ヒメグマ「強いって何だろうね」ワンリキー「うーむ…」:ポケモンBBS(掲示板) ヒメグマ「強いって何だろうね」ワンリキー「うーむ…」:ポケモンBBS

  ▼  |  全表示365   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

ヒメグマ「強いって何だろうね」ワンリキー「うーむ…」

 ▼ 1 メノデス@ゆきだま 16/02/02 00:51:05 ID:PbkVgGpM [1/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ある村の昼下がり、カフェ「アネモネ」は今日も賑わっていた。

食事をする者もいれば、数人で談笑をする者もいる。
皆、思い思いの時間を過ごしていた。

ただ一匹を除いて…。
 ▼ 2 ルシェン@リピートボール 16/02/02 00:52:25 ID:PbkVgGpM [2/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
テーブルに突っ伏したままピクリとも動かない。そんな親友の姿…、もといヒメグマの姿に、ワンリキーは呆れ果てていた。

ワンリキー「呼び出しといてこれかよ…」
 ▼ 3 ローニャ@かくとうジュエル 16/02/02 00:53:10 ID:PbkVgGpM [3/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
今朝ヒメグマから連絡があった。
『話したいことがあるんだ。アネモネで落ち合おう』
いつになく真面目な声だったので何事かと思い、いざアネモネに来てみれば、当の本人が夢の中にいる。

何だこの肩透かしは。

注文したマトマシェイクを口に含みながら、ワンリキーはふと考える。
 ▼ 4 ッスグマ@たつじんのおび 16/02/02 00:54:57 ID:PbkVgGpM [4/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー(起こすしかないよなぁ…)

面倒だ…。そう思いながら席を立ち、ヒメグマに歩み寄って行く。すると…

???「ワンリキーさーん!」

カフェの出入り口から聞き馴れた声がした。振り返ってみると、声の主…、
チラーミイは屈託のない笑みを浮かべながらこちらに向かってくる。
先程まで仏頂面だったワンリキーにも笑みがこぼれた。
 ▼ 5 ロアーク@ひきかえけん 16/02/02 00:56:16 ID:PbkVgGpM [5/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「ワンリキーさんもヒメグマ君に?」

ワンリキー「ああ。チラーミイにも連絡していたのか」

ワンリキー「ま、座れよ。何か頼むか?」

チラーミィ「ありがとうございます。では、マゴとパイルのミックスオレを」

ワンリキー「わかった。すんませーん」

チョロネコ「はぁい!」
 ▼ 6 ガガルーラ@しあわせタマゴ 16/02/02 00:57:21 ID:PbkVgGpM [6/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
チョロネコ「ご注文はお決まりですか?」

ワンリキー「マゴとパイルのミックスオレ一つと、マトマシェイクのお代わりお願いします」

チョロネコ「はい!承りました」

チョロネコ「少々お待ちくださいね」

チラーミィ「そういえばヒメグマ君は…」

ワンリキー「夢の中だな」

いまだに目を覚まさないヒメグマを横目で見やる。机に顔をうずめているのでこちらからは表情が見えない。
 ▼ 7 ギアル@どくのジュエル 16/02/02 00:58:28 ID:PbkVgGpM [7/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「幸せそうですね」

ワンリキー「本当にな」

そこにチョロネコがマトマシェイクとマゴとパイルのミックスオレを運んできた。

チョロネコ「お待たせしました!マトマシェイクとマゴとパイルのミックスオレです」

ワンリキー「どうも」

チョロネコ「ありがとうございます」

チョロネコ「ごゆっくりどうぞ」
 ▼ 8 ノノクス@ミクルのみ 16/02/02 00:59:55 ID:PbkVgGpM [8/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「さてと」

ワンリキーは席をたちヒメグマに歩み寄った。

ワンリキー「おーい、起きろヒメグマ」ユサユサ

ヒメグマを軽くゆする。しかし目を覚まさない。

ワンリキー「おーい」トントン

ヒメグマの肩を叩き、先程よりも強くゆする。しかし目を覚まさない。

ワンリキー「うーむ…、起きねぇな」
 ▼ 9 ワンナ@せいなるはい 16/02/02 01:02:09 ID:PbkVgGpM [9/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「ヒメグマ君?起きて」トントン

ヒメグマ「ん〜…。ふあぁぁぁ…」

ヒメグマ「おはよ〜…。チラーミィ」

チラーミィ「ふふ、もう昼だよ?」

ワンリキー「何故なのか」
 ▼ 10 ルー@こわもてプレート 16/02/02 01:02:53 ID:PbkVgGpM [10/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「まあいいや」

ワンリキー「おはようヒメグマ」

ヒメグマ「おはよーワンリキー」

ヒメグマ「ごめんねー、二人を待ってるうちに眠くなっちゃった」

ワンリキー「別に良いよ。それより…」

チラーミィ「お話とは?」

ヒメグマ「うん。二人は盗賊団って知ってる?」
 ▼ 11 シギダネ@すいせいのかけら 16/02/02 01:03:56 ID:PbkVgGpM [11/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「盗賊団って…。おい、まさか…」

チラーミィ「この村にも…?」

ヒメグマ「村長と村の偉い人たちが話してたんだ」

ヒメグマ「昨日の夜中にね…」
 ▼ 12 クオング@ミュウツナイトY 16/02/02 01:05:07 ID:PbkVgGpM [12/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
昨晩のこと…。

村長に集められた重鎮たちは皆、緊張を孕んでいた。

ムクホーク「村長…。本当にこの村が…?」

カビゴン(村長)「うむ…。今朝ワシの家にこんなものが届いた」

カエンジシ「これは…」
 ▼ 13 ニョニョ@きょうせいギプス 16/02/02 01:06:38 ID:PbkVgGpM [13/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
●月▲日
突然ですが貴方の村を潰させていただきます。

助かりたければ以下の要求を聞き入れてください。

・村の全財産を引き渡すこと
・村の食糧を引き渡すこと

もし上述の要求を飲めなのであれば、若い女性を一人差し出して下さい。我々は貴方の村に手を出すことはありません。

良い返答をお待ちしています。
盗賊団より
 ▼ 14 ィグダ@ダウジングマシン 16/02/02 01:08:27 ID:PbkVgGpM [14/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
カエンジシ「なんて無茶苦茶な要求だ!」

カビゴン「財産と食糧は何とか準備出来る…」

メブキジカ「村長!」

ペルシアン「財産と食糧を引き渡すことはありません!盗賊団の要求に若い女性を一人差し出せとありました」
 ▼ 15 ッポ@びっくりこやし 16/02/02 01:09:14 ID:PbkVgGpM [15/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムクホーク「おい、まさか…」

ペルシアン「そのまさかよ。私だってまだ20よ。充分若いハズだわ」

ムクホーク「だからといって…」

メブキジカ「僕だって辛いさ…。でも彼女が覚悟を決めてしまっているんだ…」

カエンジシ「…。本当にいいのか?」

ペルシアン「村を守ることが出来るのなら、喜んでこの命を懸けるわ」
 ▼ 16 ルビル@バクーダナイト 16/02/02 01:10:32 ID:PbkVgGpM [16/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガルーラ「ペルシアン…」

カビゴン「この…、大馬鹿者があぁぁぁぁ!!!!」

一同「!!」

カビゴン「易々と命を懸けるなどと言うんじゃない!!」
 ▼ 17 マワリ@あかいビードロ 16/02/02 01:11:12 ID:PbkVgGpM [17/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
カビゴン「財産や食糧があるから村があるのか!?」

カビゴン「断じて違う!!」

カビゴン「民がいるから村があるのだ!!!」

カビゴン「民が働くから財産や食糧が蓄えられるのだ!!!」

カビゴン「命があってこその村なのだ…」
 ▼ 18 ングース@きかいのぶひん 16/02/02 01:12:16 ID:PbkVgGpM [18/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
カビゴン「全責任はワシが持つ」

カビゴン「だからペルシアン…」

ペルシアン「はい…」

カビゴン「もう二度とあんな言葉を口にするんじゃない」

ペルシアン「ごめんなさい…。わたし…わたひ…」

メブキジカ「村長!彼女は悪くない!悪いのは彼女を止められなかった僕だ!!」

カエンジシ「それを言うなら私だって彼女を焚き付けてしまった…」
 ▼ 19 ンフィア@フエンせんべい 16/02/02 01:14:20 ID:PbkVgGpM [19/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムクホーク「みんな…」

カビゴン「もうよい…」

カビゴン「ワシはこの村の村長であることを誇りに思う…」

カビゴン「ここまで村のことを…、仲間のことを考えてくれる民がいるのだから」

一同「村長…」

カビゴン「引き渡しの期限まであと3日だ…」

カビゴン「村を守るために、ワシに力を借してくれ」

一同「はい!」

心なしか重鎮たちの表情が明るくなったようだ。
 ▼ 20 ュウ@いいつりざお 16/02/02 01:15:58 ID:PbkVgGpM [20/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「と、いうことがあったんだ」

ワンリキー「なるほどな…」

ワンリキー「で、お前は偶然その場に居合わせちまった訳だ」

ヒメグマ「うん。もしかしたら村が大変なことになるかもしれないんだ」
 ▼ 21 ノアラシ@ぎんのこな 16/02/02 01:16:31 ID:PbkVgGpM [21/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「盗賊団…。町や村で食糧や金銭を盗んだり、住民をさらったりする集団ですね…」

ワンリキー「要求に従わない奴等はみんな殺されたらしいな」

ヒメグマ「変な奴等だよねー。奪うより分けあった方が良いのにね」

ワンリキー「それがあちらさんには分からんのだろ」

ヒメグマ「だよねぇ…。う〜ん、喋ってたら喉乾いちゃった」
 ▼ 22 リーザー@クリティカット 16/02/02 01:17:27 ID:PbkVgGpM [22/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「ワンリキー、それ分けて?」

ワンリキー「構わねぇけど…」

ヒメグマ「ありがとー」

余程喉が乾いていたのだろう。ヒメグマはマトマシェイクを飲み干す勢いで喉を鳴らす。

ワンリキー「おいおい…」
 ▼ 23 チム@クリティカッター 16/02/02 01:18:01 ID:PbkVgGpM [23/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「ぷはぁ!ごめん、ほとんど飲んじゃった」

ワンリキー「良いけどよ…。それ、マトマシェイクだぜ?」

ヒメグマ「え?マトマ…?」
 ▼ 24 レシー@においぶくろ 16/02/02 01:18:56 ID:PbkVgGpM [24/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
突如、ヒメグマが飛び上がった。

ワンリキー「あーあ…。言わんこっちゃない」

チラーミィ「ど、どうしましょう!?」

ヒメグマ「〜〜〜!!!」

ジタバタと悶えるヒメグマは、正に自業自得という言葉を体現しているようだ。

ヒメグマ「チ、チラーミィ!!そ…それ頂戴!!!」

チラーミィ「ふぇっ!?////」
 ▼ 25 マズン@ゼニガメじょうろ 16/02/02 01:19:36 ID:PbkVgGpM [25/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「早くぅぅぅ!!!」

チラーミィ「だ、駄目だよ!そんなことしたら…」

チラーミィ「か、間接キスになっちゃうよぉ!!/////」

ワンリキー「しばらく放置安定だな」
 ▼ 26 チート@じゅうでんち 16/02/02 01:21:20 ID:PbkVgGpM [26/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
端から見ればじゃれあっているだけなのだが当人たちは至って真面目である。

ヒメグマ「何で分けてくれないのおぉぉぉ!!!」

チラーミィ「はじめてはもっとロマンチックが良いのぉ!!!/////」

その後、異変に気付いたチョロネコが水を持ってきてくれた。浴びるように飲んだヒメグマは、口直しにオボン100%ジュースを頼んだ。ワンリキーやチラーミィもそれぞれお代わりを頼んだ。
 ▼ 27 ラガラ@そうこのかぎ 16/02/02 01:22:34 ID:PbkVgGpM [27/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「なぁチラーミィ」

チラーミィ「はい?」

ワンリキー「想うだけじゃ伝わらないもんがあるぜ?」

チラーミィ「お、大きなお世話です!!!」

そう言ってチラーミィは明後日の方向を向いてしまった。

ワンリキー「少し言い過ぎたか」
 ▼ 28 マゲロゲ@ザロクのみ 16/02/02 01:23:10 ID:PbkVgGpM [28/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「んー?何話してたの?」

ワンリキー「まぁ、そのうち分かるさ」

ヒメグマ「ふぅん」

そんなやり取りをしているとドリンクが運ばれてきた。

チョロネコ「お待たせしました!」
 ▼ 29 チャブル@くさのジュエル 16/02/02 01:24:06 ID:PbkVgGpM [29/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「ありがと〜」

ワンリキー「どうも」

チラーミィ「ありがとうございます」

チョロネコ「ヒメグマ君大丈夫?」

ヒメグマ「うん。さっきはありがとうね」

チョロネコ「良いのよ気にしないで!それではごゆっくり」
 ▼ 30 ラップ@ポケじゃらし 16/02/02 01:24:57 ID:PbkVgGpM [30/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
チョロネコがヒメグマたちの元から離れると同時に、チリンチリーンと刻みの良い音が店内に鳴り響く。

どうやら新しい客が来店したようだ。
 ▼ 31 ルビアル@リザードナイトY 16/02/02 01:26:24 ID:PbkVgGpM [31/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
扉をくぐって来たのはヤミラミとノクタスだった。二匹の印象を一言で表すなら絡まれたくない、といったところだろう。

二匹が来店した瞬間、先程まで賑やかだった店内は静まり返ってしまった。
 ▼ 32 オー@デンリュウナイト 16/02/02 01:27:01 ID:PbkVgGpM [32/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
手頃なテーブルに腰掛けた二匹にチョロネコが駆け寄る。

チョロネコ「いらっしゃいませ!お冷やとお手拭きです」

チョロネコは怖くないのだろうか。店内にいる客のほとんどがそう考えたに違いない。だが、彼女はウェイトレスという仕事に誇りを持っていた。
【お客様の幸せは自分の幸せ】
一種のプロ根性が彼女を動かすのだろう。
 ▼ 33 リリ@ロゼルのみ 16/02/02 01:28:21 ID:PbkVgGpM [33/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤミラミ「姉ちゃん、酒くれや」

チョロネコ「申し訳ありません。当店ではアルコールの類いは…」

ヤミラミ「はぁ?酒ないんか?」

ヤミラミ「田舎のカフェはなっとらんのぉ」

ノクタス「それぐらいにしとけ」
 ▼ 34 マズン@しんかいのキバ 16/02/02 01:29:02 ID:PbkVgGpM [34/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤミラミを宥めながらノクタスは煙草に火を付ける。

チョロネコ「すみません、お煙草はご遠慮していただけますか?他のお客様のご迷惑になりますので…」

ノクタス「あん?迷惑?」

ノクタス「知ったこっちゃ無いね。煙草の煙が嫌なら出ていけばいい」

チョロネコ「ですが…」
 ▼ 35 バコイル@とくせいカプセル 16/02/02 01:29:57 ID:PbkVgGpM [35/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
トリミアン「良いんだよチョロネコちゃん…」

チョロネコ「トリミアンさん…」

ミルホッグ「僕も我慢しますから…」

チョロネコ「ミルホッグさんまで…」

ヤミラミ「おーい、姉ちゃんこのケーキ宜しく」

ノクタス「俺コーヒーとタルト」

チョロネコ「かしこまりました。少々お待ちください」

そう言ってチョロネコは、他の客一匹一匹に謝りながら厨房の奥に消えていった。
 ▼ 36 ガオニゴーリ@みどりのバンダナ 16/02/02 01:31:21 ID:PbkVgGpM [36/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「マナーの悪い客だな」

ヒメグマ「凄いねぇチョロネコさん。あんな客にも笑顔で対処出来るんだもの」

チラーミィ「ですが、あの二人の態度は頂けませんね」

???「やっぱりそう思うっすか?」

隣のテーブルから声が聞こえた。

チラーミィ「ええと…」
 ▼ 37 チート@プラスパワー 16/02/02 01:32:46 ID:PbkVgGpM [37/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
???「おっと、すいません」

???「おいらはマグマッグ。いわゆる旅のポケモンっすね」

チラーミィ「私はチラーミィ。この村に住んでいます」

チラーミィ「マグマッグさんは、あの二匹について何か知っているのですか?」

マグマッグ「奴等はここら一帯じゃ有名なゴロツキなんすよ」

マグマッグ「噂じゃ盗賊団の一員とも…」

チラーミィ「盗賊団の…」
 ▼ 38 モネギ@しめつけバンド 16/02/02 01:34:04 ID:PbkVgGpM [38/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤミラミ「なんやこれぇ!!」

ヤミラミ「くそ不味!!食えたもんちゃうで!!」

ノクタス「全くだな。コーヒーのブレンドも最悪だ」

チョロネコ「申し訳ありません…」

チラーミィ「また…!」
 ▼ 39 ャワーズ@プレミアボール 16/02/02 01:34:57 ID:PbkVgGpM [39/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「…」

マグマッグ「ちょいとそこの兄さん」

ワンリキー「何だよ…。てか、お前誰だ?」

マグマッグ「マグマッグっす。あんたまさか変な気を起こしてないっすよね?」

ワンリキー「何のことだか…」

マグマッグ「奴等のバックには何がいるか分からないっす」

マグマッグ「あんたの勝手な行動は、この村を危機に陥れるかもしれないんすよ?」
 ▼ 40 リンク@はねのカセキ 16/02/02 01:36:23 ID:PbkVgGpM [40/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「ああ、分かってるよ…」

ヤミラミ「あ〜、不味いのぉ」

ノクタス「おい、店員」

チョロネコ「はい…」

ノクタス「飯代タダな」

チョロネコ「え…?」
 ▼ 41 アル@ノメルのみ 16/02/02 01:36:50 ID:PbkVgGpM [41/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ノクタス「こんな不味いもの食わせたんだ。当然だろ?」

チョロネコ「それだけは出来ません…」

ヤミラミ「出来へんやて?」
 ▼ 42 トマル@あくのジュエル 16/02/02 01:37:53 ID:PbkVgGpM [42/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤミラミ「舐めとんのかワレェ!!」

ヤミラミはモモンとヒメリのケーキが乗った皿をチョロネコの顔面に投げつけた。

チョロネコ「うぶっ!」

ノクタス「おら、食えよ」

ノクタスはよろめいたチョロネコの後頭部を掴んだ。そのままテーブルの上にあるズリとナナのタルトにチョロネコを何度も叩きつける。
 ▼ 43 ズレイド@でんきだま 16/02/02 01:40:04 ID:PbkVgGpM [43/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
チョロネコ「むぶぅ!ふぶぁ!」

マグマッグ「奴等に歯向かったら、ああなるっす」

マグマッグ「絶対的な力の前では、従うしか…」

マグマッグ「助かる道はないんすよ…」

チラーミィ「でも…」

他の客もただ傍観するしかなかった。体が恐怖心に支配され、声も出ない。
 ▼ 44 ラッタ@りゅうのキバ 16/02/02 01:41:35 ID:PbkVgGpM [44/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ノクタス「うまいかぁ?」

チョロネコ「ふがぅ!あぶぇぁ!」

ノクタス「そうかそうか。残さず食えよ」

チョロネコを叩きつけていたノクタスの腕が突如として動かなくなった。

ノクタス「離せよ」

ワンリキー「離すのは…テメェのほうだ」
 ▼ 45 ガサーナイト@ハバンのみ 16/02/02 01:42:30 ID:PbkVgGpM [45/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
バキャッ!!!ノクタスの腕から鈍い音がした。

ノクタス「〜〜〜〜〜〜!!!」

ノクタスは声にならない悲鳴を上げチョロネコから手を離した。

崩れ落ちるチョロネコをワンリキーは
優しく抱き止め…

ワンリキー「よく耐えたよ…」

チョロネコ「あふぁ…」

チョロネコは気を失った。

ワンリキー「チラーミィ…。頼むわ」

チラーミィ「うん…」
 ▼ 46 ルトス@すごいつりざお 16/02/02 01:43:17 ID:RY1LwNVA NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
一日に、しかもこんな人のいない時間帯にバカバカ書かない方がええで
 ▼ 47 ワンテ@ちからのねっこ 16/02/02 01:44:35 ID:PbkVgGpM [46/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤミラミ「ワレェ…、何してくれとんじゃ」

ヒメグマ「ねぇねぇ」

後ろから肩を叩き、振り向いた相手の頬を指でプスっと。一度はしたことがないだろうか? どうしても引っ掛かってしまうあの遊び…。

人差し指ならまだ笑えるが…、
 ▼ 48 ロモリ@スピードボール 16/02/02 01:46:00 ID:PbkVgGpM [47/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>46
はい、ありがとうございます
以後気をつけていきます
 ▼ 49 ジョット@ラグラージナイト 16/02/02 01:46:42 ID:PbkVgGpM [48/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
もしも拳が飛んできたら…。

メキャァ!!

ヤミラミ「ふげばぁ!」

ヤミラミは数メートル先のテーブルまで吹き飛んだ。

ヒメグマ「"だましうち"…さ」
 ▼ 50 オップ@ふしぎのプレート 16/02/02 01:47:04 ID:PbkVgGpM [49/49] NGネーム登録 NGID登録 報告
今日はここまでです。
 ▼ 51 ラガラ@ユキノオナイト 16/02/02 07:38:52 ID:mpaSStb. NGネーム登録 NGID登録 報告
個人的には、いっぺんに書いてあった方が読みやすくて良いです

支援です
 ▼ 52 ァイヤー@エレベータのカギ 16/02/02 10:38:04 ID:DelnSss6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 53 イチュウ@さざなみのおこう 16/02/02 14:26:52 ID:QgAn9qoU [1/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>51
支援ありがとうございます。
これから少しでも読みやすくなるように、善処していきます
 ▼ 54 ーボック@ダートじてんしゃ 16/02/02 14:27:18 ID:QgAn9qoU [2/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>52
支援ありがとうございます。
 ▼ 55 ガラティオス@いかりまんじゅう 16/02/02 14:27:35 ID:kQIp38RE NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
おお。いいなあ支援
 ▼ 56 ニューラ@だいちのプレート 16/02/02 14:33:57 ID:QgAn9qoU [3/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>55
支援ありがとうございます。
再開していきたいと思います。
 ▼ 57 ルビル@あさせのかいがら 16/02/02 14:36:35 ID:QgAn9qoU [4/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
ノクタス「あぎぃ…」

床にうずくまり悶えるノクタス。彼の脳内にあるのは只ひとつ…。
「痛い」というシンプルな感情だった。

ノクタス(痛い痛い痛い痛い痛い!!!痛いよぉぉぉ!!!何で痛いんだ?どうしこんなに痛いんだぁぁぁぁ!!??)

ワンリキー「やり過ぎたな…」

そう言いながらワンリキーはノクタスに歩み寄る。
未だ悶え続けるノクタスの頭のてっぺんを掴み…

ワンリキー「つづけるか?」

ノクタス(何だよコイツ…。痛い。俺の頭を掴みやがって…。痛い。舐めやがってえぇぇぇ!!!)
 ▼ 58 レベース@やみのいし 16/02/02 14:38:50 ID:QgAn9qoU [5/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
ノクタス「屁でもねぇよぉ!!グゾヤロヴガァァァァ!!!」

ノクタスの左腕が唸りワンリキーの横顔に迫る。
ワンリキーはノクタスの"ニードルアーム"をモロに受けてしまった。
ワンリキーの口から血が滴り落ちる。

ノクタス「ヴぇ?」

ノクタスは目を丸くした。ノクタスの予想通りならワンリキーの首はへし折れているハズだった。
しかし、現実は残酷である。ノクタスの渾身の一撃は…

ワンリキー「確かに屁でもねぇな」

ワンリキーの頬さえ腫れさせることも出来ないのだから。
 ▼ 59 ークイン@ものしりメガネ 16/02/02 14:39:53 ID:QgAn9qoU [6/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「俺は基本"ノーガード"なんだ」

ワンリキー「避けるなんて器用なことは出来ないもんでね」

ワンリキー「さて…、チョロネコの分…」

ワンリキー「きっちり返させてもらうぜ?」

ノクタス「あが…ひぁ…」ガタガタ

ワンリキー「喰らいな…」

ワンリキーの拳がノクタスの顎を突き上げる。カフェの天井に届くほど浮き上がったノクタスの意識は、そこで途絶えた。

ドシャァァ!!!

ノクタスが天井から床に落ちてきた音は、しばらく店内に木霊したらしい。
 ▼ 60 ンブオー@かみなりのいし 16/02/02 14:41:15 ID:QgAn9qoU [7/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「チョロネコ…、あんたの"リベンジ"…」

ワンリキー「果たしたぜ…」

ヒメグマ「終わったー?」

ワンリキー「おう。そっちは?」

ヒメグマ「あっちだよー」

ヤミラミが吹き飛んで行った場所を指差すと、テーブルの上で伸びているヤミラミを確認することが…

ヒメグマ「あれ?」

ワンリキー「おい…」

出来なかった…。
 ▼ 61 ネコロロ@きいろビードロ 16/02/02 14:43:03 ID:QgAn9qoU [8/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
その後、騒動を耳にし、駆けつけた村の警察にノクタスを引き渡した。
チョロネコは、警察と同時に駆けつけた救急救命士の迅速な処置により一命をとりとめ、村の診療所に移された。
ヤミラミの行方は未だに分かっておらず手掛かりもないらしい。

カエンジシ「ノクタスはしばらくは絶対安静にして、体力が回復しだい事情聴取を行いたいと思います」

ハピナス「チョロネコちゃんの方は任せて。目を覚ましたら連絡するから」

三匹「お願いします…」
 ▼ 62 ラッキー@マッハじてんしゃ 16/02/02 14:45:37 ID:QgAn9qoU [9/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「あの〜ちょっといいっすか?」

ワンリキー「何だ、お前いたのか」

チラーミィ「すでに旅立ったものかと…」

ヒメグマ「君だぁれ〜?」

マグマッグ「何か色々と酷いっすね…」

マグマッグ「では、改めて自己紹介させていただくっす」

マグマッグ「おいらはマグマッグ。旅のポケモンやってる者っす」

ヒメグマ「へぇー、旅してるんだ。宜しくね〜」

マグマッグ「こちらこそ宜しくっす」

ワンリキー「んで、何の用だ?」

マグマッグ「いや〜、お恥ずかしい話し…今晩の宿が見つからなくて…」

マグマッグ「どなたか一晩だけでも泊めてくれる優しいお方はいないっすかね〜?」
 ▼ 63 ーパ@ていきけん 16/02/02 14:48:04 ID:QgAn9qoU [10/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「何なら丁度いいんじゃねぇか?」

マグマッグ「丁度いいとは?」

チラーミィ「これから私の家でお鍋するんです」

チラーミィ「ご一緒しませんか?」

ワンリキー「鍋食ったあとは俺の家にでも来いよ」

ヒメグマ「僕の家でも良いよー?」

マグマッグ「皆さん…」

マグマッグ「是非!ご一緒させくださいっす!!」

ぐぎゅうぅぅぅぅ…。マグマッグの腹の虫が空腹を訴える。
 ▼ 64 ウカザル@てんかいのふえ 16/02/02 14:49:28 ID:QgAn9qoU [11/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「あはは。マグマッグのお腹が…」

ぐぎゅるるるるるぅ!!

