【長編SS】サトシ「オレに妹ができた」:ポケモンBBS(掲示板) 【長編SS】サトシ「オレに妹ができた」:ポケモンBBS

  ▼  |  全表示525   | << 前100 | 次100 >> |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【長編SS】サトシ「オレに妹ができた」

 ▼ 1 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/07/25 21:23:55 ID:cW1fxHtY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

あなたにとって、ポケモンとは何ですか?


ポケモンにとって、あなたとは何ですか?


家族?友達?仲間?



------------------------これは、不思議な魔法にかけられた、可愛い可愛いポケモンと、


そのポケモンとドタバタでハチャメチャな暮らしをするハメになった、可哀想な可哀想な少年の物語です。



物語の主人公、少年の名はマサラタウンのサトシ。サトシの夢はポケモンマスターになること!



「みんなもポケモン探しに、ゼンリョクでいこうぜ!!」
 ▼ 186 ェリム@ザロクのみ 17/08/17 23:57:06 ID:.vc/SRJk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ところどころ喋るピカチュウに草
 ▼ 187 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:47:39 ID:L6MLHALs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
店員A「いらっしゃっせー!イッシュ地方から上陸!ヒウンアイス、ヒウンアイス半額、本日が最終日でーす!」

店員B「いらっしゃいませー!カロス地方名物シャラサブレはいかがでしょうかー!」

例のOYAJI「らっしゃいらっしゃい!世にも珍しいコイキング、1匹500円だよ!」


サトシ「ふぁ〜、こうもお店が多いと目移りしちゃうな。ムーマ、何かほしいものはない?」

ムーマ「じゃあ……あれ!」

店員C「あらあらそちらの可愛らしいお嬢さん!ザボンの砂糖漬けはいかがでしょうか?おひとつ250円ですよっ」

サトシ「おっ、じゃあ二つで」

店員C「お会計500円になります。ありがとうございましたー!」


ムーマ「♪」マグマグ

サトシ「おいしい?」

ムーマ「うん!」

サトシ「じゃあオレも一口……ふはぁ!懐かしい味!」

ムーマ「なつかしい?」

サトシ「旅をしてた時に食べたことあるんだよ。あの時と同じ味だ!……カビゴンがいたら財布が消し飛んでたな」

ムーマ「カビゴン?おにーちゃんカビゴンも持ってたの?」

サトシ「カビゴンは見たことある?」

ムーマ「わたしがまだポケモンだったころに近くの草むらでうろうろしてるのを見たよ」

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

ムーマ「……えへへ」

サトシ「どうした?やっぱりこんな賑やかな街……じゃなかった、道を歩くのは楽しい?」

ムーマ「うん。わたしがムウマの時は人がいっぱいいる場所はどうしても苦手だったの」

サトシ「今は平気なのか?」

ムーマ「うん!」ギュッ

サトシ「うおっ!?急に抱きつくなって!ホラ、みんな見てるから……」

ムーマ「おにーちゃん、はじめてのデート、楽しい一日にしようね!」

サトシ「オレは初めてじゃないけど」

ムーマ「え゛?」

サトシ「うん。オレは初めてじゃな……あっ」

ムーマ「くわしく話聞かせてくれる?」ゴゴゴゴゴ

サトシ「あっあ゛ーっ!ムムムーマ、あそこにくじ引きがあるぞ。GXポケモンのカード当ててきてやるよ!」ピューッ
 ▼ 188 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:49:04 ID:L6MLHALs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
------------------------------------------

マオ「えーっ!?サトシってデート経験あるの!?」

サトシ「あぁ、そう……らしいよ」

スイレン「らしいってヴァナタ」

マーマネ「意外すぎる……」

サトシ「あはは、よく驚かれるよ……」

マオ「じゃあそのことはムーマちゃんには隠しておかないとね」

サトシ「どうして?」

マオ「どうしても!例え異世界から来た未確認生命体がアローラを乗っ取ろうとしても!」

-------------------------------------------

サトシ「……危ねぇ危ねぇ。皆から念を押されてたの忘れてた」

ムーマ「おにーちゃーん、わたしあのピンクの花がさいてるところ行ってくるね!」

サトシ「あぁ待て待て!一緒に行くから!」


コソコソ……

マーマネ(変装)「楽しそうだね。二人とも」

スイレン(変装)「うん。3日前は色々あったけど今日この日を迎えられて本当よかった。マオちゃんとカキも仲直りできたし……」

マーマネ「んじゃ!今日は怪人として、あのカップルに思いっきり襲いかかっちゃいましょうかねぃ」


ムーマ「♪」アムアム

サトシ「ザボンの砂糖漬けの次はマラサダドーナツかぁ。ホントよく食べるなぁ」

ムーマ「いっぱい食べて大きくならなくちゃ。早く大きくなったらおにーちゃんとけっこんもできるしね」

サトシ「!/// ……アッハハ、冗談うまいなぁもう」

マーマネ「まーてまてまてーい!そこのバカップルァァァイ!」
 ▼ 189 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:51:14 ID:L6MLHALs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突如現れた謎の男は、某電気タイプジムリーダーよろしく迷彩柄のズボンにサングラスをかけていた。

低身長のせいか威圧感のないシュールな出で立ちで堂々とサトシとムーマの前に立ちはだかる。


サトシ「……?」ポカーン

マーマネ(あぁ、あれは驚嘆してる顔だ。バレてない。バレてないぞ。カキ、ナイス衣装チョイスっ!)

スイレン「彼氏さん。ハニーから目を離しちゃいけない」

サトシ「っ!?」


サトシが振り向くと、ムーマが背後から仮面をつけた青髪の女に口を塞がれていた。

さらに水色のボディースーツと邪魔そうなマント。先の男がそうでなくともこちらは絶対に変な人だ。

二人の正体に気付いていないサトシは状況が飲み込めないながらも変態もとい怪人達に食ってかかる。


ムーマ「む、むぅ〜!」ジタバタ

サトシ「な、何だお前ら!ロケット団の仲間か!?」

スイレン「惜しい。私はマオウに仕える三怪人の一人、『海神アクエリア・スイレン』!」

マーマネ「わ、私の名は『雷神イナズ・マーマネ』!ついでに言うがロケット団は一切関係無いから全然惜しくないぞ!」

サトシ「魔王?……そうかお前らが……おい、なんちゃらスイレンとなんちゃらマーマネ!ムーマを返せ!」

スイレン「ダメダメ。ムーマはマオウ様の生贄にするのだ。ふはははははー……はー……」

マーマネ「マオウ様は年下の子供の遊び相手をするのが大好きなのだ。わははははは……はー……」

マーマネ(ダメだ。あまりに変な役ゆえにモチベーションが保てない!)

スイレン(サトシじゃなければもうとっくにバレてる……でも何とか最後まで演じ切らないと……)


サトシ「返せって……言ってんだろうがーーー!!」ガバッ


マーマネ/スイレン「「!?」」

バシッ!

スイレン「……あ、あれ?」ヒリヒリ

サトシ「ムーマ、無事か?」

ムーマ「おにーちゃん!」

マーマネ「え゛え゛え゛え゛!?もう奪還されたーーー!!」

スイレン(初めてサトシから平手打ちをもらった……何だろうこの感じ)
 ▼ 190 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:54:22 ID:L6MLHALs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「ふ……ふははははサトシとやら、ハニーを返してほしければ私達と勝負をしなさい」

マーマネ「取り返されてから言うセリフかそれ!?」

サトシ「勝負?」

スイレン「そう。そこのハニーを賭けての真剣勝負。私達に勝ったらデートの続きをするといい」

ムーマ「おにーちゃん!」

サトシ「あぁ……いいぜ。……やるよ」

マーマネ「やるんかい!?その場で逃げた方が二人の為なのに……」

ムーマ「そうこなくっちゃおにーちゃん!がんばれー!」

マーマネ「仮にも人質なのに何言ってんのこの子!やっぱおかしいよこの二人!」

スイレン「マーマネ、早速彼らにゲームの説明をするよ」

マーマネ「いきなり本名で呼ぶな!今の僕は雷神だよ雷神!」バシッ

スイレン「マーマネの平手打ち……シンプルに不快」

マーマネ「あぁもう!!」

サトシ(本名……?)

マーマネ「と、とにかくバトルだ!サトシとやらよ!」

サトシ「あぁいいぜ。ピカチュウ、キミにきめ……ってあ゛ぁ!カキに預けたんだった!」

ムーマ「えーっ!?」

マーマネ「おやおや、一番強いピカチュウが手元にいないとは。困ったねぇサトシ君?」

サトシ「……なんでオレのポケモンでピカチュウが一番強いって知ってんだ?」

スイレン(アホ……)

マーマネ「か、勘だ!君のリアクションから察するにピカチュウが使えないことは君にとって余程のdisadvantageと見える!」

サトシ「まぁ、ピカチュウがいなくともまだオレには頼もしい仲間が3匹もいるんだ。オレは勝負を受けるぜ!」

ムーマ「おにーちゃんかっこいいー!」

マーマネ「後悔するなよ?……さて、早速だがサトシよ、私とのバトルを始めようじゃないか」

サトシ「よし、まずはお前からだな。えーっと……なんちゃらマーマネ!」

スイレン(ホントにバレてないよね……?大体カキの考えたこのキャラクター自体何もかもおかしい!)

スイレン(企画もサトシじゃなきゃとっくに破綻してるレベルだし!えぇいカキの頭ヨワシ!シスコン!かりんとう!)

ムーマ「青いへんたいお姉ちゃん、おにーちゃんのバトルしっかり見ててよ。強いんだから!」

スイレン「へ、へんた……まぁ初戦は勝ってもらわなきゃダメ。あと貴方は人質ということを忘れないで。危機感持って」

ムーマ「はーい」
 ▼ 191 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/18 18:58:04 ID:L6MLHALs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マーマネ「勝負は1対1!さぁ出てこい我が僕!」

サトシ「いっけぇぇ!」


デンヂムシ「……」ウネウネ

イワンコ「わんっ!」


サトシ「岩タイプは虫タイプに有利!速攻で片づけてやるぜ!」

マーマネ「ふふふ、甘いよ。デンヂムシの潜在能力を見くびってもらっちゃ困る」

サトシ「じゃあ見せてみろ!その底力!」

マーマネ「望むところだ!」

サトシ/マーマネ「「うぉぉぉぉぉ!!」」

--------------------------------------------

-------2分後-------


デンヂムシ「……」オキラレヘン

スイレン「デンヂムシ、戦闘不能。勝負あり」

マーマネ「ホントに速攻で片づけるヤツがあるか!!」

サトシ「だって敗けたらお前らムーマを攫って行くんだろ?」
マーマネ「そうだけども!」

スイレン「諦めようマーマネ。しまキングを倒せる実力のあるトレーナーに貴方ごときが敵うハズはない」

マーマネ「バッサリ言ってくれるね!」

ムーマ「いぇーい!おにーちゃん一勝目ー!」

マーマネ「ぐぬぬ……」


スイレン「さぁどいてオメガマユゲ。次は私の番」

マーマネ「オメ……!? 仕方ない。頼んだよ海神」

ムーマ「あのお姉ちゃん、ハデなかっこしてるけどあんまり強そうじゃないよ?」

サトシ「そうか?オレはちょっと警戒してるんだけど」

スイレン「サトシ、私達の実力で貴方に勝てないのは何となくわかってた。でも!」

スイレン「私は魔界の神殿から、貴方のことをよく知る強力な精鋭を手に入れた!」

サトシ「魔界の神殿!?どこだよそれ!」

スイレン「サトシ、破ってごらん。貴方の旅の軌跡!」
 ▼ 192 ウカザル@ハバンのみ 17/08/18 18:58:13 ID:mFfzcKw2 NGネーム登録 NGID登録 報告
ほんとのSMアニメになったな
 ▼ 193 ニドリル@パークボール 17/08/18 20:49:24 ID:H9ew3ghM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白い
支援
 ▼ 194 ンナ@かがやくいし 17/08/18 21:07:11 ID:BVHVCQUI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ、天然(鈍感?)すぎる…

ってあれ……
>>183で「ライチさん」言ってるから、修学旅行の後の筈なのに、イワンコのまま……?

まあ、いいや支援!
 ▼ 195 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 19:34:26 ID:euJsaJC6 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>194
最終話以外は実は書き溜め終わってる。この辺書いたのはネマシュ回放送辺りの頃だったかなぁ
原作(アニポケ)とできるだけ矛盾しないように投稿時に下書きを編集してる(バクガメスのからやぶとか)
けどSSの展開がガラッと変わっちゃいそうで書き直しが難しいなと思ったところはそのまんま流してマス(;´・ω・)
ルガルガンだとどうしても違和感の残る展開が近日更新予定の話であるんだ……






サトシ「! ……こ、こいつは!」


ヘイガニ「ヘイヘェーイ!」


サトシ「ヘイガニだ!それも気合い十分でやり甲斐ありそうだ」

ムーマ「『サトシ!久しぶりじゃのう!じゃがアローラに来て少々たるんどるんとちがうか!?』だって」

サトシ「へ?……こいつまさか、オレのヘイガニ!?」

スイレン「そう。貴方にとっての最大の敵は自分自身。そう判断した私は魔界の神殿から……」

サトシ「魔界の神殿ってオーキド研究所だろ!オレの許可なしに勝手に連れてくるなって!」

スイレン「マオウ様がバックにいる限り我々は何をしても許されるのだ!」

サトシ「えぇー……まぁ、でも久々にコイツに会えてちょっと嬉しいかな」

ムーマ「おにーちゃん、あのヘイガニも旅してた時にゲットしたの?」

サトシ「あぁ」

ムーマ「強い?」

サトシ「初めてアイツと出会った時にバトルしたけど、当時のピカチュウ相手に全く遅れをとらなかった」

サトシ「マズい……ピカチュウもいないし、仲間になってまだ日が浅い今のポケモン達で勝てるのかな……」

マーマネ(サトシがあんなに真剣な表情をするなんて。一緒に旅をしてきた仲間だからきっとその強さも理解してるんだろうな)

ヘイガニ「ヘイッヘイッ!」

ムーマ「『さぁ早うポケモンを出さんかい!バカンスボケで鈍った根性叩きなおしたるけん覚悟せい!』だって」

サトシ「経験の差は歴然。普通にやっても簡単には勝てない……でもやるぞ!いっけぇぇ!」


モクロー「もふぅ!」


スイレン「モクロー!確かに相性では有利だけど、それだけでは覆せないほどの実力差があるのは貴方もわかってるハズ」

サトシ「あぁ。だからその差もチームワークで埋めるんだよ!」

スイレン「チームワーク?」

サトシ「……やってみればわかるさ」
 ▼ 196 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 19:36:05 ID:euJsaJC6 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヘイガニ「ヒヒヒ……」ガチン!

モクロー「(;゚Д゚)」

サトシ「怯むな! モクロー、『このは』!」

モクロー「も、もふぅ!」バサバサ

スイレン「ヘイガニ、『バブルこうせん』!」

ヘイガニ「ヘッヘーーーーイ!!」

ババババババババ……!!

モクロー「!?」


サトシ「やっぱ撃ち合い勝負はダメか。モクロー、攻撃は諦めて回避だ!」

モクロー「も、もふぅ……」バッサバッサ

スイレン「逃がさない。ヘイガニ、よく狙って!」

ヘイガニ「ヘイっ」ババババババ

モクロー「もふぉーーー……!」

サトシ「あぁっ、モクロー!」

スイレン「泡が命中してモクローが落ちてきた。ヘイガニ、続けて『クラブハンマー』!」

サトシ「モクロー、避け……」

ヘイガニ「ガァァーーーーッ!!」

ガ ツ ン ッ !

モクロー「も゛っ……」


バトルが始まって早々、容赦なくモクローに追撃をしかけるヘイガニ。

しかしスイレンはこの後、思わぬ形でサトシとポケモンの絆の力を見せつけられることになる……
 ▼ 197 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 19:37:29 ID:euJsaJC6 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「どう?今の貴方にこの子に勝つ術はある?」

サトシ「だからやってみりゃわかるって言ってんだろ!……でもその為にはオレ達も根性見せないと……」


スイレン「ヘイガニ、モクローの翼を『はさむ』!」

ヘイガニ「ヘッヘーイ!」ガシッ

スイレン「そのまま振り回して……」

ヘイガニ「ヘイッ、ヘイッ……」ブォォォン

モクロー「もふーー!」

スイレン「投げる!」
ヘイガニ「チェリャアア!!」ビュッ

サトシ「モクローーッ!」

ムーマ「どーしよう……このままじゃモクローまけちゃうよ!?」

スイレン「さらに『バブルこうせん』!」

ババババババババ……!


