【ss】ポケットモンスター 星の観測者:ポケモンBBS(掲示板) 【ss】ポケットモンスター 星の観測者:ポケモンBBS

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【ss】ポケットモンスター 星の観測者

 ▼ 1 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:39:47 ID:tL8antvo [1/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
…夢を見た。

目の前には巨大な宝石。しかし自分にはそれに触れる事は許されない。

けれどもその輝きは強まるばかり。触れたい。触りたい。撫でたい。それに合わせて欲望も強くなる。

見ているだけではつまらない。少しばかり触ってもいいだろう。

触れた。割れた。

その破片が突き刺さる痛みで、僕は目を覚ました。
 ▼ 2 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:41:06 ID:tL8antvo [2/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「んっ…」

僕はまだ半分夢の中にいるような頭で考えた。

「ここは…?」

見渡す限り森、森、森。どうしてこんな所で寝ていたのか。

寝る直前まで自分がどこにいたのかすら思い出せない。
それどころか、自分の素性すらも。

「…喉が乾いたな」

そんな事を考えられるほど頭が働かない。水を飲めば目も覚めるだろう。

水…水…

近くから水の匂いがする。どうやら水場が近いようだ。

少し歩いて、大きな湖を見つけた。助かった。

ごくごくごくごくごくごくごくごく

おいしい!湖の水はとても澄んでいて、汚れ一つない。

ふと、水面に映る影を見る。

そこには、ガブリアスがいた。
 ▼ 3 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:41:32 ID:tL8antvo [3/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ガブリアス…?」

ガブリアスとは何か。この湖に映った影…僕の姿を見たらその単語が出てきた。

体が言いようのない恐怖に包まれる。自分は誰で、なぜあんなところで寝ていたのか。

その時、近くの茂みが揺れた。

「誰だ!」

両腕に付いた鎌を構える。その構え方も自然に出てきた物だ。

「そ、そんな物騒な物しまえよ。ちょっと通りかかっただけだぜ」

そこには橙色の竜、リザードンがいた。

リザードンとは何か。それも僕の記憶には無いが、この竜の事を指している単語だという事は分かる。

「…すまない。ちょっと気が動転していてな」

「お前もこの湖を見にきたのか?」

「…?いや、僕はたまたまここに…」

直後、僕の目の前をものすごいスピードで石が通過した。

その石は木に直撃し、大きな音を響かせた。
 ▼ 4 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:41:58 ID:tL8antvo [4/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「居たぞ!捕まえろ!」

石の投げられた方向から声が聞こえる。

「っと、どうやらヤバいことに巻き込まれてるみたいだな、逃げるぞ!」

「わ、分かった!」

そこからはそのリザードンについていった。

「…ふぅ、ここまでくれば撒いたか」

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…もうちょっとゆっくり…」

「シッ、静かに」

リザードンの手に勧められるままにしゃがむ。

「くそっ、どこにいやがる…お前ら!しらみつぶしに探せ!」



「助かったよ、ありがとう」

(おいバカ!まだ声はだしちゃ)

「茂みの中に隠れてやがった!今度こそ捕まえろ!」
 ▼ 5 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:42:22 ID:tL8antvo [5/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「何てことしてくれんだよお前ぇ!」

「ごめん、まだいるとは思わなくって…」

「前からも来てるな…こうなったら、おいお前!」

「ひぇっ!?何!?」

「今すぐ掴まれ!飛ぶぞ!」

リザードンの号令でとっさにその翼に掴まる。

その瞬間、体が宙に浮かんだ。


「わぁ〜…」

「何だ?空を飛ぶのは初めてか?」

「こんなナリで飛べる訳が…」

「お、おっ、あんまり動くな、重い」

「ご、ごめんなさい!」

「そろそろ町が見えてきたな、下降するぞ…っと」

ゆっくりと高度を下げる僕の目にその時見えたのは、またまた石だった。

「ねぇ!下!下!」
 ▼ 6 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:42:55 ID:tL8antvo [6/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「あぁ?下に何が…うっ!」

その石は見事にリザードンの足を切り裂いた。

「大丈夫!?」

「っ、ああ、大…丈夫だ。このくらいで不時着するほどやわじゃない」

よかった。こんなところから落ちたら確実に死ぬ。でもリザードンの足の傷も深い。治療できる所があればすぐにでも治療しないと…

「ところで、お前は何のためにあそこに?」

「いや、あれはホントにたまたまで…」

ずっとこれでは疑いが深くなるばかりだろう。ならいっそのこと…

「…実は僕、記憶がないんだ」

「ほー、そっかそっか、記憶がないのか…はぁ!?記憶がない!?住むところのあては!?」

いろいろ気になるところは有るだろうに、住処の事が気になるのか…

「いや、ないけど…どうしよっか」

完全に盲点だった。先程まで森の中で眠っていたからかもしれない。

「俺の住んでる所、ちょっとしたシェアハウスみたいになってるんだ、ちょっと見学してみないか?」

「…そうだね、それじゃあお言葉に甘えてそうさせてもらおうかな」
 ▼ 7 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:43:35 ID:tL8antvo [7/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「…よし、着いたぞ」

「うわぁ…ここが町?すごくポケモンが多いね!」

ポケモン?ポケモンとは何か。この町には色々な生命体がいるが、それら全てを呼称するのだろうか。どちらにせよ、その表現はどこか懐かしく、先ほどのような恐怖はなかった。

「おいおい、町に来るのも…って、記憶が無いんだったな、すまねぇ」

「それで?その、しぇあはうす?っていうのはどこ?早く見せてよ!」

「ん?この町に家があるなんて俺は一言もいってないぞ」

え?

いやいや、なんか流れがもう変わってたでしょ。ここが俺らの家だぜ!って感じで紹介されてもいいでしょ。

「俺らの家…拠点があるのはもう一つ離れた町だ。」

「じゃあなんで立ち寄ったのさ!」

「飛びっぱなしじゃ疲れるに決まってるだろ!それに俺は足に怪我してるし、どっかで応急処置だけでもしときたいんだよ!」
 ▼ 8 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:44:06 ID:tL8antvo [8/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
自分から家を紹介するとか言っておいてなんて身勝手な…いや、こちらは泊めてもらう身だ。文句は言うまい。

「よし、それじゃあ宿に行こうか、そこなら食事と医療器具が揃ってるからな」

「あ、待ってリザードン」

「リザードンって…おっと、そういえばまだ名乗ってなかったな、俺の名前は…バーンとでも呼んでくれ」

「バーン君か、僕は」

僕は…僕は…何だ? 僕は自分に関することすら思い出せないのか。情けなくて涙がでてきた。

「おいおい泣くなよ、大の大人がみっともない、初めて会った時はもっとこう、覇気があったぞ」

「うっ、ごめん…でも、それじゃあ僕の事呼ぶ時に不便でしょ?」

「そうだな…もうガブでいいんじゃないか?馴染みやすいし。それにガブリアスなんてほとんどいないだろ」

ガブリアスがほとんどいない?それってどういう事だろう。

「なんでほとんどいないの?この町にはこんなに沢山のポケモンがいるのに」

「ああ、何でもない。気にしなくていいぞ」
 ▼ 9 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:44:36 ID:tL8antvo [9/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「えー、教えてくれたっていいじゃんケチ」

「ケ、チ…うぅ…俺はしょせん貧乏性なんだよなぁ…小さい頃からロクな生活してないしなぁ…」

と言いながら彼は倒れた。泣いていた僕よりも多くの変な眼差しを浴びている。

「ち、ちょっと、恥ずかしいよ!早く宿に行こう!」

そして僕は全く動こうとしないバーン君を引きずって宿を探した。

「お、重い…」

「うぅ…うぅ…」

いい加減立ち上がって欲しいが、バーン君は足を怪我してるからしょうがない。

「ねぇ、宿ってどこ?」

「ん〜…スプーンとフォークが十字に重なってるマークが目印ぃ…」

こ、こいつ…しゃべれるほどの体力を残している…

「あ、あれかな」

そこには大きな2階建ての建築物があった。

「おーいバーン君、着いた…」

その瞬間、彼は翼を動かし、扉まで一直線に飛んでいった。
 ▼ 10 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 19:57:43 ID:tL8antvo [10/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「こんにちはリリィ!今日も見目麗しいな!」

