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SS

SS「アユミちゃんぱんでみっく!」

 ▼ 1 ブリー@もえぎいろのたま 25/02/22 01:17:07 ID:WtKQpXsY [1/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
◯月A日
今日はカントーポケモンリーグで殿堂入りした記念に、タマムシデパートでお買いものの日!
自分へのご褒美にいっぱい欲しいものを買うんだ!
ママは「あんまり遠くにいっちゃダメよ!」って言ってたけど、カントー地方を歩いて一周したんだから平気だよ!って返して家を飛び出して行っちゃった!
最初はシン君も誘おうとしたけど……チャンピオンをかけたバトルで勝ったばかりだし悪いかなと思ってわたし一人でいくことにした。
シン君は優しいから気にしないと思うけどね!次会う時のためにお土産はちゃんと忘れず買って帰ろう!

アユミはレポートに しっかり かきのこした!
アユミ「……これでよしと。」
 ▼ 2 トマル@マグマスーツ 25/02/22 01:17:41 ID:Y2uoNqWI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 3 シレーヌ@4ごうしつのカギ 25/02/22 01:18:04 ID:WtKQpXsY [2/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
タマムシデパート 2F(わざマシン売場)

アユミがタマムシデパートに来るのはこれが2回目。彼女が1度ここに来た時は値札を見るなり肩を落としてトボトボと店を後にしたが……今は少し無理をすれば買えてしまう範疇だ。

アユミ「わざマシン48 はかいこうせん……。」

言わずもがな、記憶に新しいポケモンリーグ四天王のトリを務めるワタルのカイリューの代名詞的技だ。ド派手で豪快な見た目の大技には全トレーナーが一度は憧れる。

アユミ「10万円だって。買おうと思ったら買えるけど……流石にママに怒られちゃうかな?」

アユミ「ねえ相棒?はかいこうせんって打ってみたい?ほらこの前みたばー!ってやつ!」

アユミは腕に抱きかかえた相棒のイーブイに話しかける。

イーブイ「ぶい?」

相棒はきょとんとした表情をしているばかりだ。
 ▼ 4 ココ@シンクロマシン 25/02/22 01:18:38 ID:WtKQpXsY [3/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「すみません店員さん!この子ってはかいこうせん覚えますか?」

デパート店員「少々お待ち下さい……。」

店員は技リストを確認している。

デパート店員「恐れ入りますが、イーブイははかいこうせんを覚えないようです……。」

アユミ「そうですか……ありがとうございます。」

アユミ「ごめんね相棒。はかいこうせん覚えられないみたい……。」

意味はよくわかっていない様子だが悲しい気持ちがイーブイに伝搬したのか、イーブイもそれとなく残念そうな顔をする。
 ▼ 5 コザル@ラティアスのおやつ 25/02/22 01:19:19 ID:WtKQpXsY [4/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「この子が覚えそうな技って売られていますか?」

デパート店員「それでしたらこちらと…後は…」

結局紹介されるがままに、アユミはアイアンテール(5万)とシャドーボール(3万)とトライアタック(3万)を衝動的に購入した。結果的にはかいこうせんを購入するより高くついた……。

アユミ「いっぱい買っちゃったね相棒。これママには内緒だよ?」

イーブイ「ぶい!」

アユミ「後はお土産を選ばないとね。いや……やっぱり相棒の分も欲しいかも!」
 ▼ 6 ンドラー@きょうかポケット 25/02/22 01:19:51 ID:WtKQpXsY [5/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
タマムシデパート 5F(アクセサリー売場)

アユミ「うわー!このリボン可愛い!スカーフもいいな!ねえ相棒はどれが好み?」

アユミは試着室で代わる代わるイーブイにアクセサリーを合わせる。
イーブイは鏡に映る自分の姿を見てどやっといった表情を見せるが、その中でも反応が良かったのが……。

イーブイ「ぶいおー!」

アユミ「この赤の髪飾りが気に入ったの?それもすっごく可愛いね!じゃあ買っちゃおっか!」

アユミ「そうだ!シン君にはこの色違いの白の髪飾りをあげよう。きっとライチュウに似合うと思うんだよね!」

イーブイ「ふいぶい!」

アユミ「じゃあこれに決定!後は屋上の自動販売機で飲み物飲んで帰ろっか。」
 ▼ 7 バゴ@ラティアスのおやつ 25/02/22 01:21:04 ID:WtKQpXsY [6/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
タマムシデパート 屋上

