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【悪役ss】害虫が内戦を終わらせるようです!

 ▼ 1 hgvFYeaQiI 17/05/28 17:25:57 ID:Vo94bpUM NGネーム登録 NGID登録 報告
一匹の害虫がとある地方に足を運んでいた。
目的はメガストーン・スピアナイトの捜索。
しかし彼の訪れた地には戦争が勃発しており、沢山のポケモンや人間がしのぎを削っていた。
家屋などは跡形もなく破壊されており、廃墟と化している。爆音とうめき声が絶えず聴こえ、血や煙の臭いが辺りを漂っておりあたかも地獄絵図のようだ。


「この戦争を起こしている者ならば持っている可能性があるな」
 ▼ 6 hgvFYeaQiI 17/05/30 16:20:00 ID:BvCyn07s [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
男(キリキザン)「キリキザンだ。ここに傭兵として雇われ活動をしている」

害虫「これはこれは。私の名はスピアー。以下お見知りおきを」


害虫は敵の素性と実力を知るやいなや、仲間に引き込むために芝居を始めた。この機転の効いた行動も彼が"スピアー"ではなく" 害虫"と呼ばれる由縁だ。


害虫「そうと知らず大変失礼なことを致しましたことをお許しください」

キリキザン「そ......そうか。ならばここからすぐに立ち去れ!」

害虫「とどめは刺さないのか?」

キリキザン「降参した相手においうちをかけるなど掟が許さない」

害虫「そうか......ところであんた、スピアナイトというものを知らないか?」

キリキザン「聞いたことはあるが詳しくは知らん......それがどうしたんだ?」

害虫「俺はそれを探しているのだがよかったら手伝ってくれないか? もちろんあんたの望むものは何でも与える」
 ▼ 7 hgvFYeaQiI 17/05/30 16:20:34 ID:BvCyn07s [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
キリキザン「しかし仕事が......」

害虫「どうせこの国はもう駄目だ。それにたとえ勝ててもよその国に制圧されるのがオチだ。ここのトップにそこまで肩入れする義理もないだろう」

キリキザン「それもそうか。わかった、協力しよう」

キリキザン「ところでどうしてお前はスピアナイトというものを探しているんだ?」

害虫「簡単なことさ。俺を森から追い出したあいつらに復讐するため。それだけだ」

キリキザン「その目、気に入ったよ。報酬はいらんからついてってやるよ」


害虫は見事キリキザンを率いれることに成功した。彼等は早速ここの国の皇帝にスピアナイトのありかを聞いたが手掛かりを得ることはできなかった。
宮殿を出たときに彼は思い出した。


害虫「ゴルーグ忘れてた......」
 ▼ 8 hgvFYeaQiI 17/05/30 16:21:55 ID:BvCyn07s [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
宮殿の前に依然として突っ立っているゴルーグ。つまり自分達が出た瞬間に襲いかかってくるということだ。


キリキザン「どうしたスピアー? 進まないのか?」

害虫「あ......あれを見ろ」

キリキザン「ゴルーグ......それがどうかしたのか?」


キリキザンは高く跳ぶと、ゴルーグの首を切断。一刀のもとに沈めた。


害虫「マジか」

キリキザン「ざっとこんなもんだ」


彼等は次にフタバの本拠地へ行った。ここはこの地方で一番国力が高い。
その道中泣いている子どもを発見した。


害虫「戦争孤児か。行くぞキリキザン」

キリキザン「あぁ」


二人は彼女を無視して歩いた。
しかし言葉とは裏腹に害虫はそれ以上進むことが出来ない。
 ▼ 9 hgvFYeaQiI 17/05/30 16:27:46 ID:BvCyn07s [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
キリキザン「どうかしたか?」

害虫「何でもない......」

女児「だ......れ?」


五歳くらいの女児が害虫に問いかける。
疎ましく思った害虫は無言で振り向くと威嚇するように表情を豹変させた。これで女児はどこかへ逃げると思われたが......


