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【速報】マッシブーンさん、あまりにもハードボイルド【SS】

 ▼ 1 ノ◆zBLfAqPIVA 17/05/14 20:57:26 ID:P3uV/AlQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺の名前はマッシブーン。
知ってるだろ? あのマッシブーンさ。

俺はとにかくハァドボイルドォ(かなりネイティブな発音)な男なんだが、こないだ、俺があまりにもハァァァドボイルドォゥ(さっきよりもネイティブな発音)すぎるせいで、妙な事件に巻き込まれてしまってな。

そう、今日は皆に聞いてもらいたい話があるんだ。
ちょいと長いかもしれねぇが、聞いて欲しい。

あれは先月のこと。俺が鏡の前でポーズの練習をしてた時だった……。

マッシブーン「ふんっ……ふんっ!」

フェローチェ「……何やってんの」

マッシブーン「あ?決まってるだろ、日課だよ」


俺の一日は、朝の日課にもなっている30分間のポーズ練習から始まる……。


フェローチェ「あーストップストップ。ナレーション風にしなくてもいいから」

マッシブーン「……それくらい、俺の自由にさせてくれたっていいだろ。まぁいい、何の用だ」
 ▼ 262 マザラシ@ウルトラボール 17/09/28 08:35:40 ID:WU/qp0P6 NGネーム登録 NGID登録 報告
キノカス冷えてるか〜?www
 ▼ 263 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 18:49:47 ID:J5bVA5xE [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「……」

マッシブーン「仕方ねぇ、何とかして出口を探すか」

キリキザン「ア、アンタ……」


コマタナ「キリキザン様ァーッ! ご無事でいらっしゃいますかー!?」

その時、建物の外から張り裂けるほどの声が聞こえた。

キリキザンは直ぐに気づいた。
この声が、コマタナのものであると。


キリキザン「コ、コマタナ!?」

エアームド「あぁ、やはりこの火事の中に居られるのですねー!? 待っててください、今何とかして消火しますからーっ!!」

キリキザン「エアームドまで……!? い、一体どういうことだ……」


レアコイル「キリキザン様、これは罠でありますぞ……。我々を襲ったのは……ガチゴラス一家なのです!!」


キリキザン「──────っ!?」
 ▼ 264 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 18:54:25 ID:J5bVA5xE [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガチゴラス一家だと────!?

レアコイルの言葉を聞いた瞬間、キリキザンは己の取り返しのつかないであろう過ちに気付き、全身を震わせた。

そんな、だとすると──マッシブーンを今まで敵視していたのは────。

キリキザン「……マ、マッシブーン、これは、その」


マッシブーン「やれやれ、やっぱり勘違いか……仕方のねぇお嬢さんだ」


キリキザン「……っ」


レアコイル「とにかく火事に巻き込まれないようにお待ち下さいっ、消防隊が間もなく来るはずですからっ」
 ▼ 265 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 19:02:46 ID:J5bVA5xE [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガチゴラス「なぁんでレアコイルどもが生きとんねん!! なぁ、ビーダルゥ!?」

ビーダル「これは驚きでげすねー。まさかの事態でげすねー(棒)」


ゾロア「ビーダルッ、てめぇ……!!」


ガチゴラス「……裏切りよったなビーダル。ワイを怒らせたらどないなことになるか……思い知れや雑魚がぁ!」


ビーダル「裏切りとはまた面白いジョークでげすね。こっちはただアンタ達に失望しただけでげす。

ビーダル「……かの軍師ガチゴラスがどんな絵図を見せてくれるか期待したでげすが……おおハズレでげしたねー」


ガチゴラス「あぁ!?」


ビーダル「そもそもこっちはアンタらの仲間になった覚えすらないでげすよ。何故ならオイラは────」ギロッ


ガチゴラス「……ッ」ゾクッ
 ▼ 266 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 19:14:11 ID:J5bVA5xE [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガチゴラス(ア、アカンこいつ、この雰囲気は────)

ガチゴラス「はよこいつを殺さんかい……はよせぇや!!」

ドサイドン「うぉぉぉぉぉっ!!」

ビーダル「──アクアジェット」


バキッ……!!


ドサイドン「ゲ……ゲボッ……!?」ドスゥン

ゾロア「!?」

ガチゴラス「!?!」


ビーダル「……オイラ、あんまり知られてないけど、実はある集団を束ねる立場なんでげすよ」





ビーダル「真闘衆……聞いたことあるでげしょ?」





ガチゴラス「んなっ────!?」
 ▼ 267 クシオ@きれいなハネ 17/10/01 19:26:13 ID:Fa.J.hFU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なっ!?続くのか!?
 ▼ 268 デカバシ@べにいろのたま 17/10/01 20:58:27 ID:AUdPPGb2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キャァァ!キノさんハードボイルドー!
 ▼ 269 ーケン@こだいのどうか 17/10/02 00:37:28 ID:ywAtsGu2 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>90
初めて知ったわ、ありがとう
 ▼ 270 1◆zBLfAqPIVA 17/10/02 23:30:40 ID:dsmfRvUc [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メラメラメラ……

キリキザン(まずい、火の手がどんどん強くなってきた……炎には弱いのに、このままだと、死────)


マッシブーン「……ふぅー。おめぇ、俺の後ろに隠れてな。そうすりゃ多少の熱は防げるだろう」

キリキザン「あ、あんた……。な、何でそんなに俺を守ってくれんだよ……。何でそんなに優しいんだよぉ……!」


マッシブーン「……俺は、俺の心が為すべきだと思ったことを為しているだけに過ぎん」

マッシブーン「仮にお前さんが根っからの悪だったのなら、俺はお前さんを助けなかったろう……」



マッシブーン「つまるところ────俺が優しいんじゃねぇ、お前さんが守るに値するポケモンだった……。ただそれだけのことなのさ……」


キリキザン「……っ///」ドキッ

キリキザン(お、俺は何でこんな奴に顔を赤くしてんだよぉぉ……)


マッシブーン(さて……早くなんとかして、この炎の渦から脱出しねぇとな……)
 ▼ 271 1◆zBLfAqPIVA 17/10/02 23:46:29 ID:dsmfRvUc [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン自身、炎に強い体質ではなかった。
それもその筈、彼のタイプはむし・かくとう。

周りはどこを見ても、炎という化け物が猛威を奮っている。
下手をすれば、すぐさま死に至る状況だったのだ。


だが、彼は一片の迷いすらなく動き出した。

マッシブーン「うぉぉぉぉっ!!」

バコォン!

