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【ss】ポケットモンスター 星を視る者

 ▼ 1 6KVitIouZM 17/08/14 23:44:07 ID:xq1RnL96 NGネーム登録 NGID登録 報告
…夢を見た。

目の前には巨大な宝石。しかし自分にはそれに触れる事は許されない。

けれどもその輝きは強まるばかり。触れたい。触りたい。撫でたい。それに合わせて欲望も強くなる。

見ているだけではつまらない。少しばかり触ってもいいだろう。

触れた。割れた。

その破片が突き刺さる痛みで、僕は目を覚ました。
 ▼ 53 6KVitIouZM 17/08/15 22:46:29 ID:POQBWuHw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
イア「ガブさん、こっちこっち」

呼ばれた気がしたのでふと振り返ってみると、イアが水辺で手招きしている。

イア「お兄ちゃんって、こんなかわいい子が2人もいるのにこっちに来ないって事は、もしかしてアッチの気があるんでしょうか?」

アッチの気とは?どっちの気だろうか。

ガブ「うーん…ちょっとよく分からないかな」

メルル「あはは、ガブ君純粋!かわいい!」

か、かわいい…?まあ誉められてる…のかな?

イア「ところで、レインさんってどこに行っちゃったんですかね…」

そう言えばそうだ。海に誘った張本人がいないのでは話にならない。周りを注意して見渡すと、海岸から割と離れたところで誰かと話している。

ガブ「あっちで誰かと話してるよ」

イア「え!?ここから見えるんですか?すごく目が良いんですね!」

そ、そうかな。僕はそんなつもりはなかったが、結構目が良い部類に入るらしい。

メルル「誰と話してるの?」

肝心なところを見ていなかった。もう一度見つめる。


レインはギャラドスとサメハダーと話している。
 ▼ 54 6KVitIouZM 17/08/15 22:50:19 ID:POQBWuHw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
イア「それってすごい凶悪な事で有名な二匹じゃないですか!?急いで助けに行かないと!」

あのレインならどれだけ凶悪なポケモンでも簡単にひねり潰しそうな気がするが…念のため見にいこう。


僕たちが着いた頃には、レインと2匹は別れた。

レイン「ん?あなたたち何しに来たの?ただ話してただけなのに…」

イア「え?いや…怖そうなポケモンでしたから…」

レイン「ただの仕事上の関係よ。ここ私のものだから」

…え?

レイン以外「「「ええええええええーーーーーー!?!?」」」

イア「ここってレインさんのものだったんですか!?どういう経緯でそうなったんですか!?」

レイン「昔ここで火事があったのは知ってるかしら?そこで唯一生き残った私は、この土地の全権を引き継いで、開発を進めたの。それが今ではこんな人気スポットだものね。才能が怖いわ」

ん?今の話はあのデンリュウ…団長の話と矛盾してるな。

レイン「さあ、こんな俗世っぽい話してないで、泡沫の夢を楽しんできなさい…うわっ!」

その瞬間、とてつもない爆音が鳴り響いた。

イア「えっ、何ですかあれ!?」
 ▼ 55 6KVitIouZM 17/08/15 22:54:27 ID:POQBWuHw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
そこには、太陽を覆い隠すほど巨大な火柱がそびえ立っていた。

レイン「あー…あんな派手にやるのはあいつしかいないわね。皆、止めに行くわよ」

そう言ってレインは手で行くべき方向を指し示し、消えた。

イア「テレポートって便利なんですね…さぁ、私たちも行きましょう!」



バーン「よっしゃ!俺の勝ちだな!約束通り500ポケもらおうか!」

そこには、見知らぬポケモンから金を巻き上げているバーンの姿が。

イア「お兄ちゃん!何犯罪まがいの事してるの!?」

バーン「いや、ここできちんと看板立ててやった事だから全く犯罪じゃないぜ。今日だけでもう3000ポケも稼いじまったよ」

レイン「あら、じゃあ私とやる?ちょうど水鉄砲造ってきたんだけど」

そう言うと、懐から一つの銃を取り出した。

バーン「ははは、ぬかせ。そんなんで俺を倒せる訳が…」

レインはそっとそれを地面に向け、放つと、衝撃と共に砂が飛び散り、視界が奪われる。

イア「けほっけほっ、一体何が…」

だんだんと砂が薄くなる。その向こうには、砂に線を引いたバトルフィールドで二匹が対峙していた。
 ▼ 56 6KVitIouZM 17/08/16 00:03:43 ID:Arnr4tSY [1/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
レイン「私が勝ったら即刻この商売をやめるように」

バーン「じゃあ俺が勝ったら今日一日このビーチの店全部無料だからな!いくぜ!」

瞬時にレインの懐に潜ろうとする。だがそれは見えない壁に弾かれる。

レイン「この程度かしら?口だけは達者なのね」

バーン「けっ、言ってろ」

レイン「あっ、そうそう、水鉄砲なんだけどね…」

そう言って手を上に振り上げる。

レイン「当然一つだけじゃないから」

突然、空中に数十個の水鉄砲が現れ、一斉に水を放つ。

バーン「それは…反則だろっ!」

泣き言を漏らしながらも全て捌ききる。しかし腕にも相当の衝撃がかかるはずだ。現にバーン君は腕をダラリと垂らしている。

レイン「ほらほらほら、まだまだ水はあるわよ!」

再び一斉放射がバーン君を襲う。

バーン「くっ…」

今度も受け流しを試みたが、数発勢いを殺しきれず、バーン君の肌を切り裂く。

 ▼ 57 6KVitIouZM 17/08/16 00:06:44 ID:Arnr4tSY [2/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
レイン「よくできました。じゃあもう終わりにしましょう。特別に二倍にしてあげるわ!」

