サトシ「アルトマーレ展?」【SS】:ポケモンBBS(掲示板) サトシ「アルトマーレ展?」【SS】:ポケモンBBS

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サトシ「アルトマーレ展?」【SS】

 ▼ 1 イナシティの人 14/10/10 01:40:45 ID:.KtgE3nE [1/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
初めまして。いつも皆様のSSを楽しく読ませて頂いており、自分も挑戦してみようと思いました。

内容はスレタイからご想像の通り、サトカノ、サトセレを取り上げたいと思います。

初のSSですので、勝手がわからず、しばらくは安価無しで進めさせて頂きます。お見苦しい面があるかと思いますが、ご指摘、助言等頂ければ幸いです。

一応、工口はありません。……たっ、頼まれたって書きませんよっ! 多分……。

こういった場でSSを書くのは初めてですが、1人のお方にでも楽しんで頂けたら幸いです。それではよろしくお願い致します。

 ▼ 2 イナシティの人 14/10/10 01:45:38 ID:.KtgE3nE [2/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【1】

サトシ 「アルトマーレ展?」

    「ぴかぁ?」

 それは、シャラシティを出発して数日後、とある街のポケモンセンターでのことだ。

セレナ 「そうなの! 近くの街で開かれてるんだって!」

 セレナがスマホのようなDSのような、独特な形のナビを見せてくれた。そこに映されていたのは、エメラルドグリーンに輝く海を背景にした、“アルトマーレ展”の文字。

セレナ 「オメガルビー・アルファサファイアっていうゲームの発売を記念して開かれてるみたいなの」

 彼女は続ける。セレナはいつも、こういうイベントや観光地の情報を教えてくれる。旅を本当に楽しんでるんだな。

ユリーカ 「へぇ〜。わたし行ってみた〜い!」

セレナ 「ね、行こうよサトシ! ジム戦も無事に終わったんだし、少しは観光もしないと!」

シトロン 「僕も賛成です。アルトマーレと言えば、世界で一番美しいと言われる水の都。見ておいて損はないと思いますよ」

 みんな乗り気だ。だったらオレが拒否する理由は無い。それに、懐かしいな、アルトマーレ。

サトシ 「じゃあ行ってみるか!」

ユリーカ 「やったー!」

     「でねね〜!」
 ▼ 3 イナシティの人 14/10/10 01:46:55 ID:.KtgE3nE [3/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
シトロン 「そうそう。アルトマーレと言えば、伝説のポケモン、ラティアスとラティオスが訪れることで有名ですね」

セレナ 「ラティアスと……」

ユリーカ 「ラティオス?」

シトロン 「はい。はるか昔、怪物からアルトマーレを護ったと言う伝説があるんですよ」

セレナ 「ふ〜ん」

ユリーカ 「ユリーカ会ってみたいなぁ〜」

サトシ 「ラティアスとラティオスかぁ。あいつら元気にしてるかな〜」

セレナ 「えっ?」

ユリーカ 「サトシ、ラティアスとラティオスに会ったことあるの!?」

サトシ 「あ、いや……冗談冗談! 早く行ってみようぜ、アルトマーレ展!」

 セレナたちは信用できるけど……こころのしずくのこともあるし、あんまり言いふらさない方が良いよな。でも懐かしいなぁ、アルトマーレ。ラティアス、それに……カノン、元気でやってるかな。

セレナ 「ちょっと待って……あ、ちょうどこのポケモンセンターからシャトルバスが走ってるって!」

シトロン 「それはグッドタイミングですね」

セレナ 「いま9時過ぎだから……20分のバスに乗れそうね」

サトシ 「じゃあそのバスで行くか!」

ユリーカ 「おぉ〜!」
 ▼ 4 ウマ@ピーピーマックス 14/10/10 01:49:14 ID:NkKbWBJw NGネーム登録 NGID登録 報告
カイナシティの人…?
 ▼ 5 ョロネコ@リバティチケット 14/10/10 11:11:54 ID:LypM0/oA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 6 ティアス 心の雫 14/10/10 17:20:06 ID:CVPQSgm6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
カノン好きだからいい
支援
 ▼ 7 イナシティの人 14/10/10 17:38:19 ID:IW6Pui0w [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
みなさま支援ありがとうございます!

――――――――――

シャトルバスは満員で出発した。もともと海に近いこの街で、今日は土曜日。ちょうど観光客で混むタイミングだ。

15分ほどでバスは会場に到着した。海辺の広い公園が会場になっていて、“アルトマーレ展”の幟が至る所に立っている。

見たところ、入口は1つ。運動会で見るようなテントがいくつか立っていて、そこが入場受付のようだ。

シトロン 「うわ〜混んでますねぇ……」

セレナ 「ホントね。やっぱり人気なんだなぁ、アルトマーレ」

テントの受付には、既に長蛇の列が形成されていた。職員の人が最後尾プレートを持って立ってるけど、ざっと30mは並んでいる。

サトシ 「とにかく並ぼうぜ。じゃなきゃいつまで経っても入れないしな」

ユリーカ 「これじゃあ入るまでに日が暮れちゃうよ!」

シトロン 「仕方ないですよユリーカ。順番は順番です」

セレナ 「あっ……ポケモンセンターで前売り券 買えたんだ……」
 ▼ 8 イナシティの人 14/10/10 17:38:58 ID:IW6Pui0w [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ 「ん?」

列に加わって、ふと右を見ると、少し離れた場所に女の子が立っていた。

サトシ 「あれは……」

セレナ 「どうしたのサトシ?」

緑色の服に、白いミニスカート、栗色の特徴的な髪型。

サトシ 「カノン!」
 ▼ 9 ワライド@デボンスコープ 14/10/10 18:19:15 ID:0fVdjvOU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 10 イナシティの人 14/10/10 18:47:49 ID:wJyF33xU [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
間違いない。オレが叫ぶと同時に、カノンは手を振って走って来た。

久しぶりだ。水の都の映画が2002年公開だったから、実に12年ぶりだ。……そんなオレは永遠の10歳だ。
 
 セレナ 「えっ……サトシ誰なのあの子?」

 シトロン 「知り合いですか?」

 ユリーカ 「わぁ……お兄ちゃんをシルブ……」

 シトロン 「わっちょっやめなさいユリーカ!」

 サトシ 「久しぶりだなカノン……っておい!」

カノンは走ってくるや否や、いきなりオレに抱き付いた。凄い嬉しそうな表情の彼女だが、何も発しない。……もしかしてラティアスか?

 セレナ 「ちょちょちょっと……なんでサトシに抱き付いて……」

 ユリーカ 「わぁサトシ、モテモテ〜」

 サトシ 「あぁ、こいつは……っておいラティアス!?」

ラティアスはオレの腕を引っ張って駆け出した。止めようとしたけど、さすがポケモンなだけあって、案外力がある。結局オレは、ラティアスに連れて行かれるしかなかった。


※ 補足:ラティアスとラティオスは、光を屈折させて、自身を人間の姿に変えることが出来る。ただし見た目だけなので、人間の言葉は話せない。映画内では、ラティアスはカノンに姿を変えていた。
 ▼ 11 イナシティの人 14/10/10 20:29:58 ID:0Z4D4KKw [1/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【2】

※ 急なことに唖然とするセレナたちサイド


 セレナ 「なに……今の子……?」

突然のことで、私は何もできなかった。ただ、カノンと呼ばれた女の子の嬉しそうな表情と、サトシの懐かしそうな表情から、悪い人ではないことは分かる。

けど……こんな人前でサトシに……抱き付くなんて……。私だって抱き付いたこと1回しかないのに……(小さい頃の話だけど)。

 シトロン 「サトシの感じからすると、知り合いのようでしたけど……」

 ユリーカ 「それに、ラティアスって言ってたよ!」

 シトロン 「そう言えばサトシ、バスに乗る前にもラティアスと……。何かあるんでしょうか?」

 セレナ 「はっ。追ってみましょ!」

とにかく、居ても立ってもいられない。サトシとどういう関係なのか、きちんと聞き出さないとっ!

 ユリーカ 「うん! お兄ちゃん早く〜!」

 シトロン 「まっ……待ってくださ〜い!」
 ▼ 12 イナシティの人 14/10/10 21:37:37 ID:.KtgE3nE [4/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ達が向かった方向は、ほとんど一本道。公園に沿った遊歩道みたいになっていて、しばらく走ると、公園を囲むように左にカーブする。その先は……海だった。

 セレナ 「あれ? 行き止まり……?」

海と言っても海岸では無く、お洒落な柵がある岸壁。公園と反対側は小高い丘になっているし、他に行けそうなところなんて……。

 ユリーカ 「セレナ見て見て! ここから公園に入れるよ!」

 セレナ 「え? どこどこ!?」

ユリーカが指さしたのは、公園の植え込みだ。背丈ほどある植え込みだけど、なるほど、少し隙間がある。手前の柵さえ越えれば、そこから入れそうだ。

 シトロン 「はぁっ……はぁっ……やっと追いつきましたぁ……」

 ユリーカ 「お兄ちゃん遅い!」

 セレナ 「シトロン、ここから公園に入りましょ。きっとサトシはこの中だわ!」

 シトロン 「えっ……でも入場券を買わないと、不法侵入になるんじゃ……」

 セレナ 「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

 ユリーカ 「そうだよ! サトシだけ先に入ってずるい!」

とにかく早くサトシを見つけないと。……柵を跨ごうとして、私はハッとする。
 ▼ 13 イナシティの人 14/10/10 22:10:04 ID:Ijb8YYrQ [1/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナ 「シトロン……ちょっとあっち向いてて」

シトロン 「えっ? どうしてですか?」

セレナ 「……私スカートでしょ!?」

シトロン 「あっ……はい! すみません……」

ユリーカ 「も〜お兄ちゃんはホント女の子のこと何にも分からないんだから〜」

シトロン 「すみません……」
 ▼ 14 イナシティの人 14/10/10 22:20:04 ID:Ijb8YYrQ [2/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
植え込みを抜けて、藪のような、林のような所を進む。公園の隅はこうなっているみたいだ。枝の上にはヤヤコマやポッポが、木の根元にはパラスやサンドがうろちょろしている。

 セレナ 「ポケモンがいっぱいね〜」

 ユリーカ 「でも蚊もいっぱいいる〜かゆ〜い!」

 シトロン 「若い人の血は美味しいって言いますからね。後でムヒ塗ってあげますよ」

林を抜けると、パッと視界が明るくなって、青い海と賑わう人だかりが目に飛び込んできた。

 ユリーカ 「うわぁ凄い人……」

 セレナ 「どうしよう……これじゃあサトシがどこにいるか分からない……」

 シトロン 「ふっふっふっ……。サイエンスが未来を切り開くとき! シトロニックギア、オン! このような局面を想定して用意しておいたナイスなマシン! 名付けて、“どこどこ人探しマシーン”!」ドヤァ!

 ユリーカ 「ネーミングそのまんま……」

 シトロン 「このマシンを使えばサトシはあっという間に……」

― ぽちっ!
 ▼ 15 イナシティの人 14/10/10 23:00:09 ID:9yeO4Bak [1/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
― どっかぁぁぁん!!!

 セレナ 「……大丈夫シトロン?」

 ユリーカ 「あ〜あ」

 シトロン 「こんな……はずでは……ケホッ」

 警備員1 「なんだ今の爆発音は!?」

 警備員2 「君の仕業か!? ちょっと来なさい!」

 シトロン 「えぇっ!? 僕は何も……」

 警備員1 「爆発が何もない訳あるかっ!」
 
 シトロン 「うわぁぁぁぁぁ」

シトロンは警備員2人に連れていかれた。

 ユリーカ 「あーあお兄ちゃん……」ヤレヤレ

 セレナ 「こればっかりは仕方ないわね。私たちだけでサトシを探しましょ」

 ユリーカ 「うん!」
 ▼ 16 イナシティの人 14/10/10 23:10:04 ID:9yeO4Bak [2/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
【3】

※ こちらはラティアスに連れていかれた時点でのサトシ視点。【 】内の番号が変わるごとに、一人称の視点が変わります。


 サトシ 「おいラティアス! いったいどこに……」

     「ぴぃかぁちゅぅ……」

ラティアスはオレの手を掴んだまま、遊歩道を駆けて行く。公園の裏手へまわると、背丈ほどの柵を軽々とジャンプして飛び越えた。

 サトシ 「あっ……」

スカートがふわっとめくれ上がる。けっこう高くジャンプしたせいで、緑と白の縞模様の下着が、一瞬オレの目の前を横切った。

これ、カノンの……って、何考えてんだオレは!?

 サトシ 「ラティアス、カノンの恰好なんだから、あんまりはしゃぐと……」

ラティアスは なおもオレの手を引っ張る。仕方なくオレも柵を飛び越え、ラティアスに着いて行く。植え込みを抜け、林に入ったところで、ラティアスは立ち止まった。

そして、カノンの恰好からラティアスへと変化した。
 ▼ 17 イナシティの人 14/10/10 23:20:03 ID:9yeO4Bak [3/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「やっぱりラティアスだったかぁ!」

     「ぴっかぁ!」

     「くぅ〜〜きゅぅ〜〜」スリスリ

 サトシ 「ははっくすぐったいぜラティアス〜」

     「くぅ〜んきゅ〜ん」ペロペロ

 サトシ 「ホント久しぶりだな〜」ナデナデ

     「くぅん!」

 サトシ 「あっラティアス?」

ラティアスは手招きしながら一鳴きすると、林の出口の方へ飛び、姿を消してしまった。

 サトシ 「こっちに来いって言うのか?」
 
     「ぴかちゅ!」
 
 サトシ 「そっか。じゃあ行ってみるか!」

     「ぴか!」
 ▼ 18 イナシティの人 14/10/10 23:30:03 ID:9yeO4Bak [4/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
林を抜けるともう会場のようで、凄い人だかりだった。ピカチュウは匂いで分かるのか、ぴょこぴょこ跳ねながらオレの前を進んで行く。

2,3分歩いて、ピカチュウは建物の前で立ち止まった。

     「ぴかぴ、ぴかぁちゅぅ!」

 サトシ 「この中なのか?」

よくよく見ると、建物は平屋のプレハブだった。けど奥行きは結構あるし、側面は海とポケモンのイラストが描かれている。屋根の脇に“スーパーハウス”と書かれているが、どの辺が

スーパーなんだろうか。

入ってみると、アルトマーレの歴史に関する資料や写真が展示されていた。特設の展示場と言ったところかな。ラティアスとラティアスの像や、大聖堂の写真や設計図もある。

 サトシ 「懐かしいなぁピカチュウ」

     「ぴっかぁ〜」

展示場をひと通り見て回り、出口に近付くと、絵の展示コーナーがあった。

そしてその脇に、少女は立っていた。緑色の服に、白いミニスカート、栗色の特徴的な髪型と、白い帽子。
少女は年配のおばあさんと、顔を赤らめながら話している。

そっか、ここは、カノンが描いた絵を展示してるんだな。

カノンとおばあさんの会話が終わったので、オレは声をかけた。
 ▼ 19 イナシティの人 14/10/10 23:40:00 ID:9yeO4Bak [5/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ 「カノン!」

カノン 「えっ……あれっ? サトシ君!?」

サトシ 「久しぶりだな! やっぱりカノンも来てたんだな!」

カノン 「わぁ久しぶりだねサトシ君! あれ? 私“も”って?」

サトシ 「あぁ。さっきまでラティアスと一緒だったんだ」

カノン 「も〜ラティアスったら……勝手に動いちゃダメって言ったのに……」

サトシ 「いいじゃん。お陰で久しぶりに会えたんだからさ!」

カノン 「うん、そうね。……ピカチュウ、久しぶり」

    「ぴ〜っかぁ〜!」
 ▼ 20 イナシティの人 14/10/10 23:50:00 ID:9yeO4Bak [6/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
??? 「あれぇ? サトシ君じゃないか」

サトシ 「……アーティさん!」

アーティ 「久しぶりだね。聞いたよ、イッシュリーグ、ベスト8まで進んだんだってね」

サトシ 「いやぁ……みんなのお陰です。それに、オレがもっとしっかりしていれば、もっと上も目指せたんですけど……」

アーティ 「その想いこそ大切だよ。絵にしてもバトルにしても、反省があるからこそ次につながる。その気持ちを持っていれば、次は良い成績を残せるさ」

サトシ 「はいっ! ……ところで、アーティさんはどうしてここに?」

アーティ 「うん。実は僕、以前アルトマーレに絵の旅行に行っててね、アルトマーレ展の実行委員会から、僕の絵を展示して欲しいって頼まれたんだ」

カノン 「実は私も。アーティさんの絵には敵わないけどねっ」

アーティ 「そんなことないさ。君の絵は実に美しい。少女の純粋な心が宿っているかのような、とても暖かい色合いに筆遣い……。絵は100人見れば100人種類の感想が出る……上手い下手なんて関係ないのさ」

カノン 「ふふっ。ありがとうございます」
 ▼ 21 イナシティの人 14/10/11 00:00:00 ID:0Z4D4KKw [2/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
アーティ 「ところで、君はサトシ君と知り合いなのかい?」

カノン 「はい」

サトシ 「昔会ったっきりで、たまたまここで出会えたんです」

アーティ 「そうか。……それじゃあここは僕が対応するから、君はサトシ君と遊んできなよ」

カノン 「えぇっ? そんな悪いですよ、アーティさん……」

アーティ 「いいのさ。久しぶりに再会したんだ、明日にはアルトマーレ展も終わっちゃうんだし、最後くらい楽しんできなよ。いや、楽しんできなさい」

カノン 「それじゃあ……申し訳ないですけど、お言葉に甘えて……」

サトシ 「ありがとうございます、アーティさん!」

アーティ 「いいのさ。芸術は、人と人との触れ合いでも成長するものさ。恋愛のように甘く切ない想いも、また必要な時もあるんだよ」

カノン 「ア……アーティさん……」カァッ

サトシ 「レンアイって、新しいポケモンか?」

    「ぴかぴっ……」
 ▼ 22 イナシティの人 14/10/11 00:10:00 ID:0Z4D4KKw [3/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ホント久しぶりだよなぁ〜。ボンゴレさんは元気?」

展示場を出てすぐ、サトシ君が口を開いた。懐かしいなぁ。また会えるなんて、思ってもいなかった……。

 カノン 「えぇ。まだまだゴンドラ修理は現役よ」

 サトシ 「そっか。で、ここへはカノンとラティアスだけ?」

 カノン 「うん。おじいさんとラティオス達は、秘密の庭とこころのしずくを護る役割があるから。ホントは、私だってアルトマーレから出ちゃいけなかったんだ」

 サトシ 「え? そうなのか?」

 カノン 「うん……。先祖代々、こころのしずくを護る役割を担ってきたから。でも、おじいさんが行かせてくれたんだ、たまには息抜きも必要だって」

 サトシ 「そうだったのか。大変なんだな、カノンたちも……」

 カノン 「ううん、それが私たちの定めだもん。それで……ラティアスも連れてきてあげたんだ。ね?」

私は、さっきからずっと透明になって私たちの上を飛んでいるラティアスに、アイコンタクトを送った。

 サトシ 「え? いたのかラティアス」

ラティアスは、ふわっと暖かい風を送って応えてくれた。
 ▼ 23 イナシティの人 14/10/11 00:20:01 ID:0Z4D4KKw [4/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ 「そうだ、セレナたちを探さないと……」

カノン 「……お友達?」

サトシ 「あぁ。いま旅してる仲間なんだ。ラティアスと一緒に入ったから、……もしかしたら、みんなまだ受付で並んでるかも」

 サトシ君、相変わらずお友達と旅してるんだ。羨ましいな。

カノン 「それじゃあ……、もし良かったら、少し一緒にまわらない? みんなが来るまで」

サトシ 「……そうだな。変に探して行き違いになっても困るし。いいぜ!」

カノン 「ホント? ありがとう!」

――――――――――

何か連続投稿で自己満足っぽくなってしまっていますが、気にせずそのまま行きます。
 ▼ 24 イナシティの人 14/10/11 00:30:00 ID:0Z4D4KKw [5/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【4】

 ユリーカ 「サトシいないね〜」

ホント、あの子は誰なんだろう……。サトシとどういう関係なんだろう……。

 ユリーカ 「あ、りんご飴!」

……まさか、サトシの彼女とか!? そんな……だってこの前、お嫁さん候補はいないって言ってたじゃない!

 ユリーカ 「わぁラティアスとラティオスのペンダントだ! かわいぃ〜!」

それに、サトシが私を旅に誘ってくれたんじゃない。彼女がいるのに誘う訳ないわよね!

 ユリーカ 「あ、射的がある! 可愛い景品あるかも……セレナ?」

うん、きっと大丈夫。あの子はサトシの彼女じゃない。……でも、だとしたら、急に抱き付いたりするの……?

 ユリーカ 「セレナぁ?」

 セレナ 「……えっ、あ、ごめんねユリーカ、どうしたの?」

 ユリーカ 「セレナこそどうしたの? さっきから顔ちょっと怖いよ」

 セレナ 「えっ……うっ……やだぁ」

 ユリーカ 「変なセレナ。ねぇ、あそこの射的行ってみようよ!」

 セレナ 「えぇ。じゃあ少しだけね」

早くサトシを見つけて、あの子のことを問い詰めたい。……でも、ユリーカの前で悶々するのも大人げない。少しだけ、射的を覗いてみることにした。
 ▼ 25 イナシティの人 14/10/11 00:40:01 ID:0Z4D4KKw [6/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【5】

カノン 「あ、サトシ君、お腹空いてない?」

サトシ 「ちょっと空いてきたかな。朝飯は8時前だったし」

カノン 「ってことは、もう2時間も前ね。あそこのクレープ屋さん行こうよ。私、出展者だから優待券あるんだ♪」

サトシ 「クレープ屋さん……そう言えばアルトマーレにも美味しいクレーム屋さんがあったっけ」

カノン 「うん。そこのお店が、ここで出張販売してるんだ! 行こ!」



店員 「いらっしゃいカノンちゃん。お休みかい?」

カノン 「はい。おばさん、お客さんの入りはどうですか?」

店員 「9時の開場と同時に長蛇の列さ。ちょうど一段落したところだよ」

カノン 「ふふっ。繁盛してそうですね!」
 ▼ 26 イナシティの人 14/10/11 00:50:00 ID:0Z4D4KKw [7/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ 「おぉ〜美味そぉ〜!」

カノン 「私はカスタードをお願いします。サトシ君は何味にする?」

サトシ 「そうだな〜バナナは前に食べたから……ピカチュウ、好きなの選べよ」

    「ぴっかぁ〜♪」

カノン 「サトシ君、優しいんだね」

店員 「おやおや……ひょっとしてカノンちゃん……彼氏かい?」

カノン 「えっ……ち、ち、違いますよっ!」

店員 「おやおや〜カノンちゃん大人しい割に、そういう所はしっかりしてるんだね〜」

カノン 「も〜おばさん……」

    「ぴかぁ!」

サトシ 「お、それか! じゃあこの……いちごジャムのを下さい!」

店員 「はいよ。お兄ちゃん、カノンちゃんをヨロシクね!」

サトシ 「えっ何のこと……ですか?」

店員 「またまたとぼけちゃって〜。はい、ジャムちょっとオマケしといたからね!」

サトシ 「おぉ! ありがとうございます!」

カノン 「(もぉ……呑気なんだから……)」
 ▼ 27 イナシティの人 14/10/11 01:00:00 ID:.KtgE3nE [5/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【6】

運営本部、警備員室。

シトロン 「ですから……あれはテロなどでは無く、単純な設計ミスで……」

警備員1 「それは何回も聞いてる。爆発してテロじゃないって言われて、信じられると思うのか!?」

警備員2 「しかもバッグの中身だ。ハンダに金槌に精密ドライバーに……針金や怪しい基盤まで。正直に言いなさい。これで爆破テロを起こそうとしていたんだろ!?」

シトロン 「違いますよ! 何と説明すればいいか……」

警備員2 「……これは何だ?」

シトロン 「はい、それは目分量で切り分ける際の不平等感を無くすため、0.1mm単位で同等に切り分ける“正確にキリワケール”という……」

警備員1 「……じゃあこれは?」

シトロン 「はい、古今東西あらゆる芸術作品のデータを搭載し、究極に崇高なる芸術センスを有するマシンの改良版、“生け花君2号”です!」

警備員1 「……ちょっとこの辺のやつX線検査。爆薬とか入ってないか調べといて〜」

シトロン 「で・す・か・ら〜!」
 ▼ 28 イナシティの人 14/10/11 01:10:00 ID:.KtgE3nE [6/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【7】

 サトシ 「ピカチュウ……がっかりすんなって。美味しかっただろ、クレープ?」

     「ぴか……」

確かに食べ物に関する絶望感が堪えるのは分かる。でもピカチュウさぁ……。

 カノン 「どうしちゃったのピカチュウ?」

 サトシ 「あぁ……クレープ選ぶとき、見本を見て選んだだろ? ピカチュウ、いちごジャムをケチャップと勘違いしてたみたいで……」

     「ぴかちゅう……」ムスッ

まぁ、見本の写真じゃジャムとケチャップは見分けつかないか。

 カノン 「ピカチュウ、ケチャップ好きなのねっ」

 サトシ 「機嫌直せって。今夜はオムライスにしてやるから」

     「……ぴっかぁ!」

 カノン 「ふふっ。……あ、サトシ君、ほっぺにジャムが。ちょっと動かないで」

 サトシ 「えっ?」
 ▼ 29 イナシティの人 14/10/11 01:20:00 ID:.KtgE3nE [7/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
慌てて手で拭おうとしたけれど、カノンの顔がすぐ近くまで迫って来て、オレは手の動きを止めた。カノンはポッケからハンカチを取り出し、オレの頬を優しく撫でた。

 カノン 「はい、取れたわよ」

 サトシ 「お、おう、サンキュー」

こんなに顔を近づけられると、やっぱりドキドキしてしまう。しかもカノンには……前にキスされたこともあるし、変に意識してしまう。

 サトシ 「お、射的だ。……ちょっとやっていいか?」

 カノン 「えぇ。やっぱり男の子って、こういうの好きなんだね」

 サトシ 「まぁな」

単に遊ぶだけじゃないぜ。狙いを定めて……

― スコーン!
 ▼ 30 イナシティの人 14/10/11 01:30:00 ID:.KtgE3nE [8/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
― ぽてっ

 店番 「やったね兄ちゃん、ほら、景品だ」

 サトシ 「よっしゃ! ありがとうございます!」

 カノン 「サトシ君うま〜い!」

 サトシ 「へへっ。……カノン、ちょっと手のひら出してみて」

 カノン 「え? こう……?」

 サトシ 「これ、あげるよ!」

≪ピカチュゥ♪≫

 カノン 「わぁ! このピカチュウのおもちゃ……しゃべるんだ! 貰っていいの?」

 サトシ 「“てのひらピカチュウ”って言うんだぜ。クレープ奢ってもらったお礼さ」

 カノン 「……ありがとう。大切にするねっ」

カノンは少し頬を赤らめて、満面の笑みを見せてくれた。その表情が、オレにとっても嬉しかった。


 *** 「サトシー!」

 サトシ 「あ!」


※追記:“てのひらピカチュウ”を知っているか知らないかで、だいたいの年齢が分かりますよね。
 ▼ 31 イナシティの人 14/10/11 01:33:33 ID:.KtgE3nE [9/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
今日はこの辺で終了させて頂きます。
閲覧して下さった方、ありがとうございました。

この先、セレナとカノンの絡みになりますが……ずっと連続投稿で大丈夫なんですかねコレ?
 ▼ 32 ライガー@りゅうのウロコ 14/10/11 10:14:24 ID:RAQt81.o NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>31
おもしろいからいいよ
 ▼ 33 ガサーナイト@たんちき 14/10/11 11:54:38 ID:W4EBaxeA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 34 イナシティの人 14/10/11 12:00:00 ID:Ijb8YYrQ [3/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
みなさま支援ありがとうございます!
ストーリーは大方完成しているので、短期間での完結を目指します。

――――――――――

【8】

 ユリーカ 「あ、サトシだ!」

 セレナ 「えっ!?」

少し先にある射的の屋台に、確かにサトシがいた。……あの子も一緒だ。2人の距離近い……それに楽しそう……。

 ユリーカ 「あぁ! サトシ何か渡したよ!」

もしかして……射的の景品をプレゼント!? なんでそんな……カップルみたいなことを……!?