「バーンさん、毎度毎度お世話になってます」

リリィと呼ばれた、とても可愛らしい微笑みを浮かべている植物少女の種族名はドレディア。もうこの「知らないけど知っている」知識についてあれこれ考えるのはやめた。

「って、バーンさん、足に怪我をしていらっしゃいますよ、大丈夫ですか?」

「ははっ、何、こんなの唾でもつけとけば治るさ」

だが、彼の傷は短期間の自然治癒を見込めるほど浅くはない。そのうち菌が入り病気になってしまうだろう。

「あら、じゃあ勝手に付けとけばよいではありませんか。さっさと立ち去ってくださる?」

「いやいや、君の唾の話をしてたんだよ」

なるほど、ドレディアという種族の唾(蜜?)には傷を治癒する効能があるのか、初めて知った。

「うふふ、冗談がお上手なんですね、じゃあ奥の治療室にお入り下さい」

「おう、ガブはそこで待っててくれ」

「ん?分かったよ」

こうして、彼らは奥の治療室とやらに入っていった。暫くすると、「ぐああああああああ!!!」などの悲痛な叫び声が聞こえてきた。見た目によらずよほど乱暴な治療をしているのだろう。

「くぅ〜、痛かった…」と言いながらバーン君は目に涙を浮かべながら出てきた。足には赤く染まった包帯が巻いてある。

「いえいえ、お役に立てたようで何よりです。報酬は治療の際にもう頂いておりますので不要です」
 ▼ 11 ックル@ふるびたかいず 17/05/05 19:59:12 ID:tsYZoOqc NGネーム登録 NGID登録 報告
お、立て直したのね
がんばって
 ▼ 12 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 20:14:18 ID:tL8antvo [11/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>11
ssタグ付け忘れたので(;_;)
 ▼ 13 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 21:23:58 ID:tL8antvo [12/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「バーン君、足はもう大丈夫?」

「ん?少し痛むけどなんとか歩けるぞ。何かしたい事とかあるか?」

したい事。そんなの決まっている。

「…知識」

「え?なんて?」

「僕、もっともっとこの世界のことを知りたい!そういう場所って近くにある?」

「あ、ああ、それなら図書館が近くにあるぜ」

「本当!?連れてって!」

「う、いや、連れて言ってもいいけど、俺は本を読むのが苦手なんだよ、だからついて行くだけになるけど良いか?」

「全然大丈夫だよ!さ、早く出発しよう!」

「あ、おーい、待ってくれよ、こっちは怪我ポケだぞ」

 ▼ 14 ルビアル@かなめいし 17/05/05 21:27:19 ID:2tcJ7VZA NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケダンみたい
 ▼ 15 ャモメ@オーロラチケット 17/05/05 21:28:06 ID:Jm7gLyRo NGネーム登録 NGID登録 報告
星喰くん
 ▼ 16 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 21:34:07 ID:tL8antvo [13/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜図書館〜
「うわぁ…」

そこは本でいっぱいだった。見渡す限りの本。と少しのポケモン。北も南も西も東も本本本本!

「すごいだろ!この図書館は世界で2番目に本の数が多いんだぜ!」

いや、それは君が自慢することではない。

「よし、じゃあ夕方までは好きな本を読んでてくれ、その爪で本を傷つけないようにな、ここの管理人ってスッゴい怖いんだぜ」

「分かった気をつけるよ!」

そうは言っても僕はそれを話半分で聞き流していた。

「まずは歴史の棚にでも行こうかな」

物事はそれの歴史について知ればだいたいは分かる。

「さて…多分この棚だよね、〜録とかあるし…ん?」

そこには、「ガブリアスの迫害の歴史」という本が周りの本に隠れて置いてあった。

本能がこの本を読んではいけないと囁き、いや叫んでいる。それでも僕の溢れ出る好奇心は止まらない。

震える手がその本に近づく。すると、

「あら、自分の歴史に興味があるなんて、珍しいわね」
 ▼ 17 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 21:45:47 ID:tL8antvo [14/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
振り返ると、そこには小さなキルリアが立っていた。

「そんな手では本を傷つけてしまうでしょう。私が読んであげるわ」

「え?あ、ありがとう…」

「ただし気分を害しても私に手をあげない事ね。まああなたは私に対する決定打を持っていないでしょうけど、念のため忠告しておくわ」

そこから先の事は実感がない。こうこうこういう事があった、というあいまいな知識のみが残っている。

彼女の言う事には、ガブリアスの背中のヒレはとても美味しいらしく、昔から食べられていたそうだ。

それだけなら良かったものの、近年フカマルのそれの方が美味しいと判明し、めっきり数が減ったらしく、今は超高級品として取引されている、とも。

「ふぅ、疲れた。どう?不快になったとしても私は謝らないわよ」

「い、いえ。大丈夫…です」

今日襲われたのもそのせいかも知れない。

「ぼ、僕もう帰ります!」

「そう、あなたが本を好きになってくれると嬉しいわ」

なんて性格が悪いんだ。この年頃の子はみんなこうなのか?

「あ、お帰りガブ、まだ時間はあるけどどうする?」

「もういい!早く帰ろう!」
 ▼ 18 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 22:00:16 ID:tL8antvo [15/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜宿〜
「お帰りなさい。夕食の準備はできてますよ」

「ただいまリリィ、また可愛くなってるね、この年頃の子はどんどんかわいくなるんだね、初めて知ったよ!」

「うざいですよ、バーンさん」

こいつもやはり性格が悪いのか。この年頃の女児は性格が悪いことが実証されたな。

「さぁ、それよりお腹が減ったな、飯はまだかな?」

「うふふ、さっき準備できていると言ったはずですよ。自分の炎が強すぎて脳みそまで溶けちゃったんですね」

気が滅入りすぎて笑う気も起きない。早くご飯を食べて寝よう。

〜食堂〜
「ガブ、リリィの料理はこの町一なんだぜ!ちょっと食べてみろよ!」

料理?その単語を聞くだけで、あのキルリアの話を思い出してしまう。

(ガブリアスの背びれは色々な調理法があって、美食家たちが目から手がでるほど欲しがるのよ)

「…ごめん、ちょっと気分が悪いや、先に部屋に行ってるね」

「あっ、おい待てよガブ!」
 ▼ 19 シラム@きんのはっぱ 17/05/05 22:08:48 ID:VzCQFL.g [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
まさかポケ食あり?
これは期待
 ▼ 20 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 22:12:52 ID:tL8antvo [16/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>19
そういう系統の小説読んだことないから書きません
それにこのBBSには小中学生もいるので
でもまあ絶望感を出すには良い演出かもしれないんでどっかに取り入れてみたいから何かそういう系統のssとか貼ってくれると幸いです
 ▼ 21 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 22:24:28 ID:tL8antvo [17/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
食堂から出ると、先ほどのドレディアが待っていた。

「お部屋は二階でございます。ごゆっくりどうぞ」

僕は二階に上がり、即座にベッドの中に潜り込んだ。




「おーい、ガブ起きてるかー!起きてるよな、布団の中の泣き声下まで聞こえてたもんな!」

…バレてたか。そう。さっきまで僕は泣いていた。理由は分からないが、気持ちに整理がつけられなかった。この文章も整理がつけられていない。

「よし、じゃあもうちょっと端に寄ってくれ」

…?なんでだ?理由は分からなかったけど、とりあえず僕はベッドの端に寝返った。

「うんしょ、2匹だと結構狭いな」

突然彼が布団の下に入ってきた。

「え?ちょっと、なんで?」

ベッドには一匹で入るものではないのか?

「だって、一部屋にベッドは一つだけだし…ほらこちょこちょ〜」

突然彼が僕の脇をくすぐってきた。

 ▼ 22 リボーグ@ネットボール 17/05/05 22:25:23 ID:VzCQFL.g [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>20
グロとかじゃなくて、そういう文化として期待してしまった
衣食住の食だけ避けてるSSとか多いからさ
単純に貴重だなーって
変なレスしてすまんかった
 ▼ 23 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 22:31:21 ID:tL8antvo [18/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「あははっ!くすぐったいよ、バーン君!」

「ほら、笑顔になっただろ?チョロいもんだぜ!」

あっ、はめられた。

「僕が泣いていても特に君には害はないでしょ?」

「大ありだよ、うるさくて眠れないし、何より涙で布団が汚れるだろ。そうなったらリリィちゃんに迷惑がかかるからな」

…今やっと分かった。バーン君には悪意がない。僕が信頼するに足る人物だ。

「…お前がなんで泣いてたか当ててやろうか」

僕は答えない。

「多分図書館の事が原因だと思うんですけど」 

え?

