「ブイズのパーティー」 【SS】:ポケモン掲示板(ポケモンBBS)

「ブイズのパーティー」 【SS】

1 : ッキング@かがやくいし 18/02/02 22:43:57 ID:RXwlpi1o 報告
「この度、カロス地方はアサメシティにてイーブイ族のための婚活パーティーを催すことになりました

是非ともご参加下さいますよう宜しく申し上げます」

ある日そんな手紙が各地方に届いた

主催者はとある大財閥で、パーティーは数日に渡って盛大にやるようだ

しかし奇妙な注意事項がいくつかあり、どうやらただのお見合いとはいかないらしい

それでも、招待された者たちは続々と参加を表明していった

“イーブイ族のための”というフレーズがとても魅力的だったのである

雌雄比が非常に偏ったイーブイ族の♂にとって、イーブイ族を伴侶とすることは憧れであり、同時に競争率の激しい夢である

そのような経緯から、大事にされるので♀の方もイーブイ族と結ばれることを望む傾向にある

怪しくもまたとないチャンスを求め、招待された十名が集まった

395 : TOg35azcXc 18/07/28 02:30:38 ID:kZTAzMYk 報告
ソーナノさん達が帰られた後、“ひみつきち”に何とも言えない暖かな空気が満ちました

マイナン「はあ〜 これでボクらの初依頼は失敗か〜」

ルリリ「まあ、しょうがないよね 今回のは」

報酬を受け取らないという選択をしたため、そうなるのでしょうか でもきっと

プラスル「失敗としたことは正解だったと思います」

成功とするよりもずっと気持ちは晴れやかです

この度の冒険は、大変なことも沢山でしたが、素敵なものでした

ルリリ「依頼は失敗だったけど収穫はあったよね これ以上報酬なんて貰えないよ」

マイナン「そうだよね ヌケニンやソーナノたちと知り合えたこともそうだし
     迷路山が安全な場所であることも判った 地図も完成した
     ボクらが調査しなきゃいけなかったことなんだけどね」

ルリリ「失敗だけど、大成功! かな? 早とちりが駄目だってことも身に染みたし」

マイナン「それは言わないで! てか誰だって勘違いするっしょ! あれは!!」


二匹が下らない事を言って笑い合うのを聞きながら、この度の冒険を振り返ります

大変なこともありましたし、恐怖に竦むこともありましたが、とても素敵な経験でした

それに、こういってはなんですが『報酬』は十分に受け取らせて貰っちゃいましたから

ソーナノさんが、“ひみつきち”を去る時に

ソーナノ「なんていうか…… ありがと またね!」

そう言ってくれたことが嬉しくて 胸がいっぱいになったのです



……私、少しは強くなれたでしょうか?



                                 ――――fin.
396 : TOg35azcXc 18/08/04 22:31:21 ID:pF6.vdMM [s] 報告
ずっと憧れていたんだ

誰かを守れる強さに 誰かを守ろうと思える優しさに

その 勇気に


かつて自分を助けてくれた彼らのようなポケモンになりたかった

弱虫な自分にはなれっこないと諦め欠けたこともあったけど

それでも、少しでも近づきたくて 少しだけ勇気を振り絞ってみたんだ



キノガッサ「弟子入り志願?」

ポチエナ「はい! おれ、皆さんのようになりたくて!」

依頼を受け、困っているポケモン達を助ける仕事 ギルド“ひみつきち”

かつて世話になり憧れた場所へ、おれは是非入りたいと思い、やってきた

ゴクリン「へえ、見る目あるんじゃん ねえ、所長?」

キノガッサ「同意を求められてもね…… 僕はそんな大した存在じゃない
      だから、弟子を取るとかは考えてないし……」

ポチエナ「そ、そうですか……」

しかし、返ってきた反応は思わしくないもので、落胆してしまった

ゴクリン「えー 断っちゃうの? 折角来てくれたのにそれはないんじゃない?
     ほら 彼もがっかりしちゃってるよ?」

キノガッサ「リン、茶々入れないで 君もちょっと早合点が過ぎるかな」

ポチエナ「え? ど、どういう?」

キノガッサ「弟子になるとかじゃなくて、一緒に働く仲間になろうよ
      依頼が増えてきて人手不足だからさ そうしてくれると嬉しい」

そう提案してくれた彼に、おれは当然、二つ返事で了承した

憧れを胸に頑張っていこうと、そう思った
397 : 話についての話◆TOg35azcXc 18/08/08 00:21:45 ID:PSa63AHs [s] 報告
ここのギルドは設立したのは結構最近なのだけど、かなりの実績があるらしい

