィオ殿。」

ヴィオ「いえ、なんでもござらんよ。
よし、では…お願いしますぞ。」

キョウヘイ「わかり申した。
シャンデラ、あの風に向かって…ねっぷうだ!!」

シャンデラ「シャシャ〜ッ!」ボオォッ

シャンデラは、熱風を放った。
 ▼ 149 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:09:17 ID:HbE/KDDQ [31/59] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
チェレン「…だが、まだ君の力をライトストーンを認めきってはいない。トウヤのダークストーンもそうだ。」

トウヤ「…まだ、僕の力を…。」

N「いつか君らがまた対立するその時まで…。
さあ、チェレン…このライトストーンを受け取ってくれ。」

チェレン「…。」

チェレンは、Nからライトストーンを受け取った。

N「そして、もうそろそろかな。作戦が…始動するのは。」

チェレン「…なっ!?」

ボオォッ…。

その時である。

チェレン「!」

ハイリンクの元へ、高温度の熱風が到来した。
 ▼ 150 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:12:45 ID:HbE/KDDQ [32/59] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
N「さぁ、トウヤ…ギギギアルに飛び乗れ!
この場から…逃れるぞ!!」

トウヤ「わ、わかった!」シュタッ

チェレン「ま、待てっ!」

ダダッ…。

トウヤたちは、ハイリンクから逃げ延びたようだ。

ラック軍「ぎゃ…ぎゃあぁぁぁっ!!」

チェレン「くっ、我が主力たちが焼け焦れていく…。」

ニック「くそぉっ、あのおっさん!
僕との戦いを放棄して逃げやがった!!」

ロジカ「んんwww
まさか、服を脱ぎ捨て我を興奮させたのに紛れて逃げ切るとは…さすがですぞwww」

ロジカの鼻血は、未だ止まらない。

チェレン「…!
シャガが居ない…あいつ、もしや…。」
 ▼ 151 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:16:55 ID:HbE/KDDQ [33/59] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
シャガ「ヒガナにかつて使え…軍の指揮権をチェレンに奪われ…私は転々とした人生を送ってきた。もうそろそろ落ち着くべき場所を求めていたのだ。
しかし、私はあのチェレンという若造がどうもいけすかなかった。
それに、ベル殿…あなたのようなお若き女性までもが戦前に赴くイッシュ国の人材不足…戦士として見てはいられなかったのですからな。
私も、トウヤ殿にお仕え致すことにしましょうぞ。」

トウヤ「感謝するぞ、シャガ。
そして、チェレン…。
今はその時ではなかったが、あいつとはいずれ…雌雄を決することになりそうだ。
さあ、手薄な今を攻め、イッシュの領土を取り戻そう!!」

その後トウヤたちはイッシュの国土を取り戻し、更にNたちと共に手薄なスペトリ国の領土を奪うことに成功した。

その結果、三国の勢力図は大きく変わることになる。

そして…。
 ▼ 152 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:20:55 ID:HbE/KDDQ [34/59] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
〜ヘクス国〜

トウヤたちは、Nたちと共に歓迎の宴会を開いていた。
しかし、肝心のNの姿はない。

キョウヘイ「ハハハ。ヴィオ殿。あなたのおかげで、イッシュ国を再建することができ、それに更なる領土の拡大をもすることができました。」

ヴィオ「いや…なに、キョウヘイ殿が事前の天候からあの追い風を予測していらしたからです。
そしてトウヤ殿…あなたに、我が娘を貰って頂きたい。」

トウヤ「な、なんと!」

ヴィオ「これからの互いの国の発展を望み、あなたに貰って欲しいのだ。
それに、考えてみたら…娘はもう私の元を離れ、巣立っていく歳なのだ。いつまでも、私の元に置いていてはおかしいのだと気付いた。
どうか、どうか…娘のこと、よろしくお願いしますぞ。」
 ▼ 153 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:25:21 ID:HbE/KDDQ [35/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
フウロ「トウヤ様…ふつつかな者ではございますが、末永くよろしくお願いします。」

トウヤ「いやいや、こちらこそ。しがない国の長ではあるが…そんな私を、これから支えていってほしい。
ヴィオ殿、フウロさんを必ず幸せに致します。」

ベル「…うん、おめでとう、トウヤ!」

トウヤ「ああ、ありがとう、ベル。」

ベル「トウヤ…おめでとう、本当におめでとう…。」

トウヤ「?」

トウヤは気付かなかった。
ベルの瞳から、涙が零れ落ちていたことを。

私とトウヤは幼馴染。国王は私の主君。それだけの関係だった筈だ。
そう…それだけの…それ以上なんて…理解はできていたつもりだった。
だが、しかし…。
ベルは…この溢れ出る感情を抑えることはできなかった。

…………………………

トウヤはフウロを連れ、イッシュ国へと帰還した。
これからカノコタウンを復興させるのに忙しくなることだろう。

そして、数日後。
Nに、ヘクス国に…。

悲劇が訪れることとなる。
 ▼ 154 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:26:04 ID:HbE/KDDQ [36/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘクス国はホワイ国の間違いです
 ▼ 155 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:41:06 ID:HbE/KDDQ [37/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
それは、とある早朝の出来事であった。

N「うん…よく寝た。
お〜い、ヴィオ…いるか?
これからイッシュ国に訪問し、同盟を結んだ身としてカノコの復興を手伝いをに行きたいのだが。」

だが、呼べどもヴィオの姿は現れない。

N「…ん?」

そればかりか、血の臭いまで漂ってきた。

N(何か…おかしい。)

そしてNは、血の臭いの元へと向かったのだが…。

N「…!
ヴ、ヴィオ…。」

そこには、倒れているヴィオと…三強集の一人、アダンの姿があった。

N「ヴィオ、どうした…な、なんで倒れている…?
それに、そこにいるのはアダン!
貴様、ヴィオに…何をしたあぁぁぁっ!!」
 ▼ 156 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:44:36 ID:HbE/KDDQ [38/59] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
アダン「N様、それでは困るのですよ。あいつらは、あの時に殺して置くべきだったのです。
イッシュ国と同盟を結んだことは、まさに愚かなことであったと言うべきを得ない。奴等はいずれ強大な勢力となり、目の上のたんこぶになりかねないのですからな。」

N「…なにを。」

アダン「それにN様、先日の宴会で席を外し我々と会話を交わした際に聞きましたぞ?
あなたはもうライトストーンを所有していない、只の弱小国の王とだけに成り下がったと。」