レインがそう言うと、先程と同じくらいの数の水鉄砲がバーン君の後ろから現れる。

バーン「おいおいそれは反則だろおおおお!?」

しかしバーン君はそれらが発射される前にまたレインに突っ込む。

レイン「なんて趣のないやつなの…」

今回もその一撃は防御されるが、それと同時に水鉄砲が全て落ちる。どうやら壁は水鉄砲と同時に操れないようだ。

一度防がれた程度ではバーン君は突進を続ける。何度防がれようと、何度もぶつかる。角度を変えず、ただ一点のみを。

レイン「くっ、しつこいわよ!いい加減止まりなさい!」

バーン「…ああ、分かったよ」

そう言ってバーン君は距離をとる。

レイン「さあ試合再開…って、何それは」

ゆっくりと懐から光輝く石を取り出す。


それは、イアのイーブイZと酷似した形をしているが、あれとは違い、海に反逆するように赤く光っていた。
 ▼ 58 6KVitIouZM 17/08/16 00:11:11 ID:Arnr4tSY [3/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
バーン「さあ、その目に焼き付けろ!『Zにほんばれ』!」

そう言ってバーン君が石を振り上げると、急に日差しが強くなってきた。

イア「うっ、あ、暑いです…喉かわいてきました…」

となりのイアはもうすでにフラフラだ。

ガブ「大丈夫?」

イア「はい。一応水筒も持ってきたので」キュッキュッ

そう言うとゆっくりと日陰まで歩いていった。他にはもう殆どポケモンはいなくなった。

バーン「さあ、もう一度俺の番だ!おりゃっ!そりゃっ!」

炎が大きくなり、速さも増した突進を先ほどよりも短い間隔で、ださい掛け声と共に打ち込み続ける。

レイン「くっ、もう壁が維持できない…仕方ない、投了!投了です!」

そしてレインは線の外に瞬間移動した。もう体力の限界がきているようで、肩で息をしている。

バーン「よっしゃ!じゃあ腹も減ったしなんか食うか!行こうぜガブ!」

そう言って僕の手を掴み、店の方まで歩いていく。

こうして僕はバーン君の食べ歩きにさんざんつき合わされた。もうお腹がいっぱいだが、バーン君はまだまだ入るという。よほど強靭な胃袋を持っているのだろう。

それよりこの太陽をなんとかしてくれ…
 ▼ 59 6KVitIouZM 17/08/16 12:25:14 ID:Arnr4tSY [4/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
バーン「げえぇぇええっぷ!もう腹いっぱいだあ…」

丸く膨らんだお腹をさすりながら大きなげっぷをする。

レイン「フェアリータイプが周りにいるのにげっぷするなんて、想像力が足りないわね」
ここではげっぷはマナー違反なのだろうか。たくさん食べたのだから仕方ないとは思うが…

すると、海辺から叫び声が聞こえてきた。

レイン「ん?あっちの方で何か騒ぎが起こってるみたい。これ以上(金銭的)被害を出す訳にはいかないわ、行きましょう」


リングマ「があああああっ!ぐわあああああっ!」

そこでは一匹のリングマが暴れていた。どうやら強い興奮状態にあるようで、目に光がない。

メルル「ここは私の出番ね、皆下がりなさい!」

どこからかメルルが飛び出してきて、両手をリングマに向ける。

メルル「吹き飛びなさい!『サイコキネシス』!」

一瞬でリングマははるか後方に吹き飛ぶ。しかし、リングマがいたはずの場所から液体がメルルの方へ飛んできた。

メルル「うっ、ちょっと痛い…隠れてないで姿を現しなさい!」

ゆっくりと『それ』は姿を現す…


そこには、クラゲに似たガラスのような体の生物が浮遊していた。
 ▼ 60 6KVitIouZM 17/08/16 12:30:40 ID:Arnr4tSY [5/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
メルル「やっと尻尾を見せたわね、侵略者!『サイコキネシス』!」

またメルルが手をその生物に向ける。しかしそれは少し揺らめいただけで、弱った様子を見せない。唐突に新しい言葉使うのやめて下さい。

侵略者?“じぇるるっぷ…”

脳に直接響く不快な鳴き声と共に、それは海の方へ向かって行く。

バーン「おい待て!くそ、もう疲れた!きちんと腹十五分目くらいで済ませておくべきだった!」
…バーン君は割合もうまく使えないのか。


イア「あっ、あれを見て下さい!」

イアが叫ぶ。視線の先では、あの生物が不思議な動きをしていた。

レイン「何か来るわ、皆注意して!」

しばらく変な動きを続けて、それは空間に突然巨大な穴を開けた。

バーン「くっ、吸い込まれる…うわああああ!!」

レインの注意喚起も意味をなさず、僕たちはその穴に吸い込まれてしまった…

 ▼ 61 6KVitIouZM 17/08/16 12:35:58 ID:Arnr4tSY [6/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガブ「ううっ…ここは?」

そこはとても冷えた場所だった。渓谷のような場所だが、光る菌類が生息していたり、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

