【SS】 サトシ(18) 「同窓会?」:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】 サトシ(18) 「同窓会?」:ポケモンBBS

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【SS】 サトシ(18) 「同窓会?」

 ▼ 1 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 22:55:22 ID:ZQoWrRkY [1/19] NGネーム登録 NGID登録 報告



◆ 夢に向かうセレナへ (http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=504910


上記SSの5年後をイメージしていますが、同作を読まなくても特に問題ありません。


 ▼ 2 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 22:56:00 ID:ZQoWrRkY [2/19] NGネーム登録 NGID登録 報告


ポケモンバトル――、それは、ポケモントレーナーの真剣勝負。

信頼するポケモンと息を合わせ、戦略を練り、臨機応変に指示を出し、全力で ぶつかり合う。

“目と目が合ったらポケモンバトル”、なんて言葉も存在し、ポケモンバトルは、トレーナーにとって挨拶のようなものだ。


そして、そんなポケモンバトルに“職業”として関わる人間が、この世界には存在する。

ポケモンバトルを教えるトレーナーズスクール講師。バトル大会を取り計らう運営会社社員。公式大会の審判員。などなど。

その中でも一目置かれ、ひときわ注目され、発言力の高い職種と言う物がある。


それは――。




 サトシ(18) 「これで終わりだ! ピカチュウ“10万ボルト”!」

 ピカチュウ 「ぴぃぃぃかぁぁぁちゅううぅぅぅぅぅ!」

 モブ子 「ぁぁっ……ベイリーフ……!?」

 審判 「ベイリーフ、戦闘不能。よって勝者、ジムリーダー、サトシ!」


審判が旗を上げて、サトシの勝利を宣言した。

まだ旅に出て数か月と言った感じの少女のポケモン――ベイリーフは、ピカチュウの電撃に あえなく敗れ去った。
 ▼ 3 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 22:58:00 ID:ZQoWrRkY [3/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「よし! よくやったぞピカチュウ」

 ピカチュウ 「ぴかぁ!」

 モブ子 「うぅっ……戻って、ベイリーフ」

 サトシ 「バトルお疲れさま。君のベイリーフ、良い感じに育てられてるね」

 モブ子 「ありがとうございます。けどっ、負けちゃいました……。電気ワザの効果は今一つなのに」

 サトシ 「そこだよ」

 モブ子 「えっ?」

 サトシ 「一生懸命特訓して強くなれば、相性なんて引っくり返せるんだ。君のベイリーフの、こう……“攻めてやる!”って気持ちは伝わってきたし、そういう姿勢、オレ大好きだぜ」 ニカッ

 モブ子 「ぁっ……///」

 サトシ 「熱いバトルありがとな。君のその熱意があれば、もっともっと強くなれる! 是非またチャレンジしてくれよなっ」

 モブ子 「……はい! ありがとうございました、サトシさん!」
 ▼ 4 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:00:00 ID:ZQoWrRkY [4/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
負けて落ち込んでいたと思われるチャレンジャーは、パッと明るい顔になって、ジムから出て行った。

そんな彼女の背中を見送って、サトシは一息つく。


 サトシ 「ふぅ……。良いバトルだったな」

 ピカチュウ 「ぴか」

 サトシ 「あの熱い気持ちにバッジを渡したいけど、気持ちだけでバッジは渡せないし……、なんか もどかしいよなぁ」

 ピカチュウ 「ぴぃかぁ〜」


 審判 「お疲れ様ですサトシさん」

 サトシ 「お疲れさまです。今日も審判ありがとうございました」

 審判 「いえ。それより、ジムリーダー協会から連絡が入ってましたよ。ジム戦が終わり次第、連絡欲しいと」

 サトシ 「……あぁ、そうだった。分かりました」


サトシはバトルフィールドを後にして、バックスペースの事務所へと向かった。

ジムはバトルだけでなく、様々な事務作業がある。

地方によっては副業として、水族館や洋服のデザイン、遊園地が併設されている場合もあるが、サトシがジムリーダーを務める、ここ“イフクジム”は、通常形態のジムの一つだ。
 ▼ 5 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:02:00 ID:ZQoWrRkY [5/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 職員A 「あ、サトシさんお疲れ様です」

 サトシ 「お疲れさまです。ジムリーダー協会に連絡しないと……」

 職員B 「サトシさん、もしかしてアレですか? まだ先月の報告書……」

 サトシ 「……はい」

 職員A 「ははは……。サトシさん、そういう事務処理は苦手ですもんね」

 サトシ 「うぅ……お恥ずかしい」

 職員B 「出来ることならこっちで やってあげたいんですけど、全部が全部、事務方の書類じゃないですからねぇ……」

 職員A 「そうですよね。ジムリーダーはバトルに専念するべきなのに」

 サトシ 「いや……、こういう仕事もあるって聞いてましたし、オレの手際が悪いからですよ。とにかく連絡を……」


ジムリーダー協会に連絡を取ったサトシ。

内容は、ジムリーダー協会本部への“お呼びだし”だった。


 ▼ 6 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:04:05 ID:ZQoWrRkY [6/19] NGネーム登録 NGID登録 報告




サトシがカロス地方を旅してから、5年が経った。

ポケモンリーグ準優勝と言う好成績をおさめたサトシは、その後、休息期間を取り、再び旅に出かけている。


旅先は、“トウエツ地方”。

このSSのストーリー上、特段詳しく説明するようなものでもないが、地理的には日本の東北地方と北陸地方に当たる、架空の地方である。


ゼロからスタートを切ったサトシは、自分の精神を鍛えるためにも、初めて一人旅に挑戦した。勿論、ピカチュウは一緒だが。

数々の試練を乗り越え、8つのジムを攻略し、ポケモンリーグに挑戦。そこで見事、優勝を勝ち取ったのだ。


“ポケモンマスターになる”と言う夢を持つサトシにとって、リーグ優勝は、大きな区切りとなった。

と同時に、次に目指すべきものは何か、と言う課題に直面する。


ジムリーダー協会から声がかかったのは、正に、そんな時だった。



 ▼ 7 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:06:00 ID:ZQoWrRkY [7/19] NGネーム登録 NGID登録 報告


 サトシ 「……着いた。ジムリーダー協会」

 ピカチュウ 「ぴか……」


その日の夕方、サトシはジムリーダー協会トウエツ支部に足を運んだ。

ここは、各ポケモンジムの運営を取りまとめている組織で、全てのジムリーダーは、この協会に帰属する。


 サトシ 「あぁ〜また怒られるんだろうなぁ」

 ピカチュウ 「ぴかぴっかぁ!」

 サトシ 「分かってるよ、オレが悪いのは。でも、書類とかそういう細かいこと苦手だし……、まさかジムリーダーが、こんなに大変な仕事だとは思わなかったよなぁ」

 ピカチュウ 「ぴぃか」

 サトシ 「“やります”って言った手前、遣り遂げるしかないけど……、こう何回も呼び出し喰らっちまうとなぁ……」

 ピカチュウ 「ぴかぴぃ」

 ▼ 8 マワリ@メカニカルメール 17/08/01 23:06:39 ID:XHKp/dXs NGネーム登録 NGID登録 報告
おじさん支援しちゃおうかな
 ▼ 9 ローゼル@スチールメモリ 17/08/01 23:07:44 ID:q5hYm5oQ NGネーム登録 NGID登録 報告
おお!支援
 ▼ 10 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:08:00 ID:ZQoWrRkY [8/19] NGネーム登録 NGID登録 報告




その当時、ジムリーダー協会がサトシに声をかけた理由――、それは、ジムリーダーへの勧誘だった。

丁度その頃、トウエツ地方イフクタウンにある“イフクジム”ジムリーダーが、トウエツ四天王への昇格を果たした。

当然、イフクジムのジムリーダーが不在となることから、その年のトウエツ地方ポケモンリーグ優勝者であるサトシに、声がかかった訳だ。


単にリーグ優勝者だから、と言う訳では無く、サトシの これまでのリーグ成績も、当然勘案されている。

そして何より、ホウエンチャンピオンのダイゴ、シンオウチャンピオンのシロナ、カロスチャンピオンのカルネ、以上3名がサトシのジムリーダー勧誘に前向きな姿勢を示したため、話が早く進んだ。

“3人のチャンピオンに推薦されるサトシは何者なのか”とポケモンリーグ協会内で話題になったのは、余談である。


当然この話を、サトシは快諾した。

ジムリーダーになると言うことは、彼の夢、ポケモンマスターに近づくことは明白で、かつ、バトル好きなサトシが断る理由は無かった。


ジムリーダーと言っても、仕事はバトルだけでなく、報告書や定例会議など事務作業も多数ある。

当然サトシも それを把握しており、説明を受け、その上でジムリーダーと言う職に就いた訳だが、現実は、思ったほど簡単なことではなかったらしい――。



 ▼ 11 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:10:00 ID:ZQoWrRkY [9/19] NGネーム登録 NGID登録 報告


 会長 「サトシ君。呼ばれた理由は分かるね?」

 サトシ 「……はい。先月分の提出書類、遅れてしまって申し訳ありません」


ジムリーダー協会の応接室に通されたサトシは、会長に頭を下げた。

ジムリーダーとしての仕事のうち、“バトル以外”の部分で、サトシは大苦戦。特に書類関係の事務作業については、期限を遅れることが常態化していた。


 会長 「ジムリーダーに なったばかりで大変なのは分かる。しかし、こうも事務方が遅れてしまっては、こちらも困るんだ」

 サトシ 「はい」

 会長 「そうして遅れて提出された書類には、不備も目立つ。見直しすれば気付くレベルのミスも多い」

 サトシ 「うぅ……」

 会長 「協会は、8つのジムの提出書類を取りまとめる立場なんだ。サトシ君の遅れは、他のジムにも迷惑がかかっているんだ」

 サトシ 「はい。分かっています。本当に申し訳ないです……」

 会長 「それは何度も聞いている。もっと抜本的な対策をして貰わないと困ると言ってるんだ」

 サトシ 「でもっ……あ、ですが、ジム戦のチャレンジャーに恥じないようにバトルの特訓をしていると、どうしても書類とかに手を回す時間が足りなくなってしまって……」

 会長 「それでも他のジムリーダーたちは きちんと期限を守ってる。サトシ君だけ特別扱いする訳にはいかないんだ」

 サトシ 「……ごもっともです」
 ▼ 12 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:12:00 ID:ZQoWrRkY [10/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 会長 「……はぁ。勿体ないとは思わないか? チャレンジャーから見た、サトシ君のジムリーダーとしての評価は、とても高いんだ。むしろ、ジムリーダーに なったばかりでここまで評価が高いのも珍しい」

 サトシ 「評価……ですか」

 会長 「ジムリーダー協会が公認している訳ではないが、とある雑誌で、ジムリーダーを対象にした特集が組まれていたんだ」

 サトシ 「ジムリーダーの特集ですか?」

 会長 「あぁ。定期的にジムリーダー特集を組んでる雑誌なんだ。その中のアンケートで……、これはまぁ、実物を見た方が早いだろう」


そう言うと会長は、応接室の隅にある本棚の前に向かう。

ポケモン関連の書籍の一角に雑誌が固められていて、その中の一番端、恐らく最新号を手に取って、サトシに渡した。


 会長 「見てみなさい。折り目が付いてるページだ」

 サトシ 「はい。えっと……」


ページをめくっていくと、確かに“ジムリーダー特集”なる項目が。

ジムリーダーのポケモンや、ジムのデザイン、チャレンジャーの声などが記事にされている。

その中で、特集の そこそこの分量が使われたアンケートコーナーがあった。

 ▼ 13 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:14:00 ID:ZQoWrRkY [11/19] NGネーム登録 NGID登録 報告


【アンケート】(抜粋)



◆ 男子に人気のジムリーダー、ベスト5!

 1位 : フウロ

 2位 : スズナ

 3位 : アカネ

 4位 : ツクシ

 5位 : ミカン



◆ 女子に人気のジムリーダー、ベスト5!

 1位 : マツバ

 2位 : ミクリ

 3位 : サトシ

 4位 : デンジ

 5位 : トウキ



◆ 熱いバトルのジムリーダー、ベスト5!

 1位 : アスナ

 2位 : サトシ

 3位 : コルニ

 4位 : スズナ

 5位 : マキシ



◆ ミステリアスなジムリーダー、ベスト5!

 1位 : ゴジカ

 2位 : アーティ

 3位 : マツバ

 4位 : ナツメ

 5位 : マーシュ
 ▼ 14 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:16:00 ID:ZQoWrRkY [12/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
◆ 一緒に働いてみたい(門下生になりたい)ジムリーダー、ベスト5! <男女混合回答>

 1位 : サトシ

 ┗ とにかく熱いバトルが気持ち良い。こんな人と特訓して強くなりたい!

 ┗ リーグ優勝からのスカウトは、まさしく一般トレーナーの希望の星!

 ┗ 熱いバトルに可愛いピカチュウのギャップにキュンとしちゃう!


 2位 : カミツレ

 ┗ 事務が遊園地なんて最高!

 ┗ モデルのジムリーダーなんて斬新だし素敵!

 ┗ 魅力的なボディからのダジャレは笑う。



 3位 : コルニ

 ┗ メガシンカと深い関わりを持つ由緒正しきジムだから。

 ┗ ルカリオとの深い絆を見て、自分もそんな風になりたいって思った。

 ┗ 強さ、熱さ、活発さが揃ったコルニは、まさにジムリーダーって感じ!


 4位 : ホミカ

 ┗ バンドのジムは盛り上がる!

 ┗ 毒ポケ使いの女の子ってのがシビれる!

 ┗ チャレンジャーにモモンの実を提供する優しさに惹かれました。


 5位 : マーシュ

 ┗ バトルフィールドの大型スクリーンが幻想的。

 ┗ 振袖が可愛い! 私も振袖でバトルしたい!

 ┗ ポケモンと話せるようになれるかも!


 ▼ 15 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:16:30 ID:ZQoWrRkY [13/19] NGネーム登録 NGID登録 報告


 サトシ 「……こんな結果になるんですね」

 会長 「正直こちらも驚いてるよ。特にサトシ君は、まだジムリーダーなって間もないのに、“女子に人気”と“熱いバトル”でランクインだ。しかも、“一緒に働きたい”は1位」

 サトシ 「それは驚きです」

 会長 「それだけサトシ君のバトルは、チャレンジャーを惹きつけ、奮い立たせるものがあるんだろう。協会としても、サトシ君には頑張って貰いたいし、今後に期待しているんだ」

 サトシ 「はい」

 会長 「しかし、事務作業も立派な仕事だし、他のジムリーダーは問題なく仕上げている。サトシ君だけ特別扱いすることは出来ない」

 サトシ 「はい……」

 会長 「ひとまずサトシ君。今日は終わりにするから、早急に先月分の書類を提出してくれたまえ」

 サトシ 「分かりました」

 会長 「くれぐれも、チャレンジャーたちの想いと、協会側の期待を無駄にしないように、よろしく頼むよ」

 サトシ 「はい……、よく考えます」

 ▼ 16 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:17:00 ID:ZQoWrRkY [14/19] NGネーム登録 NGID登録 報告


ジムリーダー協会から、ジムに戻って来たサトシは、事務室のデスクに向かった。

時刻は20時をまわっており、一般職員は既に退社している。


 サトシ 「はぁ……。少しでも進めないとなぁ」

 ピカチュウ 「ぴかぴ」

 サトシ 「ごめんなピカチュウ。今日は残業だ」


パソコンを開き、提出書類のフォーマットを呼び出す。

勤務管理や経理、報道資料などは事務方職員が作成するが、ジム戦の報告書類、チャレンジャーの情報集計、ポケモンの状態などの書類は、サトシが作成する。

逆に、それらはジムリーダーであるサトシにしか作成できない書類だ。


 サトシ 「オレが人気のジムリーダーか……」


キーボードを叩きながら、サトシは呟く。

彼自身は、チャレンジャーと熱いバトルを繰り広げ、率直な感想をアドバイスとして伝えると言う、ジムリーダーの基本的な仕事を こなしているとしか考えていない。

それだけでアンケートの上位にランクインするなんて実感は無い訳だ。
 ▼ 17 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:17:30 ID:ZQoWrRkY [15/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「……確かに、チャレンジャーの数、だんだん増えてるような気がする」


先代ジムリーダーと交代した当初は、それなりの数のチャレンジャーが現れた。

しかし、それは新ジムリーダーの“お試し”、“お手並み拝見”的な意味合いが強かったのか、しばらくすると、チャレンジャーの数は落ち着いてきた。

けれどその後、じわじわとチャレンジャーの数が増えはじめ、今では、“待ち”と“予約”が入ることも珍しくない。


 サトシ 「雑誌に載ったせいだったのかな。……あ、固まった!?」


突然、キーボードの文字入力が受け付けなくなる。

画面の右下には、特徴的なアイコンが。


 サトシ 「……またかよ。ったく、“プログラムの更新”が入ると すぐ固まるんだよなぁ!」


サトシはパソコンから目を離し、オフィスチェアに思いきり寄り掛かった。

足を伸ばし、手は ぶらりと下げ、目を瞑る。


 サトシ 「バトルは好きだけど……、オレ、向いてないのかな」

 ピカチュウ 「ぴかぴぃ……」
 ▼ 18 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:18:30 ID:ZQoWrRkY [16/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
チャレンジャーが増えれば、その分、報告書の数は多くなる。

報告書の数が多くなると、その分、事務作業の時間が長くなり、その作業が終わらない間に、次のチャレンジャーが現れる――、そんなループが、サトシに降りかかっていた。


 サトシ 「せっかく来てくれたチャレンジャーの挑戦、やっぱり全部 受けたいもんな」

 ピカチュウ 「ぴかぁ」

 サトシ 「でも、そのせいで報告書を進める時間が……って、単にオレ、報告書から逃げてるだけだよなぁ」

 ピカチュウ 「ぴかぴ……ぴかぴぃか」

 サトシ 「ごめんな、情けなくて。とにかく報告書、進めないとな」


サトシは再度、パソコンに向かう。幸いプログラム更新は終わっていた。

チャレンジャーとのバトルを理由に、報告書から目を背けていたことは、サトシ自身も分かっていたようだが、苦手なことを後回しにしてしまうのは、人間の“性”だろう。


その後、日付が変わるまで、サトシは報告書の作成に取り組んだ。



 ▼ 19 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:19:00 ID:ZQoWrRkY [17/19] NGネーム登録 NGID登録 報告


 サトシ 「……けど全然終わる気がしねぇ!」

 ピカチュウ 「ぴかっ!?」


午前0時40分、サトシが声を上げた。

バトル報告の数が多すぎて、終わりが見えてこないのだ。


 サトシ 「うぅ……、1日5戦もチャレンジャー受け付けてたら、そりゃ報告書も溜まるよ! もっと計画的に受け入れるんだった!」

 ピカチュウ 「ぴかぴ……」

 サトシ 「考えてみたら、オレたちが旅してた頃って、ジム戦の先客が居たら、次の日まで待たされてたじゃん! それが普通なんだよ! オレの運営がダメだったんだよ!」

 ピカチュウ 「ぴかぴぃか」


深夜のテンションなのか、サトシの感情がヒートアップする。

眠たそうなピカチュウは、律儀に彼に付き合う。


ジムリーダー協会として、1日のチャレンジャー受け入れ人数に特に制限は無いが、ポケモンの負担にならないよう、ジムリーダー自身の判断で設定する必要がある。

なのでジムによっては、1日1組しか受け入れない所もあり、一方で、バトルを簡略化して、十数件も受け入れる所もある。


サトシが定めている1日5件のチャレンジャー受け付けは、ポケモンたちの負担とバトルのクオリティを両立した、ギリギリのラインなのだ。
 ▼ 20 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:19:30 ID:ZQoWrRkY [18/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「そもそも月初めの方のバトル、いまいち覚えてないし……、これ受け入れ態勢 考えないとマズいことになるぞ」

 ピカチュウ 「ちゃぁぁぁ〜」 アクビ

 サトシ 「……仕方ない。チャレンジャーには悪いけど、2、3日、ジム休みにしよう。一気に報告書を終わらせないと」

 ピカチュウ 「ぴか」

 サトシ 「ふぁぁ……、そうと決まれば今日は寝よう。夜更かしより、明日を有効に使うべきだよな」

 ピカチュウ 「ぴぃか」

 サトシ 「じゃあ、おやすみピカチュウ」


サトシは立ち上がると、ヨロヨロと応接ブースに向かう。

そしてソファに倒れ込むと、そのまま眠りについた。







 ▼ 21 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/01 23:20:00 ID:ZQoWrRkY [19/19] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 22 マサラ人3◆etyxjFp636 17/08/01 23:48:18 ID:6v02iSyk NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
甲州街道さんの新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

支援
 ▼ 23 ケンカニ@レンズケース 17/08/02 00:29:38 ID:z7MNOVsU NGネーム登録 NGID登録 報告
今までのこの人のSS一覧みたいなのがほしい
 ▼ 24 ョロボン@ピジョットナイト 17/08/02 00:43:52 ID:swZ4x5EI NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
セレナはどうした
 ▼ 25 クタス@おおきなキノコ 17/08/02 10:04:19 ID:05f3oyxk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 26 ヤップ@ヒレのカセキ 17/08/02 10:09:11 ID:oNDarBwA NGネーム登録 NGID登録 報告
>>24
後で出て来るやろ

支援
 ▼ 27 カルゲ@リゾチウム 17/08/02 10:20:54 ID:dOi8hboU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 29 ジスチル@しんじゅ 17/08/02 16:36:54 ID:DakkOQzM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
甲州街道さん、頑張って下さい。
支援
 ▼ 30 ジアイス@ネットボール 17/08/02 16:54:00 ID:AGLJ91bc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 31 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/02 20:15:00 ID:B3p3wl4U [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告


