レッド「メガシンカ……か……」カルム「ラストだ」:ポケモンBBS(掲示板) レッド「メガシンカ……か……」カルム「ラストだ」:ポケモンBBS

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SS

レッド「メガシンカ……か……」カルム「ラストだ」

 ▼ 656 ットロトム@ボロのつりざお 17/06/11 18:41:39 ID:rrsF5BiQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やはりこのスレは神だな
このSSを超えるSSを見たことがない
 ▼ 657 チート@ヒールボール 17/06/11 18:48:02 ID:BoSdpYsc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とても面白い 支援
 ▼ 658 mTQB7XkZdk 17/06/11 23:50:35 ID:OxX4Z/Xs [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……リキッ!?」

カイリキーの体が、なんと独りでに宙へと浮かび上がった。

……いや。

と言うよりは、持ち上げられた。

"サイコキネシス"。

"エスパー"タイプの技の中でも高い威力を誇る、"かくとう"のカイリキーには効果抜群の技だ。

ポリゴンZは、超能力でカイリキーを浮かし、そこから……。

「ビビーーーーー!!」

……更に強い念力を、彼に向けて送りつける。

すると。

「……リキィィァァァッ!!」

カイリキーの体が、突如として苛烈に締め上げられた。

そこにカイリキーを縛る縄のようなモノは見当たらないが、まるでそれによって束縛されているが如くの苦しみを、カイリキーは慟哭と言う形で叫んでいる。

"サイコキネシス"によって、カイリキーの身動きが完全にポリゴンZに掌握されてしまったのだ。

もはやカイリキーを持ち上げることも、または握り潰すことも、ポリゴンZの自由自在。
 ▼ 659 mTQB7XkZdk 17/06/11 23:51:15 ID:OxX4Z/Xs [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
だが勿論、その時間は限られている。

念力は時間経過と共にどんどん薄れていき、やがてカイリキーは術から解かれる。

その時初めて、"サイコキネシス"はフィニッシュの一撃を迎えるのだ。

「ビーーーー!」

ポリゴンZはその時を悟ると、カイリキーを締め付けるのをやめて。

「リキィ!?」

しかし、"サイコキネシス"という不可視の縄で彼を縛り付けたまま。

遠心力を思いきり働かせながら、最終的にはカイリキーを……乾ききった恵み無き大地へと叩きつけたのだった。

「リキィァッ!」

効果は抜群。

"ノーガード"の効力は発動者自身にも及ぶため、カイリキーは何も出来ずに、成されるがままポリゴンZの"サイコキネシス"を受けてしまった。

「カイリキー……!」

"ノーマル"しかタイプを持たないポリゴンZは、"エスパー"の"サイコキネシス"をあまり得意としない。

故にその威力は最高の域に達しておらず、効果抜群と言えども一撃必殺とはならなかった。

だが、それでも受けてしまった損傷はデカい。
 ▼ 660 mTQB7XkZdk 17/06/11 23:59:52 ID:OxX4Z/Xs [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……リ……キ!」

何とか気合いで立ち上がるカイリキー。

満身創痍、ボロボロの肉体ながらも、彼は果敢に構えてみせる。

……と。

二人の戦いが一つの節目を迎えようとした、その時だった。

「ゴー君、代わって!」

「へ?」

ミヅキの焦ったような声が突然響く。

「逃すものか!」

すると次に轟いたのは、ワタルの追撃の一言。

「フライゴン、"だいちのちから"!」

「ふりゃあ!」

フライゴンが叫ぶと、バンバドロの足元から_____

「ドロォォッ!!」

____超高温のマグマが、地を割って噴出した。
 ▼ 661 プ・テテフ@ふたのカセキ 17/06/12 05:53:22 ID:lZmdj0N2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 662 mTQB7XkZdk 17/06/13 01:39:40 ID:/t1iGTNs [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ミヅキさんが……圧されてる!?」

フライゴンの"だいちのちから"の前に、耐えることしかできないバンバドロ。

その光景を見てゴールドは、以前彼女が自分をミミッキュで圧倒していたことを回想しつつ、驚愕した。

あれほどの強さがありながら、ワタルを相手に防戦一方だなんて……と。

「いやぁ、はは……フライゴンの"ふゆう"のせいでバンバドロの"じめん"技が効かないんだよねぇ〜」

……フライゴンには、"ふゆう"という特性がある。

つまり空を飛んでいる状態なので、地面を揺らしたりなどといった攻撃は当たらないのだ。

そして生憎、バンバドロはそういった"じめん"の攻撃を主力としている。

よって、フライゴンと戦うにはバンバドロでは非常に相性が悪いのだ。

「だから……その……代わって?」

"やっちゃった、てへ!"みたいな顔でゴールドにウインクで懇願するミヅキ。

ゴールドは若干呆れたような表情を浮かべながらも、それに頷いた。

「……分かりました」

「では、カイリキーはお願いします」

ゴールドの方も正直、このままカイリキーを相手にし続けていたらポリゴンZを失いかねないと思っていたので、ミヅキの提案はある意味好都合。
 ▼ 663 mTQB7XkZdk 17/06/13 01:40:33 ID:/t1iGTNs [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかしそれは逆に、カントー・ジョウトにとっては不都合の事態だ。

「させっかよ、オイ!」

グリーンは、アローラのバトンタッチを阻止するべく動く。

「カイリキー、ポリゴンZにもう一度"インファイト"!」

「リキィ!!」

カイリキーは再び駆け出し、標的を鋭く睨むと全ての拳に力を込める。

四つもの豪腕を以てして敵に襲いかかるその姿はまるで、古より言い伝えられし神・"阿修羅"のよう。

やがて突き出された鉄拳は、ポリゴンZに直撃____

____するはずだったが。

「バンバドロ、庇って!」

「ドロッ!!」

バンバドロが、カイリキーの前に突如として立ち塞がった!

「何!?」

ポリゴンZに向けられた"インファイト"を、バンバドロが身を呈して防ぐ。

「……リキッ!」
 ▼ 664 mTQB7XkZdk 17/06/13 01:45:49 ID:/t1iGTNs [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
最初の一撃がバンバドロに当たってしまった以上、それまでの標的のことなど考えてはいられない。

こうなったら、最後までバンバドロに連撃をぶつけるまで。

「リキリキリキィィッ!!」

高速の連打、その一つ一つにカイリキーは魂を込める。

無数の哮りと剛拳が止めどなく飛び交い、バンバドロを痛烈に打ち付けていく。

「……ドロッ!」

……だが。

バンバドロは、そんなカイリキーの全力の"インファイト"を受けてもなお、涼しげな表情を浮かべていた。

「……リキッ!?」

効いていない。

カイリキーはそう確信する。

「オイオイ……なんつー堅さだよ」

グリーンの手持ちの中でもトップクラスの破壊力を誇るハズのカイリキーの怪力。

しかしそれは、奇しくもバンバドロには通用しなかった。

今までカイリキーが放ってきた攻撃は、耐えられることはあっても、全く効かなかったなんてことは無い。

未だかつてない事態が、グリーンの戦慄による心拍数を上げていく……。
 ▼ 665 ルトス@ルカリオナイト 17/06/13 06:06:15 ID:IK37i9wM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 666 mTQB7XkZdk 17/06/14 00:45:46 ID:osfqionk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
(さすが、ミヅキさんのバンバドロだ)

(特性"じきゅうりょく"によって、防御面がかなり堅牢になっている)

