ヒメグマ「強いって何だろうね」ワンリキー「うーむ…」:ポケモンBBS(掲示板) ヒメグマ「強いって何だろうね」ワンリキー「うーむ…」:ポケモンBBS

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ヒメグマ「強いって何だろうね」ワンリキー「うーむ…」

 ▼ 1 メノデス@ゆきだま 16/02/02 00:51:05 ID:PbkVgGpM NGネーム登録 NGID登録 報告
ある村の昼下がり、カフェ「アネモネ」は今日も賑わっていた。

食事をする者もいれば、数人で談笑をする者もいる。
皆、思い思いの時間を過ごしていた。

ただ一匹を除いて…。
 ▼ 226 ベルタル@たまむしプレート 16/02/13 20:26:39 ID:Z6aLgQYM [1/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「そらっ!!」

ヒメグマはヘルガーの腹部に向かって
技を放つのではなく、腹部に飛び付きしがみついた。

ヘルガー「離れろっ!」

ヒメグマ「やだね」

そう言うとヒメグマは、ヘルガーの背中に素早くよじ登る。
そのまま、ヘルガーの頭部に腕を回し、ガッチリと固める。

ヒメグマ(四足のポケモンの弱点は決まって背中だ。体の構造上、足は届かないし、こうやって首を固定しておけば振り向かれて技を撃たれることもない)
 ▼ 227 ガピジョット@あやしいパッチ 16/02/13 20:28:11 ID:Z6aLgQYM [2/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「離れろクソがっ!!」

ヒメグマ「ぬぎぎぎ…。やなこったぁ!」

ヘルガーはヒメグマを振り落とそうと必死だ。その場で飛び跳ね、首を振り乱している。
しかし、ヒメグマは落とされまいと必死に抗っている。

ワンリキー「ちょいと大人しくしててくれよ」

ワンリキーの蹴りがヘルガーの右後足へ打ち込まれた。
一瞬ぐらついたがヘルガーは何とか持ちこたえる。
 ▼ 228 ザンドラ@マトマのみ 16/02/13 20:29:11 ID:Z6aLgQYM [3/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「これなら、どうだっ!!」

今度はチラーミィの"スイープビンタ"が、ヘルガーの頭部を捉える。

ヘルガー「がっ…ぐぅっ!」

パァン!パァン!という快活な音が鳴り響く度に、ヘルガーの頭部が跳ね上がる。
3回ほど当てたあと、ヘルガーの左前足が迫っていることに気づいた為、チラーミィはそれ以上の追撃を諦めた。
 ▼ 229 ングラー@しめつけバンド 16/02/13 20:30:39 ID:Z6aLgQYM [4/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「ちっ…。3回か…」

悔しげに後退するチラーミィ。
しかし、彼女の口角は僅かに上がっていた。

準備が整ったのだ。
ヘルガーの注意はヒメグマが引き付け、その場から動こうとすればワンリキーがそれを許さない。

ヘルガーは恐らく気付いていない。もう一匹が自身の近くに迫っていることを。

チラーミィ(行きな。マグマッグ)

マグマッグ「ふぅっ…」

マグマッグはヘルガーの左側面部分に"ひのこ"を撃ち込んでいく。
文字通り大量の火の粉は、次々とヘルガーの脇腹に命中していく。

ヘルガー「マグマッグ…、お前嘗めてんのかぁ!?」

マグマッグ(何と言われようとおいらは役目を果たすだけっす!)
 ▼ 230 エルオー@ピーピーエイド 16/02/13 20:31:39 ID:Z6aLgQYM [5/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーの怒号を気にも留めず、マグマッグは、ただ一心不乱に"ひのこ"を撃ち続ける。

ヘルガー「いい加減離れろぉっ!」

ヒメグマ「ぐぐぐ…。もう少しだって…」

ヘルガーは自分の背中にしがみついているヒメグマを未だに振り落とすことが出来ずにいた。

ヘルガー(ならば…)

ヘルガーは体のある部分に力を入れた。
それは、ヒメグマにガッチリと固定されている頭部でもなく、ワンリキーに僅かながらもダメージを与えられ続けている右後ろ足でもない。

ヘルガーが力を入れたのは、尻尾だった。

ヒメグマ「ぐっ…!」
 ▼ 231 キジカ@ヨクアタール 16/02/13 20:33:40 ID:Z6aLgQYM [6/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーの尻尾がヒメグマを打ち据える。しなやかに動くヘルガーの尻尾は、両手が塞がり無防備なヒメグマを、何度も何度も打ち据える。

ヒメグマ(まさか尻尾まで動かせるとはね…。まるで何か硬いもので殴られてる感触だ。だけど…それがどうした)

ヒメグマはヘルガーの尻尾で打ち据えられ、その背中を腫らしても、ヘルガーの頭部を固定している両手の力を緩めることはなかった。
そればかりか、さらに腕に力を込めたのである。

ヘルガー(こいつ…!)

ヒメグマ(僕がこの腕を放したら、皆が自分の役目を果たせない。それどころか、皆を危険な目に遭わせる可能性だって浮上してくるんだ)

ヒメグマ(もうこれ以上…、僕の友達を傷つけさせはしないよ…)
 ▼ 232 ーダイル@プレシャスボール 16/02/13 20:34:33 ID:Z6aLgQYM [7/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「離れろっ!離れろよぉ!」

ヒメグマ「ぐぅ…。くぁ」

突然、ヒメグマを打ち据えるヘルガーの尻尾が動きを止めた。
いや、止められたのだ。

ワンリキー「大人しくしろよ」

ヘルガー「お前かぁ…!」

ヒメグマ「ワンリキー…!」

ワンリキーは両手でヘルガーの尻尾を引っ張っていた。火傷した腕から血を滴らせながら。
 ▼ 233 ラエナ@プレミアボール 16/02/13 20:35:25 ID:Z6aLgQYM [8/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「やっぱり君の腕は…」

ワンリキー「心配すんな…。俺は大丈夫だ」

ヒメグマ「…任せたよ」

ワンリキー「おう。任されたぜ」

ヘルガー「どいつもこいつもまとわりつきやがって!!」
 ▼ 234 ネズミ@あおいかけら 16/02/13 20:36:42 ID:Z6aLgQYM [9/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「黙りなっ!」

ヘルガー「ごばっ!」

チラーミィの"アイアンテール"がヘルガーの右脇腹に直撃する。

マグマッグ「りゃぁ!!」

マグマッグの"ひのこ"が、ヘルガーの左脇腹に確実にヒットしていく。

四匹の連携で、いつしかヘルガーはその場から動くことも、暴れることも出来なくなっていた。

ヒメグマ(大分、大人しくなったね…。そろそろかな…?)

マグマッグ(ヘルガーを完全に抑え込んでいる…。皆さん流石っすね)

マグマッグ(おいらも大分"ひのこ"を命中させたはずっす。ヘルガーの脇腹についた焦げが何よりの証拠っすよ)
 ▼ 235 ジョン@そうこのかぎ 16/02/13 20:38:12 ID:Z6aLgQYM [10/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ(それにしても随分と大人しくなったっすね。あんなに息を切らして、血色も良くないっす…)

マグマッグ(何か違和感…。えっと再確認したほうが良いっすね。"もらいび"は炎技を吸収して自分の力に変える特性…)

マグマッグ(おいらの役目は"ひのこ"で"もらいび"を発動させ、奴の火力を上げること…)

マグマッグ(燃料を与えられた炎はよく燃え上がるっす…。じゃあ何で奴は…、あんなに辛そうなんすか?ヘルガーにとって炎はご馳走みたいなもんなのに…)

マグマッグ(ヒメグマさんの言う通りなら、奴はいま、力を溜めている。あの表情も演技かもしれない…)
 ▼ 236 ゲキッス@しんかいのウロコ 16/02/13 20:39:23 ID:Z6aLgQYM [11/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ(だけど、ヘルガーはプライドが高いっす。意地でも弱みを見せないようダメージまで堪えるほど…)

マグマッグ(そんな奴が辛そうな演技をする…のか?)

マグマッグ(しない…。これだけは断言出来るっす。伊達に2年間ヘルガーの下で働いていた訳じゃないっすから)

マグマッグ(だとしたらヘルガーは本当にへばっている。堪えても隠しきれないほど…)

マグマッグ("もらいび"が発動してないんすか…?おいらの"ひのこ"じゃ役不足なのか…?)

マグマッグ("もらいび"…?何でおいらはヘルガーの特性が"もらいび"だって決めつけているんだ?)

