【SS】ミミッキュ「事務所の所長のせいで胃が痛い」:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ミミッキュ「事務所の所長のせいで胃が痛い」:ポケモンBBS

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【SS】ミミッキュ「事務所の所長のせいで胃が痛い」

 ▼ 6 古鳥 ◆GHost22KLM 16/09/11 20:33:18 ID:3aaXAqeA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ふと目が覚める。
 目をゴシゴシ擦りながら辺りを見回す。薄暗い路地裏だ。遠くでにカラフルな炎がゆらゆらと燃えている光景が見えた。
 ......やけに涼しい。
 寝起きでぼんやりした思考の中、ふと先ほどまでの事を思い出し一気に眠気が吹き飛ぶ、と同時に白い顔が真っ赤になった。大方あの女性が自分が女だと気付き、自分の服を脱がしたままほったらかしにして何処かへ行ってしまったのだろう。
 慌てて服を着て、とりあえず携帯で時間を確認しようとしてその場に固まる。ここに来たときはまだ12時も回ってなかったはずが、表示されているのは3:25という数字だった。

 「やっば......早く所長連れて帰らないと......」

 青年が焦るのには理由があった。
 青年の事務所の所長は、夜に繁華街で遊ぶことが度々あり、そしてその度に力尽きて公園で寝る、という大変不健康な生活をしていた。
 いつもなら朝起きたときはすでに事務所に帰ってきていて仕事をしていたため別段咎める気はなかったが、最近はそう呑気にしてられなくなっていた。
 通り魔......それもかなり性質の悪い通り魔の存在だ。
 神出鬼没、証拠を残さず対象を無慈悲に切り裂き去ってゆく。
 対象になるポケモンの規則性も一切なく、しいて言えば対象の一部分のみを切り裂き、ほかの部分には一切手を付けないくらいだが、その部位の規則性は全くない。
 一晩に一人、確実に殺っていく。
 誰もいない公園で無防備に寝ている男......通り魔からしたら獲物としてぴったりだろう

 先ほど公園に行ったときはいなかったが、さすがにこの時間なら公園で寝ていると思った青年は、駆け足で公園に向かうのだった。
 ▼ 7 古鳥 ◆GHost22KLM 16/09/11 22:00:07 ID:3aaXAqeA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 先程と同じようにポケモンの視線を掻い潜りながら公園へ向かう。今回も声をかけられたが、そのまま無視した。もうあんな辱めを受けるのは御免だ。
 公園に近づくにつれ、街灯の建つ間隔が空いて行く。
 公園に着く。
 公園のベンチに行く。
 居た。
 幸せそうな顔をしてすやすやと大口開けて寝ている彼の姿が。
 なぜだろう。無性にむかつく。
 人がせっかく必死に連れ戻そうと頑張っているときにこんな感じで彼は寝ていたのだろうか?
 わからない。もしかしたらそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
 けど、むかつく。
 取り敢えずまずは起こそうとした青年は、彼が寝言を言っていることに気付く。

 「......キャスパーってまんまお化けだよなぁ......」

 ......その時、紫色の波動が辺り一帯を吹き飛ばした。
 ▼ 8 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/14 17:42:09 ID:DtP19Ojs [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 次の日の朝。
 キャスパーは、目覚ましの急かすような音で目が覚める。目覚ましのベルを眠たげに止め、寝返りを打つと隣のベッドはもう空いていた。
 ゆっくりと起き上がり、寝巻きから着替えてリビング兼事務所への扉を開けた。

 「おはようございま……す」

 見慣れているはずの所長の姿に言葉が止まる。
 そう、彼は昨日のアレ……キャスパーのシャドーボールのせいか、全身を包帯でぐるぐる巻きにしていたのだ。

 「おう、おはよう」

 いつもとは長さも質も感触も違う彼の返事が返ってくる。そして、その後にあるのは

 「……」

 「……」

 「……」

 「……」

沈黙。
重苦しい空気が事務所を包む。逃げ出そうにも、足が動かない。酷い罪悪感のせいで。
 ▼ 9 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/14 17:51:10 ID:DtP19Ojs [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
キャスパーは押し潰されて行く。空気に。
押し潰されて、押し潰されて出てきた言葉はまず謝罪だった。