バンバドロは、敵から攻撃を受ける度に"ぼうぎょ"があがる"じきゅうりょく"という特性を持っている。

バトルの進行と共に受けるダメージが減っていくという優れた能力だ。

尤も、上がるステータスは"ぼうぎょ"のみなので、特殊攻撃に弱いのが難点だが……。

先程までのフライゴンとの戦闘で、バンバドロは攻撃を相当受けていたようなので……。

……今のバンバドロの肉体は、物理攻撃を全く受け付けない強靭なモノとなっていることだろう。

故に、カイリキーの物理主体の戦法では全くもって相性が悪い。

カイリキーにとっては嫌な壁が立ちはだかったわけである。

対してポリゴンZにとってそれは、己を守る大きな砦だ。

「よし……」

バンバドロがカイリキーを惹き付けている内に、ゴールドはバンバドロを脅かすフライゴンの相手をする。

「ポリゴンZ、フライゴンに"れいとうビーム"!」

巻き上がる砂嵐を凍てつかせながら、"れいとうビーム"が一直線に迸った。

「邪魔をするな!」
 ▼ 667 mTQB7XkZdk 17/06/14 00:46:21 ID:osfqionk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「フライゴン、"かえんほうしゃ"!」

「ふりゃ!」

ワタルは"こおり"に対抗して、"ほのお"の"かえんほうしゃ"を吐き出した。

炎と氷、二属性の光線は激突すると、段々と炎が氷を溶かしていく。

「……ビビッ!?」

やがて"れいとうビーム"が"かえんほうしゃ"を相殺しきれなくなり、とうとう押し負けたポリゴンZは、あえなく火だるまとなってしまった。

「"こおり"対策は万全……ということか」

"ドラゴン"と"じめん"を持つフライゴンにとって、"こおり"は天敵中の天敵である。

故に、フライゴンを操るトレーナーには、"こおり"への何らかの対策が求められてくる。

それをワタルは、"かえんほうしゃ"という手段で補ったようだ。

因みにタイプ構成がガブリアスと同一なため、二匹はよく比較の対象となる。

そして、多くの者は口を揃えてこう言うのだ。

"ガブリアスの方が強い"……と。

と言うのも、多くのステータスにおいてフライゴンがガブリアスに勝っている点が無いのだ。

特に攻撃力に関していえば、フライゴンはガブリアスに圧倒的に負けてしまっているのが現実。
 ▼ 668 mTQB7XkZdk 17/06/14 00:49:10 ID:osfqionk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかしワタルは、そんな世間の評価が許せなかった。

なぜなら。

(どうだ!)

(フライゴンだって、ガブリアスには負けてない!)

(フライゴンにはフライゴンの良さがあるんだ!)

彼は生粋のドラゴン使いであり、生粋のドラゴンファン。

"皆違って皆良い!"という考え方を持っているため、フライゴンとガブリアスで優劣をつけようとする下馬評には腹を立てているのである。

そして、そんなワタルとフライゴンの勇姿を、この少女は目を輝かせて刮目していた。

「すごい!あのオジサン、フライゴンを上手く活躍させているよ!」

そう、アイリスだ。

アイリスは、ワタルと同じドラゴン使い。

昨日の第二試合で、彼女はオノノクスを巧みに使い見事ダイゴのメガメタグロスを捩じ伏せてみせた。

大胆かつ華麗なその戦いぶりにワタルも一目置いたその少女が、今日は観戦席で彼を応援している。

しかし、そんなアイリスの横で同じくバトルを見守るこの青年、Nは彼女の発言に対して思ったのだった。

(……オジサン……ではないよね)

……女の子に老けて見られてしまったワタルを、Nは少し憐れむ。
 ▼ 669 ギアル@マグマスーツ 17/06/14 05:55:43 ID:f74frNSQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっとフライゴン育ててくる
支援
 ▼ 670 スラオ@こだいのどうか 17/06/17 01:08:31 ID:YDMUr7Xw NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 671 mTQB7XkZdk 17/06/17 03:09:05 ID:EZ8t8.1Y [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
…………

……

……バトル開始の刻から、20分あまりが経過した。

にも関わらず、カントー・ジョウトとアローラの両チームは、未だに互いが退治している相手ポケモンを倒せていなかった。

カイリキーは、バンバドロに持ち前のパワーで攻撃し続けているものの、バンバドロの耐久力がそれ以上に凄まじいせいでダメージを殆ど与えられておらず。

かたやポリゴンZは"れいとうビーム"でフライゴンを凍らせに行こうとするが、フライゴンの"かえんほうしゃ"による炎の障壁がそれを阻んでいる。

また、比較的優位な立ち位置にあるバンバドロとフライゴンも、それぞれの敵に有効打を突けていないのが現状だった。

だが、そんな互いに一歩も譲らぬ一進一退の攻防の中で。

唯一、明確に試合の不利有利を裏付ける要素がここに来て顕れた。

それは……"砂嵐"だ。

「……リキッ」

「ビビーー……」

見ると、カイリキーとポリゴンZの二匹は、"じめん"を持つバンバドロとフライゴンに比べて明らかに体力の消耗が激しい。

息、あるいは不協和音が切れかかっており、体に負っている傷もまた著しく。

そこから負の連鎖が繋がるように、動きが鈍くなったり技の威力が弱まったり……。
 ▼ 672 mTQB7XkZdk 17/06/17 03:11:10 ID:EZ8t8.1Y [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
……と、こういった彼らの弱体化の原因は"砂嵐"にある。

吹き荒れし砂が、カイリキー達の体を無尽蔵に襲うため、カイリキー達は体力を磨耗されてしまうのだ。

「……リキィィィ!!」

傷だらけの武道家は、それでも自らの心と体に鞭を打って進撃する。

その拳の矛先は、何度でもポリゴンZに向けられたが。

「ドロォ!」

バンバドロが、幾度となく肉の壁となりて妨害してくる。

"じきゅうりょく"によるダメージ軽減の上昇率は、今や最高潮にまで達していた。

絶え間ない交戦の果てに、バンバドロは如何なる打撃も受け付けない、無敵の装甲を手にしたのである。

戦火と共に成長していくポケモン、それがバンバドロ。

一方で、カイリキーの体力は砂嵐のせいで減っていくばかりだ。

二匹の命の灯火は、最早業火と種火に例えられるぐらいに差が広がってしまっていたのだった。

「リ……キ……」

ふと、カイリキーの全身がグラッと揺れる。

気付けば、彼の意識は非常に朦朧としていた。
 ▼ 673 チルゼル@きれいなぬけがら 17/06/17 06:38:33 ID:0pFzKysg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 674 エンジシ@じめじめこやし 17/06/18 00:35:32 ID:ZU5rJxwU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 675 mTQB7XkZdk 17/06/18 03:24:32 ID:eMkiOgUI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……リキィィ」

彼の体躯を支える屈強な両足が、安定していない。

指一本でも触れようものなら崩れ落ちそうな……そんな、まさに砂の像のような状態。

このカイリキーの異変に気付いたグリーンは、身に迫りし潮時を感じた。

(くっ……カイリキーはここまでかよ)

本当なら倒せたハズのポリゴンZ。

しかし、バンバドロに行く手を阻まれたせいで、その討伐は叶わなかった。

(にしても、あの馬のバカみてェな防御力は一体何なんだ……)

(もしアレで"とくぼう"の値も高けりゃ笑えるねェぞマジで……)

グリーンに立ちはだかる鉄壁の城塞、バンバドロ。

しかし、そんな驚異的な防御力にも弱点は存在する。

と言うのも、特性"じきゅうりょく"によって上がるステータスは、あくまでも"ぼうぎょ"だけであり。

つまり、バンバドロが完全にシャットアウトできるのは物理攻撃による被ダメージのみ。

だが、そんな"じきゅうりょく"はバンバドロとその進化前である"ドロバンコ"というポケモンだけが持つ珍しい特性。

そのため、バンバドロを本日初めて見るグリーンは、その致命的な特性の欠陥を見抜けていなかった。
 ▼ 676 mTQB7XkZdk 17/06/18 03:25:03 ID:eMkiOgUI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
もしグリーンがバンバドロというポケモンのスペックを知っていたならば、物理主体で戦うカイリキーは直ぐに交代させていたことだろう。

そう……事前に知識があるか否かで、戦局というのはこうも著しく変わる。

いくつも用意されていたパラレルワールド、その中でも特に悪い世界へとグリーンとカイリキーは誘われてしまった。

だが、そんな望みが絶たれし道筋でも、決して光を見失ってはいけない。

例え、巻き起こりし砂塵の突風が視界を曇らせ、その光を閉ざそうとも。

グリーンは、カントー最強の名に恥じない戦いぶりを遺憾無く発揮する。

(……とにかく、バンバドロは後続で処理するとして)

(このままカイリキーだけが先に倒されるのだけはゴメンだ)

(置き土産は置かせてもらうぜ……!)