マグマッグ(他の特性の可能性だって…!!)
 ▼ 237 バゴ@たいようのいし 16/02/13 20:40:57 ID:Z6aLgQYM [12/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ(お、おいらはとんでもない勘違いをしていたっす…。ヘルガーの特性が"もらいび"なら今頃ヘルガーはピンピンしてる…)

マグマッグ(でも、ヘルガーの特性が"もらいび"ではなく別の特性だったら…。いまのヘルガーが大人しいのも納得がいく…!!)

マグマッグ(不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い…)

いつのまにかマグマッグの体は動き出していた。
 ▼ 238 レフワン@するどいツメ 16/02/13 20:41:44 ID:Z6aLgQYM [13/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ(よし、そろそろ…。ってマグマッグ!?)

チラーミィ「何してんだお前!?」

ワンリキー(おいおい…)

マグマッグの突然の行動に三匹は肝を冷やした。
それもそうだろう。ヘルガーの左側面に陣取り"ひのこ" を撃ち続けていたマグマッグが…、

マグマッグ(おいらがやらないと!)

ヘルガーに正面から挑み掛かったのだから。

ヘルガー「なっ!?」

マグマッグ「"あくびっ"!!」
 ▼ 239 ブキジカ@あかいバンダナ 16/02/13 20:43:16 ID:Z6aLgQYM [14/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグはヘルガーに向かって大きな欠伸をした。
ヘルガーはというと、マグマッグの襲撃は完全に予想しておらず、蓄積したダメージと疲労の影響でマグマッグに反応することが出来なかった。

ヘルガー「が…」

力なく崩れ落ちるヘルガー。三匹はマグマッグに駆け寄るが…

マグマッグ「こっから離れて下さいっす!!」

チラーミィ「お、おい。本当にどうしたんだよ」
 ▼ 240 ウカザル@ウイのみ 16/02/13 20:43:56 ID:Z6aLgQYM [15/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「いいから!なるべくヘルガーから離れて!」

マグマッグの迫力に押され、三匹は素早くマグマッグの後ろに回り込んだ。
ヘルガーと三匹でマグマッグを挟む形となっている。

ワンリキー「一体どうしたんだ?そんなに慌てて」

ワンリキーの問いかけに、マグマッグは振り向き、ヘルガーに背を向けて答える。

マグマッグ「おいらは重大なミスを犯したんすよ…」

チラーミィ「そうか?特に失態なんて…」

マグマッグ「もっと前のことっすよ…」

ヒメグマ「まさか…」

マグマッグ「流石っすね…ヒメグマさん。そうっす、ヘルガーの特性は"もらいび"ではなく…」
 ▼ 241 コルピ@きのみぶくろ 16/02/13 20:45:37 ID:Z6aLgQYM [16/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ズブァ…。生々しい音がどこからか聞こえてくる。

マグマッグは、黒く鋭利な爪が生えた何かに貫かれた。

三匹「!!!」

ヘルガー「"はやおき"だぜぇ?マグマッグゥ…」

マグマッグ「す、"スモッ…」

ヘルガー「甘いわぁぁぁ!!」

ヘルガーは腕を引き抜き、間髪いれずにその場で素早く回転する。
さらに尻尾に力をいれ、遠心力を存分に利用した一撃をマグマッグの腹部に打ち据える。

マグマッグ「がばっ!」
 ▼ 242 メノデス@あかいくさり 16/02/13 20:46:28 ID:Z6aLgQYM [17/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
凄まじい速度で吹き飛んでいったマグマッグに追い討ちをかけるかのように、ヘルガーはマグマッグが吹き飛んだ方向に駆け出す。

まるで、投げられたフリスビーを追いかける犬のように。

ヒメグマ「マグマッグ!…がぅぁ」

ワンリキー「ちっ…、こんなときに…」

チラーミィ「ぐぐぐ…、あぐ」

マグマッグを助けに行こうとした三匹だったが、思うように体が動かない。
ヘルガーを抑え込んでいる内に、体力も、気力も限界を迎えてしまったようだ。

マグマッグ「あぐぁぁぁぁ!!!」

ヘルガー「この時を待っていた!俺の手でお前を処分出来るこの時をぉぉ!!」

先程まで青い顔をしていたのが嘘のように、ヘルガーは満面の笑みを浮かべながらマグマッグを殴り続ける。
 ▼ 243 ソッキー@ジーエスボール 16/02/13 20:48:13 ID:Z6aLgQYM [18/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「ぐべぅ…。す…"スモッ"…」

ヘルガー「"ふいうちぃぃぃ"!!!」

マグマッグ「ぐばぁっ…」

ヒメグマ「不味い…。あのままじゃマグマッグが…」

ワンリキー「くそがぁ…。何で動かねぇ…」

チラーミィ「ちくしょう…」

ヘルガー「ぁぁ!堪らないこの感触!殴る度に飛び出るお前の血が!俺をさらに興奮させるぅぅ!!」

マグマッグ「ぐが…ふがぁ…」

ヘルガー「そうかぁ、死ぬのかぁ…!おまえ死ぬのかぁぁぁぁぁ!!!!」

ヘルガーは絶叫をあげながら、全体重をのせた一撃を瀕死のマグマッグに喰らわせた。

マグマッグ「が…かぁ…」

ヘルガー「ぬぁぁぁ!!」

ヘルガーはマグマッグを、右前足で横に振り払う。
 ▼ 244 ミロップ@ハートのウロコ 16/02/13 20:49:13 ID:Z6aLgQYM [19/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「マグ…マァァァァッグ!!!」

ヒメグマは駆け出した。吹き飛んでいくマグマッグを、大切な友人を、その手で抱き留めるために。

ドサッ…。

ヒメグマは何とかマグマッグを抱き留めるためことができた。

だが…

ヒメグマ「マグ…マッグ」

マグマッグは身体中に穴を開け、生きているのかさえ怪しい状態だった。

ヒメグマ「ごめんよマグマッグ…。僕のせいだ。僕の無茶な賭けのせいで…君は…」
 ▼ 245 ンタイン@たてのカセキ 16/02/13 20:52:11 ID:Z6aLgQYM [20/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「いいん…すよ。それ…より、おいら…を放してほ…しいっす」

マグマッグ「お…いらの、とく…せい。わかるっ…すよね?」

ヒメグマ「"ほのおのからだ"…」

マグマッグ「ふれた…あいてに…やけどをおわ…せるんす…。このまま、おいらを…だきしめてたら…あなたも…やけどに…」

ヒメグマ「知ったもんか。僕は自分のやりたいようにやってるだけだよ?」

マグマッグ「…はは。かな…わないや…」

マグマッグ「おいら…、しぬ…んすかね…?」

ヒメグマ「死んだりしないよ。ちょっと眠るだけさ。そして夢のなかで旅をするんだ」
 ▼ 246 イガニ@かおるキノコ 16/02/13 20:53:00 ID:Z6aLgQYM [21/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
マグマッグ「へぇ…。どこに…いくんすか…?」

ヒメグマ「何処にでもいけるし、何でも出来る。だって君の夢だもの」

マグマッグ「いいっ…すね。じゃあ、おいら…。いままで…であったポケモンに…あい…たいっす」

マグマッグ「もう…いちど、であって…ゆるして…もらえるまで…あやまって、さいごには…」

マグマッグ「ともだち…になれたら…いいなぁ…」

ヒメグマ「出来るさ…。ぎみならぎっど…」
 ▼ 247 ーテリー@ふたのカセキ 16/02/13 20:54:47 ID:Z6aLgQYM [22/22] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「…」

チラーミィ「…」

ヒメグマ「夢がら覚めだら…、またおいでよ…。僕達の村に」

マグマッグ「ぜひ…。ヒメ…グマさん。ワンリ…キーさん。チラー…ミィさん…」

マグマッグ「また…おあい…しましょう…?」

チラーミィ「ああ…またね…」

ワンリキー「またな…」

ヒメグマ「また…会おう…」

マグマッグ「はい…。それじゃ、おいら…ちょっと…ねむるっす。おやすみなさい…」

ヒメグマ「うん…。おやすみ…マグマッグ」

マグマッグは静かに目を閉じる。
温かかった彼の身体は氷のように冷たくなり、ヒメグマの腕に掛かるマグマッグの重さが心なしか増えた気がする。
 ▼ 248 ケニン@ヘビーボール 16/02/15 16:12:20 ID:ar58xKAw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 249 ガサーナイト@しあわせタマゴ 16/02/17 08:30:33 ID:hrlVmoe2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 250 ッフロン@モコシのみ 16/02/17 14:06:02 ID:TymnAQAQ [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「マグマッグ…」