ヒメグマ「ありゃ、僕もだ」

ワンリキー「たく…、お前は…」

チラーミィ「ふふっ…。早く準備しないといけませんね」

チラーミィ「それでは行きましょうか」

ヒメグマ「楽しみだなぁ…」

ワンリキー「いくぞー、マグマッグ」

マグマッグ「はいっす!」

四匹はチラーミィの家へと歩きだした。一方その頃…。
 ▼ 65 ルダック@やすらぎのすず 16/02/02 14:53:04 ID:QgAn9qoU [12/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤミラミ「はぁ…はひぁ…」

ヤミラミは森のなかを駆け抜けていた。未だに痛む鼻を抑えながら走り続ける。

ヤミラミ(あのガキャア…。ワイのイケメンフェイスを台無しにしおってぇ…)

ヤミラミ(次は容赦せぇへんぞ…)

ヤミラミ(ノクタス…、待っとれよ…)

(すぐに助けたる!!)

突如として視界が開けた。ヤミラミが目指す場所にたどり着いたようだ。
そこは、古びた遺跡だった。所々に崩れた柱が並んでおり、奥には何かを祀る祭壇のようなものが見える。
 ▼ 66 リージオ@ウイのみ 16/02/02 15:04:21 ID:QgAn9qoU [13/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
デルビルA「おや?ヤミラミさん、お帰りになられたのですね」

ヤミラミ「ボ、ボスは…、おるか?」

デルビルA「ボスなら…、只今お楽しみ中でして…」

ヤミラミ「こっちは余裕ないっちゅうのに…」

デルビルA「例の村のことですか?」

ヤミラミ「そうや…。ノクタスが捕まってもうた…」

デルビルA「残念ですね」

ヤミラミ「せやろ?ワイは一刻も早くノクタスを助けたいねん…。」

デルビルA「いえ、ヤミラミさんがです」

ヤミラミ「は?」

デルビルA「貴女方の村での失態は既にボスの耳に入っています」
 ▼ 67 タドガス@ダウジングマシン 16/02/02 15:06:12 ID:QgAn9qoU [14/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
デルビルA「そこでボスは決めました」

???『面倒だな。消しといてくれ』

デルビルA「残念ながらお別れですね」

ヤミラミ「あん畜生がぁ…」

デルビルA「最後に遺言があるなら聞きますよ?」

ヤミラミ「おどれ舐めとんか?一匹だけでワイを殺れる思とんちゃうやろの?」

デルビルA「その言葉、そっくりそのままお返します」

ヤミラミ「何を…」

ヤミラミは悟った。自らが置かれている状況を。何時からだ?ヤミラミは自問自答を繰り返す。
ヤミラミは…、およそ十頭のデルビルに囲まれていた。
 ▼ 68 ーリキー@パワーレンズ 16/02/02 15:08:09 ID:QgAn9qoU [15/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
デルビルB「ヤミラミさん。あんた、俺らを舐めてるね」

デルビルC「一匹だけで、この数を相手に出来る?」

ヤミラミ「ぐぎりがぁ…」

デルビルE「お疲れしたー」

瞬間、ヤミラミの視界は赤で塗り潰された。無慈悲な炎は、徐々にヤミラミの皮膚を焦がしていく。

ヤミラミ(スマン…、ノクタス…。)

ヤミラミ(こんなワイとつるんでくれて…ほんま、おおきに…)

ヤミラミはその命が尽きるまでノクタスに礼を述べ続けた…。
 ▼ 69 ルフォン@モーモーミルク 16/02/02 15:09:16 ID:QgAn9qoU [16/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
デルビルF「排除完了だす」

デルビルG「あとはノクタスだけだの」

デルビルH「今は村にいるのかな?」

ヘルガー「終わったか?」

デルビルI「ボス!」

デルビルJ「この通りですよっと」

ヘルガー「元々黒いからよく分からんな」

ヘルガー「処分を頼む」

デルビルBCD「イエッサー」

デルビル達は息絶えたヤミラミを引きずり、森の奥に消えていった。
 ▼ 70 ューラ@ポケじゃらし 16/02/02 15:10:55 ID:QgAn9qoU [17/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
デルビルA「ボス。ノクタスはいかが致しましょう?」

ヘルガー「心配するな。既に手は回している」

デルビルA「あいつですか。変な気を起こさなければ良いですが」

ヘルガー「ふっ…。あいつは俺に逆らうことは出来ないさ」

ヘルガー「なぁ…?」

ヘルガー「マグマッグ?」ニタァ
 ▼ 71 クタス@げんきのかけら 16/02/02 15:12:56 ID:QgAn9qoU [18/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ宅

マグマッグ「いやー、旨かったっす!」

チラーミィ「お粗末様でした」

ワンリキー「良く食うなお前」

マグマッグ「実は昨日からろくなもの食べてなくて…」

マグマッグ「本当にご馳走様でした。おいら、皆さんに大分お世話になっちまったっすね…」

チラーミィ「気にしないで下さい」

チラーミィ「友人をお食事に招いただけですから」

ワンリキー「そういうこった」

ヒメグマ「僕たち友達だよ〜」

マグマッグ「皆さん…」
 ▼ 72 ルケニオン@ダートじてんしゃ 16/02/02 15:14:54 ID:QgAn9qoU [19/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「あ、そうだ…」

チラーミィはキッチンへと向かい、何かを持ってきた。

チラーミィ「デザート食べません?」

ヒメグマ「ケーキだ!」

ワンリキー「良いのか?それ、一人で食べる用の…むがっ!」

チラーミィ(しーっ!恥ずかしいじゃないですか!?)

ワンリキー(お、おう。すまんな)

マグマッグ「おいら、ちょっと泣きそうっす…」

マグマッグ「今日知り合ったばかりのおいらに、ここまでしてくれるなんて…」

チラーミィ「ふふっ、またマグマッグさんは…」
 ▼ 73 バゴーラ@むしのジュエル 16/02/02 15:16:18 ID:QgAn9qoU [20/20] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「言ってやれヒメグマ」

ヒメグマ「ケーキ美味しいね」モグモグ

ワンリキー「フライングすんな!!」

ハハハハハハ!!!

マグマッグ(ずっとここに居たいっす…)

マグマッグ(このまま、皆さんと笑っていたいっす…)
 ▼ 74 ドキング@ポケトレ 16/02/02 15:47:53 ID:r6P4y4QQ [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「それじゃ俺んとこでいいか?」

マグマッグ「はい!よろしくお願いするっす!」

ワンリキー「分かった。ヒメグマ、チラーミィお休み」

ヒメグマ「お休み〜」

チラーミィ「お休みなさい」

マグマッグはワンリキーの家に泊めて貰うことになった。道中、一緒だったヒメグマとも別れ、ワンリキーとマグマッグは特に急ぐこともなくゆったりと歩いていた。
ふと夜空を見上げると、まるで競いあうかのように星達が輝いている。

ワンリキー「星が好きなのか?」

マグマッグ「うーん、何て言ったらいいんすかね…」

マグマッグ「いつも見てる夜空より、綺麗だなぁ〜って…」

ワンリキー「俺には一緒に見えるけどな…」

マグマッグ「ははは…、忘れて下さいっす」

そんな会話をしていると、ワンリキーの家が見えてきた。
 ▼ 75 ブソル@アッキのみ 16/02/02 15:48:49 ID:r6P4y4QQ [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー宅

ワンリキー「ここを使ってくれ」

マグマッグ「はいっす。」

ワンリキー「それじゃ風呂沸かしてくる。あと悪いんだが留守番頼めるか?」

マグマッグ「構わないっすよ。どこかに出掛けるんすか?」

ワンリキー「ランニングさ。一時間ほどしたら帰ってくるから、よろしくな」

マグマッグ「お気をつけて」
 ▼ 76 リーパー@きのみぶくろ 16/02/02 15:50:17 ID:r6P4y4QQ [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
数分後、玄関を閉める音が聞こえてきた。

マグマッグ「はぁ…、この村に生まれていたらな…」

『速く…、速く水を!!』

『不味い!火の手が迫ってくるぞぉ!!』

『坊主…、選択肢をやろう』

『このまま炎に呑まれて無様に死ぬか…』

『あ…あうぁ…』ガタガタ

『周りの奴等を見捨てて醜く生き延びるか…』

『あ…あぁ…あ』ガタガタ

『選べ』ニタァ

マグマッグ「…っ!?」

マグマッグ(やっぱり無理っす…)

マグマッグ(ボスには…逆らえない)
 ▼ 77 ォレトス@フリーズカセット 16/02/02 15:54:26 ID:r6P4y4QQ [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
翌日

カエンジシ「バカな…」

カエンジシは呆然としていた。
今朝のことだ。ノクタスがいる部屋を警備していた者から報告があった。

ノクタスが死んでいると…。

カモネギ「死因は…毒による中毒死のようです」

カモネギ「短時間に、何らかの形で大量の毒を摂取した…」

カモネギ「あるいは、摂取させられたか…」
 ▼ 78 オル@するどいくちばし 16/02/02 15:55:20 ID:r6P4y4QQ [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
カエンジシ「他殺だと…?」

カモネギ「あくまで推測です」

カエンジシ「自殺の可能性は無いのか?」

カモネギ「現時点ではなんとも…」

カエンジシ「分からないことばかりじゃないか…」

昨日、カフェ「アネモネ」で店員に暴行を加え、村民に打ちのめされたノクタス。
その翌日に突然死を遂げた…。というニュースは瞬く間に村全体に浸透し、
村民の不安を掻き立てるものとなった。
 ▼ 79 ーギラス@ポイントアップ 16/02/02 15:55:40 ID:r6P4y4QQ [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
とりあえずここまでです。
 ▼ 80 ョロネコ@きのみぶくろ 16/02/02 15:55:58 ID:CqMDtpEs NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 81 ガネール@もうどくプレート 16/02/02 16:02:03 ID:r6P4y4QQ [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>74
訂正
ワンリキー「それじゃ俺んとこでいいか?」

マグマッグ「はい!よろしくお願いするっす!」

ワンリキー「分かった。チラーミィお休み」

ヒメグマ「また、明日ね〜」

マグマッグ「お休みなさいっす」

チラーミィ「お休みなさい」

マグマッグはワンリキーの家に泊めて貰うことになった。道中、一緒だったヒメグマとも別れ、ワンリキーとマグマッグは特に急ぐこともなくゆったりと歩いていた。
ふと夜空を見上げると、まるで競いあうかのように星達が輝いている。

ワンリキー「星が好きなのか?」

マグマッグ「うーん、何て言ったらいいんすかね…」

マグマッグ「いつも見てる夜空より、綺麗だなぁ〜って…」

ワンリキー「俺には一緒に見えるけどな…」

マグマッグ「ははは…、忘れて下さいっす」

そんな会話をしていると、ワンリキーの家が見えてきた。
 ▼ 82 ョロボン@たつじんのおび 16/02/02 16:02:24 ID:r6P4y4QQ [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>80
支援ありがとうございます。
 ▼ 83 ラードン@リーフのいし 16/02/03 19:26:46 ID:8d9rHoS6 [1/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
再開します。
 ▼ 84 ルチャイ@のんきのおこう 16/02/03 19:28:49 ID:8d9rHoS6 [2/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
その頃ヒメグマ達は…。

ワンリキー宅

ワンリキー「どうなってんだ…?」

ヒメグマ「まさか、ノクタスが死んでるなんてね…」

チラーミィ「そして死因は毒…。謎だらけですね…」

マグマッグ「すみません。話に割り込むようで悪いんすけど…」

ワンリキー「おう」

マグマッグ「これ、何すか?」

マグマッグは一枚の紙切れを差し出した。

マグマッグ「村中に貼られていたんすけど、今日は何か特別な日なんすか?」

ワンリキー「これはだな…」

チラーミィ「えぇと…」

いまいち歯切れの悪い二匹に、マグマッグは眉をひそめる。
 ▼ 85 ーテリー@においぶくろ 16/02/03 19:29:51 ID:8d9rHoS6 [3/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「実はね、この村に盗賊団が襲撃予告をしたんだ」

ワンリキー「おい…」

チラーミィ「ヒメグマ君…」

ヒメグマ「この際、誰に知られても一緒だよ」

マグマッグ「襲撃予告っすか…」

ワンリキー「村の食糧と財産か女を一人差し出せば見逃すっていう、ふざけた内容でな」

チラーミィ「マグマッグさんと知り合った前日に、村長の家に届いたんです」

マグマッグ「そんなことが…」

ヒメグマ「黙っててごめんね」

マグマッグ「いいんすよ!気にしないで下さいっす」

マグマッグ「ということは、この紙切れは…」

ワンリキー「まあ盗賊団についてだろうな」

マグマッグ「読んでみてもいいっすか?」

チラーミィ「ええ」

マグマッグ「では…」
 ▼ 86 チュル@リニアパス 16/02/03 19:31:33 ID:8d9rHoS6 [4/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「皆様に伝えたいことがあります。午前11時に中央広場に集合して下さい…って、随分シンプルっすね 」

ワンリキー「それだけ余裕が無いんだろうな」

チラーミィ「引き渡しの期限まであと1日…」

ワンリキー「だが、対処しなければいけない問題が多すぎる…」

チラーミィ「村民の説得にノクタスの突然死…。あと、ヤミラミの行方も気になります…」

ワンリキー「泣きっ面にスピアーだな…。村長大丈夫か?」

チラーミィ「もうお年ですからね…」
 ▼ 87 チュル@にじいろのはね 16/02/03 19:32:08 ID:8d9rHoS6 [5/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「ちょっといいっすか?」

ワンリキー「何だ?」

マグマッグ「盗賊団の要求については、もう決めてる感じっすかね?」

ワンリキー「ああ、村長は食糧と財産を引き渡すつもりだ」

マグマッグ「へぇー…、ありがとうっす」
 ▼ 88 チニン@アゴのカセキ 16/02/03 19:33:17 ID:8d9rHoS6 [6/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「おう。ただそれが一番の問題だよな…」

マグマッグ「何がっす?」

ワンリキー「引き渡す食糧と財産だよ。用意するには村民全員の協力が必要不可欠だ」

ワンリキー「だが、ここ数日の事件の影響で村民は少なからず動揺している」

チラーミィ「そんな時に村の危機を告げたりしたら…」

ワンリキー「間違いなくバラバラになるな…」

ヒメグマ「なーんか変だよね」

先程からずっと黙っていたヒメグマが突然、口を開いた。
 ▼ 89 ャーレム@たんちき 16/02/03 19:35:54 ID:8d9rHoS6 [7/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「何が変なんだ?」

ヒメグマ「ノクタスとヤミラミだよ」

ヒメグマ「襲撃予告があった次の日に、村に来たんだっけ?」

ワンリキー「そうだな」

ヒメグマ「偶然、村に訪れたにしてはタイミングが良すぎる思うんだ」
 ▼ 90 ジョッチ@エネコのシッポ 16/02/03 19:39:12 ID:8d9rHoS6 [8/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「あっ、マグマッグさん!」

マグマッグ「な、何すか?」

チラーミィ「初めてお会いしたとき、マグマッグさんは言いましたよね?」

『噂じゃ盗賊団の一員とも…』

マグマッグ「確かに言ったっすけど…、何の根拠もないただの噂っすよ?」

チラーミィ「そうでしたね…」

ヒメグマ「でもね、二匹が組織の一員なら全てつじつまが合うんだ」

ヒメグマ「あくまで僕の推測だから、あんまり期待しないでね?」

チラーミィ「うん」
 ▼ 91 ズゴロウ@メトロノーム 16/02/03 19:41:12 ID:8d9rHoS6 [9/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「ノクタスとヤミラミ。二匹が村に来たのは、襲撃予告があった次の日…」

ヒメグマ「ここまでは良いよね?」

ワンリキー「おう」

ヒメグマ「問題は彼らの目的だよ」

ヒメグマ「カフェ目的で訪れるなら事前に調べることがあるよね」

チラーミィ「それって…、メニューやカフェの場所?」

ヒメグマ「そう。だけどヤミラミは…」

『姉ちゃん、酒くれや』

ヒメグマ「こう言ったんだ」

ヒメグマ「事前に調べれば分かることだよね」
 ▼ 92 ィアンシー@さらさらいわ 16/02/03 19:41:55 ID:8d9rHoS6 [10/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「二匹は多分、他の目的があって村に訪れた」

ヒメグマ「アネモネには…」

ヤミラミ『お?カフェあるやんけ』

ノクタス『寄ってくか?』

ヒメグマ「みたいな感じで来店したんだろうね」
 ▼ 93 ースター@ヨロギのみ 16/02/03 19:42:32 ID:8d9rHoS6 [11/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
少し中断します。
 ▼ 94 ギアル@うしおのおこう 16/02/03 20:02:32 ID:8d9rHoS6 [12/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
再開します

 ▼ 95 ルキモノ@ほしのすな 16/02/03 20:03:31 ID:8d9rHoS6 [13/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「だとしたら、あいつらの本当の目的ってのは…?」

ヒメグマ「村の下見だよ」

ヒメグマ「村の場所はわかっていても、村の内部までは分からないからね」

ヒメグマ「村の収入源や村民の数…」

ヒメグマ「現地に赴いてみないと分からないことばかりだよ」

ヒメグマ「それこそ村の事前リサーチってところかな」

ヒメグマ「だけど二匹は、僕とワンリキーに打ちのめされて…」

ワンリキー「計画は破綻したってわけか」
 ▼ 96 ドラ@こだいのうでわ 16/02/03 20:04:32 ID:8d9rHoS6 [14/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「ねぇマグマッグ」

マグマッグ「何すか…?」

ヒメグマ「組織の一員が捕まったとするよ?」

ヒメグマ「君がボスならどう思う?」

マグマッグ「そりゃあ…、情報の漏洩を防ぐために…」

ヒメグマ「口封じするよね」

ワンリキー「つまりノクタスは盗賊団の奴等に…」

ヒメグマ「ノクタスを殺害したのはどくタイプか、どくタイプの技を使える奴だろうね」

チラーミィ「だけど、失踪したヤミラミは…」

ヒメグマ「ヤミラミは盗賊団に戻ったんじゃない?」

ワンリキー「何でだよ?死にに行くのと同じじゃねぇか」
 ▼ 97 ワルン@アップグレード 16/02/03 20:05:48 ID:8d9rHoS6 [15/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「確かに、失態を犯した部下には何らかの制裁が下るだろうね」

ヒメグマ「現にノクタスは殺された」

ヒメグマ「でも、ヤミラミはノクタスを助けることしか考えてなかったと思う」

ワンリキー「相方を見捨てて逃げたんじゃねぇの?」

チラーミィ「どうしてそう思うの?」

ヒメグマ「こればっかりは勘かな〜?」

ワンリキー「おいおい…」

ヒメグマ「あはは…」

チラーミィ「でも、結局ヤミラミは…」

ヒメグマ「始末されただろうね」
 ▼ 98 ストダス@ハイパーボール 16/02/03 20:08:00 ID:8d9rHoS6 [16/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「話をかえるよ」

ヒメグマ「次に、僕が疑問に思ったのは盗賊団が要求した物とその準備期間だよ」

ヒメグマ「よくよく考えればおかしくない?」

ヒメグマ「村の全食糧と全財産なんて、はいどうぞってポンポン出せるものじゃないし…」

ヒメグマ「何より3日で準備出来るハズがない」

ワンリキー「つまり、もう一方の要求を呑ませるためにわざと無茶な要求をしたのか?」

ヒメグマ「それもあるだろうけど…」

ヒメグマ「僕が思うに、ワンリキーの言った通り、もう片方の要求を選ばせる為のトリックか…」

ヒメグマ「端から盗賊団にはその気が無いのか」
 ▼ 99 ィアンシー@ゴールドスプレー 16/02/03 20:08:52 ID:8d9rHoS6 [17/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「例え村が要求を呑んだとしても村を襲うっていう、最悪のパターンだよ」

ヒメグマ「現に、いままで盗賊団の襲撃にあった村や町は…」

ヒメグマ「壊滅してるんでしょ?」
 ▼ 100 タチマル@ゴールドスプレー 16/02/03 20:09:41 ID:8d9rHoS6 [18/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>99
訂正

チラーミィ「その気が無いって…?」

ヒメグマ「例え村が要求を呑んだとしても村を襲うっていう、最悪のパターンだよ」

ヒメグマ「現に、いままで盗賊団の襲撃にあった村や町は…」

ヒメグマ「壊滅してるんでしょ?」
 ▼ 101 クケイル@クリティカッター 16/02/03 20:10:42 ID:8d9rHoS6 [19/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「ワンリキー言ってたよね?」

『要求に従わない奴等はみんな殺されたらしいな』

ヒメグマ「中には要求を呑んだところもあったと思う。だけど、滅ぼされた…」

ヒメグマ「要求に従わなかったんじゃなくて…、要求に従ったのに殺された…」

ヒメグマ「盗賊団がその辺りを隠して各地に広めた…。噂って怖いね」

ヒメグマ「みんなそのまま鵜呑みにしちゃうんだからね」

ヒメグマ「ノクタスやヤミラミが下調べのために、この村に訪れたのも…」

ヒメグマ「そういう考えがあったのかもね」
 ▼ 102 ワパレス@あかいいと 16/02/03 20:12:11 ID:8d9rHoS6 [20/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「あとこれは考えすぎかも知れないけど…」

ヒメグマ「ノクタスとヤミラミが暴動を起こした事件…」

ヒメグマ「村中にあっという間に広まったよね」

ヒメグマ「そしてノクタスが捕まりヤミラミが失踪した…」

ヒメグマ「これを利用しない手はないでしょ」

ヒメグマ「上手くいけばノクタスは処分できるし、村全体にさらに重圧をかけることができる」

ヒメグマ「実際ノクタスは殺され、みんな動揺してる」

ヒメグマ「結局、僕たちは盗賊団の手のひらの上で転がされていたのかもね…」
 ▼ 103 マワル@しらたま 16/02/03 20:13:43 ID:8d9rHoS6 [21/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「以上、僕の勝手な推測でした」

ワンリキー「…」

チラーミィ「…」

マグマッグ「…」

ヒメグマ「あれ?皆どうしたの?」

ワンリキー「どうしたもこうしたもあるかよ…」

ワンリキー「どうすんだよ…、この状況…」

チラーミィ「絶望的だよぉ…」

マグマッグ「…」

ヒメグマ「いやさ、あくまでも僕の推測だから…」

ワンリキー「その推測が当てはまりすぎてんだよ…」

チラーミィ「ヒメグマくん…、私達も…殺されちゃうの…?」

チラーミィの大きな瞳からポツリ…と、透明な雫が流れる。
ヒメグマの話のなかで、間近に迫る己の死を感じ取ってしまったのだ。
ワンリキーも頭を抱え、うなだれている。

ヒメグマ(あらー…)
 ▼ 104 リン@たんけんセット 16/02/03 20:15:59 ID:8d9rHoS6 [22/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ(実はまだあるんだけど…)

ヒメグマの視線は、先程から黙っているマグマッグに移る。いつもの陽気な彼からは想像もつかないほど、厳しい面持ちをしているマグマッグ。

ヒメグマは複雑だった。
ヒメグマのマグマッグに対する憶測が、彼の態度をみた瞬間に、揺るぎない確証へと昇華してしまったのだ。

ヒメグマ(伝えるべきなのかな…)

ヒメグマのなかで、真実と虚偽がぶつかり合う。
もしかしたら二匹は立ち直れなくなるかもしれない…。だが、このまま素知らぬ顔を出来るほど、自分は器用ではない…。

永遠にも感じるほどの長い沈黙が、四匹を包み込む。
 ▼ 105 ローン@もうどくプレート 16/02/03 20:17:42 ID:8d9rHoS6 [23/23] NGネーム登録 NGID登録 報告
ここまでです。
 ▼ 106 ルマッカ@すいせいのかけら 16/02/03 20:22:54 ID:Qw5/x1qE NGネーム登録 NGID登録 報告
めっちゃ好きだわ支援

後支援に返信するのはうざがられる元だからやめるのが得策だよ
 ▼ 107 チャブル@やけどなおし 16/02/03 22:46:54 ID:/BQzP4nY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>106
ありがとうございます。
ご指摘の通り、慎んでいきたいと思います。
 ▼ 108 ノセクト@メタルパウダー 16/02/04 20:15:02 ID:wnPzCrKk [1/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「ヒメグマさん…、まだ解明できていない謎があるっす」

マグマッグ「ノクタスを殺害した犯人の正体…」

マグマッグ「分かってるんすよね?」

ヒメグマ「マグマッグ…」

マグマッグはヒメグマを真っ直ぐに見据えていた。彼の眼差しは力強く、それでいて、叩けば崩れてしまうような危うさを感じさせるものだった。

彼は覚悟を決めているのだ。
そしてヒメグマは…、腹をくくった。
 ▼ 109 ストダス@とんでもこやし 16/02/04 20:15:30 ID:wnPzCrKk [2/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「…これから話すことは、もしかしたら僕達の運命を…」

ヒメグマ「大きくねじ曲げることになるかもしれない…」

ワンリキー「…」

チラーミィ「…」

ヒメグマ「聞きたくないよね…」
 ▼ 110 スブレロ@エルレイドナイト 16/02/04 20:16:34 ID:wnPzCrKk [3/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「マグマッグ場所を変えようか」

マグマッグ「分かったっす…」

ワンリキー「待てよ…」

ヒメグマ「ワンリキー…、無理しなくても」

ワンリキー「無理なんかしてねぇよ」

ワンリキー「運命がねじ曲がる?」

ワンリキー「何を今さら」
 ▼ 111 タッコ@ポロックキット 16/02/04 20:17:48 ID:wnPzCrKk [4/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「考えてもみろよ?」

ワンリキー「俺達、盗賊団の一員を殴っちまったんだぜ?」

ワンリキー「ヤミラミとノクタスに関わった時点で…」

ワンリキー「俺達の運命の歯車は狂いだしていたんだよ…」

ヒメグマ「だけど…!」

ワンリキー「もう引き返せないところまで来てんだよ!」

ワンリキー「俺達に残された選択肢は…」

ワンリキー「運命と向き合う以外ねぇんだ!!」
 ▼ 112 レイシア@ヨクアタール 16/02/04 20:19:50 ID:wnPzCrKk [5/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「ワンリキー…」

