レッド「メガシンカ……か……」コルニ「その2!」:ポケモンBBS(掲示板) レッド「メガシンカ……か……」コルニ「その2!」:ポケモンBBS
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SS

レッド「メガシンカ……か……」コルニ「その2!」

 ▼ 261 mTQB7XkZdk 16/10/28 22:53:12 ID:6rlB6E1. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……お主も、年頃の娘ということか」

「う、うぅっ」

何もかもを看破されたコルニは、赤面しながら言葉を詰まらせてしまう。

彼女が穢れも知らぬ乙女だったのは、数年前の話。

天真爛漫な格闘娘とて、今は思春期の最中。

異性に興味が湧いたとしても、何ら不思議はない。

「……まあ、かつてはワシも青春に明け暮れたものじや」

「お主が色恋にうつつを抜かしても、咎めはせんよ」

「じゃが……"ホドホドに"、な?」
 ▼ 262 mTQB7XkZdk 16/10/28 22:56:40 ID:6rlB6E1. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……お、お爺ちゃんのバカーーーッ!」


彼にことごとく見透かされたような言い方をされ、女心とプライドが傷ついたのかコルニは、椅子から勢い良く立つと猛ダッシュで部屋を出て行ってしまった。

彼女の眦には涙が浮かんでいたようで、零れたであろう水滴が床に疎らに染み込んでいた。

「……"若さ"、か」

コンコンブルは、そんな彼女の去り様を見届けた後、コップに温かいコーヒーを注いで。

「……"彼"の方は、コルニの事をどう思っているのかのう」

湯気が立つ淹れたてを飲みながら、愛孫の恋路を案じて窓越しに夜空を見上げるのであった……。


「……やったよ…リザードン…カメックス…フシギバナ…ピカチュウ…」

「……コル……ニ……」

……レッドの寝言に、その少女の名前が挙がった。

彼が愛するポケモン達と並んで呼ばれたコルニ。

レッドにとってコルニは、どういった"存在"になりつつあるのか。
 ▼ 263 ガスピアー@ポケトレ 16/10/28 23:47:39 ID:Ax7We8YU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
照れてるコルニかわいいな

支援
 ▼ 264 ルミーゼ@あかいかけら 16/10/29 09:31:48 ID:Adh54cFU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんなにニヤニヤしたの初めてかも
支援
 ▼ 265 カリオ@チイラのみ 16/10/29 09:42:35 ID:gIEckyIo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サンムーンでレッド参戦決定したけど、イッチはどう思ってる?
 ▼ 266 ドン@めざめいし 16/10/29 09:59:23 ID:1ZmLet7. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤベェこのスレは俺の妄想を具現化したようなスレだわ
支援
 ▼ 267 ゼリア@つららのプレート 16/10/29 19:51:33 ID:3LRmx5EI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 268 つばん@ライブキャスター 16/10/29 20:09:54 ID:5fed1nAk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 269 mTQB7XkZdk 16/10/30 00:31:38 ID:4MMvg7iI [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
…………

……


……夜が明け、シャラシティの風情ある町並みが、朝日の下でその美しき姿を現していく。

「ペーリー」

「キャモー!」

海辺では、みずどりポケモンの"ペリッパー"や、その進化前であるうみねこポケモンの"キャモメ"の群れが、水面を揺らしつつ羽ばたき。

「キマーッ!」

「ちぇりぃ!」

草原では、たいようポケモンの"キマワリ"や、サクラポケモンの"チェリム"など、彩り豊かなお花のポケモン達が、華麗に続々と開花。

また、通りでも道行く人々がその数を少しずつ増やしていき、シャラシティに活気が出始める。

そんな早朝の折。

彼らもまた、次の町へ向けての支度を済ませていたのであった。
 ▼ 270 mTQB7XkZdk 16/10/30 00:32:01 ID:4MMvg7iI [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……よし、忘れ物は無いね?」

「ピカ!」

レッドはリュックを背負い、肩に相棒のピカチュウを乗せ。

「……っと」

グリーンは、軽めのシザーバッグを腰に巻いて準備完了。

「皆、お待たせ!」

「くわん!」

そして、コルニとルカリオも、隣室で荷物をまとめ終わり、レッド達と合流した。

これで、メンバーは全員集合。

いつでも出発できる。

「それじゃ、最後にコンコンブルさんに挨拶していこうか」

「そうだな」

ここを後にするより先に、まずは昨晩泊めて貰ったお礼を、コルニの祖父であるコンコンブルに伝えねばならない。

そう考えたレッド達は、早速、彼が居るであろう居間へと足を進めた。
 ▼ 271 mTQB7XkZdk 16/10/30 00:32:37 ID:4MMvg7iI [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
…………

……


「……では、君は次の町で三個目のバッジを手に入れた後」

「再びここへ戻って、"継承者"と戦い」

「そして、"メガシンカ"を得るのじゃな?」

「はい」

この町を出た後のレッドの"計画"は、今まさにコンコンブルが整理した通りである。

"もう一度ここへ寄らせていただく機会がある"ということで、レッドは予め彼にその事を伝えたのだ。

さて、改めておさらいしておくと、レッドが"メガシンカ"を使えるようになるためには、三つの"条件"を満たさなくてはならない。

まず一つ目は、所持しているカロス地方のジムバッジが"三個以上"であること。

二つ目は、"継承者"と呼ばれるトレーナーと戦って、勝つこと。

最後三つ目は、トレーナーとポケモンとの間に"真の絆"があること。
 ▼ 272 mTQB7XkZdk 16/10/30 00:34:06 ID:4MMvg7iI [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
まあ絆に関しては、レッド達なら言うまでも無くクリアしているだろうが。

問題は、上二つ。

現在、レッドのジムバッジ所持数は二個なので、あと一個以上は獲得しなければならないのと。

また、"継承者"という聞き慣れない称号を持ったトレーナーのことも気になる。

果たして彼らは、如何程の実力を持っているというのか。

そんな、先のことに対する不安ばかりが胸に募る中、メガシンカへの道のりはまだまだ険しいことを、レッドは思い知らされた。

だが同時に、こういうことでもある。

ジムリーダーと継承者……この二人のトレーナーさえ倒せば、メガシンカはいよいよレッドの物になるのだ。

一見は霞のかかった棘の道。

しかし、考え方一つ変えることで、道が拓けることも。

少なくとも、それこそ全く先の見えなかった最初の頃に比べれば、今のこのシンプルな状況は、むしろモチベーションになる。

彼の闘魂は、俄然燃えてくるというものだ。

(……もうすぐで、メガシンカが!)