モクロー「も、もぅ……」フラフラ

スイレン「もうモクローの体力も残り僅か。これでムーマちゃんはマオウ様の手に……」

サトシ「まだだ!……もう技は十分受けきった。これからこっちの番だ!」

スイレン「負け惜しみを……ヘイガニ、もう一度『バブルこうせん』!」

サトシ「モクロー!『このは』で撃ち返せ!」

モクロー「もっふ!もぉぉぉぉ!!」ヴァササササ

ヘイガニ「っ!?」

スイレン「無駄なことを。技の撃ち合い勝負はさっきついたハズ……って」

バ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ン ! !

スイレン「嘘!?相殺された……!?」

サトシ「よしっ、ナイスモクロー」

スイレン「どうして?さっきあれだけの威力の差があってどうして……」

マーマネ「わかった!モクローの特性『しんりょく』だ!」

マーマネ「ヘイガニの攻撃を受け続けたモクローの体力はもう殆ど無い。けど草タイプの技の威力が上がってるんだ」
 ▼ 198 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 19:39:50 ID:euJsaJC6 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイレン「くっ、遠距離攻撃がダメなら接近戦に持ち込む!ヘイガニ!」

ヘイガニ「ヘイッ! ……?……?」キョロキョロ

スイレン「何してるのヘイガニ!モクローは眼の前に……いない!?」


サトシ「モクロー!『たいあたり』!」


モクロー「クルォォォッ!」ゲシッ!

ヘイガニ「ベッ……!?」

スイレン「背後から蹴りを!?」

サトシ「モクローは一瞬の隙をついて敵の背後に回りこむ戦法が得意なんだ。でもまだ攻撃は終わらないぞ!」

サトシ「モクロー!『たいあたり』、続けて『つつく』!」

スイレン「ヘイガニ!ガードで跳ね返して!」

ヘイガニ「ヘィ……!」


          ガッ!              

                         ギシッ!            ズブッ!

     ザクッ!            ジジジジ……   
          
                             ガシィィ!!


スイレン「モクローの攻撃が絶え間なく続いてる……どこにそんな体力が?」

ヘイガニ「ヘィ……」ニヤリ

ムーマ「ヘイガニ、何だかうれしそう!」

サトシ「いいぞモクロー!ヘイガニに負けない根性で圧し切れ!」

モクロー「もふーーーー!」

スイレン「そんな!経験値なら圧倒的に高いハズなのに!」
 ▼ 199 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 20:08:38 ID:euJsaJC6 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヘイガニ「ハァ……ハァ……」

モクロー「フー……フー……」

サトシ「お互い、疲れて攻防をやめたな」

スイレン「モクローがここまで食らいつくなんて……」

ヘイガニ「ヘ……ヘイヘイ!ヘェーイ!」

マーマネ「何か言ってるぞ?」

ムーマ「『新人のクセしてここまでやるとは恐れ入ったわい……ほんならここからワシの本領みせちゃるけんのお!!』だって」

スイレン「えっ」

サトシ(ヘイガニには悪いけど……オレはお前をずっと見てきたからな。弱点だって知ってるんだ)

サトシ「モクロー!『たいあたり』!」

スイレン「ヘイガニ、攻撃をガードし……」

ヘイガニ「ヘイヘーイ!」ダッ

スイレン「ちょっ……まだ指示が終わってない!」

サトシ「ヘイガニを手懐けるには苦労したんだぜ!勝負で熱くなった今のヘイガニにはお前の言葉が聞こえない!」

スイレン「そんな……」

サトシ「ヘイガニは無策で突っ込んでくる!モクロー、かわしてアレを決めるぞ!」

モクロー「クルルォッ!」バッ

ヘイガニ「?」

サトシ「ヘイガニ。今のオレ達は一味違うんだ。それを見せてやるよ」


ヘイガニの突進をジャンプで避け、サトシの前に降り立つモクロー。

サトシの腕のZリング、Zクリスタルがモクローの根性に応え、共鳴する。


サトシ「『 ウ ル ト ラ ダ ッ シ ュ ア タ ッ ク 』 ! !」


スイレン「よ、避けてヘイガニ!」

ヘイガニ「ヘイッ……ヘイッ……」

ムーマ「『上等じゃ……受けきったるわい……!』って……何てこんじょうなの……さすがおにーちゃんのポケモンだ!」

サトシ「いっけぇぇぇぇぇ!!」


ド ッ … … ! ! !
 ▼ 200 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 20:10:40 ID:euJsaJC6 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「いくら強いポケモンを持ってようが、手に負えなければ勝てるバトルも勝てなくなることだってある」

サトシ「それを何度教えられたことか……」


ヘイガニ「ヘヘ……」プルプル

モクロー「!?」

スイレン「耐えた!?」

サトシ「『かたくなる』か……これは参ったな」


ヘイガニ「ガ……」ドサッ


サトシ「けど……体力がもう限界だったようだな。お前もナイス根性だったぜヘイガニ」

モクロー「ZZZ……」

ムーマ「あらら、モクローも疲れてねちゃったよ」

スイレン「……サトシ。いい根性を見せてもらった。ムーマちゃんは諦めよう」

サトシ「えっ!いいのか?」

マーマネ「いい勝負が見れたもん。余は満足じゃ」

サトシ「はぁー……よかったな!ムーマ」

ムーマ「えへへ///」

スイレン「もしもし、マオウ様ですか?申し訳ございませんが少年サトシは私どもの手には負えませんでした」

マーマネ「僕もサトシのポケモンを使えばいい勝負できたのかな……?」


サトシ「オレが勝ったんだから、もうムーマを狙わないと誓うか?」

スイレン「はい。誓います……」

サトシ「後、ヘイガニも返してくれよ」


ムーマ「おにーちゃん!ハイタッチ!」

サトシ「おぅ!ヘイヘイヘーイ!」パチン!


スイレン・マーマネ扮する怪人に勝利したサトシ。その正体に気付かぬまま二人のもとを後にするのだった……
 ▼ 201 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/19 20:11:43 ID:euJsaJC6 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第7話(全15話)   「クク……ロイヤルマスクからの招待状」
 ▼ 202 アル@リザードナイトX 17/08/19 22:34:44 ID:mNGj4O7E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヘイガニは返されたの?
>>195
成程……

支援します!
 ▼ 203 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:44:38 ID:4EaDmPTY [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「さぁ、デートの続きだ。何か気になるものはあるか?」

ムーマ「おにーちゃん。返してもらったのはいいけど、そのヘイガニはどうするの?」

サトシ「うん。コイツはまた研究所に戻しておかないと」

ムーマ「確かに。『わしゃミジュマルやワニノコとプチ宴会ではっちゃけてたところを呼び出されたんじゃ』とか言ってたしね」

サトシ「で、何か気になるものはあるか?」

ムーマ「うーん……おにーちゃんは?」

サトシ「オレはいいよ。大きな声じゃ言えないけど、欲しい物目当ての買い物とかあんまり進んでやったことないし……」

ムーマ「むぅ?それは人生の半分ソンしてるよ!」

サトシ「えぇ!?半分も!?」

ムーマ「マお姉ちゃんが言ってたの。ショッピングは乙女のHappy☆Lifeを味付けする重要なスパイスだ、って」

サトシ「オレは乙女じゃないからいいの。まぁ、オレにとってはポケモンバトルがHappy☆Lifeのスパイスかな」

ムーマ「むぅ〜、おにーちゃんはそればっかり……もういっぺん赤いお兄ちゃんに怒られるといいよ」

サトシ「それは勘弁」
 ▼ 204 ヤハ 17/08/20 20:49:05 ID:RSpTOIDo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 205 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:52:38 ID:4EaDmPTY [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スタッフA「ドーブルのウォールアート広場へようこそ!ジョウトからやってきた3匹のドーブルが織り成す技をご賞味あれ!」

ドーブル主「そこの方、カメラはやめておくれよ。テレビや写真では真の芸術は残せんのだ。自分の眼で見なさい」

客A「160億ピクセルのカメラでもダメ、ですか……」


スタッフB「こちらでは元スーパーアイドルとの握手会を行っておりまーす!」

元アイドル「元をつけるな!……はぁ、昔は大会の優勝特典だった握手会も、今やフリーに……どうしてこうなった」

客B「あっ、ひな人形のオマケの人だ」


スタッフC「みなさん!ロイヤルアベニュー名物お笑いミニステージ、今回も盛り上がってますよーっ!」

ヒロキ「自分はそうは思いませんっ!!」

観客「「「ワッハッハッハッハ……!!」」」



サトシ「へぇー、人がいるのはお店だけじゃないんだな」

ムーマ「むぅ〜、なおさらまような〜……あっ!おにーちゃん、あれ!」


☆魔女っ子リリーちゃん スペシャルステージ2017 〜ボコれ! 酢豚のパイナップル〜★


サトシ「おぉ!『魔女っ子リリーちゃん』のショーがあるのか。じゃあちょっと見てくか」

ムーマ「うん!からの〜、正拳突きー!」ボコォ

サトシ「ぐぇ〜、肩甲骨にクレーターが〜」


???「ちょいとお待ちを、そこの二名様」


サトシ「んっ?」

ムーマ「あ、またヘンな人だ」


そう、ヘンな人だ。今度の変態もとい怪人は……
 ▼ 206 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:53:57 ID:4EaDmPTY [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「いや、人じゃないぞ。あれはモンジャラっていう列記としたポケモンだよ」

ムーマ「いやいやいや、どう見たって人でしょ!ほら、髪の毛みたいなのの間から人の手が見えてるよ」

???「!!」ササッ

ムーマ「あっ隠した」

サトシ「でも言われてみれば……そうだな。あれはモンジャラじゃない」

???「じぇるるる……そうさ私は人の姿をした怪物・怪 人さ」

サトシ「! ……ならお前もムーマを狙ってるのか!?」

???「その通り!さぁその娘をこちらへ渡したまえ」

サトシ「やるもんか!……お前は一体誰だ!?」

???→リーリエ(変装)「我が名は『森神モッサ・リーリエ』!貴様もこの触手であんなことやこんなことをしてやろうかぁ!!」


サトシ「…………」

ムーマ「…………」

リーリエ「…………」

リーリエ「何か反応してください!!」

サトシ「えっ?今の声……」

リーリエ「ゴ、ゴホン。いいや何でもない!どうしてもムーマを渡したくないというのなら」

サトシ「バトルするんだろ?いいぜ!」

リーリエ「ぐっ!?……そうか貴様、既にマオウ様の怪人を二人も破っているのだったな」

リーリエ「ならば話は早い!出てくるのだシロン!サトシのポケモンを血祭りに上げるのだ!」

シロン「コッ……!?」

サトシ「シロン?」

リーリエ「!!!……し、白いロコンをシロンと呼ぶのは悪いか!?」

サトシ「いやいいよ。オレの友達にも一人いるし」

リーリエ「わははは、シロンという名はアローラのトレンドだからなぁ」

サトシ「魔王や怪人でもトレンドに乗っかるんだな」

リーリエ「!! ……えぇい!とにかく貴方のポケモンを早く出しなさい!……じゃない、出しやがれぃ!」
 ▼ 207 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:55:37 ID:4EaDmPTY [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「白いロコンは氷タイプ!バッチリ頭にインプット済だぜ!いけっ、ニャビー!」


ニャビー「んにゃっ!」


リーリエ「相性が有利だからと言ってナメた真似はするでないぞ。さぁ行け!シロン!」

シロン「コォン……」

ムーマ「『ノリノリですねご主人様……』だって」

リーリエ(そうだ!ムーマちゃんはポケモンの言葉がわかるんでした!)ウッカリーリエ

サトシ「来るぞニャビー、得意の『ほのおのキバ』で応戦だ!」

ニャビー「にゃばぁ!」

リーリエ「シロン、『こなゆき』!」

シロン「ロォォォ……」

コ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … ! !

ニャビー「にゃぎゃっ」ドテッ

ムーマ「あうう、さぶい……」ブルブル

リーリエ(押してる!……よし、せっかくの機会です。少しテンションを上げていきましょう!Let’s try! Ganba Lillie!)

リーリエ「ふははは、このまま心まで白く染められてしまうがいいわ!」

サトシ「ニャビー、体勢を立て直して『ひのこ』!」

ニャビー「にゃばっ!」ボォッ

リーリエ「シロン、避けて!」

シロン「!」ササッ

サトシ「えっ……!?シロン、そこで避けたら危な……」


ボ ォ ッ !
 ▼ 208 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:57:03 ID:4EaDmPTY [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャビー「!?!?」

サトシ/ムーマ「「あ゛あ゛!!」」

リーリエ「さぁシロン!ニャビーを抑え込んで!」メラメラ

シロン「(;゚Д゚)」

リーリエ「何ですその顔は!早くニャビーを……」ボーボー

サトシ「あ、あのなんちゃらリーリエさん、触手が……」

リーリエ「えっ」ホノオガ

ムーマ「へんたいさん、頭、頭」

リーリエ「えっ、頭?確かにさっきから少し熱いような……」モッエッアッガッルー


モンジャラの着ぐるみの素材は、可燃性の高い樹脂製だった。

リーリエは頭から流れ出る多量の汗で、初めて自分が置かれている状況を理解した。


リーリエ「あ゛ っ づ あ あ゛ あ あ あ゛ あ あ゛ あ ! ! !」


ムーマ「あわわわわ……」

サトシ「怪人!とにかくその触手を引きちぎれ!早くしないと全身に燃え広がってしまう!」

リーリエ「わ゛っわ゛っわ゛っわ゛っ」

シロン「……」

ニャビー「ニャー……」キマズイ

サトシ「何やってんだ!早くしろよ!」

リーリエ「うぅ……」メラメラ

-------------------------------------------------

リーリエ「第一に、私達の変装が彼らにバレないようにしないといけないんでしたね」

マーマネ「うん。完璧に怪人になりきるんだ……」

-------------------------------------------------

リーリエ「え゛え゛ぃ!もう辛抱たまりませぇぇぇん!!」バッ
 ▼ 209 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 20:58:39 ID:4EaDmPTY [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「は……?」

ムーマ「え……?」

リーリエ(素)「ゼェ……ゼェ……」

シロン(あーあー……)

ニャビー(これやっぱオレが悪いのか……?)

