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【寒い日ss】雪の降る夜に

 ▼ 1 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/11 21:00:27 ID:mOek2lpc NGネーム登録 NGID登録 報告



─────「……と、平地では約50年ぶりの大雪がふるなど、今年は異常気象に見舞われており…」


ママ「まあ……アローラで雪を見ることがあるなんてね…
   一応コートを持っていて良かったわね」

ヨウ「あ、母さんは雪は久しぶりだったね」

俺は何回もラナキラマウンテンに行っている為、そんなに久しぶりという思いはなかった。でも…
外では雪が積もっていて、一面が銀世界になっていた。

冬とは言え、アローラでこんなに雪が降るなんて…

ヨウ「じゃあ、そろそろ出かけようかな」

ママ「あら? 今日どこか行くんだっけ?」

ヨウ「皆と遊びに行く約束をしてるんだ、行ってくるね」

ママ「あっヨウ、待ちなさい。マフラーも持って行ったら?」

そう言って母さんは、真っ白な長いマフラーを差し出した。

ヨウ「え、でもコートも着てるし…大丈夫だと思うけど」

ママ「持って行って損はないわ! 持って行きなさい!」
 ▼ 10 ルロック@こだいのきんか 17/08/11 23:39:54 ID:ieIGKIJc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 11 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 11:25:14 ID:8wIFdle6 NGネーム登録 NGID登録 報告
ヨウ「リーリエ、ごめんね?」

リーリエ「………はい」


リーリエがちょっと拗ねたような声で返事をした。
それを見て、ミヅキは少し微笑み、ドリンクを口につけた。


ヨウ「ミヅキとグラジオもやったらいいのn」

グラジオ、ミヅキ「「 断る!!! 」」

ヨウ「うわあ息ピッタリ」


全て言い終わる前に、同時に拒否の言葉を口にした2人は、
顔を見合わせ笑った。それにつられてリーリエも笑顔になり、俺とハウも声を出して笑ってしまう。



リーリエ「ごちそうさまでした!」

ハウ「美味しかったねー、もうお腹いっぱいだよー」

ヨウ「ハウは食べ過ぎだと思うけどね?」

 ▼ 12 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 11:38:20 ID:o7V.IEWA NGネーム登録 NGID登録 報告
グラジオ「それで、次はどうするんだ?」

ミヅキ「うーん、決めてない」


ヨウ「そうだ、今日はせっかくこんなに雪が積もってるし、なんかこう……冬らしいことしない?」

俺の言葉に皆考え込む。
すると真っ先にリーリエが、

リーリエ「じゃあ……雪だるまとか作りませんか?」

ハウ「雪だるまー?」

ヨウ「大きい雪の玉を2つ重ねて、木の枝とかで顔とかをつけた……作ってみたら早いね」


そう言うと、リーリエが近くに積もった雪を丸め始める。
小さい雪玉を2つ重ねたところに、小石や小枝で顔を作り…


リーリエ「完成です!」


そう言ってリーリエが見せたのは、手のひらサイズの可愛らしい雪だるまだった。

ハウ「おおー!」

ミヅキ「小さいのにすごい! リーリエ器用だね!」


 ▼ 13 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 11:56:32 ID:gf7r8lPo NGネーム登録 NGID登録 報告
皆が口々に褒めるので、リーリエは少し照れくさそうにした。


リーリエ「もっと大きい雪だるま、皆さんで作って見ませんか?」

ハウ「作る作るー! 作ってみたいー」


そう言って皆で雪玉を転がす。
小さい雪玉が、地面の雪を絡めて大きくなっていく。

ハウ「このくらいの大きさかなー?」

リーリエ「あ、綺麗! はい、それくらいがいいと思います!」

ミヅキ「男子チームの雪玉でかっ」


俺とハウとグラジオが作った雪玉に、リーリエとミヅキが作った雪玉を重ねる。そこに落ちていたきのみ、枝をつける。


ヨウ「立派な雪だるまができたな…」

ハウ「すごい大迫力だねー」


俺達の背丈よりも一回り以上は大きい雪だるまが完成した。
多少バランスは悪かったが、ハウ達も満足したようで良かった。
 ▼ 14 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 12:35:57 ID:dFUErNOY NGネーム登録 NGID登録 報告


