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【悪役SS】サーナイト「私のお友達は、嘘つきでイジワルで酷い人……」

 ▼ 1 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:39:24 ID:5Pbdndww [1/14] NGネーム登録 NGID登録 報告

私には、とても大切な人がいます。

だけどその人はちょっぴり意地悪で、いつも誰かを騙してばかり。

当然、周りからは嫌われています。



「またあいつだよ」「酷い。どうしてこんなことするのかしら」「あんな子、大嫌い」「卑怯者」「あんな奴と仲良くしない方がいいぜ」「……どうしようもない子」「相手にするな」



だけど、私にとっては、かけがえのない大切なお友達なのです。
 ▼ 2 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:40:47 ID:5Pbdndww [2/14] NGネーム登録 NGID登録 報告

アーボ『おい新入り、こんなトレーナーに捕まるなんて、お前も運の尽きだな』

ラルトス『……どうしてそんな事をおっしゃるのですか?貴方は、あの方のパートナーではないのですか?』

アーボ『パートナー?寝惚けたこと言うなよ。オレはこれまで散々こき使われてきたんだぜ。アイツは、ポケモンを手下だとしか思ってねーんだ』

ラルトス『そんな……』

チャーレム『そうそう。他の人間達は、ジムリーダーを倒したりコンテストに出たり、立派にトレーナーとして働いてるけどね、あの人といえば、あたしたちをコキ使ってはイタズラばっかりしてるの。悪いトレーナーなのよ!』

ラルトス「……」



あの人の手持ちのポケモン達も皆、誰1人として彼を信用していませんでした。
 ▼ 3 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:42:09 ID:5Pbdndww [3/14] NGネーム登録 NGID登録 報告

「おい、ラルトス。見つかりそうになったらテレポートだからな」

ラルトス「……」

「聞いてるのか? 言っとくけど、失敗したら容赦しねーぞ!」ギロッ

ラルトス「……」コクリ



あの人は、皆が言っていた通りの方でした。
私が呼び出されるときはいつも、イタズラの手伝いでした。



「ヘヘッ、相変わらず無用心な店だぜ!」ゴソゴソ

ラルトス「……」



誰かの物を隠したり、盗んだり、自分より小さい子を虐めたり……そんな、誰かを悲しませる悪いことばかりでした。

だけど……
 ▼ 4 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:43:25 ID:5Pbdndww [4/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「おい、厄介者が来たぞ」「また何か盗もうとしてるんじゃないか?」「捕まえろ!」

「ゲゲッ!見つかっちまった。おいラルトス、テレポートだ!」

ラルトス「らる……」フルフル

「早くしろ!」バシッ!

ラルトス「……」ミュミュミューン



「ふぅ、危なかったぜ」

ラルトス「……」

「おい、お前、次言う事聞かなかったらただじゃおかねーからな!」ベシッ!

ラルトス「……」ヒリヒリ



だけど、私は従いました。それがどんな悪い事だと分かっていても。

……どんな時でもトレーナーに尽くす事。それが私の、種族としての役目でしたから。
 ▼ 5 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:44:52 ID:5Pbdndww [5/14] NGネーム登録 NGID登録 報告

「ケッ!ジムリーダーだのコンテストだの、くだらねえぜ!」壁ドンッ!

キルリア「……」

「あんなくだらねえ事に夢中になって。馬鹿だぜアイツら!」



あの人は、同じ年代のトレーナー達のように、ジムやコンテストの制覇を目指して旅をする事はありませんでした。

相変わらず、毎日イタズラをして誰かを困らせてばかり。

でも、それは、皆が言うように彼が不真面目でひねくれているからだけではないのです。



「おーい卑怯者!悔しかったらバトルで俺に勝ってみろよ!」「いつも口ばっかりだけど、本当は弱いんだよアイツ」「私にだって勝てないんだよー」アハハ!


「……畜生……アイツら……」ワナワナ



彼は、とても臆病なんです。
誰かと勝負して負けるのが、自分の実力が認められない事が、怖いだけなんです。
 ▼ 6 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:45:38 ID:5Pbdndww [6/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼が勇気を持てない理由は、彼のご両親にありました。



「またろくでもないこと仕出かして!本当に恥ずかしい子ね!」バシッ!

「……」

「アンタと同い年の子はみんな、立派にトレーナーとしての旅をしているのよ!どうしてアンタはいつまでもこんな事で私を困らせるの!?」ベシンッ!

「……」

「おい、やめとけ。もうこんな奴に構わなくていい。何を言ったって無駄なんだ」

「……そうね。こんな落ちこぼれなんてどうでもいいわ。私達にはもう一人、優秀な息子がいるんだものね」

「……!」



彼にはとても優秀なトレーナーのお兄さんが居て、ご両親は、いつもそのお兄さんと比べては彼を叱咤してばかりだったのです。
 ▼ 7 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:46:49 ID:5Pbdndww [7/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「クソ!あんな奴……あんな奴……」グスン

キルリア「きるる……」ソッ

「触るなっ!」ドンッ!