N「!」

アダン「そんな奴はもう国の長には成り得ない。このままでは、この国は直に崩壊を迎えることだろう。
三強集とは既に話は付いた。…お前を殺すことのな。」

N「馬鹿なっ!!」

アダン「さあ、ミクリ…。こいつを、やってしまうのだ。」

ミクリ「はっ…師匠。」

N「…!
いつの間に後ろに…!!」

次の瞬間。

ドボッ…。

N「グッ、ハァッ…!!」

アダン「これからは、私が王となる!!」
 ▼ 157 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:47:57 ID:HbE/KDDQ [39/59] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
Nの脳内には、走馬灯が浮かんでいた。

《ほう、こいつは…孤児なのか。それに、こいつの持っているこの石は一体…。
まあいい、連れ帰って我が野望に利用するとしよう。》

《ポケモンの言葉がわかる!?
こいつ…薄気味悪い餓鬼だぜ!》

《この子は、とてもピュアな心を持っている。
善にも悪にも染まる、危ういものを…。》

《我が息子よ、ここがお前の空間だ。》

《プラズマ賊がイッシュ国を打ち倒したぞー!》

《N様、私も共にお供致そうぞ。》

《N様の政治は、まさに理想のものです。本当に…ありがとうございます。》

《N様、私はどこまでもあなたのお側に付きましょうぞ。》

N「…。」



《…ありがとう。》
 ▼ 158 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:51:50 ID:HbE/KDDQ [40/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
N「…ぐはっ。」

ガクッ…。

…この地の理想郷を掲げた若き国王…ナチュラル・ハルモニア・グロピウス。
今ここに、その生涯を閉じる。

享年28である。

彼もまた…英雄であったのだ。

アダン「ギャ〜ハハハハハッ、あの目障りな若造が消えて清々したわい!
これからこの国は私のものとなる!
今より…私の天下が始まるのだあっ!!」
 ▼ 159 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 16:54:48 ID:HbE/KDDQ [41/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
Nを慕っていた部下の情けにより、Nの遺体はヴィオと共に埋葬された。

この墓は双子墓と後に伝えられる。

…………………………

〜イッシュ国〜

トウヤ「なんだと!?
三強集が謀反を起こし、Nとヴィオを…殺害しただと!?
あぁ…なんということだ。
当然、同盟は破棄されただろう。」

フウロ「そんな…お父様が…。」

今思えば、ヴィオがこのタイミングで娘をトウヤに託したのも、何かの運命だったのかもしれない。

こうして、イッシュ、ラック、ホワイの三国は、その後、長きに渡り睨み合いを続けることになる。



そして、二年の歳月が経過した。
 ▼ 160 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 17:02:11 ID:HbE/KDDQ [42/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜スペトリ国〜

ハイリンクの戦いでの惨敗から、ラック国は勢力を縮めることになってしまった。

だが、チェレンは密かに再起、そして迫りくるトウヤとの決闘に向け、着々と準備を整えていた。

しかし…。

チェレン「うっ…。
ご…ごほっ…あ、あぐぁっ…。」

ビチャ…。

鮮血が飛び散る。

この頃からチェレンの身体を、病魔が蝕んでいたのだ。
長年の無茶が祟ったのである。

自分には…もう時間がないのかもしれない。

チェレン「…。」

チェレンは、ライトストーンを握りしめていた。

このライトストーンが目覚める日、それが…。
 ▼ 161 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 17:10:00 ID:HbE/KDDQ [43/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜イッシュ国〜

トウヤはロットとアスラにカノコタウンを任せ、拠点をヒウンへと移していた。
キョウヘイの判断力と優れた頭脳のおかげで、イッシュ国はますますの発展を遂げていたのだ。

スペトリと睨み会うホドモエシティにはベルを置いている。
これはベル自身の頼みでもあった。
あれからベルは、イッシュ国を守ることのみに拘り続けた。
それが、自分の存在意義であるかのように。

トウヤには娘が産まれていた。
名はアイリス。可愛い娘である。
 ▼ 162 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 18:21:21 ID:HbE/KDDQ [44/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜ホワイ国〜

アダン「イッシュ国で一番厄介なのは、あの…キョウヘイの存在だ。ラック国はキョウヘイの罠にたった一回引っ掛かっただけで、ああまで落ちぶれたのだ。
フフ…。しかし、我等にはあなたが居る。
少なくとも、五分五分までは持ち込むことができるかもしれないな。」

???「はい…アダン様。」

ホワイ国は新たな軍師を迎え入れたらしい。
加えて、ラック国も…最近ボケてきたアデクの代わりに軍師を迎え入れたとか。

そして…チェレン、あいつとの決闘も、迫り来ているのがわかる。

恐らくその時に…。

この、ダークストーンは…。
 ▼ 163 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 20:18:31 ID:HbE/KDDQ [45/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして、数日後…。

トウヤ「…!」

なにかが違う。
いつもとは、何かが…。

トウヤ(なんだ、この…感覚は…?)

このダークストーンも、どこか、自分を…導いているように思える。

なぜかはわからない。

ただ、自分は行かなければならないという使命感があった。

それがどこなのかは自分自身よくわからなかったが…。
とにかく、私は行かなければならないのだ。

トウヤ「…。」

バタン…。

トウヤはフラフラと、単身…国を後にした。

ダイケンキ「ダイ…。」

フタチマルは、ダイケンキへと進化を遂げていた。
 ▼ 164 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 20:22:06 ID:HbE/KDDQ [46/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜ラック国〜

チェレン「…!」

チェレンもまた、トウヤと同じような感覚を感じていた。


このライトストーンが、自分をどこかへ導こうとしている。

もしかしたら、この日が…。


???「我が主よ、どこへ行かれるのです。」

チェレン「あ、あぁ…。軍師よ。
ちょっとした、散歩に行くのだよ…。」

…。

チェレン「そう、ちょっとした…ね。」
 ▼ 165 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 21:19:27 ID:HbE/KDDQ [47/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜アイアントの塚 登頂部〜

ここは、かつて双子の英雄が対立を深め、雌雄を決したといわれる、古の聖地である。

そして、トウヤは…この場所へと訪れていた。

どうしてこんなところに、とトウヤは思った。
だが、フラフラと何かに導かれるように歩く内に、ここへ辿り着いてしまったのだ。

そして、もう一人…。
同じように、登頂部へと登ってくる人影があった。

その人影とは…。

トウヤ「!」

チェレン「トウ…ヤ…。」

そう、チェレンである。

チェレン「…まさか、お前も…?」

トウヤ「…あぁ、そうだよ。僕も、なぜかここへフラフラと来てしまった。」

チェレン「…久しぶりだな。お前とこう、二人きりで会うのは。
いや、あの時は…ベルも居たか。」

二人は、なぜかいがみ合おうとはしなかった。
かつての旧友と出くわし、そして、語り合う。そんな、当たり前のことができていたのだ。

その時…。
 ▼ 166 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 21:43:20 ID:HbE/KDDQ [48/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
トウヤ「!」