ワンリキー「…」

チラーミィ「なんで…。どうして貴方が死ななければ…」

ヘルガー「お前たち…、何をそこまで悲しむ必要がある?」

三匹「!」

ヘルガー「たった一匹のポケモンが命を落としただけだろ?」

ワンリキー「テメェが…マグマッグを殺したんじゃねぇか…」

ヘルガー「確かにそうだ。だが…」
 ▼ 251 ャーレム@あおいバンダナ 16/02/17 14:06:47 ID:TymnAQAQ [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「マグマッグは俺を裏切ったんだぞ?盗賊団のボスであるこの俺を」

ヘルガー「始末されて当然だろう?」

チラーミィ「貴方は…、命を何だと思っているんですか!?」

ヘルガー「俺に支配されない命など生きる価値も無い。馬鹿な奴だよ…」

ヘルガー「一時の情に流され、俺に歯向かったばかりに…、その短い命を散らしてしまったのだから」
 ▼ 252 モルー@タイマーボール 16/02/17 14:08:48 ID:TymnAQAQ [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「最後まで憐れで醜い奴だったよ…」

ワンリキー「テメェは…死んだ部下に労いの言葉もかけてやれねぇのか?」

ヘルガー「部下?マグマッグが?笑わせるな。言っただろう。俺に忠誠を誓わない奴は生きる価値もないと」

ヘルガー「マグマッグは最初から忠誠など誓っていなかった。俺が怖くて従っていただけだ」

ヘルガー「そんな奴を労えと?ありがとう。お疲れ様。などと言う寒気がするような言葉をかけてやれと?」

ヘルガー「馬鹿馬鹿しい。俺に何の得がある?俺にとってマグマッグとは…」

ヘルガー「目的のために酷使する、いわば道具だな」
 ▼ 253 ェリンボ@きいろビードロ 16/02/17 14:10:05 ID:TymnAQAQ [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「使用出来なくなった道具を処分して何が悪い?貯まったゴミを廃棄するのと同じようにな」

ワンリキー「命とゴミを天秤にかけるんじゃあねぇよ…!」

ヘルガー「比べられても仕方がないだろう?マグマッグはゴミ以下の存在なのだから」

ヘルガー「そんな奴がいままで殺してきた奴等と友達になりたい?夢見てんじゃねぇよ」

ヘルガー「あの世でそいつらに殺され、苦しみ続けろ…マグマッグゥ…」

ヒメグマ「…お前には…」

ヘルガー「あ?」

ヒメグマ「心がないのかぁぁぁぁぁ!!!!」
 ▼ 254 ーシィ@こだいのツボ 16/02/18 22:31:45 ID:9GLh7Nck NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 255 ルシアン@バコウのみ 16/02/20 19:19:06 ID:rHPs1IA2 [1/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマの怒号が遺跡内に響き渡る。

ヘルガー「そんなもの持っているのなら……盗賊団の長などやっておらんよ」

ヘルガー「何度も言わせるな。この俺に支配されぬ命など、生きる価値もないのだ」

ヘルガー「生き延びたければ従え。俺に歯向かえばどうなるか……」

ヘルガー「お前の腕の中にいるゴミが体現してくれただろう?」

ヘルガーの一言がヒメグマの大切な何かを断ち切った。
 ▼ 256 ャロップ@ロメのみ 16/02/20 19:20:12 ID:rHPs1IA2 [2/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ(少し……待っててね)

ヒメグマは、安らかに眠るマグマッグを腕の中から解放し、遺跡の床にそっと寝かせる。

ヒメグマ「ヘェェェルゥゥゥガァァァァァ!!!」

ヒメグマは、ヘルガーに向かって真っ直ぐ駆け出す。

ヘルガー「向かってくるか。どうやら俺の話を聞いていなかったらしいな」

ヘルガー「良いだろう……死ぬまで痛め付けてやる」

ヒメグマ「おおおおおあぁぁ!!」
 ▼ 257 ェリム@シールいれ 16/02/20 19:20:56 ID:rHPs1IA2 [3/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマの拳がヘルガーの右頬にめり込む。

しかしヘルガーは……

ヘルガー「ふん……。お前も"やけど"か?」

平然としていた。

ヒメグマは、マグマッグが危惧した通り火傷を負っていたのだ。

ヘルガー「あいつの置き土産ってところだな。仲間の足まで引っ張るとは……」

ヘルガー「本当に救いようの無いゴミだなぁ?マグマッグは」ニタァ

ヒメグマ「おおぁっ!!」

ヒメグマは、もう片方の拳でヘルガーに殴りかかる。
 ▼ 258 ガイドス@あやしいパッチ 16/02/20 19:23:16 ID:rHPs1IA2 [4/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「甘い。"ふいうち"」

ヒメグマ「ぐぶぁっ!!」

しかし、ヒメグマの拳がヘルガーに届くことは無かった。
ヘルガーに攻撃のタイミングを読まれ、ヒメグマが攻撃するよりも早く、ヘルガーの右前足がヒメグマを捉える。

ヘルガー「哀れだな。勝ち目の無い相手に挑み続ける。これほど無意味なことはない」

ヒメグマ「はぁ……はぁ……ぅおおお!!」

ヘルガー「類は友を呼ぶとは、まさしくこの事だな。……ぬぁっ!」
 ▼ 259 ラミドロ@さらさらいわ 16/02/20 19:24:26 ID:rHPs1IA2 [5/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーはその場で素早く回転する。
先程、マグマッグを吹き飛ばした尻尾の一撃がヒメグマの脇腹を打ち据える。
ヒメグマは不様に吹き飛んでいった。

ヒメグマ「がふぁ!!」

遺跡の床に叩きつけられたヒメグマに、ヘルガーはゆっくりと近付いていく。

ヒメグマは歯を食いしばり、なんとか立ち上がろうとする。
しかし、体にろくな力が入らず、首を持ち上げることすら出来なかった。

ヘルガー「いい加減分からないのか?俺とお前の実力の差を」
 ▼ 260 ワパレス@こうてつプレート 16/02/20 19:25:52 ID:rHPs1IA2 [6/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「怒りや勢いで勝てるほど戦闘は甘くないのだ。今、お前が考えていることが手に取るように分かるよ」

ヘルガー「仲間を守りたい。友の仇を討ちたい……。違うか?」

ヘルガー「全くもって下らないな。戦場で信じられるのは己だけだ」

ヘルガー「他者に情けを掛ければ、待っているのは死のみだ。マグマッグが教えてくれただろ?」

ヒメグマ「はぁ……かはっ……あ」

ヘルガー「口もきけなくなったか。ならば……」ニタァ

ヘルガー「存分に痛ぶらせて貰おうかぁぁ!」

ヘルガーの右前足が、倒れているヒメグマの腹部に降り下ろされる。

ヒメグマ「か……あっ……」

ヒメグマは一瞬、身体中の酸素を根こそぎ奪われたような錯覚に陥った。

視界が徐々に黒で塗り潰されていく。

ヘルガー(ここで落ちて貰っては面白くないな)
 ▼ 261 チャブル@ハッサムナイト 16/02/20 19:27:50 ID:rHPs1IA2 [7/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマの腹部に、深々と捩じ込まれていたヘルガーの右前足が引き抜かれていく。
ヒメグマは貪るように酸素を取り込むが……

ヘルガー「吐き出せ」

今度はヘルガーの左前足が、ヒメグマの腹部に捩じ込まれる。

ヒメグマ「がっ……けぁ……」

ヒメグマの表情が、苦痛の色に染まる。
眼は見開かれ、口は半開きのまま閉じることができなくなっている。

ヘルガー(そろそろ落ちるか……)

ヘルガーはヒメグマが失神する寸前で前足を引き抜き、ヒメグマが空気を取り込んだ瞬間に、再びヒメグマの腹部に前足を捩じ込む。

ヘルガー「いい顔だぁ……もっと見せてくれぇぇ……!!」

ヒメグマ「がっ……ごかっ……ぁぐ……」

ヘルガーは、ヒメグマの腹部に前足を捩じ込んでは引き抜くを何度も繰り返す。
 ▼ 262 ィアンシー@とつげきチョッキ 16/02/20 19:29:03 ID:rHPs1IA2 [8/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー(失神する一歩手前で酸素を体に取り込ませる。するとどうだ……)

ヘルガー(遠退いていた意識や感覚が急速に呼び起こされるのだ。視覚や聴覚が戻るだけならまだ良いだろうが……)

