【ss】ポケットモンスター 星の観測者:ポケモンBBS(掲示板) 【ss】ポケットモンスター 星の観測者:ポケモンBBS

  ▼  |  全表示117   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【ss】ポケットモンスター 星の観測者

 ▼ 1 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:39:47 ID:tL8antvo NGネーム登録 NGID登録 報告
…夢を見た。

目の前には巨大な宝石。しかし自分にはそれに触れる事は許されない。

けれどもその輝きは強まるばかり。触れたい。触りたい。撫でたい。それに合わせて欲望も強くなる。

見ているだけではつまらない。少しばかり触ってもいいだろう。

触れた。割れた。

その破片が突き刺さる痛みで、僕は目を覚ました。
 ▼ 78 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/18 15:32:42 ID:Yd3yaWiE [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
団長と呼ばれたそのポケモンはデンリュウだった。

「団長…ってどういう意味?」

「ガブには説明してなかったな。俺はこのデンリュウの下で昔働いてたんだ」

「君は本当に優秀でしたから…ずっと調査団で働いてて欲しかったんですけどねえ」

「あはは、自分の胸によく聞いてみて下さい!」このデンリュウはとてもいいポケモンに見えるが、何かあったのだろうか。

「そう言えば最初に君と会ったのもここでしたね、あの時の君は本当に臆病だったのに、本当に成長しましたね」

最初に君と会った?どういう事だろうか。

「団…長?とバーン君はここで出会ったんですか?」

「ええ、ここは今は活気がありますけど、ちょっと前までは昔あった火事のせいで荒れまくってたんですよ」

「その火事の最後の生き残りがこのバーン君だったんです。急いで駆けつけたんですけど、少しばかり遅かったかもしれませんね…」

バーン君は何も言わない。

「それじゃあ私はこのへんで。もともとここに来る予定じゃありませんでしたから。バーン君も戻りたくなったらいつでも言って下さいね!」そう言って、団長はどこへたどり着くのか不安になる足どりで行ってしまった。

「さようなら、団長さん!」

バーン君はまだ何も言わない。
 ▼ 79 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/18 20:35:16 ID:Yd3yaWiE [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ガブさん、こっちこっち」

呼ばれた気がしたのでふと振り返ってみると、イアが水辺で手招きしている。

「お兄ちゃんって、こんなかわいい子が2人もいるのにこっちに来ないって事は、もしかしてアッチの気があるんでしょうか?」

アッチの気とは?どっちの気だろうか。

「うーん…ちょっとよく分からないかな」

「あはは、ガブ君純粋!かわいい!」

か、かわいい…?まあ誉められてる…のかな?

「ところで、レインさんってどこに行っちゃったんですかね…」

そう言えばそうだ。海に誘った張本人がいないのでは話にならない。周りを注意して見渡すと、海岸から割と離れたところで誰かと話している。

「あっちで誰かと話してるよ」

「え!?ここから見えるんですか?すごく目が良いんですね!」

そ、そうかな。僕はそんなつもりはなかったが、結構目が良い部類に入るらしい。

「誰と話してるの?」

肝心なところを見ていなかった。もう一度見つめる。


レインはギャラドスとサメハダーと話している。
 ▼ 80 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/18 20:57:03 ID:Yd3yaWiE [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「それってすごい凶悪な事で有名な二匹じゃないですか!?急いで助けに行かないと!」

あのレインならどれだけ凶悪なポケモンでも簡単にひねり潰しそうな気がするが…念のため見にいこう。


僕たちが着いた頃には、レインと2匹は別れた。

「ん?あなたたち何しに来たの?ただ話してただけなのに…」

「え?いや…怖そうなポケモンでしたから…」

「ただの仕事上の関係よ。ここ私のものだから」

…え?

「ええええええええーーーーーー!?!?」

「ここってレインさんのものだったんですか!?どういう経緯でそうなったんですか!?」

「昔ここで火事があったのは知ってるかしら?そこで唯一生き残った私は、この土地の全権を引き継いで、開発を進めたの。それが今ではこんな人気スポットだものね。才能が怖いわ」

ん?今の話はあのデンリュウ…団長の話と矛盾してるな。どちらかが間違っているのだろうか。

「さあ、こんな俗世っぽい話してないで、泡沫の夢を楽しんでらっしゃいな…」

その瞬間、とてつもない爆音が鳴り響いた。

「えっ、何ですかあれ!?」
 ▼ 81 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/18 21:08:44 ID:Yd3yaWiE [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
そこには、信じられないほどの大きさの火柱がそびえ立っていた。