バーン「ぐごあああああああっ、ぐがあああああああっ」

…そして幻想的な雰囲気をぶち壊すリザードンが一匹。

バーン「がっ!…おっ、ガブおはよう!いつの間に光る苔なんか生えたんだ…て、そういえば俺たち…」

ガブ「どうやら別の場所に転移させられたみたいだね、足元にすこし砂があるから周りの3匹も多分近くに来てるんじゃないかな…あむっ」

そう言うと、突然バーン君が僕の口を抑えてきた。

バーン「しっ、誰か来るぞ」

通路?の先を見ると、先ほどの生物が移動している。心臓がものすごい速さで動いていたが、どうやら気づかれなかったようだ。

バーン「ふう、助かったな…さて、これからどうするか。とりあえず俺はあんまり速くは動けないぞ。ごめんな」

ガブ「あれのタイプは多分水と毒…バーン君は相性が悪いだろうし、しばらくここで休んでなよ」

バーン「いや、そんなわけにはいかないな。俺は後ろについて行くから、ガブが先に行ってくれると助かる」

…正直、僕はちょっぴり嬉しい。今までバーン君の世話になってばかりいたから、僕が役に立てるのはとても誇りに思えた。
 ▼ 62 6KVitIouZM 17/08/16 12:41:10 ID:Arnr4tSY [7/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガブ「…誰もいないよ」

バーン「よし、じゃあ右に進もう」

ガブ「なんで?右はさっきのクラゲが行った方向だよ?」

バーン「今は自分よりも3匹と生きて帰るのが優先だ。悔しいがこいつにあいつらの所まで案内してもらうしかないからな」

さすがさっきのデンリュウにとても優秀だったと言われるだけの事はある。食いすぎてなければなあ…

ガブ「それなら二手に別れたほうが…」

バーン「ダメだ。俺が襲われた時に逃げ切れないからな」

ガブ「…自分と仲間、どっちが大事なの?」

バーン「そりゃ仲間だよ。でもあいつらもそんな弱くないだろ?俺は相性的に不利だからな。」

ガブ「毒が入ってるならレイン達も不利じゃない?」

バーン「あっ」

一瞬バーン君の意識が空に昇ったような気がしたが、すぐにバーン君の目は生き返った。

「くそっ、こりゃ急ぐしかないな」
 ▼ 63 6KVitIouZM 17/08/16 12:42:44 ID:Arnr4tSY [8/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
僕たち2匹は急いで走り出す。

ドスン! ドスン!

しまった、重くなったバーン君が走ると否応なしに音が出てしまう…

バーン「あっ、クラゲが振り返ったぞ」

侵略者?“じぇるるっぷ…”

ガブ「急いでバーン君!押してあげるから!」

バーン「おっ、おう!すまねえ!」

ドスドス音を出しながらも、あの生物との距離を離していく。しかし…

バーン「おい!前!前!」

ん?前…?あ、あのクラゲだ。いつの間に後ろに回り込んでいたんだろうか。とりあえず逃げないと…

侵略者?“じぇるるっぷ…”

ん?後ろにもクラゲが…あ!

バーン「まずい、俺たち囲まれたみたいだぜ…」

ガブ「えぇ…」
 ▼ 64 6KVitIouZM 17/08/16 12:44:21 ID:Arnr4tSY [9/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
バーン侵略者「しゃあねえ、ガブ!一回全力で飛べ!」

そう言ってバーン君は少しだけ足を上げた。いやな予感がする…とりあえず全身全霊で上に飛び上がる。

バーン「『じしん』!」

足を振り下ろした途端、地面がグラグラと揺れ始める。驚いたのか、クラゲ達の動きが止まる。

バーン「よし、全力で右のに殴りかかれ!」

目を合わせ、一緒に爪を構える。

二匹「「うおおおっ!『ドラゴンクロー』!」」

クラゲは後方に吹っ飛ぶ。だが未だぴくぴく動く様子から、息が続いている事が分かる。

バーン「急いでここから逃げるぞ!……ガブ、押してくれ」

バーン君は恥ずかしさからか顔が真っ赤だ。

ガブ「はぁ…しょうがないなあ」
 ▼ 65 6KVitIouZM 17/08/16 12:47:27 ID:Arnr4tSY [10/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
しばらく走ると、岩影に隠れている3匹を見つけた。

イア「お兄ちゃん!大丈夫だった?」
イアがバーン君に飛びつく。

バーン「ああ、なんとかな…そっちも目立った怪我はなさそうだな。良かった」


ガブ「…メルルはさっき、このクラゲを侵略者って呼んでたよね?何か知ってるの?」

メルル「…君、けっこう鋭いね…いいわ、答えてあげる」

さっとレインがメモ帳を構える。よほど興味があるのだろう。


メルル「私たち守り神はね、この世界に何か危機が迫っている時により上の神様から遣わされるの」

メルル「私は1年くらい前に南の島に来たんだけど、そこでもあんなやつがいた気がするわ。きっと仲間ね」

メルル「このままだとあいつらにこの大陸が侵略されるに違いないわ。せめてここにいる奴は倒して帰りましょう」

レイン「でもメルルにあなたに倒す手だてはあるのかしら?私たちとバーンはあいつに不利だし」
レインが律儀に手をあげて質問する。

メルル「そこは私とガブ君でなんとかするわ!さ、行きましょ!」突然に僕の手を握って駆け出す。
 ▼ 66 6KVitIouZM 17/08/16 12:49:22 ID:Arnr4tSY [11/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
少し離れたところで再びメルルが話しかけてきた。

メルル「さて…ガブ君はここで待ってて。私ひとりで十分だから」 

ガブ「え?でも…メルルはフェアリーだから毒には不利なんじゃ…」

メルル「私をナメてるの?これでも神に近めのポケモンなのよ。あんなクラゲなんか敵じゃないわよ」

じゃあなんで隠れてたんですかね…

メルル「あっ、でもガブ君にもやってもらう事はあるわ。あのクラゲ達を一カ所に集めてほしいの」

は?

