ポケモン世界の名もなき人々:ポケモンBBS(掲示板) ポケモン世界の名もなき人々:ポケモンBBS

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ポケモン世界の名もなき人々

 ▼ 1 1◆vygWH5P.gY 17/07/10 23:02:49 ID:6oDMX9jo [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
兄「ノコッチ……ノコッチ……」ゴソゴソ

弟「にーちゃん! ノコッチいた?」

兄「いねー!」

兄「お前、見つけたらぜったい俺に教えろよ! 黙ってたらゆるさないかんな!」

弟「わかってるー!」

兄「ノコッチ……ん?」

ポッポ「くるっくぅ?」

兄「おまえじゃねえよ!」ガミガミ

ポッポ「クルックー!!」スナカケ

兄「うえっぷ!目に砂が……ぺっぺっ……ジャリジャリする……いてぇ……」ゴシゴシ



「目、こすったらダメだよ」

兄「だ、誰だ!」ビックゥ

「いたいだろうけど我慢して。涙が勝手に出てくるから。そしたらまばたきすればいいんだよ」

兄「んなこと言ったって………」
 ▼ 2 1◆vygWH5P.gY 17/07/10 23:19:30 ID:6oDMX9jo [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
兄「うぅ……」ポロポロ

「ほら、ちょっとずつ目が開いてきた」

兄「痛ぅ……」パチパチ



確かに、目は少しずつ開けられるようになりました。

しかし、声の主は恐らく女の子。

不可抗力での落涙でしたが、そこはそれ、男の子としてはプライドに傷がついたような気がしたのでした。



女「見せて」グイッ

兄「!」

女「……目立つキズはなさそうだね。よかった」

兄(近い////////)

女「ていうか君、ダメだよ。野生だからって、ポケモンにいきなり怒鳴るなんて」

女「探し物が見つからない気持ちはわかるけど、自業自得」

兄「むぐぐ」

女「珍しいポケモンを探すなら、それだけ悠長にかまえて取り組まないとだよ」ヨーシ

兄「う、うるせえよ。関係ないじゃんか」

女「で」

兄「?」

女「君がお探しなのは、ノコッチでよろしいですか?」




兄(いきなり現れて、いきなりノコッチ探しを手伝いはじめやがった)

女「お。……………コラッタか」

兄(あの自転車、こいつのか……)



彼女は旅のトレーナーのようでした。

有名ということはないでしょう。顔にはまったく見覚えがありません。

ですが、こなれた様子で草むらをかきわけています。

手荷物や服装も彼女になじんだ風合いで、実に旅人≠ニいう言葉がぴったりな女の子でした。
 ▼ 3 ンドロス@グラシデアのはな 17/07/10 23:23:34 ID:z3DjSKK2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 4 1◆vygWH5P.gY 17/07/10 23:32:34 ID:6oDMX9jo [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「よっ」ガサッ

トランセル「いやん」

女「……失礼しました」スッ

兄「なぁ、ねーちゃん」

女「ん? どうしたの?」

兄「どうして、ノコッチ探すの手伝うんだよ」

兄「まさか、横取りする気か?」

女「」ピタッ

女「………」フムゥ

女「…………………。違うよ」

兄「じゃあなんでさ」

女「別に、助けてあげてるとかそんなんじゃないんだ」

女「私が今、ノコッチを見たくなっちゃっただけなの」

兄(衝動的かよ)

女「私は私の勝手をやってるだけなんだよ」

女「誰かの邪魔にならないていどに」

兄「へんなやつだな」

女「知ってる」ガサゴソ

女「……そういえば君、誰かと一緒?」

兄「え。あぁ、弟が…………」クルリ



いない。



兄「はぐれた!」ガバッ









女「ノコッチ探しが弟さがしになるなんてね」オーイ

兄「別に、一緒に探さなくてもいいだろ」カァァ
 ▼ 5 1◆vygWH5P.gY 17/07/10 23:51:21 ID:6oDMX9jo [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「そこはそれ、乗りかかった舟だよ」

女「ていうか、この道路そんなに広くないのに……」

女「よく迷子になれたね」

兄「迷子は俺じゃない、アイツの方だ」ムッ

兄「なりたくてなったわけじゃない。…………なった≠チてのはこの状況を指しただけだから、やっぱり俺は迷子じゃない」

女「そうだね。君はノコッチを探してただけだもんね」

兄「お前、俺がアイツのことほっぽってたって言いたいのか?」

女「それ、言いたいのは他ならぬ君自身なんじゃない?」

兄「ぐ」

兄「」ムスッ

兄「………」スタスタスタ

女「」スタスタスタ






やせいの ポッポが あらわれた!

ポッポ「クルッポウ!!」

女「怒ってるよ?」

兄「しらねぇよ!」

女「さっき君が怒鳴りつけたポッポじゃない?」

兄「わかんねぇよ!」

ポッポ「ポウッ!」

女「向かってきてるよ」

兄「どうせすなかけしか出来ないよ。目つぶっておけば……」


ポッポの たいあたり!


兄「ぐえっ」ドゴオッ

女「腹に良いのもらったね」シゲシゲ

兄「ごほっ……おまえ……っ、ちょっとは……はぁ……助けろよ………」ヒィヒィ

女「いや、相手がポッポだからって掴みあっても勝てないよ……」ドンビキ
 ▼ 6 1◆vygWH5P.gY 17/07/11 00:08:40 ID:9oJD5LuY [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「私、そんなに体力ないし……」

兄「じゃあ旅なれたトレーナーオーラ出すんじゃねーよー、見せ空気かよぉー!」

女「空気なのに見せ≠ニは……」

兄「なんだよぉ、やくたたずぅ」ヒーン

女「もー……」フンス

女「ほらほら、ポッポやーポッポやー。こっちにおいで。お友だちになりましょー」カラカラ

兄(ポケモンフーズの缶で釣ろうとしている……)

ポッポ「」フンッ

兄「餌付けが通じたら世話ねーよ」プププー

女「あ、じゃあいいや。これはしまっちゃおう」スッ

ポッポ「!?」

ポッポ「ポッ……クルックルッピポウ!?」

兄「イヤに食い下がるじゃん」

女「やっぱり餌付けなれしてるね。じらして多くもらおうって魂胆だったんだよ」

兄「えぇ……、見かけによらずこざかしいやつだな……」

ポッポ「ポゥ……」シュン

女「………はいこれ」コソッ

兄「な、なんだよ」ボソボソ

女「押してダメなら引いてみろって言うでしょ」

兄「………え」










ポッポ「くるっくー……」ホクホク

兄「ちょろ……」

兄「」ンフー

女「よかったね。好かれたじゃん」

兄「い、いや? 別にうれしくねーけど?」
 ▼ 7 1◆vygWH5P.gY 17/07/11 00:25:07 ID:9oJD5LuY [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ジリリリリリリリリ

兄「あ、母さんからだ」ピポ

兄「もしもし」

『あんた、いつまで遊んでんの!早く帰ってきなさい!』

『お兄ちゃんなのに弟の方が早いなんて、カッコ悪いわよ?』

兄「え。アイツもう帰ってんの」

『とっくに帰ってきてるわよ!』

『なんか……なに? 黄色くてまるっこいポケモンも一緒にいるわ』

兄「えっ…………………………は、はぁああああ!?」

女「」アラマァ

『とにかくいい? 今すぐ帰ってくること!』

『これ以上遊んだら晩ごはんネギだけだからね!』

兄「サッ、サーイェッサー!!」ビシッ

ピッ。

兄「」

女「」

兄「………帰るわ」シュン

女「おつかれ」

兄「うん、つかれた」

女「ねぇ、そういえば」

兄「んー?」

女「君、どうしてノコッチを探してたの?」

兄「………………………………………………………………………………………………」

兄「クラスで流行ってて。」シレッ

女「そ。」

女「じゃあ、弟君が捕まえたノコッチをぶんどるんだ」

兄「兄貴が弟から取りあげるかよ」

兄「じゃあな!」タッタッタ

女「じゃあねー」バイバイ

兄「………ありがとな」ボソッ
 ▼ 8 1◆vygWH5P.gY 17/07/11 00:29:44 ID:9oJD5LuY [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
女「………」フリフリ

女「あれは、自分が見つけても兄貴なら景気よく弟にゆずるのさ≠ニか言う口だなぁ」アハハ

女「行こ」テクテク







コダック「くわぁ?」

兄「」

弟「おかあさん、グライガーマン見ていい?」

「晩ごはん食べてからねー」
 ▼ 9 ョロモ@クチートナイト 17/07/11 00:31:21 ID:G2rvgw0o NGネーム登録 NGID登録 報告
なんつーかノスタルジックな感じだ
 ▼ 10 1◆vygWH5P.gY 17/07/11 00:32:38 ID:9oJD5LuY [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
兄「………以来、俺があのトレーナーに会うことはなかったし、ノコッチと遭遇することはなかった」

ピジョン「くるっぽー」
 ▼ 11 1◆vygWH5P.gY 17/07/11 00:36:28 ID:9oJD5LuY [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
兄の件、終了