サトシ「あのモンジャラは着ぐるみ?っていうか、リーリエ!?」

ムーマ「どーして白いお姉ちゃんがここに!?」

リーリエ「うぅ……しくじってしまいました……」シクジリーリエ

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

サトシ「……なるほど!そういうことか!それでムーマを……」

ムーマ「あやしいとおもったんだよー……」

リーリエ「本当に申し訳ないです。少々おふざけが過ぎたようで……」

サトシ「リーリエは何も悪くないよ。それにちょっと面白かったしな!」

ムーマ「うん!」

リーリエ「い、良いのですか?」

サトシ「あぁ。こんな企画を考えてくれたカキにも感謝しないとな」

リーリエ「うぅ、救われます……」


リーリエ「マオはまだどこかでマオウになりきってると思います」

リーリエ「ダークライのような黒いローブを纏って高笑いしてる変な人がいたら間違いありません」

サトシ「あ、あぁ。情報ありがとうな」

ムーマ「マお姉ちゃんがただのあやしい人だよ……」

リーリエ「では、健闘を祈りますよ!」バイバイ
 ▼ 210 ョンチー@とうめいなスズ 17/08/20 20:58:48 ID:Y9gboSuQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
控えめに言って神だわ
支援
 ▼ 211 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 21:01:31 ID:4EaDmPTY [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……さて、リーリエの話の通りだと、マオもどこかに来てるんだよな……」

ムーマ「おにーちゃん!そんなことよりリリーちゃんショーを見に行こうよ!」

サトシ「ん?あぁそうだな。元はと言えばオレとムーマのデートだもんな。カキにも気に留めるなって言われたし……」

ムーマ「おにーちゃん、ショーの時はしっかりかたぐるましてよね?」

サトシ「あぁ。お安い御用さ」

ムーマ「ところでおにーちゃん、おにーちゃんは行きたいところはないの?」

サトシ「えっオレ?いや、いいよオレは……」

ムーマ「えんりょしないの!二人のデートなんだから、おにーちゃんの好きなところにも行かなきゃダメだよ!」

サトシ「えぇ……でも……」

ムーマ「じつはわたしも楽しみなんだ♪あの『ロイヤルドーム』!」

サトシ「なっ!?どうしてオレの行きたい場所がわかったんだ!?」

ムーマ「だっておにーちゃん、さっきから目をはなしたらずっとドームの方見てたもん」

サトシ「バレた?アハハ、何だか面白そうなことがやってそうでさ……」

ムーマ「じゃあショーがおわったらいっしょにいこっ♪」


♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


ムーマ「むぁー!おもしろかったー!」

サトシ「うーん……」

ムーマ「おにーちゃん、ショーのさいちゅうずっとむずかしい顔してたよね?」

サトシ「いやさ、ショーってもっと怪獣とかキックとかがいっぱい出るイメージがあったからなんか違うなぁ……って」

ムーマ「むぅ〜、それは男の子むけのショーだよっ。魔女っ子リリーちゃんには怪獣は出てこないしキックもしない!」

サトシ「けど殴りはしてたよな」

ムーマ「うん。リリーちゃんは魔法初心者だから魔法をつかうよりもなぐってたおす方が早いの」

ムーマ「それより行こうよ、ロイヤルドーム!」

サトシ「おぅ!そんじゃこのまま肩車で行くぜー!」ドドドド

ムーマ「おー!」
 ▼ 212 ヤハ 17/08/20 21:04:11 ID:RSpTOIDo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援

バレたか……
シロンは、サトシが特訓したから強くなってるんだな
 ▼ 213 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 22:26:28 ID:4EaDmPTY [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「すいませーん通りまーーす!」ドドドドドド

通行人A「うおっ!?……ビックリしたな」

通行人B「肩車しながら走るなんて、随分仲のいい兄妹さんじゃないの」

通行人C「だな……あの子達、ロイヤルドームへ向かったっぽいけど確か……」

通行人A「あぁ。何か、変なマスクをつけた人がドームに入ってったな。あの子達も絡まれなきゃいいが……」

------------------------------------------

-------ロイヤルドーム-------


ムーマ「でかーーー!!」

サトシ「やっぱり近くで見ると迫力があるなぁ……」


スタッフD「ようこそロイヤルドームへ!」

サトシ「あぁ……すいません!ここって何をする所なんですか?」

スタッフD「はい。ここロイヤルドームではポケモンバトルの観戦及び、バトルに役立つアイテムが購入できますよ!」

サトシ「バトルの観戦か……面白そうだな!来てよかった!」

ムーマ「でしょ?ムーマはおにーちゃんのことをよーーーくみています!」

スタッフD「ムーマ……?」

スタッフD「失礼しますがお客様、お名前は?」

サトシ「あっ、マサラタウンのサトシといいます!」

ムーマ「ハウオリれいえんのムーマといいます!」

スタッフD「あぁ、やはり!そのモリオンのペンダント……間違いありませんね。では私についてきてください」

サトシ「? ?」
 ▼ 214 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 22:29:34 ID:4EaDmPTY [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ロイヤルドーム スタッフルーム-------


サトシ「あのー……ここって多分オレ達が入っちゃいけないトコですよね?」

ムーマ「いそがしそうな人がいっぱい……」

スタッフD「ご存知ないのですか?『ロイヤルマスク』という方が、あなた方二人をドームへ招待したいと……」

サトシ「招待?」

ムーマ「ロイヤルマスク?」

スタッフD「えぇ。確かにその方が書かれた予約書にはサトシ様とムーマ様の名前がありましたが……」

サトシ「予約って何の予約ですか?どうして見ず知らずの人がオレ達の名前なんか。一体何のために……」


????「決まっているだろう。ポケモンバトルの新しいスタイル、『バトルロイヤル』へ君達を引き込むためさ!」

サトシ「えっ、誰?」

????「君達がここへ来ることはわかっていた。だから予約書には勝手に君達の名前を書かせてもらったよ」

????「ここはバトルを観戦する場所だが、予めドームの受付に申請を出していれば自分達もここでバトルが行えるのだ」

????「そうだったね?」

スタッフD「は、はぁ」

サトシ「えっ、じゃあつまり……」

ロイヤルマスク「そう!君達!このロイヤルマスクとこれから『バトルロイヤル』で勝負をしようじゃないか!!」

サトシ「えぇーっ!?マジか!?このドームで!?」

ムーマ「はいはい!バトルロイヤルって何ですか?」

ロイヤルマスク「うむ。いい質問だ。いい質問だがそのことは係員に聞いてくれたまえ」

----------------------------------------

サトシ「バトルロイヤルかー……ポケモンを1匹ずつ出し合っての4人同時勝負……」

ムーマ「おにーちゃん、イワンコかしてよ」

サトシ「あぁ。じゃあオレはニャビーを出そうかな」

ロイヤルマスク「君達君達、私についてのリアクションはもう無いのかね?」

サトシ/ムーマ「「?」」

ロイヤルマスク「私はね。子供達にバトルロイヤルの楽しさを教えるためにアローラ中を回っているんだ」

ロイヤルマスク「だから、子供受けしそうな派手なマスクをわざわざ用意して存在感を放っているんだ」

ロイヤルマスク「何か感想はないのか?このままでは私はただの変なおじさんになってしまう!」
 ▼ 215 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 22:31:16 ID:4EaDmPTY [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「……といってもねぇ」

サトシ「あぁ。おかしな恰好の人なら今日も何人か見たし今更……」

ムーマ「ひょっとしたらこの人も誰かの変装かもよ?」

サトシ「あぁ、みんな知り合いだったから次は博士あたりかもな」

ロイヤルマスク「!!!(; ・`д・´)」

ロイヤルマスク「き、君達!!ならば恰好だけのハッタリではないことを今から教えてやろう!」ガシッ

スタッフD「えっ!?な、何を……」


ロイヤルマスク「見せてやろう!ロイヤルマスクの必殺奥義・『ウルトラロイヤルドローーーーップ』!!」

スタッフD「ぱっぴっぷっぺっぽぉぉぉぉぉ!!!」


ロイヤルマスク「ゼェ……ゼェ……私の自慢のプロレス技だ。どうだ?これで証明できただろう?」

サトシ「すげーーっ!マスクの力ってすげーーっ!」

ムーマ「さすがですマスクさま!」

ロイヤルマスク(乗り切ったか)

ロイヤルマスク「さて、メンバーも揃ったところでバトルフィールドへ移動するとしようか」

サトシ「え?あの、4人同時勝負なのにまだ3人しか……」

ロイヤルマスク「あぁそうだ。もう一人は別の場所で待機していたんだ。今から呼んでくるぞ」
 ▼ 216 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/20 22:34:32 ID:4EaDmPTY [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロイヤルマスク「紹介しよう。マオウさんだ」


マオウ「ふはははははー!缶コーンポタージュのコーンが振っても振っても底に溜まる呪いをかけてやろうかーーー!」


サトシ「えっ、マオ!?」

ムーマ「マお姉ちゃん!?」

マオウ「あんな気風の良い料理人のことなど、私は知らんぞ!私は魔界より蘇ったマオウなのだーーー!」

ムーマ「うわー痛い。マお姉ちゃんだとわかって見てるとつらいね」

サトシ「まぁ楽しそうでなりよりだけど……見てるこっちもちょっと恥ずかしいな」

マオウ(はひゃっ!?///もうバレてる……!?)

マオウ(そうだ。さっき連絡もらったの忘れてた!リーリエがしくじリーリエしたんだった!)

サトシ「マオ、オレ達色々あって……もう無理しなくていいから」

ロイヤルマスク「こらっ、サトシ君!ちょっとこっちへ来て耳を貸しなさい!」

サトシ「?」

ロイヤルマスク「最後まで付き合ってあげなさい」ヒソヒソ

サトシ「は、はぁ……」

サトシ(でもロイヤルマスクがマオと一緒に待ってたってことは、これもカキの用意したプランの一つなのかな?)

サトシ(となるとロイヤルマスクはカキの知り合いってことになるし、そうなればロイヤルマスクはやっぱり博……)

ロイヤルマスク「ウルトラロイヤルブリーカーーー!!」ズダァァァン

サトシ「う わ ら ば」

ロイヤルマスク「貴様、今良からぬことを考えていたな?」

サトシ「い゛……いや゛……な゛いでず」

ロイヤルマスク「これに懲りたら二度と妙な真似はするんじゃない」

マオウ「ではロイヤルマスク、そしてそこの兄妹。いよいよ開戦といこうじゃないかね」

ロイヤルマスク「ふふ、果たして私の秘密兵器に勝つことはできるかな?」


正体がバレながらもノリノリで演じ切るマオもといマオウと、謎のプロレスラー・ロイヤルマスク。

今日は変な人によく絡まれる一日だと思いながらも、バトルロイヤルに心踊るサトシであった。
 ▼ 217 ジギガス@サーナイトナイト 17/08/20 22:45:40 ID:RSpTOIDo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
色々カオスだな
支援
 ▼ 218 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 20:55:02 ID:YxK4eGuQ [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … … ! !


司会「やってまいりました!ロイヤルドーム名物・バトルロイヤル!満員となったスタジアムは熱気に包まれております!」


司会「では早速選手の紹介といきましょう!まずは緑コーナー!異国カントーからやってきた終わりなきチャレンジャー」

司会「サトシ選手!」

サトシ「っしゃー!バトルバトルー!」

観客A「あっ、アイツ数ヶ月前にあったどこかのポケモンリーグの上位入賞者じゃなかったか!?」


司会「続いて黄色コーナー、そんなサトシ選手を慕うカワイイ系妖女・ムーマ選手!」

ムーマ「うわぁ……めっちゃ人がいる……」ドキドキ

観客B「あんな小さな子までバトルロイヤルに……ロイヤルマスクも出るんだ。ケガしなきゃいいが……」


司会「さらにさらに青コーナーは、アーカラ島の禁断の封印が遂に解かれた!すべてを恐怖に陥れる魔界の王」

司会「マオウ選手!」

マオウ「ふはははははー!アローラ中のマラサダドーナツをカレーパンにすり替えてやろうかー!?」

観客C「何だそりゃ」

観客D「魔王ならマラサダの中に爆弾入れるぐらいの悪行はしろっていうな」


司会「そして赤コーナー、最後はこの人!バトルロイヤルの英雄、そしてあのアローラを代表する研究者・ククイ博士」

サトシ「えっ、じゃあやっぱりロイヤルマスクの正体は……」

司会「……の学生時代の同級生が務めている会社の社長含む4人兄弟の一番下の弟」

サトシ「!?」

司会「……が学生時代にお世話になった食堂の栄養士さんの息子が通っている学校の校長先生」

ムーマ「え?え?」

司会「……が以前飼っていたポッポが産んだ8匹の子供を譲り受けた保育士の従兄弟の従兄弟が憧れているという名アスリート」

マオウ「(゚∀。)」

司会「……の兄弟と10年前から知り合いだった農家の方の奥様の弟を」

司会「前回のバトルロイヤルで打ち負かし優勝を勝ち取った男・ロイヤルマスク選手ーーー!!」


サトシ/マオ「「 真 っ 赤 な 他 人 や ん け ー ー ー ー ー ー ! ! !」」


「「「GO!!」」」      「「「GO!!」」」        「「「MUSCLE!!」」」


ロイヤルマスク「今日もリングに稲妻を走らせるぜ!!」
 ▼ 219 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 20:56:23 ID:YxK4eGuQ [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「それでは出場者の皆さん、ポケモンを出してバトルを開始してください!」


サトシ「何か調子狂うけど、バトルは本気でいくぜ!いっけぇニャビー!」

ムーマ「イワンコ!がんばれー!」

マオウ「魔王軍大幹部アママイコ、出撃じゃ!」

ロイヤルマスク「それなら私はコイツだ!いけっ、レアコイル!」


司会「バトルスタート!」

サトシ(バトルロイヤルといえど、ムーマは初めての公式戦で緊張してる……なら!)

サトシ「ムーマ、共同戦線だ!」

ムーマ「う、うん!」

サトシ「ニャビー、レアコイルに『ひのこ』!」

ムーマ「イワンコ、レアコイルに『いわおとし』!」

ロイヤルマスク「ふむ、兄弟仲良く私を狙い撃ちときたか。面白い……」

ロイヤルマスク「私は子供のヒーローだが、バトルとなると容赦はせんぞ!レアコイル、『10まんボルト』!」

ダ ァ ァ ァ ァ ァ ァ … … ン !

サトシ「いぃっ!?かき消された!」

ロイヤルマスク「バトルロイヤルに集中攻撃はつきもの。中途半端な育て方をしたポケモンで通用するほど甘くないのだ!」

サトシ「中途半端だと……!?」

ムーマ「おにーちゃん、おこっちゃダメ!」

マオウ「貴様も余所見をしないことだ!アママイコ、イワンコに『こうそくスピン』!」


アママイコ「マァァァァ!」バババババ

イワンコ「っ!」


ムーマ「イワンコ!」

サトシ「ニャビー、アママイコに『ほのおのキバ』!」

ニャビー「! んに゛ゃああああ!!」

マオウ「アママイコ、かわせ!」


ニャビー「……」

サトシ「チッ、外したか……」
 ▼ 220 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 20:59:16 ID:YxK4eGuQ [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオウ「私は油断をしないのだよ少年。こう見えても私はバトルロイヤルの経験が豊富(という設定)なのだ!」

サトシ「本当なのか!マオ」

マオウ「マオではなぁい!マ・オ・ウ!あんなムチムチサロペット娘のことなど知らぁん!」

マオウ「アママイコ、さっさと蹴散らしてしまうのだ!」

アママイコ「……」

サトシ「ニャビー、イワンコを全力でサポートしろ!」

ムーマ「イワンコもがんばれー!」


ワー          ワー          ワー


ロイヤルマスク「どうやら私達以外の3組が団子になって戦っているようだな。レアコイル、あの固まりに一発ブチ込んでやれ」

ロイヤルマスク「『ラスターカノン』!!」

ズ ア ッ ! !


サトシ/ムーマ/マオウ「「「!?」」」

司会「出たー!大技!銀色の光線が乱闘中の3匹のポケモンに向かって一直線――!」

ロイヤルマスク「これでフィニッシュだ!」


ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … …


司会「そして直撃!3匹の運命やいかに!?」

ロイヤルマスク(フフ……オレとしたことが、子供相手に本気を出しすぎてしまったか……?)

サトシ「食らうかぁ!」

ロイヤルマスク「!?」

司会「何と!サトシ選手のニャビー、攻撃を避けていた!無防備のレアコイルに向かって全力突進!」

サトシ「ニャビー、『ほのおの……」


ロイヤルマスク「レアコイル、解散!」


レアコイル「!」バラバラバラ

サトシ「え゛え゛え゛!?」

司会「レ、レアコイルが3匹のコイルになったーーっ!?ニャビーの決死の突撃をかわしたぞ!」
 ▼ 221 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:00:56 ID:YxK4eGuQ [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「3匹のコイルが宙を舞う!一体どんな攻撃を仕掛けようというのか?一方残る2組は……」


ムーマ「イワンコ、だいじょうぶ!?」

イワンコ「わおんっ!」

ムーマ「『かすっただけだよ。このくらい何の支し障りもない』って?……でも、ムリしちゃだめだよイワンコ!」

マオウ「アママイコ、貴様はどうだ!」

アママイコ「ア……アマァ……」ズキズキ

マオウ「脚に直撃している……何ということ!」

ムーマ「マお姉ちゃん気をつけて!コイルがまだ空をとんでる!」

マオウ「マオウだと言っておろうが!ジャガイモ生で食わすぞ!」

サトシ「ムーマ!相手のことはいい、イワンコから目を離すな!」

ロイヤルマスク「フフ……さぁ見せてやろう!レアコイルのフィニッシュ・ホールド!!」


レアコイル「コイル・コイル・コイル」  「コイル・コイル・コイル」  「コイル・コイル・コイル」


マオウ「い、一体何を仕掛ける気なのだ……?」


ロイヤルマスク「          レアコイル、集合!!          」


サトシ「!?」

レアコイル「コイル!」「コイル!」「コイル!」

ギュオオオオ……!

司会「ここでレアコイルが動いた!3匹のコイルが互いの磁力で引き合う!ものスゴいスピードだーーー!!」

サトシ「まずい!コイルが集まる場所は……ムーマ!近くにいちゃ危ない!逃げろ!」

ムーマ「う、うん!イワンコ、走って!」

マオウ「ま、まさか……3匹のコイルが引き合う先にいるのは……」


アママイコ「ア……ア……」

マオウ「アママイコ!早く動け!動くのだ!」

ロイヤルマスク「無駄だ!互いを引き寄せ合う磁力の力を生かしたスピードの前にアママイコは成す術がない!」
 ▼ 222 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:03:48 ID:YxK4eGuQ [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「何と!引き合うコイル達が集合せんとする場所にアママイコがーー!連結する勢いを利用してK.Oするつもりだ!」

マオウ「逃げろーー!!」


ロイヤルマスク「レアコイル……『マグネットボム』!!」


ガチャアアン!!