いやいや、は?

ガブ「それくらい自分でやってよ…」

メルル「何よ。か弱い乙女にそんな泥臭いことさせる気?」

さっき強いって言ってたじゃないか…

ガブ「それじゃあ行ってくるよ。ここに集めればいいの?」 

メルル「うん、それでいいわよ。それじゃ、グッドラック!」
メルルは親指を立てる。




「さて、始めますか」
 ▼ 67 6KVitIouZM 17/08/16 12:53:29 ID:Arnr4tSY [12/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
とりあえずそこらへんを走り回ってみたけど…

侵略者A“じぇるるっぷ…” B“じぇるるっぷ…” C“じぇるるっぷ…” D“じぇるるっぷ…”E “じぇるるっぷ…”

まさか五体もいるなんてなぁ…流石に気持ち悪い。後ろから変な粘液も飛んできてるし。

ガブ「おーい!メルル!集めてきたよ!」 

メルルのいる空間に入り込むと共に、突然視界がぐらりと揺れる。不思議な感じだ。

ガブ「うっ…頭痛い…」

メルル「男の子なんだからもう少し我慢して!私の後ろまで来て!」

本当に頭痛い。本当に本当。これもメルルのサイコパワー的なものなのだろうか。

侵略者たちが部屋の中に入ってくると、僕と同じ頭痛か、一瞬動きが止まった。僕はその隙をついてメルルの後ろへ回る。

メルル「よし、無事後ろまで来れたわね。それじゃあ…ぶっ放すわよ!」

メルルの体内からピンク色の石が出てきて、それが目がくらむような光を放ち始める。

メルル「『マキシマムサイブレイカー』!」

メルルが技名を言うと、5匹のクラゲは一斉に横に凪払われる。

横に吹っ飛ばされたと思いきや、見えない何かにぶつかり、反対方向へ飛ぶ。

また何かにぶつかり、反対方向へ飛ぶ。また何かにぶつかり、反対方向へ飛ぶ…
 ▼ 68 6KVitIouZM 17/08/16 12:55:39 ID:Arnr4tSY [13/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
僕は呆然とそれを見ていた。

跳ね返るたびにクラゲ達はぐしゃぐしゃになる。

僕が思考を再開する頃には、それらは元々の形すら分からないほどになっていた。。

メルル「ふぅ…お仕事終わりっと!…どうしたのガブ君。もしかしてグロ耐性ない方?ごめんね」

耐性うんぬんの話ではない。こんなえげつない光景を見させられて眉一つ動かさないやつなんてこの世にいないだろう。

それをこいつは平然とやってのける。こんな奴と今まで短い期間でも同じ屋根の下で暮らしていた自分が怖い。

メルル「さ、帰ろう、ガブ君。私もう疲れちゃった!」

…僕はこいつが苦手だ。



メルル「さて、それじゃあゲートを開くよ。レイン!手を貸して!」

僕はバーン君達がいた所まで戻ってきた。

レイン「はいはい。なんとなく分かってたわよ」

レインとメルルが手を構える。少したつと、そこに入ってきた時と同じ穴が開いた。

バーン「よし!やっと帰れるな!これで役立たず卒業だぜ!」
 ▼ 69 6KVitIouZM 17/08/16 12:57:30 ID:Arnr4tSY [14/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
海に帰ると、もうすっかり暗くなっていた。

バーン「俺は今ガブ乗せて飛ぶの無理だから、ガブは歩いて帰ってくれ。俺の尻尾でも目印にな」

ガブ「うん、そうするよ」

レイン「あら、私がテレポートで送ってあげましょうか?労いってことで今なら無料よ」レインが口を挟む。

バーン「レインがこんな事言うなんてめったにないぞ。いい機会だからお世話になれよ」

…正直、不安である。

レイン「それじゃあトぶわよ。『テレポート』!」

意識が一瞬途絶えて、気がつくと家の前にいた。

バーン「無事に転移できて良かったわね。バーンが来るまで部屋で休んでなさいな」

そう言ってレインは僕を置いて中に入る。

…僕も疲れたな。今日は早めに寝るか。

あれ?なんでバーン君置いてったの?
 ▼ 70 6KVitIouZM 17/08/16 13:02:54 ID:Arnr4tSY [15/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
バーン「…おい、ガブ、起きてるか?」

バーン君が僕を呼んでいる。頑張って歩いて帰ってきたみたいだ。

ガブ「起きてるよ。おつかれ」

バーン「そうか、じゃあ今日の…団長から話された事について補足しとかないとな」

そう言って僕の隣に寝そべる。


バーン「あれは俺がまだ小さい時…本当に小さくてな、今は親の顔すら覚えてないんだよ。覚えてるのはお腹がへって、ひもじい思いしてた事、そして一匹のラルトス…レインといた事だけだ」