3日後、21時25分。


 サトシ 「やっと……、終わった……」

 ピカチュウ 「ぴっかぁ!」


ようやくサトシは、先月分の提出書類を仕上げた。

規定に則り、印刷した書類をPDFに落とし込んで、ジムリーダー協会にメール送信。原本は翌日郵送できるよう、封筒に入れておく。


 サトシ 「だいたい、この提出方法も無駄が多いんだよなぁ」


そんな不満を漏らすサトシの本心は、達成感より、罪悪感の方が勝っていた。

ジムリーダー協会に対してでは無い。チャレンジャーに対してだ。

結局ジムは休みにしてしまったせいで、それを知らずに訪れたチャレンジャーが沢山居た。

窓の外から聞こえるチャレンジャーの残念そうな声は、サトシの耳に痛いほど届いており、申し訳なさを感じずには いられなかったのだ。
 ▼ 32 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/02 20:16:00 ID:B3p3wl4U [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「これからも……、こんなこと続くのかな……」


サトシ自身が提出書類を貯めこまなければいいのだが、彼の性格上、どうしても避けれない部分がある。

そのたびにジムリーダー協会から怒られ、チャレンジャーに迷惑をかける日々と言うのは、サトシにとって苦痛でしかない。


 サトシ 「オレ、ホントにこのままで……」

 ピカチュウ 「ぴぃかぁ……」



  ≪ ♪ ウチュウノハテガークラヤミナラバ〜 ≫



 サトシ 「……電話か。もしもし?」


突然鳴り響いた電話を、サトシは特に何も考えずに取る。

この時間、ジムリーダー協会は閉まっているはずだから、仕事関連の連絡でないことは確かだ。


 ― タケシ 『おぉサトシ。オレだよ』

 サトシ 「タケシ! 1か月ぶりだな」
 ▼ 33 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/02 20:17:00 ID:B3p3wl4U [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
電話の相手はタケシ。サトシにとって、ピカチュウの次に長い付き合いの存在だ。

2人の仲は深く、旅を終えた後でも、時々こうして電話で話しており、サトシは それを楽しみにしている。


 ― タケシ 『どうだ、ジムの方は? やっぱりまだ慣れないか?』

 サトシ 「あぁ。なかなか上手いこと行かなくてさ……、ホント、タケシやカスミを尊敬するぜ」

 ― タケシ 『焦ることないさ。サトシはジムリーダー協会から推薦されてジムリーダーになったんだ。もっと自信を持てよ』

 サトシ 「それはそうなんだけど……、自信だけじゃダメなこともあるんだな〜って、思い始めてさ」

 ― タケシ 『……やっぱりサトシ。悩んでたのか』

 サトシ 「“やっぱり”?」

 ― タケシ 『バトル好きなサトシが3日もジムを休みにするなんて、何かあったんじゃないかと思ってな』

 サトシ 「……へへっ。流石タケシ、お見通しか」

 ― タケシ 『オレで良かったら聞くぞ? 何があったんだ?』

 サトシ 「サンキュー。実はオレ、ジムリーダーに向いてないんじゃないかって……」
 ▼ 34 ケニン@デンリュウナイト 17/08/02 20:17:39 ID:ndXd7hlY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 35 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/02 20:19:00 ID:B3p3wl4U [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシは電話口で、今の自分の状況、心境を語った。


ジムリーダーは やりがいがあるし、チャレンジャーとのバトルも楽しい。

けれど、書類関係の事務方作業が苦痛になっていて、ジムリーダー協会から忠告を受けている。

そう言いつつも、雑誌の各アンケートで何故か上位にランクインしており、複雑な気持ちになってしまう。


長年ともに旅したタケシだからこそ、サトシは包み隠さず、自分の全てを伝えた。




 ― タケシ 『なるほどな』

 サトシ 「……難しいんだな、ジムリーダーって」

 ― タケシ 『……そうだサトシ。同窓会、開かないか?』

 サトシ 「同窓会?」

 ― タケシ 『あぁ。今までの旅の仲間を集めて、近況報告会だ』

 サトシ 「確かに みんなと会いたいけど……、でもオレこんな状況で……、みんなと会わす顔が無い」

 ― タケシ 『なに言ってんだ。ジムリーダーになったこと自体、大出世みたいなものだぞ? それだけで誇れることだ』

 サトシ 「こんな状況でも誇れるのか?」

 ― タケシ 『誇れる。たまたま今は上手く行ってない時期なのさ。そんな思い悩むより、仲間の現状を聞いて、お互い励まし合えば、きっと気持ちが軽くなるぞ?』

 サトシ 「う〜ん……」
 ▼ 36 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/02 20:20:00 ID:B3p3wl4U [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ― タケシ 『考えてみろ? お前の仲間に、上手く行ってないことを馬鹿にする奴が居るか?』

 サトシ 「あっ!」

 ― タケシ 『だから大丈夫さ。開こうぜ、同窓会!』

 サトシ 「……そうだな!」

 ― タケシ 『決まりだな。オレが音頭を取るから、しばらく待っててくれないか? 遅くとも……、来週の月曜までには追って連絡するぞ』

 サトシ 「あぁ。ありがとなタケシ。オレのために」

 ― タケシ 『水臭いこと言うなよ、オレとお前の仲だろ?』

 サトシ 「へへっ」

 ― タケシ 『じゃあ……、早く寝ろよ。明日からジム、開けるんだろ?』

 サトシ 「あぁ。流石に4日も連続で休む訳には いかないしな」

 ― タケシ 『そうだな。……それじゃあ、またな』

 サトシ 「おう。楽しみにしてるぜ!」
 ▼ 37 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/02 20:21:00 ID:B3p3wl4U [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
電話を終えたサトシの心は、スーッと軽くなっていた。

信頼するタケシに現状を話せて、昔の仲間と会える方向に進みつつある――、今のサトシにとって、これ以上ない特効薬だ。


 サトシ 「ピカチュウ、久々に みんなと会えるんだぜ」

 ピカチュウ 「ぴぃっかぁ!」

 サトシ 「……よし! それまでジム戦と報告書、頑張らないとな!」


サトシは ずっと前向きな気持ちになって、ジムの近くに借りてるマンションへと帰宅した。

そして、万全の態勢でチャレンジャーを受け入れるよう、早めに眠りについた。




 ▼ 38 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/02 20:22:23 ID:B3p3wl4U [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告


タケシから再度連絡があったのは、約束通り、週が明けた月曜の夕方だった。


流石タケシと言うべきか、彼は ほとんどの段取りを済ませていた。

開催は週末、つまり、今度の日曜日。

場所はサトシの故郷、マサラタウン――の、サトシの旅立ちの原点、オーキド研究所。


 サトシ 「流石タケシだよな。こんな短期間に、何人に声かけたんだろう」

 ピカチュウ 「ぴか」


誰が来るかは、当日のサプライズらしい。

みなの都合もあるので、旅仲間全員が揃うことは無理だろうが、それでも日程調整にしてくれたタケシには頭が下がる。しかも、わざわざ田舎町のマサラタウン開催で。


 サトシ 「なんにせよ楽しみだな。みんな、いま何してるんだろう……」


タケシとは連絡を取り合っていたサトシだが、他の仲間とは、全くと言って良いほど繋がりが無かった。

それは、サトシ自身が新たな旅を続けてきたからでもあるし、ジムリーダーと言う職に就いてからの余裕の無さも原因だった。


 サトシ 「とにかく日曜日……、日曜日だ!」




 ▼ 39 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/02 20:23:00 ID:B3p3wl4U [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 40 ムリット@たてのカセキ 17/08/02 20:23:31 ID:mOnCec/k NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 41 ャスパー@ヨロギのみ 17/08/02 20:47:18 ID:nLwV8L9Q NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 42 イバニラ@しんぴのしずく 17/08/03 07:17:07 ID:6T6YdJMc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
さあ誰が集まるのか
 ▼ 43 リン@おとどけもの 17/08/03 13:15:50 ID:u6QniQfA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
着信音が草。支援
 ▼ 44 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:03:33 ID:KsQQzOGE [1/13] NGネーム登録 NGID登録 報告


迎えた日曜日。


前日の夜にマサラタウンに帰って来たサトシは、久々にハナコと家族水入らずの時間を過ごした。

そして朝食を食べ終わるとすぐ、会場となるオーキド研究所へと向かった。


 サトシ 「おはようございまーす!」

 ピカチュウ 「ぴかぴかー!」

 オーキド(61) 「おぉサトシ、待っとったぞ。ピカチュウも元気そうじゃな」

 サトシ 「お久しぶりです博士。今日は お世話になります」

 オーキド 「うむ。たまには旧友と語らって、日頃の疲れを休めると良い」

 サトシ 「はい。ところで、もう誰か来てますか?」

 オーキド 「お前さん、まだ9時じゃぞ。あいにく誰も着いておらんし、シゲルも まだ寝ておる」

 サトシ 「そうですか。……じゃあ、皆と会ってきます」

 オーキド 「それが良い。ポケモンたちも喜ぶじゃろう」

 サトシ 「よ〜し行くぞピカチュウ!」

 ピカチュウ 「ぴか!」
 ▼ 45 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:05:00 ID:KsQQzOGE [2/13] NGネーム登録 NGID登録 報告





サトシがポケモンたちに会いに行った、約1時間後。

1台の車が、オーキド研究所に到着した。


 タケシ(23) 「ほら着いたぞカスミ」

 カスミ(18) 「ふぁぁ……ありがとタケシ。熟睡できたわ」

 タケシ 「本当、オレが運転中ずっと寝てたよな」

 カスミ 「安心してるってことよ。ほら、サトシもう来てるんじゃないの?」

 タケシ 「そうだな。じゃあ行くか!」 ドサッ

 カスミ 「それにしても、凄い量の食材買ったわね〜」

 タケシ 「久々にオレの手料理を振る舞ってやるからな」

 カスミ 「ふふっ。それだけでも来た甲斐があったわ」

 タケシ 「ごめんくださーい」 ピンポーン
 ▼ 46 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:10:00 ID:KsQQzOGE [3/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シゲル(18) 「あぁ、いらっしゃい。待ってましたよ」

 タケシ 「久しぶりだなシゲル。急な連絡なのに場所を提供してくれて感謝してるぞ」

 シゲル 「いえ。久々にサトシがマサラに戻って来るんですから、これくらいしないと」

 タケシ 「流石、“オーキド博士”だな」

 カスミ 「あ、そっか。シゲルがオーキド博士の名前を引き継いだんだっけ」

 シゲル 「あぁ。シンオウで勉強して、ようやくオーキド博士の名に恥じない知識を身につけたと思ってね」

 タケシ 「研究職は大変だな」

 カスミ 「でもそうすると、今のオーキド博士は?」

 シゲル 「この研究所の名誉顧問さ。僕が二代目オーキド博士になっても、変わらず研究を続けてるよ」

 カスミ 「へ〜。流石ね」

 タケシ 「“シゲル博士”とでも呼んだ方が良いか?」

 シゲル 「それは任せますよ。……立ち話もアレですから、どうぞ中へ」
 ▼ 47 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:18:02 ID:KsQQzOGE [4/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
同窓会は、研究所の大会議室で行うらしい。

早速タケシはキッチンを借り、料理の準備を始める。カスミとシゲルは会議室を掃除する。




 トオル(18) 「お邪魔しまーす」

 カスミ 「あら懐かしい顔!」

 トオル 「カスミじゃないか。久しぶりだね。水中ショー人気って聞いてるよ」

 カスミ 「ありがとう。トオルの方も野生ポケモンの写真集、売れてるみたいじゃない。流石プロね」

 トオル 「長い道のりだったよ。やっぱりアマとプロは世界が全然違うね」

 カスミ 「ホントよね」

 トオル 「ところでサトシは?」

 カスミ 「ポケモンたちの所よ。久々に会って楽しんでるんじゃないかしら?」

 トオル 「なるほど。そんなサトシを撮りたい気持ちは山々だけど、ここは僕も手伝おうとしようかな。掃除、変わるよ」

 カスミ 「ホント!? じゃあ私も料理を……」

 タケシ 「カスミ、料理のことは気にするな」

 トオル 「やぁタケシ!」

 タケシ 「久しぶりだなトオル。例の写真集、オレも買わせて貰ったよ」

 トオル 「それは ありがとう。タケシはドクターになったんだよね? やっぱり大変かい?」

 タケシ 「そりゃあ、命を預かってる訳だからな。けど、遣り甲斐の方が大きい仕事さ」

 トオル 「流石だね、タケシ」
 ▼ 48 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:25:28 ID:KsQQzOGE [5/13] NGネーム登録 NGID登録 報告




 デント(21) 「ごめんください」

 タケシ 「おぉデント! 待ってたぞ」

 デント 「久しぶりだねタケシ。あのとき以来か」

 タケシ 「そうだな」

 デント 「……う〜ん、食欲をそそる優しい香り、シチューの準備中かい?」

 タケシ 「あぁ。旅してた時、よく作ってたからな」

 カスミ 「タケシのシチューは絶品よね」

 デント 「それじゃあ僕も料理を手伝うよ。大人数になるんだよね?」

 タケシ 「あぁ、助かる」

 カスミ 「だから私も手伝うって。遠慮しないでタケシ」

 タケシ 「いや、遠慮と言うか……大丈夫なのか、カスミ?」

 カスミ 「バカにしないでよ。18にもなって料理がダメなんて、女の子 失格よ」

 デント 「カスミさん……と言うんだね。是非手伝ってよ。やっぱり女の子の料理は花があるからね」

 カスミ 「えぇ、喜んで!」

 タケシ 「大丈夫かカスミ……」
 ▼ 49 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:27:00 ID:KsQQzOGE [6/13] NGネーム登録 NGID登録 報告




それからおよそ1時間後。

ポケモンたちと触れ合っていたサトシが戻って来た。


 サトシ 「いや〜みんな元気そうだったな」

 ピカチュウ 「ぴっか」




 タケシ 「やっと主役の登場か」

 カスミ 「待ちくたびれちゃったわよサトシ」

 サトシ 「おっ……みんな!」

 ピカチュウ 「ぴっかぁ!」


サトシとピカチュウを迎え入れる、懐かしい面子が、そこに集結していた。
 ▼ 50 ガカメックス@はいぶくろ 17/08/03 23:28:09 ID:yQpFMs8c NGネーム登録 NGID登録 報告
トオルとか懐かしいキャラだなあ
 ▼ 51 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:30:01 ID:KsQQzOGE [7/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シゲル 「まったく変わらないねサトシは」


サトシの幼頃からのライバル、シゲル。


 トオル 「でもそのお陰で懐かしさ倍増だね」


ポケモンカメラマン、トオル。


 ヒロシ(18) 「久しぶり、サトシ。ピカチュウ」

 レオン 「ぴっか!」


セキエイリーグで共に戦った戦友、ヒロシとピカチュウのレオン。


 ナナコ(18) 「サトシはん相変わらずやな!」


阪神ファンの活発な女の子、ナナコ。


 ハルカ(18) 「久しぶりかも。ミクリカップ以来よね、ヒカリも!」


今やホウエンの舞姫と呼ばれる実力派コーディネーター、ハルカ。


 ヒカリ(18) 「えぇ。久しぶりに皆と会うの、すっごく楽しみだったんだから」

 ポッチャマ 「ぽちゃぁ!」


こちらもコーディネーター、シンオウを旅したヒカリ。


 デント 「Fantastic! 旅した仲間が一堂に会する……、芳醇なマリアージュだね」


各種ソムリエの異名を持つジムリーダー、デント。


 サトシ 「みんな久しぶりだなぁ!」

 ピカチュウ 「ぴかぴぃかぁ!」
 ▼ 52 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:33:33 ID:KsQQzOGE [8/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
共に旅した仲間と、旅の途中で出会った仲間。

これだけの人数が集合するのは、サトシにとっても他の面子にとっても、初めてのことだった。


 タケシ 「あと、カロスからのメンバーが まだなんだ。飛行機が遅れてるらしくてな」

 サトシ 「そうなのか。誰が来るかサプライズって聞いてたけど……、これだけ揃うとは思わなかったぜ。流石タケシ!」

 タケシ 「長い付き合いなんだ。お前のためなら一肌脱ぐさ」

 サトシ 「けど、どうやって連絡取ったんだ? タケシはデントやシトロンとは会ったことないだろ?」

 デント 「実は面識あるんだけどね」

 サトシ 「そうなのか?」

 タケシ 「後になって分かったことなんだけどな。……連絡は、ジムリーダー協会を活用したのさ」

 サトシ 「えっ? ジムリーダー協会を?」

 タケシ 「あぁ。サトシが出場したリーグは分かってるから、ジムリーダーたちに聞いたんだ。“サトシと一緒に居た仲間を教えてくれ”ってな」

 サトシ 「なるほど」


タケシがデントとシトロンを呼べたのは、そのような理由だった。

サトシのジム戦は奇想天外な展開が多いから、ジムリ―ターたちにも印象に残っていたのだろう。
 ▼ 53 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:35:10 ID:KsQQzOGE [9/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
 タケシ 「まぁ、それはさておき、積もる話で盛り上がろうじゃないか。料理も出来てるしな」

 サトシ 「おお! 久しぶりのタケシの手料理!」

 デント 「僕の料理も忘れないで欲しいな」

 サトシ 「勿論だぜ!」

 カスミ 「今日は私も頑張ったんだから」

 サトシ 「……えっ?」



  タケシのシチュー 『懐かしさに包まれる優しい味わいだよ』 アッタカー

  デントのピザ 『絶妙な焼き加減と具材のバランスは正しくプロの仕事』 ジューシー

  カスミの何か 『見るな。まず喰え』 ギオントクニナシ



 サトシ 「……うん。変わらないな、カスミは!」

 タケシ 「オレは止めたからな」

 デント 「ノーコメント」

 カスミ 「遠慮しないで食べてね」

 タケシ 「……まぁ、まずは それぞれ近況報告と行こうじゃないか」

 サトシ 「そうだな! タケシ以外とは話すの久しぶりだし、みんなのこと色々聞きたかったんだ!」
 ▼ 54 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:36:00 ID:KsQQzOGE [10/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シゲル 「まったく。こまめに連絡くれれば いくらでも話すものを」

 サトシ 「へへっ。ジムリーダーって忙しくてさ。シゲルは確か、“オーキド博士”2代目になったんだよな」

 シゲル 「あぁ。……と言っても、今はまだ、研究の一部を引き継いだだけさ。これから博士号を取って、それからが本番だね」

 サトシ 「そうなのか」

 シゲル 「先は長いよ。春から おじいちゃん――オーキド博士と同じタマムシ大学に入学して、修士博士と、最低でも9年。本当の意味で“2代目オーキド博士”と言えるのは、それからさ」
 
 サトシ 「なんか……すげぇなシゲル」

 タケシ 「それくらい、研究職は大変ってことさ」

 カスミ 「そうよね。私だったら、9年も先のことなんて考えられないもん」

 シゲル 「それが自分で選んだ道だからね。だからサトシも、そんなすぐ一人前のジムリーダーになろうとは思わないことだね。始めから上手く行く人間なんて、滅多に居ないんだから」

 サトシ 「あぁ。サンキューな」

 ヒカリ 「けど、川柳のお孫さんが春から大学ってことは……」

 シゲル 「いい加減その呼び方は止めてくれ。僕はシゲルだ」

 ヒカリ 「えへっ。シゲルが博士課程を取るまで、ここはオーキド博士が切り盛りするんでしょ? こんな広い研究所なのに大変そうで」

 シゲル 「そこは、助手のケンジさんに手伝って貰ってるから大丈夫かな」
 ▼ 55 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:37:30 ID:KsQQzOGE [11/13] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「あ……そう言えばケンジは?」

 シゲル 「彼ならウチキド博士の所に行ってるよ」

 サトシ 「ウチキド博士……オレンジ諸島か!」

 カスミ 「懐かしいわね。そう言えばGSボールって、結局どうなったのかしらね」

 タケシ 「……聞かないでくれ」

 カスミ 「え、まだ引きずってんの?」

 サトシ 「ホント何があったんだよ。……で、ケンジは何かの研究で?」

 シゲル 「あぁ。向こうの環境下の生態の調査で、1か月の長期出張って感じだね。サトシが来てることも知らないはずだよ」

 サトシ 「そっか。なんだかケンジとは いつも会えてないんだよなぁ」

 シゲル 「だったら電話してみるかい?」

 サトシ 「お、そうだな。頼むぜシゲル」


シゲルは部屋のテレビ電話を起動させる。


しかし、呼び出し音は鳴っているものの、なかなか繋がらない。

ようやく繋がったかと思えば、映像は乱れ気味。
 ▼ 56 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:39:00 ID:KsQQzOGE [12/13] NGネーム登録 NGID登録 報告


 ― ウチキド 『ザザッ……ザッ……はいっ、ウチキド研究……でっ……ザザッ……』

 シゲル 「こんにちは。オーキド研究所のシゲルです。感度が悪いみたいですが……」

 ― ウチキド 『ごめっ……ざいね……ザッ、台風が来ててっ……アンテナがダメっ……ザザッ、みたいでっ……』

 シゲル 「そうなんですか。すみません大変な時に。ケンジに代わって頂けませんか?」

 ― ウチキド 『ケンザザッ……君ね、ちょっと……ザッ、待って。 ザザッ……ンジく〜ん?』

   ― ミナミ 『 あーアンテナ折れっ……ザァァァァァァァァ』


 < ブツン! >




 シゲル 「……あれ? 切れた」

 サトシ 「えぇぇ……」

 カスミ 「オレンジ諸島は台風なのね」

 シゲル 「察するに、アンテナが やられたようだね」

 サトシ 「せっかく久々にケンジと話せると思ったんだけどなぁ」

 カスミ 「まぁ、そのうち会えるわよ」
 ▼ 57 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/03 23:40:00 ID:KsQQzOGE [13/13] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 58 メタマ@たわわこやし 17/08/03 23:41:12 ID:rrojgQOw NGネーム登録 NGID登録 報告
ケンジwwwww
 ▼ 59 ューラ@カプZ 17/08/03 23:41:59 ID:RsDtu0P2 NGネーム登録 NGID登録 報告
ケンジは相変わらずの不遇...
支援です
 ▼ 60 クバード@スピードボール 17/08/04 01:19:21 ID:EYJd5HLc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 61 リキテル@ヤタピのみ 17/08/04 01:28:39 ID:y0FxQCNY NGネーム登録 NGID登録 報告
ケンジィ……
 ▼ 62 ルディオ@あおぞらプレート 17/08/04 06:04:57 ID:hGkcid6A NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 63 ラミドロ@ゲンガナイト 17/08/04 09:41:24 ID:pznuMIi. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援