気が向いたときに、別の誰かの話を書こう、と考えています
 ▼ 12 ガルカリオ@ギネマのみ 17/07/11 00:37:28 ID:qmJTACeA NGネーム登録 NGID登録 報告
短編?イイネ。支援
 ▼ 13 ガスピアー@こだいのきんか 17/07/11 00:46:05 ID:Q4i0IquU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
好きやでこういうの
 ▼ 14 ンタイン@みどりのかけら 17/07/11 13:28:00 ID:4MAC2j1k NGネーム登録 NGID登録 報告
大好きだったSSと作風が似てる
 ▼ 15 1◆vygWH5P.gY 17/07/14 10:28:31 ID:HkTEfzZ2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
男「」チャキッ

ブルー「ぶるわぁ」トテトテ

男「お待たせ。ブラッシングしてやるからなー」



ブルーは短毛のポケモンです。

なので、使うブラシはそれに合わせたものを使っています。



男「ここかぁ? ここがええのんかぁ?」クシクシ

ブルー「ぶるぁ〜……」



しゃり、しゃり、と毛をすく手つきはこなれたものです。

ブルーも心地よさそうに、おじさんに身を預けています。



男「おや、これは目ヤニかな……」クイクイ

ブルー「るるぅ……」

男「うむ。取れた」



少年「父さん」

男「どうした?」

少年「どうもしないよ」

少年「明日お金が要るんだよ。言ったろ。部費でって」

男「うんうん」

少年「それに、ジュプトルがチーム所属になるために、保護者の同意書が要るんだ……って前にも言ったじゃないか」

少年「忘れたの?」

男「あー。あれか。サインしたから玄関に置いといた」

少年「じゃあお金」

男「ほいほい」スック

ブルー「」トテトテ

男「あ、現金ないわ」

少年「とぉーさん……」ゲンナリ
 ▼ 16 1◆vygWH5P.gY 17/07/14 10:44:34 ID:HkTEfzZ2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
男「おろしてくるよ」

男「ついでに、ブルーと散歩してくる」

男「おいで」

ブルー「ぶるぅ♪」

少年「散歩する必要ないでしょ……」

男「ポケモンとの散歩はどのみち必要なもんじゃないよ」

男「ただ行きたいだけさ」

男「お前もどうだ? ひさしぶりに。」

少年「俺はいいよ別に。」

少年「父さんが係だろ?」




ばたん。

男「別に係じゃないんだけどなぁ」

男「……いこうか」

ブルー「ぶるぅ」



昔は、こうしてブルーを散歩に連れていっていたのは、息子の方でした。

しかし今、彼は毎日部活が忙しく、またその競技で相棒としているジュプトルと一緒に過ごすことが多いのです。

すばやいジュプトルを大層気に入っていますが、その分、真逆なポケモンであるブルーに飽きてしまっているのかもしれません。

嫌ってはいない、とは思われるのですが。



男「忙がしくて余裕がなくて、ゆっくりしていられないんだろうなぁ」

ブルー「ぶる」

男「なに、いずれ落ち着いたらきっと、お前をふりかえってくれるさ」

男「…………おろすのいくらだっけ」








───散歩して帰ってから訊いたので、めっちゃ怒られましたとさ。
 ▼ 17 1◆vygWH5P.gY 17/07/14 10:46:47 ID:HkTEfzZ2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
父子の件、終了
 ▼ 18 1◆vygWH5P.gY 17/07/19 08:43:13 ID:Zg2bjAuE NGネーム登録 NGID登録 報告
あげとく
 ▼ 19 ルホッグ@シャドーメール 17/07/23 11:28:41 ID:nhINNpOo NGネーム登録 NGID登録 報告
いい…
気が向いたらまた書いて欲しいね
 ▼ 20 シャーモ@たべのこし 17/07/23 11:31:16 ID:n1s7r46A NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
こういうの大好き
 ▼ 21 1◆vygWH5P.gY 17/08/07 21:51:00 ID:2aIRo36U NGネーム登録 NGID登録 報告
あげとく
 ▼ 22 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 09:16:10 ID:nBDs9n4. [1/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
書いているところなのであげておく
 ▼ 23 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:10:48 ID:nBDs9n4. [2/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
おまわりさん「ん?……お前は」
 
少女「あ゛?」
 
 

おまわりさんが入室した部屋では、ひとりの女の子がパイプ椅子に座っていました。
 
その脇にはかぎづめポケモン、ニューラもいます。
 
女の子はふてくされた顔ではあるもののおとなしくしています───が、ニューラは手を縛られていました。
 
あばれたのでしょうか。
 
 

おまわりさん「……こいつら、なにしたんです?」

同僚「スリだよ」
 
同僚「防犯カメラに映って、あっさり捕まった」
 
おまわりさん「あぁ、じゃあやっぱり……」
 
同僚「マサヨシお前、この女の子が再犯だって知ってるな?」
 
おまわりさんのマサヨシ「……だったらどうしたってんです?」
 
同僚「この子、どうやら身寄りがないらしい。ニドラン通りの路地裏で捕まったんだが、ゴミ箱の脇で丸くなって寝ていたそうだ」
 
マサヨシ「な、なんですかそれ。孤児院から脱走でもしたんですか?」
 
同僚「訊いて回ったが、こんな子を預かっていた施設はどこにもなかった」
 
マサヨシ「……」
 
同僚「どうやら街の外から来た人間のようだが、問題はそこじゃない」
 
同僚「お前がこの子を補導せず、街頭での指導で切り上げてしまったせいで、根無し草の子ども≠ェ少なくとも1週間、野宿しながらスリを繰り返してたってことになる」

マサヨシ「繰り返した?」
 
マサヨシ「1回だけじゃないんですか?」
 
同僚「そうだよ。数えること13回。隠密性はさておき手際のいいこったな」
 
同僚「今、お偉いさんがたは大わらわだよ。公務員の職務怠慢で孤児が野放し=Aなんつー不祥事がおおやけになっちまう1歩手前なわけさ」



職務怠慢。
 
そう言われてしまうのは心外でした。
 
なにせマサヨシからすれば、子どもが軽犯罪に手を出して補導されてくるのは日常のことだからです。
 
今回の件も、スリをした少女をたまたま現行犯で確保。
 
その場で財布を返させ謝罪させ、厳重注意をして帰した。
 ▼ 24 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:13:29 ID:nBDs9n4. [3/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
それだけのことなのですから。
 
まさか、その女の子に帰る家がなく、あまつさえ幾度も再犯を繰り返すなどとは、彼にとってまったくの予想外だったのです。

しかしそれだけに、しくじった、という悔しい思いはありました。
 
それを踏まえて、こうして呼び出されたことを鑑みれば、自分がこれから何らかの処罰を受けるのは間違いないでしょう。
 
彼はある程度の覚悟は決めていました。


 
マサヨシ「……俺は、どうなるんです?」
 
同僚「そりゃあお前、ケジメつけさせるに決まってんだろうがよ」
 
マサヨシ「ギャングじゃないんですから……」
 
マサヨシ「……クビ、ですかね」
 
同僚「ポケモンじゃないんだから、この場合みがわり張っても意味ねぇよ」
 
同僚「お前は責任をもってこのガキを監督。更正するまで滅私して指導に当たれとのことだ」
 
マサヨシ「?????」
 
マサヨシ「えと……それは……つまり………」
 
マサヨシ「うちで面倒を見る?」
 
同僚「そうだよ」
 
 

マサヨシさんはあぜんとして思わず少女の顔を見ました。
 
めっちゃにらみ返されました。
 
ニューラまでキツい視線を向けてきます。
 

 
同僚「こんなのを孤児院に送るわけにもいくまいよ」
 
マサヨシ「うわぁ……」
 





マサヨシ「ただいま」
 
マミ「おかえり」
 
マミ「……ダレ? その子」
 
マサヨシ「預かることになった」
 ▼ 25 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:15:35 ID:nBDs9n4. [4/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「」イチチ…

マミ「なんで頭おさえてるの?」
 
マサヨシ「げんこつしたから」

マミ「女の子相手に何してるの!?」
 
マサヨシ「こいつ、自分のポケモンに盗みをさせたんだぞ」
 
マサヨシ「懲りてないし、今しがた俺の警棒もぶんどった。すぐに取り返したけどな」
 
マサヨシ「誰かがしからなけりゃ、こいつはずっと繰り返す」
 
マミ「ずいぶん手癖が悪いんだねぇ」
 
マサヨシ「だから、俺たちが更正させないといけないんだってさ」
 
マミ「うっはー。波乱の幕開けね!」
 
マサヨシ「勘弁してくれ」
 
マサヨシ「」クルリ
 
ガーディ「ハッハッハッハッ」ガッチリ
 
ニューラ「」死ーん
 
マサヨシ「……ガーディ、離してやれ」
 
ガーディ「ばうっ」

ニューラ「ニュッ……」ドテッ
 
マサヨシ「マミ、こいつらを風呂に入れてやってくれないか。さすがに俺が入れるのは……」
 
マミ「オーライ!仕事も一段落したところだったの」
 
少女「……」ムスッ
 
マミ「あなた達、洗いがいがありそうね」フンス



こうして、マサヨシ夫婦と女の子(とニューラ)の奇妙な共同生活は始まったのでした。
 
しかし。
 
大方の予想通り、女の子との生活は難航を極めました。
 
マサヨシ家にやってきた翌日にはもう、彼女はことを起こしてしまったのです。
 

 
マミ「財布のお金が減ってる」
 
マサヨシ「どこやった」ゴンッ
 
少女「いでっ……もう使ったよあんなはした金」
 ▼ 26 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:17:15 ID:nBDs9n4. [5/36] NGネーム登録 NGID登録 報告