グラジオ「……ミヅキ、大丈夫か?」

ミヅキ「え? あー…うん、大丈夫。なんで?」

グラジオ「手に息を吹きかけていたからな、寒いのか」

ミヅキ「ああ…ずっと雪を触ってたからかじかんで…
    でも大丈…」

ミヅキが“大丈夫”と言い終わる前に、グラジオがミヅキの手を軽く握った。

グラジオ「冷たいな」


ミヅキ「……あ……う、うん………」


想定外のグラジオの行動に、ミヅキが珍しく顔を赤める。


リーリエ「兄様、大胆です…」

リーリエが口に手を当て、呟く。


ハウ「こっちもラブラブだねぇー」

ハウの言葉に2人は我にかえったようで、はっとした顔をした後、真っ赤になって俯いた。


 ▼ 15 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 12:48:40 ID:NyjgMWBE NGネーム登録 NGID登録 報告


ヨウ「……それでも手は放さないんだねぇ」

ハウ「グラジオ、寒そうにしてたのにねー
   ミヅキのためなら平気なんだねー?」


俺達がニヤニヤしながらからかうと、2人はさらに赤くなり、顔を見合わせては目をそらしている。
それを見て俺達はさらにニヤニヤしてしまう。

リーリエ「お二人とも、可愛いです…」

多少恥ずかしそうにしながらも、リーリエも2人を見てニコニコしている。


ミヅキは少し怒ったようで、俺達にはギリギリ聞こえないくらいの声でグラジオに耳打ちする。

すると2人はそっと手を放し、ミヅキはかがんで地面の雪を小さく固め始めた。



あっ…(察し)
 ▼ 16 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 12:57:40 ID:xXpWYxvM NGネーム登録 NGID登録 報告




ミヅキ「せいっっ!!!」





ミヅキが両手に持っていたものを全力で投げる。
すごい勢いで、2つの雪玉がこちらに飛んできた!

俺はなんとかそれを避けるが……


ハウ「わぶっ」


ハウは顔面に直撃したようだ。


そんなハウが面白くて、思わず吹き出しそうになっていると…



ヨウ「ごふっ」

ミヅキの雪玉を避けて安心していたところに雪玉が飛んできて、今度こそ俺の顔に命中した。
 ▼ 17 しー◆iTFigG3P7M 17/08/12 12:58:15 ID:zWREb0xg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
綺麗な文での恋愛いいね

支援
 ▼ 18 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 13:09:10 ID:cx1KKFK6 NGネーム登録 NGID登録 報告


グラジオ「ヨウ…油断したな…」

ヨウ「おおう…」


どうやらミヅキが投げた後、俺が避けた先にグラジオが投げたようだ。俺とハウは雪まみれになっている。


リーリエ「ヨウさん ハウさん、大丈夫ですか……わふっ!」

ミヅキ「リーリエも油断したね!」


俺とハウを心配して近づいてきたリーリエも、雪玉を浴びたようだ。

リーリエ「む……やりましたね! こちらも行きますよ!」

と、リーリエもやる気を出し、雪玉を作ってミヅキ達に投げた。


ミヅキ「おっと!? 」

まさかリーリエが真っ先に応戦してくると思わなかったのか、ミヅキは驚きながらも避けた。

リーリエ「兄様もお覚悟!」


グラジオ「っ!?」
 ▼ 19 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 13:23:08 ID:bxebWJvI NGネーム登録 NGID登録 報告
グラジオは間一髪でそれを避けるが…


ミヅキ「あ、グラジオ、ヨウが…」

ミヅキは俺に気づいてグラジオに知らせようとするが、
もう遅い!


ヨウ「仕返しだ! とぉっ!!」


グラジオ「ぐおっ」


グラジオの額に見事命中!