アママイコ「」バタッ

ムーマ「び、びっくりした……すごい音」

司会「3方向からの強烈なタックルに挟まれ、アママイコダウーン!青コーナーマオウ選手、ここで脱落!」

マオウ「そんな……敗けちゃった……」

サトシ「マオ、後はオレ達に任せろ!」

ムーマ「絶対にカタキはとるよ!マお姉ちゃん!」

マオウ→マオ「あぁもうマオだよ!マオですよ!正体知ってただろうけど少しくらいノってくれたっていいじゃんもう!!」

司会「マオ選手、ついに折れました!」


ロイヤルマスク「残りは2組。悪いが決めさせてもらうぞ。レアコイル、もう一度『マグネットボム』だ!」

レアコイル「カイサン!」バラバラバラ

サトシ「くそっ、またか……」

ロイヤルマスク「言っておくが避けることはできんぞ。狙いを定めたポケモンに『マグネットボム』は必ず当たる!」

サトシ「ニャビー、気をつけろ!お前が狙われればオレがすぐに指示を出すから構えてくれ!」

ニャビー「にゃっ」

ムーマ「イワンコ、わたし……どうしたらいい?」

イワンコ「わっ!わっ!」

ムーマ(「僕のことは心配しないで!それよりもどうしたらアイツに勝てるのか君が考えるんだ!」……って言われても……)


ロイヤルマスク「ふふ……さて、いくぞ兄妹諸君!『マグネットボム』!!」


ギュオオオ……!

サトシ「来たぞ!」

司会「またもや迫る!3匹のコイルの流星のようなタックル!次の標的は……」
 ▼ 223 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:05:16 ID:YxK4eGuQ [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イワンコ「!!」


ムーマ「イワンコ!!」

サトシ「ニャビー、コイルにブチ当たれ!」

ニャビー「ニャアアアア!!」

ス カ ッ … …

ニャビー「!?」

サトシ「すり抜けた!?」

ロイヤルマスク「コイルが狙うのはあくまでイワンコだ!それ以外の相手など眼中にない!」

ムーマ「逃げて!イワンコ!」

イワンコ「……っ!」ダッ

ロイヤルマスク「無駄だ! レアコイル、軌道を変えろ!」

レアコイル「コイル」 「コイル」 「コイル」

ムーマ「そんな……!」


司会「イワンコ走る走る!それを執拗に追うコイル!一度狙いを定めればターゲットに当たるまで止まらない」

司会「それが『マグネットボム』!何という恐ろしさ……!」

司会「イワンコがいくら逃げ回っても、他のポケモンが妨害しようとも、決して、決して目標を見失わない……!」


イワンコ「ハァ……ハァ……」

レアコイル「コイル」 「コイル」 「コイル」

ロイヤルマスク「いくら逃げても同じだ。さぁ観念しろ!」

ムーマ「いやだ……いやだ……」

サトシ「ムーマ……」

サトシ「…………」

サトシ「ムーマ!技がダメなら別の作戦を考えろ!このままだとお前は敗けるぞ!」

ムーマ「おにーちゃん……?で、でも!どうしたらいいかわかんないの!」

サトシ「お前の味方はイワンコだけじゃない!時間・フィールド・運……何でもいいから使えるものは使えるだけ使え!」

ムーマ「使えるだけ……?」

サトシ「モノでも何でも、自分に有利なのが多ければ多いほど勝ちに近づける!相手が自分より強かろうが諦めちゃダメだ!」

サトシ「それがダメなら相手のポケモンや状況を考えろ!必ずどこかに『穴』はある!」

ムーマ「穴……?レアコイルの……今の……」
 ▼ 224 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:06:55 ID:YxK4eGuQ [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イワンコ「ゼェ……ゼェ……」

ロイヤルマスク「もういい加減逃げ疲れたんじゃないのか?そろそろ終わりにするぞ!レアコイル!」

司会「イワンコの体力も限界!遂に2組目の脱落かーー!?」


サトシ「ムーマ!!」

マオ「ムーマちゃん!」


ムーマ「……」

------------------------------------------

ロイヤルマスク「言っておくが避けることはできんぞ。狙いを定めたポケモンに『マグネットボム』は必ず当たる!」


司会「イワンコがいくら逃げ回っても、他のポケモンが妨害しようとも、決して、決して目標を見失わない……!」

-----------------------------------------

ムーマ「……!」

ムーマ「イワンコ!壁に向かって走って!」

イワンコ「わおんっ!」ダッ


司会「おぉぉーっと!イワンコ、最後の力を振り絞って全力疾走!その先にあるのは……」

司会「壁だ!フィールドと客席を仕切る壁がある!!」


ロイヤルマスク「ぬぅ……どこまでも追い続ける『マグネットボム』の能力を逆手に取ったか!」

サトシ「あのままコイルを壁に激突させる気だ!」

マオ「でもそしたらイワンコまで……サトシ、いいの?」

サトシ「イワンコはわかってくれてるさ。アイツもムーマの自分なりの答えが聞けて嬉しいのさ」


ムーマ「いっけーーー!!」

イワンコ「ウォォォォォ!!」


ダガァアァアァアァ…………ン!!ガラガラガラ……
 ▼ 225 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:09:23 ID:YxK4eGuQ [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
観客E「うぉぉ!?」

観客F「すげぇ揺れたぞ今」

司会「か、壁ごといったァーーッ!イワンコ、レアコイル共に戦闘不能かーー!?」


レアコイル「ゴ……ゴイ……」

司会「レアコイル、再び起き上がった!!一方のイワンコは……」

ムーマ「……」


イワンコ「ウゥ……」バタッ

司会「イワンコ、倒れたーー!捨て身の作戦虚しく、ここで黄色コーナー・ムーマ選手、脱落です!」

司会「しかし、文字通り客席を揺るがすバトルの展開に称賛せざるを得ません!拍手!」パチパチ

マオ「ムーマちゃん……」

ムーマ「えへへ。イワンコはすごくがんばってくれたんだよ!ね?」

マオ「……うふふ。そうだね、ムーマちゃんも立派なトレーナーの仲間入りだね」

ムーマ「……よし」

マオ「ムーマちゃん?」

ムーマ「わたし、きめた!」


ロイヤルマスク「レアコイル、随分ダメージを負ったようだが残るはニャビーただ1匹……」

サトシ「『ほのおのキバ』!!」

ロイヤルマスク「!?」

ニャビー「に゛ゃアアア……」ガブッ……

司会「サ、サトシ選手の奇襲だァーッ!体勢を立て直して間もないレアコイルに背後から食らいつくーー!」


ロイヤルマスク「フッ……容赦なしか。サトシ君」

サトシ「あったり前だ!ムーマ達が作ってくれたチャンスをムダにできるか!」

サトシ「ニャビー、もっと食い込め!」

ギチチチチ……

レアコイル「イタイ」「イタイ」「イタイ」

サトシ「これでオレの……オレ達の勝ちだ……!」
 ▼ 226 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:13:13 ID:YxK4eGuQ [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ロイヤルマスク「フフ……私は子供達の憧れだぞ?そんな存在が簡単に敗けるわけにはいかないさ」

ロイヤルマスク「レアコイル!『エレキフィールド』!!」

サトシ「!?」


司会「バトルロイヤルもいよいよ大詰め!最後までロイヤルマスクは魅せるファイト!」

司会「『エレキフィールド』を展開したということは……来るぞ、大技」


ロイヤルマスク「最大威力・『10まんボルト』!!」


ヴァァ ァ … … ッ !  !


サトシ「ニャビーー!!」

ニャビー「ア……ア……」


司会「決まったーーッ!大ダメージ!体力をゴッソリ奪われたニャビー、万事休す!」


ロイヤルマスク「さぁ、とどめだ!『マグネットボム』!!」

サトシ「……まずい」

ロイヤルマスク「避けようと思うなよ、何度も言うが『マグネットボム』はレアコイルの引き合う磁力を生かした必中技!」

ロイヤルマスク「相手の体の血に含まれる鉄分にも反応するほどの強力な磁力故に決して相手を逃がさない!」

ロイヤルマスク「先週授業で教えたよな!?」

サトシ「はっ?授業?」

ロイヤルマスク「いやいや何でもない!さぁ、レアコイルの最後の攻撃がニャビーに牙を剥くぞ!」


レアコイル「コイル!」「コイル!」「コイル!」


司会「ニャビー目掛けてレアコイルが突撃――!逃げ場などなし、ついに決着……」


サトシ「……!」
 ▼ 227 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/21 21:15:47 ID:YxK4eGuQ [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ニャビー、『ほのおのキバ』だ!」

ニャビー「にゃば!」ボォ

ロイヤルマスク「抵抗するつもりかね?本来ならばそのニャビーはもう動けんほどのダメージを受けているのだ!」

ロイヤルマスク「このままレアコイルに潰され、そこでK.Oだ!」

サトシ「……そうだろうが、現に今動いてんだろうが」


ムーマ「おにーちゃんっ!?」


サトシ「          廻れ!ニャビーーーッ!!          」


ニャビー「ウニャァァァァ!!」


司会「ニャビー、大ダメージを受けた体を引き摺り回転を始めたぞ!?どういうつもりだ!?」


レアコイル「コイル!」   「コイル!」   「コイル!」

ロイヤルマスク「……何だあれは」


ニャビー「ニ゛ャアア゛アアアア゛!!」


ロイヤルマスク「牙に点火した炎がニャビーの尻尾、頭……足にも燃え広がっていく!」

サトシ「我慢しろよニャビー、熱いのは一瞬だけだ。これで決めるぞ!」

ロイヤルマスク「まるで炎を纏った独楽のようだ!いや、炎の隙間から見えるニャビーのあの手の向きは……」


ロイヤルマスク「間違いない!あれは廻る『ラリアット』だ!!」


サトシ「いっけぇぇぇえぇぇぇぇえ!!」




          「コイル」                    「コイル」


                     「コイル」



          ザクッ!            ザクッ!               ベキャッ!



          「」                    「」


                     「」
 ▼ 228 ンメル@リュガのみ 17/08/22 01:38:41 ID:lc6FI032 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 229 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 20:19:04 ID:gAgCP.nE [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
司会「しょ……」

司会「勝負あり!!赤コーナーロイヤルマスク、まさかの敗北!!優勝は緑コーナー・サトシ選手です!」


ウ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … … … ! !


サトシ「……え?」

ニャビー「うにゃ……」

サトシ「……勝った!?優勝!?やtt」

ムーマ「おにーちゃん!!」ガバッ

サトシ「なまはむっ」

ムーマ「おめでとうおにーちゃん!やっぱりおにーちゃんが一番強くてすごいんだ!」


観客E「……控えのポケモンとはいえ、ホントにロイヤルマスクに勝っちゃうなんてなー……」

観客F「あの子ももう少し鍛錬すれば本気の彼にも勝てる……のかな」


ロイヤルマスク「サトシ君」

サトシ「!」

ロイヤルマスク「バトルロイヤルを極めたこの私に勝利するとは。次会う時は君との1対1の勝負を希望する」

サトシ「あ、ありがとうございます!」

ロイヤルマスク「フフ、やはり君は友人から聞いた通りのトレーナーだ。いい眼をしている」

ロイヤルマスク「それに君もだ」

ムーマ「わ、わたし……?」

ロイヤルマスク「君はバトルの経験はほとんどなかったらしいがどうだ?楽しいだろう?」

ムーマ「うん!わたし、おにーちゃんと同じシュミができてうれしーですっ!」

ロイヤルマスク「フフ……」


ロイヤルマスク「ではさらばだ諸君!また私に会いたければ友人を通してお願いしてくれ!いつでもすぐに駆け付けるぞ!」
 ▼ 230 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 20:20:37 ID:gAgCP.nE [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
---------------------------------------
---------------------------

サトシ「いやー、おもしろかったー♪」

ムーマ「ウルトラロイヤルドローップ!」ゲシゲシ

マオ「いたたた!……まさかあの人があんなにウケるとは思ってなかったよ」

サトシ「カキの奴、よくあんな大物を呼べたな。アイツってそんなに人脈広いの?」

マオ「ホントはククイ博士に企画を頼んだんだけど、博士が今日は用事で来られないってことが後でわかって」

マオ「それで急遽博士が代わりにってロイヤルマスクを呼んでくれたの」

サトシ「博士の代理?そうか!ロイヤルマスクの言ってた友人って博士だったのか!」

ムーマ「またお父様にたのんで来てもらおうね!」

サトシ「あぁ!でも……」

サトシ「今日家出る時、博士いなかったっけ?どこかに行くようなことは何も言ってなかったけど……」

マオ「きっと家で用事があったんでしょ?今頃パソコンであたし達の宿題作ってるかもね」

サトシ「ゲェー……」


ムーマ「マお姉ちゃん、いま何時?」

マオ「4時だね。カキが二人を迎えに来るのってもうすぐだっけ?」

サトシ「あぁ、確か5時だったな」

ムーマ「えー!?おにーちゃん、まだわたし行きたいところあるのに!」

サトシ「よっしゃ、じゃあ行くか!それじゃあなマ……マオウ!」

ムーマ「マオウ!」

マオ「うっせー!生焼けのパンケーキぶつけんぞー!」

サトシ「どわっほぃ!逃げるぞムーマ!!」

ムーマ「にっげろーーー!!」ズラカリーリエ


マオ「まったく……」

マオ「…………」

マオ「……ふはははははー!」

マオ「…………///」

リーリエ「マオ、お疲れ様で」

マオ「ギャアアアアアア!!!いつからそこに!?」

リーリエ「ウオオアアアアア!!!つい今しがたですっ!!」
 ▼ 231 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 20:22:34 ID:gAgCP.nE [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------しばらくして-------


店員D「スーパーメガやす、只今よりタイムセールです!もやし1袋20円!玉ネギ詰め放題!」

店員E「新しく入荷したきのみもセールの対象となっております!どうかお早めに!」


店員F「アローラサンライズ出張版!新商品・ゴローンのいしやサボネアのハリが登場です!」

店員G「そこのお客さん、投げるんじゃないよ!アクセサリーとして使ってください!」

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

ムーマ「キーラキラキラキラひーかる♪ピカピーカポケェットにちゅっちゅっちゅ♪」

サトシ「最高の時間♪大切な仲間♪ぜーーんぶ抱ーきーしーーめてっ♪」

ムーマ「えへへ///」

サトシ「いいのかよ?ついさっき『ゴーゴー4兄弟』だかのミニライブをちらっと覗いたっきりで20分歩きっぱなしだぞ?」

ムーマ「いいの。あと行きたいところは一つだけ!それまでもうちょっとだけ歩くから……」

サトシ「ふーん……」

ムーマ「と、言ったけど……ちょっと歩くのつかれちゃったよおにーちゃん」ヨタヨタ

サトシ「えっ、もう?じゃあまた肩車を……」

ムーマ「チッチッチッ、ムーマはそんな浅いものは求めておりませんの」

ムーマ「もっとディープに♪お姫様抱っこしてくださいまし♪」ピョン

サトシ「うおっ!?」ズシッ

ムーマ「えへへ/// やっぱりデートはこうでなくっちゃ♪カップルっていうのはみんなこうするんでしょ?」

サトシ「周り見ろ周り!いないよこんなカップル!重いし何か恥ずかしいから降ろしてもいいか?」

ムーマ「ダメです」

サトシ「そうかい……やっぱ参っちゃうなぁ、ムーマみたいな子って」

ムーマ「むぅ?どういう意味?」

サトシ「前にも言っただろ?お前みたいな小さい子を相手にしたことは何度かあるけど」

サトシ「こんなにベタベタしてくる子はムーマが初めてだって」

ムーマ「あぁ!それで赤いお兄ちゃんにド叱られてたね」
 ▼ 232 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 20:23:58 ID:gAgCP.nE [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「正直ムーマはオレの苦手なタイプの子供だったのかな……って最初は思ってた」

サトシ「けど今は違うよ。こうして付き合ってみるとすっごく楽しいし、いつまでも一緒にいたくなる」

ムーマ「…………」

サトシ「ハハ、今ならカキの気持ちがバッチリわかるよ。大事な仲間……家族とはずっとくっついていたいもんな」

ムーマ「……///」


ムーマ「おにーちゃん」

サトシ「ん?」

ムーマ「わたしがあの日お腹が空いてて、コロッケサンドをおにーちゃんから取らなかったら」

ムーマ「わたしたちはおたがいずっと知らないままだったんだよね?」

サトシ「あぁ。それがどういうわけかお前がこうして人間になって……本当になんでなんだろうな?」

ムーマ「んー、わかんない」

サトシ「じゃあムーマはどうしてオレ達と一緒に暮らそうと思ったんだ?」

ムーマ「むぅー!?今更すぎない?」

サトシ「ずっと聞くの忘れてたんだよ。それだけこの3週間が楽しかったんだ」

ムーマ「んーと……だれかに、おにーちゃんのところへ行って恩返しをしてきなさいって言われたのは覚えてるけど」

サトシ「! それは誰なんだ!?」

ムーマ「わすれた」

サトシ「何じゃい」

サトシ「まぁいいや。行くぞムーマ、その行きたいところとやらに」ヒョイッ

ムーマ「あぁ!勝手に肩車にトランスフォームしないでよ!」

サトシ「疲れてるんだろ?乗せてもらえるだけありがたいと思え!」ダダダダ
 ▼ 233 マシュ@どくバリ 17/08/22 21:44:44 ID:XU7/pino NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援
 ▼ 234 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 22:25:05 ID:gAgCP.nE [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「あっ!おにーちゃん、ストップ!」