 セレナ 「行くわよユリーカ!」

 ユリーカ 「うん!」

 セレナ 「サトシー!」
 ▼ 35 イナシティの人 14/10/11 12:10:00 ID:Ijb8YYrQ [4/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
【9】

 サトシ 「あ! セレナ、ユリーカ!」

声がした方を振り向くと、2人が駆けて来た。良かった、ひとまず合流できた。

 ユリーカ 「もぉ〜探したんだから〜!」

 サトシ 「ごめんごめん。紹介するよ、カノンだ」

 カノン 「初めまして、カノンです。アルトマーレに住んでいて、ここの絵の出展で来たの」

 ユリーカ 「あたしユリーカ! こっちはデデンネ!」

      「ねねね〜」

 カノン 「よろしくね、ユリーカちゃん」

 セレナ 「私は……セレナ。2人は知り合いなの?」

 サトシ 「あぁ。オレ前にアルトマーレに行ったことがあって、そこで知り合ったんだ」

 ユリーカ 「そうだったんだ〜」

 サトシ 「ところで、シトロンは?」

 ユリーカ 「お兄ちゃんなら、また発明が爆発して、危ない人に間違えられて連れてかれちゃった!」

 サトシ 「えっ……?」
 ▼ 36 イナシティの人 14/10/11 12:20:00 ID:Ijb8YYrQ [5/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
【10】

運営本部、警備員室前。

 シトロン 「いやぁ、助かりました。皆さん、本当にありがとうございました!」

 サトシ 「気にすんなって!」

 ユリーカ 「あのジュンサーさんがいてくれて良かったね!」

そう、たまたま警備で増員されたジュンサーさんの中に知り合いがいて、事情を説明して解放して貰ったのだ。

その人は、コフーライを密売していたワリオみたいなオッサンを、一緒に逮捕したジュンサーさん。

ジュンサーさんはあの時、シトロンの発明が爆発したの見ている。

シトロンが起こした爆発はテロじゃないって、きちんと説明してくれた。
 ▼ 37 イナシティの人 14/10/11 12:25:00 ID:Ijb8YYrQ [6/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「ですが、事情説明のせいでもうお昼になってしまいました……。せめてものお礼に、お昼ご飯はご馳走させてください。勿論、カノンさんも」

 サトシ 「いいのかシトロン!?」

 カノン 「そんな悪いわよ私まで……」

 ユリーカ 「いいのいいの! カノンお姉ちゃんも一緒に食べようよ!」

 シトロン 「会場内で料理はできませんので、フードコーナーに行ってみましょう。アルトマーレの料理が食べられると思いますよ」

 サトシ 「いいな! さっそく行こうぜ!」

 ユリーカ 「わーい!」

 カノン 「じゃあ……私もお言葉に甘えて」

 シトロン 「どうぞ遠慮なさらずに」

 サトシ 「……ん? どうしたセレナ?」

いつもなら はしゃぐはずのセレナが、何故かさっきから黙りっぱなしだ。何かあったのか……?

 セレナ 「……ううん、なんでもない」
 ▼ 38 イナシティの人 14/10/11 12:30:00 ID:Ijb8YYrQ [7/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「は〜美味かった!」

 カノン 「ふふっ……サトシ君、食べるの早いね」

 ユリーカ 「そうだよ〜。私まだ半分も残ってるのに」

 サトシ 「だってこのアサリのスパゲッティ美味くてさ〜!」

 カノン 「でしょ。サトシ君たちが食べてるアサリのパスタと、ユリーカちゃんたちが食べてるエビとズッキーニのパスタは、アルトマーレのポピュラーな料理なの。どこの家庭でも、週1回は食べてるくらいよ」

 シトロン 「そうなんですか。僕もこんど挑戦してみましょうかね」


≪ピンポンパンポーン≫ 

『本日は、アルトマーレ展にお越しいただきまして、ありがとうございます。明日のアルトマーレ展フィナーレイベント“ポケモン水上レース”のお申し込みは、間もなく13時を持ちまして、締切となります。ご参加希望のお客様は、水上レース特設ブースまで、お急ぎお越しください。繰り返し、お客様にご案内いたします。明日の………』

 サトシ 「ポケモン水上レースって……!」

 カノン 「えぇ。サトシ君が参加してたレースよ。この街の運河と海を使って、特別に開催するんですって」

 サトシ 「よ〜し……みんな、オレ明日の水上レース出たい! ちょっと申込みしてくる! 行くぞピカチュウ!」

     「ぴっか!」

 セレナ 「あっサトシ……」

 シトロン 「ははっ。サトシらしいですね」
 ▼ 39 イナシティの人 14/10/11 12:35:00 ID:Ijb8YYrQ [8/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
ユリーカ 「お兄ちゃん……」

シトロン 「どうしました、ユリーカ?」

ユリーカ 「おトイレ行きたい……」

シトロン 「それくらい1人で……そっか、トイレの場所が分からないし、これだけ人が多いと迷子になってしまいますね。一緒に行きましょう」

ユリーカ 「うん」

シトロン 「すみません2人とも、ちょっと外します。すぐ戻りますので」

カノン 「そこの街灯の脇に案内図があるから、見て行った方が良いわよ」

シトロン 「分かりました。それでは失礼します」

セレナ 「あっ……ちょっと2人とも……」


※補足:アルトマーレ料理は、そのままヴェネツィア料理をモデルにしています。
 ▼ 40 イナシティの人 14/10/11 12:40:00 ID:Ijb8YYrQ [9/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
【11】

うぅ……カノンと2人きりになっちゃうなんて……気まず過ぎるわよ。でも、サトシとどういう関係なのかはっきりさせないと!

 セレナ 「ねぇカノン!」

 カノン 「なぁにセレナちゃん?」

 セレナ 「その……サトシとは! どういう関係……なの!?」

 カノン 「えっ……どうって……さっき話した通り、サトシ君がアルトマーレに来た時に知り合ったんだけど……」

 セレナ 「本当にそれだけ?」

 カノン 「えっ……」

 セレナ 「サトシといる時、凄い楽しそうだったし、サトシに射的の景品を貰ってたし……まるで恋人のようだったけど!?」

 カノン 「こっ恋人って……///」

 セレナ 「どうなの!?」


――――――――――

少し休みます。
 ▼ 41 イナシティの人 14/10/11 14:00:00 ID:FGCFEge. [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「恋人なんかじゃないよ、私は。……サトシ君はね、命の恩人なんだ」

 セレナ 「命の……?」

 カノン 「うん。サトシ君がアルトマーレに来た時、悪い人が襲ってきてね、島に昔から伝わるマシンを乗っ取って、悪さをしようとしたの」

 セレナ 「うん……」

 カノン 「私も悪い人に捕まっちゃって、島がもうダメだって時に、サトシ君が助けに来てくれたんだ」

 セレナ 「そうだったんだ……」

 カノン 「カッコ良かったな、あの時のサトシ君。自分の危険を顧みないで、マシンを止めようと全力で……」

そうだったんだ……。危ない所に突っ込んで行くなんて……ふふっ、サトシらしいな。

 カノン 「……私、好きなんだ、サトシ君のこと///」

 セレナ 「え゙っ!?!?」
 ▼ 42 イナシティの人 14/10/11 14:20:00 ID:FGCFEge. [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
カノン 「もう会えないと思って、別れ際におもいきってキスしちゃったんだけど……また会えるとは思わなかったなぁ」

セレナ 「キ、キ、キ、キス!? さっサトシと!?」

カノン 「うん……。サトシ君には迷惑だったかもしれないけど、もう会えないって考えたら、思わず体が動いちゃって……」

セレナ 「でっ……えっ!? その時! その時サトシはななななんて言ったの!?」

カノン 「それは知らないの。恥ずかしくて、キスしてすぐに逃げちゃったから……」

セレナ 「そんな……さっサトシが……」

カノン 「……あ、ごめんなさい! もしかしてセレナちゃん、サトシ君とお付き合いしてるの!?」

セレナ 「えっ……おおお付き合いなんて……そんな……まだって言うか……その……」

カノン 「もしかしてセレナちゃん、サトシ君のこと好き……だよね?」

セレナ 「うっ……だっ……だったら何よ?」

カノン 「……そうなんだ。やっぱり人気なんだな、サトシ君って。……でも安心して、私はサトシ君とお付き合いしようとは……思ってないから」

セレナ 「でもさっき、サトシに抱き付いたじゃない!」

カノン 「ふぇっ!? えっ……私が……サトシ君に!? 抱き付いたって……えっ!?」
 ▼ 43 イナシティの人 14/10/11 14:30:00 ID:FGCFEge. [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナ 「とぼけないでよっ!? あんな人前でいきなり抱き付くなんて……サトシと付き合わないってのも嘘なんでしょ!?」ウルウル

カノン 「そんな……私ホントに……あっもしかしてラティアスなの!?」

セレナ 「ラティアス!?」

カノン 「あっ……」

セレナ 「そうよ、さっきからサトシもラティアスがどうって言ってたけど、ラティアスって伝説のポケモンなんでしょ? もしかして……近くにいるの?」

カノン 「はぁ……つい口走っちゃったなぁ……。大きい声じゃ言えないけど、実は……そうなんだ」

セレナ 「えっ!? どこに……?」

カノン 「ラティアスはね、光を屈折させて、姿を変えたり消したりするの。サトシ君はね、前にラティアスに会ってるんだ。それで……ラティアスまた会えて嬉しかったのね。私の姿を借りて、サトシ君に抱き付いちゃったんだと思う。そうよねラティアス?」

セレナ 「そんなことって……ひゃっ!?」

カノン 「ふふっ」

セレナ 「カノン……いま、何かが私の右腕に……」

カノン 「ラティアスよ。今は姿を消してるの」

セレナ 「そうだったんだ……。よろしくね、ラティアス」
 ▼ 44 イナシティの人 14/10/11 14:40:00 ID:FGCFEge. [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
カノン 「……セレナちゃん、さっき言ったこと……私はサトシ君とお付き合いしないって、本当だよ」

セレナ 「カノン……」

カノン 「私たち一族はね、ラティアスやラティアスと一緒に……アルトマーレの、とある伝説を護っているの。だから本来は、島を出ることは許されない……」

セレナ 「………」

カノン 「結婚だって、……本当は良くないんだろうけど、一族の親戚同士でしてきたし……。結婚できる親戚がいなければ、アルトマーレの寺院の家系の人とすることになる……」

セレナ 「そんな……自由に恋愛できないってこと?」

カノン 「うん……」

セレナ 「酷いよそんなの……」

カノン 「ううん。それが、私たち一族の定められた運命なの。アルトマーレの伝説を護って、継承して、ラティアスたちのお世話をする……。私達じゃなきゃ、できないことなんだ……」

セレナ 「でも……」

カノン 「だからっ……どんなにサトシ君のことが好きでも、一緒になることは出来ないんだ……。でも悲しくなんてないよ……分かりきってたことなんだよ……昔から……」グスッ

セレナ 「カノン……」
 ▼ 45 イナシティの人 14/10/11 14:50:01 ID:FGCFEge. [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
カノン 「ぐすっ……だからセレナちゃん、私のことは気にしないで、サトシ君が好きなら、ちゃんと伝えなきゃダメだよ。待ってるだけじゃ、想いは伝わらないんだからねっ」

セレナ 「……カノン、ごめんなさい。そんなこと知らずに、さっきは感情的になっちゃって……」

カノン 「ううん、いいの。私も、セレナちゃんがサトシ君と旅してる理由を、もう少しよく考えてから話すべきだったな」

セレナ 「実はね、私も昔、サトシに助けられて……、それで、サトシのこと……好きになったんだ」

カノン 「そっか。私と同じだったんだね」

セレナ 「うん。サトシ、いつも無茶して危なっかしいこともあるけど、優しくて、ポケモンのこと一番に考えてて……素敵だよね」

カノン 「ふふっ。想ってることは同じなんだね。私、最初はサトシ君のこと、ナンパしてきた変な人だ〜って、突っぱねちゃったんだ」

セレナ 「えぇっ……」

カノン 「でも、実は私の姿を借りたラティアスが関係してて。ラティアスが、私をサトシ君に会わせてくれたんだ。少し一緒にいただけで分かったよ、サトシ君、凄い良い人だなぁって」

セレナ 「ふふっ、ホント、良い人だよ、サトシは……」
 ▼ 46 イナシティの人 14/10/11 15:00:00 ID:zr69htDo NGネーム登録 NGID登録 報告
【12】

ユリーカ 「ただいま〜」

シトロン 「お待たせしました。いやぁ……凄い混雑で……」

サトシ 「おーい! 参加申し込み終わったぜ〜!」

セレナ 「おかえりサトシ。じゃあ明日は、みんなでサトシの応援しないとね!」

カノン 「えぇ。頑張ってねサトシ君」

サトシ 「あぁ! サンキュー、カノン、セレナ!」

カノン 「それじゃあみんな。私がアルトマーレ展を案内してあげる! 知り合いもたくさん出展してるから、サービスさせちゃうよ!」

ユリーカ 「やったー!」


――――――――――

少し休みます。
 ▼ 47 ッスグマ@きせきのタネ 14/10/11 15:28:11 ID:XXm2BS9A NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 48 イナシティの人 14/10/11 16:00:00 ID:tbG3F9Ws [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援感謝です。

――――――――――

【13】

時刻は17時をまわったところ。アルトマーレ展の開園時間も終わり、公園から雑踏は消えていた。

 カノン 「お待たせみんな」

展示場で片付けの手伝いをしていたカノンが、オレ達の待つ公園の入口へ駆けて来た。

 サトシ 「お疲れ様、カノン」

 セレナ 「大変ね、色々やることがあって」

 カノン 「うん、でもお休み貰えたし、片付けくらいは手伝わないとね」

 サトシ 「オレ達も手伝ったのに……」

 カノン 「ありがとう。でもごめんね、警備とかの関係で、閉園後は関係者以外は入れないの」

 シトロン 「さ、そろそろバスが来ますよ。早くポケモンセンターに行って、宿泊予約をしないといけませんからね」

流石にこの時間のバスは空いている。行きと同じように、15分程度でポケモンセンターの前に到着した。
 ▼ 49 イナシティの人 14/10/11 16:20:00 ID:tbG3F9Ws [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「ほら、着きましたよユリーカ」

 ユリーカ 「う〜ん………」

 サトシ 「ユリーカ疲れちゃったのか?」

 シトロン 「みたいですね……よっと!」

シトロンはユリーカをおんぶしながら言った。

 セレナ 「カノンは今夜は……」

 カノン 「うん。出展者は、事前にホテルを手配してあるんだ。私はここからもう少し先にあるビジネスホテルに泊まるの」

 サトシ 「そっか。じゃあ夕飯くらい一緒に食ってこうぜ!」

 カノン 「えぇ、喜んで!」
 ▼ 50 イナシティの人 14/10/11 16:30:00 ID:tbG3F9Ws [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「満室なんですか!?」

ポケモンセンターのロビーに、シトロンの声が響いた。……え? 満室……?
 
 ジョーイ 「ごめんなさいね……。いまアルトマーレ展やってるでしょ? しかも土曜日だから……」

 セレナ 「そっか……お休みの日だもんね……」

 シトロン 「う〜ん……この街のポケモンセンターはここだけですし……」

 カノン 「……あの、もしかしたら、私が泊まってるビジネスホテル、空きがあるかもしれないよ」

 サトシ 「じゃあ行ってみるか? そのホテル」

 シトロン 「街中で野宿はできませんし……お金はかかりますが、仕方ないですね」

 セレナ 「ホテルか〜久々だなぁ。……でも、ポケモンセンターで満室ってことは、そのホテルももしかしたら……」

 サトシ 「まぁ、行けば分かるさ」

カノンと同じホテルなら、色々話せるだろうし、ラティアスの姿も見れる。たまにはホテルも良いかもな。
 ▼ 51 イナシティの人 14/10/11 16:40:00 ID:tbG3F9Ws [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
10分ほど歩いて、カノンが泊まっているホテルに到着した。街中にある、10階建ての普通のホテルだ。

 フロント 「お帰りなさいませ、カノン様」

 カノン 「あの、すみません。今日はまだお部屋空いていますか……?」

 フロント 「本日ですか……本日は……、ツインのお部屋が1部屋のみとなってしまいますが……」

 セレナ 「ツインってことは2人部屋よね……」

 シトロン 「流石にどこも混んでますね。これじゃあ別のホテルに行くしか……」

 フロント 「お客様……あいにくですが、本日はアルトマーレ展が開催されていますので、周辺のホテルも満室かと……」

 サトシ 「そんなぁ……」

 フロント 「ちなみにですが、空きのツインルームは“スーパーツインルーム”と申しまして、ソファベッドを使って3名様でのご利用もできますが……」

 セレナ 「3人ですか……」

 シトロン 「あの、僕の妹は添い寝でいいので、その部屋を3人で使わせて頂けませんか?」

 サトシ 「あ、なるほど!」

 セレナ 「シトロン、ナイスアイデア!」

 フロント 「……大変申し訳ないのですが、消防法等の規則がございまして、定員以上のお客様はご使用頂けない決まりになっているんです」

フロントの人は申し訳なさそうに言った。そっか……なかなか上手く行かないもんだなぁ……。
 ▼ 52 イナシティの人 14/10/11 16:50:00 ID:tbG3F9Ws [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「あの……私の部屋を2人利用に変更ってできますか?」

 サトシ 「え?」

 セレナ 「そんなことできるの?」

 フロント 「かしこまりました。それでは追加1名様と言うことで、ご用意させて頂きます」

 カノン 「展示会の荷物とかがあるから、広いツインの部屋を取っておいたんだ。ちょっと散らかってるけど、私の部屋を使えば、あとは3人部屋で何とかなるね」

 サトシ 「サンキュー、カノン。助かったぜ!」

 セレナ 「ありがと〜」

 シトロン 「どうもすみません……」

 カノン 「ふふっ。いいえ」

 フロント 「お待たせ致しました。それでは料金の方を前払いでですね、ツインルーム1名様追加が4,500円、スーパーツインルームを3名様ご利用で18,000円、合計で22,500円になります」

うっ……なかなか痛い出費だな。

 フロント 「明日のチェックアウトのお時間は10時になります。もし6時より前にご出発でしたら、フロント脇の返却ボックスに鍵をお入れください。お部屋の冷蔵庫は、ロックさせること無く24時間ご利用頂けます。お部屋のドアに避難経路の地図がございますので、ご確認をお願い致します」

 カノン 「分かりました」

 フロント 「お部屋には、ツボ押しマッサージ器と加湿器、消臭スプレーをご用意しておますが、充電器やノートパソコンのレンタルを行っておりますので、必要なものがございましたらお申し付けください。それと……只今キャンペーン中でして、VODチャンネルが全て無料となっておりますので、よろしければお楽しみください。」

 シトロン 「はい、ありがとうございます。……それでは、お世話になります」

 フロント 「ごゆっくりどうぞ」
 ▼ 53 イナシティの人 14/10/11 17:00:00 ID:IW6Pui0w [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ひとまず宿泊の手続きを終えて、部屋へと向かおうととした時だった。

 シトロン 「……ユリーカ? どうしましたユリーカ?」

 サトシ 「どうしたシトロン?」

 シトロン 「ユリーカが……」

 ユリーカ 「う〜ん……お兄ちゃん……なんだか熱くてダルいよぉ……」

 セレナ 「ちょっと見せて……大変! 熱がるわ!」

 カノン 「早く寝かせてあげないと」

 シトロン 「そうですね。じゃあ早く部屋へ! 3人部屋は……3階の301号室ですね!」

 フロント 「お客様! よろしければこちらを」

フロントの人が、替えの毛布と体温計、500mlのポカリをくれた。

 シトロン 「申し訳ありません……ありがとうございます!」

 フロント 「いえいえ。どうぞお大事に」
 ▼ 54 イナシティの人 14/10/11 17:10:00 ID:IW6Pui0w [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
スーパーツインルームは、正直、スーパーと呼んでいいか微妙な広さだった。まぁ、普通の部屋を見たことが無いので、何とも言えないけど。

大きめのベッドが2つ並び、窓際には大きな長いソファが置かれている。このソファをベッドに転換して、3人分の寝床が確保されていた。

 シトロン 「大丈夫ですかユリーカ……」

シトロンは、端のベッドにユリーカを寝かせた。

 ユリーカ 「うぅ〜ん……」

      「でねねぇ……」

 セレナ 「デネンネも心配よね……」

 シトロン 「さ、ユリーカ、体温計を。……大したこと無ければいいのですが……」
 ▼ 55 イナシティの人 14/10/11 17:20:00 ID:IW6Pui0w [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ 「さっきまであんなに元気だったのになぁ……」

カノン 「夕方になって少し冷えたからかしら……」

シトロン 「ただの疲れならいいのですが……もし風邪だったら、皆さんにうつしては困ります」

セレナ 「そうね。特にサトシ、明日は水上レースに出るんでしょ?」

サトシ 「……いや、ユリーカがこんな調子じゃ」

ユリーカ 「……いいよサトシ。ユリーカ大丈夫だから……出て、水上レース……出て優勝してきてよ……」

シトロン 「ユリーカ……」

サトシ 「……分かったぜユリーカ! 優勝して、優勝メダルあげるからな!」

ユリーカ 「うん……!」

シトロン 「それじゃあサトシ、申し訳ないですけど、早く部屋を出た方が良いですよ。本当にうつしてしまったら困りますので」

サトシ 「そうか……」

シトロン 「あとカノンも。明日がアルトマーレ展の最終日ってことは、色々忙しいんですよね?」

カノン 「えぇ……一応15時頃まではお休み貰えたんだけど……」

シトロン 「それでは、サトシはカノンの部屋に泊まってください。セレナは申し訳ないですが……」

セレナ 「えぇ。仕方ないものね。ユリーカ、私もついてるから、何か辛いことがあったら言ってね」

ユリーカ 「うん……ありがとセレナ……」
 ▼ 56 イナシティの人 14/10/11 17:30:00 ID:IW6Pui0w [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
― ピピピピッピピピピッ

 シトロン 「37度4分……良かった、大したことなさそうですね。暖かくして寝ましょう、ユリーカ」

シトロンは、いつもユリーカのことを想って行動している。兄妹の鏡だな、ホント。

 サトシ 「良かったな、ユリーカ」

 シトロン 「サトシ達はどこかで夕食を食べて来て下さい。ついでに申し訳ないんですけど、何かお弁当を買ってきて貰えると助かります」

 セレナ 「分かったわ。あと、ゼリーか何か買ってくるわね」

 カノン 「冷えピタもあった方がいいんじゃないかしら?」

 サトシ 「頑張れよユリーカ。それとシトロンも、心配だろうけどあんまり無茶するなよ」

 シトロン 「はい。ありがとうございます、皆さん」
 ▼ 57 イナシティの人 14/10/11 17:50:00 ID:IW6Pui0w [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
夕食はホテル併設のレストランで済ませて、シトロンはお弁当じゃ悪いので、ハンバーグセットをテイクアウトした。

調理して貰っている間に、通りのコンビニでユリーカ用の果物ゼリー、冷えピタ、ポカリを購入した。流石に子供用の薬は売ってなかった。

 セレナ 「じゃあ、これは私が持っていくから」

 サトシ 「あぁ。悪いなセレナ」

 セレナ 「ううん。全然大丈夫だよ」

 サトシ 「じゃあ……明日8時くらいに部屋に行くからな」

 セレナ 「うん」

 カノン 「じゃあセレナちゃん、ユリーカちゃんのこと、お願いね」

 セレナ 「えぇ。あ、カノンの部屋は……」
 
 カノン 「512号室よ。何かあったら内線電話で」

 セレナ 「分かったわ。……じゃあ、おやすみなさい」

 サトシ 「あぁ、おやすみ」

 カノン 「おやすみなさい……」

――――――――――

ここからサトシ×カノンですが、少し休みます。
なんかテンション上がって来た。
 ▼ 58 ティアス 心の雫 14/10/11 18:34:41 ID:eECf56WE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サトカノキター
俺得
支援
 ▼ 59 ボツボ@チルタリスナイト 14/10/11 19:35:37 ID:1DAkeym. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援age
 ▼ 60 イナシティの人 14/10/11 21:00:00 ID:.KtgE3nE [10/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ご支援感謝の極み。

――――――――――

【14】

 カノン 「(サトシ君と2人っきり……サトシ君と2人っきりって……)」

私は嬉しさと言うより、恥ずかしさで興奮してしまった。心臓が飛び出そうなほどドキドキ騒いでいる。

 カノン 「(どうしよう……)」

エレベーターで5階に上がって、右の突当りにある部屋……そこが私の部屋。

 カノン 「(緊張する……)」

 サトシ 「この部屋か」

 カノン 「あっ……うん!」

 サトシ 「ドアノブに何かかかってるけど……」

 カノン 「あ、これ……ベッドメイキングを断ってるから、替えのタオルと、お茶のペットボトルを置いといてくれるみたいなの」

 サトシ 「へぇ〜。そんなサービスあるのか」

 カノン 「うん。エコキャンペーンなんだって」

私は緊張しているのを気付かれないように、震える手を抑えながら鍵をまわした。
 ▼ 61 イナシティの人 14/10/11 21:10:00 ID:.KtgE3nE [11/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
とうとう、サトシ君が私の部屋に……ホテルなんだけど、私と同じ部屋に……。

 サトシ 「へぇ〜。こうやって見ると、やっぱセレナたちのいるスーパーの部屋って広いんだなぁ」

部屋に入るなり、サトシ君は言った。確かに、セレナちゃん達の部屋を見た後だと、この部屋は狭く感じてしまう。

でもそれは、サトシ君との距離が物理的に近くなることを意味するんだ……。


 サトシ 「あっ……」

 カノン 「え? どうし……」

突然動きを止めたサトシ君。

どうしたの? そう言おうとして、私は思わず固まってしまった。
 ▼ 62 イナシティの人 14/10/11 21:20:00 ID:.KtgE3nE [12/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
私は出かける前、帰って来てすぐ眠れるように準備をしておいたのだ。シーツを直して、ホテルのピンクの寝間着を畳んでおいて……。

その上に、丁寧に下着も置いといたっけ……。

 カノン 「やだっ……! ご、ごめんねサトシ君っ! みっともないとこ見せちゃって……!」

 サトシ 「お、おう……」

サトシ君は目を反らしてくれたけど……恥ずかしいっ……。男の子に見られちゃうなんてっ……。

私は緑と白の縞模様のブラとパンツを、慌ててバックに詰め込んだ。
 ▼ 63 イナシティの人 14/10/11 21:30:04 ID:.KtgE3nE [13/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
気まずい空気が流れる。

下着見られちゃって、何て切り返せばいいか分からないし……サトシ君だって困ってるだろうな……。

 サトシ 「えっと……」

サトシ君が先に口を開いた。気まずそうに、目線は反らしたまま、頬を掻いている。

 サトシ 「ラティアスと同じなんだなっ」

 カノン 「……え?」

 サトシ 「あっ……いや……」

私はサトシ君の言ったことが分からなかったけど、よくよく考えて、ようやく理解した。
 ▼ 64 イナシティの人 14/10/11 21:40:01 ID:.KtgE3nE [14/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「みっ……見たのっ!?」

 サトシ 「見た……って言うか、見えちゃったと言うか……」

要するに、私の恰好をしたラティアスの下着を見たってことよね。それって、私の下着を見たのと同じことじゃないっ!