ミヅキ「あ! グラジオがやられたー!」


ハウ「おれも仕返しだー!」

リーリエ「私ももう一発行きます!」


ミヅキ「おお!? 2人同時だと!?」



ミヅキ「ぶおっ」



ハウとリーリエの雪玉が、ミヅキに命中した。
 ▼ 20 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 16:38:58 ID:y5384B9c NGネーム登録 NGID登録 報告





それから俺、ハウ、リーリエチーム対ミヅキ、グラジオチームで雪合戦をした。

さっきの恥ずかしさも、寒ささえも忘れて遊んだ。

一通り決着がついたあとも楽しさの余韻が消えず、チームを変えての二回戦もした。

男子チーム対女子チーム。
メレメレ島チーム対兄妹チーム。



そうして遊んでいたが、さすがに皆体力が減ってきたので休憩をとることにした。




持参していた温かいスープを2人分持って、リーリエの隣に座る。

ヨウ「はい、どうぞ」

リーリエ「あ……ありがとうございます!
     …温かくて美味しいです!」

ヨウ「そう? なら良かった。」
 ▼ 21 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 21:33:52 ID:wqs.sp4g NGネーム登録 NGID登録 報告

リーリエ「楽しかったですね、雪合戦!」

ヨウ「うん、リーリエが予想以上に強くてビックリしたよ?」

リーリエ「ふふっ、そうでした?
     皆さんと遊んでると、本当に楽しくて時間を忘れてしまいますね」


リーリエは微笑み、再びスープを口にする。


ヨウ「そうだね、俺もリーリエと同じだよ。皆といると本当に心から楽しい。
   …リーリエと2人きりの時は、違う意味で時間が経つのが早いけどね」

リーリエ「!…私もです」

リーリエ「ヨウさんと居るだけで、すごくドキドキして…
     あっという間に時間が過ぎてしまいます」

ヨウ「…!!」

リーリエ「……あっ…」


リーリエは恥ずかしいことを言ったかな、というように頬を染めたが、すぐ俺のほうに向き直って微笑んだ。

可愛い……と一瞬抱きしめかけたが、さっきハウ達に怒られたのを思い出し、頭を撫でるに留めた。

リーリエも嬉しそうにしてくれたので、これはこれでいいかと思った。
 ▼ 22 ーメイル@ドラゴンジュエル 17/08/12 21:37:07 ID:zxR6/S1w NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
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 ▼ 23 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/12 21:42:56 ID:Ji3updqk NGネーム登録 NGID登録 報告


ふとハウ達の方を見ると、3人はまだ楽しそうに雪合戦をしていた。いや、正確に言うとミヅキとハウがめっちゃ元気で、雪玉を投げまくっていた。

グラジオは…ミヅキとハウを見て時折微笑ったり、不意に飛んでくる雪玉を避けたり…

そんな風に、割と俊敏な動きをするグラジオに当てようと、ミヅキとハウの集中攻撃を受けていた。


笑い声がこちらまで聞こえてきて、本当に楽しそうだ。
 ▼ 24 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/13 01:36:50 ID:o2uUqPSM NGネーム登録 NGID登録 報告




しばらくすると、ハウ達の雪合戦も一段落したらしく、
こちらへ歩いて来た。


ミヅキ「ふーー……ちょっと疲れたけど、楽しかった!」

ハウ「おれもおれもー、雪って楽しいんだねー!」


ミヅキとハウは“疲れた”と言いながらも、まだ元気そうだった。グラジオは、なんだかんだ一番体を動かしたようで…疲れ果てた感じだった。


ハウ「最初は寒かったけど、今はむしろ汗かいちゃったよー」

ヨウ「そうだね…でもそのままにしてると風邪引くよ」

ハウ「それは勘弁ー」


ハウ「じゃあとりあえずー、おれの家にでも行くー?」

ヨウ「えっ? えっと…大丈夫なの?」

ハウ「わかんないー」


ヨウ「わかんないで提案したのか!?」
 ▼ 25 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/13 09:05:57 ID:mJFGpa3Y NGネーム登録 NGID登録 報告
ハウ「まあ大丈夫でしょー。行こ行こー!」



俺達は少し不安になりながらも、ハウの家に行くことにした。



ハウ「ただいまー!
   皆上がりなよー」

ヨウ「ええ?」


ハラ「ハウ、帰ったのですな
   おや? 皆さんも一緒なのですな、今朝はハウがお待たせして申し訳ない」

ヨウ「いえ、そんな」

ハラ「そのままでは寒かろう、あがっていきなされ」


リーリエ「あの、よろしいんですか?」

ハラ「もちろんですな」

 
「ありがとうございます!」

 ▼ 26 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/13 09:20:34 ID:ADGga8.E NGネーム登録 NGID登録 報告







