▼  |  全表示29   | <<    前    | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【夜SS】ナイトメア・イーター

 ▼ 1 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 20:58:06 ID:mCqImCp6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 とある深夜の出来事。一匹のゴローンが、いびきをかいて熟睡していた。

「ぐ〜っ、ぐ〜っ……」

 そのゴローンの、夢の中では……。

「おお、これは……。ここにあるのは……」

 ゴローンの眼前に広がるのは、彼の好物である、岩石の山。歓喜するゴローンは、「お〜し、喰うぞぉ…いただきまぁ〜すっ!!」と、声をあげて岩石の山を平らげる。

「ふぅ、旨い。もっと喰うぞぉ!!」

 ──だが。
 ▼ 2 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:02:00 ID:ebFcH8A2 [1/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……あれ?」

 最も良い所で、目を覚ましてしまうゴローン。

「あれ、なんか……とても良い夢を見ていた気がするが……。なんでぇ、つまんねぇ」

 再度ゴローンは、眠りに入る。彼は先程の夢の内容を、まるっきり忘れてしまっていた。いや、むしろ夢が『消失した』と言った方が良いだろうか。

「ふぅ、中々良い味だったな」

 それは、このポケモン、スリープの仕業であった。

(やはり、良い夢を食べるのは止められないな。……それが、罪であると分かっていても……)

 このスリープ。他者の良質な夢を喰らい、快楽を得ている悪党ポケモンである。
 ▼ 3 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:02:36 ID:ebFcH8A2 [2/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
(さて、夢も頂戴したことだし、もうこの家には用はない。こっそり、帰るとするか)

 スリープは、ゴローンの家を後にする。スリープの本業は、悪夢を喰う仕事……通称『夢喰い屋』であった。悪夢に悩まされてるポケモンの依頼で、その悪夢を根本から食べてしまい、断ち切ってしまうという訳だ。だが、そういう悪夢は物凄く不味い。『俺にもっと他の才能があれば、こんな仕事すぐにでも辞めてしまいたいぐらいだ』と彼は考えている程に。

(まぁ、俺には夢を喰う以外取り柄がないから、仕方がないんだがな)

 だから、彼は『不法侵入罪』や『無断良夢摂取罪』と言った犯罪に引っ掛かると知りながらも、良い夢を食べることを止められない。この仕事を長年やってきたおかげで、ポケモンが良い夢を見てるのか悪い夢を見てるのかは、寝顔だけで判断できてしまうようになってしまっていた。

「……まったく、情けない限りだぜ。こんな、最底辺の仕事なんてよぉ」

 と、彼はため息まじりに呟く。その呟きは誰にも届かず、夜の空気にかき消されていった。
 ▼ 4 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:03:17 ID:ebFcH8A2 [3/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ありがとうね、スリープ。これでもう悪夢に悩まされずに住むよ。……はい、報酬だよ」
「はい、こちらこそありがとうございます」

 ある日の夕刻。スリープは、『表の顔』である夢喰い業を引き受けていた。

(……たったこんだけか。この仕事、労力の割に報われないんだよな)

 そんな思いを、内心吐露しながら。

「じゃあ、失礼します。……良い夢を!!」

 仕事終わりのお決まりのフレーズを、依頼人にかける。

(さて。今夜も、良い夢を頂くとするかな)

 悪しき欲望をも、心に秘めて……。

 ◇  ◇  ◇

「ふぅ……今日は疲れたな」

 その後スリープは、とある公園で体を休めていた。そんな彼の元に、とあるポケモン達が……。
 ▼ 5 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:04:08 ID:ebFcH8A2 [4/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「あはは〜、パパ……こっちだよ〜!」
「全く、お前は走るのが早いな〜。パパなんか、子どもの頃からビリッカスだったっていうのにさ」
「え〜、そうなの〜?」
「ハハハ」