 カノン 「やだもぉ……なっ、なんで見ちゃったの!? ///」

 サトシ 「あっ……そう言えばラティアスは?」

 カノン 「ラティアスなら、野生のポケモンと友達になったみたいで、近くで遊んでると思うけど……それより何で……なんで見ちゃったのよぉ……!」

サトシ君に歩み寄った時、床に垂れていたシーツに足が引っ掛かった。

 カノン 「きゃっ……!?」

 サトシ 「あっ……カノン!」

バランスを崩して倒れそうになった私を、サトシ君が抱きかかえてくれた。

 カノン 「えっ……」

 サトシ 「わっ……と!?」

……けど、サトシ君もシーツに引っ掛かったみたいで、2人してベッドに倒れ込んでしまった。

     「ぴぃかぁ〜」ニヤニヤ
 ▼ 65 イナシティの人 14/10/11 21:50:00 ID:.KtgE3nE [15/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「あっ……///」

 サトシ 「えっ……と……」

いま。ベッドに倒れこんだ私を、サトシ君が覆いかぶさっている。両手を私の顔の左右に突っ張って、顔は私のすぐ上に。

 カノン 「………」

 サトシ 「………」

私とサトシ君は、お互いを見つめ合っていた。一瞬だったかもしれないけど、とても長く感じられた。

 サトシ 「その……ごめん……な……」

サトシ君の顔が……こんなに近くに……。

 カノン 「さっ……サトシ君……わたしっ……///」
 ▼ 66 イナシティの人 14/10/11 22:00:01 ID:Ijb8YYrQ [10/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
― トゥルルルル……

えっ……こんな時に内線が……。酷いよ……神様……。

― トゥルルルル……

 サトシ 「出なきゃマズいよな。……もしもし?」

サトシ君は私から離れ、ベッド横の内線電話に手を伸ばした。

 サトシ 「あぁセレナ……え? 何が……いや、そっちで聞くよ……うん、すぐ行く!」

サトシ君は受話器を置くと、まだベッドに倒れ込んでいる私の方を向き直して、言った。

 サトシ 「ごめんカノン、セレナが、大変だからすぐ来てって。ちょっと行ってくる!」

 カノン 「あ……うん、分かった……」

 サトシ 「それと……ごめんなカノン。パンツ見ちゃったのは、その……本当に、ワザとじゃないんだ。戻ったらちゃんと説明するから……。行くぞピカチュウ!」

     「ぴっかぁ!」

恥ずかしそうにそれだけ言うと、サトシ君は部屋を飛び出して行った。


――――――――――

少し休みます。
工口なしと言いましたが、なんだか迷ってきた。
 ▼ 67 イナシティの人 14/10/12 00:00:00 ID:0Z4D4KKw [8/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「うっ……」グスッ

酷いよサトシ君……こんな雰囲気を作っておいて、出て行っちゃうなんて……。

しかも、セレナちゃんに呼ばれて……。私の気持ちに全然気づかないで……。

あんなに近くに、サトシ君がいたのに……。

 カノン 「うぅっ……んっ……///」

気付くと、私の手は勝手に、自分のアソコを弄っていた。

 カノン 「電話なんてっ……無ければっ……よかったのにっ……」

ふと電話台を見ると、下のスペースに入っていた物が目に入った。

 カノン 「ツボ押しのマッサージ器……そう言えば部屋にあるって言ってたっけ……」

そのマッサージ器は、背中でも届くように長い棒が付いていて、先端は傘の柄のようにカーブしている。スイッチを入れると、ブルブルと振動するタイプだった。

 カノン 「これ……」

好奇心……だったのか分からないけど、“魔が差す”っていうのは、きっとこういうことなんだなと思った。

私はベッドに横たわったまま、恐る恐る、振動するその柄の部分を、自分のアソコに押し当てた。
 ▼ 68 イナシティの人 14/10/12 00:10:58 ID:0Z4D4KKw [9/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
※注記……この辺一帯を書いている時:深夜のテンション

――――――――――

 カノン 「ひゃぁっ!?」ビクッ

なっ……なにこれ……凄い……変な感じっ……

 カノン 「んっ……んんっ……///」 ヴィィィィィィィィン……

なんだろう……なんだろうコレ……

 カノン 「はぁっ……はぁっ……ぅあっ……!」ビクッ

だめっ……何か変……変になっちゃう……

 カノン 「うっ……くぅぅっ……///」 ヴィィィィィィィィン……

あっ……でもっ……止められないっ……
 ▼ 69 イナシティの人 14/10/12 00:20:00 ID:0Z4D4KKw [10/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「あっ……はっ……あっ……んっ! ///」ジワッ

やだっ……

 カノン 「だっ……あっ…あっ……あっ……///」 ヴィィィィィィィィン……

なっ……何か来る……来るっ……なにっ……

 カノン 「うっ……わっ!? あぁぁっ……///」 ビクッ! ビクンビクン……

やっ……なにっ……

 カノン 「あっ……ダメッ……うっ………ひゃぁぁぁっ……///」 プシャァァァ……

うそっ……えっ……ダメッ……止まらないっ……

 カノン 「あっ……うっ……うぅっ……」 チョロチョロッ……

でっ……出ちゃっ……た……

 カノン 「ふっ……はぁっ……はぁっ……」 ガクガクガク……

なに……この感じ……なんなの……これっ……

 カノン 「うぅっ……サトシ君……サトシ君……うぐっ……うぅっ……」 グスッ


私はしばらく、動けなかった。

パンツが……シーツが……、私から溢れ出たもので、びしょ濡れになっていた。
 ▼ 70 イナシティの人 14/10/12 00:25:04 ID:0Z4D4KKw [11/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
今日はこの辺で終了させて頂きます。
閲覧して下さった方、ありがとうございました。

再開は12日(日)の夜を予定しています。
 ▼ 71 ガミュウツーY@こうらのカセキ 14/10/12 01:53:48 ID:FaMD0DPs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
でも工口が入ると安っぽくなるのは仕方ないかなw
>>67の4行目までは鮮明に脳内再生できた
 ▼ 72 ゲチック@じめじめこやし 14/10/12 02:17:14 ID:xd8HQ7GM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>71
同意。工口なしとは何だったのかw

しかし支援
数少ないサトカノを満喫しよう。
 ▼ 73 ャース@ミックスオレ 14/10/12 09:47:20 ID:/uthH3R2 NGネーム登録 NGID登録 報告
うわぁ・・・
 ▼ 74 ガヘルガー@パワーウエイト 14/10/12 11:04:09 ID:KeK.UpRc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 75 ロリーム@くろいヘドロ 14/10/12 13:59:15 ID:d37n0S2Y NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援age
 ▼ 76 ガサメハダー@ポフィンケース 14/10/12 16:51:36 ID:IWKTz7hk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 77 チニン@きいろのバンダナ 14/10/12 19:37:32 ID:1DAkeym. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
期待age
 ▼ 78 イナシティの人 14/10/12 21:08:07 ID:.KtgE3nE [16/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
>> ALL

 皆様、ご支援、ご意見ありがとうございます。
 やはり工口なしと言っておきながら無理にぶち込んだのはアレでしたね。勉強になります。

 それではお待たせいたしました。今夜も ちまちま進めさせて頂きます。
 リアルタイムなネタも仕込んでいきますので、お楽しみ頂ければ幸いです。
 ▼ 79 イナシティの人 14/10/12 21:10:01 ID:.KtgE3nE [17/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【15】

サトシ 「さっきのはヤバかったな……」

たった今起こったことを思い返して、ついつい呟いてしまった。

足が引っ掛かったとは言え、カノンをベッドに押し倒して、吐息を感じるくらい顔と顔が近づいて……。思い返しても心臓がバクバク言っている。

     「ぴかぴぃ〜」ニヤニヤ

それにしても、セレナたちに何があったんだろう。あまりにセレナが慌てていたから、理由は行ってから聞くと言ってしまった。……まさかユリーカの体調が悪くなったのか!?


エレベーターで3階に下りて、角にあるセレナたちの部屋へ向かう。

 サトシ 「どうしたんだ!?」

扉を開けると、シトロンとセレナの焦った姿が目に飛び込んできた。

 セレナ 「サトシ! ユリーカの様子が……!」

 シトロン 「ユリーカ、しっかりして下さい! ユリーカ!」

 ユリーカ 「はぁっ……はぁっ……」

 サトシ 「おいどうしたんだユリーカ!?」

 シトロン 「サトシ……分かりません。ただ、急に体調が……」
 ▼ 80 イナシティの人 14/10/12 21:20:02 ID:.KtgE3nE [18/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
― ピピピピッピピピピッ

 シトロン 「体温は……えっ!? 40度2分っ!?」

 サトシ 「40っ!?」

 セレナ 「40度って……そんな普通じゃないわよ!?」

 ユリーカ 「はぁっ……はぁっ……」

 シトロン 「ユリーカしっかりして下さい!?」

 サトシ 「とにかく、早く病院に行かないと!」

 セレナ 「……夜間救急診療所、良かった! ここから500メートルくらい先にあるわ!」

ナビを操作していたセレナが叫んだ。本当にセレナは頼りになるな。
 ▼ 81 イナシティの人 14/10/12 21:30:00 ID:.KtgE3nE [19/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「それなら走った方が早いな! シトロン! ユリーカをオレに!」

 シトロン 「いけませんよ! もしうつってしまったら……」

 サトシ 「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!? それに、オレがユリーカをおんぶして走った方が早いに決まってるじゃないか!」

 セレナ 「……そうね。タクシーがすぐつかまるとは限らないし……」

 シトロン 「サトシ……すみません、お願いします! ユリーカを病院まで連れて行って下さいっ!」グスッ

 サトシ 「おいおいしっかりしろよシトロン、お兄ちゃんだろ!?」

 シトロン 「グズッ……はいっ!」

 サトシ 「ピカチュウとデデンネは留守番頼む。病院はポケモンを出しちゃダメだからな」

     「ぴかっ!」

     「でねねぇ……」

セレナ 「大丈夫よデデンネ。お医者さんに見て貰うんだから心配ないわ!」
 ▼ 82 イナシティの人 14/10/12 21:40:01 ID:.KtgE3nE [20/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
オレはユリーカをおんぶして、ホテルを飛び出した。セレナがナビを見ながら先導して、それに続いて夜の街を走る。

街灯にとまっているヤミカラスが、不思議そうな顔でオレ達を眺めている。

信号に引っ掛かるのがもどかしい。爆音を立てながら走り抜けていく車が妙にイライラする。


ようやく病院のマークが見えて来た。たった500メートルが、酷く長く感じられた。
 ▼ 83 イナシティの人 14/10/12 21:50:01 ID:.KtgE3nE [21/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 医者 「40度近い高熱……それにこの特徴的な発疹……右足に虫刺されの跡……」

 シトロン 「先生……ユリーカは!?」

 医者 「妹さんは恐らく、デング熱ですね」

 サトシ 「デング熱って……」

 セレナ 「最近問題になってる病気よね……サトシの住んでるカントーでも、かなり久しぶりに発症者が出たって……」

 シトロン 「確かデング熱には有効なワクチンが無いって聞きます! ユリーカは大丈夫なんですか!?」

 医者 「まぁまぁ落ち着いてくださいお兄さん。デング熱と言っても、かなり軽度のものです。ワクチンが無いことは確かですが、適切に治療すれば、ほぼ100%、問題なく完治する病気なんですよ」

 シトロン 「はぁっ……良かったぁ……」

 医者 「通常の風邪と同じように解熱剤で熱を冷ましますが、……お兄さんも心配でしょうし、念のため2,3日入院して貰って、点滴を打ちましょう。すぐによくなると思いますよ」

 セレナ 「良かったわねシトロン、大したことなくて」

 サトシ 「だな!」

 シトロン 「はい……。みなさんお騒がせしました」

 医者 「そりゃあ焦りますよね、40度の熱なんて出たら。じゃあ、妹さんは病室へ」

ユリーカはストレッチャーに移されて、看護師が病室へと運んで行った。
 ▼ 84 イナシティの人 14/10/12 22:00:00 ID:Ijb8YYrQ [11/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
シトロン 「僕も今日はユリーカに付き添いますので、2人はホテルに戻って休んでください」

サトシ 「分かった。なんか大変だな、シトロンだけ……」

シトロン 「いえいえ、これが兄の役目です。それに、すぐ治るようで安心しました」

セレナ 「じゃあシトロンも、ユリーカに掛かり過ぎないで、ちゃんと休んでね」

シトロン 「はい。それじゃあ、おやすみなさい」

サトシ 「あぁ、おやすみ。明日一旦立ち寄るぜ」

セレナ 「おやすみなさーい」
 ▼ 85 イナシティの人 14/10/12 22:10:00 ID:Ijb8YYrQ [12/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
【16】

 セレナ 「ユリーカすぐ治りそうでよかったわね」

 サトシ 「あぁ。デング熱って聞いて、一時はどうなるかと思ったぜ」

私はいま、久しぶりにサトシと2人っきりになっている。普段いるピカチュウも、病院だからホテルで留守番しているし、本当、完璧に2人っきりだ。

ホテルまでの道が、もっと遠くまで続いていればいいのに……。たった500メートルだ。遠くに小さく、ホテルの看板が見えている。

前に見える交差点の信号は青。急いでいる時は引っかかるのに、ホント、ついてない。


その横断歩道に足を踏み入れた時だった。

 サトシ 「セレナ危ないっ!」

 セレナ 「えっ!?」

サトシに後ろから思いっきり腕を引っ張られて、私はバランスを崩した。

後ろに倒れる……と思った瞬間、私の体は、がっしりと抱き支えられた。
 ▼ 86 イナシティの人 14/10/12 22:20:00 ID:Ijb8YYrQ [13/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
≪ホォォォォォォォンンダァァァァァァァァァァァァ……≫

 サトシ 「何だよ今のバイク!? 信号無視じゃん!」

 セレナ 「あっ……」

 サトシ 「大丈夫かセレナ!?」

 セレナ 「うん……///」

私は、状況を理解するのに少し時間が掛かった。サトシが、信号無視したバイクから、私を守ってくれたんだ。

それで今……私はサトシに抱かれている……。

 サトシ 「ったく、夜の道は危ないなぁ」

そう言いながら、サトシは私の腰に回した腕を抜こうとした。

……嫌だ、離れたくない。離れたくないよぉ。

 セレナ 「待ってサトシ」

 サトシ 「えっ?」

迷惑かもしれない。でも、こんな状況を作ったあのバイクが悪いんだ。それに、今は2人っきり。

 セレナ 「お願い……しばらく……このままでいて……」

私は体勢を立て直して、サトシの方を向き直し、今度は私から、思いっきり抱き付いた。
 ▼ 87 イナシティの人 14/10/12 22:30:00 ID:Ijb8YYrQ [14/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「セレナ……」

抱き付いてしまっているので、サトシがどんな顔をしているかは分からない。

私みたいに、顔を真っ赤にして、心臓が張り裂けそうなくらいドキドキしていて、凄い緊張しているのなら、それほど嬉しいことは無い。

 サトシ 「どうしたんだセレナ……具合でも悪いのか?」

もう……サトシったらやっぱり鈍感。女の子に抱き付かれて、私の気持ちに気付かないなんて……。

 セレナ 「ううん、大丈夫……」

私はもう少しだけ、サトシの腰にわました腕の力を込めた。
 ▼ 88 イナシティの人 14/10/12 22:40:56 ID:Ijb8YYrQ [15/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 *** 「ヒューヒューそこのカップルお熱いねぇ〜」

 ※※※ 「良いね〜若いね〜青春だね〜」

 セレナ 「えっ!?」

突然の声に驚いて顔を上げると、酔っぱらいのおじさんが2人、しみじみとした顔で私たちのことを眺めていた。

おじさん達は相当お酒がまわっているのか、顔が真っ赤だ。

……けど、私は違う意味で、顔が真っ赤になった。


 サトシ 「……行こうぜセレナ」

サトシはプイッとそっぽを向き、私の手を引いて歩き始めた。

 セレナ 「あっ……うん」
 ▼ 89 イナシティの人 14/10/12 22:50:00 ID:Ijb8YYrQ [16/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシは振り返らずに、私の手を引いてホテルへの道を歩いて行く。

もしかして……迷惑だったのかな、抱き付いちゃって。

それであのおじさんに からかわれて……怒っちゃったのかな……。


私は立ち止まった。

 サトシ 「……どうしたセレナ?」

 セレナ 「サトシ……ごめんね……怒ってる……?」ウルウル

 サトシ 「えっ?」

 セレナ 「その……いきなり抱き付いちゃって……迷惑だったんじゃないかって……」グスッ 

泣くなんて みっともない。私から抱き付いて、サトシを怒らせて、それで泣くなんて、みっともなさ過ぎるよ……私。それこそサトシに迷惑だよ……。

でも……なんで涙が……。

 セレナ 「うっ……うぅっ……」

 サトシ 「セレナ……」


――――――――――

少し休みます。
 ▼ 90 ティアス 心の雫 14/10/12 22:51:22 ID:mokil54Q NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サトカノに戻して欲しいな
支援
 ▼ 91 ローン@トライパス 14/10/12 23:16:41 ID:D0HVlapQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>90
同感
支援
 ▼ 92 イナシティの人 14/10/13 01:00:00 ID:.KtgE3nE [22/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>90 >>91
支援ありがとうございます!
勿論、サトカノに戻りますが、今はサトセレのターンです。
しかしせっかく支援して頂いたので、サトカノの手前まで一気に進めさせて頂きます。

――――――――――

 セレナ 「えっ……!?」

気が付くと、私の背中と腰に手が回されて、グッと抱き寄せられた。

その相手は間違いなく、サトシだった。

 セレナ 「サトシっ……」

 サトシ 「ごめん……セレナ。その……オレ、カップル〜とか、付き合う〜とか、そういうの、よく分からないんだ」

 セレナ 「あっ……うん……」

私は、自分の顔が急激に赤くなっていくのを感じた。

 サトシ 「でも、さっきセレナが抱きしめてくれたこと、迷惑だなんて思ってないぜ? だから……その……こうすれば、それを分かってくれるかなぁ……って」

ぎこちなく喋るサトシは、珍しく、顔が赤くなっていた。

あぁ……やっぱりサトシは優しいな。

大好きだよ、サトシ。
 ▼ 93 イナシティの人 14/10/13 01:00:33 ID:.KtgE3nE [23/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
私はゆっくりと顔を上げて、サトシの左頬にキスをした。


そういう雰囲気を、サトシが作ってくれたから。
 ▼ 94 イナシティの人 14/10/13 01:01:00 ID:.KtgE3nE [24/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「! セレナっ……」

 セレナ 「ふふっ。その……ありがとうサトシ。もう大丈夫だから、わたし///」

 サトシ 「……そっか。じゃあそろそろホテルに戻ろうぜ。考えてみるとオレ、カノンに何も言わないで出てきちゃったし」

サトシったら……私がキスしたのに、もうカノンの話題。嫉妬しちゃうかも。

 セレナ「じゃあ急いで戻りましょ」

でもいいんだ。きっとサトシは、キスの意味もよく分かっていないと思う。純粋な心を持ってるんだね、サトシは。
 ▼ 95 イナシティの人 14/10/13 01:02:04 ID:.KtgE3nE [25/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【17】

 カノン 「お帰りなさい、みんな」

ピカチュウが待っているので、一旦セレナたちの部屋に入ると、そこにはカノンがいた。

 セレナ 「カノン? なんで私たちの部屋に……?」

 カノン 「サトシ君が急にいなくなっちゃったから、こっちの部屋に電話してみたの。そうしたらピカチュウが出てくれて、何かあったんじゃないかって思って」

 サトシ 「そっか……ごめんなカノン、何も言わずに……」

 カノン 「ううん。ピカチュウとデデンネとお話しできたから」

     「ぴかぁ!」

     「でねねぇ〜」

     「くぅ〜ん!」

 セレナ 「わぁっ。あなたがラティアスね!」

     「くぅん♪」

アルトマーレ展をまわっている間、ラティアスはずっとオレ達の傍にいたけど、みんなの前で姿を見せたのは、これが初めてだ。
 ▼ 96 イナシティの人 14/10/13 01:09:30 ID:.KtgE3nE [26/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
カノン 「それより、シトロン君とユリーカちゃんがいないってことは……」

サトシ 「あぁ。ユリーカの体調が急に悪化して、少し先の病院に入院することになったんだ」

カノン 「えぇっ!? 大丈夫なの、ユリーカちゃん!?」

セレナ 「デング熱って言われたけど、点滴すればすぐ良くなるみたい」

サトシ 「それに、シトロンもついてるからな!」

カノン 「そっか。よかった……」

セレナ 「でもカノン、ユリーカね、アルトマーレ展をやってる公園の林で、蚊に刺されたみたいなの」

カノン 「そうなんだ……。じゃあ、明日は朝一で運営委員の人に報告するね」

セレナ 「えぇ。中止にならないといいわね……」

カノン 「うん……。でも、あの公園、林は隅っこにしかないから大丈夫だと思うよ。ちょっと閉鎖される場所があるかもしれないけどね」
 ▼ 97 イナシティの人 14/10/13 01:11:11 ID:.KtgE3nE [27/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
それから少し、カノンはセレナに、ラティアスとラティオスのことを説明した。秘密の庭のことと、こころのしずくのことも。

真剣な眼差しで聞いていたセレナだったけど、何より、こんなに人懐っこい伝説のポケモンがいることに驚いていた。

現にいま、ラティアスはピカチュウ、デデンネ、フォッコと一緒に遊んでいる。そんな楽しそうなラティアスに、セレナは尋ねた。

 セレナ 「ねぇラティアス、カノンの姿になれるって……ホントなの? なんか……ポケモンが人間の姿になるって、イマイチ実感が湧かなくて……」

 サトシ 「本当だぜ。やってみろよラティアス!」

     「くぅ〜ん!」

ラティアスは目を瞑ると、体が眩い光に包み込まれた。そして一瞬のうちに、その姿はカノンと瓜二つのものに変化した。

 セレナ 「うわぁ! 凄い……本当に人間の姿に……」

 カノン 「ふふっ。光を応用してるみたいなの」

ラティアスはセレナのことを見てニッコリ笑うと、今度はオレの方に目を向けて、飛びついて来た。

 サトシ 「あっ……おいラティアス! うわっ!」

ドサッ! と音を立てて、ラティアスはオレをベッドに押し倒した……と言うか、抱き付いた勢いでベッドに倒れ込んだ。

 カノン 「ちょちょちょっとラティアス!?」

 セレナ 「えっ……と……これはラティアスなんだけど……ラティアスなんだけど……」ワナワナ
 ▼ 98 イナシティの人 14/10/13 01:12:15 ID:.KtgE3nE [28/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「こらラティアス……気持ちは嬉しいんだけど! カノンの恰好だからちょっとは大人しく……」

 カノン 「……そっか。ラティアスが はしゃいだから、サトシ君、パンツ見えちゃったんだ……」

 セレナ 「えっ……? ぱっパンツ見たって……!?」カァッ

 サトシ 「えっと……そうなんだ。ごめんなカノン。その……、恥ずかしい思いさせちゃって……」

 カノン 「ううん、いいの。ラティアスが お転婆なだけだから……。こらラティアス! 私の恰好で激しく動かないでよ!」

     「くぅぅうぅ?」

カノンに怒られて、ラティアスは元の姿に戻った。けど、怒られた意味をイマイチ理解していないようだ。そりゃぁ、ポケモンにそんな恥ずかしさなんて無いからな。


― コンコン!

 サトシ 「なんだ……?」
 ▼ 99 イナシティの人 14/10/13 01:28:41 ID:.KtgE3nE [29/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
はじめ、部屋のドアがドックされたのかと思ったけど、音の主は窓の外にいた。

     「やぁ〜みっ!」

     「やみや〜みぃ!」

そこには、2匹のヤミカラスが笑っている。

     「くぅぅんっ♪」

それに笑顔で応えるラティアス。知り合いなのか?

 カノン 「この子たち……さっきラティアスと遊んでた……」

 サトシ 「そっか。ラティアスが友達になったのって、このヤミカラスたちだったのか!」

     「くぅ〜んくぅうぅ〜?」

 カノン 「まだ遊びたいの?」

     「くぅ〜ん!」
 ▼ 100 イナシティの人 14/10/13 01:29:33 ID:.KtgE3nE [30/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「仕方ないわね……人目につくようなことしちゃダメよ」

     「くぅん♪ くぅぅくぅん!」

     「ぴかぁ?」

     「でねね〜!」

     「ふぉっこぉ! ふぉこふぉこ〜!」

 セレナ 「フォッコも行きたいの?」

 サトシ 「そうだな。行って来いよピカチュウも。せっかくなんだから」

     「ぴぃっかぁ!」

     「ふぉ〜っこぉ!」

ピカチュウとフォッコ、それにデデンネは、ラティアスの背中に乗って、ヤミカラスと一緒に夜の街へと繰り出して行った。
 ▼ 101 91 14/10/13 01:31:35 ID:2CbC97k2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ありがとうございます!
頑張って下さい
 ▼ 102 イナシティの人 14/10/13 01:38:10 ID:.KtgE3nE [31/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
今日はこの辺で終了させて頂きます。
この先はサトカノの流れになる予定です。

ご意見ご支援ご閲覧、ありがとうございました。

再開は13日(月)の夕方以降を予定しています。
 ▼ 103 ーテリー@しんかいのキバ 14/10/13 01:51:41 ID:T6yKici2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 104 ガース@てんかいのふえ 14/10/13 03:24:39 ID:up73FWPA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
鳴き声を平仮名って新しいな。
 ▼ 105 ティアス 心の雫 14/10/13 08:25:00 ID:TrCt8f02 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
しえん
 ▼ 106 イコウオ@ながながこやし 14/10/13 13:22:24 ID:vskDkFfs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
age
 ▼ 107 KINGキングラー座 14/10/13 13:34:53 ID:ByxGxmjI NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 108 ティアス 心の雫 14/10/13 19:44:20 ID:eYPv4coI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
まだかな
支援
 ▼ 109 ティアス 心の雫 14/10/13 20:03:37 ID:puq0jcyo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
カノンまだかな
支援
 ▼ 110 イナシティの人 14/10/13 21:00:00 ID:.KtgE3nE [32/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
>> All
ご支援ありがとうございます!