プライドをバネにし。

どこまでも食い下がる。

「ワタルさん!……頼むぜ」

グリーンの、その突然の合図があった時。

「……良いだろう」

……彼らの"反逆"が、始まる。
 ▼ 677 レディア@こおったきのみ 17/06/18 06:47:55 ID:yQhXjbeU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 678 ィオネ@しんかいのウロコ 17/06/18 23:12:45 ID:zNCIElE2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やったぜ
 ▼ 679 mTQB7XkZdk 17/06/19 02:14:48 ID:Byo2Le2g [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「カイリキー!」

「リキッ!」

これまでとは気迫が一味違う、グリーンの張り上げたその声に、カイリキーは力強く応じた。

彼の筋骨は気合で大きく盛り上がり、その闘志には焔が甦る。

先程までほぼ瀕死になりかけていたカイリキーが、ここにきて息を吹き返した。

「……むむむ」

その復活の引き金となった何かが、グリーン達にはある。

直感的にそう感じたミヅキは、それまで少し抱いていた油断の雑念を瞬時に吹き飛ばし、警戒。

来る最後の"足掻き"に備える。

「よし……」

そしてグリーンは、放った。

予めワタルと打ち合わせて、用意しておいた____

____誰もが一度はやっていそうで。

しかし誰もやらなかった……"奇策"を。

「____フライゴンに、乗れ!」
 ▼ 680 mTQB7XkZdk 17/06/19 02:15:21 ID:Byo2Le2g [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「リキッ!」

……刹那、カイリキーは自身という巨体を跳躍によって浮かせると。

「ふりゃあ!」

「リッキィ!」

フライゴンの背に股がり、なんと……"騎乗"した!

「ああっ……そうきたかぁ!」

"しまった"と言わんばかりに表情を汗と共に歪めたミヅキ。

そう。

このようにして飛翔可能なポケモンに飛び移り、ライダーとなることで。

「よっしゃ!行けカイリキー、フライゴン!!」

それまで道を塞いでいたバンバドロを、軽々空を駆けて越えることが出来る。

それこそ、グリーンの狙いだったのだ。

至極単純明快な連携技であるが、この作戦は思いの外敵の奇を突いて。

「……ビビーー!?」

あっという間に、標的たるポリゴンZの所まで辿り着いてしまった。
 ▼ 681 mTQB7XkZdk 17/06/19 02:16:47 ID:Byo2Le2g [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ま、まずい……!」

ゴールドは応戦しようにも、今やカイリキーとフライゴンは一心同体となっているために、まるで突ける隙が無くなっていることに気付く。

その時に、ゴールドの手は完全に止まった。

「フライゴン、ポリゴンZに突っ込め!」

ワタルの指示と。

「カイリキー!ポリゴンZに"インファイト"!」

グリーンの指示。

その二つが融け合った瞬間____新たなる技が生まれる。

フライゴンに搭乗せしカイリキーは、全力で拳を唸らせ突進。

そこにかかる遠心力も、重力も、全てその腕に乗せていき。

敵を穿つ力へと変え。

「リギィィィァァッ!!」

「ビ____」

「ビーーーーーーーーー!!」

……一閃。

効果抜群の大技・"インファイト"で、完膚なきまでに捩じ伏せた。
 ▼ 682 ガハガネール@するどいキバ 17/06/19 06:01:11 ID:asx97zQ2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おおお!?
支援
 ▼ 683 ーデリア@トライパス 17/06/19 23:40:36 ID:Nl2w/MfA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すげええええ!
 ▼ 684 mTQB7XkZdk 17/06/20 02:21:20 ID:eLHcf8p6 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ビビッ」

フライゴンに乗ったカイリキーが放った、全身全霊のインファイト。

食らったポリゴンZは、自身の残存体力を遥かに超越するダメージを負い……。

「ビー、ビー、ビー……」

……システムエラーが発生。

再起不能となり、まるで糸の切れた操り人形のように地面にポトッと落ちて、倒れてしまった。

「ポリゴンZ、戦闘不能!」

審判の判断が下され、ポリゴンZの瀕死が確定。

「……くっ」

ゴールドはその知らせを聞くと、歯を食い縛り悔しそうな表情を滲ませながら、モンスターボールにポリゴンZを格納したのだった。

だが、その直後。

「……リキッ」

……なんと。

ポリゴンZを見事に撃破した張本人であるカイリキーまで、力が抜けたのか、フライゴンから転がり落ちてしまい。

「リ……キ」
 ▼ 685 mTQB7XkZdk 17/06/20 02:21:52 ID:eLHcf8p6 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
やがて墜落すると、大の字に寝転がって……そのまま、目を回して気絶してしまった。

「……っ」

グリーンはその様子を見て、驚きはしない。

寧ろ、これが"自然"だと思った。

先刻までのバンバドロとの戦いで、ただただ余分に体力を消耗させられていたカイリキー。

砂嵐のスリップダメージも含め、彼に蓄積していた傷の量は既に致命的なモノだった。

そんな満身創痍ともいえる過酷な状態の中で、カイリキーは己の死力を尽くし、インファイトを放った。

結果として、それが最後の一撃となったのである。

まさに命賭け。

「……カイリキー、戦闘不能!」

審判の声がすると、グリーンは微笑しつつカイリキーをボールに戻した。

「上出来だ」

「最高だったぜ」

今日、全力で闘い抜いた者に敬意を表す。

例え、この後の試合が如何なる結果になろうとも。
 ▼ 686 mTQB7XkZdk 17/06/20 02:22:52 ID:eLHcf8p6 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
カイリキーの活躍は、この会場に居る全ての者共の目に……強く焼き付いたことだろう。

「……さすが、だな」

「ああ……」

眼前のバトルに、レッドは思わず息を飲んだ。

自身最大のライバルが、かつて自分を負かした因縁のトレーナー相手に、互角以上に渡り合っている。

この時、レッドは思い出した。

常に自分の先を進んでいた……グリーンというトレーナーの強大さを。

彼の"資質"は、あれから数年経った今でも殆ど色褪せていない。

未だなお、彼は強くなり続けている。

偉大な祖父から受け継いだであろう類い稀な才能と、そして……誰にも負けない"努力"によって。

「……うし」

「"コイツ"だな」

と。

グリーンはついに、最後に繰り出す二匹目のポケモンを選出する。
 ▼ 687 mTQB7XkZdk 17/06/20 02:23:45 ID:eLHcf8p6 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……いよいよ後がない」

「任せたぞ」

ゴールドも同様だった。

勝つのはカントー最強か、それとも……ジョウトの英雄か。

「やれ!」

「"ギャラドス"!!」

……グリーンのラストは、きょうあくポケモン・"ギャラドス"。

深淵より地上へと舞い上がり、傍若無人に暴れまわる悪龍。

奴が無差別に放つブレスは、周りの風景全てを凄惨な焦土と化し。

奴に食い荒られた者共は、鮮血に彩られながら無惨な屍を晒す。

「ギャォォォォォアアアアアッ!!」

ギャラドスの、鼓膜を貫くが如しの凄まじい咆哮。

激震する水の怪物を前にして、ゴールドも対抗馬を繰り出す。

「これで決める!」

「いけ……"ハガネール"!」
 ▼ 688 ワシ@しずくプレート 17/06/20 05:55:37 ID:R7bxbMM2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 689 mTQB7XkZdk 17/06/21 12:18:10 ID:OXd8qNn2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゴールドが繰り出したのは、荒野を這いずり回る巨大な鋼の蛇。