ようやく現実味を帯びてきた、レッドの憧憬への旅路。

必ずメガシンカをモノにしてみせる……彼は、その揺らぐことのない意志に誓ったのであった。
 ▼ 273 mTQB7XkZdk 16/10/30 00:34:35 ID:4MMvg7iI [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
……が。

それとは別に、"予想外"な衝撃が、一同に走ることとなる。

「……コルニ、ルカリオ」

「?」

「くわ?」

コンコンブルは、二人の名を呼んだ次の瞬間。

____思いも寄らぬ"要求"を告げてきた。

「……お主達は、"一旦"、ここに残りなさい」

……"残れ"。

無慈悲にもそう言われたコルニ達と、さらりと聞かされたレッド達は。

「え……」

「くわ……?」

言葉を、失った。
 ▼ 274 mTQB7XkZdk 16/10/30 00:35:58 ID:4MMvg7iI [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>265
眉毛が太いのは少し気になってしまいますが、カッコいい仕上がりだとは思います。

作中での彼の強さに期待ですね。
 ▼ 275 ハコモリ@タンガのみ 16/10/30 00:36:30 ID:QhEpsidw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おっ、一旦離脱か
 ▼ 276 メール@ノーマルジュエル 16/10/30 00:41:20 ID:C8gG.lLg NGネーム登録 NGID登録 報告
安定の面白さ
支援
 ▼ 277 定姫◆wXDa1eMk9o 16/10/30 00:43:49 ID:IwnP6tAs NGネーム登録 NGID登録 報告
だよね コルニ一緒に行く理由無いよね
 ▼ 278 ラミドロ@ヒメリのみ 16/10/31 16:14:27 ID:IWAiuXW6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
まってる
 ▼ 279 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:12:34 ID:jUn47Ris [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
あまりに急で、そして残酷な宣告。

コルニは、祖父のこの発言の真意を読み取ることができず、その言葉の無情さにただただ絶句するだけであった。

「……っ」

一方で、傍らのレッドとグリーンも、彼女に何て声をかけたら良いか分からない。

特にレッドに至っては、目の前で行われているやり取りに激しい不安を抱かされていた。

(……コルニが……残る?)

それ即ち、コルニが"居なくなる"ということ。

彼としては、"なぜか"……見過ごすことができなかった。

そして。

「……」

「……な、なぜです?」

レッドは、ついに問い質してしまった。
 ▼ 280 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:13:04 ID:jUn47Ris [2/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
これは孫と祖父の話し合い。

だから、第三者である彼が割って入って口を出すのは筋違いかもしれない。

しかしレッドは、口を出さずにはいられなかった。

「……ふむ」

コンコンブルはふと、そんな彼の額に目をやる。

そこには、一筋の汗が垂れていた。

その意味は動揺か、それとも、猛暑によるものか。

だが、後者はありえない。

なぜなら今は早朝。

昼ならともかく、肌寒いこの時刻に暑さで汗をかくなど、どんだけ新陳代謝が良いのかという話だ。

よって、現地点でレッドが胸に秘めている感情は、前者の"動揺"。

では、なぜ彼は動揺しているのか。
 ▼ 281 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:13:33 ID:jUn47Ris [3/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
(……もしや、レッド君もコルニのことが)

これを、自分……コンコンブルへの"嫉妬"の表れと捉えるなら。

(……なるほど、なるほど)

____"脈アリ"と言っても良いだろう。

コンコンブルは、孫の恋に光が差しつつあることを知り、密かに安堵した。

と、そんなこんなでボケッとしてニヤついていたら。

「なぜなんですッ!?」

質問に答えるまでに間がありすぎて、とうとうレッドにキレられてしまった。

「おおっ!?……すまんのう」

物凄い剣幕で怒鳴るものだから、さすがのコンコンブルもびっくり。

さっさと、コルニに"残れ"と言った理由を教えてあげることにした。
 ▼ 282 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:13:58 ID:jUn47Ris [4/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「いやな、孫であるコヤツがずっと修行の旅に行っていたからの」

「ワシだって、寂しくなるもんなんじゃ」

「じゃから、お主達が次のバッジを手に入れて戻ってくるまでは、コヤツにワシの側に居て貰いたくてな」

……普段厳格な彼にしては、随分と"不自然"なくらい私情的な回答であった。

(な、何言ってるのお爺ちゃん)

この、彼のガラにも無い発言に、孫であるコルニは、薄気味悪い物を感じたのか全身に鳥肌を立たせていた。

(……嘘ついてるな、この爺さん)

一方でグリーンも、彼の告白を"嘘"と断定。

なぜなら、単純に胡散臭いからであった。

昨日はあれほどコルニに対し厳しい態度で接していたのに、今日に限ってこんな孫思いの老人になるわけがない、と。
 ▼ 283 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:14:41 ID:jUn47Ris [5/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかし、そんな邪推が向けられていることも知らずにコンコンブルは、引き続き言葉を発していく。

「老い先短いジジイの頼みと思って、どうか少しの間だけでも、コルニをワシに貸してはくれんかのう」

この、明らかに同情を誘った言い方。

これで、コルニとルカリオ、そしてグリーンは確信した。

"こいつ……何か企んでいる"と。

(おいレッド、どうする)

(俺は別に良いが、お前としてはコルニと離れたくは無いだろ)

(何やらキナ臭ぇし、ここは断っても……)

レッドのコルニへの気持ちを察しているグリーンは、彼の耳元でそう助言した。

しかし。

「……コルニ」

「?」


「……コンコンブルさんのソバに、居てあげて欲しい」


「……!?」
 ▼ 284 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:15:08 ID:jUn47Ris [6/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
……ただ一人レッドは、純粋にコンコンブルの言葉を信じてしまっていた。