ワンリキー「さっきは少しブルーになっちまったけどよ…」

ワンリキー「俺だって村を守りてぇんだ」

ワンリキー「お前やチラーミィ、チョロネコや村長達…、村の奴等と笑っていたいんだ…」

ヒメグマ「本当に…、いいの?」

ワンリキー「くどいぞ。一言やるぞって言えよ」

ワンリキー「いくらでも力を借すぜ?相棒?」

ヒメグマ「ありがとう…。頼んだよ?相棒」

ワンリキー「おう。任せろ」
 ▼ 113 メルゴン@あやしいパッチ 16/02/04 20:21:21 ID:wnPzCrKk [6/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「となると…」

チラーミィ「まさか私だけ仲間はずれなんて無いよね?」

ヒメグマ「チラーミィ…」

チラーミィ「…本当のこと言うとね、物凄く怖い…」

チラーミィ「さっきから震えが止まらないの…」
 ▼ 114 イオーガ@ひこうのジュエル 16/02/04 20:21:55 ID:wnPzCrKk [7/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「でもね…」

チラーミィ「ヒメグマ君やワンリキーさんを見てるとね…」

チラーミィ「私も何かしなきゃって思えてくるの」

チラーミィ「私も村の力に…、貴方達の力になりたい!」

チラーミィ「だから…、置いていかないで…」

チラーミィの瞳は潤んでいた。勇気を振り絞り、彼女なりに覚悟を決めたのだ。
 ▼ 115 キジカ@リニアパス 16/02/04 20:23:31 ID:wnPzCrKk [8/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
そんな彼女に対してヒメグマは…、

ヒメグマ「駄目だよ…」

チラーミィ「ヒメグマ君…」

ヒメグマ「そんなしかめっ面してちゃ」

チラーミィ「え…?」

ヒメグマ「ものまねやりまーす!コイキング!」

そう言うと、ヒメグマは寝転がり…。

ヒメグマ「んぼぉ!んぼんぼぅ!!」

その場で体をくねらせながらはね続ける。

ワンリキー「ふっ…」

チラーミィ「ふふっ…」

二匹の口角が少しだけ上がった。
 ▼ 116 クーン@ぎんのこな 16/02/04 20:24:17 ID:wnPzCrKk [9/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「んぼぅ!!んぼぼぼ…」

徐々に、ヒメグマのはねる勢いがなくなってくる。

ワンリキー「どうしたコイキング」

ヒメグマ「か、体痛いよぉ…」

ワンリキー「たく…、お前は…」

チラーミィ「うふふ…。ヒメグマ君らしいです…」

ヒメグマ「そう…、その笑顔だよ」

ヒメグマ「チラーミィは笑顔が一番!」

チラーミィ「ヒメグマ君…」

チラーミィ「うん!」

チラーミィは今日一番の笑顔を見せる。いつの間にか、チラーミィの体の震えは止まっていた。
 ▼ 117 ローゼル@とうめいなスズ 16/02/04 20:26:33 ID:wnPzCrKk [10/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「話は終わったみたいっすね」

ヒメグマ「うん、待ってくれてありがとね」

マグマッグ「いえいえ、それよりも…」

マグマッグ「早く教えて欲しいっす。ノクタスを殺害したのは…」

マグマッグ「誰なんすか?」

ヒメグマ「ノクタスを殺害した犯人は…」

ヒメグマ「まだ、この村にいるんじゃないのかな?」

ワンリキー「どういうことだよ?」

ヒメグマ「ノクタス達が盗賊団の一員なら…」

ヒメグマ「盗賊団は知っているハズだよね」

ヒメグマ「彼らの性格を…」
 ▼ 118 トライク@どくどくだま 16/02/04 20:29:18 ID:wnPzCrKk [11/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「昨日のアネモネでの出来事を思い出してみて?」

ヒメグマ「アネモネのケーキや、コーヒーが口に合わなかった二匹はチョロネコさんに…」

ノクタス『おい、店員』

チョロネコ『はい…』

ノクタス『飯代タダな』

チョロネコ『え…?』

ヒメグマ「飲食代がタダになるよう持ちかけた」

ヒメグマ「普通に考えれば、そんなこと出来るハズがないよね」

チョロネコ『それだけは出来ません…』

ヒメグマ「だけど、ヤミラミはチョロネコさんの返答が気に食わなかったのか…」
 ▼ 119 ガスピアー@エネコのシッポ 16/02/04 20:30:27 ID:6EoUSNpM NGネーム登録 NGID登録 報告
なんだホモSSじゃないのか
普通ガチムチとクマならホモだろ
 ▼ 120 ガフシギバナ@つららのプレート 16/02/04 20:30:33 ID:wnPzCrKk [12/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤミラミ『出来へんやて?』

ヤミラミ『舐めとんのかワレェ!!』

ヒメグマ「怒りを爆発させた」

ヒメグマ「自分の考えが通らなかった
だけで、チョロネコさんをリンチしたんだよ?」

ヒメグマ「相当異常だよね」
 ▼ 121 ガミュウツーY@ひみつのカギ 16/02/04 20:31:46 ID:wnPzCrKk [13/13] NGネーム登録 NGID登録 報告

ヒメグマ「ねぇマグマッグ?」

マグマッグ「何すか?」

ヒメグマ「君が彼等のボスだったとするよ?」

ヒメグマ「今後の計画に差し支えるかもしれない任務を…」

ヒメグマ「彼等に与えた…」

ヒメグマ「君ならどう思う?」

マグマッグ「かなり不安っすね。おいらなら、お目付け役をつけるっす」

ヒメグマ「そう…。彼等の行動を常に監視し…」

ヒメグマ「必要とあらば二匹を処分する任務を与えられたポケモンが…」

ヒメグマ「この村にいるんだ…」

ヒメグマ「ノクタスはそいつに殺された」
 ▼ 122 ードラ@おうじゃのしるし 16/02/04 21:01:32 ID:U6IieotM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「ちょっと待てよ?」

ワンリキー「ノクタス達のお目付け役の任務は、ノクタス達の監視と処分…」

ワンリキー「ノクタスを片付けたら、もう村に残る理由は無いんじゃないか?」

チラーミィ「確かに…」
 ▼ 123 ジョット@ほのおのいし 16/02/04 21:03:56 ID:U6IieotM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「考えられることは2つ…」

ヒメグマ「彼等の任務を引き継ぐように盗賊団から命令があったのか…」

ヒメグマ「自分の素性を知っている村民を…」

ヒメグマ「処分しておきたいのか」

ヒメグマ「ねぇ…?」

ヒメグマ「マグマッグ」

ワンリキー「は…?」

チラーミィ「え…?」

マグマッグ「…」
 ▼ 124 ピアー@はがねのジュエル 16/02/05 15:50:40 ID:hj10dlWc [1/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
再開します
 ▼ 125 シャーナ@つららのプレート 16/02/05 15:51:08 ID:hj10dlWc [2/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「お前…、自分の言ってること分かってんのか?」

ヒメグマ「もちろん」

ヒメグマ「マグマッグは盗賊団の一員であり…」

ヒメグマ「ノクタスを殺害した張本人だよ?」

チラーミィ「そんな…」
 ▼ 126 タマロ@きんのいれば 16/02/05 15:51:42 ID:hj10dlWc [3/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「否定してくれマグマッグ…」

ワンリキー「お前、昨日は俺達とずっと一緒にいたよな?」

ワンリキー「一緒にチラーミィの家で鍋食って…」

ワンリキー「そのあと俺の家に泊まって…」

ワンリキー「…!」
 ▼ 127 ールナー@みずのいし 16/02/05 15:53:40 ID:hj10dlWc [4/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「気付いたんだね」

ヒメグマ「ワンリキーの家にマグマッグが来たのは」

ヒメグマ「ワンリキー、ちょうど君がランニングに行く時間帯だ」

ヒメグマ「大体、一時間ぐらい走るんだよね?」

ワンリキー「ああ…」

ヒメグマ「ワンリキーが出掛けたらマグマッグは一人だ」

ヒメグマ「僕たち三匹の中で…」

ヒメグマ「マグマッグがワンリキーの家に居たという事実を…」

ヒメグマ「マグマッグのアリバイを明確に証明することは…」

ヒメグマ「誰にも出来ないんだ…」
 ▼ 128 マンタ@きあいのタスキ 16/02/05 15:54:51 ID:hj10dlWc [5/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「嘘だと言ってくれよ…」

ワンリキー「お前が盗賊団なら…」

ワンリキー「俺達と過ごしていたマグマッグは…」

『本当にご馳走様でした。おいら、皆さんに大分お世話になっちまったっすね…』

『おいら、ちょっと泣きそうっす…』

『今日知り合ったばかりのおいらに、ここまでしてくれるなんて…』

ワンリキー「全部…、演技だったのか…?」

チラーミィ「そんな…ことって…」

ワンリキー「答えてくれよ…、マグマッグ…」

マグマッグ「…」
 ▼ 129 ンド@たわわこやし 16/02/05 15:56:22 ID:hj10dlWc [6/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキーとチラーミィは未だにマグマッグを信じている。いや、信じようとしているのだ。
そんな二匹を見てマグマッグは…、

マグマッグ「あんたらチョロいっすね」

マグマッグ「一番やり易いタイプっすわ」

罵倒した…。

ヒメグマ「ついに化けの皮が剥がれたね」

マグマッグ「いやー、疲れるんすよ?」

マグマッグ「何の疑いもなく信頼してくれる…」

マグマッグ「馬鹿な奴等を騙すのってね」
 ▼ 130 ノハナ@のろいのおふだ 16/02/05 15:59:16 ID:hj10dlWc [7/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「本当の君は、随分と口が悪いんだね」

マグマッグ「ははは…、良く言われるっす」

マグマッグ「それよりも…」

マグマッグ「あんた…、何者すか?」

マグマッグ「あんたの推理…、怖いぐらいに当たってるんすよ」

マグマッグ「まるで全て見ていたかのように…」

ヒメグマ「ふーん…」
 ▼ 131 ョンチー@ひかりのこな 16/02/05 16:01:07 ID:hj10dlWc [8/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「これでも誉めてんすよ?」

マグマッグ「鋭い観察眼と、物事を様々な観点から見て考察することができる応用力の高さ…」

マグマッグ「最初に出会った時、ポヤポヤしててチョロそうだと思ったんすけど…」

マグマッグ「とんだ見当違いっすよ」

ヒメグマ「そっか…」
 ▼ 132 ォーグル@こうかくレンズ 16/02/05 16:02:28 ID:hj10dlWc [9/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「もしかしてイラついてるっすか?」

マグマッグ「そこの馬鹿どもを裏切ったから?」

マグマッグ「二匹が傷ついているから?」

マグマッグ「アホらし」

マグマッグ「嘘を見抜けない、間抜けなあんたらが悪いんすよ?」
 ▼ 133 ドキング@おいしいみず 16/02/05 16:03:28 ID:hj10dlWc [10/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「おいら…」

マグマッグ「あんたらに恩なんか感じて無いっすから」

ワンリキー「…」

チラーミィ「…」

マグマッグの発する一字一句が、ワンリキーとチラーミィに重くのしかかる。二匹の中で何かが、音を立てて崩れ去っていった。

マグマッグ「さて、ヒメグマさんのいった通り…」

マグマッグ「おいらの秘密を知っちまったからにはね」

マグマッグ「生かしておけないんすわ」
 ▼ 134 ポポタス@リバティチケット 16/02/05 16:04:43 ID:hj10dlWc [11/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
一旦ストップします
 ▼ 135 ガミュウツーX@オーロラチケット 16/02/05 21:14:02 ID:QYEZyLRQ [1/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「…やるしかねぇか」

ヒメグマ「ワンリキー…、いけるの?」

ワンリキー「ああ、吹っ切れたよ」

ワンリキー「あいつを殴ることに…」

ワンリキー「何の戸惑いもねぇ!」

ヒメグマ「よし…」

マグマッグ「何か勘違いしてないっすか?」

マグマッグ「これから闘いが始まるとか思ってないっすよね?」

マグマッグ「あんたら…、もう死ぬ一歩手前っすよ?」
 ▼ 136 ュゴン@ちからのねっこ 16/02/05 21:14:51 ID:QYEZyLRQ [2/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
突然、ヒメグマの視界が揺らいだ。普段何気なく行っている、対象に目のピントを合わせるという行為が出来なくなってしまった。

ヒメグマ「あ…ぐぅ…」

突然、吐き気を催したかと思えば、酷い頭痛が襲ってくる。

マグマッグ「どっすか?おいらの"スモッグ"。中々きついっしょ?」

マグマッグ「あんたが、べらべらと喋っている間に、少しずつばらまかせて貰ったっす」

マグマッグ「やっと効果が現れたんすね」

ヒメグマ「み…んなぁ…」

ヒメグマは力を振り絞り、二匹の方を見やった。揺れ続ける視界が捉えたものは…、

ワンリキー「…」

チラーミィ「…」

ヒメグマ「ぐう…ぁぁ…」

絶望だった…。
 ▼ 137 ガフーディン@みどりのバンダナ 16/02/05 21:16:57 ID:aIy.VjL. NGネーム登録 NGID登録 報告
ストップしますとか再開しますとかいった書き込みはしないほうがいいよ
 ▼ 138 ミカラス@プロテクター 16/02/05 21:17:57 ID:QYEZyLRQ [3/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マグマッグ「安心してほしいっす。二匹とも眠っているだけっすから」

マグマッグ「あんたみたいに、症状が出る前に眠って貰ったっす」

マグマッグ「苦しまずに死ねるなんて最高じゃないすか?」

マグマッグ「ノクタスみたいにね…」

マグマッグ「ヒメグマさん…、あんた言いましたよね?おいらには村に残る理由があるって…」

マグマッグ「その通りっす。おいらにはある任務が課せられていたっす」

マグマッグ「あんたの言う通り、ノクタスとヤミラミの監視及び処分。そして…」

マグマッグは意識の無いチラーミィに近づき、担ぎ上げた。

マグマッグ「若い女性一人の拉致っす。チラーミィさんは頂いていくっすよ」
 ▼ 139 ラス@あかいウロコ 16/02/05 21:19:46 ID:QYEZyLRQ [4/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「ま…てぇ…」

マグマッグ「おかしいっすね…。もう意識がぶっ飛んでいてもおかしくないんすけど…」

ヒメグマ「きみ…は…」

ヒメグマ「それ…で…いい…の?」

マグマッグ「…ふぁ〜あ」

マグマッグは一つ、大きな"あくび"をした。すると…、ヒメグマは、時間を奪われたかのようにうごかなくなってしまった。

マグマッグ「…」

マグマッグはチラーミィを担いだまま、窓の方へと歩み寄っていった。
そして…、窓を開けた。"スモッグ"が充満していた部屋は、屋外から入り込んでくる清潔な空気で満たされた。

マグマッグ「さようなら…。温かい思い出…」

マグマッグは部屋を後にした。
 ▼ 140 マナッツ@どくのジュエル 16/02/05 21:26:51 ID:QYEZyLRQ [5/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>137
はい。ご指摘ありがとうございます
 ▼ 141 グラージ@シルバースプレー 16/02/06 14:56:22 ID:y8Dlg2J2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
チク…タク…。チク…タク…。聞き慣れた音が、一定のリズムで繰り返される。徐々に大きくなっていくその音は、ワンリキーを覚醒させるには充分だった。

ワンリキー「ぅ…」

意識がはっきりしていくのと同時に、頭に鈍い痛みが走る。

ハピナス「目覚めて…くれたのね…」
ワンリキー「ハピ…ナスさん…?」

ハピナス「今は何も言わないで…」

そう言うとハピナスは、自分の懐にある卵をワンリキーに差し出した。

ワンリキー「これは…?」
 ▼ 142 ッシー@こうこうのしっぽ 16/02/06 14:58:34 ID:y8Dlg2J2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ハピナス「食欲はある?とりあえず食べてみて?」

ワンリキー「はい…。いただきます」

卵を少しかじってみる。ハピナスの卵は、割らなくても食えるんだなと感心しながら咀嚼する。
口の中全体に広がる旨味と香りは、ワンリキーの食欲を掻き立てる。甘い…。だが決してしつこくない…。食べるという行為がやめられない程、ハピナスの卵は絶品だった。

ハピナス「…」

ふと、ハピナスの方を見やると優しい眼差しで俺を見ていた。
ハピナスは俺が食べ終わるまで待っていてくれるのだろうか?

ワンリキー「すみません。あまりに旨かったもんで…」

ハピナス「ありがとう。全部食べて良いのよ?」
 ▼ 143 ガジュカイン@きのみぶくろ 16/02/06 15:18:58 ID:kGqcgFes [1/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「ではお言葉に甘えて…」

俺は再び、卵にかぶり付いた。甘味の中に、度々顔を覗かせるしょっぱさが良いアクセントになっていて…。

ん…?しょっぱい…?

卵の味が…、食べ物の味が唐突に変わることなんてあるのか?

ふと、卵を見てみる。
気づけば半分以上食べていた。よほど
食べるという行為に没頭していたのだろう。

そして卵の味が変わった理由を察した。

涙だ。涙が卵にこぼれ落ち、混ざりあっていたのだ。

誰の涙だ?答えは一つしかない。

自分の涙だ。

何故、自分は泣いているのだ?
こんなに旨い卵を食べているのに、何故、涙を流す必要がある?

とても旨いものを食べた時、涙を流すことがあるらしい。

確かに卵は旨い。だが、それならばもっと幸福な気分になれるハズだ。
 ▼ 144 ォーグル@しゅんぱつのハネ 16/02/06 15:21:12 ID:kGqcgFes [2/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
今の自分にあるのは…、 なにかを失ったという喪失感だけだ。

自分は何を失った…?

そう考えた瞬間…、ワンリキーの目から溢れる涙は勢いを増した。

いくら上を向いても涙は溢れてくる。

どんなに拭ったとしても涙は溢れてくる。

そうだ…。自分は絆を失ったのだ。
あいつにはその気は無かったのかも知れないが…、

友人だと思っていた者に…裏切られたのだ…。

そして、ワンリキーが一番悲しいのは…

絆を失った喪失感でもなく…、マグマッグに裏切られた失望感でもない…。

こうして涙を流すことでしか現実を受け入れられない、己の弱さだった…。
 ▼ 145 ガラグラージ@きのみプランター 16/02/06 15:22:18 ID:kGqcgFes [3/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「おれは…、どうすりゃ良いんだ…」

ワンリキー「何で涙はどまっでぐれないんだ…」

ワンリキー「なぐのは…よわいじょうごなのに…」

ハピナス「泣かないことが…、強いことなの?」

ワンリキー「え…」

ハピナス「泣くのを我慢したら強くなれるの?」

ハピナス「違うよね?」
 ▼ 146 グラージ@かなめいし 16/02/06 15:22:53 ID:kGqcgFes [4/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ハピナス「違うよね?」

ハピナス「思いっきり泣いて…、自分の弱さをさらけ出して…」

ハピナス「そして、前に進むから強くなれるんだよ?」

ハピナス「今の君は泣くことを躊躇って…」

ハピナス「その場で足踏みししてるだけ…」

ハピナス「まずは思いっきり泣きなさい」

ハピナス「涙の数だけ…」

ハピナス「君は強くなる…」

ワンリキー「あ…ぁぁ…」

ハピナス「大丈夫…。私がついてるから…」

ハピナスに抱かれ、ワンリキーは涙を流す。ただひたすら、泣きたいという本能の赴くまま、涙を流し続けた。
 ▼ 147 ロスター@チーゴのみ 16/02/06 15:24:18 ID:kGqcgFes [5/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
しばらくして…

ハピナス「気分はどう?」

ワンリキー「最悪ですよ…。でも、こういうのもたまには悪くない」

ワンリキーの目には泣き腫らしたあとがくっきりと残っている。だが、瞳には強い光りが宿り、彼の決意を物語っているかのようだ。

ワンリキー「卵、ご馳走様でした。旨かったです」

ハピナス「元気になってくれてよかったわ」

ワンリキー「貴女のおかげですよ。色々と目が覚めました」

ハピナス「それは違うわ。君は自分の力で、新しい一歩を踏み出したの。」

ハピナス「私は、ちょこっと助言をしただけよ?」

ワンリキー「ははは…。敵わないな」

ワンリキー「ところで、ヒメグマとチラーミィは…?」
 ▼ 148 クタン@リニアパス 16/02/06 15:31:24 ID:kGqcgFes [6/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「やあ。起きたかい?」

ワンリキー「元気そうだな?」

ヒメグマ「まぁね」

ヒメグマ「ハピナスさん。タブンネさんが手を借してほしいと…」

ハピナス「分かったわ。…ワンリキー君、決して無茶だけはしないでね?」

それだけ言うとハピナスは、ワンリキー達がいる部屋から出ていった。

ワンリキー「ヒメグマ…、ここは…」

ヒメグマ「ハピナスの診療所だよ。マグマッグの"スモッグ"で気絶していた僕たちを、ムーランド率いるレスキュー隊が保護してくれたんだ」
 ▼ 149 イリキー@いんせき 16/02/06 15:32:26 ID:kGqcgFes [7/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「集合時刻になっても広場に姿を見せない僕達を探しに来てくれたらしいね」

ワンリキー「何で俺達は生きてんだ?あんなスモッグが充満していた部屋で気絶なんかしてたら…」

ヒメグマ「レスキュー隊の到着が早かったことと…、窓が開いていたから僕達は助かったんだよ」

ワンリキー「窓…?」

ヒメグマ「おそらくマグマッグが開けたんだ。…少なからず彼も…」

ヒメグマ「僕達との絆を感じていたんだろうね…」

ワンリキー「そうかい…。ところでチラーミィは?」

ヒメグマ「盗賊団に捕まった…。マグマッグの任務はノクタス達の監視と処分…」

ヒメグマ「そして、若い女性の拉致だ。チラーミィは盗賊団にいる…」

ワンリキー「…盗られたもんは盗り返さねぇとな」

ヒメグマ「大丈夫なの?」

ワンリキー「ああ、もう迷わねぇ…。行くんだろ?」

ヒメグマ「うん。ついて来てくれる?相棒」

ワンリキー「勿論だ…。相棒」
 ▼ 150 リヤード@メカニカルメール 16/02/06 15:35:47 ID:kGqcgFes [8/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「すまん。出発する前に、いくつか聞いてもいいか?」

ヒメグマ「いいよ」

ワンリキー「さっき時計を見たんだが…、今は4時ってことで良いのか?」

ヒメグマ「うん。でも夕暮れが近づいて来てる」

ワンリキー「不味いな…。…村の現状を聞かせてくれないか?」

ワンリキー「11時に村長は、村民に村の危機を告発したのか?」

ヒメグマ「したらしい…。ただ…、多くの村民が逃げ出した…」

ワンリキー「嘘だろ…?」

ヒメグマ「ある意味、当然だろうね。財産や食糧が尽きた村で極貧生活を送るよりも…、街にでて働いたほうが良いに決まってる」

ヒメグマ「村長も分かっていたんだ。村の危機を伝えれば、どんな結果になるのかを…」

ヒメグマ「実際、村長は村から出ていく村民を止めなかったらしい。彼等の生活を優先したんだろうね」
 ▼ 151 クケイル@ヤチェのみ 16/02/06 15:37:35 ID:kGqcgFes [9/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「今、村に残っているのは…?」

ヒメグマ「村長と村の重鎮達。ハピナスさんと、タブンネさん。チョロネコさんを含めた患者と…」

ヒメグマ「僕らだけだ…」

ワンリキー「ありがとな…。さて、行こうか?」

ワンリキー「もう一人の村民を迎えにな…」

ヒメグマ「そうだね。村を潰される前に…」

ヒメグマ「盗賊団を潰すよ…」
 ▼ 152 ャラドス@ポケじゃらし 16/02/06 15:38:12 ID:kGqcgFes [10/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマとワンリキーは、診療所の出口へと向かった…。途中、患者の処置にあたるハピナス達が目に入ったが「すみません…」と、小さく詫びて二匹は診療所を後にした。

ワンリキー「奴等の居場所は?」

ヒメグマ「大体の検討はついてる。きっと森の奥にある遺跡だ」

ワンリキー「あそこか…。誰も近づかねぇし、村ともそこまで離れていないからな」

ヒメグマ「そんなところ」

ワンリキー「チラーミィ大丈夫か?」

ヒメグマ「酷いことされてなきゃ良いんだけど…」

そう言いながら、二匹は村を後にした。
 ▼ 153 ツドン@おちゃ 16/02/06 15:39:06 ID:kGqcgFes [11/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
村長宅

ムクホーク「ヒメグマとワンリキーが村を出ていきました…」

カビゴン「そうか…」

ムクホーク「それと…、二匹がいた部屋にこんな書き置きが…」

カビゴン「む…?」

ムクホークは小さな紙切れをカビゴンに手渡した。

カビゴン「…」

ムクホーク「村長…」

カビゴン「ムクホーク…。見てみよ」

そう言って、カビゴンは小さな紙切れをムクホークに差し出す。

ムクホーク「こ…れは」

ムクホークは唖然とした。
その小さな紙切れに書かれていたのは…、

村のみんなへ

仲間を迎えに行ってきます。
必ず帰る。

それだけだった…。
 ▼ 154 マシュン@ウッディメール 16/02/06 15:41:11 ID:kGqcgFes [12/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ムクホーク「彼らは…、戦うというのか…?盗賊団と、二匹だけで…?」

ムクホーク「従うのではなく…、歯向かうというのか…」

カビゴン「ワシらも薄々気付いていたのでは無いのかの…。奴等の要求に従ったところで、この村の明日は約束されないことを…」

カビゴン「しかし、ワシはその事に気付くことを恐れていた…。戦うという選択肢から背を向けていたのだ…」

カビゴン「情けない話だ…。村のためだ、民のためだと言っておきながら…、結局は我が身可愛さで動いていたのだから…」

カビゴン「真実にいち早く気付き、盗賊団に立ち向かおうとするあの二匹に…、ワシは…」

カビゴン「会わせる顔が無い…」

ムクホーク「村長…。貴方はこの村の長だ…。貴方にはこの村を守る義務がある…」

ムクホーク「民の居場所を…」

ムクホーク「彼等の帰る場所を守る義務がある!」

カビゴン「しかし…、それでは…」

ムクホーク「我々も戦うしかないでしょうね…」

カビゴン「…」
 ▼ 155 ングドラ@はねのカセキ 16/02/06 15:43:09 ID:kGqcgFes [13/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ムクホーク「村長…。彼らは何故、戦うことを選んだのか…、分かりますか?」