「お前、ガブリアスについて調べたな?」

「…すごいね、君は何でも知ってる」

「何でも知ってるわけじゃあない。知ってる事だけだ」

「安心しろ、俺はお前を食べたりなんてしないよ、そういう高尚なお味は下に合わねえんだ」

…そんなの、そんなの分かってるよ。
 ▼ 24 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 22:38:12 ID:tL8antvo [19/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「あはは、君っておもしろいね」

「そ、そうか?」

「うん、とっても。」

「そっか、それなら何よりだ。」

「おやすみなさい。バーン君」

「おやすみ。ガブ」

明日のしぇあはうす?見学がとても楽しみだ。

僕の記憶に関する手がかりは未だに一つもないけれど、今日は価値のある1日だったと断言できる。

明日はあのドレディア…リリィちゃんにも謝らないとな、そして世界一という彼女の料理を食べるんだ。

…ふふ、明日は楽しみな事がいっぱいだ。

「おやすみ。また明日。」

もう一度確かめるように言った。
 ▼ 25 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 22:39:59 ID:tL8antvo [20/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>22
これはどっちかというと衣を避けた物になりそうですね、ポケモンだからね、しょうがないね。
ほんへに着せ替え機能追加してくれよな〜頼むよ〜
 ▼ 26 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 23:19:46 ID:tL8antvo [21/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜次の日〜
「おーい、ガブ起きろ〜〜」

「んんっ…もうちょっと…」

「もうそろそろチェックアウトしなきゃいけないんだよ、早く起きないと朝飯抜きだぞ!」

朝飯抜き!?それはまずい。昨日あんなに楽しみにしていた物を奪われるのは耐え難い苦しみを僕に与えるだろう。

「は、はひっ!」

「どうしたんだよ、声裏返ってるぞ」

「ううん、なんでもない」

食堂に着くと、もうすでに朝ご飯が用意してあった。昨日の事に気を配ってくれたのか、今日のご飯はサラダとパンといういかにもシンプルなメニューだ。

「リリィちゃんありがとう!」

「これも従業員の務めですから」

昨日は性格が悪いと思っていたけれど、そんな事はないのかもしれない。

「ああリリィ、朝の日差しに照らされる君もまた一段と可愛いよ!」

「私の体力は満タンですよ?朝の日差しなんて効果ありませんよ、きっと目がお悪いのでしょうね。いや、悪いのは頭ですか?」

…訂正。まだ断言はできない。
 ▼ 27 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 23:22:55 ID:tL8antvo [22/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「よし、それじゃあ食べようぜ!」

まずパンに手をのばす。もちもちでおいしい。塩もちょうどいい具合に利いている。

「そのパンは私が昨日の夜こねた物なんですよ」

彼女は噂に違わない名料理人のようだ。最も、僕のせいで肉料理が作れなかったのだから、真の実力は計りようがないが。

サラダに手を付けようとすると、急にバーン君が話しかけてきた。

(おいガブ、お前トマト好きか?)

「え?好きだけど?」

(声がでけぇよ!今からお前にトマト渡すからちょっと皿寄せてくれ)

「なんでそんなこそこそ話す必要があるのさ、たかがトマトでしょ?」

その時、リリィちゃんの耳?がピクリと動いた。

「バーンさん、またトマトを残すつもりだったんですね…?」

「い、いや違うんだ!これは単なる親切心で…」

「言い訳は無用です。そこにお座りなさい。トマトの素晴らしさをたっぷり聞かせてあげます」

「ひっ!ででででも、俺らはチェックアウトしなきゃいけないからさ!いやー残念だな!トマトの素晴らしさを聞けなくて!」
 ▼ 28 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 23:30:21 ID:tL8antvo [23/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「この宿屋は私のテリトリーです。時間のルールなど簡単に曲げられるのですよ♡」

…なんだか長くなりそうだな。一足先に出るとするか。

「あ、おい待て!俺を置いてくのか!一緒にトマトの素晴らしさについて語ろうぜ!」

語るのはバーン君じゃなくてリリィちゃんだよ…

「無視か!この薄情者!鬼!」

「あら、もう行ってしまわれるのですね、残念です。よい旅を。なるべく手短に済ませますので」

「じゃあね、また来るよ」

そう言って扉を閉めた途端に、僕はある物を感じた。

視線だ。遠くか近くからかは分からないが、十数名がこちらを見ている。

思わず再び扉を開けてしまった僕が見たのは…


赤い液にまみれたバーン君の姿だった。
 ▼ 29 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 23:38:37 ID:tL8antvo [24/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「それではお気をつけて」

僕たちはリリィちゃんの宿屋を離れた。

「いやー、災難だったぜ。まさか大量のトマトを投げつけてくるとはな。食べ物粗末にしてるのはどっちだっての」

シャワーでトマト汁は落としたが、まだ若干トマト臭いので周りのポケモンからは避けられている。

「さて、これから俺の拠点に行く訳だが…もう一回飛ぶか?」

「えっ、そんな悪いよ!だって重そうだったし…」

「こっちは足怪我してるからな。足の痛みよりマシだ」

そっか、じゃあお言葉に甘えちゃおうかな。

「乗ってもいい?」

「よし、しっかり捕まってろよ、飛ぶぞ!」

その瞬間、体が宙に浮かんだ。

「うわぁ〜、すごい!飛んでる!飛んでるよ!」

「もう2回目だろ、そんなにはしゃぐなよ」

確かに今回は前のような驚きはないし、少しトマト臭い。

でも、僕にとって飛行は全く未知だ。風が頬を撫で、石が頬を撫で…ん?石?
 ▼ 30 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/05 23:46:47 ID:tL8antvo [25/25] NGネーム登録 NGID登録 報告
「バーン君、下!下!」

「言われなくとも…っ!絶対に離すなよ!」

その後、バーン君は旋回飛行を始めた。素早く動くバーン君に石は当たらない。

「うっ…ちょっと吐きそう…」

「よし分かった。俺がゴーと言ったらその地点で吐け。」

なぜ嘔吐の場所を指定しなければならないのか。そんな事を考えている内に、その時は直ぐにやってきた。

「ゴー!」

その合図と共に、僕は『反転する食物』を解きはなった。

下から悲しそうな叫び声。どうやら石を投げていた奴に当たったらしい。

「よし、このまま拠点に突っ込むぞ!」

バーン君は急加速し、下に向かって飛ぶ。

「ひえぇぇぇええ!ぶつかっちゃうよ!」

速度はどんどん上がってゆく。

「大丈夫!俺をっ…信じろ!」

僕は彼の胴をぐっと抱きしめ、目を閉じた。
 ▼ 31 ュレム@どくのジュエル 17/05/06 09:50:34 ID:aCjNudZc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 32 ブネーク@エスパーZ 17/05/06 13:21:36 ID:FE25V5jo [1/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「うっ…ここは?」

朝日で目を覚ますと、木でできた天井が目に入った。

そして横を見れば、あのキルリアがいた。

「あら、目が覚めたのね。おはよう。」

「な、なんで君がここにいるの!?」

「あら、居ちゃいけないの?ここは私…たちの家よ」

私の後に若干間があったのが気になるが、ここはキルリアの家らしい。

「そうだ、一緒にリザードンが居なかった?ここに一緒に飛んできてたはずなんだけど…」

「ああ、アレの連れね。今奥の部屋で休んでるから、顔見せてやって」

キルリアの指し示す方向を見ると、また木でできた扉があった。どうやらこの建物は全て木造らしい。

「バーン君、いる…」

扉を開けた先では、一匹のイーブイがバーン君に乗っかって、足に包帯を巻いていた。

「ん?ああ、ガブか。よう!元気そうで何よりだ!おかげで俺は元気じゃないけどな!」

バーン君が起きあがろうとすると、その頭をイーブイが小さな足で制する。

「動かないで下さい!もう…全身打撲なんて物じゃないんですから、安静にしてないとダメですよ!」
 ▼ 33 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 13:43:39 ID:FE25V5jo [2/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「う…まあいいや、ようこそ!俺らの拠点へ!」

ん?今俺らって言ったよね?キルリアも私たちって言ってたし…てことは?