「……え……いや、あの」

コルニは言おうとしたが、言いづらい。

"この爺さんは嘘をついている"……なんて、とても言いづらい空気になってしまった。

「コンコンブルさんにとって、君はたった一人の大切な孫娘」

「俺達が無理に奪うことはできない」

"奪う"とは、これまたオーバーな言い方である。

「……あぅぅ」

結局コルニは、このレッドの思いやりに満ちた懇願に言い返すことも出来ず。

「ありがとよ、レッド君」

コンコンブルの手中にまんまと収まってしまうのであった。
 ▼ 285 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:17:07 ID:jUn47Ris [7/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「それじゃあ、頑張ってくるのじゃぞ」

「はい!」

「ピカ!」

見事に言いくるめられたレッド達は、そのまま彼女らに背を向けて、先へと進んでいく。

「……ドンマイ」

グリーンも、一言そう添えてレッドの後を追って行った。

「……そんな」

ぽつーん。

彼らが行って戻ってくるまで、ざっと三日と言ったところか。

それまで、彼らと……レッドと、会えない。

「……くわん」

「うわぁん!ルカリオぉぉ!」

コルニはルカリオを抱き締め、この寂しさを嘆いた。
 ▼ 286 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:19:51 ID:jUn47Ris [8/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「どうしてっ!?どうしてこんな……っ!?」

そしてコルニは即、コンコンブルにこの事を抗議。

「いやじゃから、お主と一緒に居たいと思って」

「もういいよ!全部ウソっぱちだってことは知ってるんだからっ!」

未だ断固として、冗談混じりの戯れ言を宣う祖父に、コルニは怒りを顕にする。

「……ふむ」

すると、やっとコンコンブルは元の厳しい"師匠"の顔に戻って。

「……実はお主に、頼みたいことがあっての」

今度は真剣に、コルニへ言葉を綴った。
 ▼ 287 mTQB7XkZdk 16/11/01 01:20:21 ID:jUn47Ris [9/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「頼み……?」

「そうじゃ」

彼女が聞くと、彼から言い渡された答えは____

「今度、レッド君が挑む予定の"継承者"」

「その役目を……」


「お主らに担って貰いたいのじゃよ」


____"衝撃"。

……それは、"頂点"との再戦。

「アタシ達が……?」

「くわっ!」

彼女の金髪が、戦慄の風に靡く。

嵐の予感が、"目覚めの町"を吹き抜けていった……。
 ▼ 288 ルー@しんぴのチケット 16/11/01 17:57:36 ID:M7G2Mfc2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつの間に更新してたんだよ
支援
 ▼ 289 V/M6wQ0uNc 16/11/01 21:35:20 ID:LXWgO14o NGネーム登録 NGID登録 報告
まぁ修行しなきゃだめだよな
 ▼ 290 ゲツケサル@ねらいのまと 16/11/02 01:02:29 ID:ItIHX1HI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえ〜ん
 ▼ 291 レキブル@めざめいし 16/11/02 17:52:48 ID:rtbp.nmk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
面白い
 ▼ 292 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:02:11 ID:QwDtJtyk [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
…………

……


……こうしてシャラシティを後にしたレッド達は、次の町を目指して歩みを続けていた。

東に進んだ先にある"ヒヨクシティ"という海岸沿いの街が、今度の目的地である。

が、その道中……。

「……まいったな」

「ピカ……」

……"12番道路"で、彼らはとある受難に直面していた。

それは。

「陸を二つに分断する大きな川……か」

今まさに、グリーンが言った通り。

目の前に大きな河川が広がっているせいで、これ以上先に進めないのだ。

シャラシティからヒヨクシティまでの道のりは、陸続きではなかったというわけである。

にも関わらず、なぜか橋は一本も架けられていない。

二つの街を行き来する上で、橋の建造は割りと優先すべきことのように思われるが……果たして、どういうことなのだろうか。
 ▼ 293 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:02:36 ID:QwDtJtyk [2/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「橋ぐらい架けとけよ……目と鼻の先だってのに」

然るべき場所に、然るべき物が無い。

その事に戸惑いを隠せず、愚痴ってしまうグリーン。

「どうする?」

「仕方ない、"なみのり"の技マシンをお前のカメックスに使うんだ」

"なみのり"は、敵を津波で襲いダメージを与える他、広い水辺で使うと水上を渡ることができる便利な技。

それを覚えさせるための技マシンをカメックスに使えば、眼前にて流るる川を乗り越えることが可能だ。

この局面には適した策と言える。

が、しかしレッドは……。
 ▼ 294 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:03:02 ID:QwDtJtyk [3/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ダメだ」

「は?」

……これを、拒否した。

「な、なんでだよ?」

グリーンがその真意を聞くと。

「……"忘れさせられる"技がない」

レッドは、表情を苦くしてそう答えた。

と言うのも、ポケモンが覚えられる技は全部で"四つ"と決められている。

その枠が全て埋められている状態で、新しい技を覚えさせたい時には、元からある四つの技のどれかを忘れさせて、空きを作らなければならないのだ。

しかし、そうしようにも、レッドにはそれが出来ない理由があった。

その理由こそが、先程彼が述べたように、"忘れさせることができる技"が無いから……である。

いや……厳密には、"忘れさせても構わない技"が無いと言った方が良いか。
 ▼ 295 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:03:37 ID:QwDtJtyk [4/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
"ハイドロポンプ"、"ふぶき"、"きあいだま"、"ラスターカノン"。

上記の四つは、今現在のカメックスの技構成である。

どれもこれも、一回忘れさせるとまた覚え直させるのが難しいレアな技ばかりだ。

……最もそれは、技マシンが、一回使うと無くなってしまう"使い捨て"の道具であったならの話だが。

(……そうか、レッドの奴)

("旧式"の技マシンしか持ってねえのか)

……技マシンは、一昔前までは"消耗品"であり、一回ポケモンに使うとその効力を失ってしまうというデメリットがあった。

しかし近年は、そんな技マシンの改良が進められ……。

……なんと、使っても使っても永久に使用不能にならないトンデモ仕様になり、大変便利になったのである。

が、その事を、ずっと山籠りで外界の情報をシャットダウンしていたレッドが当然知る由もなく。

「……ごめん」

未だに彼の技マシンに対するイメージは、旧式のままなのであった。

所謂、"ジェネレーションギャップ"というヤツである。
 ▼ 296 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:04:23 ID:QwDtJtyk [5/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
(……後で、新型の技マシンについて教えてやらなきゃな)