 そんな家族のポケモン達を目にしたスリープは、思う。

(……“カゾク”、か)と。

 スリープの両親は、既に他界していた。母親は幼い頃に病気で亡くし、それをきっかけに優しかった父親も酒に溺れてしまい、彼にに虐待を加えるようになってしまった。その父親も、火の不始末が原因で死亡。なお思う。『こんな低辺な俺と結婚しようなんていう物好きなんぞ当然いない。俺はずっと一匹。その日その日をしのいで暮らしている可哀想なポケモンに過ぎない』と。

(そんな俺に…“カゾク”なんてできない。俺は、ずっと……一匹なんだ)

 そう。ずっと……。
 ▼ 6 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:04:39 ID:ebFcH8A2 [5/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
──そして、深夜

「ふぅ、ピッキング成功。今夜は、ここの家のポケモンの夢を頂くとするかな。気づかれないように……ゆっくり……ゆっくりと」

 スリープ、とある部屋の扉の前に立つ。

「……ここは、子ども部屋か? 鍵は、掛かっていないか。では、失礼して……」

 子ども部屋に侵入するスリープ。そこでは、一匹のミミロルが就寝していた。

「く〜っ、く〜っ……」
(では、頂くとしようか。君の、夢を……)

 スリープ、彼女の夢を覗く。

(この、夢は……)

 その夢の、内容は──

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
………
……
…
 ▼ 7 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:05:10 ID:ebFcH8A2 [6/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「こら、ミミロル……。あんまり遠くにいっちゃダメよ〜」
「ハハ、誰に似たのだか。ミミロルは元気っ子だな」
「ママ、パパ、私どこまでも走れるのよ。どこまでも、どこまでも……この大地がとてもちっぽけに思えてくるの!」

 スリープは思う。『また、“カゾク”か。今日はカゾク難だな』と。

(だけど……。ああ…この夢は……)

 なんて、温かいんだ……!

(これが…“カゾク”……? 俺が、絶対に得られないと思っていた感覚……?なんて美味しいんだ、この夢は……。もっと味わいたい、堪能したい……)

 しかし。

「……え、だ……れ……?」
(しまった、やり過ぎた!)

 ミミロルが、起きてしまう。
 ▼ 8 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:05:46 ID:ebFcH8A2 [7/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……おじさん」
「し、失礼しましたぁ〜!!」

 スリープは、一目散に家を後にした。

「くそっ、遂にバレてしまった。不味いぞ、あの女の子かその家族が警察に通報するかもしれない。そしたら、俺はもう終わりだ……!!」

 ◇  ◇  ◇

 しかしあれから数日経っても、スリープの元に警察がやってくる気配は無い。その間もスリープは懲りずに良い夢を喰らい続けていたのだが……。

(……なんだろう、確かに良い夢は美味しい。美味しいんだ。……だけど。あの時のミミロルの夢。あれよりは、劣っている)

 あの夢より美味しい夢はなかったと、スリープは思ってしまっていた。その訳が、分からないままに……。

《……次のニュースです。就寝中、ポケモンが変死する事件が後を経ちません。政府は、これを感染症等の疑いがあると見て……》
 ▼ 9 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:06:22 ID:ebFcH8A2 [8/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
 その日の夜。スリープの足は、あのミミロルの家に向かっていた。

(……また、来てしまった。もう一度、あの夢を食べに……)

 スリープ、ミミロルの部屋に入る。

(ミミロルは、よし、寝ているな……。では、夢を……)

 その時。

「「バァ!!」」
「……なっ!」

 ミミロルが、布団から飛び上がった。

「お前、起きていたのか……!?」
「フフッ、タヌキ寝入りだよ、おじさん」

 驚愕、そして落胆するスリープ。

「してやられたと…言う訳か。……いいぜ。警察に通報なりなんでもしてくれ」
「そんなこと、しないよ」
「……え?」

 そのミミロルの返答に、戸惑うスリープ。
 ▼ 10 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:06:55 ID:ebFcH8A2 [9/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……なんでだ? 俺は、お前の家に無断で立ち入り、なおかつお前の夢を食べようとした悪い奴なんだぞ? それを、なんで……」
「……だっておじさんは、私の初めての……“友だち”だもん」
「と、友だちぃ〜!?」