カビゴン「村を守る為か…?仲間を助ける為か…?」

ムクホーク「どちらも正解です。彼等は…」

ムクホーク「仲間と笑いあえる未来を掴むために…、貴方の村を守るために…」

ムクホーク「戦うのです…」

ムクホーク「私たち民は…」

ムクホーク「貴方が治める村が…大好きなんですよ」

カビゴン「…そうか…そうか…」

カビゴン「民を導くのはワシの役目だが…」

カビゴン「それを民に気付かされるとはな…。ムクホーク、皆を集めてくれぬか?」

ムクホーク「外で待ってますよ?」

カビゴン「ほ…?」
 ▼ 156 ポエラー@ボスゴドラナイト 16/02/06 15:44:15 ID:kGqcgFes [14/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
カビゴンは家の外に出る。
そこには、村の重鎮達が集まっていた。

カビゴン「皆…」

カエンジシ「村長…、貴方は私たちに言いましたよね?」

メブキジカ「力を借してくれ…、と」

ペルシアン「もっと私たちを頼って下さい!」

ガルーラ「あんたが至らない部分は、あたしらが支えてやるよ…」

子ガル「やるよ!」

カビゴン「お…おぉ…」

ムクホーク「村を守りましょう。そして…」

ムクホーク「また…、笑い合いましょう…」

カビゴン「…。戦うぞ…。未来を掴むため…!!」

カビゴン「三匹の帰る場所を…、守るのだ!!!」

一同「はいっ!!!」
 ▼ 157 ビルドン@しんかのきせき 16/02/06 15:47:52 ID:kGqcgFes [15/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
一方その頃…

チラーミィ「んぅ…」

マグマッグ「お目覚めっすか?」

チラーミィ「マグマッグさん…!」

チラーミィ「なに…これぇ…」

チラーミィは手足をロープで縛られていた。

マグマッグ「あんま、暴れないほうがいいっすよ?もっと苦しくなるだけっすから」

チラーミィ「こ、ここは…何処なんですか…?」

マグマッグ「盗賊団のアジトっすね。あんたを拉致させて頂いたっす」

チラーミィ「な…!?」

マグマッグ「あんたは盗賊団の大事な稼ぎになるっす。言ってる意味分かるっすか?」

マグマッグ「奴隷として売り出されるんすよ」

マグマッグ「あんたは一生…、あの村に戻れない…」
 ▼ 158 ママ@マグマのしるし 16/02/06 15:51:04 ID:kGqcgFes [16/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
チラーミィ「…」

チラーミィは声を失った。
拉致…?奴隷…?マグマッグは何を言っているのだ?
チラーミィの頭のなかで疑問符ばかりが浮かび上がる。

そして、チラーミィにもっとも衝撃を与えたのは…、村に戻れないということだ。

村に戻れなければ、また皆と暮らせない…。ワンリキーや村の人々…、何より、ヒメグマともう会えないと思うと…

チラーミィ「や…だよぉ…」

それは、チラーミィにとって最も残酷な事だった。

マグマッグ「諦めてほしいっす」

マグマッグは冷徹に言い放つ。

チラーミィ「うぅ…ぅ」

マグマッグ「泣かないでほしいっす…」

マグマッグの声に力が無くなる。

チラーミィ「マグ…マッグさん…?」

マグマッグ「何すか…」
 ▼ 159 ッツー@サーナイトナイト 16/02/06 15:52:51 ID:kGqcgFes [17/17] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
チラーミィ「どうして…、貴方は…泣いているの?」

マグマッグ「目に…ゴミがはいっただけっすよぉ…」

チラーミィ「私を見て…、泣いているの…?」

マグマッグ「そんな…こと…、ないっす…よぉ…」

そう言いながらも、マグマッグの涙は止まらなかった。そして、マグマッグは唐突に喋り出した

マグマッグ「情けなんて…、とうに捨てたつもりだった…。誰かを騙すことに、何の迷いもないハズだった…」

マグマッグ「なのに…、なのに!!!あんたらといると心が安らぐんす!!」

マグマッグ「あんだらを傷づげると…、心がズギズギいだむんずよぉぉぉぉ…!」

チラーミィ「マグマッグ…さん」

マグマッグ「でもぉ…、おいらは、友を傷づけなければ生ぎでいげない…」

マグマッグ「醜い…、ボゲモンなんずよぉ…」
 ▼ 160 イリキー@こころのしずく 16/02/07 11:55:19 ID:Bvn38.m6 [1/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
泣き崩れるマグマッグの頬を、チラーミィは尻尾で撫でた。

マグマッグ「え…?」

チラーミィ「手足が縛られていますからね。このぐらいのことしか出来ません」

マグマッグ「何で、あんたは…」

チラーミィ「泣いている方の涙を拭き取るのは…、当然のことです」

マグマッグ「おいらは…、あんたを裏切ったんすよ…?」

チラーミィ「確かに貴方は、私たちに酷いことをしました…」

チラーミィ「だから何ですか」

チラーミィ「それが貴方を慰めない理由になるんですか?」

チラーミィ「私は貴方を助けたいんです」

そう言いながらチラーミィは尻尾でマグマッグをなで続ける。頬に伝わる感触は、柔らかくて…、くすぐったくて…

マグマッグ「何であんたは…そんなに優しいんすか…」

チラーミィ「ヒメグマ君とワンリキーさんがそうだからです。私が悲しいときは、すぐに慰めてくれるんですよ?」

マグマッグ「やっぱりあんたらは…、温かいっす…」
 ▼ 161 ルリア@みずのジュエル 16/02/07 11:56:29 ID:Bvn38.m6 [2/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>160
泣き崩れるマグマッグの頬を、チラーミィは尻尾で撫でた。

マグマッグ「え…?」

チラーミィ「手足が縛られていますからね。このぐらいのことしか出来ません」

マグマッグ「何で、あんたは…」

チラーミィ「泣いている方の涙を拭き取るのは…、当然のことです」

マグマッグ「おいらは…、あんたを裏切ったんすよ…?」

チラーミィ「確かに貴方は、私たちに酷いことをしました…」

チラーミィ「だから何ですか」

チラーミィ「それが貴方を慰めない理由になるんですか?」

チラーミィ「私は貴方を助けたいんです」

そう言いながらチラーミィは尻尾でマグマッグをなで続ける。頬に伝わる感触は、柔らかくて…、くすぐったくて…

マグマッグ「何であんたは…そんなに優しいんすか…」

チラーミィ「ヒメグマ君とワンリキーさんがそうだからです。私が泣いているときは、すぐに慰めてくれるんですよ?」

マグマッグ「やっぱりあんたらは…、温かいっす…」
 ▼ 162 チャブル@ベリブのみ 16/02/07 11:57:17 ID:Bvn38.m6 [3/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>161
訂正です
 ▼ 163 ワンナ@プレミアボール 16/02/07 11:59:21 ID:Bvn38.m6 [4/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
二匹を包んでいた朗らかな空気を打ち破ったのは、数匹のデルビル達だった。

デルビルE「何をしてるんですかー?」

デルビルF「抜け駆けはいかんだすなぁ…」

デルビルJ「ボスにバレたら殺されますよっ?」

マグマッグ「お前ら…」

デルビルE「村の襲撃に行った奴等はいいですよねー。見張りなんて退屈で仕方ないんですわー」

デルビルF「そこで…、取引をしないだすか?」

デルビルJ「そこの女を少しだけ味見させてくださいよっ」

マグマッグ「な…!?」

チラーミィ「えっ…!?」

デルビルE「今見たことは、ボスには黙っておきますよー?」

マグマッグ「…」
 ▼ 164 マゲタケ@みどりのバンダナ 16/02/07 12:01:11 ID:Bvn38.m6 [5/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
デルビルE「あれー?返事がないってことは…」

デルビルF「好きにしていいってことだすな」

デルビルJ「いただきますよっと」

チラーミィ「い…いやぁ…」

じりじりと迫ってくるデルビル達。
チラーミィは恐怖に体がすくんでしまった。

デルビルE「中々の上玉じゃないですかー…」

デルビルF「こういうガチガチになった娘を開発していくのは良いだすなぁ」

デルビルE「何より、この女に情がある男の目の前でやるんだぜー?」

デルビルF「寝取り…。いいだすなぁ」

デルビルJ「興奮してきましたよっと!」

チラーミィ「あ、あぁ…」

マグマッグ「…」

また裏切るのか?

彼女を、こんな自分を慰めてくれた…、優しい彼女を…。

また傷つけるのか?
 ▼ 165 ガネール@インドメタシン 16/02/07 12:02:44 ID:Bvn38.m6 [6/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
デルビルE「さぁ、楽しみましょうかー?」

チラーミィ「たす…けてぇ…」

マグマッグ「!!」

彼女は、自分を助けてくれた…。

今度は…、自分が彼女を助ける番だ。

マグマッグ「チラーミィさんから…、離れろぉぉぉ!!!」

マグマッグは酸素を肺の限界まで吸い込み、チラーミィに群がるデルビル達に向かってそれを吐き出した。

マグマッグ「"スモッグ"!!!」
 ▼ 166 シボン@きゅうこん 16/02/07 12:05:37 ID:Bvn38.m6 [7/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「…え?」

恐怖の余り、きつく閉じていた目を見開くと、先程まで自分に覆い被さっていたデルビル達が昏倒していた。
いや…、事切れていた。

チラーミィ「ひ…!」

マグマッグ「怖い思いさせてすまないっす…」

チラーミィ「マグマッグさんが…?」

マグマッグ「やっちまったっすね…」

マグマッグ「これでおいらは…、めでたく反逆者っすね」

マグマッグ「自分の仲間を裏切って…、あんた達も裏切った…」

マグマッグ「最低っすね…。おいらは…」
 ▼ 167 クリン@バンジのみ 16/02/07 12:06:36 ID:Bvn38.m6 [8/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「何故…、私を?」

マグマッグ「分かんねぇっす…。気付いたら体が動いていたんすよ…」

マグマッグ「おいらの頭のなかには…」

マグマッグ「あんたを助けたいってことしか…なかったんす…」

チラーミィ「マグマッグさん…。やっはり貴方はこんなところに居るべきではありません」

チラーミィ「ここから逃げましょう…」

チラーミィ「私達と共に生きる道を歩みましょう?」
 ▼ 168 ワライド@トライパス 16/02/07 12:07:43 ID:Bvn38.m6 [9/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「…これまで何度も逃げだそうとしたっす…。だけど…」

マグマッグ「いざとなると体が固まってしまうんす…。ボスのあの顔が、頭の中に浮かび上がって来て…」

マグマッグ「震えが止まらなくなるんすよぉ…」

チラーミィ「過去に…何があったのですか?」

チラーミィ「貴方と盗賊団の間に…」

マグマッグ「…。二年前のことっす…」

おいらは、ここからずっと離れた大陸にある辺境の村に生まれたっす。
決して豊かな村では無かったっすけど、村民全員で力を合わせて毎日働いて、笑いあって…。楽しかったなぁ…。

だけど、あの日…。
 ▼ 169 ドラン@くさのジュエル 16/02/07 12:09:30 ID:Bvn38.m6 [10/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
「速く…、速く水を!!」

「不味い!火の手が迫ってくるぞぉ!!」

突然、盗賊団が村に襲撃に来たんす…。その頃のボスは、今みたいに予告状を出すわけでもなく、団員に村の調査を任せることもなかった。

ただ、奪って殺すだけ。

実力行使って奴っすね。
村民は次々に殺されて…、家屋が炎に包まれる…。
正に地獄絵図…。あの光景は今でも忘れることが出来ないっす。

結局、生き残ったのはおいらと、おいらの父母だけだったんすね。何とか盗賊団の目を盗んで逃げだそうとしたんすけど…。

マグマッグ「はぁ…はぁ」

マグカルゴ「大丈夫よ…。怖くない怖くない…」

マグマッグ「か、母ちゃん…」

バキ…ベキ…

ユニラン「!?危ないっ…!」

ガシャガラァァァァァ!!!!

おいら達は家屋の倒壊に巻き込まれたんす。
 ▼ 170 ウマ@ぎんのこな 16/02/07 12:11:43 ID:Bvn38.m6 [11/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
寸前のところで母が突き飛ばしてくれたおかげで、おいらは助かったっす。
だけど…

マグマッグ「母ちゃん!父ちゃん!」

父母は家屋の下敷きに…。

ヘルガー「ほぉ…。まだ生きている奴がいたのか」

そこに、ボスが現れたんす。

ヘルガー「良い顔じゃねぇか…」

ボスは言ったっす。

「坊主…、選択肢をやろう」

「このまま炎に呑まれて無様に死ぬか…」

「あ…あうぁ…」ガタガタ

「周りの奴等を見捨てて醜く生き延びるか…」

「あ…あぁ…あ」ガタガタ

「選べ」ニタァ

あの時のボスの顔…、何よりも恐ろしかった…。この世のものとは思えないほど…。
 ▼ 171 イナン@こだいのぎんか 16/02/07 12:12:37 ID:Bvn38.m6 [12/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「おいらは、あんた達みたいに運命に立ち向かうことも…、自分を変えることも出来ない…」

マグマッグ「過去のトラウマに縛られたまま動けない、臆病者なんすよ…」

チラーミィ「そんなことが…」
 ▼ 172 ビビール@タポルのみ 16/02/09 13:37:10 ID:yI..efrw [1/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「おいらはどのみち死ぬ運命っす…。罪のない命を、自分が助かるためだけに奪ってきた…」

マグマッグ「そのツケが今になって回ってきたんすね…」

マグマッグ「後悔はしてないっす…。おいらが死んでも…」

マグマッグ「悲しむ奴なんていないっすから…」

チラーミィ「歯ァ…食い縛れ…」

マグマッグ「え…ふげっ!?」

マグマッグの頬を、チラーミィは尻尾で何度も殴打する。彼の頭部が跳ね上がる度に、スパァン!スパァン!と快活な音が遺跡内に鳴り響く。

5回ほどぶたれたマグマッグの頬はぷっくりと腫れ上がっていた。

チラーミィ「テメェは…、殺した奴等の気持ちを…考えたことがあるか?」

マグマッグ「…ないっす」

チラーミィ「らぁっ!!」

マグマッグ「いだぁっ!?」

マグマッグ「ひぇ…こ、怖いっすぅ…」
 ▼ 173 ビゴン@するどいツメ 16/02/09 13:38:28 ID:yI..efrw [2/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「そうだよ…。怖いんだよ…」

マグマッグ「え…?」

チラーミィ「死ぬ時ってのはなぁ!涙が出るほど怖いんだよ!!」

チラーミィ「テメェに殺された奴等はな…!!」

チラーミィ「もっと生きていたかったんだよ!!!」

チラーミィ「それなのに…、テメェはぬけぬけと…」

チラーミィ「死ぬことは運命で決められてる?死んでも後悔はない?」

チラーミィ「甘ったれんなっ!!!テメェが死んだら…」

チラーミィ「テメェが殺した奴等は…、テメェを守って死んだ…」

チラーミィ「テメェの母ちゃんと父ちゃんがっ…報われねぇだろぉぉぉ!!!」

マグマッグ「っ…!!」

チラーミィ「テメェが出来ることはただひとつ…!!」

チラーミィ「醜くても良い!泥臭くても良い!足掻いてもがいて生き続けることだぁっ!!!」

マグマッグ「お…いらは…、生きてて…いいんすか?」

チラーミィ「テメェの命だ…。テメェで決めな…」
 ▼ 174 ルセウス@ポイントマックス 16/02/09 13:40:23 ID:yI..efrw [3/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「母ちゃん…、父ちゃん…ごめんなさい…」

マグマッグ「ノクタス…、ごめんなさい…」

ごめんなさい…。ごめんなさい…。

今まで殺めてきたポケモン達一匹ずつに…、マグマッグは心を込めて謝った。

チラーミィ「やっぱ、良い奴だな…」

チラーミィはそう言い切った瞬間に、マグマッグのに方に飛んでいった。

チラーミィ「すみませぇぇぇん!マグマッグさぁぁぁぁん!!」

マグマッグ「!?」

チラーミィ「大丈夫ですか!?何もしてませんか!?私、感情が昂るとほんのすこーーーーしだけ口が悪くなってしまって…。あと、ちょっっっっぴり暴力的になっちゃって…。とにかく大丈夫ですか!?」

マグマッグ「大丈夫っすよ…。ちょっとほっぺたが痛いっすけど…」

チラーミィ「わぁぁぁ!!!すみませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」
 ▼ 175 リアドス@シルクのスカーフ 16/02/09 13:41:38 ID:yI..efrw [4/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「あ、あの〜…」

チラーミィ「ふえぇ…、直さないといけないのにいぃ…。こんなだからヒメグマ君には振り向いてもらえないし…、ワンリキーさんにはからかわれるし…。うぅ…」

マグマッグ「あの〜…?チラーミィさん?」

チラーミィ「ふえ?…あ」

チラーミィ「〜〜〜〜〜〜!!//////」

マグマッグ「大丈夫っすよ。何も聞いてないっす…」

チラーミィ「うぅ…//////」

マグマッグ「ははは…。…チラーミィさんありがとうございました!」

チラーミィ「えっ!?」

マグマッグ「貴女の"スイープビンタ"と…喝のおかげで…」

マグマッグ「ほんの少しっすけど変われた気がするっす!」

マグマッグ「本当にありがとうございました!」

チラーミィ「そ、そんな大層なことしてませんよぉ…」
 ▼ 176 ンリキー@マグマスーツ 16/02/09 13:43:03 ID:yI..efrw [5/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「よしっ!新しいおいらの初仕事っす!チラーミィさん!出口まで案内するっすよ!」

マグマッグ「付いてきて欲しいっす!」

チラーミィ「は、はい!…良かった…」

二匹は出口を目指す。
再び仲間達と笑い合う為。
何としても生き延びる為。

だが、現実は…

ヘルガー「こんばんわ」

残酷だった…。
 ▼ 177 ジロック@ふるびたかいず 16/02/09 13:44:10 ID:yI..efrw [6/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「ボ、ボス…」

チラーミィ「貴方が…」

ヘルガー「初めましてお嬢さん。俺はヘルガー。盗賊団のボスを務めている者です」

チラーミィ「初めまして…。私はチラーミィ。貴方が潰そうと企む村の者です」

ヘルガー「ご丁寧にどうも…。すみませんねぇ…うちの若いのがご迷惑をおかけして…」

チラーミィ「迷惑だなんて…。滅相もございません。マグマッグさんは貴方の部下には勿体無いほどの人材です」

ヘルガー「その言葉…、今のそいつを見ても言えますか?」

ヘルガーにそう言われて、マグマッグの方に視線を向けると…
 ▼ 178 ルセウス@モコシのみ 16/02/09 13:44:57 ID:yI..efrw [7/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「あ…ぁぁぁ…ぁが」ガタガタ

マグマッグは、口を開けたまま震えていた。

ヘルガー「うーん、良い顔をしている…。そうだ…、その顔だ」

ヘルガー「もっと俺に見せてくれ…」ニタァ

マグマッグ「あぁァァァァ!!」

チラーミィ「マグマッグさん!落ち着いて下さい!」

ヘルガー「邪魔をするなぁっ!!!」

ヘルガーはチラーミィの横腹を前足で抉る。
勢いよく吹き飛ばされたチラーミィは、そのまま壁に叩きつけられた。

チラーミィ「かっ…あ」

チラーミィは壁をずるずると滑り落ち、へたりこんでしまった。
 ▼ 179 ザンドラ@モーモーミルク 16/02/09 13:46:56 ID:yI..efrw [8/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「せっかくマグマッグが良い表情をしているんだ。もっと楽しませてくれよ」

チラーミィ「ごほっ…ごほっ…。おかしいんじゃ…ないですか?」

ヘルガー「何とでも言うが良い。さぁてマグマッグ…。お前はここで何をしていた?」

マグマッグ「お、おおおいらは…」ガタガタ

ヘルガー「何をそこまで怯える必要があるんだ?何もしていないのならそう言えば良い」

マグマッグ「あ、あぁぁ…」ガタガタ

ヘルガー「そこに転がっているデルビル達はどうした?死んでいるのか?それとも…」

ヘルガー「お前が殺したのかぁ?」

マグマッグ「あが…がぁぁ」ガタガタ

ヘルガー「もしやお前…、裏切るつもりなのか?盗賊団を?この俺を?」

ヘルガー「なぁ?答えろよマグマッグゥ…」

マグマッグ「ああ…ぅぁ」ガタガタ

バレている…。ボスは全てを知っている…。マグマッグはただ震えることしかできなかった。
 ▼ 180 リリ@こだいのどうか 16/02/09 13:49:16 ID:yI..efrw [9/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「答えられないか…。ならば行動で示してくれ」

ヘルガー「マグマッグ。選択肢をやろう」

ヘルガー「このまま俺に殺され無様に死ぬか」

マグマッグ「あ…うぁ…」

ヘルガー「再び俺に忠誠を誓い、そこのお嬢さんを殺して、醜く生き延びるか」

マグマッグ「あ…ぁあ…」

ヘルガー「選べ」ニタァ

マグマッグ「あ…ぁぁ…」

チラーミィ「マグマッグさん…」
 ▼ 181 ルビル@おおきなねっこ 16/02/09 13:52:15 ID:yI..efrw [10/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「そうだよ…、俺はその顔が見たかった!!!」

ヘルガー「恐怖に怯え、青ざめたその顔が!!!」

チラーミィ「狂ってる…」

ヘルガー「わかっていないな…。顔面はひきつり、目には涙を浮かべ、半開きの口のまま、ただただ震えることしかできないあの姿!!素晴らしいじゃないか!愛おしいじゃないか!!」

これが本当に自分と同じ生き物なのか?チラーミィにそう思わせるほど、ヘルガーは異常だった。

言わば支配欲の塊である。

ヘルガー「マグマッグゥ、ありがとなぁ。二年前に、お前のあの顔を見たからこそ気付けた最上の快楽!」

ヘルガー「力での支配よりも恐怖での支配!!これこそが俺が求めていたものなんだよぉ…!!」

マグマッグ「ぐくぅぁ…」
 ▼ 182 ノノクス@まんたんのくすり 16/02/09 13:54:14 ID:yI..efrw [11/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「マグマッグさん!恐怖に打ち勝つんです!!」

マグマッグ「え…?」

チラーミィ「過去のトラウマを克服して…、未来を掴むん…っがふぁっ!」

ヘルガー「邪魔をするなと言っているのが聞こえないのか小娘がぁ!!!」

チラーミィの喉元にヘルガーは前足を捩じ込む。チラーミィは壁に押し付けられ、手足をバタつかせることしかできない。

ヘルガー「どうやら、お前の声を聴くとマグマッグは正気を取り戻すらしいな。邪魔だな死んでくれ」

そう言い切るとヘルガーは、一つ大きな呼吸をする。
その動作を見て、マグマッグはこれから起こりうる出来事を察した。

マグマッグ("かえんほうしゃ"を打つつもりっすか!?しかもあの距離で!?)

ヘルガー(さぁ、どうするマグマッグ?早く選べ。さもなくば、俺がこの小娘を焼き殺してしまうぞ?)

チラーミィ「マ、マグ…マッグさん…」

マグマッグ「チラーミィさん…!」
 ▼ 183 ルリア@はいぶくろ 16/02/09 13:55:38 ID:yI..efrw [12/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「恐怖に…打ち…かって…」

マグマッグ(そうっす…。おいらは変わるんす…。足掻いてでも生きてみせるって決めたっす!)

マグマッグ「自分が殺してきたポケモンのぶんまで、精一杯生き延びてみせるって決めたっす!!!」

マグマッグ「"げんしのちから"ぁっ!!」

ヘルガー「ふげぶぅ!!」

マグマッグの奥底に眠っていた"げんしのちから"がヘルガーを吹き飛ばした。

ヘルガー「ご…ごばぁ!!」

ヘルガーは吹き飛ばされた衝撃で、口のなかに溜め込んでいた"かえんほうしゃ"を上手く吐き出すことができず、口のなかで暴発させてしまった。

ヘルガー「はがぁ!あぁが!」

痛みに悶えるヘルガーを尻目に、マグマッグはチラーミィのもとへ駆け寄る。
 ▼ 184 ガバクーダ@かるいし 16/02/09 14:00:57 ID:yI..efrw [13/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「大丈夫っすか!?」

チラーミィ「はい…。マグマッグさん…、過去のトラウマを…克服できましたね…」

マグマッグ「は、はいっす!全部貴女のおかげっす!!」

チラーミィ「大袈裟ですよ…。マグマッグさんたら…」ニコッ

ヘルガー「やってくれたなぁ…」

口から煙を吐き、ゆっくりと近づいてくるヘルガー。その表情は怒りに燃えていた。

マグマッグ「ボス。いや…、ヘルガー。あんたはおいらに選択肢を与えたっすよね?」

マグマッグ「おいらの答えは…、自分の罪と向き合うために、あんたに勝って生き延びることっす!!」

ヘルガー「生意気言ってんじゃねぇぞクソ野郎がぁぁぁぁ!!!」
 ▼ 185 リガロン@ばんのうごな 16/02/09 14:04:00 ID:yI..efrw [14/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
「クソ野郎はどっちだよ」

「二匹とも元気ー?」

チラーミィとマグマッグの耳に、聞き慣れた声が入ってくる。

ヘルガー「お前ら…、何者だ?」

ワンリキー「名乗るほどの者でもないさ。ちょいとそこの二匹に用があってな」

ヒメグマ「返して貰うよ?僕達の友達だからね」

ヘルガー「勝手なことを抜かすな…。お前ら全員、生きてここを出れると思うなよ?」

ワンリキー「その言葉…」

ヘルガーは異変に気付いた。先程まで目の前にいたワンリキーが…

ワンリキー「そっくりそのまま返すぜ?」

自分の腹の下にいるのだから。
 ▼ 186 ルリル@プレシャスボール 16/02/09 14:05:49 ID:yI..efrw [15/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「おおぁっ!!」

ワンリキーの雄叫びと共に、ヘルガーの腹部に百を越える拳が打ち込まれる。

ヘルガー「ぐぶぅぁ…」

ヘルガーは仰け反り、その場から退こうとする。しかし…

ワンリキー「逃がさねぇよ」

ワンリキーの左腕がヘルガーの前足を掴む。そのまま引き寄せられたヘルガーを出迎えたのは…

ワンリキー「喰らいな…」

凄まじい勢いで迫ってくるワンリキーの拳だった。

ヘルガー「ぐがぶっ!!」

ワンリキーの拳はヘルガーの右頬をぐしゃりと歪ませ、そのままヘルガーを吹き飛ばし壁に叩きつけた。
 ▼ 187 ナギラス@ブリーのみ 16/02/09 14:07:13 ID:yI..efrw [16/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「す、すげぇや…」

ヒメグマ「何たってワンリキーだからね。元気してた?」

チラーミィ「ヒメグマ君!」

マグマッグ「ヒ、ヒメグマさん…」

ヒメグマ「うーん。チラーミィは横腹を殴られちゃったみたいだね。帰って手当しないと」

チラーミィ「これぐらい平気だよ?」

ヒメグマ「駄目だよ。君はいっつもそうやってやせ我慢するんだから」

チラーミィ「ごめんなさい…」

ヒメグマ「素直が一番だね。…マグマッグ」

マグマッグ「はいっす…」

ヒメグマ「チラーミィを守ってくれてありがとう」

マグマッグ「え…?」
 ▼ 188 ゲキ@どくのジュエル 16/02/09 14:09:30 ID:yI..efrw [17/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「君のお陰で、チラーミィが死ななくて済んだんだ。本当にありがとう…」

そう言ってヒメグマは深く頭を下げる。

マグマッグ「ちょ、ちょっと待つっす!おいらはあんた達を騙して殺そうとまでしたんすよ?それなのに…」

ヒメグマ「もういいよ別に」

マグマッグ「へ…?」

ヒメグマ「確かに酷いことをされたよ。でも君はチラーミィを守ってくれた…」

ヒメグマ「自分の罪と向き合う道を選んだ。なら僕達が出来ることは、君を憎むことじゃなくて…」

ヒメグマ「君の力になることだ。君がヘルガーに勝ちたいと言うのなら、僕達は君の矛になる。君が運命に立ち向かうと言うのなら、僕達も一緒に立ち向かう…」

ヒメグマ「それが友達ってもんでしょ?一緒に生きて笑おうよ。マグマッグ」
 ▼ 189 ブキジカ@ダイブボール 16/02/09 14:10:50 ID:yI..efrw [18/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「お、おいらは生きたいっす!おいらが殺してきたポケモンの為に、おいらの命を未来に繋いでくれた両親の為に…」

マグマッグ「おいらをこんなにも愛してくれる友の為に!!生きていたいっす!!!」

ヒメグマ「うん。良く言った!聞こえたよね?ワンリキー!」

ワンリキーは振り向かず親指を立てた。

ヒメグマ「キザだねー。それじゃ後は…」

マグマッグ「おいらも戦わせて欲しいっす」

ヒメグマ「…。分かった」

マグマッグ「ありがとうっす…」

ヒメグマ「チラーミィ…も?」

チラーミィ「うん…!みんな頑張ってるのに…、アタシだけ傍観者気取るなんざゴメンだね」

ヒメグマ「ありゃ…。でも無茶だけは駄目だよ?」

チラーミィ「アンタもね…」

マグマッグ「おいら頑張るっす!」

ワンリキー「俺も忘れんなよー」

四匹は…一つになった。
 ▼ 190 ンド@タポルのみ 16/02/10 13:35:43 ID:srF.3iv. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
見てる
 ▼ 191 ーボック@ウッディメール 16/02/10 15:56:26 ID:QLZfnenU [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「ぐぶ…。やるじゃないか…」

ワンリキー「まだ立てるのか…。なら…」

ワンリキーは、よろめくヘルガーに一直線に向かって行く。
だが、ワンリキーは違和感を覚えた。

ワンリキー(何故…、迎え撃ってこない?)