ヘルガー(全身に蓄積された疲労や痛みまでもが降りかかってくるのだから、尚更質が悪い)

ヘルガー(対処するには息を止め、耐えるしかないのだが……)

ヘルガー(今のお前に出来るかなぁ……?)ニタァ

ヒメグマ「か……ぁが……」

ヘルガー「死なせねぇよ?俺が満足するまでなぁぁ!!」
 ▼ 263 アコイル@ロゼルのみ 16/02/20 19:31:38 ID:rHPs1IA2 [9/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「ヒメグマから……離れろ」

ワンリキーの鋭い蹴りがヘルガーの後ろ足を捉える。
ヘルガーの態勢が少しばかり崩れた。

ヘルガー「ぬ……お前か」

ヘルガーの注意が、一瞬ワンリキーに逸れる。

ワンリキー「チラーミィ!」

チラーミィ「はいっ!」

この隙を狙っていたかのように、ヘルガーとヒメグマの間にチラーミィが滑り込む。
チラーミィはヒメグマを抱き抱え、その場から逃げ出そうとする。

ヘルガー「逃がさ……」

ワンリキー「やらせねぇ……!!」

チラーミィの方に向き直ろうするヘルガー。
しかし、ワンリキーに尻尾を掴まれ引き寄せられた為、チラーミィの逃亡を許してしまう。

ヘルガー「ぬぐ……離せよクソが!」
 ▼ 264 ンナ@もうどくプレート 16/02/20 19:32:17 ID:rHPs1IA2 [10/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガーの後ろ足がワンリキーを蹴りあげる。
どれだけ顎や右腕を蹴りあげられようと、ワンリキーはヘルガーの尻尾を掴んだまま離そうとしない。

ワンリキー「なら……ひっぺがしてみろよ……」

ヘルガー「ぐぬぬ……」

ヘルガーから大分距離を取り、チラーミィは抱えていたヒメグマをその場に降ろす。

ヒメグマを見たチラーミィは言葉を失った。

チラーミィ(こんなに……なるまで……)
 ▼ 265 リリ@アクアカセット 16/02/20 19:34:51 ID:rHPs1IA2 [11/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
顔面は蒼白。眼は虚ろで、腹部はヘルガーの前足の跡がくっきりと残っている。
また呼吸も微弱で、生きているのかさえ怪しくなってきた。

チラーミィは悔やんだ。地面を這ってでもヒメグマを助けに行けたら、こんなことにはならなかったのにと…。

チラーミィ「ごめんなさい……。あなたは……こんなになるまで戦っていたのに……」

チラーミィ「わたし……わだじは……」
 ▼ 266 ルトロス@ぎんのこな 16/02/20 19:37:28 ID:rHPs1IA2 [12/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「……わらってよ……」

チラーミィ「ヒメグマ君!」

ヒメグマ「言った……でしょ?きみは……笑顔がいちばん……だって」

チラーミィ「……」

チラーミィはヒメグマの問いかけに答えず、優しくヒメグマを抱き締める。

ヒメグマ「チラーミィ……?」

チラーミィ「喋らないで……今はこのままで居させて……」
 ▼ 267 マクロー@メトロノーム 16/02/20 19:38:16 ID:rHPs1IA2 [13/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ(……暖かいなぁ。ずっとこうしてたいよ……)

ヒメグマの額に冷たいものが滴り落ちてくる。

ヒメグマ(んー……?何だろ?)

ヒメグマ「どう……したの?チラーミ…ィ?」

チラーミィ「ヒグッ……エグッ……。ぅぁぁぁ……」

チラーミィ「ヒメグマくん……もっと……自分を大切にしてよぉ……」

ヒメグマ「チラーミィ……」

チラーミィ「もう嫌なの……。目の前で、誰かが傷つき死んでいくのは……」

チラーミィ「みたくないの……」
 ▼ 268 ドキング@ぎんのこな 16/02/21 14:58:25 ID:1gxkl7zw [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー(あの二匹……。ここが戦場であることを忘れたか?)

ヘルガー(まとめて消し炭にしてくれる……)

ヘルガーはヒメグマ達の方に向き直ろうとするが……

ワンリキー「させるかよっ……」

そうはさせまいと、ワンリキーがヘルガーの尻尾を引っ張り妨害する。

ワンリキー「部外者が割って入るのは、ちょいと野暮ってもんじゃないですかい?」
 ▼ 269 ロピウス@あかいバンダナ 16/02/21 14:59:06 ID:1gxkl7zw [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「分からんな。お前も火傷を負っているハズだろ?何故お前は、俺を抑え込んでいられる?」

ワンリキー「テメェには一生分からねぇだろうよ。……おらっ!」

ヘルガー「ぬぐ……」

ヘルガーの後ろ足に、再びワンリキーの鋭い蹴りが打ち込まれる。

ヘルガー(気のせいか?先程よりも痛みが増しているような……)

ワンリキー(ヒメグマはもう動けないか……。すまねぇな……俺がもっと早く助太刀に向かえたら……)

ワンリキー(あとは……任せてくれ)
 ▼ 270 ンカラス@アクアカセット 16/02/21 15:00:25 ID:1gxkl7zw [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキーは右腕で……火傷を負っている方の腕でヘルガーの脇腹を殴り付ける。

ヘルガー「お前……頭がイカれたか?わざわざ火傷を負っている腕で殴るとは……」

ワンリキー「もう痛みは無いんでね……。両手で存分に殴らせて貰うよ」

ヘルガー「感覚がなくなったのか……。お前、腕を落とすことになるぞ?」

ワンリキー「知るか。テメェを叩きのめせるのなら……」

ワンリキー「腕の一本くれてやるよ……!!」

ヘルガーの脇腹に、数えきれないほどの拳が打ち込まれていく。
 ▼ 271 クリン@めざめいし 16/02/21 15:01:27 ID:1gxkl7zw [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「……ふん」

ヘルガーは尻尾に力を込め、振り払った。

ワンリキー「がっ……」

バチィィン!!
甲高い音と共にワンリキーの頭部が跳ね上がる。

その場に倒れ伏したワンリキーに、ヘルガーの右前足が降り下ろされる。

ワンリキー「ぐ……うが」
 ▼ 272 メノデス@ていこうのハネ 16/02/21 15:02:04 ID:1gxkl7zw [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「いくら手数を増やそうと結果は同じだ。お前の力などその程度なんだよ」

ワンリキー「ぐ……ぐぐぁ」

ヘルガー「まだ立ち上がろうとするのか。……ひとつ聞きたい」

ヘルガー「お前を奮い立たせるものは何だ?」
 ▼ 273 マタマ@かなめいし 16/02/21 22:47:53 ID:TZTvAVWg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 274 ーイーカ@オボンのみ 16/02/24 17:54:40 ID:9eSV1IyQ [1/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「どうした……?急に」

ヘルガー「質問に答えろ。お前は……何を背負っている?」

ワンリキー「背負う?そんな大したもんじゃないさ……」

ワンリキー「自分の手で守りたいもんがある。それだけだぜ?」

ヘルガー「お前もか……。全くもって分からん。他者の為に戦うなど……己に何の得があるのだ?」

ワンリキー「だから言ったろ?テメェには一生分からねぇって」

ヘルガー「そうか。……何だか白けたな」

ヘルガー「一匹ずつなぶり殺していこうかと思ったが……」

ヘルガー「今のお前達では満足できそうにないな」

そう言うとヘルガーは、ワンリキーの左腕に噛みつき、チラーミィ達が居る方向に放り投げた。
 ▼ 275 ルトス@かいがらのすず 16/02/24 17:56:32 ID:9eSV1IyQ [2/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「おわっ……!チラーミィ避けろっ!」

チラーミィ「えっ!?」

ヒメグマ「ぐぐぐ……任せて」

チラーミィ「わ、私もっ……!」

ワンリキーが遺跡の床に叩きつけられるのを防ごうと、ヒメグマとチラーミィは両手を挙げてワンリキーを抱き留める。

ワンリキー「っと……。すまねぇなぁぁぁっ!?」

ワンリキーを抱き留めることには成功した。
しかし、完全に支えきることは出来ず、そのまま崩れ落ちてしまった。

ワンリキー「……大丈夫か?」

チラーミィ「すみません……。私の力不足です……」

ヒメグマ「ごめんねワンリキー」

ワンリキー「気にすんな。形はどうであれ助けてくれてありがとよ。ただ……」

ヘルガー「いい感じにまとまってくれたな。これ以上、お前達を痛め付けてもつまらんのだ」

ヘルガー「喜べ。マグマッグにまた会えるのだからな」

ヘルガーは息を吸い込み始める。

ワンリキー(あの野郎……!俺達をまとめて処分するつもりかよ……)
 ▼ 276 リジオン@シュカのみ 16/02/24 17:58:41 ID:9eSV1IyQ [3/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
早くこの場から逃げなければ……。
頭では分かっているのだが、身体が言うことを聞いてくれない。