「それじゃあ仲間を紹介するぜ!まずこいつはイーブイのイア、もう2匹いるんだけど、今はここにはいないみたいだな」

「…もしかして、その2匹の内の一匹はキルリアだったりする?」

「うお、凄いなお前。なんで分かったんだ?リザードンって炎飛行エスパータイプだったのか!?あいつはレインって言って、このチームの頭脳なんだぜ!」

タイプとは何かという知識も僕にはなかったが、それよりもあのキルリア…レインがバーン君の仲間だったという事の方が驚きだ。

「どうしてポカーンと口を開けているのかは知らないけど、紹介を続けるぞ。もう一匹はちょっと新種のポケモンでな、まだ種族名が決まってないんだけど、俺らはメルルって呼んでる。今は調査に出掛けてるはず何だが…」

その時、玄関からものすごい声が聞こえた。

「たっっだいまーーー!!!!!」

そしてその声の主は一直線にこちらに近づいてくる。

「やっほー、バーン君、イア。ん?そこなガブリアスはどなた?」

このポケモンはカプ・テテフだ。

ん?なんで僕は種族名が決まってないポケモンの種族名を知っているんだ?決まっていないなら、この「カプ・テテフ」とは何なのだ?

しかし考える暇もなくタネマシンガンのようにその「カプ・テテフ」…メルルは話し続ける。

「初めまして!私、カプの一柱にして四天王最強ことメルルちゃんです!私ね、ずっっっとカプって協会にも名乗ってるんだけどね、まだ正式な名前が決まってない、とかなんとか言われちゃってさ〜…あ、ところで君どこの出身?私はね、ここからちょっと離れた南国っぽい観光地の守り神やってたんだけどね、ここのバーン君にスカウトされちゃってね、きゃー!私ってば強い!…
 ▼ 34 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 13:53:38 ID:FE25V5jo [3/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
などと意味不明な供述をしており…

これでは技を出すまえに話だけで時間が過ぎていってしまうだろう。

「…とまあ、めちゃくちゃうるさいけど悪い奴じゃないんだよ。仲良くしてやってくれよな」

メルルはまだ喋っている。

「以上!何か聞きたい事とかあるか?」

「さっきチームとか言ってたけど、バーン君達は何か集団でしてるの?」

「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれた!そう、我らはホロスコープ!この星の地図を書いている!」

なるほど、バーン君達は地図書きなのか。

「なんで地図なんか書いてるの?」

「えっと…それは…イア、説明してくれ!」

「ええっ!?もう忘れちゃったんですか?しょうがないなぁ…」

そうしてイアちゃんは咳払いをしてから話し始める。

「こほん、えっと、ガブさんは『不思議のダンジョン』について知っていますか?」

その単語については知らない。どうやら元からの知識も完全ではないようだ。
 ▼ 35 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 14:09:47 ID:FE25V5jo [4/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「知らないなら説明しますね、不思議のダンジョンって言うのは、時空の歪みのせいで訪れる度に地形が変わる、とっても不思議な所なんですよ!」

「そこには沢山のお宝があって、冒険家たちの憧れだそうです!」

お宝!そういうのもあるのか。

「お前が倒れてたあの森も不思議のダンジョンだったんだぜ」

「だった?どういう事?」

「いいか?俺達は地図を書いてるって言っただろ?地図を書く事によって存在証明がどうたら、認識がどうたらで、地形が固定されるようになるんだとさ」

「私の言ったこと全然覚えてないじゃないですかぁ!」

「私けっこううっかりやなんだけどね、サイコフィールド下の私のマキシマムサイブレイカーでh奇石ポリゴン2が37.5%で倒せるんだよ!すごくない!?」

メルルはまだ意味不明なことを大声で話している。よく息が続くものだ。

そんなメルルにも負けずにイアちゃんは話し始める。

「不思議のダンジョンは実力のある人には宝の山だけど、私みたいな非戦闘種族にはとっても危険なんです。だから私達は地図を書くことで、皆の助けになるように活動してるんです!」

「…それで?ここで暮らす気にはなったか?ガブ」

そうだった。僕はそのためにここに来たんだ。でも、ここに住まない理由はない。皆(キルリアを除く)優しそうだし、何より世界の話を聞けば、僕が何だったのか知ることができるかもしれない。

「ああ、よろしくね、バーン君」

そっと手を差し出す。
 ▼ 36 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 14:18:09 ID:FE25V5jo [5/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「こちらこそ、よろしくな、ガブ!」

バーン君も手を握り返してきた。

「さて、じゃあ今日は明日に備えてもう寝ようぜ!」

「え?ガブさんの寝る所はどうするんですか?」

イアちゃんが聞いてくれた。たしかにその通りだ。

「俺の寝床の藁を半分わけてやるから大丈夫だろ!さ、疲れた疲れた!じゃあ寝室に案内…」

「だめです!ガブさんはここで安静にしてなきゃってさっきも言ったじゃないですか!」

起きあがろうとしたバーン君をすぐさまイアちゃんが取り押さえる。

「Zクリスタル以外にもね、スカーフだって、メガネだって似合っちゃうのよ!すごくない!?やっぱり私って最高ね!強いし!かわいいし!」

メルルの話はいつの間にかファッションの話に移行していたらしい。そっとしておこう。

「ガブ、寝室に案内するわ、ついてきて」

声が聞こえたので振り返ると、ドアの間からキルリア…レインが手招きしている。

「…ああ、ありがとう」

どうやら寝室は地下にあるらしく、僕らは階段を下った。

「…ここよ」
 ▼ 37 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 14:21:42 ID:FE25V5jo [6/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
そこは部屋などと言えるものではなく、ただの洞穴に近い物だった。

「種族柄こういう所が好きなんだそうよ。明日からは藁が半分になるから、今のうちに柔らかベッドを堪能しておく事ね」

そう言ってレインは去って行った。

「僕も疲れていたので、すぐにベッド(笑)に横になる。藁からはほのかに彼の香りがした。トマトの匂いと一日中いっしょだったので、僕は多少安心して寝る事ができた。」
 ▼ 38 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 17:15:30 ID:FE25V5jo [7/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
↑僕も〜できた。のところは括弧つかないです><
 ▼ 39 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 20:12:14 ID:FE25V5jo [8/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
ぺたぺた…ぺたぺた…

階段を音がする。

「…うるさいなぁ」

僕が寝返りをうった次の瞬間、枕元で爆発が起きた。

「ぐはっ…」

当然僕は壁際まで吹っ飛ばされた。

「あっ、避けちゃったんですね、残念。苦しめずにころしてあげようと思ったのに」

暗闇で相手の姿がよく見えないが、容赦なく光弾は飛んでくる。

僕はそれをギリギリの所でかわす。

「だーかーら、避けないでよ!早く済ませて眠りたいの!」

だんだん目が慣れてきたのに加え、先ほどの光で相手の姿が見えた。

そこにいたのはあのイーブイ…イアだった。

「ふふっ、なんでイーブイにこんな攻撃ができるのか気になるでしょ?」

いや、特には気になってないが、そんなに説明したいならさせてやろう。

 ▼ 40 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 21:00:58 ID:FE25V5jo [9/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「じゃじゃーん!見てみてこれ!南国に行ったときに、バーンお兄ちゃんが買ってくれたの!まさしく愛だよね!」

そう言ってイアは懐から光輝く石を取り出した。

「イーブイZ…」

「へー、あなたって見た目によらず博識なのね、すごい!」

「…なんで僕を攻撃するんだ?」

「決まってるでしょ、私からバーン様をとったからよ」

呆れた。どうやら独占願望がものすごく強いらしい。

「元々君のじゃないだろ…」

「うるさい!!!」

鼓膜が破れるかと思うほど大きく、そして甲高い声で彼女は叫んだ。

「どうしてそういう事言うの?なんで私のじゃだめなの?邪魔しないでよ!」

その時、バーン君が階段から降りてきた。

「うるさいなぁ…どうしたんだイア…」
 ▼ 41 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 21:12:30 ID:FE25V5jo [10/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「お兄ちゃん!」

