【無人島SS】“私”自身を知るために:ポケモンBBS(掲示板) 【無人島SS】“私”自身を知るために:ポケモンBBS

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【無人島SS】“私”自身を知るために

 ▼ 1 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:00:52 ID:1OAyJl3o [1/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
以前名無しで書いたSSを、この企画用に改変したものです
企画者様より許可を頂き、冒頭シーンをいくらか改変させてもらっています

無人島SS企画 本スレ
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=245182
 ▼ 2 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:02:39 ID:1OAyJl3o [2/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
──…とある客船にて。



「え〜、皆さん。本日は御集まり頂き誠にありがとうございます。」


立派な髭を携えた中年の船長が、そう乗客たちに告げる。

この船はリゾート地行きの豪華客船。

大金をはたいて買ったチケットで乗船した者、はたまた偶然に抽選が当たりチケットを入手した者など、沢山の客が入り混じった、言わばバカンスツアーだ。



「おっ、君のポケモンかっこいいね!
なんて言うポケモンなの?」

「こいつか?
こいつの名前は…。」


初対面の相手と話を弾ませる者、そうでない者。

また、人間だけではなく、こっそり乗り込んだ野生のポケモン達も…。

たくさんの客がこのツアーを楽しんでいた。
 ▼ 3 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:07:23 ID:1OAyJl3o [3/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかし数時間後、順調に進んでいた客船に異変が起き始める。

船長「ん…?」

サメハダー「サメ…?」

操縦室にて舵をとっていた船長とその相棒、サメハダー。

船長はサメハダーの『なんだ?』と言わんばかりの鳴き声に応じることなく、みるみると血相を変えた。

船長「…何故だ…!?
舵が…言う事を聞かない…!!」

サメハダー「サメッ!?」

思い切り舵を取ろうとする船長だったが、舵はデタラメに動いてしまう。


"グラグラ…。"


「うわぁぁっ!?」

「なんだ!?船が傾いたぞ!?」


船長「…くそっ!!」ダッ

サメハダー「サ、サメ…!?」

船長は舵を取る事を諦め、操縦室を飛び出し、甲板へと駆け出した。
 ▼ 4 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:08:22 ID:1OAyJl3o [4/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
やがて甲板に出た船長は、力の限り叫んだ。


船長「大変だっ、皆聞いてくれ!
舵が…言う事を聞かない!!」


「なんだってぇ!?」

「ど、どうして…!?」


うろたえ始める乗客達。

野生のポケモン達もただならぬ雰囲気に気づいた様だ。

乗客達の一人が言った。


「じゃあ、この船は…?私達はどうなるんですか!?」


船長はその質問に対して、目を逸らしながら言い放った。


「…っ…急いで救命ボートを!!」


「「わあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
 ▼ 5 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:09:26 ID:1OAyJl3o [5/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
途端にパニック状態に陥る乗客達。

揺れる客船。

言う事を聞かない舵。


船長「皆さん、落ち着いて!」


呼びかける船長。

怒号と悲鳴の飛び交う船上。


それは、最悪の事態だった。


サメハダー「どうしましょう…船長!?」

船長「何故だ…船の整備は完璧だったはずなのに…!!」

船長「…くそっ!」
 ▼ 6 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:10:06 ID:1OAyJl3o [6/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして、何も出来ぬまま刻一刻とタイムリミットは迫ってきた。

ゴボゴボと船内に水が浸水し、船が沈み始めたのだ。


「うわぁぁっ、死にたくないぃ!!」

「こんな所で…!!」

「くそっ…!!」

「お、俺は逃げる!行くぞ、ピジョット!」ポン

「あ、ずりぃぞテメェ!!」


一部の乗客の勝手な行動により、更に船上はパニックになった。

取り残された乗客達は半狂乱で叫び始める者もいた。


…絶対絶命だ。
 ▼ 7 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:11:47 ID:1OAyJl3o [7/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
もうどうしようもない状況で、船長が言い放った。

船長「では皆さん、私はこれで!!」ガシッ

サメハダー「サメ…!?」

全員「「あっ、待てぇぇ!!」」

とうとう船長はサメハダーに捕まって脱出を図った。

が…。

船長「痛っ!?
ちょっ…おまっ…鮫肌が…。」

サメハダー「サメェ…。」

全員「…。」シラーッ

船長「あ…。」

静まり返る船上。そして遂にその時は訪れた。

"ゴボ…ゴボ…"

"ゴボゴボゴボ……───"