「あー…あんな派手にやるのはあいつしかいないわね。皆、止めに行くわよ」

そう言ってレインは手で行くべき方向を指し示し、消えた。

「テレポートって便利なんですね…さぁ、私たちも行きましょう!」



「よっしゃ!俺の勝ちだな!約束通り500ポケもらおうか!」

そこには、見知らぬポケモンから金を巻き上げているバーンの姿が。

「お兄ちゃん!何犯罪まがいの事してるの!?」

「いや、ここできちんと看板立ててやった事だから全く犯罪じゃないぜ。今日だけでもう2000ポケも稼いじまったよ」

「あら、じゃあ私とやる?ちょうど水鉄砲造ってきたんだけど」

そう言うと、懐から一つの銃を取り出した。

「ははは、ぬかしおる。そんなんで俺を倒せる訳が…」

レインはそっとそれを地面に向け、放つと、衝撃と共に砂が飛び散り、視界が奪われる。

「けほっけほっ、一体何が…」

だんだんと砂が薄くなる。その向こうには、砂に線を引いたバトルフィールドで二匹が対峙していた。
 ▼ 82 ューラ@あまいミツ 17/05/19 23:16:02 ID:AV3uNj6U [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
「私が勝ったら即刻この商売をやめるように」

「じゃあ俺が勝ったら今日一日このビーチの店全部無料だからな!いくぜ!」

瞬時にレインの懐に潜る。だがそれは見えない壁に弾かれる。

「この程度かしら?口だけは達者なのね」

「けっ、言ってろ」

「あっ、そうそう、水鉄砲なんだけどね…」

そう言って手を上に振り上げる。

「当然一つだけじゃないから」

突然、空中に数十個の水鉄砲が現れ、一斉に水を放つ。

「それは…反則だろっ!」

泣き言を漏らしながらも全て捌ききる。しかし腕にも相当の衝撃がかかるはずだ。現にバーン君は腕をダラリと垂らしている。

「ほらほらほら、まだまだ水はあるわよ!」

再び一斉放射がバーン君を襲う。

「うっ…」

今度も受け流しを試みたが、数発勢いを殺しきれず、バーン君の肌を切り裂く。
 ▼ 83 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/19 23:26:14 ID:AV3uNj6U [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
「あら、よくできたわね。じゃあもう終わりにしましょうか。特別2倍キャンペーンよ!」

レインがそう言うと、先程と同じくらいの数の水鉄砲が現れる。

「うおおおおっ!!!」

しかしバーン君はそれらが発射される前にまたレインに突っ込む。

「なんて趣のないポケモンなの…」

今回もその一撃は防御されるが、それと同時に水鉄砲が全て落ちる。どうやら壁は水鉄砲と同時に操れないようだ。

一度防がれた程度ではバーン君は突進を続ける。何度防がれようと、何度もぶつかる。何度も。何度も。

「くっ、しつこいわよ!いい加減止まりなさい!」

「…ああ、分かったよ」

そう言ってバーン君は距離をとる。

「さあ試合再開…って、何それ!?」

ゆっくりと懐から光輝く石を取り出す。


それは、イアのイーブイZと酷似しているが、あれとは違い、海に反逆するような赤に光っていた。
 ▼ 84 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/21 22:41:05 ID:LvijOE7w NGネーム登録 NGID登録 報告
「さあ、その目に焼き付けろ!『にほんばれ』!」