アユミ「どう相棒?久々のミックスオレの味。懐かしいでしょ?」

イーブイ「ぶい!」

アユミ「初めてここに来て飲んだ時は本当に美味しくていっぱい買っちゃったもんね。」

ミックスオレは味もさる事ながら、回復量に対する金銭効率がよく、懐事情に優しい清涼飲料水だ。……1本ずつ自販機の前で無心で自動販売機のボタンを押し続けるのに耐えれば。

アユミ「でも今のわたしは一端のレディだからそんなことはしません!」

アユミ「……もう殆どお金使っちゃったからね。だから相棒も味わって飲むようにね!」

イーブイ「ブイッ!ブイッ!」


「キャアアアア!!」
 ▼ 8 オッキー@ラティアスのおやつ 25/02/22 01:21:46 ID:WtKQpXsY [7/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
平穏な日常を切り裂くような悲鳴がデパートの外から聞こえてきた。周囲はどよめきに包まれる。
ロケット団の残党による事件だろうか?それともまた別の何かか……。
タマムシデパートの屋上からはフェンス越しに辺りが一望できる。
アユミが覗いた先にはこの世のものとは思えない光景が広がっていた。

アユミ「人が人を……噛んでる……?」
 ▼ 9 ャルマー@クリティカット 25/02/22 01:23:30 ID:WtKQpXsY [8/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
さながらゾンビ映画。いやそのものか。一人一人の動きは緩慢だが、噛まれた人間が倒れた後ゆっくりと立ち上がり新たな獲物を探すといった様子。
周囲にいた野次馬も次々に様子がおかしくなっていることから、空気感染している可能性も考えられる。

アナウンス「デパート内のお客様にご案内いたします。只今ここタマムシシティは、ゾンビが人を襲う……としか言いようがない未曾有の危機に瀕しています。速やかに街の外に避難を……」

館内アナウンスは途中でぶつ切りになった。
我先にとデパートの出口に向かって走る来店客たち。飛び交う怒号。泣き出す子供の声。デパート内は一瞬にして大混乱に陥った。
 ▼ 10 ガラティオス@いわのジュエル 25/02/22 01:24:17 ID:WtKQpXsY [9/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
イーブイ「イヴ……」

アユミ「大丈夫だよ相棒!ロケット団のアジトに一人で乗り込んだ時よりはいけるいける!」

アユミは不安がる相棒をなだめるように優しく頭を撫でた。

アユミ「でも……どうしようかな。わたしそらをとぶ方法ないんだよね……。」
 ▼ 11 ッコアラ@ぼんぐりのみ 25/02/22 01:24:39 ID:WtKQpXsY [10/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
通常はヒジュツの一つにソラワタリという風船を取り付けた椅子に乗って行ったことのある街にひとっ飛びする技があるが、アユミはそれを取得しなかった。
見るからに指定した行き先に着くかどうか不安定そうだったからだ。……まあ無理もないか。

加えてアユミは背に乗れるような大型のそらをとぶポケモンを所持していない。名は体を表すじゃないけれど、地に足をつけて走り回るのが好きだからだ。
全然!高いところが怖いわけじゃないよ!……というのは本人の談。
 ▼ 12 タドガス@ワシボンのはね 25/02/22 01:25:45 ID:WtKQpXsY [11/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「なんとか突っ切ってでもここを出よう!」

意を決したアユミはデパートの階段へと歩を進めた。

既にデパート内にもゾンビは侵攻していて、次々と人を噛み仲間を増やしていた。
気になるのが本来ゾンビと呼称されるものは肉体が朽ちていたりだとか、肌が青白く変色していたりだとか、骨格が剥き出しになっていたりだとかするものだが、見る限りでは噛んでいる側も何ら普通の人間の見た目と差異がないことだ。