この人のSSはケンジに恨みがあるのかってくらいケンジの扱いが不憫で草
 ▼ 64 ウカザル@むしのジュエル 17/08/04 10:06:47 ID:OwhSJ6eM NGネーム登録 NGID登録 報告
ケンゴは呼ばれなかったのか…
DP編の最大のライバルなのに
シンオウリーグでのサトシとのフルバトルは燃えたなあ
かつて捨てたゴウカザルがエンペルトを倒す演出は神
 ▼ 65 イノーズ@きいろのバンダナ 17/08/04 13:25:34 ID:iEtJPgk6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 66 ースター@うすもものミツ 17/08/04 22:17:33 ID:n.gUKiOg NGネーム登録 NGID登録 報告
安定のケンジ
 ▼ 67 ロバレル@あやしいカード 17/08/04 22:37:30 ID:INIqO5JY NGネーム登録 NGID登録 報告
改行の仕方、違和感を感じさせないキャラの勃て方、素人目ですけどすごいと思います
読むの楽しいですよ♪追いついたので支援
 ▼ 68 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:08:00 ID:igtml5g6 [1/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「そう言えばカスミは、まだ水中ショーとか やってるのか?」

 カスミ 「えぇ。ジムリーダーしながら、水中ショーの脚本覚えるの、結構くたびれるんだから」

 サトシ 「そっか。すげぇな、ジムリーダーと両立できて」

 カスミ 「それは慣れよ。サトシだって、5年もすれば立派なジムリーダーになれるわよ」

 サトシ 「遠いなオイ……」

 カスミ 「ふふっ」

 ハルカ 「カスミの水中ショーの人気、ホウエンでも話題になってるのよ」

 サトシ 「そうなのか?」

 ハルカ 「うん。カスミの人魚姫、水ポケモンたちとの演技、すっごく綺麗なんだから。この前テレビでも やってたわよ」

 サトシ 「へぇ〜。流石、“御転婆人魚”は伊達じゃないな」

 カスミ 「やめてよ恥ずかしい」

 タケシ 「そこは誇って良い所だぞカスミ」

 カスミ 「うん。……けど、長期的なハナダジムの運営のためにも、そろそろ後継を見つけてレッスンしないといけないのよね」

 サトシ 「うお……、そういうことも考えるのか」

 デント 「奥が深いんだよ、ジムリーダー職はね」
 ▼ 69 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:08:30 ID:igtml5g6 [2/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「サンヨウジムは、レストラン併設だったよな」

 デント 「そうさ。ポッドとコーンと一緒に、最高の味を提供できるように日々腕を磨いてるよ」

 タケシ 「確かイッシュだと、ほとんどのジムリーダーが副業してるんだったな」

 デント 「その通り。ジムリーダー協会からの運営費が十分とは言えないから、みんな副業の収入を充ててるのさ」

 サトシ 「へぇ〜」

 タケシ 「カントーやジョウト、それにトウエツは、協会からの運営費は問題ないけど、査察が厳しいんだ。ニビジムも監査対象になったしな」

 サトシ 「あぁ……、タケシのお父さんが書類忘れたせいでか……」

 タケシ 「まったく。親父のせいでオレとジロウが どれだけ迷惑被ったか」

 カスミ 「ハナダジムも前に監査入られちゃったわよ」

 デント 「なるほど。カントーは厳しいんだね」


 ヒロシ 「やっぱり大変だねジムリーダーは」

 レオン 「ぴか〜」

 ピカチュウ 「ぴっか」

 レオン 「ぴかぴっか」

 サトシ 「ピカチュウ、レオンと遊んできて良いぞ」

 ヒロシ 「そうだね。行っておいで」

 ピカチュウ 「ぴぃか!」

 レオン 「ぴかちゅぅ!」
 ▼ 70 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:09:00 ID:igtml5g6 [3/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ヒロシ 「けど驚いたよ。サトシがジムリーダーになったって聞いた時は」

 トオル 「そうかい? 僕は、サトシがリーグ優勝したって聞いて、いずれジムリーダーになるんじゃないかって思ってたよ。なんたってサトシの夢は、ポケモンマスターだからね」

 サトシ 「サンキュー。まだまだ未熟だけどな。……って言うか、ヒロシとトオルさっきから親しく見えるけど、2人って知り合いだったっけ?」

 ヒロシ 「知り合ってからは、2年くらいになるかな?」

 トオル 「そうだね。まさかサトシの話題が通じる相手とは、その時は思ってもみなかったよ」

 サトシ 「2年?」

 ヒロシ 「実は、僕とトオルの共同で、本を出したんだ」

 サトシ 「本を!?」

 シゲル 「知ってるよ。なかなか味のある内容で愉しめたな」

 タケシ 「オレも見たぞ。研究者顔負けの一冊だったな」

 ヒロシ 「ありがとう2人とも」

 サトシ 「なぁ、どんな本なんだ?」

 シゲル 「ジムリーダーたるもの、そういうこともチェックするべきじゃないのかい?」

 サトシ 「うぅ……」

 トオル 「ははっ」
 ▼ 71 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:09:30 ID:igtml5g6 [4/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ヒロシ 「僕たちが出したのは、ルギアの生態を調査した本なんだ」

 サトシ 「ルギアの?」

 ヒロシ 「うん。文献や現地調査を、ウツギ博士の助言を元に進めて……」
 
 トオル 「写真は僕が担当したんだ。ウツギ博士から、ルギア調査の写真撮影の依頼を受けてね」

 サトシ 「そっか……そうだったよな。ヒロシ、うずまき島でルギアの調査してたもんな」

 ヒロシ 「まさかあの時の経験が、こんな形で結びつくとは思わなかったよ」

 サトシ 「じゃあヒロシも、ポケモン研究者の道に進んだのか?」

 ヒロシ 「そんな大層な肩書は持ってないよ。言ってしまえば、フリーの研究者ってとこかな。自分の気になったことを調べて、それを学会で発表する――、大変だけど、すっごい 遣り甲斐のある日々を送ってるんだ」

 サトシ 「へぇ〜」

 トオル 「僕はフリーのカメラマンとして活動してるけど、最近はヒロシの研究に付き合うことが多いかな」

 サトシ 「そうなのか?」

 トオル 「ヒロシの研究内容は興味あるし、ポケモンの貴重な瞬間をカメラに納める達成感……、最高だよ」

 タケシ 「トオルのポケモン写真集は、かなり人気があるんだ。ドクター界でもポケモンの特徴の確認とかで使われてるし、トレーナーズスクールの教材になってるとも聞いたな」

 サトシ 「そうなのか。やっぱトオルの写真は凄いんだな」

 トオル 「へへっ。けど、今の僕があるのは、実はサトシのお陰なんだ」

 サトシ 「オレの?」
 ▼ 72 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:10:00 ID:igtml5g6 [5/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 トオル 「あぁ。僕がピカチュウの写真を撮ろうとした時、すっごく嫌がってたよね?」

 サトシ 「そうだったな。今は大丈夫だけど、あの時のピカチュウ、カメラ嫌いだったっけ」

 トオル 「それでも僕、なんとかピカチュウの良い写真を撮ろうって、盗撮しようとしたとき……」

 サトシ 「おいサラッと盗撮とか言うなよ知らなかったぞ」

 トオル 「まぁまぁ。けどその時、サトシの言葉にハッとしたんだよ。“撮られるポケモンの気持ちを考える”ってことをね」

 サトシ 「う〜ん……、言ったような、言わなかったような……」

 トオル 「確かにサトシは言ったよ。それから僕は、ポケモンを撮る心構えが変わったんだ。写真集が あれだけ売れて、プロカメラマンとして有名になれたのは、他でもない、サトシの お陰だよ。今さらになっちゃったけど、本当にありがとう」

 サトシ 「そっか。そりゃ良かったよ」

 カスミ 「ふふっ。あの時の写真、まだ飾ってるわよ」

 タケシ 「オレもだ」

 ヒロシ 「写真って、思い出を ずっと残してくれるからね」

 トオル 「そうさ。最高だよ、カメラマンって」
 ▼ 73 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:10:30 ID:igtml5g6 [6/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ナナコ 「ええなぁええなぁ、そういう関係って」

 サトシ 「ナナコは今日もエレブーズカラーだな」

 ナナコ 「当ったり前や。ウチはコガネエレブーズに人生かけてるんや。このカラーは譲れんで!」

 ハルカ 「わぁ。こんなに野球熱心な女の子、初めて見たかも」

 ヒカリ 「私も」

 ナナコ 「エレブーズファンに男も女も関係あらへん。ところで、皆はんは何処のチーム応援してまっか?」

 サトシ 「オレはGTSスターミーズだな」

 シゲル 「僕はミックスオレスバメーズかな」

 タケシ 「オレはゴールドウォーグルス」

 ヒロシ 「僕はプロ野球は あんまり……」

 トオル 「強いて言うならカナズミムクホークス」

 ナナコ 「なんやねんエレブーズファンおらんのかい!?」

 サトシ 「ははっ。相変わらずエレブーズ推しだな。ナナコは今なにしてるんだ?」

 ナナコ 「ウチは学生や。正直まだ、将来のこととか決まってへん。せやから大学で勉強して、やりたいこと見つけよう思ってな」

 サトシ 「そうなのか」
 ▼ 74 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:11:30 ID:igtml5g6 [7/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ナナコ 「だからウチ、サトシはんがジムリーダーになった聞いて、凄いなー思ったんや。同い年なのに、もう将来のこと見つけて。流石サトシはんだなって」

 サトシ 「へへっ。オレだってまだまだ未熟だし、そんな大したことないよ」

 ナナコ 「あーあ。ウチも早いとこ将来決めへんとな〜」

 サトシ 「焦ることないさ。って言うかオレ、てっきりエレブーズ関係の何かしてると思ったんだけど」
 
 ナナコ 「あぁ、エレブーズの応援団にはバリバリ入っとるで」

 サトシ 「お、そうなのか」

 ナナコ 「当然や。勉強しながら応援も全力でやる! 応援歌とコールは おっさん共にも負けへんで!」

 サトシ 「流石ナナコ。……歌わなくていいからな」

 ナナコ 「いやぁ、にしても皆はんがエレブーズファンあらへんのはショックやな〜。熱い試合と諦めない根性、キレのある投球に力強い打線! こない強いチーム、他にあらへんで!」

 シゲル 「そう言えば今、エレブーズ試合してるんじゃないか?」

 トオル 「あぁ、キャモメオーシャンズとの交流戦だね」

 ナナコ 「そやで」

 シゲル 「デーゲームだから、早ければ そろそろ終わってるかもね」

 ナナコ 「ま、当然エレブーズの勝利やで。ほなちょっくらネットで確認してみましょか」 スマホトリダシ


 ▼ 75 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:12:00 ID:igtml5g6 [8/10] NGネーム登録 NGID登録 報告


 ナナコ 「なんでや!?」



 ヒカリ 「まぁまぁ、そんな時もあるって」

 ハルカ 「明日は勝つから大丈夫かも」

 ナナコ 「野球興味あらへん子に言われても説得力ゼロや。しかも明日は試合ないで……」

 シゲル 「エレブーズは最近調子よくないからねぇ」

 トオル 「また最下位争いに食い込むんじゃないかな〜はははっ」

 サトシ 「オイあんまり言うと……」

 ナナコ 「うぅ……」

 トオル 「えっ?」

 ナナコ 「気合いが足りないんやエレブーズ! ここは一発、ウチが気合い注入しちゃる! 歌うで!」

 サトシ 「おいナナコ……」
 ▼ 76 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:12:30 ID:igtml5g6 [9/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ナナコ 『♪ スリバチ山のー風に乗りー!』

 ヒカリ 「ホントに歌うの!?」

 ナナコ 『♪ 電光石火ーやって来るー!』

 ハルカ 「凄い気合いかも……」

 ナナコ 『♪ 光の壁だー雷パンチー!』

 シゲル 「……上手い」

 ナナコ 『♪ 睨みーつけるぞエレブーズー!』

 デント 「なんとも特異的なフレーバーだね」

 ナナコ 『♪ フレー! フレー! フレッ、フレッ、フレー! エ、レ、ブ、ゥ、ズー!』

 タケシ 「……そう言えば初めて会った時も歌ってたな」

 カスミ 「うん。そうだったわね」

 ナナコ 「は〜すっきりしたわ〜」

 サトシ 「歌い切ったな」

 ナナコ 「こっから大逆転や! 目指せ首位奪還! ウチらも応援引き締めて行くでー!」

 トオル 「……こんなに野球熱心な女の子、僕はじめて見たかも」

 シゲル 「同じく」

 ▼ 77 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/05 12:13:00 ID:igtml5g6 [10/10] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 78 クノシタ@かざんのおきいし 17/08/05 16:31:19 ID:feruSwmc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 79 レキッド@ボーマンダナイト 17/08/05 20:23:40 ID:p/EUtn42 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
阪神で草

支援
 ▼ 80 ブネーク@ゼニガメじょうろ 17/08/05 21:45:28 ID:57aOcjTQ NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 81 ドクイン@リバティチケット 17/08/05 21:50:58 ID:/kVAMc2. NGネーム登録 NGID登録 報告
なんでや、阪神今年強いやろ!
 ▼ 82 ールル@ひかるおまもり 17/08/05 23:55:01 ID:doV8fFdg NGネーム登録 NGID登録 報告
シゲルがセレナに手出しそう
 ▼ 83 ロバット@むしよけスプレー 17/08/06 05:28:07 ID:rMh7rGVg NGネーム登録 NGID登録 報告
露骨にアイリスをはぶるな
 ▼ 84 ルミーゼ@メンタルハーブ 17/08/06 10:15:24 ID:0qDIbw7I NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 85 ラスル@デンキZ 17/08/06 14:06:03 ID:eO9IiidU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アランはプラターヌ研究所だから、シトロン経由で呼べそう
 ▼ 86 メイル@アイテムコール 17/08/06 15:15:47 ID:zz0eO9CY NGネーム登録 NGID登録 報告
>>74
33-4www
 ▼ 87 メルゴン@ムーンボール 17/08/06 15:34:54 ID:STpn12H6 NGネーム登録 NGID登録 報告
コイキングズのファンが居ない…
 ▼ 88 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/07 00:21:00 ID:KNjgAEeQ [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告


 ハルカ 「ナナコって凄い元気なのね」

 ヒカリ 「そうねっ」

 サトシ 「ハルカとヒカリは、トップコーディネーターになったんだよな」

 ハルカ 「えぇ」

 ヒカリ 「ハルカは“ホウエンの舞姫”って呼ばれてるくらい有名だもんね」

 ハルカ 「ヒカリだって、“いま注目のシンオウトップコーディネーター”ってテレビで紹介されてたわよ」

 ヒカリ 「そんなの大袈裟だよ〜。プロになれて もうすぐ1年だけど、ようやく慣れてきたって感じだもん」

 サトシ 「2人とも頑張ってるんだな」

 ハルカ 「勿論。実力派の後輩が いっぱい育ってるから、うかうかしてられないもん」

 ヒカリ 「うん。これからコーディネーターを目指そうって子のためにも、私たちが頑張らないとね!」

 サトシ 「そっか。お手本にならなきゃいけないもんな、プロって」

 ハルカ 「良いこと言うわねヒカリ!」
 ▼ 89 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/07 00:21:30 ID:KNjgAEeQ [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ヒカリ 「えへへっ。……でもこれ、ノゾミからの受け売りなんだ」

 サトシ 「ノゾミか……懐かしいな」

 ヒカリ 「サトシが全然 連絡取ろうとしないからよ。電話の1本でもくれれば、いろいろ情報交換できるのに」

 ハルカ 「ホントそうかも。気付いたらジムリーダーになってて、本当ビックリしたんだから」

 サトシ 「ごめんごめん。タケシとは連絡取ってたんだけどな」

 ハルカ 「うん。タケシはね」

 ヒカリ 「私たちの保護者みたいな存在だもんね」

 タケシ 「頼りにされるのは嬉しいが、頼られ過ぎても困るぞ」

 シゲル 「まぁ、サトシの連絡の少なさは今に始まったことじゃないからね」

 サトシ 「う〜ん。考えてみると、トウエツ地方を一人旅して、そのあとすぐジムリーダーに勧誘されて……、今までタケシ以外とは話さなかったからなぁ」

 カスミ 「まったくもぉ。ホント、ポケモンのことで頭がいっぱいなんだから」

 サトシ 「ははっ。せっかくだから、他のみんなのことも教えてくれよ」

 タケシ 「そうだな。カントーで特に濃かった面子だと……、イミテが順調にモノマネ芸人の道を進んでるらしいな」

 サトシ 「イミテ……、懐かしいなオイ。オレのフシギダネ、メタモンに負けちまったんだよなぁ」

 カスミ 「あったわね、そんなこと」


 タケシ 「あとそうだ。ロケット団のムサシとコジロウが結婚したらしいな」
 ▼ 90 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/07 00:22:01 ID:KNjgAEeQ [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 カスミ 「は!?」

 ハルカ 「えぇっ!?」

 ヒカリ 「うそっ!?」

 デント 「あの2人が!?」

 サトシ 「あぁ、“結婚しました〜”って手紙きたっけ」

 カスミ 「手紙きたの!?」

 タケシ 「オレにも来たぞ。敵ながら案外マメな奴らだよな」

 ハルカ 「言われてみれば、少なくともコジロウは良い人だったわよね。ポケモン想いで」

 ヒロシ 「えっと……、ムサシとコジロウってあの……、セキエイ大会でポケモン奪おうとした連中だよね」

 サトシ 「あぁ」

 トオル 「用水路から落ちそうだった僕とサトシに、爆弾投げつけた奴らだよね」

 サトシ 「あったなぁそんなこと」

 シゲル 「何度か研究所を襲撃した奴らだったよな。喋るニャースが居た」

 サトシ 「そうそう」

 ナナコ 「ウチを騙した奴らやん!」

 サトシ 「あぁ、そう言えばそうだったな」
 ▼ 91 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/07 00:22:40 ID:KNjgAEeQ [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シゲル 「そいつらが何でサトシに結婚報告してるんだよ」

 ナナコ 「そや! 敵なのに訳わからん!」

 タケシ 「まぁ、そこが あいつらの良い所でもあるよな」

 サトシ 「何だかんだで長い付き合いだし、たまに協力してた仲だしな」

 トオル 「そういうものなのかい……?」

 ヒロシ 「しかもロケット団って……、マフィアだよね? そんなユルい感じで良いの?」

 サトシ 「良いんじゃないか。もうピカチュウ狙われてないし」

 ヒカリ 「え……そうなの?」

 サトシ 「なんか部署移動があったらしくて、これからは広報に携わるんだとさ」

 シゲル 「ロケット団の何を広報するんだよ」

 トオル 「と言うより、何でサトシがそれを知ってるんだい?」

 サトシ 「オレがジムリーダーになった時、祝電くれてさ。そこで知った」

 デント 「祝電とは。また律儀なことするんだね……」

 シゲル 「そこで自分たちの部署移動を伝えるのも凄いな」

 トオル 「サトシとロケット団って、実は仲良いでしょ?」

 サトシ 「う〜ん、良いとは言えないけど、何だかんだで知り合いみたいな感覚かなぁ」

 ハルカ 「でも良かったわね。もうピカチュウ奪われるゴタゴタに巻き込まれないってことでしょ?」

 サトシ 「まぁな。ちょっと寂しい気もするけど」

 シゲル 「それは何か違うと思うぞ」

 タケシ 「まぁ、カントーだと目立った変化は それくらいか」
 ▼ 92 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/07 00:23:21 ID:KNjgAEeQ [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告


 ハルカ 「じゃあ私からは……まずマサトよね」

 サトシ 「そうだマサト! もうトレーナーになってるんだよな。旅してるのか?」

 ハルカ 「えぇ。でも、10歳になってすぐ、って訳じゃなかったの」

 サトシ 「そうなのか?」

 ハルカ 「あの子、わりと完璧主義でしょ? だから色々勉強して、知識を付けてから旅立ったの。最初はホウエンを巡ったわ」

 サトシ 「マサトらしいな。それで、最初のポケモンは何を貰ったんだ?」

 ハルカ 「ふふっ、やっぱり知りたい?」

 サトシ 「あぁ! キモリかアチャモ、ミズゴロウ。やっぱハルカと同じアチャモか?」

 ハルカ 「ぶー。キモリでしたー」

 サトシ 「おぉキモリか!」

 ハルカ 「“サトシのジュカインを超えるんだー”って、マサト、張り切ってたんだから」

 サトシ 「そっか。マサトの奴、オレなんかを目標にしてくれて……。じゃあ そのうち、オレにも挑戦しに来るんだろうな」

 ハルカ 「えぇ。その時は よろしくね」

 サトシ 「あぁ! 楽しみにしてるぜ!」

 ハルカ 「ふふっ」
 ▼ 93 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/07 00:24:01 ID:KNjgAEeQ [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「それで、他の面子の話は何か聞いてるか?」

