【SS】少年「ピカチュウ、10まんボルト!」 Pikachu「…」:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】少年「ピカチュウ、10まんボルト!」 Pikachu「…」:ポケモンBBS

  ▼  |  全表示58   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【SS】少年「ピカチュウ、10まんボルト!」 Pikachu「…」

 ▼ 1 ードラン@アブソルナイト 15/02/15 22:00:40 ID:6GYs75eg [1/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「…あれ?」

 指示を出しても微動だにしないピカチュウを見て、トレーナーである少年は首をかしげた。

少年「10まんボルトだよ、じゅ・う・ま・ん・ぼ・る・と!」

Pikachu「…」

少年「おかしいなー」

 あいての マリルの すてみタックル!
 きゅうしょに あたった!

少年「うあっ!ピカチュウ、大丈夫?」

Pikachu「…」

少年「うん、体力は残ってるからまだいけそうだな!」

少年「今度こそ!ピカチュウ、10まんボルト!」

Pikachu「…」

少年「じゅ・う・ま・ん・ぼ・る・と!」

Pikachu「…」

 あいての マリルの みずでっぽう!
 Pikachuは たおれた!
 ▼ 19 ガエルレイド@きれいなハネ 15/02/15 22:20:42 ID:6GYs75eg [2/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
男「このピカチュウ、結構強そうだな」

 ピカチュウと並んで歩いている背の高い男は、彼の以前のトレーナーだろうか。
 本来は外国の言葉を話しているはずなのだが、意味は何となく理解できる。
 これもニャスパーの力なのか。
 噂通り、いや噂以上の光景を目の当たりにして、少年はワクワクした気分を次第にかそくさせていった。

男「ミラクル交換でやってきた時は何とも思わなかったが、意外に悪くなさそうだ」

男「早速バトルしてみようか。おーい!」

 男は通りすがりのトレーナーにバトルを挑んだ。
 ピカチュウはやるき満々な様子で、電気袋からかすかにほうでんしながら相手のポケモンをグッとにらみつけた。
 少年のもとにやってきた無気力なピカチュウの姿からは想像もできないような、イキイキとした表情だ。
 ▼ 20 レザード@モコシのみ 15/02/15 22:21:21 ID:5EB/ZPmU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 21 レブー@カゴのみ 15/02/15 22:22:44 ID:6GYs75eg [3/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
男「ピカチュウ、10まんボルト!」

 指示を聞き、ピカチュウは静かに頷いた。
 電気袋は輝きを増し、バチバチと鮮やかな火花をたくわえていく。

 …ところが、放たれたのは「でんじは」。
 慣れない外国語に戸惑い、ピカチュウは指示を聞き間違えてしまっていたのだ。

男「おい!10まんボルトだぞ、10まんボルト!」

 男の顔に焦りといらだちの色が表れ、時間の経過に比例して次第に強くなっていく。
 10まんボルト、と早口で何度もまくし立てるのだが、ピカチュウにとってそれは逆効果だった。

 「何度も言わせるな」

 「どうして分からないんだ」

 「お前のせいで負けたんだろうが」

 パニックに陥ったピカチュウの悲鳴と、男の怒鳴り声とがぐちゃぐちゃに入り混じる。
 ▼ 22 マルス@みどりのプレート 15/02/15 22:25:23 ID:6GYs75eg [4/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「(何てひどい奴だ!)」

 男の態度にがまんできなくなった少年は抗議しようと駆け寄ったが、あと一歩というところまで近づいた瞬間
 男とピカチュウの姿は消えてしまった。

少年「(そうか、これはニャスパーの幻だったんだ…)」

―――――

 気が付くと、少年の意識は元のミナモシティに戻ってきていた。

思い出娘「…その後ピカチュウはミラクル交換に出され、次の国へ」

思い出娘「新しい国でもピカチュウは言葉を一生懸命学ぼうとしたけれど、上手くいかなかった」

思い出娘「バトルで何も出来ず負け続けて、そしてまたミラクル交換に出された」

少年「そんな、ひどい…」
 ▼ 23 クリン@ハートスイーツ 15/02/15 22:27:05 ID:BUha.u8E [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
淡々と続きを投下しまくるイケメンが現れた
 ▼ 24 ングドラ@こだいのうでわ 15/02/15 22:27:22 ID:6GYs75eg [5/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
思い出娘「あなたも、このピカチュウと一緒にバトルしたでしょう?」