 自分のことを『友だち』と呼んだ訳を、スリープは聞くことにした。

「…私、生まれつき体が弱くて、学校にも行けずにこの家にずっといるんだ。走ることだって多分できないの。本当は、走りたいのに……」
(そうか、あの夢は……。走りたいという、願望が招いたものだったのか……)
「親以外のポケモンなんて、見たことがない。ずっと、“友だち”が欲しかったのよ。そこに、おじさんが現れたって訳」
「で、でも、俺はおじさん。君といくつも年が離れている。そんな友だちがいるかぁ〜!? そんでもって、俺は不法侵入者だ。そんな俺を、信用できるはずが……」
「信用できるよ。
だって、おじさん……優しい顔、してるもの」
「お、俺…そんな顔、してるかなぁ〜……」

 赤面するスリープ。
 ▼ 11 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:07:49 ID:ebFcH8A2 [10/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「うん、してるよ。たっぷりしてる」
「……ハハ、そうか。俺、優しいのか……ハハ……」
「……ねぇ、おじさん」
「なんだ?」

ミミロル「また……会っていい? この時間帯で良いから……」

 スリープは返答に困る。出て行けというのなら分かるが、自分のような悪党に、また会ってもいいかというポケモンがいるとは……。

「……いい?」
「あ、ああ…良いぜ。お前が良いのならな。ただ、お前の親に見つかるとヤバイ。こっそり来ることにする」
「……アタシの両親は、いないの。もうどっちも死んじゃってて……」
「そ、そうなのか……。悪いこと言ってしまったな」
「でも、もうこれで悲しくないよ。おじさん、ありがとう! やった、やったぁ〜、友だちができたぁ〜!!」
「そ、そんなに喜ぶものなのかなぁ〜……」

 こうして、スリープとミミロルは度々会うことになった。……友だちとして。
 ▼ 12 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:08:19 ID:ebFcH8A2 [11/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……で、もってな……」
「うんうん……」
「……だからさ」
「うわ〜、すっごく面白い〜!!」

 スリープは、ミミロルに今まで食べた夢の話をする。悪夢ではなく、良い夢を中心にして。豪邸マンションに住む夢、大好きな食べ物をいっぱい食べる夢、宝くじが当たった夢、恋人と結婚を果たす夢。

「ふんふん……」

 それをミミロルは、全部面白がって聞いていた。夢というものは、そのポケモンの欲望が忠実に反映されるから面白いとスリープは思う。だからこそ、食べがいがあるのだとも、彼女に語った。
 ▼ 13 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:08:51 ID:ebFcH8A2 [12/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ありがとう、おじさん。今日も面白い話、いっぱい聞けたよ」
「ハハハ、夢の話を全部しようとなると、その前に寿命が尽きてしまう。それ程たくさんの夢を、俺は喰ってきたのさ」
「でも、おじさん……」
「なんだ?」
「おじさんにお礼したいんだけど、私、何も持ってないの……」
「いいんだそんなこと。気にするな」
「……そうだ! おじさん。私ね、きのみプランターできのみを作っているの。今度お礼にそれをあげるね。……ごめんね、そんなことぐらいしかできなくて」
「いいよ、きのみは俺の好物だ。楽しみにしてるよ、ミミロル」
「うん!」

 そして、その日の夜もスリープはミミロルと語り合い、そして別れた。しかし、ひとつ、スリープは気になることがあった。

《連続変死事件はますます規模を広げており、遂にメーユイ町の住人全員が死亡するといった大惨事となりました。政府は、この件を重く見ており……》

 メーユイ町とは、ミミロルの町の隣町である。このままでは、彼女の町までにも被害が及ぶかもしれないとスリープは考える。
 ▼ 14 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:09:24 ID:ebFcH8A2 [13/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ◇  ◇  ◇

 それは、あくる日の夜の出来事であった。

(……今日もミミロルと会わないとな……。アイツ、楽しみにしてるんだろうな)

 その時。スリープは、目を疑うような光景を目にする。

(……な、なんだ?)

