サトシ「100レベのトランセルで俺はポケモンマスターになってやるぜ!」:ポケモンBBS(掲示板) サトシ「100レベのトランセルで俺はポケモンマスターになってやるぜ!」:ポケモンBBS

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ポケモン

サトシ「100レベのトランセルで俺はポケモンマスターになってやるぜ!」

 ▼ 1 2egGpD/r/. 16/05/26 00:03:44 ID:z0wYhkTs NGネーム登録 NGID登録 報告
去年書いた奴を完結させるプロジェクト
安価でもらった手持ちポケの名前はそのままで進行


http://www.webmail.sstter.net/thread/1429411196/1/1-1001/#10
 ▼ 91 2egGpD/r/. 16/05/27 19:28:27 ID:WeJS4ySg [1/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
???「動くな沙亜夜! 今そっちに行く、力尽きるんじゃねェぞッ!」

沙亜夜「サ……トシ……さん?」

半ばトランセルのスピードに引きずられる様に走り出したサトシは、近くの岩盤を踏み台にしてウツボットの目前へ躍り出た。
溶解液を巧みにかわし、口の部分を乱暴に引っ掴む。
竹が割れるような音を立てて、蔓は根元から切断された。

ウツボット「ピギィィィ!」

ウツボットの不幸は、蔓を切断されただけに止まらない。
地中に潜行していたナックラーがボロボロに噛みちぎられた根と共に顔を出し、誇らしげに一鳴きしたのだ。
 ▼ 92 2egGpD/r/. 16/05/27 19:30:11 ID:WeJS4ySg [2/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
シ「なるほどね」

サトシ「根を張って傷をチマチマ癒す魂胆だったのだな。狡猾にも程があるぜ!」

サトシ「テメーのご主人は余程性格の悪いゲス野郎だったのであろうな! ペッ!」

サトシ「ともあれお手柄だぞフライゴミ! うっーし、一気に破壊光線でカタをつけるぜ!」

フライゴミ「ナック!」ウキウキ

ウツボット「や、やめて……やめてくださ」

サトシ「成☆敗ッ!!!」

破壊光線はウツボットの眉間を見事捉え、そのまま貫通した。
ウツボカズラの死骸を見るまでもなく、サトシは猛毒に苦しむサーナイトに駆け寄った。
 ▼ 93 2egGpD/r/. 16/05/27 19:31:38 ID:WeJS4ySg [3/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サトシパーティーまとめ
全体的に物理アタッカーが多め

トランセル
HP 50
攻撃 20
防御 1000
特攻 100
特防 500
素早さ 100
合計 1780

沙亜夜(サーナイト)
HP 68
攻撃 250
防御 68
特攻 115
特防 120
素早さ 200
合計 821

フライゴミ(ナックラー)
HP 45
攻撃 500
防御 45
特攻 45
特防 45
素早さ 20
合計 700
 ▼ 94 2egGpD/r/. 16/05/27 19:37:15 ID:WeJS4ySg [4/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サトシ「大丈夫か、沙亜夜!」

サトシはボールを取り出し、戻そうと中央のボタンを押したがまるで反応しない。
フライゴミが噛みついた時に、ボールの拡大機能が故障してしまったのだ。
サトシはボールを投げ捨て、力の無いサーナイトを背負った。

サトシ「仕方ない、沙亜夜を背負ってハナダシティまで峠越えだ! フライゴミ遅れんなよ!」

山の気候は移ろいやすい。
ポツポツと小雨が降り始め、たちまち無数の糸が天と地を繋いだ。

サトシ「戻れ、フライゴミ! 地面タイプのお前にゃ雨は似合わねぇぜ!」
 ▼ 95 2egGpD/r/. 16/05/27 19:37:39 ID:WeJS4ySg [5/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
道中、血の匂いを嗅ぎつけたズバットの群れに襲撃されたり、座った岩がゴローンであったりと災難に絶えなかった。
それでもサトシは、サーナイトを決して放り出しはしなかった。
土砂降りの中、何故ここまで必死になって自分を見限ったサーナイトを運んでいるのか。
それはサトシ自身にも分からない。
ただ、打算によるものでないことは明らかだった。
無意識の内に、サーナイトを助けようという感情が芽生えていたのだ。

サトシ「博士の言ったことがようやく分かりかけてきた気がするぜ……」

どれくらい歩いただろうか、斜面は緩やかになり、砂利道は舗装された道になっている。
それはハナダシティが近いことを暗にほのめかしていた。
 ▼ 96 2egGpD/r/. 16/05/27 19:38:35 ID:WeJS4ySg [6/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

ハナダシティのポケモンセンターに到着したサトシは、サーナイトをジョーイに託した。
手持ちポケモンが奥の部屋へ担ぎ込まれるのを見ながら、サトシは汗にまみれた顔で問うた。