そう言ってバーン君が石を振り上げると、急に日差しが強くなってきた。

「うっ、あ、暑いです…喉かわいてきました…」

となりのイアはもうすでにフラフラだ。

「大丈夫?」

「はい。一応水筒も持ってきたので」

そう言うとゆっくりと日陰まで歩いていった。他にはもう殆どポケモンはいない。

「さあ、もう一度俺の番だ!どらっ!でりゃっ!」

炎が大きくなり、速さも増した突進を先ほどよりも短い間隔で打ち込み続ける。

「くっ、もう…壁がっ…仕方ない、私の負けよ!」

そしてレインは線の外に移動した。もう体力の限界がきているようで、肩で息をしている。

「よっし、じゃあ腹も減ったしなんか食うか!行こうぜガブ!」

そう言って僕の手を掴み、店の方まで歩いていく。

こうして僕はバーン君の食べ歩きにさんざんつき合わされた。もうお腹がいっぱいだが、バーン君はまだまだ入るという。よほど強靭な胃袋を持っているのだろう。

それよりこの太陽をなんとかしてくれ…
 ▼ 85 ーロット@げんきのかけら 17/05/22 21:22:22 ID:pdxfp/Tk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 86 ンジャラ@ダークストーン 17/05/26 18:45:44 ID:voGe7MSk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 87 ンドラー@ライブスーツ 17/05/26 22:09:03 ID:HhTirBbk NGネーム登録 NGID登録 報告
土日北!これで書ける!
 ▼ 88 マザラシ@うすもものミツ 17/05/26 22:20:38 ID:vMoPVRk6 NGネーム登録 NGID登録 報告
「ごえぇぇええっぷ!もう腹いっぱいだあ…」

丸く膨らんだお腹をさすりながら大きなげっぷをする。

「もう!お兄ちゃんはしたないです!」ここではげっぷはマナー違反なのだろうか。たくさん食べたのだから仕方ないとは思うが。

すると、海辺から叫び声が聞こえてきた。

「ん?あっちの方で何か騒ぎが起こってるみたい。これ以上被害を出す訳にはいかないわ、行きましょう」


「があああああっ!ぐわあああああっ!」

そこでは一匹のリングマが暴れていた。どうやら強い興奮状態にあるようで、目に光がない。

「ここは私の出番ね、皆下がりなさい!」

どこからかメルルが飛び出してきて、両手をリングマに向ける。

「吹き飛びなさい!『サイコキネシス』!」

一瞬でリングマははるか後方に吹き飛ぶ。しかし、リングマがいたはずの場所から液体がメルルの方へ飛んできた。

「うっ、ちょっと痛い…隠れてないで姿を現しなさい!」

ゆっくりと『それ』は姿を現す…


そこには、クラゲに似た半透明の生物が浮遊していた。
 ▼ 89 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/26 22:27:58 ID:kcmn7Cvk NGネーム登録 NGID登録 報告
「やっと尻尾を見せたわね、侵略者め!『サイコキネシス』!」

またメルルが手をその生物に向ける。しかしそれは少し揺らめいただけで、弱った様子を見せない。

“じぇるるっぷ…”

脳に直接響く不快な鳴き声と共に、それは海の方へ向かって行く。

「おい待て!くそ、もう疲れた!きちんと腹十五分目くらいで済ませておくべきだった!」…バーン君はどれだけ食べたのだろうか。


「あっ、あれを見て下さい!」

突然イアが素っ頓狂な声をあげる。イアの見ている方向では、あの生物が不思議な動きをしていた。

「何か来るわ、皆注意して!」

レインのかけ声も虚しく、僕らはそれが開けた巨大な穴に吸い込まれてしまった…
 ▼ 90 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/26 22:52:47 ID:fDSj21Bk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ううっ…ここは?」

そこはとても冷えた場所だった。渓谷のような場所だが今の僕にはこれを表現できる言葉がない。

「ぐごあああああああっ、ぐがあああああああっ」

…そして危機感なく寝ているリザードンが一匹。

「ぐごっ!おっ、ガブおはよう!随分と内装変えたんだなっ…て、そういえば俺たち…」

「どうやら別の場所に転移させられたみたいだね、足元にすこし砂があるから周りの3匹も多分来てるんじゃないかな…あむっ」

そう言うと、突然バーン君が僕の口を抑えてきた。

「しっ、誰か来るぞ」

通路?の先を見ると、先ほどの生物が移動している。心臓がものすごい速さで動いていたが、どうやら気づかれなかったようだ。

「ふう、助かったな…さて、これからどうするか。とりあえず俺はあんまり速くは動けないぞ。ごめんな」

「あれのタイプは多分水と毒…バーン君は相性が悪いだろうし、しばらくここで休んでなよ」

「いや、そんなわけにはいかないな。俺は後ろについて行くから、ガブが先に行ってくれると助かる」

正直、僕はちょっぴり嬉しかった。今までバーン君の世話になってばかりいたから、僕が役に立てるのはとても誇れる事のように思えた。
 ▼ 91 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/26 23:29:55 ID:fDSj21Bk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「…誰もいないよ」