例えば迷惑行為をしていた輩を退治したりとか

環境汚染に悩まされた土地の問題を解決したりとか

指名手配されている悪の組織を捕まえてしまったりとか

遠くの地方で流行っていた疫病を治すことに貢献したりとか

逸話には事欠かない

やっぱり凄いポケモン達なんだなと委縮してしまう


そんな彼らがいる場所だから、依頼は引っ切り無しに来る

「泥棒退治」や「薬求ム」、「落とし物探し」に「未開探索」などなど

大から小まで千差万別の依頼があり、人手不足というのも納得の忙しさだ

ポチエナもまた所長や先輩たちといくつか依頼をこなし少しずつギルドに慣れていった

持ち前の良く利く鼻が幸いし、捜索系の依頼を上手くこなせることが判ると
一匹で受けられる依頼が増えて大分自信も付いた気がする

といっても、やっぱり所長たちに比べたらまだまだなのだけども

いつか凄いことを成し遂げて彼らに認められるようになりたい

ポチエナ「まあ、そうそう大きな事件なんて起きないし、
     起きたとしておれの手に負えるかって言ったら微妙なんだけどさ」

つい独り言ちて、今日も依頼に励むのだ

出来ることをやるしかないのだから
398 : トム@むらさきはなびら 18/08/08 10:11:02 ID:aC4ENS52 報告
支援
399 : ガチルタリス@キトサン 18/08/08 10:52:41 ID:4dBwOO9. m 報告
支援
400 : 400◆TOg35azcXc 18/08/12 00:34:02 ID:lRcQv7E. 報告
今日の依頼は、迷子の捜索だった

なんでも、お使いに出かけたきり戻って来なくなっていたとか

日を跨いでる訳でもあるまいに、どんな親バカなんだろう……

しかし依頼は依頼と探してみると、人気のない道で半泣きの子どもを見つけた

どうやら、本当に迷ってしまっていたらしく、心細かったのだそう

つい笑ってしまったことを反省をしながらも迷子を親の元へ届ける

母親「娘を探してくれて、本当にありがとうございました」

迷子「お兄ちゃん、ほんとうに、ありがとーございました!」

感謝の言葉を受けて一種複雑な思いをしてしまったのは自業自得か

ポチエナ「はは…… なんのなんの お嬢さんが無事でよかった」

約束の報酬を受け取った といっても大したものじゃない

依頼内容には見合ってるから文句は言えないけどね


昨日は落とし物探し 森の中に置き忘れたという木の実袋を拾うだけのもの

その前は旅のポケモンの道案内やメジャーな傷薬の原料の調達など

依頼には難易度と呼ばれる基準が設けられているのだけど
(依頼目的や依頼内容によって割り出され、労力や報酬の目安となる)

これらの仕事は、難易度がとても低い

更にはポチエナにしてみれば輪をかけて難しくない仕事なのた

なにせポチエナは鼻が利くし、お蔭で方向感覚は抜群

つまり、任される依頼は難なくできるのだけれども……

だからこそ、強くなれている気もしなくて、溜息が出てしまう

目標としているポケモン達に追いつけるときは来るのかな……

焦燥感ばかりが募って、ポチエナを悩ませるのである

401 : TOg35azcXc 18/08/13 23:09:21 ID:ALng7gk6 報告
エネコロロ「お帰りなさい お疲れ様」

ポチエナ「エ、エネコロロさん!? お、お疲れ様です!」

依頼解決の後、“ひみつきち”へと戻ってみると副長が労ってくれた

珍しく受付係のゴクリンも出かけていて二匹っきりになってしまう

エネコロロ「そんな緊張しないでよ 仲間じゃない」

副長は苦笑して気楽にするようにと求めてくる

ポチエナ「は、はいぃ!」

がちがちになりながら態度とは一致しない言葉が出てきてしまう

……いや、無理だ

そもそも彼女は憧れのポケモンの一匹で、逸話もある凄い存在

しかもギルドの副長 “ひみつきち”のNo.2 つまり自分の上司だ

加えて、なんというか、可愛い、のだ

シュッとしたシルエット 細く綺麗な脚 つやつやな毛艶は輝くようで

正直、♀慣れしていないポチエナの心臓に悪い 真っ赤になってしまう

エネコロロ「でも本当、よくやってくれてるわ
      ここ数日だけでも何件も依頼を解決したそうじゃない」

ポチエナ「いえ、それほどでも…… というか、あの」

エネコロロ「ん?」

ポチエナ「おれが受けてきた依頼って難度低いですよね?
     もっと難しいのにも挑戦していきたいっていうか……」

差し出がましいと思いながらも希望を口にする

副長は少し目を見開き、悩むように口を閉ざしてこちらを見た

……生意気だっただろうか

やっと軌道に乗ったところなのに何を言い出すと思われたかな

エネコロロ「……そうね いつまでも新入りって訳じゃないし
      少し難しい依頼も任せようかしらね」

ポチエナ「ありがとうございますっ!」

希望が通ったようで嬉しくなる 早速一つ依頼を受けた 頑張るぞ!


エネコロロ「……怪我、しないでよね」

副長が心配そうにつぶやいたけれど、依頼に気を取られたポチエナの耳に届かなかった
402 : TOg35azcXc 18/08/17 23:57:14 ID:WancI7A. 報告
今度の依頼は、香る茸の採集

復活草と同じく、限定された環境でしか生育しない希少生体だ

採れる時期も限られていて、高額で取引されているようだ

といってもその時期というのは今である じゃなきゃ依頼にならない

ポチエナ「森の奥の日の当たる場所、ね ……大雑把過ぎないか?」

香る茸の生育場所について、あまり多くの情報はないらしい

それだけ範囲の特定も難しいということかもしれないけれども

そう考えれば、大雑把で解るだけでもありがたいものだ

とにかく、日の当たる場所となると森の中にいくつかある高台だろうか

上手く生えていて、見つけられればいいんだけどな

この鼻は茸を探すにはもってこいである

まるでダウジングマシンのように反応を探し回った

途中から、嗅覚に集中するために目を瞑っていたり

それがいけなかった 突然、浮遊感に襲われる

ポチエナ「――え!? う、うあああ!!」

踏み外した!