サトシ「ウツボットの毒にやられたんです。助かりますかね、ジョーイさん!」

ジョーイ「すぐに解毒剤を投与させて頂きますが、後遺症が残る恐れも……」

サトシ「後遺症だって!? そんなに病状は深刻だってのかァ!?」

ジョーイ「まぁ、ウツボットの毒はアーボックやベトベトンを凌ぐ猛毒で有名ですからねぇ」

ジョーイ「むしろ息があること事態、奇跡に等しいのですよ」

サトシ「グッ……!」
 ▼ 97 2egGpD/r/. 16/05/27 19:39:53 ID:WeJS4ySg [7/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
淡々と語るジョーイと対照的に、サトシは苦虫を噛み潰した様な表情をしている。
自分の無力さを呪っても、沙亜夜の毒が抜けるわけではない。
時計は午前三時を告げ、無性に人恋しくなったサトシはPCでSkypeを起動した。

オーキド「おお、サトシ君! こんな夜更けにどうしたのだね」

サトシ「博士、前に言いましたよね。トランセルを俺に渡した意味。ただの暴力兵器ではないってこと」

オーキド「ふむ……サトシよ。精悍さが以前より一段と増しておるな。遂に真意を悟りおったか……」

サトシ「ただ物を奪うだけの矛でなく、弱者を守る盾として使え。博士はそう仰りたいのでしょう?」

サトシ「手持ちのサーナイトがウツボットに襲われているのを助けたんです。沙亜夜を守ること以外、何も考えていなかった……」

サトシ「でもあいつは今、毒で瀕死なんです。結局俺は、サーナイト一匹すら救えなかったんだ」

オーキド「まだ死亡したとは宣告されてなかろう。ならばできるだけ傍にいてやれ。それがサーナイトの救いへと繋がるのじゃ」

オーキド「時にサトシ君、約束通りトランセルをメガシンカさせる『トランセルナイト』を進呈しようと思うのじゃが」

オーキド「サーナイトの毒抜きが済んだら、マサラタウンに戻ってきてもらえるか?」

サトシ「済みません、ハナダシティに着いたからにはジムリーダーとバトルしてからでないと」

オーキド「ふむ……わしにしね と いうんだな!」

サトシ「は!?」
 ▼ 98 2egGpD/r/. 16/05/27 19:43:09 ID:WeJS4ySg [8/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
オーキド「いや、ちとメガシンカの研究で失敗してしまってのう……今研究所がポケモンで溢れかえっとるんじゃ」

サトシ「メガシンカですって!?」

オーキド「そうじゃ。プラターヌの奴から貰ったレシピで挑戦してみたのじゃが……あの野郎、デタラメ書きおって」

サトシ「大丈夫なんですか!?」

オーキド「倉庫に何重も鍵をかけてポケモンの侵入を防いでいるのじゃが……朝までもちそうにない」

サトシ「シゲルはどうしたんです?」

オーキド「あんなモン、連絡つかんから捨て置いたわ!」

オーキドは両手を合わせ、頭を下げた。
相当事態は逼迫していると見える。

オーキド「助けてくれ! わしァここで死ぬわけにゃいかんのじゃッ!」
 ▼ 99 2egGpD/r/. 16/05/27 19:44:46 ID:WeJS4ySg [9/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
自業自得ではないか、とサトシは呆れたが画面の隅に映る奇妙な生物に瞠目した。
薄闇に紛れ、カイリキーの身体を持ったルナトーンが腕組みをして控えている。
背後から感じる殺気と、サトシの表情に異変を察知したオーキドは小声で囁いた。

オーキド『とにかく、早く戻って来てくるのじゃぞ。わしがオモチャにされて死んでしまわない内にな』

サトシ「は、はぁ……」

メガルナトーン「オイオーキド、オレトアソベ」

次の瞬間、オーキドの身体が吹き飛びカイリキーの拳が画面一杯に映った後、砂嵐へと変化した。
サトシとしては、オーキドの無事をただ祈るばかりであった。
 ▼ 100 2egGpD/r/. 16/05/27 19:46:44 ID:WeJS4ySg [10/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ー三時間後ー

安らかな寝息を立てているサーナイトの傍に、サトシは座った。
ウツボットの毒がほぼ抜けたと聞き、顔を見ようと馳せ参じてきたのだ。
一晩中眠らなかったのか、目元に黒い隈が浮かんでいる。

サトシ「あー……えっと……」

うまい言葉が見つからず、サトシは天井に目を泳がせた。
そもそも、人生経験の少ない十歳の鼻垂れ小僧ごときに深みのある言葉を語らせよう、ということ事態間違っているのである。
気まずい雰囲気を打ち消すように、サトシは口を開いた。
 ▼ 101 2egGpD/r/. 16/05/27 19:47:48 ID:WeJS4ySg [11/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サトシ「……沙亜夜、わがままばっか言ってごめんな」