親友の情報弱者ぶりを目の当たりにしたグリーンは、レッドを不憫に思ってウンウンと頷く。

「……どうしたら」

一方で、同情されてるとも知らずにレッドは、ひたすらに目先の困難を打破する方法を考え抜いた。

そして。

「……そうだ」

何やら閃いたようだ。

「こうなったら、"現地調達"しかない!」

そう言い放つとレッドは、すぐさまバッグの中を漁り。

一本の"棒"を取り出した。

「それは……釣り竿か?」

「そうだよ」

現地調達……つまり、そういうことだ。

察しの通りレッドは、そこの川でポケモンを釣り上げて、そのポケモンに"なみのり"を覚えさせるつもりなのである。

これなら、カメックスの貴重な技枠を犠牲にすることなく、川を突破できるというわけだ。
 ▼ 297 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:04:47 ID:QwDtJtyk [6/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
この、理にかなった作戦。

早速彼は、竿を豪快に振り。

「しゅっ!」

ぽちゃん……という水の音と共に、ウキを浮かせた。

「…………」

「…………」

そして、急に黙りとなる一同。

なぜなら釣りとは、"明鏡止水"の精神で臨むものだから。

よって、余計なお喋りは一切不用。

脳裏に過りし煩悩、雑念さえもかき消して、獲物の到来を待つのみ。

「…………」

「!」

かかった。

「……ッ!」

ひいてる、ひいてる!
 ▼ 298 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:05:07 ID:QwDtJtyk [7/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ぐぐっ……ッ!」

レッドは、肩に限界まで力を注ぎ、抗い暴れるポケモンに精一杯食らいつく。

歯を食い縛り、相手に気合いで負けぬよう全力で奮闘。

「いけ、レッド!」

「ピカピ!」

仲間達の声援もあり、彼はついに。

「どぉぉぉぉりゃっ!」

入魂のスイングで、見事ポケモンを釣り上げてみせた。

「オックゥ!オックゥ!」

今回の成果は、ふんしゃポケモンの"オクタン"。

見た目はまんま赤いタコだが、あの"ひょっとこ"のような口から噴き出される多種多彩な攻撃は侮れない。

「よし!」

「じゃあ早速"弱らせて"、奴を捕まえよう!」

と、テンション高めに豪語したレッド。

……が。
 ▼ 299 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:05:40 ID:QwDtJtyk [8/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ん?」

ここで彼は、"あること"に気づく。

するとその表情も青ざめ、段々と絶望の色へと染まっていった。

「……まずい」

「奴を"適度に"弱らせられるような、調度良い強さのポケモンが居ない……ッ!」

……通常、ポケモンを捕まえる際には、捕獲対象の体力をある程度削った方が良いとされている。

そのためには、こちらのポケモンの"レベル"が非常に重要になってくるわけで。

例えばこちらが強すぎると、うっかり撃退して逃がしてしまったり。

逆にこちらが弱すぎると、そもそも話にならなかったり。
 ▼ 300 mTQB7XkZdk 16/11/03 23:06:18 ID:QwDtJtyk [9/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
そして今回の場合は、前者のケース。

特にレッドの手持ちは全員極端に強いため、野生のオクタンを一撃で葬ることなど、図らずも出来てしまう。

かといって、オクタンが元気なままだと捕まえ辛いしで、八方塞がり。

さて、どうしたものだろうか。

「くっ……!」

この状況を打開するための鍵は。

「……メレ?」

……意外と、"背後"にあるかもしれない。
 ▼ 301 イリーフ@とんでもこやし 16/11/03 23:08:56 ID:r7APVxKA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今回なんかギャグ調だな
 ▼ 302 ーダイル@ピジョットナイト 16/11/03 23:31:36 ID:UsTgu0NY NGネーム登録 NGID登録 報告
お、面白いなぁ。このままジム巡りするのかな?
支援!
 ▼ 303 キワラシ@あやしいおこう 16/11/04 12:32:11 ID:t8bmrUdk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁあんなレベルのポケモンがうじゃうじゃいる山にこもってりゃそうなる
 ▼ 304 ニガメ@しんぴのチケット 16/11/04 16:43:01 ID:2u/oTixA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しっえん
 ▼ 305 ブラン@ものしりメガネ 16/11/04 18:58:44 ID:KTdDizeI NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
そういえばディアンシーってメレシーの突然変異らしいんだけど後天的にディアンシーになったりするのですか?
 ▼ 306 アル@しらたま 16/11/04 21:38:32 ID:tvujGNAc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アニポケだったら弱めに攻撃という選択肢があるけどレッドのポケモンは強すぎるせいでできないのかな?
支援
 ▼ 307 mTQB7XkZdk 16/11/05 01:20:56 ID:4.T81fN2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
「メレ……!」

レッド達の後ろで、物陰に身を潜めて彼らを見守っていたのは、ほうせきポケモン"メレシー"であった。

このメレシーは、あの洞窟で繰り広げられたレッドvsハンターの一戦をきっかけに、彼に対し強い憧れを抱き。

以降、レッドの行く先々へ、ストーカーが如くこっそり付いて来ていたのだ。

まさに、羨望の眼差しともいえる視線。

そして、それを一身に受けるレッド。

しかし、そんなメレシーの想いとは裏腹に、彼は今これ以上無く困り果てていた。

それは、彼とそのポケモン達が強すぎるが故の苦悩。

レベル差が天と地ほどに離れてしまっている野生のオクタンを相手に、レッド達はまるで手も足も出せないのだ。

勢い余って、うっかり奴を倒してしまうようなことがあれば、その瞬間捕獲することが不可能になってしまうからである。
 ▼ 308 mTQB7XkZdk 16/11/05 01:21:32 ID:4.T81fN2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
勿論、手加減するという方法も、あるにはあるが……。

……それを、"みねうち"や"てかげん"といった特殊な技を使わずにやるのは至難のことで、非常に高難易度。

訓練無しで出来るような、半端な芸当ではない。

となると、彼に残された手段は一つ。

"手頃なレベルのポケモンを捕まえ、戦わせること"。

しかし、それすら出来ないからレッドは困っている。

「……くっ、まさかこんな所で手こずるなんて」

完全に誤算だった。

強いポケモンばかりを連れてきた結果、新規のポケモンを加入させるのにここまで苦労することになろうとは。

せっかく、新メンバーの為に手持ちを二枠空けてきたというのに……何たる失態。

レッドは、己の愚かさを恥じつつ。
 ▼ 309 mTQB7XkZdk 16/11/05 01:21:56 ID:4.T81fN2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
(……どうする、どうすれば良い!?)