  

彼女の非行は続きます。 
 

 
質屋「身分証明できないって言うから電話したんだ」
 
マサヨシ「指輪とモンスターボール……売ろうとしたのか?」
 
少女「モノ売るのにイチイチ書かされるって知ってたら売らなかったよ」
 
マサヨシ(着せたシャツに住所も電話番号も書いてあるのに……アホだな)
 

 
外出先と自宅とを問わず、彼女とニューラの腕は存分に振るわれました。
 
通りすがりの人から、エレベーターに乗り合わせた人から、隣にいた人から財布をスり。

マサヨシ家にある金目のモノに目をつけては、何らかの方法で換金しようとして。
 
目を離したほんのわずかな隙に、まるでそうしないと死ぬかのように、彼女は非行を繰り返しました。
 
そしてそのたびにあっさり捕まり、マサヨシにげんこつと説教をもらうのでした。
 
 

マサヨシ「お前がどんなとこで育ったのか知らないけど、この街はこと犯罪予防率はトップクラスだ」
 
マサヨシ「悪事は全部監視カメラが見てるし、住人も意識が浸透してる」
 
マサヨシ「どんなに手際がよかろうが、さくっとまるごとお見通しなんだよ」
 
少女「意識は大したことねーみてーだな」ツーン
 
ニューラ「」キッ
 
マサヨシ(というかこのニューラ、こいつの手持ちでもなければ、こいつに愛着をもたれている様子もない)
 
マサヨシ(とことん便利に使われてるだけ、なんだよな)
 
マサヨシ(なのに、なんでこんなに尽くすんだろうか)

マサヨシ「……とにかく、この街じゃお前はまともに犯罪をすることができないんだ」
 
マサヨシ「だっていうのに、なんでお前はバカのひとつおぼえみたいにおんなじことを繰り返す?」
 
マサヨシ「真っ当に子どもらしくしようって思わないのか?」
 
少女「ハッ。真っ当に? こどもらしく?」
 
少女「それこそバカのすることだ」
 
少女「かしこい奴は、そういうバカをハメて、楽して成り上がるもんだろ」
 
マサヨシ「それがここじゃあ出来ないって言ってんだよ」
 ▼ 27 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:18:43 ID:nBDs9n4. [6/36] NGネーム登録 NGID登録 報告

 
マサヨシ「てかお前、こんなにへっぽこなのに何でこの街に来たんだ?」
 
マサヨシ「まるで元々は別のことをしようとしてたみたいじゃないか」
 
少女「なんだ、意外と頭いーじゃん」

マサヨシ「何様だよ」
 
少女「俺、旅に出たんだよ」
 
マサヨシ「無視かよ………って、旅?」

マサヨシ「なんで?」
 
少女「強いポケモンを使うヤツに会ったんだよ。すごかったんだぜ。大の男をメチャメチャにボコっちまった」
 
少女「トサカのキマってる鳥ポケモンがさ。そいつを見て思ったんだ」
 
少女「俺もこんな強いポケモンを捕まえりゃ、バトルで勝ちまくって大儲け。勝ち組まっしぐらだってな」

マサヨシ(やっぱアホだろこいつ)
 
少女「なのに、いざトレーナー登録してみりゃもらったポケモンはザコだし、強いポケモンなんか見つかんねえし、バトルも全然勝てやしない」
 
少女「やってらんねぇから、この街で仕事を戻したんだよ」
 
マサヨシ「………それが、あのニューラなのか?」
 
少女「バカ言ってんな、あいつは前から俺の手下。もらったのは……えぇと、なんか緑のニョロニョロした奴だよ」
 
マサヨシ「初心者用ポケモンっていえば……ツタージャか?」
 
マサヨシ「そいつはどうしたんだ?」
 
少女「なんかいなくなった」
 
少女「たいして強くもないのに連れてく意味もないから、そのまんま」
 


バイバーイ、と彼女は手を振りました。
 
それを見たマサヨシは、少し気分が悪くなりました。
 
いえ、少しということはありません。不快感を覚えました。
 
 
───こいつに情はないのか?

 
ニューラは間違いなく彼女のことを思って尽くしているというのに。

そうする義理もないマミが、仕事の合間をぬって善意で少女の分の衣食を用意してくれているのに。

自分がこうして、真っ当な人間として向き合おうと言葉を尽くしているのに。
 
それに応える気持ちは一切なく、感謝の気持ちもなく、あろうことか、それをバカだと切り捨てているのですから。
 ▼ 28 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:19:51 ID:nBDs9n4. [7/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
いったい、何が彼女にそんな生き方をさせているのでしょう。
 
───その理由は、まもなくマサヨシの知るところとなりました。
 
 

同僚「トレーナー登録っていったら、ここいらじゃアララギ研究所以外ない」
 
同僚「そっちの方のツテで調べてもらった」ゴソゴソ
 
同僚「研究員のひとりをドヤしつけて用紙を記入させたらしいぜ」ハハッ
 
マサヨシ「カノコタウンより北方の街出身との申告=v
 
マサヨシ「ひょっとして……」
 
同僚「ああ。あの♀Xだろうな」
 
同僚「財政がとっくに破綻して、自治もメチャメチャ。ごく一握りの金持ち以外、街は貧乏人であふれ返ってる」

同僚「ポケモンを食うのも当たり前、なんてウワサもある」
 
同僚「そんなところから来たんじゃ、育ちは知れるよな」
 
マサヨシ「………」
 
マサヨシ(すごかった≠ゥ)
 


彼女は、旅に出ようと思ったきっかけのトレーナーをそう言い表しました。
 
他人を人間とも思わないような言動を続けてきた彼女が、唯一誉めるような表現を使った人間です。
 
大の男を圧倒した、とのことでしたが、果たしてそれは彼女がたまたま′ゥかけた光景だったのでしょうか。
 
それは、彼女の語り口からマサヨシが受けた印象とは食い違います。
 
マサヨシはそのトレーナーとは多少なりとも関わりがあったのだろう≠ニ感じたからです。
 


マサヨシ(旅のトレーナーならば、一般常識はいくらか持っているはず)
 
マサヨシ(それが、大の男とはいえ、人間をポケモンで攻撃?)
 
マサヨシ(並々ならぬ事情がなければ、そんなことはしないはずだ)
 
マサヨシ(その男から何かされそうになったから応戦した?)
 
マサヨシ(ならアイツはどう関わる? いくらなんでも強いポケモンをつれているとわかってから手を出しはしまい)
 
マサヨシ(なら、考えられる可能性は2つ)
 
マサヨシ(その男と共犯で、一緒にトレーナーを襲って返り討ちにされたか、もしくは)
 
マサヨシ(こいつが男の被害者か)

 ▼ 29 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:21:22 ID:nBDs9n4. [8/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
マサヨシ(この2つのどちらかならば)
 
調査資料『アララギ研究所を来訪した際、左腕を吊っていた。骨折との申告あり』
 
マサヨシ(この情報とつじつまが合わないこともない)
 
マサヨシ(……でも、状況証拠だ。推測の域を出ない)
 
同僚「この資料は俺のとこで保管しとくから、見たかったら言ってくれや」
 
マサヨシ「くれないんですか?」
 
同僚「いや、実はこれ俺だったら特別ね≠チつって借りてるからさ。他人には絶対に見せるなって言われてんの。さすがに渡すまでは無理」
 
マサヨシ「………ありがとうございます」
 
 
 
 
さらに、帰宅したマサヨシを待ち受けていたのはかなりショッキングな知らせでした。
 
 
 
マサヨシ「……それ、本当か」

マミ「うん。間違いないと思う」
 
マミ「ドリルに全然手をつけないからさ」

マサヨシ(あの問題集か)
 

 
少女は家にいるときじっと動かず、何もしていないことが多いようでした。
 
ドリルは、これをよくないと思ったマサヨシが買ってきたものです。
 
どの程度知識があるのかわからないので、きもち∴ユしいモノを暫定的≠ノ与えた、カッコカリ感溢れるものですが。
 
やはり、はかどってはいなかったようです。
 
 
  
マミ「気晴らしになれば、と思ってうちの本を貸したんだけど」

マミ「こんな絵見て何が楽しいんだ?≠チて」
 
マミ「眺めてたけど、どう見ても読んでる感じじゃなかった」
 
マサヨシ「………そうか」
 
 
 
マミは絵本作家をしています。
 
彼女の出す絵本は、ポケモンを主役とするものが多く、やわらかい画風とチクリと胸を刺す物語性がなかなかの人気なのです。
 
最近は屈強な怪獣ポケモンの繊細な心を描くのにハマっているようです。
 ▼ 30 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:22:31 ID:nBDs9n4. [9/36] NGネーム登録 NGID登録 報告