渾身の愚弄(グロウ)パンチが建物の壁を粉砕する。

マッシブーンは今、火の手の薄い箇所を懸命に探し、壁を壊しながらなんとか逃げ出せる道はないかと模索していた。


まさに決死の行動である。

キリキザン「……お、俺も手伝う!」

マッシブーン「はぁ、はぁ……待ちな。ここは俺の仕事だ……嬢ちゃんの出る幕じゃあねぇよ」


キリキザン「な、何だと!?」


マッシブーン「……お前、思ったより体力を消耗してんだろ? 今にも視界が薄れてきてないか? な……図星だろ」


キリキザン「う、ぐ……でも、体力が限界なのはアンタだって同じじゃ────」


マッシブーン「俺は固茹で────ハードボイルドだぜ? この程度の炎が何だ……俺にとっちゃぬるま湯に等しい!!」
 ▼ 272 1◆zBLfAqPIVA 17/10/02 23:54:23 ID:dsmfRvUc [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────

レアコイル「あの建物だ! 早く消化してくれぇ!」



カメックス「OK、待ってな……全力のハイドロポンプでいくぞ!!」

ゴルダック「任せときな、カメックス消防団の底力見ろやぁぁぁ!!」

ペリッパー「ブーーーーーーッ!!」

ジュォォォォォ……


エアームド(炎がみるみる内に消えていく……キ、キリキザン様は無事なのか……!?)
 ▼ 273 1◆zBLfAqPIVA 17/10/04 23:51:53 ID:zRPopqOk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「……ケホ、ケホケホッ」

マッシブーン「大丈夫か、嬢ちゃん」

キリキザン「……分からねぇよ。もう、駄目なのかもしれねぇな」

マッシブーン「……さっきまでの威勢はどうしたんだ。すげぇ殺気を放ってたじゃねえか」

キリキザン「……フフ、あの殺気だって……。ただの俺の強がり、ハリボテみてぇなもんさ……本当の俺は弱いんだ」


 ▼ 274 1◆zBLfAqPIVA 17/10/04 23:59:23 ID:zRPopqOk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「昔から、父親に男らしくあれと教えられてきた、だから俺は常に強く、男らしく振る舞ってきた」

キリキザン「でも、所詮それは演技だったんだ。本当の俺は、いつも怯えていた。ヤクザ稼業ってのは命を狙われることも多々ある。震えてばっかりだったよ、俺は組長の器じゃねぇんだ」


マッシブーン「……グダグダ言いやがって」


キリキザン「……」

マッシブーン「俺はお前さんの強さを知ってるぜ? お前さんは仲間の命の危機に立ち上がり、怒った。……その時点で、お前さんは立派なリーダーにしかなりえねぇのさ」
 ▼ 275 1◆zBLfAqPIVA 17/10/05 00:05:22 ID:wFMxmsBo [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン「胸を張れ!!」

キリキザン「!」ビクッ


マッシブーン「何が男らしくだ、何が強くだ。くだらねぇ、胸を張れねぇ生き物がどれだけの力を持とうと、それは宝の持ち腐れにしかなんねぇンだよ!!」


マッシブーン「ほら、俺の背中に乗りな、おんぶしてやる」

キリキザン「……アンタ……」


マッシブーン「生きようぜ……仲間が外で待ってンだろ?」


キリキザン「……ありがとう、マッシブーン……」



ガラガラガラガラ……!
ズズゥン……!!
 ▼ 276 1◆zBLfAqPIVA 17/10/05 00:14:35 ID:wFMxmsBo [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エアームド「建物が……崩れた」

コマタナ「ま、まさか二匹は瓦礫の下敷きに……!?」


バコォォォン……!!



一同「!!?」

マッシブーン「はぁ、はぁ……」

キリキザン「ぜぇ、ぜぇ……」

レアコイル「信じられん……自力で脱出するとは」


ポツ……ポツ……ポツポツ……

キリキザン「雨が……降ってきたみたいだ」

マッシブーン「これは雨なんかじゃねぇ……」

マッシブーン「……お前が流す……心の涙なのさ」

キリキザン「……っ///」
 ▼ 277 1◆zBLfAqPIVA 17/10/05 00:38:52 ID:wFMxmsBo [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビーダル「んん〜、やっぱりあのマッシブーンって奴、面白いでげすねぇ〜♪」

ガチゴラス「あ"、顎が……割れ……!?」ジタバタ

ビーダル「……まぁぁだ意識あったでげすか。そろそろ眠るでげす!」

────バキバキッ!!

ガチゴラス「っぐぁぁ……!!」ピクピク…


ビーダル「……さて、お前ら隠れてないで、さっさと出てくるでげす」

カイリキー「これは失礼しました、ボス」

ラグラージ「久しぶりだね〜ボス」

ビーダル「ん、確かに久しぶりでげす。どうしてオイラの場所が分かったでげすか?」


カイリキー「火のない所に煙は立たないとはよく言いましょう……。事件が起きた場所には、必ず貴方がいらっしゃいますからな。原因不明の火事が起きたと聞いて、もしかしたらボスがいるのではと駆けつけた次第です」


ビーダル「んん〜……まるでオイラがトラブルメーカーみたいな言い方でげすね」

ラグラージ「ハハハハ! 実際はトラブルファクトリーでしょ」

バコッ!!