自身に真っ直ぐに向かってくるワンリキー。ヘルガー側からしてみれば格好の的のハズ…。
しかし、ヘルガーはその場に留まっていた。

ワンリキー(ダメージで動けないのか…?ならば好都合。これで決める…)

勝利を確信し、ヘルガーの鼻先に拳を突き出すワンリキー。迫りくる一撃に…、ヘルガーはニヤリとしていた。

ワンリキー「うあっつ…!」

その直後に、ワンリキーは拳を抑えうずくまってしまった。

ヘルガー「よくもまぁ…、ボコボコと殴ってくれたな」

ヘルガー「お返しだ」
 ▼ 192 インディ@エスパージュエル 16/02/10 15:57:51 ID:QLZfnenU [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーは大きな呼吸をした。"かえんほうしゃ"を放つつもりなのだ。

ヒメグマ「ワンリキー!」

うずくまるワンリキーの元に、ヒメグマが駆け寄る。
しかし、もうすでにヘルガーは"かえんほうしゃ"を放つ準備が整っていた。

ヘルガー「…ふぐっ!」

ヘルガーが二匹に向かって"かえんほうしゃ"を放とうとした瞬間…

チラーミィ「しゃらぁ!!」

ヘルガーの顔面にチラーミィの"アイアンテール"が打ち込まれる。
効果はいまひとつになるが、ヘルガーの"かえんほうしゃ"を放つタイミングを若干遅らせることができた。

ほんの1〜2秒だったが、ヒメグマはワンリキーを肩に担ぎ、"かえんほうしゃ"の範囲外にまで逃れることができた。

先程までヒメグマ達が居た場所が業火に包まれる。離れていても熱気が伝わってくる程、ヘルガーの"かえんほうしゃ"の威力は凄まじいものだった。

ヒメグマ(あれを喰らったら終わりだね…。それよりも…)

ヒメグマはヘルガーの方に意識を向けながら、ワンリキーの状態を確認する。

ヒメグマ(これは…)
 ▼ 193 ルガルド@ライボルトナイト 16/02/10 16:01:30 ID:QLZfnenU [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマは驚愕した。ワンリキーの拳の皮膚が剥がれ、ブクブクと腫れ上がっていたのだ。
さらに、ワンリキーの体から煙が立ち上ぼる。

ヒメグマ(この…、症状は…)

ワンリキー「…っつ。どうやら"やけど"になっちまったみたいだ…」

ワンリキー「けどよ、心配すんな…」

そう言うとワンリキーは、ヒメグマから離れ、のっそりと立ち上がる。

ヒメグマ「無茶だよ。片腕だけじゃ…」

ワンリキー「まぁ、そうだろうよ。だけどな…」

ワンリキーは自身の太股を叩く。

ワンリキー「拳が使えねぇなら脚を使うまでだ。全身が使い物にならなくなるまで、俺は戦うぜ?」
 ▼ 194 ダンギル@あやしいパッチ 16/02/10 16:03:26 ID:QLZfnenU [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
そう言い切ると、ワンリキーはヘルガーに向かっていく。

ヘルガー「またやられにきたのか?」

ワンリキー「どうとでも言えよ…」

ワンリキーはヘルガーの側面に滑り込んだ。そして、ヘルガーの後ろ足の付け根に向かって…

ワンリキー「おらぁ!」

鋭い蹴りをねじ込んだ。
だが…、

ヘルガー「効かんな」

ヘルガーは平然としていた。

ヘルガー「"やけど"になった奴の攻撃など屁でも無い!」

ヘルガーは牙を剥き出しにし、ワンリキーに飛び掛かる。
雷を纏った牙がワンリキーの肩に突き刺さる。

ヘルガー(どうだぁ…。全身に雷が走った感覚だろう?)
 ▼ 195 バルオン@カードキー 16/02/10 16:04:23 ID:QLZfnenU [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「ありがとうよ。わざわざ近付いて来てくれて」

ヘルガー(何?)

ワンリキーはヘルガーの首に腕を回し、ガッチリとホールドする。
それを見計らってかチラーミィとマグマッグ、そしてヒメグマが一勢に飛び掛かる。

チラーミィ「おらぁ!」

マグマッグ「そりゃあ!」

ヒメグマ「うおぉ!」

"アイアンテール"

"げんしのちから"

"きりさく"がヘルガーの背中に命中する。

ヘルガー「ぐ…おが」

たまらずワンリキーに噛みついていた牙を離し、よろめくヘルガー。
このチャンスを逃すまいと、ワンリキーは力を溜める。
 ▼ 196 ングラー@ドラゴンジュエル 16/02/10 16:06:03 ID:QLZfnenU [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「さっきのお礼だ…」

溜め込んでいた力を解放したワンリキーは、火傷を負っていない方の拳を突きだした。
その拳はヘルガーの顎を綺麗にうち据える。

だがヘルガーは…

ヘルガー「ふん…」ニタァ

ワンリキー「これも駄目か…」

平然としていた。
 ▼ 197 コルピ@ハートのウロコ 16/02/10 16:07:32 ID:QLZfnenU [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「ぬん!」

ヘルガーは前足でワンリキーの横腹を抉る。吹き飛びこそしなかったが 、ワンリキーは決して軽くは無いダメージを負ってしまった。

ヘルガー「まだ踏ん張るか。しかし、辛そうだなぁ…」ニタァ

ワンリキー(体に…力が入らん…)

ヘルガー「"やけど"で徐々に体力は奪われ、技の威力は落ちる…。まさに無力だな」

チラーミィ「テメェ、ワンリキーに何をしやがった!」

ヘルガー「簡単なことだ、"おにび"を喰らわせて"やけど"になって貰ったのさ。こいつが"ノーガード"で助かったよ」
 ▼ 198 ママ@ラッキーパンチ 16/02/11 16:25:06 ID:LB1zgWZo [1/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「はぁ…はぁ…。関係ないね…」

ワンリキーは、再びヘルガーの後ろ足の付け根に、蹴りを入れ込む。

ヘルガー「まだやれるのか。大した根性だ」

チラーミィ「余所見してていいのかよ!」

ヘルガーがワンリキーに気をとられている隙に、チラーミィはヘルガーと目と鼻の先の距離にまで近付いていた。

チラーミィ「"スイープッ"…!」

ヘルガー「甘いな」
 ▼ 199 ワーク@タウリン 16/02/11 16:27:54 ID:LB1zgWZo [2/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヘルガーは、チラーミィの方へと振り向きながら左前足を振り払う。
完全に攻撃態勢に入っていたチラーミィは、ラケットで打ち返されるテニスボールの様に吹き飛んでいく。

マグマッグ「チラーミィさん!」

ヘルガー「残念"ふいうち"でした。余所見していたのはわざとだ」

ワンリキー「俺の方は気にしなくていいのかい?」

ヘルガーの後ろ足に、何度も何度も蹴りを入れ込んでいるワンリキー。
だが、ヘルガーの態勢は一向に崩れない。それどころか、ダメージを与えられているかさえ怪しくなってきた。
 ▼ 200 ーマルド@もののけプレート 16/02/11 16:30:05 ID:LB1zgWZo [3/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マグマッグ「チラーミィさん!」

マグマッグはチラーミィの元へと駆け寄る。しかし、それを読んでいたかのように、ヘルガーがチラーミィの方に向きを変え、"かえんほうしゃ"の態勢に入っていた。

ワンリキー「やらせるかよ」

ワンリキーは少しでもヘルガーの注意をそらすため、火傷を負っていない方の腕で殴りかかるが…

ヘルガー(いい加減鬱陶しいぞ…)

タイミングを合わされ、ヘルガーの右前足がワンリキーの目前へと迫る。
これには対処しきれず、ワンリキーの頭部が右へ跳ね上がる。

ワンリキー「ぐ、ぅ…」

何とか持ちこたえたワンリキーだったが、体力の限界が来たのだろう。
その場に倒れ込んでしまう。
 ▼ 201 ョロトノ@こおりのジュエル 16/02/11 16:31:49 ID:LB1zgWZo [4/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「くそがぁ…」

ヘルガー(その場で見ていろ。仲間が灰になるまでをな)

マグマッグ「大丈夫っすか!?チラーミィさん!」

チラーミィ「っう…。大丈夫…、ではねぇな…」

マグマッグ「動けるっすか?」

チラーミィ「少し目の前が揺れてるけど…、まだやってやるさ…」

マグマッグ「よ、良かったっす…!?」

チラーミィ「どうしたマグマッグ?…っておい!?」

チラーミィの質問に答えず、マグマッグは彼女を担ぎ上げた。
 ▼ 202 ガリザードンX@リゾチウム 16/02/11 16:33:55 ID:LB1zgWZo [5/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
チラーミィ「一体どうしたって…」

チラーミィは悟った。ヘルガーがこちらに顔を向けている。その頬を膨らませて…。

ヒメグマ(っ!!!)

ヒメグマは走った。
ヘルガーを止めに行くには時間が無い。チラーミィ達を助けに行くにしても時間が無い。
ヒメグマが目指したのは、両者の間に出来る空間だった。

ヘルガー(何だ?あいつ…。死にたいのか?)

ヘルガーが"かえんほうしゃ"を放つギリギリの所で、ヒメグマは両者の間に滑り込む。
 ▼ 203 ガボスゴドラ@こうこうのしっぽ 16/02/11 16:35:14 ID:LB1zgWZo [6/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
そして、チラーミィ達に"かえんほうしゃ"の影響が出ないよう力一杯、両手を広げた。

ワンリキー「おい、やめろヒメグマ…」

マグマッグ「ヒメグマさんっ…」

チラーミィ「ヒメグマ…君…!」

ヘルガー(そんなに死にたいのなら、お前から始末してやろうじゃないか)

ヘルガーから放たれた"かえんほうしゃ"はあっという間にヒメグマを炎で包んでしまう。

ワンリキー「ヒメグマァァァ!!!」

マグマッグ「ヒメグマさぁん!!」

チラーミィ「いやぁァァァァ!!!」
 ▼ 204 ッパ@ブロムヘキシン 16/02/11 16:36:45 ID:LB1zgWZo [7/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
炎は徐々に勢いを無くし、やがて鎮火した。
そこにヒメグマの姿は無く、遺跡の床の焦げた跡しか見当たらない。

ヘルガー「まずは一匹。他者を庇って死ぬとは馬鹿な奴だ」

ワンリキー「ヒメグマを愚弄すんじゃねぇ!!」

ワンリキーの鋭い蹴りが、ヘルガーの右後ろ足を捉える。
しかし、ヘルガーの表情に変化はない。
 ▼ 205 ガミミロップ@ブルーカード 16/02/11 16:37:58 ID:LB1zgWZo [8/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヘルガー「仲間を侮辱されて悔しいか?お前も馬鹿だな」

ヘルガーは、ワンリキーの方へ向き直り左前足を振るう。狙いはワンリキーの右腕。火傷を負っている腕だった。

容赦の無い一撃は、ワンリキーの顔を苦痛の色に染め上げる。

ワンリキー「ぐぅぁ…。…まだまだぁぁ!!」

痛みをこらえヘルガーに掴みかかるワンリキー。
しかし、ヘルガーはその行動を読んでいたかのように後ろに飛び退り、すかぶったワンリキーの頭部を右前足で押さえつける。

そのまま地面に叩き付けられたワンリキーに、ヘルガーは…

ヘルガー「次はお前だ…」

ワンリキー「ぐぅ…」

大きく息を吸い込み、"かえんほうしゃ"を放つ態勢を整える。
 ▼ 206 プラス@サメハダナイト 16/02/11 16:39:21 ID:LB1zgWZo [9/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マグマッグ「マズイっ!チラーミィさん…」

チラーミィ「行くぞマグマッグ!ワンリキーを助けるんだ!」

マグマッグ「は、はいっす!」

二匹は全速力でヘルガーに向かっていく。しかし、距離が開きすぎている。

チラーミィ(ちくしょう…!もっと速く走れたら…、もっとアタシが強ければ…!ヒメグマを死なせずに済んだのにっ…)

チラーミィは奥歯を噛みしめ、走る。
だが、チラーミィを嘲笑うかのように、ヘルガーの頬が膨らみ、口元に火の粉が散らつきだす。
 ▼ 207 ーナイト@ミュウツナイトY 16/02/11 16:40:47 ID:LB1zgWZo [10/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
チラーミィ(あと、少し…なのにっ!!)

マグマッグ(間に合えっ…!)

ヘルガー(そうだ走れ。急げば急ぐほど、間に合わなかった時の絶望感は増すのだから)

ワンリキー「ぐぅ…。くそがぁ…」

ヘルガー(さらばだ)

ワンリキー「ヒメグマぁ…!」
 ▼ 208 イル@きんのたま 16/02/11 16:41:23 ID:LB1zgWZo [11/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヘルガー「んげばっ!!!」

不意にワンリキーの頭を押さえ付けているものがなくなった。何事かと顔を上げると、そこには…

ヘルガー「ぐぼばっ!!」

無様に吹き飛ぶヘルガーと…

ヒメグマ「"だましうち"だよ」

少々、体を焦げさせたヒメグマの姿があった。
 ▼ 209 ノココ@バンジのみ 16/02/11 16:42:29 ID:LB1zgWZo [12/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「お、お前…!」

ヒメグマ「いや〜、ごめんね。中々飛び出すタイミングが見当たらなくて…」

チラーミィ「うらぁ!」

チラーミィの尻尾の一撃がヒメグマに炸裂する。

ヒメグマ「あだばっ!痛いよ…チラーミィ…?」

チラーミィ「心配…がけやがっで…」

チラーミィの瞳から、透明な雫が流れる。
 ▼ 210 リル@デンリュウナイト 16/02/11 16:43:36 ID:LB1zgWZo [13/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「ごめんね…。でも、この通りピンピンしてるんだ!だからさ…、泣かないでよ」

チラーミィ「な、泣いてなんか…ねぇよ…」

マグマッグ「でもヒメグマさん。どうやってあの炎の中から脱出したんすか?」

ヒメグマ「ズバリ"みがわり"を使ったんだ」

ワンリキー「なるほどな。"かえんほうしゃ"を受けたのは、お前の分身ってわけか」

マグマッグ「"みがわり"が消えたあと、ヒメグマさんは突然現れたじゃないすか。それまで一体何処にいたんすか?」
 ▼ 211 バゴ@ノーマルジュエル 16/02/11 16:44:25 ID:LB1zgWZo [14/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「…」

マグマッグ「言えないことなんすか!?」

ヒメグマ「知らないほうが良いこともあるんだよ?」

マグマッグ「は、はぁ…」

ヒメグマ「さて…」

ヒメグマは、先程吹き飛ばしたヘルガーをみやる。
 ▼ 212 ビビール@めざめいし 16/02/11 16:45:53 ID:LB1zgWZo [15/15] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヘルガー「おぐぉぉぉ…」

またしても"かえんほうしゃ"を口のなかで暴発させてしまったヘルガーは、痛みに耐え兼ね悶絶していた。

ヒメグマ「マグマッグ。ヘルガーの特性は分かる?」

マグマッグ「えっと…、確か"もらいび"だった気がするっす」

ヒメグマ「"もらいび"か…。よし…。みんな、賭けに出るよ」

マグマッグ「賭け…とは?」
 ▼ 213 ョロゾ@マグマブースター 16/02/11 23:17:40 ID:NXnvc60c NGネーム登録 NGID登録 報告
支援  好きなポケモンのヒメグマが子供のとき思い浮かべてたキャラすぎる

このヒメグマとワンリキーとチラーミィって人間で言う何歳ぐらいの年齢なんだろう
 ▼ 214 レッグル@ホイップポップ 16/02/13 20:09:34 ID:Z6aLgQYM [1/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>213
特に決めて無いのですが、18〜20辺りでお願いします
 ▼ 215 クーダ@サンのみ 16/02/13 20:10:42 ID:Z6aLgQYM [2/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「とんでもない大博打さ。当たれば一発逆転、負ければ即死だ」

マグマッグ「それほどまで…」

ヒメグマ「これだけは避けておきたかったんだけど…」

チラーミィ「前置きはいいよ。さっさと話しな」

ヒメグマ「チラーミィ…、そうだね」

ヒメグマ「この賭けの最大の要因は、ヘルガーと…マグマッグ、君だ」

マグマッグ「お、おいらっすか!?」
 ▼ 216 ニスズメ@ポイントアップ 16/02/13 20:11:37 ID:Z6aLgQYM [3/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「うん。ヘルガーは僕らが思っていた以上にタフだ。"やけど"で攻撃力が落ちているとはいえ、弱点であるワンリキーの技を何度も喰らい…」

ヒメグマ「僕達三匹の技を受けても平然としている。マグマッグの"げんしのちから"もヘルガーの弱点のハズなのにね…」

ワンリキー「単純に俺達の技が効いていないだけじゃないのか?」

ヒメグマ「確実にダメージは蓄積されているんだ。だけど…」

チラーミィ「ヘルガーはそれを表に出さない…」

マグマッグ「おそらくプライドが許さないんすよ。獲物が力尽きるまで、地に伏さない…。それが奴の信条っす」

ワンリキー「自分の"かえんほうしゃ"を口のなかで暴発させてもけろっとしているのはその為か」

チラーミィ「精神力だけで立ち上がってるのかよ。化け物だな…」

ヒメグマ「そんな化け物でも内部は弱いんだよ。見てみてヘルガーを」
 ▼ 217 ラエナ@フォーカスレンズ 16/02/13 20:12:42 ID:Z6aLgQYM [4/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマにそう言われ、未だ痛みに悶えているヘルガーを見やる三匹。

ワンリキー「前言撤回。とんだ大間違いだな。俺達と戦って受けたダメージよりも、暴発して受けたダメージのほうがデカイんじゃねぇか?」

チラーミィ「アンタまさか…」

ヒメグマ「そう。あの"かえんほうしゃ"の暴発を逆に利用するんだ」

マグマッグ「うぇっ!?あれを意図的に引き起こすつもりなんすか!?」
 ▼ 218 ガクチート@かたいいし 16/02/13 20:14:50 ID:Z6aLgQYM [5/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「うん。でも、ただ同じことを繰り返すだけじゃヘルガーは倒れてくれない。もう一度聞くよ?ヘルガーの特性は"もらいび"なんだよね?」

マグマッグ「間違いないっす」

ヒメグマ「ありがとう。それよりも"もらいび"の効果は分かる?」

チラーミィ「確か…、炎技を吸収して自分の力に変える…だよな」

ヒメグマ「その通り。ところでマグマッグ。君は炎技を使える?」

マグマッグ「一応"ひのこ"が使えるっすよ。でも何でそんなこと聞くんすか?ヘルガーに炎技は効かないって…」
 ▼ 219 ォレトス@ライブキャスター 16/02/13 20:17:25 ID:Z6aLgQYM [6/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「そうなんだよね。ヘルガーに炎技は効かない。それどころか奴の炎技を強化してしまうことになるんだよね」

ワンリキー「あの"かえんほうしゃ"現時点で相当な威力だからな」

マグマッグ「"もらいび"で最大火力まで高められた"かえんほうしゃ"…。ほのおタイプのおいらでもアウトっすね」

ヒメグマ「逆に考えてみて?ヘルガーは普通の威力の"かえんほうしゃ"の暴発で、あれほどのダメージを受けているんだよ?」

ヒメグマ「もし、マグマッグの言う通り"もらいび"で最大火力まで高められた"かえんほうしゃ"が…」

ヒメグマ「ヘルガーの口内で暴発したら…、奴はどうなるんだろうね?」
 ▼ 220 ーシャン@れいかいのぬの 16/02/13 20:18:13 ID:Z6aLgQYM [7/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「つまりおいらの"ひのこ"は…」

ヒメグマ「燃料だね。それも相当危険なやつ」

ヒメグマ「噛み砕いて説明するよ。ワンリキー、チラーミィ、僕の三匹でヘルガーを抑える。その間に、マグマッグは"ひのこ"をヘルガーに撃ち続けて"もらいび"を発動させるんだ」

ヒメグマ「これは僕の勝手な見解だけど、おそらく奴は大人しくなる。ヘルガーからすれば、少しの間我慢するだけで、僕達をまとめて片付けることができる火力を蓄えることが出来るからね」

ヒメグマ「充分な力を蓄えたら、奴は一気に勝負をかけてくるハズ。最大火力の"かえんほうしゃ"を撃ってくる。そこを狙うんだ」
 ▼ 221 スキッパ@まひなおし 16/02/13 20:19:19 ID:Z6aLgQYM [8/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「撃ってくるタイミングはどうやって判別するんだ?」

ヒメグマ「ヘルガーはね"かえんほうしゃ"を放つ前に、大きく息を吸い込むんだ。ほんの一瞬だけどね」

ワンリキー「その一瞬…。しかも"かえんほうしゃ"を暴発させるには吐き出す瞬間を狙わねぇといけないのか」

ヒメグマ「はっきり言ってかなりシビアだよ。参っちゃうよね」

ヒメグマ「ごめんねみんな。今はこのぐらいしか思い付かないんだ…」
 ▼ 222 ビシラス@たからぶくろ 16/02/13 20:19:49 ID:Z6aLgQYM [9/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「…。その賭け乗ったよ」

ヒメグマ「えっ…」

ワンリキー「同じく」

マグマッグ「お、おいらもっす」

ヒメグマ「みんな…、本当に良いの?失敗したら…」

チラーミィ「アタシらには成功するビジョンが見えてんだよ」

ワンリキー「勝って村に帰ろうぜ?相棒」

マグマッグ「おいら全力でヒメグマさんの期待に応えるっす!」

ヒメグマ「みんな…。そうだよね。迷っていても仕方ないよね」

ヒメグマ「やるよ…。最後の大勝負だ」

ワンリキー「ああ」

チラーミィ「任せな」

マグマッグ「はいっす!」
 ▼ 223 ース@ふといホネ 16/02/13 20:21:20 ID:Z6aLgQYM [10/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「一度ならず二度までも…。もう容赦はせんよ…」

ヒメグマ「来るか…?」

ヘルガー「全員消し炭にしてやる…」

ヘルガーは大きく息を吸い込む。"かえんほうしゃ"を放つつもりだ。

ヒメグマ「バラけるよ!手筈通りに行こう!」

そう言うとヒメグマは真っ直ぐに走り出した。自らがヘルガーの標的になるつもりなのだ。
 ▼ 224 ッタ@すいせいのかけら 16/02/13 20:22:03 ID:Z6aLgQYM [11/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「たく…、マグマッグ。頼むぜ」

そして、ワンリキーは左に、

チラーミィ「アンタならできる。自分を信じな」

チラーミィは右に向かっていく。

マグマッグ「よし、おいらも…」

ヘルガー(バラけたか、ならば…お前だ)

ヘルガーは"かえんほうしゃ"の標的をヒメグマに定める。真っ直ぐに向かって来るヒメグマが狙いやすいと思ったのだろう。
だが…、

ヘルガー(待てよ…、こいつは"みがわりか"?)
 ▼ 225 カルゲ@ピーピーエイド 16/02/13 20:24:18 ID:Z6aLgQYM [12/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
先程、自分を見事に騙しきったヒメグマをヘルガーは警戒していた。
自分に向かってくるのは本体か、それとも"みがわり"か。ヘルガーに迷いが生じる。

そしてその迷いは、自身の反応を鈍らせる。
気付けばヒメグマとの距離が、前足を伸ばせば届くまでになっていた。

ヒメグマ「本物だよ」

ヘルガー(ぐっ!?)