サトシ「俺が至らなかったばかりに、お前の気持ちにちっとも気づいてやれなかった」

サトシ「努力するよ、俺。沙亜夜の期待に応えられるような、ジュンヤに負けないトレーナーにきっとなってみせる」

サトシ「だから、これからも俺と一緒に頼れる友としてカントー地方を旅して欲しい」

サトシ「沙亜夜の力が、どうしても必要なんだ……」

サーナイトを背負い峠越えした疲労と、彼女の命が救われた安堵感とでサトシはベッドに突っ伏して寝てしまった。

暫くして、ベッドに横たわっているサーナイトがゆっくりと瞼を開けた。
身を起こし、爆睡中の少年を見つめる。
細い腕がサトシの髪へ伸び、優しく撫でる。

沙亜夜「……もう、二度目は無いですからね。サトシさん」

サーナイトの慈愛に満ちた声と、窓から差し込む一条の曙光、そして小鳥のさえずりが病棟の一室に柔らかな聖域を生み出していた。
 ▼ 102 2egGpD/r/. 16/05/27 19:48:27 ID:WeJS4ySg [12/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
「ギャアアアア!」

施設内に、ポケモンの断末魔が反響する。
改造キュレムが『食事』をしているのだ。
秘密宗教結社・プラズマ団本社の地下には、養殖場が広がり一日に一万匹もの改造ポケモンを生み出している。
生み出されたポケモンはすぐさま冷凍処理され、キュレムの食卓に並ぶ日を寒々しい冷蔵庫内で待つこととなる。
何のために生まれて、何をして生きるのか。
そんな簡単なことも答えられない不幸な改造ポケモン達は、蜜蝋の様に固められ鋼鉄の壁を眺めるばかりであった。

ゲーチス「……これで何匹目だね?」

ロット「今ので十万匹目でございます」
 ▼ 103 2egGpD/r/. 16/05/27 19:49:02 ID:WeJS4ySg [13/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ゲーチス「……ロット。貴様は怖くないかね」

ロット「怖い?」

ゲーチス「これだけ多くの命を吸い、成長したキュレムがいかほどの力を発揮するか……想像しただけでもぞっとする」

ゲーチス「だが、同時にそれは甘美極まる夢でもあるのだよ」

ゲーチス「ワタクシの王国! ……なんとも素晴らしい響きではないか」

ゲーチス「イッシュ地方ではどこの馬の骨とも知らぬ小僧と愉快な仲間達に邪魔されたが、カントー地方ではそうはいかぬ」

ゲーチス「ゆけ、ロット! 改造ポケモンを更に集め、キュレムの力を増幅させるのだ!」

ロット「ハッ!」

ゲーチスの片腕・七賢人ロットは一礼をした後、その長い白髭を揺らしながら暗闇へ溶けていった。
 ▼ 104 2egGpD/r/. 16/05/27 19:50:47 ID:WeJS4ySg [14/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
翌朝、薔薇色に染まるおつきみやまを背に、一人の少年と三匹のポケモンがジム前でウォーミングアップに励んでいた。
ちなみに昨夜、フライゴミがナックラーからビブラーバへひっそりと進化している。
幼児程度の脳みそも発達を遂げ、改造ポケモンらしく話すことが可能になった。

サトシ「フライゴミ! 早く沙亜夜に竜の怒りをブチかませ!」

フライゴミ「嫌だし。てかなんでボクがそんなんやらなアカンの? 普通なら沙亜夜さんの方を重点的に鍛えますよねェー」

サトシ「これは沙亜夜の回避訓練にも繋がるんだ。それに俺も眠いのをおして監督している。進化したからって増長するなよな」

フライゴミ「ふん。大体ね、竜の怒り”ごとき”でジムリーダーに対抗するなんて、最強のポケモンであるボクからすれば不本意極まるんスよねェー」
 ▼ 105 2egGpD/r/. 16/05/27 19:51:57 ID:WeJS4ySg [15/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
フライゴミ「亜空切断とかエアロブラストとか考え直す余地あったよねェーいやほんとマジで」

沙亜夜「フライゴミさん、その竜の怒り”ごとき”さえちゃんと撃てない人が他の技を扱えると思いますか?」

フライゴミ「はい?」

沙亜夜「基本を積み重ねることで、応用にステップアップできるんです。まずは基本を固めましょう、フライゴミさん! ばっちこーい!」

フライゴミ「うわすげーサトシに毒されてら。ポケモンにまで説教なんかされたくないし。あー帰りて、家無いけど帰りて〜」

沙亜夜「やる気がないなら私からいきますよ、かわらわり!!」ゲスッ

フライゴミ「ウボァ!!!」

進化をしたは良いのだが、能力を過信し鍛錬を疎かにする。
フライゴミのわがままぶりにサトシはかつての自分を見たのか、顔をしかめて嘆息した。
 ▼ 106 2egGpD/r/. 16/05/27 19:52:31 ID:WeJS4ySg [16/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サトシ「んじゃ、そろそろお邪魔といくか」

一通りの訓練を済ませたサトシは、ジムの扉をゆっくりと開いた。
隙間から血の臭いが流れ、鼻を刺す。
室内はまるで夜の帳が下りたかの如く闇に包まれ、人がいる様子もない。