サトシ「んっ?」


和菓子屋「あら可愛らしいお嬢ちゃんいらっしゃい。何か見て行く?」

サトシ「和菓子?」

ムーマ「うん。今日のきねんに、みんなにおみやげ買っていくの」

和菓子屋「お土産ならいいのがあるよ。シンオウ地方で古くから愛されてる羊羹とか……」

サトシ「これなんかどうだ?」

和菓子屋「お、お客さんお目が高い。それはジョウト産の『いかりまんじゅう』だね」

ムーマ「なんか今日はいろんなところの食べ物をよく見かけるなーっ。じゃあそれをまず一つ!」

サトシ「10個入りで1080円か……これをまず一箱だな。誰にあげるんだ?」

ムーマ「んーー、それは……どうしよう。1匹1個として……あげる子が多すぎて決められないよ」

サトシ「?」

ムーマ「わたしね、わたしね、おわびがしたいの!人間っておわびをする時におかしをあげるんでしょ?」

サトシ「お詫び!?誰に?」

ムーマ「ハウオリれいえんのおはかでお休みしてるポケモン達!今までお供えものをいっぱい取っちゃったから……」

サトシ「おぉ!いいアイディアだな!お墓のポケモン達のことも考えててくれたんだな。えらいぞ」ナデナデ

ムーマ「えへへ/// みんなもきっとお腹がすくと思って……」

和菓子屋「??? ……と、とにかく『いかりまんじゅう』一箱だね。お会計は……」

ムーマ「あっ!まだもうちょっと買います!えーっと……」
 ▼ 235 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 22:28:23 ID:gAgCP.nE [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「〜♪」

サトシ「結構買っちゃったな。でもきっとみんな喜ぶぜ」

ムーマ「うん!久しぶりにみんなに会うのが楽しみだよ!」

サトシ「久しぶり……そうだな。ウチに来てから一回もあそこに行かなかったからな……」
ムーマ「きっとまたいるよ、あのおじさん」

サトシ「うわっ、勘弁してけれ……さっ、集合場所に急ごう!もう5時だ。カキが待ってる」


ムーマ「……ねぇ、おにーちゃん」

サトシ「ん?」

ムーマ「わたし、きめたよ!わたしの心のささえ!」

サトシ「え?」

ムーマ「…………」

ムーマ「おにーちゃん言ってたよね?わたしにも夢ができるって。わたしの夢、今日きめたの!」

サトシ「えっ、今日!?早くない!?」

ムーマ「早くない!ぜったい後悔なんかしないもん!わたしがきめたことだもん!」

サトシ「……で、それって何だよ」

ムーマ「わたしの夢は……」


ムーマ「もっと、おにーちゃんを知ること!いろんな場所を回って、おにーちゃんが見た世界をこの眼で見に行くの!」


サトシ「オレが今まで見た世界……?」

ムーマ「おにーちゃんはわたしに旅の話をいっぱいしてくれた!これからも……もっともっと面白い話を聞くよ!」

ムーマ「それでね。大人になったらその話で聞いた場所に行って、あいさつに行くの!」

サトシ「挨拶?」

ムーマ「おにーちゃんといっしょに旅をしたお友達に……おにーちゃんがお世話になった人達に……」

ムーマ「とにかくいっぱいいるの!会いたい人!」

サトシ「ムーマ……」

ムーマ「ねぇねぇ、おにーちゃんにはお医者さんのお友達がいるんでしょ?」

サトシ「あぁ、そんな話もいつぞやにしたっけな……でもいいのか?そんなのまるでオレのために……」

ムーマ「もちろんわたしにだって目標があるよ!おにーちゃんの世界だけじゃなく、ポケモン達のこともたくさん知って」

ムーマ「それですっごく強いポケモントレーナーになるの!」
 ▼ 236 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 22:39:03 ID:gAgCP.nE [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「その時にはバトルしてよね?おにーちゃん」

サトシ「あはは、楽しみにしてるよ。……オレもよかった。ムーマがポケモンバトルを好きになってくれて」

ムーマ「えへへ、おにーちゃん……」

サトシ「?」


ムーマ「これからもずっと一緒だよ!わたしが旅に出るまで、まだまだいっぱい思い出を作ろうね!」

サトシ「……あぁ!」
 ▼ 237 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/22 22:39:42 ID:gAgCP.nE [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明日からのおはなし



第8話(全15話)   「シロガネさんちの一人娘」
 ▼ 238 ンベアー@がくしゅうそうち 17/08/23 17:47:58 ID:7grWynX2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 239 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:02:42 ID:iyratXiA [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「カキー!待たせてごめん!」

カキ「おっ、来たな……いいよ。楽しかっただろう?デート」

サトシ「あぁ。また行きたいぜ!」

ムーマ「わたしも!」

カキ「……フフ、文句なしで合格だな。今更だが、お前はやっぱりムーマの兄だ」


ピカチュウ「ピカチュ〜!!」

サトシ「おぉピカチュウ!今日はごめんなぁ〜!」

カキ「そいつを宥めるのには苦労したよ。十分育てられてるからといって扱い方が簡単になるわけじゃないんだな」

グ ゥ 〜 … …

カキ「!? さ、サトシ、緊張がほぐれたのかしらんがいきなりデカい屁をこくな!」

サトシ「こいてねぇよ!」

ムーマ「わ、わたしのお腹です……/// お腹が空いちゃって……」

カキ「はは……よしわかった。スクールに帰る前に町へ行って何か食べにいこう」

リザードン「ヴヴ?」

カキ「リザードン!とりあえずオハナタウンまで飛んでくれ!」

--------------------------------------------------

サトシ「ムーマ、今日は何が一番面白かった?」

ムーマ「むぅ〜、きめなきゃダメ?」

サトシ「あはは、どれも楽しかったもんな」

カキ「次はオレもホシと一緒にデートしたいもんだぜ」

ムーマ「赤いお兄ちゃんの場合はデートじゃなくて監禁になりそうだね」

カキ「えっ……」

サトシ「ははは!カキはホシちゃんに対して過保護だもんな!」

カキ「サトシ」


サトシ「だ、だっで本人がそう言っでだん゛だもの゛」ボッコボコ

ムーマ「ゲンジツトーヒはよくないよ?」

カキ「ぐすん、わかってます」
 ▼ 240 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:05:30 ID:iyratXiA [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……ろ


ムーマ「!」

ムーマ「……お、お」

サトシ「ムーマ?どうしたんだ?」

ムーマ「ううん、何でもない。ねぇ赤いお兄ちゃん、町まであとどのくらい?」

カキ「もう3分もあれば町の大きいところに着陸できるぞ」

ムーマ「ねぇ、今おりることってできる?」

カキ「構わないが……この辺は住宅街だ。食べ物の店なんて殆どないぞ?」

ムーマ「いいの!……だれかが……わたしをよんでるの」

サトシ「誰か? それって誰?」

ムーマ「わからない。だれかがわたしの名前を……あれ?」

ムーマ「わたしの……名前……?」


オハナタウン。牧場と牧草地帯に囲まれた小さな町。

西部劇の舞台のような街並みは、賑やかで近代的なロイヤルアベニューとは違った情趣がある。

この町は中心部を除いて公共施設はほぼ何もなく、ポケモンセンター含む僅かな数の施設を住宅街が取り囲んでいる。


カキ「中心部に行けばうまいレストランが少ないがあるぞ?オススメの店だって……」

サトシ「まぁムーマが行きたいって言ってるしいいじゃん!オレは構わないぜ!」

ムーマ「ごめん、ちょっとよるだけだから……」

----------------------------------------

ムーマ「……」テクテク

サトシ「これ……どこに向かって歩いてるんだ?」

ムーマ「わからない……わからないけどこのあたりから聞こえたの」

カキ「どんな声だ?」

ムーマ「わからない。わからないけどわたしを呼んでた。だれだろう……」

サトシ/カキ「「??」」
 ▼ 241 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:07:47 ID:iyratXiA [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……しろ……          ね……しろ


ムーマ「!!」

ムーマ「っ!」ダダッ

サトシ「あっ、ムーマ!どこ行くんだ!?」

カキ「……何かを確信したのかもしれない。追いかけるぞ!」


……らっ!また……か!?            これ……チの子……

                    今度……らな

またか!?         い……減に……              オ……親だ……


ムーマ「はぁっ、はぁっ……」

サトシ「ムーマ!」

カキ「サトシ……何だか嫌な予感がする。お前は何か心当たりはないのか?」

サトシ「わからない……この町の近くに来てから急に……っ!」

カキ「何か思い出したのか?」

サトシ「いや、何でもない……」

カキ「とりあえず話してみろ。何かの手掛かりになるかもしれない」

サトシ「……わかった。その前にムーマをとっ捕まえてくる!」ダッ

カキ「頼んだぞ!」


サトシ「ムーマッ!」

ガシッ!

ムーマ「!?」

サトシ「大丈夫!オレだよ!……いきなり走り出したらビックリするじゃないか。行くならオレ達と行こうぜ」

ムーマ「……うん」


カキ「それで?サトシ、お前に心当たりがあるようだが」

サトシ「あぁ、何となくだけど……ほら、3日前にオレとカキがバトルした後の帰り……」
 ▼ 242 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:10:31 ID:iyratXiA [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>173

--------------------------------------

ホシ「さぁお兄さん組!一件落着したところで早く帰りましょう!」

カキ「あぁ」

サトシ「よーし、帰るぞムーマ」

ムーマ「うん!」テクテク

サトシ「おいおい、そっちは町の方だぞ?家は丘に向かって真っ直ぐだ」

ムーマ「えへへ、なんか自然と足が……」

カキ「よっぽどデートが待ち遠しいようだな」

--------------------------------------

サトシ「ムーマが無意識に町の方へ歩き出したことがあっただろ?」

カキ「あ?あぁ……オレはムーマがデートに待ちきれなくなった故のことだと軽く見ていたが……」

サトシ「なぁ、もしあの時もムーマにその『声』ってのが聞こえてたとしたら……」

カキ「まさか!ムーマ、どうなんだ?」

ムーマ「……うん、実は……だれだかわからないけど……」

カキ「これはムーマの後をついていった方がよさそうだな。案内してくれるか?」

ムーマ「うん」


何かに引き寄せられるように、ムーマは怯えながらもぐっとサトシの手を握り、再び歩き出す。

不穏な空気が漂う中、3人は静かな町を見渡しながら『声』の方へと向かう。
 ▼ 243 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:13:37 ID:iyratXiA [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------オハナタウン住宅街 とある一軒家-------


ムーマ「……あった」

カキ「ここでいいのか?」

サトシ「ここから声が聞こえるんだな?この……何ともない家から……」

カキ「ムーマ、この家はお前にとってどんな場所なんだ?」

ムーマ「わからない……でもここ、何だかすごく見覚えがあるの!」

サトシ「カキ、門に看板があるぞ」

カキ「これは表札だ。……『シ、ロ、ガ、ネ』?……とにかく、ただの民家なのは間違いなさそうだな」

サトシ「ムーマ、やっぱり気のせいじゃないのか?」

ムーマ「気のせいじゃないもん!たしかに聞こえたの!わたしの名前をだれかが呼んでるの!」

サトシ「ムーマー……ムーマー……ってか?」

ムーマ「いや、ちがう。ちがうけどわたしの名前……あれ?」

サトシ「何言ってんだ?お前はムーマ以外の何者でもないだろ?強いて言うなら……元ポケモンだけど」

ムーマ「でもたしかに呼んでたの!わたしを!!」

ガチャッ!

サトシ/ムーマ/カキ「「「!!」」」ビクッ

男性「何なんだ君達はさっきから!人の家の前で騒いで常識のない!」

サトシ「あっ、えーっと……オレ……僕はマサラタウンのサトシって言います」

カキ「カキです」

サトシ「ごめんなさい。すぐに場所を変えますので……」

男性「場所を変えてまた騒ぐのか?って……」

男性「ま、待ってくれ君達!!」

サトシ「?」

男性「ねぇ、そこのお嬢ちゃん、顔をよく見せてくれないか……?」

ムーマ「わたし?」
 ▼ 244 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:18:38 ID:iyratXiA [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男性「あ…………そんな……うそだ……」

男性「ヤシロちゃん!!」


                丸い瞳 紫のグラデーションがかかった黒髪 6歳の女の子

                         シロガネ・ヤシロ


ムーマ「……!」

サトシ「ヤシロ?あの、この子はムーマって言ってオレのいもう……」

男性「いいや、間違いない!ヤシロちゃんが帰って来てくれたんだ!そうだろ?な?」

ムーマ「???ヤシロ……?」

カキ「あの、すみませんが人違いじゃないですか?この子の名前は……」

男性「人違いなら自分からこの家にくるハズないだろう!ヤシロちゃん、覚えているかい?」


男性「ここは……僕らの家さ!」


ムーマ「……おじさん、だあれ?」

男性「ん?あぁ、わからなくても無理はないよね。まずは家に入りなよ!本当によく帰ってきてくれた……!!」

カキ「待ってください!貴方は一体、ムーマの何なんです!?」

男性「そういう君達こそ、一体何者なんだ?」

サトシ「オレはムーマの兄なんです!まだ日は浅いけど……ムーマのことは誰よりも知ってるつもりです!」

男性「……悪いな。そのムーマという名前といい、君の言うことはどうも嘘くさい」

ムーマ「本当だよ!おにーちゃんはわたしのおにーちゃんなの!」

男性「!?」

男性「……ヤシロちゃん、それは確かなのか?この二人は、本当に君と親しい人なのか?」

ムーマ「ヤシロじゃない!ムーマだよ!!……たぶん」

カキ「嘘くさいのはアンタも同じだが」

男性「何!?」

カキ「とにかく諦めてください。そのヤシロちゃんという子が今どうなっているのかは知りませんが」

カキ「とりあえず、オレ達にはもう関わらないでください」
 ▼ 245 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:19:58 ID:iyratXiA [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男性「……じゃ、じゃあ」

男性「わかった。君達も我が家に入ってきたまえ。僕がここまでしつこく迫る証拠を見せてやろうじゃないか」

サトシ「証拠?」

男性「ヤシロちゃん。君は4年前まで、確かにこの家でお母さんと一緒に暮らしてたんだよ」

男性「何も思い出せないというのなら、僕が君の記憶を呼び覚ましてやる」

ムーマ「…………」
 ▼ 246 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:39:33 ID:iyratXiA [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------男性の家(ムーマの家?)-------


サトシ「おじゃましまーす……」

ムーマ「……」

男性「どうだいヤシロちゃん、いろいろ思い出しただろう?……簡単には無理か?子供にとっての4年って長いだろうからね」

男性「きっと色々忘れてると思うが……ほら、そこのテーブルもテレビも4年前のままさ」

ムーマ「思い出せない……なんにも……」

男性「そんな……それじゃあもうお母さんに直接会うしかないか。もうじき帰って来るハズなんだが……」

カキ「それで、証拠ってのは何です」

男性「タンスの上に飾ってある写真さ」

サトシ「あそこにあるヤツですね」

男性「そうだ。そこに写っている二人をよく見てほしい」

サトシ「写真の二人……?」

サトシ「!!」


サトシは眼を疑った。写真には丸い瞳に、紫のグラデーションがかかった黒髪の女の子……ムーマとそっくり、

いや、ムーマそのものとしか思えない容貌の少女が映っていた。少女は母親らしき女性の腕に抱かれて微笑んでいた。

サトシ「そんな……これは、ムーマ!?」

ムーマ「おにーちゃん、どうしたの?」

カキ「み、見るなムーマ!」

男性「なぜ止める?それは明らかにヤシロちゃんとその母親の写真だ!それさえ見ればヤシロちゃんもきっと……」

カキ「言い掛かりだ!!」

サトシ「待ってくれカキ!……あの、おじさん。確かにこの写真に写っているのはムーマかもしれません」

カキ「サトシ、何を……」

サトシ「オレは誰よりもムーマのことを知ってるハズだ。そう思いたい……けれど、さすがにムーマの『全て』は知らない」

サトシ「この写真にいる子がムーマだったとして、この頃の彼女がどんな子だったのかはオレは知りません。だから……」


サトシ「貴方が昔の彼女を知ってるのなら、そのヤシロちゃんという子のこと……オレ達に教えてくれませんか?」
 ▼ 247 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:41:47 ID:iyratXiA [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男性「いいだろう。ヤシロちゃんの元気な姿、そしてヤシロちゃんが君から離れようとしない所を見る限り」