ヘルガーはおもわず"かえんほうしゃ"を放ってしまう。
しかし、放たれた"かえんほうしゃ"がヒメグマに命中するよりも早く、ヒメグマはヘルガーの腹の下に滑り込んだ。
 ▼ 226 ベルタル@たまむしプレート 16/02/13 20:26:39 ID:Z6aLgQYM [13/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「そらっ!!」

ヒメグマはヘルガーの腹部に向かって
技を放つのではなく、腹部に飛び付きしがみついた。

ヘルガー「離れろっ!」

ヒメグマ「やだね」

そう言うとヒメグマは、ヘルガーの背中に素早くよじ登る。
そのまま、ヘルガーの頭部に腕を回し、ガッチリと固める。

ヒメグマ(四足のポケモンの弱点は決まって背中だ。体の構造上、足は届かないし、こうやって首を固定しておけば振り向かれて技を撃たれることもない)
 ▼ 227 ガピジョット@あやしいパッチ 16/02/13 20:28:11 ID:Z6aLgQYM [14/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「離れろクソがっ!!」

ヒメグマ「ぬぎぎぎ…。やなこったぁ!」

ヘルガーはヒメグマを振り落とそうと必死だ。その場で飛び跳ね、首を振り乱している。
しかし、ヒメグマは落とされまいと必死に抗っている。

ワンリキー「ちょいと大人しくしててくれよ」

ワンリキーの蹴りがヘルガーの右後足へ打ち込まれた。
一瞬ぐらついたがヘルガーは何とか持ちこたえる。
 ▼ 228 ザンドラ@マトマのみ 16/02/13 20:29:11 ID:Z6aLgQYM [15/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「これなら、どうだっ!!」

今度はチラーミィの"スイープビンタ"が、ヘルガーの頭部を捉える。

ヘルガー「がっ…ぐぅっ!」

パァン!パァン!という快活な音が鳴り響く度に、ヘルガーの頭部が跳ね上がる。
3回ほど当てたあと、ヘルガーの左前足が迫っていることに気づいた為、チラーミィはそれ以上の追撃を諦めた。
 ▼ 229 ングラー@しめつけバンド 16/02/13 20:30:39 ID:Z6aLgQYM [16/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「ちっ…。3回か…」

悔しげに後退するチラーミィ。
しかし、彼女の口角は僅かに上がっていた。

準備が整ったのだ。
ヘルガーの注意はヒメグマが引き付け、その場から動こうとすればワンリキーがそれを許さない。

ヘルガーは恐らく気付いていない。もう一匹が自身の近くに迫っていることを。

チラーミィ(行きな。マグマッグ)

マグマッグ「ふぅっ…」

マグマッグはヘルガーの左側面部分に"ひのこ"を撃ち込んでいく。
文字通り大量の火の粉は、次々とヘルガーの脇腹に命中していく。

ヘルガー「マグマッグ…、お前嘗めてんのかぁ!?」

マグマッグ(何と言われようとおいらは役目を果たすだけっす!)
 ▼ 230 エルオー@ピーピーエイド 16/02/13 20:31:39 ID:Z6aLgQYM [17/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーの怒号を気にも留めず、マグマッグは、ただ一心不乱に"ひのこ"を撃ち続ける。

ヘルガー「いい加減離れろぉっ!」

ヒメグマ「ぐぐぐ…。もう少しだって…」

ヘルガーは自分の背中にしがみついているヒメグマを未だに振り落とすことが出来ずにいた。

ヘルガー(ならば…)

ヘルガーは体のある部分に力を入れた。
それは、ヒメグマにガッチリと固定されている頭部でもなく、ワンリキーに僅かながらもダメージを与えられ続けている右後ろ足でもない。

ヘルガーが力を入れたのは、尻尾だった。

ヒメグマ「ぐっ…!」
 ▼ 231 キジカ@ヨクアタール 16/02/13 20:33:40 ID:Z6aLgQYM [18/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーの尻尾がヒメグマを打ち据える。しなやかに動くヘルガーの尻尾は、両手が塞がり無防備なヒメグマを、何度も何度も打ち据える。

ヒメグマ(まさか尻尾まで動かせるとはね…。まるで何か硬いもので殴られてる感触だ。だけど…それがどうした)

ヒメグマはヘルガーの尻尾で打ち据えられ、その背中を腫らしても、ヘルガーの頭部を固定している両手の力を緩めることはなかった。
そればかりか、さらに腕に力を込めたのである。

ヘルガー(こいつ…!)

ヒメグマ(僕がこの腕を放したら、皆が自分の役目を果たせない。それどころか、皆を危険な目に遭わせる可能性だって浮上してくるんだ)

ヒメグマ(もうこれ以上…、僕の友達を傷つけさせはしないよ…)
 ▼ 232 ーダイル@プレシャスボール 16/02/13 20:34:33 ID:Z6aLgQYM [19/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「離れろっ!離れろよぉ!」

ヒメグマ「ぐぅ…。くぁ」

突然、ヒメグマを打ち据えるヘルガーの尻尾が動きを止めた。
いや、止められたのだ。

ワンリキー「大人しくしろよ」

ヘルガー「お前かぁ…!」

ヒメグマ「ワンリキー…!」

ワンリキーは両手でヘルガーの尻尾を引っ張っていた。火傷した腕から血を滴らせながら。
 ▼ 233 ラエナ@プレミアボール 16/02/13 20:35:25 ID:Z6aLgQYM [20/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「やっぱり君の腕は…」

ワンリキー「心配すんな…。俺は大丈夫だ」

ヒメグマ「…任せたよ」

ワンリキー「おう。任されたぜ」

ヘルガー「どいつもこいつもまとわりつきやがって!!」
 ▼ 234 ネズミ@あおいかけら 16/02/13 20:36:42 ID:Z6aLgQYM [21/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「黙りなっ!」

ヘルガー「ごばっ!」

チラーミィの"アイアンテール"がヘルガーの右脇腹に直撃する。

マグマッグ「りゃぁ!!」

マグマッグの"ひのこ"が、ヘルガーの左脇腹に確実にヒットしていく。

四匹の連携で、いつしかヘルガーはその場から動くことも、暴れることも出来なくなっていた。

ヒメグマ(大分、大人しくなったね…。そろそろかな…?)

マグマッグ(ヘルガーを完全に抑え込んでいる…。皆さん流石っすね)

マグマッグ(おいらも大分"ひのこ"を命中させたはずっす。ヘルガーの脇腹についた焦げが何よりの証拠っすよ)
 ▼ 235 ジョン@そうこのかぎ 16/02/13 20:38:12 ID:Z6aLgQYM [22/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ(それにしても随分と大人しくなったっすね。あんなに息を切らして、血色も良くないっす…)

マグマッグ(何か違和感…。えっと再確認したほうが良いっすね。"もらいび"は炎技を吸収して自分の力に変える特性…)

マグマッグ(おいらの役目は"ひのこ"で"もらいび"を発動させ、奴の火力を上げること…)

マグマッグ(燃料を与えられた炎はよく燃え上がるっす…。じゃあ何で奴は…、あんなに辛そうなんすか?ヘルガーにとって炎はご馳走みたいなもんなのに…)

マグマッグ(ヒメグマさんの言う通りなら、奴はいま、力を溜めている。あの表情も演技かもしれない…)
 ▼ 236 ゲキッス@しんかいのウロコ 16/02/13 20:39:23 ID:Z6aLgQYM [23/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ(だけど、ヘルガーはプライドが高いっす。意地でも弱みを見せないようダメージまで堪えるほど…)

マグマッグ(そんな奴が辛そうな演技をする…のか?)

マグマッグ(しない…。これだけは断言出来るっす。伊達に2年間ヘルガーの下で働いていた訳じゃないっすから)

マグマッグ(だとしたらヘルガーは本当にへばっている。堪えても隠しきれないほど…)

マグマッグ("もらいび"が発動してないんすか…?おいらの"ひのこ"じゃ役不足なのか…?)

マグマッグ("もらいび"…?何でおいらはヘルガーの特性が"もらいび"だって決めつけているんだ?)

マグマッグ(他の特性の可能性だって…!!)
 ▼ 237 バゴ@たいようのいし 16/02/13 20:40:57 ID:Z6aLgQYM [24/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ(お、おいらはとんでもない勘違いをしていたっす…。ヘルガーの特性が"もらいび"なら今頃ヘルガーはピンピンしてる…)

マグマッグ(でも、ヘルガーの特性が"もらいび"ではなく別の特性だったら…。いまのヘルガーが大人しいのも納得がいく…!!)

マグマッグ(不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い…)

いつのまにかマグマッグの体は動き出していた。
 ▼ 238 レフワン@するどいツメ 16/02/13 20:41:44 ID:Z6aLgQYM [25/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ(よし、そろそろ…。ってマグマッグ!?)

チラーミィ「何してんだお前!?」

ワンリキー(おいおい…)

マグマッグの突然の行動に三匹は肝を冷やした。
それもそうだろう。ヘルガーの左側面に陣取り"ひのこ" を撃ち続けていたマグマッグが…、

マグマッグ(おいらがやらないと!)

ヘルガーに正面から挑み掛かったのだから。

ヘルガー「なっ!?」

マグマッグ「"あくびっ"!!」
 ▼ 239 ブキジカ@あかいバンダナ 16/02/13 20:43:16 ID:Z6aLgQYM [26/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグはヘルガーに向かって大きな欠伸をした。
ヘルガーはというと、マグマッグの襲撃は完全に予想しておらず、蓄積したダメージと疲労の影響でマグマッグに反応することが出来なかった。

ヘルガー「が…」

力なく崩れ落ちるヘルガー。三匹はマグマッグに駆け寄るが…

マグマッグ「こっから離れて下さいっす!!」

チラーミィ「お、おい。本当にどうしたんだよ」
 ▼ 240 ウカザル@ウイのみ 16/02/13 20:43:56 ID:Z6aLgQYM [27/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「いいから!なるべくヘルガーから離れて!」

マグマッグの迫力に押され、三匹は素早くマグマッグの後ろに回り込んだ。
ヘルガーと三匹でマグマッグを挟む形となっている。

ワンリキー「一体どうしたんだ?そんなに慌てて」

ワンリキーの問いかけに、マグマッグは振り向き、ヘルガーに背を向けて答える。

マグマッグ「おいらは重大なミスを犯したんすよ…」

チラーミィ「そうか?特に失態なんて…」

マグマッグ「もっと前のことっすよ…」

ヒメグマ「まさか…」

マグマッグ「流石っすね…ヒメグマさん。そうっす、ヘルガーの特性は"もらいび"ではなく…」
 ▼ 241 コルピ@きのみぶくろ 16/02/13 20:45:37 ID:Z6aLgQYM [28/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ズブァ…。生々しい音がどこからか聞こえてくる。

マグマッグは、黒く鋭利な爪が生えた何かに貫かれた。

三匹「!!!」

ヘルガー「"はやおき"だぜぇ?マグマッグゥ…」

マグマッグ「す、"スモッ…」

ヘルガー「甘いわぁぁぁ!!」

ヘルガーは腕を引き抜き、間髪いれずにその場で素早く回転する。
さらに尻尾に力をいれ、遠心力を存分に利用した一撃をマグマッグの腹部に打ち据える。

マグマッグ「がばっ!」
 ▼ 242 メノデス@あかいくさり 16/02/13 20:46:28 ID:Z6aLgQYM [29/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
凄まじい速度で吹き飛んでいったマグマッグに追い討ちをかけるかのように、ヘルガーはマグマッグが吹き飛んだ方向に駆け出す。

まるで、投げられたフリスビーを追いかける犬のように。

ヒメグマ「マグマッグ!…がぅぁ」

ワンリキー「ちっ…、こんなときに…」

チラーミィ「ぐぐぐ…、あぐ」

マグマッグを助けに行こうとした三匹だったが、思うように体が動かない。
ヘルガーを抑え込んでいる内に、体力も、気力も限界を迎えてしまったようだ。

マグマッグ「あぐぁぁぁぁ!!!」

ヘルガー「この時を待っていた!俺の手でお前を処分出来るこの時をぉぉ!!」

先程まで青い顔をしていたのが嘘のように、ヘルガーは満面の笑みを浮かべながらマグマッグを殴り続ける。
 ▼ 243 ソッキー@ジーエスボール 16/02/13 20:48:13 ID:Z6aLgQYM [30/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「ぐべぅ…。す…"スモッ"…」

ヘルガー「"ふいうちぃぃぃ"!!!」

マグマッグ「ぐばぁっ…」

ヒメグマ「不味い…。あのままじゃマグマッグが…」

ワンリキー「くそがぁ…。何で動かねぇ…」

チラーミィ「ちくしょう…」

ヘルガー「ぁぁ!堪らないこの感触!殴る度に飛び出るお前の血が!俺をさらに興奮させるぅぅ!!」

マグマッグ「ぐが…ふがぁ…」

ヘルガー「そうかぁ、死ぬのかぁ…!おまえ死ぬのかぁぁぁぁぁ!!!!」

ヘルガーは絶叫をあげながら、全体重をのせた一撃を瀕死のマグマッグに喰らわせた。

マグマッグ「が…かぁ…」

ヘルガー「ぬぁぁぁ!!」

ヘルガーはマグマッグを、右前足で横に振り払う。
 ▼ 244 ミロップ@ハートのウロコ 16/02/13 20:49:13 ID:Z6aLgQYM [31/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「マグ…マァァァァッグ!!!」

ヒメグマは駆け出した。吹き飛んでいくマグマッグを、大切な友人を、その手で抱き留めるために。

ドサッ…。

ヒメグマは何とかマグマッグを抱き留めるためことができた。

だが…

ヒメグマ「マグ…マッグ」

マグマッグは身体中に穴を開け、生きているのかさえ怪しい状態だった。

ヒメグマ「ごめんよマグマッグ…。僕のせいだ。僕の無茶な賭けのせいで…君は…」
 ▼ 245 ンタイン@たてのカセキ 16/02/13 20:52:11 ID:Z6aLgQYM [32/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「いいん…すよ。それ…より、おいら…を放してほ…しいっす」

マグマッグ「お…いらの、とく…せい。わかるっ…すよね?」

ヒメグマ「"ほのおのからだ"…」

マグマッグ「ふれた…あいてに…やけどをおわ…せるんす…。このまま、おいらを…だきしめてたら…あなたも…やけどに…」

ヒメグマ「知ったもんか。僕は自分のやりたいようにやってるだけだよ?」

マグマッグ「…はは。かな…わないや…」

マグマッグ「おいら…、しぬ…んすかね…?」

ヒメグマ「死んだりしないよ。ちょっと眠るだけさ。そして夢のなかで旅をするんだ」
 ▼ 246 イガニ@かおるキノコ 16/02/13 20:53:00 ID:Z6aLgQYM [33/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「へぇ…。どこに…いくんすか…?」

ヒメグマ「何処にでもいけるし、何でも出来る。だって君の夢だもの」

マグマッグ「いいっ…すね。じゃあ、おいら…。いままで…であったポケモンに…あい…たいっす」

マグマッグ「もう…いちど、であって…ゆるして…もらえるまで…あやまって、さいごには…」

マグマッグ「ともだち…になれたら…いいなぁ…」

ヒメグマ「出来るさ…。ぎみならぎっど…」
 ▼ 247 ーテリー@ふたのカセキ 16/02/13 20:54:47 ID:Z6aLgQYM [34/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「…」

チラーミィ「…」

ヒメグマ「夢がら覚めだら…、またおいでよ…。僕達の村に」

マグマッグ「ぜひ…。ヒメ…グマさん。ワンリ…キーさん。チラー…ミィさん…」

マグマッグ「また…おあい…しましょう…?」

チラーミィ「ああ…またね…」

ワンリキー「またな…」

ヒメグマ「また…会おう…」

マグマッグ「はい…。それじゃ、おいら…ちょっと…ねむるっす。おやすみなさい…」

ヒメグマ「うん…。おやすみ…マグマッグ」

マグマッグは静かに目を閉じる。
温かかった彼の身体は氷のように冷たくなり、ヒメグマの腕に掛かるマグマッグの重さが心なしか増えた気がする。
 ▼ 248 ケニン@ヘビーボール 16/02/15 16:12:20 ID:ar58xKAw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 249 ガサーナイト@しあわせタマゴ 16/02/17 08:30:33 ID:hrlVmoe2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 250 ッフロン@モコシのみ 16/02/17 14:06:02 ID:TymnAQAQ [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「マグマッグ…」

ワンリキー「…」

チラーミィ「なんで…。どうして貴方が死ななければ…」

ヘルガー「お前たち…、何をそこまで悲しむ必要がある?」

三匹「!」

ヘルガー「たった一匹のポケモンが命を落としただけだろ?」

ワンリキー「テメェが…マグマッグを殺したんじゃねぇか…」

ヘルガー「確かにそうだ。だが…」
 ▼ 251 ャーレム@あおいバンダナ 16/02/17 14:06:47 ID:TymnAQAQ [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「マグマッグは俺を裏切ったんだぞ?盗賊団のボスであるこの俺を」

ヘルガー「始末されて当然だろう?」

チラーミィ「貴方は…、命を何だと思っているんですか!?」

ヘルガー「俺に支配されない命など生きる価値も無い。馬鹿な奴だよ…」

ヘルガー「一時の情に流され、俺に歯向かったばかりに…、その短い命を散らしてしまったのだから」
 ▼ 252 モルー@タイマーボール 16/02/17 14:08:48 ID:TymnAQAQ [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「最後まで憐れで醜い奴だったよ…」

ワンリキー「テメェは…死んだ部下に労いの言葉もかけてやれねぇのか?」

ヘルガー「部下?マグマッグが?笑わせるな。言っただろう。俺に忠誠を誓わない奴は生きる価値もないと」

ヘルガー「マグマッグは最初から忠誠など誓っていなかった。俺が怖くて従っていただけだ」

ヘルガー「そんな奴を労えと?ありがとう。お疲れ様。などと言う寒気がするような言葉をかけてやれと?」

ヘルガー「馬鹿馬鹿しい。俺に何の得がある?俺にとってマグマッグとは…」

ヘルガー「目的のために酷使する、いわば道具だな」
 ▼ 253 ェリンボ@きいろビードロ 16/02/17 14:10:05 ID:TymnAQAQ [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「使用出来なくなった道具を処分して何が悪い?貯まったゴミを廃棄するのと同じようにな」

ワンリキー「命とゴミを天秤にかけるんじゃあねぇよ…!」

ヘルガー「比べられても仕方がないだろう?マグマッグはゴミ以下の存在なのだから」

ヘルガー「そんな奴がいままで殺してきた奴等と友達になりたい?夢見てんじゃねぇよ」

ヘルガー「あの世でそいつらに殺され、苦しみ続けろ…マグマッグゥ…」

ヒメグマ「…お前には…」

ヘルガー「あ?」

ヒメグマ「心がないのかぁぁぁぁぁ!!!!」
 ▼ 254 ーシィ@こだいのツボ 16/02/18 22:31:45 ID:9GLh7Nck NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 255 ルシアン@バコウのみ 16/02/20 19:19:06 ID:rHPs1IA2 [1/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマの怒号が遺跡内に響き渡る。

ヘルガー「そんなもの持っているのなら……盗賊団の長などやっておらんよ」

ヘルガー「何度も言わせるな。この俺に支配されぬ命など、生きる価値もないのだ」

ヘルガー「生き延びたければ従え。俺に歯向かえばどうなるか……」

ヘルガー「お前の腕の中にいるゴミが体現してくれただろう?」

ヘルガーの一言がヒメグマの大切な何かを断ち切った。
 ▼ 256 ャロップ@ロメのみ 16/02/20 19:20:12 ID:rHPs1IA2 [2/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ(少し……待っててね)

ヒメグマは、安らかに眠るマグマッグを腕の中から解放し、遺跡の床にそっと寝かせる。

ヒメグマ「ヘェェェルゥゥゥガァァァァァ!!!」

ヒメグマは、ヘルガーに向かって真っ直ぐ駆け出す。

ヘルガー「向かってくるか。どうやら俺の話を聞いていなかったらしいな」

ヘルガー「良いだろう……死ぬまで痛め付けてやる」

ヒメグマ「おおおおおあぁぁ!!」
 ▼ 257 ェリム@シールいれ 16/02/20 19:20:56 ID:rHPs1IA2 [3/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマの拳がヘルガーの右頬にめり込む。

しかしヘルガーは……

ヘルガー「ふん……。お前も"やけど"か?」

平然としていた。

ヒメグマは、マグマッグが危惧した通り火傷を負っていたのだ。

ヘルガー「あいつの置き土産ってところだな。仲間の足まで引っ張るとは……」

ヘルガー「本当に救いようの無いゴミだなぁ?マグマッグは」ニタァ

ヒメグマ「おおぁっ!!」

ヒメグマは、もう片方の拳でヘルガーに殴りかかる。
 ▼ 258 ガイドス@あやしいパッチ 16/02/20 19:23:16 ID:rHPs1IA2 [4/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「甘い。"ふいうち"」

ヒメグマ「ぐぶぁっ!!」

しかし、ヒメグマの拳がヘルガーに届くことは無かった。
ヘルガーに攻撃のタイミングを読まれ、ヒメグマが攻撃するよりも早く、ヘルガーの右前足がヒメグマを捉える。

ヘルガー「哀れだな。勝ち目の無い相手に挑み続ける。これほど無意味なことはない」

ヒメグマ「はぁ……はぁ……ぅおおお!!」

ヘルガー「類は友を呼ぶとは、まさしくこの事だな。……ぬぁっ!」
 ▼ 259 ラミドロ@さらさらいわ 16/02/20 19:24:26 ID:rHPs1IA2 [5/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーはその場で素早く回転する。
先程、マグマッグを吹き飛ばした尻尾の一撃がヒメグマの脇腹を打ち据える。
ヒメグマは不様に吹き飛んでいった。

ヒメグマ「がふぁ!!」

遺跡の床に叩きつけられたヒメグマに、ヘルガーはゆっくりと近付いていく。

ヒメグマは歯を食いしばり、なんとか立ち上がろうとする。
しかし、体にろくな力が入らず、首を持ち上げることすら出来なかった。

ヘルガー「いい加減分からないのか?俺とお前の実力の差を」
 ▼ 260 ワパレス@こうてつプレート 16/02/20 19:25:52 ID:rHPs1IA2 [6/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「怒りや勢いで勝てるほど戦闘は甘くないのだ。今、お前が考えていることが手に取るように分かるよ」

ヘルガー「仲間を守りたい。友の仇を討ちたい……。違うか?」

ヘルガー「全くもって下らないな。戦場で信じられるのは己だけだ」

ヘルガー「他者に情けを掛ければ、待っているのは死のみだ。マグマッグが教えてくれただろ?」

ヒメグマ「はぁ……かはっ……あ」

ヘルガー「口もきけなくなったか。ならば……」ニタァ

ヘルガー「存分に痛ぶらせて貰おうかぁぁ!」

ヘルガーの右前足が、倒れているヒメグマの腹部に降り下ろされる。

ヒメグマ「か……あっ……」

ヒメグマは一瞬、身体中の酸素を根こそぎ奪われたような錯覚に陥った。

視界が徐々に黒で塗り潰されていく。

ヘルガー(ここで落ちて貰っては面白くないな)
 ▼ 261 チャブル@ハッサムナイト 16/02/20 19:27:50 ID:rHPs1IA2 [7/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマの腹部に、深々と捩じ込まれていたヘルガーの右前足が引き抜かれていく。
ヒメグマは貪るように酸素を取り込むが……

ヘルガー「吐き出せ」

今度はヘルガーの左前足が、ヒメグマの腹部に捩じ込まれる。

ヒメグマ「がっ……けぁ……」

ヒメグマの表情が、苦痛の色に染まる。
眼は見開かれ、口は半開きのまま閉じることができなくなっている。

ヘルガー(そろそろ落ちるか……)

ヘルガーはヒメグマが失神する寸前で前足を引き抜き、ヒメグマが空気を取り込んだ瞬間に、再びヒメグマの腹部に前足を捩じ込む。

ヘルガー「いい顔だぁ……もっと見せてくれぇぇ……!!」

ヒメグマ「がっ……ごかっ……ぁぐ……」

ヘルガーは、ヒメグマの腹部に前足を捩じ込んでは引き抜くを何度も繰り返す。
 ▼ 262 ィアンシー@とつげきチョッキ 16/02/20 19:29:03 ID:rHPs1IA2 [8/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー(失神する一歩手前で酸素を体に取り込ませる。するとどうだ……)

ヘルガー(遠退いていた意識や感覚が急速に呼び起こされるのだ。視覚や聴覚が戻るだけならまだ良いだろうが……)

ヘルガー(全身に蓄積された疲労や痛みまでもが降りかかってくるのだから、尚更質が悪い)

ヘルガー(対処するには息を止め、耐えるしかないのだが……)

ヘルガー(今のお前に出来るかなぁ……?)ニタァ

ヒメグマ「か……ぁが……」

ヘルガー「死なせねぇよ?俺が満足するまでなぁぁ!!」
 ▼ 263 アコイル@ロゼルのみ 16/02/20 19:31:38 ID:rHPs1IA2 [9/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「ヒメグマから……離れろ」

ワンリキーの鋭い蹴りがヘルガーの後ろ足を捉える。
ヘルガーの態勢が少しばかり崩れた。

ヘルガー「ぬ……お前か」

ヘルガーの注意が、一瞬ワンリキーに逸れる。

ワンリキー「チラーミィ!」

チラーミィ「はいっ!」

この隙を狙っていたかのように、ヘルガーとヒメグマの間にチラーミィが滑り込む。
チラーミィはヒメグマを抱き抱え、その場から逃げ出そうとする。

ヘルガー「逃がさ……」

ワンリキー「やらせねぇ……!!」

チラーミィの方に向き直ろうするヘルガー。
しかし、ワンリキーに尻尾を掴まれ引き寄せられた為、チラーミィの逃亡を許してしまう。

ヘルガー「ぬぐ……離せよクソが!」
 ▼ 264 ンナ@もうどくプレート 16/02/20 19:32:17 ID:rHPs1IA2 [10/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーの後ろ足がワンリキーを蹴りあげる。
どれだけ顎や右腕を蹴りあげられようと、ワンリキーはヘルガーの尻尾を掴んだまま離そうとしない。

ワンリキー「なら……ひっぺがしてみろよ……」

ヘルガー「ぐぬぬ……」

ヘルガーから大分距離を取り、チラーミィは抱えていたヒメグマをその場に降ろす。

ヒメグマを見たチラーミィは言葉を失った。

チラーミィ(こんなに……なるまで……)
 ▼ 265 リリ@アクアカセット 16/02/20 19:34:51 ID:rHPs1IA2 [11/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
顔面は蒼白。眼は虚ろで、腹部はヘルガーの前足の跡がくっきりと残っている。
また呼吸も微弱で、生きているのかさえ怪しくなってきた。

チラーミィは悔やんだ。地面を這ってでもヒメグマを助けに行けたら、こんなことにはならなかったのにと…。

チラーミィ「ごめんなさい……。あなたは……こんなになるまで戦っていたのに……」

チラーミィ「わたし……わだじは……」
 ▼ 266 ルトロス@ぎんのこな 16/02/20 19:37:28 ID:rHPs1IA2 [12/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「……わらってよ……」

チラーミィ「ヒメグマ君!」

ヒメグマ「言った……でしょ?きみは……笑顔がいちばん……だって」

チラーミィ「……」

チラーミィはヒメグマの問いかけに答えず、優しくヒメグマを抱き締める。

ヒメグマ「チラーミィ……?」

チラーミィ「喋らないで……今はこのままで居させて……」
 ▼ 267 マクロー@メトロノーム 16/02/20 19:38:16 ID:rHPs1IA2 [13/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ(……暖かいなぁ。ずっとこうしてたいよ……)

ヒメグマの額に冷たいものが滴り落ちてくる。

ヒメグマ(んー……?何だろ?)