思い出娘「そして負けた」

少年「それは…!」

 過去の出来事を見事に見透かされ、少年はどきりとする。

思い出娘「でも、あなたはピカチュウを責めたりしなかった」

思い出娘「バトルで何も出来ずに負けた時、トレーナーであるあなたに心配してもらえて…」

思い出娘「嬉しかったのが、心に残る思い出だって!」

 それを聞いた少年は胸のつかえが下りて、ほっと一安心。
 ピカチュウは、自分のことを嫌ってなんかいなかった。
 同時に涙があふれそうになってきたので、くるりと思い出娘に背中を向けて
 ジャケットの袖で目元をおさえた。
 ▼ 25 ーロット@しあわせタマゴ 15/02/15 22:29:40 ID:6GYs75eg [6/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
思い出娘「でも、ピカチュウも簡単には人間が信じられない」

思い出娘「心の奥ではあなたと仲良くなりたいけれど、すなおになれない」

少年「そうですか…」

思い出娘「こういう時は慌てず騒がず、時間をかけてじっくりと…ね」

思い出娘「あなたなら、きっとピカチュウと仲良くなれる気がする」

 少年は思い出娘とニャスパーに感謝の言葉と別れを告げ、オオスバメに乗って飛び立った。

思い出娘「さようなら。仲良くなれたら、また来てね!」

 ミナモシティに沈む夕日が、彼とオオスバメの背中を優しく包み込む。
 ピカチュウは相変わらず無言だったが、少年の表情はにほんばれの空のように明るくなっていた。
 明日も明後日もその次の日も…一緒に過ごして、少しずつ仲良くなっていこう。
 ▼ 26 ダツボミ@でかいきんのたま 15/02/15 22:30:49 ID:6GYs75eg [7/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
【あらすじ 2】
 少年はミナモシティの思い出娘を訪ねた。
 思い出娘と、彼女のニャスパーが見せてくれた幻のおかげで、ピカチュウの過去を少し知ることができた。
 ピカチュウはミラクル交換で世界中を旅したが、行く先々の言葉が分からず
 バトルでも負け続けたため、色々な国をたらい回しにされてきた。
 トレーナーの指示をうまく理解できず、責められたこともあった。
 けれども、少年と出会い「負けた時に心配してもらえて嬉しかったことが心に残る思い出」だと告げられ
 少年は明るい表情でミナモシティを後にした。
 ▼ 27 クフーン@プラスパワー 15/02/15 22:37:37 ID:pDl5cKOY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ピカチュウ…(;´Д`

支援
 ▼ 28 ノアラシ@しあわせタマゴ 15/02/15 22:52:14 ID:6GYs75eg [8/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
エリナ「…え?英語を教えて欲しいの?」

少年「はい!」

 次の日少年が訪ねたのは、近所に住むエリートトレーナーのエリナ。
 少年の珍しくまじめなまなざしに、エリナは圧倒されかけた。

少年「ピカチュウが日本語を理解できないなら、俺が英語を話せれば仲良くなれるって思ったんです」

少年「エリナさん、お願いです!この通り!」

エリナ「気持ちは分かるけど、いきなりそんなこと言われても…」

 エリナは困惑した。
 彼女が英語を流暢に話せるようになったのはイッシュ地方に何年も留学したからであり
 短期間ですぐに英語を理解できるようになる方法などないことを知っていた。
 それに、英語が分かるように勉強することと、英語を誰かに教えることとは別問題なのだ。
 ▼ 29 コルピ@あかいウロコ 15/02/15 22:53:07 ID:6GYs75eg [9/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「せめてアドバイスだけでも!」