しかし必死に、策を考えた。

……が。

「……ダメだ」

やはり、これと言って特に思い付かない。

「……万事休す、か」

「"強すぎず弱すぎないポケモン"……そんな奴が居たら、どんなに良かったことかな」

そんな夢物語すら思い描く程まで、彼の精神は追い詰められてきている。

「レッド……くそっ」

「ピカ……!」

一方で、彼の為に何もしてやれないグリーン達は、そんな自分達を悔いることしかできない。

たかが、川を渡れるか否かの瀬戸際。

にも関わらず、このような絶望の淵に立たされる始末だ。

こんな滑稽な展開を誰が予想できただろう。
 ▼ 310 mTQB7XkZdk 16/11/05 01:22:39 ID:4.T81fN2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
……しかし。

「……メレッ!」

まだ、希望が無くなったわけではない。

なぜなら、ここに居るからだ。

"強すぎず弱すぎないポケモン"が。

メレシーは、先程レッドが溢した現実逃避の一言で悟った。

今現在、レッドが最も必要としている人材……いや、"ポケ材"は。

……"自分"であるということを。

「メレッシ!」

自分なら、彼の力になれる。

自分なら、彼の役に立てる。

自分なら、この流れを……変えることができる!

「メレメレ!」

ようやくメレシーに到来した、またと無いチャンス。

この機は、絶対に逃してはならない。

今こそ、名乗りを上げる時。
 ▼ 311 mTQB7XkZdk 16/11/05 01:23:12 ID:4.T81fN2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
いざ……進め!

「メェェェレェェエッ!」

瞬間、メレシーはついにその姿を白日の下に晒して。

「……オックゥ!?」

オクタンの不意を突き、技を炸裂させた!

「何!?」

「ピカピ!?」

この突然の乱入に、一同は困惑。

彼らが視線を移すと、そこに居たのは……。

「……メレッシ!」

……かつて自分達が救った、記憶に新しいポケモンであった。

名は確か……"メレシー"。

「君は……!?」

突如としてこちらに加勢してきたメレシーに、レッド達は驚き戸惑っている。

このメレシーの参戦によって、戦況はどのように変わっていくのか……。
 ▼ 312 mTQB7XkZdk 16/11/05 01:27:20 ID:4.T81fN2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>305
突然変異は恐らく生まれる時に発生するので、メレシーが後からディアンシーになる展開は無いです。
 ▼ 313 シマリ@オレンジメール 16/11/05 06:30:29 ID:yr7SHzSM NGネーム登録 NGID登録 報告
しえーん
 ▼ 314 リバード@メンタルハーブ 16/11/05 07:38:10 ID:jVuoQxiY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 315 THUN◆V0Yf6qVU6U 16/11/05 18:40:56 ID:wHN4.TwM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いいぞ、もっとやれ
 ▼ 316 ンフィア@みかづきのはね 16/11/05 23:03:01 ID:6Vp0ywPM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 317 mTQB7XkZdk 16/11/06 00:25:51 ID:Or6OcchQ [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……君は、"あの時"の」

「メレッ!」

そう……あれは、映し身の洞窟でのこと。

ハンター達から逃げ惑っていたディアンシーを助け、青年と共に最深部まで彼女を送り届けた時であった。

そこに住んでいた殆どのメレシーの注目が、青年とディアンシーに集中する中。

たった一匹のメレシーだけが、隅で休息するレッド達の下へと駆け寄り、彼らに興味を示した。

そのメレシーこそが、今、レッドの目の前でオクタンに技をかました"彼"である。

「メレッシー!」

"強すぎず弱すぎないポケモンが居たら"。

そのレッドの声を聞き、メレシーは満を持して推参したのだ。
 ▼ 318 mTQB7XkZdk 16/11/06 00:30:06 ID:Or6OcchQ [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「こいつは……!?」

「ピカピ!?」

しかし、あまりにも唐突な登場だったので、グリーンやピカチュウはまるで状況が掴めない。

「……っ」

そしてそれは、メレシーの憧れの存在たるレッドとて同様。

なぜあのメレシーは、今ここにいるのか。

なぜあのメレシーは、突然自分達の前に姿を現したのか。

なぜ、あのメレシーは……。

「メレッ!メレッシ!」

……こちらに、加勢してくれたのか。
 ▼ 319 mTQB7XkZdk 16/11/06 00:32:23 ID:Or6OcchQ [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……っ」

溢れ出る疑問の数々。

……レッドは元々、このメレシーに、"あの時"から只ならぬ"運命"を感じていた。

周りが皆、青年とディアンシーの帰還を喜ぶ中、このメレシーだけは真っ先に自分達を労ってくれたからだ。

「……ッ!」

追憶の最中、一つの考えがレッドの脳裏を電流が如く走る。

「そうか」

「君は……」


「……"俺"を、助けに来てくれたのか」


「メレッ!」

この彼の問いに、メレシーは即答。

なんと奇妙な巡り合わせだろう。

あの日芽生えたあの想いが、今、こうして繋がった。
 ▼ 320 mTQB7XkZdk 16/11/06 00:32:43 ID:Or6OcchQ [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
まるで、"架け橋"のように。

二人が出会ったのは必然か、偶然か。

メレシーが振り絞った"勇気"が、この再会を実現させたのだ。

ならばその"勇気"を、形にするのは誰か。

決まっている。

それは勿論。

「……ありがとう」

「共に戦おう、メレシー!」

レッド……その人の役目だ!

