【戦争SS】女「けものの世話係?」:ポケモンBBS(掲示板) 【戦争SS】女「けものの世話係?」:ポケモンBBS

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【戦争SS】女「けものの世話係?」

 ▼ 1 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:29:55 ID:1fMKWJUE [1/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
隊長「うちの隊の雑用係は、先週入ったガキ共がやることになった」

隊長「お前には明日から、けもの達の世話をしてもらう」

女「お役御免ってことですか」

隊長「転属と言え」

女「昇給ではないんですか」

隊長「給料は少し増えるぞ」



調教師「やぁ、こんちわ」

チャーレム「」フラーッ

調教師「あコラどこ行く。戻れこの」グイッ


───調教師はそのけものを引き戻し、柵の中に蹴り飛ばした。


調教師「すまんね、こっちは窓際部署なもんで、人手は常に足りない」

調教師「君の配属を歓迎するよ」

女「……」
 ▼ 2 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:30:40 ID:1fMKWJUE [2/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「よろしくおねがいします」



調教師「エサをやる時間は起床時と夕暮れ時。前日の兵士達の食べ残しに飼料をまぜて、その木箱に入れておけばいい」

女「はい」

調教師「調教のやりかたはその時に説明する。鎧の籠手を忘れずにね」

女「?」

女「何に使うんです?」

調教師「鞭を振るえない間合いで、けものを殴るのに使う。噛まれたりしても平気だしね」

女「……はい」

調教師「明日は欠員のけものの補充がある。俺らの仕事はそこでやることがほぼ全てだから、教習は明日、明後日で終わると考えてもらっていい」

調教師「まぁでも、今日にでもエサやりはやってもらうけど」



───数年前から、世は戦争の真っ只中である。

王の弟が敵を国に招き入れたとかで、国内の勢力は真っ二つ。

王の軍勢と、王の弟が引き入れた敵の軍勢とで、カロスのあちらこちらで日夜、戦が起きている。
 ▼ 3 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:31:30 ID:1fMKWJUE [3/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女が転属した世話係は、王政派に属する傭兵団の部署のひとつであった。

彼女は学生だったが、戦争の煽りで辞めざるをえず、戦争が終わるまでのつもりで働いている。

しかし、戦争はいつ終わるのかわからない。

そしてその発端である、王とその弟の関係が現在どうなっているのか。

カロスの僻地では、知るすべもなかった。



女「学生崩れの俺に出来ることなんて、せいぜいこんなもんですよね……っと」ドバ

女(臭いのには慣れてるけど、しかしまぁけものどものエサってのは腐ったようなにおいがするんだな)

女(不憫だ)


───口にはしないのだが、そう思う。

もうちょっとましなもん与えられないのか、と。

そう思う程度には、彼女は"けもの"達のことを好いていた。



翌日。
 ▼ 4 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:32:18 ID:1fMKWJUE [4/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女(補充が来た)

女(けもの用の鎧を積んだ馬車と、200匹のけものを連れた大車)

女「どえらい数のけものですね」

調教師「南の方の騎士団が使っていたのが、そこの壊滅でこっちに回されたんだ」

調教師「けものを鍛えるのは大変だからね。成長済みのヤツが仕入れられるのは助かる」

女「へぇ……」

女(確かに、成熟したけものばかりだ)

女(岩のけもの、鉄のけもの、毒、鳥……めずらしいな、火のけものもいる)

女「ん、あれは」


ゴルーグ「」ノソノソ


調教師「あれはゴーストだな」

女「てっきり鉄かと」

女「?」
 ▼ 5 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:33:15 ID:1fMKWJUE [5/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
───屈強なけもの達に並んで1匹、場違いとしか言い様のないけものがいるのに気づいた。


女「あれ、成熟してませんよね?」

調教師「あ?……本当だ」

調教師「騎士団サマでも、ああいう成長途中のけものを使う、ということなんだろう」

調教師「人員不足は深刻だねぇ」

女「」ジー


フラエッテ「」フワフワ


女「……?」

女(なんか妙だな)

調教師「とりあえず、今日やる仕事はこれだから」

女「はい?」

調教師「こいつら全部、どの程度調教されてるのかを測る。それが終わったら、必要なけものから調教を始める」

調教師「今日は忙しいぞぉ……っと」
 ▼ 6 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:34:07 ID:1fMKWJUE [6/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
調教師「うひゃー、まいった」