そう気づいた時にはもう既に身体は宙を舞っていて

転がり落ちながらも何か掴めるものはないかと必死に四つ足を延ばし

地面に背中を打ち付けたとき、偶然にも目的の茸を持っていたのは笑い話、かな


落ちるポチエナ、岩壁の茸をも掴む

ことわざになったりしないかな……
403 : ガイドス@きりのはこ 18/08/19 15:35:33 ID:QWcgdHII 報告
支援
404 : ンシカイオーガ@のこされたボール 18/08/21 22:13:41 ID:pfr.YAAk 報告
支援
405 : TOg35azcXc 18/08/22 00:47:28 ID:SMiEaEik 報告
なんて、馬鹿げたこと考えてみても体の痛みは薄れてくれるわけもない

痛みを堪えつつ立ち上がり、納品のため“ひみつきち”を目指す

ダメージは受けたけど、依頼は完了させられそうで一安心だ


ポチエナ「……お邪魔、します」

マイナン「いらっしゃ……って、大丈夫か!? どうした、その傷!!」

ポチエナ「あはは、ちょっと失敗しちゃいまして
     あ、これ、依頼の香る茸です 誰に渡せばいいんでしたっけ?」

マイナン「いやいや、そんなのはいいから! 凄い傷だよ!?」

プラスル「ええと、薬、準備しますね こちらにいらしてください」

怪我をして帰ったら、プラマイ兄妹がいて慌てさせてしまった

申し訳ないと思いつつもお言葉に甘えて治療してもらう

なんたって、痛いのは本当だし

マイナン「なんだってそんな、痛々しい傷なんて作ったのさ」

ポチエナ「あー…… なんというか、前方不注意でちょっと」

プラスルに薬を塗ってもらいながら、質問に答える

失敗の模様を話すのはちょっと恥ずかしい

マイナン「落ちた結果茸を手に入れたと そりゃまた“塞翁ポニータ”な……」

ポチエナ「運が良かった……んですかね?」

プラスル「大事に至らなかったから良かったですよ
     でも、気を付けて下さいね ポチエナは飛べないんですからね」

ポチエナ「はい 面目ないです アイタタ……」

手を煩わせた上お叱りを受けてポチエナは尻尾を垂らして落ち込んでしまう
406 : ニドリル@スキルコール 18/08/22 01:13:35 ID:K1b.u3OI 報告
さあ鶏になろう
これは真面目に支援する
407 : で済まんの◆TOg35azcXc 18/08/23 01:11:07 ID:8SXUQHnc 報告
プラスル「それにしても、依頼は達成してしまうから凄いですよね」

こちらの様子を見て気を使ったのか、プラスルが呟いた

ポチエナ「……偶然なうえ失敗もしてますけどね」

それを受け自嘲すると、彼女は首を振って言葉を重ねてくる

プラスル「確かに、怪我したのは良くありません でも、
     気にし過ぎるのも駄目です 一度や二度の失敗なんてなんてことありません」

マイナン「ボクらは初依頼失敗してるしね」

ポチエナ「え!? そうなんですか!?」

意外だ…… 彼らだってポチエナにとっては凄いポケモンで、頼れる先輩なのに

プラスル「そうなのです それに比べればちゃんと成すこと成している貴方は凄いのです」

ポチエナ「なんか、反省してるところ慰められたり褒められたりって
     喜べばいいやら気を引き締めればいいやら判んないっす……」

マイナン「そうだね…… ポチエナを凄いと思ってるのは本当だし喜べばいいんじゃない?
     あ、でもまた怪我されたら困るし、そこは反省して?」

……やっぱりどちらか解らない どっちも、なのかな? うーむ

プラスル「要するに、『経験』ということでしょうね 成功も、失敗も
     結果を受け止めることは大事ですが、囚われ過ぎないことも肝要なのです」

悩んでしまっていると、補足するように付け足してくれる

『経験』か…… 難しくてよく判らなかったけれど 何か判った気がした

プラスル「はい 薬、塗り終わりました 患部を冷やしながら少し安静にしてて下さいね」

ポチエナ「あ…… ありがとうございます!」

話をしている内に治療が終わったらしい 余り痛くしない手際に感謝しきりだ
408 : TOg35azcXc 18/08/26 21:21:16 ID:pAm6ERjY 報告
エネコロロ「邪魔するわよ ……っと、その怪我どうしたのよ」

