【ウインディの物語】ウインディ「ただ忠実に……」【SS】:ポケモンBBS(掲示板) 【ウインディの物語】ウインディ「ただ忠実に……」【SS】:ポケモンBBS

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【ウインディの物語】ウインディ「ただ忠実に……」【SS】

 ▼ 1 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:06:44 ID:8ObpSpnw [1/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
ここはセキタイタウンにあるポケモンセンターの一室。
彼はまだ焼けの落ちぬ茶色い手でちょこんと座る俺の頭を撫でた。

──
 ▼ 2 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:07:02 ID:8ObpSpnw [2/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
──

俺はガーディ、俺と彼が生まれた場所はセキタイタウンの小さな民家、彼の親は二人とも優秀な警察官だったらしく、親の願いは父が果たせなかったミアレの警察所長になってもらうこと。彼もその思いに応えて警察官を目指した。
俺は気づけば物心付いたときから彼の側に居り、これからも彼と共に生きることを誓った。

そんな彼と共に育ったからか自分まで自然と正義感が強く育ったようだ。
警察官には一人につき一匹、パートナーのポケモンが居る。自らのポケモンを使ってもいいし、それができない場合は訓練された警察用のポケモンを渡されるらしい。

勿論彼は前者、俺をパートナーとして連れていってくれた。彼の名前はブレッド。

ブレッド「宜しくな、ガーディ」

彼は屈んで俺と同じ高さに顔を出し、しっかりと目を見据えた。俺はそれに応えるように小さく頷く。

「新たな旅立ちの始まりだ!」
 ▼ 3 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:07:22 ID:8ObpSpnw [3/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
それから俺達の忙しない日々は幕を開けた。
毎朝早くから訓練。

「遅れてるぞ21番! もっと走れ!」

馬鹿にしているのか、遅れてるのは走ってる自分が一番わかってる。
21番は呼びやすいように付けられた番号だ、この頃は大体先輩共に勝てずにビリだったが俺が負けず嫌いなのが幸いしたか後半は良い理由でその番号が呼ばれるようになった。

最近は事件が多発し、反比例するように訓練の数は減り、やがて完全に訓練を終えてやっと一人前の警察コンビだ。
実際に町に赴いて事件に関わり、彼と共に実績を重ね、評価は鰻登りだった。

ブレッド「Aクラスのポケモンハンター……今日もやったな!」

指名手配された罪人は捕らえても評価それぞれ評価は違う。
上司の中で危険度と評価でパターン化されているらしく、クラス分けされていた。
今回はAクラス、危険度が高い悪人だ。

ブレッド「お前のお陰だよ!」

彼はいつも褒めて頭を撫でた、何も褒められるような事はしていない、俺は彼の指示に応えられるように強くなるだけだ。

それから数ヵ月経った頃
引っ越したミアレではそこそこの知名度になっており、称えられ、偉い人から賞とか貰った。俺も彼もあまり興味は無いが。悪い気はしなかった、このまま順調に実績を重ね、いつかこの紙切れを人に渡す側に立つのだと決意した。
だが、ある日事件は起こった。
 ▼ 4 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:07:42 ID:8ObpSpnw [4/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

ブレッド「こっちだ! 追うぞ!」

「ワンッ!!」タッ!

俺はいつものように犯人を追った、ポケモンハンター、それもSクラスの大物、そこそこなの通ったポケモンハンター、シン。
これを捕れば彼やその父が望んだ更に上を目指せる!

ブレッド「ガーディ! とりあえず焦らず近くの仲間と連絡とって……ガーディ!?」

俺は迷わずに走り出していた、ブレッドの言葉は聞こえていない。

ガーディは人間の中でこう言われているらしい「トレーナーに忠実」
だが俺の行動は明らかに違った。本当にトレーナーに忠実ならば、彼の指示を無視し、飛び出すことは無かっただろう。

シン「チッ!しつけぇなぁ……」

ミアレの町、離れていく人の隙間を縫うように走り抜ける。
 ▼ 5 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:08:04 ID:8ObpSpnw [5/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