台風の影響でか、ネットに繋がりにくくなっていますね。皆様の地域は大丈夫ですか?

この先投稿できなくなるかもしれませんが、ご了承下さい。
 ▼ 111 イナシティの人 14/10/13 21:01:00 ID:.KtgE3nE [33/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【18】

時刻は21時少し前。眠るのにはまだ少し早いからと、サトシ君がテレビを点けた。

……クイズ番組だ。出演してるのは……ダイゴさん!? 緊張感を煽るBGMを背景に、高所にある、球体に枠組みされた椅子に座ってクイズに答えている。その椅子の周囲には、1秒ごとに消えていくランプが。

― 司会 『……いま何問目?』
― ダイゴ『9問目!』ドヤッ
   A.○

― 司会 『クチバ港とナナシマを結ぶ高速船の名前は?』
― ダイゴ『シーギャロップ号!』ドヤァ!
   A.○

― 司会 『テンガン山と えんとつ山、標高が高いのは?』
― ダイゴ『えっ……えんとつ山!』
   A.テンガン山(モデルとなった日高山脈と阿蘇山を比較した場合)

― 司会 『かつてクロガネ炭鉱で産出されていた優良な炭、その主な使用用途だったのは?』
― ダイゴ『……っ!』
   A.製鉄用コークス

― ≪ピロリロリロ〜ン♪≫

― 司会 『ダイゴさん、正解は……5問! トルネードシャッフル!』
― ダイゴ『大誤算!? うわあああぁぁぁぁぁ』
 ▼ 112 イナシティの人 14/10/13 21:10:00 ID:.KtgE3nE [34/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
クイズ番組のあと、ニュースを15分ほど見たところで、サトシ君が思い出したかのように言った。

 サトシ 「……そう言えばフロントの人、有料チャンネルをタダで見れるって言ってたよな?」

VODのことかな。確かに言っていた。映画とかが見放題なんだって。

 セレナ 「うん。ほら、テレビの横に番組表があるわよ」

 サトシ 「へぇ〜どれどれ……」

私は一昨日から泊まっていたから、どんな番組を見れるか知っている。少なくとも……私たちの年代が面白いと言える番組は無かったかな。

 サトシ 「“メロメロチャンネル?”」

 セレナ 「えっ!?」

 カノン 「あっ……」

サトシ君……、何かとんでもない物が目に付いちゃったみたい……。

 サトシ 「“メロメロ”と言えばポケモンのワザだよな……そのチャンネルってことは……ポケモンバトルの番組かぁ!」

 セレナ 「ちょっとサトシ……!」

サトシ君は、躊躇いなくチャンネルをまわした。
 ▼ 113 イナシティの人 14/10/13 21:15:00 ID:.KtgE3nE [35/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
裸の女の人が映った。

その瞬間、サトシ君はニュース番組にチャンネルを戻した。

 サトシ 「……ごめん!」

 セレナ 「いっ……いいのよサトシ。サトシはタイトルに騙されただけなんだから! ね、カノン!?」

 カノン 「そっ……そうだよサトシ君! 全然っ……大丈夫だから……」

サトシ君、きっと素で間違えたんだろうな。純粋な心……初めて会った時からずっと変わってないんだな……。


― バンバンバンバンバン!

その時突然、窓が激しく叩かれた。

 カノン 「なにっ!?」ビクッ!
 ▼ 114 イナシティの人 14/10/13 21:20:00 ID:.KtgE3nE [36/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「デデンネ!?」

見ると、窓の外には、酷く焦ったデデンネの姿があった。今にも泣きだしそうな顔をしている。

 サトシ 「どうしたんだデデンネ!?」

サトシ君が窓を開けると、デデンネは勢いよく部屋に入ってくる。

     「ででんねぇっ!!!」

 サトシ 「うわっ!?」

     「ででんでんででん! ででんでんででん! ででんねぇっ!」

 セレナ 「どうしたのデデンネ!? 何かあったの!?」

     「でね! でね! ででんねぇっ! でねでねでねででんねぇっ!!!」

 カノン 「……もしかしてラティアスたちに何か!?」

 サトシ 「そうなのかデデンネ!?」

デデンネは涙を浮かべて大きく頷いた。

 カノン 「そんな……ラティアス!?」

 サトシ 「デデンネ! ラティアスたちの所へ案内してくれ! 助けに行くぞ!」

     「でねぇっ!」
 ▼ 115 イナシティの人 14/10/13 21:30:00 ID:.KtgE3nE [37/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
泣きながら頷いたデデンネは、窓から雨どいをつたって地面に下りる。

 サトシ 「オレ達も行くぞ!」

言うが早く、サトシ君は部屋を飛び出した。

 セレナ 「待ってサトシっ!」

セレナちゃんもそれに続く。

私はと言うと、動くのが一瞬遅れてしまった。

ラティアスに何かあったと聞いて、不安な気持ちに心を支配されてしまったから……。

 カノン 「待ってサトシ君っ!」

そんなんじゃダメだ。ラティアスをここに連れて来たのは私なんだ。私がラティアスの保護者なんだ。

本当なら、サトシ君じゃなくて、私が真っ先に飛び出さなくちゃいけなかったんだ。
 ▼ 116 イナシティの人 14/10/13 21:40:00 ID:.KtgE3nE [38/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「ラティアス……」

あの時……怪盗姉妹に手も足も出ず、ラティオスが捕まって、……ラティオスの命を奪われた記憶が、脳裏をかすめる。

もうあんなことは起こさせない。ラティアスたちが安心して過ごせるように頑張るって、あの時、サトシ君と別れた後に誓ったんだ。

それなのに……それなのに……ラティアスっ!

涙が溢れ出してくるのを、私は止めることができなかった。


空は灰色の雲に包まれ、月や星は見えなかった。
 ▼ 117 イナシティの人 14/10/13 21:50:01 ID:.KtgE3nE [39/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
デデンネが案内してくれたのは、ホテルからほど近い自然公園だった。

森の中へと続く遊歩道を少し登ると、開けた広場のような場所に出る。

その先にあった光景に、私は言葉を失ってしまった。


木の上で怯えているヤミカラスたち。

根元には倒れているフォッコ。

その先には、バチバチと電気を飛ばして威嚇しているピカチュウが。

さらにその先に、ピカチュウと対峙するボーマンダ。

そしてボーマンダの背後に、ラティアスはいた。ドラピオンの爪に首を掴まれて、ぐったりしているラティアス……。その体には、数か所の傷が付けられていた。

 サトシ 「ピカチュウ!? ラティアス!」

 セレナ 「フォッコ!?」

サトシ君とセレナちゃんが声を上げた。

……けど、私は声が出なかった。叶ってほしくない最悪の展開を目の当たりにして、声を出せなかった。
 ▼ 118 グノム@じてんしゃ 14/10/13 21:56:05 ID:HWBTHbEw NGネーム登録 NGID登録 報告
お、やっと来た!
あとで寝る前にまとめてゆっくり読ませていただきます!

そういえば能年玲奈の画像見ながら思ったんだけど
水の都を実写化したらカノンは能年玲奈が似合うかなってふと思った
 ▼ 119 イナシティの人 14/10/13 22:00:01 ID:Ijb8YYrQ [17/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「あっ……あぁっ……ラティアス……」

ようやく声になった言葉は、自分でも嫌になるくらい、情けないものだった。足がガクガクと震え始めて、涙が溢れ出てくる。


そんな私をハッとさせたのは、サトシ君の声だった。

 サトシ 「何やってんだ! それに……誰だお前は!?」

 カノン 「えっ!?」

言われて気付いた、ボーマンダの後ろの木陰に、確かに人影が見える。

 *** 「……久しぶりだな」

その人影は、ゆっくりと木陰から姿を現す。公園の電灯に照らされたその姿を見て、私は驚いた。

何故って、それが女性だったから。黒っぽいスーツのような服に、サングラスをかけた、銀髪の20代くらいの女性……。

向こうにいるってことは、あの人がラティアスを酷い目に合わせた張本人に違いない。

 サトシ 「お前……“J”!?」
 ▼ 120 イナシティの人 14/10/13 22:10:04 ID:Ijb8YYrQ [18/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「大丈夫フォッコ!? しっかりしてっ!」

セレナちゃんはフォッコを抱き起すけど、ぐったりしていて返事が無い。

 セレナ 「サトシっ……フォッコが……!」グスッ

私と同じように、今にも泣きだしそうなセレナちゃん。けど、サトシ君は“J”と呼んだ女性の方を向いたまま、動こうとしない。

 セレナ 「サトシ……」

 カノン 「サトシ君……知ってるの?」

私はサトシ君の異変に気付いた。きっとセレナちゃんも気付いたはずだ。

サトシ君の表情が、今ままで見たことの無いような、険しいものだったから。拳を握りしめ、歯を食いしばり、怒りを露わにしているように見える。

 サトシ 「リッシ湖で爆発に巻き込まれたんじゃなかったのか!?」

 J 「ふんっ。命からがら脱出した。お陰で飛行艇と捕獲装置を失ったがな!」

 カノン 「サトシ君……あの人……誰なの!?」
 ▼ 121 イナシティの人 14/10/13 22:20:00 ID:Ijb8YYrQ [19/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ポケモンハンターJ。珍しいポケモンを捕まえて密売する、悪い奴なんだ」

 セレナ 「それって……コフーライを密売してた、ワリオみたいな人と同じってこと?」

 サトシ 「ワリオの方がまだマシだ! あいつは、ポケモンを生きたままプラスチック化させる装置を使うんだ。生きたポケモンを……生きたポケモンをだぞっ!」

 セレナ 「サトシっ……」

サトシ君は激しく怒鳴った。普段サトシ君と一緒に居て、彼のことを分かっているであろうセレナちゃんでさえ、サトシ君の姿に戸惑っている。

 サトシ 「あいつ……シンオウ地方の伝説のポケモンを捕まえようとしてたんだ」

 カノン 「伝説の……ポケモンを!?」

ラティアスと同じ……じゃああの人は、伝説のポケモンを密売するために……。

 サトシ 「アグノムの住む湖に爆弾を落として……ユクシーとエムリットの攻撃で、飛行艇ごと爆発したはずなのにっ……!」

聞いたことのない名前……。その3匹が、伝説のポケモンってことなのかな。
 ▼ 122 レッグル@プレミアボール 14/10/13 22:20:46 ID:giGTakEo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>118
確かに似合いそう
 ▼ 123 イナシティの人 14/10/13 22:22:00 ID:Ijb8YYrQ [20/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
>> 118
お待たせいたしました。ご期待感謝。

アグノムに触れようとした矢先に名前欄アグノムとか、展開を読まれてるかと思った。
 ▼ 124 イナシティの人 14/10/13 22:30:00 ID:Ijb8YYrQ [21/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ラティアスをどうする気だ!?」

 J 「決まってるだろう。アルトマーレの伝説のポケモン……高く売り捌いてやるのさ!」

 サトシ 「なにぃっ!?」

 J 「ふん。伝説のポケモンと言っても大したことは無いな。奇襲をかけたら簡単にダウン……そこにいるピカチュウとフォッコが抵抗したが、私のポケモンに敵うはずがない」

 サトシ 「くっ……! 大丈夫かピカチュウ!」

     「びぃっがぁぁぁ」

ピカチュウは低く呻っている。傷だらけの体なのに。ラティアスを守らなくちゃいけないのは、本当は私の方なのに。

 カノン 「お願いします……ラティアスを離して下さい! ラティアスは……ラティアスたちは戦いを好むポケモンじゃ無いんです! それなのにそんな……」

 サトシ 「カノン……!」

 J 「知ったことか。なら都合が良いだろう。戦えない伝説ポケモン、観賞用にピッタリじゃないか!」

そんな……そんな言い方って……酷いよ! ラティアスは何も悪くないのにっ……っ!
 ▼ 125 イナシティの人 14/10/13 22:31:00 ID:Ijb8YYrQ [22/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
少し休みます。風が強くなってきました。
 ▼ 126 ティアス 心の雫 14/10/13 23:12:20 ID:uLc2XgV6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ラティアス…。
支援
 ▼ 127 イナシティの人 14/10/13 23:30:00 ID:9yeO4Bak [7/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「ラティアスっ!」

 サトシ 「あっ……カノン!」

怖かった。怖かったけど、このままじゃラティアスが更に酷い目に遭ってしまう。

もう、ラティオスと同じような結末は見たくない。

だから私は走った。

怖かったけど、無我夢中で走った。

涙が出て来た。

ラティアスを助けることだけ考えて、私は走った。

 サトシ 「ダメだカノンっ! Jは人間にも容赦しないんだっ!」

それを聞いた瞬間、もっと別の恐怖が襲ってきた。Jのポケモンであろうボーマンダが、まっすぐ私を睨みつけている。

私……ラティアスを助けられないまま……。


― バシュッ!
 ▼ 128 イナシティの人 14/10/13 23:40:00 ID:9yeO4Bak [8/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「あっ……やっ……!?」

多分、時間にしたらほんの僅か、私が走り出した瞬間だったと思う。

突然“何か”にぶつかって、私は横にあった1本の太い木に押し付けられた。その衝撃が背中に加わって、一瞬呼吸が出来なくなった。

 カノン 「ごほっ……けほっ……こほっ……うぅっ……」

 サトシ 「カノン!」

 セレナ 「いやっ……カノン!」

 J 「おっとそれ以上動くな!」

駆け寄ってくるサトシ君とセレナちゃん。その2人の進路を、赤い物体が遮った。
 ▼ 129 イナシティの人 14/10/13 23:50:00 ID:9yeO4Bak [9/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「アリアドス……!」

そう……、私はアリアドスの蜘蛛の糸で、この木に貼り付けられてしまったんだ。

あの時、木の影に隠れていたアリアドスが、私に向けて蜘蛛の糸を弾丸のように発射した。それに巻き込まれた私は、抵抗する間もなく、木に押し付けられて……。


あぁ……、何にも変わってないよ、私。あの時だって、怪盗姉妹のアリアドスに捕まって、何もできなかった。同じだよ……あの時と……。

あの時、暴走したマシンはラティオスの力を奪い続けて……私の目の前で、ラティオスは苦しみ続けて……私は何もできなくて……。

 カノン 「嫌よっ! ラティオスと同じなんて……もう嫌っ……もう……同じことを起こさないでぇぇぇ……」

私は、声を上げて泣いてしまった。両手も蜘蛛の糸で固定されたせいで、顔を隠すことは出来ない。きっと私……凄い顔になってるんだろうな。
 ▼ 130 イナシティの人 14/10/14 00:00:00 ID:0Z4D4KKw [12/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ピカチュウ! まだ行けるか!?」

     「びっかぁ!」

 サトシ 「よし! ……セレナはフォッコを早くポケモンセンターへ!」

 セレナ 「そんなっ……サトシとカノンを置いて私だけ逃げるなんて出来ないよ!」

 サトシ 「そんなこと言ってる場合じゃないんだ! あいつは……Jは本当に何するか分からない……。そんな時、オレがセレナも守れる自信なんて無いんだよ!」

 セレナ 「サトシっ……」

 サトシ 「……セレナ、オレのバトルいつも見てるだろ? 心配いらない。絶対に勝つ。だからセレナは、早くフォッコを手当てして貰って……、それからジュンサーさんに知らせてくれ」

 セレナ 「うっ……サトシぃ……」グスッ

 サトシ 「早く行けセレナ。あいつは……あいつは絶対にオレが倒すから!」

 セレナ 「出来るだけ早く、ジュンサーさんに来てもらうからっ!」

 J 「逃がすな! アリアドス! あのガキに糸を……」

 サトシ 「させるかっ! ピカチュウ“10万ボルト”!」

     「びぃぃがぁぁぢゅぅぅぅ!」

アリアドスがセレナちゃんの方を向いた瞬間、“10万ボルト”がアリアドスに直撃。私の目の前にいた赤いアリアドスは、電撃で黒く焦げて、たった一瞬のうちに戦闘不能状態となった。


糸から逃れたセレナちゃんは、夜の街へと消えて行った。
 ▼ 131 イナシティの人 14/10/14 00:10:00 ID:0Z4D4KKw [13/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「少しはやるようだな。行け、ボーマンダ!」

 サトシ 「来たなボーマンダ……。ピカチュウ! “10万ボルト”だ!」

     「ぴぃぃかぁぁぁちゅぅぅぅ!」

 J 「ボーマンダ、“りゅうのはどう”!」

すぐにバトルは始まった。“10万ボルト”と“りゅうのはどう”は、2匹の中間で激突し、激しい爆発を起こす。

 サトシ 「“でんこうせっか”で接近だ!」

     「ぴっかぁ!」

 J 「猪口才な。上昇しろボーマンダ!」

“でんこうせっか”のスピードで迫りくるピカチュウを回避するためか、ボーマンダは上昇する。

 サトシ 「逃がすな! 木をつたって“アイアンテール”!」

     「ぴか!」
 ▼ 132 イナシティの人 14/10/14 00:20:00 ID:0Z4D4KKw [14/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウはスピードを保ったまま、何本かの木を足場にして高所を目指し、ボーマンダの上空を取る。

 J 「なにっ……!」

 サトシ 「行っけぇぇぇ!」

     「ちゅぴっかぁぁぁ!」

ピカチュウの“アイアンテール”が、ボーマンダの脳天を貫いた。

 サトシ 「“10万ボルト”!」

     「ぴぃかぁちゅぅぅぅ!」

間髪入れずに、サトシ君は攻撃の指示を続ける。“アイアンテール”の直撃でバランスを崩したボーマンダに、“10万ボルト”が直撃した。

 J 「何をやってるボーマンダ! 体制を立て直せ!」

しかしボーマンダは、電撃を浴びて墜落する。

 サトシ 「よしっ! いいぞピカチュウ!」

     「ぴぃかぁぁぁ」

効果はいま一つなのにこのダメージ……指示も的確だし、やっぱりサトシ君は凄い!
 ▼ 133 ガルデ@あさせのかいがら 14/10/14 00:22:36 ID:zxwNzsj2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援

あ、10万ボルトはマンダに等倍ですよ。
 ▼ 134 イナシティの人 14/10/14 00:30:00 ID:0Z4D4KKw [15/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「調子に乗って貰っては困るな」

Jは静かにそう言うと、左手を前に突き出した。

 サトシ 「ん? あれは……キーストーン!? じゃあボーマンダにも!?」

キーストーン……聞きなれない言葉に私は戸惑った。ただ一つ言えるのは、サトシ君の焦り具合からして、あまり良い展開では無いみたい。

確かに、Jの左手にはグローブが嵌められていて、甲の面に小さな石が貼りついているのが見える。あれがキーストーンなのかな。

そしてボーマンダをよく見てみると、後ろ足に、青く光る石がバンドで巻かれていた。


 J 「ボーマンダ、メガ進化!」
 ▼ 135 イナシティの人 14/10/14 00:32:00 ID:0Z4D4KKw [16/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>133
 支援とご指摘ありがとうございます。
 確かに、ボーマンダは“ドラゴンひこう”でしたね。大変失礼致しました。
 ▼ 136 イナシティの人 14/10/14 00:40:00 ID:0Z4D4KKw [17/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
そう叫んだ瞬間。

Jの左手の石とボーマンダの石が共に強く光だして、ボーマンダの姿がみるみるうちに変わっていく。

 カノン 「サトシ君! これって……」

 サトシ 「メガ進化……ポケモンの、もう1段階先の進化だ!」

 カノン 「メガ進化って……」

 サトシ 「トレーナーのキーストーンと、ポケモンのメガストーンが反応して起こるんだ。トレーナーとポケモンの絆がメガ進化の鍵って言うけど……」

 カノン 「そんな進化があるんだ……」

 サトシ 「けど……悪者が絆でメガ進化なんて ふざけてる!」

サトシ君は声を荒げた。
 ▼ 137 イナシティの人 14/10/14 00:50:02 ID:0Z4D4KKw [18/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
そうこしているうちに、ボーマンダは大きく姿を変えていた。

胸板はプロテクターのような頑丈そうな見た目に、赤い翼は三日月のような鋭利に婉曲した形に。そして何より、気迫がさっきとは比べ物にならない。


 サトシ 「クッ! 一気に行くぞピカチュウ! “エレキボール”!」

     「ぴぃぃぃがぁぁぁちゅっぴぃ!」

大きく飛び跳ねたピカチュウの尻尾から、金色に輝く電撃の球体が発射された。

さっきの“10万ボルト”と言いこの“エレキボール”と言い、一目見ただけで、どれだけ凄い威力を持っているかが分かる。流石、サトシ君のピカチュウだ。
 ▼ 138 イナシティの人 14/10/14 01:00:00 ID:.KtgE3nE [40/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「勝てると思っているのか? ボーマンダ、“はかいこうせん”」

けど、Jのボーマンダは、ピカチュウ上回っていた。スピードも、ワザの威力も。

 サトシ 「マズい……かわせピカチュウ!」

     「ぴかっ……!?」

飛び跳ねているピカチュウが、迫りくる特殊ワザを避けるなんて出来なかった。加えてピカチュウは、かなり体力を消耗している……。

 サトシ 「ピカチュウっ!?」

“はかいこうせん”は“エレキボール”を掻き消して、ピカチュウを飲み込んだ。オレンジ色の光線が生み出した爆発とともに、ピカチュウは地面に落下して、動かなくなった。
 ▼ 139 イナシティの人 14/10/14 01:20:00 ID:.KtgE3nE [41/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「くっ……ピカチュウ!」

 カノン 「そんな……ピカチュウが……」

もともとダメージが貯まっていたんだろうけど、一撃で負けちゃうなんて……。メガ進化って、こんなにも強くなるの……!?

サトシ君は倒れたピカチュウを抱きかかえて、Jを睨みつける。

 J 「どうした? その程度なら、警察が来る前に片付きそうだな」

 サトシ 「行け! ルチャブル!」

     「ちゃぶっ!」

サトシ君はルチャブルを繰り出した。ボールから出てくるなり、両手を大きく広げてポーズを取る。

 サトシ 「行けルチャブル! 間を詰めて“からてチョップ”だ!」
 ▼ 140 イナシティの人 14/10/14 01:30:00 ID:.KtgE3nE [42/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
Jがサトシ君とのバトルに気を取られている間に、私は何とか糸から抜け出そうと もがいてみる。

結果から言うと、無駄な足掻きだった。ネバネバした糸は、私の体に完全に密着している。

腰を中心に両手も巻き込まれて、木にきつく縛られているような状況だ。

もがいても もがいても、動けそうにない。

 カノン 「はかっ……はぁっ……」

あの時だってそうだ。大聖堂でアリアドスの糸に縛られて、どんなに力を込めても抜け出せなくて……。

また目の前で大切なものを失ってしまう……しかも今回は2つも……。

そんなの……そんなのって……。

 カノン 「ラティアス……サトシ君……うぅっ……」グスッ
 ▼ 141 イナシティの人 14/10/14 01:55:00 ID:.KtgE3nE [43/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
その時、一瞬だけ、糸が緩んだ気がした。

 カノン 「えっ……なんで……あっ」

木の後ろを無理矢理覗いてみて、答えが分かった。

     「やみぃ」

     「やぁぁみぃぃっ!」

さっきまで怯えていたヤミカラス2匹が、私を束縛する糸を、口ばしで切り刻んでいたのだ。

 カノン 「あなたたち……」

少しずつだけど、2匹のヤミカラスは一生懸命、糸を切っていく。野生のポケモンに助けられるなんて初めてだ。

……ううん。このヤミカラスは、ラティアスの友達だ。友達を助けるために、ヤミカラスは協力してくれている。

それなのに、私が弱気になっていたんじゃ意味がない!