 
 
 
マサヨシ「そうじゃないか、と少し思ってはいた」
 
マサヨシ「……アイツ、チビだよな」
 
マミ「うん。小さいよね」
 

 
でも、ああ見えて10歳以上なのは間違いありません。
 
トレーナー登録ができたのですから。
 
 

マサヨシ「……読み書きができないとは」

 
 
思い返せば、その可能性は示されていたように思います。
 
それを思うと同時に、常に仏頂面の彼女に対して感じていた不快感≠ェ、その得体を知れないがゆえの整理のつかない感情であったのだと気付かされました。
 
そして、彼女の環境と現状を知った今。
 
子ども向けのパズルを解くかのように、その感情はあっさりと整理されてするするとまとまっていき、マサヨシはひとつの感情を持つに至りました。

ここ数週間ほどの時を経て、ようやく、マサヨシには彼女を構成するものが見え始めていたのです。
 
その感情を自覚した瞬間、あまりにも単純だと思いました。
 
安直ではないか、とすら思いました。
 
しかし、それはきっと必要な感慨だったのでしょう。
 
なぜならば、これは人間だったら当たり前にいだく感情であり、同時になんらかの行動を起こすための原動力になるものなのですから。
 
 

マサヨシ(これじゃ、あいつがあまりにも───かわいそうだ)

マサヨシ「なぁ、マミ」
 
マミ「なにかしら」シャキッ
 
マサヨシ「……時間、作れそうか?」
 
マミ「作る」
 
マミ「ヨッシー、やるんだね?」

 

心はマミも同じのようでした。
 
マサヨシは、なんて素敵な人だろうか、と改めて思い、嬉しくなってしまいました。
 ▼ 31 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:23:17 ID:nBDs9n4. [10/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
マサヨシ「おう、やる」コクン

マミ「」ニンマリ
 
マミ「ようし、がんばっていこう!」
 
マサヨシ「いこう!」
 
マミ&マサヨシ「「おー!!」」
 

 
マサヨシ夫婦が、少女と向き合っていく決意を新たにした瞬間でした。
 
 
 



 
 
 
少女「こんなとこに連れてきて、どうしようっての?」
 


マサヨシは、彼女を近所の空き地に連れてきていました。
 
テニスコート2面分ほどの広さで、平日の昼間だからでしょう、今は誰もいません。
 

 
マサヨシ「バトルをしよう」
 
少女「バトル? なんで?」
 
マサヨシ「ちょっとひさしぶりにやりたくなったんだ。付き合えよ」
 
少女「かったりい。ニューラと勝手にやっとけよ」
 
マサヨシ「それもいいけど、俺はお前たちコンビとやりたいんだよ」
 
ニューラ「?」キョトン
 
マサヨシ「それとも、俺たちには勝てないからやりたくないのか?」
 
マサヨシ「負けるのが耐えられないタイプ?」ニヤニヤ
 


少女「つっこめ!」
 
ニューラ「」ダダダッ
 
少女「ぶんなぐれ!」
 
マサヨシ「雑っ」
 ▼ 32 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:24:54 ID:nBDs9n4. [11/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガーディ「」ヒョイッ
 
ニューラ「」スカッ
 
少女「目ぇねらえ! 目!」
 
マサヨシ「ガーディ、よく見てかわせよ!」
 
 
 
何のわざを繰り出すでもなく、ケンカのヤジでもとばすような指示しかしないので、まったくお話しになりません。
 
軽快に動くガーディにニューラの攻撃はかすりもせず、あっさりと背中をとられ、突き飛ばされてしまいます。
 

 
ニューラ「にゅあっ」ベシャ
 
少女「ホント弱ぇな……」

 
 
ニューラをそう断じる少女の浅慮に、マサヨシはほんのわずかに憤りを覚えました。
 
そう言い捨てられるほど、彼女はニューラの実力を引き出せていないからです。
 
それを自覚させる必要がある。
 
マサヨシはそう考えました。
 
 
 
マサヨシ「お前、それでもトレーナーか?」
 
少女「元だよ」

マサヨシ「元にしても、お前はひどい」
 
少女「フン」
 
マサヨシ「たしかにガーディは強いさ。だけどな」
 
マサヨシ「ニューラは弱くないぞ」

少女「は? 強いヤツに負けるんだから、こいつは弱いんじゃんか」
 
マサヨシ「いいか、ポケモンを強くするのも弱くするのも、ひとえにトレーナーの実力だ」
 
マサヨシ「2つ。教えてやる」
 
少女「?」
 
マサヨシ「だましうちとこごえるかぜ」
 
マサヨシ「これをニューラに指示してみな」

少女「だましうち、こごえるかぜ」
 
マサヨシ「一緒に言うヤツがあるかどっちかにしろひとつひとつ!」
 ▼ 33 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:26:12 ID:nBDs9n4. [12/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「こごえるかぜ」
 
ニューラ「にゅう……」コウカナ?
 
少女「うお!?」
 
 

びゅうおお、と背筋が凍るような風を、ニューラはてさぐり感丸出しで繰り出しました。

予備動作も方向もガーディからすれば丸見えだったので、かわそうとします。
 
しかし、こごえるかぜの範囲は予想外に広く、ガーディは風にあおられ体勢をほんのわずかに崩してしまいました。

効果はいまひとつですが、こごえるかぜの追加効果が刺さります。
 
ガーディの動きはぎこちないものになっていました。
 
そして、少女は意外にもそれを見逃しませんでした。
 
 
 
少女「だ、だましうち!」


 
ニューラが飛び込みます。
 
こごえるかぜの時とは打って変わって、鮮やかな動きでした。
 
ニューラはガーディのわずかな死角に入り込むように、左手側にすばやく駆け込みました。
 
そしてガーディが振り向く前に跳躍してその右手側に着地。
 
完全に背後をとった状態で、可能な限りの強打を食らわせたのです。
 
 
 
ガーディ「ッ……」フラッ
 
 
 
少女(チャンス!)
 
少女「もっとだ!もっとだましうち!」
 

 
一度背後に立つと、まるで雨を得たタッツーのように、ニューラの猛反撃が始まりました。
 
ニューラに向き直ろうとするガーディの動きにあわせ、その死角へぬるりと滑り込むように移動して、だましうちを食らわせつづけるのです。
 
 

少女「」ポカン
 
マサヨシ「……」
 ▼ 34 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:28:13 ID:nBDs9n4. [13/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
その光景を少女はあっけにとられながら、マサヨシは驚嘆しながら見ていました。
 

 
少女(こいつ、こんなに強かったのか)
 
マサヨシ(わざを指示させただけで、こんなに変わるなんて) 
 
 
 
ニューラのセンスに舌を巻くマサヨシさんでしたが、そればかりではありません。
 
ちゃんとガーディにどう対応させるかも考えています。
 
手加減をするつもりではありましたが、ガーディが打たれっぱなしになるのは、さすがにかわいそうだからです。
 
そうすると、問題はこのバトルをどう終わらせるか、なのですが、それを考えつく前に、ガーディは動いてしまいました。
 
いい加減、背後をとられてぺちぺち殴られ続けるのに嫌気が差してしまったのかもしれません。
 
マサヨシと彼女がその気配に気付いたのは、ほぼ同時でした。
 
 
 
マサヨシ「……あ」
 
少女「ニューラ!はやくしとめろ!」
 
ニューラ「!」
 
 

間に合いませんでした。
 
何しろ、常に死角をとっていたとはいえ、ガーディとニューラの間には歴然たるレベルの差があったのですから。
 
そもそもここまでのだましうちなど、ガーディにとってはスリップダメージ程度にしか感じておらず、ニューラがとどめをさす、などということは叶うべくもなかったのです。
 
ガーディの体を火炎が包み込むや否や、すさまじい勢いで炎は苛烈さを増し、青白く変化。
 
ガーディは炎をそのまま推進力とし、自身の死角───ニューラのいる方向へと飛び退りました。
 
渾身のフレアドライブ。
 
やみくもな攻撃ではありましたが、抜群の相性とレベル差も相まって、ニューラはたった一撃で戦闘不能になるほどのダメージを受けてしまいました。
 
 
 
ニューラ「ニョオ……ラ……」

ニューラ「」ドサッ
 

マサヨシ「せっかち……」
 
ガーディ「」フフン


ニューラ「……」グルグル
 ▼ 35 ヒドイデ@ていこうのハネ 17/08/23 17:29:52 ID:xMxKPY22 NGネーム登録 NGID登録 報告
こういうの好きだよ
支援
 ▼ 36 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:30:41 ID:nBDs9n4. [14/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「……お前」
 