サトシ「な、なんだよこれ……」

赤黒い血がプールに溜まり、一匹のポケモンがうつ伏せに浮いていた。
プールサイドには頭を割られ天井を仰ぐヌオーと、黒焦げの『ポケモンだった物体』が二つ、物を言わず佇んでいる。
あまりの惨状に、サーナイトは思わずサトシにしがみついた。
サトシさえも息を飲み、目の前に現れた想像を絶する光景を凝然と眺めるしかない。
 ▼ 107 2egGpD/r/. 16/05/27 19:53:47 ID:WeJS4ySg [17/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
フライゴミ「お、壁になんか書いてあるぜ」

ビブラーバが壁のある一点へ飛んでいき、サトシ達に示した。
血文字で『RED』と荒々しく書き殴られている。

サトシ「レッドか!」

乾ききっていないせいか血が垂れ、文字として読むには辛かったがサトシはそうはっきりと感じた。

サトシ「コクーン使いのレッド……なるほど。このジムもタケシと同じく奴に道場破りされたんだな」

沙亜夜「あのプールに浮いてる子、きっとスターミーですよ。ああ、可哀想に……」

サーナイトの悲痛な声に、サトシは歯を食いしばり壁の血文字を睨みつけた。

サトシ「こんなのポケモンバトルじゃねぇ……! ただの殺し合いだッ!」

思えばサトシ自身も、これまで数々のポケモンを残酷な方法で屠ってきた。
殺戮という点では全く同じではないか。
レッド、そして自分に対する怒りの感情を抑えることができず、サトシはポケットにさしていたトランセルを勢い良く地面に叩きつけた。
 ▼ 108 2egGpD/r/. 16/05/27 19:58:41 ID:WeJS4ySg [18/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
沙亜夜「サトシさん、これブルーバッジじゃないですか?」

血みどろのプールサイドから、サーナイトが雫の形をしたバッジを拾い上げサトシの掌に乗せた。
しかし彼の顔は晴れない。
戦わずにバッジだけをGETするなど、まるで獅子のおこぼれを喰らうハイエナの如き醜悪な所業である。
流石のサトシも、バッジを見つめたまま固まってしまった。

サトシ「けど……俺は……」

このままでは正々堂々たる勝負を重んずるポケモン道と、まるっきり正反対の方向へ舵を切ってしまう。
バッジを戻そうとしたサトシの手を、若草色の手が優しく包む。

沙亜夜「サトシさんの気持ちは分かります。でも、返したところで全てが元に戻るわけじゃない。ここは一旦バッジを預かっておくことにして、後日どこかでジムリーダーを見つけたら、改めてバトルを申し込みましょう」
 ▼ 109 2egGpD/r/. 16/05/27 20:00:01 ID:WeJS4ySg [19/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
フライゴミ「そうそう、過ぎたことをウダウダ考えてもどうにもならないってこったね」

フライゴミ「さっさとこんな陰気臭い場所、オサラバしようや。ボクお腹ペコペコだよ」

沙亜夜「あ、ジムの向かいにあるラーメン屋さん美味しいですよ! ラルトスの頃よくジュンヤさんに連れて行ってもらいました」

サトシ「……よし! オーキド博士救出の前にそのラーメン屋で腹ごしらえすっか!」

沙亜夜「そーしましょー! うふふ、楽しみだな〜♪」

サトシ「ブルーバッジ、KEEPだぜィ!」

フライゴミ「あー腹へったわー」

どこまでも立ち直りの早い三人組であった。
こうしてジムリーダーと戦うことなく、サトシの胸に二つ目のバッジが燦然と輝いたのである。
 ▼ 110 2egGpD/r/. 16/05/27 22:14:50 ID:dPjvOGYw [1/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
店主「らっしぇい! 嬢ちゃん大きくなったねぇ!!」

沙亜夜「いえいえ、おじさんも若々しくて羨ましいですー。こちらサトシさんで、私のマスターです」

サトシ「ちっス」

店主「肝が据わってそうな好青年じゃないか。うむ、良し!」

店主「ところでジュンヤ君はどうしたね? 今日は見えないけど」

沙亜夜の表情が曇った。

沙亜夜「あ……その……ジュンヤさんは」

サトシ「すみません、醤油ラーメン三ついただけますか。積もる話もあるだろうが、こちとら腹の虫が泣き叫んでるんでね」

フライゴミ「うぇーん、お腹すいたよー」

店主「フッ……確かに無駄話は腹の足しにならんもんな。席について待ってな!」
 ▼ 111 2egGpD/r/. 16/05/27 22:16:13 ID:dPjvOGYw [2/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
カウンター席に座ったサトシは、かつての友・ピカチュウのことを考えていた。
フラッシュも使えない邪魔な奴。
それだけの理由で、トキワの森まで連れ添ってきたピカチュウをパーティーから追放した。
果たして、それは正しい選択だったのか。
フライゴミと同じく磨けば光る原石だったのではないか。