「……!」

角を左に曲がった、路地に入った、建物で要り組む路地では追跡が困難になる。見逃してしまう!すぐに追って角を曲がろうとした瞬間。

「待てガーディ!」

「……!!」

我に帰った。

シン「やれ! チャーレム! 空手チョップだ!」

刹那、それを逃さずハンターは突然振り返り、ポケモンを繰り出した。ブレッドの言葉に気を取られた俺の目前には既に敵の攻撃が迫っている。

ブレッド「ガーディ! 危ない!」

ブレッドは飛び込むように俺を庇った。

だが攻撃をかわしきることが出来ず

降り下ろされた手刀はブレッドの脚の骨を直撃した……

────
 ▼ 6 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:12:02 ID:8ObpSpnw [6/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
────

そして一週間、今に至る。結局シンは取り逃がした。
彼の右足の骨は折れ、その脚では歩けるようにはなっても警察の業務は勿論、スポーツすら出来ないらしい。今は故郷のセキタイタウンのポケモンセンターの一室でで寝たきりだ。

俺のせいだ、俺があの時、彼の言うことをちゃんと聞いていればこうはならなかった。
彼はそんなことないとなだめるが、あれがなければ彼が攻撃を受けることは無かったのだ。

ブレッド「ほら……その……そうじゃなくても、あのあと追跡中何かの偶然で脚の骨に銃弾がクリーンヒットして? みたいなのがあったかもしれないじゃん?」

ねぇよ

ブレッド「細い路地に足が挟まって抜けなくなって骨折とか」

ねぇよ
もうやめてくれ、そんな下手な宥めかた望んでない。そもそも宥められることを望んでない。

それから数日、俺はずっと彼のベッドの隣で座っていた、
どうすることも出来ず、

ただ座っていた。

いっそ他の人のパートナーとして警察に戻ろうか。

いや、こんな失敗をして受け入れてくれる人がいるとは思えない。
居たとしても俺のパートナーはブレッド一人だ。
 ▼ 7 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:12:50 ID:8ObpSpnw [7/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
ブレッド「この前さ、お前を警察用ポケモンとして引き取りたい、ってオファーが来たんだ」

「……!!」

本当か!?

ブレッド「でも断ったよ」

何で!?

ブレッド「あ……受けたかったの? ……ごめん」

「クゥン……」

思わず声が漏れた、何をいっている、そうだ、

俺のパートナーは彼だ、俺は……

ブレッド「そうだよな、やっぱり、こんな俺と一緒に居ても仕方無いもんな……」

「……」

否定できなかった。心の底では思っていたんだ。俺は失敗した、彼の側にいながら、自らの失敗で彼を傷付けた。もう夢を終えないほどに。それで何が
「パートナーはブレッド」
だ。彼のためにも、やっぱり俺は……

「……?」

彼のためにも、そう思った、当然だ、俺がここにいる資格は無い。だから……だけど……何故ブレッドは……
 ▼ 8 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:16:39 ID:8ObpSpnw [8/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

ドォンッ!!

問おうとした遮るように刹那、町全体に大きな爆発音が鳴り響く。

何だ!?

ブレッド「カーテンを開けてくれ! 外が見えない!」

バッ!

すぐに掛かった短いカーテンを退かし、窓の外を見る。

──

「なぁっはっはっはぁーい!」

ムサシ「残念だったわね!」

コジロウ「お前のポケモンの攻撃はぁ! 俺達のポケモンには通じない!」

見慣れない少女二人と青いポケモン、警察仲間が連れているのを見たことがあった、確か名前は……リオル。そしてそれと対峙するのは何度か見たことがあったロケット団だ。

「ううっ」

少女「“アニ”! 一旦逃げよう! 相性が悪すぎる!」

「でも……エーフィが!」


……! ポケモンが捕らえられているのか……!
 ▼ 9 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:17:03 ID:8ObpSpnw [9/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

ムサシ「さぁやっちゃいないさい!」

コジロウ「やれ! マーイーカ!」

リオル「……!」

「ダメッ!」

ブレッド「……!」

『ガーディ! 危ない!』

──くそっ!

気付いたら外へと飛び出していた、きっと敵の光線からリオルを必死で庇う彼女の姿が、あの時自分を庇った彼と、重なったからだろう。

バチンッ!

その瞬間、腹に刺さるような激痛が走り、空中で何が起きたかわからない内に気づけば後方に吹き飛ばされていた。

少女「……!?」
 ▼ 10 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:19:33 ID:8ObpSpnw [10/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

「グルル……ッ!」ザザッ……!