バーン「ある日起きたら、家が燃えてたんだよ。これが強烈すぎて他の事はあんまり。」

バーン「お父さんとお母さんをめちゃくちゃでかい声で呼んだんだ。けど返事は返ってこない」

バーン「怖かったんだ。認めたくなかったんだ。だからずっと呼んでた…そういう意味では俺は両親に救われたのかもしれないな」

バーン「喉が枯れるまで叫んでたらその声を聞きつけて団長…まだモココだったころかな、が来てくれた」

バーン「団長は俺を唯一の生き残りだと言った。助けられて良かったと泣いてた。それで俺は決めたんだよ。団長みたいな立派なポケモンになりたいってな」

バーン「そこからは必死に修行した。寸暇も惜しんで修行してた。自分みたいな思いをするポケモンを減らしたい一心で」

バーン「でも三年後、俺の住んでた所がビーチリゾートに開発されたっていうのを聞いたんだ。新聞にはラルトスからキルリアになったレインの顔が写ってた」

バーン「子供でも、子供だったからこそひどく失望したんだ。団長は自分が唯一の生き残りだと言ったのと、レインの歩んだ過酷な道を想像したので、団長への憧れはきれいさっぱりかき消えた。」

バーン「…まあエクストリーム方向音痴にうんざりしてたのもあったけどな!」
 ▼ 71 6KVitIouZM 17/08/16 13:06:16 ID:Arnr4tSY [16/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
バーン「それからかな。純粋に…ただポケモンを助けたいんじゃなく、団長を超える為に修行した。勿論今でも助けたいとは思ってるけどな」

バーン「メキメキ力も伸びて、体もどんどん大きくなった。大人になって、調査団を出られるようになったら速攻で出て、自分の調査団を立てた…それがホロスコープなんだ。ネーミングセンス無くてごめんな」

バーン「立ててしばらくたった頃に、どこから聞きつけたのかレインが来た。俺の事を覚えてたらしく、依頼人を辿って来たらしい」

バーン「2匹で活動してしばらくしてイアがやってきて…あとはガブも知ってるだろ」

ガブ「…大変だったんだね」

バーン「そうやって気遣ってもらえるだけで嬉しいよ。ありがとな。もう眠いだろ?」

ガブ「うん…ちょっとね」

バーン「それじゃあお休み、ガブ」

ガブ「お休みバーン君」

今の話でバーン君の生い立ちみたいな物を浅く見る事ができた。
…自分はその思いを完全に理解してあげる事はできないけど、僕もバーン君の心の支えになれたらいいな…
 ▼ 72 ースト@エスパーZ 17/08/16 13:06:55 ID:w1gf2BYE NGネーム登録 NGID登録 報告
頑張れ
 ▼ 73 6KVitIouZM 17/08/16 13:13:11 ID:Arnr4tSY [17/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
…夢を見た。

黒いモノが床を這って近づいてくる。

バーン君もくろいが、あのあたたたたかなかんじとはちがう、もっとおそろしいふいんきをかんじる。

そのめはぼくのことをじっとみつめている。

その時、僕は目を合わせてしまった。

凄まじい怒りの感情が僕の中に流れ込む。荒れ狂う怒りが行き場を求めてぐるぐるしている。体があつい。脳が焼き切られるような熱に当てられ、僕は目を覚ました。

「ぐごあああああああっ、ぐがあああああああっ」

ガブ「…夢か。お休み、バーン君…」

僕はバーン君の方向を向き直し、眠りに入る。
すっかり藁が汗まみれだ。今度交換してもらおう。
 ▼ 74 6KVitIouZM 17/08/16 13:24:52 ID:Arnr4tSY [18/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
レイン「ガブ、起きてる?」

どうやらレインが呼んでいるようだ。だが僕は今とても眠い。悪いが無視させてもらおう…

レイン「まあ寝てようがなんだろうが話させてもらうんだけど。入るわよ」

扉が開け放たれた。なんて非常識な…僕が言える事じゃないけど。

レイン「さて…さっそく本題に入らせてもらうけど、あなたどこから来たの?」

まあいいや、無視しよう。

レイン「マインドクラッシュするわよ」

ガブ「はい!ごめんなさい!」

でも僕は本当に記憶喪失なんだよ。許して下さい。

レイン「どうやら本当に知らないみたいね。もう一つ聞くけど、あのクラゲとあなたって何か関係あるんじゃないの?」

いきなりどうしたんだろうか。僕らは襲われたんだからそんなわけないだろう。

レイン「あきれた。あなたほんとに何も知らないの。…私も少し焦りすぎたわね。ごめんなさい」

ガブ「ち、ちょっと待って!なんで僕が!?」

レイン「あなたが来てからあのクラゲみたいなのの目撃情報が各地であがってるようなの」

…それはただのこじつけではなかろうか。

ガブ「僕は関係ないよ…たぶん」

でも僕もそれを否定できる訳ではないのも事実だ。なんたって記憶がないのだから。
 ▼ 75 6KVitIouZM 17/08/16 13:26:42 ID:Arnr4tSY [19/19] NGネーム登録 NGID登録 報告
書きためを全て使い切ったので投稿ペースが2段階下がります。お兄さん達許して許して
 ▼ 76 6KVitIouZM 17/08/17 16:38:28 ID:.G9GAhJw NGネーム登録 NGID登録 報告
バーン「ぐがあああああっ、ぎりぎりぎり」

歯ぎしりまで追加されたのか…

ガブ「バーン君、起きてよ。朝ご飯に遅れちゃうよ。」

バーン君の大きい体(僕の方が大きいけど)を揺すって起こそうとする。

バーン「ううん…ガブ、おはよう〜」

ガブ「まだ寝ぼけてるの?僕はガブじゃなくて…」

…あれ?