サトシ「オイオイ、過去に執着しても意味はないとフライゴミに指摘されたばかりじゃねぇか……」

半ば自嘲的に呟くと、隣に座るサーナイトに声をかけた。
 ▼ 112 2egGpD/r/. 16/05/27 22:17:04 ID:dPjvOGYw [3/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「ああそうだ、次の町へ行く前に沙亜夜に渡したい物があったんだ」

沙亜夜「プレゼントですか?」

サトシ「まぁ、近いかな……っと」

サトシがバッグから取り出した物は、何の変哲もないディスクであった。
ピンク色の表面に小さく『99』と刻まれている。
困惑するサーナイトに、サトシはややぶっきらぼうに言った。

サトシ「技マシン99、マジカルシャイン。そろそろ沙亜夜にもドラゴン狩りをしてもらいたくてな」

サトシ「ひっそりamazonで注文して昨夜、お前が寝てる間に受け取ったわけよ」

沙亜夜「いやでもこれ特殊技……」

サトシ「元々サーナイトは特殊アタッカーだろ? オーキド博士に頼んで沙亜夜の特攻種族値を500底上げしてもらうさ」

沙亜夜「……ちなみにお幾らしました?」

サトシ「んー、8000ちょいくらい?」

沙亜夜「このばかぁっ!!!」
 ▼ 113 2egGpD/r/. 16/05/27 22:18:38 ID:dPjvOGYw [4/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
沙亜夜「私に黙って高い買い物しちゃダメと言いましたよね!? サトシさん際限ないからって!」

サトシ「は?聞いてねぇわ。すまんな」ホジホジ

沙亜夜「すまんで済むなら警察は要りません! どうするんですか、残金……」

言葉が終わる前に、ピンク色のディスクがサーナイトの頭へめり込んだ。
通常種と異なり、改造ポケモンは技マシンを直に脳へ差し込まねばならない。
レベルで覚える技を繰り上げて使用可能にするのだから、その分痛みもリスクも格段に高まる。

サトシ「返品不可らしいし、一気に覚えちまおうぜ」

沙亜夜「ちょと待って、あ痛だだだだ! 脳が裂ける! 脳が裂ける!」
 ▼ 114 2egGpD/r/. 16/05/27 22:20:18 ID:dPjvOGYw [5/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「脳が裂けようが死にゃしねぇ! 根性見せろや未来のドラゴンスレイヤー!!」

沙亜夜「痛い痛い! やめて!」

サトシ「うるせぇ!これは試練なんだよッ! テメェが一人前の戦士になるためのよォ!」

沙亜夜「また意味不明なこと言ってるぅ……うぐぐぐ」

サトシ「今ある技はかわらわりにあてみなげ、とびひざげりとインファイトか」

サトシ「決めた、かわらわり消すわ。威力低いし、攻撃範囲も狭いからいらねー」

サトシ「オラァ!!」

橙色のディスクが無造作に引き抜かれる。
激痛にサーナイトが身を苦しげに捩った。
マジカルシャインの習得後も鈍痛が残るのか、涙目で頭を抱えている。

沙亜夜「あぁ痛かった。死んじゃうかと思いました……」
 ▼ 115 2egGpD/r/. 16/05/27 22:23:02 ID:dPjvOGYw [6/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
店長「ははは、乱暴な主人持って嬢ちゃんも災難だねぇ。お待たせ、醤油ラーメン3丁完成だよ!」

沙亜夜「ありがとうございます! サトシさん、早く食べましょう! う〜ん、懐かしい香りが鼻をくすぐります!」

無秩序と暴力の日常。
少しだけ垣間見えた幸福のひととき。
普段眉を吊り上げ気味なサトシも、この時ばかりは笑顔で麺を啜った。
フライゴミことビブラーバに至っては、がっつくあまり自らがラーメンの具のようになってしまっている。

沙亜夜「おじさん、また来ますねー!」

店長「おうありがとさん、今度はジュンヤ君も連れてくるんだよ!」
 ▼ 116 2egGpD/r/. 16/05/27 22:23:46 ID:dPjvOGYw [7/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
ラーメン屋を後にしたサトシは、自転車ショップへと足を運んだ。
ハナダシティの自転車ショップでは一回きりだが、マッハ自転車あるいはダート自転車のどちらかを無料でレンタルできる。
マサラタウンでの仕事をさっさと片付けたいためロケットエンジン搭載、最高時速150kmを誇る超高速マッハ自転車をサトシは選ぶことにした。
試乗の後、強張った面持ちで一言。