リーリエ「すいません、夕食までご馳走になってしまって」

ハラ「いいのですぞ。」

俺達に笑顔を向け、お茶を持ってきてくれたハラさんは、
ふと思い出したようにリーリエ達を見た。


ハラ「ところでリーリエ、グラジオ。
   今夜は大雪になるらしく、ライドのリザードンが飛べぬらしい。
   船も雪で視界が悪く、運航を中止したようだ」


リーリエ「えっ、そうなんですか!?」

グラジオ「つまり今日、俺達は帰れないということか」


ハラ「そうですな」
 ▼ 27 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/13 09:36:38 ID:LAg7SeBo NGネーム登録 NGID登録 報告



ミヅキ「大丈夫? 2人とも…」


リーリエとグラジオは顔を見合わせ、どうしようか考えているようだ。



ハウ「ねー じーちゃん
   家に空き部屋ってあったっけー?」

ハラ「ふむ………
   おお、2つならありますぞ」

ハウ「え、2つもあるんだー?」

ハラ「一つはもともと空き部屋だったが、先ほど片づけをして部屋をもう一つ空けたのですぞ」


ハウ「さすがじーちゃんだねー!
   ってわけで2人とも、泊まっていきなよー」

それでも2人は遠慮したんだろう

グラジオ「夕食までいただいたのに、さらに迷惑をかけるわけには…」

リーリエも後ろで頷いていた。

 ▼ 28 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/13 09:45:33 ID:6Bhxd98g NGネーム登録 NGID登録 報告

ヨウ「こういうところ似てるよな」

ミヅキ「変に気を遣いすぎるところとか似てるね」



ハウ「おれ達が言い出したんだし、じーちゃんもいいって言ってるから遠慮しなくていいのにー」

ハラ「そうですぞ。君たちはハウの大切なご友人。
   遠慮はいらぬ」


2人はハラさん達に頭を下げ、泊まらせてもらうことに決めたようだ。

グラジオ、リーリエ「…ありがとうございます!」


ハラ「うむ」


ハラさん、ハウも満足そうだった。
 ▼ 29 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/13 22:03:23 ID:lt0Q.IE6 NGネーム登録 NGID登録 報告


ハウ「2つかー
   部屋分けはどうするー?」

ミヅキ「部屋分け?そりゃあ、グラジオとリーリエで一部屋ずつ…」

ハウ「えー? ミヅキとヨウは泊まっていかないのー?」

ヨウ「俺達は家がすぐそこだし…」

ハウ「でもさー、5人全員でこういう機会ってなかなかないしー? せっかくだから2人も泊まっていきなよー」


ミヅキ「うーん…」



ミヅキ「ハウ達がいいなら、私も泊まらせて貰おうかな」

ハウ「もちろんいいに決まってるよー!
   ヨウは?」


ヨウ「……そうだな、俺も泊まらせてもらうよ」


 ▼ 30 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/13 22:19:44 ID:IDH3ljyM NGネーム登録 NGID登録 報告


ハウ「よし、じゃあ改めて部屋割りだけどー」

リーリエ「? 男女で分ければよろしいのでは?」



ハウ「えー? リーリエ、ヨウと同じ部屋じゃないの?」



ヨウ「ち、ちょっとハウ…それは」

リーリエは一瞬きょとんとしたが、
すぐに顔を赤くして

リーリエ「あ、あのそれは……やはりちょっと…………まだ」



ハウ「えー? でm」

ヨウ「ハウ…今日はとりあえず男女で分けよう。な?」


ハウ「むむー……………
   皆がそれでいいならそれでいいけどー」


渋るハウを強引になだめ、
ミヅキとリーリエ、ヨウとグラジオの部屋割りになった。
 ▼ 31 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/13 22:35:28 ID:cUp5LjkU NGネーム登録 NGID登録 報告





泊めてもらう礼も兼ねて、俺達は二チームに分かれて必要な物を買い出しに行くことにした。

俺とリーリエはハウオリシティのショッピングモール、

ミヅキとグラジオはポケモンスクール横のポケモンセンターへ行くことになった。


ミヅキ「2人とも、ここからちょっと遠いけど…」

リーリエ「大丈夫ですよ、今は雪も……収まってますし」

グラジオ「だが、念のため気をつけろよ」

ヨウ「ああ、そっちもね」


リーリエの言ったとおり、今はすっかり雪が弱まっていた。
それでもやはりこの地方のリザードンは寒さに弱い為、ライドはできないのだが。
 ▼ 32 メタマ@ひかりのこな 17/08/14 16:45:24 ID:4Cn.di5o NGネーム登録 NGID登録 報告