僕はガブだ。でもガブじゃない気がしないでもない。

僕には記憶がない。ほんとうの呼び名が分からないからガブと呼ばれているわけで、ほんとうはガブじゃない。
あれ?
…もしかしたら、昨日の一件で記憶が戻り始めているのかもしれない。

バーン「寝ぼけてるのはそっちだろ…大丈夫。お前は正真正銘のガブだよ」

ガブ「…そうだね」

もう少し、もう少しの間くらいはガブとして生きても罰は当たらないだろう。

 ▼ 77 6KVitIouZM 17/08/19 00:35:17 ID:oSl4q3Qo [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
バーン「今日はな、最近噂の海底都市を調査しようと思う!」

レイン「は?そんな世迷い言信じてたの?」

イア「私の友達も信じてないよ?そんな事」

メルル「あるとは思ってないけど…ちょっと行ってみたい気もするわ」

どうやら海底都市はただの噂で、本当にあるわけではないという意見が大半らしい。

バーン「なんだよ女連中よー、夢がないなあ」

レイン「悪いけどこんな年になったら夢なんて見てられないのよ。イアはもうちょっと夢持ってなさい」

イア「まだレインさんは私の事子供扱いするんですか!?」

レイン「当たり前でしょ。私から見たらまだまだ子供よ」

バーン「レインも俺と大して年変わらないだろ!」

レインはそのまま黙り込んでしまった。

バーン「はぁ…まあいいや、じゃあ突撃メンバーは俺、ガブ、メルルでいいか?」

ガブ「勝手に僕の事数に加えてるのは納得いかないけど僕も行ってみたいからいいよ」

メルル「でもどうやるの?私はいいけどバーン君とガブ君は息続かないでしょ」

そういえばそうだ。海底で普通のポケモンが生きることはできない。

バーン「まあそこは俺に考えがあるから大丈夫だ!じゃあ船着き場に行くぞ!」
 ▼ 78 6KVitIouZM 17/08/19 00:55:20 ID:oSl4q3Qo [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜船着き場〜
バーン「よし、じゃあラプラスを呼ぶから少し待っててくれ」

そう言ってバーン君は指を日本口に加える。

ぴゅい〜っ

情けない音と共に、水を引き裂く音が聞こえてきた。

ラプラス「こんにちはバーンさん、今日はどこまで行かれますか?」

バーン「ああ、今噂の海底都市に連れてって欲しいんだ」

ラプラス「…はあ、あなたみたいな事言う人今日で2人目ですよ。まああなたのような優秀な探検家が言うんですから間違いないのでしょうね」

バーン「おう!あと俺は調査団長だ!もう間違えんなよ!」

バーン君細かいとこ指摘してて怖いなあ…

ラプラス「じゃあ乗ってください。猛スピードで潜るからしっかり捕まってて下さいね」

え?

ガブ「いやいや、僕何もつけてないよ!呼吸できないよ!」

バーン「よし!じゃあ楽しい海中旅行に出発だぜ!」

 ▼ 79 6KVitIouZM 17/08/19 13:57:27 ID:oSl4q3Qo [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
そのラプラスが少し飛び上がり、僕たちは水の中へ…

ガブ(あれ?)

バーン(ラプラスの『ダイビング』で、普通のポケモンでも水の中で息ができるようになるんだ)

ガブ(そっか、信用してなくてごめんね)

バーン(俺も初めての時は信じられなかったから大丈夫だ)

初めての海の中。サニーゴやラブカスがいる浅い海から、ランターンやハンテールのいる深い海へ。

ラプラスの『ダイビング』によって作られた泡のベールの中で、魚ポケモンの群れが作り出す幻想的な光景に目を奪われた。

ラプラス「このあたりはあんまり凶暴なポケモンもいないし、群れに飲み込まれないようにすれば大丈夫ですよ」

バーン「そういう事言ってると群れが出てくるだろ!」

バーン君、結構顔が広いみたいだ。

 ▼ 80 6KVitIouZM 17/08/19 14:04:23 ID:oSl4q3Qo [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
遠方からこっちへ、蒼く光る何かが近づいてくる。

ガブ「あっちに何か光ってるものが見えるよ」

バーン「そうか?俺は何も見えないけどな。ラプラス、気にせず海底都市探しを続けてくれ」

ラプラスは更に潜行速度を上げる。

…?ぼくの勘違いかもしれない。もう一度よく見てみよう。


まだ遠いところにいるらしく、ぼやけて輪郭が見えない。きっとランターンの群れだろう。

ガブ「ごめん、僕の勘違いだったみたい」

バーン「まあこんな近くに強いポケモンがいるわけないし、さっさと見つけて調査しようぜ!」

さっきそういう事言うと出てくるって言ってたのバーン君じゃ…
 ▼ 81 6KVitIouZM 17/08/21 21:53:15 ID:KfX7gW1w NGネーム登録 NGID登録 報告
ラプラス「あっ、下に何か見えますよ。あれでしょうか?」