「メレッ!」

そして誕生した、新コンビ。

レッドとメレシー……二人の初陣の相手は、オクタン。

「オックゥ……ッ!」

果たして彼らは、見事奴を捕まえ、次の町へ足を進めることができるのか。
 ▼ 321 ガヤンマ@デボンボンベ 16/11/06 00:36:29 ID:Cfr65W52 NGネーム登録 NGID登録 報告
見てるで
シエン
 ▼ 322 ャオニクス@ミックスオレ 16/11/06 01:53:01 ID:qKbAMfbg NGネーム登録 NGID登録 報告
しえーん
 ▼ 323 THUN◆V0Yf6qVU6U 16/11/06 14:51:03 ID:vVGyjy8A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援だゾ
 ▼ 324 リーザー@ゴーゴーゴーグル 16/11/06 14:51:41 ID:TDPvFTXM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私怨
 ▼ 325 ティアス@ドリのみ 16/11/07 20:05:14 ID:eimOnguI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 326 ノノクス@ハンサムチケット 16/11/08 14:55:26 ID:D0B3r.E. NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 327 mTQB7XkZdk 16/11/08 23:09:31 ID:NlJSeZTk [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
「よし……やるぞ」

「メレッ!」

構えるレッドとメレシー。

しかしここで、一つ問題が。

(……そういえば)

(コイツがどんな技を使えるか、まだ把握していないな)

そう。

レッドにとって、カロス原産のポケモン"メレシー"は、まだまだ謎が多く不透明な存在。

故に、メレシーが何タイプなのかも、何の技を得意とするのかも、現状全く理解できていないのだ。

これでは、指示を出すことなど不可能。
 ▼ 328 mTQB7XkZdk 16/11/08 23:09:54 ID:NlJSeZTk [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
(俺のポケモン図鑑じゃバージョンが古くて、調べようにも調べられないし)

ポケモンのデータを分析できる便利な機械も、この頃更新を怠っていたせいで使い物になりそうにない。

が。

「……そうだ!」

そうした中、レッドは一つの案を思い付いた。

「グリーン!」

「ん?」

突然に、傍らにいる彼を呼ぶ。

「お前が持っているポケモン図鑑は、最新だよな?」

レッドが聞くと。

「おう、勿論」

グリーンは、それが"当たり前"だと言うようにそう答えた。
 ▼ 329 mTQB7XkZdk 16/11/08 23:10:26 ID:NlJSeZTk [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……っ」

……"勿論"という彼の一言に、何の悪意も無いのは分かっている。

だが、どうにも嫌味に聞こえてならないレッド。

けれども、今はそんなことを気に留めている場合ではない。

戦闘中である現在は、率直に言いたいことを述べるのが最優先。

「なら、このメレシーが使える技とかを図鑑で調べて、それを俺に教えてくれ!」

発信された救援要請。

レッドは、情報の取得が可能なグリーンとの連携が必要と考えた。

この局面において、そうして仲間に頼ることは別に卑怯ではない。

むしろ賢明な策と言える。

そして、向こう岸を渡りたいのはグリーンとて同じ。

無論、彼は。
 ▼ 330 mTQB7XkZdk 16/11/08 23:10:53 ID:NlJSeZTk [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
「オーケー!」

「そしたらサポートはこの俺に任せて、お前達はバトルに集中しな!」

安定の同意だ。

「助かる!」

これで、ある程度の道を確保することができた。

後は、己のトレーナーとしての手腕と。

「メレシッ!」

目の前の、新たな"相棒"の力を信じるのみ!

「オクター!」

と、早速敵さんが攻撃態勢へ。

瞬間、奴は口から黒ずんだドロッとした弾丸を放出。

あの技は"オクタンほう"。

その名の通り、彼専用の必殺技____

____と、言いたいところではあるが実はそうでも無かったりする。
 ▼ 331 mTQB7XkZdk 16/11/08 23:11:20 ID:NlJSeZTk [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
「メレシーは"いわ"タイプを含んでいる」

「"みず"タイプのオクタンほうは、食らうと痛手だぞ!」

図鑑片手にバックアップするグリーン。

伝達を聞いて、レッドも対応し。

「なら回避だな」

「避けろ、メレシー!」

ここで初めて、メレシーに指示を下した。

だが。

「メレ……ッ!」

メレシーが横に動くよりも先に、オクタンほうが到達してしまった。

「メレェッ!?」

着弾。

墨の塊が、メレシーを黒に塗る。
 ▼ 332 mTQB7XkZdk 16/11/08 23:11:50 ID:NlJSeZTk [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
「メレシーッ!」

失念していた。

メレシーのレベルは、まだまだ未熟。

他の仲間のようにはいかない。

彼の実力を思慮すると、ここは迎撃させるべきだった。

……と言っても、まだメレシーの使える技が分からない以上、どの道さっきの攻撃は不可避に変わりなかったろうが。

しかし。

「……メレッ!」

……意外なことに、メレシーはピンピンしていた。

「大丈夫なのか?」

「メレッシ!」

レッドの問いに、メレシーは元気よく答える。

効果抜群の大ダメージを食らったハズなのに。
 ▼ 333 mTQB7XkZdk 16/11/08 23:12:13 ID:NlJSeZTk [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
「メレシーは、"ぼうぎょ"と"とくぼう"がズバ抜けて高い」

「だから、効果抜群をマトモに受けてもソコソコのダメージで抑えられたのさ」

「だが、それでも連続して食らえばガリガリ削れる」

「"次は無い"……と思った方が、身のためだぜ」

グリーンは、メレシーがオクタンほうの後でも立ち直りが早かった理由に付け加え、十分警戒するようにと念を押した。

「分かった」

そして、それを肝に命ずるレッド。

「よし、それじゃあ"確認"も取れたからな」

「コイツの技を、サラッと教えとくぜ」

いよいよ、お披露目の時。

メレシーは、一体どのような技を覚えているというのか。
 ▼ 334 mTQB7XkZdk 16/11/08 23:12:42 ID:NlJSeZTk [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
まず、一つ目。

「"パワージェム"」

"いわ"タイプの技で、特に特殊な効果は無いが威力がある。

二つ目。

「"ステルスロック"」

同じく"いわ"タイプだが、こちらは直接的にダメージを与える物ではなく、設置型のトラップと言ったところ。

三つ目。

「"ひかりのかべ"」

こちらは"エスパー"タイプの技で、一定時間、敵の"とくしゅ"技のダメージを軽減してくれる壁を張る。

そして、最後の四つ目が……。

「"ムーンフォース"」

……"フェアリー"タイプの技。

が、この技の名をレッドは____

「……え?」

____聞いたことが無かった。
 ▼ 335 V/M6wQ0uNc 16/11/09 00:01:01 ID:OcyopCPY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レベル60以上でも強すぎないの内か・・・
 ▼ 336 ミロップ@ミュウツナイトY 16/11/09 00:04:35 ID:4aLy45p. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 337 ビワラー@プレシャスボール 16/11/09 07:47:22 ID:LRc/XHZ. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 338 ノン◆X0q78mh/0k 16/11/09 14:55:28 ID:68fIKz42 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レッドならありそうやな
支援
 ▼ 339 ランセル@ひかりごけ 16/11/09 15:16:25 ID:FaERmh7s NGネーム登録 NGID登録 報告
>>335
多分凄い釣竿使ってるんだろから相手も40超え位なんじゃない?
 ▼ 340 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:28:45 ID:E4lB2dkY [1/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ムーン……なんだって?」