調教師「さすがは元騎士団サマのけものだ!調教いらんね!こりゃ!」

女「みんな、従順でしたね」

調教師「これ、君の教習も先延ばしになっちゃうなぁ……どうしよ」

調教師「あっそうだ」

調教師「あの草のけもの、君に任しちゃおうかな」

女「はい?」

調教師「ほら、花持ってるやつ」

調教師「あいつたぶん、もう一回くらい進化するはずだから……君にはそれをやってもらう」

女「え、進化させるって……育てるってことですか?」

調教師「育てること自体は、調教するよりも簡単だ。調教する必要がないなら、なおのこと楽な仕事だ」

女「了解です。でも俺、けものを育てたことないんですが……」

調教師「何、大丈夫。この近くに洞窟がある。そこで野生のけものと戦わせておけばいい」

調教師「延々戦わせとけば、そのうち進化するさ」

女「延々って……どんぐらいですか?」
 ▼ 7 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:36:54 ID:1fMKWJUE [7/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
調教師「早くて1週間、遅くて3ヶ月くらいかなぁ」

女「うえっ」

調教師「まぁ今日はもう遅いし、明日からね。よろしく」



女「エサやりついでに確認」

フラエッテ「……」

女「しかし、白っぽくて小さい体だな。花の色は……白?いや、黄………んんん????」

女「……まぁいいや」

女「こんなでも、進化すれば強くなるってんだから、けものはわからないな……」

女「お前、あとどのくらい鍛えたら進化するのさ?」

フラエッテ「……」フイッ

女「聞いてもわかるわけないよなぁ……」

女「ま、少しの間だろうけど、よろしくな」

フラエッテ「……」ユラッ

女「?」
 ▼ 8 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:37:55 ID:1fMKWJUE [8/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「なんだ?今……」



───翌日。

女(近くの洞窟に来た)

女(調教師さんにノウハウはざっと教えてもらった)

女「まぁいっちょ、パリッと進化しちゃってくださいな」

フラエッテ「……」

女(相変わらず愛想は悪い)



イシツブテ「ラッシャイ!ラッシャイ!」

ヌオー「おー……」

女「岩に水……なるほど、これなら草のけものは有利だな」

女「よしいけ!」

フラエッテ「」プイッ

女「……」
 ▼ 9 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:39:25 ID:1fMKWJUE [9/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「……行きませんのね」

女(ムチは渡されたけど、できれば使いたくない)

女(なるだけ、こいつには自発的に戦ってもらいたいし)


───手前勝手な話だが、けものたちに戦わせることを強いるような行為を、彼女はしたくなかった。


女「そんじゃ、お前は勝手に好きなようにしててくれ。俺は昼飯の用意するんで」

フラエッテ「!?」

女「今日のお昼は豆スープ〜♪」

フラエッテ「?????」



───フラエッテはわけがわからなかった。

戦え、と言ったと思ったら、好きにしろと言う、この少女の考え方が。

あまりにも意味不明すぎたので。

そして、お昼の時間まで好きにして───戦わずにいたら、何も言わずスープをすすめてくれたのであった。
 ▼ 10 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:40:06 ID:1fMKWJUE [10/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「〜……」カキカキ



───彼女は、木の板を使って何か描いていた。

筆はここに来る途中で転がっていた、炭化した木片を使っている。

このご時世だ。板やら墨やら、画材の調達には困らない。



フラエッテ「?」フワフワ

女「……」サラサラ

女「!」

女「おや、いつの間に」

フラエッテ「」タジッ

女「まぁいいさっと」カキカキ



───板の上には、岩場でのんきに佇むヌオーの姿が描かれていた。
 ▼ 11 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:40:46 ID:1fMKWJUE [11/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
フラエッテ「ふらえって?」

女「うん、そう。そこらにいるやつをね。模写」



───別に。

言葉がわかるとか、気持ちがわかるとかいうわけではないのだが、彼女はそんな風に答えていた。



フラエッテ「……」

女「」カキカキ



───結局この日、バトルは1回もしなかった。



調教師「」バキッ

女「あだっ」ズシャ

調教師「まさか、丸一日何もしてないとは思わなかったよ」

調教師「まさか出ていったときと同じコンディションのままで平然と戻ってくるなんてね……」
 ▼ 12 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:41:33 ID:1fMKWJUE [12/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
調教師「いいか?今は小休止を置いているけど、うちの兵団は敵と戦闘中なんだ」