その名もハガネール。

「ガラララララ!!」

いわへびポケモン"イワーク"が、"メタルコート"を纏って進化した姿だ。

その防御力は抜群に高く、また、大きくて頑丈な顎による噛みつき攻撃も、食らったらひとたまりもない。

更に、"はがね"タイプの装甲は砂嵐を跳ね返すので、この天候でも地味な持続的ダメージに邪魔されずに、存分にその力を奮うことができる。

「ギャオオッ!!」

「ガラララッ!!」

二対の蛇、相見える。

バトルフィールドの環境的には、ハガネールの方が砂嵐を無効に出来る分有利だが……。

……"じめん"も併せ持つハガネールは、ギャラドスの強力な"みず"技が効果抜群なので怖いところ。

加えて、"ひこう"を備えるギャラドスに"じめん"の技は通用しない。

もっと言うと、"はがね"では"みず"に余り大きなダメージを与えられない。

もっともっと言うと、横のフライゴンも"ふゆう"の特性を持っているため"じめん"が通用せず、ハガネールの"はがね"ではフライゴンの"じめん"にそれほどのダメージが期待できない。

つまり……ゴールドにとって、タイプ相性的には全くもって最悪な対面なわけだ。
 ▼ 690 mTQB7XkZdk 17/06/21 12:19:30 ID:OXd8qNn2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
とはいえ、二匹目を出してしまったからにはもう交代できない。

結果がどうあれ、最後までハガネールで敢闘しなければならないのだ。

「…………」

……"ニッ"。

そんな擬音が聞こえてきそうな、ゴールドの不敵な笑み。

どうやら彼には、この圧倒的不利な状況を覆す術があるらしい。

しかし一方で、ミヅキはこの状況を危険と判断していた。

(……ゴー君が何を考えているのかは分からないけど)

(流石に"じめん"だけで"ひこう"や"ふゆう"に太刀打ちするのは無理があるよね)

(……代えるかな)

ミヅキが出しているバンバドロもまた、ハガネールと同様"じめん"タイプを持つ。

しかし、相手が"じめん"を無力化するポケモンばかりなために、そのポテンシャルは十分に発揮されない。

ゴールド側には何か策があるにしろ、ミヅキはバンバドロのままじゃ戦えないと悟った。

なのでミヅキは、バンバドロの入っていたボールをまず構え。

「……戻って、バンバドロ!」
 ▼ 691 mTQB7XkZdk 17/06/21 12:24:02 ID:OXd8qNn2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
バンバドロを、ボールに戻す。

そして次に。

もう一つ……別のモンスターボールを大きく振りかぶると。

「行って!」

「"キュウコン"!」

……出てきたのは、氷を操る、美しき白銀の衣を纏った九尾の獣。

彼女が荒れ果てた大地に降臨した、その次の瞬間。

なんと、ポケモン達をあれほど苦しめてきたあの忌まわしき砂嵐が、突然パタリと止み……。

代わりに、細々とした無数の氷の粒……"あられ"が降ってきた。

彼女の特性・"ゆきふらし"の効果である。

砂舞う戦場は、一転、氷結せし世界へと大きく変貌を遂げた。

「ヒュォォォォ……」

"キュウコン"。

その艶やかなる姿を、観戦席から目の当たりにしたレッドは……。

「……えっ?」

まるで鳩が豆鉄砲を食らったかのような、驚きに唖然とする表情を……浮かべたのだった。
 ▼ 692 リミアン@ぎんのはっぱ 17/06/21 15:03:49 ID:mb12Lt4E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
炎じゃないから戸惑うよなそりゃあ
 ▼ 693 フーライ@ていこうのハネ 17/06/21 16:57:35 ID:9eKqFExo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガハガネールの特性
 ▼ 694 ャラコ@ドリのみ 17/06/21 16:58:32 ID:pV4x9k/M [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
あら?いつもと登校時間違う
 ▼ 695 プ・テテフ@ももぼんぐり 17/06/21 16:59:07 ID:pV4x9k/M [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>694
登校→投稿な
 ▼ 696 レシー@ヤゴのみ 17/06/21 17:04:48 ID:0anoOe4E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>693
発動する前に味方に天候変えられてやんのww
 ▼ 697 mTQB7XkZdk 17/06/22 02:52:51 ID:1lJbeHbs [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ね、ねえ、カルム」

「ん?」

レッドの突然の呼び掛けに、カルムが応じる。

レッドは、ミヅキの銀に輝くキュウコンを見た時、自分の目を疑った。

なぜなら。

「……あれって、本当にキュウコンなの?」

「色違い……みたいだけど、明らかに雰囲気が違いすぎる気がする」

……レッドの知るキュウコンと、今目の前で氷雪を纏いながら凛々しく佇んでいるミヅキのキュウコンは、明らかに見た目が異なっていたからだ。

「キュウコンは、"ほのお"タイプのポケモン」

「なのにあのキュウコンは……なんだか、"こおり"って感じだ」

……彼の中で起こる矛盾。

レッドの問いに、カルムは少し頭で考えた後……。

「……俺も、噂でしか聞いたことがないんだけどな」

そう前置きをして、ゆっくりと口を開け語り始めた。

「あれは恐らく……"リージョンフォーム"ってヤツだろう」

「単なる"色違い"ではない」
 ▼ 698 mTQB7XkZdk 17/06/22 02:55:36 ID:1lJbeHbs [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
それは、ミクリのアシレーヌのような単純な色違いにあらず。

"リージョンフォーム"と呼ばれる、ある一つの確立された概念のもとで存在していると、カルムは言う。

だがレッドは、"リージョンフォーム"なんて言葉を聞いたことが無かった。

「リージョン……?なにそれ」

レッドは、質問に更に質問を重ねる。

カルムは答えた。

「その地方の環境によって、特定のポケモンの姿が通常と大きく変わることがあるらしい」

「"リージョンフォーム"は、そうしたポケモン達の総称って言ったところだな」

カルムのこの説明に、レッドはハッと気付いた。

「……あっ」

「そうかじゃあ、あのキュウコンは……アローラのキュウコンってこと?」

アローラ代表のミヅキが、カルムの言う"リージョンフォーム"のキュウコンを繰り出したということは。

それ即ち、そのキュウコンはアローラの環境下で生まれ育った個体である可能性が高いということ。

レッドのこの推測は確かに的を射ていたようで、カルムはコクリと頷く。

そして。
 ▼ 699 mTQB7XkZdk 17/06/22 02:57:33 ID:1lJbeHbs [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「全く……ポケモンってのはホント、面白いヤツばっかだな?」

次の瞬間には、あまりに不思議なポケモンの特異な生態に、思わず笑みを漏らしていた。

「……ふふ、そうだね」

レッドは同調する。

トレーナーが生きる日を重ねるごとに、ポケモンという生き物の謎はどんどん深まっていく。

またそれに比例して、ポケモン達は限りなく魅力的な存在になっていくのだ。

レッドとカルムはそれを感じると、笑わずにはいられなかった。

お互い、本当にポケモンが好きなんだなと実感する。

ポケモンの新たな可能性、"リージョンフォーム"。

しかし、観戦席がそれに対し純粋に夢を見ている一方で。

バトルフィールドに居る彼……ゴールドは。

「ミ、ミヅキさん!」

「あの……折角"すなあらし"に強いハガネールを連れてきたのに、なんで急に"あられ"にしちゃうんですかぁ!」

ほんの数分前まで砂嵐が舞っていた戦場が、唐突に霰が降り注ぐ雪原に変わってしまったことに困惑し、その原因を作ったミヅキに抗議していた。

これでは、わざわざハガネールを持ってきた意味が無くなってしまうじゃないか……と。
 ▼ 700 mTQB7XkZdk 17/06/22 03:01:12 ID:1lJbeHbs [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「あわわっ!?ご、ごめ〜んっ!」

「いやぁもう私ったら、ついウッカリ♪」

「"ついウッカリ♪"、じゃないですよ!?」

天候が"あられ"になったことで、キュウコン以外のこの場に居る全てのポケモン達に課せられるダメージは等しくなった。

そうなると、タイプ相性でただでさえ全体的に不利をとるゴールドのハガネールは、地の利さえも奪えない形で場に出てしまったことになる。

まさにゴールドは、味方の行動によって窮地に立たされてしまったわけだ。

……だが。

(こんなことなら別のポケモンを出していた方が効率は良かったな……)