女児「あはははは! お兄さん面白い!」

害虫「はっ?」

キリキザン「どういうことなんだ......?」


逆に好かれてしまったようだ。
 ▼ 10 hgvFYeaQiI 17/05/30 16:28:22 ID:BvCyn07s [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
キリキザン「どうするんだスピアー? さっきからついてきてるぞ」

女児「ルンルルン!」

害虫「どうするって......切ればいいだろ。俺はしないけどな」

害虫「お嬢さん? ついてくるのは危険ですよ?」


丁寧な言葉遣いで女児に語りかける害虫。


「でも一人でいるより安心だもん。あと私はマダツボミ!」


害虫「......こりゃ無理だ」
 ▼ 11 hgvFYeaQiI 17/05/30 16:28:52 ID:BvCyn07s [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
キリキザン「仕方ないな。それじゃあ適当な福祉施設にぶちこむか」

害虫「面倒くさいな」

キリキザン「お前が素通りせずに反応したのが原因だろ!? 少しは責任をもてよ! お前何がしたいんだよ!」

マダツボミ「どおしたの?」

害虫「......わかったよ。やりますよ!」

害虫「マダツボミ、俺から絶対に離れるなよ」

マダツボミ「うん!」
 ▼ 12 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:23:52 ID:xF6bxymg [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
─────────────────


一方、ヒオウギ国には高度な兵器を売っている集団がやって来ていた。一団の長の名は城奈。
ヒオウギ皇帝は彼女の持つ高級そうな宝玉に惹かれ、沢山の兵器を購入していた。


城奈「このメガストーンのお陰ね!」


そう。現在メガストーンを持っているのは彼女。スピアナイトも彼女の手中のなかだ。
 ▼ 13 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:24:32 ID:xF6bxymg [2/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
────────────────────

翌日、一行はフタバ国へ到着した。害虫の背中ではマダツボミがまだ眠っている。


マダツボミ「おはよう......ここどこ?」

害虫「ようやく起きたか。次はここで探す」


この国は主戦場になっていないためか、特に 傷ついている様子はない。しかし閉まっている商店や手入れの行き届いていない家屋から疲労の様子が感じられた。
 ▼ 14 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:25:15 ID:xF6bxymg [3/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫「ここだな」


しばらく歩いていると豪華絢爛な建物が見えてきた。
如何にも古い王朝のような建造物だったが彼等は臆せず侵入する。
当然兵士達は襲いかかってくる。しかし先陣のキリキザンが鬼神のような活躍で敵を倒していく。
なので害虫とマダツボミは簡単に突破することができた。
ちなみにマダツボミは害虫の左腕に振り下ろされないように必死にしがみついている。


老人「話を聞こうか」


彼らが走っていると前から現れたのは一人の老人だった。賢そうな顔立ちをしており知性を感じさせる。


害虫「お前......スピアナイトというものを知ってるか?」


害虫は毒針の切っ先を老人の首もとに向けながら聞いた。
 ▼ 15 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:26:05 ID:xF6bxymg [4/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
老人「スピアナイト......メガストーンの一種で、特定の使用者の身体能力を大幅に上げるというあれのことか?」

害虫「それだ。何か知っているようだな」

老人「確か宝玉をたくさん持った武器商人が持っていたはずだ」

害虫「ほう......そいつは今どこにいる?」

老人「それはわからない......ただヒオウギ軍と我が軍が戦っていたとき、突然我軍の兵士達が次々と眠らされてしまったことがあったが......」

マダツボミ「どういうことなの?」

害虫「ヒオウギ国か....ご苦労だったな。お前は生かしてやる」
 ▼ 16 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:26:39 ID:xF6bxymg [5/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
三匹はその国をあとにして再び歩き続けた。


老人「メガストーン......冗談じゃない! これは同じ星内でいがみ合っている場合じゃない。速やかに休戦してあいつらを倒せねば!」


老人はすぐさまこの事を皇帝に伝えた。すると皇帝は他の兵士の証言などを根拠に彼の言葉を信じ、他の二国と講和することを決めた。
 ▼ 17 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:27:13 ID:xF6bxymg [6/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
─────────────────────