ラグラージ「痛いッ!!」



ビーダル「それで? わざわざオイラのとこまで来て、何の用でげすか」

カイリキー「いえ、最近マシャラの街の治安が悪化しておりますからな。ここで一回、真闘衆メンバーを全員集めた会議を開きたいと思いまして────」

ビーダル「そりゃあ、また……面白い提案でげす」ニヤッ
 ▼ 278 ンドール@プラスパワー 17/10/05 00:57:56 ID:3DHFoPhQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえんぬ!
 ▼ 279 1◆zBLfAqPIVA 17/10/05 00:58:04 ID:wFMxmsBo [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビーダル「あのマッシブーンって奴も気になるでげすが……まぁひとまず、会議とやらを開こうじゃないでげすか」

カイリキー「では、各地に散らばったメンバーに集合命令をかけねばなりませんな。……ところで、ここに無様に倒れている雑魚どもはなんですか?」


ビーダル「ガチゴラス組でげす。組長ガチゴラスは情報収集の鬼とも言われているでげすから、暫く潜入してスパイごっこに興じてたんでげすよ」

ビーダル「手に入れたい情報も集まったし、ここらが潮時でげすね。警察にでも突きだしておくのがよかろうでげしょ」


ガチゴラス「はぁ……はぁ……。そう簡単にいかせへんぞ」


ビーダル「アンタァ……想像以上にタフでげすねぇ」

ガチゴラス「このために雇ったゾロアも、部下も、全員倒されるっちゅうんはヤクザの恥や……!! このままじゃ終われへん。せめて一匹だけでも……ぶっ殺してやるぁぁぁぁぁ!!!」


ビーダル「……カイリキー」クイッ

カイリキー「了解」


ガチゴラス「かみくだっ────!!」

カイリキー「……からてチョップ」

ミシミシッ……!!


ガチゴラス「……んな、アホなぁ」バタッ



カイリキー「未熟者ほど寿命は短い。……強者と己の間にある実力の溝を理解せんからな」
 ▼ 280 1◆zBLfAqPIVA 17/10/05 00:59:31 ID:wFMxmsBo [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで
 ▼ 281 メノデス@ルールブック 17/10/05 06:20:15 ID:Q6qEskGo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援だぞ
 ▼ 282 ワムラー@オボンのみ 17/10/05 08:35:40 ID:4gX58yio NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 283 シャーナ@シルバースプレー 17/10/09 00:11:30 ID:d7aieAt6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
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──────────

レアコイル「よくぞご無事で、キリキザン様……」

キリキザン「……ああ、うん。でも……俺が無事だったのは、全部マッシブーンが助けてくれたおかげなんだ」

コマタナ「マッシブーンが……」

エアームド「それにしてもアンタやるじゃねぇか! あの火事から抜け出すなんてすげぇよ!!」

エアームドがマッシブーンの背中を軽く叩いた。
すると……次の瞬間、彼は不安定なドミノのように直ぐ倒れてしまったのである。


マッシブーン「う……ぐ……」

キリキザンから受けたダメージに加え、火事による火傷は彼の状態を深刻なものにしていたのである。



キリキザン「マッシブーン!?」
 ▼ 284 ロバット@いかずちプレート 17/10/09 00:31:07 ID:d7aieAt6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃……。

フェローチェ「……もうマッシブーンがいなくなってから随分経つわ。そろそろ手がかりだけでも見つけたいところだけど……」


カミツルギ「……確かにマッシさんがいなくなったのは事件ッスけど、フェローチェさん少し心配しすぎじゃないッスか?」

カミツルギ「マッシさんは男の中の男ッスよ! 力も強くて度胸がある! 大丈夫ッスよ、あの方は今もどこかを放浪してるはずッス。そのうちちゃんと会え────」


フェローチェ「そっか、カミツルギは知らないんだっけ」

カミツルギ「?」


フェローチェ「……マッシブーンの、小さい頃の話よ」



フェローチェ(アイツは……誰よりも臆病で、誰よりも泣き虫だった……)
 ▼ 285 1◆zBLfAqPIVA 17/10/09 00:37:49 ID:d7aieAt6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フェローチェ(その時のことを知ってるから、余計不安なのよ……)


========

子供ブーン(マッシブーン幼少期)「うぇぇぇぇん……びぇぇぇぇん……!!」

ロリーチェ(フェローチェ幼少期)「またアナタ泣いてるの? 男のくせに弱虫なのね!」

子供ブーン「だってぇ、だってぇ……。転んだんだもん、痛いんだもぉん……うう、ぐすっ」

ロリーチェ「……ほら、手貸してあげるから、自分で立ちな」

子供ブーン「うう、ごめんね……ボク、全然弱くて」

ロリーチェ「ほらほら、もう顔ぐちゃぐちゃじゃないの! 涙拭いて、行くよ?」

=======


フェローチェ「彼はある事件のせいで変わってしまった……」ボソッ

カミツルギ「何か言いました?」

フェローチェ「……何でもないわ」
 ▼ 286 ッシード@ドラゴンメモリ 17/10/09 09:53:09 ID:aG5Cytp2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 287 メックス@ヒメリのみ 17/10/09 14:49:11 ID:hf/BsOSw NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 288 バメ@ロメのみ 17/10/09 19:12:41 ID:96DmjF4Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
4円
 ▼ 289 ーダ光線G◆Ns3KnoCdJg 17/10/09 20:25:12 ID:GdagMjgY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 290 1◆zBLfAqPIVA 17/10/10 23:53:35 ID:EmoRYAAc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フェローチェが空を見上げたそがれていると、テレビが急に騒がしくなってきた。
どうやら、何かの事件が起きたらしい。

カミツルギとフェローチェは思わず、一度顔を見合わせ、テレビを凝視した。

ニュースキャスターぺラップ『速報です! マシャラタウン○○地区×丁目にある廃ビルで爆発事故が発生しました。現行犯で緊急逮捕されたのは、プテラ系列ガチゴラス組のガチゴラス組長を含めた十数名の集団で、この事故による被害者も出ている模様です』

ペラップ『────現場を上空から見た様子をピジョットカメラマンが映しております。……あぁ、これは酷いですね。火災の後がクッキリと残っております。……おっと、ただいま怪我をしたと思われるポケモンが、担架で運ばれているようです!』


フェローチェ「ええええええ!?」

カミツルギ「!?!?」


フェローチェとカミツルギは唖然として映像を見ながら放心した。
この爆発事故の被害者────担架で運ばれていたのは、間違いない、マッシブーンだ!!