チェレン「なっ…。」

キュイイイイ〜ン…。

二人の持つストーンが突如浮かび上がり、辺りの大気を吸収し始めたのだ。

ピカァ…。

ストーンの周辺を、神々しい何かが包み始めた。

ゴゴゴゴ…。

トウヤ「お、おお…。」

チェレン「こ、これは…。」

そして、二つの…。

いや、二匹のドラゴンポケモンは…。


今…。



解き放たれる…!!
 ▼ 167 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 21:50:20 ID:HbE/KDDQ [49/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
トウヤ「あぁ…。」

チェレン「これは、ポケモン…?」

やがて、それぞれのストーンは二匹のドラゴンポケモンに変貌を遂げ、各々の元へと降り立った。

白きポケモン、レシラムはチェレンの元に。

黒きポケモン、ゼクロムはトウヤの元へと。

レシラム「モエルーワ!!」

ゼクロム「バリバリダー!!」

二人は瞬時に理解する。

トウヤ「こ、これが…!」

チェレン「伝説の…ドラゴンポケモン!!」
 ▼ 168 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 21:51:56 ID:HbE/KDDQ [50/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
伝説のドラゴンポケモンたちは、古の塚の大気を取り込むことにより、現代に復活を果たしたのだ。

今、ドラゴンポケモンたちが二人を招いた理由は断言できない。

ホワイ国の存在だったのであろうか。

チェレンに残された時間が残り少なかったからなのであろうか。

ただ、言えることは…。

二人はここで、今までの全てにケリを付けなければいけないということだ。
 ▼ 169 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 21:56:18 ID:HbE/KDDQ [51/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
《いつかお前の力を認めた時に、そのドラゴンポケモンが目覚めて共に闘うのだと。》

二人は、かつての言葉の意味するものをようやく理解した。

自分たちは今、英雄と認められたのだ。

真実、理想。二人が目指したもの。
もう…引くことはできない。

ダイケンキ「ダイ〜…。」

ジャローダ「ジャロロ〜…。」

トウヤ「…お前たちは見ておくんだ。」

チェレン「僕とトウヤ、果たしてどちらが真の英雄なのか。
これから…。」

トウヤ「…そう。」

チェレン「決着を…付けてやるっ!!」

トウヤとチェレンの、最後の闘いがはじまる。
 ▼ 170 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 23:24:55 ID:HbE/KDDQ [52/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜古の塚での決闘〜

トウヤ「ゼクロム、ドラゴンクロー!!」

ゼクロム「バリバリダ〜ッ!」グワァッ

ゼクロムは、レシラムを自身の爪で引っ掻きにかかるが…。

チェレン「よけろ、レシラム。
そして…りゅうのいぶきだ!!」

レシラム「モエル〜ワッ!」ボオォッ

レシラムはそれを避け、ゼクロムに息を吹きつける。

トウヤ「ゼ、ゼクロム…!!」

ゼクロムは、まともに攻撃を喰らってしまう。
やはり、チェレンの方が戦闘の上手だ。

トウヤ「ゼクロム、レシラムにしねんのずつきだ!!」

だが、トウヤにはチェレンにはない粘り強さがある。
とっさにレシラムに対し、反撃にかかった。

チェレン「うっ…ごほっ…。
レ、レシラム…ゼクロムに、じんつうりきだ!!」

二匹の攻撃がぶつかり合う。
そう、これは…互いに引けぬ戦いなのだ。
 ▼ 171 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 23:31:19 ID:HbE/KDDQ [53/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
ドガッ、ドコッ、ボスッ。

攻めては守り、互いにほぼ互角の勝負である。

チェレン「…うぅ。」

ただ、チェレンの意識は朦朧とはしていた。

トウヤ「ゼクロム、きりさくだ!!」

ゼクロム「バリイィィィ〜ッ!」ドシャッ

チェレン「レシラム、負けずとこちらもきりさけっ!!」

レシラム「モエ…ルウゥゥゥワアァァァッ!」ザシュッ

ガキッ、ドガッ、ドゴォン。

かれこれ何十分は経ったのであろうか。
闘いは、ほぼ均衡状態であった。

チェレン「…いよいよだな。」

そして、チェレン側が…大きな攻撃に出ようとしていた。
 ▼ 172 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 23:36:09 ID:HbE/KDDQ [54/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
チェレン「レシラム…クロスサンダーッ!!」

レシラム「ンバーニングガガッ!!」ボオォッ

チェレンは、満を持して必殺技を繰り出そうとしていた。
ゼクロムの疲労を待っていたのだ。

だが…。

トウヤ「ゼクロム、こちらも…クロスサンダーだぁっ!!」

ゼクロム「バリバリッシュッ!!」バリリィッ

チェレン「!」

そう、トウヤもまた…レシラムが技を繰り出し隙を作る、その瞬間を待っていたのだ。

そして…。

ドッゴオォォォン…。

巨大な炎と雷が、今…交差した。
 ▼ 173 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 23:43:03 ID:HbE/KDDQ [55/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
モクモク…。

衝撃で生じた煙が消え去っていく。

最後に立つのは…。

トウヤ「ハァ、ハァ…。」

チェレン「うっ…。」

ゼクロム「バリリ…。」

レシラム「バァァ…。」

チェレン「…!」

チェレン(レシラム…。)

レシラム「バ…ァァ…。」


ドサッ…。


レシラムが今、倒れ…最後まで立っていたのはゼクロム…。

トウヤ「あ、ありがとう…ゼクロム…。」

つまり、トウヤが…勝利したのである。
 ▼ 174 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 23:47:13 ID:HbE/KDDQ [56/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして…。

チェレン「フ、フフ…。
僕は、僕は…負けたのか、トウヤ…。君に…。」

トウヤ「…。」

チェレン「そうか、つまり…。
君が、真の英雄だったと…言うわけか…。」
…!
ゴ、ゴホッ…ゲボッ…!!」

トウヤ「チェレン、君は…もういつ倒れてもおかしくはなかった筈だろう…?
その咳一つでもわかるよ。
それなのにレシラムに的確な指示を出せた…。
とても僕にはそんなことはできない。それに…。」

チェレン「…?」

トウヤ「僕は君に…謝らなければならない。」

チェレン「!」
 ▼ 175 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 23:50:51 ID:HbE/KDDQ [57/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
トウヤ「あの時、僕が逸れなければ…。
僕が逸れずに君といれば、僕のお父さんを守れたのかもしれない。君が道を踏み外すこともなかったのかもしれない。」

チェレン「…。」

トウヤ「…。」

チェレン「…ハハ…。
ト、トウヤ…君の…そういうところが甘いんだ。
ゴホッ…うっ、そんな考えだったら…あの場にたとえ居たところで、うぅっ…君のお父さんなど、救えなかったさ。」