それはマサラ国でも同じであった。ここでは実際に皇帝が害虫の姿を見ていたため疑いの余地は無いとされたからだ。
実際に倒したのはキリキザンとはいえ、自慢の兵士であったゴルーグを一撃で撃破されたのもこの決断に追い討ちをかけた。
皮肉にも害虫の存在が分断されていたこの星を一つに纏めあげられかけていた。


─────────────────────────

そんな政情などつゆ知らず害虫達はヒオウギ国への道を進んでいた。
そこは兵士がごった返しており、足下には死体がごろごろと転がっている。


害虫「ここは激戦区だな!」


マダツボミを左腕に、針を振り回して敵を切り裂いていく害虫。
そのとき突然両軍の兵士が倒れ始めた。眠らされているようだ。
 ▼ 18 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:28:03 ID:xF6bxymg [7/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫「これが例のやつか......」

城奈「あらっ? 眠り粉の届いていないポケモンが3匹......」


奥から歩いてきた一人の女性。その頭上では多数のバタフリーが飛んでいた。


キリキザン「こいつは......今までの奴とは格が違う!」


ヒオウギ国の宮殿では現れた二匹のポケモンの対応に負われていた。
ここの皇帝は他の二国の講和の呼びかけを自分を陥れる罠と考え、スルーしていたが実際に現物を見てしまったため考えを改めるしかなくなった。
三国の代表はすぐさまテレビ電話越しに会議を開くことになった。このテレビ電話もそれぞれの武器商人から伝えられたものだ。
 ▼ 19 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:28:54 ID:xF6bxymg [8/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫「なんだ? バラバラだった各国の兵士が力を合わせ始めただと?」


そのとき、まだ眠らされていなかった敵同士の兵士達が一行に襲いかかってきた。
もちろん彼等に政情などは伝わっていない。しかし元々は一つだったことや呉越同舟的な要因が重なりこのような奇跡が起こった。


害虫「マダツボミ、しっかり捕まっていろ。ダブルニードル!!」


彼も圧倒的数的不利のなか己の信念のために毒針を振って戦う。


「危ない! スピアー!」


そのときだった。マダツボミに狙いを定めた、バタフリーのエアカッターが降り注ぐ。
害虫は身体を体をはって彼女を守り抜こうとするが、効果抜群のその攻撃は容赦なく彼の体力を削っていった。
 ▼ 20 hgvFYeaQiI 17/05/31 08:30:09 ID:xF6bxymg [9/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
スピアー(状況を整理するか......敵は沢山の兵士と数十匹のバタフリー。それを迎え撃つのが残る体力の少ない俺と、兵士に囲まれ身動きが取れないキリキザンか......)

スピアー(あの女が例の武器商人だとするのならば、泥棒で奪うことでメガシンカが可能だろうが......)


害虫はミサイル針を辺りに乱射する。
 ▼ 21 hgvFYeaQiI 17/05/31 13:10:40 ID:MiDgg4Hw [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫(あの女さえ倒せばバタフリーどもは統率を失うはずだ。しかしそんな簡単には突破させてはくれないか......)


すると害虫は高速移動で急接近をした。


城奈「バタフリー! 眠り粉よ!」

バタフリー「フリフリー(飛んで火に入る夏の虫とはこの事か)」
 ▼ 22 hgvFYeaQiI 17/05/31 13:11:11 ID:MiDgg4Hw [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
バタフリー達は害虫を上下左右、囲んだ。
そこから繰り出された大量の粉が文字どおり害虫に降り注いだ。


バタフリー「ふふふ......」

害虫「勝ったつもりか?」

バタフリー「えっ?」

 
素早さの増した害虫のアクロバットが油断したバタフリー達に命中。
エアカッターを放つ個体もいたが、害虫を捉えることはできず同士討ちになるばかり。
 ▼ 23 hgvFYeaQiI 17/05/31 13:11:39 ID:MiDgg4Hw [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
城奈「そんな......バタフリーが全滅した......」