男性「君達は少なくとも悪いヤツじゃない。むしろ僕らの恩人かもしれない。君達にも彼女の過去を知る権利がある」

カキ「サトシ、まだヤシロちゃんがムーマだと決まったワケじゃないぞ?」

サトシ「それでもいいよ。……詳しく聞かせてください」

サトシ「ムーマ、お前はしばらく向こうの部屋で遊んでおいで」

ムーマ「は、はーい」



今から4年前……アーカラ島・オハナタウンで事件が起きた。


----------------------殺人事件だ。殺されたのは6歳の女の子、シロガネ・ヤシロちゃん。


彼女を知る人達によれば、やんちゃで、明るい子供だったそうだ。

ヤシロちゃんはカンタイシティの会社に勤めていた父と、近所の食堂で調理師として働いていた母との3人暮らし。

決して裕福ではないが、不自由のない暮らしを送っていた。


……しかしある日を境に、日常は壊された。
 ▼ 248 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/23 21:45:11 ID:iyratXiA [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
明るくやんちゃなヤシロちゃんは、ただ元気なだけでなく、幼い子供ゆえ、周りの人達に何度も何度も迷惑をかけた。

来る日も来る日も誰彼構わずイタズラばかり。保育園にいけば何人もの男の子を泣かせるほどのいじめっ子。

もう6歳だというのに毎日のように夜泣きをしては、近所の住民の怒りが家族に飛び火することもあった。

ヤシロちゃんの被害を受けた人々に平謝りする父親の姿に、母親は持ち前の精神力で必死にこらえていた。

そんな両親の気も知らず、ヤシロちゃんはワンパクっぷりを抑えようとしない。

だが両親はヤシロちゃんをいつでも笑顔で受け入れた。子供のすることだからと何も言わずに笑って済ませたのだ。


ある日のこと、ヤシロちゃんがいつものように散歩をしていると、小太りのスーツ姿の男が目に入った。

イタズラ好きのヤシロちゃんは彼の後ろ髪に噛みついた。

顔を真っ赤にした男はヤシロちゃんを連れ、彼女の家へ向かった。

男はヤシロちゃんの父親が務めている会社の得意先の要人だった。

家族共々こっぴどく叱られたあげく父親は、ヤシロちゃんの一件の報告を受けた社長から解雇処分が下された。

ただの娘のイタズラにこの仕打ち。父親は周りの人間に恵まれなかったのだ。

安定した生活を崩された父親はとうとう耐えきれず、以前と打って変わってヤシロちゃんを目の敵にした。


そして父親による……ヤシロちゃんへの虐待が始まった。

事あるごとに殴る、蹴るなどの暴力。暴言。生活と共に父親の性格も歪み荒れていった。

父親が怖かった母親はただじっと、毎日のように繰り返されるその光景を見ていることしかできなかった。

荒んだ生活でも母親は、なけなしの愛を娘に与えたかった。しかし父親の暴力の前にそれは叶わなかった。


そして数ヶ月後……

オハナタウンの南側の道路で、ヤシロちゃんの遺体が発見された。怒りが爆発した父親に殺されたのだ。

父親は逮捕され、無期懲役の判決が下された。

このニュースはアローラ中を駆け巡り、やがて時と共に膨大なメディアの情報の中に埋もれていった。

今現在このニュースが記憶にある人は、アローラでもごく僅かだろう。


娘と夫を失った母親は一人家に残り、幼い頃から知り合いだった男性と結婚した。


ムーマそっくりの少女・ヤシロちゃんは純粋で元気な女の子だった。しかし、運命が彼女を狂わせたと人は言う……
 ▼ 249 トーリーメーカー◆NMqkj01Nbo 17/08/23 22:36:03 ID:T50p8c/A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 250 スカーン@れいかいのぬの 17/08/24 05:59:36 ID:E/3PpjNE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんか凄いな……支援
 ▼ 251 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:06:44 ID:2s.lcxUQ [1/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……!」

ムーマ「おにーちゃん、もうおはなしおわった?」ガチャッ

男性「ヤシロちゃん。今、僕は君のお母さんと暮らしてるんだ。……いきなりでなんだが、お父さん、って言ってくれるかい?」

男性→ムーマ父「ね?いいだろ?」

カキ「ちょっと待て!……ヤシロちゃんのことについてはよくわかった。だが、それとムーマとの関係は?」

ムーマ父「関係?」

カキ「考えてもみろ!殺されたはずの……遺体がすでに発見されているはずの子がどうして今生きている!?」

カキ「そもそも事件は4年前だ。仮に生きていたとしても当時6歳のヤシロちゃんはもう10歳」

カキ「見た目が全く同じのままなんてこと、まず在り得ない!!」

サトシ「か、カキ……」

カキ「お前も何か言ってやれよサトシ」

サトシ「あぁ、えぇっと……」

ムーマ父「じゃあどうして……どうしてあの子はこの家がわかったんだ!彼女はこの家に何の思い入れも無いのなら……」

サトシ「あぁっと……それは……とりあえずオレの話を聞いてください!」

サトシ「二人とも一旦落ち着いて!ヤシロちゃんのことはわからないけど、オレがムーマの知ってる限りのことを話します!」

ムーマ「なんだかむずかしい話してるんだねおにーちゃん達……もうちょっと遊んでよ」バタン


サトシは話した。ムーマとの出逢い、ムーマの正体、ムーマとの思い出を。


ムーマ父「ヤシロちゃんがポ……ポケモンだと?」

サトシ「はい。……この子は、オレがメレメレ島で助けたムウマが人間になって恩返しにきた姿なんです!」

ムーマ父「バカバカしい!ならその証拠はあるのか?証拠は!」

サトシ「えっ……それは……」

ムーマ父「ほらみろ。大体ポケモンが人間に化ける話なんて聞いたことがない」

カキ「死んだ人間が生き返る話も聞いたことはないがな」

ムーマ父「あの子はまだ思い出していないだけだ!妻の顔さえ見れば……」

サトシ「ストップ!ストップ!……ヤシロちゃんのお父さん、要はムーマをそちらの家に迎え入れたいんですね」

ムーマ父「当たり前だ。ウチの子なんだから」

サトシ「なぁカキ、オレ思うんだけどさ……これはムーマの今後にも関わってくる問題だろ?」

カキ「だったらどうするんだ?……お前、まさか!」
 ▼ 252 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:09:40 ID:2s.lcxUQ [2/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマがヤシロちゃんかどうかわからない現状……どっちの家で暮らすか、ムーマに決めさせないか?」

ムーマ父「!」

サトシ「それでいいでしょう?ムーマが本当にヤシロちゃんなら、お母さんの顔を思い出してここに居たくなるはずです」

カキ「お、お前はそれでいいのかよ!?」

サトシ「ムーマがそっちの方が幸せだと思うのなら、それでいい」

カキ「ムーマを手放すのか!!」

サトシ「……」

カキ「答えろサトシ!お前は一体どうしたいんだ!!」


カチャン! ギギィ……



サトシ/カキ「「!」」

ムーマ父「どうやら帰ってきたようだね。さて、あの子を連れてこよう」

ムーマ父「妻の顔できっとヤシロちゃんの記憶も蘇り、僕と妻と、ヤシロちゃんの3人での生活が始まるんだ……」

カキ「サトシ……!早くこの現実逃避野郎の目を覚まさせてくれ!」

サトシ「……やっぱりムーマが自力でこの家まで来られたことが引っかかるんだ」

サトシ「なぁカキ、オレ……思ったんだけど……」


サトシ「ひょっとしたらムーマは……ヤシロちゃんの生まれ変わりなんじゃないかな……?」


サトシ「死んだヤシロちゃんは、幽霊に……ムウマになったんじゃないのかな……?」



カキ「生まれ変わりだと……?」

サトシ「オレなりに考えただけさ。何だかヘンテコだけど、そうでもしないと説明がつかなくてさ……」


ムーマ母「ただいまあなた。どうしたの?そんなに嬉しそうな顔をして」

サトシ(写真の人と同じだ……)

ムーマ母「あらお客さん?こんにちは」

ムーマ父「聞いてくれよマイハニー……いや、ママ!帰って来たんだよ!あの子が!」

ムーマ母「あの子?」

ムーマ父「ほらおいで、ヤシロちゃん。君のお母さんだよ」

ムーマ母「!? ……あなた、今なんて……」
 ▼ 253 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:11:32 ID:2s.lcxUQ [3/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「おか……あさん?」


ムーマ母「……!! や、ヤシロ……ヤシロなの?」

ムーマ「わたしの……おかあさん……」

ムーマ「…………」

ムーマ「……………………」





ムーマ「              ママ?              」





サトシ「!!」

ムーマ父「思い出した!思い出したんだね!?ヤシロちゃん!そうだよ、君のママだよ!」

ムーマ父「そうさ……君はお母さんのことを『ママ』って呼んでたんだ!」

ムーマ「ママ……わたしの?」

ムーマ母「ヤシロ!!」

ムーマ「ママ……ほんとに……ママ……?」

ムーマ母「……そうよ!貴方のママよ!貴方が世界で一番好きだったママよ!」

ムーマ母「貴方がお父さんにいじめられていても何もできなかったママよ……本当に……ごめんなさい……」

ムーマ「わたし……やっぱりヤシロなの?」

ムーマ母「え?」

ムーマ父「この子は長いこと、自分の記憶を忘れてしまっていたんだよ。そして今思い出したんだ」

ムーマ母「そうなの……辛かったでしょう……本当に……」


カキ「何だよこれ……あの女も正気か!?ヤシロちゃんは死んだはずなのに!!」

サトシ「…………」

カキ「サトシ?」
 ▼ 254 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:13:24 ID:2s.lcxUQ [4/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ母「ねぇあなた、あの子達は?」

サトシ「あ、あの、マサラタウンのサトシっていいます。ムー……ヤシロちゃんをずっと預かってました」

サトシ「ヤシロちゃん、どういうワケかずっと家に帰りたがらなくて、その間オレが兄として面倒を見ていました」

カキ(あいつ……わざとそんなウソを!)

ムーマ母「あらそうなの……迷惑をかけなかったかしら?」

サトシ「全然!……なぁ、『ヤシロちゃん』」

ムーマ「?」

サトシ「やっぱり君はヤシロちゃんだったんだ。よかったね、お母さんとまた会えて」

ムーマ「……?」

サトシ「ねぇ、一つだけ聞くよ。君はお母さんに会うことができた。でもオレだってまだまだ君のおにーちゃんでいたい」

ムーマ「え……」

サトシ「だから君が決めてくれ。これからもオレ達と一緒に暮らすか、この家でお母さんと、新しいお父さんと暮らすか……」

サトシ「一緒にいて、幸せだと思う方を選んでくれ」

ムーマ「……おにーちゃん?」


カキ「おい、何を言って……」

ムーマ父「愚問だよサトシ君。子供は……ましてやヤシロちゃんくらいの小さな子はいつだって親の傍にいたいのさ」

ムーマ「わ、わたしは……」
 ▼ 255 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:14:51 ID:2s.lcxUQ [5/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
---------------------------------------------

ムウマ「ZZZ……」

サトシ「ほっとけなくて連れてきちゃった。ハハハ」

ロトム「でもそのムウマ、どうするロト?」

サトシ「ポケモンセンターに連れていこう。あのおじさんの言う通りなら、このままだとコイツが傷付くだけだよ」

-----------------------------------------------
-----------------------------------------------

ムーマ「わたし、なれるかな?ポケモントレーナー」

サトシ「なれるよ!ムーマはポケモン達と仲良くやれてるじゃないか」

-------------------------------------------
-------------------------------------------

ムーマ「スキあり!リリーちゃんの必殺ワザ、『正拳突き』―!」ボコボコ

サトシ「え?」

ムーマ「え?じゃないよおにーちゃん!ちゃんと倒れて!」

サトシ「あ、あぁそうだった。 ぐえ〜、鼻骨が曲がる〜」ドテッ

-------------------------------------------
-------------------------------------------

サトシ「……ほ、ほら、冷やしトマトだぞ。あーん」

ムーマ「」モグモグ

ムーマ「(*´▽`*)」

------------------------------------------
------------------------------------------

サトシ「よし、ポケモンスクール到着。今日も実に楽しい通学路だった。そして憂鬱な授業へと……」

ムーマ「おにーちゃん、昨日宿題がんばってたもんね」

サトシ「ははは、じゃあ行ってくるよ。お前はこのまままっすぐ校長室へ行くんだぞ」

-------------------------------------------
-------------------------------------------

サトシ「どうした?やっぱりこんな賑やかな街……じゃなかった、道を歩くのは楽しい?」

ムーマ「うん。わたしがムウマの時は人がいっぱいいる場所はどうしても苦手だったの」

サトシ「今は平気なのか?」

ムーマ「うん!」ギュッ

サトシ「うおっ!?急に抱きつくなって!ホラ、みんな見てるから……」

--------------------------------------------
 ▼ 256 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:16:30 ID:2s.lcxUQ [6/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
------------------------------------------

ムーマ「いっぱい食べて大きくならなくちゃ。早く大きくなったらおにーちゃんとけっこんもできるしね」

サトシ「!/// ……アッハハ、冗談うまいなぁもう」

-----------------------------------------
-----------------------------------------

ムーマ「早く行こうよ、おにーちゃんの行きたがってるロイヤルドーム!」

サトシ「おぅ!そんじゃこのまま肩車で行くぜー!」ドドドド

-----------------------------------------
-----------------------------------------

サトシ「正直ムーマはオレの苦手なタイプの子供だったのかな……って最初は思ってた」

サトシ「けど今は違うよ。こうして付き合ってみるとすっごく楽しいし、いつまでも一緒にいたくなる」

サトシ「ハハ、今ならカキの気持ちがバッチリわかるよ。大事な仲間……家族とはずっとくっついていたいもんな」

------------------------------------------
------------------------------------------

ムーマ「わたしの夢は……」

ムーマ「もっと、おにーちゃんを知ること!いろんな場所を回って、おにーちゃんが見た世界をこの眼で見に行くの!」

------------------------------------------


ムーマ「……ねぇママ」

ムーマ母「なぁに?ヤシロ」

ムーマ「ママにまた会えたのはうれしい。世界で一番大好きなママとまたいっしょにくらしたい。でも……」

ムーマ母「もう一人できたのよね?世界で一番大好きな人が」

ムーマ「うん!」

サトシ「ムーマ……」


ムーマ「おにーちゃんとであってまだ長くないけど……おにーちゃんとはいっぱい思い出ができたの!」

ムーマ「それにおにーちゃんは自分の名前を忘れてたわたしに名前をくれたの!」

ムーマ「わたし、ムーマって名前すごく気に入った!みんなにムーマってよばれるととっても気分がいいの!」

ムーマ父「ヤシロちゃん、確かに君がこの家に居た頃は碌な思い出がなかったろう。だけど君のママがくれた名前は大事な」

ムーマ母「いいのよあなた。……わたしのせいよ。わたしがこの子のことをもっと愛していれば……」

ムーマ母「シロガネ・ヤシロという名前を嫌わずに済んだのにね」

ムーマ「嫌いじゃないよ!だって大好きなママがつけてくれた名前だもん!」

ムーマ「……だけど……だけど……」
 ▼ 257 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:18:50 ID:2s.lcxUQ [7/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「何だ?ハッキリ言いなさい!」