フェローチェは生唾を飲んでその場にへたりこんだ。



思いも寄らぬ怒濤の展開は、どうやら更なる嵐を巻き起こすようである……。
 ▼ 291 1◆zBLfAqPIVA 17/10/11 00:32:09 ID:ZNc6OG7U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========

子供ブーン「お父さんっ……嫌だよ、行っちゃダメだ!」


親父ブーン「……悪いな、わが息子よ。俺は……お前の父親としての責務を最後まで果たせないようだ」


子供ブーン「やだ、やだ……ボク、お父ざんのごどが好ぎなんだ。ずっと一緒にいだいっ……!!」


ロリーチェ「……うぇぇぇぇん、うぇぇぇぇん……!」


親父ブーン「……マッシよ。お前に最後、教えてやらねばならぬことがある」


子供ブーン「え"……?」

親父ブーン「守りたい者……愛すべき者がいるのであれば、ただひたすらに強くなれ。強くなることでしか、守ることは叶わないのだ────」


子供ブーン「お父さぁぁぁぁぁぁぁん!!」

========



マッシブーン「親父ィィィィィィ……!!」ガバッ

マッシブーン「はぁ、はぁ、はぁ……」

マッシブーン(今のは……夢か。参ったな……汗がダラダラじゃねーか……)



マッシブーン(ここは病院か……? そうか、俺は怪我を負って、病院に運ばれてきたのか……)
 ▼ 292 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 01:06:27 ID:W7KzdRSg [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
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──────────

〜タブンネ病院〜

タブンネ「……うん、キリキザンさんは大きな怪我もないので直ぐに退院できまス! しばらくベッドで横になって、しっかり休息をとってくださいネ!」


キリキザン「ああ、ありがとうな先生。……と、ところで、マッシブーンのことなんだけど」


タブンネ「うー、マッシブーンっていうのは、キミと一緒に運ばれてきた方だネ? 彼はかなりの重症だったけどモ……。なんなら今からでも会ってみるかイ?」


キリキザン「……っ///」

キリキザン(い、今から会うって……そ、それは)
 ▼ 293 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 01:11:54 ID:W7KzdRSg [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レアコイル「……キリキザン様?」

キリキザン「えっ、あっ、レアコイルか。体調はどうだ、大丈夫か」

キリキザンの背後にいつの間にかレアコイルが佇んでいた。
彼はしゃがれた声で話を始める。

レアコイル「ええ、私もコマタナもエアームドも、多少の入院で済みそうです。まぁ、それよりもですね……私からキリキザン様に提案があるのですが」

余りにもレアコイルが神妙な顔で語るので、キリキザンは思わず首をかしげた。

キリキザン「提案?」

キリキザンは話を聞きつつ、コップを片手に持ち、中身のオレンジュースを喉に流し込もうとする。


レアコイル「出過ぎた真似なら申し訳ありませんが……。いかがでしょうか? マッシブーン殿をキリキザン様の婿にするというのは────」


キリキザン「ブーーーッ!!」

想定外の言葉に、キリキザンは口内のジュースを思い切り噴き出した。


キリキザン「い、いきなり何言いだすんだ!? レアコイル!!」
 ▼ 294 ータクン@きれいなハネ 17/10/12 17:24:18 ID:ZCifDEaI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 295 イホーン@しんかのきせき 17/10/12 18:12:15 ID:3S9H5kzE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
4円
 ▼ 296 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 23:35:12 ID:W7KzdRSg [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レアコイル「率直に聞きますぞキリキザン様!」

キリキザン「……な、なんだよ」

レアコイル「貴方はこれからもずっと、女性として生きていくつもりでございますか……!?」


キリキザン「……!」


レアコイル「確かに貴方はお父上様に育てられ、一家の頭に相応しいポケモンになりました! しかし、やはり性別を歪めてまで目指すものではない、私はそう考えております……!」


レアコイル「キリキザン様はどうなのですか? 男として一生を生き抜くか、女として、ありのままの姿で生き抜くか……」


キリキザン「……お、俺は」

 ▼ 297 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 23:45:03 ID:W7KzdRSg [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ずっと、辛かった。
男として一家を背負っていくのは、とても大変な苦労があった。
それでも、部下に心配をかけるわけにはいかない。
だから彼女は、どんなに心が折れそうになっても、負の感情を表に出すことは決してなかったのである。

そのうち、心に濃い靄がかかり始めた。
俺は、私は、誰なんだろう。
自分自身を見失っていく感覚すら覚えた。



そんな時、アイツは……。

マッシブーンは……俺のことを、あくまで『女』として扱ってくれたんだ……。


========
マッシブーン「女を救うのが男の仕事だろうがよ……そうは思わねぇか、じゃじゃ馬娘さんよ」
========

嬉しかった。
周りに誰もいなければ、俺は涙をボロボロ溢して崩れ落ちていただろう。

その時、気づいたんだ。

俺は……いや、私は……。



キリキザン「……私は、女として生きたいよ」

レアコイル「……よくぞ、本音を言ってくれました」
 ▼ 298 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 23:49:11 ID:W7KzdRSg [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レアコイル「では、行きましょう」