その聞き慣れない単語に戸惑い、思わず再度問い直してしまったレッド。

そんな彼の"如何にも"な様子を見て、グリーンは察した。

(……そうか)

(レッドは、"フェアリー"タイプのことも知らないのか)

……そもそも"フェアリー"タイプとは、最近になって発見された新概念。

その名の通り、"妖精"の力が宿りしポケモンや技がそれに分類される。

カロス地方で新しく確認されたポケモンは勿論、従来より図鑑に載っている一部のポケモンにも、このフェアリータイプが認定された。

が、例によって時代遅れなレッドは、そんなことなど当然の如く知らない。

彼があまりにも無知なせいで、グリーンは"どう教えようか"と、頭を悩まさせられた。
 ▼ 341 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:29:17 ID:E4lB2dkY [2/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
(……イチからタイプ相性をレクチャーしていくのは流石に手間だ)

(今は適当に流すしかねえ)

結果、その思考に行き着いた彼は。

「……"ムーンフォース"だ」

「詳しい説明は後でしてやる」

「とりあえず、"攻撃技"だということだけは頭に入れておけ」

"フェアリー"云々のややこしい話は後回しにし、戦闘に集中させることにした。

「……?」

しかし、そんな彼の説明が少し雑だったためにレッドは困惑。

無数の疑問符が脳内を埋め尽くしていく。
 ▼ 342 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:29:41 ID:E4lB2dkY [3/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
(……攻撃技か、うん)

取り敢えず納得はしてみたものの、腑に落ちない点があってどうにも気持ちが悪い。

一体、"ムーンフォース"という技にはどんな秘密が隠されているというのか。

気になって気になって、仕方が無いのである。

(……っ!)

そんな自分の好奇心を抑え込むように、レッドは頬を"パンッ"と叩いて律した。

飛びそうになる意識を、目の前のバトルに戻す。

(今は、やるしかないよな)

ここを切り抜ければ、真実は自ずと知ることになるのだ。

ならば、進むしかあるまい。

「ありがとう、グリーン」

レッドは、彼に感謝を述べた後。

「……やるぞ!メレシーッ!」

再び、燃えたぎりし戦意を甦らせた!
 ▼ 343 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:30:28 ID:E4lB2dkY [4/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「メレッ!」

狙うは捕獲。

巧みに技を駆使すれば、勝算はある。

レッドとメレシーの、即興のコンビネーションが試される時……!

「まずは____」

「____"パワージェム"!」

威勢良く放たれた第一声。

「メッレ!」

そして、ついに動き出す戦局。

メレシーは、真っ白に光輝くエネルギーを一点に凝縮し、固形化。

それが段々、瞬くような光沢を帯びた石へと姿形を変えていき。

そこに更なる"魔力"を加えることで、"攻撃力のある宝石"が生み出される。
 ▼ 344 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:31:04 ID:E4lB2dkY [5/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「メレェッ!」

"パワージェム"、発進!

「オクタッ!?」

いとも簡単に命中した。

もしこれがトレーナー戦であれば、避けられていたかも分からない。

だが、今回の相手は野生のポケモン。

やはり"敵に司令塔が居ない"というのは、こちら側にとって大きなアドバンテージ。

向こうは独断で行動しなければならならなく、故に動きが鈍くなる。

となれば必然的に、メレシーが動きやすくなるというわけだ。

「いいぞ!」

「メレ!」
 ▼ 345 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:31:36 ID:E4lB2dkY [6/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
幸先の良い切り出し。

しかし、今度はオクタンの番。

「……オクッ」

「タンッ!」

また、"オクタンほう"を撃ってきた。

だが、甘い。

「……ふっ」

同じ技がこの男に二度も通用すると思ったら、大間違いだ。

「"ひかりのかべ"!」

「レッシ!」

レッドが指差し、メレシーは瞬時に壁を構築。

"とくしゅ"技をはね除けるバリアを展開した!
 ▼ 346 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:32:00 ID:E4lB2dkY [7/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……メレッ!?」

その最中に隙を作ってしまったため、"オクタンほう"自体は食らってしまったものの。

「____メレシッ!」

全然効いていない。

"ひかりのかべ"が"とくしゅ"技の威力を軽減しているおかげで、ダメージが最小限にまで留まった。

「オクゥ……!」

トレーナーが居るからこそできる、この計画的なプレイ。

単なる技と技のぶつかり合いで雌雄を決する野生同士の戦いとは、ひと味もふた味も違う。

トレーナーとの共闘を通じて、ポケモンは"強さ"としての真価が発揮されるのだ!

「畳み掛ける!」

「メレシー、"ムーンフォース"___
_」

「____だったかな?いけ!」

レッドは、言葉を詰まらせながらも、まだ見ぬ未知の技を繰り出させた。
 ▼ 347 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:32:36 ID:E4lB2dkY [8/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「メレッシー!」

メレシーは了解し、その刹那。

「メェーレェー……」

青空の向こうで、うっすらと姿を見せつつある"月"に、祈りを捧げ。

「メレッ」

月光の煌めきを天より賜り、神聖なる妖精のエネルギーをその身に溜めていく。

「………………」

静かに訪れた一瞬の夜。

精霊は、優しき加護をメレシーに与え。

「……メレッシ!」

敵に、鮮烈なる弾丸を放たせた!

一直線に伸びる淡い軌跡。

"ムーンフォース"は、オクタンに見事着弾し。

「……オクゥゥウゥゥッ!?」

"ひんし"に近い状態にまで、一気に体力を削り落とした!
 ▼ 348 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:33:14 ID:E4lB2dkY [9/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「今だ……っ!」

そして、レッドは瞬時に右手でモンスターボールを構え。

「いけ!」

「モンスターボールッ!」

一投!