サトシ「こいつはすげぇや……ちょっとバランス崩しただけでミンチになりそうだぜ」

自転車と称しているが、その実はもはやバイクと言っても過言ではない。
少しの油断が肉体的にも、社会的にも大惨事へと繋がる。

サトシ「沙亜夜も自転車乗るか?」

沙亜夜「いえ、足腰を鍛えるために遠慮しておきます。フライゴミさんも適当に飛んできますから、お気になさらず」

サトシ「よっしゃ! 人騒がせな爺さんのため、ロケットサイクリングと洒落込むか!」

漕ぎ出したサトシの後ろ姿を、物陰より眺める一つの影があった。
黒い尻尾を持つそれは、ヒョウの如きしなやかさで屋根に上り姿を消した。
 ▼ 117 2egGpD/r/. 16/05/27 22:24:43 ID:dPjvOGYw [8/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
おつきみやまの中腹は山頂とは違い比較的なだらかで、道も舗装されている。
路傍で歌うキレイハナやフラエッテの群れがなんとも和やかで可愛らしく、顔に当たる涼風も心地良い。
遠景の入道雲が初夏の到来を感じさせる。
ロケットエンジンを使わずに、サトシはごく普通のサイクリングを楽しんでいた。

フライゴミ「ぐぅ……ぐぅ……」

沙亜夜「あら、フライゴミさんたら寝てますよ。かわいい♪」

サトシ「右肩がやけに重いと思っていたら、やっぱコイツだったか」

進化に比例して体重も増える。
フライゴミが少し重く感じていたのだ。
だが、それも成長の証だとサトシは割切ってペダルを漕いだ。
 ▼ 118 2egGpD/r/. 16/05/27 22:25:21 ID:dPjvOGYw [9/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
道の半ばあたりで、二人は足を止めた。
前方に何者かがいる。
それも少人数ではない、見積もって20〜30人。
全員ギャロップやキリンリキに乗った、いわゆる『騎馬兵』である。
鎖帷子に身を包んだ十字軍風の姿に、サーナイトは声を上ずらせた。

沙亜夜「サトシさん! あれ避けた方がいいです、プラズマ団とかいうテロ集団ですってきっと」

サトシ「プラズマ団? 聞いたことねぇな。ただのコスプレ集団と違うの?」

必死に迂回しようと訴えるが、サトシは近道はこっちなんだ、と聞かない。
愚かにもプラズマ団の輪へ正面から突入してしまった。
 ▼ 119 2egGpD/r/. 16/05/27 22:28:12 ID:dPjvOGYw [10/14] NGネーム登録 NGID登録 報告

「そこの小僧、止まれ!」

輪の中心へ突入したため、案の定サトシは呼び止められてしまった。
いかめしい顔が少年を取り囲む。
その中で、金鎧鉄甲に身を包んだ老人が一歩駒を進めた。

ロット「おやおや、これは運が良かったぞ。どうやら目当ての物に出会えたようだ」

サトシ「目当て? 俺が目当てなのかい? 爺さんよ」

超然としているサトシと対照的に、サーナイトは青ざめた顔であたふたしている。
右腕を水平に伸ばし、ロットは鼻で笑った。

ロット「この者が教えてくれたのだ。部下を殺した小僧とサーナイトがハナダシティに滞在しているとな」

老将の右腕にオニドリルがとまる。
惨劇の一部始終を見た後、ロットの元へすぐに報告しに行ったという。
部下を二人失い、且つ『いでんしのくさび』も手に入らなかった。
いきり立ったロットは部下30人を連れハナダシティの外で待ち構えていたのだ。
事前にオニドリルを放ち、サトシ達の動向はしっかり把握済みである。
 ▼ 120 2egGpD/r/. 16/05/27 22:29:11 ID:dPjvOGYw [11/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「人を殺したダァ? 確かにウツボットは殺ったが、人間はいなかったぞ」

サトシ「まさか」ハッ

サトシ「お前か、沙亜夜……」

沙亜夜「せっ正当防衛です! 私だって毒で死にかけたんですからおあいこです!」

サトシ「ほらみろ、お前が勝手に逃走したせいで面倒なことに巻き込まれたじゃねーか」

沙亜夜「逃げ出す原因を作ったのはどっちですか、もう!」

罪のなすりつけ合いほど醜い光景はない。
ロットは舌打ちの後、モンスターボールを宙へ投げた。
二匹の黒い犬が飛び出し、威嚇の低い唸り声をあげる。
 ▼ 121 2egGpD/r/. 16/05/27 22:31:33 ID:dPjvOGYw [12/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「なんだあの犬コロ共は!?」

図鑑「グラエナ、かみつきポケモン。鋭い牙で噛みつきたがるポケモンのようです」

サトシ「んじゃ左のやけに威圧感のあるポケモンは!?」

図鑑「メガヘルガー。ダークポケモン」

単調な図鑑の声に苛立ちを覚える。
肩で寝ているビブラーバも呑気なものだ。
ドラゴンタイプの大技でプラズマ団を一掃してもらいたいが、竜の息吹もロクに撃てないポケモンに期待をするのも難ありか。