 ハルカ 「う〜ん……、コンテスト以外のことは ちょっと分からないかも」

 サトシ 「あぁ、そうだよな。マサムネとか元気してるかな〜」

 ハルカ 「サイユウ大会、懐かしいわねっ」

 サトシ 「シュウやハーリーさんは変わらずか?」

 ハルカ 「えぇ。シュウもトップコーディネーターになって、ロズレイドとのコンビネーションに磨きをかけてるわ」

 サトシ 「そっか。ハルカのライバルだったもんな。で、ハーリーさんは?」

 ハルカ 「えっと……」

 サトシ 「ん?」

 ハルカ 「ハーリーさんね、後輩の子が何か気に入らなかったみたいで、私みたいにチョッカイ出し始めて……」

 サトシ 「オイまだそんなこと……。その後輩の子、大丈夫なのか?」

 ハルカ 「うん。大丈夫と言うか……、“ハーリーさんに いじめられてる! パワハラ!”って、コンテスト協会に訴えちゃって……」

 サトシ 「お、おう……」

 ハルカ 「事実関係 調べられちゃって、私への ちょっかいも知られて……」

 サトシ 「それで……?」

 ハルカ 「コンテスト協会から除名処分になったの」

 サトシ 「わお」
 ▼ 94 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/07 00:24:30 ID:KNjgAEeQ [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ヒカリ 「除名処分って……、もうコンテストの舞台に立てないってこと……だよね?」

 ハルカ 「うん。……あ、公式大会はダメだけど、非公式大会なら出れるらしいわよ」

 タケシ 「まぁ、ある意味で自業自得だな」

 ハルカ 「ちょっと可哀想だけどね」

 サトシ 「そっか。じゃあハルカのライバルは、今んとこシュウくらいか?」

 ハルカ 「そんなことないよ。サオリさんとか、グレースさんとか。ホウエンのトップコーディネーター、実力派揃いなんだから」

 サトシ 「へぇ〜」

 ハルカ 「あと、私と同い年のトップコーディネーターで、ラピートさんって人が居るの」

 サトシ 「ラピートさん?」

 デント 「狙ったかのような名前だね。ハルカとラピートって」

 ハルカ 「狙った?」

 デント 「あぁゴメン。気にしないでいいよ」

 ハルカ 「ラピートさんのポケモンはね、バクフーンにビビヨン、リーフィアにエネコロロ、あとアリゲイツで、凄い良いコンビネーションなの」

 サトシ 「……その面子、そっか。ハルカの手持ちと似てるな!」

 ハルカ 「そうなの。ラピートさんも気にしてるみたいなんだ」

 サトシ 「セキエイリーグのオレとヒロシみたいだな」

 ヒロシ 「確かに。手持ちが似てると、どうしてもライバル意識を持っちゃうよね」

 サトシ 「じゃあハルカ、そのラピートって人に負けないように頑張れよ!」

 ハルカ 「えぇ!」 
 ▼ 95 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/07 00:25:00 ID:KNjgAEeQ [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 96 ロトーガ@シルフスコープ 17/08/07 00:28:08 ID:7M1qQgE2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 97 ンド@いでんしのくさび 17/08/07 05:31:40 ID:7EXDernk NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 98 ンパッパ@ミミロップナイト 17/08/07 08:59:19 ID:cDrjdVm2 NGネーム登録 NGID登録 報告
ハルカとラピートとか完全に阪和線と南海の空港特急じゃないか
支援
 ▼ 99 ョボマキ@ズアのみ 17/08/08 03:28:49 ID:eZmX6KjM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 100 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/08 22:45:00 ID:bpBAHQeM [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告


 ヒカリ 「次はシンオウの話題かな?」

 サトシ 「おう!」

 タケシ 「シンオウは濃い面子が多かった記憶があるぞ」

 ヒカリ 「ふふっ、そうよね。じゃあサトシが気になってると思うシンジ」

 サトシ 「シンジ……。あいつとは色々あったよなぁ」

 タケシ 「シロナさんにも注目される関係だったもんな」

 シゲル 「ポケモンリーグ、テレビで見てたよ。サトシとシンジのバトルは、あの大会で一番と言っても過言では無かったね」

 ヒロシ 「確かにね。ゴウカザルとエレキブルの……、宿命のライバルみたいなバトル、思わず熱くなったよ」

 サトシ 「オレのゴウカザル、元はシンジのポケモンだったんだ」

 ヒロシ 「そうなの?」

 サトシ 「あぁ。シンジが手放したのを、オレが仲間に迎えてさ」

 シゲル 「なるほど。ならゴウカザル、嬉しかっただろうね。シンジに勝利して」

 サトシ 「あぁ」
 ▼ 101 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/08 22:46:02 ID:bpBAHQeM [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ヒカリ 「ふふっ。そのシンジ、いま何してると思う?」

 サトシ 「あれだけバトルに力入れてる奴だから、まだジム巡りしてるのか?」

 ヒカリ 「えっとね、シンジのお兄さん、レイジさん覚えてる?」

 サトシ 「あぁ。良い人だったよな。育て屋の……って、もしかしてシンジ、育て屋を継いだのか!?」

 ヒカリ 「ううん。流石にシンジの育て屋さんは想像できないな」

 タケシ 「確かにな」

 サトシ 「じゃあ何してるんだ? あれだけポケモンを強くしようって意思を持ってるシンジが……」

 ヒカリ 「私塾を開いちゃったの」

 サトシ 「私塾?」

 ヒカリ 「うん。ポケモンを強く育てるための」

 サトシ 「トレーナーズスクール……とは別物だよな?」

 ヒカリ 「うん。シンジが独自の育成術を伝授するって感じの……」

 タケシ 「ははっ。シンジらしいじゃないか」

 ヒカリ 「しかも、レイジさんの育て屋に併設したんだって」

 タケシ 「効率的と言えば効率的だな」
 ▼ 102 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/08 22:48:00 ID:bpBAHQeM [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「シンジ、自分のバトルスタイルを他人に伝授しようって、考えるようになったんだな」

 ヒカリ 「えぇ。あの時のシンジからは考えられないわよね」

 サトシ 「シンジも丸くなったのか。で、その私塾の人気は どうなんだ?」

 ヒカリ 「それが凄いのよ」

 タケシ 「大盛況なのか」

 ヒカリ 「うん。最初は少人数だったらしいけど、口コミで凄さが広がって、今は来季の予約も埋まってるんだって」

 サトシ 「流石だなシンジ。オレと考え方は違うかもしれないけど、ポケモンを強く育てることに関して、あいつは妥協を許さないからな」

 タケシ 「そういう姿勢を好むトレーナーに、シンジはターゲットを絞ったんだろうな」

 サトシ 「その辺も計算してたってことか」

 ヒカリ 「凄いわよね」

 シゲル 「私塾を開いて成功したって話しは なかなか聞かないからね。相当な手腕を持ってるんだろうね、そのシンジって人は」

 サトシ 「成功した話を聞かないって……ホントなのか?」

 シゲル 「サートシ君、ジムリーダーなんだから そういう話題にもアンテナ張るべきだよ?」

 サトシ 「うぅ……」
 ▼ 103 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/08 22:49:06 ID:bpBAHQeM [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ヒカリ 「まぁまぁ。でも、私塾を成功させるのは、ホントに難しいのよ」

 サトシ 「そうなのか」

 ヒカリ 「コウヘイって覚えてる?」

 サトシ 「えっと……」

 ヒカリ 「ほら、メガネかけて、変な笑い方する人」

 サトシ 「……あぁ! 幽霊に連れて行かれそうになってたっけ!」

 ヒカリ 「そうそう!」

 トオル 「いまサラッと凄いこと言ったよね」

 ヒカリ 「実はコウヘイもね、私塾を開いたの」

 サトシ 「コウヘイもか」

 ヒカリ 「うん。多分、シンジに触発されて」

 タケシ 「確かコウヘイは、攻めだけじゃない、計算されたバトルスタイルだったな」

 サトシ 「懐かしいな。あいつの“トリックルーム”には苦労したっけ」

 ヒカリ 「そうだったわね」

 サトシ 「でもアレがあったから、クノエジムで勝てたんだよな」

 タケシ 「何事も経験は大切だからな」

 サトシ 「あぁ。そっか〜じゃあコウヘイもシンジみたいに……」

 ヒカリ 「……なれなかったの」
 ▼ 104 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/08 22:49:41 ID:bpBAHQeM [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「え?」

 ヒカリ 「シンジの私塾は成功したみたいだけど、コウヘイの方は……」

 タケシ 「閑古鳥って訳か」

 ヒカリ 「うん。一応、何人か生徒は居るみたいだけどね」

 サトシ 「そうなのか……」

 タケシ 「まぁ、コウヘイのバトルスタイルは、大衆受けするかと聞かれれば必ずしも そうでは無いからな」

 サトシ 「考えられてるとは思うけど……、でも確かに、オレだったら やらないな」

 シゲル 「そもそも、私塾と言うのは あまり流行らないからね。ポケモンバトルは自分でバトルスタイルを確立するものだから、他人から教わろうって人は、そう多くないんだよ」

 ヒロシ 「これがサトシみたいなシムリーダーだったり、業界でも有名な人が講師だったら違うんだろうけどね」

 サトシ 「う〜ん……」

 シゲル 「私塾が悪いとは言わないよ。色々なバトルスタイルを取り入れて、その上で自分のモノにすることも大切だからね」

 サトシ 「難しいな、その辺のことは」

 ヒカリ 「でもコウヘイ、案外楽しんでるみたいよ。少なくても生徒が居て、やりがい感じてるんじゃないかな」

 サトシ 「そっか。なら良かった……って言って良いのかな?」
 ▼ 105 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/08 22:50:21 ID:bpBAHQeM [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ヒカリ 「ふふっ。 あー、あとジュンがね、クロツグさんに弟子入りしたみたいよ」

 タケシ 「ジュンか。罰金が口癖の賑やかな奴だったな」

 サトシ 「クロツグさんって、ジュンの父親だよな。タワータイクーンの」

 ヒカリ 「えぇ。きっとクロツグさんの後を継いで、タワータイクーンに なるんじゃないかしら」

 サトシ 「そっか。なんか良いよな、親から受け継ぐって」

 タケシ 「簡単なことじゃ無いと思うけどな」

 ヒカリ 「えぇ。毎日必死で特訓してるみたいよ」

 サトシ 「ジュンなら大丈夫だよ。あいつも熱いトレーナーだからな!」

 ヒカリ 「あ、ユモミも親の仕事を継いで、温泉を切り盛りしてるみたいよ」

 サトシ 「ユモミ……」

 ヒカリ 「ほら、温泉の……」

 サトシ 「あぁ。ヒカリの幼馴染だっけ」

 ヒカリ 「そうそう。またユモミの温泉行きたいなーって」


 サトシ 「幼馴染と言えば、ケンゴは どうなったんだ?」

 ヒカリ 「ケンゴの話は別にいいの」

 サトシ 「おぉ、そうか……」

 タケシ 「何があったんだよ」
 ▼ 106 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/08 22:51:01 ID:bpBAHQeM [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ヒカリ 「あと私たちの知り合いで言うと……、ノゾミは変わらずトップコーディネーターだし、スズナさんたちジムリーダーも、みんな元気よ」

 サトシ 「そっか。オレもジムリーダー同士で横のつながりは あるけど、就任した挨拶を電話でした くらいだったな」

 ヒカリ 「忙しそうだもんね、サトシ」

 サトシ 「あぁ。色々大変だよ、ジムリーダーって」

 ヒカリ 「ふふっ。ウチのママもサトシがジムリーダーになって喜んでたわよ。“娘の友達がジムリーダーなんて鼻が高いわー”ってね」

 サトシ 「大袈裟だなぁ。それだったら、親子でトップコーディネーターになったヒカリの方が凄いと思うぜ」

 ヒカリ 「ありがとう。でも、トップコーディネーターは、優勝さえすれば名乗れるもん。地方に8人しか居ない、本当に狭い問を潜り抜けてジムリーダーになったサトシの方が、私は凄いと思うけどな」

 サトシ 「サンキュー、ヒカリ」

 ヒカリ 「えへへっ」

 ハルカ 「うんうん。サトシは私たちとは格が違うんだから。もっと誇って良いんじゃない?」

 タケシ 「2人の言う通りだな。ジムリーダーってのは、本当に選ばれたトレーナーしか なれないんだ」

 カスミ 「そうね。試験や審査も厳しいし、それをパスしたんだから、もっと自信を持つべきよ」

 デント 「そうだね。慢心は良くないけど、ジムリーダーたるもの、堂々と構えることも、時に必要だよ」

 サトシ 「……あぁ。ありがとな、みんな」
 ▼ 107 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/08 22:52:00 ID:bpBAHQeM [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 108 ットレイ@どくバリ 17/08/09 01:12:30 ID:WG6IkC3M NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 109 ブリー@バンジのみ 17/08/09 01:14:32 ID:zPRuVA5w NGネーム登録 NGID登録 報告
ケンゴでワロタwww
支援
 ▼ 110 ケニン@グラスメモリ 17/08/09 05:58:08 ID:zZsbL5K2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援

ケンジといいケンゴといい酷いw
 ▼ 111 ボミー@みずのいし 17/08/09 06:21:26 ID:5kziUDqQ NGネーム登録 NGID登録 報告
まーたアイリスはぶりか壊れるなぁ
 ▼ 112 ツボット@ふしぎなタマゴ 17/08/10 07:48:45 ID:DYK9.QPU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援


サトセレ待機
 ▼ 113 キメノコ@オニゴーリナイト 17/08/10 22:05:36 ID:Fi97Eg9g NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 114 ロカロス@おとしもの 17/08/11 20:33:22 ID:G9R6Mn8E NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 115 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:43:00 ID:ndhQkteg [1/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


 デント 「それじゃあそろそろ、イッシュの話題に入ろうか」

 サトシ 「あぁ。イッシュはライバルが多かったからな〜」

 デント 「主にドンバトルの影響だね」

 カスミ 「ドンバトル?」

 デント 「ドン・ジョージって言うマネージャーが開くバトル大会のことだよ。場所によって大会の名前は違うけどね」

 カスミ 「ふーん」

 サトシ 「気になるのはアイリスだけど」

 デント 「あぁ、アイリスはね……」

 カスミ 「その子がイッシュでサトシと旅した女の子?」

 サトシ 「あぁ」

 ハルカ 「どの地方でも女の子が一緒なのね」

 ヒカリ 「って言っても、私たちの方から同行してるんだけどね。それで、アイリスは?」

 デント 「実は、連絡が取れなかったんだ」

 サトシ 「えっ?」
 ▼ 116 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:45:00 ID:ndhQkteg [2/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「いや、悪い意味じゃないよ。そもそもアイリスって野生児だったから、スマホとか持ってないらしいんだ」

 サトシ 「あぁ、なるほど」

 デント 「一応、竜の里の方には連絡してみたんだけど、旅立ったまま1年くらい帰ってないって言われちゃったよ」

 サトシ 「そっか。アイリス、また旅に出てるんだな」

 デント 「なんでも、旅の途中で遭遇したレックウザを探してるらしいんだ」

 サトシ 「そっか〜。分かるなアイリスの気持ち! オレも初めてマサラタウンを旅だった日に、図鑑に載って無いポケモンを見てさ。いつか会いたいな〜って、今も思ってるんだ」

 デント 「良いね、その気持ち。そういう所も、サトシとアイリスは似てるんだね」

 サトシ 「あぁ。喧嘩とかもしたけど、なんだかんだでアイリスは良い友達だったな」

 ヒカリ 「あーあ。せっかく久々にアイリスと会えると思ったのに」

 サトシ 「ヒカリもアイリスとは あのとき以来だもんな」

 ヒカリ 「うん」

 デント 「でもほら、アイリスのことだから、ポッと連絡よこすと思うよ。今回こうして同窓会を開いてることは、実家の方に伝えてあるんだからね」

 サトシ 「そうだな」
 ▼ 117 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:47:30 ID:ndhQkteg [3/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「サトシのライバルで言うと、ケニヤン、コテツ、シューティーだね」

 サトシ 「懐かしいな」

 デント 「まずケニヤンだけど、ドン・ジョージのバトルクラブに就職したそうだよ」

 サトシ 「おぉ! ケニヤンにピッタリじゃん!」

 デント 「だね。筋肉質だし、熱いバトルが好きだし」

 サトシ 「ケニヤンか〜。ホント熱いバトルで……、よく名前間違えられてたっけ」

 デント 「アクセントだったね」

 サトシ 「あれ結局、どこが正しいんだ?」

 デント 「ケニヤ“ン”は違うらしいよね」

 サトシ 「それは普通に分かるけどな。“ケ”で合ってたっけ?」

 デント 「いや、多くの人は“ニ”をアクセントにしてたね」

 サトシ 「けど、間違えられまくったから、あれだけ“アクセントが違う〜”って言ってたんだろ?」

 デント 「そうすると“ニ”は間違いってことかい?」

 サトシ 「あぁ。でも“ケ”の時も違うって言ってた記憶があるし……」

 デント 「そうなると“ヤ”になるね」

 サトシ 「ケニ“ヤ”ンか。う〜ん……、なんだかんだで、あいつと会うのはバトル関係の時だけだったし、正直記憶が……」

 デント 「まぁ、ケニ“ヤ”ンってことにしておこうよ。ここであんまり悩んでも、他の皆には謎だからね」

 タケシ 「まったくだ」

 サトシ 「そうだな」
 ▼ 118 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:52:00 ID:ndhQkteg [4/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「続いてコテツ」

 サトシ 「あいつは おっちょこちょいだったよな〜」

 デント 「ホントにね。リーグの3日前からテントで忍んでたのに、エントリーを忘れてたって言うんだから、相当な おっちょこちょいだったね」

 シゲル 「酷いなそれ」

 カスミ 「それ おっちょこちょいのレベル越えてるわよ」

 サトシ 「ははっ、そういう奴だよ、コテツは」

 デント 「そうだね。真っ直ぐの正直者だったし、何かと憎めない存在だよ」

 サトシ 「しかもオレ、イッシュリーグでコテツに負けたからな」

 タケシ 「なるほど。実力は本物って訳か」

 サトシ 「あぁ。それでコテツは……」

 デント 「何処かを旅してるみたいだよ。世界一のポケモンチャンピオンを目指してね」

 サトシ 「そっか。コテツらしいな」

 カスミ 「世界一のポケモンチャンピオン……、サトシと似てるわね」

 サトシ 「あぁ!」


 デント 「それとシューティーだけど、彼は大学に通ってるみたいだね」

 サトシ 「大学か。確かにシューティー、色々細かく分析とかしそうだもんな」
 ▼ 119 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:52:30 ID:ndhQkteg [5/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「あーあと、イッシュリーグ繋がりでバージルさん」

 サトシ 「おぉチーム・イーブイ!」

 デント 「彼も変わらずレスキュー隊を続けているよ。たまにテレビに映って、彼の活躍が称賛されてるね」

 サトシ 「バージルさん凄いよな〜。レスキューやってる傍ら、手持ちイーブイズだけでイッシュリーグ優勝しちゃうんだもんな〜」

 デント 「うん。レスキューと言う仕事柄、ポケモンを強く逞しく育ててるんだろうね」

 サトシ 「特にイーブイ。甘えん坊な♀なのに、クリムガンを倒しちまったもんな」

 デント 「そうだね。イーブイのまま強く生きていくって言う、バージルさんとイーブイの決意を感じるバトルだったよ」

 サトシ 「イーブイは努力屋が多いのかもしれないな」


 デント 「それと忘れた、ルーク!」

 サトシ 「居たなぁ! ルークもドンバトルに出たんだっけ」

 デント 「ドキュメンタリー映像のためにね」

 サトシ 「そうそう。映画の撮影も手伝ったっけ」

 デント 「ゾロアのイリュージョンは、まさに映画ピッタリだったね」

 サトシ 「あぁ。何故か よくラングレーに化けてたけどな」
 ▼ 120 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:53:00 ID:ndhQkteg [6/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「あー、そう言えばラングレーとも連絡が取れなかったなぁ」

 サトシ 「そうなのか。まぁ、ラングレーはアイリスが主に関わってたからな」

 デント 「そうだね。 で、話を戻してルークだけど、ポケウッドの映画コンクールで優勝したの、覚えてるかい?」

 サトシ 「覚えてる覚えてる。ポケウッドの映画監督になったんだっけ」

 デント 「そう言うとちょっと語弊があるけど、結果的には変わらないかな」

 サトシ 「結果的?」

 デント 「ルークの作品、ポケウッドでも高い評価を受けて、“ポケウッドの”映画監督としてデビューを果たしたんだよ」

 サトシ 「凄いじゃん!」

 デント 「ゾロアとゴビット、ハハコモリとメラルバの役割も注目されたみたいでね、彼のこれまでの映画作りを、ポケウッドが認めた形さ」

 サトシ 「へぇ〜。じゃあもうルークの映画って見れるのか?」

 デント 「うん。シリーズものを何作も担当していて、それなりの興収を上げてるようだよ」

 サトシ 「知らなかったな。シリーズ作品って、どれくらいあるんだ?」

 デント 「最新のが21本目のはずだよ」

 サトシ 「そんなにあるのか」
 ▼ 121 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:53:40 ID:ndhQkteg [7/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「このまえ最新作が公開されて……、カントーでも上映されたんじゃないかな? “鈴音小道の恋歌(ラブレター)”って映画」

 ハルカ 「それ私みたかも!」

 ナナコ 「ウチも! コガネとエンジュが舞台の映画やろ? 百人一首のやつ!」

 デント 「そうそう。ルークの映画、実在の都市をモデルにすることもあるからね」

 トオル 「そうか、あのシリーズものの監督、そのルークって人だったのか」

 サトシ 「そんなに有名なのか?」

 トオル 「それなりに有名だよ。確か前作が“純黒のダークライ”、前々作が“業火のキマワリ”だったね」

 サトシ 「へぇ〜。オレ映画なんて滅多に見ないからなぁ」

 タケシ 「ジムリーダーは忙しいからな」

 カスミ 「でも、たまには息抜きも必要よ」

 サトシ 「だよな。じゃあ今度見てみるかな、そのルークの映画」

 ハルカ 「ふふっ。サトシに恋愛絡みの映画なんて似合わないけどな〜」

 ヒカリ 「ホント〜」

 サトシ 「なんだよ。オレだって いつまでも鈍感じゃないからな!」
 ▼ 122 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:54:21 ID:ndhQkteg [8/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「ははっ。……あと、ベルがアララギ博士の助手になったよ」