少年「エリナさんが英語を勉強し始めたばかりの時、どんなことから覚えたんですか?」

エリナ「そ、そうね…」

 少年の驚くべきこんじょうを目の当たりにし、エリナはついに首を縦に振った。
 目を閉じて記憶をときわたりさせ、昔のことを思い出し始める。

エリナ「あの時は、身近なカタカナ言葉から覚えていった…かな?」

少年「身近なカタカナ?」

エリナ「例えば『バトル』とか『ゲット』とか。あれ、全部英語よ」

少年「そうだったのかあ!」

 少年は目をマルマインよりもまんまるにして飛び上がった。
 世間では当たり前のことだが、彼にとっては驚くべき新発見。
 ハイパーボイスを轟かせ、再びエリナをおどろかす。
 ▼ 30 ガラグラージ@むげんのふえ 15/02/15 22:54:33 ID:6GYs75eg [10/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
エリナ「そ、そういえば。日本語と英語では呼び方が違うポケモンもいるけれど…」

エリナ「見ての通り、ピカチュウは英語でもPikachuのままだよ」

少年「あ、これピカチュウって読むんだ」

 ボールに刻まれた「Pikachu」の文字を見て、少年は目をパチパチとまたたいた。

エリナ「違いがあるとすれば、日本語はピ『カ』チュウで、英語は『ピ』カチュウってところかな」

少年「英語は、ピカチュウの『ピ』を強く読むってことですか?」

エリナ「そうそう」

 「ピ」カチュウ、「ピ」カチュウと少年は何度も反芻する。

エリナ「ナイス!だんだんPikachuの発音に近くなってきたよ」
 ▼ 31 ォッコ@イトケのみ 15/02/15 22:55:31 ID:6GYs75eg [11/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
エリナ「せっかくだから、今ここでボールから出して呼びかけてあげたら?」

 エリナのアドバイス通り、少年はPikachuをボールから出して抱き上げ、
 習ったばかりのたどたどしい発音で呼びかけてみた。

少年「『ピ』カチュウ」

 待っていましたとばかりに、Pikachuの耳がぴくりと動く。

少年「やった!通じた!」

 少年は高鳴る胸をおさえきれず、満面のばくはつスマイルでPikachuを強く抱きしめた。

少年「…痛っ!」

 その時、バチッと鋭い音が耳の中を駆け抜けた。
 強く抱きしめすぎてPikachuのせいでんきを受けたのだ。

少年「あぁ、ごめんごめん」

 少年は慌てて手を緩め、代わりにPikachuの頭をなで始めた。
 撫でられたピカチュウは顔をプイと背けたが、満更でもなさそうな表情だ。
 その様子を見ていたエリナも思わず笑顔になる。
 ▼ 32 グザグマ@トレジャーメール 15/02/15 22:58:35 ID:6GYs75eg [12/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
エリナ「そうだ、そのままポケパルレしてみたら?」

 突然の提案に少年は戸惑った。
 すぐにでもバトルの練習を始めて、少しでも早くPikachuにじしんを取り戻してもらいたいと
 少年なりに考えていたのだ。

エリナ「バトルもいいけど、まずは一緒に遊んで仲良くなろう、ね?」

少年「でも、10まんボルトは英語で何て言うのかまだ…」

エリナ「ほらほら、ピカチュウはあなたが撫でてくれるのを待っているよ」

 少年はPikachuを撫で始めた。
 時折「ピ」カチュウ、「ピ」カチュウと呟きながら、背中や耳の後ろも掻いてやった。

 撫で終わると、Pikachuはどこからか毛糸玉を取り出してコロコロころがし始めた。

エリナ「今度は遊んで欲しいみたいだね」

少年「俺とですか?」

エリナ「そう。それから遊び相手のポケモンもあと2匹出してあげて」

エリナ「そうすれば、みんなで一緒に遊べるからね」
 ▼ 33 リアドス@デボンボンベ 15/02/15 23:00:02 ID:6GYs75eg [13/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 少年はボールからポケモンを取り出した。
 長年の友であるオオスバメと、この前進化したばかりのグラエナが喜んで飛び出してきた。