害虫(草タイプのマダツボミで眠り粉を防ぐ作戦が上手くいってよかった)

害虫「だけどまだ邪魔な兵士は多いな......」

キリキザン「スピアー、お前は先を急げ! 雑魚はすべて俺が引き受ける」

害虫「すまねえな」
 ▼ 24 hgvFYeaQiI 17/05/31 13:12:11 ID:MiDgg4Hw [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
城奈「兵士や私のポケモンの包囲網をよく潜り抜けたわね......といっても言葉は通じないでしょうけど」

害虫「こいつを倒せば俺は......」
 ▼ 25 hgvFYeaQiI 17/05/31 13:12:43 ID:MiDgg4Hw [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
あれはもう十年以上前のこと......

俺はカントー地方のトキワの森に住んでいた。毎日自由に他のポケモンと楽しいときを過ごしていた。
だけど......


害虫「ここには弱いポケモンしかいないんだな。雑魚は引っ込んでな」


ムカデみたいな害虫が現れて、激しい戦いが起こった。俺は家族とはぐれてしまい、そのまま一人で森から逃げ出してしまった。
 ▼ 26 hgvFYeaQiI 17/05/31 13:13:37 ID:MiDgg4Hw [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
しばらくしてから俺は森に帰った。だけどそこでの待遇は散々だった。


ペンドラー「おい! 害虫だ! 潰すぞ!」

スピアー「へっ?」

ペンドラーB「スピアーは害虫なんだよ! この森から出てけ!」


俺は追い出された。バラバラになった家族や友達が今どうなっているのかも俺は知らない。

そんなときメガシンカというものを知った。聞くところによればそれを使うと戦闘力が大幅に上がるとか。
そしてスピアーの種族はその恩恵を受けられる可能性があることも。

そして時は過ぎていった......
 ▼ 27 hgvFYeaQiI 17/05/31 15:58:00 ID:mvzNGMSI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫「それから何年も探し続けて......やっと掴んだ希望なんだ。お前に恨みはないがそいつを無理やりでももらう!」


覚悟を決めた害虫は衰えない素早さで接近。容赦なくミサイル針を撃ち込む。
手応えを感じた彼だったが、直後血が吹き出した。

見ると正面には城奈が。そして手には先程彼が放った針が握られていた。

フェンシングのような動きで攻め立てる城奈。
害虫はダブルニードルを試みるも、守りも兼ねているその攻めを前にして打つことができない。
 ▼ 28 hgvFYeaQiI 17/05/31 15:59:46 ID:mvzNGMSI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫「こうなったら......これだ」

城奈「? 勝利を諦めたの?」


害虫は構えている城奈の前で両針をだらんと下に垂らした。
一瞬の沈黙のあとに城奈は彼の胸部に針を突き刺した。
害虫はそれを左針で受けとめた。


城奈「しまった!」

マダツボミ「わっ!!」


針はマダツボミすれすれのところで突き刺さっていた。
 ▼ 29 hgvFYeaQiI 17/05/31 16:00:12 ID:mvzNGMSI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
城奈は針を抜こうと躍起になるが、深々と突き刺さっているそれはびくともしない。


害虫「喰らえ、叩き落とす!」

城奈「あっ!......うっ......」


技の効果で地面に落とされた大量のメガストーン。直感でその中の一つを針にとる害虫。
 ▼ 30 hgvFYeaQiI 17/05/31 16:00:43 ID:mvzNGMSI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫(確証はない......だけどこれは俺のものな気がする......)