ポチエナ「お、お帰りなさい ええとですね――」

治療が終わって一息ついたところで帰って来た彼女に、説明する

やっぱり失敗について話すのは気まずい

注意を促して来た彼女だから尚更のことで、怒られるかとつい身構えてしまう

エネコロロ「ふーん 思ったより早かったわね」

しかし彼女の反応は思ったよりもあっさりとしたもので拍子抜けしたやら安心したやら

プラスル「……早かった? 予想していたんですか?」

しかしプラスルの呟きにドキリとさせられてついエネコロロに向き直る

エネコロロ「いつかやらかすんじゃないかと思っただけよ」

プラスル「解っていたなら言ってあげればよかったじゃないですか
     下手に怪我することもなかったのでは?」

エネコロロ「言葉で言って何とかなるものじゃないわ 怪我で済んでよかったじゃない」

だから言ったのに、と言われているようで非常に耳が痛い

確かに今回の事故は自業自得なのだけども

エネコロロ「それに私だって“未来予知”できるわけじゃないから」

プラスル「それもそうですね」

いつどこで、どのようにして怪我するかまでは解らなかったということかな……

でも、じゃあ

ポチエナ「……なんでこうなるって思ったんですか?」

確かにポチエナは未熟ではあったけれど、そこまで確信されていた理由は訊きたい

単純に疑問に思い質問したのだけれど

エネコロロ「……逆に訊いていいかしら 何をそんなに焦っているの?」

質問返しされて、目を白黒させてしまった
409 : 詰まらぬ◆TOg35azcXc 18/08/27 00:20:11 ID:McEMtr8c 報告
マイナン「焦ってるって?」

エネコロロ「そう見えるわ 妙に張り切っていて、危うくてしょうがない」

焦燥感に駆られていたのは事実だけど、指摘されるとは思わなかった

そんなに分かり易く危うかったのだろうか そうなのだろうな

ポチエナ「こんなんじゃ、駄目ですよね……」

指摘されたことで余計に、遣り切れない気持ちともどかしさが湧いてくる

エネコロロ「かもね さて、もう一度訊くわ 何をそんなに焦ってるの?」

ポチエナ「……おれは、強くなりたい 早く、立派なポケモンに
     ここに集まっているポケモン達のように、凄い存在に」

そんな風に気持ちが逸っていたからこその失敗であり、
失敗したことで更に気持ちが逸る悪循環なのだけれども思わずにはいられない

ポチエナは自身の至らなさに歯噛みして悔しがる

エネコロロ「うーん 気になってたんだけど、あんたの言う凄いポケモンって誰のこと?」

ポチエナ「へ?」

……彼女は一体何を言い出したのだろう 正直、意図を掴みかねる

ぽかん、と口を開けたまま固まってしまっていると、

エネコロロ「や、私は別に強くなんてないし、キノも否定するはずよ
      あんた達だってそうでしょ?」

マイナン「そりゃもう! ボクなんて全然!」


プラスル「はい 私も、というか、ここにはそんなに強いポケモンはいないと思いますが」

エネコロロ「そうよね? そんなにかしこまられる理由がないっていうか
      そのうち慣れると思って最初は気にしなかったけど、変わんないし」

重ねて言い募る彼女にみんな同調しだして、ポチエナはくらくらしてしまう
410 : TOg35azcXc 18/09/02 17:52:14 ID:.OVIkFt6 報告
ポチエナ「いやいやいや 皆さん凄いですって!」

なんでそんな謙遜するのやら そして何故こっちが必死になっているのやら

エネコロロ「だから『誰が』って訊いてるのよ」

ポチエナ「え? いや、だから」

エネコロロ「私たちはあんたの『理想』じゃないわ」

遮るように、彼女は言う

その目はどこか突き放すように冷たくて、二の句が継げなくなってしまう

押し黙ってしまい、若干重たい空気が流れた

マイナン「……これ、どういう状況? ついていけない……」

その空気を崩すように、マイナンが戸惑った声を発する

エネコロロ「この仔、目が曇っているのよ 何も見えちゃないわ」

プラスル「……つまり、それが『危うくてしょうがない』と言っていた理由、ですか?」

エネコロロ「見えてないから危ういのに、見えてないから言ってもしょうがなかった
      実際に痛い目に遭うのが一番よ いい薬だわ」

ポチエナ「……曇ってるって、そんな、ことは」

素直に認めることはできなかった だって、本当にみんな『凄い』から

エネコロロ「私たちなんかに憧れて『強くなる』だなんて言ってる時点でね……
      私たちは寧ろ弱い方よ? 何を見ているのかしら?」

ポチエナ「そりゃ、色んな依頼をこなしていて 沢山のポケモンを助けていて……」

エネコロロ「報酬があるもの 普通のことよ」

ポチエナ「……」

彼女は尚も厳しいことを言う 事実を告げているだけだというように淡々と
411 : TOg35azcXc 18/09/09 23:35:59 ID:j8GwHKcQ 報告
「話は大体聞かせて貰ったよ」

と、唐突に“ひみつきち”の入り口から声がした

エネコロロ「あら、キノ 帰ってたの いらっしゃい」

キノガッサ「はいはい お邪魔しますよっと ロロは手厳し過ぎじゃない?
      言い方があるよ そんなにはっきり……」

いつから聞いていたのやら、飄々とフォローに回ってくれる

でも、それはつまり

マイナン「うえ? 所長も同意見なの?」

副長の言が的を射ていると彼も思っているということだ

キノガッサ「見えてないっていうのは言い得て妙だと思うよ
      遠くばかりに目が行っていて、足元が疎かだ
      気持ちばかりが先走っていて、不安定
      勿論、崖からの転落という意味でなくてね」

