【SS】真夏と少年のポケモン戦争【冬だけど】:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】真夏と少年のポケモン戦争【冬だけど】:ポケモンBBS

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【SS】真夏と少年のポケモン戦争【冬だけど】

 ▼ 1 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 16:14:50 ID:/LyRzB3M [1/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

戦争でもロリコンでもラブストーリーでもない夏の始まり。
 ▼ 2 リゴン2@こだわりメガネ 17/01/19 16:15:26 ID:S/iXzSxc NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!面白かった!
 ▼ 3 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 16:15:55 ID:/LyRzB3M [2/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

「返せ!」

僕は力強く立ち塞がり、叫んだ。
視界の背景にはぐちゃぐちゃに荒らされ、
物が無惨に散らばった家。

こんなの、おかしいだろ、あっていいわけがないんだ!

男「あ? 餓鬼!? 邪魔すんじゃねぇよ!」

男のとなりには体の穴から異臭の煙を放つポケモン、そして手には小さなポケモンをいれた頑丈な網。

少年「サンドを返せ!」

網に入れられているのは、物心がつく以前からずっと一緒に暮らしていた家族のような存在のポケモン。
 ▼ 4 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 16:17:22 ID:/LyRzB3M [3/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

男「やだよ、こいつ珍しいもん、貰ってくぜ」

嫌な笑い方で網を持ち上げ、僕を見下す。
網の中からは助けを求める弱々しい瞳。

少年「絶対渡さない!」

男「退け!」

「ダメ!」

僕を蹴ろうとするその間に割って入り、
男の蹴りから守ったのは母、
そのまま大きな体で僕を抱え、

「この子だけは」
何て言って後ろに下がる。

何故……

 ▼ 5 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 16:17:59 ID:/LyRzB3M [4/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

「ママ! サンドが!」


何で……


「はなして! いやだ!」


叫びも届かず、
男はサンドを入れた網を担いで遠ざかっていく。

少年「サンド──ッ!!!」

小さな体では、母の手から抜け出すことも出来ない。


ただ、涙を流した。
 ▼ 6 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 16:18:37 ID:/LyRzB3M [5/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

少年「何で……サンドが──」

「ごめんね……! 私が、守れなくて……」

少年「取り返しに行く!」

「ダメよ! あなたまで居なくなってしまったら……」

喚き散らして暴れる僕を、
いつもと変わらない暖かい体で抱き締める。

少年「戻ってくる!」

「いい!? あなたがどれだけ頑張っても──」

少年「取り返せる!」

「──どうしようもないときだって……諦めるしかないときだってあるの……!」

少年「……う、うぅ……!」

服を掴んで額を押し付ける。

涙が、止まらなかった。

「どんなに理不尽な事だって、受け入れるしかないの……わかった……?」

返事は出来なかった。
 ▼ 7 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 16:19:09 ID:/LyRzB3M [6/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

──────────────────────
 ▼ 8 マナッツ@ユキノオナイト 17/01/19 16:23:32 ID:5z/hZrsc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
これは期待大だぞ〜
支援!
 ▼ 9 チニン@プロテクター 17/01/19 16:26:13 ID:vAlVju6I NGネーム登録 NGID登録 報告
真夏の夜の淫夢?
 ▼ 10 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 16:51:56 ID:/LyRzB3M [7/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

僕の家がある町には、大きな森とお社がある。
大抵人っ子一人居ないそのお社。
いつも僕はその近くの長い坂を使って買い出し等の移動をする。

あの日のショック、あれから数年たって、俺も成長した。
流石に未だに引き摺ってるなんて事は無いが、
一度もあのサンドの事を忘れたことはない。

10歳から旅に出る人もいるらしいが、俺は旅には出ずに家でポケモン達とゆったり暮らしている。
最初は試しても見たが、
俺はどうにも、バトルには向いてないらしい。

少年「そろそろ腹へったな……」

ピカチュウ「ピカ……」

少年「ご飯買いに……着いてくる?」

ピカチュウ「ピカーッ!」

元気よく応えるピカチュウを籠に入れ、今日もいつものように自転車を漕いで、森を隣にした長い坂を上る。
 ▼ 11 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 16:52:42 ID:/LyRzB3M [8/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

「やたらいい天気だな……」

夏、森から虫ポケモンたちが鳴く声が聞こえてくる。嫌な時期。

そんなことを考えながら帰路を通っていると、いつもと違う風景が目に飛び込んできた。

「ん?」

「おいで!」

お社のすぐそば、小さなポケモンと戯れる小さな少女。

珍しいな……緩い坂を少し弱い勢いにまかせて下る。


一瞬ではあったが、
一人の少女とポケモンが遊ぶその姿に、
サンドの事が頭をよぎった。
 ▼ 12 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 17:18:14 ID:/LyRzB3M [9/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