キルリア「きるっ……!」



私は、そんな彼の寂しさを埋めてあげたかった。

でも、彼は心を閉ざしていて、寄り添う私を撥ねつけてしまうのです。


キルリア「きる……」ヒリヒリ

「……」ソッ

キルリア「きる?」

「ちょっと押しただけで転ぶなよ。鈍臭いやつだな」傷薬シュー

キルリア「……きるるっ♪」


本当は、悪い人じゃないんです。

少なくとも私は、知ってしました。
 ▼ 8 マザラシ@グラスメモリ 17/05/28 17:47:27 ID:8o6bDz0I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 9 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:47:44 ID:5Pbdndww [8/14] NGネーム登録 NGID登録 報告

「……」スヤスヤ

キルリア(おやすみなさい)ポフポフ


「………むにゃ…キルリア……」スヤスヤ

キルリア(寝ている間だけは可愛いんですよね)フフッ



ガサゴソ……



キルリア「?」


アーボ『げ、気付かれた』

チャーレム『いいじゃない。キルリア、あんたも一緒に逃げましょ』

キルリア『逃げる……? 何故ですか?』
 ▼ 10 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:48:36 ID:5Pbdndww [9/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
アーボ『おい、こいつに言ったって無駄だって。とんだ物好きなんだ。どーせ見捨てられないとか言い出すに決まってるぜ』

キルリア『……はい。私はキルリアですから。一度守ると決めたトレーナーを裏切ることはできません』

チャーレム『可哀想ね』

アーボ『ああ。哀れだぜ。一生あんな奴の下でこき使われるんだ』

キルリア「……」



私は、可哀想なのでしょうか。



「……ぐぅ……」スヤスヤ


彼は、落ちこぼれのトレーナー。一緒にいても、悪いことを手伝わされるだけ。

他のトレーナーのように、一緒に旅をして、強くなって、色々な世界を見て回ることは出来ません。
 ▼ 11 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:49:38 ID:5Pbdndww [10/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
アーボ『ま、お前が決めたことに口は出さないけどよ、俺らが出て行くのは黙っててくれよな』

キルリア「……」

チャーレム『そうだ。どうせならちょっと手伝って頂戴』ゴソゴソ



そんな彼と一緒にいることは、ポケモンにとって不幸せなのでしょうか。

……わかりません。



チャーレム『ほら、これ、あたしたちの入ってたモンスターボール』

アーボ『これを壊さなきゃ逃げられねーんだ。キルリア、お前も手伝ってくれよ』

キルリア「……」



私はキルリア。トレーナー無しでは生きられないポケモン。

だから、あの人を見捨てられないのでしょうか。

だから、逃げ出す彼らの気持ちがわからないのでしょうか。

それとも……
 ▼ 12 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:50:23 ID:5Pbdndww [11/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
アーボ『噛み付く!』

チャーレム『瓦割り!』

キルリア『……サイコキネシス』


パキッ!


アーボ『よし!』

チャーレム『やったわ!』

キルリア「……」



モンスターボールがひび割れて壊れました。

ポケモンを所有する為の道具。私たちとトレーナーを繋ぐ証。

私には、辛く、寂しい光景でした。



「……」スヤスヤ

キルリア(ごめんなさい)
 ▼ 13 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:51:36 ID:5Pbdndww [12/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
アーボ『これで自由の身だぜー!』

チャーレム『じゃあねん♪ せいぜいアンタも上手くやるのよ〜』

キルリア「……」



あの人の傍から、また二匹、居なくなってしまいました。



「……うーん……お前ら……言うこと聞けよ……」ムニャムニャ

キルリア(……本当に可哀想なのは……)



私は、離れたくありません。

例えそれが、ポケモンにとって不幸なことだと言われても。

ずっと、彼のお傍にいること。

それが、私にとっての幸せですから……
 ▼ 14 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:53:23 ID:5Pbdndww [13/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
「キルリア!ボールを壊したのはお前か!?」バシッ!

キルリア「きるるっ……!」

「なんで……なんでまた居なくなるんだ……畜生ッ!!」壁ドンッ!


彼らが去った日の朝、あの人は酷く怒って、私にも八つ当たりをしました。


「皆そうだ……みんな、勝手にオレの側からいなくなるんだ……」

キルリア「きる……」

「触るな!全部お前が悪いんだ!!」

キルリア「……っ!」ビクッ!

「…………もういい。あっちに行けよ」プイッ


彼は、再び私を殴ろうとして、途中で躊躇しました。

その時の心は、とても悲しげで、辛いものでした。


「……うぅぅ……」グスン

キルリア(本当に可哀想なのは、貴方です……)
 ▼ 15 ◆Co36dbu5ck 17/05/28 17:54:40 ID:5Pbdndww [14/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
サーナイト「さーなっ!」

「……お前、進化したのか」

サーナイト「さなっ♪」ニッコリ



彼のイタズラに付き合っている内に、いつしか私はサーナイトに進化していました。



「随分女々しいポケモンになったなお前。オレは、強くて悪そうな奴が好きなんだ」

サーナイト「さな……」ションボリ

「……別に、お前を責めてる訳じゃねーけど」

サーナイト「さなぁ〜」ダキツキッ

「馬鹿、調子に乗るんじゃねーよ!馴れ馴れしくすんな!」プイッ!

サーナイト「さなっ♪」クスクス



意地悪で、嘘つきで、どうしようもない人だけど、それでも私は彼を守りたい。

そんな思いで、私は少しづつだけど、強くなっていきました。
 ▼ 16 クシオ@メダルボックス 17/05/28 18:00:33 ID:X9xUtXT. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
これって救助隊ゲンガーかな?
 ▼ 17 ガディアンシー@レッドカード 17/05/28 22:40:09 ID:Ub64UvLw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 18 ◆Co36dbu5ck 17/05/29 01:36:32 ID:9FpJray. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>16
yesです
最初に書いておくの忘れてしまった

今更ですが未プレイの方はネタバレ注意
あとハッピーエンドなのでご安心下さい
このページは検索エンジン向けの機能制限版の旧ページです。
下URLから閲覧下さい。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=603999
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