「よし、じゃあ右に進もう」

「なんで?右はさっきのクラゲが行った方向だよ?」

「あれが1匹とは限らないだろ?仲間がいる巣で獲物を捕まえようとしてるのかもしれない」

さすがさっきのデンリュウにとても優秀だったと言われるだけの事はある。食いすぎてなければ…

「でもこれはすごいリスクが高い。あれが仲間と合流しようとしてる可能性もあるからな」

「じゃあなんで右を選んだの?」

「今はこいつを倒すよりも3匹と生きて帰るのが優先だ。悔しいが他の個体があいつらを見つけるまで待つしかないかもな…」

「それなら二手に別れたほうが…」

「ダメだ。俺が襲われた時に逃げ切れないからな」

「…自分と仲間、どっちが大事なの?」

「そりゃ仲間だよ。でもあいつらもそんな弱くないだろ?俺は相性的に不利だからな。」

「毒が入ってるならレイン達も不利じゃない?」

一瞬バーン君の意識が空に昇ったような気がしたが、すぐにバーン君の目は生き返った。

「くそっ、こりゃ急ぐしかないかもな!」
 ▼ 92 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/26 23:40:44 ID:fDSj21Bk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
僕たち2匹は急いで走り出す。

ドスン!ドスン!ドスン!

しまった、重くなったバーン君が走ると否応なしに音が出てしまう…

「あっ、クラゲが振り返ったぞ」

“じぇるるっぷ…”

「急いでバーン君!押してあげるから!」

「おっ、おう!すまねえ!」

ドスドス音を出しながらも、あの生物との距離を離していく。しかし…

「おい!前!前!」

ん?前…?あ、あのクラゲだ。いつの間に後ろに回り込んでいたんだろうか。とりあえず逃げないと…

“じぇるるっぷ…”

ん?後ろにもクラゲが…って!

「まずい、俺たち囲まれたみたいだぜ…」
 ▼ 93 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 11:44:18 ID:ILwwiT9Y [1/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
「しゃあねえ、ガブ!全力で飛べ!」

そう言ってバーン君は少しだけ足を上げた。いやな予感がする…とりあえず全身全霊で上に飛び上がる。

「『じしん』!」

足を振り下ろした途端、地面がグラグラと揺れ始める。驚いたのか、クラゲ達の動きが止まる。

「よし、全力で右のに殴りかかれ!」

目を合わせ、二人一緒に爪を構える。

「うおおおっ!『ドラゴンクロー』!」

クラゲは後方に吹っ飛ぶ。だが未だぴくぴく動く様子から、息が続いている事が分かる。

「急いでここから逃げるぞ!……ガブ、押してくれ」

バーン君は恥ずかしさからか顔が真っ赤だ。

「はぁ…しょうがないなあ」

 ▼ 94 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 11:55:29 ID:ILwwiT9Y [2/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
しばらく走ると、影に隠れている3匹を見つけた。

「お兄ちゃん!大丈夫だった?」イアがバーン君に飛びつく。

「ああ、なんとかな…そっちも目立った怪我はなさそうだな。良かった」


「…メルルはさっき、このクラゲを侵略者って呼んでたよね?何か知ってるの?」

「…ガブ君、けっこう鋭いんだね…いいわ、この際だから答えてあげる」

さっとレインがメモ帳を構える。よほど興味があるのだろう。


「私たち守り神はね、この世界に何か危機が迫っている時に上から遣わされるの」

「私は1年くらい前に南の島に来たんだけど、そこでもあんなやつがいたわ。きっと仲間ね」

「このままだとこっちまであいつらに侵略されちゃうわ。せめてここにいる奴は倒して帰りましょう」

「でもメルルにあなたに倒す手だてはあるのかしら?私たちとバーンはあいつに不利だし」レインが律儀に手をあげて質問する。

「そこは私とガブ君でなんとかするわ!さ、行きましょ!」突然に僕の手を握って駆け出す。

 ▼ 95 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 19:29:06 ID:ILwwiT9Y [3/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
少し離れたところで再びメルルが話しかけてきた。

「さて…ガブ君はここでお別れ。私ひとりで十分なんだから!」 

「え?でも…メルルはフェアリーだから毒には不利なんじゃ…」

「私をナメてるの?これでも神に近めのポケモンなのよ。あんなクラゲなんか敵じゃないわよ」

じゃあなんで隠れてたんですかね…

「あっ、でもガブ君にもやってもらう事はあるわ。あのクラゲ達を一カ所に集めてほしいの」

は?

いやいや、は?