トウヤ「チェレン…。」

チェレン「ハ、ハハ…トウヤ、お前は甘いんだ。
僕に謝るなんて…。
うぅ…グスッ…あ、甘いんだよぉ…。」

ポロ、ポロ…。

チェレンの瞳からは、涙が溢れ出ていた。
 ▼ 176 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 23:56:04 ID:HbE/KDDQ [58/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
その時。

イッシュ軍「い、いたぞ〜!
国王だ。それに敵国の王、チェレンもいたぞ〜!!」

トウヤ「わ、我が兵…どうしてここに!?
そ、それに軍師…お主まで!!」

キョウヘイ「国民の聞き込みにより、我が主がここへ向かったということがわかりましたので。本当に、無事でようございました。
そして、そこに居るチェレン…。
なぜ居るのかはわかりませんが、今が仕留めるチャンスではないのでしょうか?
彼は弱りきっています。」

トウヤ「いや、彼を…この場から逃がしては貰えないか?」

キョウヘイ「!」
 ▼ 177 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/01 23:56:52 ID:HbE/KDDQ [59/59] NGネーム登録 NGID登録 報告
トウヤ「王の頼みだ。」

トウヤは、キョウヘイの眼をただ見続けた。

キョウヘイ「…わかり申した。
どんな事情があったのかは後に聞くことに致しましょう。」

トウヤ「感謝するぞ、キョウヘイ。」

チェレン「…。」

トウヤ「チェレン…。」

チェレン「じゃあな…トウヤ。
ベルに、よろしくと言っておいてくれ…。」

チェレンはそう言い残し、レシラムの背中に乗りラック国へと飛び立っていった。

トウヤはその姿を…いつまでも見続けていた。
 ▼ 178 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:01:36 ID:z3Jyg1kU [1/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
時と言うものは、誰にも止めることはできない。
たとえ…一世を風靡した者であってもだ。

…………………………

〜数日後 スペトリ国〜

スペトリ兵「ニ、ニック将軍!
大変でございます!!」

ニック「どうした?」

スペトリ兵「国王が…危篤でございます!!」

ニック「な、なんだと!?」

スペトリ兵「以前より病気を患っていたことは、ご承知の通りですが…。」

ニック「恐れていた事態が、とうとう…。
す、すぐに王の部屋に案内致せ!!」
 ▼ 179 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:07:14 ID:z3Jyg1kU [2/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜王室〜

チェレン「ゴホッ…ゴホッ…。」

チェレンの顔は、真っ青であった。

ニック「チェレン様…。」

チェレン「ニック、お前と僕は昔からの付き合い。兵たちはお前に全て任せる。そして、これからの政治は“あやつ”に任せろ。
僕の子どもはまだ若く、国をまだ治めることはできないからな。」

ニック「そんな、弱気なことを申されるな…。」

チェレン「いくら僕でも、運命には逆らえないのだ。
そして、敵国だが…まだカノコは完全には復興していない。復興作業に我が兵たちも参加させろ。あのモモンの園もな。
ニック、ジャローダのこと、よろしく任せた。
レシラムは…レシラムはどこに居る?」

ニック「いえ、姿は見かけませんが…。」

チェレン「そうか…。
レシラムも、僕の運命を悟ったか。
また石に戻り、新しい英雄を待ち望んでいるのだろう。」

ニック「チェレン様…。」

チェレン「もう良い。お前は戻れ。
僕は疲れた。少し横になることにする…。」
 ▼ 180 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:09:37 ID:z3Jyg1kU [3/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
だが数時間、チェレンは息を引き取ることになる。

大勢の兵たちに見守られながらの死去であった。

ニック「…チェレン様。」

ニックは、涙を止めることができなかった。



力こそ真実と信じ、乱世を駆け抜けてきた若き英雄。
時に、チェレン…享年26歳であった。
 ▼ 181 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:11:59 ID:z3Jyg1kU [4/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
チェレンが生前に残した軍師とは…。

ヒュウ「…さて、先帝のお言葉に則り、息子たちの中から後継者を選びたいと思うが…。
しかしこの息子たち、年齢の割りに老けてるな、オイ…。」

かつてライモンシティでトウヤたちと会話を交わした、あのヒュウである。

ヒュウ「そして、新戦力も加えた。
デント将軍、あなたの才能を見込んでスラム街で呑んだくれていたところを拾ってやったのだ。その恩を返すために、しっかりと働いてくれよ。」

デント「う〜い…。
その前にぃ…酒、飲ませてよぉ…。」
 ▼ 182 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:13:54 ID:z3Jyg1kU [5/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜イッシュ国〜

トウヤ「そうか…。チェレンが…。
…。
ベルが帰ってきたら、伝えなければならぬな。」

キョウヘイ「…我が主、お気持ち察しますぞ。」

トウヤ「軍師、人の生というのは…儚いものだなぁ。
お前がいたからイッシュ国を取り戻せたし、ここまで発展させることができた。本当に感謝する。
そして、もし…私が…。」

キョウヘイ「?」

トウヤ「いや、止めておこう。」

キョウヘイ「あのヒュウの奴め…そして、我が妹も…。
ラック国は後継者を選び、新体制を整えている。そしてホワイ国…最近不穏な空気を漂わせていますな。
この両国の動向にも目を配らなければなりません。」
 ▼ 183 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:16:03 ID:z3Jyg1kU [6/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜ラック国〜

ヒュウ「先帝の息子たちは非凡ではあるが、一人残らず欠点を抱えている。
長男のサカキはやや粗暴な性格。
次男のアカギは人見知り。
三男のマツブサは身体が弱く、病床に臥している。
さて、どうしたものか。」

ニック「う〜ん、僕はサカキ様が良いと思うな。
やっぱ武力だよ、武力!
あ、おいアデクさん、ご飯をこぼすな!!」

ロジカ「んんwww
我は、アカギ様が格好良くていいと思いますぞwww
人見知りというのも実にそそられますなwww」

デント「う〜ぃ…。
テキトーにぃ、マツブサ君でぇ…い〜んじゃなぃのぉ〜?」

ヒュウ「ダメだな、こりゃ。」
 ▼ 184 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:17:49 ID:z3Jyg1kU [7/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜ホワイ国〜

アダン「それで、ホドモエに攻め込む準備はできたのか?
メイ殿。」

なんと、キョウヘイの妹…メイが軍師としてゲースィ国に召し使えられていたのである。

メイ「はい。
あの邪魔な女を倒す算段も…既に考えております。」
 ▼ 185 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:19:51 ID:z3Jyg1kU [8/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜スペトリ国〜

ニックはサカキを、ロジカはアカギを、デントはマツブサをそれぞれ推していた。

アデク「なんならワシが王になろうかのう。ひゃひゃひゃひゃ!!」

ニック「アデクさん、ふざけないで下さい。
それに、そこはお風呂じゃありませ…うわ、なんでもう脱いでるんですか!!」

アデク「うん、いや…だって…。
風呂に入るんだから、脱ぐのは当たり前じゃろう?
ほら、お主も脱ぐのじゃ。」

ニック「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

デント「ぅ〜ん、ぁのじ〜さん騒がしいなぁ。古株だが何だか知らなぃけど…せっかくの酒が不味くなってしまうじゃなぃかぁ。
そぅだぁ、せっかくだしぃ…マツブサ君にでも会って来よぅかなぁ。」
 ▼ 186 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 00:21:39 ID:z3Jyg1kU [9/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜マツブサの部屋〜

デント「ぉ〜ぃ、マツブサく〜ん、よろこべ〜。
もしかしたら君がぁ、王様になれるかもしれなぃよぉ。」

マツブサ「…!」

デント「それだけだよぉ。じゃ〜ね〜。」

そしてその夜、マツブサは自害を遂げてしまう。
 ▼ 187 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 01:43:11 ID:z3Jyg1kU [10/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒュウ「この馬鹿者がぁっ!
なんということをしてくれたのだ!
彼は病弱で気が弱かったから…いきなりそんなことを言われたらああなるのは目に見えていただろうがぁっ!!」

デント「すぃませ〜ん…。」

ヒュウ「まあいい、終わったことだ。
さて、困ったぞ。
あの二人…果たしてどちらを王の座に着かせるべきか。」
 ▼ 188 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 01:47:19 ID:z3Jyg1kU [11/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
悩みに悩んだ末、ヒュウは結論を出す。

ヒュウ「よし、決めた。次の王は、アカ…。」

サカキ「待てっ!」

ニック「あ、サカキ様!」

ヒュウ「いや、サカキ様。待てと申されても…。」

サカキ「長男の僕を差し置いて、アカギを王に指名しようとは何事だ!
そんなの…断じて納得しないぞ!!」

ヒュウ「では、この際はっきりと申そう。サカキ様…あなたは少々粗暴が過ぎるのだ。
先帝と同じ、いや…それ以上の暴力主義者。
あなたの才能は、優れてはいます。
しかし、これからの国の在り方というのは、それでは駄目なのだと私は考えております。
その分、アカギ様は温和な性格ではあるが、あなたよりは国を治める能力に長けておられる。そう判断したまでです。」

サカキ「ムムム…。」

サカキはしばらく黙りこくっていたが…。

サカキ「そうだ…。
だったら、僕とアカギがポケモン勝負をすれば良いんだ!!
それで、勝った方を王と認める。それで…いいだろっ!?」

ヒュウ「だから…サカキ様。」

サカキ「うるさい!
お前のその理想論と、僕の考え…どっちが正しいのかケリを付ける必要があるんだ!!」
 ▼ 189 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 01:54:02 ID:z3Jyg1kU [12/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒュウ「…。」

サカキ「どうだっ!!」

ヒュウ(もう、なにを言っても聞かんなこりゃ。)

ヒュウ「では、わかりました。」

サカキ「おおっ!」

ヒュウ「あなたとアカギ様のポケモン勝負…。
勝った方が、王の座に着く。私もしっかりと見届けましょうぞ。」

サカキ「話がわかるな、ヒュウ!
おい、ニック、さっそくアカギを呼んで参れ!!
…なぜ、そこまで落ち込んでいるのだ?」

ニック「…僕の初めてが。あんな、爺さんなんかにぃ…。」

こうして、サカキとアカギの王位を賭けた闘いが始まることになる。
 ▼ 190 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 01:57:07 ID:z3Jyg1kU [13/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして…。

ヒュウ「では、これより王位争奪戦を執り行う。軍師の私が勝負を見届けよう。
それでは…始めっ!!」

アカギ「…。」オドオド

どうやらアカギは、怯えているようだ。

サカキ「フン、我が兄弟ながら情けない奴だ。こんな奴に、僕が負けることなんて万が一にもないな!
心配して損したぜ。
いけっ…サイホーン!!」

サイホーン「サイサ〜イ!」

アカギ「ギャ、ギャラドス…出てこいっ!!」

ギャラドス「ギャラララ…。」

そして、一方のアカギはギャラドスを繰り出した。
 ▼ 191 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 02:02:30 ID:z3Jyg1kU [14/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
サカキ「サイホーン、ギャラドスに攻撃しろ!
攻めて、攻めて…攻めまくれ!!」

サイホーン「サイサーイ!」ドドッ

サイホーンは、ギャラドスに対し怒涛の攻撃を繰り広げる。

アカギ「…。」

しかし当のギャラドスは、攻撃の素振りを見せなかった。

サカキ「ハッハハハーッ、なんだぁ、アカギ…?
まさか、俺に怖気づいて攻撃もできないってかぁっ!?」

サイホーンは、更に攻撃を続けた。
しかし、ギャラドスは攻撃を全くもって行わない。

サカキ「…ハーッ、ハーッ…。」

その内に、サカキとサイホーンのスタミナが切れ始めた。

そして、遂にアカギがギャラドスに命令を下す。

アカギ「ギャラドス…サイホーンにかみつくだ!!」

ギャラドス「ギャラララァッ!」

サカキ「なっ…!」
 ▼ 192 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 02:24:27 ID:z3Jyg1kU [15/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギャラドスは、サイホーンに対し噛みつきかかった。

サイホーン「サイ〜…。」

疲労のあまりサイホーンは避けることもできずにまともに攻撃を喰らってしまい、怯んでしまう。

サカキ「し、しまった…!」

アカギ「ギャラドス、そのままサイホーンに…たきのぼりだっ!!」

ギャラドス「ギャラララ〜ッ!」ドドド

サイホーン「サ、サイィィィ〜ッ!」

ドサッ…。

サカキ「…!」

サイホーンは倒れ、勝負はアカギの勝ちに終わった。

サカキ「な、なぜだ…!!
なぜ、俺は負けたんだ…。」

ヒュウ「フフフ。
なぜ負けたのか…それは国の真理にも基づきましょう。」

サカキ「な、なんだと!?」
 ▼ 193 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 14:08:59 ID:z3Jyg1kU [16/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒュウ「あの、かつて前イッシュ国を築き上げたオウホウ、そして彼と対立したトウコの故事を例に上げましょう。
最終的に勝利したのはオウホウですが、実力的にはトウコの方が遥かに上でございました。」

サカキ「…?」

ヒュウ「それは、トウコが戦闘以外まるで無能…。
先帝や、かつてのヒガナを更に極端にしたような人物であったからです。」

サカキ「!」

ヒュウ「オウホウは戦闘能力こそはトウコに劣っておりましたが、有能な部下たちを上手く使いこなすことに長けておりました。
一方で、トウコは軍師一人ひとりすら上手く使いこなせなかった有様でした。
これがトウコの滅亡した原因であります。」