エネコロロ「それを自覚してないんだからはっきり言ってやった方が良いでしょ」

キノガッサ「だから、言い方ってものがだね……」

二匹の言い合いを始めてしまうが、ポチエナにはそれを止める余裕がなかった

痛烈に言われたのもそうだが、何を間違っていてどう直せばいいか解らなかったからだ

……これでは、見えてないって言われてもしょうがないか

ポチエナ「……どうすれば、いいですか」

だから、思い切って聞いてみる

『見えている」彼らに ポチエナの先を行く先輩方に

言い合っていた二匹はこちらの様子に少し驚き、微笑んだ

そして副長に促された所長が、真剣な口調で言う

キノガッサ「『強くなる手段は、なにもバトルに限らない』ってやつだよ」

僕も別に強い訳ではないけどね、と直後茶化すように呟いたけれど
412 : イル@メガバングル 18/09/09 23:48:48 ID:sHgcsbIM 報告
支援
413 : TOg35azcXc 18/09/23 23:45:53 ID:SYAI7ms6 報告
ポチエナ「『バトルに限らない』? バトルしているわけではないんですが……?」

エネコロロ「アハハ!」

単純に疑問になって口にしたら、副長に噴き出されてしまった

所長はその笑い声に気まずそうにしながら頭を掻く

変なこと言ってしまったかな……?

キノガッサ「あー…… そこは言葉の綾というか、あれだよ、うん
      あれー? 使いどころ間違ったかな?」

エネコロロ「折角キメたのにキマってないじゃない ふふっ」

プラスル「エネコロロさん、笑い過ぎですよ……」

え、えーと…… おれ、なんかやっちゃいました?

なんか恥ずかしくなってくる

キノガッサ「コホン 依頼をこなすということは素晴らしいことだけど、
      無理してそれをして願いには直結するのかい?」

ポチエナ「え……と、それは」

どうなのだろう?

依頼を解決できる彼らは凄いポケモンだと思った

しかし、依頼を解決した自分は凄いポケモンになれたかというと、違う気がする

こうして、怪我もしている現状は駄目駄目だろう

つい深く考え込んでしまう そして

キノガッサ「更に言えば『凄いポケモンになること』よりも、
      『依頼を達成すること』の方が目的になっていないかい?」

続けられた言葉に、言葉が出なかった

それはつまり、図星だと思ったからで

キノガッサ「要するに、一つの手段に囚われてないかってこと
      そして、本末転倒してないかってことだよ」

優しくも厳しい言葉で締めた所長を、途方に暮れて見つめてしまった気がする
414 : ノココ@ももぼんぐり 18/09/24 07:51:16 ID:uOg2cgyQ 報告
支援
415 : TOg35azcXc 18/10/08 01:32:53 ID:nHC6H5C2 報告
エネコロロ「私にはああ言っておいて、あんたも中々手厳しいじゃないの」

キノガッサ「ん…… そうだね 申し訳ない」

エネコロロ「結局あんたも目に余ってるってことじゃないの」

ポチエナ「……おれ、そんなに酷いですか?」

自覚してないとお二方に立て続けに言われてしまっては不安になるものだ

エネコロロ「正確には、酷くなりそう、ね まだなってはいないわ」

修正していけばいい、のだろうか …………どこを?

ポチエナ「……解ってないことが解りました ……どうも」

『見えてないから言ってもしょうがない』という副長の言葉が痛烈に突き刺さる

悔しいしもどかしいのに、解決策は見通せない……

キノガッサ「まあ、暫くはギルド休んで考えてみればいいんじゃないかな」

所長が気遣わし気に声を掛けてくる

ポチエナは歯噛みしてしまい、喋れなかった


マイナン「いいなー…… 所長! 僕にも休みを下さい!」

話しについてきていない様子だったマイナンが、先程の所長の発言だけを追って言う

エネコロロ「え、あんた働きたかったんじゃなかったの?」

マイナン「……前はそうだったけどさ、今は何か、引っ切り無しじゃんさー
     最後に休んだのがいつか思い出せない程じゃん……」

キノガッサ「そうは言っても…… 一気に手が抜けたら回んないし……」

ポチエナ「え…… いや、おれもやりますよ!?」

忙しいのは確かだ 寧ろこの頭数で回ってるのが凄い 休んでなんて……

エネコロロ「あんたは寧ろ休んでなさいな 大丈夫 マイナンが頑張るから」

マイナン「え、ちょっ、ひどっ!!」

しかしポチエナの想いとは裏腹に働かせては貰えないという

どうやら今のままでは戦力外通告されてしまうらしい


エネコロロ「何だったらプラスルも休む? 頑張れマイナン」

マイナン「えー……」

プラスル「い、いえ、私は大丈夫です! 大丈夫だよ、お兄ちゃん!」

マイナン「ありがとう、妹よ お前の“手助け”があればあと10年は戦えそうだ」

エネコロロ「シスコン乙」
416 : TOg35azcXc 18/10/14 23:41:22 ID:0BmoDIMI 報告
グラエナ「それで、どうすればいいか解らないということか」