ただ薄ら笑いを浮かべ譫言を言いながらふらふらと彷徨い、見つけた人間を手当たり次第襲う。
遠くからだと人間かゾンビか見分けが付きにくいという点である意味でたちが悪い。
しかしアユミにとって何より衝撃だったのは……その譫言の内容だった。
 ▼ 13 イウールー@バトルレコーダー 25/02/22 01:26:16 ID:WtKQpXsY [12/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「さっきまで接客してもらってた店員さんも……同じフロアにいたお客さんも……みんなおかしくなっちゃってる……。」

デパート店員「アユミちゃん…w」

アユミ「……え?」

アユミは耳を疑った。いくら最近ポケモンリーグを制して名を挙げたといっても、殆どあったことも名前を明かしたこともない相手だ。それも殆ど自我がなさそうな状態の男が、はっきりと自分の名前を呼んだというのだ。

アユミ「聞き間違い……だよね?」
 ▼ 14 グレイブ@ジョウトのせきばん 25/02/22 01:27:10 ID:WtKQpXsY [13/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
客A「アユミちゃん…w」

              客B「アユミちゃん…w」


客C「アユミちゃん…w」


              警備員「アユミちゃん…w」



受付嬢「アユミちゃん…w」
 ▼ 15 ロリンガ@えいえんのこおり 25/02/22 01:27:37 ID:WtKQpXsY [14/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
みんながみんな、揃いも揃って間違いなく、薄ら笑いを浮かべながらはっきりとアユミの名前を呼んでいる。

アユミ「どうしてわたしの名前を呼ぶの……?わたしはみんなのことを……知らないのに……。」

イーブイ「……ブイヤァ!」

焦燥するアユミを尻目に、イーブイは独断でびりびりエレキを床に放った。
迸る稲光がゾンビを退け、デパート出口に続く退路を開ける。
 ▼ 16 ーマンダ@ファイヤーのおやつ 25/02/22 01:28:02 ID:WtKQpXsY [15/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「ああ……そうだよね。ごめんね相棒。わたしがしっかりしないと……。」

アユミはポケモンボックスからウインディをくりだした!

アユミ「ウインディ!わたしをデパートの外まで乗せていって!」

ウインディ「うぉおおーん!!」

ウインディはアユミとイーブイを背に乗せ、その図鑑説明通りの軽やかな走りで、デパートの出口扉を突き破った!
 ▼ 17 ユルド@なぞのすいしょう 25/02/22 01:33:26 ID:44BEpa.g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とんでもないがっこうぐらしでワロタ
 ▼ 18 ロマツ@きれいなハネ 25/02/22 01:41:04 ID:vx9w42H2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アユミちゃん…w
 ▼ 19 ャランゴ@アボカド 25/02/22 11:53:00 ID:WtKQpXsY [16/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一難去ってまた一難。デパートの外もまた地獄の様相を呈していた。
無事な者は懸命に助けを求め、既にゾンビになっている者は人間を付け狙っている。

ニョロボン使いのNPC「アユミちゃん…w」

ジム前の爺さん「誰なんじゃそのアユミちゃんとは!可愛い子なら紹介してくれ!後わしは食べても美味しくないぞ………あああああっ!!」

……今のところゾンビ同士で襲い合うことはないようだが、どうやらゾンビ側は誰がアユミなのかどうかまではまるで区別がついていない様子だ。
 ▼ 20 ーイーカ@きれいなウロコ 25/02/22 11:53:34 ID:WtKQpXsY [17/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「どうしよう……まだ助けられる人がいるなら助けないと……。」

アユミは不安そうに周りを見渡すと……。

「モンジャラ!ねむりごな!」
「ウツドン!しびれごな!」
「クサイハナ!ねむりごな!」


まさに死中に活。白い防護服に身を包んだ集団が、草タイプのポケモンを駆使した状態異常技でゾンビを次々に無力化させていた。
 ▼ 21 イウールー@ものまねハーブ 25/02/22 11:54:07 ID:WtKQpXsY [18/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「あれってもしかして……?」