少年「さあ、一緒に遊ぼう!」

 元気に返事をしたオオスバメとグラエナと、その横できょとんとしているPikachu。
 その様子に気づいた少年は小声でエリナに尋ねる。

少年「…って、英語で何ていうんですか?」

エリナ「Let's play together…よ」

 ないしょばなしを終えた少年は3匹に向き直り、元気に叫んだ。

少年「れ、レッツ・プレイ・トゥゲザー!」

 言い終わると同時に、少年の脳裏に「Together」という歌が流れ始めた。
 「『一緒に』イェイ、イェイ、イェイ、イェイ」という、ようきなフレーズで有名なあの歌だ。
 英語というと難しそうな響きだけど、意外に普段の生活の中に浸透しているものだな
 …などと考えながら、少年は3匹と一緒に毛糸玉を投げて遊び始めた。
 ▼ 34 チャモ@ソクノのみ 15/02/15 23:02:39 ID:6GYs75eg [14/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 遊び始めて数分が経過した。
 オオスバメとグラエナはタイミングよく毛糸玉を弾き返せるのだが、Pikachuだけはどうもタイミングが合わない。
 彼なりに頑張ってはいるのだが、弾くタイミングが微妙に早すぎたり遅すぎたりして毛糸玉を取り落としてしまう。
 それが何回も積み重なり、Pikachuはしょんぼりした表情を次第に露わにしていった。
 少年もそれに気付いてはいるのだが、どうしたらいいのか分からず戸惑っている。

エリナ「Pikachuに声をかけて!」

 これまで傍観に徹していたエリナだが、ピカチュウの悲しげな顔に耐えられなくなり
 余計なお世話かもしれないと考えながらも、ついつい口を出してしまった。

エリナ「Pikachuに弾き返すタイミングを教えてあげて!」

少年「でも、こういう時英語でなんて言ったらいいのか…」

エリナ「名前を呼ぶだけでも、何でもいいから」

エリナ「要はタイミングさえ伝わればいいんだよ」

少年「わかった!」
 ▼ 35 ドン@げんきのかたまり 15/02/15 23:04:02 ID:6GYs75eg [15/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 再び、毛糸玉が飛び交い始めた。
 少年はPikachuをじっと見つめ、タイミングを見計らって名前を呼び始めた。
 毛糸玉が風を切る音を耳で感じながら、少年は何度も呼びかける。

少年「『ピ』カチュウ!」

 ギリギリのところで何とか命中した!
 よろけながら向かってくる毛糸玉を、オオスバメは間一髪こうそくいどうで受け止めて跳ね返した。

少年「『ピ』カ-chu!」

 まだまだ力が足りないが、さっきよりも手応えを感じる!
 ゆるやかに弧を描いて飛んできた毛糸玉を、グラエナは3歩前に出て跳ね返した。

少年「『ピ』-ka-chu!」

 今度は少し強すぎるが、それでも確実に上達しているのが見て取れる!
 勢いよく飛んできた毛糸玉を、オオスバメは1歩後ろに下がって跳ね返した。

少年「Pikachu!」

 力、方向、タイミングともに完璧だ!
 グラエナはその場から一歩も動かずに跳ね返した。

エリナ「すごいじゃない!」
 ▼ 36 リムガン@やみのいし 15/02/15 23:08:02 ID:6GYs75eg [16/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「みんな、よかったぞ!」

 ピカチュウはすっかりじしんを取り戻し、満面の笑みを露わにしている。
 オオスバメとグラエナも嬉しそうだ。

エリナ「さ、Pikachuもほめてあげて!」

少年「でも英語でなんて言ったらいいか…」

エリナ「ヒント!PSSで素敵なトレーナーに会った時に押す星のボタンは…」

 少年はしばらく頭を悩ませた末、「ナイス!」と元気よく答えた。

エリナ「当たり!それも英語よ」

少年「ナイス、Pikachu!ナイス!」

 嬉しそうにニコニコするPikachuを見て、エリナの口元からも自然と笑みがこぼれる。
 Pikachuのタイミング感覚も、Pikachuを呼ぶ少年の発音も上達している。
 そして何より、少年とPikachuが仲良くなったのはだいもんじを見るより明らかだった。
 ▼ 37 クケイル@フーディナイト 15/02/15 23:11:51 ID:6GYs75eg [17/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「…俺、明日からバトルの練習を始めようと思います」