「えぇ…それくらい自分でやってよ…」

「何よ。か弱い乙女にそんな泥臭いことさせる気?」

…仕方ないか。僕らは現状彼女に頼るしかないし。

「それじゃあ行ってくる。ここに集めればいいの?」 

「うん、それでいいわよ。それじゃ、グッドラック!」メルルは親指を立てる。




「さて、始めますか」
 ▼ 96 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 19:40:10 ID:ILwwiT9Y [4/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
とりあえずそこらへんを走り回ってみたものの…

“じぇるるっぷ…”“じぇるるっぷ…”“じぇるるっぷ…”“じぇるるっぷ…”“じぇるるっぷ…”

まさか五体もいるなんてなぁ…流石に気持ち悪い気がする。後ろから変な粘液も飛んできてるし。

「おーい!メルル!集めてきたよ!」 

メルルのいる空間に入り込むと共に、突然視界が揺れる。

「うっ…頭痛い…」

「男の子なんだからもう少し我慢して!私の後ろまで来て!」

本当に頭痛い。本当に本当。これもメルルのサイコパワー的なものなのだろうか。

「よし、無事後ろまで来れたわね。それじゃあ…ぶっ放すわよ!」

メルルの体内からピンク色の石が出てきて、それが目もくらむ光を放ち始める。

「『マキシマムサイブレイカー』!」

メルルが技名を言うと、5匹のクラゲは一斉に横に凪払われる。

横に吹っ飛ばされたと思いきや、見えない何かにぶつかり、反対方向へ飛ぶ。

また何かにぶつかり、反対方向へ飛ぶ。また何かにぶつかり、反対方向へ飛ぶ…


それはとても悲惨な光景だった。
 ▼ 97 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 19:49:46 ID:ILwwiT9Y [5/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
僕は呆然とそれを見ている事しか出来なかった。

跳ね返るたびにクラゲ達は原型をなくし、混ざり合う。

僕の思考が再起動する頃には、それらは一つの濁ったゼリーのようになっていた。

「ふぅ…お仕事終わりっと!…どうしたのガブ君。もしかしてグロ耐性ない方?ごめんね」

耐性うんぬんの話ではない。こんなえげつない光景を見させられて眉一つ動かさないやつなんてこの世にほとんどいないだろう。

それをこいつは平然とやってのける。こんな奴と今まで短い期間でも同じ屋根の下で暮らしていた自分が怖い。

「さ、帰ろう、ガブ君。私もう疲れちゃったな」

…僕はこいつと必要以上関わらないと決めた。



「さて、それじゃあゲートを開くよ。レイン!手を貸して!」

僕はバーン君達がいた所まで戻ってきた。

「はいはい。なんとなく分かってたわよ」

レインとメルルが手を構える。少したつと、そこに入ってきた時と同じ穴が開いた。

「よし!やっと帰れるな!これで役立たず卒業だぜ!」

「お兄ちゃんてば、もう若くないんだから、ダイエットもしっかりやってよ?」
 ▼ 98 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 19:56:24 ID:ILwwiT9Y [6/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
「お、おう。考えとくよ…」

イアがそれを聞いて吹き出し、釣られて皆で笑った。笑いながら穴に吸い込まれた。

メルルも笑っていた。


海に帰ると、もうすっかり暗くなっていた。

「俺は今ガブ乗せて飛ぶの無理だから、ガブは歩いて帰ってくれ。俺の尻尾でも目印にな」

「うん、そうするよ」

「あら、私がテレポートで送ってあげましょうか?労いってことで今なら無料よ」レインが口を挟む。

「レインがこんな事言うなんてめったにないぞ。いい機会だからお世話になってもらえ」

…正直、不安である。

「それじゃあトブわよ。『テレポート』!」

意識が一瞬途絶え、気がつくと家の前にいた。

「無事に転移できて良かったわね。バーンが来るまで部屋で休んでなさいな」

そう言ってレインは僕を置いて中に入る。

…僕も疲れたな。今日は早めに寝るか。
 ▼ 99 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 23:01:13 ID:ILwwiT9Y [7/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
「…おい、ガブ、起きてるか?」

バーン君が僕を呼んでいる。実は目を閉じていても眠れていなかったのだ。

「起きてるよ」

「そうか、じゃあ今日の…団長から話された事について話しとかないとな」

そう言って僕の隣に寝そべる。


「あれは俺がまだ小さい時…本当に小さくてな、今では親の顔すら覚えてないんだぜ…笑っちまうよな。覚えてるのはひもじい思いしてた事、そして一匹のラルトス…レインといた事だけだ」