害虫「それじゃあもういいか」

とどめの毒づきが炸裂!
完全に城奈は息絶えた。
 ▼ 31 hgvFYeaQiI 17/05/31 16:04:42 ID:mvzNGMSI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
キリキザン「終わったか?」

害虫「ちょうどな」

マダツボミ「スピアー、痛くないの?」

害虫「このくらい今まで受けた傷に比べれば......」

キリキザン「早く逃げるぞ。これ以上俺一人で持ちこたえるのはちょっと厳しい」


見るとさっきまでぐっすりと眠っていた兵士達が次々と起き上がっていた。
それらは害虫達を見つけると追いかけるために走り出す。


キリキザン「ここで捕まったらすべて台無しだ!」

害虫「嫌だ! 来るな!」

兵士s「待てー!」
 ▼ 32 hgvFYeaQiI 17/05/31 16:08:17 ID:mvzNGMSI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
─────────────────────

害虫「はぁ......はぁ......」

キリキザン「なんとか助かったな」

マダツボミ「もう追いかけてこないね」

キリキザン「これからどうするんだ?」

害虫「俺はトキワに帰る。その途中でこいつを施設にぶちこむつもりだ」

キリキザン「そうか、俺も帰らせてもらう。割りと楽しかったぞ」

害虫「じゃあな」

マダツボミ「バイバイ!」

キリキザン「元気でな」
 ▼ 33 hgvFYeaQiI 17/05/31 16:13:20 ID:mvzNGMSI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫「おい! お前刀忘れてるぞ!」


大声で叫ぶ害虫だが、キリキザンは何故か振り向かない。


マダツボミ「聞こえてないのかな?」

害虫「あいつ耳が悪いんだな。耳垢のたまりすぎか?」

キリキザン(全部聞こえているんだよな......)

キリキザン(そいつは俺からの餞別だ。好きなように使え......)
 ▼ 34 hgvFYeaQiI 17/05/31 19:13:44 ID:UGXQnYEI [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
キリキザンと別れた俺はその後船に揺られてクチバシティに。そこからは歩いて森を目指していた。
本当ならマダツボミは何処かに引き取ってもらうつもりだったが、本人の強い希望により俺が預かることになってしまっていた。

だがあいつの気持ちはわからなくも......いや、とても共感できた。どこか自分の過去と通ずるところがあるからだ。

思えば、森を追い出されてからの俺は復讐しか頭になかった気がする。それが正しいと信じ続けて。

それが正しかったのか、間違っていたのかはわからない。だけどそんなことはどうでもよかった。
自分の育った地を取り戻したい。

そしてやっと俺はこの地に帰ってきた。
 ▼ 35 hgvFYeaQiI 17/05/31 19:18:02 ID:UGXQnYEI [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
トキワの森


「逃げろ! 害虫だ!」

「キャァァァァ!!」

「助けて!」

害虫「たいそうなおもてなしだな」

マダツボミ「怖いよ......」

害虫「大丈夫だ。俺は負けない」

ペンドラー「お前どこかで見た顔だな」

害虫「来たか......ここは返してもらう!」
 ▼ 36 hgvFYeaQiI 17/05/31 19:26:09 ID:UGXQnYEI [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ペンドラー「お前......まさかあのとき最後まで抵抗したあいつか? そんなことはどうでもいいか」

害虫「俺はあのときの俺とは違う! メガシンカ!」


すると害虫は球状の光に包まれた。そして殻が割れたときそこに立っていたのは......


害虫「俺が手にした武器はメガシンカだけじゃない。共に戦った仲間との思い出、それがもう一つの武器だ!」


そこにはキリキザンからもらった刀を右針に携え、マダツボミを左針に巻き付け、より凶悪な姿へなった害虫がいた。
 ▼ 37 hgvFYeaQiI 17/05/31 19:32:55 ID:UGXQnYEI [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
害虫「アクロバット!」

ドン!

ペンドラー「!? は......早すぎる......まるで目が追い付かない......」

害虫「ミサイル針! おりゃぁぁぁぁ!!」

ズドドドドド!

ペンドラー「がはっ!」

害虫「ダァァァァ!」

ペンドラー「メガホーン!」 


害虫は振り上げた剣を素早く降り下ろした。
それがメガホーンとぶつかる!