イアは泣きながらバーン君に飛びついた。

「あのね、ガブさんがね、私をこんな所まで連れてきた上に、なんか股を開けとか言ってきて、嫌って言ったら叩くの…」

演技力がすごい。何の事情も知らなければ簡単にだまされてしまうだろう。

「ガ、ガブ…まあ若さゆえの過ちってやつだからな、今後はするなよ」

バーン君も引いている。

「ただの獣ね…」

レインも呆れている。この少女は僕をどれだけ苦しめれば気が済むんだ…

「とりあえずガブ君はしばらく下にいなさい。扉にも鍵をかけます」

「ちょ、ちょっと待てよ!俺はどこで寝れば!?」

「野宿でいいでしょ、慣れてるし」

「そんな〜」

バーン君が肩を落としている。まだ僕の藁の方がましだろうに。

「さ、イアももう寝なさい。夜更かしは肌によくないわよ」

「うん、分かったよレインちゃん。お休み」
 ▼ 42 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 22:08:39 ID:FE25V5jo [11/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
それからしばらくした後…
「おーい、バーンだ。ガブ起きてるか?」

まだ日が昇っていないのにどうしたのだろうか。

「鍵あるから開けるぞ」

鍵!?なんでバーン君が?レインが持ってるんじゃなかったか?

「ふぅ、やっぱりここは落ち着くなぁ」

「…それで?何の為に来たの?」

「ああ、お前の、その…レッ、レレレ…ゴニョゴニョについてなんだけどさ」

なんとなく先程の事だと分かる。なぜ言いよどむのだろうか。

「俺もレインも、あれが嘘だと分かってる」

え?

「あのイアの体にはそんな外傷はなかったし、なによりお前の方が傷ついてるなんてありえないからな」

「じゃあなんであんな事を…」

「…イアはここで生まれたんだよ」
 ▼ 43 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 22:18:40 ID:FE25V5jo [12/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「俺がまだ小さい時だけどな、卵がある日突然置かれてたんだ。そこから孵ったのがあいつだ」

「あっためてたのは俺だったからな。すりこみ?みたいな事が起こったんだろうな」

「それからはずっと俺の事をお兄ちゃんって呼ぶんだ」

「この間俺がレインと遅くまで話してた時も研究室を荒らしてたし、メルルとバトルしてた時は料理に毒を盛ったらしい」

そうか。イアにとってバーン君は生まれたときからの家族だったのか。それを取られたら怒るのもしょうがないかもしれない。

「なんとか矯正しないと教育的にもまずいとは思ってるんだけどなぁ…」

「矯正って…まあいいや。で?これからどうするの?」

「しばらくはお前の身の安全を確保するために、俺がそばにいるぜ!」

「えっ、でもそれって逆効果なんじゃ…」

「しょうがないだろ。一人じゃ次いつ襲われるかも分かったもんじゃない」

まあ、あの時のイアには鬼気迫るものがあった。次は本当に殺されるかもしれない。

「さて、じゃあ藁分けてくれよ」

「う、うん…」


 ▼ 44 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 22:30:26 ID:FE25V5jo [13/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
地面を感じる。
「うっ、結構固いね…」

「これはこれでなんか良いな!自然の中にいる感じがするぜ!」

こんな鋼のメンタルを持ってないと冒険家は務まらないのだろうか…

「お休みーガブ」

「お休み、バーン君」

二人がほぼ同じタイミングで挨拶を交わし、目を閉じた。

一方その頃…

「お兄ちゃん、起きてる?…あ、ドア開いてる」

「もう!お兄ちゃんてば抜けてるんだから、しっかりしないと…っ!」

「…許さない」

「許さない許さない許さない許さない…っ!!」

「どうしてお兄ちゃんは私から離れてしまうの?どうして…」

彼女の頬には、月の光を浴びて涙が光っていた。
 ▼ 45 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/06 23:12:46 ID:FE25V5jo [14/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
翌朝…
「ううっ、眠い…!?」

「ぐごあああああああっ、ぐがあああああああっ」

なんとバーン君が僕の上に乗っかりながらものすごいいびきをかいている。

「ちょっと、どいてよバーン君、重いよ」

「んご?ああ、もう朝か。おはようガブ」

寝相も悪くいびきもうるさい。これで地下に隔離されているのにも納得だ。

「さて、今日は待ちに待ったお仕事の日だぞ、ガブ」

お仕事?ああ、地図を書きにいくのか。

「ほんと?初めてだから緊張するなぁ…」

「大丈夫だよ、俺も前に行ったことあるからさ」

ん?じゃあなぜもう一度行くのだろう。地図は一回書けばいいのではないのか。

「さぁ、今日の朝ご飯は何かなぁ〜、ふふっ」

「ああ、ガブ、一つ言い忘れてたけど、今日の当番はイアだ。ちょっと注意しておけ」

そうだった。イアはメルルの食事に毒を盛った事があるそうだから、食べる前によく臭いを嗅がないと。
 ▼ 46 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/07 19:51:20 ID:rMTVgoVU [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「おっ、今日のご飯も美味しそうだな」

テーブルには大量の料理が人数分盛られていた。確かに、見るだけなら美味しそうだ。

だが、そこからは毒物特有のきつい臭いが漂っている。
あまり高価なのは手に入れられなかったのだろう。

「そうですか?ふふっ、今日のは特別手をかけたんですよ」

僕はバーン君に目でサインを送る。プランAだ。

「おっ、この肉うまいな。ガブのもらいっ」

その時、急にイアのまぶたが動いた。

「あっ、それは…」

「ん?どうしたイア。俺がこれを食べちゃいけないのか?それともガブが食べなきゃいけない理由でもあるのか?」

「いえ、そんな訳じゃ…」

イアの躯がしぼんだように思えるほど落ち込んでいる。

「こら!子供の前で物を盗むのはよくありませんよ!島の守り神として許しません!」

突然メルルが口を挟んできた。ああ、もう少しだったのに!だが、彼女はあくまでも純粋な善意でやっているので責められない。

「いや、僕は肉はちょっと…」

「えー、いらないの?じゃあ私が!ぱくっ」
 ▼ 47 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/07 20:05:40 ID:rMTVgoVU [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
なんとメルルに奪われてしまった!流石のイアの顔も真っ青である。当然僕らも。

「ん〜!ちょっと味が変わってるけどこれはこれでイケるよ?バーンも食べてみなよ〜ほらほらほら」

あれ?何ともない…相当遅効性の毒なのだろうか。それとも…最初から毒なんて入ってなかったりする?

「〜っ!」

突然、イアが泣き出し、イスを降りた。

「もういいです!ごちそうさま!」ダンッ


「あーあ。泣かせたわねガブ。謝ってきた方がいいんじゃない?誠意をこめて、ひ・と・り・で」

歪みに歪んだ笑みを浮かべ、こちらをレインが馬鹿にするような目で見てくる。

「こんな美味しいものをすこし臭いが悪いからって食べないなんて、作り手に対する侮辱よ!私も謝った方がいいと思うわ!」

…こんなやつが守り神やってる地方って相当荒れてるだろうな。いや、絶対に荒れてる。

「おいおい、なんで毒入ってないのにサイン送ったんだよ?今回ばかりはお前の事かばってやれないぜ」

うっ…満場一致で僕が悪いのか…仕方ない。謝ってこよう。

「イアは自分の部屋に向かって走って行ったわ。早くいいかないと機嫌がどんどん悪くなるわよ」

確かに僕が悪いところもあるかも。ちょっと疑心暗鬼になってたかもしれないな。
 ▼ 48 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/07 22:02:48 ID:rMTVgoVU [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
僕はイアの部屋のドアをノックする。
「あの…イアちゃんいますか?ガブなんですけど…さっきはごめんね、僕肉が苦手で…」

ドアが開かれ、イアが涙を流しながら出てきた。

「ううん。こっちもすこし怒り過ぎてたみたい。ごめんね、変なことして…」

「よっ、やっと仲直りできたみたいだな!いやー良かった良かった!」

突然バーン君が現れた。それと他の2匹も。

「若いうちはケンカするほど仲良くなるって本当だったのね!なんか感動的だわ!」

メルルも目が少し潤んでいる。どうやら心配をかけてしまったようだ。

「…」

レインは何も言わない。事なきを得たのが不満だったのだろうか。

「さーて、それじゃあガブの初仕事といくか!メンバーは俺とガブと…他には?」

「あ、あの、私…行きたいです!」

なんとあのイアが志願していた。

「仲直りしたばっかりだからな。今日は思う存分二人で過ごすといい。メルルとレインは?」

「…私、研究進めるから行かないわ」
 ▼ 49 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/07 22:26:47 ID:rMTVgoVU [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「私は町に買い出しに行くわ!ガブ君が来たから、何かと必要な物があるでしょ?」

「そうか、残念だな。今回の行き先は星の洞窟なのに」

星の洞窟?何だろうそれは。

「ああ、奥に幻のポケモンが住んでいるとかいう洞窟でしょう?あんなの世迷い言よ」

「あのー、一応私幻のポケモンに迫るレア度なんですけど…」

「よし、じゃあ三匹で出発だな!荷物は昨日俺がまとめといたから、いざ出陣!」

〜ほしのどうくつ〜
「…寒い」

寒い寒い寒い寒い寒い!