調教師「戦いがいつ再開してもおかしくないこの状況では、戦力が少し欠けるのも惜しい」

調教師「明日はちゃんと、戦わせような?」

女「すみません」



───翌日。

女「まだ頬痛い……」

フラエッテ「……」

女「仕事サボったから殴られちった」

女「今日はよろしく頼むよ」



───言葉の様子とは裏腹に、彼女は実にどうでもよさそうにしている。

そしてまた、ふわふわと浮いているだけのフラエッテを放置して、落書きを始めるのだった。
 ▼ 13 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:43:19 ID:1fMKWJUE [13/28] NGネーム登録 NGID登録 報告



女「てかお前さ」

女「ときどきなんかぐにゃっとしない?」

フラエッテ「!」

女「絵描く身としちゃ、モデルにブレブレされるのは非常に困るんだよ」

女「そのぐにゃぐにゃ、止められるんなら止めてもらえる?」

フラエッテ「………」フイッ

女「あ、無理っすか」

女「……はぁ」ホオサスリ

フラエッテ「」ピクッ



調教師「」アゼン

フラエッテ「」ツーン

女「進化しました」

女(たぶん)
 ▼ 14 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:44:11 ID:1fMKWJUE [14/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「調教師さん、今日はお前をほっといていいっつってたんだけどさ」

女「どうせもうやることないから、スケッチしようかなって思って」

女「そういうわけだから、モデルやってもらえる?」

フラエッテ「エッテ?」



女「」カキカキ

フラエッテ「」フワフワ

女「お前……綺麗だよね」

フラエッテ「?」

女「お前みたいな姿のけもの、初めて見たよ」

女「描いててスッゴい思うもん」

女「……絵になるなぁって」


───ぽつり、ぽつり、と。

フラエッテを描きながら、彼女は時折、きまぐれに言葉を紡いだ。
 ▼ 15 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:45:23 ID:1fMKWJUE [15/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「俺、きれいなものが好きなんだ。きれいなものを、こんな風に筆に落とすのが好きなんだ」

女「……自分じゃない、きれいなものを見るのが、好きだ」

女「俺は、きれいじゃないから」



女「女らしさに自信はないけど、一応経験はあるんだ」

女「相手父親だけど」

フラエッテ「!?」

女「別に珍しいことじゃないよ、たぶん。母さんよりは美人だったからかも」

女「酒でべろべろにされて、そんでメチャメチャにされるから、あんまり記憶に残らんのよね」

女「ここで仕事するようになってからは、親元離れたんでご無沙汰だけど」

フラエッテ「ふら?えってって?」

女「慣れたよ。気にもしない」

女「またか、って思うだけ」サラサラ


 ▼ 16 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:46:01 ID:1fMKWJUE [16/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「お前には、大事な人がいるの?」

女「人ってか、けものっていうか」

フラエッテ「ラエフー」

女「へぇ。会いたい?」

フラエッテ「フウ、エッテ……」

女「ああ、そっか。ご主人の元を離れてここにいるのな」カリカリ

女「早く終わると良いな。こんな戦争」カキカキ


 ▼ 17 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:46:47 ID:1fMKWJUE [17/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「画家になりたいわけじゃないんだ」

女「専攻してるのも、建築科だし……まぁ、デッサンは応用できる。知識をデッサンにも応用できる」

女「描くのが好きってだけだ。親にもさんざん言われてる」

女「夢なんか追う暇あるなら勉強しやがれって」

女「……追っとらんし。勉強してるし。戦争中だから休んどるだけやし」

女「勉強すれば、仕事に就いて、一人で生きていける」

女「誰にも文句言われないように、誰にも弱味見せないように、誰にも裏切られないように、誰かに───」


───気を許して、漬け込まれないように。


フラエッテ「」ダキッ

女「!?」

女「ど、どした?」

フラエッテ「フゥ、ラエ。エッテッテ」ギュッ

女「?」

女「モ、モデルに動かれると困るんだけど……」
 ▼ 18 シツブテ@ボーマンダナイト 16/04/20 10:47:25 ID:aBH2L.og NGネーム登録 NGID登録 m 報告
俺っ子とはまた倒錯したものを……
 ▼ 19 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:47:27 ID:1fMKWJUE [18/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
───困惑する彼女に構うことなく、フラエッテは抱きついて───抱きしめていた。