ヒメグマ「どう……したの?チラーミ…ィ?」

チラーミィ「ヒグッ……エグッ……。ぅぁぁぁ……」

チラーミィ「ヒメグマくん……もっと……自分を大切にしてよぉ……」

ヒメグマ「チラーミィ……」

チラーミィ「もう嫌なの……。目の前で、誰かが傷つき死んでいくのは……」

チラーミィ「みたくないの……」
 ▼ 268 ドキング@ぎんのこな 16/02/21 14:58:25 ID:1gxkl7zw [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー(あの二匹……。ここが戦場であることを忘れたか?)

ヘルガー(まとめて消し炭にしてくれる……)

ヘルガーはヒメグマ達の方に向き直ろうとするが……

ワンリキー「させるかよっ……」

そうはさせまいと、ワンリキーがヘルガーの尻尾を引っ張り妨害する。

ワンリキー「部外者が割って入るのは、ちょいと野暮ってもんじゃないですかい?」
 ▼ 269 ロピウス@あかいバンダナ 16/02/21 14:59:06 ID:1gxkl7zw [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「分からんな。お前も火傷を負っているハズだろ?何故お前は、俺を抑え込んでいられる?」

ワンリキー「テメェには一生分からねぇだろうよ。……おらっ!」

ヘルガー「ぬぐ……」

ヘルガーの後ろ足に、再びワンリキーの鋭い蹴りが打ち込まれる。

ヘルガー(気のせいか?先程よりも痛みが増しているような……)

ワンリキー(ヒメグマはもう動けないか……。すまねぇな……俺がもっと早く助太刀に向かえたら……)

ワンリキー(あとは……任せてくれ)
 ▼ 270 ンカラス@アクアカセット 16/02/21 15:00:25 ID:1gxkl7zw [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキーは右腕で……火傷を負っている方の腕でヘルガーの脇腹を殴り付ける。

ヘルガー「お前……頭がイカれたか?わざわざ火傷を負っている腕で殴るとは……」

ワンリキー「もう痛みは無いんでね……。両手で存分に殴らせて貰うよ」

ヘルガー「感覚がなくなったのか……。お前、腕を落とすことになるぞ?」

ワンリキー「知るか。テメェを叩きのめせるのなら……」

ワンリキー「腕の一本くれてやるよ……!!」

ヘルガーの脇腹に、数えきれないほどの拳が打ち込まれていく。
 ▼ 271 クリン@めざめいし 16/02/21 15:01:27 ID:1gxkl7zw [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「……ふん」

ヘルガーは尻尾に力を込め、振り払った。

ワンリキー「がっ……」

バチィィン!!
甲高い音と共にワンリキーの頭部が跳ね上がる。

その場に倒れ伏したワンリキーに、ヘルガーの右前足が降り下ろされる。

ワンリキー「ぐ……うが」
 ▼ 272 メノデス@ていこうのハネ 16/02/21 15:02:04 ID:1gxkl7zw [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「いくら手数を増やそうと結果は同じだ。お前の力などその程度なんだよ」

ワンリキー「ぐ……ぐぐぁ」

ヘルガー「まだ立ち上がろうとするのか。……ひとつ聞きたい」

ヘルガー「お前を奮い立たせるものは何だ?」
 ▼ 273 マタマ@かなめいし 16/02/21 22:47:53 ID:TZTvAVWg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 274 ーイーカ@オボンのみ 16/02/24 17:54:40 ID:9eSV1IyQ [1/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「どうした……?急に」

ヘルガー「質問に答えろ。お前は……何を背負っている?」

ワンリキー「背負う?そんな大したもんじゃないさ……」

ワンリキー「自分の手で守りたいもんがある。それだけだぜ?」

ヘルガー「お前もか……。全くもって分からん。他者の為に戦うなど……己に何の得があるのだ?」

ワンリキー「だから言ったろ?テメェには一生分からねぇって」

ヘルガー「そうか。……何だか白けたな」

ヘルガー「一匹ずつなぶり殺していこうかと思ったが……」

ヘルガー「今のお前達では満足できそうにないな」

そう言うとヘルガーは、ワンリキーの左腕に噛みつき、チラーミィ達が居る方向に放り投げた。
 ▼ 275 ルトス@かいがらのすず 16/02/24 17:56:32 ID:9eSV1IyQ [2/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「おわっ……!チラーミィ避けろっ!」

チラーミィ「えっ!?」

ヒメグマ「ぐぐぐ……任せて」

チラーミィ「わ、私もっ……!」

ワンリキーが遺跡の床に叩きつけられるのを防ごうと、ヒメグマとチラーミィは両手を挙げてワンリキーを抱き留める。

ワンリキー「っと……。すまねぇなぁぁぁっ!?」

ワンリキーを抱き留めることには成功した。
しかし、完全に支えきることは出来ず、そのまま崩れ落ちてしまった。

ワンリキー「……大丈夫か?」

チラーミィ「すみません……。私の力不足です……」

ヒメグマ「ごめんねワンリキー」

ワンリキー「気にすんな。形はどうであれ助けてくれてありがとよ。ただ……」

ヘルガー「いい感じにまとまってくれたな。これ以上、お前達を痛め付けてもつまらんのだ」

ヘルガー「喜べ。マグマッグにまた会えるのだからな」

ヘルガーは息を吸い込み始める。

ワンリキー(あの野郎……!俺達をまとめて処分するつもりかよ……)
 ▼ 276 リジオン@シュカのみ 16/02/24 17:58:41 ID:9eSV1IyQ [3/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
早くこの場から逃げなければ……。
頭では分かっているのだが、身体が言うことを聞いてくれない。

ワンリキー「チラーミィ……、ヒメグマ……!」

チラーミィ「ワンリキーさん……。私達の……負けですね……」

ワンリキー「んなっ……!!」

チラーミィ「もう私達に勝ち目なんて……」

ヒメグマ「っう……。チラーミィ」

ふらふらと立ち上がるヒメグマは、うつむくチラーミィに……

ヒメグマ「任せて」ニッ

微笑んでみせた。

チラーミィ「えっ……?」

戸惑うチラーミィを尻目に、ヒメグマは二匹の前に陣取る。

ワンリキー「おい、何するつもりだ……?」

ヒメグマ「"みがわり"……もう一回出来るかなぁ?」

ワンリキー「やめろ……やめてくれ!!お前の体力は……もう……!」
 ▼ 277 ャスパー@むしのジュエル 16/02/24 17:59:57 ID:9eSV1IyQ [4/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「やめろ……やめてくれ!!お前の体力は……もう……!」

チラーミィ「無理だよぉ……!」

そうこうしている内に、ヘルガーの頬が膨らみ始める。

ヒメグマは、後ろに倒れ伏すワンリキーとチラーミィを庇うように両手を広げる。

ヒメグマ(死ぬのは怖い。だけど一番怖いのは……!!)

ヒメグマ(何も出来ずに友を失うことだ!!)

ヘルガー(あの世でマグマッグと戯れているがいい)

ワンリキー「頼むから……やめてくれよ……!!」

チラーミィ「お願い……やめてっ……」

ヒメグマ(たった一度でいい……!僕に……力を……!!)

ヘルガー(さらばだ)

ヘルガーの口内から、"かえんほうしゃ"が放たれる。

ヒメグマ「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

炎に包まれ、雄叫びをあげるヒメグマ。
 ▼ 278 ブラン@やけどなおし 16/02/24 18:01:42 ID:9eSV1IyQ [5/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「ヒメグマァァァァ!!!」

チラーミィ「いやぁぁぁぁぁ!!!」

ヘルガー「馬鹿な奴だ……」

ヒメグマ(か、身体が……熱い。力が……込み上げてくる!!)

燃え盛る炎の中でヒメグマの身体が変貌する。

チラーミィ「ヒメグマ……くん?」

ワンリキー「お前……身体が……!」
 ▼ 279 ンナ@ヤタピのみ 16/02/24 18:02:23 ID:9eSV1IyQ [6/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

凄まじい怒号が、ヒメグマを包んでいた炎を吹き飛ばす。

ヘルガー「ありえん……。俺の"かえんほうしゃ"を……叫んだだけで吹き飛ばしただと……?」

リングマ「……」

ワンリキー「進化……したのか?」

チラーミィ「ヒメグマくん……なの?」

二匹の問いかけに、リングマは振り向き……

リングマ「無事で良かった」ニッ

ヒメグマの時と何一つ変わらない笑みを浮かべてみせた。
 ▼ 280 ガユキノオー@がんせきプレート 16/02/24 18:04:55 ID:9eSV1IyQ [7/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「たく……。心配したんだぜ?」

チラーミィ「よかっだよぉ……」

リングマ「言ったでしょ?任せてって……チラーミィ」

チラーミィ「うん……?」

リングマ「絶対に諦めちゃだめだよ。希望を捨てない限り……」

リングマ「未来はいくらでも変えられるんだ」

チラーミィ「……ふふ。やっぱりヒメグマくんだぁ……」

リングマ「今はリングマだけどね。……ワンリキー頼んだよ」

ワンリキー「おう。……行ってこい」

リングマ「任せて」

チラーミィ「ヒメ……リングマくん……!」

リングマ「うん?どうしたの」

チラーミィ「必ず帰ろうね……。私達の村に……」

リングマ「うん……!」
 ▼ 281 ガヤミラミ@あかいビードロ 16/02/24 18:05:41 ID:9eSV1IyQ [8/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「お前……、俺に勝つつもりなのか?」

リングマ「もちろん」

ヘルガー「ほぉ……。どこからその自信が湧いてくるのかは知らないが……」

ヘルガー「今のお前なら存分に楽しめそうだな。来いよ……」

リングマ「……おおぉぁっ!!」

リングマは、ヘルガーに向かって一直線に駆け出す。
 ▼ 282 ュウツー@リゾチウム 16/02/24 18:07:40 ID:9eSV1IyQ [9/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「ふむ……。巨体の割には中々のスピードじゃないか」

リングマ「おおおぉぉぁぁぁ!!」

丸太のような腕がヘルガーに迫る。
しかし、ヘルガーは避けようとしなかった。リングマの攻撃は火傷の影響で、とるに足らないものだと高を括っていたからだ。

ヘルガー(何度でも受けてやるよ……。お前の貧弱な拳などなぁ……)

リングマの拳が、ヘルガーの右頬をグシャリと歪ませる。

ヘルガー「……げばっ?」
 ▼ 283 イタラン@いんせき 16/02/24 18:08:43 ID:9eSV1IyQ [10/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「……げばっ?」

リングマ「があぁぁぁっ!!」

今度はリングマの左の拳が、ヘルガーの頭部を跳ね上げる。

ヘルガー「ごぶばっ……!」

ヘルガー(な……何がおきている!?)

しかし、リングマはヘルガーに考える暇を与えない。

渾身の力でヘルガーの頭部を殴り、右へ左へ跳ね上げ続ける。
二匹の間に、ヘルガーの鮮血が飛び散る。

ヘルガー「ぐぼぉ!!ぶぐぁっ!」
 ▼ 284 ッコウガ@ハートスイーツ 16/02/24 18:09:52 ID:9eSV1IyQ [11/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー(ぐぅ……う、うしろに……)

これ以上リングマの攻撃を受けていてはマズイと判断したヘルガーは、後ろ足に力を入れ、その場から後退しようとする。

だが、支えである後ろ足に鋭い痛みが走り、ヘルガーの態勢が大きく右に崩れる。

ヘルガー(これは……!)

ワンリキー「"ローキック"……火傷で威力が落ちていたが、ようやく効果が出たか」

ワンリキー「テメェの機動力を奪わせてもらった。しばらく立てねぇよ」

ヘルガー(俺の後ろ足に、何度も蹴りを打ち込んでいたのは……こうなることを予測して……!!)
 ▼ 285 ククラゲ@こころのしずく 16/02/24 18:12:29 ID:9eSV1IyQ [12/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
リングマ「……」

ヘルガー「な、何故だ!?先程まで虫の息だったお前のどこに……こんな力が……!」

リングマ「マグマッグのおかげさ。皮肉なものだね。お前が置き土産と罵った火傷が、お前自身を追い詰めているのだから……」

ヘルガー「お前のような弱者に……俺が追い詰められているだとぉぉぉ……?」

リングマ「終わりだ……!」

そう言い切り、リングマは全身に力を込め始める。

ヘルガーは直感的に悟った。

あの技を喰らえば、確実に意識を断たれる……と。
 ▼ 286 トーボー@モンスターボール 16/02/24 18:13:40 ID:9eSV1IyQ [13/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「支配される側のお前にぃぃ!!支配者の俺が負けるハズがないのだあぁぁぁ!!」

ヘルガーは大量の空気を取り込み、リングマに"かえんほうしゃ"を放つ。

ワンリキー「マズイ……!」

チラーミィ「リングマ君!!」

リングマ「おおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

溜め込んだ力を解放したリングマは、迫りくる炎に構わず飛び込んだ。

ヘルガー「血迷ったか馬鹿めがぁぁぁぁ!!そのまま焼け死ぬがいい!!!」
 ▼ 287 ガリザードンX@メカニカルメール 16/02/24 18:14:40 ID:9eSV1IyQ [14/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
自分の勝ちだ。そう思えた矢先、ヘルガーの目に信じられない光景が映し出される。

リングマ「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

ヘルガー「ほ、ほのおの中を……駆け抜けてくるのかぁぁぁ!?」

雄叫びを上げ、全身から炎を巻き上げながら自分に突っ込んで来るリングマは、ヘルガーにとって恐怖以外の何者でもなかった。

ヘルガー「く……来るな!こっちに……俺に近づくんじゃ……」

リングマ「"からげんき"!!!!!」
 ▼ 288 ルズキン@かおるキノコ 16/02/24 18:19:02 ID:9eSV1IyQ [15/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

全体重の乗った一撃は、ヘルガーの鼻先をかすめ遺跡の床に叩きつけられる。
その衝撃は凄まじく、石畳の床はひび割れ、遺跡全体が少しのあいだ揺れていた。

リングマはヘルガーの方を見やる。
目に涙を浮かべ、口は半開きのままピクリとも動かない。
どうやら失神しているらしい。

リングマ「……」

首を回し、静かに眠るマグマッグの方に目を向ける。
 ▼ 289 リゴン2@クラボのみ 16/02/24 18:20:49 ID:9eSV1IyQ [16/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
リングマ(ありがとう……マグマッグ。君のおかげで……ぼくは)

リングマは遺跡の床に引き寄せられるかのように、前のめりに倒れこんだ。

ワンリキー「リングマァ!!」

チラーミィ「リングマくんっ!!」

リングマ(友を……守ることが……)

リングマの意識はそこで途切れた。

ワンリキーとチラーミィは遺跡の床を這いつくばりながらも、リングマのもとへたどり着く。

チラーミィ「うっ……うう……。生きてる……よね……絶対に……」

リングマの体にすがり付き、嗚咽を漏らすチラーミィ。

ワンリキー「死んでねぇよ……。なぁ?リングマ……」
 ▼ 290 バット@ミュウツナイトY 16/02/24 18:22:35 ID:9eSV1IyQ [17/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
???「隊長!要救助者5名を発見!」

???「うち生存者4名!死亡者1名です!」

ワンリキー「この声……どっかで」

???「報告ご苦労。では救助に当たるぞ。尽力せよ命の為に!」

???「了解!!」

ワンリキー「あぁ……。タイミングが良すぎねぇか?」

力強い号令と共に、合わせて十数匹のヨーテリーとハーデリアが飛び出した。
 ▼ 291 ガアブソル@ハバンのみ 16/02/24 18:23:43 ID:9eSV1IyQ [18/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヨーテリー「チーゴの実とオボンの実です。食べれば少し楽になりますよ」

ワンリキー「どうも……。腕、直せますかね?」

ヨーテリー「応急処置だけではなんとも……。ですが、ハピナス先生なら……」

ワンリキー「あー……これ見せたら間違いなく説教だな……」

ヨーテリー「それだけ心配してくれているということで……」

ワンリキーは苦笑を浮かべながら、周りを見渡す。

チラーミィは手当てを受けながらもリングマが気になるようだ。
リングマのほうに、せわしなく視線を向けているのは見ていて微笑ましい。

当のリングマはというと……、どうやら目を覚ましたようだ。
渡されたオボンの実とチーゴの実をペロリと平らげ、処置に当たるハーデリアに「もう無いの〜?」と木の実のおかわりをねだっているように見える。

ハーデリアも対応に困っているようだ。
 ▼ 292 マシュン@くっつきバリ 16/02/24 18:25:41 ID:9eSV1IyQ [19/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「……」

ヨーテリー「ははは……」

ヘルガー「やめろぉ!!俺に触るなぁぁ!」

ハーデリア「落ち着くんだ!手当てをするだけだ!」

ヘルガー「ああぁぁ!!やめてくれよぉぉ……!」

ワンリキー「おいおい……。あれが……あのヘルガーなのか?」

全身を震わせ、ひたすら喚き散らすヘルガーの姿を見たワンリキーは、自分の目を疑った。
 ▼ 293 ニラン@ネストボール 16/02/24 18:27:08 ID:9eSV1IyQ [20/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヨーテリー「恐怖に支配されていますね……。参ったな、あのままじゃ処置が……」

ワンリキー(恐怖での支配を好む奴が、恐怖を植え付けられるとはな……)

ハーデリア達は、ヘルガーの処置に手を焼いていた。
押さえつけようにも、相手はかなりの重症を負っている。
何故、生きていられるのか不思議に思うほど。

ハーデリア「落ち着くんだ。我々は君に危害など……」

ヘルガー「ああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 ▼ 294 ンベ@じめんのジュエル 16/02/24 18:31:19 ID:9eSV1IyQ [21/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド「まの使用を許可する」

ハーデリア「隊長……!了解しました。"でんじは"!」

ハーデリアの全身が、青白く輝いたと同時に……

ヘルガー「が……かぁ……」

先程まで喚き散らしていたヘルガーが、ピクピクと痙攣したまま動けなくなっていた。

ハーデリア「……成功しました。ヘルガーの処置にあたります」
 ▼ 295 レイドル@まるいおまもり 16/02/24 18:33:11 ID:9eSV1IyQ [22/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「や、やめろぉ……!!」

ヘルガーは声を上げるも、その場から動くことが出来ない。
数匹のハーデリアとヨーテリーに囲まれ、ヘルガーの目から透明な滴が溢れ出す。

ムーランド「頼んだぞ」

ハーデリア「了解!」

ヘルガー「ああああぁぁぁぁぁ!!」
 ▼ 296 ンタイン@あやしいパッチ 16/02/24 18:34:24 ID:9eSV1IyQ [23/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「あれが"でんじは"か……」

ヨーテリー「ほとんど一瞬ですからね。しかし、何故"でんじは"なのでしょう……」

ムーランド「彼の特性が"はやおき"だからだ」

ヨーテリー「隊長!」

ムーランド「"あくび"を使用し、眠らせても、彼はすぐに目覚めてしまうだろう」

ムーランド「意識はあるが、身体の自由を奪える"でんじは"を使用させたのはその為だ」

ヨーテリー「状況に応じて臨機応変かつ冷静な判断を下す……。さすがです隊長!」

ムーランド「よせよせ。彼の安全を第一に考えた結果だ」
 ▼ 297 シャーナ@ライブキャスター 16/02/24 19:03:58 ID:9eSV1IyQ [24/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「よく分かりましたね。ヘルガーの特性が"はやおき"だって……」

ムーランド「長くこの仕事に携わっているからか、一目みただけでそのポケモンの特性が分かるようになってしまってね」

ムーランド「たとえば君は……"ノーガード"かな?」

ワンリキー「当たりです。やっぱすげぇや……」

ムーランド「何だか照れるな……。そそれよりも、お礼を言わねばいけないな」

ムーランド「村の為に戦ってくれて……ありがとう。君達の勇気ある行動は、私達に力を与えてくれた」
 ▼ 298 モリ@マグマブースター 16/02/24 19:04:24 ID:9eSV1IyQ [25/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「よく分かりましたね。ヘルガーの特性が"はやおき"だって……」

ムーランド「長くこの仕事に携わっているからか、一目みただけでそのポケモンの特性が分かるようになってしまってね」

ムーランド「たとえば君は……"ノーガード"かな?」

ワンリキー「当たりです。やっぱすげぇや……」

ムーランド「何だか照れるな……。そそれよりも、お礼を言わねばいけないな」

ムーランド「村の為に戦ってくれて……ありがとう。君達の勇気ある行動は、私達に力を与えてくれた」
 ▼ 299 レフワン@プテラナイト 16/02/24 19:05:33 ID:9eSV1IyQ [26/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>298
訂正

ワンリキー「よく分かりましたね。ヘルガーの特性が"はやおき"だって……」

ムーランド「長くこの仕事に携わっているからか、一目みただけで分かるようになってしまってね」

ムーランド「たとえば君は……"ノーガード"かな?」

ワンリキー「当たりです。やっぱすげぇや……」

ムーランド「何だか照れるな……。それよりも、お礼を言わねばならないな」

ムーランド「村の為に戦ってくれて……ありがとう。君達の勇気ある行動は、私達に力を与えてくれた」
 ▼ 300 フォクシー@ガルーラナイト 16/02/24 19:08:43 ID:9eSV1IyQ [27/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「まさか、盗賊団の奴等と戦ったんですか!?」

ムーランド「快勝とまではいかなかったが……、犠牲者を出すことなく、我々は村を守ることが出来たんだ」

ムーランド「本当に君達には、感謝している……」

ヨーテリー「ありがとうございました!」

ワンリキー「……お礼を言わなければならないのはこっちです。貴方達がいなければ、村は奴等の手に落ち……」

ワンリキー「俺達は助かりませんでした。ありがとうございます」

ムーランド「礼を礼で返されるとは……思っていなかったよ」

ワンリキー「良いじゃないですか。村を守ることが出来た……。俺は満足です」

ムーランド「そう言ってくれると助かるよ……」
 ▼ 301 ルシェン@スーパーボール 16/02/24 19:10:01 ID:9eSV1IyQ [28/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド(君達を村で救助した時、もしかしたらと思ったが……)

ムーランド(全て彼の言う通りになったな……)

ムーランド「ワンリキー君。あのリングマ君は一体何者なんだ?」

ワンリキー「リングマがどうかしたんですか?」
 ▼ 302 ガボーマンダ@ズアのみ 16/02/24 19:12:45 ID:9eSV1IyQ [29/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド「君達を村で救助し、ハピナス先生の診療所に運んだ時のことだ」

ヒメグマ『う……ん?』

ムーランド『気が付いたかね?』

ヒメグマ『た、たい……ちょう?』

ムーランド『隊長はよせ。それより、何があったんだ?』

ヒメグマ『……ムーランドさん。これから言うことは、誰にも喋らないでください』
 ▼ 303 ークライ@おおきなキノコ 16/02/24 19:14:02 ID:9eSV1IyQ [30/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド『重要な話なら村長か村の重鎮に……』

ヒメグマ『いいから……!』

ヒメグマの鋭い眼光が、ムーランドを真っ直ぐに射ぬく。

彼の瞳が訴えかけてくる。

時間がない。黙って聞け……と。

ムーランド『……分かった。誰にも言わない。話してくれ』

ヒメグマ『ありがとうございます。では……』

ヒメグマ君の話を聞いているうちに、私は自分が許せなくなってきたよ。

一匹の若者が、村の為に立ち上がろうとしているにもかかわらず、私は何をしているのか……とね。

そして私は決めたよ。ヒメグマ君の為に、そして村の為に、全力を尽くそうと……。
 ▼ 304 ガフーディン@ウイのみ 16/02/24 19:17:42 ID:9eSV1IyQ [31/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド『ヒメグマ君。我々に出来ることはないか?』

ヒメグマ『……奴等のアジトを探し出してくれませんか?』

ムーランド『了解した。一時間……、いや30分だけ待ってくれ』

ヒメグマ『お願いします……』
 ▼ 305 ョロゾ@こおりなおし 16/02/24 19:18:30 ID:9eSV1IyQ [32/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「たった30分でここを探し当てたんですか?」

ムーランド「我々の嗅覚にかかれば、チラーミィさんとマグマッグ君の臭いを追うのは容易いものさ。そしてこの遺跡の近辺で……」

ハーデリア『隊長!これは……』

ムーランド『何と無惨な……』

ムーランド「ヤミラミの焼死体を発見したんだ」

ワンリキー「……」

ムーランド「森林の真ん中に、無造作に放置されていたよ。言い方が悪いが、ヤミラミのお陰で、我々は奴等のアジトを突き止めることが出来たんだ」

ワンリキー(出発するまえに盗賊団のアジトを聞いた時、迷わず遺跡と答えたのは……こういうことか)
 ▼ 306 ククラゲ@うみなりのスズ 16/02/24 19:20:42 ID:9eSV1IyQ [33/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド「彼の観察眼には舌を巻くものがあるな。彼は一体……何者なんだ?」

ワンリキー(やっぱすげぇよ……。リングマ……)

ワンリキーはリングマの方に目を向ける。
ヒメグマは、運ばれてきたマグマッグに言葉をかけていた。
 ▼ 307 ガルカリオ@あおいバンダナ 16/02/24 19:21:18 ID:9eSV1IyQ [34/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー(ん?ヒメグマ……?)