キリキザン「……どこに?」


レアコイル「マッシブーン殿のところへですよ。まずは仲良くならなければ、ゆくゆくは結婚にまで仲を発展させていきますぞ!」


キリキザン「……え///」



キリキザン「いや、ちょっと待ってそれは」


レアコイル「問答無用!」



キリキザン「えええええええええええええ!!?!」
 ▼ 299 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 23:56:42 ID:W7KzdRSg [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃、タブンネ病院前。

サーナイト「多分、ここにマッシブーンさんがいるのですよね……」

以前、マッシブーンに助けてもらったことのあるサーナイトが、病院の前に来ていた。

彼女は先程、テレビでマッシブーンが担架で運ばれている光景を目の当たりにしてしまい、居ても立ってもいられず、飛び出してきたのである。


サーナイト(どうしてマッシブーンさんが爆発事故に巻き込まれたのか分かりませんが……。どうか、無事でいてください……)

リオル「この病院にマッシブーンの兄貴がいるんだよね」

サーナイト「ええ、そうですよリオル────って、何でアナタがここにいるのですか!?」

リオル「俺だってマッシブーンの兄貴が気になって来たんだ! いいだろ、それくらい!」

サーナイト「はぁ……分かりましたよ。病院だからあまり騒がしくしちゃ駄目ですからね」

リオル「はーい!」
 ▼ 300 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 23:59:26 ID:W7KzdRSg [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さらに一方その頃……。

フェローチェ「ぜぇ、ぜぇ……カミツルギ! この病院で合ってるのよね!」

カミツルギ「そうッスね、大きな病院はこの街だとここしかないから間違いないはずッスよ」


フェローチェ「待ってなさいマッシブーン……!」

フェローチェ「さぁ、行くわよ! タブンネ病院へ!」
 ▼ 301 1◆zBLfAqPIVA 17/10/13 00:12:10 ID:rWmNl4JI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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──────────

〜タブンネ病院 503号室〜

マッシブーン「ふぁぁ……ずっと寝てんのも暇だな」

瞼がいつもより重くなるのを感じる。
流石のマッシブーンも、連続する騒動に疲労を隠せない様子であった。

ナースプクリン「あっ、貴方がマッシブーン様ですね?」

ナースと思しきプクリンが、マッシブーンの病室にやって来た。

マッシブーン「……どうかしたのか?」

プクリン「いえ、マッシブーン様にお客様がお見えになられているので」

マッシブーン(……客?)


マッシブーンが首を傾げ、その客とやらを暫く待っていると……ドタドタと騒がしい足音を連れ、彼女等はやって来た。


キリキザン「マ、マッシブーン!」

サーナイト「マッシブーンさん!」

フェローチェ「ねぇ、マッシブーン!?」

キリキザン&サーナイト&フェローチェ「体調は大丈夫!?」


マッシブーン「お、おう……?」




キリキザン&サーナイト&フェローチェ(何……!? この女は……!?)


また面倒くさいことが起きそうだ……。
左手を頬に当て、マッシブーンは溜め息をつく。
流石の彼も些か辟易している様だった。
 ▼ 302 1◆zBLfAqPIVA 17/10/13 00:14:33 ID:rWmNl4JI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ー続くー

 ▼ 303 ルノーム@しめつけバンド 17/10/13 00:20:00 ID:IH0KeZ3c [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
キリキザンとサーナイトとフェローチェで
綺麗に三つ巴になってるね

支援
 ▼ 304 ガピジョット@バトルサーチャー 17/10/13 00:24:47 ID:IH0KeZ3c [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
三つ巴っていうか三竦みだった
 ▼ 305 トベトン@ポフィンケース 17/10/13 10:23:50 ID:zUJpWxsk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白くなってきた!支援
 ▼ 306 ーバー@タポルのみ 17/10/14 18:52:42 ID:mPFVppUE NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
よかよか
 ▼ 307 イドン@すごいつりざお 17/10/18 10:25:43 ID:vypJyEJA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
新しいUB組は出るのかな?
 ▼ 308 チャブル@けむりだま 17/10/19 06:16:51 ID:C0tkmHa2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 309 ュゴン@ねばねばこやし 17/10/24 19:07:38 ID:v27Pu9eQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
4円
 ▼ 310 ュレム@やまぶきのミツ 17/11/07 17:09:29 ID:nb8..T9s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 311 ルキー@フェアリーメモリ 17/11/15 08:54:39 ID:xWAzgRPM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 312 ガミュウツーX@ヤタピのみ 17/11/24 09:45:29 ID:9pP7Yyts NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 313 レザード@ぼうごパット 17/11/24 09:59:19 ID:sLjGIPxA NGネーム登録 NGID登録 報告
面白いからこそ失踪はダメよ
 ▼ 314 シェード@こだわりスカーフ 17/11/28 10:47:23 ID:AknVz3QA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 315 ンフィア@フシギバナイト 17/12/07 11:20:17 ID:IexDQZ1o NGネーム登録 NGID登録 報告
4円
 ▼ 316 レブー@ハガネールナイト 17/12/13 12:31:08 ID:YdFDIf/Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 317 1◆zBLfAqPIVA 17/12/14 00:02:27 ID:bw3WRXj2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────

偶然にも遭遇してしまった三匹の女。
マッシブーンはこれまでの事情を彼女らに説明することになった。

そして……。

フェローチェ「……だいたい経緯は理解したわ。あれから貴方にもいろいろあったのね」


サーナイト「私もマッシブーンさんには本当にお世話になりまして……」


キリキザン「……」モヤッ

レアコイル「マズいですな」ボソッ


キリキザン「何が」


レアコイル「あの二匹……恋敵の予感がしますぞ」ヒソヒソ


キリキザン「……こ、恋敵って」ヒソヒソ
 ▼ 318 ルトロス@ウォーターメモリ 17/12/14 01:16:45 ID:m9HxMd2g NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
やったぜ。