ムーマ母「ヤシロ。貴方が今なぜ迷っているのかはわかるわ」

ムーマ「え?」

ムーマ母「貴方がヤシロとしてこの家でもう一度暮らし始めれば、貴方はこれからヤシロとして生きていくから」

ムーマ母「おにーちゃんのくれた名前や思い出を……断ち切ることになるのを恐れているのね?」

ムーマ「わたしはママとも……おにーちゃんとも、はなれたくない……」


ムーマ母「いいわ。なら時間をあげる」


サトシ「時間?」

ムーマ母「サトシ君だったかしら?貴方がさっきヤシロにした質問の答え、少し待ってあげてはいかが?」

サトシ「……と言うと?」

ムーマ母「ヤシロとして生きるか、ムーマとして生きるか、どちらが彼女にとって幸せなのかを」

ムーマ母「彼女自身で答えを出せるまで、もう少し時間をあげてはどう?と言ったの」

ムーマ母「答えは明日でも、1か月先でも、1年先でもいいわ」

ムーマ母「つまりケジメをつけるまでは、この子は私の娘であり、貴方の妹なのよ」

サトシ「じゃ、じゃあその間どうすれば……」

ムーマ母「うふっ、折角再会できて何だけど……しばらく貴方に任せていいかしら?」

サトシ「!!」

ムーマ母「虐待を受けていた時と違って、今のこの子は昔のような明るさを取り戻してる」

ムーマ母「それもこれも、貴方がヤシロを……いえ、ムーマを妹として大事にしてくれたお陰よ」

サトシ「あぁ……いえそんな」

ムーマ父「おいママ、まさかヤシロちゃんを突き放すんじゃないだろうな?」

ムーマ母「違うわよ。ヤシロに幸せでいてほしいからよ」

ムーマ父「親が傍にいるのが子供にとっての一番の幸せだろうが!」

ムーマ母「子供を持ったことのない貴方が何を言ってるの?……それに私だって、今はまだこの子と暮らせる自信がないわ」

サトシ「あ、あの……いいんですか?本当に」

ムーマ母「えぇ。もうしばらく、よろしくお願いできるかしら?」

サトシ「……はい!!」
 ▼ 258 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:20:44 ID:2s.lcxUQ [8/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマ、おいで!」

ムーマ「……おにーちゃん?」

サトシ「お前の幸せはいつか自分で決めるんだ。だからそれまでさ……またオレ達と一緒にいようぜ!」

ムーマ「……」ポロポロ


ムーマ「うわぁぁぁぁん!!」

サトシ「よしよし。……ちょっとでも辛い思いさせて悪かったな」


ムーマ父「ママ、本当にいいんだな?」

ムーマ母「えぇ。……さて、久しぶりに娘の顔も見たことだし、今日のディナーは気合い入れて作っちゃいましょうか!」

ムーマ「! ママ、今日のごはんは!?」

ムーマ母「ビーフコロッケよ。貴方の大好物!」

サトシ「ビ……!?マジっすか!?あざーーっす!」

ムーマ「おにーちゃんもコロッケがだいこうぶつなんだよ!」

ムーマ母「あらあら似た者同士ね。ますます安心できるわ」

サトシ「カキ!お前もごちそうしてもらえよ!」

カキ「ん?あぁ……」

サトシ「どうしたんだよ?」

カキ「何でもない。……とりあえずはよかったんじゃないか?またムーマと一緒にいられることになって」

サトシ「あぁ!……本当によかった」

ムーマ母「うふふ、ご飯できたら呼ぶから、ムーマと一緒に奥の部屋で遊んで待っててくれるかしら?」
 ▼ 259 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:27:45 ID:2s.lcxUQ [9/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------しばらくして-------


サトシ「ハァ……モーモーミルク……」

ムーマ「……モーモーミルク」

カキ「モーモーミルク、と」



ムーマ父「ママ、ヤシロはあの子達と楽しく遊んでるよ」

ムーマ母「あら?そんなことわざわざ報告するためにキッチンを覗きにきたの?」

ムーマ父「まぁ、もう彼女を彼らにしばらく任せることに不安はないんだよ。ただ……」

ムーマ母「言ったでしょ?私も時間がほしいの」

ムーマ母「あの子が満足するまで彼らと一緒にいれば、私も親としての自覚を取り戻す余裕ができる」

ムーマ父「だ、だけど時間が経つにつれヤシロちゃんの気持ちがあの子達の方に傾いてしまえば、ヤシロちゃんはどうなる?」

ムーマ母「それは私が母親として、その程度だったってだけのことよ」

ムーマ父「いいのか、それで?」

ムーマ母「あの子がそれでいいなら、ね」

ムーマ母「さ、あなたは子供達のところにいるか、大人しくダイニングで待ってて」
 ▼ 260 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:28:53 ID:2s.lcxUQ [10/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------数分後-------


サトシ「モーモーミルク!」

ムーマ「モーモーミーールクっ!!」

カキ「モー!モー!ミェェェルク!!」



ムーマ母「また来たの?」

ムーマ父「あはは、ちょっと気が気でなくて。君の気持ちもヤシロちゃんのことも」

ムーマ母「さっきあなた不安はないって言ってたでしょ?」

ムーマ母「それに、あなたが彼女のことをそんなふうに思うのはちょっと違うんじゃない?」

ムーマ父「違くないさ。僕はヤシロちゃんとは今日で初対面だけど、それでも彼女の父親であるべき人間なんだ!」

ムーマ母「ふーん……まぁいいわ。ちょっと嬉しいしね。あなたがそこまで私のことを気にかけてくれるの」

ムーマ父「本当に。どうしちゃったんだろうな。出会ったころは君の片思いだったってのに」

ムーマ母「ちょっ!?///」

ムーマ父「今はそんなことないものね」

ムーマ母「う、うるさいわね!いいからキッチンから出てって!」
 ▼ 261 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:30:10 ID:2s.lcxUQ [11/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------さらに数分後-------


サトシ「モォォォォ!モォォォォ!ミャアアアアルカァ!!」

ムーマ「モァァァァァーーッ!!モーーーモーーーミャァァルクゥゥゥ!」

カキ「ギャアアアアア!!ホワァァァァァ!!ズエリャアアアアアア!!!」



ムーマ母「何だか騒がしいわね」

ムーマ父「『モーモーミルクゲーム』だってさ。最近の子供の遊びはよくわからないね」

ムーマ父「そうだ。あのサトシ君とかいう子のニュースを一つ本人から仕入れてきたよ」

ムーマ母「どうせならちょくちょく来ないで一括で話してくれない?さすがに鬱陶しいわ」

ムーマ父「あぁ。実はサトシ君、色んな理由があってあのククイ博士の家に居候してるらしいんだ」

ムーマ母「まぁ!……となるとヤシロは今ククイ博士とも一緒に住んでるのね?」

ムーマ父「僕もやっと胸のつかえが下りたよ。僕はあの人をよく知らないが、安定した生活を送れているようで何よりだ」

ムーマ母「ふふ……さぁ、そろそろ本格的に作るから今度こそダイニングで待っててちょうだい」

ムーマ父「あぁ、そうする」


ムーマ母「さぁて、作るわよ!ヤシロには他のが食べられなくなるくらいおいしいコロッケを作らなきゃ!」
 ▼ 262 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:31:58 ID:2s.lcxUQ [12/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------数十分後-------


サトシ「こ、これが御宅のビーフコロッケですか……?」ジュルリ

ムーマ母「うふふ、大袈裟ね。別にどこのとも変わらないただのコロッケよ」

サトシ「いんやーオレにはわかりますよお母さん!この香りといいパン粉の細やかさといい……」

カキ「わかった。わかったからちゃんと席につけ」

ムーマ「ねぇ!もう食べていい?」

ムーマ父「先にいただきますだ。それから食べていいよ」

ムーマ「じゃ、じゃあ早く食べよ?ねぇ!」

ムーマ父「ハハ、噂通りのやんちゃで元気な子だこと」


「「「「「いただきます!!」」」」」


サトシ「じゃあいただこうぜ!」

ムーマ「おー!」

ムーマ母「ふふ、似た者同士っていいわね」

カキ「…………」

ピカチュウ「ピカピー……」チョイチョイ

バクガメス「ガメェー……」

ムーマ母「はい、ポケモンちゃん達にもご飯は用意してあるわ」

ピカチュウ「(≧▽≦)」


サトシ「うまい……うまい……こんなうまいコロッケ10個は固いぜ!」ガツガツ

サトシ「な?ムーマ?」

ムーマ「……」ムグムグ
 ▼ 263 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:33:22 ID:2s.lcxUQ [13/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「まずい」

ムーマ母「!」

サトシ「ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛ゑ゛!?!?」

カキ「サトシ、もうちょっと静かに食えねぇのか」

サトシ「だ、だってこんなお前……これを……なぁ!?」

カキ「語彙力0かお前。ムーマ、コロッケはお前の好物だったんじゃないのか?」

ムーマ「うーん……何かこのコロッケ、変に甘い味がするの」

サトシ「甘い?そんなハズないさ。オレにはわかるぞ、肉の素材本来の風味が……」

ムーマ母「あらら、よりによってその子の分だけ失敗しちゃったかしら?」

サトシ「いーえ滅相もございません!こちとら策がありますので」

ムーマ母「策?」

ムーマ「ねぇおにーちゃん、わたしいらないから食べて」

サトシ「もったいないこと言うな!……ほら、『あーん』してやるから」

カキ「!!!」

ムーマ父「なっ!?もうそんなところまで距離が縮まっているのか?」

ムーマ母「あなた、落ち着いて。何ら不思議じゃないわ。二人は兄妹だもの」

ムーマ「そ、そこまでいうなら……」アーン

サトシ「よしよし、いい子だ……うまいか?」

ムーマ「( `―´)」

サトシ「何だその微妙な顔は……」

ムーマ母「うふふ、いいのよサトシ君。新しいの作り直すわね」

カキ「くっそ……思わぬ所で劣等感を味わうことになってしまうとは……あぁ……コロッケがしょっぱいぜ……」


ピカチュウ「チッ……」バチバチ

バクガメス「(;゚Д゚)」
 ▼ 264 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:34:49 ID:2s.lcxUQ [14/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ「(*´▽`*)おいしー!」

ムーマ母「よかった。今度はうまくいったみたいね」

ムーマ「10個は固いよママ!」

ムーマ母「うふふ……ねぇヤシロ」

ムーマ「むぅ?」モグモグ

ムーマ母「……ママはいつでも待ってるからね。またこのコロッケを食べたくなったら、いつでもいらっしゃい」

ムーマ「……うん!」

サトシ「ハハ、よかったなムーマ」

--------------------------------------------

サトシ「あぁー食った食った」

ムーマ「おなかいっぱいー……」

カキ「まさか二人とも本当に10個平らげるとはな。人ん家なんだからムーマはともかくササトシ、お前は自重しろ」

サトシ「好きなものを好きなだけ食べることの何が悪いの?」キョトン

カキ「お前……」

サトシ「……じゃあムーマ、帰ろうか。博士の家に!」

ムーマ「……」


ムーマ母「ヤシロ、次に会う時までにママはもっと、貴方に好きになってもらえる母親になるよう頑張るから」

ムーマ母「それまでいい子にしてるのよ?約束できる?」

ムーマ「うん……」

ムーマ母「……よし、いい子ね」

サトシ「ではお母さん、オレ達は行きます」

ムーマ母「よろしくね。ムーマとしてウチの子を、どうか」

サトシ「はい!……行こう」

ムーマ「うん!……ママ、わたし、絶対また会いにくるからね!!」

ムーマ母「ふふ、そう言うと思ったわ」

サトシ「さようならー!」


ムーマ「ママ!いってきまーす!」

ムーマ母「えぇ、いってらっしゃい」
 ▼ 265 ンギラス@のんきのおこう 17/08/24 23:35:01 ID:hUezsWpg NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
だからリザードンなのか
弱いリザードンなんていらないをネタにしている奴らに見せたいな
 ▼ 266 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:35:23 ID:2s.lcxUQ [15/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマ父「……行ってしまったね。でもあの子は必ず、また君に会いに戻ってくるさ」

ムーマ母「えぇ。わかってる。あのやんちゃで明るい子がね。だからこそ……」


ムーマ母「だからこそ……」
 ▼ 267 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:36:14 ID:2s.lcxUQ [16/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
,


































 ▼ 268 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:36:54 ID:2s.lcxUQ [17/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



                         ダ


                         カ


                         ラ


                         コ


                         ソ





                         ワ


                         タ


                         シ


                         ハ





 ▼ 269 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/24 23:38:42 ID:2s.lcxUQ [18/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次のおはなし(明後日以降更新予定)



第9話(全15話)   「ムーマの夢」※ホラー描写有
 ▼ 270 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:46:33 ID:aB1fgJK. [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リザードン「ヴオォー」バサバサ

ムーマ「うーみーはーひろいーなーおーきーーなーー♪」

サトシ「ムーマーちゃんはー海はすーきーーかなー?♪」

ムーマ「だいすーきーでーすー♪いつかーはーおふねーをーうかばーせーてー♪」

サトシ「いーーってーみたいーのー?よそのーくーにー♪」

カキ「……」

サトシ「カキ、さっきから無表情だけどどうかしたのか?」

カキ「あぁいや、今日は不思議な体験をした日だなと思ってさ」

カキ「サトシ、お前はあんなことを言っていたが、本当に生まれ変わりなんてものを信じられるのか?」

サトシ「……あぁ。だって実際、コイツはポケモンだったんだ。だけどヤシロちゃんの記憶もあった」

サトシ「だからオレはヤシロちゃんがこうしてムーマとして今を生きてるんじゃないかな、って思っただけさ」

カキ「……まぁ真実はどうあれ、あれこれ理屈を並べて話をややこしくするよりはいくらかマシか」

ムーマ「おにーちゃん、今日はたのしかったね!デート」

サトシ「あぁ。そうだな」

ムーマ「赤いお兄ちゃんも!こんなおもしろいデートを考えてくれてありがとう!」

カキ「……フフ、気に入ってもらえたようでよかった。また時間があれば企画したいものだな」


ムーマ「ねぇねぇおにーちゃん、明日は何する?」

サトシ「明日?うーん……まずは朝からスクールだろ?放課後は……帰ったら決めるか」

ムーマ「ねぇ!わたし、またホシちゃん達とあそびたい!」

サトシ「そうだな……カキ、いいか?」

カキ「勿論だ。仲のいい友達ができて、ホシも以前に増して明るくなった気がするんだ」

ムーマ「やったー!わたし、やりたいことがまだいっぱいあるの!」

ムーマ「ポケモンバトルもいっぱいして……ひみつきち作ったり、かくれんぼしたり……」


サトシ「あはは、遊び盛りの子って感じだな」

ムーマ「あとね、あとね、野生のポケモン達とももっとお友達になったりとか……」

ムーマ「それから……」タラー



                         ポ ト ッ
 ▼ 271 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:48:06 ID:aB1fgJK. [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リザードン「?」

サトシ「ムーマ、口から何か出てるぞ。ヨダレか?汚いな……」


サトシ「……」


ムーマ「おにーひゃん……?」


カキ「サトシどうした?ムーマの顔を見て固まってるが」

サトシ「ムーマ……!」


サトシ「ムーマ……これ……          『血』じゃないか!          」


ムーマ「え?」


サトシはムーマの下顎に垂れていた液を指でそっと拭き取ると、サトシの指は鮮やかな赤色に染まっていた。


カキ「血だと?そんなバカな!」

サトシ「本当なんだ!ムーマの口から……」

ムーマ「そんな!わたし、今は体のどこも悪くな……」


ビチャビチャッ……!


サトシ/カキ「「!!」」

ムーマ「う゛……ガフっ!……ヴエェェっ!!」ビチャビチャ

サトシ「ムーマ!!」


堪えていたものをぶちまけるように、ムーマの口から食物混じりの紅い血が噴き出す。

サトシは何度もムーマの名前を呼び続けるが、ムーマは激しく咳込むばかりで状況は変わらない。


サトシ「カキ!どうすれば……」

カキ「ポケモンセンターに急ぐぞ!ここからならメレメレの方が近い!……リザードン!飛ばしてくれ!」

リザードン「グルルルルルォォ!!」
 ▼ 272 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:52:53 ID:aB1fgJK. [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「……」

カキ「……そのまま安静にさせておけ。もう少しの辛抱だ」

ムーマ「ZZZ……」

カキ「咳と血は取り敢えず止まったようだな。このまま持ち堪えてくれればいいが……」

サトシ「どうしちまったんだ一体……?」

カキ「サトシ、今は考えるな。とにかくお前はムーマから眼を離すな。お前の妹だろう!?」

サトシ「わかってる。……ムーマ、大丈夫か?大丈夫だよな!?」

ムーマ「ZZZ…………」

ピカチュウ「ピ、ピカ……」

サトシ「こんな時……オレは……」

-----------------------------------------------

カキ「サトシ、やっぱりお前はまだまだだったな。お前がアイツの兄であるなら、最悪の場合を考えてみろ!」

-----------------------------------------------

サトシ「最悪の場合……?」

サトシ「っ!」ズキッ!