 サトシ 「ベルが助手か。……大丈夫なのか?」

 デント 「何がだい?」

 サトシ 「あの おっちょこちょいなベルが助手って……」

 カスミ 「イッシュは おっちょこちょいが多いわね」

 タケシ 「何をしたんだよ……」

 サトシ 「ベルと会うたびに突き飛ばされて びしょ濡れにされる羽目になる」

 タケシ 「……何があったんだよ」

 デント 「まぁ確かに頼りないところもあるけど、助手として しっかり働いてるようだよ」

 サトシ 「そうなのか」

 デント 「あれからみんな成長してるってことさ」

 サトシ 「なるほどな」
 ▼ 123 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:55:00 ID:ndhQkteg [9/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「あとは……、カベルネが、ポケモンソムリエーヌAクラスに合格したよ」

 サトシ 「あぁ、デントのライバル的な」

 デント 「彼女のソムリエとしての実力、なかなか目を見張るものがあったよ。ポケモンソムリエーヌとして お店を開くって言ってたし、今後に期待だね」

 サトシ 「店を……そっか。Aクラスになると、自分の店を持てるんだっけ」

 デント 「そうさ。それで僕の所に報告がてら相談しに来て、色々アドバイスしてあげたんだよ」

 サトシ 「へぇ〜。カベルネ、最初はデントのこと恨んでたのにな」

 デント 「彼女も成長したね」

 サトシ 「……ん? カベルネがAクラスってことは、デント追いつかれちゃったのか?」

 デント 「いいや。僕たち3兄弟、揃ってSクラスに合格してるよ」

 サトシ 「そうなのか。おめでとうデント!」

 デント 「ありがとう。3年ほど前の話だけどね」

 サトシ 「……へへっ。カベルネのやつ、これからもデントを目標に成長するんだろうな」

 デント 「そうだね。ライバルとして、僕も楽しみだよ」
 ▼ 124 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:55:30 ID:ndhQkteg [10/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


 タケシ 「……さて。じゃあ地方ごとの近況報告は終わりかな?」

 サトシ 「あぁ。カロスの話は、シトロンたちが着いてからだな」

 タケシ 「それじゃあ後は自由時間とするか。サトシの顔、バトルしたいって書いてあるもんな」

 サトシ 「やべ、バレた」

 カスミ 「まったくもぉ」

 シゲル 「サトシらしいね」

 タケシ 「どうだろう。料理を外に出して、サトシとバトルを見ながら歓談は?」

 ナナコ 「ええなええな! サトシはんと言ったらバトルやもん。ウチ賛成やで!」

 ヒカリ 「そうね。バトル中は、久々に会えた仲間同士、お喋りしたいし。ねっ?」

 ハルカ 「ねー♪」

 サトシ 「よし! じゃあ手始めにヒロシ、バトルしようぜ!」

 ヒロシ 「来ると思ったよ。セキエイリーグ以来だね!」

 サトシ 「あぁ!」
 ▼ 125 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:56:00 ID:ndhQkteg [11/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
 デント 「それじゃあ僕は、Sクラスソムリエとして、みんなのポケモンを見てあげるよ」

 カスミ 「へ〜面白そう!」

 ナナコ 「ウチのメガニウム見たってや!」

 トオル 「それじゃあ僕は、サトシの迫力あるバトルを写真におさめようかな」

 シゲル 「良かったら、研究所のポケモンも撮って行きなよ」

 トオル 「ホントかい!? じゃあお言葉に甘えるよ」






こうしてオレたちは、思い思いの一時を過ごした。


ヒロシと、シゲルと、タケシと、ナナコとバトルして。

ハルカとヒカリには、コンテストやトップコーディネーターとしての話を聞いて。

トオルには、ポケモンたちの写真を撮って貰って。

タケシ、カスミ、デントから、ジムリーダーとしての心がけ、運営のコツなどを教えて貰って。



気が付けば、あっという間に時間は過ぎ去って行った。

 ▼ 126 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/14 01:56:30 ID:ndhQkteg [12/12] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 127 ウオウ@かなめいし 17/08/14 03:00:16 ID:VArs6zqs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 128 ーギラス@ラブラブボール 17/08/14 03:24:43 ID:ZqlIIMxo NGネーム登録 NGID登録 報告
異次元のジュナイパー観たいわwww

支援
 ▼ 129 アコイル@Zリング 17/08/14 08:23:47 ID:M28h7rDE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 130 ゲツケサル@メタルコート 17/08/14 08:32:07 ID:.lVyDL4I NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 131 ュプトル@バクーダナイト 17/08/14 15:18:22 ID:X1iV34E. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 132 ズクモ@おいしいみず 17/08/15 09:06:10 ID:sMrScP9s NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 133 イティ@ほしのかけら 17/08/18 05:31:27 ID:b/qtd42E NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 134 ッスグマ@たつじんのおび 17/08/18 15:35:38 ID:vjrXgmtk NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 135 クライ@せいれいプレート 17/08/19 17:59:38 ID:k0jt3jg2 NGネーム登録 NGID登録 報告
忙しいのかな?支援
 ▼ 136 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/20 00:04:01 ID:aQ2ijmY. [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告


18時――。

空はオレンジ色に染まり、空を飛ぶ鳥ポケモンたちのシルエットが、ひときわ目立つ。


 タケシ 「……それじゃあ、そろそろ お開きだな。ハルカとヒカリは飛行機の時間もあるし」

 ハルカ 「うん。あっという間だったなぁ」

 ヒカリ 「本当ね。明日も お休みなら良かったのに」

 カスミ 「仕事が優先よ。ハルカもヒカリも、ホウエンとシンオウの代表的なトップコーディネーターなんだから」

 ヒカリ 「うん。ありがとうカスミ」

 カスミ 「私も今日は早めに帰って、明日の水中ショーの確認しないとな〜」

 ヒロシ 「僕たちも、明日は朝一でウツギ博士の所だから、ジョウトに向かうとするよ」

 トオル 「そうだね」

 ナナコ 「ウチも明日は大学やからな」

 サトシ 「そっか。みんなありがとな、オレのために集まってくれて」
 ▼ 137 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/20 00:04:30 ID:aQ2ijmY. [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
改めてサトシは、ここに集結した仲間たちに感謝の気持ちを伝えた。

ジョウト、ホウエン、シンオウ、そしてイッシュ。

遠く離れた地から わざわざマサラタウンと言う田舎町に出向いてくれたことは、サトシにとって、本当に有難いことだった。


 デント 「僕は一泊予定だったから、もう少し残るよ」

 サトシ 「そっか。イッシュじゃ日帰りは無理だもんな」

 タケシ 「オレも最後まで付き合うぞ」

 シゲル 「まぁ必然的に僕も そうなるね」

 カスミ 「そう言えば、カロスでサトシと旅したメンバー、結局来なかったわね」

 タケシ 「飛行機の遅れ、けっこうデカかったみたいだな。もうカントーの空港には着いたってメール入ったから、今頃リムジンバスだろうけど……」

 ハルカ 「ちょっともう無理そうね」

 ヒカリ 「カロスの人たちとも会いたかったな〜」

 タケシ 「なに、また機会はあるさ。当然また集まるだろ、サトシ?」

 サトシ 「あぁ。今度は皆で温泉でも行きたいな」

 ヒロシ 「良いね、泊まりがけの同窓会」

 ナナコ 「ほはエンジュの良い旅館、紹介するで!」

 ハルカ 「フエン温泉も良いわよ?」

 ヒカリ 「ふふっ。今から次回が楽しみねっ」
 ▼ 138 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/20 00:05:10 ID:aQ2ijmY. [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
みんな、自分のために集まってくれる――。

そして、それを楽しみにしてくれている――。

サトシにとって、これほど嬉しいことは無いだろう。

そしてそれは、ジムリーダーの立場に思い悩むサトシにとって、前向きになれる特効薬でもあった。


 サトシ 「みんな、今日は本当にありがとう。オレ、ジムリーダーとして まだまだで、けっこう思い詰めてたけどさ、みんなに元気を貰ったよ」

 ハルカ 「ふふっ。思い詰めるなんてサトシらしくないもん。頑張ってね、これからも」

 ヒカリ 「サトシなら大丈夫っ。応援してるからね!」

 カスミ 「まぁ、最初のうちは みんな悩むわよ。しっかり悩んで、自分の答えを見つけなさいよね」

 ヒロシ 「そうだよサトシ。真実は、いつも一つ、とは限らないんだし、自分の方向性を確立するのも大事だよ」

 トオル 「そうだね。サトシなら出来るさ。なんたって夢はポケモンマスターだからね!」

 ナナコ 「そやで。一般トレーナーからジムリーダーになったサトシはん、ウチらにとって希望の星やからな!」

 デント 「うん。サトシの諦めない心、まさにいま、発揮すべきじゃないかな」

 シゲル 「まぁ、相談くらい乗るよ。僕とサトシが、マサラの出世頭なんだからね」

 タケシ 「みんながサトシを応援してるんだ。悩んでも良い。迷っても良い。その先にあるものを掴めれば、お前も立派なジムリーダーになれるさ」

 サトシ 「みんな……、ありがとう。本当にありがとな。オレ、もう少し もがいてみるよ。みんなに恥じないジムリーダーになるために!」

 タケシ 「あぁ。その意気だぞ!」




・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


・ ・ ・ ・ ・ ・


・ ・ ・


 ▼ 139 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/20 00:06:02 ID:aQ2ijmY. [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシは、自分の街へと帰って行く皆の背中を、最後まで見送った。

そして とても暖かな気持ちになって、空を見上げ、一息ついた。


 タケシ 「……良い気分転換になったみたいだな」

 サトシ 「あぁ」

 デント 「ジムリーダーは誰しも、プレッシャーに押し潰されそうになるものだよ。誰だって思い悩むし、誰だって弱気になる。サトシだけじゃないのさ」

 タケシ 「そうだな」

 サトシ 「ありがとな、タケシ。デント。こうやって相談できる仲の知り合いが居て、本当に良かったよ」

 タケシ 「それは お前の人柄にも表れてるんじゃないのか?」

 デント 「そうだね。僕もタケシも、サトシに興味を持って、旅に同行したんだもんね」

 サトシ 「へへっ、サンキュー」

 シゲル 「まぁ、サトシの お人好し具合は僕も凄いと思うよ」

 サトシ 「それ褒めてるのかよ」

 シゲル 「褒めてるよ」

 サトシ 「ホントかよ〜」

 シゲル 「ほらほら。ひとまず少し片付けよう。カロスからの客人を もてなすんだろ?」

 タケシ 「そうだな。料理も温め直すか」

 デント 「少し追加しても良いね」

 サトシ 「……ふぅ。カロスのみんなと会うのも楽しみだなぁ」
 ▼ 140 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/20 00:06:40 ID:aQ2ijmY. [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告




そうして待つこと約1時間――。


 シトロン(18) 「ごめんくださいーい」

 ユリーカ(13) 「こんばんはー!」

 
 サトシ 「おぉ……シトロン! ユリーカ!」

 ピカチュウ 「ぴっかぁ!」

 ユリーカ 「わはっ……サトシ! ピカチュウ! 会いたかった―!」

 デデンネ 「でねねねぇ!」

 シトロン 「サトシ! お久しぶりです!」


シトロンとユリーカが、研究所に到着した。

飛行機の遅れによって、すっかり暗くなってからの対面だった。


シトロンは、特徴的な髪型とメガネは変わらないけど、どことなく男らしくなったと言うか、堂々とした出で立ちになっていた。

ユリーカは、もうポケモンを持てる年齢だ。当時はキープだったデデンネのトレーナーに、晴れて なれたんだろうけど、ポシェットに連れてる姿は当時のままだ。
 ▼ 141 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/20 00:07:20 ID:aQ2ijmY. [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「初めまして、シトロンです。この度はサトシの同窓会に誘って頂いて、ありがとうございます」

 タケシ 「こちらこそ、遠い所ありがとう。長旅お疲れさま」

 ユリーカ 「あれ? ソムリエの人だ!」

 シトロン 「えっ……デントもサトシの仲間だったんですか!?」

 デント 「久しぶりだね、シトロン、ユリーカ。まさかこんな形で再会できるなんて思わなかったよ」

 サトシ 「えっ? 知り合いなのか?」

 デント 「あぁ。ミアレシティの釣り大会と、地下鉄、それにプリズムタワーを見に行った時に出会ったんだ」

 シトロン 「なんだぁ。あの時サトシの知り合いって知っていれば、もっと色々話せたんですけどね」

 ユリーカ 「でも凄い偶然だね!」

 デント 「うんうん。正にファンタスティックなテイストだね」


シトロンとユリーカが、デントと知り合いだったことに、サトシは驚いた。

遠く離れたカロス、イッシュ地方の旅仲間が、偶然、遠い地で知り合っていたのだから。

そんな奇跡とも言える繋がりに、ある種の世間の狭さを感じつつも、サトシは一つ、気になることがあった。
 ▼ 142 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/20 00:08:00 ID:aQ2ijmY. [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「それで……、カロスからは、2人だけか?」

 シトロン 「あっ……はい。けっこう急な話だったので、みんな都合が付かなかったみたいで……」

 ユリーカ 「……サトシ、やっぱり気になるよね、セレナのこと」

 サトシ 「んっ……まぁな」

 タケシ 「セレナ――。その子もサトシの旅仲間だったのか」

 サトシ 「あぁ。ポケモンパフォーマーの、お洒落な女の子だよ。そっか……やっぱり忙しいよな、セレナは」

 デント 「パフォーマー……、トライポカロンと言えば、カロス地方で衰えない人気を誇る、ポケモンとトレーナーの祭典だね」

 サトシ 「オレ、カロスを旅してる時、色々セレナに世話になったんだよな。……忙しいのは仕方ないけど、会いたかったなぁ」

 タケシ 「サトシが そこまで残念そうにするの、珍しいな」

 デント 「うん。助手のケンタ君と電話が通じなかった時とは、雲泥の差だね」

 シゲル 「って言うより、鈍感なサートシ君が、女の子に対して“会いたかった”なんて言うこと自体、驚きだよ。むしろ別の意味を疑いたくなるねぇ」

 ユリーカ 「ふふ〜ん。そうだよね〜。だってサトシ、セレナと お別れの時に……」

 サトシ 「おいおいここで言うなよユリーカ」
 
 シゲル 「ん? なんだいなんだい?」

 デント 「気になるね。カップルの意味すら知らなかったサトシが、そのセレナって子と何かあったのかい?」

 ユリーカ 「実はねぇ〜」 ニヤニヤ
 ▼ 143 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/20 00:09:00 ID:aQ2ijmY. [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 144 デカバシ@トポのみ 17/08/20 01:21:45 ID:/Om/EwXQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 145 オル@びっくりこやし 17/08/20 02:13:34 ID:/8kCqeJ2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ケンタww
 ▼ 146 イオーガ@グラスメモリ 17/08/20 08:35:27 ID:Ntf.l1jc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援

サトセレ期待していいんだよね?
 ▼ 147 ガヤンマ@うつしかがみ 17/08/20 16:00:34 ID:V5L/pae6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 148 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/22 00:06:00 ID:EN.OqTRY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告





2年前――。


トウエツ地方を一人旅していたサトシは、ポケモンセンターのテレビニュースで、新たなカロスクイーンが誕生したことを知った。

それは即ち、エルが防衛戦で敗退したことを意味するのだが、彼にとって、注目すべき点は そこでは無かった。

新カロスクイーンとしてインタビューに映し出された少女が、サトシの よく知る人物だったからである。



  インタビュアー 『新カロスクイーン、おめでとうございます!』

  セレナ 『グスッ……ありがとうございます。夢みたいです!』

  インタビュアー 『ヤシオプロダクションにスカウトされて、一躍期待されてきましたが、ファンの皆さんに向けて、一言お願いします』

  セレナ 『はいっ。あのっ、こんな私を今まで応援してくれて、本当にありがとうございました。皆さんの声援、すっごく嬉しかったですし、励みになりました!』

  インタビュアー 『長きに渡ってクイーンの座を守り抜いてきたエルさんに勝利して、どんなお気持ちですか?』

  セレナ 『ずっと憧れてきたエルさんと同じステージで戦えたことが、まず誇りに思えますし、そのっ……なんて言ったらいいか……、テールナー、ヤンチャム、ニンフィア、みんな頑張ってくれたお陰でっ……、本当に、本当に嬉しいです!』

  インタビュアー 『ふふっ。息の合ったパフォーマンスでしたもんね』
 ▼ 149 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/22 00:06:30 ID:EN.OqTRY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「セレナ! カロスクイーンになれたのか!」

 ピカチュウ 「ぴぃかぁ〜!」


テレビ画面のセレナは、嬉し泣きしていた。

頬を赤くして、涙を流しながら、けれど笑顔でインタビューに答えるセレナの姿に、サトシは思わず釘付けになる。

3年前まで一緒に旅していた仲間が、こうして偉業を成し遂げた――、それはサトシにとっても、堪らなく嬉しいことだった。



  インタビュアー 『新クイーンになれたこと、誰に伝えたいですか?』

  セレナ 『えっと、私の夢を応援してくれたマ……母に伝えたいですし、それにっ、一緒に成長してきたライバルたちにも!』

  インタビュアー 『セレナさん、ライバルの子たちとも仲が良いですからね』

  セレナ 『はい! ……でも、一番に伝えたいのは、以前、一緒に旅した仲間です』

  インタビュアー 『旅仲間ですか!』

  セレナ 『きっと今も、何処かを旅してると思うんです。ピカチュウと一緒に。私の“目標”の……その人に、伝えたいなぁって』

  インタビュアー 『素敵ですね。ピカチュウを連れた その子も、きっと喜んでくれるでしょうね』

  セレナ 『ふふっ……はいっ!』
 ▼ 150 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/22 00:07:00 ID:EN.OqTRY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「セレナ……!」

 ピカチュウ 「ぴかぁ〜」


恐らくこのインタビュアーは、ニュアンス的に、セレナが言う“ピカチュウを連れた人”を、女の子だと思い込んでいるようだ。

けどそれは、紛れもない、サトシのことだった。


 サトシ 「すげぇぜセレナ。カロスクイーンに……、夢、叶えたんだな」

 ピカチュウ 「ぴっかぁ!」


サトシの脳裏に、旅の最後、空港での出来事が蘇る。

薄れていた記憶が、鮮明に呼び覚まされてくる。色付いてくる。


自分のことを“目標”にしてくれたセレナ。

“もっと魅力的になる”と、自分に誓ったセレナ。

そして別れ際、セレナはエスカレーターを駆け上がって、唇を、そっと重ねてきて――。
 ▼ 151 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/22 00:07:30 ID:EN.OqTRY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「あれからもう、3年か……」


その当時は鈍感だったサトシも、成長するにつれ、“そういう知識”も身についてきた。

あの時のセレナの行動が、恐らく自分への最大限の好意の表現であるということを、サトシは最近になって確信した。


 サトシ 「3年前……、けどセレナ、まだオレのこと、想っててくれたんだな」

 ピカチュウ 「ぴか」


インタビューのセレナの発言から、サトシは そう言う風に実感した。

3年。

年頃の女の子なら、疎遠になった男なんかより、身近な男に心移りしても おかしくない。

けれどセレナは、3年間ずっと、自分のことを目標として見てくれていた――。

それはサトシにとって、嬉しく、どこか恥ずかしく、そして自らを奮い立たせた。


 サトシ 「……セレナは夢を掴んだんだ。オレたちだって負けてられないぞ!」

 ピカチュウ 「ぴっか! ぴかちゅう!」


まずは今回こそリーグ優勝。

そしてポケモンマスターと言う夢に少しでも早く近付けるべく、バトルの特訓に全力を尽くそうと、サトシは誓った。
 ▼ 152 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/22 00:08:00 ID:EN.OqTRY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「……そうだ。セレナに何か、お祝いしてあげたいな」

 ピカチュウ 「ぴっか」

 サトシ 「けど、セレナの連絡先とか知らないし、実家の住所も知らないし……。あ、ミアレジムなら住所調べられるから、シトロンに頼むか」

 ピカチュウ 「ぴかちゅぅ」

 サトシ 「……いや待てよ。ヤシオプロダクションって言ってたよな。ってことは、そこに贈ればセレナに届くよな!」

 ピカチュウ 「ぴぃか!」


ヤシオが元カロスクイーンであって、これまで何人ものカロスクイーンを世に送り出して来たプロデューサーであることは、サトシも知っている。

サトシは確信し、早速パソコンを借りてギフトを検索する。


 サトシ 「って言っても、どんなもの贈れば喜んでくれるかな〜」

 ピカチュウ 「ぴか〜」

 サトシ 「流石に洋服とかは好みがあるだろうし……、リボンくらいの小物なら良いんだろうけど、カロスクイーンのお祝いに小物って言うのもなぁ」







   ― セレナ 『きっと、サトシが選んだものなら、ピカチュウ達、なんでも喜んでくれると思うんだ』




 ▼ 153 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/22 00:08:30 ID:EN.OqTRY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「あっ」

 ピカチュウ 「ぴか?」

 サトシ 「……自分の直感を信じろってことだよな」



サトシはオンラインショッピングのギフトの中から、花束を選んだ。

セレナをイメージした、ピンク系統で まとめられた、可愛さと華やかさを併せ持つ花束。

そこに青いリボンとメッセージカードを添えて、ヤシオプロダクションのセレナ宛てに、ギフトを注文した。


 サトシ 「セレナ、喜んでくれると良いな!」

 ピカチュウ 「ぴかちゅ〜!」









 ▼ 154 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/22 00:09:00 ID:EN.OqTRY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 155 ンバーン@みずたまリボン 17/08/22 00:10:18 ID:5KsmjzAY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 156 ボネア@きのみぶくろ 17/08/22 06:18:14 ID:G65z5Ees NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 157 マルス@パワーバンド 17/08/22 10:16:27 ID:lrMwrdnk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 158 イル@ハイパーボール 17/08/22 16:51:54 ID:xASo.PVE NGネーム登録 NGID登録 報告
甲州街道さんだ
 ▼ 159 ェイミ@きょうせいギプス 17/08/24 13:08:26 ID:QtLUjY1k NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援やで
 ▼ 160 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/27 01:43:30 ID:dNTZTH.2 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告