アユミは交戦している現場に駆け寄る。

アユミ「あの!何か手伝えることはありますか!」

???「何をしているのですか?民間の方は速やかに避難を……あら?」

アユミ「わたしアユミです!エリカさん達ですよね?」

エリカ「ああ。アユミさんでしたか。ごきげんよう。」

防護服に身を包んだ集団はやはりタマムシジムの面々だった。
 ▼ 22 ズマオウ@つきのふえ 25/02/22 11:55:33 ID:WtKQpXsY [19/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「……今の所体調はいかがですか?」

アユミ「はい!元気いっぱい……。」

健康体をアピールしたものの、これは単なる安否の心配ではないことをアユミは幼ながらに肌で理解し、途中で口を噤んだ。

アユミ「(確かに…なんでわたしだけが無事なんだろう……?それにわたしの名前を呼ぶぐらいなら、どうしてゾンビ達はわたしだけを狙わないんだろう……?)」

そこで初めてアユミは自分の身の潔白を証明する手段がないことに気づいた。

防護服越しに皆の目線が一斉にアユミに集まる。
 ▼ 23 チンウニ@ズアのみ 25/02/22 11:57:08 ID:WtKQpXsY [20/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「あの……信じてください!今日はお買い物に来ただけで……急にこんなことになって……!」

アユミは泣きそうになりながらも必死で弁明する。

イーブイ「イヴ……」

イーブイは悲しむ感情を感じ取って、アユミの背中を駆け登り寄り添った。

エリカ「……いえ。既に感染しているようでしたら、このように対処しなければならなかったので。健康なら何よりです。」

ピクニックガール アサエ「……本当に信じていいんですか?」

エリートトレーナー アヤカ「本来生身で歩けるはずが……。」
 ▼ 24 ヒドイデ@こおったきのみ 25/02/22 11:57:53 ID:WtKQpXsY [21/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「アユミさんは最初に『何か手伝えることはありますか?』とこの窮地で申し出てくれました。並々ならぬ勇気が必要でしょう。」

アユミ「そ、それじゃ……!」

エリカ「さて……私達はこれからロケットゲームコーナー前の感染者を鎮圧しに向かいます。もしかしたら元に戻す方法があるかもしれないので、私達はこのようになるべくダメージのない方法で感染者を抑えています。」

エリカ「もしご協力頂けるのであれば、眠りまたは麻痺の状態異常技を持つポケモンがいると望ましいのですが……。」

アユミ「状態異常技……。ちょっと待ってくださいね……。」
 ▼ 25 ケブシッポ@マーマレード 25/02/22 11:59:09 ID:WtKQpXsY [22/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミはポケモンボックスからフシギバナをくりだした!

アユミ「この子がねむりごなを持っています!一緒にいかせてください!」

フシギバナ「バナ!」

エリカ「ありがとうございます。それでは向かいましょうか。」
 ▼ 26 ワシ@かわらずのいし 25/02/22 11:59:26 ID:XEIAqnOA NGネーム登録 NGID登録 報告
たった30秒でなぜここまで書けるし
 ▼ 27 ティアス@ミツハニーのミツ 25/02/22 11:59:51 ID:WtKQpXsY [23/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ロケットゲームコーナー前には特に多くのゾンビが密集していて、まだ感染していないような人はとても残っていそうになかった。

そしてやはりゾンビはもれなく薄ら笑いを浮かべながら譫言のようにアユミの名前を呼んでいる。

アユミ「(もういや……また呼ばれてる……。そういえばエリカさんはさっき感染って言ってたけど、何か原因を知っているのかな?
それにあの服……元々こうなることがわかっていたみたいな用意……。)」

アユミ側からも疑念が尽きなかったが、今は他のことに気を回している場合ではない。

アユミ「(だめだめ集中しないと……。)フシギバナ!ねむりごな!」
 ▼ 28 ミイルカ@エレクトロメモリ 25/02/22 12:01:01 ID:WtKQpXsY [24/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
通常のポケモンバトルとは全く異なり、ゾンビはポケモンを狙わず、真っ直ぐトレーナーを狙いに来るので、それに対処していかなくてはならない。
相変わらず動きは緩慢だが、四方八方からやってくるため、一度死角をつくれば即接触される。