なんだここは。地獄か何かか。きっとそうに違いない。ああ…僕は死んだのか。

「おーい、ガブ大丈夫か?ドラゴンタイプは寒いのが苦手らしいからな。俺の尻尾の近くにいるといい」

バーン君の尻尾の火は小さかったけれど、今の僕にとっては救世主だった。

「あったかい…」

「はっはっは、それは良かった。初陣で凍死とか笑えないからな!」

「…」

あれ?イアちゃん黙っててどうしたんだろう。
 ▼ 50 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/07 22:38:50 ID:rMTVgoVU [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「うわ、ニョロモだ、どうしてこんな所に…」

「おい!不用意に近付くな!」

僕が手を触れようとした瞬間、そのニョロモは水を放ってきた。

「ひっ、冷たい!」

「下がれ、ドラゴンクロー!」

目にも止まらぬ速さで繰り出されたバーン君の爪は、的確にニョロモの心臓をえぐった。

「ち、ちょっと!大丈夫なの!?血がこんなに…」

「?ああ、心配ない。こいつらは基本言葉が通じない、不思議のダンジョン内で自動生成されるいわば幻影だ」

幻影だろうが何だろうが、ポケモンの形をしている物が傷つくのはみていて痛ましい。だがこうしないと生きていけないのだから、それもまた正しい…のだろうか?

「くっ、さっきの水が凍って…」

「仕方ない…ちょっと火当てるぞ」

そういってバーン君は尻尾の火を僕の体に近づけた。

「すごい、みるみるうちに乾く…ところで、イアちゃんは何を?」

「ああ、イアは特性を利用してまわりの警戒をしてるんだよ」

確かに彼女は周りを見渡している。だがあれほどの力があるならば前線戦闘も不可能では無いと思うが、なぜだろうか。
 ▼ 51 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/08 22:44:10 ID:5X/OhozM NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
あと3ボックス分卵孵化したら書きます
早ければ明日の夜、遅くても明後日中には書きます
執筆さぼってすみませんでした
 ▼ 52 ツベイ@ゲンガナイト 17/05/10 16:33:30 ID:7ZFbCZuM NGネーム登録 NGID登録 報告
首をアローラナッシーにして待ってるぞ
 ▼ 53 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/10 22:29:42 ID:/dSu97pU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ふぅ…よし、ここまで来れば休憩していいぜ」

バーン君が立ち止まった。どうやら敵のあまりいない部屋に入ったようだ。

「はひ〜、疲れた…」僕もドンと腰を下ろす。

「お疲れ様。俺のリンゴ分けてやるからこれで腹ごしらえしてくれ」そういってバーン君はバッグからリンゴを1つ取り出して、僕に渡した。

そのとたんにイアの顔が曇る。

「私にはくれないんですか…?」

「ん?二人とも同じくらい入れたつもりだぞ」

「じゃあなんでガブさんにはあげるんですか?そうやってコミュニケーションをとるために同じ量を渡したんですか…?」

「いや、俺らのチームって華奢なやつが多いだろ?だからガブにどれくらいの量をあげたらいいか分かんなくて…」

「黙って!」

そう言ってイアはバーン君に飛びかかった。ただのたいあたりでも、イーブイZによって力が上がればバーン君を倒す事も可能だろう。

「うっ…イア、これは?」

衝撃で明らかに元気がないバーン君に、イアはゆっくりと登っていく。

「うふふ、もう逃がしませんよ。バーン様はこれから私のものです」

「ちょっと!何する気なんだ!」あまりの急展開で思考が飛んでいたが、止まっていた脳が活動を開始する。

 ▼ 54 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/10 22:34:48 ID:/dSu97pU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「部外者は黙ってて下さい!」

そう言ってイアは4枚のカードを飛ばす。彼女の「きりふだ」だ。それらは威力の低い方から順に、右足、左足、左腕、右腕に刺さった。

「うっ…があああっ!!」

そのカードが刺さった痛みは想像を絶するものであったため、僕の意識は再び途絶えた…

↓以下少しだけイア視点
 ▼ 55 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/10 22:54:01 ID:/dSu97pU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
うふふふふ、遂に捕らえられました。私のバーン様。

でももう様なんて付けずに呼び捨てでいいでしょうかね。どこに所有物に敬称をつける義理があるんですか?

「さて…まずはワレメを探さないとですね」

そう。私が今からやろうとしているのは俗にいう逆強姦?というものである。前にこっそりバーンの部屋に行った時に見つけた大量のそういう本に書いてありました。それが所有物に対して行う、いわば儀式のような物だとも。

「うーん、なかなか見つかりませんね…あ、あった」

本の挿絵よりも案外ワレメは小さく見つけづらかった。これなら割と痛い思いをしなくてすみそうです。

「えっと、まずはこの中で突起物を探すんですよね…ん、これはけっこう簡単でした。後はこれをいじって…と」

「イ、イア…やめろ」

それをこねくり回していると、突然バーンが声をあげた。あれを食らってまだ意識があるんですね。さすが私の所有物です。

…しかしおかしいですね。本の中ではこれをやられたポケモンは情けない顔をしてもっとして欲しいと懇願していたんですけど。

しばらくすると、その突起物がどんどん大きくなってくる。それに応じてバーンの顔もどんどん赤くなってゆく。

「ん、んっ…」息づかいが荒くなってきましたね。ふふ、かわいいです。やっぱり嬉しいなら普通に頼んでくれればいいのに。




「な、何ですか…これ…」
 ▼ 56 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/10 22:55:18 ID:/dSu97pU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
疲れて眠いので続きは明日の朝。
>>52
家を壊さないように気をつけて下さい。
 ▼ 57 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/11 07:11:43 ID:MlGEJ95. NGネーム登録 NGID登録 報告
そこには赤い、本から推測したであろうサイズから遥かに逸脱した巨大なモノがそびえ立っていた。

「だ、大丈夫ですよ。これくらい。少し大きいけど、私だって練習してきたんだから」

ゆっくりとそれにまたがる。触れただけでそれから熱が伝わってくる。

「えっと、じゃあ挿れますね…んっ」

「おいバカ、やめろ!」最後の力を振り絞っ手、息も絶え絶えで制止の言葉を発したが、それももうイアの耳には届いていない。

「ひいっ、痛い、い゛た゛い゛!い゛た゛い゛!」痛い痛い痛い痛い!