直ぐに立て直して敵を睨み付ける。

ムサシ「ゲッ! あの犬!」

コジロウ「いつもの!」

いつものように吹き飛ばしてやる!

「ガァルァーッ!!」

──甲高い声と共に放射された炎がロケット団に直撃し、遠い空の彼方へと吹き飛ばした──

少女「す、凄い……」

「あ、ありがとう……!」

少女「大丈夫……?」

「……」プイッ

怪我を、負ってしまった、早くポケモンセンターへ…………ダメだ、意識が……

ドサッ!

────────────────────────
 ▼ 11 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:19:54 ID:8ObpSpnw [11/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

────────────────────────

ん……うむぅ……眠ってしまっていた。

ここは……ブレッドの部屋か、どうやらだいぶ時間が経ったらしい、傷が完全に言えている。

「あっ! 起きた!?」

ッ!? な、何だ!? 眼前に顔面が!

少女「あぁっごめん……! ビックリした?」

いや、ビックリしてない……さっきの人間か……

ブレッド「お礼しとけよ、さっき助けてくれたんだぞ」

先に助けたのは俺なんだけど

 ▼ 12 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:20:25 ID:8ObpSpnw [12/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「さっきはありがとね?」ズイッ

顔が近い、君には遠近感覚がないのか。まぁいい、礼されているんだ、首くらい降っておこう。

少女「かわいい〜」

そうだ、ブレッドに聞き忘れていたんだ、せっかく受けたオファーを蹴った理由を……

ブレッド「あぁ、あれね……」

ブレッド「俺さ、ずっと……本当にこれで良いのかなって思ってたんだ……「お前」は本当にこれで良いのかなって」

ダメに決まってる。こんなところに居るより……
……? ずっと……? 思ってた?

ブレッド「お前は、本当に警察で良かったのかなって……」

「……?」

当たり前だ、俺はお前とその家族のために……

ブレッド「お前はそれが当然だったかもしれないけど、他のポケモンは違う。 みんな野生で産まれて、野生で生きていく内に色んな事を学ぶんだ。お前は強いし賢い、だからこそ俺はお前に、ただ人の言うことを忠実に聞くだけでなく、もっと色んな事を見て欲しいんだよ」

……色んな事……

ブレッド「誘いを断ったのもそれが理由だ」

なるほど、ブレッドはそんなことを考えていたのか……だけど、俺はどうすれば……俺にはどうすることも

ブレッド「そこでだ」
 ▼ 13 ヒダルマ@ウッディメール 16/12/01 21:20:35 ID:rhz16lHQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 14 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:20:45 ID:8ObpSpnw [13/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

「俺はお前をこの子に渡すことにした」

……なるほど、それは名案……ん?

少女「よろしくね!」

彼女か? この間抜けで気付いたら何もないところで転んで泣いてそうなこの子を?
確かにブレッドの言うこともわかる、実際型にはまったなかでの生活は窮屈だった。だけどこんな急に決めなくても……

ブレッド「こんな駆け出しのトレーナーに出逢うことなんて滅多にないぞ?」

やっぱり駆け出しなのか……だがブレッドが言うなら……

ブレッド「ガーディ、これは俺がお前に出す最後の指示だ、お前はこれから彼女に着いていき、カロスを、世界を見て回れ、そして彼女を……アニを彼女の夢、ポケモンリーグへと連れていってやれ」

ガーディ「……」

断る理由はない、甲高く、今までより一番大きな鳴き声で返事をした。

新たな旅立ちの始まりだ。

────────────────────────
 ▼ 15 ガスピアー@はっきんだま 16/12/01 21:23:54 ID:KfiO9hP2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 16 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:26:05 ID:8ObpSpnw [14/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

────────────────────────

月日が流れ、俺の現在の主人は彼女、アニそして共に旅をしているもう一人の少女リン。その他数体のポケモン達。
ポケモンを捕まえたり、町を観光したり、そこそこ充実した日々を送っていた。共に歩むことで徐々に関係は深くなっていき、彼女はとても喜んでいる様子だった。