ピカチュウ「ピカッ!?」

カキ「サトシ!お前までどうした!?」

サトシ「あ……あぁ……ぅ゛……」ガタガタ

サトシ「何で……何でこんな時に思い出してしまうんだよ!ムーマが……ムーマがもし……」ガタガタ

カキ「サトシ、落ち着け。お前はムーマの兄だろう?」

サトシ「そうだよ!だから思い浮かんだんだ!最悪の場合を!何もかもうまくいかなかったら!ムーマは!!」

カキ(……オレのせいか)

カキ「サトシ、あの時のオレは気が立っていたんだ。サトシ、もう一度言うが今は何も考えるな」

カキ「ただ信じろ。いいな?」

ムーマ「……スー……スー……オニーチャン……」

カキ「……可愛い寝息を立ててるじゃないか。ムーマはきっとまた元気になる」

サトシ「でも、そんな根拠がどこにも……」

カキ「お前はいちいち理由を求めるような人間だったか?いつものお前でいろ。ただ信じて戦うだけの、お前でいろ」

サトシ「カキ……」
 ▼ 273 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:55:09 ID:aB1fgJK. [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ達を乗せたリザードンは全速力でメレメレ島へ向かった。

そのお陰かムーマは直にポケモンセンター・救急処置室に送られ、一命を取り留めた。


-------ポケモンセンター-------


ククイ「ハァ……ハァ……」ガチャッ

ククイ「ジョーイさん!ムーマは!」

ジョーイ「奥の部屋にいます。こちらへ……」


サトシ「…………」

ククイ「サトシ、お疲れ様。お前だけでも無事に帰ってきてよかった」

サトシ「……よくないよ」

ククイ「……ムーマが血を吐いた原因は今調べてもらっているところらしいな。一体何だってんだ?」

サトシ「……ムーマは大丈夫だよ」

ククイ「……」チラッ

カキ「博士、それがサトシです」

ククイ「だな。ならオレもそうする」

ククイ「マオ達は今頃アイナ食堂で打ち上げをやっている頃だろうが……」

カキ「していませんよ。ムーマのことはもう皆に伝えてあります。もうすぐこっちに来るかと」

ククイ「そうか。仕事が早いなカキ」


サトシ「ムーマ、大分きれいな顔になってたな」

カキ「あぁ。血は全部拭き取ってもらったからな」

サトシ「…………」

ククイ「サトシ、外の空気を吸ってきたらどうだ?ムーマのことも心配だが、保護者としてお前のそんな顔は見るに堪えない」

サトシ「……離れちゃダメなんです。オレはムーマのおにーちゃんだから」

ククイ「ふぅ……ここはポケモンセンター、病院だぞ?彼女を助けてくれる人がたくさんいる」

ククイ「オレも辛いんだ。ムーマにもサトシにも、嫌な事は起きてほしくない……」

カキ「サトシ、博士の言う通りだ。あまり博士を困らせるような真似はするな」

カキ「抱え込みすぎるな。お前が落ち込めば次は誰が悲しむ?」

サトシ「ムーマ……」

カキ「そうだ。ムーマが世界で一番大好きなお前がそんな顔をしてちゃ、ムーマも元気になり甲斐がないだろうぜ」
 ▼ 274 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:57:51 ID:aB1fgJK. [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムーマチャンハココデスカ?         ハイ、コノオクニ……


サトシ「!」

マーマネ「サトシ!ムーマちゃんは?」

サトシ「寝てる」

スイレン「容体は?何も変わりない?」

カキ「今のところはな。帰る途中の発作が一番の峠だった」

ククイ「ん?マーマネ、スイレン、お前ら二人だけか?」

マーマネ「来ます。リーリエは、多分……」

スイレン「マオちゃんは来ないかと。大分ショックを受けてました」

スイレン「彼女、カキからの電話を最初に受け取ったのだけど、受話器に怒鳴ったり叫んだりえらく取り乱して……」

ククイ「カキ、またお前達は喧嘩したのか?」

カキ「……未だに嘘だと思っているのか、彼女はこの一件にまだ向き合おうとしていません。本当に甘いヤツだ」

マーマネ「まぁまぁ……そ、それで今、リーリエが食堂に残ってマオを説得してるんです」

ククイ「そうか。うまく連れて来れるといいな」

スイレン「どうせ嘘だと思っているなら……このままムーマちゃんが元気になって何事もなくなればいいのに……」

サトシ「…………」
 ▼ 275 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 18:59:28 ID:aB1fgJK. [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ククイ家-------


ロトム「当然のように置いていかれたロト。博士……帰ってくるなりまた出て行くだなんて」

ロトム「えらく焦った様子だったけど結局用件を聞けなかったロト!何故出て行ったんだ博士ェ!」

ロトム「……はぁ、外は曇り空ロト。雨でも降りそう……」


ド シ ャ ア ア ア ア ア ン ! !


ロトム「ひぃぃ!雷ロト!充電中なら僕は終わってたロト!」

ロトム「博士もサトシもムーマちゃんも、みんな無事に帰って来れるロト?」


ド シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ン ! !


ロトム「!? い、今、近くの浜辺に雷が落ちたロト!危なっかしくて留守番どころじゃないロト!」

ロトム「ん?雷が落ちた所に何かいるロト。あれは……」

???「!」

ロトム「め、目が合ったロト!間違いないロト!あの姿は……」

ロトム「!?こ、こっちに向かって来……」
 ▼ 276 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/26 19:01:51 ID:aB1fgJK. [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-------ポケモンセンター-------


スイレン「サトシ、どこに行くの?」

サトシ「外の空気を吸いに行ってくる。ちょっとは落ち着きたいから」

ククイ「それがいい。検査の結果が出たら呼ぶから、今は何も考えずにいろよ」

サトシ「はい……行くよ、ピカチュウ」

ピカチュウ「ピィ……」

サトシ「どうしたんだ?久しぶりに二人っきりになるのがイヤか?」

ピカチュウ「ピカ!ピカカピ!」

サトシ「……今は何も考えたくないんだ。ましてや同情なんて……」

ピカチュウ「ピカチュ……」


サトシ「スー……ハー……」

ピカチュウ「チャァァ--……」

サトシ「さっきまで晴れてたのにやけに曇ってるな。これはこれから一雨くるよな……」

ピカチュウ「ピィ……ピカッ?」

サトシ「どうした?ピカチュウ」


ビ シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ン ! !


サトシ「!! か、雷か……今の見たか?随分近くに落ちたぞ」


サトシ「……ん?なぁ、あそこに何か変なのがいないか?」

ピカチュウ「?」


???「……」


サトシ「小さくてよく見えないけど、何となくこっちを見てるような気がしなくもないような……」

ピカチュウ「ピカピィ」


???「……」


???「コ ケ ェ ェ ェ ェ ー ー ー ッ ! ! !」

ド シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ン ! !


サトシ「また同じ所に雷が落ちた!それにさっきの声……『こっちに来い』って……ことなのか?」
 ▼ 277 ュウコン@ふねのチケット 17/08/26 19:21:41 ID:y72fT51U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自分だけだと思うけど
なんかこのSSのカキが怖い
 ▼ 278 ゴーム@トウガのみ 17/08/27 01:22:51 ID:i8tk0GyE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カプ・コケコ……?
 ▼ 279 ゴーム@ジメンZ 17/08/27 01:23:41 ID:b3sK0UIU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援
 ▼ 280 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 20:40:12 ID:i/NXjoZo [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ピカッ!」

サトシ「あぁ、行ってみよう」

---------------------------------------------

サトシ「……やっぱり、お前だったか」


カプ・コケコ「コォー……」


ロトム「サトシー!助けてロトー!」プラプラ

サトシ「はっ!?ロトム!?何でお前がカプ・コケコと一緒にいるんだよ!?」

ロトム「突然家に押しかけてきて連れ去られたんだロト!」

サトシ「お前……博士の家に行ったのか?よく場所がわかったな」

カプ・コケコ「コケーーッ!」

サトシ「それで?一体何の用だ?」

カプ・コケコ「…………」

プスッ

ロトム「はんっ///」

サトシ「!? お前、ロトムに何して……」

カプ・コケコ「カプォー……」ブブブブ

ロトム「ア゛ア゛ア゛ア゛……ロトム・システムイジョウハッセイ……エラーコード4796-1526……『ポケリンガル』モードキドウ……」

サトシ「な……何が起きてるんだ?」

ピカチュウ「ピィ……」バチバチ


『ちょっと貸してもらうだけさ。いつもお前との掛け合いは気紛れだが、今回ばかりはちょっと大事な用なんでね』


サトシ「!? だ、誰だ!」

『正面正面。さっきからずっとここにいるじゃないのよ』

サトシ「正面? ……!」

『はい気付いたね。どうも、改めて守り神やってますカプ・コケコですよ』

サトシ「ロトム!?お前、どうしたんだその声!?」

『だからカプ・コケコだって言ってんじゃんもう!この機械は今、オレの意思を人間語にする媒体に過ぎないのっ!』

サトシ「えっ、じゃあ……」

カプ・コケコ『んーまぁ……そういうわけだわ。さっきも言ったように大事な用なんで』

カプ・コケコ『ちゃんとした言葉で用件を伝えたかったから借りてるよ、ごめんね』
 ▼ 281 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 20:45:15 ID:i/NXjoZo [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「よ、用件って何だよ?」


カプ・コケコ『今お前が“妹”として可愛がってる、元ポケモンの少女のことについてだ』


サトシ「!? 何でお前がムーマのことを知ってるんだ!?」

カプ・コケコ『守り神は何でも見えるんだよ。ましてや自分が送り込んだ存在くらいはねぇ』

サトシ「な、何だその言い方……まるでお前が……」

カプ・コケコ『あぁ。だってムウマをお前ん家に行かせたのはオレだし。それに……』


カプ・コケコ『ムウマを人間にしたのもオレだ』


サトシ「……!」

ピカチュウ「ピ、ピカァ!?」

カプ・コケコ『ムウマはあの日お前に助けられた。だから恩返しをするべきだと彼女に忠告したんだよ』

カプ・コケコ『最も、ムウマもそれを望んでたワケだから話はスムーズに運んだがな』

サトシ「い、一体どうやってそんなこと」

カプ・コケコ『あぁあぁダメダメ。聞くと思ったわもう。ムウマがどうやって人間になったか知りたいんだろ?』

カプ・コケコ『残念ながらそれは守り神だけの秘密なの。どうしてもというなら“魔法”って便利な言葉で納得しちゃって』

サトシ「はぁ……」

カプ・コケコ『それで?あの娘とは仲良くやれてるの?』

サトシ「それが……」

カプ・コケコ『皆まで言うな。知ってる。だからわざわざお前にこうして話に来てんじゃん』

カプ・コケコ『本当なら今頃ハウオリ霊園のお供え物をガッツきたいところなんだが……』

ピカチュウ「ピィ」ジトー

カプ・コケコ『何!?幻滅したの!?守り神は盗み食いしちゃダメなの!?』

ピカチュウ(ダメに決まってんだろ)

カプ・コケコ『ぁーイラッつく!そういう固定観念とか大っ嫌いなの!ここらの守り神はね、気紛れなの!わかる!?』

ピカチュウ(だからダメに決まってんだろって)

サトシ「カプ・コケコ!」

カプ・コケコ『あー、こりゃ失敬。取り乱したね。えーとまぁその……何だ。ムーマに身の危険が迫ってることは知ってる』

カプ・コケコ『オレはムーマを送り込んだ張本人だからよ。責任を持って、兄として彼女と居てくれるお前と』

カプ・コケコ『こうして話しておきたいと思ったんだよ。真実を』

サトシ「真実?」
 ▼ 282 バルドン@ゴスのみ 17/08/27 20:46:35 ID:i8tk0GyE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>280
デオキシス回懐かしい!
マサトとニャースの好感度が上がったんだよなぁ…

コケコの喋り方に驚いてるよ……
 ▼ 283 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 20:49:51 ID:i/NXjoZo [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カプ・コケコ『お前ももう薄々感づいてるとは思うが……彼女は、あのムウマは……人間の生まれ変わりだ』


サトシ「……そうか」

カプ・コケコ『リアクション薄っ。やっぱりそう思っていたのか。そしてその前世の人間は……』

サトシ「シロガネ・ヤシロ。4年前に父親からの虐待を受けて死んだ女の子」

カプ・コケコ『うむ、ビンゴ。驚いたな……もうそこまで深く干渉してたのか……』


サトシ「じゃあ……ヤシロちゃんをムウマとして生まれ変わらせたのもお前なのか?」

カプ・コケコ『いやいや、それは偶然だよ』

カプ・コケコ『オレは守り神だからね。アローラに生きる魂の軌跡を知ることはできても組み替えることはできない』

サトシ「なぁ、カプ・コケコ。お前はそれをオレに話すためだけに来たのか?」

カプ・コケコ『何を言うか。お前はオレが認めた人間だ』

カプ・コケコ『お前の力になりたいんだよ。この厄介なピンチに何としてもおまえを救いたい……』

サトシ「そうか、ありがとう。……けど、今のオレには何をすればいいのかわからない……」

カプ・コケコ『じゃ、必要な時に呼んでくれるといいさ』

サトシ「……いいのかよ?」

カプ・コケコ『遠慮すんな。お前の信念・闘志・そして強者の素質……オレは認めてんだ』


カプ・コケコ『認めてないのはそれら相応の実力。器は最高級なんだがなぁ……』

サトシ「ほっとけ」

カプ・コケコ『とにかくお前、自分のやるべきことがわかったら呼んでくれ。オレはいつでもお前を、いや……』

カプ・コケコ『お前“達”を見てる。じゃあな、機械はもうちょっと借りるぞ』

サトシ「あ、あぁ!」


サトシ「さぁ、戻ろうかピカチュウ。何だかちょっとだけ胸が軽くなった気がする」

ピカチュウ「ピカ……」
 ▼ 284 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 20:54:57 ID:i/NXjoZo [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ククイ博士!」

ククイ「サトシ、随分長いこと外に行ってたんだな」

サトシ「中々気分が晴れなくて……」

ククイ「ジョーイさんから、ムーマの発作の原因が伝えられた」

サトシ「! い、一体それは……」

ククイ「オピラドン452とカンタスク435……どちらも強力な毒物の名前だ」

サトシ「毒!?」

ククイ「ジョーイさんによれば、その二種は大抵混ぜて一つの毒薬として用いられるらしい」

ククイ「強力な毒素が体に入ると瞬く間に体を蝕み、ある程度の浸食が完了すると大抵の人は多量の血を吐いて即死だそうだ」

サトシ「そっ……!?」

ククイ「服用者が死ぬと役目を終えた毒素は体内から消え、解剖されても検出されることはない」

ククイ「完全犯罪にはこれ以上ない代物なんだそうだ」

サトシ「……!!」

ククイ「だがムーマは生きている。どういうわけか、恐ろしい生命力で持ち堪えたそうだ。彼女は毒に勝ったんだ」

サトシ「そ、そうか……よかった……」

ククイ「何故だろうな……ジョーイさんも不思議に思っていたが、奇跡に近い何かだろうな」

サトシ「博士!オレ、ムーマに会ってきます!」

ククイ「あぁ。病室では静かにな」
 ▼ 285 ーゲン◆O4/zV1DaK6 17/08/27 21:00:01 ID:i/NXjoZo [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ムーマ、いるか?」ガラガラ

マーマネ「……サトシ」

スイレン「ムーマちゃんは寝てるよ。……ククイ博士から毒のことは聞いた?」

サトシ「あぁ。でもムーマは毒に勝った。奇跡か何か知らないけど、また元気になったら一緒に遊べるんだ!」

ムーマ「ZZZ……」

サトシ「はは、いい顔で寝てるなぁ……今日も色々あったから疲れてこっちも眠くなっちゃいそうだ……」

カキ「…………」

スイレン「……ぅぅ……」

サトシ「? どうしたんだよみんな?」

マーマネ「サトシ、実はね……」

ガラガラガラ……

ジョーイ「来たわね、サトシ君。ムーマちゃんのことについてなんだけど……」

サトシ「あ、ありがとうございましたジョーイさん。お陰でムーマとまた……」

ジョーイ「サトシ君、話を聞いて!」

ジョーイ「確かに毒は、ムーマちゃんが持ち堪えてくれたお陰で解毒することができたわ。だけど……」

サトシ「……な、何ですか?まだ何か……」


ジョーイ「後遺症までは消すことはできなかったの……」

サトシ「え?」

ジョーイ「サトシ君、もし勇気があるのなら、ムーマちゃんの足を見てちょうだい」

サトシ「?」

カキ「……っ」


サトシはすやすやと寝息を立てるムーマを覆う布団を捲り、彼女の足元を見た。

そこには白いシーツとは対照的に、黒くて細い何かが二本並んで横たわっていた。


サトシ「な、何ですかこれ!?」


ジョーイ「……ムーマちゃんの『足』よ」



                     ムーマちゃんの足は毒でやられて



                       黒ずんでしまったのよ!
  ▲  |  全表示525   | << 前100 | 次100 >> |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
スレの消えている画像復旧リクエスト
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