“ひみつきち”から帰らされて棲み処に戻ると、姉が心配そうに声を掛けてきて
自分で整理するためにもと、彼女にも色々聞いてもらった

ポチエナ「『見えていない』らしいことは解ったけど、じゃあどうすればいいんだろう?」

自分だけで考えたところで、答えなんて出なかった

姉は暫し悩むように黙り込み、やがて言う

グラエナ「解らん」

がっくりきてしまう

ポチエナ「……まあ、だろうとは思ったけど」

グラエナ「ん? それは私を侮辱しているのか? 生意気な」

つい呟いた言葉を聞きとがめられて睨みつけられてしまった

防御力が下がりそうで冷汗が垂れる 慌てて弁明した

ポチエナ「や、そういうんじゃないよ!? ただ、難しいなってさ」

グラエナ「そうか 私もエネコロロが何を『見えていない』と言ったかまでは解らん」

ポチエナ「それはさっき聞いたって……」

グラエナ「しかしな? ポチエナが答えを出すことが出来るのだろうことは解るぞ」

繰り返して言う姉は解らないと言いながらもなぜか得意気だ



ポチエナ「へ?」

グラエナ「そもそもこれは自分で答えを出すべき問題だろう?
     ヒントも、一匹で考える時間も与えられたんだ
     なら、きっともっと頑張ってみれば答えは出せるはずだ」

私の弟なのだしな 姉は何故か自信満々でそう付け加える

ポチエナ「……本当に解っていないの?」

グラエナ「どうだろうな 私に聞いてもしょうがないと思う」

はぐらかされて教えては貰えないようだ

みんな自分で考えろと言う

解らないから訊いているのに……
417 : TOg35azcXc 18/10/22 00:30:51 ID:RvLod/Ck 報告
ポチエナ「まあ、いいや 良くないけど、置いとく」

『見えていない』ものは、確かにポチエナが自分で見るべきなのだろう

それとは別に、副長たちを知っている姉に訊いてみたいことがあった

ポチエナ「何で副長たちは自分を弱いなんて言うのかな……」

ポチエナはあんなに立派なポケモン達を他に知らない

だというのに彼女らは彼女らを否定するようなことを言う

そこがどうしても解せないのだ



グラエナ「そうだな あのポケモン達は強い 私たちを助けてくれた」

姉はこちらの言葉に頷きながら肯定する

グラエナ「だが彼女らの言葉も間違いじゃないぞ? あたしでも勝てる」

しかし次の瞬間頓狂なことを言い出すのだ

ポチエナ「は? え? どういう意味?」

ポチエナにはもう訳が分からない

そんなポチエナに姉は教え導くように優しく語る

グラエナ「『強い』と『弱い』は対義語だ 言葉の上ではそうなる
     しかし、だからといって相反するかといわれればそうではない
     一匹の人物の中に両立することだってあるのだ」

ポチエナ「弱いのに、強い……? 強いけど、弱い……?」

グラエナ「そうだな 更に言えば『強さ』にだって種類がある
     『強い』という言葉面に惑わされているんじゃないか?」

種類? それは考えていなかったことだ

でもそう考えると確かに、引っかかっていた物がストンと落ち着く気がした
418 : ゴーム@ヒールボール 18/11/09 23:49:31 ID:61xE9VRw 報告
支援(保守)
419 : ギア@パワーアンクル 18/11/19 01:21:48 ID:V2qEb1es 報告
支援
420 : TOg35azcXc 18/11/24 22:27:37 ID:..mERooQ [s] 報告
棲み処を出て、適当にふらつく

少し落ち着ける時間が欲しかった

先程掴みかけた何かを一匹になって捉え直したかった


ジグザグマ「あ! お兄ちゃんだー! “ひみつきち”のポケモンさんだー!」

と、横合いから元気な声を掛けられる えーと、確か……

ポチエナ「ああ この間の、迷子の仔だね こんにちは」

以前に捜索依頼で見つけ出した仔だ

ジグザグマ「むう ジグザグマだよぅ 変なおぼえ方されてる……」

ポチエナ「ごめんごめん あれから迷子になったりはしてないかい?」

ジグザグマ「うん なんかね 森で迷わなくなった! いつもの森に戻ってるの!
      ポケモンさんたちのお蔭だね!」

迷っていないなら良かった

ただ、不思議な言い回しをされたのが気になる

ポチエナ「いつもの森に? おれたちが何だって? どういう意味?」

ジグザグマ「えっとね えっとね なんかね 変だったの
      ポケモンさんがどうにかしてくれたんでしょ?」

……なんか買い被られてる いや、そもそも

ポチエナ「ポケモンさんってなに? そっちこそ変な覚え方じゃない?」

ジグザグマ「えー だって“ひみつきち”の方でしょ?」

ポチエナ「え? うん まあ そうだけど……」

ジグザグマ「エネコでもゴクリンでもルリリでもプラスルでもマイナンでもないでしょ?」

ポチエナ「何その質問? 確かにおれはポチエナだけども」

ジグザグマ「でしょー? じゃあやっぱりポケモンさんじゃない! 本の通り!」

頭の上の疑問符が増えていくこちらに対して、相手は勝手に納得して盛り上がっている

……全然話についていけない 本? 何のこと?
421 : ュゴン@ファイトメモリ 18/12/12 04:44:10 ID:/pI6dOgA 報告
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422 : ガプテラ@こだいのおまもり 18/12/14 23:14:32 ID:hHQQBuys m 報告
支援
423 : ハコモリ@はつでんしょパス 18/12/15 03:02:14 ID:nE8MDkmA 報告
途中でちゃちゃ入れるのも悪いけど、最初の小説すっごく面白かった。
キャラクターが生きてて、アイデアとかも面白かった。イーブイ★とブラッキーのコンビが特にすき。
作者さんも博識だなと、その文才が欲しい。小説売ってたら買ってた。
長文失礼
424 : ルキア@やすらぎのすず 18/12/21 02:23:52 ID:vKGgazGQ 報告
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425 : リクリ◆TOg35azcXc 18/12/25 00:24:36 ID:N4YMySsY [s] [1/2] 報告
ジグザグマ「ちょっとまってね ……じゃーん! これです!」