(……まあ、これならこれで良いけど)

それでも揺るがない確固たる"勝算"が、ゴールドにはあるらしい。
 ▼ 701 ノガッサ@むげんのふえ 17/06/22 06:33:11 ID:brK.rcSs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 703 ョボマキ@ミアレガレット 17/06/22 10:47:00 ID:NSa2BY/g NGネーム登録 NGID登録 報告
山篭り時のレッド、只の天狗野郎説
 ▼ 704 キメノコ@ラムのみ 17/06/22 21:49:54 ID:M0HZ9tY2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴールドの勝算が気になるな〜
 ▼ 705 mTQB7XkZdk 17/06/23 02:54:44 ID:/8SgcTHw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
…………

……

「……アレが、アローラのキュウコンってか」

「見たところタイプは"こおり"……俺のフライゴンは厳しくなりそうだな」

彼らの対戦相手であるグリーンとワタルの二人も、突如として出現した氷のキュウコンには意表を突かれている。

特にワタルは、"じめん"・"ドラゴン"のフライゴンが最も不得意とする"こおり"タイプの登場に動揺を隠せなかった。

「あれ?もしかしてワタルさん……ビビってんすか?」

と、焦りによって汗を少し垂らしていたワタルに、グリーンが挑発的に突っかかる。

……すると。

「……ああ」

ワタルは、目の前のキュウコンに対して臆していることをアッサリと認めてしまった。

「"こおり"タイプは、俺らドラゴン使いにとっては永遠の宿敵」

「正直言って、遭遇するだけでも肝を冷やしてしまうよ」

果敢なドラゴン使い・ワタルにしては、随分と弱気な発言だった。

「おいおい……」
 ▼ 706 mTQB7XkZdk 17/06/23 02:56:06 ID:/8SgcTHw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
思った以上に反発の意思を見せなかったワタルに、グリーンは嘲笑を通り越して心配の念を抱く。

「だからとりあえず、キュウコンの相手はよろしく頼むよ」

ワタルのその言葉は、もはや"丸投げ"とも捉えることができよう。

しかし、なぜだろう。

どこか彼は……ワタルは、"余裕"だった。

「……へーへー、分かりましたよ」

ワタルの真意こそ掴めなかったものの、グリーンは一応彼に言われたことに対し承諾する。

そして、サッと身構えた。

「さぁ、やんぜギャラドス!」

「ギャォォ!!」

己が召喚した暴走せし水竜・"ギャラドス"を操って。

「キュウコンに、挨拶代わりの"たきのぼり"!!」

「ギャアアアアアアアッ!!」

下命を賜ったギャラドスは、滝をも昇れる程の凄烈な勢いで、キュウコンに突進攻撃を仕掛ける。

その時のギャラドスの形相は、まるで鬼のようだった。
 ▼ 707 mTQB7XkZdk 17/06/23 02:56:34 ID:/8SgcTHw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
敵に対する殺意で、溢れ返っている。

それに対し、優雅に銀色の体毛を靡かせているキュウコンは。

「"オーロラベール"っ!」

「ヒュォォ!!」

ミヅキの指示を受けると____

「……ヒュォォォォォォ……!!」

____豊かな音色の美しき遠吠えを、氷原にて高らかに響かせた。

すると、次の瞬間。

「ッ!?」

突如として、虹色に輝く謎のベールが、キュウコンを優しく包み込んでいく。

そして。

「ギャォォォァッ!!」

ギャラドスとキュウコンはついに激突。

ギャラドスの必殺・"たきのぼり"が、見事にキュウコンにクリーンヒットした。

……だが。
 ▼ 708 ールナー@やけたきのみ 17/06/23 06:00:16 ID:P5V2TqPc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なるほどー
 ▼ 709 ヤコマ@あかいバンダナ 17/06/23 07:57:37 ID:YGrqWCCI NGネーム登録 NGID登録 報告
アロキュウなんて氷フェアリーだからな、ドラゴン絶対殺すマンみたいなタイプだな
 ▼ 710 mTQB7XkZdk 17/06/24 02:42:23 ID:My4pdpCU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ギャォンッ!?」

……ギャラドスは、その衝突に違和感を覚えた。

思った程の手応えが無かったのである。

どこかで技の威力が殺されているような……そんな感じがした。

現に……。

「ヒュォォン」

……キュウコンは、ギャラドスの殺気立った"たきのぼり"を受けてもなお、涼しい表情を保っている。

あの様子を見るに、ダメージが軽減されているのは確かだ。

「……あの技か」

するとグリーンは、"たきのぼり"が直撃する前にミヅキが放ったとある指示を思い出す。

"オーロラベール"。

確か、あの技はそんな名前だった。

"オーロラベール"が発動した瞬間、キュウコンを包み込んだのはオーロラの如く虹色に輝く美しきベール。

あのベールによって、技の火力が減らされているのだとすれば……。

「……根気よく、だな」
 ▼ 711 mTQB7XkZdk 17/06/24 02:43:46 ID:My4pdpCU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
……そう。

グリーンに求められるのは、粘り強き闘い。

しかし逆に言えば、その一方でミヅキ側は、余裕のある落ち着いた戦闘が出来るということ。

「挨拶は返さなきゃねっ!」

「キュウコン、"ふぶき"!」

「ヒュォォ!」

キュウコンは、敵全体を巻き込む極寒の強風・"ふぶき"で凄烈なる反撃。

「!」

これに素早く対応したのはワタルだった。

"ふぶき"は、キュウコンと相対しているギャラドスだけでなく、その隣に居るフライゴンにもダメージが及ぶ攻撃。

そして高威力の氷属性なため、フライゴンが食らえばご臨終ルートまっしぐら。

思い出詰まった走馬灯を見ることになるだろう。

それだけはなんとしてでも避けたいワタルは、ミヅキの"ふぶき"に不意を突かれることなく……。

「"かえんほうしゃ"で、大気を熱するんだ!」

「ふりゃ!」
 ▼ 712 mTQB7XkZdk 17/06/24 02:44:17 ID:My4pdpCU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
……"かえんほうしゃ"を指示し、攻撃としてではなく防壁としての活用で、"ふぶき"からしっかりとフライゴンの身を守った。

とはいえ、全てのダメージを0に出来たわけではない。

いくらかの氷が残滓となり、フライゴンの体に若干張り付いている。

「ふりゃぁ!!」

勿論これも、"かえんほうしゃ"で全て溶かすわけだが、常にこのリカバリーが間に合うわけではない。

迫り来る氷雪の猛威に対する、炎による回復が追い付かなくなる時は、いずれやって来る。

そうなる前に、ギャラドスがなんとしてでもキュウコンを仕留めなければならない。

そのためには、"オーロラベール"によるダメージ軽減効果が厄介だ。

「ハッ……そんな小細工ぐらい、すぐにぶっ飛ばしてるぜ」

「ギャォォォゥ!!」

そんな状況の中、あくまでも力で押し切ることを宣言したグリーンとギャラドス。

しかし、そこへ……。

「ハガネール、"いわなだれ"!!」

……今度は、ゴールドのハガネールによる奇襲。

「ガラララララ!!」
 ▼ 713 mTQB7XkZdk 17/06/24 02:44:54 ID:My4pdpCU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ハガネールが猛々しく咆哮を上げた、その時だった。