しかしながら、アユミとタマムシジムの面々は互いに背中を向け合って輪をなすことで、全方位からの襲撃に対応した。
そして時間はかかったが、ついにロケットゲームコーナー辺り一帯のゾンビを鎮圧することに成功した。
 ▼ 29 イリュー@ほしのすな 25/02/22 12:02:00 ID:WtKQpXsY [25/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「……ひとまず止まりましたね。皆様のご協力重ね重ねありがとうございます。」

ピクニックガール アサエ「アユミ……さっきは疑ってごめんなさい……。」

エリートトレーナー アヤカ「貴方が一番貢献していたわ……。」

アユミ「いえ……わたしも自分がどうして無事なのかわからないので……。」

アユミはその行動で信頼を勝ち取った。一旦落ち着いた今ならエリカに質問が出来るかもしれない。
 ▼ 30 ッサム@サイキックメモリ 25/02/22 12:03:17 ID:WtKQpXsY [26/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「……このゾンビについて何か分かっていることはありますか?」

エリカ「詳しいことはわかりかねますが、恐らくここタマムシシティで発生したウィルスが原因です。」

アユミ「聞きにくいことかもしれないんですけど……どうして原因を知っているんですか?その服の用意もあって対応が早かったのも気になります。」

エリカ「あら。歳不相応に鋭いですわ。少年探偵団とか所属されてましたか?」

アユミ「……多分それは別のアユミだと思います。」 
 ▼ 31 レユータン@キングリーフ 25/02/22 12:04:37 ID:WtKQpXsY [27/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「冗談はさておいて、私達の対応はむしろ遅かったのです。だから未然に防ぐことが出来ませんでした。」

防護服越しで表情はよく読み取れないが、声からは無念さが伝わってきた。

エリカ「ここで未曾有の生物災害が起こる可能性があることを知ったのは、今年に入ってすぐ辺りですね。」

エリカ「アユミさんもよく知ってるはずの、ナツメさんの予言です。表沙汰になると大混乱を招くので、この事は各町を代表するジムリーダー・研究施設・行政機関といった限られた中でしか知らされていませんでした。」
 ▼ 32 ルノリ@ヨロイパス 25/02/22 12:05:40 ID:WtKQpXsY [28/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「……この事を伝えられた時は流石に狼狽しました。かなりの人員がここタマムシの捜査に割かれたのですが、当時はロケット団の存在もありなかなか進展せず、ロケット団解散後ようやく捜査が本格化すると思ったら……。」

アユミ「ロケット団解散から今までだと殆ど日にちが経ってないですね……。」

エリカ「だからこうなってしまったのは知っていながら防げなかった私達の責任です。後のことは私達で何とかするので、アユミさんは今からでもなるべく遠くに逃げてください。」

アユミ「(逃げる……といってもどこまで?とにかくママのことが心配だから帰らないと……。)」
 ▼ 33 イノーズ@オトシドリのはね 25/02/22 12:08:04 ID:WtKQpXsY [29/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ピクニックガール アサエ「何やら難しそうな話してるわ……それにしてもよく働いた……あれ?」

アサエは自分の防護服に噛みちぎられたような穴を開けられていることに気づいた。

ピクニックガール アサエ「嘘……?いつの間に……?……!!」

『アユミちゃんを食え』

通常脳が伝達するはずのない指令が、頭の中で反響する。

ピクニックガール アサエ「そんな事出来るわけ……。」

『アユミちゃんを食え』

絶えず響く声と極度の飢餓感に見舞われ、薄れゆく自我の中でああ……こうやって今対峙しているゾンビは発生するんだということをアサエは理解した。
 ▼ 34 ンニュート@リーフのいし 25/02/22 12:08:58 ID:WtKQpXsY [30/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「私達はこれから無力化した感染者の捕縛作業に移ります。まだデパート内の感染者も大量に残っているので、そちらも対処しなければなりませんね。」