 ユリーカ 「サトシ、セレナにキスされたんだよね〜」

 シゲル 「わお」

 デント 「それはそれは。ファンタスティックだねぇ」

 サトシ 「おいユリーカ」

 タケシ 「キスって……、それ、そのセレナって子がサトシのこと好きだったってことなのか?」

 ユリーカ 「うん。もう明らかにね」

 シトロン 「まぁ、思い返してみれば、セレナの言動には、サトシへの好意が見て取れましたね」

 シゲル 「なんだいなんだサートシ君。君を好きになる女の子が居たとはねぇ」

 サトシ 「ま、まぁ、そんなことよりさ。他のカロスのメンバー、みんな何してるんだ?」

 シゲル 「話題を逸らすとは……、照れてるのかい?」

 サトシ 「うるせぇ」
 ▼ 161 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/27 01:44:00 ID:dNTZTH.2 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「まぁ、あんまりこの話題ばかりじゃアレですもんね。まずショータは……」

 ユリーカ 「ショータはダイゴさんの手伝いしながら大学に通ってるよ。トロバはポケモンカメラマンの道を勉強し始めて、ティエルノはポケモンとのダンスユニットを作っちゃって。サナは変わらずにパフォーマーでカロスクイーンを目指してて、ミルフィはポフレの専門店をオープンしたの。あーあとビオラさんとザクロさんが婚約するんだって! それでサトシぃ! セレナとは連絡とってるの?」

 デント 「えらく簡単にまとめちゃったね」

 シゲル 「ユリーカちゃん、サトシとセレナのこと、そんなに興味あるのかい?」

 ユリーカ 「うん! だってセレナ、旅の間、ずーっとサトシのこと気になってたんだよ。セレナったら乙女なんだから、私、いつ告白するのかなーってキュンキュンしながら眺めてて、もうそれだけで毎日が楽しくて、あ、勿論みんなとの旅も楽しかったけど、セレナの……」

 シトロン 「ほらユリーカ。ちょっと喋りすぎだよ」

 ユリーカ 「だって〜」

 シゲル 「でも僕も気になるね。サトシとセレナの仲は」

 タケシ 「オレもだ。サトシは色んなメンバーで旅してたけど、サトシに明確に好意を持つ相手って、今まで居なかったんだ。それだけで大ニュースだぞ」

 サトシ 「大ニュースって……なに言ってんだよタケシまで」

 ユリーカ 「それでどうなの? セレナとは連絡とってるんでしょ?」

 サトシ 「……最後に連絡取り合ったのは、半年くらい前になるかな」

 シトロン 「半年……ですか」

 ユリーカ 「えぇぇぇ半年!? なんで!?」

 サトシ 「何て言うか……、連絡しにくかったんだ」



 ▼ 162 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/27 01:44:30 ID:dNTZTH.2 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告




半年前――。


サトシがジムリーダーに就任して、1週間が経った頃だった。


 職員A 「失礼します。サトシさん宛てに荷物が届いてますよ」

 サトシ 「オレにですか?」


ちょうど、前ジムリーダーからの引継ぎが終わって、“ジムリーダー・サトシ”としてオープンする間近。

色々な準備があり、サトシは連日ジムに寝泊まりしていたが、自分宛ての荷物がジムに直接届くのは、この時が初めてだった。


 職員A 「これ……、差出人は女の子の名前ですね。彼女さんですか?」

 サトシ 「いやオレに彼女なんて いませんよ」

 職員A 「それじゃあファンの子ですかね?」

 サトシ 「いやそれこそ違いますよ。まだジムリーダーとして正式にデビューも してないですし」

 職員A 「またまたー。サトシさん格好良いですし、何より、一般トレーナーからジムリーダーに昇格した希望の星、なんて言われてるじゃないですか。早くからファンが付いても不思議じゃありませんよ?」

 サトシ 「そういうものなんですかね、ジムリーダーって」

 職員A 「前ジムリーダーのリュウゴさんにも、ちょくちょくファンの子から手紙や荷物が届いてましたし、割と そういうものですよ」

 サトシ 「なんだか それもそれで落ち着きませんね。……それで、送り主は何て子ですか?」

 職員A 「これは……、アサメタウンのセレナって子からですね」

 サトシ 「えっ……セレナから!?」

 職員A 「あ、知り合いなんですね」

 サトシ 「はい。以前一緒に旅してた仲間なんです」

 職員A 「そうだったんですか。じゃあ私は失礼するので、プレゼント確認してくださいねー」

 サトシ 「あ、ありがとうございます」
 ▼ 163 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/27 01:45:00 ID:dNTZTH.2 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
テーブルの上に置かれた箱は、両手でないと持てない大きさだが、重さは無く、“割れもの注意”のシールが貼られている。

サトシは早速、箱を開ける。

梱包のプチプチを取り出し、綺麗な包みを開けると、そこには沢山のクッキーが入っていた。


 サトシ 「おぉ、クッキーだ!」

 ピカチュウ 「ぴか?」

 サトシ 「見ろよピカチュウ。セレナからクッキーが届いたんだ」

 ピカチュウ 「ぴっかぁ!」

 サトシ 「……ポケモンたちの形してる」


クッキーを取り出して よく見ると、ピカチュウ、ゲッコウガ、ハリマロン、テールナーなど、旅してた頃のポケモンが模られていた。

そして箱の底に、封筒が入っているのをサトシは見つける。


 サトシ 「手紙……か」


封筒の中には、ピカチュウシルエットの可愛らしい便箋が入っていた。

そして、そこに並ぶ綺麗な文字。
 ▼ 164 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/27 01:45:30 ID:dNTZTH.2 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告


サトシへ。


お久しぶりです。

ジムリーダー就任、おめでとうございます。

サトシがジムリーダーに就任したと聞いて、何か お祝いしたいと思って、クッキーを焼きました。

みんなで食べて下さいね。


それと、遅くなってしまいましたが、私がカロスクイーンになった時、花束を贈ってくれて、ありがとうございました。

あの時はサトシの連絡先が分からなかったので、やっと直接お礼を伝えることができました。

サトシからプレゼントを貰ったのは、リボンに続いて2回目ですね。

ファンの人からプレゼントを貰うことはありますが、サトシから貰うプレゼントは格別です。

とっても嬉しかったですし、その後の励みにもなりました。


ジムリーダーとして、これから大変かと思いますが、頑張ってください。

最後まで諦めない心と、リーグ優勝を果たした実力があれば、絶対に大丈夫ですよね。


私も頑張ります。

絶対にカロスクイーンに帰り咲いて、サトシに負けない存在に、なってみせます。


それでは。

カロスクイーンに再び なれたら、会いに行っても良いですよね。

 ▼ 165 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/27 01:46:00 ID:dNTZTH.2 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告



 サトシ 「セレナ……、大丈夫かな」

 ピカチュウ 「ぴぃか」


敬語で綴られている手紙と、文章のニュアンスに、サトシは何処か、セレナを心配に思った。

特に最後の一文は、何故か弱々しいイメージを受ける。強いはずのセレナのイメージとは、なんとなく似つかない。


 サトシ 「クッキーは後で食べるとして……、何て返事しようか」

 ピカチュウ 「ぴか」


サトシは返事に悩む。

送り主の住所、即ちセレナの自宅が分かったので、これでセレナとの連絡手段は確保した訳だが、どうしても、返事の文面に悩んでしまう。



……この少し前。

セレナはトライポカロン・マスタークラスの初めての防衛戦で、チャレンジャーに破れてしまったからだ。



 ▼ 166 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/08/27 01:46:30 ID:dNTZTH.2 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 167 ブラーバ@きょうせいギプス 17/08/27 02:23:22 ID:WxXRVtBU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 168 ルキモノ@しろいハーブ 17/08/27 10:57:25 ID:AKDpBtPE NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 169 ョボマキ@ペアチケット 17/08/27 21:47:34 ID:IFsCH4x. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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じらすねえ
 ▼ 170 ルシェン@ハンサムチケット 17/08/31 00:40:11 ID:Mr/pCcHY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 171 ワーク@スチールメモリ 17/08/31 10:38:46 ID:1ejOEACo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 172 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:00:00 ID:nzhAUjgQ [1/18] NGネーム登録 NGID登録 報告



 サトシ 「……それで、その時の返事は、当たり障りないことを書いたっけな」

 シトロン 「確かに……。防衛戦に敗れたと言う現実の前に、あまり無神経なことは書けませんからね」

 ユリーカ 「私は逆に! サトシがセレナを元気付けてあげるべきだと思うけどな」

 サトシ 「その方が良かったかもしれないかな……」

 デント 「いや。手紙は本心まで伝えることは不可能だから、サトシの判断は正解だったと思うよ」

 タケシ 「あぁ。特にそういうデリケートな時期なら尚更だ」

 ユリーカ 「それで……、セレナから返事は?」

 サトシ 「あぁ。“応援ありがとう。私もこれから頑張ります”的な内容だった」

 シゲル 「それ以外に書けないだろうね、この場合」

 サトシ 「この場合?」

 シゲル 「そのセレナって子は、サトシのことが好きなんだろ?」

 サトシ 「それはっ……」

 ユリーカ 「好きだよ」

 シゲル 「好きな相手に、自分の失敗を伝えるのが、どれだけ勇気のいることか。出来れば黙っておきたいはずだよ」

 シトロン 「えぇ。特にセレナの場合、防衛戦に敗れたと言うニュースが出回ってしまいましたから、改めての報告と言うのは、ちょっと勇気がいりますね」

 シゲル 「だからセレナは、サトシに報告するのを、躊躇ってたと思うよ」

 タケシ 「だな。むしろ、サトシがジムリーダーになったのをキッカケに、覚悟を決めたんだろう」

 デント 「そうだね。サトシを お祝いするには、自分のことも話すことになる――。セレナは、サトシを祝うために勇気を出したってことだよ」
 ▼ 173 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:05:00 ID:nzhAUjgQ [2/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「……オレと同じだったのかな」

 ユリーカ 「えっ?」

 サトシ 「セレナがエルさんに勝って、カロスクイーンになったって聞いた時、オレすげぇ嬉しかったんだ。思わず花束贈ったくらい」

 シゲル 「へぇ。サートシ君が女の子に花束ね〜」

 ユリーカ 「ふふっ。セレナ喜んでたよ。私にもメールで、“サトシから花束貰っちゃったー!”って はしゃいでたもん」

 サトシ 「そりゃ良かった。……それで、セレナが夢を叶えたのに、オレ、何やってんだろうって。その時は まだトウエツ地方を旅してる最中でさ。オレ、このままで良いのかって」

 シトロン 「サトシは旅の経験を通じて強くなってるんです。悩むことじゃないですよ」

 ユリーカ 「そうだよ」

 サトシ 「サンキュー。でも その時のオレ、まさに今のセレナみたいだったな」

 タケシ 「まぁ、仲間が夢を叶えたって聞いたら、焦っちまうものだよな」

 サトシ 「でさ、オレ、トウエツリーグで優勝して、ジムリーダーのオファーを貰って。ようやくセレナに恥ずかしくない立場になったと思ったら、セレナが防衛戦に敗れちまって……。上手く行かないよな、世の中」

 シトロン 「サトシは夢に一歩近づいて、セレナは夢から遠ざかった……。複雑ですよね」

 デント 「恋に障害は付き物とは言うけれど、こうも上手く行かないとねぇ……」

 サトシ 「いや恋とか違うからな」

 シゲル 「ふ〜ん」

 サトシ 「なんだよ」
 ▼ 174 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:10:00 ID:nzhAUjgQ [3/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ユリーカ 「……ねぇサトシ。ユリーカのお願い、聞いてくれない?」

 サトシ 「ん? お願いって?」

 ユリーカ 「サトシにね、セレナを励ましてほしいの」

 サトシ 「あぁ。そのくらいなら お安い御用だけど、でもどんな風に切り出すか……」

 ユリーカ 「違うの。セレナと直接会って!」

 サトシ 「えっ!?」

 ユリーカ 「セレナ、最近なんだか暗いの。防衛戦で負けちゃったこともあるけど、なんだか他のワケも あるみたいで……」

 サトシ 「他のワケ?」

 ユリーカ 「うん。でも私には話してくれないの。サナやミルフィにも聞いてみてってお願いしたんだけど、2人にも話してくれなくて……」

 シトロン 「ユリーカ、僕が知らない間に、けっこうセレナたちと連絡取り合ってたんだね」

 ユリーカ 「だってお兄ちゃんは向こうが忙しいし」

 シトロン 「まぁそうだけど」

 サトシ 「向こう?」

 シトロン 「追って話します」
 ▼ 175 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:10:30 ID:nzhAUjgQ [4/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「けど、ユリーカやサナたちでも聞き出せないことを、オレに話してくれるかな? さっきの話じゃないけど、立場的にも……」

 ユリーカ 「会っちゃえば話すって。セレナ、サトシと会いたいはずだよ?」

 サトシ 「オレもセレナとは会いたいけど、気まずくなっちゃアレかなって」

 シゲル 「ほぉ。やっぱりサトシは、セレナが気になってると」

 サトシ 「なっ……仲間としてな! 当然だろ」

 シゲル 「へぇ〜」

 ユリーカ 「ふふ〜ん。サトシもセレナと会いたいんなら決まりだね!」

 サトシ 「けど……、いや、勿論セレナと会いたいし、セレナを励ましたいけど、ジムリーダーって立場があるから、そう言う理由で休んで良いのかなって……」

 ユリーカ 「もー! サトシはセレナと仕事、どっちが大事なの!?」

 サトシ 「そりゃ仲間を大切にしたけど……」

 デント 「はははっ。なんだか彼女に せがまれるようなシーンだね」

 タケシ 「ユリーカ。サトシの考えも分かってやってくれ。ジムリーダーは責任ある職なんだ。これが身内の危篤とかだったら話は別だけど、正当な理由なく長期間 休むのは、何かと難しいんだよ」

 ユリーカ 「それは分かってるけど……」

 デント 「ジムリーダーの代理が居れば、話は別なんだけどね」

 ユリーカ 「じゃあお兄ちゃん。シトロイドをサトシのジムに呼んじゃおうよ!」

 サトシ 「いやそれはダメだろ」

 シトロン 「ダメですね」

 ユリーカ 「そんなぁ……。じゃあセレナは……」
 ▼ 176 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:11:00 ID:nzhAUjgQ [5/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「……ですが、正当な理由を作ることは可能ですよ」

 ユリーカ 「ホント!?」

 サトシ 「出来るのか!?」

 シトロン 「考えてみてください。僕もサトシも、同じ電気タイプのジムリーダーです」

 サトシ 「あぁ」

 シトロン 「そして、サトシはジムリーダーになったばかりの初心者です」

 サトシ 「そうだな」

 タケシ 「……なるほど」

 サトシ 「どういうことだ?」

 シトロン 「サトシが“ミアレジムを視察”すれば良いんですよ」

 サトシ 「オレが……視察?」

 デント 「なるほどね」

 タケシ 「ジムリーダーが他のジムの視察に行くことって、けっこうメジャーなんだ。勿論、ジムを休む正式な理由にもなる」

 サトシ 「そうなのか!」

 シトロン 「ですのでサトシは、明日以降もジムをクローズにする手配を取ってください。カロス地方ともなれば、5日くらいは休めるでしょう」

 ユリーカ 「流石お兄ちゃん!」

 サトシ 「サンキュー! じゃあちょっと事務方に連絡して来る。明日の朝一でカロスに出発だ!」

 ユリーカ 「おー!」
 ▼ 177 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:11:30 ID:nzhAUjgQ [6/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシは部屋の隅に移動して、事務員に連絡を入れた。

急な休み拡大であるが、長年アニポケを見ている方なら分かるように、ジムは割と簡単に休みに出来てしまうものである(笑)


 シトロン 「……ちょっと待ってください。もしかして、カロス行きの深夜便、間に合ったりしません?」

 ユリーカ 「えっ? こんな時間でもカロスに行く飛行機あるの!?」

 デント 「いま調べてるよ。……22時55分に、エールカロス航空の便があるみたいだね」

 ユリーカ 「やったぁ!」

 シゲル 「……けど、もう20時になるよ。国際線は手続きが面倒だし、マサラからのリムジンバスって終わってるんじゃないか?」
 
 ユリーカ 「えぇぇぇぇっ!?」

 タケシ 「仕方ない。オレの車で空港まで送るぜ」

 シトロン 「本当ですか!?」

 タケシ 「あぁ。サトシの仲間のためとあれば、協力するしかないだろ?」

 シトロン 「ありがとうございます!」

 ユリーカ 「ありがとうタケシさん!」
 ▼ 178 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:12:00 ID:nzhAUjgQ [7/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シゲル 「ははっ。急な展開ですね」

 デント 「そうだね。でも、サトシの仲間らしいじゃないか」

 シゲル 「えぇ。サトシの人脈は、たまに僕も見習いたいですよ」

 タケシ 「デント……どうだ? もし良かったらニビジムに泊まらないか?」

 デント 「それは助かるよ。あのとき以来だし、積もる話もあるしね」

 タケシ 「そうだな」

 シゲル 「なら今日は、これでお開きですね。片付けは僕が済ませますから、皆さんは空港に急いで下さい」

 タケシ 「悪いなシゲル」

 デント 「すまないね。散らかしておいて、片付けだけ押し付ける形になってしまって」

 シゲル 「構いませんよ。2人には、おいしい料理を ご馳走になりましたしね」

 ユリーカ 「ありがとうシゲルさん」

 シトロン 「助かります」
 ▼ 179 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:15:00 ID:nzhAUjgQ [8/18] NGネーム登録 NGID登録 報告


 サトシ 「連絡してきたぜ。とりあえず明日からの休みはOK」

 タケシ 「よし。それじゃあ急いで空港だ」

 サトシ 「え?」

 ユリーカ 「夜の飛行機に間に合うの! 早く早く!」

 サトシ 「夜のって……、あとどれくらいあるんだ?」

 シトロン 「22時55分の便ですよ」

 デント 「手続きがあるから、実質あと2時間も無いね」

 サトシ 「それ間に合うのか!?」

 タケシ 「だからオレが車を出すんだ。サトシ、一旦 家に寄りたいだろ?」

 サトシ 「おう……そうだな。荷物もあるし、母さんにも言わなきゃアレだし」

 ユリーカ 「じゃあ急ぐよサトシ!」

 シゲル 「サートシ君。ちゃんとセレナを励まして来るんだよ」

 サトシ 「あぁ。サンキューなシゲル。ドタバタしちまって」

 シゲル 「気にすること無いよ。まぁ、ジムリーダーとして大変だろうけど頑張れ。次に会う時は、良い知らせを待ってるよ」

 サトシ 「シゲルも大学、頑張れよ。あと、ポケモンたちも よろしくな」

 シゲル 「任せといてくれよ。……あー、あとユリーカ」

 ユリーカ 「なぁに?」

 シゲル 「サトシとセレナの顛末、メールで良いから教えてね。これアドレス」

 ユリーカ 「……ふふっ。オッケー!」

 サトシ 「おい」

 タケシ 「さぁさぁ時間無いから行くぞ!」

 ユリーカ 「レッツゴー!」
 ▼ 180 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:19:30 ID:nzhAUjgQ [9/18] NGネーム登録 NGID登録 報告


タケシの車に乗り込んだサトシたちは、一旦サトシの家へ。

サトシはハナコに事情を話して急いで荷造り。

その間、タケシたちはハナコに挨拶。シトロンとユリーカは、あの電話から5年越しに、サトシの家に訪れることが出来たことになる。



そうしてすぐに、一行はマサラタウンを後にした。

夜の高速道路を ひた走り、空港に着いたのは、21時半頃。出発まで1時間以上あるが、国際線であることを考えればギリギリだ。



 タケシ 「それじゃあ、気を付けて行って来いよ」

 サトシ 「あぁ。サンキューなタケシ。同窓会を仕切って貰った上に、空港まで送って貰っちまって」

 タケシ 「良いってことよ。それより、ちゃんとセレナを元気付けて来いよ」

 サトシ 「あぁ!」

 デント 「サトシ。レディーの心は繊細だから、変に空回りして傷付けないようにね」

 サトシ 「分かってるさ」

 デント 「うん。……おっとユリーカ」

 ユリーカ 「なぁにソムリエさん?」

 デント 「サトシとセレナが どんな感じになったか、メールで良いから教えてね。これアドレス」

 ユリーカ 「ふふっ。はーい!」

 サトシ 「デントもかよ!?」

 シトロン 「ほらサトシ。急がないと」

 タケシ 「そうだぞ国際線なんだから」

 サトシ 「……ったく。 じゃあ行ってくるよ」

 タケシ 「頑張れよ!」

 デント 「また会おうね!」
 ▼ 181 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 01:20:00 ID:nzhAUjgQ [10/18] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 182 ンチュラ@バグメモリ 17/09/01 14:41:27 ID:UybKZuDs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 183 ャース@あおいバンダナ 17/09/01 14:47:46 ID:5EoCeXl. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 184 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 23:23:00 ID:nzhAUjgQ [11/18] NGネーム登録 NGID登録 報告




定刻、22時55分。

サトシたちを乗せたカロス空港行きエールカロス航空293便が、カントーの地を飛び立った。


 シトロン 「いやぁ、ドタバタしましたけど、なんとか落ち着きましたね」

 ユリーカ 「まさかカントーに来て6時間で帰るなんて思わなかったな〜」

 シトロン 「そうだね」

 サトシ 「これからセレナに会えるのか……」

 ユリーカ 「嬉しい?」

 サトシ 「嬉しい……って言うか懐かしいな。5年ぶりだし」

 ユリーカ 「ねぇサトシ。聞いても良い?」

 サトシ 「ん?」

 ユリーカ 「旅が終わって、空港でセレナにキスされた時、どんな感じだった?」 ワクワク
 ▼ 185 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 23:23:33 ID:nzhAUjgQ [12/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ぶっ……。ユリーカどんだけオレとセレナの関係に興味あるんだよ!?」