「ある日起きたら、家が崩れてたんだよ。これが強烈すぎて他の事は思い出せねえ。」

「お父さんとお母さんをめちゃくちゃでかい声で呼んだんだ。けど何も返ってこない」

「怖かったんだ。認めたくなかったんだ。だからずっと呼んでた…そういう意味では俺は両親に救われたのかもな」

「そしたらその声を聞きつけて団長…まだモココだったかな、が来てくれた」

「団長は俺を唯一の生き残りだと言った。助けられて良かったと泣いてた。それで俺は決めたんだよ。団長みたいなポケモンになりたいってな」

「そこからは必死に修行した。寸暇も惜しんで修行してた。自分みたいな思いをするポケモンを減らしたい一心でな」

「だが三年後、俺の住んでた所がビーチに開発されたっていうのを聞いたんだ。新聞にはラルトスからキルリアになったレインの顔が写ってた」

「子供ながらにひどく失望したんだ。団長は自分が唯一の生き残りだと言ったのと、レインの歩んだ道を想像したので、団長への憧れはきれいさっぱりかき消えた」
 ▼ 100 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 23:09:10 ID:ILwwiT9Y [8/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
「それからかな。純粋に…ただポケモンを助けたいと思うんじゃなく、団長を超える為に修行した。」

「メキメキ力も伸びて、体もどんどん大きくなった。大人になって、調査団を出られるようになったら速攻で出て、自分の調査団を立てた…それがホロスコープだ」  
「立ててすぐに、どこから聞きつけたのかレインが来た。俺の事を覚えてたらしく、依頼人を辿って来たらしい」

「2匹で活動してしばらくしてイアがやってきて…あとはガブも知ってるだろ」

「…大変だったね」

「へっ、そうやって気遣ってもらえるだけで嬉しいぜ。ありがとな…もう眠いだろ?」

「うん…ちょっとね」

「それじゃあお休み、ガブ」

「お休みバーン君」

今の話でバーン君の生い立ちみたいな物を浅く見る事ができた。…自分はその思いを完全に理解してあげる事はできない。だけど、僕もバーン君の心の支えになれたらいいな…
 ▼ 101 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 23:16:29 ID:ILwwiT9Y [9/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
…夢を見た。

黒いモノが床を這って近づいてくる。

近づいてくると共に自分の体が融解していくような錯覚を覚え…実際に融解している。

自分と周りの区別がなくなってゆく…でもそれに痛みはなく、むしろ気持ちがよい。

だんだん近づくスピードが速くなってくる。来るな。来るな。来るな。来るな。

ある程度の距離まで来て、その眼が僕を見つめた。

体中に悪寒が走る。それと同時に僕は目を覚ました。

「ぐごあああああああっ、ぐがあああああああっ」

「…夢か。お休み、バーン君…」

僕はバーン君の方向を向き直し、眠りに入る。…恥ずかしい事に、怖さかったのだ。

 ▼ 102 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 23:17:48 ID:ILwwiT9Y [10/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>101は誤送信

僕はバーン君の方向を向き直し、眠りに入る。…恥ずかしい事に、怖かったのだ。

そのまま僕は瞳を閉じ、深い眠りに落ちる…

6つの目が僕らを見ているのも知らずに。
 ▼ 103 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/27 23:18:30 ID:ILwwiT9Y [11/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
100レス突破記念で何か日常パート書きます
お題は安価下で
 ▼ 104 ズパス@エレベータのキー 17/05/28 21:36:18 ID:dfpJbR0o NGネーム登録 NGID登録 報告
バーンのお腹
 ▼ 105 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/29 05:38:31 ID:9aUGGbK. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>104
同好の方かな?
まあ暇ができたら書いていきます
 ▼ 106 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/29 22:04:39 ID:9aUGGbK. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
「かんぱーい!」

あのビーチでの一件から少し経って、バーン君のダイエットは成功した。(まあ一食分であんなに太った彼も彼だが)