ギャラドスとフライゴンの背後に突然、岩の雪崩が降り注いでいく。

「ギャォォ!?」

「ふりゃ!?」

見事に不意を突かれ、戸惑うポケモン達。

しかしトレーナー達は、これを冷静な判断で対処した。

「んな子供騙しに引っ掛かるな!」

「ギャラドス、全て"かみくだく"で粉砕しろ!」

「フライゴン、"だいちのちから"で木っ端微塵にするんだ!」

この程度の奇襲、彼らはこれまでの人生で何度も経験している。

例えポケモン達がその場で冷静さを欠いても、トレーナー達が落ち着いて指示を出せば……。

「……ギャオ!」

「ふりゃあ!」

……ポケモン達もまたそれに呼応して、本来の実力を発揮し対処することができる。
 ▼ 714 ソクムシ@しらたま 17/06/24 08:33:31 ID:GSBPFQQk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
かっけえ…
支援
 ▼ 715 ュレム@フェアリーZ 17/06/24 15:38:25 ID:xYmk2ou. NGネーム登録 NGID登録 報告
ゾワって来た

支援
 ▼ 716 ョボマキ@ねらいのまと 17/06/24 21:25:45 ID:Gk2cFdN6 NGネーム登録 NGID登録 報告
フリドラぶっ刺さり
 ▼ 717 mTQB7XkZdk 17/06/25 10:33:20 ID:Z30K32o6 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギャラドスは、その強靭なアギトで。

フライゴンは、地底よりの噴火を呼び起こして。

それぞれ、岩々を跡形もなく破砕する。

ハガネールの"いわなだれ"は、失敗に終わった。

「くっ」

「ガララァ……」

ゴールドは不意を突いたつもりだったが、思うようにカントー・ジョウト勢に対して攻撃を当てることが出来ない。

仕掛けた岩の奇襲もことごとく打ち砕かれ、ゴールドの頬に焦燥の流汗が走る。

「さあ、行くぞゴールド君!」

と、ここで声を張り上げたのはワタル。

彼はカントー、並びにジョウトのチャンピオンの座に座る者。

かつては、ジョウトのジムを連覇してきたゴールドを迎え撃った。

その時は、ワタルはゴールドに負けを喫してしまったが……。

「フライゴン!」

「ハガネールに、"だいちのちから"!」
 ▼ 718 mTQB7XkZdk 17/06/25 10:33:53 ID:Z30K32o6 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
……今度こそ勝利すべく、彼は奮起する。

砂漠の精霊とも唱われる竜・"フライゴン"との、巧みなチームプレイで。

「ふりゃぁぁ!!」

"はがね"に有効打を突く"じめん"の一撃。

「ガラ……ッ!?」

ハガネールはこれを避けきれず、直撃を受けてしまった。

「ハガネール!」

効果は抜群。

しかし……。

「……ガラァ!!」

……ハガネールは、然程のダメージは食らっていないらしく。

"だいちのちから"が終了した後、彼は直ぐに力強い咆哮を上げ、己の有り余る体力を主張した。

「何……!?」

ワタルはこれを不可解に思う。

いくらハガネールが堅牢と言えども、流石にフライゴンの効果抜群"だいちのちから"を食らって平気でいられるハズがない、と。
 ▼ 719 mTQB7XkZdk 17/06/25 10:34:28 ID:Z30K32o6 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……!」

「ちょい、ワタルさん……アレを見てみてくださいよ」

と、グリーンは突然ハガネールを指差して、ワタルに直視することを促した。

「?」

彼は言われた通り、その方向に目をやる。

すると……。

「……!」

「ハガネールにも、キュウコンと同じ虹色のベールが……!?」

……そう。

纏っているのだ……ハガネールも。

キュウコンと同じ、"オーロラベール"を。

「アレを見るに、"オーロラベール"とやらは味方にも付与されるらしい」

「だからフライゴンの"だいちのちから"も、そこまで効かなかったんでしょうよ」

「厄介だな……」

グリーンの分析と、それに頭を悩ませ顎に手を当てるワタル。
 ▼ 720 mTQB7XkZdk 17/06/25 10:35:00 ID:Z30K32o6 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
"オーロラベール"の防護効果は、もはや万能の域だった。

「ふふふふ、どーだ!えっへん!」

そして、それをダブルバトルで巧みに活かすミヅキは、ドヤ顔で高笑い。

フンスと鼻息を吹かせ、胸を張る。

「ミヅキさん……助かりましたけど、みっともないのでそれは辞めてください」

ゴールドは、彼女のサポートに対し素直に感謝すると共に、少々大人げない態度を改めるように言う。

実力は本物なのだが、イマイチ雰囲気に欠ける人だな……と、ゴールドはこっそり心で思った。

「よっし!まだまだ行くよー!」

と、そんなゴールドの言葉など全く意に介することなく、彼女は更に調子に乗って攻めの一手を仕掛ける。
 ▼ 721 ンメン@ネストボール 17/06/25 10:40:23 ID:PC2GdeeU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
強靭なアギトで草
顎の間違いだよな?


支援
 ▼ 722 ムナイト@バグメモリ 17/06/25 10:44:57 ID:1Hr4E4dI NGネーム登録 NGID登録 報告
>>721
アギトでも良いはず
 ▼ 723 ブネーク@ノワキのみ 17/06/25 10:59:21 ID:PC2GdeeU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>722
そうなの知らんかった

すまん
 ▼ 724 mTQB7XkZdk 17/06/26 02:49:43 ID:m1D91yE6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「氷を防げるなら、今度は……!」

「……キュウコン、フライゴンに"ムーンフォース"!」

「ヒュォォ!」

キュウコンは、天に向かって甲高く吠えると、妖しい紫に煌めく月のエネルギーを一点に集約。

そして、ある一定の大きさまでそのエネルギーを球体状に凝縮させると……。

「ヒュゥ!」

……強力な念力で、それを標的たるフライゴンへ勢いよく射出。

竜を滅する"フェアリー"タイプの大技・"ムーンフォース"が炸裂した。

「"フェアリー"の技も使えるのか……!」

"こおり"に続いて"フェアリー"も使ってきたキュウコンに、ドラゴン使いのワタルは更なる脅威を感じ取る。

と言うのも、竜にとって氷と妖精の二属性は、タイプ相性上における最大の天敵。

その二つを同時に兼ね備えるミヅキのキュウコンは、もはや"ドラゴンスレイヤー"と言っても過言ではない。

竜殺しの奥義を前に、ワタルは。

「……かわせ!」

「ふりゃ!」
 ▼ 725 mTQB7XkZdk 17/06/26 02:50:35 ID:m1D91yE6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
氷系の技とは違って、"かえんほうしゃ"で相殺できる気がしなかったのか、とりあえず回避させた。

しかし、この回避の後に何も繋げることが出来なければ、それは敵にとって絶好の隙となる。

その隙を作らないためにワタルは、すぐさまフライゴンに次なる指示を繰り出した。

「からの、キュウコンに"かえんほうしゃ"!」

一旦照準をハガネールからキュウコンに移し、燃え盛る炎のブレス・"かえんほうしゃ"を放つ。

「ふりゃぁぁ!!」

竜をも凍てつかせる忌まわしき氷を、跡形もなく溶かすために編み出した技。

降りしきる霰を巻き込みながら、"かえんほうしゃ"は直線を描いてキュウコンへと向かった。

「ヒュォ!?」

対してキュウコンの方はというと、"ムーンフォース"を放ったばかりなせいで硬直が発生し、機敏に動くことができない。

このまま攻撃が当たれば、いくら"オーロラベール"があろうとも確実なダメージとなろう。

「よし……!」

ワタルはそれを確信すると、勝ち誇ったような笑いを見せた。

……だが、彼がその時一瞬だけ見せた"隙"を。

この少年は……見逃さなかった。
 ▼ 726 mTQB7XkZdk 17/06/26 02:51:01 ID:m1D91yE6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ハガネール、"こおりのキバ"!」