マサヨシ「すまん」ゴソゴソ
 
マサヨシ「やりすぎちまった」ゴリゴリ
 
少女「何だそれ」

マサヨシ「げんきのかけらだよ。気絶したポケモンが元気になる」
 
ニューラ「……にゅ」パチッ
 
少女「……」フイッ

マサヨシ「……これまでのバトルと比べて、どうだった?」
 
少女「は? どうって何」
 
マサヨシ「お前、今はじめてバトルらしいバトルをしたんじゃないか?」
 
マサヨシ「ヤジとばすみたいな乱暴な命令じゃなくて、ちゃんとわざを指示して、勝つためにニューラの一挙手一投足を観察してた。ガーディもだ」
 
マサヨシ「だから、ガーディがフレアドライブを放とうとしたとき、お前はちゃんと気付いて、ニューラに指示した」
 
マサヨシ「やられる前にやれ≠チてな」
 
少女「だったらなんだってんだよ」
 
少女「結局負けてちゃ意味ねーじゃんか。とんだ時間の無駄だぜ」
 
マサヨシ「いや、そんなことはない」
 
マサヨシ「お前は、自然とバトルになじんでた。つたなかったがトレーナーとして最良を尽くした」
 
マサヨシ「俺はお前がそうできる奴だってわかったのが嬉しいよ」
 
少女「……ッ」ギリッ
 
少女「バカじゃねーの」ケッ
 
マサヨシ「よし」
 
マサヨシ「帰るか。晩飯が待ってる」











 ▼ 37 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:31:37 ID:nBDs9n4. [15/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
マミ「おかえり」
 
マミ「ごはんできてるよ」
 

 
マサヨシ「うま」ゴックン


マミ「あ、こぼしてる。もったいないよ」
 
マサヨシ「まぁ箸使いなんかはそのうち上達するよ。汚れなんか拭けばいいだけだし」パックン
 
マサヨシ「……やっぱ料理じゃマミさんの足元にも及びませんわ。つらいうまいつらいうまい」パクパク
 
マミ「レパートリの問題じゃん。ヨッシー、バカの一つ覚えのチャーハンばっか」
 
マサヨシ「ピラフだってできるもん」

 
マミ「そんなに慌てて食べなくても取らないってば」
 
マサヨシ「おかわりだってあるんだぞ。いいかげん、ゆったり食べるってことを学べよ」
 
マミ「あ、そういやバトルしたんでしょ? 結果は?」
 
少女「」ムッスゥ…
 
マサヨシ「顔見りゃわかるだろ」ボソッ
 
マミ「いつも仏頂面じゃん。違いがわかんないよ」ボソッ
 
マサヨシ「いつもはもっとどうでもいい生き物を見るような目してるだろ? ホラ今親のかたき見るような目だ」ボソボソッ
 
少女「何コソコソしてんだお前ら」
 
少女「話しするんなら俺と関係ねえとこでやれよ」
 
マミ「たしかに。ピリピリしてる」
 
少女「してねえよ」
 
マミ「ミルクのむ?」スチャ
 
少女「」ヨコセ
 
マミ「はいはーい」コポコポ





 ▼ 38 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:32:46 ID:nBDs9n4. [16/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「げっふぅ」
 
マミ「お腹いっぱい?」
 
少女「これ以上食べらんねぇ」

マミ「おいしかった?」
 
少女「…………………………………」
 
少女「………まぁまぁな」
 
マミ「じゃあ次はもっとおいしいの作ったげる」ニンマリ
 
少女「そうかよ」
 


夕飯の前はピリピリした雰囲気をかもしだしていたのですが、今はずいぶんと落ち着いているようです。
 
お腹がふくれて満足したのでしょうか。
 
 

少女「」コクン、コクン…
 
マミ「眠いの?」
 
少女「ねっ、眠くなんかねえよ」
 
少女「ガキ扱いすんな」ウトウト
 
マミ「まぁまぁそう言わず」ムンズ
 
少女「な、何すんだよ、はなせ」
 
マミ「まぁまぁ」ナデナデ
 
マミ「なにもしないなにもしない」 ユールユール
 
少女(調子狂う)
 
少女(こんな隙だらけなのに、全然抜けらんねえ)ウトウト
 
少女(あぁ……くそ………)
 

 
マサヨシ「お前のご主人、眠っちまったな」
 
マサヨシ「寝てるときは、普通の子どもにしか見えないよ」クシクシ

ガーディ「Zzz……」
 
マサヨシ「……お前も、ああしている方がいいって思うよな?」
 
ニューラ「……」ジッ
 
マサヨシ「睨まれてるのか、見てるだけなのかわからんな」
 ▼ 39 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:35:05 ID:nBDs9n4. [17/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
マサヨシ「……今日は、初めて何も≠オなかったな」
 
 

マサヨシとマミは今日一日、少女をひとりきり(ニューラとふたりきり)にしないよう徹底していました。
 
午前中はマミが付きっきりで勉強を教え、外出はマサヨシが付き添いました。
 
バトルはその最中に誘ったのです。
 

 
マサヨシ「ただ一緒にいるだけで、こんなに違うなんてな」
 

 
付き添いを警戒して犯行に及べなかったというのが実状でしょうが、思えばここまで、彼女のことを放置しがちだったのは確かです。
 
そしてそんな彼女は何もしないか、非行にはしる、くらいしか行動パターンがありませんでした。
 
そもそも、自主的になにかをする、という状況になったとき、そういった犯罪行為しかしてこなかったということなのでしょう。
 
やること≠与える、という試みはどうやら、まずまずの成果を挙げたようです。
 


マサヨシ「なにより、こいつは勝負に負けたことをなげやりに考えず、悔しさに打ちひしがれていた」
 
マサヨシ「真剣に、ひとつのことに取り組んだんだ。大きな1歩だ」
 
マサヨシ「楽な道のりじゃないだろうけど、きっとこれから良くなる」
 
マサヨシ「お前も、協力してくれよな」
 
ニューラ「」
 
ニューラ「」ツーン










 

 
一緒に=A寄り添って=Aより広い選択肢を£謗ヲする。
 
それを念頭に置いた、マサヨシ夫婦の戦いは続きました。
 
少女を当たり前の子どもとして、立ち直らせるために。
 
そしてやはり、順調にはいきません。
 ▼ 40 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:36:07 ID:nBDs9n4. [18/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
マサヨシ夫婦のほんのわずかな隙に、やはり染み付いた行動であるからでしょう、彼女は非行を繰り返しました。
 
その度に辛抱強く、マサヨシとマミは言葉を尽くして、少女に言い聞かせるのでした。
 
なぜ盗みをしてはいけないか。
 
真っ当な手段で稼ぎを得ることが、どういうことか。
 
どうして自分達が悪行を悲しみ、善行に喜ぶのか。
 
感情的に押し付けないように、正しく納得できるように。
 
彼女と、言葉を交わし続けたのです。
 
そんなふたりの姿勢に応えようと思ったのか、それとも彼なりの考えがあったのか。
 
いつの頃からか、ニューラは非行の片棒を担ぐような真似はしなくなりました。
 
むしろ、制止するような態度さえ見せるようになっていました。
 
少しずつ、少しずつ。
 
しかし確実に、変化は進んでいきました。
 
 

マミ「見て見て!全問正解!」

少女「おい、やめ……」
  
マサヨシ「おっ……おぉ!すげー!」
 
マサヨシ「なんだお前、頑張ってるじゃんか!」

少女「〜……///」
 
マサヨシ「アホだアホだと思ってたが、なんだ全然まともだったな!」
 
少女「ッ」ムッ
 
マサヨシ「よし今日はパパがんばっちゃうぜー晩御飯作っちゃう」イソイソ
 
マミ「チャーハン?」
 
マサヨシ「五目チャーハン」
 
マミ「」
 
少女「」
 
マミ「あはははっ」
 
少女「……ははっ」




 ▼ 41 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:37:24 ID:nBDs9n4. [19/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「……」
 
ニューラ「……」

おしえテレビ『仲間を呼ばれないためには』
 
おしえテレビ『相手を状態異常にしてしまえばいいんだ』
 
おしえテレビ『もしくは全体技で押し流してしまえ!』

おしえテレビ『この脳筋がッ!』
 
少女「w」
 
ニューラ「w」
 
マミ(きょうだいみたい) フフフ
 




 
マサヨシ「金が欲しい?」
 
少女「ああ」
 
少女「その……この街に来てからは商売あがったりだからよ」
 
少女「なんか……別の方法で、稼ぐしかねぇなって」
 
マサヨシ「……」
 
マサヨシ「〜♪」ガシガシ
 
少女「おい、やめっ……ヤッメェロ!!」
 
 
 
───歩合高おこづかい制度が導入されました───
 
 



 
マミ「ねぇねぇ!見て!見て!」
 
少女「おい、やめろってば」カァア
 
マミ「襲≠セよ!襲=I」
 
マミ「こんな画数多い漢字が書けるようになって!」
 
マミ「しかもこんなにたくさん書いてるの!」
 
マサヨシ「(苦笑い)」
 
少女「やめろ!!////」
 ▼ 42 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:39:24 ID:nBDs9n4. [20/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「ニューラ! そこでみだれひっかき!」
 
ニューラ「ニュアッ!」ザザザザン!!
 