エリートトレーナー アヤカ「アサエ……大丈夫?」

頭を抱えるアサエの身を、アヤカは案じた。

ピクニックガール アサエ「アユミちゃん…w」

アサエは身につけていたフェイスシールドとマスクを乱暴に取り外し、アヤカに襲いかかった。
 ▼ 35 ッチルドン@もりのヨウカン 25/02/22 12:09:48 ID:WtKQpXsY [31/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「危ない!」

エリカはアヤカを突き飛ばし、間に割って入った所……比較的防御の薄い手首の辺りを噛まれてしまった。

エリカ「……!モンジャラ しめつける!」

モンジャラが放ったツルがアサエを掴んで遠くに引き離す。

アユミ「フシギバナ!ねむりごな!」

アユミのフシギバナは咄嗟にそれに合わせるようにねむりごなを当て、アサエは道に横たわる無数のゾンビと同じように昏倒した。
 ▼ 36 ローライシツブテ@こおりのいし 25/02/22 12:11:37 ID:WtKQpXsY [32/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「エリカさん!」

アユミは手首を押さえるエリカに駆け寄ろうとするが、エリカはそれを制止した。

エリカ「アヤカさん……私……ジムを出る前に言いましたよね。こうなってしまった身内がいたら……他の感染者と同じように扱いなさいと……。」

エリートトレーナー アヤカ「ごめんなさい……ごめんなさい……。」

エリカ「そしてこうして庇うのも……本当は間違った対処です……。」
 ▼ 37 リル@とけないこおり 25/02/22 12:12:42 ID:WtKQpXsY [33/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「アユミさん……私の意識が残ってる間に……早く逃げ……。」

アユミ「…………。」

イーブイ「ブイッ ブイーッ!」

呆然とするアユミは、イーブイの呼びかけで意識を取り戻す。

アユミ「ああああああ!!!」

名状し難い感情を抱え叫びながら、振り返らないようにアユミはその場を後にした。
 ▼ 38 テトプス@きかいのぶひん 25/02/22 12:13:23 ID:WtKQpXsY [34/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリートトレーナー アヤカ「私のせいで……ごめんなさい……」


エリカ「……アユミちゃん…w」
 ▼ 39 マスジョー@マンキーのけ 25/02/22 12:14:24 ID:WtKQpXsY [35/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミはタマムシのポケモンセンターの中に入った。どうせ開いていないか、感染者で一杯で利用できないかのどちらかとアユミは期待はしていなかったが、運良くポケモンセンターは開けっ放しの状態で中はもぬけの殻だった。

あれだけ活気のあった都会のポケモンセンターが、今では秒針を刻む音しか聞こえない。現在時刻は18:54分。
アユミの感覚的にはもう既に何日も経っているようだった。
 ▼ 40 ブソル@ゴージャスボール 25/02/22 12:14:56 ID:WtKQpXsY [36/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミは受付前のソファーにうなだれるように倒れ込み、すすり泣いた。
突如襲った理不尽、これからの不安、何より……結果的に誰も救えなかったことの喪失感がとめどなく押し寄せてきた。

アユミ「相棒……ポケセン前にわるわるゾーンお願い……」

イーブイ「ブイッ!」

わるわるゾーンは攻撃発生後に物理攻撃を半減させる壁を発生させる技だ。感染によって人の力を逸脱するということがなければ、この壁を壊すことはできないので暫くは立てこもれる。
 ▼ 41 メパト@メダルボックス 25/02/22 12:15:22 ID:WtKQpXsY [37/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
次第にアユミはねむりごなを多少なりとも吸い込んだのか、疲労からか、はたまた現実からの逃避か。ソファーの上で眠りについた。
イーブイもまたアユミの首元まで駆け寄って一緒に眠った。
 ▼ 42 ティアス@ゴクリンのねんえき 25/02/22 12:20:13 ID:wUVcSGpw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アユミちゃん…wネタとは思えないくらいシリアスやんけ支援ネ
 ▼ 43 レユータン@ラブカスのウロコ 25/02/22 18:39:31 ID:9mMsCQ9U NGネーム登録 NGID登録 報告
BBSで見るアユミちゃん…wってロリコンじゃなくてゾンビだったんだ
 ▼ 44 ビビール@つめたいにんじん 25/02/22 19:57:43 ID:WtKQpXsY [38/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アユミ「シン君久しぶり!今日はね。一緒に遊びに行く前に渡したいものがあるんだー!」