見間違いだろうか?
ワンリキーは自分の目を擦り、同じようにリングマが居たであろう場所を見やる。

そこには、マグマッグに微笑みながら言葉をかける……ヒメグマが居た。

ワンリキー「何で戻ってんだよ……?」

ムーランド「どうかしたのか?……どういうことだ……」

ヨーテリー「退化……でしょうか?」

ムーランド「ふつう進化したらもとには戻らないハズなのだが……」

ワンリキー「……謎だらけですねヒメグマは」

ムーランド「そうだな……」
 ▼ 308 エトル@アンノーンノート 16/02/25 18:11:17 ID:kfEckkn. [1/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー(……俺も行くか)

ワンリキーは、左腕を支えにして立ち上がろうとする。

ヨーテリー「まだ立ち上がっては……」

ワンリキー「すみません。でも恩人に礼を言わないと……っ」

なんとか立ち上がったワンリキーだが、ふらふらと揺れていて、いつ倒れてもおかしくない状態だった。

ヨーテリー「……仕方ないですね」

そう言うとヨーテリーは、ワンリキーの左隣りに歩み寄り、彼の身体を横から支える。
 ▼ 309 テボース@ドリのみ 16/02/25 18:13:17 ID:kfEckkn. [2/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヨーテリー「お供しますよ」

ワンリキー「すんません」

二匹はゆっくりと歩を進め、ヒメグマ達が居る場所へと辿り着く。

チラーミィ「ワンリキーさん。お体の具合は……」

ワンリキー「ヒメグマさんよ。お前の体はどうなってんだ?」

ヒメグマ「んー……。気付いたら元に戻っててさ。もしかしたら……」

ワンリキー「もしかしたら?」

ヒメグマ「マグマッグが力を与えてくくれたのかもしれない……」

ワンリキー「ふっ……」

チラーミィ「ヒメグマ君らしいですね……」
 ▼ 310 ーリキー@ダイブボール 16/02/25 18:14:50 ID:kfEckkn. [3/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
処置を受けたチラーミィが、ワンリキーと同じように、ヨーテリーに支えられながら合流する。

ヒメグマ「チラーミィ大丈夫?」

チラーミィ「ちょっと脇腹が痛むけど大丈夫。私はヒメグマ君やワンリキーさんの方が心配だよ……」

ヒメグマ「僕は大丈夫だよ〜」

ワンリキー「屁でもねぇな」

チラーミィ「良かった……。本当に……」

ヒメグマ「……モノマネやりまーす!カポエラー!」

そう言い切ると、ヒメグマは頭を遺跡の床につけようとするが……

ワンリキー「バカ野郎!難易度高すぎるだろうが!」

ハーデリア「死にたいんですか!?」

ワンリキーとハーデリア達に本気で怒られた。

ヒメグマ「すみませんでした」

ワンリキー「全くよぉ……」
 ▼ 311 マワル@ひみつのコハク 16/02/25 18:17:43 ID:kfEckkn. [4/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
チラーミィ「ヒメグマ君……ありがとうね。また笑わせようとしてくれたんだよね?」

ヒメグマ「えー?なんのこっちゃ」

チラーミィ「ふふ……。でもね、その……」

チラーミィ「直接……わらってって……言って欲しいなぁ……なんて//////」チラミチラミ

ワンリキー(あらまストレートですこと。さて、ヒメグマの反応は……)

ヒメグマ「君の笑顔がみたい」

チラーミィ「////////」

ワンリキー(チラーミィに
こうかは ばつぐんだ!)

チラーミィ「ひ、ヒメグマくん!助けてくれてありがとうね//////////」ニコッ

ヒメグマ「いいんだよ。うん、やっぱり君は笑顔が一番だね」

チラーミィ「えへへ……//////」
 ▼ 312 ガミミロップ@さらさらいわ 16/02/25 18:18:41 ID:kfEckkn. [5/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヨーテリー「ワンリキーさん……」

ワンリキー「どうかしました?」

ヨーテリー「ヒメグマさんは……」

ワンリキー「おそらく気づいてないですね」

ヨーテリー「えぇっ!?あそこまでアピールしているのに?」

ワンリキー「あのくっさい言葉も、深い意味は込められていません」

ヨーテリー「鈍感……すぎません?」

ワンリキー「もう何も言わんでください……」

ヨーテリー「すみません……」

ワンリキー(頑張れチラーミィ……負けるなチラーミィ)

ヨーテリー(あきらめるな……)

ハーデリア(頑張れ……)

ワンリキーと周りにいたハーデリア達は、彼女を心の中で必死に応援したという。
 ▼ 313 マンタ@タポルのみ 16/02/25 18:22:33 ID:kfEckkn. [6/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「まあでも、こうして僕達が無事なのも……」

ヒメグマ「全部マグマッグのおかげだよ。君がいなきゃヘルガーに勝つことは出来なかった……」

チラーミィ「貴方には助けられてばかりですね……」

ワンリキー「ゆっくりやすめよ……」

三匹は、マグマッグに向かって深々と頭を下げる。

ハーデリア達も、マグマッグへの尊敬と感謝の意を込めて、黙祷を捧げていた。

静かに眠る彼の表情が、少し穏やかになった気がする。

その様子を、ムーランドは優しげな眼差しで見守っていた。

ムーランド(あれこそ……。いや、言葉に出来ないな)

ムーランド(唯唯……美しいのだ)
 ▼ 314 ンダー@チルタリスナイト 16/02/25 18:27:11 ID:kfEckkn. [7/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ガタゴト……ガタゴト……

ムーランドの引く荷車はゆっくりと村を目指す。
たまに揺れることもあるが、 決して不快なものではない。

不快と言えば……

ヘルガー「ああぁぁぁぁ!!放せぇぇぇ!!俺を解放してくれぇぇぇ……」

ワンリキー「あいつどうにかなんねぇか?」

ヒメグマ「なんか悪いことしちゃったなぁ……」

後方の荷車からヘルガーの叫び声が、せわしなく聞こえてくるため、ワンリキーは少々イラついていた。

ちなみに、ヒメグマ、ワンリキー、チラーミィ、マグマッグの四匹は前方の荷車に乗せて貰っている。
 ▼ 315 ーダル@いんせき 16/02/25 18:30:07 ID:kfEckkn. [8/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「別にお前は悪くねぇさ。それよりも……」

ヒメグマ「そうだね……」

ヒメグマとワンリキーは、ぐっすりと眠るチラーミィの方に目を向ける。

チラーミィ「すぅ……すぅ……」

ヒメグマ「よっぽど疲れたんだね……。お疲れ様……」

ヒメグマは寝息を立てるチラーミィに、にっこりと微笑む。

ワンリキー「起こしたら悪いよな。たく、空気を読めっての……」

二匹の思いが通じたのか、後方の荷車からヘルガーの叫び声が全く聞こえなくなった。
 ▼ 316 スキッパ@どくけし 16/02/25 18:31:12 ID:kfEckkn. [9/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「ん?……もしや」

ムーランド「どうやら眠ったようだな。体力の限界がきたのだろう。しばらくは目を覚まさないハズだ」

ワンリキー「"はやおき"でまた目覚めるのでは?」

ムーランド「心配するな。早くても明日の昼ぐらいまでは眠り続けるだろう。そういう君達は眠らなくても良いのか?」

ワンリキー「体は疲れているんですけど、何故か眠れないんですよね」

ヒメグマ「自分の枕でぐっすりと眠りたいなぁ……」

ムーランド「ははは。無茶はしないでくれよ?」

ワンリキー「はい」

ヒメグマ「はーい」
 ▼ 317 ドラン@そうこのカギ 16/02/25 18:32:02 ID:kfEckkn. [10/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキーは、ふと視線を上へとうつす。
陽は沈み、青かった空は黒で塗り潰されている。

夜は自分達の時間だと言わんばかりに輝く星々は、見ているだけで活力を与えてくれる。

ワンリキー(そういや……)

ワンリキーは、布でくるまれたマグマッグに目を向ける。

ワンリキー(お前と出会った日も……こんな夜空だったよな)

『いつも見てる夜空より、綺麗だなぁ〜って……』

ワンリキー(今日の夜空は……歪んで……よく見えねぇな)
 ▼ 318 ガハガネール@じゅうでんち 16/02/25 18:32:44 ID:kfEckkn. [11/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「……」

ガタゴト……ガタゴト……

星明かりに照らされ、二台の荷車は進み続ける。

静かな夜の森林に、荷台の揺れる音が鳴り響いては消えていく。

目指すのは、世界一暖かい場所だ。
 ▼ 319 ニガメ@かわらずのいし 16/02/25 19:46:06 ID:t0sgzD6Y [1/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
しばらくして……

ムーランド「見えてきたぞ。我々の村だ……」

ヒメグマ「帰って来たんだね……」

ワンリキー「ああ。すげぇ懐かしく感じるな……」

ムーランド「む?見たまえ」

村の入口には、村長や村の重鎮。ハピナスにタブンネ。そしてチョロネコを含めた患者が集合していた。

ヒメグマ「みんな……」

ワンリキー「全員ボロボロじゃねぇか。無理しやがってよ……」

ムーランド「それだけ君達の帰りが待ち遠しかったんだ。よっ……と」

ムーランドは、引いていた荷車を村の前で停めた。

ムーランド「さぁ、降りて無事を伝えてやってくれ。君達にしか出来ないことだよ」
 ▼ 320 ワパレス@タイマーボール 16/02/25 19:47:24 ID:t0sgzD6Y [2/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「はい。……チラーミィは……」

ワンリキー「……起こすか。ちょいと可愛そうだが……」

ワンリキー「おーい、起きろチラーミィー?」ポンポン

ワンリキーはチラーミィの肩を叩きながら呼び掛ける。

しかし、チラーミィは目を覚まさない。

ワンリキー「起きろーい」ユサユサ

ワンリキーはチラーミィを揺する。

しかし、チラーミィは目を覚まさない。

ワンリキー「うーむ、起きない」

ヒメグマ「起きてー、チラーミィ?」

チラーミィ「ふぇ……?あ、ヒメグマくん……。おはよぉ……」

ヒメグマ「まだ夜だけどね」

チラーミィ「あ……、恥ずかしい……////」

ワンリキー「何故なんだ……」
 ▼ 321 リムー@おはなのおこう 16/02/25 19:48:11 ID:t0sgzD6Y [3/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「まあいいか。ムーランドさん少し良いですか?」

ムーランド「なんだね?」

ワンリキー「マグマッグの事なんですけど……」

ムーランド「……了解した。手筈はこちらで整えておくよ」

ワンリキー「何から何まですみません」

ムーランド「良いんだよ。それよりも早く皆を安心させてやってくれ」

ワンリキー「はい。お世話になりました」

そう言うとワンリキーはヒメグマ達と一緒に荷車を降りていった。

ムーランド(どこまでも……優しい若者達だな……)

村民達に囲まれ、揉みくちゃにされる三匹を、ムーランドはいつまでも見守っていた。
 ▼ 322 ガギャラドス@げんきのかけら 16/02/25 19:49:32 ID:t0sgzD6Y [4/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「もう体は大丈夫なんですか?」

チョロネコ「はい。貴方達のお陰ですっかり良くなりました!」

ヒメグマ「良かったよ〜……わあっ……!」

ムクホーク「盗賊団のボスを倒したんだろ!?スゲェよお前らぁ!」

メブキジカ「ムクホーク叩きすぎだっ!」

カエンジシ「落ち着け。興奮するのは分かるが……」

ヒメグマ「ははは……いでっ」
 ▼ 323 ビィ@はっきんだま 16/02/25 19:50:43 ID:t0sgzD6Y [5/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「チョロネコさん。お元気そうで何よりです!」

チョロネコ「うふふ……ありがとね!」

チラーミィ「えへへ……ひゃっ!」

ペルシアン「もぉーこんなにボロボロにして!」

チラーミィ「ペ、ペルシアンさんだって傷だらけじゃ……」

ペルシアン「問答無用!一緒にお風呂いくわよ!」

チラーミィ「ひ、引っ張らないでください〜!」

ワンリキー「すみませんね。騒がしい連中で」

チョロネコ「いいんですよ!無事に帰って来てくれただけで充分なんですから」
 ▼ 324 イガニ@あかいいと 16/02/25 19:52:15 ID:t0sgzD6Y [6/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「そう言って貰えるとありがたい。……チョロネコさん」

チョロネコ「はい?」

ワンリキー「先生は……」

チョロネコ「あら?見当たりま……」

ワンリキー「どうしま……ァ」

ハピナス「私がどうかしたの?」
 ▼ 325 ゲボウズ@はつでんしょキー 16/02/25 19:53:34 ID:t0sgzD6Y [7/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「せ、先生〜。こんな遅くにお勤めご苦労様です〜」

ハピナス「あらどうも。それより……約束したよね?」

ハピナス「絶対に無茶しないって……」

ハピナス「先生との約束を守れない子には……」

ワンリキー「た、タブンネさぁん……」

タブンネ「だ、大丈夫よ。……たぶんね」

ワンリキー「多分!?チョロネコさん、助けてぇ……」

チョロネコ「南無……」

ワンリキー「拝むなぁ!!」

ハピナス「お仕置きよ」

ワンリキー「い、嫌だあぁぁぁ!!!死にたくなないぃぃぃ!!」

ハピナス「何を言ってるの。治療よ。でも、ちょっと荒療治になるかも……」

ワンリキー「か、勘弁してくれぇ……」
 ▼ 326 スカーン@ブロムヘキシン 16/02/25 19:55:29 ID:t0sgzD6Y [8/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガルーラ「はいはい。アンタ達!盛り上がってるとこ悪いんだけど、村長から話があるんだってさ」

カビゴン「別に、後日でも構わないが……」

ガルーラ「誰の村の為に、あの子達は、村の奴らは戦ってきたんだい?」

ガルーラ「しっかり労をねぎらってやりな」

子ガル「とーちゃんファイト!」

カビゴン「それもそうだな……。皆の者、聞いてくれ!」

その場にいた全員の視線がカビゴンに集まる。
 ▼ 327 ピンロトム@おおきなねっこ 16/02/25 19:56:46 ID:t0sgzD6Y [9/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
カビゴン「この度は村の為に力を尽くしてくれて……本当にありがとう」

カビゴン「民が居るから村がある。盗賊団との戦いで改めて実感させられた……」

カビゴン「共に生き、助け合い、時に涙を流し、そして笑いあう……。ワシの理想とする村の姿だ」

カビゴン「共に目指してはくれぬか?お主達となら、この老いぼれの夢物語を……実現出来るやもしれぬのだ」

一同「喜んで!」

カビゴン「ありがとう……。ワシは……この村の長であることを、大変誇りに思う……」

カビゴン「力を合わせ掴んだ未来だ。共に噛み締めて生きていこう」

一同「はい!!!」
 ▼ 328 トマル@いいつりざお 16/02/25 19:58:36 ID:t0sgzD6Y [10/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
カビゴン「……一つ言っておかねばならぬことがあったな」

カビゴン「ヒメグマ、ワンリキー、チラーミィ……」

ヒメグマ「え?」

ワンリキー「俺?」

チラーミィ「何でしょう……」

カビゴン「よくぞ戻って来てくれた。……おかえり」

三匹「……ただいま」
 ▼ 329 タフリー@ゴツゴツメット 16/02/25 20:00:52 ID:t0sgzD6Y [11/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
後日、ヘルガーを含めた盗賊団のメンバーは、近隣の町の警察に引き渡された。
ヤミラミやノクタス。遺跡で保護された数匹のデルビル達の遺体も処分してくれるらしい。

盗賊団が撲滅されたという朗報は瞬く間に広がり、多くのポケモン達が歓喜の声を上げたらしい。

そしてカビゴンの村にも変化が起き始める。

村から出ていったポケモン達が、徐々にだが戻って来たのだ。

カビゴンは何も言わずに彼らを受け入れる。
戻って来た村民達は、カビゴンの懐の深さに感謝し、また、彼の期待に答えようと今日も仕事に精を出す。

村はかつての活気を、確実に取り戻しつつあった。
 ▼ 330 ロボーシ@のろいのおふだ 16/02/25 20:02:56 ID:t0sgzD6Y [12/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「……」

ヒメグマは村の墓地に来ていた。
彼の目の前には、真新しい墓標が立てられている。


"親愛なる友"
"ここに眠る"


ヒメグマ「……さて」

ヒメグマは持参した布巾を濡らし、墓標を丁寧に拭いていく。

ワンリキー「よっす。久しぶり」

ヒメグマ「ワンリキー。腕は……」

ワンリキー「この通りさ」

ワンリキーは自分の右腕を軽く挙げて見せる。
火傷の跡は綺麗さっぱり消えていた。

ワンリキー「先生のお陰だよ。ホント名医だよな」
 ▼ 331 ブトプス@がんせきおこう 16/02/25 20:04:29 ID:t0sgzD6Y [13/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「治療は大変だった?」

ワンリキー「思い出させるな……。悪魔がいたんだよ……」

ヒメグマ「……ドンマイ」

ワンリキーに同情しながらも、ヒメグマは墓標を拭く手を止めない。

ワンリキー「線香と火種持って来たぜ」

ヒメグマ「ありがと。あとはチラーミィだけだね」
 ▼ 332 ムスター@ヤミラミナイト 16/02/25 20:05:25 ID:t0sgzD6Y [14/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「随分と悩んでいたからな。しかし、ムーランドさんも太っ腹だよな」

ワンリキー「こんなに立派な墓標を立ててくれたんだからよ」

ヒメグマ「隊長には感謝しても仕切れないね」

ワンリキー「だな……」

ワンリキーは持ってきた線香に火を点ける。
線香から煙が上がると、ヒメグマ達の周りに独特な香りが立ち込める。

ワンリキー「……遅くなって悪いな。マグマッグ……」
 ▼ 333 イチュウ@まんぷくおこう 16/02/25 20:07:11 ID:t0sgzD6Y [15/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「皆さーん」

ヒメグマ「久しぶりだねチラーミィ」

ワンリキー「元気してたか?」

チラーミィ「はい。皆さんもお元気そうで何よりです」

チラーミィ「ワンリキーさん、腕の方は……」

ワンリキー「この通りっと」

パシッとワンリキーは自分の右腕を軽く叩いて見せる。

チラーミィ「良かったぁ……。その様子だと後遺症などの心配も無さそうですし」

ワンリキー「ありがとよ」
 ▼ 334 ニスズメ@ゴッドストーン 16/02/25 20:09:20 ID:t0sgzD6Y [16/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「チラーミィ。マグマッグが待ってるよ」

チラーミィ「うん……」

チラーミィは墓標の前に腰を下ろし、数多くのきのみが盛られたバスケットを差し出す。

チラーミィ「マグマッグさん。貴方はよく食べる方です。きのみを沢山用意したので、お腹が空いたら食べてください」

チラーミィ「それと……」

チラーミィは一束の花束を取り出した。
白、黄、青という基本的な配色が、桜色のユリネとピンクのスイートピーを引き立たせる。
 ▼ 335 ルキモノ@においぶくろ 16/02/25 20:10:38 ID:t0sgzD6Y [17/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「旅立つ貴方に、この花束を送ります」

チラーミィ「さよならは言いませんよ。またお会いできますからね」

チラーミィ「いつかまた……マグマッグさん……」

三匹は、手を合わせ静かに黙祷を捧げる。

チラーミィ(帰ってきたら……旅の話を聞かせてくださいね?)

ワンリキー(元気な姿をみせてくれくれれば……それでいい)

ヒメグマ(……旅立ちは別れじゃない。いつでも、いくらでも待ってるよ)
 ▼ 336 ミロル@ゴージャスボール 16/02/25 20:13:22 ID:t0sgzD6Y [18/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして月日は流れ……

ある村の昼下がり、カフェ「アネモネ」は今日も賑わいを見せる。

食事をする者もいれば、数人で話に花を咲かせる者もいる。

チョロネコ「お待たせしました!ゴスとソクノのムースと、ブリとロゼルのタルトです!」

ケンホロウ♂「おお、旨そうだな。ありがとう」

ケンホロウ♀「ありがとうございます」

チョロネコ「ごゆっくりどうぞ!」ニコッ
 ▼ 337 バコイル@ふしぎなタマゴ 16/02/25 20:14:50 ID:t0sgzD6Y [19/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
「すみませーん!」

チョロネコ「はぁい!」

テーブルを忙しく飛び回るのは、カフェ「アネモネ」の看板娘であるチョロネコ。
今日も健気に働くその姿を見に、来店する客も多いんだとか。

いつものアネモネの風景が今日も繰り返される。
 ▼ 338 ーボ@タラプのみ 16/02/25 20:16:02 ID:t0sgzD6Y [20/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「ねぇ、二匹とも」

ワンリキー「ん?」

チラーミィ「どうしたの?」

ヒメグマ「強いってなんだろうね」

ワンリキー「うーむ……」

チラーミィ「強い……かぁ」
 ▼ 339 リンク@しめつけバンド 16/02/25 20:16:53 ID:t0sgzD6Y [21/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマの素朴な疑問に、二匹は頭を悩ませる。

ワンリキー「単純な実力か?でもなんか違う気が……」

チラーミィ「内面的なものでなければ……何か突出したもの……」

ヒメグマ「例えば空を飛べるとかね」

ワンリキー「そうなると翼を持ってる奴は、みんな強いな」

ヒメグマ「う〜ん……」

ワンリキー「うーむ……」

チラーミィ「むむむ……」

三匹(何でこんなこと考えてるんだろう……)
 ▼ 340 リッパー@ウブのみ 16/02/25 20:18:23 ID:t0sgzD6Y [22/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「あれだね。そう、答えを知りたいから考えるみたいなね」

ワンリキー「ようは分からねぇんだろ?」

ヒメグマ「はい……」

ワンリキー「別の話をしよう」

ワンリキーはマトマシェイクを口に含む。
 ▼ 341 ルリア@フレンドボール 16/02/25 20:19:34 ID:t0sgzD6Y [23/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「じゃあそのマトマシェイクで」

ヒメグマはオボン100%ジュースを喉をならして飲む。

ワンリキー「何で?」

ヒメグマ「ふぅ……辛いだけじゃない?それ」

ワンリキー「分からねぇかな?これの旨さが」

チラーミィ「そんなに……辛いんですか?」

チラーミィは、マゴとパインのミックスオレをストローで少しずつ飲む。
 ▼ 342 ントル@むげんのチケット 16/02/25 20:20:57 ID:t0sgzD6Y [24/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「お?試してみるかい?」

ヒメグマ「止めといたほうがいいよ〜。飛び上がるほどだから」

チラーミィ「あ、そういえばヒメグマくん……」

ワンリキー「あの時か。俺のマトマシェイク半分ぐらい飲んで……」

ヒメグマ「死ぬかと思ったよ……」

ワンリキー「ふっ……自業自得だろ?」

チラーミィ「ふふっ……」

ヒメグマ「笑わないでよ〜」

こうして平和な一日が過ぎていく。

チリンチリーン
店内に刻みの良い音が鳴り響く。
どうやら新しい客が来店したようだ。
 ▼ 343 ママ@きょうせいギプス 16/02/25 20:22:13 ID:t0sgzD6Y [25/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
ここがカフェ「アネモネ」……。
何故か懐かしい気持ちになったのは気のせいだろう。

前方からチョロネコが駆け寄ってくる。

チョロネコ「いらっしゃいませ。ようこそ!アネモネへ!」ニコッ

「こ、こんにちは」

元気なウェイトレスさんだなぁ……。
そんなことを考えているとチョロネコの表情が曇りだす。

チョロネコ「ごめんなさい……。実は満席で……、相席が嫌じゃなければ座れるんだけど……」

そう言われて周囲を見渡してみる。
確かに、全てのテーブルが埋まっている。
 ▼ 344 ラサリス@ドラゴンジュエル 16/02/25 20:24:39 ID:t0sgzD6Y [26/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
視線をチョロネコに戻そうとした時、あるテーブルのポケモン達に目が止まった。

おちゃらけるヒメグマ。
それに突っ込むワンリキー。
微笑みながらその様子を見守るチラーミィ。

じゃれついている三匹の仲の良さは、遠目からでも伝わってくる。

何だろうこの感覚は……。
どうしても彼らから目を離すことができなかった。

自分は……彼らを知っている。
 ▼ 345 ンフィア@いかずちプレート 16/02/25 20:26:39 ID:t0sgzD6Y [27/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
チョロネコ「……彼らの席が良いんですか?」

「はい!お願いします!」

チョロネコの問いかけに、気づけば即答していた自分に少々驚いた。

チョロネコ「ちょっと待っててね」

そう言うとチョロネコは、ヒメグマ達が座っているテーブルに飛んでいった。
どうやら相席しても良いか交渉してくれているようだ。

しばらくするとチョロネコが戻ってくる。彼女の表情からして良い返事が貰えたようだ。

チョロネコ「快く承諾してくれましたよ。では、ご案内します」
 ▼ 346 ヒダルマ@ラッキーパンチ 16/02/25 20:31:19 ID:t0sgzD6Y [28/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼らとの距離が近付くにつれて、心臓の鼓動が早くなるのが分かる。

チョロネコ「こちらへどうぞ!」

ワンリキー「俺はワンリキー。よろしく」

チラーミィ「初めまして。私はチラーミィと申します」

ヒメグマ「僕ヒメグマ。よろしく〜」
 ▼ 347 ナトーン@ズアのみ 16/02/25 20:34:18 ID:t0sgzD6Y [29/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……」

チョロネコ「……どうかなさいましたか?」

「また……お会いしましたね……」

気が付くとそんなことをを口走っていた……
 ▼ 348 ビシラス@ライトストーン 16/02/25 20:36:34 ID:t0sgzD6Y [30/30] NGネーム登録 NGID登録 報告
以上で完結です。
支援、ご指摘誠にありがとうございました。
 ▼ 349 ククラゲ@コンペボール 16/02/25 20:37:14 ID:757.rLt2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


めっちゃ面白かった
 ▼ 350 クバード@せいしんのハネ 16/02/27 15:03:52 ID:c0S/3I/s NGネーム登録 NGID登録 m 報告
保守
 ▼ 351 ザード@いでんしのくさび 16/03/03 23:21:36 ID:m3i0Lec. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
乙デース!
 ▼ 352 イアント@ゴーストジュエル 16/03/16 09:11:08 ID:OsEK20wE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
凄く面白くていい話しだった
 ▼ 353 ツドン@あおぞらプレート 16/03/16 19:02:56 ID:5UJgJMMU NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
とても素晴らしい作品でした!
 ▼ 354 ックル@ヒメリのみ 16/03/28 07:21:21 ID:c2Lbc0v6 NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 355 ャオブー@つららのプレート 16/03/30 23:50:42 ID:h9Tn4Y8o NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 356 ガユキノオー@ハガネールナイト 16/04/02 23:01:05 ID:WndARcPA NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 357 コガシラ@ドリのみ 16/04/03 05:01:43 ID:q1yuyoTw NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 358 ジョッチ@ヨプのみ 16/04/03 05:52:55 ID:t5fCYsO2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
面白かったからさ
もうあげるな

作者に迷惑
 ▼ 359 ーギラス@かいふくのくすり 16/04/05 06:31:07 ID:b9sM1TG6 NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 360 バコイル@ねらいのまと 16/04/10 19:36:32 ID:Ri6WJt1E NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あげ
 ▼ 361 チュル@べにいろのたま 16/04/15 19:40:39 ID:v1hZsrag NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 362 カンプー@そうこのカギ 16/04/23 06:13:23 ID:jzWkxVlU NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 363 サナン@きいろのバンダナ 16/04/23 06:14:13 ID:NzD5QE1M NGネーム登録 NGID登録 m 報告
こんなssあったのか
読んでくる
 ▼ 364 カリオ@モーモーミルク 16/04/26 00:59:39 ID:4WPQRmXg NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 365 ニータ@むしよけスプレー 16/05/02 19:37:31 ID:tPRB/zCs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
  ▲  |  全表示365   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
スレの消えている画像復旧リクエスト
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