アニ「うひひ〜ガーディを抱き着いたりモフモフしてもそっぽ向かなくなったんだよ〜?」

リン「ふーん」

アニ「仲良くなったんだぁ〜」フワフワ

リン「良かったじゃん……?」

アニ「うんっ!」

だが俺にはそれは不安にも繋がった。

仲が良くなればなるほど、“あの時”のような事を起こしかねないのだ。
そう、そしてその不安は的中した。
ジムバッジ二つ目を手に入れた後の帰り道の事だった。
 ▼ 17 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:26:52 ID:8ObpSpnw [15/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
リン「あ、こんにちはぁー」

すれ違い様に軽い挨拶をしたリンに対して急にそいつは突っ掛かってきたのだ。

「こんにちは? 既に空は真っ暗ですよ?」

リン「え? いや、でも時間的にはまだ五時だし……」

「こんばんは、それは、今晩は、から来ており晩は主に日没後を指す言葉。つまり日が沈み、空が暗い今は朝でも昼でも夕方でもない夜です。つまりおはよう、でもこんにちは、でもない、こんばんは、と言うのが正しいんですよそんな常識を間違えて人間として恥ずかしくないんですか?(早口)」

リン(何こいつめんどくさっ)

アニ(何か怖い人に絡まれちゃったぁ……)

※無駄に長いので読まなくて結構です。

「今あなたが考えたこと、当てましょうか? 面倒だ、と思いましたね、そもそも私だってこんな長ったらしく話すのは時間の無駄、面倒なのですよ、DE・SU・GA! あなたのような間違った考えをする人間が一人でも多くいることは自分にとって時間の無駄使い以上に有害! わかりますか?」

リン「で、でもっ」
 ▼ 18 ケッチャ@イナズマカセット 16/12/01 21:27:13 ID:Vo2rC/iE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
面白そうだ……!
 ▼ 19 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:27:48 ID:8ObpSpnw [16/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
面倒な奴だなぁ……

「問答無用! 時間よりも有害なあなたのような人間の話を聞いているのは最も不毛、私はあなた達のような人間と話しているほどあなた達のように暇ではないのでッ!」

リン(もうわかったよ……)

アニ「あなたの名前は? 何でそんな緑色なの?」

リン(馬鹿! 話が長引くだろ!)

「人に聞くならまずあなた達から名乗るべきでは? まぁいいでしょう私の名前はアヤタカ!」

((綾鷹!))

「そしてその名前と同じように目にも優しい緑と言うなの自然を見にまとい最強のポケモントレーナーを目指し生きる! さぁ名乗れ! 君達は何を名乗り何を望むのですか?」

最強のトレーナー……!

アニ「私はアニ、ポケモンリーグである人に勝つことが今の目標!」

リン「私はリン、アニの保護者よ」

「ほう、君のような間抜けな顔でバトルも弱そうで少しポケモンと絆を深めただけで泣いて喜びそうな君のような女がポケモンリーグに挑戦? 馬鹿にしているのか?」

……! 黙って聞いていれば好き勝手言いやがって……
 ▼ 20 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:28:38 ID:8ObpSpnw [17/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
アニ「うっ……そ、そこまで言わなくても……」ウルウル……

リン(アニのメンタルは豆腐以下、あんなに言われたら……!)

「ふっ、少しつつかれただけで既に涙目、それは図星だから言い逃れできないのでは」

アニ「う……」

おいッ!!

────抑えきれずにモンスターボールから飛び出す。

ガーディ「ワンッ!」

歯を剥き出し、甲高く鳴く。

アヤタカ「威勢の良い犬ですね、もしや私に挑む気ですか?」

アニ「ガーディ……バトルしたいの?」

涙で潤む目を擦りながらガーディの方を見る。敵を見据え、小さく答えるように頷く。

アヤタカ「望むところです、では、リンさん、審判を」

リン「……!」

突然名前で呼ばれ、驚きながらも了承する。

ガーディ(叩き潰してやる……!)
 ▼ 21 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:31:54 ID:8ObpSpnw [18/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

「ガーディ! かみつく!」

先に指示を出したのはアニ、それとほぼ同時に勢いよく地面を蹴り、敵に向け一直線に走り出す。

アヤタカ「腕を盾にしてください」

かわせないと踏んで前に出した右腕に容赦なく噛みつく。小さく悲鳴をあげるカメールだが噛み締め、負けじとガーディを睨み付けた。

アヤタカ「今です! 水鉄砲!」

アニ「まずい! 逃げて!」

アヤタカの指示を聞いた瞬間に下がることを指示するアニ、だがこの至近距離からの射撃でカメールが攻撃を外すことは無かった。

ザザザッ

アニ「大丈夫!?」

「クゥ……ッ!」
 ▼ 22 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:32:51 ID:8ObpSpnw [19/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