害虫「厄介な角だな!」

バシュ!

害虫「それでもうメガホーンは二度と打てない」

ペンドラー「そんな......自慢の角が......斬られるなんて......」
 ▼ 38 hgvFYeaQiI 17/05/31 19:37:37 ID:UGXQnYEI [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ペンドラー「敵わん......ここは逃げる!」

マダツボミ「そんなことさせない!」


マダツボミは蔓を伸ばし、ペンドラーの尻尾に引っ掻けた。


害虫「ナイスアシスト!」

マダツボミ「やった! 誉められた!」

ペンドラー「この......くっ......!」

害虫「マダツボミの頑張りを無駄にするわけにはいかない! 終わりだ!!」


逃げることすらできなくなったペンドラーに害虫の毒づきが炸裂!

 ▼ 39 hgvFYeaQiI 17/05/31 19:46:42 ID:UGXQnYEI [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
─────────────────────

害虫「やった......のか?」

マダツボミ「やったね! スピアー!」

ペンドラー「なぜ......その剣を使わなかった......?」

スピアー「俺はあのときのお前と同じことをするつもりはない」


辺りを見回すと沢山のギャラリーでひしめき合っていた。
ペンドラーの敗北を受け入れられない者、スピアーの勝利に内心では喜んではいるが表に出せない者、......そして彼と同じ種族の者。


パパ「ごめんな......俺達はお前を見捨てるようなことをしてしまって......」

ママ「ありがとう......私達もう会えないのかと思ってた......」

スピアー「いいんだ、それが運命だったんだろうし」
 ▼ 40 hgvFYeaQiI 17/05/31 19:53:06 ID:UGXQnYEI [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
友達「そいつはどうする? 決める権利はお前にあるけど」

スピアー「そいつは許そうと思う」

友達「えっ?」

スピアー「角が無くなったとはいえ、あいつをこのまま追い出したりしたらまた別の森が被害にあうかもしれないし」

スピアー「それに憎しみの連鎖はどこかで断ち切らないと駄目なんだ。いつまでも終わらない内戦をするつもりはない!」

パパ「そうか......立派になったな」
 ▼ 41 hgvFYeaQiI 17/05/31 20:06:02 ID:UGXQnYEI [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
一年後......


キリキザン「ここが噂のトキワの森か......」

ウツドン「あっ! キリキザン! 久しぶり!」

キリキザン「久しぶり? あのときのマダツボミか? 大きくなったな」

ウツドン「ありがとう!」

スピアー「よう」

キリキザン「暇だったから来てみたが......いいところだな」

スピアー「だろ? なんたって俺がこの森に活気を取り戻したんだからな」

ペンドラー「それは少し誇張してないか?」

スピアー「見栄くらい張らせろよ!」

ウツドン「でも実際そうじゃない? スピアーが帰ってこなかったら今みたいにはなってなかったと思うから」

キリキザン「ウツドンに免じて認めてやるか」

スピアー「なんだよそれ......それじゃあ、この森を案内するから着いてきな!」


おしまい
 ▼ 42 ンパッパ@フェアリーメモリ 17/05/31 20:42:29 ID:O3pIh0Dc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です!
 ▼ 43 グレー@ハンサムチケット 17/06/02 16:01:42 ID:wfxg.xqw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
乙だけど
これってポケダンか何かの悪役?
悪役企画は本編か外伝作品に出てくる悪役が主役じゃないといけないらしいよ
 ▼ 44 ブト@リュガのみ 17/06/02 16:23:49 ID:TICFvD3M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>43
スピアーはアニメでは基本悪役だからいいんじゃない? もしこれがダメならムサコジのロケット団ssも駄目になってしまうし
地味にキリキザンも忍者村のときに悪役務めてたし
 ▼ 45 ククラゲ@しめったいわ 17/06/02 16:29:42 ID:wfxg.xqw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>44
成程アニメか。アニメ観てないから知らなかった
失礼しますた
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