少年「ポケパルレと同じように、バトルでもPikachuのじしんを回復させたいんです」

 ポケパルレでの一部始終を見ていたエリナは、今度こそ少年の熱意を汲みとって頷いた。

エリナ「そうね。仲良くなれたし、そろそろ始めてもいい頃ね」

少年「そこで教えて欲しいんですが、10まんボルトって英語でなんて言うんですか?」

 少年の勉強熱心さがエリナを再びおどろかす。
 がんばりやなのは良い事だが、気張りすぎて途中で疲れてしまわないかと心配になった。
 しかしそれ以上に、少年とPikachuの成長を嬉しく思う気持ちを噛み締めていたエリナは
 リクエストに応えてすなおに教えてあげることにした。

エリナ「10まんボルトは、Thunderbolt。後半はほぼ同じだね」

少年「サンダーボルト?」

エリナ「そうそう。それから、かみなりは…」

 疲れに耐え切れず、少年はうっかりあくびをしてしまった。
 それを見たエリナは、珍しくいたずらごころをむき出しにしてクスクスと笑った。
 普段のれいせいな性格からは想像もできないような、なんとも言えない笑顔で。

エリナ「はい、続きはまた明日!」

少年「あっ、しまった!」

 少年のお勉強はまだまだ続く。
 ▼ 38 ロトック@グラシデアのはな 15/02/15 23:13:23 ID:6GYs75eg [18/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 それから少年はエリナのもとを訪れ、毎日少しずつ英語を習った。
 ピカチュウの技の呼び方や指示の出し方から、ちょっとした声のかけ方に至るまで
 少年の探究心は次から次へとわき上がり、尽きることを知らなかった。
 まるでメガジュカインの尻尾のように。

 数日後…

エリナ「…もう私から教えることはないなあ」

少年「ほ、本当ですか?」

エリナ「あなたはもう英語でバトルができるようになったんだもの」

エリナ「あとはPikachuと一緒に頑張るだけ。グッドラック!」

 エリナはお茶目にウィンクをし、少年を送り出した。
 ▼ 39 ーナイト@ナモのみ 15/02/15 23:15:02 ID:6GYs75eg [19/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 その日の帰り道。
 少年の心は晴れ晴れとしていたが、頭上の曇り空にはあの日ミナモシティで見たような夕焼けは見えない。
 どうやら、明日は雨が降りそうだ。

少年「Pikachu…」

 家路につく途中、少年は後ろをついてくるPikachuをおもむろに抱き上げてこう質問した。

少年「バトル、オーケー?」

 Pikachuは少年の顔をじっと見つめ、真剣な眼差しで頷いた。

少年「ナイス、Pikachu!」

少年「(明日、あの時のマリルのトレーナーさんに会ってまたバトルするぞ!)」

少年「(そして今度は勝つんだ、絶対に…!)」
 ▼ 40 ーケン@フシギバナイト 15/02/15 23:16:46 ID:6GYs75eg [20/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
【あらすじ 3】
 少年はエリナのもとを訪れ、英語を教えて欲しいと頼み込んだ。
 根負けしたエリナは「身近な単語から覚えてみたら?」と彼にアドバイスし、また
 ポケパルレをしてPikachuと仲良くなることを勧めた。
 けれども、Pikachuのタイミング感覚はイマイチで毛糸玉を跳ね返そうにも失敗してばかり。
 そこでエリナは、タイミングを伝えるためにPikachuの名前を呼ぶよう少年に助言し、
 その作戦は見事功を奏した。
 少年はすっかりPikachuと仲良くなり、エリナからバトルのための英語も習い、
 あとはマリルのトレーナーと再会してバトルするだけとなった。
 次こそは絶対に勝つぞ!
 ▼ 41 リーパー@そうこのカギ 15/02/15 23:19:50 ID:DIfCve56 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スーパー支援
 ▼ 42 ノハナ@スターのみ 15/02/15 23:20:09 ID:iGVX5.KY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
英語の教材みたいになっててワロタ
 ▼ 43 ンバル@こうてつプレート 15/02/15 23:21:55 ID:6GYs75eg [21/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 メタルコート色をした曇天のもと、少年はマリルのトレーナーと再会した。
 2つに束ねた茶髪が印象的なミニスカートの少女である。
 あの日と同じ場所に立って挑戦者を待っている彼女に、少年は勇気を出して近づいた。