ワンリキー「チラーミィ……、ヒメグマ……!」

チラーミィ「ワンリキーさん……。私達の……負けですね……」

ワンリキー「んなっ……!!」

チラーミィ「もう私達に勝ち目なんて……」

ヒメグマ「っう……。チラーミィ」

ふらふらと立ち上がるヒメグマは、うつむくチラーミィに……

ヒメグマ「任せて」ニッ

微笑んでみせた。

チラーミィ「えっ……?」

戸惑うチラーミィを尻目に、ヒメグマは二匹の前に陣取る。

ワンリキー「おい、何するつもりだ……?」

ヒメグマ「"みがわり"……もう一回出来るかなぁ?」

ワンリキー「やめろ……やめてくれ!!お前の体力は……もう……!」
 ▼ 277 ャスパー@むしのジュエル 16/02/24 17:59:57 ID:9eSV1IyQ [4/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「やめろ……やめてくれ!!お前の体力は……もう……!」

チラーミィ「無理だよぉ……!」

そうこうしている内に、ヘルガーの頬が膨らみ始める。

ヒメグマは、後ろに倒れ伏すワンリキーとチラーミィを庇うように両手を広げる。

ヒメグマ(死ぬのは怖い。だけど一番怖いのは……!!)

ヒメグマ(何も出来ずに友を失うことだ!!)

ヘルガー(あの世でマグマッグと戯れているがいい)

ワンリキー「頼むから……やめてくれよ……!!」

チラーミィ「お願い……やめてっ……」

ヒメグマ(たった一度でいい……!僕に……力を……!!)

ヘルガー(さらばだ)

ヘルガーの口内から、"かえんほうしゃ"が放たれる。

ヒメグマ「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

炎に包まれ、雄叫びをあげるヒメグマ。
 ▼ 278 ブラン@やけどなおし 16/02/24 18:01:42 ID:9eSV1IyQ [5/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「ヒメグマァァァァ!!!」

チラーミィ「いやぁぁぁぁぁ!!!」

ヘルガー「馬鹿な奴だ……」

ヒメグマ(か、身体が……熱い。力が……込み上げてくる!!)

燃え盛る炎の中でヒメグマの身体が変貌する。

チラーミィ「ヒメグマ……くん?」

ワンリキー「お前……身体が……!」
 ▼ 279 ンナ@ヤタピのみ 16/02/24 18:02:23 ID:9eSV1IyQ [6/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

凄まじい怒号が、ヒメグマを包んでいた炎を吹き飛ばす。

ヘルガー「ありえん……。俺の"かえんほうしゃ"を……叫んだだけで吹き飛ばしただと……?」

リングマ「……」

ワンリキー「進化……したのか?」

チラーミィ「ヒメグマくん……なの?」

二匹の問いかけに、リングマは振り向き……

リングマ「無事で良かった」ニッ

ヒメグマの時と何一つ変わらない笑みを浮かべてみせた。
 ▼ 280 ガユキノオー@がんせきプレート 16/02/24 18:04:55 ID:9eSV1IyQ [7/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「たく……。心配したんだぜ?」

チラーミィ「よかっだよぉ……」

リングマ「言ったでしょ?任せてって……チラーミィ」

チラーミィ「うん……?」

リングマ「絶対に諦めちゃだめだよ。希望を捨てない限り……」

リングマ「未来はいくらでも変えられるんだ」

チラーミィ「……ふふ。やっぱりヒメグマくんだぁ……」

リングマ「今はリングマだけどね。……ワンリキー頼んだよ」

ワンリキー「おう。……行ってこい」

リングマ「任せて」

チラーミィ「ヒメ……リングマくん……!」

リングマ「うん?どうしたの」

チラーミィ「必ず帰ろうね……。私達の村に……」

リングマ「うん……!」
 ▼ 281 ガヤミラミ@あかいビードロ 16/02/24 18:05:41 ID:9eSV1IyQ [8/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「お前……、俺に勝つつもりなのか?」

リングマ「もちろん」

ヘルガー「ほぉ……。どこからその自信が湧いてくるのかは知らないが……」

ヘルガー「今のお前なら存分に楽しめそうだな。来いよ……」

リングマ「……おおぉぁっ!!」

リングマは、ヘルガーに向かって一直線に駆け出す。
 ▼ 282 ュウツー@リゾチウム 16/02/24 18:07:40 ID:9eSV1IyQ [9/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「ふむ……。巨体の割には中々のスピードじゃないか」

リングマ「おおおぉぉぁぁぁ!!」

丸太のような腕がヘルガーに迫る。
しかし、ヘルガーは避けようとしなかった。リングマの攻撃は火傷の影響で、とるに足らないものだと高を括っていたからだ。

ヘルガー(何度でも受けてやるよ……。お前の貧弱な拳などなぁ……)

リングマの拳が、ヘルガーの右頬をグシャリと歪ませる。

ヘルガー「……げばっ?」
 ▼ 283 イタラン@いんせき 16/02/24 18:08:43 ID:9eSV1IyQ [10/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「……げばっ?」

リングマ「があぁぁぁっ!!」

今度はリングマの左の拳が、ヘルガーの頭部を跳ね上げる。

ヘルガー「ごぶばっ……!」

ヘルガー(な……何がおきている!?)

しかし、リングマはヘルガーに考える暇を与えない。

渾身の力でヘルガーの頭部を殴り、右へ左へ跳ね上げ続ける。
二匹の間に、ヘルガーの鮮血が飛び散る。

ヘルガー「ぐぼぉ!!ぶぐぁっ!」
 ▼ 284 ッコウガ@ハートスイーツ 16/02/24 18:09:52 ID:9eSV1IyQ [11/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー(ぐぅ……う、うしろに……)

これ以上リングマの攻撃を受けていてはマズイと判断したヘルガーは、後ろ足に力を入れ、その場から後退しようとする。

だが、支えである後ろ足に鋭い痛みが走り、ヘルガーの態勢が大きく右に崩れる。

ヘルガー(これは……!)

ワンリキー「"ローキック"……火傷で威力が落ちていたが、ようやく効果が出たか」

ワンリキー「テメェの機動力を奪わせてもらった。しばらく立てねぇよ」

ヘルガー(俺の後ろ足に、何度も蹴りを打ち込んでいたのは……こうなることを予測して……!!)
 ▼ 285 ククラゲ@こころのしずく 16/02/24 18:12:29 ID:9eSV1IyQ [12/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
リングマ「……」

ヘルガー「な、何故だ!?先程まで虫の息だったお前のどこに……こんな力が……!」

リングマ「マグマッグのおかげさ。皮肉なものだね。お前が置き土産と罵った火傷が、お前自身を追い詰めているのだから……」

ヘルガー「お前のような弱者に……俺が追い詰められているだとぉぉぉ……?」

リングマ「終わりだ……!」

そう言い切り、リングマは全身に力を込め始める。

ヘルガーは直感的に悟った。

あの技を喰らえば、確実に意識を断たれる……と。
 ▼ 286 トーボー@モンスターボール 16/02/24 18:13:40 ID:9eSV1IyQ [13/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「支配される側のお前にぃぃ!!支配者の俺が負けるハズがないのだあぁぁぁ!!」

ヘルガーは大量の空気を取り込み、リングマに"かえんほうしゃ"を放つ。

ワンリキー「マズイ……!」

チラーミィ「リングマ君!!」

リングマ「おおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

溜め込んだ力を解放したリングマは、迫りくる炎に構わず飛び込んだ。

ヘルガー「血迷ったか馬鹿めがぁぁぁぁ!!そのまま焼け死ぬがいい!!!」
 ▼ 287 ガリザードンX@メカニカルメール 16/02/24 18:14:40 ID:9eSV1IyQ [14/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
自分の勝ちだ。そう思えた矢先、ヘルガーの目に信じられない光景が映し出される。

リングマ「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

ヘルガー「ほ、ほのおの中を……駆け抜けてくるのかぁぁぁ!?」

雄叫びを上げ、全身から炎を巻き上げながら自分に突っ込んで来るリングマは、ヘルガーにとって恐怖以外の何者でもなかった。

ヘルガー「く……来るな!こっちに……俺に近づくんじゃ……」

リングマ「"からげんき"!!!!!」
 ▼ 288 ルズキン@かおるキノコ 16/02/24 18:19:02 ID:9eSV1IyQ [15/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