言葉のひとつもしゃべれたなら、フラエッテはこう言っただろう。

つらかったね、と。

そう言って、あなたは一人じゃないよ、と慰めの言葉を続けたのだろうが、あいにくフラエッテはそんな器用なけものではない。

精々寄り添うのが関の山で、ぎゅっと力一杯少女を抱きしめるだけだ。

そして、抱き締められている彼女は、皮肉にもフラエッテの意図がわからず、困惑するばかりなのだった。

愛情表現に疎いばっかりに。


 ▼ 20 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:48:18 ID:1fMKWJUE [19/28] NGネーム登録 NGID登録 報告


───その夜。


調教師(一応、王宮には文面での連絡書を送った)

調教師(1日やそこらで返答は返ってこないだろうが)

調教師(あのけものは普通じゃない。おそらく、王の……)

「夜襲だ!!!」

調教師「!?」


爆発や大砲の音はしないが、キャンプが騒然とした空気に包まれていくのがわかる。

離れた場所からだが、怒号やけものの鳴き声も聞こえる。

調教師「ま、まずい」


 ▼ 21 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:49:01 ID:1fMKWJUE [20/28] NGネーム登録 NGID登録 報告



調教師「おい!」

女「どっ、どうしました!?」

調教師「絵なんか描いてる場合じゃないことくらいわかるだろ!夜襲!」

女「!」

調教師「非戦闘員を逃がしている。けものたちは全部迎撃に当たらせているが……」

フラエッテ「……」フワフワ

女「な、なんでそいつはここに?」

調教師「こいつも非戦闘員!お前はこいつと一緒に逃げろ!」

女「は、はぁ!?話が全然わからないんですけど!」

調教師「あとで説明するから!早く逃げろ!!」


 ▼ 22 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:49:40 ID:1fMKWJUE [21/28] NGネーム登録 NGID登録 報告



子供1「……」ハァ、ハァ

子供2「……」ゼェゼェ

女「子供もまとめて逃がしてんのかあの人……」

女「マジで何考えてんのかわかんないよ」


───穏和な人かと思えば平然と人やけものを殴るし。

戦わせるから進化させろと言っていたフラエッテを進化させたら、そいつは非戦闘員とか言い出すし。


女「あとでぜってー聞きだしてやる」


───イライラしながら獣道を進んでいた彼女だったが、前を歩いていた子供が突然止まった。


女「お、おい?どうしたんだよ」


───質問が返ってくるのを待つ必要はなかった。

子供はそのままぶらーん、と、力なく持ち上げられていく。
 ▼ 23 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:50:39 ID:1fMKWJUE [22/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
リングマ「ガゥ」


───彼は自らの、太く鋭利な爪で刺し貫いた子供を振り払った。

ぐしゃ、と、生きた気配を全く感じさせない音とともに、子供は転がった。


女(エンブレムをつけてる……野生じゃない)

女(侵略軍のけもの!)

フラエッテ「ラエェッテ!!」


───フラエッテが放った光弾はリングマを一蹴した。


女「お前!めっちゃ強いじゃん!」

女「これなら逃げられそうだ……急ごう」

女「ホラ!立て立て!走るんだ!」

子供2「う、うん」

女「ここを抜けたら、あとは近くの街までまっすぐ───」
 ▼ 24 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:51:54 ID:1fMKWJUE [23/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
───抜けた、そこには。


アイアント「チャキッ」

シャンデラ「シャアン」

サザンドラ「バオオオン!!」

イワパレス「チキチキッ」

マッギョ「ギョッギョギョギョギョwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ナットレイ「ジュワンキッ」

エンブオー「ガッフッ!」


───上記をはじめとして、岩のけものやら炎のけものやら水のけものやら雷のけものやらがわらわらと待ち構えていた。

そして皆、敵のエンブレムが刻まれた鎧を身に纏って、こちらをにらんでいる。


女「あ……ははっ」

女(もう、ダメだ)