アユミ「じゃじゃーん!これタマムシデパートで買った白い髪飾り!可愛いでしょ?私のは赤い髪飾りなんだよ!お揃いだね!」

アユミ「……シン君?」

シン「……アユミちゃん…w」

アユミ「……!!」
 ▼ 45 レディア@ケチャップ 25/02/22 19:58:01 ID:WtKQpXsY [39/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミはソファーから転がり落ちて目が覚めた。同時に近くで寝ていたイーブイも飛び起き、何事かといった具合に周囲を警戒する。

アユミ「夢か……いや…今は夢も現実も変わらないね……。」

アユミは自嘲気味に乾いた笑いが出る。時計を確認すると、現在時刻は21:06。殆ど眠れていないが、外の状況を考えるのではあればあまり長居は出来ない。むしろ悪夢を見て飛び起きたのは怪我の功名だったのかもしれない。
 ▼ 46 ュバルゴ@イーブイのけ 25/02/22 19:58:14 ID:Y2uoNqWI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シンまで…
 ▼ 47 タッコ@アメタマのミツ 25/02/22 19:59:00 ID:WtKQpXsY [40/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「とにかくお母さんのことが心配だから家に帰ろう。タマムシから歩いて帰るとしたら、ヤマブキ→クチバ→ディグダの穴を通って2番道路→トキワシティ→マサラタウンだね。」

アユミ「そういえば……もしまだ無事ならこの状況を予言したナツメさんに詳しい話を聞きたいな。何か他に知ってることがあるかも……。」

自分の中でこれからの指針が決まり、少しだけ元気を取り戻すアユミ。

アユミ「そうと決まれば隙を見てここを出よっか。」

イーブイ「ブイブイ!」

ぐぅぅぅぅぅ……
 ▼ 48 ランセル@こうかくレンズ 25/02/22 19:59:21 ID:WtKQpXsY [41/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
決意した矢先アユミのお腹から大きな音が鳴った。

アユミ「……そういえば今日ミックスオレしか飲んでなかった。お土産……食べ物も買えばよかったね……。」

イーブイ「ブイ……。」

アユミ「相棒もお腹すいた?大丈夫!もうちょっと歩いたらきっとご飯にありつけるよ。」

イーブイ「ブイブイッ!」
 ▼ 49 インディ@こうこうのしっぽ 25/02/22 20:00:10 ID:WtKQpXsY [42/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
タマムシシティのポケモンセンターの自動ドアを開けた先は、幸いなことにまだねむりごなの効果が持続していて、感染者は殆ど徘徊していなかった。
とはいえ、全く感染者がいないわけではないのでアユミは隙を見計らって、時には建物の裏に隠れながら7番道路方面へと駆けていった。

地下通路を通って先に行く選択肢もあるが、狭い通路で感染者と遭遇した時のリスクを鑑みると、ヤマブキシティに用がなくとも通るのは得策ではないだろう。
やはり散見される感染者を尻目に、アユミはヤマブキシティに繋がるゲートに向かって走った。
 ▼ 50 ークイン@バンギラスナイト 25/02/22 20:01:02 ID:WtKQpXsY [43/43] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「誰も……いないね。」

ゲートには本来いるべき警備員がいなかった。ヤマブキシティには東西南北それぞれに道路へと続くゲートが設置されているが、これでは少なくとも感染源とされているタマムシとヤマブキ間の感染者の流入は防げていないことが自明だ。
つまり……タマムシと勝るとも劣らない人口を誇るヤマブキは、感染者で溢れかえっている可能性が高い。
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