全体重の乗った一撃は、ヘルガーの鼻先をかすめ遺跡の床に叩きつけられる。
その衝撃は凄まじく、石畳の床はひび割れ、遺跡全体が少しのあいだ揺れていた。

リングマはヘルガーの方を見やる。
目に涙を浮かべ、口は半開きのままピクリとも動かない。
どうやら失神しているらしい。

リングマ「……」

首を回し、静かに眠るマグマッグの方に目を向ける。
 ▼ 289 リゴン2@クラボのみ 16/02/24 18:20:49 ID:9eSV1IyQ [16/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
リングマ(ありがとう……マグマッグ。君のおかげで……ぼくは)

リングマは遺跡の床に引き寄せられるかのように、前のめりに倒れこんだ。

ワンリキー「リングマァ!!」

チラーミィ「リングマくんっ!!」

リングマ(友を……守ることが……)

リングマの意識はそこで途切れた。

ワンリキーとチラーミィは遺跡の床を這いつくばりながらも、リングマのもとへたどり着く。

チラーミィ「うっ……うう……。生きてる……よね……絶対に……」

リングマの体にすがり付き、嗚咽を漏らすチラーミィ。

ワンリキー「死んでねぇよ……。なぁ?リングマ……」
 ▼ 290 バット@ミュウツナイトY 16/02/24 18:22:35 ID:9eSV1IyQ [17/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
???「隊長!要救助者5名を発見!」

???「うち生存者4名!死亡者1名です!」

ワンリキー「この声……どっかで」

???「報告ご苦労。では救助に当たるぞ。尽力せよ命の為に!」

???「了解!!」

ワンリキー「あぁ……。タイミングが良すぎねぇか?」

力強い号令と共に、合わせて十数匹のヨーテリーとハーデリアが飛び出した。
 ▼ 291 ガアブソル@ハバンのみ 16/02/24 18:23:43 ID:9eSV1IyQ [18/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヨーテリー「チーゴの実とオボンの実です。食べれば少し楽になりますよ」

ワンリキー「どうも……。腕、直せますかね?」

ヨーテリー「応急処置だけではなんとも……。ですが、ハピナス先生なら……」

ワンリキー「あー……これ見せたら間違いなく説教だな……」

ヨーテリー「それだけ心配してくれているということで……」

ワンリキーは苦笑を浮かべながら、周りを見渡す。

チラーミィは手当てを受けながらもリングマが気になるようだ。
リングマのほうに、せわしなく視線を向けているのは見ていて微笑ましい。

当のリングマはというと……、どうやら目を覚ましたようだ。
渡されたオボンの実とチーゴの実をペロリと平らげ、処置に当たるハーデリアに「もう無いの〜?」と木の実のおかわりをねだっているように見える。

ハーデリアも対応に困っているようだ。
 ▼ 292 マシュン@くっつきバリ 16/02/24 18:25:41 ID:9eSV1IyQ [19/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「……」

ヨーテリー「ははは……」

ヘルガー「やめろぉ!!俺に触るなぁぁ!」

ハーデリア「落ち着くんだ!手当てをするだけだ!」

ヘルガー「ああぁぁ!!やめてくれよぉぉ……!」

ワンリキー「おいおい……。あれが……あのヘルガーなのか?」

全身を震わせ、ひたすら喚き散らすヘルガーの姿を見たワンリキーは、自分の目を疑った。
 ▼ 293 ニラン@ネストボール 16/02/24 18:27:08 ID:9eSV1IyQ [20/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヨーテリー「恐怖に支配されていますね……。参ったな、あのままじゃ処置が……」

ワンリキー(恐怖での支配を好む奴が、恐怖を植え付けられるとはな……)

ハーデリア達は、ヘルガーの処置に手を焼いていた。
押さえつけようにも、相手はかなりの重症を負っている。
何故、生きていられるのか不思議に思うほど。

ハーデリア「落ち着くんだ。我々は君に危害など……」

ヘルガー「ああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 ▼ 294 ンベ@じめんのジュエル 16/02/24 18:31:19 ID:9eSV1IyQ [21/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド「まの使用を許可する」

ハーデリア「隊長……!了解しました。"でんじは"!」

ハーデリアの全身が、青白く輝いたと同時に……

ヘルガー「が……かぁ……」

先程まで喚き散らしていたヘルガーが、ピクピクと痙攣したまま動けなくなっていた。

ハーデリア「……成功しました。ヘルガーの処置にあたります」
 ▼ 295 レイドル@まるいおまもり 16/02/24 18:33:11 ID:9eSV1IyQ [22/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「や、やめろぉ……!!」

ヘルガーは声を上げるも、その場から動くことが出来ない。
数匹のハーデリアとヨーテリーに囲まれ、ヘルガーの目から透明な滴が溢れ出す。

ムーランド「頼んだぞ」

ハーデリア「了解!」

ヘルガー「ああああぁぁぁぁぁ!!」
 ▼ 296 ンタイン@あやしいパッチ 16/02/24 18:34:24 ID:9eSV1IyQ [23/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「あれが"でんじは"か……」

ヨーテリー「ほとんど一瞬ですからね。しかし、何故"でんじは"なのでしょう……」

ムーランド「彼の特性が"はやおき"だからだ」

ヨーテリー「隊長!」

ムーランド「"あくび"を使用し、眠らせても、彼はすぐに目覚めてしまうだろう」

ムーランド「意識はあるが、身体の自由を奪える"でんじは"を使用させたのはその為だ」

ヨーテリー「状況に応じて臨機応変かつ冷静な判断を下す……。さすがです隊長!」

ムーランド「よせよせ。彼の安全を第一に考えた結果だ」
 ▼ 297 シャーナ@ライブキャスター 16/02/24 19:03:58 ID:9eSV1IyQ [24/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「よく分かりましたね。ヘルガーの特性が"はやおき"だって……」

ムーランド「長くこの仕事に携わっているからか、一目みただけでそのポケモンの特性が分かるようになってしまってね」

ムーランド「たとえば君は……"ノーガード"かな?」

ワンリキー「当たりです。やっぱすげぇや……」

ムーランド「何だか照れるな……。そそれよりも、お礼を言わねばいけないな」

ムーランド「村の為に戦ってくれて……ありがとう。君達の勇気ある行動は、私達に力を与えてくれた」
 ▼ 298 モリ@マグマブースター 16/02/24 19:04:24 ID:9eSV1IyQ [25/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「よく分かりましたね。ヘルガーの特性が"はやおき"だって……」

ムーランド「長くこの仕事に携わっているからか、一目みただけでそのポケモンの特性が分かるようになってしまってね」

ムーランド「たとえば君は……"ノーガード"かな?」

ワンリキー「当たりです。やっぱすげぇや……」

ムーランド「何だか照れるな……。そそれよりも、お礼を言わねばいけないな」

ムーランド「村の為に戦ってくれて……ありがとう。君達の勇気ある行動は、私達に力を与えてくれた」
 ▼ 299 レフワン@プテラナイト 16/02/24 19:05:33 ID:9eSV1IyQ [26/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>298
訂正

ワンリキー「よく分かりましたね。ヘルガーの特性が"はやおき"だって……」

ムーランド「長くこの仕事に携わっているからか、一目みただけで分かるようになってしまってね」

ムーランド「たとえば君は……"ノーガード"かな?」

ワンリキー「当たりです。やっぱすげぇや……」

ムーランド「何だか照れるな……。それよりも、お礼を言わねばならないな」

ムーランド「村の為に戦ってくれて……ありがとう。君達の勇気ある行動は、私達に力を与えてくれた」
 ▼ 300 フォクシー@ガルーラナイト 16/02/24 19:08:43 ID:9eSV1IyQ [27/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「まさか、盗賊団の奴等と戦ったんですか!?」

ムーランド「快勝とまではいかなかったが……、犠牲者を出すことなく、我々は村を守ることが出来たんだ」

ムーランド「本当に君達には、感謝している……」

ヨーテリー「ありがとうございました!」

ワンリキー「……お礼を言わなければならないのはこっちです。貴方達がいなければ、村は奴等の手に落ち……」

ワンリキー「俺達は助かりませんでした。ありがとうございます」

ムーランド「礼を礼で返されるとは……思っていなかったよ」

ワンリキー「良いじゃないですか。村を守ることが出来た……。俺は満足です」

ムーランド「そう言ってくれると助かるよ……」
 ▼ 301 ルシェン@スーパーボール 16/02/24 19:10:01 ID:9eSV1IyQ [28/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド(君達を村で救助した時、もしかしたらと思ったが……)