少年「また俺と勝負して下さい!」

 ミニスカートは自信ありげに頷くと、バトルの火蓋が切られた。
 投げられたボールから繰り出されたのは…マリルリ。
 ご存知、マリルが進化した姿だ。

少年「(げっ!この前のマリルが進化してる!)」

少年「(体も大きくなってるし、何だか強そうだな…)」

少年「(でも、戦う前から気持ちで負けるわけにはいかない!)」

 深呼吸をすると、曇の日特有の湿度の高い空気が肺に流れ込む。
 しかしそんなことはおかまいなしに、少年はカラッとからげんきを炸裂させて
 ボールからPikachuを繰り出した。
 ▼ 44 リゲイツ@GBプレイヤー 15/02/15 23:24:08 ID:6GYs75eg [22/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「ゴー、Pikachu!サンダーボルト!」

 10まんボルトが決まった!こうかは ばつぐんだ!
 だが、体力を半分近く削られたとはいえ、相手のマリルリも負けてはいない。
 一回り大きくなったその体からは、相性の悪さを覆しかねないほどの気迫とパワーがにじみ出ている。

ミニスカート「マリルリ、じゃれつくのよ!」

 長い耳をうねらせ、マリルリが反撃に出た。
 この「じゃれつく」という技は、最近新しく発見されたフェアリータイプの攻撃だ。
 一見可愛らしい名前だが、見るからに体力のありそうなマリルリが使うとなれば
 その威力は計り知れない。

少年「Pikachu!オーケー?」

 Pikachuは何とか持ちこたえたが、先の一撃で体力の7割以上を持っていかれてしまった。
 あの技をもう一度受けようものならば、間違いなく負けてしまうだろう。
 少年は拳をかたく握りしめ、疲れを見せながらも一生懸命耐えているPikachuを見つめながら
 次にどう出るべきかと作戦を考え始めた。
 ▼ 45 ーダイル@あかいバンダナ 15/02/15 23:25:08 ID:6GYs75eg [23/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「…?」

 その時、少年の顔に何か冷たいものが落ちてきた。
 雨が降り始めたのだ。

ミニスカート「(これは…恵みの雨ね)」

 相手のミニスカートがニヤリと笑う。
 雨が降っている間は水タイプのポケモンの動きが活発になったり、技の威力が上がったりするのだ。

 一見マリルリにとって有利な状況だが、少年にも考えがあった。

少年「(雨が降っている時に使うといい技は…)」

 そう、でんきタイプの技「かみなり」である。
 かみなりの命中率は普段はそれほど高くないのだが、雨が降っている時だけは必ず命中するのが特徴だ。
 かみなりが上手く決まれば、10まんボルトを余裕で耐えた強敵マリルリにも勝つことができるだろう。

少年「(かみなりは英語でサンダーだから…)」

少年「ゴー!Pikachu!サンd…」

ミニスカート「マリルリ、アクアジェットで吹っ飛ばしてけ!」

少年「(まずい!先を越された!)」
 ▼ 46 リルリ@まんたんのくすり 15/02/15 23:29:22 ID:6GYs75eg [24/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 マリルリがアクアジェットの構えに入る。
 この水タイプの技は、「でんこうせっか」等と同じように先制攻撃ができるのだ。
 素早さを最大限重視した技なので威力はそれほど高くないが、あのマリルリが使えば
 既に疲れのたまっているPikachuを倒すことなど容易いだろう。

少年「Pikachu…!」

 その上、先程の「じゃれつく」とは異なり命中率もかなり安定している。
 少年にできるのは、祈ることとタイミングを見計らってPikachuにかわすよう指示を出すことだけ。

少年「(あれ?『かわせ!』って英語でなんて言うんだっけ?)」

 少年は脳みそをこうそくスピンさせてエリナの言葉を思い出そうとした。
 しかし うまくきまらなかった!
 昨日確かに教わったはずなのに、きんちょうかんのあまり英語をドわすれしてしまっていた。