今はそのお祝い会をあのドレディア…リリィの宿で執り行っている。今回はレインとメルルはいないみたいだ。

「いやー、無事に痩せられて良かったねお兄ちゃん!」

「おう!元から付いてたのも合わせて削ぎ落としたぜ!見ろよこの力こぶ!」

そう言ってバーン君は腕を曲げ力を込める。そこには大きなこぶが出来た。

「すごいねバーン君…僕にはそんな事できないや」

「まあお腹まだ出てますけどね」

リリィちゃんが鋭い言葉のナイフをバーン君に突き刺す。

「うっ…それは種族上仕方のない事なんだよ!とにかく今日は俺の奢りだからいっぱい食べろよ!」ガツガツムシャムシャ

一番いっぱい食べてるのはバーン君だと思うんだけど…また太ったりしないか心配だなぁ…

「おっ、このお酒おいしいな!どこで買ってきたんだ?」

「私のブドウ園でとれたブドウを使ったワインでございます」リリィが答えた。この娘実はすごいポケモンなのでは…?

「お酒とかワインとかそんな事はいいからさ、ガブもこれ飲んでみろよ!」

そういって僕のグラスにワインをついでくれた。
 ▼ 107 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/31 22:42:31 ID:FCgoYLi2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
「うーん…少し変な味がするかな」

「なんだよ、ガブにはこれのうまさがわかんねえのかよー。じゃあ俺がもらうぜ!」

そう言ってバーン君は僕の手からグラスを奪い取った。

「ごくごくごく…ぷはーっ!やっぱうめえなこれ!」

…食べ方が下品な気がするけど、本人が楽しいならいいかな。

「さて、もう夜も遅いですし、イアちゃんはもう帰ってましょうか」リリィがイアに話しかける。

「えっ、お兄ちゃんとガブさんは?」

イアが言うと、リリィは黙ってバーン君の方を指す。気づいたらバーン君はもう眠っていた。

「じゃあガブさんの代わりに私が残ります!」

「酔った男の人は何するかわかりませんから…」

「うっ、それならしょうがないかな…」イアはとても気まずそうな顔をして宿を出て行った。

「さて…えっと、ガブさん?ちょっとバーンさんを寝室に運ぶの手伝ってくださるでしょうか?」

僕はこくりと頷いた。


「ふぅ、ふぅ、意外と重いんですね、彼。」
 ▼ 108 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/31 22:54:09 ID:FCgoYLi2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
まあ見た目通りなんだけどね。

「とりあえずベッドには乗せましたから。突然起きても眠っているよう言ってください。それではよい夜を」

丁寧にお辞儀をしてリリィは出ていく。


…さて。夜も長そうだし、どうやって夜を越そうか。

本を図書館から借りるのも良さそうだし、床で寝てみるのもいい体験になるだろう…

なんて思っていながら周りを見渡すと、バーン君の膨れたお腹が目に入った。

少しくらいなら触ってみてもいいかな。

…さっきのお酒で酔ってしまったのだろうか。思考が正常ではないようだ。

いけないいけない、早く寝た方がいいかも。


しばらく経ち、目を開けてしまった。またバーン君のお腹が目に入った。

気がつくと立ちあがり、バーン君の寝ているベッドの前まで来ていた。

「ごめんね、バーン君」

そう自分につぶやくと、虚ろな手つきでゆっくりと手を伸ばした。
 ▼ 109 の煮物◆6KVitIouZM 17/06/05 17:09:25 ID:QCCfTO0M NGネーム登録 NGID登録 報告
「はぁ、はぁ、はぁ…」

僕はまずバーン君のお腹を揉み始めた。ぷにぷにかと思っていたら意外とグニグニでゴム鞠のような感触だ。

…それにしても、こんなことをしている間にバーン君が起きたらどうしよう。まあそれはそれでいいかも…って、何を考えてるんだ僕は…

気づくと僕はバーン君に乗っかっていた。

全身にバーン君の熱が伝わる。その固くも柔らかなお腹を揉みしだきながら、僕はバーン君と口を重ねていた。どうやら酒のせい…いやおかげで深く深く眠っているらしい。

「んっ、ぷはっ」

バーン君の睡眠中特有のよだれが僕の舌と絡み合う。思わず強く揉んでしまっていたが、全然起きる気配はない…

そのままの状態を続けていたら、いつの間にか朝になっていた。

「あっ、もう朝かあ」

…ここで僕はある事に気づいた。バーン君がのびをしている。

今の僕の口はよだれまみれ。このままではまずい。

「ちょっとトイレ!」

「お、おう。寝起きなのに大変だな」

…少し罪悪感を覚えた。
 ▼ 110 ラップ@いんせき 17/06/06 20:31:09 ID:Pfd25QSQ NGネーム登録 NGID登録 報告
主人公ポケホモナーかよ
 ▼ 111 の煮物◆6KVitIouZM 17/06/10 13:29:22 ID:rsKKzpJ6 NGネーム登録 NGID登録 報告
「ガブ、起きてる?」

