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[ss]願いと平和

 ▼ 1 ルミル@ねむけざまし 16/01/16 19:40:02 ID:8XpinJqk [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
地の文主体のssです。
今日と明日で終わります。
 ▼ 2 リキザン@じめんのジュエル 16/01/16 19:40:11 ID:8XpinJqk [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
或る小さな町の外れの洞窟に、其の人と幻は居た。
幻は言う。

「よく来たね。願いを何でも、三つだけ叶えてあげよう」

「この世界を平和なものにしてくれ」

「残りの願いは?」

「全ての人の願いが叶うようにしてくれ」

「欲張りだなぁ。あとひとつだよ。最後はなに?」

「もう無い。何かあったらここに来てまた呼び出すからな」

「はいはーい。それじゃおやすみ〜」

人はジラーチに願い、洞窟を後にした。平和な世界に想いを馳せながら自分の住む小さな町に戻った人は特に大きな変化は無いなと確認し、平和の到来を待つことにした。

(そういえば…)

人は己の願いのひとつを思い出し、あることを願った。願いは空腹を満たすことであった。願いは数秒の内に現実となる。

(…おお! 胃袋が満たされたと感じる!)

人は幻の力を漸く確信した。確信して、世界の平和も届く願いということを再確認した。頼りは古い書物、故に半信半疑。否、懐疑の念が大半を占めていたが、現実に起こった不思議を前に疑いは失せた。

人は溢れんばかりの充足を感じ、眠りに就いた。
 ▼ 3 チャブル@きれいなハネ 16/01/16 19:41:25 ID:8XpinJqk [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
先の人の願いを知らぬ者がいた。総じて人間と称される者のひとりである。願いを知らぬ者がいたとしても不思議は無い。先の人は其れを知らせる手段を持たないのだから。厳密に言えば有りはした。ジラーチに「全ての人に願いを知らせよ」と願えば良かったのだ。

其の知らぬ者のひとりは、電子機器の画面を見詰めて顔に不機嫌を貼り付け、何やら呟きながら、手元の鍵盤を指で叩き付けていた。

人間壱「糞っ…! こいつ、言いたい放題言いやがって…!」

自身の持論を挫かれたが故の不機嫌であった。
そして、返す言葉を失った此の人間は、鍵盤を狂ったように叩き始める。

人間壱「し…ね…しね、しねしね死ね死ねぇぇぇ!」

そして死んだ。此の人間の願いの随に。
 ▼ 4 ブト@キーのみ 16/01/16 19:42:19 ID:8XpinJqk [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
人間壱「…? 返答がねぇな。…当たり前か」

そして気付く。自身が打ち込んだ画面の文字に。
其の文字とは、全ての生物の果てを示す「死」、言葉の意味を命令の形に変える「ね」。この二つの繰り返しであった。
それらが意味するのは、生命として終了しろという命令。
この命令を、此の人間は薄い願いとして放った。

其の画面の願いを、今度は此の人間が見ていた。命令の対象は読み手である。此の人間は両の瞳に「死ね」を写し、やがて仰け反って倒れた。

此の人間も死んだ。此の人間の願いの随に。
 ▼ 5 ルガルド@うみなりのスズ 16/01/16 19:43:42 ID:8XpinJqk [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
電子機器を使用していた人間達が原因不明の大量死を遂げた。
先の人は未だ知らない。

先の人が知らぬ間に、人の多くは死に行った。

少し気を悪くして死ねと言い放てば眼前の者は死に、気に食わぬ者を想ってくたばれと呟けば遠くの其れは死んだ。

誰一人その事実に気付くことなく、仮に気付いたとしても多言せずに利用することで事実は隠され、殺される対象たる人間は理由すら解らずに永遠の眠りに就いた。

気付けば人間は其の数を十六分の一に迄減退させていた。

多くの人間が此れを望んだのだ。一瞬の願いは修復可能な関係でさえ葬り去った。

人間は滅亡へと駆け足で歩み寄って行く。多くの人間の願いの随に。
しかし、其れは多くの人間が望まざる方向であった。唯ひとりを除いて。
 ▼ 6 フォクシー@きかいのぶひん 16/01/16 19:44:43 ID:8XpinJqk [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
或る者が気付いた。願えば叶うと。
また或る者が気付いた。この世は地獄と化したと。

望めば叶うこの地獄で人間は生き残る術を探した。

或る者は目に写る全ての死を、また或る者は自身の生を願った。
しかし、願いは相殺される。
一度生を願っても二度目の死からは逃れられない。
人間は着実に数を減らして行った。