股関が引き裂けるような痛み(現に裂けていますが)を受けて、意識が飛びそうになる。

「で、でもっ、ひいっ、がんっ…ばらなきゃ…っ」

ソレはまだ4分の1も入っていない。

「うっ、どけ!イア!」

?いきなりどうしたんでしょうか。あ、私覚えてますよ。たしかこれから変な液体が出てくるんでしたよね。
 ▼ 58 ニガメ@まんぷくおこう 17/05/11 15:20:19 ID:dSC6jK8c NGネーム登録 NGID登録 報告
主人公が空気
 ▼ 59 ークライ@タブンネナイト 17/05/12 19:09:15 ID:Rn8eQGkY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 60 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/14 23:22:22 ID:tLEm1a5k [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
どぷっ。

その瞬間、私の膣内に大量の液体が流れこんできた。

「ひいっ!」

こんなに多いなんて思っていなかった。驚いて、踏ん張っていた足を離してしまう。

途端に体はずるりと下がり、バーンのソレを受け入れようとするも、あまりの大きさに穴が裂け、血が飛び散る。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! !」

声にならない叫び声をあげながら、私は深い眠りについた…
 ▼ 61 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/14 23:38:25 ID:tLEm1a5k [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
以下再びガブ視点
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! !」

イアの叫び声は、僕を眠りから覚ますのに十分な音量だった。

「うっ…」

そこには、バーン君の上にまたがり生気の抜けた顔をしているイアと、こちらとイアを交互に見ながらとても気まずそうな顔をしているバーン君がいた。

「あっ、いや、これはだな…(あっ、そういえばこいつ記憶ないのか)と、とりあえず目をつぶっておいてくれ」

「?まあいいけど…」僕はそっと目を閉じる。ふりをする。

「ふぅ、ひとまず窮地は凌いだかな…よいしょ」

そういいながら彼は立ち上がり、イアを股からはがした。

とたんにそこから白い液体と彼の雄々しくそそり立ったモノが出てくる。

「ありゃりゃ、けっこう出たな…最近処理してなかったからな」

…状況から察するに、彼はイアと行為をしていたようだ。

なぜだ?彼らは新種のポケモンでも創ろうとしていたのか?

「…見てるだろ!ガブ!」

おっと、バレてしまった。おとなしく目をつぶっていよう。

 ▼ 62 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/14 23:51:51 ID:tLEm1a5k [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「よし、もう目を開けていいぞ」

しばらくたって目を開けると、床についていたバーン君の精はきれいさっぱりとれていた。

「すごい…どうやったの?」

「そ、それはだな…」彼は口をもごもごさせている。

「言いたくないなら言わなくていいよ」

「ああ。そうして貰えると助かる…今日はもう撤退だな。初仕事でトラブルなんてな」彼は凄く申し訳なさそうな顔をしている。

「いいよいいよ。また次の機会を楽しみにしてるね」

「さて、じゃあ帰るか…」

イアを担いで帰る道中、ずっと彼の顔は赤く染まっていた。

 ▼ 63 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/15 18:30:44 ID:kHVz5p/s [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「うぅん…ここは?」
 
星の洞窟から帰った夜の明けた頃、イアが目を覚ました。

「おう、目が覚めたか」

「お兄ちゃん…?あ、あ、あ、あ、ああああああ!!」イアは涙を流しながら叫ぶ。

「もう気にしなくていいぜ。ガブの時にも言ったように、若さゆえの過ちってやつだ」

「許して、くれるの?私、あんな事、しちゃったのに」

「ん?まあ…な。俺が陸上グループだったらけっこう怒ってたかもしれないけどな!」バーン君はまるでなかった事のように豪快に笑っている。

「…ありがとう、お兄ちゃん」イアもすっかり泣き止み、少し微笑んだ。

二人が笑いあうその様子は、少し普通のものとは違ったかもしれないが、記憶のなかった僕にとってはとても美しく見えた。

その時、イアの体が光り出した。

「えっ?何…?これ」

「お、進化か!洞窟でなんか拾ったか?」

進化…?それは聞いたことがない。

「バーン君、進化って何?」

 ▼ 64 グロコ@しめったいわ 17/05/15 18:33:35 ID:xY2s68.M NGネーム登録 NGID登録 報告
スター☆ゲイ♂ザー
 ▼ 65 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/15 18:53:57 ID:kHVz5p/s [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「進化っていうのはな、簡単に言うと成長によって姿が変わる事で、ポケモンによってその条件は変わるんだ。」

「中でもイーブイはいろんな進化先があって、その条件も様々なんだ。この状況なら…エーフィとかか?」

そう言っている間にもイアの変容は続く。それの優雅さに目を奪われ、バーン君の話は申し訳ないが微塵も入って来なかった。

体が少しずつ大きくなり、リボンのようなものが生えてくる。しだいに光は収まり、その白い姿を露わにした。

「ん?ニンフィアになったのか。珍しいな。母親に過保護にされたイーブイがほとんどらしいのに」

「私、今回のことで分かりました。一方的なアピールは良くないって。それじゃあ気持ちも伝わらないって」

彼女の見せた新しい顔は、一皮むけて少し大人になったようにも見えた。

「改めて、宜しくお願いしますね。皆さん」

そういって彼女が見せた笑顔は、先ほどまでとは違う純粋な少女の笑顔だった。

「あら、進化おめでとうイア。これできちんと仕事にも参加できるようになったわね」一瞬で目の前にレインが現れ、いつも通りすました顔で言った。

「もう!今までの私が役立たずだったって言うんですか?きちんと周りの危険を皆さんに知らせてたじゃないですか!」

「あら、それくらい私だってできるわ。あなた以上の精度でね」

じゃあなんで今まであなたが探知役をやらなかったんですかね…?

「決まってるでしょ?私の方が強かったからよ。まあ今もだけどね」彼女の涼しい顔を見るに、どうやら本当の事らしい。

「まあまあ、二人とも喧嘩はよせよ。それより俺はもう眠いぞ。一晩中ここにいたからな!」
 ▼ 66 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/15 19:10:45 ID:kHVz5p/s [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ええ、私も途中で5、6時間居眠りしてたけど眠いわ。おやすみなさい」

そんなに寝てたのか…まあレインの性格からして、付き合ってくれただけでもましだろう。

二匹がそれぞれ部屋(内一名はただの洞窟)に帰った後、イアが声をかけてきた。

「あっそうだ、ガブさん、私あの事反省してます。」

?さっき言ったようなことをなぜもう一度言うのだろうか。余程大事なことなのだろうか。

「反省はしてますけど、まだお兄ちゃんの事諦めてませんからね。お兄ちゃんの隣で寝れるからっていい気にならないで下さい。それじゃあ」

そう言って布団の中に潜ってしまった。…改心したっぽいとは言え、まだ油断は出来なさそうだ。



部屋に戻ると、藁が用意してあり、バーン君はもう眠りについていた。

「ぐごあああああああっ、ぐがあああああああっ」

相変わらずの酷いいびきだ。今日は寝るのに時間がかかるだろうな…などと思っているうちに、僕の意識は沈んでいった。




 ▼ 67 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/15 19:14:05 ID:kHVz5p/s [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
…夢を見た。

目の前には何もない。しかし遠方から黒い何かが近づいてくる。

僕はそれに言いようのない恐怖を覚えた。

来る。来る。来る。来る。来るな。来るな。来るな。

その体の全体がぼんやりと見えた。

遠くからでもわかるその見た目の醜悪さで、僕は目を覚ます事ができた。
 ▼ 68 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/15 19:22:57 ID:kHVz5p/s [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
なるべく気をつけてるけど1匹を1人って言ったりするのが怖すぎる…
もしそういうのを見つけたときは優しく(重要)指摘してくださると助かります。
支援とても嬉しいです。ありがとうございます。

>>64
サッパリワカリマセンネー
 ▼ 69 デンネ@いのちのたま 17/05/16 21:51:56 ID:vkjOD6YM NGネーム登録 NGID登録 報告
次の日、僕は図書館に行っていた。やはりあんな事があっても知への探求心は抑えられないようだ。

なぜ僕はこんなにも知識に執着しているのだろうか。

「あら、またいるの。あの本読んであげましょうか?」

…また来たのか。そう思いながら振り返ると、近ごろよく見たキルリアの顔が。

「あの本はもういいよ…」

「そう。わざわざここに来るなんて、本が好きになってくれたようで本当に良かったわ」レインは心底驚いたような顔で言った。

「なんで民話の本なんて読んでるのよ」

「え?面白いでしょ?なんというか…昔の人の考えていた事が分かるみたいで」

「…あなた、子供っぽそうに見えて意外と詩人みたいな事言うのね。気に入ったわ」レインはなぜか得意げに鼻を鳴らしている。

「ところで、ここって暑くないかな?もう頭がフットーしそうなんだけど」

「夏なんだから当たり前でしょうよ…あ、いいこと思いついた」

…なんだか、ろくな事じゃない気がする。

「それじゃ、私家に帰ってるから!あなたも早く来なさいよ」そう言って目を瞑ったかと思ったら消えていた。なんとも不思議なことが出来るんだな、レインは。

「さて…じゃあこの本を早く読み終わりますか」

その本には、空間と時間を操る2柱の神や、願いを叶える星の子、そして全てを観る蛇の話が書かれていた。
 ▼ 70 ドラ@ぎんのはっぱ 17/05/17 15:03:26 ID:x9AdMJuw [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
本をなるべく早く読み終わるようにはしたが、結局夕方になってしまった…