あの後、僕はすぐに帰って床に就いた。どうやらレインが呼んでいるようだ。だが僕は今とても眠い。悪いが無視させてもらおう…

「まあ寝てようがなんだろうが話させてもらうんだけど。入るわよ」

扉が開け放たれた。なんて非常識な…僕が言える事じゃないけど。

「さて…さっそく本題に入らせてもらうけど、あなたどこから来たの?」

…こいつ、僕が記憶喪失なのを忘れてるのか?

「どうやら本当に知らないみたいね。もう一つ聞くけど、あのクラゲとあなたって何か関係あるんじゃないの?」

いきなりどうしたんだろうか。僕らは襲われたんだからそんなわけないだろう。

「あきれた。ほんとに何も知らないのね、あなた。…私も少し焦りすぎたわ。ごめんなさいね」

「ち、ちょっと待って!なんで僕が!?」

「あなたが来てからあのクラゲみたいなのの目撃情報が各地であがってるのよ」

…それはただのこじつけではなかろうか。

「僕は関係ないよ…たぶん」

でも僕もそれを否定できる訳ではないのも事実だ。記憶がないのだから。
 ▼ 112 の煮物◆6KVitIouZM 17/06/11 00:21:50 ID:HYHht2i. NGネーム登録 NGID登録 報告
「まあいいわ、疲れてるところごめんなさい。いい夢を」

そう言ってレインは部屋から出た。やっとゆっくり眠れる…


今日は夢を見なかった。

 ▼ 113 ティアス@こだいのうでわ 17/06/14 23:32:05 ID:pqz0SZkY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 114 の煮物◆6KVitIouZM 17/07/08 21:11:11 ID:weIi1yJw NGネーム登録 NGID登録 報告
朝の光が目に入る。

「んん…」

今日はバーンのうるさいいびきが聞こえない。一体どうしたのだろうか。

とりあえず外に出てみるか。

「すぅ〜〜〜〜〜…」

誰かの息を吸う音が聞こえる。

「はあっ!」

かけ声と共に、衝撃音が空気を揺らす。音の発生源の方に行くと、バーン君と巨大な樹があった。

「…ガブか。起こしちまったか?」

「ううん、自分で起きたよ」

「そうか、よかった…あと10回分残ってるから帰っててくれ」

「ここで見てるよ」

「…ありがとな」

樹に突進し続けるバーン君の姿は、なんだかとても矮小な物に感じられた。

 ▼ 115 グマラシ@ミュウツナイトX 17/07/10 09:53:59 ID:oH7IpC9k NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 116 の煮物◆6KVitIouZM 17/07/23 12:20:00 ID:a7zwtw2c NGネーム登録 NGID登録 報告
「さて…今日はちょっと出かけようと思ってたんだが、ガブも来るか?」

鍛錬を終えたバーン君が僕に提案する。

「えっ、でもまだ皆起きてないよ」

「だから二人でだよ」

「いつも周りの状況を知るためにレインを連れてってるでしょ?あれは必要じゃないの?」

「大丈夫だ、俺も長年の勘でどこに罠があるかくらいは分かる。さすがにポケモンの位置までは分からないけどな」

じゃあなんで全員で戦闘に当たらなかったんですかね…

「まあ断っても無理やり連れて行くけどな!とりあえず船着き場までいくぞ」

「今日は飛んで行かないの?」

「目的地上空は常に熱風が吹き荒れてて、上なんて飛んでったらドラゴンステーキになっちまうぜ」

そんな危険な所に二人で行くのか…


〜船着き場〜
「あのさ」

「なんだガブ」

「船着き場までなら飛んでも良かったんじゃないの?」


バーン君は顔を真っ赤にして黙り込んでいる。

「それで?ここで何するの?」

「ここで口笛を吹くと、ラプラス便が来てくれるんだ。」

そういってバーン君は指をくわえる。

<ぴゅぃ〜

「…バーン君、口笛へただね」
 ▼ 117 アルヒー@スチールメモリ 17/08/01 20:28:00 ID:dfrByMmQ NGネーム登録 NGID登録 報告
はい
  ▲  |  全表示117   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
スレの消えている画像復旧リクエスト
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