 謎の黒い影が、とある民家へと侵入していくのだ。

(なにが、起こっている……。こっそり窓から見てみるか……?)

 民家の室内には、寝ているポケモンがいるようだ。そして黒い影が、ポケモンの身体を覆った。

「……う、うぅ……!」
(ポ、ポケモンが、苦しんでいる……!?)
 ▼ 15 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:10:01 ID:ebFcH8A2 [14/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
 そしてポケモンは、動かなくなった。

「まさか……。ちょいと、失礼!」

 スリープ、ポケモンに呼びかけるも。

「駄目だ、息絶えている……。もしや。これが……変死事件の、正体……!?」

 その時、スリープに呼びかける声が一つ。

「……ほう」
「だ、誰だ!?」
「私の正体に感づいたようだな。いかにも、我こそがこの変死事件の黒幕……『ダークライ』である」
「ど、どうして……どうして、ポケモンを殺すんだ?」
「別に殺すつもりはないんだ。ただ、私が悪夢を見せポケモンの力を吸収しようとすると、貧弱なポケモンがそれに耐えきれずに、結果的に……死んでしまうだけだ」
「ポケモンの命をなんだと思っているんだ……」
 ▼ 16 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:10:43 ID:ebFcH8A2 [15/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ダークライに憤り、スリープは声を荒らげる。そして、更なる返答をスリープは求めた。

「おいダークライ、なぜポケモンの力を求める!?」
「では言ってやろう。私の目的は、世界征服」
「なっ、世界征服、だと……!?」
「そうだ。そのために、我の肉体を強化する必要がある。だからこそ、ポケモンの力が必要なのだ。貴様の力も頂くこととしよう!」
「なっ…!?」

 ダークライ、スリープに攻撃を仕掛ける。

「……喰らえ、我が奥義……ダークホール!!」
(なんだ、この黒い渦は……!うぅ、眠気が……!!)

 そして、スリープは倒れ込んでしまった。

「フフ、呆気ないものよ。さて、後はコイツの力を……」
「おじさん、危ない!」
「……ん?」

 スリープの元に、ミミロルが駆け付けた。そして彼を抱えて、颯爽とダークライの元を後にする。

スリープ「う、うぅ……?」

 ◇  ◇  ◇
 ▼ 17 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:11:16 ID:ebFcH8A2 [16/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……フン、逃したか。しかしこのままにはしておかんぞ。奴の力……必ず吸収するとしよう……。フハハハハハ……」

 一方、ここはミミロルの家。

「ハァ、ハァ、ゲホッ、ゲホッ……」
「ミミロル、その病弱な身体で無茶をして……! ……だけど助かった、ありがとう……」
「おじさんがあの家に入って行くのが窓から見えて……。ハァ、頑張れば……走れるものなのね、ハァ……。それよりおじさん、何があったの? あのポケモンは一体……」

 スリープ、一部始終を彼女に話す。

「そんな……ことが……」
「奴の攻撃からは、逃れることができなかった……。俺は、眠りへと誘われてしまった……。夢を喰う立場であるはずの俺が、情けないことだ……」
ミミロル「おじさん……」
スリープ「そうさ、俺は駄目なポケモンだ。そんな俺に、何ができよう」
ミミロル「お、おじさん……?」

 先刻の『ダークホール』の影響もあってか、自己嫌悪へと、スリープは陥ってしまっていたのだ。

「考えてみれば、俺は夢を喰うだけの底辺な仕事に就き、いい年をして結婚もしていない」
「お、おじさん……何を言っているの……?」
「そう、俺は、情けない……駄目なポケモンなのさ……」

──どうせ、俺なんか……。
 ▼ 18 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:11:50 ID:ebFcH8A2 [17/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
 その時。