支援
 ▼ 319 1◆zBLfAqPIVA 17/12/14 23:57:14 ID:bw3WRXj2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン「そこは何をコソコソ話してるんだ?」


キリキザン「え!? いや、あ、その、え……」


フェローチェ「……」


フェローチェは既に察していた。

このキリキザンは紛うことなきメス。
彼女は明らかにマッシブーンに惚れており────また、サーナイトもマッシブーンに淡い恋心を抱いている。

だがフェローチェはそんな二匹の心に気付いてなお、寛大と呼ぶべき余裕を持っていたのである。

その理由はたった一つしかない。


カミツルギ「そう、それこそが正妻の余裕────」


フェローチェ「一匹で何ブツブツ言ってるのよ」ベシッ


カミツルギ「フェ、フェローチェさん、いてぇっス!」
 ▼ 320 1◆zBLfAqPIVA 17/12/14 23:59:42 ID:bw3WRXj2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン「お前らもどうした? 俺抜きでお喋りしやがって」


フェローチェ「なっ、何でもない! ……とにかく怪我が治ったらアクジキングやデンジュモクのところへ帰るわよ!」


キリキザン「!」


フェローチェの言葉を聞き、キリキザンの身体がノズパスのように固まった。

このまま怪我が完治したら、マッシブーンとお別れになってしまう……?!

そうなる前に、せめて、マッシブーンに何か言いたい。
でも、声がうまく出てこないのだ……。
 ▼ 321 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:05:14 ID:RwzJ9J8M [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レアコイル「────マ、マッシブーン殿はキリキザン様の婿になるのです! 帰らせるわけにはいきませんぞ!!」


フェローチェ「!」


カミツルギ「!!」


サーナイト「!?!」


リオル「!?」


マッシブーン「……えっ」


キリキザン「……っ///」カァァァァァッ
 ▼ 322 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:16:05 ID:RwzJ9J8M [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レアコイルが、つい口を滑らせてしまった────

キリキザン「レッ、レ────レアコイルの馬鹿野郎!!」


レアコイル「あっ、キリキザン様、お待ちくださいっ!」


キリキザンは顔を真っ赤にして部屋から出ていった。

沈黙で冷え切ってしまった空気のなか、レアコイルは思わず口から出てしまった自身の発言を恥じ入るようにして、真っ先にキリキザンの後を追いかける。

残された面々は顔を下に向けたまま、しばらく続く静寂に堪えることしか出来なかった。
 ▼ 323 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:17:25 ID:RwzJ9J8M [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜マシャラ警察署・署長室〜

グランブル署長「こないだ捕まえたガチゴラスどもに聴取した結果、分かったことがあった」


グラエナ副署長「はぁ、どのようなことが?」


グランブル「一つは、今回の一件にはあの真闘衆が絡んでいたということだ」


グラエナ「真闘衆? あの雇われ戦闘集団のことですか」


グランブル「そう、金さえ払えばどんな危険任務でも引き受けるイカレた奴等さ。ボスを務めるビーダルは、あの伝説の探検家ビッパの子孫だと聞く」
 ▼ 324 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:18:10 ID:RwzJ9J8M [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グラエナ「つい最近まで我が警察署にいた、あの【アギルダー】も真闘衆の一員ですよね?」


グランブル「……ああ、警察が傭兵を雇ってるなんて話、誰にも言えんがな。とにかく、真闘衆の動きには警戒した方が良い。何となく不気味な奴等だからな」


グランブル「それと……実はもう一つ分かったことがある」


グラエナ「?」


グランブル「それは、だな─────」
 ▼ 325 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:23:35 ID:RwzJ9J8M [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グランブルが口を開きかけた瞬間、警官のヨーテリーが署長室に舞い込んできた。

息を切らしつつ、ヨーテリーは語る。


ヨーテリー「ほっ、報告がございますぅぅ!」


グラエナ「どうした、ノックもせず入ってきやがって!」


ヨーテリー「けっ、警察本部から……ロズレイド特別執務官およびラランテス法務執行官が来ております!!」


グラエナ「なっ!?」


グランブル「ほ……本部のエリートじゃないか! なんでこんなところに……」
 ▼ 326 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:24:43 ID:RwzJ9J8M [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────

ロズレイド特別執務官「いきなりすまないね。グランブル君」


グランブル「いえいえ〜、しかし事前に連絡を下さればお迎えのご用意もしたものを……」


ラランテス法務執行官「ロズも私もそういう堅苦しいのは嫌いなの、分かるでしょ?」


グランブル(こ、この小娘どもが……アポぐらいとれって言ってんだよ!!)


グラエナ(マシャラの権力者グランブル署長もタジタジとは……流石は本部エリートというべきか)


グランブル「そ、それで、今回はどのようなご用件で?」
 ▼ 327 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:25:55 ID:RwzJ9J8M [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロズレイド「うむ、実はある凶悪指名手配犯がこの街に入り込んだと聞いてね」


ラランテス「あなた方も名前くらい知ってるでしょ? ツワモノ狩りのゴウカザルとアブソル……」


グラエナ「そっ、そいつらは警察本部でも長年逮捕できないブラックリスト入りの犯罪者では!?」


ロズレイド「ああ、お恥ずかしい話だが、本部だけではこいつらに対応できんのでな。今回はグランブル署長殿に協力を願いたい」


グランブル(これまた面倒な……だが、警察本部に恩を売るチャンスか?)