少年「(ダメだ!思い出せない!)」

 けれども、だからといって黙っているわけにもいかない。
 何も言わなければ、ピカチュウはきっと避けようとすらしないかもしれない。

少年「(ポケパルレの時と同じようにタイミングを見計らって、Pikachuに声をかけるぞ!)」

 いちかばちか、少年はPikachuに向かって日本語で叫んだ。

少年「今だ、Pikachu!かわせ!」
 ▼ 47 フーライ@ぼんぐりケース 15/02/15 23:34:12 ID:6GYs75eg [25/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 少年の叫びもむなしく、水をまとったマリルリの体は勢いよくPikachuに命中し
 大小さまざまな水の塊のはねる音が辺りに響き渡った。

少年「(Pikachu…!)」

 おや? Pikachuの様子が…

少年「…え?」

 Pikachuは 少年に いいところを見せようと ふんばった!

ミニスカート「そんな、まさか!」

 ポケパルレで可愛がられたことのあるポケモンは、トレーナーとの絆や情熱に応えて
 相手の技をかわしたり、耐えたりすることがたまにあるのだ。

少年「さあ、行くぞ!Pikachu、サンダー!」

 こうかは ばつぐんだ! 相手の マリルリは たおれた!
 鍛えぬかれたマリルリでも、雨天下でのかみなりはさすがに耐え切れなかった。

少年「オーケー、ナイス!ナイス!」

 Pikachuと共に勝利したこの瞬間を、少年は一生忘れることなどないだろう。
 ▼ 48 ャタピー@たいりょくのハネ 15/02/15 23:35:22 ID:6GYs75eg [26/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 戦いの後、二人と二匹は雨を避けるべく軒下へ移動した。
 温暖な気候のホウエン地方とはいえ、長時間雨に当たり続ければ体調を崩しかねない。

ミニスカート「あーあ、負けちゃった。結構本気だったんだけどな」

 悔しそうにつぶやき、相手のミニスカートは雨で濡れたウィッグを頭から外した。

少年「え?ウソ…!?」

 ウィッグの下から現れた見慣れた髪型に、少年は戸惑いを隠せず声を上げた。
 その正体は、エリートトレーナーのエリナだった。

エリナ「おめでとう!」

 さっきの悔しそうな表情は演技だったのか、満面の笑みで少年とPikachuを祝福してくれた。

少年「ほ、本当にエリナさん?どこからどう見てもミニスカートだったのに…」

エリナ「お化粧のちからってすげー!でしょ?」

 髪型と服装を変えるだけでも、印象はガラリと変わるものだ。
 ましてそこに化粧が加わろうものなら、それはもうメタモン顔負けのへんしんを生み出しかねない。
 少年は大人になるのが少し恐ろしくなってきた。
 ▼ 49 ヤコマ@スペシャルガード 15/02/15 23:36:58 ID:6GYs75eg [27/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
少年「びっくりした。まさかエリナさんだったなんて…」

エリナ「えー、もっと喜んだっていいのに?」

エリナ「だって、あなたはエリートトレーナーである私に勝ったんだもの」

少年「本当に、勝ったんでしょうか?ニャスパーの幻じゃないですよね?」

エリナ「本当よ!その証拠にほら!」

 再びルリリのハンカチが目の前に差し出された。

エリナ「はい、これ。感動したのは分かるけど涙ふきなよ」

少年「な、泣いてなんかいません!雨が顔にかかったんです!」

エリナ「あはは、冗談だって、冗談!」

 本当に泣いていたのかどうかはさておき、そういう女の子らしいグッズを使うのが恥ずかしい年頃なのだ。
 そんな少年をからかってむじゃきに笑うエリナは、じつは心底イタズラが好きな性質なのかもしれない。
 ▼ 50 ャローダ@とけないこおり 15/02/15 23:38:13 ID:6GYs75eg [28/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
エリナ「それにしても、あなたもPikachuも成長したねえ」