 「あー……すみません、はい。やり過ぎましたよね……はい、本当にすみませんでした、まさか所長にこんな大ケガさせるなんて思っても……」

 「……いや、別にそれはいいんだけどな」

 「ふぇ?」

 完全に自分の事で所長が怒っていると思い込んでいたキャスパーは、すっとんきょうな声をあげる。
 ーーう、う〜ん、自分の事じゃないのか……?ーー
 そう思ったキャスパーは、やっぱり戸惑いながらじゃあ他になにかあったんですか?と訪ねるとこれ、とだけ言い、新聞を投げて寄越した。
 まだひんやりしてパリパリとした感触がするこの新聞は、朝刊だろう。
 イコール、夜に何かがあったと言うことだ。
 キャスパーは、新聞を斜め読みし始めた。
 ▼ 10 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/14 18:14:05 ID:LxP6RZ7s NGネーム登録 NGID登録 報告
 一面。

 『またもや通り魔』という文字の表紙に相応しい大きい見出しが目に入る。
 そのまま小見出しに目を通す。『これでなんと十三人目、通り魔の犯行いまだに目撃することも叶わず』と、書いてあった。キャスパーはまたか、と溜め息を漏らす。

 通り魔。
 Jack the Ripperーー切り裂きジャックの名で恐れられ、二週間程前からここら一帯を恐怖に陥れている。
 証拠、証言が一切無く、完全に正体不明の謎の人物。
 対象の体の一部位だけを無慈悲に切り刻み、死に至らしめる猟奇連続殺人犯。
 所長が独自に捜査しているけども、やっぱり証拠はゼロ。もしかしてこれかな?と思いつつキャスパーは二面へと目を移した。
 ▼ 11 璃◆Q4WiOlYxf6 16/09/14 23:08:24 ID:SNFZGJfw NGネーム登録 NGID登録 報告
シエンネ
 ▼ 12 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/20 20:08:13 ID:8SCKE2bs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 二面。

 まず目に入ったのは"新型蒸気機関車の試験運行始まる"といった見出しだった。特に興味はない。飛ばす。
 下半分に目を移すと、キャスパーにとっては重要な事が書いてあった。
 ……新食感のフライドポテト登場。
 昨日午後六時頃、大手菓子メーカーとして知られるポテリュウ社から、ポテトチップス、という名称の全く新しい菓子が発表される。
 ポテトチップスは、ジャガイモを油で揚げる、という所は以前からあるフライドポテトと同じであるが、ポテトチップスにはジャガイモを薄切りにすると言う点と、乾燥しているという点がフライドポテトとの大きな違いであり、フライドポテトとはまた違った味を演出する最大の理由でもある。
 ポテリュウ社はフライドポテトでも定番の塩味だけでなく、コンソメスープ味も同時に発売されるというーー
 ポテリュウ社の社長、デンリュウ氏からは『絶対に病み付きになるポテよ!』とコメントをーー
 そこまで読んで、キャスパーは我に帰った。
 恐る恐る目を上げると、ミイラ男状態の彼がじっとりとした目で見つめていたのだった。

 キャスパー「あ……」

 ジャック「早よ読めや」

 キャスパー「すみません……」

 キャスパーは慌てて三面に目を移した。
 ▼ 13 古鳥 ◆GHost22KLM 16/09/20 23:15:42 ID:zX.Nu/1U [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 そのまま四面。
 ルージュ社の化粧品の広告が大きく書かれている。下にちょっとした記事があったが、コラムのようなものだろう。飛ばして次の面へ移る。
 五面、六面と読み進めていき、最後まで読んだが、これと言って気になる記事は見つからなかった。
 −やっぱり切り裂きジャックのことかな?−とキャスパーは思い、口にする。