そしてひとりが願った。

人間弍「人間は危険だ。…俺もお前みたいなポケモンに成りたいよ…」

傍らのポケモン、ピカチュウに話しかけた人間は体色や体長を徐々に変えていき、ピカチュウと成った。

ポケモンに成った人間は此の人間のみでは無かった。
ひとり、またひとりと人間はポケモンへと姿を変え、果てにひとりを残してポケモンと成った。

数多の人間は己が種族を棄てた。己が願いの随に。
 ▼ 7 ードラ@ポイントカード 16/01/16 20:10:35 ID:500JcLCg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 8 雄◆ZSLq0Csm3g 16/01/16 23:42:17 ID:zAThXCbk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援です
 ▼ 9 クフーン@ぼうじんゴーグル 16/01/16 23:42:55 ID:/oN6W7QI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
読みづらくてつまんない
 ▼ 10 ガカメックス@なんでもなおし 16/01/17 08:16:37 ID:ZnIh8eds [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
死した人間は死の間際に思った。

自身を死に追いやった何者かを死足らしめると。
思い、其の為の力の獲得を願った。

若しくは人間以外への転生を願った。
再び人間に生まれ、原因不明で死ぬのは御免という訳だ。

死後、御霊は毒霧、風船、火灯す蝋へと形質を変え、人間は種族を変えた。
則ちポケモンへの変化。死霊は余さずポケモンへと変わった。

数多の人間は己が種族を棄てた。己が願いの随に。
 ▼ 11 ノセクト@あいいろのたま 16/01/17 08:17:54 ID:ZnIh8eds [2/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
先の人は起床した。そして異変に気付く。
町に人の気が無いのだ。代わりに多くのポケモンが居た。

近隣の人間は何処か。何故ポケモンが町に多く居るのか。
ポケモンに問うても答えはない。
次いで人は願った。答えを返せと唯願った。

すると突然、頭の中に映像が流れ込んで来た。
映像は現状に至る迄の経緯を示すものであった。

全てを知った人は思った。
此れが己が願った世界なのか。人は否と自分に返す。
此の世界を平和と呼べるのか。再び否と自分に返す。

人は願いと異なる結果を齎した幻を再び訪ねることにした。
 ▼ 12 ココ@マスターボール 16/01/17 08:18:51 ID:ZnIh8eds [3/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
洞窟に足を踏み入れ、人は幻の名を叫んだ。

「ジラーチ! 出て来い! 約束が違う!」

ジラーチは叫びに応じ、洞窟の奥から姿を現す。

「ちゃんと願いは叶えたよ? 何が不満なのさ」

「確かに全ての人間の願いは叶えられた。其れについては文句は言うまい」

怪訝な表情のジラーチを見据え、人は「しかし」と付け出し続ける。

「平和な世界はどうした? 未だ叶わずにいるぞ」

「いずれ来るよ」

ジラーチは妖しく笑い、語り始めた。
 ▼ 13 ルンゲル@しんぴのしずく 16/01/17 08:19:46 ID:ZnIh8eds [4/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「人間は愚かだよね。自分の益のみを求め、ポケモンを道具のように扱う」

「そのくせ平和な世界が欲しいなんて図々しいにも程があるよ」

「ポケモンを解放してよ。そのボールに閉じ込められているポケモンたちを」

「…ボールを身に付けている者が平和を欲した。その時点で決めた。人間を滅ぼすと」

ジラーチは口の端から言葉を滾々と放った。淀み無い流水の如く。
その言葉は未だ尽きず、さらに溢れ出る。

「僕は君の願いの後で願った。世界の平和を再度、人間の破滅を以て、ね」

「君の願いは僕の願いに利用されたんだよ。どちらの願いも叶えつつ、人間が居なくなるように」

「…平和とは、愚かな人間の全てが死した世界を言うんだよ!」

ジラーチは叫び、念力で人の足を手を腰を捻じ切った。

人の右腕は血を引いて宙を舞い、左足は膝から下のみが地に残され、やがて静かに倒れた。

人も勢いよく倒れ、身を擦る。同時に或る物が「こんっ」と音を立てて落ちた。モンスターボールであった。
 ▼ 14 ブクロン@おおきなねっこ 16/01/17 08:27:07 ID:ZnIh8eds [5/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
人は残った左手をボールに伸ばす。中のポケモンは町一番の怪力。小型のジラーチ程度ならば倒せる筈と、開閉装置を押した。

出でたポケモンはカイリキー。ジラーチを視認して相手と定め、拳を振るった。

ジラーチは躱さず、頬に拳撃を受けた後で言った。

「君は其れでいいの?」

カイリキーは不意の言葉に驚き、以降傾聴した。

「人間以上の力を持つ君が、人間に使われるなんて可笑しな話だと思わないの?」

「君以外のポケモンたちは皆解放されたんだよ。人間の死を以て」

カイリキーは倒れている人を見た。人は何やら叫んでいた。
「そんな奴の話を聴くな!」「俺を守れ!」「そいつを倒せ!」と。

カイリキーは人に近寄った。主人を助ける為に。
伸ばした手は其の為の行為。主人たる人はそう思った。

伸ばされた手は人の傍ら、モンスターボールを掴む為に使われた。
そして握り潰す。

人は先ずカイリキーの行為を理解しなかった。
次いで理解し、行く末を見据えて狂いに狂い、狂乱に叫んだ。

理解したのはカイリキーの裏切り、見据えた未来は死であった。
 ▼ 15 ミロップ@おおきなしんじゅ 16/01/17 11:35:26 ID:ZnIh8eds [6/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
カイリキーは掌中の鉄屑を投げ捨て、洞窟の外、光の中へと消えて行った。