「ガラララッ!!」

ゴールドの一声。

「何!?」

ワタルが彼の方へ振り向いた時には、もうそこまで迫っていた。

その巨体からは考え付かないような凄まじいスピードで……そう、ハガネールが。

「ガラァァァッ!!」

「ふりゃ____」

……ハガネールが、口を大きく開けた。

その頃"かえんほうしゃ"は、既にキュウコンに直撃していた。

「ひゅぅ!?」

砂漠の精霊が放った獄炎に、氷河の妖精は虹色のベールを纏っていながら苦しげに鳴いている。

しかし、そんなことどうでも良いと思えるようになるほど、今ワタルは激しく戦慄している。

この鋼の大蛇でさえ、氷属性を使うのか……と。
 ▼ 727 タグロス@メガリング 17/06/26 05:58:39 ID:eSPRGfQ2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
落ち着け〜
支援
 ▼ 728 ジギガス@ドラゴンジュエル 17/06/26 09:52:30 ID:4zxs5aQM NGネーム登録 NGID登録 報告
まぁポケモンってゲームはどっからでも氷が飛んでくるからね。しょうがないね
 ▼ 729 ガミュウツーY@じめじめこやし 17/06/26 14:46:39 ID:zxnMOKdo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
個人的にアローラ勝手欲しい
 ▼ 730 オッキー@うみなりのスズ 17/06/26 15:55:51 ID:dQgp3qdk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 731 mTQB7XkZdk 17/06/27 02:46:52 ID:GX9rPMRg [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「危ねぇ!」

「ギャラドス、フライゴンを守るんだ!」

「ギャォォォァゥ!」

ワタルのフライゴンの危機を察知したグリーンは、ギャラドスに早急に助けに向かわせる。

従いしギャラドスは、その蛇のように長い体を豪快にうねらせながら猛進。

そして牙を突き立て、ハガネールに噛み付き攻撃で強襲した。

その顎はハガネールの首もとを確実に捉え、奥に潜ませた鋭利な牙を、グサリと頑丈な岩の体に突き刺す。

だが。

「……ガラッ!」

ハガネールは、その程度の攻撃で止まることはなく。

全く怯む様子も見せないまま、彼は冷ややかな氷に覆われた大顎を____

「ガラァァァッ!!」

____思いっきり、閉じた。

対象たる一匹の竜を、包み込みながら。

「ふりゃぁぁぁっ!!?」
 ▼ 732 mTQB7XkZdk 17/06/27 02:47:29 ID:GX9rPMRg [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
"こおりのキバ"が、フライゴンを打ち砕く。

「フ……フライゴン!!」

ワタルの彼を呼ぶ叫びは、吹きすさむ寒風の中で虚しくかき消えた。

地に降っては溶け続けている冷たい霰。

すっかり水浸しになっていた荒野に、フライゴンは力無くポトリと落下する。

彼は体を氷に侵食されながら、目を回して気絶していた。

「ふ……りゃぁ」

翼も凍結していて、とても飛べるような状態ではない。

砂塵の竜は、鋼鉄の蛇にまんまと食い潰され、敗北してしまった。

「フライゴン、戦闘不能!」

これでワタルも、残り一体という名の窮地に追いやられる形に。

「……よくやってくれた、フライゴン」

「ふりゃぁ……」

フライゴンを、労いと共にボールに戻すワタル。

その胸中は、気が滅入っているという思いで一杯だった。
 ▼ 733 mTQB7XkZdk 17/06/27 02:48:40 ID:GX9rPMRg [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
(……まいった)

(どいつもこいつも"こおり"ばかり使ってくるせいで、俺のドラゴンは非常に闘いづらい)

敵のキュウコンとハガネールは、二匹とも氷属性の技を有している。

加えて、氷を補助する天候・"あられ"も現在進行形で持続しているために、その技の一つ一つの威力が重い。

氷を弱点とする"ドラゴン"タイプにとっては、かなり不利な状況といえよう。

しかし生憎なことに、本日ワタルは、手持ちのポケモンを全て"ドラゴン"タイプで統一して出場していた。

生粋のドラゴン使いたる彼の、強き信念の証明である。

……それと、まさかここまでドラゴンに逆風が吹くことになるとは、彼自身思って無かったのだ。

(……こういう時こそ、己のポリシーを貫くんだ)

(頼んだぞ)

すると彼は、一つのモンスターボールを取り出し。

胸に秘めたる熱き勝利への想いを、その中に眠っているポケモンにグッと託した。

こんな状況だからこそ、ワタルには、心の底から頼れる一匹のポケモンがいる。

それは____

「……いけ!!」

「"カイリュー"!!」
 ▼ 734 ミカラス@りゅうのプレート 17/06/27 06:34:28 ID:qe8fCGh6 NGネーム登録 NGID登録 報告
カイリューキター!
支援
 ▼ 735 シラム@りゅうのウロコ 17/06/27 06:39:14 ID:Yo9R5nqo NGネーム登録 NGID登録 報告
バリアーカイリューですか!?
 ▼ 736 チュル@オッカのみ 17/06/27 07:30:18 ID:iSo8euVI NGネーム登録 NGID登録 報告
は か い こ う せ ん!!
 ▼ 737 ャヒート@きょかしょう 17/06/27 11:38:24 ID:zuYYIBRQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カイリュー!トレーナーに向かってはかいこうせんだ
 ▼ 738 mTQB7XkZdk 17/06/28 02:08:37 ID:sKFQz73E [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
……カントー・ジョウト最強のドラゴン使い、その切り札。

"カイリュー"。

「グァァァイッ!」

彼は、その凶暴な鳴き声とは裏腹に、とても優しげな瞳を持っている飛竜のポケモン。

体型は小太りといった感じで肉付きが良く、しかし背中の両翼は巨体に対して極端に小さい。

基本的に海を縄張りにしていることから、時として"海の化身"などと呼ばれることがある。

普段は温厚で人懐っこい性格だが、その逆鱗に触れてしまったが最後、全てを破壊するまで止まらないという……。

「おおっ!出た!ワタルさんのカイリューっ!」

「ミヅキさん?」

と、ワタルのカイリューの登場に急にはしゃぎ出したのは、他でもない、アローラ代表のミヅキであった。

「いやぁ、私は今でこそアローラ在住だけど、元々の生まれはカントーだからさぁ」

「ワタルさんのカイリューは、アローラに引っ越した今でも私の憧れなんだよぉ」

ミヅキは、自分が元はカントー地方で生まれ育った人間だということをゴールドに伝えると共に。

ワタルのカイリューへの憧憬を、熱く語る。

「……確かに、ワタルさんのカイリューと言ったら、カントーやジョウト地方を代表するヒーローみたいな存在ですもんね」
 ▼ 739 mTQB7XkZdk 17/06/28 02:09:40 ID:sKFQz73E [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゴールドの言うように、あのカイリューは、強豪ひしめくワタルのドラゴン軍団の中でも群を抜いて強いとされ、カントーとジョウトの人々からは専ら英雄視されている。

また、単にポケモンバトルが強いというだけではなく、実際に地元の人々やポケモンをトラブルから守っていることもあり。

そうした面でも世間から評価され、その名声はまさに鰻登りである。

だがある時、とある悪人に"はかいこうせん"を直で浴びせたことがあり、その際は"いくらなんでもやりすぎ"と若干の非難を受けた。

まあこのように、良くも悪くもワタルのカイリューはとても有名なポケモンで。

故に、元カントー庶民のミヅキのテンションは非常に高かった。

「なんか、あの子から熱い視線を感じるな……」

「グァァゥ」

一方で、そんな熱烈な眼差しで見つめてくるミヅキに対しワタルは、少しこっぱずかしくなったのか、ミヅキから目を逸らしてしまう。

しかし。

「あんまし気を緩めないでくださいよ、ワ・タ・ル・さん」

「わ、分かっているさ」

グリーンから真面目に注意を受けると、ワタルは戸惑い気味ながらも再び目線を前方に合わし、意識をバトルへと向け直した。

フライゴンが倒され、カイリューが出たことによって、ミヅキ以外の三人はついに、それぞれの残存ポケモンが最後の一匹となる。

数の上では、まだ二匹残しているミヅキがいるアローラが有利だが、カイリュー並びにギャラドスの活躍次第では、勢力の逆転は二十分にありえる。
 ▼ 740 mTQB7XkZdk 17/06/28 02:10:20 ID:sKFQz73E [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
このバトルに一筋の勝機を見出だした二人は、より一層集中力を高め、ポケモン達と共に構えた。