グランブル「ええ、ええ、断る理由がありません! 我等マシャラ警察署、本部の要請とあらば幾らでもお手伝いしますよ!! アッハハハハハ!!」
 ▼ 328 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:31:25 ID:RwzJ9J8M [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後……。
マシャラ警察署・廊下にて

ロズレイド「どう思った?」


ラランテス「……グランブルのことですか? まぁ、典型的なゴマすり野郎といったところでしょうか。……ですが、特に怪しいところは見られませんわね」


ロズレイド「グランブル署長は昔から黒い噂が多い。警察本部の上層の一部と蜜月の関係だとも聞く。だが……なるほど、尻尾はなかなか出さない御仁らしい」


ラランテス「猫を被りまくりなのでしょうね、『 犬 』のくせに」


ロズレイド「フフッ、アブソル・ゴウカザル逮捕もそうだが、グランブル署長にも目を光らせないとな。そのために我々が来たのだ……」

ロズレイド「それにしても犬のくせに猫被るってウフフッ、フフッ」


ラランテス(……イマイチ笑いの沸点が分からないわー)
 ▼ 329 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:32:51 ID:RwzJ9J8M [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
再び、マシャラ警察署・署長室へ。

グランブル「チッ、気分悪いわ」


グラエナ「お疲れさまでした」


グランブル「まったくこっちはガチゴラス事件やダストダス事件の後処理に忙しいっちゅうのに……」


グラエナ「────ところで、ガチゴラスから聞いて分かったことについてですが」


グランブル「ああ、そういえばさっきの話、途中で終わってたな。……どうやらな、ダストダス事件もガチゴラスの今回の事件も、あるポケモンが関わっているという」


グラエナ「ほぉ、誰です?」


グランブル「マッシブーン……赤黒い身体をした筋肉質なポケモンと聞くが────」
 ▼ 330 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:37:15 ID:RwzJ9J8M [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
=タブンネ病院・裏庭=

キリキザン「ううぅ〜……レアコイルの馬鹿、あんなこと言ったらマッシブーンともうマトモに顔合わせられないだろ……」


キリキザン(アレを聞いて……マッシブーンはどう思ったんだろうか)


ゴウカザル「噂じゃあ、強ぇ奴がこの病院にいるって聞いたぜぇ!?」


アブソル「ふむ、病院や兵どもが夢の跡……だな」

ゴウカザル「訳分かんねぇこと言ってんじゃねぇよアブソル! ギャハハハハハ!!」


キリキザン(なんだあいつら……見ない顔だな)


ゴウカザル「ん? ……おい、そこの!」


キリキザン「!」


ゴウカザル「実はこの病院にすっげぇ強い奴がいるって聞いたんだ。確か名前は……ブッシブーン!」


アブソル「マッシブーンだ」


ゴウカザル「おお、それだ!それ!」


キリキザン「……っ!?」
 ▼ 331 1◆zBLfAqPIVA 17/12/15 00:38:07 ID:RwzJ9J8M [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ものすごい久しぶりの更新です、すみません、また少ししたら更新したいところです
 ▼ 332 イノーズ@サイコソーダ 17/12/15 01:37:08 ID:Zqr/7Cfk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 333 ース@グラスシード 17/12/15 01:42:13 ID:K3Se/rEE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえーんね
 ▼ 334 フォクシー@ありふれたいし 17/12/15 08:09:23 ID:BdB3W/ng NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援ヌ
 ▼ 335 ルタンク@モコシのみ 17/12/15 08:43:00 ID:w5Os4iSM NGネーム登録 NGID登録 報告
大支援
 ▼ 336 ロバンコ@でかいきんのたま 17/12/17 14:58:09 ID:KcmSURVA NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 337 ンパン@ブルーカード 17/12/19 22:20:10 ID:FdD6lGUE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 338 ガゲンガー@こだいのおうかん 17/12/19 23:45:16 ID:AHdCBBlQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 339 マナッツ@こだいのせきぞう 17/12/27 18:10:18 ID:mlkM7FdY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 340 ーナイト@こおりのいし 17/12/30 16:48:26 ID:TeHzjQV6 NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 341 ライガー@チャーレムナイト 17/12/31 18:14:15 ID:EH3U/Mv6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 342 リゴン2@うつしかがみ 18/01/04 17:24:55 ID:CSqBihVo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 343 1◆zBLfAqPIVA 18/01/08 00:01:55 ID:uPfD.ywY [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フェローチェ「それで、マッシブーン?」


マッシブーン「……どうした」


フェローチェ「どうしたじゃないわよ! アンタがキリキザンの婿になるってどういうこと!? あのキリキザンと何があったのよ!」


マッシブーン「いや、俺にも身に覚えがないんだ。何故急にこんなことになってしまったのか、まるで見当がつかない」


フェローチェ「はぁ〜、これだから朴念仁は……」


カミツルギ「多分マッシさんのことだから、気づかないうちにキリキザンを惚れさせてる可能性が高いっすね」ヒソヒソ


フェローチェ「むむむ……」


サーナイト「あ、あの……」


フェローチェ「……何?」


サーナイト「その……私達、場違いそうだから出ていった方が良いですかね」


フェローチェ「別に場違いじゃないし、気にする必要ないんじゃない」


サーナイト「そ、そうですか……」ホッ


フェローチェ(女の勘だけど、多分この子もマッシブーンのことを……)


フェローチェ「知らないうちにハーレム形成してんじゃないわよあの筋肉野郎」ブツブツ
 ▼ 344 1◆zBLfAqPIVA 18/01/08 00:09:26 ID:uPfD.ywY [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン「おい」

フェローチェ「なに!!」


マッシブーン「そんな怒鳴るなよ……。ひとまず、俺を見つけたってことをネクロズマさん達に報告しといた方が良いんじゃないか? もうこの街に来てるんだろ?」


フェローチェ「言われなくてもやろうと思ってたわよ! もう何がハードボイルドよ、私の気持ちも知らないでブツブツブツブツ……」

────ドゴォォォォォォンッ……!!