サカキ「…。」

ヒュウ「そして、トウコが四面楚歌に陥り敗北する直前に見たとされる夢…二人の少年が殴り合うというものにも私は今の勝負を重ねました。」

サカキ「な、なぜだ?」
 ▼ 194 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 14:17:36 ID:z3Jyg1kU [17/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒュウ「その夢の内容は…。
青い服を着た少年が、赤い服を着た少年を72発殴り続けるが…赤い服の少年はそれを耐え続け、そして放った重い一撃で青い服の少年を倒すといったものでございます。」

サカキ「だから、それがどうした!」

ヒュウ「フフ…まさに今の勝負はその夢に当てはまるでしょう。アカギ様はわざと攻撃を喰らい続け、スタミナ切れを狙ったのです。」

サカキ「…!」

ヒュウ「良いですか。これからの国の在り方は、ただ攻めるだけでは駄目なのです。
耐えて耐えて、その先のことまで見通さなければならないのです。」

サカキ「わ、わかった…素直に認める。アカギが次の王だということをな。
ただ、忘れるなよ!
僕はアカギを支えていくが、もしコイツが何か不始末を起こしたら、その時は僕が王の座に着いてやるからなっ!!」

ヒュウ「ええ。そうならないと見込んで私は彼を指名したのですからね。」

アカギ「…へへ。」

サカキ「ケッ…面白くない!」

こうして、ラック国の次の国王はアカギに決まった。
 ▼ 195 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 16:05:05 ID:z3Jyg1kU [18/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜イッシュ国〜

トウヤ「ほう。次の王はあのアカギに決まったか。」

キョウヘイ「彼はまだ幼い身ですが、あの私の同郷のヒュウが仕えています。
今後どう動くのか…しっかり見定めなければ。」

トウヤ「ベルを長いことホワイ国と睨み合いを続けるホドモエへと置き過ぎた。
今度帰ってきたら…しっかりと休息を取らせなければならないな。」

アイリス「パパー、お腹減ったよ〜。」

トウヤ「…さっき食べたばかりだろう、アイリス。少し我慢しなさい。」
 ▼ 196 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 20:45:33 ID:RgHCy.ZY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
〜ホワイ国〜

アダン「つまり、そいつがスパイという訳か。」

メイ「ええ。ダイゴはあやつと“あの時”に会っていましたから、その時に通信手段を互いに教えあっていたのです。」

ダイゴ「今頃はライモンへと向かっている頃だろうな。
フフ…あの目障りな女もこれで終わりだね。」

…………………………

そして、ここはホドモエシティ。

ベル「それじゃあ、一度私は帰るわけなのねぇ。」

アスラ「えぇ、あなたは少々働き過ぎでございました。」

ロット「それも、自ら危険を承知でこのゲースィ国と睨み合いを続けるホドモエの配置を希望されたと聞きます。
しかし…なぜ、わざわざ?」

ベル「…ううん。いいの。
そうね、トウヤにも最近会えてなかったし。
うん…それじゃ、ヒウンに帰ろっか!!」

思えば、人の一生は、運命で既に決まっているものなのかもしれない。
生まれる時も。そう…。



死ぬ時も。
 ▼ 197 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 20:58:30 ID:RgHCy.ZY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
その時。

イッシュ兵「ベ…ベル将軍、申し上げます!
跳ね橋の警戒網を突破し、こちらに攻め込んで来る輩がいます!
さ…更に、ホワイブリッジの方向からも敵兵がっ!!」

ベル「な、なんですって…!?」

攻め込んできた人物たちとは…。

ダイゴ「ハハハ…いくら凄腕のベル将軍ともいえども、さすがに挟み撃ちには戸惑うか。」

ロジカ「んんwww
そのようですなwww」

アスラ「お…おまえたちはっ!!」
 ▼ 198 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 21:00:27 ID:RgHCy.ZY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ロット「よもやおまえたち、同盟を結んだというのか!?」

ロジカ「んんwww
先帝が死んだ今、我はあんな落ち目のラック国なんぞ見限ったのですぞwww
今の我は…ホワイ国のロジカ将軍ですなwww
以後、お見知り置き下さいませですぞwww」

アスラ「なんだと!?」

ロジカ「んんwww
邪魔臭い老害は、我が掃除してやりましょうぞwww」

ヌメルゴン「ヌメ〜ッ!」

アスラ&ロット「なっ…!」

ザスッ…。

ベル「…!」

ヌメルゴンは、二人の首を刎ねたのであった。
 ▼ 199 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 21:42:35 ID:z3Jyg1kU [19/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
ベル「…エンブオー!」

ベルは、エンブオーに命令を下しにかかったが…。

ダイゴ「だから…あんたがいくら強くても、こっちは二人いるのさ!
メタグロス、あの女にコメットパンチだ!!」

ベル「!」

ドゴォ…。

メタグロスは、ベルに対し重いパンチを喰らわせた。

ベル「ガ、ガハッ…!」

ベルは、肺が潰れ息ができない。

ロジカ「さて、とどめですぞwww」

ベル「…!」

???「ちょっと待て!
サイホーン、あいつをこっちに連れて来い!!」

サイホーン「サイサ〜イッ!」ドドッ

ベル「う、うぅ…。」

ダイゴ「…!
だ、誰だっ!?」
 ▼ 200 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 22:56:07 ID:z3Jyg1kU [20/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
ベル「あ、あなたたちは…。」

そこに居たのは、ラック国の軍師ヒュウと将軍たち、そして国王アカギとその弟サカキであった。

ヒュウ「ロジカ…お主、よくも裏切ってくれおったな!!」

ロジカ「ま、まずいですぞwww」

サカキ「ニック、この女をっ!!」

ニック「わかりました、サカキ様!
今から我らラック国は、お前たちイッシュ国と同盟を結ぶ!
こいつをヒウンのイッシュ王の元まで…責任を持って連れて帰る!!」

ベル「ニ、ニック…君…?」

ニック「…またあんたを助けることになるとは。とにかく、そいつらの相手は僕たちに任せるんだ!!」

スペトリ兵「おーっ!!」

ダイゴ「クッ…!」

そしてニックは、無事にベルをイッシュ国へと送り届けた。
 ▼ 201 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:00:54 ID:z3Jyg1kU [21/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜イッシュ国〜

トウヤ「ベ、ベル…なんて姿だ…。
ま、まさか…こんなことになるなんて…!!
ぐ…軍医っ、ベルは…ベルは大丈夫なのか!?」

軍医「応急手当はラック国により施されていますが…肺が抉れ、凄まじい重症です。
今は緊急手当を行っておりますが…。
今夜が、峠でしょう…。」

トウヤ「…もう、許せぬ。
ラック国だけに任せてはおれぬっ!
今より私も兵を引き連れ、ホワイ国を根絶やしにしてくれるわあぁぁぁっ!!」

キョウヘイ「お待ち下され、我が主よ。これも我が妹メイの想定内のことでございましょう。
だったら、あいつのこと…何か策を考えている筈。
私はここはラック国に任せ、弱りきったところを着実に攻めるのが良いと考えております。」

トウヤ「うるさいっ、お主に私とベルの何が分かる!
フラダリ、ジャガ…支度をしろ!
今から…ホワイ国へと侵攻する!!」

フラダリ「我が主…。」
 ▼ 202 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:05:41 ID:z3Jyg1kU [22/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
《そして、もし…私が…。》


キョウヘイ(…。)

キョウヘイ「わかり申した。もはや、あなたを止めることは不可能なようです。
ただ、私はこの国の防衛に徹します。」

トウヤ「おお、それで良い。
では…いくぞっ、フラダリ、シャガ!
今日この日が、あいつらの命日となろう!!」

フラダリ「…ハッ。」

シャガ「わかり申した、我が主よ。」

こうしてトウヤ率いるイッシュ軍は、ホドモエへと向かうことになる。
 ▼ 203 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:09:10 ID:z3Jyg1kU [23/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜ホドモエシティ〜

ジャガ「…大分戦いは静まったようですね。」

トウヤ「ああ。では、ゲースィブリッジに攻め込むぞ!!」

トウヤたちの兵は、ここに来るまでに大分伸び切ってしまっていた。
そして、これこそがメイの策略であったことには、トウヤたちは気付くことはなかった。

そして…。

イッシュ軍「も、申し上げます、国王…。」

トウヤ「な、なんだと…!」

後ろの兵たちが、隠れ忍んでいたホワイ兵によって火攻めにあっているというのだ。
伸び切って連絡が行き届きにくくなっていたことに付け込んだ罠であった。
奇しくも、かつてキョウヘイが使った火攻めである。

そして…。

ミクリ「フフフ…。」

トウヤ「!」

前には敵将、後ろは火攻め…。

戦局は…絶望的であった。
 ▼ 204 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:11:34 ID:z3Jyg1kU [24/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
その時。

キョウヘイ「我が主!」バササッ

キョウヘイが鳥ポケモンに乗って、救助に駆けつけた。

トウヤ「ぐ…軍師…。」

キョウヘイ「ここは彼らに任せ、お逃げ下さい!!」

トウヤ「す、済まぬ、軍師よ。
…お主の言うことにちゃんと耳を傾けてさえいれは、こんなことにはならなかったろうに…。」
 ▼ 205 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:19:36 ID:z3Jyg1kU [25/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜数日後〜

フラダリとジャガは善戦したのだが、ホドモエをホワイ国に奪われてしまった。
そして、もはや二度と取り戻すことはできないのである。
兵たちも大勢失ってしまった。

ベルの治療は成功し、体調も回復を迎えていた。
意識が朦朧としながらも、トウヤの名を呼んでいたらしい。

当のトウヤは、体調が悪化し…ヒウンの拠点でひたすら寝込んでいた。

キョウヘイの指示通り攻め込むのを我慢していたのなら、戦力も失うことはなかった。

そんな思いが、尽きなかったのだ。

激情のまま行動してしまった自分に、嫌気が差していた。
 ▼ 206 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:23:29 ID:z3Jyg1kU [26/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
それからトウヤの体調は、日々悪くなるばかりであった。

あくる日の夜。
トウヤは、キョウヘイを呼び出した。

トウヤ「軍師よ…。」

キョウヘイ「ハッ…。」

トウヤ「チェレンに会った。」

キョウヘイ「!」

トウヤ「直に僕らは再び会うことになるだろうと…。
そう…言っておったよ。」

キョウヘイ「…我が主…。」

そして、その夜。

トウヤの体調が、更に悪化する。
 ▼ 207 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:31:54 ID:z3Jyg1kU [27/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
トウヤは、一同を自身の元へ呼び寄せた。

トウヤ「軍師よ…。
アイリスはまだ若い。これからは君がこの国を治めるのだ。
アイリス、お前はキョウヘイを父と思い慕え。」

キョウヘイ「勿体無いお言葉です…。」

アイリス「パパ…。」

トウヤ「フラダリよ。」

フラダリ「ハッ…。」

トウヤ「お主とはずっと前からの仲だ。
私亡き後も…イッシュ国のために働いてほしい。」

フラダリ「我が主。そんな弱気なことを申されるな…。」

トウヤ「ベル、済まなかったな…重体で苦しんでる中、一緒に居ていられなくて。
今まで私の元に居てくれて、本当にありがとう…。」

ベル「トウヤ…。」

トウヤ「そして私の臨終に立ち会ってくれる大勢の者よ。本当に礼をいう。
願わくば…。皆で、あのホワイ国を打ち倒してくれ。」

…………………………

トウヤ「…フ〜ッ。
言いたいことを言い終わったからか、ホッとしたぞ。」
 ▼ 208 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:34:41 ID:z3Jyg1kU [28/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
《名前は…トウヤ。まだ何者にも染まっていないという意味でつけたの。
この子がどう染まり、生きていくのか…。》

《ああっ、これからが楽しみだな!》

トウヤが生まれた時、周りの皆は笑いあっていた。
トウヤ一人が泣いていたのだ。

そして…。
 ▼ 209 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/02 23:37:38 ID:z3Jyg1kU [29/29] NGネーム登録 NGID登録 報告
トウヤ「チェレンが来ている。」

キョウヘイ「!」

トウヤ「わかった、チェレン、今行くよ…。
そう急かすな、ハハ…。」

キョウヘイ「我が主。」

トウヤ「…。」

キョウヘイ「我が主っ!!」

だが、トウヤの返事はもはやなかった。

キョウヘイ「…うぅっ。」

フウロ「あ、あなた…。」

アイリス「お…おとぅ…さ、ん…。
う…うぅ…ヒック…う、うわあぁぁぁん!!」

周りの皆がその偉大な死に立ち会い、泣いていた。

ただ、トウヤ一人が死に顔に笑みをたたえていたのだ。



プラズマ賊の乱の元、イッシュ国再建の目的を抱き立ち上がった一人の英雄、トウヤ。ヒウンにて没す。

享年、26歳であった。
 ▼ 210 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/03 00:00:44 ID:eIVIg9WY NGネーム登録 NGID登録 報告
ベル「…キョウヘイ。」