アニ「突進!!」

何とか受けきり、そのまま真っ直ぐ攻撃へと転じる。

アヤタカ「からにこもる!」

「……!!」

次に出される指示がわかっていたかのように殻に籠り、防御力を上げる。突進でのダメージも多少は入ったはずだがカメールはピンピンしている、それに対して弾かれて空中に投げ出されたガーディをもう一度水鉄砲を受け、更に反動でダメージを蓄積されてしまう

リン(あいつ……言動に違わず強い……!)

アニ「うぅっ……」
 ▼ 23 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:33:42 ID:8ObpSpnw [20/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

「ガーディ! 一気に行くよ! フレアドライブ!!」

焦って最大の威力で最大のリスクの決め技を指示する、ガーディも痺れを切らしたようだ。
迷わず炎を纏って走り出した。
だがそれはアヤタカの思う壺、落ち着いてもう一度カメールを殻に籠らせる。

ガンッ!

ガーディ(……!)

先程と同じように弾かれ、反動と落ち着いて放たれた水鉄砲で吹き飛ばされる。

ドサッ

リン「……」

「ガーディ、戦闘不能、カメールの勝ち、よって勝者、アヤタカ」

ガーディ「……クゥン……」

アニ「ごめんね、ありがとう、戻って休んでて……」

屈んでガーディを労い、モンスターボールに戻す。

リン「アニ……?」

アニ「あ、あの……ありがとうございました……! それと……」

震えた声で相手に挨拶する
 ▼ 24 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:34:11 ID:8ObpSpnw [21/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

アヤタカ「ふん、やはりこの程度ですか、ポケモンの力は悪くないですがトレーナーのあのワンパターンな攻撃の指示は酷い」

リン「ち、ちょっと! そこまで言わなくても良いでしょ!」

「いくらポケモンだけ強くなってもそれが従えるトレーナーがダメダメではポケモンリーグは愚か、バッジを集めきることすら不可能です。もう諦めてはどうですか? 不要な夢を見るのはやめたほうが──

リン「あーもう!うっさいなぁ! わかったからもう黙れ!」

「行くよ!」グイッ

アニ「え、あぁ……! 待ってよ……!」

俯くアニの腕を強引に引いてその場から去るリン。

アヤタカ「……ふん」

────
 ▼ 25 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:34:37 ID:8ObpSpnw [22/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

「う、うぐ……」

リン「もう……泣かないで?」

アニ「だってぇ〜……」

リン「……」

アニ「うぅ……ぐすっ」

……外ではリンがご主人を宥めている。胸が痛い。
彼女はよく泣く、泣き虫と言われても否定できないくらい。
だけど最近は泣くことが少なくなった。
泣くのにも、それが減るのにも理由がある。
それがわかっているからこそ、彼女の涙を減らしたいと思った。
彼女はただ自分に忠実に生きる俺ではなく、自分と仲間の俺を選んだ、だから、それで彼女が喜ぶのなら、と、その願いにも従った。

だがそれも……失敗だった。

やはり俺は忠実にあるべきなんだ。

ただ、彼女に……“彼”にも……ただ忠実に……


まずは彼女の夢だ。

『ある人に勝つこと』

今のままじゃダメだ
 ▼ 26 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:34:57 ID:8ObpSpnw [23/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
そしてその夜……

アニ「……? あれ? ガーディは……?」

気づけば、走り出していた。

強くならなければいけない

『ポケモンリーグへと連れていってやれ』

これは彼との約束でもある。

──走り続けること約数十分

ガチャンッ!

「いらっしゃいま……せ?」

勢いよくドアを叩き、店内に入った。
そこは「秘密基地」から人間の早さで一、二時間走ったところにあるミアレシティの石屋。

あった!

この石だ!

「ちょっと君!? 何して!」

ガラスケースの中宝石のように赤く輝く石。

これがあれば
 ▼ 27 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:35:30 ID:8ObpSpnw [24/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガシャンッ!

刹那、外に浮いた謎の気球から巨大なアームが延び、店内へと侵入する。

ニャース「にゃ? レアなガーディも要るにゃ!」

ムサシ「一緒に頂いていくわよ!」

「ひぃっ!?」

ロケット団か……! 邪魔だ!