 ......そして彼から帰ってきた言葉は

 ジャック「は?お前新聞も読めねぇのかよ」

 罵倒だったとさ。

 キャスパー「えぇ!?で、でもほかに所長が気にするようなのって......」

 間抜けな顔をしてそう返すキャスパーに呆れたような顔と声をして、ジャックは短く答える。

 ジャック「四面、右隅」

 キャスパー「え?」

 ジャック「早よ読めや」

 キャスパー「アッハイ」

 ジャック「......ったく、喜劇やってんじゃねぇんだから」

 そう言ってジャックは露骨にため息をつく。

 キャスパー「うぅ......」

 すっかり弱ったキャスパーはしょんぼりとしながら四面を開いた。
 ▼ 14 璃◆Q4WiOlYxf6 16/09/20 23:16:45 ID:j8sxT3Ok NGネーム登録 NGID登録 報告
久しぶりだ! 支援
 ▼ 15 古鳥 ◆GHost22KLM 16/09/20 23:32:22 ID:zX.Nu/1U [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
キャスパーが目を通すとそこには所長にとっても、キャスパーにとっても重要なことが書かれていた。そう。とっても重要な。

......


 ”アゾット5番地の公園で謎の爆発”

 そう。キャスパーがやらかしたアレの事である。
 そこにはその爆発で公衆便所が崩れ、その中にいた男二人組が軽傷を負った、という旨の記事が書かれていた。 
 キャスパーはまた白目を剥いた。
 ▼ 16 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/21 08:21:12 ID:CFnqFWxU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

 ジャック「どうすんだ?これ」

 キャスパー「どうしましょう……」

 すっかり血の気の引いた顔をしてキャスパーは答える。

 ジャック「いやどうすんだよ」

 キャスパー「どうします?自首でもします?なんの罪で捕まりますかね?器物破損?傷害?それとも……」

 ジャック「安心しろ、それ全部だ」

 キャスパー「うぁぁぁぁ……」

 キャスパーは文字通り崩れ落ちた。アニメやドラマの犯人のように。まぁ実際犯人なのだが。

 ジャック「……まぁこれだけの爆発なら証拠ごと吹っ飛んでんだろ」

 その言葉も届かず、床を捕まるんだー僕はここで終わりだーと言いながら転がるキャスパーにうんざりといった顔でジャックはキャスパーを止めに掛かるのだった。
 ▼ 17 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/21 08:29:31 ID:CFnqFWxU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
第一段階 

 ジャック「取り敢えず落ち着け。うるせぇんだよ」

 キャスパー「あーうー」

 ……依然としてキャスパーはゴロゴロタイムを続けている。

 第二段階

 ジャック「落ち着けっつーの」

 なんの躊躇いもなくジャックから手刀が飛ぶ。
 
 キャスパー「あでっ……何するんですか!」

 ジャック「お前がまた狂ったからに決まってんだろ、やっぱりこれが一番早い」

 ショック療法。いや違うか。
 ▼ 18 シズマイ@しらたま 16/09/21 08:41:36 ID:C8Ce7qEQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
文すごくうまいね
小説みたい
 ▼ 19 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/21 19:29:14 ID:dYpKE5x6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

 そんなこんなで朝っぱらから喜劇を繰り広げている二人の元へ、ドアのノック音が届く。

 キャスパー「け、警察なんじゃ……」

 ジャック「んなわけねぇだろうが……ほら、仕事だぞ」

 そう言ってジャックは夏場なのにもか上着を羽織りながらドアへ向かう。ミイラ男のまま応接なんかしたら通報物である。ドアの前に立つと向こうが気配に気づいたのだろうか呼び掛けてきた。
 
 ???「仕事を一つ頼みたい。今は空いているか?」

 ジャック「大丈夫ですよ、鍵は開いてますんでそのままお入り下さい」

 先程とはうってかわって礼儀正しい言葉遣いで、客を中へと促す。

 ???「では」

 入って来たのは細いながらも逞しい体をしている、黒い鞄を持ったヤミラミだった。
 そうして入ってきた客を持て成しながら話を聞くと。

 ジャック「んじゃ、まずは名前と職業をお願いします」

 ???「俺はミラー・アーミテッジ、種族は見りゃ分かるだろうがヤミラミだ。そんでもって職業は……警察だ。」

 本当に警察が来たりして。
 ▼ 20 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/21 19:31:08 ID:dYpKE5x6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
訂正