 カノン 「ありがとう2人とも。……お願い。糸を切り終わったら、私に協力して!」

     「やみっ!」

     「やみぃっ!」

幸い、Jにはまだ気付かれていないみたいだ。
 ▼ 142 イナシティの人 14/10/14 02:00:00 ID:Ijb8YYrQ [23/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「クッ! 戻れヒノヤコマ! よく頑張ってくれたな……」

私たちが密かに動いている間に、サトシ君のルチャブルとヒノヤコマが戦闘不能に。

けどボーマンダには、あれから大きなダメージを与えられていない。

 J 「もう終わりか? その程度のポケモンで私に立ち向かうなど、つくづく馬鹿な奴だな貴様は!」

 サトシ 「まだだっ! 行くぞケロマツ!」

     「けろけろぉっ!」

サトシ君のポケモンはケロマツ。

午後に聞いた話だと、いまサトシ君が連れているポケモンは4匹。

ケロマツが、サトシ君の最後のポケモンなんだ……。
 ▼ 143 イナシティの人 14/10/14 02:05:00 ID:Ijb8YYrQ [24/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
今日はこの辺で終了させて頂きます。

皆様ご支援ありがとうございました。

再開は14日(火)の遅い時間帯を予定しています。
 ▼ 144 タグロス@すごいつりざお 14/10/14 02:08:50 ID:DnE6KIp6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 145 ティアス 心の雫 14/10/14 07:25:29 ID:YBqFd.TE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ケロムースかな
支援
 ▼ 146 ヤッキー@ピーピーエイド 14/10/14 17:29:16 ID:meDfaC96 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援age
 ▼ 147 ミラミ×ひこうのジュエル 14/10/14 17:44:13 ID:RZdyFWjY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
夜スレ主が書き始めやすいように定時的にageておこう
支援
 ▼ 148 ティアス 心の雫 14/10/14 19:30:48 ID:z2JnL/iA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
OK
支援
 ▼ 149 ミラミ×ひこうのジュエル 14/10/14 20:12:07 ID:Y5GnKjfg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
今現在1ページ目の半分のちょい下辺り

支援
 ▼ 150 ティアス 心の雫 14/10/14 20:27:40 ID:GRU8E2Ug NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 151 ミラミ×ひこうのジュエル 14/10/14 21:06:32 ID:zKyuaqyA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Shienn
 ▼ 152 ティアス 心の雫 14/10/14 21:32:19 ID:m7KWwcbY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 153 ガニウム@とけないこおり 14/10/14 22:01:07 ID:dJ68pKbw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 154 ティアス 心の雫 14/10/14 22:01:51 ID:12iK02hU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 155 ミラミ×ひこうのジュエル 14/10/14 23:00:17 ID:f.xpfW6U NGネーム登録 NGID登録 m 報告
何か知らんけど今晩は忙しいのかね 来る気配ないわ
とりあえず支援age
 ▼ 156 ィアルガ タイマーボール 14/10/14 23:14:54 ID:4BetJvHc NGネーム登録 NGID登録 報告
一部を除きかなり良いと思う
支援
 ▼ 157 ティアス 心の雫 14/10/14 23:21:58 ID:H1JTn6D2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 158 イナシティの人 14/10/14 23:30:58 ID:9yeO4Bak [10/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
お待たせいたしました。約束通り“遅い時間”にやって来ました(笑)

>>147様はじめ、ここまでのご支援感謝です。
 ▼ 159 イナシティの人 14/10/14 23:33:00 ID:9yeO4Bak [11/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ケロマツ! メガボーマンダは相当強力だ! ここはパワーじゃなくてスピード勝負で行くぞ!」

     「けろぉっ!」

 J 「無駄だ。“りゅうのはどう”!」

 サトシ 「かわすぞケロマツ! “かげぶんしん”!」

サトシ君のケロマツは、瞬く間に分身を生み出していく。夜の広場が一挙にしてケロマツで埋め尽くされた。

 J 「小癪なっ!」

“りゅうのはどう”は分身を掻き消していくけど、数が多い分、時間が掛かる。

 サトシ 「“みずのはどう”!」

     「けぇぇろぉっ!」

分身全てから繰り出された“みずのはどう”が、ボーマンダを襲う。実際出されているワザは本体のケロマツからのみだけど、ボーマンダを翻弄させるには十分だ。

 J 「クッ!」
 ▼ 160 イナシティの人 14/10/14 23:40:00 ID:9yeO4Bak [12/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「続けて“いあいぎり”!」

     「けろっ!」

“いあいぎり”の構えで飛び上がったケロマツは、360度ボーマンダを分身で取り囲んで、実態をカモフラージュ。今度も直撃した。

 サトシ 「いいぞケロマツ! 続けて……」

 J 「調子に乗るな小僧! ボーマンダ! 2時の方向に“かえんほうしゃ”!」

 サトシ 「なにっ……!?」

 カノン 「えっ……」

2時の方向がどっちかは分からないけど、少なくとも、私たちがいる所とは全然違う方向に、Jは攻撃を指示した。
 ▼ 161 オスバメ@ヨクアタール 14/10/14 23:49:36 ID:H6lOtR1s NGネーム登録 NGID登録 報告
支援します。
あまりSSとかは読まないのですが、たまたま関連記事から目に入って以来、毎日就寝前の楽しみとさせていただいております。
一時期ポケモン離れした身ですが、ポケモンXYになってから録画してまたアニメを見始めたので、各キャラの個性が存分に引き出されて描かれてるのがよくわかります。
また、ラティの映画に登場するカノンが、このSSの登場人物として違和感なく動いているので、カノンに密かに恋してた当事の小学生の頃の自分と、当時の事を色々思い出させてくれて、社会人になって急に忙しくなり自分を見失いそうになる今の僕にとってとても癒しです。
自分のペースで、頑張ってください!長文失礼いたしました。
 ▼ 162 イナシティの人 14/10/14 23:50:55 ID:9yeO4Bak [13/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
その先にあったのは、……木々の脇に佇む、小さな小屋。そこに“かえんほうしゃ”が直撃すると、瞬く間に、小屋は燃え上がる。

 サトシ 「おい何やってんだ!?」

そして、大きな爆発音が響き渡った。黒煙が空に立ち広がり、ただでさえ暗い夜空を、さらに黒く染める。

その直後、辺りが一気に闇に包まれた。

 サトシ 「なっ……!?」

 カノン 「電灯が……!?」

 J 「この公園の電源管理室を破壊した。灯りが無ければ“かげぶんしん”は使えないからな!」

 サトシ 「はっ……ケロマツ!」

そうか……。“かげぶんしん”は、自分の影を作り出して、相手を翻弄するワザ……。影を作り出す光源が無ければ、分身を作れない。

Jはそれを狙って、公園の電気を管理する建物を破壊したんだ!
 ▼ 163 イナシティの人 14/10/14 23:59:00 ID:9yeO4Bak [14/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>161

ご支援ありがとうございます。拙い文章ですが楽しんで頂き光栄です。

私も貴方と同じような心境に置かれていました。一時期ポケモンから離れて、しかし大きく進化を遂げたXY編からアニポケブームが再来、毎週欠かさず見ています。
小学生時代にカノンに夢中だったとのことで、きっと私と同年代ですね。私もその頃、カノンに惹かれていました。

ペースは一定では無いですが、早いうちに完結まで持っていきたいと考えています。ご感想ありがとうございました。
 ▼ 164 イナシティの人 14/10/15 00:00:00 ID:0Z4D4KKw [19/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「さぁ今まで生意気こいてた罰だ! ボーマンダ! “りゅうのはどう”!」

 サトシ 「クッ! 避けるぞケロマツ! 木を使うんだ!」

ケロマツは木を昇り降りし、飛び移り、葉に身を隠し、ボーマンダの巨体から迫る攻撃を回避する。

何本かの木々が、ボーマンダのワザを受けて大きな音を立てながら折れて、倒れていく。

いくらケロマツが素早いからって、割と広範囲に繰り出される“りゅうのはどう”を避け続けるのは、並大抵のことではない。

そんな状況に置かれて、ケロマツに疲れが出たのか……Jが叫ぶ。

 J 「ボーマンダ! あの枝だ!」

ケロマツの影は、枝の上で止まっていた。ケロマツにしてみれば、一瞬の休憩だったのかもしれない。

けど、Jはそれを見逃さなかった。

“りゅうのはどう”は、ケロマツの目前まで迫っている。あの状態から避けるなんて……多分できない……!
 ▼ 165 リキテル@せんせいのツメ 14/10/15 00:01:26 ID:u3Hclygc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
これマジ?
 ▼ 166 イナシティの人 14/10/15 00:10:00 ID:0Z4D4KKw [20/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「なっ!?」

ケロマツの影が消滅した。“りゅうのはどう”が直撃した、まさにその瞬間だった。

 サトシ 「今だケロマツ! “みずのはどう”!」

ケロマツは、ボーマンダの背後を取っていた。

 J 「貴様っ……いつの間に!?」

 サトシ 「あれはケロムースの囮だ!」

そうか。ケロマツは木々を飛び回っている間に、自分の姿のダミーをケロムースで作っていたんだ。これだけ真っ暗な中なら、それがケロムースだなんて、まず気付かない。

単に逃げているだけど思わせて、勝機を得るための作戦を実行する……やっぱり凄い、サトシ君!

“みずのはどう”がボーマンダの背中に直撃した、まさにその瞬間……。
 ▼ 167 イナシティの人 14/10/15 00:20:00 ID:0Z4D4KKw [21/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
    「やぁぁぁみぃっ!」

― ブチッ!

    「やっ! やみやみぃ!」

カノン 「糸が……ありがとう2人とも!」

 ヤミカラスたちが啄んでいた私を束縛する糸が、とうとう全て切れた。これで私はもう自由だ。


しかし同時に、良くないことも起こった。

 J 「効かん! ボーマンダ“はかいこうせん”!」

 サトシ 「あっケロマツ!?」

“みすのはどう”は、確かに直撃した。けど、ボーマンダはそれを耐え抜き、すぐさま視界にケロマツを捕えていた。

“みずのはどう”を確実に当てるため、木からジャンプする形でボーマンダに接近していたケロマツは、地面に着地しない限り、方向転換できない。

それを分かってか、ボーマンダは姿勢を低くして、ケロマツの着地地点になるであろう場所を陣取る。


そこから“はかいこうせん”が打ち出された。
 ▼ 168 イナシティの人 14/10/15 00:30:00 ID:0Z4D4KKw [22/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ケロマツっ!」

ゼロ距離攻撃……って言うんだよね、こういうの。“はかいこうせん”がどれだけ凄いワザかは、バトルに詳しくない私にだって分かる。

それを……ゼロ距離で……。


爆発音とともに、ケロマツは大きく弾き飛ばされて、力なく地面に倒れ込んだ。

 サトシ 「ケロマツ! しっかりしろケロマツ!」

すぐさま駆け寄ったサトシ君は、ケロマツを抱きかかえる。

     「けっ……けろぉ……っ!」

ケロマツの意識はまだあるみたいだ。……けど、これ以上バトルを続けられるか分からない。


もうこれ以上バトルをさせないために……ラティアスを助けるために……。

 カノン 「行くよ2人とも」

私は小声でヤミカラスたちに合図して、走り出した。
 ▼ 169 イナシティの人 14/10/15 00:40:00 ID:0Z4D4KKw [23/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
     「やみぃっ!」

     「やみやみやみぃっ!」

 J 「なっ……なんだこいつら!?」

空は雲と煙で真っ暗、電灯は点いていない。Jが作り出した環境が、これほどまで私に有利に働いてくれるとは、思ってもいなかった。

闇に紛れて一気に近づき、まずはヤミカラスがJに纏わりついて意識を反らせる。

その隙を突いて私がやることは、ただ一つ。

 カノン 「こんなものぉぉぉっ!」
 ▼ 170 ティアス 心の雫 14/10/15 00:47:49 ID:JWSUxwUA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
待ってましたカノン
支援
 ▼ 171 イナシティの人 14/10/15 00:50:07 ID:0Z4D4KKw [24/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
手ごろな石を手に取った私は、Jの左手に付けられた石――キーストーンを、力一杯叩きつけた。

悪い人なのに絆で強くなる……? ふざけないで! 貴方のような人に絆を語る資格なんて、これっぽっちも無いんだからっ!

 J 「なっ……貴様っ!?」

 サトシ 「カノンっ!?」

鈍い音が響いた。多分、Jも痛かったと思う……左手。

キーストーンは亀裂が入り、真っ二つに割れた。そして、グローブに固定されていない部分が、乾いた音を立てて地面に落下した。

 カノン 「やった……! 行くよ2人とも!」

私はすぐさま、割れた傍らを回収してラティアスの元へと走る。


キーストーンが壊れてしまっては、メガ進化はできないはずだ。

ヤミカラス2人と協力して、ラティアスを捕まえているドラピオンを何とかする。

そしてサトシ君のケロマツが体勢を立て直せば、勝負はまだ分からない!
 ▼ 172 ティアス 心の雫 14/10/15 00:52:35 ID:JWSUxwUA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ケロマツVSボーマンダ
ヤミカラス×2VSドラピオン
頑張れサトシとカノン
支援
 ▼ 173 イナシティの人 14/10/15 01:00:00 ID:.KtgE3nE [44/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「ラティアァァァス!」

     「くぅ……っ」

私の呼びかけに、ラティアスは微かに動いた。良かった。まだ意識はある!

 J 「クッ……あのガキよくも……! ドラピオン! ヤミカラスを“ミサイルばり”で蹴散らせ!」

今まで待機していたドラピオンが動いた。

ドラピオンはラティアスを掴んだまま、尻尾から“ミサイルばり”を発射。それは2匹のヤミカラスに直撃して、あえなく撃ち落とされる。

 カノン 「そんなっ……ヤミカラス!?」

 J 「そんなザコより自分の心配した方がいいんじゃないか? ドラピオン! あのガキを痛めつけろ!」

無防備になった私の前に、ドラピオンが立ちはだかる。

 カノン 「あぁっ……」

 サトシ 「逃げろカノン! 逃げるんだぁ!」

サトシ君の声に耳を傾けた瞬間だった。

私の体は、宙を舞っていた。

 サトシ 「カノンっ!?」

痛みより、えっ? って感じだった。何で私……あぁ、そっか。ドラピオンの尻尾に叩きつけられて、私は弾き飛ばされたんだ。あんなに近くまで、ラティアスのところに行けたのに……。
 ▼ 174 ティアス 心の雫 14/10/15 01:01:10 ID:RPDDJWnw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
カノン…
じっじえんっズズッ
 ▼ 175 イナシティの人 14/10/15 01:09:59 ID:.KtgE3nE [45/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
地面に落下して、私は激痛を感じた。ドラピオンに叩きつけられたお腹と、落ちたときに打った左腕と、そのまま少し滑ったことによる、左腕と両足の擦り傷……。

あぁ……スカートなんて穿いてこなきゃ良かった……。

絵描きの信念として、大切な右腕は本能的に庇ったため、右手に握っていたキーストンの破片は持ったままだ。

 サトシ 「カノンっ! おい大丈夫か!? カノン!」

 カノン 「うぅっ……痛い……痛いよぉ……」

 サトシ 「カノンっ! なんであんな無茶したんだよっ!?」

駆け寄って来たサトシ君に、私は上半身を抱き起された。あぁ、私、サトシ君に抱かれて、サトシ君のすぐそばに……。

 カノン 「サトシ君……これっ……キーストーン壊したからっ……ボーマンダはもう……」

私は痛みを我慢して、精一杯、サトシ君に笑顔を見せた。
 ▼ 176 ティアス 心の雫 14/10/15 01:11:24 ID:RPDDJWnw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サトシあとは任せた
支援
 ▼ 177 ティアス 心の雫 14/10/15 01:20:06 ID:RPDDJWnw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 178 イナシティの人 14/10/15 01:30:00 ID:.KtgE3nE [46/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「私のメガボーマンダがどうしたって!?」

 カノン 「……えっ?」

しかし、Jの前にいるボーマンダの姿は、メガ進化したままだった。

 カノン 「そんな……」

 J 「ふん。たとえ欠けたとしても、キーストーンはキーストーンだ。メガ進化の継続に、何ら支障はない!」

 カノン 「うぅっ……そんなっ……」

 サトシ 「カノンっ!」

涙が溢れて来た。勇気を出して、頑張って、敵に突っ込んで行ったのに……無意味だったんだ……。

 カノン 「ラティアス……」
 ▼ 179 イナシティの人 14/10/15 01:40:00 ID:.KtgE3nE [47/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「さぁお遊びはお終いにしよう。ボーマンダ! あのガキどもに“りゅうのはどう”!」

私たち、狙われてるんだ。ボーマンダのワザに。

 カノン 「逃げて……サトシ君……」

 サトシ 「そんなこと出来るわけないだろっ! 体張って突破口を作り出そうとしたカノンを置いて……逃げれるわけないだろぉ!」

 カノン 「サトシ君……」

 サトシ 「ケロマツ頼むっ! “みずのはどう”で向かい打ってくれ!」

ケロマツは息を荒くしながら立ち上がり、迫りくる“りゅうのはどう”に立ちはだかる。

     「けぇぇぇぇぇろぉぉぉっ!」

鳴き声で分かる。自分の力すべてを込めて、“みずのはどう”を打ったんだ。

“りゅうのはどう”に真っ向からぶつかった“みずのはどう”は、しかし、“りゅうのはどう”に呑み込まれて消えた。

     「けろぉっ……」
 ▼ 180 イナシティの人 14/10/15 01:50:00 ID:.KtgE3nE [48/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「クッ!」

一瞬のことだった。サトシ君は私を強く抱きしめると、自分の背中を“りゅうのはどう”に向けた。

 カノン 「サトシ君……」


そして、“りゅうのはどう”はそのままケロマツを巻き込んで、私とサトシ君に到達した。

 サトシ 「うわぁぁぁぁぁっ……」

 カノン 「きゃぁぁぁぁぁっ……」

多分、“みずのはどう”のお陰で、威力はある程度落ちている。……けど、生身の体が受けるには、負担が大きすぎた。

痛い。体が焼けるように痛い……。

勢いに負けて、後ろに弾き飛ばされた。サトシ君に抱かれたまま、10メートルほど転がって、木の根元で止まった。

 サトシ 「うっ……痛っ……」

 カノン 「はぁっ……はぁっ……はがっ……」

意識はまだあるけど、いつプッツリ切れてしまってもおかしくない。庇ってくれたサトシ君にお礼を言うことさえ、出来ない状況だったから……。


     「くうううううぅぅぅぅぅんんんんっ!!!」

一連のことを見ていたと思われるラティアスが、悲しそうな悲鳴を上げた。
 ▼ 181 イナシティの人 14/10/15 01:55:00 ID:.KtgE3nE [49/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
今日はこの辺で終了させて頂きます。

皆様のご支援に感謝です。

ORSA公式サイトにある、ラティアスのポケパレル画像が可愛すぎてニヤニヤしっぱなしですが、15日(水)の遅い時間帯に再開を予定しています。
 ▼ 182 ィ@ピンクのバンダナ 14/10/15 07:38:16 ID:xE/O6Swo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
面白い!
 ▼ 183 ティアス 心の雫 14/10/15 07:50:06 ID:gW8qA/so NGネーム登録 NGID登録 m 報告
楽しみにしてます支援
 ▼ 184 マンタ@きちょうなホネ 14/10/15 18:06:32 ID:cqIQZtDY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 185 ティアス 心の雫 14/10/15 20:52:43 ID:uNg9Jd3Y NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 186 イナシティの人 14/10/15 22:07:34 ID:Ijb8YYrQ [25/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
お待たせしました。これより再開致しますが、この次の更新は23時半以降となりますので、ご了承ください。

ここまでのご支援、ご感想に感謝です。
 ▼ 187 イナシティの人 14/10/15 22:10:00 ID:Ijb8YYrQ [26/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
【19】

アルトマーレ、秘密の庭。

この庭の水辺には、巡りつたってアルトマーレの運河に、そして海に、清らかな水を注ぐ噴水がある。

その中央には、アルトマーレの平和を護って来た、“こころのしずく”が暖かな光を発しながら輝いている。


その時。


“こころのしずく”が強い光を放ったかと思うと、一筋の光となって、夜の大空へと消えて行った。

 ボンゴレ 「何事じゃ!? こっ……こころのしずくがっ!?」

カノンの祖父、ボンゴレは、突然のことに驚き、ひどく焦った。“こころのしずく”が消えることは、アルトマーレの平和を維持できないことに繋がってしまうからだ。

     「くぉぉ……」

     「くぅん……」

秘密の庭で暮らしている、別個体のラティアスとラティオスは、その光の行く先を見守っていた。

 ボンゴレ 「お前たち……驚かないのか?」

     「くぅ!」

     「くぉっ……くぉぉぉ」

 ボンゴレ 「そうか……。ならば、この結末を見守らなくてはいかんな……」
 ▼ 188 ルキア@ミュウツナイトY 14/10/15 22:26:57 ID:UYWRSrAo NGネーム登録 NGID登録 報告
クイズ番組に出演してる大誤算ワロタwwwwwww
 ▼ 189 ガミュウツーY@スピードパウダー 14/10/15 23:21:22 ID:fTf1KLRM NGネーム登録 NGID登録 報告
>>1のコテハンの由来って何?
 ▼ 190 イナシティの人 14/10/15 23:30:01 ID:9yeO4Bak [15/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
【20】

 サトシ 「カノンっ……あれは……」

 カノン 「えっ……」

朦朧とする中、サトシ君が見つめる先に目をやると、一筋の光が降り注いでくるのが見えた。

それは雲を貫いて、黒煙を掻き消して、ラティアスの元に到達する。

 J 「何事だっ!?」

月明かりが、広場を優しく照らした。そして、ラティアスの元に舞い降りた光の正体が、ここからでも確認できた。

 サトシ 「カノン! あれって……!」

 カノン 「こころのしずく……」

なんでここに“こころのしずく”があるかは分からない。けど、それは“こころのしずく”で間違いない。


“こころのしずく”は、ラティアスの額で静止し、暖かな光を発していた。
 ▼ 191 イナシティの人 14/10/15 23:35:00 ID:9yeO4Bak [16/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>189
深い意味はありませんが、別の場所で書いているポケモン小説のハンドルネームがカイナシティに関係しているので、とりあえず“カイナシティの人”で落ち着きました。

それよか、>>188>>189のメガミューツーY繋がりが狙ったとしか思えない(笑)
 ▼ 192 イナシティの人 14/10/15 23:40:00 ID:9yeO4Bak [17/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「なんだこの邪魔な光はっ!」

Jが、“こころのしずく”に手を伸ばす。


ダメ……悪しき者が“こころのしずく”に触れたらダメなんだ。

あの時だって。怪盗姉妹が“こころのしずく”に触れたせいで、心は汚れて、島に大津波が襲ってきたんだ。

 サトシ 「触っちゃダメだぁぁぁ!」

 カノン 「うぅっ……ラティアァァァス!」
 ▼ 193 イナシティの人 14/10/15 23:50:00 ID:9yeO4Bak [18/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
その時だった。


“こころのしずく”が、さらに強く光り始めた。まるで、Jに触れられることを拒むかのように。

 J 「クッ……」

動きを止めるJ。ボーマンダもドラピオンも、その光の強さに唖然としている。

 サトシ 「カノン! 右手!」

 カノン 「えっ?」

握りしめていた私の右手から、光が漏れだしている。

そっと開くと、Jから奪い取ったキーストーンが、“こころのしずく”に負けじと光り輝いていた。

 カノン 「これってもしかして……」

 サトシ 「……きっとそうだ!」

私は直感した。そしてサトシ君も、それに気付いたようだ。
 ▼ 194 イナシティの人 14/10/16 00:02:00 ID:0Z4D4KKw [25/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
けど……。

 カノン 「私……バトルなんて……」

 サトシ 「オレがついてる。一緒にやろう! カノン!」

サトシ君は、力強く言ってくれた。今まで憧れだったサトシ君が、こんなにも頼もしく見えたのは、多分、これが初めてだ。

 サトシ 「行くぜカノン!」

サトシ君は、キーストーンが乗っている私の右手をギュッと握りしめ、真剣な眼差しで言った。

 カノン 「あっ……うん!」

サトシ君と触れ合えたことに一瞬ドキッとしたけど、すぐに前を見つめて、しっかりとサトシ君の左手を握り返した。
 ▼ 195 ティアス 心の雫 14/10/16 00:04:27 ID:j7h0uohY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
まさかな…
 ▼ 196 イナシティの人 14/10/16 00:06:00 ID:0Z4D4KKw [26/67] NGネーム登録 NGID登録 報告


 サトシ 「ラティアス、メガ進化!」

 カノン 「ラティアス、メガ進化!」

 ▼ 197 イナシティの人 14/10/16 00:10:01 ID:0Z4D4KKw [27/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ラティアスの体が、透き通るような輝きに包まれる。

私とサトシ君が握るキーストーンも、それに同調するかのように、暖かく光輝き始めた。

ラティアスの体は、まるで爆発でもしたかのように激しく輝きを増す。その衝撃波と言うか、波動と言うか……とにかくそれによって、ラティアスを捕えていたドラピオンが、ボーマンダが、Jが、後方に弾き飛ばされた。

 J 「くそっ……まさかこいつもメガ進化を!?」


輝きが収束すると、そこにいたのは、姿を大きく変えたラティアスだった。

赤い体は、青に近い薄紫色に、腕と翼は一体になり、ジェット機のようなスラっとしたフォルムに、尻尾は伸びて足のように。

     「くわぁぁぁぁぁん!」

けど、顔から首にかけての滑らかな輪郭と、黄色い瞳は、まさしくラティアスそのものだった。

空に大きく奏でた雄叫びも、ラティアスの声に変わりはない。


 サトシ 「あれが……メガラティアス!」

 カノン 「凄い……凄いよラティアス……!」

ラティアスはJ側から離れ、私たちの前に移動してきた。

     「くわぁぁぁん♪」

 カノン 「ふふっ。ラティアス、あなたすっごく格好良いよ!」
 ▼ 198 ティアス 心の雫 14/10/16 00:11:28 ID:RBlQr5pw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
でーたーーー
確か今チーtボゴゥェ
 ▼ 199 イナシティの人 14/10/16 00:20:01 ID:0Z4D4KKw [28/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「立てるかカノン?」

 カノン 「うん」

サトシ君が、まず立ち上がる。そしてキーストーンを介した左腕で、私を立ち上がらせてくれた。

 カノン 「あっ……」

バランスを崩した。さっき飛ばされた時の傷が、足にジンジンと響く。

けど、サトシ君が私をがっしりと抱き止めてくれた。一緒にキーストーンを握っているから、本当に、サトシ君に抱きしめられるような形で、私は立っている。

 カノン 「サトシ君……」

 サトシ 「感じるか? カノン?」

 カノン 「うん……感じるよ、ラティアスの気持ち……」

ラティアス、テレパシーを送ってくれているんだね。絶対にあの人を許さない、みんなを傷つけて、絶対に許さない、って。

 サトシ 「よし……。行くぜラティアス!」

     「くわぁんっ!」
 ▼ 200 ンシレックウザ◆2DoXBrZi1c 14/10/16 00:21:49 ID:FhAmNWck [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
キタキタキタァ
 ▼ 201 ティアス 心の雫 14/10/16 00:28:58 ID:raYLaS/k NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ラティアスお前に掛かっている
頑張れ支援
 ▼ 202 イナシティの人 14/10/16 00:30:00 ID:0Z4D4KKw [29/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
伝わってくる、ラティアスの気持ち。そして、まだ諦めていない、サトシ君の強い想い。

私たちの想いが、ラティアスをメガ進化させたんだ。可愛くて人懐っこくて御転婆なラティアスが、こんなに立派な姿に……。本当に凄いよ、ラティアス。


 J 「ボーマンダ“りゅうのはどう”!」

けど、Jは私に感動する時間を与えてくれないみたいだ。体勢を立て直したボーマンダが、ラティアスに向けて“りゅうのはどう”を放つ。

 サトシ 「バトルは任せてくれ、カノン!」

サトシ君は、逞しい笑顔を見せて言った。

 サトシ 「ラティアス! こっちも“りゅうのはどう”だ!」

     「くぅぁぁん!」

ラティアスが使えるワザが、自然と脳裏をよぎった。きっとサトシ君もそうだったんだろうな。一度もラティアスでバトルしたことないのに、何の躊躇いも無く、ワザを指示するなんて



メガラティアスとメガボーマンダ。メガ進化同士の“りゅうのはどう”が、広場の中央で激突した。力はほとんど互角。行き場を失ったその莫大なエネルギーが、青白い光を放って爆発

した。

 J 「互角か……」
 ▼ 203 ンシレックウザ◆2DoXBrZi1c 14/10/16 00:32:12 ID:FhAmNWck [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
カノンのオナ ニーシーンを除けば映画化レベル
 ▼ 204 イナシティの人 14/10/16 00:40:01 ID:0Z4D4KKw [30/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「攻めるぞラティアス! “ミストボール”!」

     「くぁぁぁぁくぅん!」

ラティアスが大きな翼を振り下ろすと、白い球体がボーマンダに向けて発射された。

“ミストボール”。霧のように真っ白な羽毛を念力に乗せて打ち出す、ラティアスにしか出来ないワザだ。

 J 「“かげぶんしん”!」

 サトシ 「なにっ!?」

けど、ボーマンダは、“かげぶんしん”で“ミストボール”を回避した。

 サトシ 「……月明かりが!」

さっき“こころのしずく”が空を突き抜けたおかげで、今では満月と星空が見える。電灯が全て消えていても、“かげぶんしん”を出す光源は確保されていた。

 J 「ふん。その光る球……こっちが有利な状況を作り出してくれたな!」

ボーマンダの分身は、瞬く間にしてラティアスを取り囲む。
 ▼ 205 イナシティの人 14/10/16 00:41:00 ID:0Z4D4KKw [31/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>203
それは本当に申し訳ない……。
 ▼ 206 ティアス 心の雫 14/10/16 00:44:18 ID:QyQKiiA. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 207 イナシティの人 14/10/16 00:50:00 ID:0Z4D4KKw [32/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
     「くぅ……!?」

 サトシ 「落ち着けラティアス! 本物は一つだ!」

 J 「潰せボーマンダ! “はかいこうせん”!」

ボーマンダと分身全てが、“はかいこうせん”の構えに入る。ラティアスのまわり360度上下左右、逃げる場所は無い。

 サトシ 「ラティアス!」

 J 「お前のケロマツがやったことと同じだ。やれボーマンダ!」



……させないよ、J。
 ▼ 208 ティアス 心の雫 14/10/16 00:51:09 ID:QyQKiiA. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ラティアスーーーーーー
支援
 ▼ 209 ンシレックウザ◆2DoXBrZi1c 14/10/16 00:52:53 ID:FhAmNWck [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
あの〜皆さん忘れてる人多いと思いますがユリーカとシトロン病院にいるよ
 ▼ 210 イナシティの人 14/10/16 01:00:00 ID:.KtgE3nE [50/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「ラティアス! “ラスターパージ”!」

それは、本来ラティオスが覚えているワザだ。でも、それを使えるって、ラティアスが語りかけてくれた。

     「くぅぅぅぅ……くわあああぁぁぁぁぁん!」

ラティアスの体がみるみるうちに輝きだし、大きな光の球体となる。その眩い光が解放され、ラティアスを中心に全方向に破裂した。

それが、“ラスターパージ”。

ねぇ、貴方なんだよね……。


――――――――――
※注釈:「水の都の護神」映画内で、ラティアスは“ラスターパージ”を使用しています。ラティオス専用ワザですが、ここでは映画の設定に則りました。
 ▼ 211 ティアス 心の雫 14/10/16 01:06:38 ID:du./6.q6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
確かこの心の雫
ラティオスのだよね
見たときラティオスの加護かなーって
思ってしまった
支援
 ▼ 212 イナシティの人 14/10/16 01:10:00 ID:.KtgE3nE [51/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ボーマンダの分身は、今ので全滅。ボーマンダ自体にも、大きなダメージを与えることに成功した。

 サトシ 「いいぞラティアス! 上手いぜカノン」

     「くぅあぁぁん!」

サトシ君は、本当に嬉しそうにニカッと笑った。つられて私も笑顔になる。私の指示が、バトルを良い方向に運んだんだ……!

