スイレンは上気した。必ず、彼の元にたどり着かねばならないと決意した。
優しい波が寄せては引く海岸にて、岩場に身を潜めているとはいえ完全に隠れきっているわけではない。
青い空の下、慣れない服に着替えている間、周りに人の気配が全く無かったのは不幸中の幸いであったが
しかし少し体を動かすと、前途はなかなかに厳しい事を知る。
「ぅう……やっぱりわたしが着るとぶかぶかです。」
同年代であろうとも体格が大きく違う男の子のTシャツは、歩くだけで首元から風が遠慮無く入り込み、生地がフワフワと体から離れていってしまう。
全体的にフィット感は無く、少し走ったりすると着ているというよりはかろうじて身にまとっているマントのような感覚になる。
「あぅ、ズボンはちょっと裾をあげないと歩きにくいですね。んしょ…」
幸いなことに彼のズボンにはベルトがあり、限界まで締めればどうにか彼女の腰で落ちずに留まってくれた。
本来の持ち主が着れば足の脛が見えるほどの丈ではあったが、同年代の女の子の中でも小柄なスイレンからするとやはり快適な着心地とはならない。
とりあえず膝丈ほどまで裾を持ち上げることで、股下部分が少々動かしづらいが軽く走れるくらいにはなった。
「なんだかズボンというより、ドロワーズみたいになっちゃいました。えへへ。」
これはこれでなかなかどうして似合っている気がする。一瞬そんな充足感が溢れるがすぐに我に返る。
そう、この服はあくまで不慮の事態で仕方なく一時的に着ているだけ。とうに理解している事態をスイレンは心の中で反芻した。
「けどこの服…返すにしても、まずは一度わたしの部屋に帰って洗わなきゃ……」
とるべき行動を自分に聴かせるように一人つぶやく。が、一呼吸おいて更に大事な事を思い出す。
「というか、まずは、 ぱ…… …パンツくらい履きたいです……っ!」
穏やかに打ち寄せる波だけが音を奏でる海岸に、少女の声がこだまする。すぐ背後に青々と茂る木々だけがそれを聞いていた。
優しい波が寄せては引く海岸にて、岩場に身を潜めているとはいえ完全に隠れきっているわけではない。
青い空の下、慣れない服に着替えている間、周りに人の気配が全く無かったのは不幸中の幸いであったが
しかし少し体を動かすと、前途はなかなかに厳しい事を知る。
「ぅう……やっぱりわたしが着るとぶかぶかです。」
同年代であろうとも体格が大きく違う男の子のTシャツは、歩くだけで首元から風が遠慮無く入り込み、生地がフワフワと体から離れていってしまう。
全体的にフィット感は無く、少し走ったりすると着ているというよりはかろうじて身にまとっているマントのような感覚になる。
「あぅ、ズボンはちょっと裾をあげないと歩きにくいですね。んしょ…」
幸いなことに彼のズボンにはベルトがあり、限界まで締めればどうにか彼女の腰で落ちずに留まってくれた。
本来の持ち主が着れば足の脛が見えるほどの丈ではあったが、同年代の女の子の中でも小柄なスイレンからするとやはり快適な着心地とはならない。
とりあえず膝丈ほどまで裾を持ち上げることで、股下部分が少々動かしづらいが軽く走れるくらいにはなった。
「なんだかズボンというより、ドロワーズみたいになっちゃいました。えへへ。」
これはこれでなかなかどうして似合っている気がする。一瞬そんな充足感が溢れるがすぐに我に返る。
そう、この服はあくまで不慮の事態で仕方なく一時的に着ているだけ。とうに理解している事態をスイレンは心の中で反芻した。
「けどこの服…返すにしても、まずは一度わたしの部屋に帰って洗わなきゃ……」
とるべき行動を自分に聴かせるように一人つぶやく。が、一呼吸おいて更に大事な事を思い出す。
「というか、まずは、 ぱ…… …パンツくらい履きたいです……っ!」
穏やかに打ち寄せる波だけが音を奏でる海岸に、少女の声がこだまする。すぐ背後に青々と茂る木々だけがそれを聞いていた。
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