──次の日も、彼女達は遊んでいる。

──その次の日も、彼女達は居た。
可愛らしいその光景に思わず小さな笑みがこぼれる。

少女「……?」

少年「げっ!」

だが向こうもこちらに気づいたようで、慌てて笑顔を崩した。
変に思われていないといいのだが……。

少年「あ、今日もいる……」

彼女達はいつもそこで遊んでいた。

次の日も、
その次の日も、
更に次の日も、

いつのまにか晩飯の買い物をして、
少女達の姿を見るのが日課のようになっていた。
 ▼ 13 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 17:18:47 ID:/LyRzB3M [10/28] NGネーム登録 NGID登録 報告


7月5日、夏の夕暮れ。
自転車を漕いでいつものように買い物から家へ、そして通るお社の前。

しかしそこにいつもの楽しげな光景はなく。
鞄を放り投げて蹲る少女を見てしまったんだ。

森の影に飲まれて消えてしまいそうなほど小さなその少女に、思わず話しかけた。

少年「どうしたの?」って……
 ▼ 14 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 17:50:07 ID:/LyRzB3M [11/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
………………………………………………

いや、勿論何があったかを、
必ず答えなきゃいけないわけじゃない。
ましてや俺は一方的に見てきたが実質初対面。

だけどまぁ、こうも鮮やかに無視されると
正直くるものがあるので……orz

何てゴチャゴチャと呟いた僕に、

相変わらず黙り込んでいた少女が、
何かの拍子で立ち上がって叫ぶ。



「「 うっせー、ロリコン! 」」



──!?
 ▼ 15 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 17:50:38 ID:/LyRzB3M [12/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


少女「くーちゃんをかえせ!」

──返せ!?

少女「腐れ童が!」

──腐れ童!?

少女「何処にいるのか答えろ!」

怒濤のように飛び出した妄言、罵詈雑言。

少女「うぐっ……うえええええええええ!!」

うわ、何かまた泣き出しちゃった……


「いや、僕は青春バカです。ハイ。」


いや、何言ってんだ僕は!?

僕は!
動揺でもしてるのか?

ホントもう……「何だってんだ……!」

やけくそに叫ぶ、電線に止まっていたポッポ達が驚いて飛び立っていった。
 ▼ 16 柑星応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 17:51:28 ID:/LyRzB3M [13/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

──気付けばもう日が沈み、世界が少し蒼くなる。
泣き疲れた少女は冷静を取り戻して言った。

少女「くーちゃんは、ロコンって言うポケモンです……この辺に住んでます」

「だけど、最近は何故か居ないんです……何処に言ったんでしょうか……?」

ロコン、
聞いたことはあるが、
出会った事はなかった。

少年「よし、じゃあ、明日探しに行こうか」

僕は少女に提議した。
すると少し驚いて照れくさそうに笑った。


「サンキュー、ロリコン」

空を見上げると一等星が光輝く。
ただ、僕らはこの場所にいたかったんだ……。

 ▼ 17 ガカイロス@なぞのすいしょう 17/01/19 18:06:45 ID:myATfB7M NGネーム登録 NGID登録 報告
支援C
 ▼ 18 クスロー応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 18:38:01 ID:/LyRzB3M [14/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

早速翌日。
いつものお社のそば。

少女「ぴかちゅう……かわいい」

ピカチュウ「びぃかぁ〜」

嬉しそうに撫で回されて困った様子のピカチュウ。

少年「ポケモン、好きなんだね」

少女「……うん」

悲しげな顔で頷く少女。

少年「よし、とりあえず、そのくーちゃんの特徴とか教えてよ、ロコンって見たことなくてさ」

少女「ロリコンとロコンって似てる」


…………


少女「ソーリー、ロリコン。くーちゃんはこれくらいの大きさで……赤い体に、ふわふわのしっぽが六つに別れてます」

手で小さく円を描き、ロコンの大きさを例える。

少年「なるほど……赤い体なら、目立ちやすいかも」
 ▼ 19 クスロー応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 18:38:50 ID:/LyRzB3M [15/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
少女「見つかります……かね……」

不安そうに俯く少女を何とか元気付けて歩き出す。

森の中、
住宅の隙間、裏、
二人手分けして町中を探し回る。

そして時間はすぐにたっていく。

「はぁ……」

溜め息をして歩いていると、
ガヤガヤと道端で騒がしい男達。

ポケモン達を奪ったり、
そのポケモン達で悪さをしたり、
この辺りでは有名な輩達だ。
その中には、サンドを奪った男もたまに目に留まった。

「知らん顔しやがって……」

向こうは俺の顔すら覚えてないようで、
睨み付ける勇気もなく。気分悪そうにただ下を向いて歩いた
 ▼ 20 クスロー応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 18:39:32 ID:/LyRzB3M [16/28] NGネーム登録 NGID登録 報告


