9月1日。
時計の短針が7時を示す5分前。
石造りの建造物群の陰に切り取られた太陽の日差しが、今日もまたその街に朝を運んだ。
日差しはカーテンの隙間を潜り、一人の少女が眠るベッドの枕元へ届くとその閉じられた瞼を照らした。少女は眩しいと言わんばかりに眉をひそめ寝返りを打つ。
その時少女の意識は、夢の世界から"うつし世"へゆっくりと切り替わっていった。
頭の中から目、耳、手足と順に意識が全身へ行き渡り体が目覚める準備を始めたようだ。
窓の外の遠いところで鳥ポケモンの鳴く声がする。
「…もう少しだけ。」と呟くと少女は羽毛製の掛け布団の中へと篭ってしまった。体の機能に逆らい、今一度居心地の良い夢の中へ入り込もうと試みたようだ。
同時に机の上に置かれた時計がアラームを響かせた。
ベッドとは反対側、部屋の端にある机の側まで行かなければアラームを止めることはできない。耳を刺すような大きなアラーム音にとうとう観念した少女は掛け布団を体から退かし、ベッドを降りた。
こうして今日もまた、少女の一日が始まるのだ。
[ジェシカ 〜 都会暮らしポケモントリマー 〜]
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