 夏場なのにもか上着を
 
 ではなく
 夏場なのにも関わらず上着を

です。
 ▼ 21 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/21 19:44:34 ID:dYpKE5x6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 警察、という単語を聞いてキャスパーの肩がびくんと震える。
 それを見たジャックはキャスパーの足を踏む。
 痛みでキャスパーは飛び上がる。
 ミラーは口を開けて何が何だか分からず唖然。
 気まずい空気に。
 負のスパイラル五連コンボ。

 ミラー「……いきなり何なんだ?」

 ジャック「あぁすみません、別に何でもありません。強いて言うならこの助手がまた馬鹿な真似をする所だった位ですよ」

 ミラー「お、おう……」

 考えても訳が分からず首をかしげるミラー。
 また床でのたうち回っているキャスパー。頻りに小指がーと言いながら。
 ミミッキュの小指って何処だよ、と脳内で突っ込みを入れつつ、ジャックは話を戻す。

 ジャック「……ははは……で、単刀直入に聞きますが、依頼とは?」

 そう切り出すと、ミラーも我に帰ったように話を続けた。

 ミラー「あぁ、依頼と言うのはな……」
 ▼ 22 ムリット@いかりまんじゅう 16/09/21 23:01:33 ID:dUqZS8ls NGネーム登録 NGID登録 報告
支援〜
 ▼ 23 ュウコン@にじいろのはね 16/09/22 12:36:36 ID:oz7AizEo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 24 チートだいすきクラブ◆0n24s4VnXw 16/09/22 12:52:06 ID:Xr2Ugngg NGネーム登録 NGID登録 報告
意味怖のひとだー!
 ▼ 25 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/22 18:51:11 ID:QWzBIMt2 NGネーム登録 NGID登録 報告
 それから数時間後、ミラー、ジャック、キャスパーの三人はタマムシ大学の一室の前に立っていた。ミラーがそのドアを三回ノックすると、中から声が飛んできた。

 ???「用件は?」

 ミラーは応える。

 ミラー「司法解剖の結果、見せてもらおうと思ってな。お前の事だから全員分まとめてあるだろう?」

 ???「まぁね……入っていいよ」

 言われるとミラーはドアノブに手を掛けるとこちらに顔を向け、頭を降った。待っていろ、という意味だろう。ジャックが頷くと、ミラーは中に入っていった。
 そしてジャック達には暇で静かな時間が訪れる。
 まぁそんな時間を黙って過ごすジャックでは無いのだが。

 ジャック「……しっかし操作協力しろ、と言われるとは思わなかったな」

 ジャックの言葉にキャスパーもうんうんと頷く。

 キャスパー「確か警察の方がこの類いの依頼をするのは……」

 ジャック「あぁ、無理だしそもそもしようともしない。刑事事件はあっち、民事はこっちと相場が決まってるからな。もし探偵が刑事事件を捜査するケースがあれば警察に通報出来ない、もしくは出来ても警察がこれない状況で殺しが起きるというとんでもなくご都合主義な展開の中でしか無いだろうな」
 
 ジャックはそう言うと、ふぅ……と息を吐き、壁にもたれ掛かった。
 ▼ 26 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/23 07:23:20 ID:VK36uJ0Y [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 二人にまた静かな時間が訪れる。
 目を閉じて壁にもたれ掛かったまま、ジャックは喋らない。キャスパーが顔を近づけるとすぅすぅという音が聞こえた。寝てんのかこいつ。取り敢えず暇なので寝顔をガン見することにした。反対側の壁に背中をつけ、しゃがむ。ぴったり斜め45度下からじろじろ見つめていると、ドアが開く音と共にミラーがやって来た。