「違 う ッ ! !」

 ミミロルが、耳で力一杯スリープの腹を殴る。

「ぐへぇッ!?」

 情けない声をあげるスリープ。

「おじさんは、駄目なポケモンなんかじゃない!!」
「……な、なんで……」
「お、おじさんは、悪夢に困っているポケモンの夢を食べて、ポケモンを助けているじゃない!! そのポケモンの笑顔を見て、まだ“底辺な仕事”だって言うのっ!?」
「……ミミロル」
「それに、おじさんは私にいっぱい話をしてくれた! 家に閉じこもりで寂しかった私を救ってくれた!! それなのに、自分を否定するの、やめようよ……。おじさんは、立派なポケモンだよ……?」
スリープ「……俺が、立派……」

 数秒、二匹は黙り込む。そしてスリープの、次の返答は。
 ▼ 19 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:12:50 ID:ebFcH8A2 [18/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ああ、そうだな。俺は……立派だ」
「……おじさんっ!!」
「俺は馬鹿だな。最後に頼れるのは自分自身、その自分を否定してはオシマイじゃないか。ありがとう、ミミロル。本当に救われた。まるで……お前といると、本当に“カゾク”といるみたいに心が安らぐよ」
「ありがとう、おじさん……」
「……“カゾク”か。」

 その時、テレビがジャックされたのか、謎の放送がテレビに映し出される。

「な、なんだ…!? こ、これは……」

《スリープとやらよ。明日の夜、この家の最寄りの公園まで一匹で来い。
 来なければ、戦闘放棄とみなしこの町のポケモン全員の命を奪うことにする。
 賢明な判断を願う。ダークライ》
 ▼ 20 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:13:22 ID:ebFcH8A2 [19/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……行かなければならない。この町のポケモン全員の命を救うためにもな。……敵うかどうかはわからないが」
「お、おじさん……」
「なんだ?」
「こ、これ……。お守り、って程でもないけど」
「これは……」
「きのみよ、この前言ってた。私にはこのぐらいしかできないけど……」
「ミミロル……」
(……このきのみなら)

 どうやらスリープには、計略があるようだ。

「生きて、生きて帰って来てね……」
「心配するな、ミミロル。必ず無事に帰って来るさ。アイツを倒し、この町を、いや…世界を救うんだ!」
「うん、がんばってね、おじさん!!」
「ああ、がんばるさ!!」
 ▼ 21 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:13:55 ID:ebFcH8A2 [20/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ◇  ◇  ◇

 そして今。公園にて、スリープとダークライが対峙する。

「よくぞ、逃げずに来た」
「お前を倒して、帰るだけだ。なぜ逃げる必要がある?」
「……ほう、言ってくれる」
「お前の技を喰らう前に、攻撃するまでよ! 先手……必勝っ!!」

 スリープ、ダークライ目掛けて駆け出す。

「……馬鹿め」

 それを軽々とダークライは回避し、

(……避けたっ!!)
「さぁ暗黒に誘ってやろう。……ダークホールッ!!」

 スリープ、またもや睡魔に襲われて……。

「う、うぅ……」

 地に、伏した……。
 ▼ 22 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:14:31 ID:ebFcH8A2 [21/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……あっけないものよ。やはり、私に敵うポケモンなどいないのだ。今に見ていろ……必ずこの世界を我が手中に入れてやるっ!! フハハハハハハハッ!!」

「……そうはいかないぜ」

 だが、スリープは起き上がった!

