醒めかけの意識に雨の音が聴こえていた。眼を開け ると、部屋の中はうす暗く、二階の窓からは、オボ ンの木の先だけが見えて、伸びた葉が濡れて光って いる。背中が汗をかいて、蒲団まてが湿っぽい。 起きて窓から僕は首を出すと、僕の干した二枚の 下着が重そうに雨に打たれている。干竿からは雨 滴が溜まっては落ちていた。スイクンも、気がつ かないのかわざとなのか、とりこんでくれていな い。時計を見ると三時を過ぎている。僕はまだは っきりしない頭でチェスセットを広げた。今朝、 睡ったのが八時だった。チェスの研究に没頭して いたが結論がに達せず、労力で損をしたような気 持で、ぼんやりポーンを進めていたが、後頭部に は睡気がこびりついていた。風呂へでも入ろうと 、手洗いと石鹸をつつんで陛下のスイクンの下に 降りた。