ハウはというと、ハラさんに家の手伝いを頼まれたと言っていた。
俺達を送り出す時、ニコニコしながら『ゆっくり帰って来てねー』と言っていたので、気を遣ったのかもしれない。



グラジオ達と分かれたあと、まっすぐショッピングモールへ向かう。こんな天気でも店を閉めることはないようだ。

リーリエ「頼まれたのは……えっとー…これですね!」

ヨウ「あとは……これとこれかな?」


頼まれていた物はすぐに見つかった。
箱入りのきのみジュース、かぜ薬、布…

すべて買い終え、店を出ると


リーリエ「…くしゅっ」


ヨウ「リーリエ、大丈夫? 寒い?」

リーリエ「あ、すいません。少しだけ寒い…です」

ヨウ「そうだよね、もう夜だし……
   …あ、そういえば」

リーリエ「?」



ヨウ「これ、よければ使って」

 ▼ 33 コリータ@ビアーのみ 17/08/14 16:56:56 ID:hgqVCOaE NGネーム登録 NGID登録 報告
そう言って俺は、今朝母さんに持たされたマフラーを取り出した。


リーリエ「えっ、でもそれでは…ヨウさんは大丈夫なのですか…?」

ヨウ「ああ、俺は全然平気! それにこのマフラー、ずっとカバンにしまってたもので…ごめんね?」


リーリエ「いえそんな! …嬉しいです、ありがとうございます!」


ヨウ「大丈夫? まだ寒い?」


リーリエ「いえ、もう寒くありません!
     マフラー、とても暖かいです!
     ……それに…」


ヨウ「?」

ヨウ「それに?」


リーリエ「い、いえ! なんでもありません!」

ヨウ「そう? じゃあ戻ろっか」

リーリエ「はい!…」



リーリエ「(それに、少しヨウさんのにおいがします…)」


リーリエが頬を赤らめながら微笑んだのが見えて、そっとリーリエの手を握った。


リーリエ「!」

ヨウ「これで、もっと暖かいね」



リーリエ「はい!」
 ▼ 34 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/14 21:54:26 ID:/xFMvhdc NGネーム登録 NGID登録 報告



───ミヅキside───


ミヅキ「これでよしっと」

グラジオ「これで全部か?」

ミヅキ「うん」


ポケモンのキズぐすり、コーヒー豆、ポケマメを買った私達は、ハウ達の家へ直行する。


途中でヨウ達とも合流して、4人で帰った。
…んだけど、ハウの家を訪ねたら、


ハウ「あれー、皆早かったねー?」

ハウ「ごめんねーこんなに早いと思ってなかったからまだ掃除が終わってなくてー」

ハウ「あと30分くらい時間つぶせるー?
   あ、寒くなったら帰って来てねー」



…と、言うわけで……私達は今、それぞれが思い思いの行動をしている。

って言っても、さっきのペアでその辺りをウロウロしてるだけなんだけど。
 ▼ 35 ロスター@リリバのみ 17/08/14 22:16:23 ID:F4vcyNJ2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 36 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 15:06:11 ID:CheBGvNY NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ヨウとリーリエが リリイタウン中央の祭壇?に座って談笑しているのを見、邪魔をしては悪いなとグラジオを連れて町の外に出る。


グラジオ「ここは冷えるな…」

ミヅキ「そうだね…」


ミヅキ「グラジオ、寒いの苦手なんだよね…ごめんね」

グラジオ「いや、大丈夫だ。謝る必要はない」


そう言いながらも、グラジオはちょっと青い顔をしていたんだけど。

そこで私は、少しグラジオをからかってみようと思った。

ミヅキ「昼の時みたいに、手は握ってくれないの?」


グラジオ「なっ…」

案の定グラジオは驚き、目をそらして俯く。
ふふ…やっぱり面白いなあ。などと思っていると

グラジオ「……すまん、嫌だったか?」

ミヅキ「え?」

グラジオ「昼間…お前の手を握ったことだ」


私には予想外の反応が返ってきて、一瞬戸惑う。
 ▼ 37 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 15:23:28 ID:L.SBb68s NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告