「……! な、なにっ!? な、なぜ起きている!?」

 激しく狼狽するダークライ。

「……へへへ」
「き、貴様…それは……!!」
「そう、これは『カゴのみ』。これで俺は起きることができた。そして、喰らえっ!!」

 スリープは、激しいパンチをダークライの腹部にお見舞いする。

「ぐうっ!!?」
 ▼ 23 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:15:41 ID:ebFcH8A2 [22/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ミミロル直伝の腹パンさ! その様子だと、今までその『ダークホール』というあまりにも協力な武器があり、まともに攻撃を受けたことがなかったようだなぁ!!」
「クッ、もう一度、ダーク……」
「それも、いかないなぁ」
「き、貴様…何をするっ!?」
「お前の身体は、いわば巨大な悪夢の集合体。だったら、喰うことができる。こちとら、これが仕事でねぇっ!!」
「や、やめろおぉぉぉぉっ!!」
「夢は……朝には忘れ去られるものなのさ」

 そしてスリープは、ダークライを捕食したッ!!

「ぐわあぁぁぁぁ〜〜〜っ!!」

 ダークライが、スリープに完全に飲み込まれた……。

「……うっぷ。不味い、こりゃ珍味だ」
 ▼ 24 1◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:16:38 ID:ebFcH8A2 [23/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ◇  ◇  ◇

 こうして。

「スリープ殿、この度は事件解決にご協力、誠にありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして」

 警官に感謝の言葉をかけられるスリープ。

「そして、まことに申し上げ辛いのですが……」
「……ん?」
「あなたを、不法侵入罪と無断良夢摂取罪の疑いで、逮捕しなければなりません。付近の住民より、通報がありました……」
「……そうか」
「お、おじさん!!」
「……ミミロルか。お前にも、悪いことをしたな」
「私、ず〜っと待ってるから! おじさんがまた出てくるまで…ず〜〜〜〜っと待ってるからぁっ!! うっ、ひっく、ぐすん……」
「ありがとうな、ミミロル。だったら、ずっと待っててくれよ。その時は、そう……“家族”になろうな」
「うんっ、本当だよっ……おじさんっ!!」

 こうして世界を救った英雄は、警察に連行されていったのであった。
 ▼ 25 おしまい◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:17:12 ID:ebFcH8A2 [24/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
 数年後……。

「へぇ、君のパパは、とっても立派なんだね」

 学校の先生が、そのうさぎポケモンの少女に声をかける。

「うん、パパはね! とても立派な、ポケモンを笑顔にする仕事をしているの! 確か、今日も仕事だって……」

 一方で……。

「ありがとうございます、これでもう悪夢に悩まされることもなくなります。本当に、なんとお礼を言ったらいいか」

「いえいえ、これが私の仕事ですから。じゃあ、失礼します」

 では……。良い夢を!!

 ◇  ◇  ◇

この道より

我を生かす道はなし、

この道を行く。

           《武者小路実篤》
 ▼ 26 ガラルニャース@ふといホネ 25/04/02 21:17:19 ID:BZYMwkac NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うーんこれはポケダンダークライ
 ▼ 27 おしまい◆Poj3PkgzUg 25/04/02 21:20:19 ID:ebFcH8A2 [25/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
・このSSはこの企画(

【SS企画】2025年5月SS企画「夜」【4/1〜5/9】

https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=2321118
)に参加しています

・このSSは数年前に書いた過去作のリメイクですが、今回
ポケモンの名前「セリフ」→「セリフ」のみに手直しする際に、数カ所そのままで記載してしまいお見苦しい点があったことをお詫び申し上げます

最後まで見ていただいてありがとうございました
 ▼ 28 セグレイブ@パワーアンクル 25/04/06 18:42:27 ID:Hn5.FRYY NGネーム登録 NGID登録 報告
乙
 ▼ 29 ネイティオ@キバゴのウロコ 25/05/10 20:28:10 ID:Mj6YRW62 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>26
ポケダンでいう最初のボスが裏ボス倒してることに気づいた
このページは検索エンジン向けの機能制限版の旧ページです。
下URLから閲覧下さい。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=2322168
  ▲  |  全表示29   | <<    前    | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。
書込エラーが毎回起きる方はこちらからID発行申請をお願いします。(リンク先は初回訪問云々ありますがこの部分は無視して下さい)

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!

(消えた画像の復旧依頼は、お問い合わせからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