コジロウ「さぁ進化の石は全て俺達が頂」

ムサシ「へっ!? ちょちょっ来たばっかなのに!」

ドォンッ!

「やなかんじー!」

吹き飛んだな……相手をしている暇は無いんだ、さて、どうにかしてこの石をケースから

アニ「ガーディ!!」

……!
 ▼ 28 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:36:14 ID:8ObpSpnw [25/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
アニ「良かった! 探したんだよ!」

どうやってここが?

リン「リオルが足跡を追って探してくれたの」

「ち、ちょっと! そのポケモンは君の子かい?」

アニ「……! あっ、す、すいません!」

……! 主人が謝る必要はない! 俺が勝手に……

「はぁ……ポケモンはちゃんと気を付けて管理してください? ですが、今回彼は結果的に悪党からこの店を守ってくれました」

……!

アニ「……?」

「本当はダメ何だけどね、やるよ、これが欲しいんだろ?」

手に持ってるのはまさに望んでいた赤い石。
 ▼ 29 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:36:46 ID:8ObpSpnw [26/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

アニ「これって……」

リン「炎の石?」

そう、俺はこれが欲しかったんだ!


これがあれば俺はまた、もっと……!


──強くなれる!

その石に触れた瞬間、体が白い光に包まれた。

黒い模様は虎のように、
その体と頭や足首に生えた白くたくましい体毛は更に大きく、

変化していく。


ウインディ「グオオオオォォォッ!!!」

──進化を遂げ、大きく雄叫びを上げる──
 ▼ 30 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:37:15 ID:8ObpSpnw [27/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

アニ「……! す、凄いよガーディ! ……じゃなくて、えーっと……」アタフタ

リン「ウインディ、でしょ?」

アニ「かっこいいよウインディ〜!!」ダキッ!


「……!」プイッ!

アニ「……?」

ダメだ、もう感情的に動くのは止めたのだ。
彼女が悲しんでも一時のもの、彼女にはその先の幸せを掴ませてやるのが約束だ。少なくともそれまでは下手に馴れ合うのは……

アニ「ウインディ……またそうなっちゃうの……?」ウルル……

リン「あ、アニ?」

泣きそうだから何だ、俺は彼女の目標を果たすためだけに戦うだけ。

アニ「せっかく仲良くなれたと思ったのに……」グスッ

『彼女の涙を減らしたいと思った』
 ▼ 31 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:38:04 ID:8ObpSpnw [28/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
リン「これからまたゆっくりやってけばいいよ、進化したら性格が変わる場合もあるって聞くし……時間は……」


アニ「だっていつになるかわからないじゃんかぁ」

リン「そうだけど……」




これで……いいのだろうか……
 ▼ 32 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:38:49 ID:8ObpSpnw [29/31] NGネーム登録 NGID登録 報告

俺は、少し主人達と親しくなりすぎたようだ、このまま……悲しみ続ける彼女を無視して感情を圧し殺せる自信がない。

……強く……なれば……

俺がもっと、もっと、どんな状況でも、誰にも負けないくらい強くなれば……

それで敗けたら、それをまた更に、共に越えればいい……

──頬をなめ、彼女の流れる涙を拭う──

「……!」

その頬に流れる涙を少しでも減らしてみせよう

今も、これからも

歩み続けよう、

生き続けよう

君の望む俺で……

ただ、忠実に……






おわり……?
 ▼ 33 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 21:42:35 ID:8ObpSpnw [30/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
くぅ〜全く疲れてませんが。
○○の物語シリーズ第二弾。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
 ▼ 34 ルシェン@ひかるおまもり 16/12/01 22:46:16 ID:Vo2rC/iE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
乙。
まさか短編になるとは思ってなかった。
続きとかあったら読みたいなぁ。
 ▼ 35 ガチャーレム@ぼうけんノート 16/12/01 22:56:29 ID:KfiO9hP2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ここからが大事だろーがーっっ!!
焦らしプレイかーーっっ!!

乙です
 ▼ 36 の人◆ll6J2md5hg 16/12/01 22:57:04 ID:8ObpSpnw [31/31] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>34
「一応」シリーズ物なので似たようなタイトルで続編を出すと思います。良ければ見てn(
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