 J 「しっかりしろボーマンダ! 上昇しろ!」

けど、ボーマンダはまだ倒れない。やっぱり、メガ進化すると体力も上がるんだな。

 サトシ 「追うぞラティアス! こっちも上昇だ!」

     「くぁんっ!」

ラティアスは大きく羽ばたいて、月明かり照らす夜空に舞い上がる。

 J 「“りゅうのはどう”!」

 サトシ 「かわして こっちも“りゅうのはどう”だ!」

ボーマンダの攻撃を避けたラティアスは、今度は攻めに転じる。間合いを詰めて“りゅうのはどう”を繰り出したけど、ボーマンダはそれを避ける。

どっちも素早さは譲らない。
 ▼ 213 イナシティの人 14/10/16 01:15:00 ID:.KtgE3nE [52/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ボーマンダが地面すれすれを滑空して、私たちの脇をすり抜ける。

思わず足がぐらついてしまったけど、サトシ君が力強く抱きしめて守ってくれた。

追うラティアスも、低空飛行でボーマンダに続いて、再び夜空へと舞い上がる。

今は澄み渡った大空に浮かぶ満月に、2匹の羽ばたくシルエットが影絵のように焼きついた。

もう、目で追うのは難しい。それほどラティアスとボーマンダは高速でバトルしている。

“ミストボール”と“りゅうのはどう”が乱れ打たれるなか、2匹は一歩も譲らない。


避けて、避けて、攻撃するラティアス。

あなたがこんなに激しいバトルをする姿なんて、想像したことも無かった。

きっとラティアスは、大人への階段を一歩、登ったんだろうな。

バトルを好まない種族だけど、ピンチの時には、皆を護るために戦う……。

ラティアス、アルトマーレの護神としての役割、あなたならきっと務まるよ……。
 ▼ 214 ティアス 心の雫 14/10/16 01:18:29 ID:v0PQ2o5. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ラティアス頑張れ
支援
 ▼ 215 イナシティの人 14/10/16 01:50:00 ID:.KtgE3nE [53/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「埒があかない! ボーマンダ降下しろ! あのガキどもに“りゅうのはどう”だ!」

突如Jが叫んだ言葉に、私たちはハッとした。

 サトシ 「マズい! Jの奴っ……!」

ボーマンダは上空で転回し、私たちの元へ一直線に急降下してくる。

     「くぁぁぁぁぁん!」

ラティアスもそれに続くけど……追いつくには距離が足りない!

 サトシ 「ケロマツ……はもう体力が無い……! 走れカノン!」

 カノン 「うっ……うん!」

もう、逃げるしかない。けど、私は走れなかった。サトシ君に支えて貰いながら、早歩きが精一杯。その間にも、ボーマンダはどんどん私たちとの距離を縮めていく。

 J 「くたばれガキどもぉ!」

Jの恨めしい声が響いた。

後ろを振り向くと、すぐ近くまで迫っていたボーマンダが口を開けて、今まさに“りゅうのはどう”を打ち出すところだった。

ダメ……逃げきれない……!
 ▼ 216 イナシティの人 14/10/16 01:54:59 ID:.KtgE3nE [54/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
     「やぁぁぁみぃぃぃっ!」

     「やみぃぃぃぃぃ!」

傷だらけのはずのヤミカラスたちが叫んだ。

 サトシ 「あっ……!」

 カノン 「あなたたち……」

2匹のヤミカラスは、ボーマンダに向けて“くろいきり”を噴出した。公園一帯が真っ黒な霧で覆われて、視界が全く効かない。それは さながら煙幕だ。

 J 「おのれチョコマカと……!」

 カノン 「ありがとう2人とも!」

 サトシ 「サンキュー、ヤミカラス! 助かったぜ!」

ひとまず危機は回避した。

私たちはヤミカラスと一緒に木の後ろに隠れて、あたりを見回してみる。

……やっぱり何も見えない。
 ▼ 217 イナシティの人 14/10/16 02:00:00 ID:Ijb8YYrQ [27/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「こんな霧の中だとラティアスも……」

そう、これだとラティアスにも影響が出てしまう。

 サトシ 「……いや、ラティアスなら行ける!」

 カノン 「えっ?」

 サトシ 「聞こえるかラティアス! “ラスターパージ”を保ったまま霧に突っ込め!」

サトシ君は叫んだ。

     「くわぁぁぁん!」

ラティアスの声も聞こえた。


そうか。“ラスターパージ”は、自分の元に光を作りだして、それを解放する勢いで、ダメージを与えるワザ。光を解放しなければ、それはラティアスにとってライトになる。

サトシ君……バトルで“ラスターパージ”を見るのは初めてなのに、もう使いこなしている。

凄いよ、本当に凄いよ、サトシ君。
 ▼ 218 ティアス 心の雫 14/10/16 02:01:09 ID:31rkTWMI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヤミカラスナイス
ついでにドンカラスも呼んで(笑)
 ▼ 219 イナシティの人 14/10/16 02:05:00 ID:Ijb8YYrQ [28/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
     「くぅぅぅあああぁぁぁぁぁんっ!」

ラティアスが高い声で叫んだ。それは、“ラスターパージ”の光を解放した証。それは即ち、ボーマンダの姿を捉えたと言うことだ。

その直後、何かが激しくぶつかる音、そして、地面に何かが落ちる音が響いた。

 J 「何をしている!? ボーマンダ!」


 サトシ 「ボーマンダの位置は追ってるよなラティアス! “ミストボール”!」

     「くああぁぁん!」

ラティアスから発射された真っ白な球体が、黒い霧の中からもはっきり見える。

衝撃音とともにボーマンダの鳴き声が聞こえたから、攻撃は当たっている。

 J 「羽ばたけボーマンダ! この霧を吹き飛ばせ!」

Jは怒鳴る。そして風が吹いた。

おそらくそれは、ボーマンダが羽ばたいて起こした風。

あの三日月のような翼から送られる風は、ものの数秒で黒い霧を全て吹き飛ばし、広場の中の視界が開けた。
 ▼ 220 イナシティの人 14/10/16 02:07:30 ID:Ijb8YYrQ [29/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
 J 「なっ!?」

ラティアスは、ボーマンダの真正面にいた。

強力なメガ進化ポケモン、今まで自分を苦しめていたメガボーマンダの真正面。

黒い霧で自分の姿を隠しているとは言え、そんな、恐怖さえ感じるであろう敵の真ん前に、ラティアスは堂々と構えていた。

 カノン 「ラティアス……」

その表情は、とても凛々しくて、勇気に満ち溢れていて……。

 サトシ 「カノン!」

 カノン 「……うんっ!」
 ▼ 221 イナシティの人 14/10/16 02:08:30 ID:Ijb8YYrQ [30/34] NGネーム登録 NGID登録 報告


 サトシ 「ラスターパージ!」

 カノン 「ラスターパージ!」

 ▼ 222 イナシティの人 14/10/16 02:09:30 ID:Ijb8YYrQ [31/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
     「くぅぅぅあああぁぁぁぁぁん!!!」

光輝くラティアス。勇ましい表情で、“ラスターパージ”のパワーを解放する。

光を操る、青に近い薄紫色をしたその姿に、私はラティオスの面影を見た。


 ― あぁ、そうだ。


至近距離で解放された光が、メガボーマンダを瞬く間に呑み込んでいく。


 ― “ラスターパージ”を使った時点で、それは確実だったんだ。


大きく破裂する光の球体。それに巻き込まれるメガボーマンダ。


 ― あれは……メガラティアスのあの姿は……。

 ▼ 223 イナシティの人 14/10/16 02:10:30 ID:Ijb8YYrQ [32/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
光が収まると、メガボーマンダは地面に横たわり、そして、普通のボーマンダの姿に戻っていた。

メガ進化が解除されたってことは、……勝ったんだ、私たち!


 サトシ 「やった……やったぜラティアス!」

     「くわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
 ▼ 224 モンガ@リバティチケット 14/10/16 02:11:10 ID:ij8SLrs6 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>221
ここは
サトシ・カノン「ラスターパージ!!」
のほうがよかったんじゃない?
 ▼ 225 イナシティの人 14/10/16 02:13:01 ID:Ijb8YYrQ [33/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
今日はこの辺で終了させて頂きます。

本日もご支援ありがとうございました。

16日(木)はポケモンを見終わってからの再開を予定しています。
 ▼ 226 ティアス 心の雫 14/10/16 02:13:34 ID:PhoVNxz. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
よかった
これで平和に
ユリーカはどうなった?
 ▼ 227 イナシティの人 14/10/16 02:16:30 ID:Ijb8YYrQ [34/34] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>224
ご指摘ありがとうございます。
ただ、鉤括弧前の形式を統一したかったので、ここでは>>221のような形に纏めました。
 ▼ 228 ソハチ@つららのプレート 14/10/16 18:27:53 ID:WU9YP0KI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 229 イナシティの人 14/10/16 19:37:30 ID:lCCG/MIQ [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
お待たせ致しました。もう間もなく更新再開します。

今日のアニポケでセレナはヤンチャムをゲットしましたが、このSSはそれより前の時間軸ですので、ヤンチャムは登場しません。念のため。
 ▼ 230 イナシティの人 14/10/16 19:40:00 ID:lCCG/MIQ [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
遠くから、サイレンの音が聞こえてきた。きっとセレナちゃんが呼んでくれたジュンサーさんだ。

 J 「戻れボーマンダ。この役立たずが……」

Jはボーマンダをボールに戻して、私たちに背中を向ける。

 サトシ 「待てよJっ!」

サトシ君が叫ぶと、Jは立ち止まった。

 J 「これ以上は無駄だと分かった。撤収するのみだ」

よく見ると、Jは何かの機械を背負っている。Jがその機械を操作すると、機械の下についている噴射構のような部分から、微かに気流のようなものが発生しているのが見えた。


逃げる気だ、J。

本当に……私たち、Jに勝ったんだ。

ラティアスを襲った悪い人に、私たちは勝ったんだ。

今度こそ、ラティアスを護れたんだ。


私は安心の余り、サトシ君の支えを離れて、ヘタッとその場にしゃがみ込んでしまった。
 ▼ 231 イナシティの人 14/10/16 19:50:00 ID:lCCG/MIQ [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「逃げるのか!? まだどっかで密漁する気なのかっ!?」

Jはサトシ君の言葉を無視して、空に飛び立った。あの機械は空を飛ぶための装置だったのか、ロケットのように、Jは月夜に飛び立った。

 サトシ 「待て! ラティアス、“ミストボール”でJを止めるんだ!」

Jを真っ直ぐ睨みつけるサトシ君は、険しい表情でラティアスに言った。

     「くわぁん!」

もちろんラティアスは、すぐさま攻撃態勢に入る。

けど……。
 ▼ 232 ティアス 心の雫 14/10/16 19:59:53 ID:mMdyobIE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
間に合わなかったんだろうな
 ▼ 233 イナシティの人 14/10/16 20:00:00 ID:0Z4D4KKw [33/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「ダメぇぇぇっ!」

 サトシ 「えっ?」

     「くぅぅ?」

私はすぐさま立ち上がり、サトシ君の肩を掴んで制止した。

 カノン 「ダメよサトシ君! 人を攻撃なんて絶対にダメ!」

 サトシ 「カノン……」

 カノン 「いくらJが悪い人だからって……ラティアスを襲った悪い人だからって……攻撃なんて絶対にダメ! ラティアスたちはそんなことするポケモンじゃ無いの! ラティアスたちは……ラティアスたちは人を護るポケモンなのっ! だから……だからっ……」

     「くぁぁん……」

サトシ君に必死に訴えた私は、何故か涙が次々と零れ落ちた。

確かに、Jをこのまま逃がしたら、また何処かで密漁を働いて、悲しむ人が出るかもしれない。

けど、それを正すのは、ラティアスの仕事じゃない。ラティアスは、護る側の存在なんだ。

普段は大人しくて、無邪気で、ポケモン達と触れ合って、人間のことが大好きで……。

ラティアスは、そんな日常を護る存在なんだ。
 ▼ 234 イナシティの人 14/10/16 20:10:00 ID:0Z4D4KKw [34/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ラティアス、“ミストボール”中止だ。ごめんな、皆を護るはずのお前に、攻撃させようとして……。オレ、頭に血が上っちゃってたよ」

     「くぅんっ♪」

サトシ君はラティアスを撫でながら、優しく言った。私の想い、分かってくれたんだね……。

 カノン 「ありがとうサトシ君。でも……ごめんなさい。Jを掴めるチャンスを、私のせいで……」

 サトシ 「いや。カノンが言ってくれなかったらオレ、ラティアスを傷つけるところだった。人を攻撃するなんて、ラティアスから見ても良い事とは思えないし……」

 カノン 「サトシ君……ふふっ」

 サトシ 「優しいんだな、カノンって。それに凄ぇよ。あれだけJにやられても怒らないで、ラティアスのことを第一に考えててさっ」

 カノン 「あっ……うん……ありがとう」

私は急に恥ずかしくなってしまって、小さく俯いた。けど、内心すっごく嬉しかった。

     「くぅぅ♪」

ラティアスが嬉しそうに声を上げた。
 ▼ 235 ティアス 心の雫 14/10/16 20:14:03 ID:qJOk1rLU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Happy endかな?
 ▼ 236 イナシティの人 14/10/16 20:20:00 ID:0Z4D4KKw [35/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ジュンサー 「大丈夫ですかー!?」

 サトシ 「ジュンサーさんだ。はい、大丈夫です!」

 ジュンサー 「セレナさんから話は聞いたわ。そのJって人は……!?」

 サトシ 「逃げました。空飛ぶマシンを使って」

 ジュンサー 「その人、どっちに行ったか分かる?」

 サトシ 「向こうの方角ですけど……木が邪魔で、正確にどっちに行ったかは……」

 ジュンサー 「分かったわ。ありがとう。あなた達もポケモンセンターに行って。ジョーイさんがセレナさんを保護してるから」

 サトシ 「分かりました」

 ジュンサー 「私も後でポケモンセンターに行くから、詳しい話を聞かせてね。それじゃあ!」

ジュンサーさんは無線で応援を呼びながら、Jが逃げた方へ走って行った。


     「くわぁん♪」

ラティアスは、いつの間にか姿を消していた。

 カノン 「ふふっ。ラティアス……」

 サトシ 「ジュンサーさんに見つかっても、話がややこしくなるだけだしな!」
 ▼ 237 イナシティの人 14/10/16 20:30:00 ID:0Z4D4KKw [36/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
静まり返った夜の広場。

メガボーマンダのせいで、電気を管理する建物は爆発しちゃったし、木も何本か折れている。

地面にもバトルの爪痕が残っているけど、月明かりはそれらを優しく照らしていた。


 カノン 「ねぇ……」

私はメガラティアスに優しく触れて、言った。

 カノン 「……ラティオスなんだよね、あなた」

 サトシ 「えっ?」

     「くぅ? くわぁぁんっ♪」

 カノン 「そうなのね……やっぱり……」

 サトシ 「……そうか。“こころのしずく”は……ラティオスだったもんな」

 カノン 「うん」


あの時。

ラティオスは、自分の命と引き換えに、津波からアルトマーレを護ってくれた。

そして、自らが新しい“こころのしずく”になって、再び、アルトマーレを護る役目に就いた……。

 カノン 「ラティオスっ……」
 ▼ 238 ティアス 心の雫 14/10/16 20:32:12 ID:jCF8uK22 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
泣きそうだ
支援
 ▼ 239 イナシティの人 14/10/16 20:40:00 ID:0Z4D4KKw [37/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ねぇラティオス。

あなた、私たちの危機を感じ取って、来てくれたんだよね。

あなたがラティアスを、メガ進化させてくれたんだよね。

そして、ラティアスと一緒に戦ってくれたんだよね。


……え?

気付かないわけないでしょ?

あなたしか使えない“ラスターパージ”を、ラティアスは使いこなしていたし。

それに、ラティアスがメガ進化した姿……あなたそっくりじゃない。綺麗な青色の体で……。


……うん。

あなたも見てたわよね、ラティアスの雄姿。

あれだけ強力なメガボーマンダに、ただ一人立ち向かて……。

あなたの妹は、もう立派なアルトマーレの護神になったのよ。


だから安心して、ラティオス。
 ▼ 240 ティアス 心の雫 14/10/16 20:43:09 ID:jCF8uK22 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
だめだ泣いた
支援
 ▼ 241 イナシティの人 14/10/16 20:50:00 ID:0Z4D4KKw [38/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「カノン。行こうぜ、ポケモンセンター。みんなを回復させないと」

 カノン 「……うん」

 サトシ 「お前達も来いよ。ちゃんと飛べるか?」

     「やぁ〜みぃ〜♪」

     「やみやぁみぃ!」


     「くあぁぁぁん♪ くぅぅん♪」

 サトシ 「どうしたラティアス?」

ラティアスは姿勢を低くして、私たちにアイコンタクトを送った。

 サトシ 「……乗って良いのか?」

 カノン 「えっ……大丈夫ラティアス?」

     「くぅん!」

 サトシ 「そっか。よぉし! ポケモンセンターまで空中散歩だ!」

     「くぅぅん♪」
 ▼ 242 イナシティの人 14/10/16 20:50:30 ID:0Z4D4KKw [39/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
少し休みます。
 ▼ 243 ティアス 心の雫 14/10/16 20:58:47 ID:5gRBts6g NGネーム登録 NGID登録 m 報告
了解です
支援
 ▼ 244 ジョフー@にじいろのはね 14/10/16 21:41:04 ID:rBVuSMMA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 245 イアント@つきのいし 14/10/16 21:44:42 ID:Eh1VykfU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>240
俺もだ
泣いた
 ▼ 246 ティアス 心の雫 14/10/16 21:52:14 ID:geUHrzUg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 247 チム@アップグレード 14/10/16 23:06:55 ID:BXrhtVu6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
久しぶりに映画見直したくなったわ。
 ▼ 248 ティアス 心の雫 14/10/16 23:12:48 ID:JycVEAyo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
この間見た
やっぱり泣いた
ラティオス…。
 ▼ 249 イナシティの人 14/10/17 00:10:53 ID:0Z4D4KKw [40/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
メガラティアスの背中に跨って、私たちは大空を飛んでいる。

サトシ君が前に乗って、私はサトシ君の後ろで、サトシ君にしっかり掴まって。


 サトシ 「“こころのしずく”が、メガストーンの役割を果たしたんだな」

 カノン 「えぇ。きっとラティオスが助けてくれたのよ。私たちと、ラティアスの想いを受け取って……」

 サトシ 「そっか。だからメガラティアスの体の色、ラティオスに似てたんだな」

 カノン 「サトシ君も気付いてたんだ」

 サトシ 「あぁ。きっとラティオスがラティアスに、勇気をくれたんだな」

 カノン 「うん……」


あたりは澄み切った夜空になっていた。ラティオスが雲を消し飛ばしてくれたおかげだ。

大きな満月に、手が届きそう……。

そんなロマンチックな中、私はサトシ君と一緒に、空を飛んでいる。
 ▼ 250 イナシティの人 14/10/17 00:22:22 ID:0Z4D4KKw [41/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
けれど、明日でお別れなんだ。

私はこの先、サトシ君とずっと一緒にいることは出来ない。

それが、“こころのしずく”を護る一族としての定め。変えることの出来ない、私の運命。

 カノン 「サトシ君……」

私は、サトシ君を強く抱きしめて、彼の背中に顔を埋めた。

 サトシ 「カノン……?」


サトシ君がいたから、無事にラティアスを助けることが出来た。

サトシ君がいたから、ラティアスは大人になれた。

サトシ君がいたから、今こうやって、幸せな時間を送ることが出来る。


 カノン 「ありがとう……サトシ君。本当に、本当に……」

私はしばらく、サトシ君の頼もしい背中に、自分の体を預けていた。
 ▼ 251 イナシティの人 14/10/17 00:30:04 ID:0Z4D4KKw [42/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
人通りが無いことを確認して、私たちはポケモンセンターの裏手に下り立った。

 サトシ 「サンキュー、ラティアス!」

 カノン 「ラティアス、ご苦労様っ」

     「くぁぁん♪」

元気に一鳴きすると、メガラティアスの体が一瞬光り、ラティアスの姿に戻った。やっぱりラティアスは赤の方が しっくりくるな。

 カノン 「ありがとう……ラティオス」

私は“こころのしずく”にそっと手を伸ばし、優しく抱きしめた。

それはラティオスの温もりのように、とても、とても暖かかった。


 カノン 「一旦戻って、ラティアス」

私はラティアスを、ボールに戻した。

 サトシ 「カノン、ラティアスがモンスターボールに入ってるってことは……」

 カノン 「ううん、一時的なの。カロスまでは飛行機だから、ラティアスと一緒に来るにはボールに入れるしか無かったから」

 サトシ 「あ、そっか。けっこう長かったもんな飛行機」
 ▼ 252 イナシティの人 14/10/17 00:40:00 ID:0Z4D4KKw [43/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケモンセンターに入る。がらんとしたロビーには、ジョーイさんに付き添われたセレナちゃんが、ソファに小さく座っていた。両手で顔を覆って俯く姿は、とても悲しく見えた。

 サトシ 「セレナっ!」

サトシ君が発した声が、ロビーに響く。それを聞いたセレナちゃんは、パッと顔を上げた。

 セレナ 「サトシっ……サトシぃぃぃ!」

目を真っ赤にしたセレナちゃんは、ソファから立ち上がると、一直線にサトシ君の元へと駆け寄って、抱き付いた。

 サトシ 「ちょっセレナ……!」

 セレナ 「良かった……無事でっ……本当に良かったぁ……」

 サトシ 「泣くなよセレナ……」

 セレナ 「ごめん……ごめんねサトシっ……助けに行きたかったんだけど……フォッコがやられちゃったら……戦えるポケモンっ……いなくでっ……サトシは悪い人と戦ってるのに……私なんにもできなくてっ……」

 サトシ 「気にすんなって。こうやってオレたち無事に戻ってこれたんだし、セレナに何も起きなくて良かったよ」

 セレナ 「ぅっ……サトシぃぃぃ……」

セレナちゃんも、ここで戦ってたんだな。何もできない自分の不甲斐なさと。

現地にいるより、心理的にずっと厳しかったよね、セレナちゃん……。
 ▼ 253 イナシティの人 14/10/17 00:42:30 ID:0Z4D4KKw [44/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
キリが良いので今日はこの辺で終了させて頂きます。

皆様からのご支援に感謝いたします。

再開は17日(金)の夜を予定しています。
 ▼ 254 ードー@なんでもなおし 14/10/17 11:22:50 ID:8Xe3bfAY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 255 ティアス 心の雫 14/10/17 17:29:00 ID:ka4sldz. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 256 ャロップ@きあいのタスキ 14/10/17 21:34:35 ID:0gre0q3Q NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援age
 ▼ 257 クロム@ふっかつそう 14/10/17 23:31:12 ID:LorZeYxE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 258 イナシティの人 14/10/17 23:50:00 ID:9yeO4Bak [19/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
【21】

私は結局、何もできなかった。

いくらサトシに言われたからって、ジュンサーさんを呼ぶために、私はサトシとカノンに背を向けた。

ポケモンセンターで待っている間、ずっと、ずっと、居た堪れない思い出いっぱいだった。ジョーイさんが慰めてくれていたけど、全然耳に入って来なかった。

けど、そんな私を、サトシは優しく包み込んでくれた。それがどれだけ、私の罪悪感を癒してくれたか……。


やっぱりサトシは凄いな。

相手がどんなに強そうなポケモンを持っていても、絶対に諦めないで、正義のために立ち向かていく……。皆が皆、出来ることじゃないよ。

私も強くならないと。そのためにも、仲間を増やさないと。

サナがキッカケをくれたトライポカロンに挑戦するためにも、仲間を増やして、自分自身が強くならないと。


サトシの胸の中で、私は固く誓った。
 ▼ 259 イナシティの人 14/10/18 00:00:00 ID:0Z4D4KKw [45/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ達とラティアス、それに、サトシ達を助けてくれたヤミカラス2匹は、今夜はポケモンセンターで治療することになった。

相当厳しいバトルだったんだな。みんな疲れ切った表情をしていて、体中傷だらけだ。ラティアスは笑顔だったけど、傷跡は大きかった。

その後しばらく、戻って来たジュンサーさんに、今回の件を詳しく話した。あんなに酷いことをして……Jは絶対に許せない。


捜査協力が終わってポケモンセンターを出たのは、23時半少し前。完全に人通りのない道を3人並んで歩いて、ホテルに戻って来たのは、23時40分くらいだった。

 サトシ 「はぁぁぁ着いたぁぁぁ」

一旦3人部屋の方に入ったけど、部屋に着くなりサトシは、ボフッとベッドに倒れ込んだ。

 カノン 「ふふっ。お疲れ様、サトシ君」

私とカノンは、隣のベッドに腰掛けて、顔を見合わせて、思わず笑ってしまった。

 セレナ 「なんだか信じられないわね。ついさっきまで、ここで寛いでたのに……ラティアスが悪い人に捕まって、助け出して、さっきと同じ場面に戻って来て……」

 サトシ 「そうだな。……ったくJの奴。ラティアスを捕まえようとするなんて信じられないぜ」

 カノン 「でももういいじゃない。ラティアスは無事だったし、大きく成長できたみたいだし……」
 ▼ 260 ティアス こころのしずく 14/10/18 00:03:57 ID:3GHZIFYM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
いい話だ
支援
 ▼ 261 イナシティの人 14/10/18 00:10:39 ID:0Z4D4KKw [46/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「……なんで、ポケモンを密漁しようなんて考える奴がいるんだろう」