 ミラー「何やってんだ?」

 キャスパー「暇でしたので」

 ミラー
 ▼ 27 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/23 07:34:42 ID:VK36uJ0Y [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
途中送信スマヌ……スマヌ……色々抜けておった……

 
 二人にまた静かな時間が訪れる。何処かからチクタクという音が聞こえる位に。
 ジャックはと言うと目を閉じて壁にもたれ掛かったまま喋らない。キャスパーが顔を近づけるとすぅすぅという音が聞こえた。もう寝てんのかこいつ。取り敢えず暇なので寝顔をガン見することにした。反対側の壁に背中をつけ、しゃがむ。ぴったり斜め45度下からじろじろ見つめていると、ドアが開く音と共にミラーがやって来た。青いファイルのおまけ付きで。
 こちらを見て一瞬固まったあと、ミラーは通常のポケモンなら至極当然な質問を投げ掛ける。

 ミラー「……何やってんだ?」

 キャスパー「暇でしたので」

 ミラー「いや、答えになって無いんだが」

 また一瞬固まった後、困惑した表情でミラーは返す。

 キャスパー「いやだから暇だったんですよ」

 それにたいしキャスパーは何故そんなに不思議がるんだというような表情で返してきた。
 ミラーは思考と動きがが今度は数瞬、1秒位止まった後ミラーは思った。
 あぁ、ダメだこいつ、と。

 ミラー「……おう、分かった」

 ……ミラーは考えることを止めた。
 ▼ 28 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/24 07:47:35 ID:t0v53toM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 ミラーは頭にハテナを浮かべながら、大学のカフェテリアへ二人を促す。
 
 ミラー「……うん、まぁあれだ。そろそろ飯時だしここのカフェテリアで話をしよう。助手さん、探偵さんを起こしといてくれ」

 キャスパー「分かりましたー……あ、そういえば助手さんって呼びにくいでしょう?キャスパーでいいですよ」

 ミラー「キャスパー?」

 キャスパー「僕の名前です」

 ミラー「分かった、キャスパーだな」

 キャスパー「はい」

 キャスパーはニコッと笑い、嬉しそうに返事をした。一応本人からしたら押さえてるつもりなのだろうが、実にバレバレである。鼻歌歌ってるし。
 そんなやり取りをした後、ジャックを起こしてカフェテリアに向かう。その時にはキャスパーの頭からは先程の何故警察が依頼をという疑問は吹っ飛んでいた。跡形もなく。
 ▼ 29 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/24 08:13:54 ID:t0v53toM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 カフェテリアに着くと、ミラーはファイルをジャックに渡した。
 
 ミラー「これが被害者達の診断書だ」

 ミラーは小声で言い、じっとこちらを見る。

 受け取ったジャックは躊躇いもなく無言でファイルを開く。ジャックなりの意思表示であろう。引き返す気はない、と。
 ▼ 30 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/24 17:52:52 ID:FW5qIWs6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
うっわト書きになってるじゃん何で今まで気付かなかったんだろ


もうやだ埋まりたい(´・ω・`)
 ▼ 31 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/24 18:24:44 ID:jpFZAFeY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 まずは最初から順に目を通す。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一人目
氏名:オイユール・レッドフォード
年齢:24歳
種族:ハッサム
死因:両足損傷による失血死
凶器:特定不能
損傷部分:両足、右手、■

特徴
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
両足以外には防御創含め損傷が殆どなく、■■■■■■■比較的親しい者の犯行と予想できる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「……おい、塗り潰されてるとこばっかじゃねぇか」

 不満と不審を織り混ぜた声で小さく言った。
 ▼ 32 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/24 20:05:11 ID:qXaxfTpA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 「それを聞くとお前らは引き返せなくなる。取り敢えず、死ぬかもしれん事柄に直結していると言うことだけ言っておく」