彼女はなにやら懐を探ったかと思うと効果音と共に一冊の本を出した

ジグザグマ「最近お気に入りで持ち歩いてるんだー えへへ」

本を? ……まあ、子どもってお気に入りは持ち歩きたがるか

子ども向けらしくあまり厚くもないしね

折角だから借りて読むことにした

ふむ タイトルは『ひみつきちにあつまって』というのか

著者は…… あ 所長だ



最後まで読み切って本を閉じた

正直、圧倒されている

書かれているのは多分、本当に彼らがやったことなのだ

やはりすごいポケモン達なのだと思ってしまう



そして隣で一緒になって読んでいる彼女の勘違いの理由も分かった

童話の主人公である『ぽけもん』には肝心の種族名がない

種族特性から想像できるような描写もなく挿絵も特にはなくて、

『ぽけもん』がなんのポケモンなのかは解らないのだ

多分所長 ……キノガッサなのだろうけど

本を読むだけではそこまで想像できなさそうで

彼女が知っている“ひみつきち”のポケモンがポチエナだけなら

そう勘違いするのも分かる、かもね
426 : 想嬉しす 支援感謝◆TOg35azcXc 18/12/25 01:00:29 ID:N4YMySsY [2/2] 報告
こちらが読み終わったのを確認すると、彼女は円らな瞳でポチエナを見つめてきた

そこに憧憬の色が含まれているのを見てとって、少し複雑な気分になる

羨望を向けられることに嬉しい気持ちもなくはない

しかし本来の自身以上のそれでは、居心地の悪さの方が大きい

ジグザグマ「ね? これお兄ちゃんでしょ?」

無邪気に童話の内容を間違って信じている彼女に、ポチエナは言葉を選ぶ

「それは自分だ」と嘘を言えるほど図太くはないが、

折角ぼかして書いてあるのにそれを崩すほど無粋になるわけにもいかない

ポチエナ「……いや、おれじゃない奴だよ。おれはこの『ぽけもん』に憧れてる奴だ」

結局口から出たのは、本心に近いもので

『ぽけもん』と大きな差があることを示したようで、我ながらなかなか格好悪い



ジグザグマ「そうなんだ! お兄ちゃんもわたしとおんなじなんだね!」


彼女はそんなポチエナの気持ちとは裏腹に、ただただ朗らかに言った


ジグザグマ「でも、お兄ちゃんの方が凄いよ! 本当の“ひみつきち”の一員だもん
      わたしよりよっぽどずっと凄い!」


全然、足りていないって…… 『見えてない』って自覚したばかりだけど


ジグザグマ「なれるといいね 『ぽけもん』みたいに
      ううん 絶対なれるよ!」


なぜか彼女の純粋な目を見ていると本当にそうなれる気がした
427 : けおめ◆TOg35azcXc 19/01/01 23:27:21 ID:NiFkd.OM 報告
ポチエナ「……ありがとう」

気付いたら、声に出していて

ジグザグマ「ふえ? なんでお兄ちゃんが『ありがとう』なの?」

不思議そうな顔をさせてしまった

ポチエナ「や、頑張ろうって思えたから」

落ち込み気味だったのが上向きになったのは確かだ

素直な気持ちでそう言った

ジグザグマ「ふふ 変なお兄ちゃん」


それから、棲み処に変えるという彼女を送った

もう森で迷うことはなくなったという話だったが、一応

仔ども扱いされたと思ったのか、顔を赤くして俯いていたけど、勘弁してほしいな


実際彼女はポチエナよりは下だし

この間迷子になっていたのは事実だし

仮にもポチエナは“ひみつきち”の者だから

見過ごすわけにもいかないんだよね


という言い訳は言わなかったけど

道中は童話についての話に花を咲かせた

他愛もないことだったけど楽しかったかな
428 : ンバドロ@しんぴのしずく 19/01/02 00:23:39 ID:0zHYvr76 m 報告
支援
429 : TOg35azcXc 19/01/09 23:43:57 ID:jUi6qKBA 報告
ジグザグマと別れてポチエナは自分の棲み処を目指し森を歩く