 カノン 「ラティアスみたいに珍しいポケモンは、高いお金で取引されるんだよね。密漁なんて、珍しいポケモンを欲しいって思う人がいなくならない限り、ずっと続くんだろうな……」

 サトシ 「だったら自分で探してゲットした方が、絶対面白いんだけどなぁ……」

 セレナ 「そうよね。結局、お金で何でも手に入れようとする人がいるからいけないのよ。苦労を知らないで生きて来た人が、そういう簡単な考えに走るんじゃないかな」

 サトシ 「なるほどなぁ……」


密漁の問題なんて、きっと公になっていないだけで、まだまだ沢山起きていると思う。

けど、私たちがそれを止めることは、恐らく出来ない。この前のコフーライの時は、たまたま運が良かっただけで、事実、今回はJに逃げられてしまった。


私たちができること……それは多分、ポケモンと思いっきり触れ合うこと、だろうな。

人間は悪い人ばかりじゃない、ポケモンのことを一番に考えて、友達みたいに触れ合おうって考えている人間がいる……。

それを少しでも多くのポケモンに知って貰うことが、人間とポケモンがお互い気持ちよく暮らせる世界になる、唯一の方法だと、私は思う。
 ▼ 262 イナシティの人 14/10/18 00:20:00 ID:0Z4D4KKw [47/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「あ、ねぇセレナちゃん。一緒にお風呂行かない?」

 セレナ 「お風呂って……部屋のユニットバスは狭すぎて2人じゃ……」

 カノン 「ううん。ここのホテル、1番上の階にお風呂があるの」

 セレナ 「そうなの!? 行こう行こう! 眠る前にサッパリしたい」

 カノン 「ふふっ。決まりね。確か入れるの1時までだったから、今の時間なら空いてるはずよ」

 セレナ 「うん! あ、でもサトシは……」

 サトシ 「あぁ、オレは疲れたから部屋のを使う。2人ともゆっくり行って来いよ!」

 カノン 「うん。ありがとうサトシ君!」

 セレナ 「じゃあ、ちょっと行ってくるわね!」

私とカノンは、部屋に置いてあったタオルとバスタオルを持って、ホテルの10階にある大浴場へと向かった。
 ▼ 263 ティアス こころのしずく 14/10/18 00:21:14 ID:Gn1U51ww NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 264 イナシティの人 14/10/18 00:40:00 ID:0Z4D4KKw [48/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「わぁ〜大きいお風呂! 久しぶりぃ〜♪」

窓に沿って造られた、大きな浴槽が目に飛び込んできた。パッと見て、長さは10メートルくらいあるかな。

普段はポケモンセンターのシャワーだったから、お風呂に入ること自体、実は久しぶりだ。

 カノン 「ふふっ。実は私、広いお風呂があったから、このホテルを予約したんだ」

 セレナ 「そうだったんだ〜。ね、早く入ろうよっ!」

 カノン 「ちょっと待っててセレナちゃん。先にシャンプーと、体も洗いたいから」

 セレナ 「そっか。じゃあ私も先にっ」

私はカノンに並んで、洗い場の椅子に座った。
 ▼ 265 イナシティの人 14/10/18 00:46:00 ID:0Z4D4KKw [49/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「あれ……?」

体を洗っているカノンの腕と足に、いくつもの擦り傷を見つけた。まだ赤く滲んでいるから、出来たばかりの傷……さっきJにやられた傷なんだ……。

 カノン 「うぅ〜シャワーが しみるなぁ……」

 セレナ 「カノン、その傷……」

 カノン 「うん。さっき出来た傷なんだ」

 セレナ 「酷い! 女の子の体を傷つけるなんて……」

 カノン 「ううん。いいの。この傷はね、私がラティアスを護った証なんだ」

 セレナ 「カノンがラティアスを……そっか。凄い頑張ったんだね、カノン」

 カノン 「うん。サトシ君や、サトシ君のポケモン達……それに、野生のヤミカラスも。みんな頑張ってJに立ち向かってたから……私もラティアスを助けるために、無我夢中だったんだ」

そっか……。凄いなカノンも。勇気があって……。
 ▼ 266 イナシティの人 14/10/18 00:46:31 ID:0Z4D4KKw [50/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「何だか情けないな……私」

 カノン 「あっ……そんなこと無いよ! セレナちゃんがジュンサーさんを呼んでくれたおかげで、みんなして無事に帰ってこれたんだから!」

 セレナ 「でも……私だけ傷一つなくて……やっぱり情けないよぉ……」

 カノン 「でもそれは……、サトシ君の望みでもあったんじゃないかな?」

 セレナ 「サトシの……?」

 カノン 「うん。サトシ君あの時、きっと必死だったんだよ。自分だけでJに勝てるか分からないから、せめて、あの時まだ自由に動けたセレナちゃんだけは助けようって」

 セレナ 「でも……」

 カノン 「ふふっ。私ね、サトシ君は、セレナちゃんのことを好きなんじゃないかって思ってるんだよ?」
 ▼ 267 イナシティの人 14/10/18 00:47:30 ID:0Z4D4KKw [51/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「えぇっ!? そそそんなこと……!?」

 カノン 「だってサトシ君……。ほら、ユリーカちゃんが大変だって電話くれた前。私とサトシ君、実はけっこう良い雰囲気だたんだよ?」

 セレナ 「えっ!? それって……」

 カノン 「でも、セレナちゃんから大変だって電話を受けたら、サトシ君、私のこと置いてけぼりで、真っ先にセレナちゃんの元へ向かって行ったんだよ。それってきっと……セレナちゃんのこと、凄い大切に思ってるからだよ」

 セレナ 「でっ……でもでも……。そんなこと言ったら私だって……、サトシはカノンのこと好きなんじゃないかって思ったよ」

 カノン 「わっ私を……!? どうして……」

 セレナ 「病院の帰りにね、その……ごめんねカノン。抜け駆けするとか、そんなつもりは全然なかったんだけど……私、サトシに……きっ、キス……しちゃったんだ……」

 カノン 「わっ。セレナちゃん大胆!」

 セレナ 「でも、そのあとすぐにね、カノンをホテルに残したままだから、急いで帰ろうって。キスした余情に浸る訳でもなくて。きっとサトシ……私よりカノンの方が好きなのよ……」

 カノン 「はぁ……だったら嬉しいな、すっごく。……けど、お昼に話した通り、私はサトシ君と一緒にはなれない運命なんだ。もし本当だったら、気持ちだけ……気持ちだけ受け取るつもりだよ、私……」

 セレナ 「カノン……」

 カノン 「けど、セレナちゃんとサトシ君、一緒に旅してるってことは、サトシ君、絶対にセレナちゃんのこと気になってると思うよ」

 セレナ 「そおかなぁ……たまに私、サトシにアプローチするんだけど、全然気にしてくれなくて……。鈍感なのかなぁ、サトシって」
 ▼ 268 イナシティの人 14/10/18 00:48:30 ID:0Z4D4KKw [52/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「ふふっ。純粋な人ほど、恋には鈍感だもんね。……セレナちゃん、本当、想いは伝えなきゃ、いつまで経っても気付いて貰えないよ?」

 セレナ 「うっ……うん」

 カノン 「私は……明日の展示会が終わったら、アルトマーレに帰っちゃうから……私の分まで頑張って! サトシ君に振り向かせなよ、セレナちゃん!」

 セレナ 「えっ……ぅぅ……ふふっ。ありがとう、カノン!」

 カノン 「私たち、ある意味ライバルだね」

 セレナ 「そうね……あははっ!」

 カノン 「じゃあセレナちゃん、お風呂入ろ!」

洗い場から立ち上がったカノンの体には、やっぱり擦り傷と、痣のような跡も見える。けどカノンは、とっても堂々としていた。

勿論スタイルが良いからってこともあると思うけど、きっと、ラティアスを護った勲章のように、カノンは考えてるんだろうな。

 セレナ 「カノン、あなたの体、すっごく綺麗」

 カノン 「え? ……ふふっ。ありがとう、セレナちゃん」

私とカノンは、浴槽で思いっきり体を伸ばして、裸のお付き合いで、しばらくトークを楽しんだ。

窓から見える夜の街は眠りにつき、すっかり静まり返っていた。
 ▼ 269 イナシティの人 14/10/18 00:49:00 ID:0Z4D4KKw [53/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「ただいま〜」

 カノン 「サトシ君、自動販売機で冷たいお茶買って来たけど……きゃっ///」

 セレナ 「あっ……もぉ〜サトシったら……///」

サトシはベッドの上で、パンツ一丁で眠っていた。ベッド脇にシャツと短パンが置いてあるってことは、一応、着替えるつもりではいたんだろうけど……。

 カノン 「疲れてそのまま眠っちゃったのかな」

 セレナ 「そうでしょうね。サトシったら……女の子がいるのに配慮無さすぎよ……」

私はちょっと呆れながら、サトシに布団をかけた。けどその呆れた感情は、可愛らしさも持ち合わせていた。

 カノン 「Jとバトルしてる時は、あんなにカッコ良かったのになぁ」

 セレナ 「ふふっ。カノン、幻滅しちゃった?」
 
 カノン 「ううん。こんな子供っぽいサトシ君も、可愛げがあって大好き。羨ましいよ、一緒に旅してるセレナちゃんが……」

カノンも同じ気持ちか。やっぱりサトシは、こうでなくっちゃ。完璧に越したことは無いけれど、ちょっと抜けてる方が、親近感が湧くと言うか……守ってあげたくなると言うか……。とにかく、こんな面も含めて、サトシの全部が好きだな、私は。
 ▼ 270 イナシティの人 14/10/18 00:50:01 ID:0Z4D4KKw [54/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「サトシ起こすの可哀想だし、カノンも今日はここで寝てよ」

わざわざ5階の部屋にカノンだけを行かせるのも可哀想だし、ちょうど3人部屋だから、ここで一緒に寝た方が良いに決まってる。

 カノン 「……うん。じゃあそうさせて貰うね。ソファーベッドでいいから」

カノンは遠慮がちに隅にあるソファーベッドに入ろうとしたけど、せっかく広々としたベッドがあるのに勿体ない。

 セレナ 「でも、ソファーベッドってあんまり寝心地良くないんでしょ?」

 カノン 「そんなに気にならないとは思うけど……」

 セレナ 「……ねぇカノン。もしカノンもやりたかったらの話だけど……」

 カノン 「え?」
 ▼ 271 マンボウ@しろいビードロ 14/10/18 00:50:45 ID:IsOizpm6 NGネーム登録 NGID登録 報告
ひえん
 ▼ 272 イナシティの人 14/10/18 01:00:00 ID:.KtgE3nE [55/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
スーパーツインルームと言うだけあって、ベッドのサイズも大きい。そのベッド2つをくっ付ければ、広々とした1つのベッドの完成だ。

 カノン 「セレナちゃん……本当にやるの?」

 セレナ 「わっ……私だって恥ずかしいわよ。でも……ほら、今日くらいしかないでしょ、こういうチャンス」

明日アルトマーレに帰るカノンにとってみれば、今日が最後のチャンス。

いつも4人で旅してるわ私にとっては、シトロンとユリーカ、それにピカチュウがいない今日がチャンスだ。

 カノン 「そっ……それじゃあ……」

 セレナ 「うん……」

ベッド2つをくっ付けたけど、動かさなかった一方には、サトシが眠っている。


……そう、こんなチャンス、滅多に無いんだ。

私はサトシの右側に、カノンはサトシの左側に、それぞれ寄り添って布団に潜る。

 カノン 「なんか……落ち着かないよぉ……」

 セレナ 「私だって……。でもさカノン。サトシとの思い出、ちゃんと作らないとねっ」


私とセレナとサトシは、3人寄り添って、静かに眠りについた。
 ▼ 273 ックラー@どくどくだま 14/10/18 01:01:57 ID:j.wsAfkk NGネーム登録 NGID登録 報告
更新きてた嬉しい!
支援
 ▼ 274 イナシティの人 14/10/18 01:20:00 ID:.KtgE3nE [56/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【22】

目が覚めた。天井を見つめたまま、オレは昨日のことを思い出す。

ピンチになったラティアスを、ラティオスが助けに来て、ラティアスはメガ進化した。兄妹の絆を感じる出来事だった。

ラティアスはとても強くなったし、これなら、もしアルトマーレを悪者が襲っても、立派に守り抜くと思う。

ラティアスは……あの無邪気なラティアスは、もう立派なアルトマーレの護神なんだ。


 サトシ 「ふあああぁぁぁああああ」

― プニュッ

 サトシ 「……ん!?」

思いっきり伸びをしたその両腕が、何かにぶつかって止まる。何か柔らかいものに……。

 サトシ 「え?」

右にはセレナが、左にはカノンが、静かに寝息を立てていた。しかも、2人ともオレの方を向いて、かなり近い位置で。

 サトシ 「えええぇぇぇっ!?」
 ▼ 275 イナシティの人 14/10/18 01:25:01 ID:.KtgE3nE [57/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
ホテルをチェックアウトして、ポケモンセンターでピカチュウ達を引き取る。みんな元気に回復していた。

その足でユリーカが入院している病院に向かう……が、とてつもなく気まずい。

 サトシ 「(オレ……セレナとカノンの胸を触っちゃったんだよな……)」

 セレナ 「(サトシに胸さわられちゃった……)」

 カノン 「(サトシ君に胸を……。恥ずかしいよもぉ……)」


オレの肩ではピカチュウが、セレナの腕ではデデンネが、上空では2匹のヤミカラスと、姿を消したラティアスが、無邪気に笑っていた。

オレ達の気まずさを知らないで……。
 ▼ 276 イナシティの人 14/10/18 01:27:30 ID:.KtgE3nE [58/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
そんな気まずさも、病院に着いてすぐに消えてなくなった。

 ユリーカ 「みんないらっしゃ〜い!」

 サトシ 「おっ! 元気になったんだなユリーカ!」

 ユリーカ 「うん! 朝起きたらスッキリしてた!」

 セレナ 「良かったわねユリーカ」

 カノン 「本当。大事にならなくて良かったね、ユリーカちゃん」

 シトロン 「皆さん、本当にご心配おかけしました!」

 サトシ 「気にすんなって! ユリーカが元気になれば、それでいいのさっ!」

解熱剤の効果がすぐに出たようで、ユリーカは朝8時頃の時点で、熱はほとんど下がっていたらしい。点滴も効いたみたいだ。

 シトロン 「けど、念のため明後日まで入院することになってます。点滴は今日中に取れるようですけどね」

本当に良かった。ユリーカが元気になって。このまま症状が重くなって家に帰るなんてなったら可哀想だもんな。
 ▼ 277 イナシティの人 14/10/18 01:28:00 ID:.KtgE3nE [59/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
シトロン 「僕は今日一日ユリーカについてますので、サトシたちは遠慮無く出掛けて下さい」

 カノン 「そうだサトシ君。今日の水上レース、11時から参加者の説明会があるわよ」

 サトシ 「あっそうだったな。……じゃあ悪いシトロン。行ってくるよ」

 シトロン 「はい。頑張ってくださいね」

 ユリーカ 「サトシ絶対優勝してね!」

 サトシ 「おぉ! 任せとけ!」

 セレナ 「あ、ねぇ見てみて! ここの窓から川が見えわよ」

 サトシ 「ホントだ。大通りの反対側は川に面してたのか」

 カノン 「ユリーカちゃん、サトシ君、あの川を通るわよ」

 ユリーカ 「ホント!? じゃあサトシ、私ここから応援するね!」

 サトシ 「あぁ。よろしく頼むぜユリーカ!」

 ユリーカ 「うん!」
 ▼ 278 イナシティの人 14/10/18 01:28:30 ID:.KtgE3nE [60/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
10時過ぎに、オレ達は病院を出発した。


結局、シトロンとユリーカには、夜の出来事は伝えなかった。

2人を心配させたくないし、セレナみたいに、何もできなかった罪悪感を与えたくもない。

それに、Jと言う冷酷なハンターがこの世にいるという不安も、与えたくなかったからだ。


ポケモンセンターまで歩いて20分くらい。少し待って、そこからバスでアルトマーレ展の会場まで15分。

水上レースの参加者受付に着いたのは、説明会が始まる5分前になっていた。
 ▼ 279 イナシティの人 14/10/18 01:29:00 ID:.KtgE3nE [61/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
説明会は30分程度で終わり、13時までは自由行動と告げられた。

14時から始まる水上レースは、この街の運河のさらに上流がスタート地点らしい。13時に移動用のバスに乗ってスタート地点に向かって、14時にスタートすると言う訳だ。

オレ達は昨日と同じようにフードコートへ出向き、再びアルトマーレ料理を堪能した。


水上レース後は時間が無いので、最後に少しだけ、会場内を見て回った。

ユリーカが蚊に刺された林の周辺は、ポールとロープで封鎖されている。本当にこれで蚊を防げるかは疑問だけど、このアルトマーレ展が中止にならなかったので良いやと割り切った。

3人で綿菓子を食べて、ラティアスとラティオスの伝説に関する資料展を見学して……あっという間に、出発の13時になった。

 セレナ 「じゃあサトシ、頑張ってね!」

 カノン 「私たち、ゴール手前の……海に入る前の橋で応援してるから」

 サトシ 「あぁ。絶対勝ってやるからな!」

     「ぴかぴっかぁ!」

     「くぅぅぅん!」

 隣からラティアスの小さな声がした。姿は消しているけど、目一杯の笑顔で応援してくれていることは分かる。

オレはラティアスを軽く撫でて、移動用のバスに乗り込んだ。
 ▼ 280 イナシティの人 14/10/18 01:30:00 ID:.KtgE3nE [62/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
スタート地点に着くと、すぐに準備が始まった。

オレが乗る浮具と、引っ張ってもらうケーブルを確認する。……懐かしいな。アルトマーレでやった時と同じだ。だから、感覚は分かっている。

 サトシ 「頼んだぜケロマツ! 絶対勝ってやるぞ!」

     「けろけろぉ!」


幅の広い川に、参加者が一直線に並ぶ。参加者は50人くらいかな。

この辺は広いけど、川を下って、途中で街の運河にコースが分岐する。そこから先は抜き合いも難しくなると思うので、この川でどれだけ前に出れるかが勝負だ。

運河を抜けたら、アルトマーレ展の会場の脇を通って、海に到達する。公園に沿ってラストスパートをかけて、会場の特設ステージ前がゴールだ。


『お待たせいたしました。アルトマーレ展フィナーレイベント、特別水上レース、間もなくスタートですっ!』

オレは今一度、ワイヤーの握り具合を確認した。

 サトシ 「よ〜し……行くぜケロマツ!」

     「けぇろ! けろけろぉ!」


『それでは……スタートです!』

アナウンスと同時にモニターの信号が青になり、オレ達は一斉にスタートした。
 ▼ 281 イナシティの人 14/10/18 01:38:38 ID:.KtgE3nE [63/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
この辺で一旦終了させて頂きます。

ここまでのご支援ありがとうございました。

この先、18日(土)のうちに完結する予定です。
 ▼ 282 イクン@おちゃ 14/10/18 02:27:50 ID:CEk01dKQ NGネーム登録 NGID登録 報告
最後楽しみ
だけど別れが近づくのが切ない
 ▼ 283 ティアス こころのしずく 14/10/18 07:30:39 ID:WghFXiE. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ついに終わるのか…寂しいな
支援…
 ▼ 284 ガフシギバナ@ボロのつりざお 14/10/18 08:27:05 ID:LfSa.4Eo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
SS読んで初めて涙流して読んだ……
支援
 ▼ 285 ングドラ@こううんのおこう 14/10/18 12:58:00 ID:ITzQrk0Y NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 286 レディア@ネストボール 14/10/18 13:55:57 ID:FqWTyUJY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
終わっちゃうとなんか寂しいなぁ
 ▼ 287 イナシティの人 14/10/18 17:59:59 ID:IW6Pui0w [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
【23】

 サトシ 「……で、最後はアリゲイツのトレーナーと一騎打ちになったんだけど、最後までケロマツが頑張ってくれたお陰で、優勝できたんだ」

 ユリーカ 「すごーい! サトシもケロマツも、本当におめでとう!」

ユリーカは、サトシから貰った優勝メダルを首にかけ、興奮して言った。ラティアスとラティオス、それに“こころのしずく”をデザインした、ガラスの綺麗なメダルだ。

 シトロン 「最後まで決して諦めない。サトシとケロマツの強い思いが実を結んだんですね」


私とサトシは今、ユリーカの病室にいる。

水上レースはサトシが優勝した。優勝メダルをゲットしてくると言う、ユリーカとの約束を果たせた訳だ。

 サトシ 「まぁ、でもオレは水上レース初めてじゃないから、フェアな戦いでは無かったけどな」

サトシはちょっぴり謙遜したけど、ラストスパートの一騎打ちは、本当に熱くなったな。
 ▼ 288 イナシティの人 14/10/18 18:10:00 ID:wJyF33xU [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「失礼しま〜す」

陽がだんだんと傾いてきて、時刻は18時。カノンが病室にやって来た。

 サトシ 「カノン、片付けお疲れ様」

アルトマーレ展の出展者であるカノンは、閉園後の片付けのため、しばらく会場に残っていた。最終日の閉園は16時だったから、1時間半くらい、運営の手伝いをしていたんだな。

 セレナ 「ごめんねカノン。あなただけお手伝いで……」

 カノン 「ううん。それも私の仕事だもん。それに、2日間もお休み貰っちゃったから、最後くらいは手伝わなきゃね」

もともとカノンはアルトマーレ展の出展者だから、本来なら、展示場に付きっきりじゃなければいけなかったらしい。

けど、同じブースの出展者の人のご厚意で、この2日間、私たちと一緒に過ごせたのだ。
 ▼ 289 イナシティの人 14/10/18 18:20:00 ID:wJyF33xU [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「ユリーカちゃん、これ、お土産っ」

カノンはユリーカに、袋を差し出した。

 ユリーカ 「わぁっ! 開けてもいい!?」

 カノン 「えぇ、いいわよ」

ユリーカはワクワクしながら袋を開ける。

 ユリーカ 「わぁ……ラティアスとラティオスのノートだ! 可愛いぃぃぃ!」

袋から出て来たのは、ラティアスとラティオスのイラストが表紙に描かれたノートだった。アルトマーレの街並みで仲良く空を飛んでいる、可愛らしいイラストだ。

 【 ※ コレ → http://i.imgur.com/zwXRMHm.jpg


 カノン 「出展者に配られた粗品なんだけど、私は使わないからユリーカちゃんに。お見舞いも兼ねてねっ」

 ユリーカ 「ありがとうカノンお姉ちゃん! 私、大事に使うね! わぁ〜中にもラティアスとラティオスがいる〜!」

 シトロン 「ありがとうございます! すみません……気を遣わせてしまって……」

 カノン 「ううん。喜んで貰えて良かったわ」

やっぱりカノンは優しいな。サトシが気にしてる理由も、何となく分かったよ、この2日間で。
 ▼ 290 イナシティの人 14/10/18 18:30:00 ID:wJyF33xU [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
病室で談笑していれば、もうそろそろ18時半になる。

……お別れの時間だ。


 カノン 「それじゃあシトロン君、ユリーカちゃん。短い間だったけど、ありがとう。一緒にアルトマーレ展を巡れて楽しかったよ」

 シトロン 「いえ。僕たちの方こそ、色々と迷惑をかけてしまって……。またどこかで会えたら良いですね」

 ユリーカ 「私、もっとアルトマーレ展で遊びたかったなぁ」

 カノン 「ふふっ。いつでもアルトマーレに遊びに来てね、ユリーカちゃん。私たちみんなで歓迎するから」

 ユリーカ 「わぁっ……うん!」

 サトシ 「それじゃあ……行くか」

 カノン 「えぇ。それじゃあユリーカちゃん、お大事にね。シトロン君も、少しは休んでね」

 シトロン 「はい。ありがとうございます!」

 ユリーカ 「じゃあねカノンお姉ちゃん! ノートありがとう! バイバイ!」

 シトロン 「サトシ、セレナ。カノンのお見送り、お願いしますね」
 ▼ 291 イナシティの人 14/10/18 18:40:10 ID:wJyF33xU [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
シトロンとユリーカは病院から出れないので、カノンのお見送りは、私とサトシが務める。

病院を出て、街の中心部へと10分ほど歩くと、大きなバスターミナルに到着した。大通りに面したそのターミナルは、多くの人で賑わっている。

そんな雑踏を横目に、ターミナルに隣接するビルに入ると、人だかりが一変、閑散としたフロアが広がっていた。


 サトシ 「ここかなのか」

 カノン 「うん。ここから空港行きのバスに乗るんだ。……ちょっと待ってて。大きい荷物を預けちゃうから」

看板を見ると、“City Air Terminal”と書かれていた。ここから空港行きの高速バスが発着していて、出発の手続きも、ここで出来るようだ。勿論、預けた荷物は一緒にバスに積み込まれ、そのまま飛行機まで運んでくれる。

日曜日の19時前ともなれば、閑散としていても不思議でない施設だ。


 カノン 「お待たせサトシ君、セレナちゃん」

カノンが戻って来た。荷物はほとんど預けたみたいで、白いバッグを肩にかけているだけの姿だ。

 カノン 「ラティアスが出たがってるんだけど……」

 サトシ 「そうだよなぁ。出発する前に、オレもラティアスと話しておきたいし……」

いくら人がいないとは言え、フロアの中でラティアスを出すことはできない。

仕方なく、フロアの外……高速バス乗り場に出てみる。ここは普通のバス乗り場とは別になっているので、人から見られることは無い。けど、バスが通ったら見られてしまう……。
 ▼ 292 イナシティの人 14/10/18 18:50:00 ID:wJyF33xU [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「……お、あそこなら出せるんじゃないか?」

 カノン 「本当?」

サトシが見つけたのは、“団体用集合場所”と書かれたスペースだった。

バス乗り場の歩道の終端にあって、道路側も含め、全て壁で囲まれている。かと言って、窪んだ所にあるから歩道から直接見られることも無く、完全に閉鎖した空間だ。


 カノン 「お待たせ、ラティアス」

     「くぅぅぅ〜ん♪」

 サトシ 「わっ……ラティアスっ!」

ボールから飛び出したラティアスは、脇目も振らずにサトシに抱き付いた。

そして、別れを惜しむように、思いっきり甘えていた。

 サトシ 「ははっ……こらラティアス〜」

     「くぅ〜きゅ〜ん♪」

本当にラティアスは、サトシのことが好きなんだな。
 ▼ 293 イナシティの人 14/10/18 19:00:00 ID:lCCG/MIQ [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「それじゃあ……カノン、たった2日間だったけど、本当に楽しかったわ」

サトシとラティアスが戯れている間に、私はカノンにお別れを告げた。

 カノン 「私の方こそ。あっという間だったけど、本当にありがとう。久しぶりに、すっごく楽しかったよ、私も」

 セレナ 「……ねぇカノン。本当に、サトシのこといいの?」

 カノン 「え?」

 セレナ 「お節介かもしれないけど……、その……、やっぱりおかしいよ。好きな人を好きだって伝えないのは……」

 カノン 「セレナちゃん……」

 セレナ 「私ね、2日間一緒に居ただけで、カノンがサトシのことどれだけ想ってるか、すっごく伝わって来たの。それなのに……一族の運命っていう理由で……」

 カノン 「ありがとう、セレナちゃん。本当にいいんだ、私。この2日間、サトシ君と一緒に過ごせて、一緒に戦って、一緒に困難を乗り越えて……。こんな良い思い出が出来たんだもん。それに、セレナちゃんっていう友達も出来たしね」

 セレナ 「カノン……」

 カノン 「だからセレナちゃん。セレナちゃんこそ、ちゃんとサトシ君に想いを伝えなきゃダメだよ。セレナちゃんには、チャンスがいっぱいあるんだから……」

 セレナ 「うん。でも……私……」

 カノン 「私のことは気にしないで。応援してるから、セレナちゃんのこと!」

 セレナ 「……うん。ありがとう、カノン!」

 カノン 「ふふっ」
 ▼ 294 イナシティの人 14/10/18 19:10:00 ID:lCCG/MIQ [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「じゃあねラティアス。アルトマーレに戻っても、元気に過ごしてね」

     「くぅん!」

 サトシ 「ラティアスはいつだって元気だよな! ……忘れないぜ、お前のこと!」

     「くぅ……」

ラティアスは、本格的に別れを感じたのか、急に大人しく、寂しそうな表情になった。

 サトシ 「ラティアス……」

     「くぅぅ……くぅ♪」
 ▼ 295 イナシティの人 14/10/18 19:40:02 ID:lCCG/MIQ [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告

― チュッ!