 目を閉じ、ミラーはそう言った。その姿は諭すかの如く落ち着き払っており、嘘を言っているようには見えなかった。

 「……なるほどな」

 そう呟くとジャックはファイルに目を戻した。
 
 ▼ 33 シギバナ@ナナのみ 16/09/25 18:05:13 ID:cW7HH54g NGネーム登録 NGID登録 報告
支援〜
 ▼ 34 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/26 07:29:15 ID:qD/sz0qs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
二人目
氏名:ユード・ゲラー
年齢:48歳
種族:フーディン
死因:腹部の大きな切り傷による失血死
凶器:特定不能
損傷部分:右脇腹、■

特徴
ほぼ以下同文
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ▼ 35 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/26 07:32:49 ID:qD/sz0qs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三人目
氏名:刹那・ガブ・セイエイ
年齢:18歳
種族:ガブリアス
死因:右腕切断によるショック死
凶器:特定不能
損傷部分:右肩、■

特徴
ほぼ以下同文
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ▼ 36 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/26 07:42:21 ID:qD/sz0qs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
四人目
氏名:土曜男爵
年齢:34歳
種族:ヌオー
死因:両手首切断による失血死
凶器:特定不能
損傷部分:両手首、■

特徴
ほぼ以下同文
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ▼ 37 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/26 07:56:32 ID:qD/sz0qs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 その次の人物も。
 またその次の人物も。
 特徴の所、損傷部分にほぼ同じ長さの黒く塗りつぶされた箇所があることをパラパラと捲っていき確認すると、一呼吸置いてジャックは言った。

 「んで?黒い所には何が書いてあんだ?」

 「いいのか?」
 
 ミラーの問い掛けからまた一呼吸置いたジャックは語気を強めて言う。

 「しつけぇんだよ、さっさと話せ」

 「……分かった」

 ここまで来て、ボーッとしていたキャスパーは気付く。

 ーあれ?僕の意見は?てか死ぬかもしれないってどう言うこと???ー

 だが、時すでに時間切れ。
 キャスパーが口を開くよりも早く、ミラーは言ってしまう。
 一般人であり続けたいなら知ってはいけない事を。

 「……その被害者達には共通点があってな」

 「あっちょっとm」

 「頭部が切り開かれ、中にあるはずの脳が無くなっている、という」

 二名様、深淵への片道列車にご案内〜。
 ▼ 38 古鳥◆godg9/SZ96 16/09/26 08:03:30 ID:qD/sz0qs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
 「……もうお前らは引き返せない。というより今更引き返そうとしても無理だろうな」

 その言葉がキャスパーに止めを指した。

 「あっあっあっあっ」

 口をガクガクさせ、今にも泣きそうな目を死ながらガタガタと震える。
 それを見てジャックはニヤリと笑いながら

 「あっそうそう俺が死ぬときはお前道連れにするから」

 死体蹴り。

 「ぐふっ……」

 キャスパーは吐血し、涙をこぼしながら言う。

 「……胃が痛い」

 ミラーは凄く申し訳なさそうな顔をしてキャスパーから目を背けた。

 ーヤバい、すっかり忘れてたー 
 ▼ 39 古鳥 ◆GHost22KLM 16/09/30 23:54:29 ID:4/jsFo5I NGネーム登録 NGID登録 報告
 それから幾何か。一通り泣いた後、キャスパーはゆっくりと顔をあげ、こう言った。

 「僕が死にかけた時は迷わず道連れにしますからね」

 「上等」

 片頬を少しだけ上げ、ジャックは返す。

 「ったく、本当にやりますからね?後悔しませんね?」

 「お前にやられるほどやわじゃねぇんだよ」

 「言いましたね?言いましたね?」

 「言ったけど?」

 「あー、決まり......でいいよな?」

 ミラーが二人の痴話喧k.......、口論の間に入る。引き返せなくなる、と口では言ったが自分のしたキャスパーへの仕打ちはその言葉を揺るがすに事足りるものだったのだろう。その問いに対し、キャスパーが答える。