ガーディ「わんっ!」タジッ
 
マサヨシ「怯むな、1歩退くんだ!」
 
マサヨシ(めきめき上達してやがる!)ワクワク







マサヨシ「マミも俺も、今日は遅くなる」
 
マサヨシ「留守番よろしくな」パタン
 
少女「」
 
ニューラ「」
 
ガーディ「わん!」
 
少女「……しっかり監視つけてやがる」
 
ニューラ「にゅう?」
 
少女「どうすっかな……」
 
少女「ドリルやるか」
 
 
 
もう少しで終わるんだよな、とつぶやいて、彼女は居間へと戻っていきました。
 
あのドリルも、もう2冊目が終わろうとしています。
 
 

ガーディ「わんわん(すっかり良い子になったでありますな!)」
 
ガーディ「わんわん(一応本官も残されておりますが……マサヨシどのはあれで、彼女を信頼しているのでありますよ!)」
 
ニューラ「……にゅう(そうか)」
 
ガーディ「わん(この間も本をかってあげていたのでありますよ。マサヨシどのもお父さんが板についてきたというか……感慨深いであります)」
 
ニューラ「ニュア(そうだな)」
 
ガーディ「わん(このまま、健やかに大きくなってほしいでありますな!)」
 
ニューラ「にゅ(そう)……」
 
ガーディ「わおん!(おっぱいとか!!)」
 
ニューラ「ニュウラ(黙れ。殺すぞ)」
 ▼ 43 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:41:35 ID:nBDs9n4. [21/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガーディ「わん!(お!今日も闘るであります!?)」ウキウキ
 
ガーディ「わおん!(挑み続けていれば、いつか敵うのであります!努力は裏切らないのでありますよ!)」
 
ニューラ「」ビキビキ



そんなやり取りをしているポケモン達をよそに、少女は黙々と勉強に取り組んでいます。
 
BGM代わりにアニメをつけているのはご愛嬌です。
 
 
 
少女「」カキカキ
 

 
決して口にしませんが、彼女は今の暮らしを気に入っていました。

お腹いっぱいにごはんが食べられるのも、こうして勉強をするのも、悪くないと思っています。

もちろん、あの夫婦にお世話になっていることも、です。
 
新しいことを知る∞出来なかったことが出来るようになる∞今ここにいることを祝福される≠ニいうような、そんな当たり前のことに、喜びを感じているのでした。
 
ほんの少し前まで、そんな喜びを得る機会はまったくなかったからです。
 

 
少女(俺らしくもねぇ)
 
少女(あいつらのせい、か)
 

 
何だかんだと言いながら、手を尽くして自分を慮ってくれるマサヨシ。
 
なにも言わず、自分のことごとくを受け入れてくれるマミ。
 
そんな2人と半年ほど暮らして、いろんなことを教わって。
 
今まで当たり前だと思っていたものが、当たり前ではないのだ、と知って。
 
彼らの言う真っ当な生き方も良いのかもしれない、とそう思って───

 



 
『感化され取り繕おうと無駄だ。人間の本質はそう易々と変わらない』

 



 
少女「」ゾクッ
 ▼ 44 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:42:21 ID:nBDs9n4. [22/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「!」ガタッ
 
テレビ『〜』
 
少女「テ、テレビかよ」
 

 
悪態をついて、また勉強に戻ろうとしますが、なんだか落ち着きません。
 
冷静さを取り繕おうとするのですが、どうしても、内心穏やかではいられなかったのです。
 
結局、そのあとは何にも手をつけられませんでした。















 ▼ 45 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:43:59 ID:nBDs9n4. [23/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
夜。
 

 
マサヨシ「ただいま」
 
マミ「ただいまただいま!」
 
ガーディ「わん!」
 
マサヨシ「……あいつは?」
 
マミ「」テッテッテ
 
マミ「寝ちゃったみたいだね」
 
マサヨシ「んじゃ、これは明日だな」
 

 
マサヨシが手にしていたのはバースデーケーキの箱でした。
 
少女の誕生日がわからないので、ここいらで祝っておくことにしよう、という話になったのです。
 
タイミング的にもちょうどいい、ということで。
 
 
 
マミ「あの子、認めてくれるかな」

マサヨシ「きっと大丈夫だ」
 
 
 
そもそも、自己責任ということで少女の監督を押し付けられたマサヨシでしたが、今はそれを疎ましく思っていません。
 
彼女が更正したら、改めて孤児院に預けられることになっていたのですが、今さら手放すなんて、考えられませんでした。
 
時間と真心をかけた分だけ、愛着もわくのが人情というものでしょう。
 
今日、ふたりは養子縁組の相談に行っていたのでした。
 
  
 
 
 
「」ザワザワ
 
少女「なぁ、いつまでこんなことやってる?」
 
「」
 
少女「いい加減潮時なんじゃねえの?」
 
「」
 
少女「このままじゃ、毒されて終わっちまうぜ」
 
少女「今更生き方を変えるなんて、本気でうまくいくと思ってんのか?」
 ▼ 46 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:45:39 ID:nBDs9n4. [24/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「ろくなことになんねぇよ」
 
「」
 
少女「今までもうまくやってこれたんだ。これからだってイケるさ」
 
少女「変わる必要なんかねぇよ」
 
少女「だって変わったら最後、お前は今までやったことと向き合わなくちゃいけなくなる」

少女「お前がいかにクソガキだったのか。お前がどれだけの悪漢だったか。どれだけ他を蹴りつけて踏みにじって、他人の不幸を食い物にして、そのくせのうのうと生きていたか」
 
少女「お前が今までしていたことの意味がわかるようになったんだからな」
 
「」
 
少女「片意地張んなよ」
 
少女「楽になっちまおうぜ」
 

 
少女「」ダダダダッ
 
マサヨシ「なんだ起きて、おい待てどこ行くキ……」
 

 
廊下を突っ切っていった少女はそのまま、ばばっと靴を履くと、表に飛び出していってしまいました。

言うまでもなく、夜はとっくに更けています。
 
子どもの動き回っていい時間ではありません。
 
ニューラは追いかけていきますが、マサヨシは追いつけません。
 
靴も履かずに追いかけましたが、あっさりとチギられてしまいました。
 
 
 
マサヨシ「くっそっ、脚速いなぁっ!!」

マミ「ヨッシー! 靴!!」
 


夜の街を、女の子が駆けていきます。

まるで風のように速く、道行く人にぶつかりながらも、しかし誰も追い付けそうにありません。
 
 
 
サラリーマン「あ痛っ」
 
サラリーマン「子ども……?」
 
サラリーマン「あ、財布落としてた」イソイソ
 ▼ 47 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:47:13 ID:nBDs9n4. [25/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
何度も、そんな風に通りすがりの人にぶつかっては、走り去っていく。
 
そして、ぶつかられた人のことごとくは落とし物をしていて。

ある人はCギアであったり。
 
またある人は財布であったり。
 
別の人は大切な相棒がいるモンスターボールであったり。
 
大事なものを、盗まれかけていたのでした。
 
 
 
やたらめったらに走り回った少女は、駆け込んだ路地裏で疲れ果てて、壁にもたれていました。

息は荒く、汗もだらだらとかきながら、彼女は叫んでいました。 
  

 
少女「なんで!」

少女「なんでできないんだっ!」
 
少女「クソッ!クソッ!クソッ!チラつくな!」
 
少女「チラつくな!」
 
少女「出てくんな!!」
 
少女「引っ込めよ!!」
 
少女「なんで……なんで……」
 
 

思い浮かぶのは、怒った顔のマサヨシと、呆れ顔をしたマミの姿。
 
ふたりとも、悲しそうな顔をしていました。
 
今までのようにスリをしようとして手をのばすたびに、そうやって二人が現れるのです。
 
そうすると、やるぞ、と固めた手のひらがふわり、と緩んでしまうのです。
 
収穫は全くありませんでした。
 
たまったものではありませんでした。
 
このままでは、以前のようになど、できるわけもありません。

罵るように、出てくるな、どこかへいけ、と吠え続けますが、離れません。
 
離れてくれないのです。





『子どもがこんなところにいるとは。めずらしいこともあるものだ』
 ▼ 48 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:49:21 ID:nBDs9n4. [26/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
仰天してがば、と向き直ると、路地の奥に男が立っていました。
 
ソフトハットを目深にかぶり、コートを羽織っています。
 
素顔はよく見えません。
 
 
 
ニューラ「ニュラ!」ダッ
 
少女「お、前……」
 
ニューラ「ニュアァラ……」ギリッ
 
男『出会い頭に威嚇か。躾が為っていないニューラだ』
 
少女「……おいお前!痛い思いしたくなかったら、金目のもの出せ!」
 
ニューラ「ニュラ!?」
 
少女「……なんだその態度」
 
少女「ニューラ、お前いつからそんな風にたてつくようになった?」
 
少女「お前は、俺の手下として言うこと聞いてりゃいいんだよ!」
 
男『フッ』
 
少女「何がおかしい!」
 
男『声が震えているぞ』
 
男『度胸だめしか知らんが、不慣れなことをするからボロが出る』
 
少女「人を知った風に言うんじゃねえよ!!」
 
男『……』
 
ニューラ「……」
 
少女「不馴れだと? お前が俺の何を知ってんだよ」
 
少女「知ってんなら教えろよ!なんで俺はこんなことも出来なくなってんだよ!」
 
少女「別に財布をスるのなんてなんも難しいことじゃない! ポケモンけしかけて、金を巻き上げることなんて簡単だ!」
 
少女「なのになんでできないんだ!なんでグダるんだよ!」
 
少女「真っ当にやろうとしたら、苦しくなってくるのに!」
 
少女「なんでこっち≠ノも手がつかねぇんだよ!」
 
少女「どうして……どうして……」
 
少女「俺は……本当の俺はどこにいるんだよ……」
 ▼ 49 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:51:12 ID:nBDs9n4. [27/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
男『お前たちは奇妙だな』
 