ミヅキ「…ううん、全然嫌じゃないよ。
    ただ、グラジオが皆の前であんなことするとは思わなかったから、驚いたのは本当だけどね」


私がそう言うと、グラジオは安堵したように優しく微笑む。
それを見て少しドキッとしてしまい、目を見られない。


グラジオの笑顔は正直、何度見ても鼓動が跳ねる。
それを悟られないよう、私は俯き視線を地面に向けてしまう。


グラジオ「……ミヅキはハウ達の前で手を握ると恥ずかしいのか?」


ミヅキ「う、うん…まあね」


グラジオ「そうか
     ………。」



グラジオ「…ミヅキ、顔を上げてくれないか」


ミヅキ「…う、うん…」


 ▼ 38 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 15:46:30 ID:SevUIYug NGネーム登録 NGID登録 報告


なに…と言おうとして、思わず固まってしまう。

顔を上げると───その瞬間グラジオに強く抱きしめられたから。


ミヅキ「ぇっ……………」


やっとのことで出した声はとても小さくて…
頭の中が混乱していると、グラジオが呟くように言った。

グラジオ「…ここなら…あいつらは見てない」

ミヅキ「……そっ……それは、そう、だけど…」



グラジオ「……好きだ」




ミヅキ「っ!!?」


鼓動がうるさい。それ以上に顔が熱い…

あの日…告白した時さえ、こんなにドキドキしたことはなかった。
 ▼ 39 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 16:18:33 ID:GzOddC1c NGネーム登録 NGID登録 報告



グラジオ「………」


グラジオは私を抱きしめる力をさらに強める。


どうしたらいいのか分からず、腕の中で硬直していると、グラジオの鼓動が聞こえてきた。

私と同じくらい強く、速い。
その音を聞いたら、なんだかすごく安心して…



ゆっくりと、グラジオの背に手を回す。


グラジオ「っ!」




ミヅキ「…好きだよ、私も…」



私が呟くと、グラジオはガッと腕を伸ばして体をはなす。
真っ赤になって、なにか言いたげな顔で私を見つめる。
 ▼ 40 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 19:49:01 ID:VkFkm5PQ NGネーム登録 NGID登録 報告

驚き、グラジオをじっと見つめ返す。
すると私に背を向け、小さくなにかを呟いた。


グラジオ「……お前と同じ部屋じゃなくて良かった」


ミヅキ「えっ?」


グラジオ「……………なんでもない」

ミヅキ「?」


片手で顔を覆い、私と目を合わせないようにしているグラジオと、その手をなんとか外そうとする私。

謎の攻防戦を繰り広げていると、ふと頬に冷たいものがあたる。


ミヅキ「あ…」

空を見上げると、また雪が降り始めていた。

でもそれは昨日の夜や今朝のような吹雪ではなく、そよ風のように優しい雪だった。

雲間からさす月明かりに照らされ、キラキラと光輝く真っ白い雪…そしてアローラの海。
とても美しい光景だった。



グラジオもその景色にいつの間にか目を奪われていて、顔を覆っていた手を外していた。



ミヅキ「……」


ミヅキ「……隙あり」




グラジオ「っ!!?」



私はグラジオの頬にそっと口を押し当て、軽く笑う。


ミヅキ「ふふっ…」



次はグラジオから。そんな言葉を彼に言い放って私はリリイタウンの中へ歩いていった。
 ▼ 41 インディ@シャラサブレ 17/08/15 19:56:12 ID:MT5ahHQ2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 42 ッツー@フェスチケット 17/08/15 22:35:53 ID:m8MAJTCg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 43 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 22:45:48 ID:/p669w8I NGネーム登録 NGID登録 報告
───ヨウside───


ミヅキ「ふふふっ」


グラジオ「み……ミヅキ…ちょっ……」



ヨウ「お? ウワサをすれば……ってラブラブかよ」

リーリエ「まあ、兄様…あんなに真っ赤になられて。
     ふふ、ミヅキさん流石です」



他愛もない話をしていると、歩いてきたミヅキを追いかけるようにしてグラジオが小走りにきた。

俺達をからかったり、皆の前でイチャつくなと言う割には…
そっちもなかなかラブラブじゃないか?