放物線を描いて、赤と白の玉がオクタンの頭部を直撃した。

「オッ____」

かくしてボールに収納されたオクタン。

ポトンと地面に落ち、ジャッジタイムへと突入する。

フォン……フォン……という機械音が刻まれていく毎に、捕獲確率が上昇する仕組み。

「……ッ」

「メレッ……」

「ピカ……!」

全員が緊張に息を飲む中。

三度目の福音が鳴り響いた、その時……。
 ▼ 349 mTQB7XkZdk 16/11/10 22:33:42 ID:E4lB2dkY [10/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ピコーン!」

……成功の狼煙が、あがった!

「……やった!」

瞬間、レッドは勇ましくガッツポーズを作り、大いに喜んだ。

「メレ〜〜っ!」

「よくやったメレシー!君のおかげだ!」

そして二人は抱き(?)合い、互いの健闘を心から称え。

「……やるな、あのメレシー」

新人の活躍に一目置く者も居れば。

「……ピカッ」

一方で、仲睦まじそうにご主人と引っ付き合う新参を見て、ジェラシーを覚える者もまた居たり。

何はともあれ、無事に"足"は獲得できた。

さあ、後は川を渡り、"ヒヨクシティ"を目指すのみだ……!
 ▼ 350 ワガノン@ゴーゴーゴーグル 16/11/10 22:48:50 ID:1cJJnz4U NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 351 マージョ@オーキドのてがみ 16/11/10 22:55:29 ID:gzzeQaXA NGネーム登録 NGID登録 報告
今日も面白かった
 ▼ 352 ャビー@ミュウツナイトY 16/11/12 13:49:27 ID:QY5rIxwU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援なのだ
 ▼ 353 バット@4ごうしつのカギ 16/11/13 19:00:40 ID:6pYFAOEg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん、まってる
 ▼ 354 mTQB7XkZdk 16/11/14 00:23:40 ID:X2Bis5AQ [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
…………

……


……激闘の末に、何とか川を渡り切った一行。

そして、向こう岸に降り立った瞬間、靴底で感じたのは"新天地"。

髪の隙間を吹き抜けるそよ風さえ、新鮮に味わえる気分だ。

苦労した甲斐があったという物である。

さて、そんな達成感も束の間。

彼らは再び、次の町へ向けて歩を刻まなければならない。
 ▼ 355 mTQB7XkZdk 16/11/14 00:24:16 ID:X2Bis5AQ [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ありがとうオクタン、もう川に戻って良いぞ」

「オクッ!」

レッドは、川を進むための船になってくれたオクタンにお礼を述べると、彼を逃がし自由にした。

バトルで負った傷も薬で治してあげ、オクタンは元気に自分の"家"へと帰っていく。

バイバイ、オクタン!

「……さて」

と、去り行くオクタンを見届けた後、レッドは振り向き。

「君はどうする?」

「メレシー」

メレシーに、今後どうしていくかを問うた。
 ▼ 356 mTQB7XkZdk 16/11/14 00:24:52 ID:X2Bis5AQ [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「メレッ……!」

彼の答えは決まっている。

"ここまで来た"のだ。

今さら、引き返すなどという選択肢はあり得ない。

何のために少年を追い、何のために憧れを抱き続けたのか。

その理由を鑑みれば、取るべき行動はただ一つに絞られる。

メレシーは、足無き体をふわりと浮かせ、レッドに向き合い。
 ▼ 357 mTQB7XkZdk 16/11/14 00:25:14 ID:X2Bis5AQ [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……メレッシ!」

"同行したい"と、強く、切に願った。

そして____

「……歓迎するよ」

「これから、よろしくな」

____そんなメレシーを、レッドは温かく迎え入れた。

手を、差し伸べた。

「メレェ!」

先の洞窟での防衛戦にて出会い、絆を深めた少年と宝石。

尊ぶべき友情が、また一つ……カロスに芽吹いたのであった。
 ▼ 358 mTQB7XkZdk 16/11/14 00:25:38 ID:X2Bis5AQ [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
…………

……


……と、いうわけで。

レッド達の旅路に、新たなる仲間・メレシーが加わった。

そして、それに伴いレッドは、その"タイプ"の存在を知ることとなる。

それは____

「"フェアリー"?」

「そうだ」

____レッドがまだ見ぬ世界。

"フェアリー"。

「メレシーのタイプは、"いわ"と"フェアリー"の複合だ」

「さてじゃあ"フェアリー"ってのは、ケツから言うと……」

……"かくとう"、"あく"、そして特に"ドラゴン"に強く。

逆に、"はがね"、"どく"に弱い。

また、"むし"からの攻撃を往なすことは出来るが、"ほのお"への攻撃は有効打になりにくい。
 ▼ 359 mTQB7XkZdk 16/11/14 00:26:15 ID:X2Bis5AQ [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「分かったか?」

「……う、うん」

レッドは、グリーンの説明をとりあえずメモったが、口頭では何がなんだかさっぱりといった表情であった。

まさか、山で引きこもっている間にこのような変化まで起ころうとは。

やはり、トレーナーとポケモンとを取り囲む"環境"とは、常に変化し続ける"生き物"と同然なのである。

そのことを改めて思い知らされたレッドは、殻に心を閉ざしていたあの時の碧き自分を恥じた____

____と、同時に。

「言っとくが、フェアリーに限らず他のタイプでも、ちらほら前と違うトコがある」

「ま、少しずつ対応していくことだな」

グリーンの、そんな説教じみた助言を貰ったレッドは。
 ▼ 360 mTQB7XkZdk 16/11/14 00:26:51 ID:X2Bis5AQ [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ああ!」

……"笑って"。

「新しいタイプ、"フェアリー"____」

「____面白そうだっ!」

未知の領域へ足を踏み入れることへの、熱烈なる意気込みを語った。

「……ふっ」

「やっぱお前は、面白いヤツだわ」

ポケモンのこととなると、自責も自嘲もするレッド。

しかし、それら負の感情以上に彼を突き動かすのは、"好奇心"。

彼をトレーナー足らしめる所以は、"向上心"。

どこまでも純粋に、新しい事への挑戦を続ける____

____その、幼少期のような淀み無き心を"取り戻した"彼だから、彼のポケモンやグリーンも。

……そしてコルニも、惹かれるのだ。
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