男『ヤツのように答えを持っているような者もいれば、お前のように、自己のありように葛藤する者もいるのだから』

男『くだらんことだ。おまえはここに生きている。ここにいるのがおまえだ。ここにしかお前はいない』

男『……ただ、それだけのことだ』


「───!!」
 
 
 
自分の名を大声で呼ばれて、彼女は反射的に振り返っていました。
 

 
少女「むぐっ」
 
マサヨシ「このアホ!!」ダキッ
 
マサヨシ「こんな時間に飛び出していくヤツがあるか!」
 
マサヨシ「せめて朝にしろこのアホ!!」

少女「俺……俺……っ」
 
少女「スリ……しようとして、できなかった」
 
マミ「……」
 
マサヨシ「……!」
 
少女「したく、なかった……」
 
少女「お前らに、がっかり……されたく、なかった」

少女「でも……でも俺、今まで、ずっと、そうして、きたから……」ズビッ
 
少女「ずっと、そうやってた、自分が……嫌だ」

少女「なんとも、思ってなかった、自分が………ほんとうにいやだ」ボロボロ
 
少女「俺は……クズで……アホだから……」
 
少女「でも、でもお前たちに、捨て……捨てられたくないッ」ボロボロ 
 
マサヨシ「ほんっ………とうにアホだなぁッ、お前は………ッ」
 
マサヨシ「いまさら、捨てるわけ、ないだろうが」
 
マサヨシ「お前が何度間違っても、俺たちは何度でもお前をしかってやる」
 
マサヨシ「おまえがちゃんとわかってくれるまで、何度でも、何度でもだ」

マサヨシ「伝えればわかろうとしてくれるって、俺たちはもう、わかってるよ」
 
マミ「クズだなんて言っちゃダメ」
 ▼ 50 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:52:15 ID:nBDs9n4. [28/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
マミ「自分が悪いことしてた、ってわかってるなら、君はきっと立派な人になれるよ」




めっちゃ大泣きした。
 

 



































 ▼ 51 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:53:09 ID:nBDs9n4. [29/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
ほとぼりがさめて、落ち着いた少女は、路地の奥を見やりました。
 
あの男性はもういません。
 
頭に響くような、あの不思議な声はなんだったのでしょう。
 
というか、格好から男性と思いこんでいましたが、果たして彼は、そもそも人間だったのでしょうか。
 
それだけがわからないまま、家族は帰っていきました。
 
我が家に帰っていくのでした。
 ▼ 52 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:54:50 ID:nBDs9n4. [30/36] NGネーム登録 NGID登録 報告

 
 
 


 
ニューラ「にゅあ?」
 
「……あぁ、ちょっと、ぼーっとしてた」
 
「昔のこと思い出しててさ」
 

 
入学試験の過去問を前にして、少し気が緩んでたな≠ニ反省しつつ、彼女はニューラを見やりました。
 
昔から、彼はこんな風に、自分のことをまっすぐ見つめてくれているのです。
 
それに気づいたのは、つい最近のことでした。
 
 
「あんがとな」ナデナデ
 
ニューラ「」フンス
 
(俺もトレーナーになればって思ったあの時)
 
 
 
盗みで暮らしを立てていた自分が、旅のトレーナーに助けられた、あの時。

思えば、あの少女に出会ったのが、すべての転機だったように思います。

あれだけの恩をもらっておきながら、礼のひとつも言っていない自分。
 
感謝どころか、非礼ばかりを重ねたあの時。
 
考えれば考えるほど、彼女にもう一度会って、謝りたい、という思いが。
 
そして、ありがとうを言いたい、という思いがつのるのでした。
 

 
「……あの子は今、どこでどうしているんだろう」
 ▼ 53 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 17:55:41 ID:nBDs9n4. [31/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
非行少女の件、終了


 ▼ 54 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 18:01:28 ID:nBDs9n4. [32/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
夜。

少年がひとり、焚き火のそばでカップに口をつけていました。

中身は熱々のポタージュスープ。

立ちのぼる湯気がその熱さを、そして周囲の冷え込みを語っていました。

寄り添うようにして寝ているのはデルビル。

浅く眠っているのか、耳がときおりぴくぴくと動き、いずこかを向いています。

周囲に気を配っているようです。



デルビル「」ピクッ

少年「?」

青年「……おぉ」

青年「こんばんは」

少年「……こんばんは」

青年「いきなりでもうしわけないんだけど、暖を取ってもいいかな?」フルフル

少年「ああ、いいぜ」

青年「おじゃましまーす……」ス
 
少年「……飲むか?」
 
青年「いいのかい? 助かるよ……」ゴソゴソ
 
少年「」コポコポ
 
 
青年「デルビルか。暖かそうだね」
 
少年「こんな日は炎タイプといるのが一番だぜ」
 
少年「あんたは連れてないの?」
 
青年「あいにく、今はシードラだけでね」
 
青年「陸上じゃ連れ歩けないのが難点さ」
 
少年「こんな日じゃ、なおさらだな」
 
少年「あんた、旅は長いのか?」
 
青年「7年くらいかな」
 
少年「へぇ。強いのか?」
 
青年「まさか。全然さ」ズズズ
 ▼ 55 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 18:02:28 ID:nBDs9n4. [33/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「ふぅん……」
 


あからさまにつまらなさそうな顔をする少年に、青年はなんだかほっこりとしてしまいました。
 
昔の自分を見ているような気持ちになったからです。
 
旅立ってそんなに経っていないのでしょう。
 
これくらいの時、自分はどうしていただろうか、などと考えてしまいました。
 
昔の自分は、と考えていて、いいことを思いつきました。
 
火を借りているのですから、少しくらい見返りを返せなければ格好がつきません。
 
 
 
青年「君は、幻のポケモンに会ったことがあるかい?」
 
少年「ん。あるぜ。旅立ちの日に、ホウオウが飛んでくのを見た」
 
少年「ホウオウが飛んでった方に進路を向けて、イッシュに来たんだ」
 
青年(ドラマティカル……!)
 
青年「……すごいね。強運だ」

青年「ホウオウを見た者は栄光を手にする。縁起がいい」
 
少年「運なんかじゃない」
 
少年「俺はおれ自身の力で、リーグを勝ち抜いてトップトレーナーになるんだ」
 
少年「ホウオウに出逢ったのはただの啓示だ」
 
青年「わお」
 
青年(ハートもメチャメチャに強いな!)

青年「オレも、君ほどドラマチックじゃないけど、幻のポケモンに逢ったことがあってね」
 
青年「オレが見たのはラティオスだった」
 
青年「曇天の夜でね。オレはポケモンセンターを目指して急いでた」
 
青年「突然だったよ。目の前にそいつは浮いていた」
 
青年「まるで、鬼のような形相でね。そのあたりじゃそんなのが出るとは聞いてなかったから、とても驚いたんだ」
 
少年「」ゴクリ

青年「そいつは、オレがポケモンを繰り出すのを待っていた」
 
青年「今か今かと、待ち構えていた」
 
青年「見ただけでわかった」
 
青年「こいつは戦狂いだ。闘争の中に身を置くことでしか安寧を得られない、そんなヤツだって」
 ▼ 56 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 18:04:11 ID:nBDs9n4. [34/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「ラティオスが、か?」
 
少年「聞いたことないぜ」
 
青年「ああ、だけど間違いないよ」
 
青年「ヤツの周りにはニドキングにサイドン、バッフロンにダストダスにイワパレス、ラグラージやクリムガンなんかが倒れていたんだ」
 
青年「全部こいつがやったんだって思った瞬間、ぞわっとしたね」
 
青年「そんなヤツとポケモン達を戦わせるわけにはいかないって思ったオレは、そのまま逃げた」
 
少年「逃げたのかよ」
 
青年「ああ、逃げたさ」
 
青年「でも、オレはあれ以上に恐ろしいポケモンには出会ってないよ」
 
少年「」ゴクン
 
少年「そ、そうかよ。よかったな」
 
少年「……てかさ。あんた、きんのたまって持ってるか」
 
青年「ん? 臨時収入用に確保はしてるよ」
 
青年「今は持ってないけどね」
 
青年「今朝、なんか変なおっさんに絡まれてよ」
 
青年「『はい!今目が合ったね、合わなかったとは言わせないよ!反らさない。そんなあなたにこれ!はい、ほかほかでしょ。おじさんのきんのたま!スペシャルサービスでふたつあげちゃう!ありがたく受け取っていいんだよ!なにせ、おじさんのきんのたまだからね!おじさんのきんのたまだからね!!』って、コレもらったんだ」
 