ジラーチは人の様を見て言う。

「哀れだね。君もどうせあのカイリキーに数多の命令を下し、其れに従うことを当たり前とでも思っていたのでしょう? 」

人はもう聞いてなどいなかった。目の前の悪魔が自分を殺してしまう。助かる方法を血走った白眼で模索していた。

そして願った。己を助けてくれと。痛みを止めてくれと。
願いは叶えられる。人自身が忘れかけていた、己が願いの効力に因って。

人は苦しみを忘れた。手足の断面からは痛みが去り、次第に人は落ち着きを取り戻していった。

「忘れてた。僕が叶えた願いだったね」

「はははははっ! 此れで死なんぞ! 願えばいいのだ! 死にたくないとなぁ!」

狂喜の内で人は願った。死にたくないと。
その願いはジラーチが直接叶えることとなった。
 ▼ 16 ョンチー@ポロックキット 16/01/17 11:37:37 ID:ZnIh8eds [7/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
ジラーチは人の残った四肢を捻じ切った。吹き飛ぶ左腕と右足は血を散らし、人を鮮やかな赤に染め上げる。

人は新たな痛みに叫び、しかし抗う言葉を放る。

「はぁ…はぁ…。…手足が何だ。其れでも死なんっ!」

「其の願いは確かに届いたよ。後は叶えるだけ。いずれ君は死ななくなるよ」

言うと、ジラーチは人を超能力で宙に浮かべた。苦しげに息の吸う吐くを繰り返している人を見上げ、最後に言う。

「死して輪廻と転生を絶てば、其れ以降は死なないよね」

人は驚愕と絶望の二面をひとつの顔に表し、混ぜた二つの感情を左右に分けた。

驚愕は鈍い音を立てて真下に落ち、絶望が紙切れの如く千切れて行く様を片目で見ていた。

人は凄絶な死を以て、死との関わりを絶った。人の願いの随に。
 ▼ 17 ラサリス@びっくりこやし 16/01/17 11:38:32 ID:ZnIh8eds [8/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
僕は洞窟の外に出た。
暗闇に慣れた目を陽光に細め、少しずつ開いて行く。

外に出たのは何千年ぶりだろうか。確か大きな戦争以来だ。
…あの時出会った人間は元気だろうか。さっきの人の願いによって死んでいなければいいのだけど。

思い、僕はふわふわと飛ぶ。自由に、遊ぶように。
眼下の森に、町に、大都会に、ポケモンたちも自由に遊ぶ。

人間だった者もその記憶を無くし、仕事や法律から解き放たれて今を生きる。

自分たちを縛るものをなくした広い世界は、まさに平和。

何千年か前の友だちと語り合った平和を堪能する僕に、鳥ポケモンたちが並んで飛び、話しかけてきた。

人間から解放された自由の楽しさを、この広い世界に遊ぶ幸せを、平和を写したような無邪気な笑顔で語る。

僕はただただ嬉しかった。はるか昔に描いた世界の訪れが。そこに生きるポケモンたちの笑顔が。

その後、高く低くのんびりと飛んではポケモンたちと話し、風の吹くままに流された。

流されるまま、僕は眠っていた。
 ▼ 19 ータス@ナナのみ 16/01/17 11:40:52 ID:ZnIh8eds [9/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
どれほど眠っていたのだろうか。きっと千年だろう。僕はそういうポケモンだし。

僕は眠い目を擦り、周りを見回した。ここは森のようであった。

どこか懐かしく感じる、植物に被われた家々。
かわいらしい草花を所々に飾る、どこまでも広がる草原。

時の流れを感じる深い緑の中には、過去に生きた人間の名残があった。

そんな景色の中に、ポケモンたちはいた。あの日と変わらない自由と楽しげな笑顔で。

千年経った今でもこんな世界が続いているんだ。
僕はポケモンたちに話しかけた。この世界の感想を訊き、その自由さ、楽しさを飽くまで聞いた。

僕はそのポケモンたちと別れ、森の深くを散策することにした。

なんとなく自分の足でとことこと歩き、その奥に見付けた。
数千年前に会った友だちを。

愛し合う彼らは楽しそうに話し、周りのポケモンたちもその話しに耳を傾けている。

僕は彼の名前を呼んだ。彼は僕を見て驚き、続いて再会を喜ぶような笑顔になった。

彼の話、彼らの笑顔、そこにいるみんなの幸福な雰囲気。それらを聞いて、見て、感じ、僕もその幸福に浸った。

こうして、僕と彼らの数千年前の願いは叶えられ、願われた真の平和が訪れた。僕らが願った随に。

お話はおわり。しかし、願われた平和は永遠につづく。
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