変わらない風景のせいでぼーっとしていた僕は、ラプラスの一言で意識を取り戻す。

下を見ると、巨大な光る花のようなものが見えた。水で強烈な光が折り曲げられ、幻想的な光景を作り出している。

バーン「うわ、なんだあれ…てっきりもっと雅やかなものだと考えてたぜ」

ガブ「綺麗なんだからいいよ…あれ?メルルは?」

バーン「あっ」

気がつくとメルルと離れてしまった。海底でも探索できるからって単独行動させてたのがいけなかったのかな…

バーン「困ったな…この暗さじゃあんま遠くまでみれねえや」

どうやらかなり深い所まで来てしまったみたいだ。巨大な花の明かりでかろうじて周囲を見る事ができる。

バーン「まああいつはクリスタルも持ってるし大丈夫だろ、このまま突入しようぜ」

…確かにあのクラゲをまとめて倒すレベルの実力があれば、そこら辺の魚には負けないだろう。
僕はラプラスの方に頭を向けて頷く。

ラプラス「決まりですね、じゃあ更に潜っていきます」

僕たちはゆっくりと、その妖しく光る花に近づいていく…

 ▼ 82 6KVitIouZM 17/08/21 22:31:10 ID:b0msDfjQ NGネーム登録 NGID登録 報告
花弁の内側に入った瞬間、泡のベールが弾け飛ぶ。

バーン「うわ!早速攻撃されたか!?」

ラプラス「いいえ、『ダイビング』が解けました。どうやらここでは呼吸が可能なようです。皆さんは花弁を通って行ってください。私はここで待機しています」

バーン「なんだ…ハアッ心配して損したぜ…ハアッ」

ふと隣を見ると、バーン君の呼吸が荒くなっている。

ガブ「どうしたのバーン君、息が乱れてるよ」

バーン「いや…ハアッここの空気のせいかな…ハアッ」

青白い顔をしていて、汗をダラダラ流している。

ラプラス「メルルさんの件もありますし、一度帰った方がよろしいのでは?」

バーン「いや、大丈夫だ、このまま行かせてくれ…っ」

バーン君は『絶対に中を見る』という決意を感じさせる表情でラプラスを見ている。

ラプラス「…分かりました。ご武運を。」

そう言ってラプラスは動きを止める。

バーン「よし…じゃあガブ…行くぞ…ハアッ」

ガブ「うん…」

バーン君の目は獲物を見つけた獣のように赤くギラギラと光っていた。
 ▼ 83 6KVitIouZM 17/08/24 20:51:05 ID:ew7ar1R6 NGネーム登録 NGID登録 報告
ガブ「す、すごい…」

花のように見えていた建造物は全て機械でできていた。

あちこちで計器の針が振れていたり、ランプが点いたり消えたりしている。

バーン「うっ…もうダメ…がくっ」

そう言ってバーン君は倒れた。今このポケモン『がくっ』って言ったよね。普通言わないよね。

???「む?そこで倒れているのは誰だ?」

バーン君をどうするか悩んでいると、いつのまにか背後に誰かがいた。とっさに僕は鎌を構え振り向く。

ヤドキング「ん?なにゆえそんな殺気立っているのだ?」

…見たところ敵意は感じられない。

ガブ「すみません…失礼しました」

ヤドキング「まあよい、久しぶりの客人だしな、盛大にもてなしてやろうぞ!」

ガブ「それより、ここに入ってからバーン君…このリザードンの具合が悪いんです。何か知りませんか?」

ヤドキング「…よし、余の王国の医療機関に預け、しばらくは様子を見ているがいい」

ガブ「様子を見るって、僕は何をしてればいいんですか?」

ヤドキング「うーむ…そうだな、余がここの案内でもしてやろう!さぁ、早くついてこい!」

久しぶりの客人というだけあって、非常に楽しそうだ。負けず劣らず楽しそうだったバーン君には申し訳ないが、僕だけで調査を進めておこう。
 ▼ 84 6KVitIouZM 17/08/26 23:13:20 ID:vhBAvLQo NGネーム登録 NGID登録 報告
僕とヤドキングは花の廊下を歩いている。

ヤドキング「まあ特に案内するところもないのだがな、客人…おっと、名前を教えてくれるか?」

ガブ「皆にはガブって呼ばれてます」

ヤドキング「そうか、余は…そうだな、ヤドキングとそのまま呼んでもらって構わんぞ」

ガブ「え?名前は?」

ヤドキング「…実は余は孤児なのだ。生まれも何も分からない。気づいたらここから少し離れた岸に棄てられていたそうだ。」

なるほど、ヤドキングさんも僕と同じような境遇なのか。少しシンパシーを感じるなあ。

ガブ「変なことを聞いてすみません」

ヤドキング「いやいや、余はガブともっと話したいからな。最近の流行とか、地上では何があったかとか」

ガブ「なんだか相当地上に出てないみたいですね」

ヤドキング「ん?そうだなぁ。ポケ生の4/5を海中で過ごしてるからなぁ」

五分の四!?それなりに年をとってそうだから、きっとかなり長い間ここにいるんだろうな。

ガブ「辛くないんですか?」

ヤドキング「いや、全く。余にはたくさんの友達がいるからな…ここだ。」

いつの間にか大きな扉にたどりついていた。

ヤドキング「紹介しよう。彼らが余の友達だ!」
 ▼ 85 バイト@スピードボール 17/08/27 18:09:54 ID:cvEgKBiA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 86 6KVitIouZM 17/08/29 23:59:20 ID:xRV7Cr0Y NGネーム登録 NGID登録 報告
ヤドキングが思い切り扉を開け放つ。