全員「「うわああああああああああああ!!!」」


明らかに乗客を見捨てた船長を問い詰める間もなく、船は沈み、乗客達は果てしなく広い海の中へ放り捨てられたのである……─────
 ▼ 8 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:12:22 ID:1OAyJl3o [8/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
【SS】“私”自身を知るために



〜プロローグ 終了〜
 ▼ 9 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:13:22 ID:1OAyJl3o [9/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
(…長らく、意識を失っていたようだ…。)

…。

(ここは。)

(ここは…。)


(…ここは、どこなのだろう…。)

…………………………

“彼”の姿は、人間ではなかった。
だからと言って、この世で人間と共存している生物…ポケモンという訳でもなかった。



彼は…“モンスターボール”の容貌をしていた。
 ▼ 10 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:14:47 ID:1OAyJl3o [10/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
私(最初に気付いた時、その場に転がっていたのは…。)

ただ一つ、そこに存在していたのは。

私(…モンスターボールだ。既に投げられたものなのだろうか。
これが、これが…“私”だと言うのか?)

その時。

???「よ〜し、お利口だ。
大正解だぜ。」パチパチ

私「…誰だ、私に呼びかけるのは?」

???「誰か、か。ハハ、確かにその通りだな。
ここは『死の世界』だ。
ようこそ、新入り君。」

私「…私が、新入り…?」
 ▼ 11 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:15:58 ID:1OAyJl3o [11/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
???「そうだよ。ここは、死んだ魂の集う世界。
魂は、いかなるものにも存在するものさ。
人間であろうが、ポケモンであろうが…。
…“無機物”であったとしてもね。
そして、俺もその魂の一つさ。まぁ、よろしく頼むよ。」

私「私が、死んだ…?
それは、どういうことだ…?」

魂「元来、モンスターボールはポケモンを捕まえる為に開発された道具。」

私「ああ、それは知っている。」

魂「だが、野生のポケモンは必ずしも捕まえられるとは限らない。中には、捕まえきれずにボールから出てしまうことだってある。」

私「何が…言いたいんだ?」

魂「その際、捕まえきれなかったボールは…どうなると思う?」

私「!」
 ▼ 12 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:17:27 ID:1OAyJl3o [12/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
魂「そう、一度投げたボールはたとえポケモンが捕まえられなかったとしても、もはや二度と使えなくなる。
本来の役割…『ポケモンを捕まえる』ということができなくてもな。」

私「…つまり、ここは。
そして、私は…。」

魂「見てわかるだろう?
ここには、死んだボールが一つ転がっているだけ。それ以外何もない。
つまり、君は…そのボールなんだよ。
ポケモンを捕まえられずに死んだ…モンスターボールだったんだよ。」

私「私が…モンスターボール…。」

魂「それにしてもこのボール…ここら辺では見かけないものだな。珍しいものだったのかもしれないな。
まあいい…これから宜しく頼むよ、新入りさんよ。」

こうして、私は『死の世界』の新しい住人となったのであった。
 ▼ 13 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:32:28 ID:1OAyJl3o [13/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
やがて。

私(…この辺りを見回して、わかったことがある。)

ここは、私以外には誰も住んでいない…いわゆる『無人島』だ。

私(そして…そこに沈んでいるのは…。)

…この沈んでいる船は、豪華客船の成れの果て。

「おいおい、俺…死んじまったのか?」

「そんな…こんなところで死ぬなんてぇ…。」

「死にたく…なかったよぉ…。」

「せ、船長である…この私が…。」

私(どうやら、この事故で死んだ魂が、この無人島に集っているようだ。
私も…そんな死んだ魂の一つなのだろう。
…人でも、ポケモンでもないのだが。)
 ▼ 14 さん厨◆Y0TXrTESFs 16/02/07 12:33:47 ID:1OAyJl3o [14/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
だが、私は…。

私(私は…。)

果たして何のポケモンに、投げられたのだろう…?

私(なぜ、船の中で死んだはずの私が、この無人島に転がっているのだろう。
…ここには、ポケモンは一匹も存在しないはずなのに。
そして、私…モンスターボールの種類。こんなボールは今までに見たこともない。
一体、何のボールだったのだ…?)

私は、一体“何”だったのだ…?

私(これを知らずには、文字通り死んでも死にきれない。
…頭の中がモヤモヤする。)

果たして私は“何”を捕まえる為に投げられ、“何”のボールだったのだろうか…?

私(…いつか知る機会が、訪れてほしいものだ…。)
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