 「いいですよ、こうなりゃヤケです。死んでも生きて帰って見せますからね」

 そんなキャスパーのセリフにジャックが首を傾げ問いかける。

 「そーいや何でお前そんなそんな死の淵に立ったような感じなんだ?大げさすぎんだろ」

 「だって!怖いじゃないですか!正体!切る!脳!」

 「やめろ普通に部外者いるしテンパり過ぎて余計に訳わかんなくなってんぞ!」

 キャスパーの叫びをジャックは慌てて制止した。 
 ▼ 40 古鳥 ◆GHost22KLM 16/10/04 21:10:02 ID:9QKDzZc6 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ミラーとはまた後日顔を合わせる約束をし、二人は事務所に戻る。
 二人の頭には先ほどミラーが言っていた言葉がぐるぐると渦巻いていた。

 『共通点は被害者の脳が抜き取られていたという点ただ一つ』

 まぁその夜は何も起きることない平和な夜だったのだが。だが。

 「......夢に出てきたぁぁぁ......」

 約一名、平和じゃなかったようで。
 ▼ 41 古鳥 ◆GHost22KLM 16/10/04 22:14:40 ID:9QKDzZc6 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 寝れ無かったのだろう、キャスパーの目には隈がくっきりと浮かんでいた。
 キャスパーが眠たげな眼をしばしばさせながら眠気覚ましにぼんやりとラジオを聞いていると、寝室の扉が開き、ジャックが出てきてこういった。
 
 「おはよう、朝っぱらからひっでえ顔してやがんな」

 「夢に......」

 そこまで言うと、ジャックが手で制止してきた。

 「分かった、これ以上俺を呆れさせるな」

 「......」

 「......」

 そして沈黙。なんだろう。つい最近こんなことがあった気がする。

 「......あ、新聞取ってきますね」

 「おう」

 キャスパーはよろよろと逃げるようにして玄関へ向かったのだった。
 ▼ 42 古鳥 ◆GHost22KLM 16/10/11 10:47:50 ID:mBgvF96Y NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
 玄関のドアにある郵便受けを開け、中から新聞を取り出す。
 朝の空気を吸い込み冷えた新聞が自分の眠気も吸い込んでくれそうな気もしたがそんなことはなかった。せいぜい凄く眠いから眠いに変わったぐらいだろう。
 新聞とともにソファに倒れこむ。
 ぼふっという音とともに自分を受け止めてくれるソファのなんとありがたいことか。
 本当、ソファを作った人を全力で褒め称えたい。うん。胴上げしたい。」

 「何言ってんだ、読まねぇならさっさと新聞よこせ」

 声に出てた。
 ▼ 43 古鳥 ◆GHost22KLM 16/10/14 22:33:57 ID:w/fJa.h. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
 ジャックが新聞をキャスパーから奪い取るようにして取る。
 文句のもの字も言えないうちにジャックはそのまま寝室に戻ってしまった。
 ドアがバタンと閉まり、ラジオの音だけがキャスパーの意識を繋ぎ止めていたさっきの状況に戻る。

 「......ねっむ」

 口にしたところで眠気が覚めるわけでもなく。
 そろそろ限界を迎えそうになったそのときだった。
 呼び鈴の音と共に客人が現れたのは。
 ▼ 44 古鳥 ◆GHost22KLM 16/10/16 22:05:51 ID:56Wp4pL2 NGネーム登録 NGID登録 報告
 キャスパーはゆっくりと、ゆっくりと鉛のような体を起こし、重い瞼をこじ開けながらドアを睨む。帰れ。立ち去れ。
 そう念じても現実は非情である。再び呼び鈴が鳴った。

 「......ぁああああこのくっそ眠い時に......」

 そう呟き、よたよたと近寄り、キャスパーはドアを開けると。

 「はいどーも、こちらジャック探偵事務所......あれ?」

 目の前に居るはずの人物。
 客人と思えるポケモンはいなかった。
 客人と思えるポケモンは、ね。 
 ▼ 45 古鳥 ◆GHost22KLM 16/10/21 23:20:24 ID:TqUqwF2k NGネーム登録 NGID登録 報告
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