ムーランド(全て彼の言う通りになったな……)

ムーランド「ワンリキー君。あのリングマ君は一体何者なんだ?」

ワンリキー「リングマがどうかしたんですか?」
 ▼ 302 ガボーマンダ@ズアのみ 16/02/24 19:12:45 ID:9eSV1IyQ [29/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド「君達を村で救助し、ハピナス先生の診療所に運んだ時のことだ」

ヒメグマ『う……ん?』

ムーランド『気が付いたかね?』

ヒメグマ『た、たい……ちょう?』

ムーランド『隊長はよせ。それより、何があったんだ?』

ヒメグマ『……ムーランドさん。これから言うことは、誰にも喋らないでください』
 ▼ 303 ークライ@おおきなキノコ 16/02/24 19:14:02 ID:9eSV1IyQ [30/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド『重要な話なら村長か村の重鎮に……』

ヒメグマ『いいから……!』

ヒメグマの鋭い眼光が、ムーランドを真っ直ぐに射ぬく。

彼の瞳が訴えかけてくる。

時間がない。黙って聞け……と。

ムーランド『……分かった。誰にも言わない。話してくれ』

ヒメグマ『ありがとうございます。では……』

ヒメグマ君の話を聞いているうちに、私は自分が許せなくなってきたよ。

一匹の若者が、村の為に立ち上がろうとしているにもかかわらず、私は何をしているのか……とね。

そして私は決めたよ。ヒメグマ君の為に、そして村の為に、全力を尽くそうと……。
 ▼ 304 ガフーディン@ウイのみ 16/02/24 19:17:42 ID:9eSV1IyQ [31/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド『ヒメグマ君。我々に出来ることはないか?』

ヒメグマ『……奴等のアジトを探し出してくれませんか?』

ムーランド『了解した。一時間……、いや30分だけ待ってくれ』

ヒメグマ『お願いします……』
 ▼ 305 ョロゾ@こおりなおし 16/02/24 19:18:30 ID:9eSV1IyQ [32/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「たった30分でここを探し当てたんですか?」

ムーランド「我々の嗅覚にかかれば、チラーミィさんとマグマッグ君の臭いを追うのは容易いものさ。そしてこの遺跡の近辺で……」

ハーデリア『隊長!これは……』

ムーランド『何と無惨な……』

ムーランド「ヤミラミの焼死体を発見したんだ」

ワンリキー「……」

ムーランド「森林の真ん中に、無造作に放置されていたよ。言い方が悪いが、ヤミラミのお陰で、我々は奴等のアジトを突き止めることが出来たんだ」

ワンリキー(出発するまえに盗賊団のアジトを聞いた時、迷わず遺跡と答えたのは……こういうことか)
 ▼ 306 ククラゲ@うみなりのスズ 16/02/24 19:20:42 ID:9eSV1IyQ [33/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムーランド「彼の観察眼には舌を巻くものがあるな。彼は一体……何者なんだ?」

ワンリキー(やっぱすげぇよ……。リングマ……)

ワンリキーはリングマの方に目を向ける。
ヒメグマは、運ばれてきたマグマッグに言葉をかけていた。
 ▼ 307 ガルカリオ@あおいバンダナ 16/02/24 19:21:18 ID:9eSV1IyQ [34/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー(ん?ヒメグマ……?)

見間違いだろうか?
ワンリキーは自分の目を擦り、同じようにリングマが居たであろう場所を見やる。

そこには、マグマッグに微笑みながら言葉をかける……ヒメグマが居た。

ワンリキー「何で戻ってんだよ……?」

ムーランド「どうかしたのか?……どういうことだ……」

ヨーテリー「退化……でしょうか?」

ムーランド「ふつう進化したらもとには戻らないハズなのだが……」

ワンリキー「……謎だらけですねヒメグマは」

ムーランド「そうだな……」
 ▼ 308 エトル@アンノーンノート 16/02/25 18:11:17 ID:kfEckkn. [1/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー(……俺も行くか)

ワンリキーは、左腕を支えにして立ち上がろうとする。

ヨーテリー「まだ立ち上がっては……」

ワンリキー「すみません。でも恩人に礼を言わないと……っ」

なんとか立ち上がったワンリキーだが、ふらふらと揺れていて、いつ倒れてもおかしくない状態だった。

ヨーテリー「……仕方ないですね」

そう言うとヨーテリーは、ワンリキーの左隣りに歩み寄り、彼の身体を横から支える。
 ▼ 309 テボース@ドリのみ 16/02/25 18:13:17 ID:kfEckkn. [2/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヨーテリー「お供しますよ」

ワンリキー「すんません」

二匹はゆっくりと歩を進め、ヒメグマ達が居る場所へと辿り着く。

チラーミィ「ワンリキーさん。お体の具合は……」

ワンリキー「ヒメグマさんよ。お前の体はどうなってんだ?」

ヒメグマ「んー……。気付いたら元に戻っててさ。もしかしたら……」

ワンリキー「もしかしたら?」

ヒメグマ「マグマッグが力を与えてくくれたのかもしれない……」

ワンリキー「ふっ……」

チラーミィ「ヒメグマ君らしいですね……」
 ▼ 310 ーリキー@ダイブボール 16/02/25 18:14:50 ID:kfEckkn. [3/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
処置を受けたチラーミィが、ワンリキーと同じように、ヨーテリーに支えられながら合流する。

ヒメグマ「チラーミィ大丈夫?」

チラーミィ「ちょっと脇腹が痛むけど大丈夫。私はヒメグマ君やワンリキーさんの方が心配だよ……」

ヒメグマ「僕は大丈夫だよ〜」

ワンリキー「屁でもねぇな」

チラーミィ「良かった……。本当に……」

ヒメグマ「……モノマネやりまーす!カポエラー!」

そう言い切ると、ヒメグマは頭を遺跡の床につけようとするが……

ワンリキー「バカ野郎!難易度高すぎるだろうが!」

ハーデリア「死にたいんですか!?」

ワンリキーとハーデリア達に本気で怒られた。

ヒメグマ「すみませんでした」

ワンリキー「全くよぉ……」
 ▼ 311 マワル@ひみつのコハク 16/02/25 18:17:43 ID:kfEckkn. [4/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
チラーミィ「ヒメグマ君……ありがとうね。また笑わせようとしてくれたんだよね?」

ヒメグマ「えー?なんのこっちゃ」

チラーミィ「ふふ……。でもね、その……」

チラーミィ「直接……わらってって……言って欲しいなぁ……なんて//////」チラミチラミ

ワンリキー(あらまストレートですこと。さて、ヒメグマの反応は……)

ヒメグマ「君の笑顔がみたい」

チラーミィ「////////」

ワンリキー(チラーミィに
こうかは ばつぐんだ!)

チラーミィ「ひ、ヒメグマくん!助けてくれてありがとうね//////////」ニコッ

ヒメグマ「いいんだよ。うん、やっぱり君は笑顔が一番だね」

チラーミィ「えへへ……//////」
 ▼ 312 ガミミロップ@さらさらいわ 16/02/25 18:18:41 ID:kfEckkn. [5/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヨーテリー「ワンリキーさん……」

ワンリキー「どうかしました?」

ヨーテリー「ヒメグマさんは……」

ワンリキー「おそらく気づいてないですね」

ヨーテリー「えぇっ!?あそこまでアピールしているのに?」

ワンリキー「あのくっさい言葉も、深い意味は込められていません」

ヨーテリー「鈍感……すぎません?」

ワンリキー「もう何も言わんでください……」

ヨーテリー「すみません……」

ワンリキー(頑張れチラーミィ……負けるなチラーミィ)

ヨーテリー(あきらめるな……)

ハーデリア(頑張れ……)

ワンリキーと周りにいたハーデリア達は、彼女を心の中で必死に応援したという。
 ▼ 313 マンタ@タポルのみ 16/02/25 18:22:33 ID:kfEckkn. [6/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「まあでも、こうして僕達が無事なのも……」

ヒメグマ「全部マグマッグのおかげだよ。君がいなきゃヘルガーに勝つことは出来なかった……」

チラーミィ「貴方には助けられてばかりですね……」

ワンリキー「ゆっくりやすめよ……」

三匹は、マグマッグに向かって深々と頭を下げる。

ハーデリア達も、マグマッグへの尊敬と感謝の意を込めて、黙祷を捧げていた。

静かに眠る彼の表情が、少し穏やかになった気がする。

その様子を、ムーランドは優しげな眼差しで見守っていた。

ムーランド(あれこそ……。いや、言葉に出来ないな)