「行くぞ、カイリュー!」

「グァッ!」

合図、そして指示。

「"バリアー"!」

「グァァァァウッ!!」

カイリューは一声叫ぶと、体内から強力な念力を放出し、それらをかき集めて具現化していく。

すると次の瞬間、強固で透明なドーム型の壁が、カイリューを覆うようにして形成された。

カイリューを物理的衝撃から守る"バリアー"である。

これで、カイリューの防御力は大幅に増強された。

「出た!ワタルさんのカイリューの"バリアー"!」

と、ここでミヅキはまたしても感激する。

「普通のカイリューじゃ覚えられない"バリアー"を、ワタルさんのカイリューだけは覚えてるんだよねぇ!」

「テレビとかでは見たことあるけど、生で見るのは初めてだよぉ、凄いね生バリアー!」

そう。
 ▼ 741 mTQB7XkZdk 17/06/28 02:11:14 ID:sKFQz73E [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼女の言うように、カイリューは通常"バリアー"を覚えることができない。

だが、ワタルのカイリューだけはなぜか、"バリアー"を使用できるのだ。

それには、多種多様、様々な説があり。

血の滲むような想像を絶する鍛練の結果だとか。

あるいは、生まれもっての天性の才能による賜物だとか。

中には、ヤバい生体実験でもさせられたのではないかなどという黒い噂もある。

その事でワタルは過去に何度も取材を受けているが、あくまで彼は特訓の成果だと主張している。

「……そういえば、実際のところどうなんです?」

と、グリーンはここで突然、ぶっちゃけた話をワタルに要求した。

しかし、ワタルの返答は不変。

「特訓、だよ」

その一点張りだ。

「……そっすか」

グリーンは取り合えず、これ以上考えないことにした。

なんか、掘り下げると色々面倒なことになりそうだったからである。
 ▼ 742 イホーン@しめつけバンド 17/06/28 02:30:44 ID:XRotrtf. NGネーム登録 NGID登録 報告
改造だよ
 ▼ 743 ニドリル@せいしんのハネ 17/06/28 05:51:49 ID:wBF/Px7A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタルさんは改造厨だから、多少はね?
 ▼ 744 ギギアル@ミュウZ 17/06/28 05:55:39 ID:ujOD9Pf2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタルさんなら仕方ないな
 ▼ 745 ドグラー@するどいツメ 17/06/28 06:28:55 ID:cI36szZo NGネーム登録 NGID登録 報告
技構成なんじゃろなー
 ▼ 746 シャーモ@きのみぶくろ 17/06/28 07:58:05 ID:n9sSObmI NGネーム登録 NGID登録 報告
くっそwwww
 ▼ 747 ガボスゴドラ@きいろいバンダナ 17/06/28 19:06:33 ID:JuXwThV. NGネーム登録 NGID登録 報告
やっぱり改造じゃないか(呆れ)
 ▼ 748 mTQB7XkZdk 17/06/29 12:09:40 ID:lQorC216 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「でも、"バリアー"は特殊攻撃には弱いハズ!」

「なら、私のキュウコンでどの道一発KOだよ!」

「ヒュォォ!」

と、ミヅキは自信満々にそう豪語する。

彼女の言うように、バリアーが主にその効力を発揮するのは物理的攻撃による衝撃のみ。

つまり、ビームなどといった攻撃に対しては全く耐性がないのだ。

なのでそこを突かれてしまうと、バリアーは盾としての意味を成さなくなってしまう。

そして都合の悪いことに、ミヅキのキュウコンは特殊攻撃主体で戦うポケモン。

そのためカイリューは、その辺りよく注意してバトルに臨まなければならない。

しかし代わりに、物理型のハガネールに対しては、比較的優位に立って戦いやすくなったハズだ。

ならばまず、カイリューが標的に定めるべきはハガネール。

すると、ここでグリーンのギャラドスが請け負うべき役割も明確になってくる。

ギャラドスは、カイリューをキュウコンから守らなければならないのだ。

ハガネールとの戦いに、カイリューが集中するために。

その旨の話を、ワタルがグリーンに簡潔に説明すると。
 ▼ 749 mTQB7XkZdk 17/06/29 12:10:17 ID:lQorC216 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……要は時間稼ぎっすか」

「ま、それが効率的っすよね」

特に異論を唱えることなく合意。

「頼むぞ」

グリーンにキュウコンの引き付けを託したワタルは、その鋭い眼をハガネールへと向け。

カイリューを以てして、戦いを挑んだ。

「カイリュー、"りゅうのまい"!」

「グァァッ!!」

咆哮を撒き散らしたカイリューは、赤黒い稲妻を身に纏いながら激しい乱舞を披露する。

竜の一族に伝わりし"りゅうのまい"は、その者の攻撃力と機動力を底上げするのだ。

「させるなハガネール、"こおりのキバ"!」

「ガララララッ!!」

カイリューの能力上昇を阻止すべく、ハガネールは猛スピードで荒野を這い、カイリューに接近。

そして、牙を氷の白銀に輝かせながら、その大顎を広げた。

だが。
 ▼ 750 mTQB7XkZdk 17/06/29 12:10:54 ID:lQorC216 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「かわせ!」

「グァッ!」

ハガネールが放った"こおりのキバ"は、カイリューが飛翔してあっさり回避したことで不発に終わる。

その時の彼の飛行速度は、先程までとは見違えるほどに速くなっていた。

それは、"りゅうのまい"が成功したことを裏付けている。

察したゴールドは、"一足遅かった"と頭を押さえた。

「いいぞ、流石だカイリュー」

「グァァッ!!」

"バリアー"と"りゅうのまい"のシナジーによって、カイリューの能力は凄まじいまでにパワーアップしている。

その攻撃は鬼神が如く。

その防御は城塞が如く。

その素早さは隼が如く。

まさに手の付けられない、驚異的な力を持った化け物が、今ここに誕生した。

「さあ、やれカイリュー!」

「ハガネールに、"ドラゴンダイブ"!」
 ▼ 751 mTQB7XkZdk 17/06/29 12:12:17 ID:lQorC216 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「グァァァオッ!!」

主からの指示を受け、カイリューは翼をはためかせ更に急速上昇。

そして、ある一定の高さに到達すると、今度は翼を畳み。

地上のハガネール目掛けて、一気に加速し突進した。

「グァァァァッ!!」

やがてその体には、青白い竜のオーラが宿る。

かつて無いほどの莫大なオーラは、彼の攻撃力の高さに比例している。

堅牢な守備力を誇るハガネールといえども、これをまともに食らえば大ダメージは免れない。

しかし、これを避けるだけの素早さはハガネールには無い。

よって彼は……迎撃するしかなかった。

「くっ……ハガネール!」

「"アイアンヘッド"!」

「ガララララッ!!」
 ▼ 752 mTQB7XkZdk 17/06/29 12:12:59 ID:lQorC216 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ハガネールは、鋼鉄の頭突き・"アイアンヘッド"で、カイリューに真っ向からぶつかった。

「グァァッ!!」

「ガラァッ!」

衝突する二対の怪物。

刹那の衝撃の後、押し勝ったのは。

「……グァァァッ!!」

「ガランッ!?」

……カイリューだった。

「ガラッ……!?」

後方に吹き飛ばされた鋼の巨体。

ハガネールは、モロに受けるよりはダメージを抑えたものの、それでもなお傷が深い。

「ハガネール……!」
 ▼ 753 ロスター@ファイヤーメモリ 17/06/29 19:17:57 ID:CCLCetks NGネーム登録 NGID登録 報告
カイリュー好きだから嬉しいなー
 ▼ 754 クバード@トロピカルメール 17/06/29 19:24:13 ID:SpUQzBsA NGネーム登録 NGID登録 報告
あと1つの技は何かな〜
 ▼ 755 チュー@レンズケース 17/06/29 20:19:44 ID:1mv7w71A NGネーム登録 NGID登録 報告
バリアー 龍舞 ダイブ 破壊光線

実質カイリューの技構成割れたな
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