キョウヘイ「なんですか、ベル殿?」

ベル「ずっと前に、トウヤとチェレンと一緒に誓いあったことを思い出したよ。彼らはやり方こそ違ったけれど、“この地を良くしたい”という気持ちは同じだった。」

キョウヘイ「…。」

ベル「私も彼らの思いを継いで、この地を良くするためにより一層努めないといけないね。
…それが、トウヤとチェレンの願いだと思うから。」

キョウヘイ「ええ、そうでございますね。
…ベル殿。」

…………………………

数日後。

イッシュ国はアイリスが国王に就いたが、実質的な政治はキョウヘイが担っていた。

ゼクロムの姿はなかった。
また、石に戻り新たなる英雄を待ち望んでいるのだろう。

そして、カノコからシッポウ周辺の地が…とある人物により騒がしくなってきたようだ。
 ▼ 211 ルビル@ひかりのいし 16/01/03 02:00:47 ID:EGmRdOt2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援です
 ▼ 212 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/03 14:16:07 ID:r4ZXfio2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
キョウヘイ「なんだと?
そのホミカという女が南の地方で暴れていた…?」

フラダリ「ハッ、丞相様。
なんでも…『あんな弱小国なぞに付き従う必要は無い。先帝が死んだこの機に奴等を打ち倒そう。』などと喚いていたそうです。
アスラとロットが死に、手薄になったところを狙ったのでしょう。」

アイリス「へぇ〜。
…アイリス、よくわかんない。」

キョウヘイ「ふむう…。
あのメイの奴もわが国を狙っていることであろうし…。
今反乱を起こされてはまずいことになるな…。」

そして、ここはシッポウシティ。

アロエ「つ…強い!」

ホミカ「フン。これがあのイッシュの将軍が一人…フラダリの実の母の実力か。
なんだ、全然大したことないじゃないか。」

アロエ「あ…あんたは、一体…!?」

ホミカ「フン…覚えておきな。
アタシはいずれイッシュ、ラック、ホワイの三国を全て打ち倒し、この地を支配することになる…。
その名も…ホミカ様だぁっ!!」
 ▼ 213 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/03 14:22:08 ID:r4ZXfio2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
フラダリ「まさか、私の母が敗れさるとは…。」

キョウヘイ「彼女の素性はわかった。
ホミカは…タチワキの町令の一人娘。プラズマ賊が侵攻を始めた頃に、父親と共に亡命した身であったのだ。
…私と同じ境遇であるな…。」

シャガ「…なるほど。つまりホミカは、今の天下三分のやり方が気に食わぬという訳でございますか。」

キョウヘイ「今は辺り一帯を占拠し、彼女は良い気になっている。
しかし…既に手は考えている。」

アイリス「へぇ〜。キョウヘイすごいね〜。」

キョウヘイ「シャガ…あなたは兵を率いてシッポウへ赴け。
そして…をホミカに致すのだ。」

シャガ「…そんな方法が本当に通用するのでしょうか?」

キョウヘイ「いや、間違いなく通用するだろう。
さぁフラダリよ、早くお行きなされ。」

シャガ「…ハッ、丞相殿。」

シャガは兵を引き連れ、シッポウシティへと向かった。
 ▼ 214 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/03 14:24:31 ID:r4ZXfio2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
シャガ(しかし丞相殿は、何を考えておるのだ…。
こんなちっぽけな瓶に入った硫酸で…とてもじゃないが、これだけの量では敵を倒せる筈もない…。)

…………………………

キョウヘイ「あいにくそれだけの量しか手元にございませんでした。
まぁ、それだけで彼女をシッポウから追い払うことはできるでしょう。」

…………………………

シャガ「…もうすぐシッポウか。頼むぞ、オノノクス。」

オノノクス「オノ〜ッ!」

そしてシャガ率いるイッシュ兵たちは、シッポウシティへと辿り着いた。
 ▼ 215 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/03 14:30:02 ID:r4ZXfio2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
〜シッポウシティ〜

シャガ「…まさか、あそこに居る、あやつか…?
…まだ少女ではござらぬか…。」

ホミカ「なんだ〜、じいさん!
子どもだからだって…なめんじゃないよぉっ!!」

ペンドラー「ドラァ〜ッ!」ドガァッ

ホミカはペンドラーを繰り出し、シャガの率いる兵たちをなぎ倒していく…。

シャガ「クッ…なんたる実力!
なんとかあやつの隙を作らなくては…オノノクス、ドラゴンテールだっ!!」

オノノクス「オノ〜ッ!」ビシィ

ホミカ「ペンドラー…。
避けて、あいつにハードローラー!!」

ペンドラーはドラゴンテールを交わし、オノノクスに襲いかかる。

シャガ「…まずい!
オノノクス、こちらも防御しつつドラゴンクローだっ!!」

二匹の攻撃がぶつかり合う…。

シャガ「…あ。」パリン

その衝撃でシャガは、持っていた硫酸入りのビンを地面に落としてしまった。
 ▼ 216 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/03 14:37:37 ID:r4ZXfio2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホミカ「あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!」

瞬間、ホミカは悶絶し、頭を抱え込み倒れてしまう。

シャガ「…なんだ?
まぁいい、よくわからんが…隙を見せたな!
オノノクス、あやつにドラゴンクローだっ!!」

オノノクス「オノ〜ッ!!」

ホミカ「し、しまった…!!」

オノノクスは、ホミカの衣服を引き裂いた。

ビリィッ…。

シャガ「…!
お、お主…それは…!?」

シャガが目にしたものは…。

ホミカの体に生々しく残る、火傷痕であった。

ホミカ「…クッ!!」ダダッ

ホミカは、サンヨウシティ方面へと逃げ出していった。

シャガ「…彼女の身に、かつて何があったというのだ…。」

目的を果たしたシャガは、残った兵たちを引き連れてヒウンシティの拠点へと帰還した。
 ▼ 217 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/01/03 14:41:40 ID:r4ZXfio2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
〜イッシュ国〜

キョウヘイ「…という訳だ。」

シャガ「…そんなことが…。」

ホミカは亡命する以前に、プラズマ賊の輩に性的暴行を加えられていたというのだ。あの火傷痕も、悪戯半分に硫酸を掛けられてしまった結果なのだという。

だからホミカは、そのトラウマを覆い隠すためか…毒タイプのポケモン使いとなったのである。

町令である彼女の父親は、かつての前イッシュ国王と親友の仲であったらしい。
プラズマ賊が現れて以降、全てが変わってしまった…。
父親も彼女自身も、そういう考えを今も尚強く持ち続けているらしく、その後に成立した国々…。後イッシュも、ラックも、ホワイも…全てを認めようとは頑なにしないのである。

そして、自分自身の手でこの地を治めてやろうという野望を持つようになった。



彼女は…時代に取り残されてしまったのだ。
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