そこには、先ほどまでの暗い景色とは打って変わって、そこら中にライトがちりばめられている宴会場のようなところだった。

中では沢山の水ポケモン達が呑んで歌って大騒ぎしていた。

ヤドキング「どうだ?ここが余の城最大の娯楽施設である大宴会場じゃあ!海の中だからといって侮るなかれ、ここでは肉も野菜も食べ放題だ!」

確かにそこにいるポケモン達は明らかに魚ポケモンのものではない肉をおいしそうに食べている。

ガブ「すごいですね、どうやって飼育してるんですか?」

ヤドキング「うむ、ここの地下の研究施設で大量生産&保存しているぞ、見学していくか?」

研究施設、か…どうやら地上にはない技術が使われているみたいだ。でも、ここのポケモンにも話を聞きたいなあ…

ガブ「いえ、しばらくここでゆっくりしていきたいです」

ヤドキング「いいだろう。それでは余はガブの連れの様子を見てくるのでな、しばらくここにいるがよい」

ガブ「ありがとうございます」

そう言うとヤドキングは先ほどと同じ尊大そうな歩き方で扉から出て行った。

さて、どうしようか…見たところまだ誰も僕に気づいてないみたいだ。

どこかの席に座ろうと考えていると、サメハダーが一匹いた。僕としては見たことのあるポケモンの方がなじみやすい…気がする。

でも、あのサメハダーより少し体がピンクがかっているような…
 ▼ 87 ングドラ@フェアリーZ 17/08/29 23:59:21 ID:q1sefC8o NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 88 6KVitIouZM 17/08/31 21:52:56 ID:f8VRtZXI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガブ「すいません、ここいいですか?」

そう言って僕はサメハダーの隣を指し示す。サメハダーの頬は紅潮しており、ひどく酔っ払っているようだ。

サメハダー☆「おう、ちょうど退屈してたんだよ!ここに来てから全然外のポケモンと話してねえからな!」

ガブ「どこからここに来たんですか?」

サメハダー☆「いや、生まれた時からここにいるぜ」

なるほど、この建物は都市のような働きもしているのか。それならあのヤドキングのえらそうな態度も納得がいく。

ガブ「他の水ポケモンはどうなんですか?」

サメハダー☆「さあ…俺が生まれた時にいた奴は大抵まだ一緒に暮らしてるよ」

サメハダー☆「おっと、今の言い方じゃ誤解されるかもしれねえな、この『KASUMI』は移動できるんだよ」

ガブ「カスミ…って、この建物の事ですか?さすがにこんなおっきい建物が動くなんて…」

サメハダー☆「まあ俺も最初は信じられなかったけど…って、早く食べねえと料理が冷めちまうぜ。このヤドンの尻尾バターソテーがここの一番人気だ」

ガブ「えっ、ここの管理ポケモンってヤドキングですよね?」

サメハダー☆「ん?そうだが?」

…気にしないようにしておこう。



 ▼ 89 6KVitIouZM 17/08/31 22:56:08 ID:f8VRtZXI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガブ「じゃあ一口…はむっ」

ガブ「…おいしい」

バターの香りが漂う、脂身は少ないが固くもない、すっきりした味だった。

サメハダー☆「だろだろ?なんてったってこのヤドンは遺伝子改造で作られてるからな」

ガブ「遺伝子改造?」

サメハダー☆「詳しい事は俺もよく知らねえが、なんでも目的に適した体になるよう、設計図を改竄する事なんだと」

ガブ「へー、すごい事やってるんだね…」


ヤドキング「待たせたな!」

大きな叫び声と共に扉が開け放たれる。

バーン「…」

ガブ「バーン君!」

僕は急いでバーン君に駆け寄る。 

バーン「ああ、心配かけてごめんな。俺はこの通り元気だから安心してくれ!」

そう言って僕に微笑みかける。どうやら完全に復活したみたいだ。

ヤドキング「いやー、やはりここの空気が合わないポケモンもいるみたいだな。今後の課題としようかの」

ガブ「ヤドキングさん、本当にありがとうございました」

ヤドキング「うむ、気をつけて帰るのじゃぞ…む?どうやらもう一人客がいるみたいじゃ」
 ▼ 90 6KVitIouZM 17/09/01 06:09:36 ID:Qt4Bdb3A [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
建物全体が大きく揺れ、そこら中の物が地面に落ちる。

ガブ「地震!?」

ヤドキング「ちょっと管制室に行ってくるぞ!お主らはどうする?」

 ▼ 91 6KVitIouZM 17/09/01 06:34:37 ID:Qt4Bdb3A [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
バーン「いや、俺はちょっと外の様子を見てくるぜ。ガブはどうする?」

ガブ「じゃあ僕も外に行ってもいいですか?」

ヤドキング「しかしこの『KASUMI』の範囲から出ると空気がな…おい!サメハダー!サメハダーはおるか?」

落ちて割れた皿の片付けを手伝っていた先ほどのサメハダーがこちらに振り返る。

サメハダー☆「客をのせて行けばいいんだろ?わかってるよ」

ヤドキング「うむ。そうしてくれ。…この揺れから見るに、何かしらのものが衝突したみたいじゃの。ポケモンと関係があるやもしれん、注意しておけ」

ガブリアス「あ」

僕はあの蒼く光るなぞの物体の事を言った。荒れがもし一匹のポケモンなら、この建物を壊す事も可能かもしれない。

ヤドキング「蒼く光る巨大ポケモン…ううむ、聞いたことがないのう」

バーン「まあ見れば分かるだろ、サメハダー、ちょっと力を貸してくれ!」

サメハダー☆「ああ、まだそっちの世界の事まだ聞いてないしな!」
 ▼ 92 6KVitIouZM 17/09/01 06:35:43 ID:Qt4Bdb3A [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
サメハダー「まだそっちの世界の事聞いてないしな!」

打ちミス

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