 ユリーカ 「だって〜、一緒に旅してた仲だし〜、最後に勇気出したセレナのこと考えると〜、やっぱり気になっちゃうもん!」

 シトロン 「僕も あの時は衝撃を受けましたね。あんなに大勢の人が居る空港で、いきなりキスですからね」

 ユリーカ 「そうそう! 奥手だったセレナが! 恥ずかしさを放り出してキスしたんだよ! 分かる、サトシ? どれだけ凄いことか?」

 サトシ 「そりゃぁ……」

 ユリーカ 「サトシももう鈍感じゃないでしょ? セレナの気持ちに、ちゃんと答えてあげなよ」

 サトシ 「分かってるよ。確かに あの時のオレ、セレナのキスに深い意味とか考えなかったけど……」

 ユリーカ 「えぇぇぇどう考えても深い意味でしょ!?」

 シトロン 「ちょっ……ユリーカ静かに」

 サトシ 「いやほら。感謝の気持ちを込めたキスとか、あるじゃん? それにカロスとかだと、キスなんて挨拶レベルなのかな〜って思ったりもしたし」

 ユリーカ 「私いままで挨拶みたいなキスしたことある!?」

 サトシ 「……無かったな」

 ユリーカ 「でしょ! も〜ホントに鈍いんだから!」
 ▼ 186 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 23:24:00 ID:nzhAUjgQ [13/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「いや……だからさ、セレナのキスの意味に気付いた時、なんて言うか、すげー急に恥ずかしくなったよ」

 ユリーカ 「セレナは その恥ずかしさを押し殺してサトシにキスしたのに……」

 サトシ 「まぁ……うん。でも あの時はセレナすぐホウエンに行っちまったし、セレナがカロスクイーンになった時には気付いてたけど、わざわざそのことを掘り返すのもアレだし……」

 ユリーカ 「言い訳は いらないっ。セレナに会ったら、ちゃーんと返事してあげてよ! あれ、告白みたいなものなんだから!」

 サトシ 「告白……か」

 シトロン 「ユリーカ……、あんまりセレナが居ない所でペラペラ喋るのは良くないよ」

 ユリーカ 「分かってるけど……」

 サトシ 「なぁ、ジムリーダーってモテるのか?」

 シトロン 「いきなりですね。まぁ名誉ある立場ですし、一般トレーナーの憧れですから、まぁモテるでしょうね」

 ユリーカ 「って言うより、ジムリーダーのほうから“好きです”って行けば、90%以上はOK貰えると思うよ?」

 サトシ 「う〜ん……」

 シトロン 「5年ぶりに会う身としては、サトシの口から“モテる”なんて言葉が出たことに驚きですよ。何かあったんですか?」

 サトシ 「いや、実はオレのジム、チャレンジャーの男女比が同じくらいなんだ」

 シトロン 「それは珍しいですね。普通、男性の方が多いものですよ」

 サトシ 「あぁ。事務方の人も珍しいって言ってたな。なんでも、ジムリーダーがオレに変わってから、女性チャレンジャーが増えたって」

 ユリーカ 「……それって、サトシ目当ての女の子が来てるってこと!?」

 サトシ 「やっぱ そういうことだよなぁ」
 ▼ 187 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 23:24:30 ID:nzhAUjgQ [14/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ユリーカ 「なにそれ!? サトシにはセレナが居るのに!」

 シトロン 「ユリーカ。その辺はサトシの問題ですから」

 サトシ 「ついでに言うと、ジム戦 終わってから、食事に誘われたり、あと……プライベートで会いたいって手紙も貰うな」

 ユリーカ 「それ“デートしたい”ってことでしょ!? ダメだよサトシ! そんな誘惑に負けたら!」

 シトロン 「だからそれはサトシの問題だからね。ユリーカが怒る所じゃないからね」

 サトシ 「安心しろよ。ジムの仕事が忙しくて、それどころじゃないからさ」

 ユリーカ 「……ってことは、忙しく無かったら、デートするってこと?」

 サトシ 「そういう訳じゃないけど……」

 ユリーカ 「もぉ〜。サトシはセレナがキープしてるんだよ? そういう実感サトシには無いの!?」

 シトロン 「ユリーカ。恋人関連で“キープ”って、悪い意味で聞こえるからね」

 サトシ 「落ち着けてってユリーカ。大丈夫。セレナを悲しませるようなことは してない。断言するぜ」

 ユリーカ 「そういう問題じゃないのに」



 CA 「失礼致します。お食事サービスになります。和食と洋食をお選び頂けます」


 シトロン 「ほらユリーカ、この話は終わり。 では僕は洋食を頂きます」

 ユリーカ 「じゃあ……私も洋食お願いします」

 サトシ 「オレは和食で」

 CA 「かしこまりました。それでは ご準備致します」
 ▼ 188 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 23:25:00 ID:nzhAUjgQ [15/18] NGネーム登録 NGID登録 報告


座席のテーブルが広げられて、トレーに乗せられた夕食が3人の元に準備された。

シトロンとユリーカが選んだ洋食は、チキンソテーがメイン。それにパンとサラダ、コーンスープ、チーズとチョコレートケーキが付く。

サトシが選んだ和食は、牛肉の胡麻味噌和えがメイン。スモークサーモンのサラダが加わり、ご飯とパン、味噌汁、チーズとチョコレートケーキが付く。


 サトシ 「和食なのにパンも付くのか。炭水化物半端ないぞ」

 シトロン 「カロスの航空会社ですからね。けど、エールカロス航空のパンは美味しいって評判なんですよ」

 サトシ 「へぇ〜」

 ユリーカ 「いただきまーす!」



 サトシ 「って言うかさ、そろそろ2人のことも聞かせてくれよ」

 シトロン 「あぁ、そう言えば まだでしたね」

 ユリーカ 「じゃあ まずは私から」

 サトシ 「おう」
 ▼ 189 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 23:25:41 ID:nzhAUjgQ [16/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ユリーカ 「サトシたちとの旅が終わった後、私は しばらく、ジムの お手伝いしてたの」

 シトロン 「旅に出る前から、ユリーカにはジムの手伝いを して貰ってたんです」

 サトシ 「へぇ〜」

 ユリーカ 「ジムをお手伝いしながらポケモンのこと勉強してね、12歳になって、デデンネと一緒にカロス地方を旅したんだ」

 サトシ 「お、ユリーカも旅したのか! でも、なんで12歳まで待ったんだ?」

 シトロン 「勿論、10歳なりたてで旅させるなんて危ないからですよ! トレーナーズスクールでポケモン学やトレーナーの基本を学んでからでないと、一人旅なんて許せません」

 ユリーカ 「こうなの。私もサトシたちとの旅で色んなこと学んだから、大丈夫だって言ったのに」

 シトロン 「そういう訳にはいきませんよ。ユリーカは女の子なんですから! 本当なら一人旅も させたくなかったんです」

 ユリーカ 「過保護」

 サトシ 「ははっ。まぁ、シトロンはユリーカのことを思ってくれてるんだぜ?」

 ユリーカ 「分かってるけど、なんだかね〜」

 シトロン 「……それと、将来的にユリーカには、ミアレジムのジムリーダーを継いで欲しいと思ってるんです。その辺の勉強も兼ねて、2年間待ってもらった訳ですよ」

 サトシ 「お、ユリーカもジムリーダーになるのか!」

 ユリーカ 「うん。って言っても、もうしばらく先だけどね」

 シトロン 「まぁ、最初はシトロイドのサポート的な立ち位置を考えてるんですが」

 サトシ 「そっかシトロイドか」

 ユリーカ 「だからなんでサポートなの? 私もジムリーダーとして……」

 シトロン 「カロスリーグの結果」

 ユリーカ 「ギクッ」
 ▼ 190 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 23:26:20 ID:nzhAUjgQ [17/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ん?」

 シトロン 「ユリーカですが、カロスを旅して、8つのバッジを集めることは出来たんです」

 サトシ 「そうなのか! 初めての旅はバッジを集められないで断念するトレーナーが多いって聞くけど、ユリーカ優秀じゃん!」

 シトロン 「えぇ。その点は僕も認めてるんですよ。ただ……」

 サトシ 「ただ?」

 シトロン 「各地のジムリーダー……、ザクロさんやウルップさん、コルニたち、僕たちのこと、かなり印象に残ってるみたいなんですよね」

 サトシ 「あぁ、一緒にフレア団の暴走を止めた訳だからな」

 シトロン 「なので、何というかこう……、ユリーカの“頑張り”を評価して、バッジを渡したケースがあったんですよ」

 サトシ 「……それはジムリーダーとして間違いじゃないだろ?」

 シトロン 「勿論。ですが、“頑張り”と“実力”は違います。特に、リーグに挑戦するトレーナーたちは、本気で挑んで来ますからね」

 ユリーカ 「……てへっ。1回戦で負けちゃった」

 サトシ 「あらら」

 シトロン 「流石に僕も優勝しろとは言いませんが、まだまだ未熟なユリーカを、ジムリーダーにする訳にはいきませんよ」

 サトシ 「なるほどな」

 ユリーカ 「でも、良い経験したもん。次こそはデデンネと一緒に優勝するんだから!」

 サトシ 「その意気だぜユリーカ!」

 ユリーカ 「けど、今年はトライポカロンに挑戦するんだー!」

 サトシ 「……ははっ。そうだよな。ユリーカはトレーナーとパフォーマー、両方を目指してるんだもんな」

 ユリーカ 「うん!」
 ▼ 191 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/01 23:27:00 ID:nzhAUjgQ [18/18] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 192 リン@ジガルデキューブ 17/09/02 00:22:31 ID:X40B4Oi6 NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 193 ポポタス@じめじめこやし 17/09/02 17:15:43 ID:U2xjjqcI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 194 ダイトス@あさせのかいがら 17/09/02 18:22:42 ID:I1879ApQ NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 195 ガレックウザ@みずのいし 17/09/03 18:38:44 ID:MBsicHiw NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 196 ンペルト@ゴーストメモリ 17/09/04 07:17:55 ID:oCCQtaak NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 197 ルタンク@フリーズカセット 17/09/06 17:34:42 ID:dTHGsGZs NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 198 ルリア@ポイントマックス 17/09/06 19:07:40 ID:WTgBzvl2 NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 199 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/06 22:58:55 ID:tPtOxrv6 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「シトロンは最近どうなんだ?」

 シトロン 「実は僕……」

 ユリーカ 「お兄ちゃんね、リリアさんと付き合ってるんだよ」

 サトシ 「リリアさん?」

 シトロン 「覚えてませんか? 旅の途中で出会った、ミミロルを連れていた女性です。オレンジロゴの社長令嬢の」

 サトシ 「んー……」

 ユリーカ 「もー。ホント、サトシって女の子に興味無いんだから!」

 サトシ 「仕方ないだろ5年前だぞ……」

 シトロン 「仕方ないですよね。それでまぁ、リリアさんと正式に お付き合いさせて貰ってるんです。お互いの両親も公認で」

 サトシ 「そうなのか。ユリーカのシルブプレに真っ赤になってた頃が嘘みたいだな」

 ユリーカ 「お兄ちゃん変わったもんね」

 シトロン 「えぇ。サトシを見習って、僕も強く生きて行こうと心に決めましたから」

 ユリーカ 「強く生きてく内容が“リリアさんと付き合う”って何だかね〜」

 シトロン 「僕は真剣なんです!」
 ▼ 200 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/06 23:00:00 ID:tPtOxrv6 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「ははは。……ん? じゃあユリーカをジムリーダーにする理由って」

 シトロン 「あくまで将来的な話ですけど、僕がリリアさんと結婚したら、オレンジロゴを継ぐことになるかもしれません。そうなると、ジムリーダーはユリーカに任せるしか無いですからね」

 ユリーカ 「お兄ちゃん、もう結婚のことまで考えてるんだよ」

 サトシ 「ホント、あの時のシトロンからは考えられないな」

 シトロン 「僕ももう18歳です。それくらい考えて普通ですよ」

 サトシ 「……いや、早いと思う」

 ユリーカ 「でも、リリアさんは20歳だし、数年後〜って考えれば ちょうど良いかもね」

 サトシ 「へぇ〜。リリアさんの方が年上になるのか」

 シトロン 「はい。旅の途中に会った時は、そこまで深い話は出来ませんでしたが、お付き合いしてみて、とても優しい、素晴らしい女性だって実感しました」

 サトシ 「へぇ〜」

 ユリーカ 「うん……そうだよね。リリアさんの母性って言うか、お兄ちゃんの恥ずかしいことも受け入れる優しさ、ちょっと引くくらい凄かったもんね(オネショとか裸でアーボックとか)」

 サトシ 「引くくらい?」

 シトロン 「えっ……なんのことだいユリーカ?」

 ユリーカ 「あ、気にしないで。5年も前のことだから」
 ▼ 201 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/06 23:01:30 ID:tPtOxrv6 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「シトロンとユリーカも成長してるんだなぁ。……他にカロスで目ぼしいことって何かあったか?」

 シトロン 「知り合い関連は、さっきユリーカが粗方 喋ってしまったので……そうですねぇ」

 ユリーカ 「ビオラさんとザクロさんの結婚式、来年って言ってたっけ?」

 シトロン 「そうだね。6月の日が良い日に挙げるらしいですよ」

 サトシ 「あの2人が結婚か……。考えてみると、ジムリーダー同士の結婚って初めて聞いた気がするな」

 シトロン 「そうですよね。あの当時から仲良さげでしたし、無事にゴールインってところですかね」

 ユリーカ 「サトシもセレナとゴールインするんだよね?」


 サトシ 「……例の負のエネルギー的な奴って、まだ残ってるのか?」

 ユリーカ 「ねぇサトシっ!」

 シトロン 「分かりませんが、少なくとも人間界への被害は聞かないですね」

 サトシ 「そっか。ゲッコウガとプニちゃんが頑張ってるってことだよな」

 シトロン 「えぇ。あの巨石が暴走した距離は かなりのものですから、負のエネルギーは相当な範囲に拡散してると思われます。それを全て駆逐するのは、そう簡単では無いでしょうし、まだゲッコウガたちが影で活躍してくれていると見るべきでしょうね」

 ユリーカ 「もー。鈍感が治ったと思ったら一気に奥手になっちゃうんだから!」
 ▼ 202 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/06 23:02:40 ID:tPtOxrv6 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「まぁまぁユリーカ。サトシは久々にセレナと会うから緊張してるんだよ」

 サトシ 「いやいや。旅仲間と会うのに緊張なんてする訳ないだろ」

 ユリーカ 「じゃあ なんでセレナの話に、そんなに素っ気ないの?」

 サトシ 「いや、それはほら。セレナとキスしたこと思うと、なんか気まずいような気がして……」

 ユリーカ 「セレナが勇気を出してキスしたのに、気まずいなんてサトシひどいよ」

 サトシ 「いや勿論そんな悪い意味じゃないぞ。ただ……」

 ユリーカ 「はぁ。言い訳しない分、5年前のサトシの方が格好良かったな」

 サトシ 「うぅ……」

 シトロン 「だからユリーカ。サトシとセレナの問題に僕たちが首を突っ込んじゃダメだって」

 ユリーカ 「私はただ、落ち込んでるセレナに元気になって欲しいだけだもん」

 サトシ 「そこは安心しろって。ちゃんとセレナを励ますからさ」

 ユリーカ 「……頼むよサトシ」

 サトシ 「あぁ」

 ユリーカ 「ホントにホントだよ?」

 サトシ 「任せとけって。オレだって、セレナと話したいこと沢山あるからさ」
 ▼ 203 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/06 23:05:00 ID:tPtOxrv6 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「……そうだサトシ。カロスの変化と言われて、これは話しておくべきかもしれません」

 サトシ 「どうした?」

 シトロン 「例の負のエネルギーとの関連性は低い……と言うより、僕は無関係だと思っていますが、今カロスで、ちょっとした事件が起きてるんです」

 サトシ 「事件?」

 シトロン 「はい。実は、極端に衰弱したポケモンが、多く見つかっているんです」

 サトシ 「衰弱したポケモンが……見つかる? どういうことだ?」

 シトロン 「その通り、森の中など人気の無い所で、極端に衰弱したポケモンが保護されるんですよ」

 サトシ 「野生ってことか?」

 シトロン 「野生です。一応」

 サトシ 「“一応”?」

 シトロン 「順を追って話します。そもそも、野生ポケモンが衰弱した状態で保護されるのは、何も珍しいことではありません。野生に住む宿命みたいなものですから」

 サトシ 「あぁ。そんなポケモンたちを保護するために、ポケモンレンジャーが活動してるんだもんな」

 シトロン 「はい。……ですが、最近そのように保護されたポケモンが、明らかに、人工的な危害を加えられているんです」

 サトシ 「それって……ポケモン虐待ってことか!?」

 シトロン 「……言い方は悪いですが、虐待の方が、まだマシかもしれません」

 サトシ 「えっ?」

 シトロン 「保護されて、ポケモンセンターに運び込まれたポケモンの症状が……、遺伝子異常なんです」
 ▼ 204 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/06 23:06:00 ID:tPtOxrv6 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 205 ットロトム@インドメタシン 17/09/06 23:07:37 ID:7ilqbBb6 NGネーム登録 NGID登録 報告
なんか不穏に…
支援
 ▼ 206 ラマネロ@するどいツメ 17/09/06 23:14:12 ID:IkjGxoRI NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 207 ォッシュロトム@ともだちてちょう 17/09/07 07:11:29 ID:byI1VTxI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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甲州街道さんってSS企画でないの?
 ▼ 208 ルガレオ@スピーダー 17/09/10 08:06:42 ID:8vmvTVys NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 209 ガチャーレム@1ごうしつのカギ 17/09/12 10:04:15 ID:kpCwpqs. NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 210 ンホロウ@ミュウツナイトX 17/09/12 13:15:24 ID:jvS8sDRw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 211 イリキー@オーキドのてがみ 17/09/12 21:36:51 ID:ANlax1TA NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 212 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 01:40:00 ID:vrqDzWDs [1/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「遺伝子異常……」

 シトロン 「先天性なものでは無く、明らかに人工的に引き起こされたものなんです」

 サトシ 「どうして分かるんだ?」

 シトロン 「保護された遺伝子異常のポケモン全てに、注射針の痕があったらしいんですよ」

 サトシ 「注射針って……、それ絶対に人間が絡んでるだろ!」

 シトロン 「えぇ。捜査も その前提で行われているようですが、未だに解決の糸口も見出していないみたいで……」

 サトシ 「その事件って、いつ頃から起こってるんだ?」

 シトロン 「確か……、1年くらい前からだったと」

 ユリーカ 「去年の夏だよ。セレナが防衛戦で負けちゃった頃だから、変によく覚えてる」

 サトシ 「そうなのか。1年以上も捜査して手がかり掴めないって、何か悪の組織的なのが絡んでるのかもな」

 シトロン 「そう考えるのが自然でしょうね」

 サトシ 「フレア団の連中は、まだ逮捕されたままだよな?」

 シトロン 「はい。5年で出てこられるような罪では無いですから、フレア団は無関係と見て良いでしょう」

 サトシ 「実はフラダリが復活した――、とかも無いよな?」

 シトロン 「考えたくありませんね」

 ユリーカ 「大丈夫だよ。あんなインパクトある おじさん、復活したら絶対に見つかっちゃうって」

 サトシ 「あ〜、確かにな」
 ▼ 213 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 01:45:30 ID:vrqDzWDs [2/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「いずれにしても、この事件の犯人は、かなり用心深いと見れますね」

 サトシ 「そうだな。1年以上もポケモンを遺伝子異常にしてるって、普通じゃ何かしら足が付くはずだし」

 シトロン 「問題は、犯人は なにが目的で、こんなことをしているかです」

 ユリーカ 「そうだよ。今まで保護されたポケモンたち、みんな苦しんでるんだよ! こんなこと絶対に許せないよ!」

 サトシ 「オレも許せない。ポケモンの命をなんだと思ってるんだ!」

 シトロン 「えぇ。犯人は言わば、人体実験を している訳ですからね。何の罪もない野生ポケモンを使って」

 サトシ 「ホント、何が目的なんだろうな」

 シトロン 「遺伝子異常と注射痕――、ここから考えられることは、ポケモンに“何か”を注入して、“何か”を引き出そうとしているんじゃないでしょうか」

 サトシ 「何かを引き出す?」

 シトロン 「えぇ。例えば、“本来覚えないワザを覚えさせる”とか、“本来とは違うタイプを持たせる”とか」

 サトシ 「なるほど。なら、“強制的にポケモンの能力を上げようとした”とか、“強制的にポケモンの成長を早めた”とかも考えられるな」

 ユリーカ 「じゃあじゃあ、“メガシンカしないポケモンをメガシンカさせようとした”とかも有り得るよね?」

 シトロン 「そうだね。いずれにせよ、科学が進歩した現代なら、それらの実現が可能かもしれません。けどそれには、実験が必要です」

 サトシ 「科学で実現させるってことは否定しないけどさ、だったらちゃんと手続きを踏むべきだろ。勝手に実験して、実験の被害に遭ったポケモンを捨てるとか、正気の沙汰じゃない」

 シトロン 「同感です。仮に科学に携わる者が犯人だとしたら、科学を愛する者として許せません」

 ユリーカ 「私も絶対に許さない! ……デデンネがメガシンカ出来るかもって言うなら、ちょっと気になるけどね」
 ▼ 214 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 01:50:00 ID:vrqDzWDs [3/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 シトロン 「今は警察の捜査を待ちましょう。一応、カロスのジムリーダーたちにも通達が来てて、何か気になることがあれば情報提供することになってるんです」