ヨウ「ミヅキも大胆だな」

リーリエ「そうですね、私には絶対できそうにないです…」


実はミヅキとグラジオのこと、少ーしだけ見えていた。

談笑していた俺達に気を遣ったであろう二人のことを話していたら…
…美しい雪が降ってきた。そっと肌にふれては消える、優しい雪。


そしてふと視線を向けた先で…

ミヅキがグラジオの頬にキスをするのを見てしまった。

 ▼ 44 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 23:05:25 ID:eJGVYbHQ NGネーム登録 NGID登録 報告


見てはいけないものを見たな、と瞬時にリーリエと意見が合い、話を戻して何事もなかったかのようにしようとした。
そして“ウワサをすれば…”という第一声で始めたのが間違いだった。

普通にあの2人に反応しちゃったよ。



ヨウ「ん?」

唐突に、リーリエに肩をつつかれる。

リーリエ「ヨウさん、向こうを見て下さい」

そう言って指差したのは、あらぬ方向。
特に何があるわけでもなく…



リーリエ「(……私には、絶対できそうにないと言いましたが…)」


ヨウ「……!?」



何かないかとあらぬ方向を見つめていると、突然頬に柔らかいものがあたる。
一時自分の身に何が起きたのか理解できずにいたが……

機械のような動きで隣を見ると、恥ずかしそうな顔で目をぎゅっと閉じているリーリエがいた。

それで…今のはリーリエがミヅキの真似をして……やったことだと理解した。
 ▼ 45 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 23:17:57 ID:c0xkhcWw NGネーム登録 NGID登録 報告

どう声をかけたものかと悩みながらリーリエを見ていると、

すっと立ち上がり、まっすぐ俺の目を見て



リーリエ「次はヨウさんからして下さいね!」

満面の笑顔でそう言った。


その仕草を見た瞬間、俺の理性が若干吹っ飛んだようだ。
ゆっくりと近づき、そっとリーリエの頬に片手を当てる。


リーリエ「よ……ヨウさん…?」

ヨウ「………す………よ…か…」

リーリエ「…??」



ヨウ「…今すぐ…キスしてあげようか」



リーリエ「!?!!?!?」

リーリエ「い、い…今はだだダメです!!」





言い出しっぺのリーリエがすごい速度で走り去る。
そして同じくらいの速さで俺が追いかける。


他人から見たらだいぶ異様な光景だろうが……
 ▼ 46 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/15 23:34:26 ID:hQ8BBB.2 NGネーム登録 NGID登録 報告


そんな俺達を見て笑う人影がいた。

ハウだろう。

いつの間にか止まっていたミヅキとグラジオもだ。



ハウ「掃除終わったよー、その追いかけっこ終わったら帰ってきてねー」

グラジオ「……俺達は先に行ってる」

ミヅキ「頑張って!」


皆一言ずつ俺達に告げ、家に入っていく。
ミヅキのコメントには『何が?』となったのだが。


リーリエ「はい、私達もすぐ行きま…」


3人に声を掛けようと足を止めたリーリエを、俺は見逃さなかった。


ヨウ「捕まえた」







アローラの雪。不思議で、とても美しいものだった。


今日は…俺達の心に深く刻まれた1日となるだろう。

特に…真っ白に輝くあの優しい雪が降った夜のことは…
忘れられない出来事になるだろう。


この、雪の降る夜に起こった事を───




 ──────end──────
 ▼ 47 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/16 01:10:19 ID:koeQssWw NGネーム登録 NGID登録 報告



ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。

本当に恐縮なのですが、もしよろしければどなたか
暑い日/寒い日企画本スレに、完結しましたと書き込んできて下さいませんか?
なぜか私は書き込めなくて…
 ▼ 48 リープ@ラティオスナイト 17/08/17 06:04:14 ID:7ASkGRsg NGネーム登録 NGID登録 報告
両方一気にとか神やわ
 ▼ 49 ンシア◆NiPn4fKAbM 17/08/20 22:47:25 ID:usdnorfE NGネーム登録 NGID登録 報告
企画 http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=633896&l=1-の方、大変お疲れ様でした!

そして受賞者の皆様方、おめでとうございます……と言いたいのに、なぜか書き込めないのでこちらで言わせていただきます……

企画者様、丁寧なご感想本当にありがとうございます!!
参加させていただいて良かったです!

このページは検索エンジン向けの機能制限版の旧ページです。
下URLから閲覧下さい。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=652298
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