ムーランド(唯唯……美しいのだ)
 ▼ 314 ンダー@チルタリスナイト 16/02/25 18:27:11 ID:kfEckkn. [7/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ガタゴト……ガタゴト……

ムーランドの引く荷車はゆっくりと村を目指す。
たまに揺れることもあるが、 決して不快なものではない。

不快と言えば……

ヘルガー「ああぁぁぁぁ!!放せぇぇぇ!!俺を解放してくれぇぇぇ……」

ワンリキー「あいつどうにかなんねぇか?」

ヒメグマ「なんか悪いことしちゃったなぁ……」

後方の荷車からヘルガーの叫び声が、せわしなく聞こえてくるため、ワンリキーは少々イラついていた。

ちなみに、ヒメグマ、ワンリキー、チラーミィ、マグマッグの四匹は前方の荷車に乗せて貰っている。
 ▼ 315 ーダル@いんせき 16/02/25 18:30:07 ID:kfEckkn. [8/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「別にお前は悪くねぇさ。それよりも……」

ヒメグマ「そうだね……」

ヒメグマとワンリキーは、ぐっすりと眠るチラーミィの方に目を向ける。

チラーミィ「すぅ……すぅ……」

ヒメグマ「よっぽど疲れたんだね……。お疲れ様……」

ヒメグマは寝息を立てるチラーミィに、にっこりと微笑む。

ワンリキー「起こしたら悪いよな。たく、空気を読めっての……」

二匹の思いが通じたのか、後方の荷車からヘルガーの叫び声が全く聞こえなくなった。
 ▼ 316 スキッパ@どくけし 16/02/25 18:31:12 ID:kfEckkn. [9/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキー「ん?……もしや」

ムーランド「どうやら眠ったようだな。体力の限界がきたのだろう。しばらくは目を覚まさないハズだ」

ワンリキー「"はやおき"でまた目覚めるのでは?」

ムーランド「心配するな。早くても明日の昼ぐらいまでは眠り続けるだろう。そういう君達は眠らなくても良いのか?」

ワンリキー「体は疲れているんですけど、何故か眠れないんですよね」

ヒメグマ「自分の枕でぐっすりと眠りたいなぁ……」

ムーランド「ははは。無茶はしないでくれよ?」

ワンリキー「はい」

ヒメグマ「はーい」
 ▼ 317 ドラン@そうこのカギ 16/02/25 18:32:02 ID:kfEckkn. [10/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワンリキーは、ふと視線を上へとうつす。
陽は沈み、青かった空は黒で塗り潰されている。

夜は自分達の時間だと言わんばかりに輝く星々は、見ているだけで活力を与えてくれる。

ワンリキー(そういや……)

ワンリキーは、布でくるまれたマグマッグに目を向ける。

ワンリキー(お前と出会った日も……こんな夜空だったよな)

『いつも見てる夜空より、綺麗だなぁ〜って……』

ワンリキー(今日の夜空は……歪んで……よく見えねぇな)
 ▼ 318 ガハガネール@じゅうでんち 16/02/25 18:32:44 ID:kfEckkn. [11/11] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヒメグマ「……」

ガタゴト……ガタゴト……

星明かりに照らされ、二台の荷車は進み続ける。

静かな夜の森林に、荷台の揺れる音が鳴り響いては消えていく。

目指すのは、世界一暖かい場所だ。
 ▼ 319 ニガメ@かわらずのいし 16/02/25 19:46:06 ID:t0sgzD6Y [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
しばらくして……

ムーランド「見えてきたぞ。我々の村だ……」

ヒメグマ「帰って来たんだね……」

ワンリキー「ああ。すげぇ懐かしく感じるな……」

ムーランド「む?見たまえ」

村の入口には、村長や村の重鎮。ハピナスにタブンネ。そしてチョロネコを含めた患者が集合していた。

ヒメグマ「みんな……」

ワンリキー「全員ボロボロじゃねぇか。無理しやがってよ……」

ムーランド「それだけ君達の帰りが待ち遠しかったんだ。よっ……と」

ムーランドは、引いていた荷車を村の前で停めた。

ムーランド「さぁ、降りて無事を伝えてやってくれ。君達にしか出来ないことだよ」
 ▼ 320 ワパレス@タイマーボール 16/02/25 19:47:24 ID:t0sgzD6Y [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヒメグマ「はい。……チラーミィは……」

ワンリキー「……起こすか。ちょいと可愛そうだが……」

ワンリキー「おーい、起きろチラーミィー?」ポンポン

ワンリキーはチラーミィの肩を叩きながら呼び掛ける。

しかし、チラーミィは目を覚まさない。

ワンリキー「起きろーい」ユサユサ

ワンリキーはチラーミィを揺する。

しかし、チラーミィは目を覚まさない。

ワンリキー「うーむ、起きない」

ヒメグマ「起きてー、チラーミィ?」

チラーミィ「ふぇ……?あ、ヒメグマくん……。おはよぉ……」

ヒメグマ「まだ夜だけどね」

チラーミィ「あ……、恥ずかしい……////」

ワンリキー「何故なんだ……」
 ▼ 321 リムー@おはなのおこう 16/02/25 19:48:11 ID:t0sgzD6Y [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「まあいいか。ムーランドさん少し良いですか?」

ムーランド「なんだね?」

ワンリキー「マグマッグの事なんですけど……」

ムーランド「……了解した。手筈はこちらで整えておくよ」

ワンリキー「何から何まですみません」

ムーランド「良いんだよ。それよりも早く皆を安心させてやってくれ」

ワンリキー「はい。お世話になりました」

そう言うとワンリキーはヒメグマ達と一緒に荷車を降りていった。

ムーランド(どこまでも……優しい若者達だな……)

村民達に囲まれ、揉みくちゃにされる三匹を、ムーランドはいつまでも見守っていた。
 ▼ 322 ガギャラドス@げんきのかけら 16/02/25 19:49:32 ID:t0sgzD6Y [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「もう体は大丈夫なんですか?」

チョロネコ「はい。貴方達のお陰ですっかり良くなりました!」

ヒメグマ「良かったよ〜……わあっ……!」

ムクホーク「盗賊団のボスを倒したんだろ!?スゲェよお前らぁ!」

メブキジカ「ムクホーク叩きすぎだっ!」

カエンジシ「落ち着け。興奮するのは分かるが……」

ヒメグマ「ははは……いでっ」
 ▼ 323 ビィ@はっきんだま 16/02/25 19:50:43 ID:t0sgzD6Y [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
チラーミィ「チョロネコさん。お元気そうで何よりです!」

チョロネコ「うふふ……ありがとね!」

チラーミィ「えへへ……ひゃっ!」

ペルシアン「もぉーこんなにボロボロにして!」

チラーミィ「ペ、ペルシアンさんだって傷だらけじゃ……」

ペルシアン「問答無用!一緒にお風呂いくわよ!」

チラーミィ「ひ、引っ張らないでください〜!」

ワンリキー「すみませんね。騒がしい連中で」

チョロネコ「いいんですよ!無事に帰って来てくれただけで充分なんですから」
 ▼ 324 イガニ@あかいいと 16/02/25 19:52:15 ID:t0sgzD6Y [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「そう言って貰えるとありがたい。……チョロネコさん」

チョロネコ「はい?」

ワンリキー「先生は……」

チョロネコ「あら?見当たりま……」

ワンリキー「どうしま……ァ」

ハピナス「私がどうかしたの?」
 ▼ 325 ゲボウズ@はつでんしょキー 16/02/25 19:53:34 ID:t0sgzD6Y [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワンリキー「せ、先生〜。こんな遅くにお勤めご苦労様です〜」

ハピナス「あらどうも。それより……約束したよね?」

ハピナス「絶対に無茶しないって……」

ハピナス「先生との約束を守れない子には……」

ワンリキー「た、タブンネさぁん……」

タブンネ「だ、大丈夫よ。……たぶんね」

ワンリキー「多分!?チョロネコさん、助けてぇ……」

チョロネコ「南無……」

ワンリキー「拝むなぁ!!」

ハピナス「お仕置きよ」

ワンリキー「い、嫌だあぁぁぁ!!!死にたくなないぃぃぃ!!」

ハピナス「何を言ってるの。治療よ。でも、ちょっと荒療治になるかも……」

ワンリキー「か、勘弁してくれぇ……」
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