「おっ、やっと帰って来たか!」もう皆揃ってるみたいだ。

「待たせてごめんね、それでレイン、いいことって何?」

「図書館でガブと話してて思ったんだけど、気づいたらもう夏なのよね…だから!皆で海水浴に行こうと思います!」

「かいすいよくって何?語感から海か水に関係してそうだけど」

「えっ、海水浴まで知らないんですか…要は海で泳いだりしてくつろぐ事で、すっごい楽しいんですよ!」イアが楽しそうに説明してくれる。

「おっ、面白そうじゃん!島にいた時以来ね!」メルルも楽しそうだ。どうやらとても楽しいものである事は間違いなさそうである。

そんな中、バーン君だけは暗い顔をしている。体調でも悪いのだろうか。

「多数決で可決ね、それじゃあ明日か明後日にでも行くから用意しときなさいよ」そう言ってレインは部屋に戻る。

「うーん、水着はどうしようかな、進化しちゃったから去年のは着られないだろうし…」イア、そしてメルルも部屋に戻っていく。


「バーン君は?どうしてそんな浮かない顔してるの?」

「ああ、俺泳げないからさ」

ああ、なるほど、泳げないのか。それならしょうがないな。

「まあでもあっちに行ったら行ったで楽しいことはあるからな。お前も初めて?の海を楽しめよ」

海か…イマイチ思い当たることがないな。でもせっかく連れて行ってくれるのだから、精一杯楽しもうと心に決めた。
 ▼ 71 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/17 15:04:05 ID:x9AdMJuw [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
酉が付きませんね…どうしたんでしょうか
 ▼ 72 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/17 17:17:48 ID:x9AdMJuw [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
さて…誰に海について聞こうか。

バーン君は…あてにならなそうだな。結構気が滅入ってたみたいだったし。

となると残りは女子3人…やはりここは言い出しっぺのレインだろうか。いや、あいつもタチが悪そうだ。何か間違った知識を教えてくる気がする。

やはりイアに聞くのが一番だろう。そう思って僕はイアの部屋に向かった。

「イアちゃん、今忙しい?」

「あ、ちょうどいいところに来ましたね!さあさあ、早くついてきてください!」そう言って僕の手を引っ張り外へ行く。

「海水浴に使う水着を選びたいんですけど、ひとりじゃ何が良いか分からないんですよね…ほんとはお兄ちゃんを連れて来たかったんですけど、部屋に閉じこもってて…」

そうだったのか。もしかしたら本当に体調が悪いのかもしれない。後で少し見に行ってみよう。

「水着なんているの?君たちいつも裸じゃない?」

「えっ…それは、そうですけど…泳ぐ時とかは毛が水を吸って沈んじゃうんですよね。だから私みたいな毛のある種族が海に行く時は水着をつけるんですよ」

「でも、イーブイからニンフィアになって毛がだいぶ減ったよね?水着なんているの?」

イアはそうとうショックを受けてしまったようで、立ち止まって呆然としている。

「そこは…いるという体で進めることにしましょう!さぁ、楽しい買い物の始まりです!」
 ▼ 73 アコイル@ポケじゃらし 17/05/17 17:20:53 ID:wq7zmj7Q NGネーム登録 NGID登録 報告
追いつかん支援
 ▼ 74 クバード@ブーカのみ 17/05/17 20:08:21 ID:x9AdMJuw [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「着きました!ここがこの街唯一の買い物ができる場所ですよ!」

その街の入り口に設置されていたモノは…なんというか…フリーマーケットに屋根をつけたような…こう…斬新な場所だった。

「見た目はちょっと貧相かもしれないけど、結構なんでも揃ってるんですよ、ここ。たしかこの時期はスリーパーさんが水着店をやってるはず…」

なんか犯罪に手を染めてそうなポケモンだな…おっと、今のは完全に偏見だったな。実際はすごいいいポケモンなのかもしれない。

「やあいらっしゃい…えっと、イアちゃんかな?随分大人っぽくなったね〜」

店主のスリーパーはとても不思議な目でイアを見ている。なんだかぞっとする。

「ありがとうございます…えっと、今日は水着を選びに来たんですけど…」

「やっぱり進化すると昔の水着は入らないか…じゃあこれはどうだい?君にきっと似合うと思うよ」

そう言ってそのスリーパーはきれいなピンク色の花がデザインされた水着を取り出した。

「…スリーパーさんって服を見る目だけは確かなんですね」イアは死んだ目でその水着を見ている。

「店の奥の個室で着替えてきてくれ。ああ、私は覗いたりしないから安心してくれ」

…訂正。やっぱりこのポケモンは犯罪に手を染めてる。絶対に。

しばらくたつと、イアが部屋から出てきた。

「どうですか?」

その水着は、イアのほのかに桃色がかった白い肌ととてもマッチしていて、優雅で気品のあるお嬢様のようなイメージを受けた。
 ▼ 75 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/17 20:12:53 ID:x9AdMJuw [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「おお!やはりとてもよく似合っております!」

「あんまり見ないで下さい…私もう着替えます…」

そう言ってイアはまた個室に戻った。

「ああ、写真でもとっておけば良かった!」

こいつはほんとに今処分した方が良いのではないか。

「さあ、早く帰りましょ、ガブさん!」

そう言って手をひっぱり強引に家に連れて帰る。

「今日は付き合ってくれてありがとうございました!ガブさんも海楽しんでくださいね!」

…行ってしまった。僕も本当に今日は疲れてしまった。だから僕ももう寝ます。おやすみなさい、バーン君、皆…

あ、バーン君の所行くの忘れてた。まあ明日行けばいいか。
 ▼ 76 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/17 21:51:13 ID:x9AdMJuw [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「おーい、起きろガブ!朝だぞー!」

…バーン君のいびきで眠れなかったんですけどね。

「今日が海水浴の日に決定したらしいぞ!早く準備しろよ〜」そういうバーン君の顔は、昨日とは違ってとてもウキウキしているように見えた。一体何があったのだろうか。

「とくに準備するものなんてないよ…」

「ん?そう言えばそうだな!ハッハッハ!」…恐ろしいほど上機嫌である。まあ元気が戻って良かった。

「海までは飛んでいくから、お前は俺の背中にでも乗っててくれ」

「イアとメルルは?置いてっちゃうの?」

「イアはペリッパー便に頼むし、メルルも一応浮けるからな。大丈夫だよ」ペリッパー便って、イアのことを荷物みたいに…

「そうと決まれば早速出発だ!一番俺たちが遅れてるぞ!」

僕は慌てて外に出る。初夏、雲一つない空である。

「最速で飛ばすから、しっかり捕まってろよ〜…」

ゆっくりとバーン君の体にまたがる。尻尾の火が少し熱い。

僕がバーン君にくっついたのを確認すると、バーン君は空を見据えて、全身に力を込めた。


今回も無事飛ぶ事ができた。
 ▼ 77 の煮物◆6KVitIouZM 17/05/17 22:05:40 ID:x9AdMJuw [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「よし、着いたぞ」

少し空に揺られていたらあっという間だった。

「うわぁ〜。。。」

見渡す限りの白と青。空、砂、海の3つの色が支配している。ただ少しポケモンが多いのが難点だが。

「あ、お兄ちゃん!こっちこっち!」

見ると、あの水着を着たイアとメルルが水遊びをしながらバーン君を呼んでいる。だが、当のバーン君はそんな事には耳も貸さず、

「あ、団長!お久しぶりです!」

「ん?ああ、君は…バーン君か。随分大きくなったんですね」

「団長こそ、よくここまでたどり着けましたね。そう言えばここってワイワイタウンの近くでしたもんね」
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