エリナ「英語でのバトル、様になってたよ!」

少年「そ、そんな。教えてくれたエリナさんのおかげです!」

 少年はひかえめな態度を示しつつも、嬉しそうな表情は隠し切れない。
 この日のためにがんばった甲斐があった、と喜びを奥歯でかみしめていた。

エリナ「それから、Pikachuも日本語を少しずつ覚えてきているみたい」

少年「え?分かるんですか?」

エリナ「だって、私たちの話を聞きながら時々頷いているでしょう?」

 確かにエリナの言うとおりだ。
 褒められていることが何となく分かるのか、Pikachuもニコニコと笑っている。

エリナ「あなたがPikachuと仲良くなりたくて英語を勉強したのと同じように」

エリナ「Pikachuもあなたの言うことを知りたくて、一生懸命日本語を理解しようとしているのかもね」

エリナ「だって、大好きなトレーナーの言葉だもの!」

 少年が顔を上げると、さっきまであんなに激しかった雨はすっかりやんでいた。
 雲間からわずかにのぞく七色の光を目ざとく見つけたエリナは子供のように大はしゃぎ。

エリナ「…さ、町まで競走しよ!」
 ▼ 51 タマロ@しんぴのしずく 15/02/15 23:40:16 ID:6GYs75eg [29/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
【あらすじ 4】
 ポケパルレを通してPikachuとの絆を深めた少年は、かつて一度敗れたマリルのトレーナーである
 ミニスカートの少女に再びバトルを挑んだ。
 相手のマリルはマリルリに進化しており、タイプの相性がいい相手とはいえ大苦戦。
 少年は最初英語でPikachuに指示を出していたのだが、「かわせ!」を何と言えばいいか
 ドわすれしてしまい、いちかばちか日本語で指示を出した。
 その結果…かわすことには失敗したが、ギリギリでマリルリの攻撃を受け止め
 見事Pikachuは勝利をおさめた。
 相手のトレーナーの正体はエリナだった。お化粧のちからってすげー!
 エリナは「結構本気だったんだけど」と少し悔しそうだが、少年とPikachuの勝利を祝福してくれた。
 Pikachuも、少年の言う事を理解したくて少しずつ日本語を覚えてきているようだ。
 ▼ 52 リゴン2@ホエルコじょうろ 15/02/15 23:41:43 ID:6GYs75eg [30/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ここは ミナモシティ
 りくちの さいはて うみの はじまり

思い出娘「あっ!あの時のトレーナーさん、また来てくれたのね!」

思い出娘「…何も言わなくていいよ。顔を見れば分かるもの」

思い出娘「えーと…」

思い出娘「Pikachuは このホウエン地方で ポケモン交換によって あなたの仲間となり」

思い出娘「誇らしく思ったことが 最高の思い出だって!」


おしまい
読んで下さった方、支援下さった方、ありがとうございました。
 ▼ 53 サイドン@おちゃ 15/02/15 23:41:53 ID:BUha.u8E [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
めっさ丁寧でいいな。
でも文章がいいから若干ストーリーに物足りなさを感じちゃうな。
 ▼ 54 イタラン@ずがいのカセキ 15/02/15 23:43:31 ID:1IwehbpE NGネーム登録 NGID登録 m 報告

お悩みワンダールームの人か?
 ▼ 55 リゲイツ@きんのたま 15/02/15 23:47:53 ID:6GYs75eg [31/31] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>54
なぜばれたw
もしかしてあなたが思い出娘ですか?
 ▼ 56 ォーグル@するどいツメ 15/02/16 00:08:08 ID:1a.KsatM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
乙カレー
書き溜めてたらしきものを一気に載せてくれるのはグッド。完結も早くて文章も丁寧。

あとはもう少しインパクトある展開さえあれば最高、と思ってしまうのは欲張りか。

エリトレ女って聞いただけで、ある程度キャラがつかめる様に、主人公にも個性が欲しいです。

つまりまとめると、エリトレ女は可愛い。
 ▼ 57 ガカメックス@カゴのみ 15/02/16 02:51:01 ID:5fzvfSro NGネーム登録 NGID登録 m 報告
乙<これはツインうんたら
 ▼ 58 びふりゃー◆ZnBI2EKkq. 15/02/16 09:23:03 ID:MnBazjdg NGネーム登録 NGID登録 報告
乙=Z=ジガルデ
  ▲  |  全表示58   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
スレの消えている画像復旧リクエスト
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