【SS】エモンガの流子:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】エモンガの流子:ポケモンBBS

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【SS】エモンガの流子

 ▼ 1 ラキモドキ 17/08/28 22:59:42 ID:V7fZKRPg NGネーム登録 NGID登録 m 報告

ここは、ハクタイの森。いつも、どこかもの悲しく聞こえる冷風が、木々をゴトゴト鳴らしながら吹き荒んでいる。様々なポケモンが生息しており、隣には人の住む町があるが、生態系を荒らされることはなく、両者の均衡は保たれていた。

その日は朝から雷嵐だった。朝日は遮られていたので、森のポケモン達は朝になっても深い眠りの中にいた………

一組、とあるエモンガのつがいを除いては。

その木の洞(うろ)から洩れる叫びは、降り注ぐ雷鳴にも引きをとらない鋭さである。中では、二匹のエモンガの内の一匹が呻いていた。

エモンガ♀「あぁーっ、あぁーっ、今のでっ、3匹目っ……なのっ?」

エモンガ♂「い、いや、4匹、今ので4匹目…だ…。………なあ、まだ出てくるか?」

エモンガ♀「………あ…と…2匹……くぅぅううぅ……」

エモンガ♂「ォィォイオイオイ!ウチは3匹までしか育てたことないだろ!?せめて5匹だ!これ以上はご近所にめいわ」

エモンガ♀「あ"ぁーっっくるくるくるくるぅ"ーっ!」

パササッ

羊水が飛び散った藁のベッドに、肉塊が1つバウンドした。

エモンガ♂「……………っ!!くぉおお……っ、くぉんの忌み子がっ………!」

激昂した♂は、産まれたばかりのその5匹目の子を、木の洞から投げ捨てた。♀も6匹目の出産に追われ、気付くことはなかった。

その子は雨より早く落下したが、木の葉でバウンドを繰り返しながら減速し、運よく広々とした葉の上に着地した。
目も開いていないその子は、母の温もりを欲してただ蠢くことしかしなかった。
 ▼ 2 ピンロトム@かわらずのいし 17/08/28 23:44:06 ID:gyjmLER6 NGネーム登録 NGID登録 報告
しえんぬ
 ▼ 3 ラキモドキ 17/08/29 10:00:58 ID:rVlBk0WM [1/4] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

嵐が過ぎ、濡れた木々や草むらに朝の日射しが照りつけると同時に、ひんやりした心地よい空気が森中に立ち込める。
寝坊していたポケモン達は目覚め、一斉に活動をスタートさせる。

一方、広々とした葉の上に転がっているその子は、動かなくなっていた。声を出す気力もなかった。


しかし突然、その子を呼ぶ声がした。

『…………まだ生きているな?風雨は木の葉で防いでやったし、寒くはないだろう?』

『と思ったが、栄養が足りていないな。動けない訳だ。』

蕾のついた木の枝が独りでにその子に寄っていき、口元にその蕾が添えられた。よほど空腹だったのか、慌てて食べ出す。

『ついたばかりの蕾だから、美味しいだろう?いくらでもあるからそんなに慌てるな。』


『……さて、お前の今の境遇についてだが……わかるか?お前は捨てられたんだ。昨日私が葉っぱで受け止めていなければ、お前は今頃風雨に晒された泥の下だったろう。』


姿も見えない声が語りかけている最中、一匹のケムッソがやってきた。

ケムッソ「なに話してるんすかオオヌシ様?………わっ!なんすかその子!?」

『あぁ、悲運なことに今朝捨てられた子らしいんだ。』

ケムッソ「わぁー、それはそれは可哀想に……。オオヌシ様はその子を風雨から庇いなさったのですね!」


ケムッソの感嘆する声を聞きつけて、周りのポケモンも何だ何だと寄ってきた。

「捨てられたの?可哀想…」「まだこんな小さいのに…」
「やっぱりオオヌシ様は優しいお方だ……!」

同情と賛美の言葉が入り交じる群衆から、ある一声が飛び出した。

「その子は一体どこの捨て子なのですか?」

『エモンガの一家だ。』


ざわついていた群衆が凍りついた。それと同時に、群衆からその子に冷ややかな視線が送られだす。

「へぇー………あのエモンガのとこの捨て子か…………」
「どおりでどこか嫌な予感したのよ、私…………」
「なーんか急にどうでもよくなっちゃったわー」

群衆は崩れるように散っていった。


『…………まあ、こうなるとは思っていたよ。さて、どうするか…………この木は住んでいる皆が助け合って初めて成立するものだ。お前は認められなかったからこの木で生きる資格はなくなったのだよ。』

その子が乗っている葉は、そろりと傾き出した。その子は落ちまいと懸命にしがみつくが、生後一日足らずのエモンガに耐えられるはずもなく、足が滑り、落ちた。

と思ったら、今度は小さい前歯の映えた小さい口で、葉の先をくわえると、そのまま固まって動かなくなった。
 ▼ 4 ガスピアー@ばんのうごな 17/08/29 10:16:16 ID:ISgL/JSg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
しえーん
 ▼ 5 ラキモドキ 17/08/29 11:10:59 ID:rVlBk0WM [2/4] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