青年「」
 
少年「さっさと売っちまった方がいいかな」
 
青年「いいと思うよ」

青年「奇妙な人、といえば、ユニークな家族に出会ったよ」
 
青年「ガルーラの群れと暮らしていてね」
 
青年「すっかり野生化していて、言葉が通じなかったよ」
 
少年「うっそだぁー」
 
青年「ウッソーw」
 
青年(ホンットー)
 
青年「ところで、君はお世話になってる小技とかある?」
 
少年「小技?」
 
青年「ちょっとしたおこづかい稼ぎ、とかね」
 
少年「おい、まさか援k」
 
青年「ちゃうわい」
 ▼ 57 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 18:05:44 ID:nBDs9n4. [35/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
青年「ちょっと昔になるけど、不思議なことができたのさ」
 
青年「メタモンにへんしんをさせることによって、道具を増やすって小技が」 

青年「いつの頃からか、できなくなってしまっていたけどね」
 
少年「へぇー」
 
少年「メタモンの性質かな」
 
青年「さてね」
 
青年「ふう、だいぶ暖まった」スック
 
少年「小技っていやぁ、俺もひとつ知ってるぜ」
 
少年「ポケリゾートってとこでうまいことやると、ポケモンをメチャメチャにレベルアップできるんだ」
 
青年「へぇ。今もできるのかい?」 

少年「いや、こっちも気づいたらできなくなってた」
 
青年「そうか」
 
青年「じゃ、俺はポケセンまで頑張るよ」
 
少年「おう、気を付けろよ」
 
少年&青年「「おやすみ」」
 

 



少年&青年((まぁ……))
 
 
 
少年&青年((今もやってんだけどネ))
 ▼ 58 1◆vygWH5P.gY 17/08/23 18:06:19 ID:nBDs9n4. [36/36] NGネーム登録 NGID登録 報告
焚き火越しの歓談、終了
 ▼ 59 ダカ◆EFC.zmnhr2 17/08/23 18:27:33 ID:hAtxYeXg NGネーム登録 NGID登録 報告
バグ勢かよ
シエンネ
 ▼ 60 ラッキー@ホイップポップ 17/08/24 07:14:16 ID:zST2u91U NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
待ってたぜバカウサギ!(*,,>ω<,,)b
 ▼ 61 1◆vygWH5P.gY 17/08/31 18:12:57 ID:Q7h3bhCI [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
トキワの森の奥深く。

獣道とも言えないような、雑草と茂みの中を旅人が歩いていました。

木の枝や葉っぱでの怪我を防ぐためでしょう、マントを羽織っています。



「……ふぅ」

(少し開けた場所に出たな。休憩しよっと)キュポン

「」ゴクゴク

(聞いた通り、道はあったけど、ホントに行けるんだろうか)

(ピカチュウの森)



旅人がその噂を聞いたのは、ニビシティのポケモンセンターで休憩していたときでした。

向かいのソファに座っていたおばあさんが、一緒にいた女の子に話していたのです。

トキワの森の奥には、ピカチュウたちの集まる秘密の楽園があるのだと。

女の子は興味なさげでしたが、旅人はすっかりその話が気になってしまいました。

最終的には、自ら根掘り葉掘り訊ねている始末。

そうして、親切に教えてくれたおばあさんの導きにしたがい、この獣道にたどり着いたのです。



おばあさん『獣道を進んで小部屋を3回抜けると、分かれ道にたどり着くわ』



「小部屋≠ヘ、ここのことだよな……」

(ドーム状に並ぶ木に囲まれて、たしかにこれは小部屋だ)

「」ヨイショット

「あと2回」




「」テクテクテク

「……分かれ道」



『そこには小さな立て札があるの』
 ▼ 62 1◆vygWH5P.gY 17/08/31 18:27:36 ID:Q7h3bhCI [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
(これか……って)

「ふふっ」



その立て札を見て、思わず笑ってしまいました。

なにせ、左側を指すように立てられたそれには、つたない字で「迷子は、こっち」と書かれていたからです。

そして、立て札自体も、とてもよろよろとした形状の矢印でそちらを指しているのでした。

子どもが書いたのは一目瞭然です。



「立て札は無視して=c…」



『そのまままっすぐ進んでね。すぐに道が現れるから』



「」ガサガサッ

(……なるほど、これは天然の隠し通路だ)



しかも、さっきより歩きやすい道です。

気をよくした旅人は、ご機嫌な様子で歩いていきます。



スピアー「キシッ」

「おわっ」カチ

(……っと、あぶないあぶない)



『分かれ道のとこから進んでいると、スピアーがたくさんいるところを通るわ』

『ビックリするでしょうけど、決して刺激してはダメよ。群れで襲いかかってくるから』



(冷静に冷静に)

(静かに通り抜ける)





 ▼ 63 1◆vygWH5P.gY 17/08/31 18:48:09 ID:Q7h3bhCI [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ふぅ」

「緊張したぁ……」ホッ



むしよけスプレーは持ってきていたのですが、おばあさんの刺激するな≠ニいうアドバイスにしたがって、匂いの強いそれを使うのは自粛していました。

───が、どうやら正解だったようです。



(あとは、道なりに進むだけ)

(もうひと踏ん張りだ)






だいたい、1時間ほど歩いた頃だったでしょうか。

前方に明るみを感じて、旅人は少しだけ足を早めました。

はやる気持ちを抑えて、なるだけ静かに。

そうして間もなく、旅人はそこにたどり着きました。




「───」



息を飲んで、周りを見渡します。

不思議な場所でした。

入った瞬間は開けた印象をいだくのですが、見上げれば木の枝におおわれているので、原っぱのような場所ではないことがわかります。

観察すると、どうやらその枝々は1本の木から伸びているらしく、それらを追って視線を下ろしていくと、そこにはとても幹の太い木がありました。

だいたい、自分が30人くらい並べば、その横幅に届くのではないでしょうか。

しかし、その木は決して高いとは言えません。

なにせ、点在している木々と高さはそんなに変わらないのです。



(この木々、枝を支えてるのか)



偶然か、誰かの手によるものか、巨木の広げた枝を、数十本の木が支えるようにして立っていることで、この広い部屋≠ヘ成り立っているようでした。

 ▼ 64 1◆vygWH5P.gY 17/08/31 19:01:14 ID:Q7h3bhCI [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「!」



ピカチュウ「ぴか?」

「………」



『そこ≠ノ着いたなら、あなたは決してずかずかと踏み込んではいけません』

『そこは、ピカチュウたちの集まる秘密の場所』

『あなたはのんびり、彼らの営みを眺めるといいわ』



「」チャキ

「よいしょっと」




ピカチュウ「ピィッカー!」テッテッテ

ピカチュウ「ピィ? ピカピ、ピッピカチュウ」



じっとしていると、たくさんのピカチュウがここに出入りしているのがわかりました。

トキワの森では、こんなに大量には見られないでしょう。



(数は少なくても、ずっといるんだもんな)

(こういうコロニーはあって当然か)

「」チビチビ



たわむれるピカチュウ達を眺めながら、水筒に口をつけます。



『好奇心旺盛な子がいたら、近付いてくるかもしれないから。そのときは、ふれあってあげてね』



そんな子がいるのを少し期待しつつ。

こんなことなかなかできないなぁ、と思いながら、旅人はその日一日、のんびりと過ごしたのでした
 ▼ 65 1◆vygWH5P.gY 17/08/31 19:01:38 ID:Q7h3bhCI [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウの森、でした。
 ▼ 66 ネネ@ポケモンのふえ 17/08/31 20:54:16 ID:6EZoZrEg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おかえり(,,°^°,, * )
 ▼ 67 チゴラス@はかいのいでんし 17/09/17 11:16:45 ID:LkeJMAL2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あげ
 ▼ 68 ウワウ@するどいキバ 17/10/01 09:55:30 ID:ObxwRtXc NGネーム登録 NGID登録 報告
待ってるね
 ▼ 69 ロッパフ@ウタンのみ 17/10/14 00:34:19 ID:jSWQHS2E NGネーム登録 NGID登録 m 報告
↑支援↑
 ▼ 70 ンブオー@ノーマルジュエル 17/11/03 22:31:19 ID:y.rORE4o NGネーム登録 NGID登録 報告
ほしゅ!
 ▼ 71 ンニュート@プレシャスボール 17/11/18 23:11:52 ID:KdGh4NiA NGネーム登録 NGID登録 報告
維持
 ▼ 72 ニノコ@ラティアスナイト 17/12/01 21:57:24 ID:/KdTbw0w NGネーム登録 NGID登録 報告
(支援…っ)
 ▼ 73 イル@ロックカプセル 17/12/21 06:53:04 ID:H3ohiaxM NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ!
 ▼ 74 vivi◆viviattvv. 18/01/03 10:15:18 ID:7jq//B9I NGネーム登録 NGID登録 報告
ほしゅ!
 ▼ 75 ビシラス@ノメルのみ 18/01/21 23:25:51 ID:9cAXIS8U NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
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