ロット「どちらにせよ、いずれ団の活動を脅かすであろう危険因子は排除せねばならん。幸い、最終兵器も飢えておる」

サトシ「最終兵器? なんだよそれ!」

ロット「王の復位を実現させるのに不可欠な……」

サトシ「だから! その最終兵器を見せろってんだよ!」
 ▼ 122 2egGpD/r/. 16/05/27 22:36:19 ID:dPjvOGYw [13/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
ロット「見たところで何になる。小僧、貴様の持っているサナギでは擦り傷さえ与えることはできぬぞ。無駄な足掻きよ……」

サトシ「そんなの、やってみなくちゃ分からんぜ」

沙亜夜「サトシさんの言う通りです! 下手な脅しなんて私達には効きませんよ!」

ロット「ぬうぅ……物分りの悪い豎子どもが……」

ロット「グラエナ、メガヘルガー。ゆけ! 小僧を噛み砕くのじゃあッ!」

涎を撒き散らしながら二匹の狂犬が踊りかかった。
トランセルに手をかけたサトシを、細い腕で制するサーナイト。

沙亜夜「ここは私にお任せを。速くマサラタウンへ自転車を飛ばしてください!」

サトシ「何言ってる! 自分だけ格好つけようったってそうはいかんぜ! 俺のトランセルもギンギン血を欲しているんだ!」

喚くサトシを無視し、サーナイトは自転車のハンドルにある赤いボタンを押した。
ロケットエンジンから凄まじい量の炎が噴射され、ペダルを漕がずとも勝手に車輪が回り始める。
 ▼ 123 2egGpD/r/. 16/05/27 22:36:40 ID:dPjvOGYw [14/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
書溜めはここまで
 ▼ 124 JL23C1UeTI 16/05/27 23:14:40 ID:rPN7Z7io NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様です
 ▼ 125 2egGpD/r/. 16/05/28 08:42:25 ID:Ryw821BE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おつきみやまの舗装された一本道を、ひたすら西へ驀進するマッハ自転車。
風を切って颯爽と走るその姿は、ややもすると俊敏なポケモンのように見えるかもしれぬ。
サトシは人間の子供だ。
時速150kmのバケモノ自転車を操る技量があるとは、到底思えない。
まったくその通りであって、彼は想像を絶するスピードにすっかり翻弄されていた。

サトシ「助けてくれーッ! こいつぁヤバいぜ! ちょいと小さな岩にぶつかっただけで、遥か前方に放り出されちまうーッ!」

ロット「そうか……ならば助けてやろう」

サトシ「ヌヌッ!?」

嗄れた声に仰天して彼が振り向くと、すぐ背後にまで迫る老将が視界に入った。
サーナイトを真っ向から打ち破り、ギャロップに乗って追いかけて来たのだろう。
ひのうまポケモンであるギャロップは、数秒で新幹線並みの速度に達する猛者である。
バケモノとはいえ、時速150kmの自転車に追いつくことなど朝飯前だ。
サーナイトの安否を気にしつつも、彼はトランセルをポケットから引き抜いた。
ロットもサナギラスを構え、臨戦態勢に入る。

サトシ「おい爺さん、俺とやろうってんなら止めた方がいいぜ。どうせ、脳天カチ割られて終わりだからよ」

ロット「冥土の土産として、このサナギラスについて教えてやろう。此奴はサナギポケモンと言われているが、実は岩と地面の複合タイプだ。つまり小僧、貴様のトランセルより……」

サトシ「来るかッ!?」

ロット「ウン十倍も硬ェッてことなんだよォォォ!」

老将の腕がうなり、脇腹を狙ってサナギラスを撃ち込んできた。
サトシはそれを辛うじて防いだが、剣撃の重さに内心、これは負けるかもしれないと弱気になってしまった。
心の隙を見つけたロットは、更に上から下からと縦横無人にサナギラスを振り回す。
 ▼ 126 2egGpD/r/. 16/05/28 13:54:37 ID:Ryw821BE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
訂正

誤……サナギラスはサナギポケモン
正……サナギラスは弾丸ポケモン
 ▼ 127 2egGpD/r/. 16/05/28 19:15:30 ID:dbRiFvVA NGネーム登録 NGID登録 報告
何十合とも剣を噛み合わせている間に、いつしか平坦な道は峻険な崖に沿ったものとなっていた。
自転車を漕ぎながら、サトシは向かって左側にチラっと視線をやった。
車輪の弾いた小石が宙を舞い、奈落の底へと落ちていく。
反対側に顔を向ければ、砥石でサナギラスを研ぐ七賢人ロットが一人。
どうやら右に突っ込んでも死、左に突っ込んでも死、という絶体絶命の境地がここに展開されたようだ。
さらに彼を焦らせる者が、背後から迫っていた。