「ねぇ、あの子まだぶら下がってるわよ……。」
「もう半日経ってるってのに……しぶといヤツだ。」

今朝の嵐が森の湿気も吸い取っていったからか乾燥しており、そこに容赦なく昼の直射日光も照りつける。

ぶら下がったままのその子は、開いていない目から涙を流していた。身体中も震えて、酷く衰弱している。


やがて諦めたように枝は独りでに垂れ下がり、その子を一枚の葉の上に下ろしてやった。

『もういいだろう、この子は落ちなかった。お前達がどれだけ批判しようとそれ以上に生きる資格がこの子にはあるということだ。』

『さ、さっきの蕾だ。食べるといい。大丈夫だ、もう落としたりはしない。』

所々から小さく溜め息が洩れる。


『………さあ、これでこの子には生きる資格があると証明できた。誰かこの子を貰ってくれる家はいないか?ほら、そこのビッパの親子は?』

「え、えぇっ!?………ちょ、ちょっとその、ウチは、ちょっと………」

『ならそこのパチリス一家は?近い仲間だから気は合うだろう?』

「こ、ここ困ります!あんな余所者、いや憚り者の子供なんて!」


パチリスのこの言葉を発破に、周りのポケモンも騒ぎだす。

「そうだそうだ!」「嫌われ者ーっ!」「あんなのと暮らしてたら子供に悪影響だわ!」「ででーん!」「厄介者は出ていけーっ!」


『……………ならば仕方あるまい。私が育てよう。』

木は諦めて、その子を葉っぱが多く重なっているベッドのような所に移して、群衆から離してやった。

『そうだ名前は……………流された者、流子だ。私のことはお父さんと呼べばいい。』

そういって木は、枝の葉っぱで優しく流子を撫でた。



流子は、涙を流していた。
その涙は生きられることへの歓喜からなのか、虐げられたことへの傷心からなのか、はたまた、初めて親というものの温もりを感じられたことへの感動の表れなのか。


流子、涙を流す者。
 ▼ 7 17/08/29 12:55:41 ID:fc2pwpIE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
さらっと異物混入させんな
 ▼ 9 ラキモドキ 17/08/29 16:40:35 ID:rVlBk0WM [4/4] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

それからというもの、流子はすくすく大きくなっていった。体毛は濃くなり、耳や尾は凛と立ち上がるようになった。

木が用意してくれた葉っぱのベッドを巣としていて、昼間はひたすらゴロゴロし、夜間になると活発に巣の周りを散歩し出す。

その散歩では毎日のように発見があった。
スボミーやケムッソ等の住民に会う度、挨拶をしても返事がくることはないが、あまり気にしなかった。気にしないようにしていた。


そんな中でもたった一匹、返事をしてくれる者がいた。

コロコロコロコロ〜♪コロコロコロコロ〜♪

流子「よお、こんばんはコロトック。今日もキレイな音だな。」

流子「お前だけだよ、俺に構ってくれんのはさ。………今日も悩み事、いい?」

このコロトックは気の良い性格で周りの住民からも好かれている言わば人気者で、その気の良い性格からか、嫌われ者の流子にも隔てなく接してくれている。


流子「んでさぁ、三本松のケム吉が俺に言うわけよ?"俺は進化したら空を飛べてあそこの湖のほとりまで行けるんだぜ!お前なんかじゃ途中で地面に落っこっちまうだろ!"とか抜かしやがんだぜ!?」

コロコロコロコロ〜♪

流子「んで俺ドタマ来てよぉ、思いっきりあいつの顔面引っ掻いてやったら、泣きべそかいて逃げちまってよ!そりゃー俺だって今は飛べないけどよぉ………」

コロコロコロコロ〜♪

流子「んあ?何も引っ掻くこたぁねぇ?別にいーだろそんくらいよぉ。」

コロコロコロコロ〜♪

流子「短期は損気って………、お前どっちの味方だよ!」

コロコロコロコロ〜♪

流子「…………っ分かったよ、明日謝りゃ良いんだろ?ったくよぉ……」

コロコロコロコロ〜♪

流子「!!うっうるっせぇ!余計なお世話だ!///」

コロコロコロコロ〜♪

流子「………おう、気が和らいだよ。じゃあ、また明日な。」

流子は、こうやって揉め事がある時(ほぼ毎日)は、コロトックと話すために足を運ぶ。
流子にとって、コロトックはかけがえのない友人となっていた。


『今日もコロトックと話して楽しかったか?』

流子「おう。あいつぐらいだよ、俺とまともに話してくれんのは。」

『そりゃお前は横暴だものなぁ、もうちっと女の子らしく振る舞えんのか。』

流子「もう!父さんまで!そんなん俺の勝手だろーがよぉ!ったく。そんじゃ朝だからおやすみっ!………zzz」

『ああ、おやすみ。』
 ▼ 10 グラージ@じしゃく 17/08/29 16:48:26 ID:PG8tpa8I NGネーム登録 NGID登録 m 報告
何でこのエモンガは嫌われてるの?
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