その日は結局ドンマイで、何の収穫も得られなかった。

もうどうすりゃいいかわかんないや……
何て心で叫んでも空しくなるだけで。

『諦めるしか無いときだって』


「明日はきっと見つかるさ!」

少女「……うん!」

脳裏に浮かぶ母の言葉と、
現実を振り払って言う僕に、
応えるように笑う少女の笑顔がただ悲しかった。

 ▼ 21 クスロー応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 18:51:19 ID:/LyRzB3M [17/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

──そして、


太陽が昇りきらない朝の買い物の帰り、
僕は昨日と同じ場所へ自転車を漕いで向かっていた。

お社のある森が眼前に見える長い坂を下る。
その途上で僕は、
二、三人、
いや、三、四人でガヤガヤと騒がしい
柄の悪い男達と、
その手にある袋が気がかりで……。

あいつは……

あの男は……

『──』

 ▼ 22 クスロー応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 18:51:52 ID:/LyRzB3M [18/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
── サア本題ダ ──
 ▼ 23 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 18:57:58 ID:/LyRzB3M [19/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
あ、酉は同じでしたがコテが変わってました
 ▼ 24 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:29:13 ID:/LyRzB3M [20/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

僕は少女の待つそこに到着した、

だがそこで目に写ったものは、

いつかの様子で、塞ぎ混む少女と、

足元辺りに、小さな赤い獣の



首のないぐちゃぐちゃな亡骸が落ちていた……。




「……狂ってんな」

 ▼ 25 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:29:45 ID:/LyRzB3M [21/28] NGネーム登録 NGID登録 報告









──── 大破した ────







 ▼ 26 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:30:16 ID:/LyRzB3M [22/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

鼓動が激しく高鳴って、

感情の制御が効かなくなって、

耳を劈くような、
町全体に轟くような、
爆声音で、

──叫んだ。

こんなの、
おかしいだろ、
あっていいわけがないんだ……

少女の涙と、瞳に写ったのは、


我を忘れて、


狂犬のように、


走り出した。

──少年の背中。
 ▼ 27 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:30:51 ID:/LyRzB3M [23/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

駆け上がった先に、

群れる略奪兵を、


『どんな理不尽な事だって』


殴り倒して、


『受け入れるしかないの……』


──叫ぶんだ!





「「 わからねぇよ!! 」」

 ▼ 28 ガリザードンX@ばんのうごな 17/01/19 19:30:59 ID:DyB3iXt6 NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 29 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:31:22 ID:/LyRzB3M [24/28] NGネーム登録 NGID登録 報告


男「何しやがる!」

「餓鬼!?」

少年「ピカチュウ!」

ピカチュウ「ビッカァ──ッ!」


繰り出したのは、

忘れもしない、


あの日の男、

男「餓鬼!? 邪魔すんじゃねぇよ!!」

あの日のポケモン、

「やれ! サンドパン!」


少年「……!!」

「サンド──ッ!!!」

 ▼ 30 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:31:55 ID:/LyRzB3M [25/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

吐いて

『絶対に取り返す!』

『あなたがどんなに頑張っても』

『どうしようもないときだって』


『くーちゃんを──』

『サンドを──』

少年「「──返せ!!」」



少年「ピカチュウ!! 10万ボルト!!!」
 ▼ 31 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:32:29 ID:/LyRzB3M [26/28] NGネーム登録 NGID登録 報告

泣いて

掴みとった物は、

紅く染まった袋から飛び散ったものは……

──こんなくだらない現実でしか無いんだろうか?

男「退け!」

少年「……!?」

絶え間ない攻撃と、
痛痒の終末に、
突き落とされて、
この坂を転がっていく……



落ちていく……

 ▼ 32 イドン@イアのみ 17/01/19 19:32:29 ID:nneFUgIU NGネーム登録 NGID登録 報告
真 夏 の 夜 の 淫 夢 ?
 ▼ 33 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:33:03 ID:/LyRzB3M [27/28] NGネーム登録 NGID登録 報告


ピカチュウ「……ぴぃかぁ……」

少年「……」

目を開ければそこは星の巴、

僕の手を掴み離さない少女、

今は二人、目を合わさずに、

ただ、
空を眺めていた。







完。
 ▼ 34 ングドラ@スキルコール 17/01/19 19:33:38 ID:rQSK.9kc NGネーム登録 NGID登録 報告
>>32
oh...
 ▼ 35 柑応援団長◆yLCNnejvKA 17/01/19 19:33:42 ID:/LyRzB3M [28/28] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
 ▼ 36 ゾノクサ@きんのいれば 17/01/19 20:07:48 ID:254gAsc. NGネーム登録 NGID登録 報告
そのサンドパンってもしかして…
うわっ涙出て来た(T_T)
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