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耳にこびりついたその音は、思い出す度トンネルの中で叫んだみたいに頭の中を駆け巡る。
『──もし、私が壊れてしまう時が来たら』
瞳を閉じれば、申し訳なさそうに、寂しさを隠しきれていない表情で語る母様の姿が蘇る。
『──その時は』
きっと、このときから母様はわかっていたのだろう。
『貴女が私を──』
パシャン、と。軽い水の音を響かせる。
泉の水を両手ですくい上げ、何度も顔に叩きつける。
その言葉の続きを否定するように、何度も。
気がつけば、それを服がずぶ濡れになるほど繰り返していた。
「ふぅ……」
顔を上げて、濡れた手で顔を拭う。
……もっとずっと幼い頃から、私は知っていた。
母様が、生きようとしていないことを。
死ぬつもりでいるということを……。
暫く虚空を見つめた後、ミヅキさんの待つテントに戻る。
「お待たせしました、ミヅキさん」
「おかえりー…ってびしょびしょ……」
テントの前に座っているミヅキさんが、タオルを拾って駆け寄ってくる。
「拭いたげる」
「ありがとうございます」
ミヅキさんは優しい。優しくて、強い人だ。
頭を拭かれながら、改めてそう思う。
不意に首筋に触れたその小さな手は、そんなに華奢で柔らかいのに、どうしてそんなに強いのだろう。
「……ミヅキさん」
「ん…どしたの?」
「ぎゅって、してください…」
だから私は、甘えてしまう。
「仕方ないなぁ……」
私は、強くならなきゃいけないのに。