 サトシ 「そうなのか。……オレはまだ、そういう状況には遭ってないな」

 シトロン 「遭わない方が良いですよ。平和ってことですからね」

 サトシ 「確かにな」

 ユリーカ 「うん。平和が一番だよ」



サトシは座席に座り直して、一息つく。

いまシトロンから知らされた、野生ポケモンの遺伝子異常事件。

犯人の目的は分からないが、少なくとも1年以上前――、セレナが防衛戦に敗退した頃から起きているらしい。

しかし未だに、犯人は特定されていない。


野生ポケモンに対する虐待とも言える行為に、サトシは強い怒りを覚えた。

彼の性格やポケモンを好きな気持ちから、その怒りは当然のものだが、サトシは今、ジムリーダーという立場にいる。

チャレンジャーのバトルの腕前を評価することは勿論だが、こうしたポケモン絡みの事件の捜査に協力する面もあることから、2つの意味で、サトシは犯人を許せなかった。
 ▼ 215 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 01:55:00 ID:vrqDzWDs [4/10] NGネーム登録 NGID登録 報告


夕食が片付けられ、機内の照明が少し落とされた。消灯時間と言うことだろう。


 シトロン 「さぁ、そろそろ寝ましょう。カロスまであと10時間ほどありますが、時差の関係で、到着は朝の4時半ですからね」

 サトシ 「うぉ朝早いんだな」

 ユリーカ 「でも いっぱい寝れるから大丈夫だよ。夜ごはん美味しかった、朝ごはんも楽しみだね」

 シトロン 「そうだね。……あ、サトシ。座面ポケットに、アイマスクと耳栓が入ってますよ」

 サトシ 「あぁ、サンキュー」

 シトロン 「それじゃあ、おやすみなさい」

 ユリーカ 「おやすみー」

 サトシ 「おやすみ。明日は よろしくな」



シトロンとユリーカは、耳栓とアイマスクを装着して、座席をリクライニングし、眠る体勢に入った。

しかしサトシは まだ眠くないようで、イヤホンを取り出し、座面モニターの機内エンターテイメントサービスを試してみることに。

音楽やショッピングには興味が無いようで、映画の項目を手元のリモコンで眺めてみたが、洋画ばかりで、サトシの知っているタイトルは ほとんど無かった。
 ▼ 216 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 02:00:30 ID:vrqDzWDs [5/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
結局サトシは、男子高校生と女子高校生の体が入れ替わってしまう、その当時大ヒットを喫したアニメ映画を見ることにした。


岐阜に彗星の破片が墜落して大惨事となる現実を、男女が協力して被害を最小限に食い止めるストーリーだが、なぜ女子と折り合いが悪かった彼女の父親が糸守に避難(訓練)指示を出したのか、当時は分からなかった。

しかし小説版を読んで納得、彼女の父親には、それなりの葛藤があったのである。

彼女の父親が、どのように彼女の母親と恋に落ち、結ばれ、そして、家を出て行ったのか。映画では語られなかった彼の内心は、非常に繊細なものだった。



そんな当時の記憶を呼び覚ましながら映画を流し見するサトシだが、不意に、服の袖が引っ張られた。



 ユリーカ 「ねぇサトシ……」

 サトシ 「ん……ユリーカ?」


サトシはイヤホンを外して隣を向く。

さっきまで眠る体勢だったユリーカは、アイマスクと耳栓を外して、静かにサトシを見つめていた。

シトロンは眠っているようで、どうやらユリーカは、兄が寝落ちるのを待っていたらしい。
 ▼ 217 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 02:04:00 ID:vrqDzWDs [6/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ユリーカ 「サトシ、冗談抜きにさ、お願い」

 サトシ 「どうした?」

 ユリーカ 「セレナのこと……、お願い。セレナのこと、ちゃんと元気付けてあげてね」

 サトシ 「あぁ、分かってるよ」

 ユリーカ 「私ね、セレナとは、ちょこちょこ会ってたの。セレナがホウエンから帰って来てから、ずっと」

 サトシ 「そうだったのか」

 ユリーカ 「それでね、セレナ、ホウエンで いっぱいパワーアップしてきたみたいで、はじめの頃はね、すっごい活き活きしてたの」

 サトシ 「うん」

 ユリーカ 「帰って来てすぐのポカロンは、エルさんに勝てなかったんだけど、次の年のポカロンで、セレナはエルさんに勝って、念願のカロスクイーンになれたんだ」

 サトシ 「あぁ。オレもニュースで知ったよ」

 ユリーカ 「セレナね、クイーンになれたのもそうだけど、サトシから花束を貰って、すっごい喜んでたよ。“今までで一番嬉しい花束だよ”って、花を枯れなくする肥料みたいなのも買って、最後まで大事に飾ってたし」

 サトシ 「そっか。そんなに大切にしてくれたんなら、オレも送った甲斐あったな」

 ユリーカ 「でね。セレナ、“これでサトシに誇れるんだ”って。“サトシに相応しい、魅力的な女性になれた”って、本当に嬉しそうにしてたの」

 サトシ 「セレナ……、そんなこと言ってくれてたのか」

 ユリーカ 「うん」
 ▼ 218 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 02:05:00 ID:vrqDzWDs [7/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「オレもさ、セレナに負けないようにって。セレナが夢を叶えたんだからオレも追いつこうって。そう思い続けて、ジムリーダーになれたんだよな。やっと一歩進んだよ。けど……」

 ユリーカ 「そのタイミングで、セレナ、防衛戦で負けちゃったんだよね……」

 サトシ 「あぁ。それでもセレナ、オレに お祝いしてくれて……。研究所でも言ったけど、複雑って言うか、セレナの気持ち考えたら、なんだか居た堪れないよな……」

 ユリーカ 「セレナ、ずっと元気ないの。近くに居ないと分からないと思うけど、本当にセレナ、ずっと落ち込んでるみたいで……、私、セレナのこと心配」

 サトシ 「そうだよな。セレナとユリーカ、姉妹みたいに仲良かったもんな」

 ユリーカ 「私が励ましても、セレナ全然変わらなくて……。もうサトシが励ますしか無いって思ってるの。だから私ね、同窓会に招待して貰えて、サトシをカロスに連れてきちゃおうって、お兄ちゃんには内緒だけど、考えてたんだ」

 サトシ 「そうだったのか」

 ユリーカ 「ごめんねサトシ。無理言っちゃって。それに……ありがとう」

 サトシ 「それを聞くのは、セレナを元気にさせてからだぜ?」

 ユリーカ 「……うん。そうだねっ」

 サトシ 「へへっ。オレに任せとけよ。……じゃあユリーカも早く寝た方が良いぞ。カントー来てトンボ帰りなんだし、疲れてるだろ?」

 ユリーカ (セレナがサトシを こんなに好きな理由、今なら私にも分かるかよ)

 サトシ 「ん?」

 ユリーカ 「なんでもない。おやすみなさい、サトシ」

 サトシ 「あぁ。おやすみユリーカ」
 ▼ 219 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 02:12:00 ID:vrqDzWDs [8/10] NGネーム登録 NGID登録 報告


ユリーカがアイマスクと耳栓を付け、再び眠りにつくのをサトシは見守って、意識を映画に戻した。



黄昏時、山の頂上の御神体で、時空を超えて対面した少年と少女。

2人は互いに名前を忘れないようにと、ペンで手のひらに名を書こうとしたが――、その瞬間、黄昏時は終わってしまう。

けれども、やることを悟った彼女は山を駆け下り、糸守の集落に急ぐが、勢い余って転んでしまい、そうして目を向けた手のひらには――、“好き”という文字。



  サトシ (好き……、か)


ユリーカの言葉を聞いて、サトシの頭に映画の内容は、ほとんど入って来なかった。

セレナは5年経った今でも、サトシのことを想い続けている。会うのを楽しみにしている。

そんな彼女が今、ポカロンの防衛戦で敗退し、カロスクイーンの座を奪われ、落ち込んでいる。思い詰めている。

サトシに相応しい女性になれたと喜んだ期間は、ものの1年足らずだった訳で、その後、サトシがジムリーダーと言う地位に就いたことからも、セレナが どれだけ落ち込んでいるかは、想像するに容易い。


  サトシ (オレだって、カロスクイーンのセレナに恥じないようにって、頑張って来たんだ。……でもそれって、オレもセレナのこと、好きってことなのかな)
 ▼ 220 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 02:13:00 ID:vrqDzWDs [9/10] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシにとって、セレナとの あのキスは、大きな出来事だった。

鈍感だった当時に考えていた意味合いとは全く別、異性に対する興味、知識が付いてきたからこそ、あのキスは、セレナを意識させずには いられなかった。


  サトシ (とにかく、これからセレナに会うんだ。セレナを励まして、久々に話して……、考えるのは、それからだな)


サトシはモニターの電源を落とすと、耳栓をはめて、座席をリクライニングさせた。


これから自分は、セレナに会う。

5年ぶりに、セレナと顔を合わせる。

けれど そのセレナは、防衛戦の敗退で、思い詰めている。

もしかすると、パフォーマンスがスランプになっている可能性もある。


そう考えると、サトシの中で、早くセレナに会いたいと言う感情が大きくなっていく。

あれだけ強いセレナが、ユリーカが言うほど落ち込んでいるというのは、サトシが想像している以上に、深刻なことなのかもしれない。



  サトシ (セレナ……)



そうして いつの間にか、サトシは眠りに落ちていた。



セレナとの再会まで、あと数時間――。



 ▼ 221 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/13 02:14:00 ID:vrqDzWDs [10/10] NGネーム登録 NGID登録 報告



 続きは後日。


 ▼ 222 カシャモ@4ごうしつのカギ 17/09/13 07:46:31 ID:pacEvPcU NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 223 ハコモリ@すいせいのかけら 17/09/13 08:04:05 ID:LJvhFToA NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
危うく君の名はのネタバレを読みそうになって飛ばした。あぶねえあぶねえ
 ▼ 224 ビィ@ピントレンズ 17/09/13 16:06:20 ID:TpwgKObo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 225 クレオン@こだわりハチマキ 17/09/16 14:47:08 ID:.dhGQnC6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 226 ザード@アクアスーツ 17/09/17 10:02:58 ID:Ylb./ZHo NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 227 メルゴン@どくのジュエル 17/09/17 10:56:50 ID:hAvkC06A NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 228 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 22:00:00 ID:oW5ADsyo [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告


翌日、午前5時。



 サトシ 「着いたー! 懐かしのカロス地方!」

 ユリーカ 「私たちは1日ぶりだね」

 シトロン 「時差を考えると1日も経ってないけどね」


サトシたちを乗せた飛行機は、無事にカロスに下り立った。

手続きと荷物回収を済ませても、まだ朝の5時。空港なので人の動きは活発だが、まだまだ街は眠っている時間だ。


 シトロン 「とりあえず、僕たちの家に行きましょう。セレナと会うのは、もう少し時間を置いてからでないと」

 サトシ 「そうだな。……あ、でもこんな朝早くから行くの、リモーネさんに悪いよ」

 ユリーカ 「大丈夫。パパは今ね、電気工事の大きい仕事があるからって、家に居ないんだ」

 サトシ 「そうなのか?」

 シトロン 「えぇ。仕事場はミアレ市内なんですけど、規模が大きい工事なので、1週間くらい、現地で寝泊まりしてるんですよ」

 サトシ 「そうなのか。大変だな」

 ユリーカ 「だから遠慮いらないよサトシ」

 サトシ 「サンキュー。じゃあ、ちょっと お邪魔させて貰うぜ」
 ▼ 229 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 22:10:10 ID:oW5ADsyo [2/9] NGネーム登録 NGID登録 報告


シトロンの家に着いたサトシたちは、ひとまずテレビを付け、リビングで寛ぐ。

他愛の無い会話、旅をしてた頃の話や、ミアレジムの話など、現地に着いてからも、久しぶりの再会であれば話題は尽きない。

そうこうしているうちに、時刻は9時をまわる。



 ユリーカ 「……じゃあ、そろそろ行こうよ」

 シトロン 「そうだね」

 サトシ 「いよいよセレナと会えるんだな」



前日、飛行機に乗る前、ユリーカはセレナと連絡を取っていたらしい。


もともとユリーカは、この日、同窓会でサトシに会いに行くことを、セレナに伝えていた。

例の理由でセレナは同窓会への参加を見送ってしまったようだが、彼女にとって、サトシの近況は、とても気になることだろう。

そこでユリーカは、“カントーのお土産と、サトシに関する土産話”を渡す名目で、セレナに会う約束を取り付けていたのだ。


それが今日、これから。
 ▼ 230 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 22:20:31 ID:oW5ADsyo [3/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「まさか こうやってカロスで4人集まるなんて、考えてもみなかったなぁ」

 シトロン 「サトシもジムが忙しいですからね」

 サトシ 「あ、ミアレジムの視察って名目だから、ちょっとはジムにも行かないとな」

 シトロン 「そうですね」

 ユリーカ 「でもでも、サトシはミアレジムに挑戦したことあるんだから、ちょっと見れば分かるでしょ? セレナとの時間を大切にしないと!」

 サトシ 「あぁ。……4人で旅した時の話で盛り上がりたいけど、まずはセレナを元気付けないとな」

 シトロン 「はい。そのためにサトシが一緒なんですから」

 ユリーカ 「」 ニヤッ


 サトシ 「それで……、セレナが ここに来るのか?」

 ユリーカ 「ううん。カフェで待ち合わせしてるんだ」

 サトシ 「カフェか。有名なところなのか?」

 シトロン 「有名では無いですが、隠れた名店だと思いますよ。リリアさんと一緒に行ったんですけど、そこのカフェラテが絶品でしたから」

 ユリーカ 「セレナって元カロスクイーンだから、人目を気にするみたいなの。だから、あんまり有名なお店より、知られてない所の方が良いかなって」

 サトシ 「あぁ、確かにそうだよな」

 シトロン 「僕たちが行った時は貸切状態でしたから、今日も この時間なら誰も居ませんよ」

 サトシ 「そっか。なら安心だな」

 ユリーカ 「ふふっ。ジムリーダーが2人と、元カロスクイーンが来るなんて、お店の人もビックリしちゃうね」

 シトロン 「そうだね。けど、マスターも その辺は分かってるみたいだから、普通に接してくれると思うよ」

 サトシ 「それじゃあ早く行こうぜ、そのカフェに!」
 ▼ 231 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 22:30:00 ID:oW5ADsyo [4/9] NGネーム登録 NGID登録 報告


シトロンの家を出て、タクシーを走らすこと約10分。

メインの通りから路地を入って しばらく。ビルの一角に、そのカフェは あった。


植木とプランターに囲まれた、見落としてしまいそうな入口。

そこに大きな看板は無く、木目調のドアのガラスに、コーヒーカップが描かれただけの店。

シトロンが“隠れた名店”と言ったことも頷ける、ひっそりと佇むカフェだった。


 サトシ 「ここか」

 シトロン 「はい。雰囲気出てると思いませんか?」

 サトシ 「あぁ。よくこんなとこ見つけたな」

 ユリーカ 「ホント。お兄ちゃんね、リリアさんと お付き合い始めてから、急に こういうとこマメになったんだよ」

 シトロン 「そりゃぁ、男として良いとこ見せたいですし」

 ユリーカ 「サトシ。ここだけは お兄ちゃん見習わなきゅダメだよ?」

 シトロン 「“ここだけ”は無いだろユリーカ」

 ユリーカ 「ふふ〜ん。……あ、そうだサトシ。入る前に、ちょっと良い?」
 ▼ 232 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 22:40:00 ID:oW5ADsyo [5/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ 「どうした?」

 ユリーカ 「セレナにはね、カントーの お土産を持って行くって伝えてあるの。……セレナのことだから、お土産よりサトシに会った感想の方を楽しみにしてると思うけどね」

 サトシ 「あぁ」

 ユリーカ 「でもユリーカ、カントーの お土産、買ってないんだ」

 サトシ 「そっか。2人はトンボ返りだったもんな」

 ユリーカ 「だからサトシ。カフェに入ったら、そ〜っとセレナに近付いて、驚かしちゃおうよ」

 サトシ 「驚かす……。うーん、アリっちゃアリだけど、落ち込んでるセレナに対して、いきなり驚かすのは……」

 ユリーカ 「別に“わっ!”とか そういう驚かし方じゃないよ。 “振り向いたらサトシが居た”って、最高のサプライズだと思わない?」

 シトロン 「なるほど。それがユリーカの考える“お土産”ですか」

 ユリーカ 「そういうことっ」

 サトシ 「へへっ。良いぜ、ユリーカのシナリオに任せるよ」

 ユリーカ 「ありがとう。それじゃあ、サトシはセレナに○○○して、私が…………」



 シトロン 「これはセレナの反応が楽しみですね」


 ▼ 233 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 22:50:11 ID:oW5ADsyo [6/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
入口のドアを開ける。

外観の割に、中は そこそこの広さがある。カウンターが5席と、テーブル席が4セット。

テーブルの間には観葉植物が置かれていて、ちょっとした個室のような雰囲気もある。ある意味“お忍び”に もってこいだ。


正面のカウンターで、白髪のマスターがコーヒーカップを磨いていた。

マスターは、サトシたちと一瞬だけ目を合わせると、優しそうな表情で会釈し、またコーヒーカップに手を戻した。

決して不愛想とかでは無く、極力干渉しないと言うか、“客のプライバシーを大切にします”と語っているようだった。



そして、観葉植物に囲まれた、一番奥のテーブル席。

こちらに背を向けて座っている、1人の少女。


 サトシ (セレナ!)


思わず声が出そうになったところを、サトシはグッと抑える。サプライズが台無しになるところだった。

ユリーカがニヤリと笑みを浮かべ、そっとセレナに近付く。


サトシもユリーカに続く。


そして作戦通り、セレナの背後から手を伸ばして、彼女を目隠しした。
 ▼ 234 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 22:55:55 ID:oW5ADsyo [7/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
 セレナ 「ぇっ!?」


一瞬ビクッとするセレナだが、すぐにユリーカがフォローを入れた。


 ユリーカ 「だ〜れだ?」

 セレナ 「……ふふっ。も〜」


あぁ、これじゃあ、まさか自分が後ろに居るとは思わないだろうな――とサトシは思う。

そして、これから振り向くであろうセレナを、どんな表情で迎えればいいか、少し考え、けれど、あの頃と同じが一番だと気付き、ユリーカと目配せした。



 セレナ 「お帰りユリーカ。サトシの同窓会、楽しかっ――」


サトシの手を するりと抜けて振り向いたセレナは、硬直した。

人間は本当に驚いた時、思わず動けなくなるんだと、その時サトシは実感した。


 ユリーカ 「セレナ、約束通り、“お土産”持ってきたよっ」 ニヤニヤ

 シトロン 「いやぁ、どんなお土産が良いか、悩みましたもんね〜」 ニヤニヤ


棒読み感がワザとらしいなとサトシは思ったが、久しぶりに対面したセレナの前では、そんな茶番なんて どうでもいい。

彼女の姿を目にしたサトシの中に、様々な感情が溢れ出て来ているからだ。
 ▼ 235 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 22:59:00 ID:oW5ADsyo [8/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
 サトシ (セレナ、大人っぽくなってる……)


声のトーンは、5年前と変わらない。

綺麗な金髪も、5年前と変わらないショートボブ。ただ、1年前カロスクイーンになった時はロングヘアだったので、最近になって切ったのだろう。

顔はと言うと、サトシの第一印象は、“大人っぽい雰囲気”。

幼さは薄れたが、ふわっとした可愛らしさは当時の面影を残し、艶のある頬は、何とも言えない色っぽさを出している。





それはもう、間違いなく、“魅力的な女性”だった。





 セレナ 「ぇっ……ぁっ、うそっ……サトシ……?」


 サトシ 「あぁ。久しぶりだな、セレナっ!」





   ― 続く ―


 ▼ 236 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/09/17 23:00:00 ID:oW5ADsyo [9/9] NGネーム登録 NGID登録 報告


これにて当SSは完結です。

これまでのご支援、ご感想、ありがとうございました。


続きはセレナ視点の別スレへと移行します。

そのスレ立ては、また後日。


立てたら こちらでも報告します。
 ▼ 237 マサラ人3◆etyxjFp636 17/09/17 23:13:29 ID:M1atyMuk NGネーム登録 NGID登録 報告
>>236

乙です!

続き楽しみにしてます。
 ▼ 238 ッコアラ@ホズのみ 17/09/17 23:14:48 ID:8.wWxlo6 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>236
乙です!
続きが気になります!
 ▼ 239 ルット@そうこのかぎ 17/09/17 23:16:49 ID:fzlBWIl. NGネーム登録 NGID登録 報告
>>236
乙!
 ▼ 240 ャオブー@にがいきのみ 17/09/18 01:06:31 ID:c2guRlU. NGネーム登録 NGID登録 報告
乙です!
続きも待ってます!
 ▼ 241 マンボウ@メンタルハーブ 17/09/18 09:54:12 ID:SibM9gME NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おつかれ
 ▼ 242 リンリキ@すいせいのかけら 17/09/18 09:59:11 ID:LiWGiviM NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
 ▼ 243 オップ@いでんしのくさび 17/09/18 12:16:56 ID:c/UelBaE NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
 ▼ 244 ンカラス@しんかのきせき 17/09/23 00:02:18 ID:msJW.iJI NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 245 ツケラ@ペアチケット 17/10/12 14:45:19 ID:mRwrhSlY NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
過去の作品読み返して思ったんだけど
18歳サトセレ、ジムリーダーと元カロスクイーン、サトシの雑誌ランキング、シトロンに恋人……など
この話で再会した夜の出来事が
セレナ(18)「初めては、サトシと……///」これになるのかな

当時あらすじと【 4 】から始まって「んっ?これの前の話なんだ」って思ってたから、もしそうだとしたら次回作でその部分が明らかになりそうだし、夜の出来事の続きも気になってたからそれも楽しみ。いったいどこまでストーリーを練り上げているのか……凄すぎです
違ってたらごめんなさい
 ▼ 246 クライ@タラプのみ 17/10/13 17:36:23 ID:OnrB/M6. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
めちゃめちゃ面白くて一気読みした
素晴らしい作品をありがとう!
 ▼ 247 ガリザードンX@ダイブボール 17/10/14 00:09:15 ID:zoPlFNzI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>245
なにそれ凄い
 ▼ 248 ッタ@ライブスーツ 17/10/14 10:55:45 ID:.uZZXQUs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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