グラエナ「ワンワン! ワン」

メガヘルガー「ギャンギャン!」

サトシ「ロットの放ったクソ犬が迫ってやがる……沙亜夜の野郎、マジで何をやってんだ」

ロット「小僧! わしがギャロップの鞍上にあるのを見て、マッハ自転車を降りようと考えたろう」

サトシ「グッ! 図星だぜ……」

ロット「そうすれば、右隣の崖を登ってわしをやり過ごすことができる。わはは! 当てが外れたな」

サトシ「おうよ……マッハ自転車を今とめたら、確かに俺はクソ犬どもに肉を食いちぎられるだろうさ」

サトシ「だから俺は、自転車を『止めずに』テメーの手から逃れる方法を思いついたのよ!」

サトシの視線は前方にあった。
崖沿いの道が、二つに分かれている。
この分岐点を彼は最大限に利用するつもりなのだ。
 ▼ 128 2egGpD/r/. 16/05/29 19:37:30 ID:Nnni0HlQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「トランセル! 地面に破壊光線だッ!」

ロット「阿呆が! そんなことをしたところで無駄なのだよ!」

サトシ「コスプレ団の爺さんよォ、ちょいと頭がお固いんじゃねぇの!」

トランセルの口を下へ向け、威力150の超強力エネルギー砲を撃ち放つ。
その反動でサトシは自転車ごと、宙に吹き飛んでいた。
方向、高度、どちらも良し。
上手く着地できたなら、ロットとは別の道を走ることができる。
分岐器が上手く作用して、暴走トロッコの路線から抜け出せた客車といったところか。
あとは隣の路線を走るプラズマ団の幹部を、遠くから狙撃すればよい。

ロット「貴様ァ! 正々堂々と戦わんかい! 離れるとは卑怯だぞ!」

サトシ「ポケモン道に卑怯もクソもねぇ。目の前の敵を斃せば、それで万事オッケーなのよ!」

ロット「善き哉、善き哉……我が相手として不足なし!」

ロットは唇を強く噛みしめ、湧きあがる激情を吐き出すように命じた。
ギャロップの馬腹を何度も蹴り、サトシの先を行こうと必死である。

ロット「サナギラス! 悪の波動で小僧を怯ませよ!」

サトシ「鉄壁で跳ね返し、ギャロップの脚に糸を巻き付けろ。もうサナギラスとジジイには構うな」

弾丸ポケモンの小さな体から放たれた、見る者も震わせる悪意の波動。
それをサトシは軽々と鉄壁で打ち流す。
 ▼ 129 2egGpD/r/. 16/05/29 22:30:07 ID:Nnni0HlQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
サナギの口から伸びた糸は、蛇のようにくねくね曲がりながらギャロップの前脚に絡みついた。
つんのめったギャロップは、勢いを止められずそのまま崖から転落する。
空中でなく地面に放り出されたのが、ロットにとって不幸中の幸いと言えるだろう。
それでも諦めの悪い老人は、後から来たメガヘルガーの背に飛び乗った。

ロット「メガヘルガー! グラエナ! なんとしても小僧をひっとらえよ! わしの手で殺さねば、気が済まぬ!」

サトシ「なんつージジイだ……。落馬しておきながら、まだピンピンしてやがるぜ」

ここでサトシは、右肩の上で眠っているビブラーバを掴んだ。
叩いても一向に起きないので、耳元でがなりたててみる。

サトシ「おい、フライゴミ! さっそくお仕事だぞ!」

フライゴミ「な、なんだよ……ボクが仕事嫌いなの、サトシは十分知ってるはずだぜ〜」

サトシ「知ってるさ! けどこれは仕事じゃないぜ! れっきとした殺し合いだ! 殺らなきゃこっちが死ぬ!」

フライゴミ「トランセルだけでなんとかならないの〜?」

サトシ「なってたらお前なんぞ起こさないぜ! いいか、あのヘルガーに乗ってるジジイを竜の怒りでブチのめせ!」

フライゴミ「ええ〜めんどくさ」

サトシ「やれと言ったらやれ! 俺のトランセルじゃ射程が届かねぇんだ!」

ビブラーバは渋々、サトシの肩を離れた。
ゆっくりと近づく彼の存在をロットも認めたようだが、さほど気に留めていない。
対象をサトシ一人に絞っているためだ。
代わりに、ヘルガーの後ろを走るグラエナがビブラーバに飛びかかってきた。
 ▼ 130 2egGpD/r/. 16/05/31 08:45:47 ID:dQK3jP7I NGネーム登録 NGID登録 m 報告
技名はおそらく『かみつく』であろう。
グラエナ本体と同じ悪タイプの技で、属性一致効果により、威力が半分増している。
しかし、改造していなければ、まだビブラーバでも耐え切れる範疇だ。
ビブラーバはあえてグラエナを胴体に噛みつかせ、痛みに耐えながら旋回して、近くの岩にグラエナを叩きつけた。
鞠のように跳ね飛ぶ、プラズマ団の番犬。

グラエナ「グワッ!?」

フライゴミ「おまけだぜ。受け取っときな」

首を激しく振って起き上がった漆黒の犬へ、続けざまに超音波が放たれる。
平衡感覚を司る神経が乱されたグラエナは、泥酔したかのような、ふらふらした足取りで崖の下へ落ちていった。

フライゴミ「あばよ、ワン公」
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