フェローチェ「え?」

マッシブーン「爆発音……?」

リオル「し、下の方から聞こえたよ」
 ▼ 345 1◆zBLfAqPIVA 18/01/08 00:16:49 ID:uPfD.ywY [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃、病院の中庭にて。
キリキザンはゴウカザルとアブソルのコンビと対峙していた。

キリキザン「ゲホッ……ケホッ」


ゴウカザル「見たかぁ? これが炎猿拳の真髄! マッハパンチの速度を保ちながら拳に炎を宿す技だぁ!!」

キリキザン「いきなり攻撃しやがって……」


アブソル「どうやら貴殿はマッシブーンとやらの居場所を知っていると見た。正直に吐けば今なら軽傷で済むぞ」


キリキザン「誰が言うかよ糞がぁ!」


ゴウカザル「カカカカッ! 良い気迫だぁ。ますます燃えたぎるじゃねぇの!?」
 ▼ 346 メックス@ダイブボール 18/01/08 09:45:55 ID:UGwjl4D2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 347 ーダイル@ベリブのみ 18/01/08 10:02:11 ID:CK7kUaVE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 348 ーリキー@フシギバナイト 18/01/08 12:21:32 ID:oIrt9.DY NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
ビーダルのでげす口調って遺伝だったのか……ww
 ▼ 349 1◆zBLfAqPIVA 18/01/08 23:56:17 ID:uPfD.ywY [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────所変わって、ここはマシャラ警察署・留置場

ダストダス「どわはははははは!! 馬〜鹿〜め〜! お前もマッシブーンに負けて捕まったのか!!」


ガチゴラス「うっさいわ……ワイが負けたんは真闘衆の奴等や! マッシブーンに負けたんとちゃう!」



ペルシアン「……まさか同じ留置場に入れられるとはね」

ゾロア(騒がしい……)



ガチゴラス「全く、ここんとこのマシャラタウンはどうもおかしいがな!? 普段から騒動ばっかりの街やが、最近は更に事件が増しとる!」


ダストダス「話では例のゴウカザルもこの街に来てると聞いてるが」

 ▼ 350 1◆zBLfAqPIVA 18/01/09 00:24:03 ID:a1mVIYkc [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペルシアン「例のゴウカザルとは?」

ダストダス「知らんのか? 全国指名手配犯のゴウカザルとアブソルの二匹組」


ガチゴラス「あ〜……炎猿拳のゴウカザルか。強者狩りなんちゅう呼ばれ方もしとるな」


ダストダス「なぁワルビアル? 確かチミは奴等に詳しかったよな」


ワルビアル「……ダストダス社長のところに勤める前、俺は喧嘩屋をさせていただいとりましたが……。戦ったことありますよ、ゴウカザル。確かに強かったです」


ガチゴラス「ほう、経験者は語るか。ほんで、強い言うても具体的にはどやったんかいな」


ワルビアル「フ、奴はね……」




ワルビアル「とんでもなく性格の悪い男ですよ」

 ▼ 351 1◆zBLfAqPIVA 18/01/09 00:39:13 ID:a1mVIYkc [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
───
─────
───────

ゴウカザル「ブェアアアックシュ!」


キリキザン「うぉい! ツバかかったぞ!!
汚ねぇ!!」


ゴウカザル「んぁ……誰か俺の噂してるんだろ。ツバくらい許容しろ」


キリキザン(くそ……火事の時のケガが治りきってねぇのに……厄介な相手だ。ここは……逃げ────)

キリキザン「……っ!?」ビタッ

キリキザン(身体が……動かねぇ!?)


アブソル「ふん……」


ガチガチに硬直した身体は今や神経すら何者かに支配されてしまったかのような感覚すら覚える。

キリキザンは咄嗟に気づいた。
アブソルの眼が、神々しく黒々しくなっているということに────


キリキザン「くろいまなざしっ……!?」
 ▼ 352 1◆zBLfAqPIVA 18/01/09 00:54:27 ID:a1mVIYkc [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴウカザル「カカカッ、逃げられなくなった相手を散々いたぶるってのは気持ちいいもんだぜぇ? さぁ……喰らいなぁ! マッハパン────」

キリキザン(まずい、油断し────!!)


フェローチェ「にどげりっ!!」

キリキザン「え……」


迫り来るゴウカザルの燃える拳を捉えたのは、細長い白い絹のような御御足。

一瞬のうちに二度繰り出されたそれは見事、キリキザンを窮地から救うのであった。


ゴウカザル「あぁ!?」

アブソル(ゴウカザルの拳が弾き返されただと……?)


フェローチェ「んもう……間一髪ね」

キリキザン「あ、あんたは……」


フェローチェ「助けに来たわよ」

キリキザン「なんで……」


フェローチェ「何でも何もないわよ。同じ女性同士でしょ? こういう時は助け合わないと、ね?」ニコッ

キリキザン「……!」
 ▼ 353 1◆zBLfAqPIVA 18/01/09 00:55:28 ID:a1mVIYkc [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで
更新ペース上げていきたい……!
 ▼ 354 ングース@みずのジュエル 18/01/09 17:26:18 ID:os.hCfJQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 355 ッポ@でんきのジュエル 18/01/09 18:05:20 ID:5DLYw7W2 NGネーム登録 NGID登録 報告
大支援
 ▼ 356 ーゴヨン@あかいウロコ 18/01/13 20:10:16 ID:rT87.EX2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 357 ォッコ@モモンのみ 18/01/17 16:33:54 ID:jzb7R/VE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
逃げるなよ
 ▼ 358 SKM◆LFTYtDTpLo 18/01/17 17:28:33 ID:V9g9CA6E NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 359 豆マン◆pSdNa1K6Mo 18/01/17 17:41:16 ID:0D4s7ci2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 360 ミロップ@フラットコール 18/01/21 15:51:10 ID:mI97cGew [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 361 ココ@まるいおまもり 18/01/21 15:51:27 ID:mI97cGew [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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