女(こんな数……いくらこいつが強くても……)ハッ
 ▼ 25 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:53:26 ID:1fMKWJUE [24/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「"こいつ"……って」

女「そういや俺……お前の名前も、知らない……や」

女(……少しくらい、気にしときゃよかったな)

フラエッテ「……」スッ

女「?」


───けものたちの前に立ちはだかり、こちらをチラ、と見やるフラエッテ。

不思議なことに、話せなくとも、彼女の気持ちは自然とわかった。

こんな状況だ。

言葉にされなくともわかる。

黒い花を構えて、フラエッテはけものたちに向き直った。


女「?」


───周囲にある草や木、花のひとつひとつから、光が漏れ出ていることに気づく。

あり得ない光景に目を疑いつつも、光の流れを目で追う。
 ▼ 26 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:54:18 ID:1fMKWJUE [25/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
それらはすべて、フラエッテの花に集まり、光の球体を構成していた。

そして、2秒と経たずその球は肥大化し、黄金の輝きから一転。

淡い桃色の光へと変わっていく。


フラエッテ「ッ!!」


フラエッテ の はめつのひかり!!


女「うわっ……!」


───彼女はフラエッテの過去を知らない。

あんな小さなけものが、どうして今まで戦場を生き残れたのか。

どんな武勲を挙げて、国軍の勝利に貢献したのか。

その一切を、全く知ることなく、しかし。

その放たれた光の奔流を見て、ああ、こいつはただものじゃないのだ、と思い知った。

はめつのひかりは、正面に待ち構えていたけものたちを飲み込み、そのまま背後の森までも、焼き尽くしていく。
 ▼ 27 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:55:12 ID:1fMKWJUE [26/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
だが、それほどの大技を放っても尚、淘汰できた敵は全体の半分ほどで。

左右に広がっていたけものたちは、光が収まると、フラエッテ達を囲むように、進んできた。


フラエッテ「───っ」

女「おわっとっと!」ポフッ

女「大丈夫か?」

フラエッテ「エッテ……て?」

女「逃げる隙なんて、なかったよ」ドサッ

女「詰みだなぁ、こりゃ」

女「……ごめんな。最期が、私なんかと一緒で」

女「ご主人に会いたかったよな」

フラエッテ「らぁ……って」

女「ああ、そうだな」

女「生まれ変われるなら、もっと平和な時代に生まれようぜ。お互い」

 ▼ 28 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:56:41 ID:1fMKWJUE [27/28] NGネーム登録 NGID登録 報告
───豊かなカロスは狙われた。

王は戦争を避けられなかった。

愛しいポケモンも戦いに出さねばならぬほど激しく醜い乱であった。

小さな棺に入れられ、帰ってきたフラエッテを抱いて、王は泣き崩れた。

愛しいポケモンの死は、王を怒りに震えさせ、狂おしいほどの悲しみと憎しみにかられた王は、最終兵器の建造を決意した。

最終兵器はフラエッテを生き返らせ、憎い敵軍も、そのポケモンも焼き払うことができる。

それを造り出すことにもはや、迷いはなかった。

AZが哀しみ苦しみながら最終兵器を造っているときに残したとされる言葉。

「愛するポケモンを生き返らせてなにが悪いのか!そのポケモンがよみがえるならば、他のポケモンに意味はない!」
 ▼ 29 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/04/20 10:57:16 ID:1fMKWJUE [28/28] NGネーム登録 NGID登録 報告


おしまい。

 ▼ 30 マズン@ふうせん 16/04/20 11:19:15 ID:/r180bSA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
乙です!
 ▼ 32 コリザル@ガブリアスナイト 16/04/20 14:46:35 ID:qHwLPLaI NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!!
あんたの書く話が大好きだ
 ▼ 33 リリダマ@セシナのみ 16/04/20 18:34:40 ID:wCgHmLdw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
好きだなぁ…
 ▼ 34 ズレイド@ディアンシナイト 16/04/20 19:17:38 ID:yU1HdyYo NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
 ▼ 35 グリュー@すごそうないし 16/04/20 20:46:58 ID:gAptOp76 NGネーム登録 NGID登録 報告
唐突に増えた戦争SSの完結作

乙です
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