 サトシ 「わっラティアス……」

ふふっ。ラティアスったら。不意打ちかな?

寂しそうなラティアスの顔をサトシが覗き込んだ瞬間、ラティアスはサトシにキスをした。ちゃんと口と口同士で。

 カノン 「ふふっ。お別れの挨拶よね、ラティアス。それと……“貴方の幸せを願って”って。アルトマーレではね、キスにはそういう意味合いもあるんだ」

 サトシ 「そっか……。サンキューな、ラティアス」

     「くぅん……」

サトシはラティアスを抱き寄せて、ぎゅっと抱きしめた。ラティアスは目を閉じて、サトシの腕の中に顔を埋めている。

 サトシ 「ラティアス。お前はもう強い。強くなったんだ。だから大丈夫さ。この先なにが起こっても。どんな敵が現れても。お前なら絶対に負けない。もう立派なアルトマーレの護神なんだからな、ラティアス……」

     「くぅぅ……」
 ▼ 296 イナシティの人 14/10/18 19:50:04 ID:lCCG/MIQ [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「ラティアス……そろそろだよ……」

     「くぅ……」

 サトシ 「頑張れよ、ラティアス」

     「っ……くぅぅ〜♪」

 サトシ 「ははっ! 元気でなっ!」

     「くぅぅぅぅ!」

ラティアスは元気よく、ボールに戻って行った。

大丈夫よねラティアス。あなたはもう立派に成長したんだから。頑張って、これからもアルトマーレを護り続けてね!
 ▼ 297 イナシティの人 14/10/18 20:00:00 ID:0Z4D4KKw [55/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カノン 「それじゃあ……そろそろ行くね」

 サトシ 「あぁ。カノン、久々に会えて嬉しかったぜ!」

 カノン 「うん。私も……」

 サトシ 「ラティアスがあれだけ立派になったのも、カノンが頑張ったお陰さ。ラティアスやラティオス……それに“こころのしずく”のこと……。これからもよろしくな!」

 カノン 「……うん。私、もっともっと頑張るから! ラティアスたちに何かあっても、護りぬけるように、もっともっと頑張るからねっ!」

 サトシ 「あぁ。カノンなら出来るさ! それに、キーストーンも持ってるんだ。もしどうしょもないことが起こっても、きっとラティオスが力を貸してくれるはずだぜ!」

 カノン 「うん!」

カノンは寂しそうに、しかし元気よく言った。

ラティアスを護りぬいたことが、カノンにとっても大きな自信に繋がったんだと思う。

今は包帯を巻いている足の傷が、なんだか眩しく見えた。
 ▼ 298 イナシティの人 14/10/18 20:10:00 ID:0Z4D4KKw [56/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
『お待たせいたしました。間もなく19時15分発、ミアレ国際空港行きのバスが出発致します。ご乗車の方、2番乗り場へお急ぎください』


 カノン 「……行かなくちゃ。じゃあサトシ君、本当にありがとう。私、今回サトシ君と戦ったこと、絶対に忘れない。それと、ラティアスを護ってくれたこも。絶対に忘れないからねっ」

 サトシ 「あぁ。オレも今回のことは忘れないぜ。メガラティアスに、助っ人に来たラティオスに、カノンの勇気……。絶対に忘れないからな!」

 カノン 「ふふっ。……あとこれ、サトシ君にっ」

カノンはバッグから、丸められた1枚の画用紙を取り出した。

そして、赤いリボンで巻かれた画用紙を、そのリボンのように顔を赤くしたカノンは、サトシに手渡した。

 サトシ 「え? くれるのか?」

 カノン 「うん。さっき閉園までの時間に描いてたんだ。……恥ずかしいから、後で見てね」

健気だなぁ、カノン。お別れに絵を渡すなんて。

 サトシ 「ありがとうカノン。後でじっくり見させて貰うよ!」

 カノン 「うん……」


 サトシ 「……それじゃあな」

 カノン 「うん。さようなら……サトシ君」
 ▼ 299 イナシティの人 14/10/18 20:20:00 ID:0Z4D4KKw [57/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
バスに向かって歩き出すカノンは、目が少し潤んでいた。これで本当に、お別れなんだ。

たった2日間だったけど……、一族の定めをきちんと守って、ラティアスのために体を張って、真面目でおしとやかで……私とサトシの仲も応援してくれて……。

良い子だったな、カノン。

こんなに良い子なのに、定められた運命があるなんて……。神様はイジワルだよ……。


 サトシ 「あっ、そうだカノン!」

サトシがカノンを呼び止めて、歩み寄る。


 カノン 「サトシ君……どうしたの?」

驚いたカノンが振り返る。

 サトシ 「いやぁ、最後にさっ……」

サトシはちょっと口ごもりながら、さらにカノンに近付いた。

そして……
 ▼ 300 イナシティの人 14/10/18 20:25:00 ID:0Z4D4KKw [58/67] NGネーム登録 NGID登録 報告


サトシはゆっくりと、カノンと唇を重ねた。


 カノン 「ふぇっ……えぇっ!?!? さっ……サトシ君……!?」

 サトシ 「ははっ。ちょっと恥ずかしかったけど、カノン、お別れの挨拶。オレもカノンの幸せ、願ってるからな!」

 カノン 「そっか……うん……ありがとうサトシ君。私も、サトシ君の幸せを願ってるからね。絶対にカロスリーグ、優勝してね!」

 サトシ 「あぁ! 元気でなカノン!」

 カノン 「うっ……うん! ありがとう! サトシ君も元気でねっ!」


とっさのことで驚いちゃったけど、きっと一番驚いてるのは、カノンだろうな。

きっとサトシ、ラティアスと同じ感覚でキスしたんだろうけど……、でも、カノンにとっては嬉しかったんだと思う。


だってカノン、あんなに目を潤ませて……。


笑顔で涙が出るのは、幸せの証拠だよ。


そうだよね、カノン?
 ▼ 301 イナシティの人 14/10/18 20:26:05 ID:0Z4D4KKw [59/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
高速バスは、ゆっくりと発車した。

バスの窓は開かないから、もう会話は出来ないけど、私たちはずっと、手を振り続けた。

バスが見えなくなるまで、ずっと。


 サトシ 「行っちゃった……な……」

 セレナ 「うん……」


短い無言の間を置いて、サトシはカノンに貰った画用紙を見つめなおす。そして、赤いリボンを解いた。

 サトシ 「カノンに貰った絵……ははっ。やっぱりカノンは絵が上手いな!」

丸められた絵を解くと、そこには、水上レースで運河を疾走する、凛々しい顔のサトシが描かれていた。

時間がなかったのか、背景は白黒だったけど、運河の水しぶきと、引っ張るケロマツと、カッコいいサトシと……。本当、凄く上手い。


 サトシ 「カノン……ありがとな……」


サトシの後ろ姿に、何となく、寂しさを感じた。やっぱりサトシ、カノンこと……。
 ▼ 302 イナシティの人 14/10/18 20:27:00 ID:0Z4D4KKw [60/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「ねぇサトシ……」

 サトシ 「ん? どうしたセレナ?」


カノン、私も頑張るよ。

あなたから貰った勇気、ちゃんと形にして見せるからね。


 セレナ 「いま言うのもちょっとアレなんだけど……」


自分でも、顔が真っ赤になっていくのが分かる。

けど、私はカノンに誓ったんだ。


 セレナ 「私……私ねっ! さっ……サトシのことが……!」


― 大好きだよ。


 ▼ 303 イナシティの人 14/10/18 20:28:00 ID:0Z4D4KKw [61/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【23】

バスの中で、見えなくなで、私はサトシ君とセレナちゃんに手を振り続けた。


……まだドキドキしてる。

まさかサトシ君の方から……私にキスしてくれるなんて……。しかも……唇同士で……。

思い出すだけで、私はまた、顔が熱くなった。


けど、さっきのキスは、愛情表現のキスじゃ無かったんだよね。

きっとラティアスと同じように……お別れの挨拶として……。


サトシ君……ふふっ。やっぱり純粋なんだな、サトシ君って。
 ▼ 304 イナシティの人 14/10/18 20:29:00 ID:0Z4D4KKw [62/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
私の気持ちは伝えられなかったけど、それはアルトマーレを護る者としての運命だし……それに、サトシ君には、十分すぎるほど思い出を貰った。


一緒にアルトマーレ展の屋台をデートして。

ベッドで押し倒されちゃって。

ラティアスを助けるために一緒に戦って。

ラティアスのメガ進化を一緒に見届けて。

怪我した私を抱きしめてくれて。

一緒にラティアスに乗って空を飛んで。

一緒に眠って。

最後にキスをしてくれて。


だから悲しくなんてないよ、思い残すことなんてないよ、サトシ君……。
 ▼ 305 イナシティの人 14/10/18 20:30:00 ID:0Z4D4KKw [63/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
もし次に会う時は、もっともっと、私は強くなってるからね。

ラティアスと一緒に、アルトマーレの護神として、もっともっと、立派になってるからね。



私はサトシ君に貰った“てのひらピカチュウ”を取り出した。



サトシ君と過ごした、恋人みたいな2日間。


私は絶対に忘れないよ。


絶対にね……。



≪ ピカッチュウ♪ ≫



 ――― 完 ―――

 ▼ 306 161 14/10/18 20:50:14 ID:IKfESs6I NGネーム登録 NGID登録 報告
例の社会人です
泣きました。水の都の護神挿入歌「謎の少女、再び(迷宮)」を、また、>>300からどう作品のエンディングテーマ「ひとりぼっちじゃない」を聞きながら最後まで読ませていただきました。
最後のキスはアルトマーレでの名シーンを彷彿とさせます。
短い間でしたがとても楽しめました。
普段はSSとか読まない者ですが、SSの面白みを知れてよかったです。
ついついまた長文となってしまいましたが、本当にお疲れ様です!
 ▼ 307 めむし 14/10/18 21:09:20 ID:oZFLfjVU NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ!!
いやー2日間見てなかったから最後までみるの長かった・・・・
 ▼ 308 リキテル@いいつりざお 14/10/18 21:33:05 ID:GPz3Q/62 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
とりあえずお疲れ様です。めっちゃ面白かったです!
是非続編も読んでみたい。
 ▼ 309 シデ@ヒールボール 14/10/18 23:04:20 ID:FqWTyUJY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
お疲れ様です!
かなりの名作でした!
 ▼ 310 ンシレックウザ◆2DoXBrZi1c 14/10/18 23:46:09 ID:ZwZZUdH. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
神神神神すぎる
アルセウス越えた!!
 ▼ 311 ティアス こころのしずく 14/10/18 23:56:18 ID:kAwuwJa2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
このss>>>>>>>>>>>越えることが困難な壁>>>>>>>>>>>>>>>アルセウス
これくらいかな?
そして本当に面白かったです
お疲れ様でした!
 ▼ 312 イナシティの人 14/10/19 00:36:00 ID:0Z4D4KKw [64/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【 あとがき @ 】

サトシ「アルトマーレ展?」(副題:アルトマーレの護神)

――――――――――――――――――――――――

 この度は多くの皆様に当SSを読んでいただき、ありがとうございました。
 これまで支援して下さった皆様、ご意見・ご感想を書き込んで下さった皆様に、心より感謝致します。

 このSSを執筆したキッカケは、ORASの発売が根底にあります。メガラティアスの登場は、ラティアス好きの私にとって注目の出来事でした。

 しかしそのメガラティアス、色が何故か青っぽい薄紫……そして、メガラティオスとも同色……。
 確かに2匹の色合いについては再考の余地がありますが、否定的な意見が余りにも目立っており、ならばこの色を逆手に取った何かが出来るのではないか……と考えました。

 その結果、“こころのしずくと共に助けに来たラティオスの魂が表れている”というストーリーに至ったのです。
 また、“こころのしずく”がメガストーンの役割を果たすと言うのも、上記と同時に思い付いた展開です。

 しかし、メガストーンを設定しても、キーストーンが無ければメガ進化は出来ない……。ならば敵キャラから奪えばいいんじゃね? という考えに至るのに、そう時間はかかりませんでした。

 メガラティアスが登場するのなら、敵キャラもORASで初登場のメガ進化ポケモンが良い。かつ、アニポケで登場した敵キャラと言えば……。
 そこで浮かび上がったのが、ボーマンダを持っている“J”です。アニメでは消息不明となっているため、登場させたところでアニメとの矛盾点は生じない。しかも映画“水の都の護神”で敵キャラとなったアリアドスをJが持っていたことも、選択の決め手となりました。

 つまり、物語の中心は、ラティアスがメガ進化、バトルすることにあって、その他の部分は“オマケ”と言っても過言では無いのです。

 ただ、私はカノンが好きで、今のアニポケのセレナも好き……。ならばこの2人がヒロインのSSにすれば、オマケが“オマケ以上のもの”になると確信しました。
 特に、セレナのサトシ好きは言わずもがな。カノンに関しても、サトシに好意があると判断できる、十分な背景があったのです。
 ▼ 313 イナシティの人 14/10/19 00:37:00 ID:0Z4D4KKw [65/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【 あとがき A 】

 その背景と言うのが、映画「水の都の護神」のラスト、サトシとカノンのキスシーンです。

 しかしその時、カノンは帽子を被っていませんでした。それゆえ、あれはラティアスなんじゃないかとの見方もあり、公式もはっきりしていません。

 ただ、私はカノン派であって、そう確信もしています。
 あの時、カノンの帽子は、彼女の部屋に置きっぱなしでした。よって、帽子が無くてもキスをしたのがカノンだと言う可能性があります。

 そしてもう1つ。エンディングに入ってから、サトシは船の上で空を見上げます。すると、青空の中、2匹のラティオスと、1匹のラティアスの姿が確認できました。
 さらにエンディング終盤で秘密の庭が映ると、そこにも、影ですが、2匹のラティオスと1匹のラティアスが映ります。
 つまり、あの後秘密の庭で暮らしているのは、2匹のラティオスと1匹のラティアスであり、もしキスしたのがラティアスだったとすると、その点で矛盾が生じてしまう訳です。

 それが、カノンがサトシに好意があることの根拠であって、今回のSSも、それ前提で進めてきました。

 とにかく私は「水の都の護神」映画の大ファンで、水上レースやクレープ屋さんなど、同映画のポイントや設定をふんだんに取り入れたストーリーになったのも、そのためです。

 一方、そんなストーリーを書く上で、言い方は悪いですが……どうしても邪魔になってしまうのが、シトロンとユリーカです。

 そこで、ユリーカが体調を崩し、シトロンが付き添うという形が、2人には申し訳ないのですが、生まれました。その内容には、今話題のデング熱を取り上げました。初盤にユリーカが蚊に刺されると言う伏線に気付いた方は、果たしていらっしゃったのでしょうか。

 もっとも、ユリーカが体調を崩した理由は、2人を省くためだけではありません。ホテルでサトシとカノンが同じ部屋になることと、最後にサトシ、セレナ、カノンが一緒に寝ること。この2点を自然に運ぶためにも、体調不良設定は必要不可欠でした。
 ▼ 314 イナシティの人 14/10/19 00:40:00 ID:0Z4D4KKw [66/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
【 あとがき B 】

 そんな感じで、書きたいことを上手く書ききれたと自負していますが、一方で、反省点もあります。

 >>67から>>69にかけての、カノンのオナヌーシーンです。
 深夜のテンションとテコ入れ感覚で書いてしまった部分ですが、ここは皆様から頂いたご意見の通り、入れないのが正解でした。
 もし今からお読みになる方がいらっしゃるのなら、>>67から>>69は除外して頂きたいと強く思います。

 また、視点がサトシ、セレナ、カノンでコロコロ変えるのも、読み返してみると、分かりづらかったかな、と思う場面があります。
 視点は固定した方が良かったのでは、と思う一方で、3人の心情を描きたいと思う面もあり、なかなか難しい所です。


 最後に私の素性を明かします。
 まず“てのひらピカチュウ”が出た時点で、年代はお察しの通りです。

 そして、こういった掲示板でSSを投稿するのは初めてでしたが、実は“オリジナルトレーナーを主役としたポケモン小説”を、長いことHP内で執筆しています。
 なので長い文章を書くことに抵抗はありませんが、“原作キャラ”を描くのは初めてなので、言い回しや言動に、原作キャラのイメージを壊さないよう配慮することが、大きなハードルとなりました。
 まぁ、サトシが自分からキスするあたり、原作キャラの言動もクソも無いですけどね。


 以上で、あとがきを終わりたいと思います。

 最後の最後になりますが、ここまで当SSをご覧いただき、本当にありがとうございました。

 カノンの心情について綺麗にまとめてしまったので、これの続編などは考えていませんが、需要があるようでしたら、また別の内容で、そこれそ安価SSなどにも挑戦したいと思っています。
 それは明日かもしれませんし、当分やらないかもしれません。忙しさと気分次第です。

 それではまたどこかで。
 完結はしましたが、感想やご意見、もし質問などがございましたら、この先もお答えしていきたいと思います。

 ――― おわり ―――
 ▼ 315 ンシレックウザ◆2DoXBrZi1c 14/10/19 00:48:08 ID:FhAmNWck [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
また次のSS期待してます!!
 ▼ 316 ロトーガ@かいふくのくすり 14/10/19 09:30:57 ID:F//.UN9. NGネーム登録 NGID登録 報告
これは神ss
お疲れ!!
 ▼ 317 マサラ人3 14/10/19 09:32:38 ID:etNAOMBI NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様です。またSSを書いて下さい。
 ▼ 318 ンテイ@くろいヘドロ 14/10/19 13:13:39 ID:LBmh8xYg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
乙です!!
とても面白かった!!
 ▼ 319 161 14/10/19 14:03:47 ID:bUQXJ2XU NGネーム登録 NGID登録 報告
本当にお疲れ様でした。
水の都は僕も一番大好きなポケモン映画で、映画全体というカテゴリの中で見てもかなり好きな部類に入る程です。
なので、カノンというキャラには僕も同じく他の映画のゲストやヒロインよりも強い思い入れがあります。
原作キャラのイメージを壊さないように言動に十分配慮したとのことですが、とても違和感ありませんでしたよ!
キャラの個性が十分に引き出されている、このSSにはまった最大の理由でもあります。

因みに映画作品の方で最後にキスした少女ですが、カノンであった可能性を示唆する事実がもう1つあります。
最後カノンがサトシにキスをした後エンディングへと移りエンディングテーマが流れますが、
水の都の護神のサントラは、曲が映画作品で流れる順番に収録されており、
映画作品のエンディングである「ひとりぼっちじゃない」の1つ前の曲は「カノン」とタイトル付けられています。
ということは……

面白い作品をどうもありがとうございます。ここ数日間とても楽しめました!
 ▼ 320 イナシティの人 14/10/19 21:21:23 ID:.KtgE3nE [64/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>319
ご感想ありがとうございます。原作キャラたちを違和感なく動かせたようで、安心しました。

水の都の映画サントラ、私も持っていますが、確かに最後だけ曲名が“カノン”となっていましたね。中盤曲は“謎の少女”にも関わらず、ここでカノンの名を持ってきたとなると、制作陣の意図するところは言わずもがなですね。

お楽しみ頂けたようで、私も執筆した甲斐がありました。機会とネタがあれば、またSSに挑戦してみようと思います。
 ▼ 321 ンプク@こううんのおこう 14/10/21 22:34:59 ID:qc.bZUkE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
泣けた…
 ▼ 322 トシ&ふしぎなあめ 14/10/25 17:46:49 ID:kIYlbnSM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おもしろかった!
 ▼ 323 イナシティの人 14/10/30 21:18:51 ID:.KtgE3nE [65/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜 ご案内 〜

当SSのサイドストーリーの執筆が完了しました。

 ブースター「フレアドライブなんてできない……」
 (http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=28062

アルトマーレ展の会場の近くに住む、野生ポケモンにスポットを当てたSSで、
サトシ達と同じ時間軸で起きた出来事のSSです。

ポケモン視点で見るサトシ達や、Jのその後も描いています。
よろしければご覧ください。
 ▼ 324 ーシィ@カードキー 14/10/30 23:11:35 ID:ifKld8sg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>323
やっぱりこのあとだったか
 ▼ 325 ジョット◆bEJIG/AxsE 14/10/30 23:53:19 ID:ZwZZUdH. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>323
ちょっと!!涙出てきたじゃんかよ〜
あなたが書くSS神すぎる!!!
このSSも
ブースターのSSも感動する!!
 ▼ 326 イナシティの人 14/10/31 01:49:37 ID:.KtgE3nE [66/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>324
やはり気付かれていましたか(笑)

>>325
ありがとうございます!
拙い文章ですが、描いた甲斐がありましたね。
 ▼ 327 ルビア◆h1OkpCUjl2 14/11/01 01:30:39 ID:wpNkR/ek NGネーム登録 NGID登録 報告
319です。
まさかサイドストーリーが展開されていたなんて(笑)
また寝る前の楽しみが増えました。読ませていただきます。
 ▼ 328 ロエッタ@じしゃく 14/11/02 08:14:07 ID:6ILMBmJw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
age
 ▼ 329 ンド@ふしぎなアメ 14/11/04 13:01:26 ID:ysEQzmoc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
age
 ▼ 330 ーボック@メトロノーム 14/11/17 15:41:36 ID:4jHNjx.s NGネーム登録 NGID登録 報告
Age
 ▼ 331 ォーグル@でんきだま 14/11/17 19:31:59 ID:maE9y64U NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 332 イナシティの人 14/11/20 00:54:54 ID:0Z4D4KKw [67/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
多くの皆様のご支援に感謝します。

さて、このSSを加筆修正した小説を、以下に掲載致しました。

 【 http://www.geocities.jp/marinecity_hama_oln2/toethu_3_2_03.html

内容は変わっていませんが、工口を抜き、一部の表現を変更しています。

お時間ありましたらどうぞ。
 ▼ 333 ジョット使い◆bEJIG/AxsE 14/11/20 00:55:57 ID:xkdHV7jE NGネーム登録 NGID登録 報告
>>332
ブックマークした
 ▼ 334 イナシティの人 14/11/20 01:24:51 ID:.KtgE3nE [67/67] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>333
ありがとうございます!
 ▼ 335 ガナ大好き◆B3yArQfdHk 14/11/29 22:40:42 ID:42vDqT4M NGネーム登録 NGID登録 報告
シークレットガーデンとか合いそう
真面目に
と言うか2002年は神このSSも神
=らてぃ最強
 ▼ 336 Con玉 14/11/29 22:48:39 ID:RFvLwSkE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
いつの間にかブクマしていた。
 ▼ 337 ルリア@いかりまんじゅう 14/11/30 23:37:13 ID:8hWd2tKM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
上げ
 ▼ 338 ガナとルーク大好き◆B3yArQfdHk 14/12/04 23:24:32 ID:yVLlt7dM NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 339 ッパ@しろいビードロ 14/12/16 00:31:01 ID:3bGX.6so NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あげあげ
 ▼ 340 チニン@あかいバンダナ 14/12/16 03:27:36 ID:HMR.6fRo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あげだぜ
皆に是非とも読んでもらいたい。(*´∀`)
 ▼ 341 れいなゲーチス 14/12/16 15:24:01 ID:1XJbbl.E NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あげましょう!
 ▼ 342 れいなゲーチス 14/12/30 20:54:37 ID:.HFDcOt6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あゲェェェェェチス♪
 ▼ 343 ワムラー@ボーマンダナイト 15/01/02 23:59:09 ID:ZZNTMk/I NGネーム登録 NGID登録 報告
まだあったのか
乙カレーの油揚げ
>>342
あげーちす♪
 ▼ 344 ラクロス@まひなおし 15/01/04 00:27:19 ID:3GBHnwYk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
感動した
あげ
 ▼ 345 774の56 15/01/04 06:19:30 ID:ygkTebYA NGネーム登録 NGID登録 報告
あげます 凄くいい話でしたね〜(っ*≧∀≦)つ
応援します(`・ω・´) ていうか 協力したいです〜(っ*≧∀≦)つ
 ▼ 346 ャスパー@メガストーン 15/01/06 23:12:12 ID:4QCeDuuA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
上げ
 ▼ 347 チリス@こうかくレンズ 15/01/13 14:38:41 ID:UIo/Q7Eo NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 348 カタンク@おおきなねっこ 15/01/13 15:07:45 ID:ZOpicVjE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
いつまで残ってるのこれ
 ▼ 349 コロモリ@たてのカセキ 15/01/13 16:01:57 ID:POqTmXUQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
良いSSではあるけどいい加減上げるのやめろよ…
 ▼ 350 ガバシャーモ@GBプレイヤー 15/01/13 18:22:51 ID:zEHqV8VQ NGネーム登録 NGID登録 報告
もっとかいてください!
 ▼ 351 イズ 15/01/16 08:07:51 ID:y6qOYVic NGネーム登録 NGID登録 報告
映画にしたいレベル
 ▼ 352 リーン@ダイブボール 15/01/16 23:42:00 ID:IHhhtek2 NGネーム登録 NGID登録 報告
何故残ってるんだよ
 ▼ 353 メイル@さざなみのおこう 15/01/18 11:27:13 ID:yj86vHHw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
素晴らしいから>>352
 ▼ 354 マンタ@メタルコート 15/01/18 12:05:19 ID:x2YdD98Y NGネーム登録 NGID登録 m 報告
age
 ▼ 355 スノキ 15/01/25 02:42:20 ID:DcjZ/2f6 NGネーム登録 NGID登録 報告
多くの皆様からのご支援に感謝します。


当SSの続編を、以下で執筆しています。

 カノン 「さよならっ……」
 (http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=58149

よろしければご覧ください。
 ▼ 356 テッコツ@ライボルトナイト 15/01/28 17:16:09 ID:yp5weyxo NGネーム登録 NGID登録 報告
>>332
今更だけど俺もブックマークした
後でじっくり読む
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