先程聞いた童話が頭の中を占めているから、ゆっくり

自分がどうすれば、彼らに辿りつけるというのだろうか

目指すものは遠く、何をすればいいか判らずに悩みながらゆっくり

そうして歩いていると、何やら先の方にポケモンがいるのが見える


ドクケイル「……ぐぅ くそっ! 彼奴どうしちまったんだよ……」

独り言のように悪態を吐いている

ふらついて飛んでいて、危なっかしい

ポチエナ「怪我をしているようだけど…… 大丈夫か? どうした?」

事情は判らないが、見過ごすのも気が引けるため声を掛けた

相手は驚いたように振り返り、訝しげな顔になり身体を強張らせた

ドクケイル「なんだてめえ? 追い打ちか!? ……っく、テテ」

ドクケイルは攻撃しようとしたようだったが、痛みに顔を顰めて蹲る

ポチエナは駆け寄って支えてやる

ポチエナ「何を言ってる? 怪我してんだから落ち着け」

事情は判らないが、一先ず害意はないと示して落ち着かせようとした



ドクケイル「・・・・・・や、済まなかったな」

おやつにと持っていたオレンを渡すと少しは痛みも引いたらしい

敵対意思がないこともどうやら伝わってくれたらしく落ち着いている
430 : ングマ@おおきなしんじゅ 19/01/10 06:31:08 ID:jDxs5Qf. m 報告
支援
431 : TOg35azcXc 19/01/11 22:20:32 ID:eg2AwUUs [1/3] 報告
ポチエナ「それで? なにがあってそんな状態に?」

タイミングを見計らい、そもそもの疑問を切り出した

傷付いているのに見境なく攻撃しようとする辺りただ事じゃなさそうな

……怪我をしている時点でただ事じゃないが

ドクケイル「何があったかって こっちが聞きてえんだけどな……」

彼はどうも戸惑っているらしい

先程の独り言もそうだった気がするが

しかし、それだけ言われてもこっちはもっと戸惑うばかりだ

そのことに気付いてくれたのか、説明し始めた

ドクケイル「なんつうかな ダチが変なんだよ」

ポチエナ「変、というと?」

ドクケイル「いや、解んなくもねえんだ ただ、少し行き過ぎてるっつーか
      少々荒っぽいとこもあったが気のいい奴だったんだけどな……」

ポチエナ「……いや、何の話だ」

ドクケイル「経験値にされたんだよ それも瀕死から治る度繰り返して」

ポチエナ「だからなんの話だって 要点抑えろ」

ドクケイル「遠出できることに気付いて、より経験値求めて飛び出していきやがった」

ポチエナ「本気で待ってくれ 訳分からん」

前言撤回 気付いてない 理解させる気ないな

ドクケイル「はあ!? なんで解んねーんだよ!? 解れよ!?」

キレられた

この説明で分かる奴いるのか? こっちの理解力が悪いのか?
432 : TOg35azcXc 19/01/11 23:26:09 ID:eg2AwUUs [2/3] 報告
その後も話が飛んだり前後したり、関係ない話がちょくちょく挟まれたり
まあ聞きづらかった

それでも、何とか地道に聞き出して頑張ってまとめる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドクケイルのダチであるヤルキモノは以前から強さには執着していた

だが、つるんでいる時は気が置けなくて楽しい奴だった

しかしある日から様子がおかしくなった

酷くイラついた感じで、花や木の実などに八つ当たりしていた

何があったのかと訊くと、バトルでえらくやられたらしい

それも、普段は逆らってこない“弱い奴”に

ドクケイルはそいつがヤルキモノに一杯食わせたことは面白いと思った

ただ、ヤルキモノ的にはどうも憤懣遣る方ないらしい

逆恨みじゃねえかって思ったが、気持ちは解らないでもなかった

だからそいつよりもっと強くなってまた打ち負かしてやりゃいいだろって笑い飛ばした

ダチらしく、一緒に強くなる方法を探してやるつもりだった

それで、森の中を歩いている時、小さなポケモンを見つけた

顔見知りとかじゃなかったから、普段は無視するはずだった

なのに、ヤルキモノはいきなり目の色変えて襲い掛かろうとした

さすがにそれはいかんだろと思って止めたんだが、なんかスイッチ入ったみたいで

大暴れしてドクケイルに爪を向けてきた

見境なくポケモンを襲いだす酷い奴に成り下がったわけだ

以前はそんな奴じゃなかった

だから変なんだ
433 : TOg35azcXc 19/01/11 23:26:49 ID:eg2AwUUs [3/3] 報告
変といえば、森も変だった

いつものように進んでいる筈なのに、いつの間にか同じ所をグルグルして

迷ったあげく元の場所に戻るようになっていた

あれは一体何だったんだろうな


ともかくそのお陰で、変になったヤルキモノは一つ所に留まった

その所為で、ドクケイルもその場を離れられず、標的にされ続けた

瀕死しては治されて 治っては瀕死にされて

本当に地獄のような日々だった

何度も逃げようと試みて、その内、なんでかは解らないが森が元に戻ったことに気付いた

ヤルキモノも解ったようで、ドクケイルを置いて外に向かっていった

瀕死から復活までのスパンが掛かるドクケイルより多くの経験値を求めて

だから、もしヤルキモノに会ったら気を付けろ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ポチエナ「……ということか?」

ドクケイル「そうだよ! ずっとそう言ってんだろ!?」

……そういうことらしい

ここまで聞きだすのにどれだけの時間がかかったことやら

頭が痛くなる……


しかし苦労した甲斐はあったのかもしれない

ポチエナ「それが本当なら…… 大変じゃないか!?」

誰彼構わず襲い掛かる暴君が今、森を徘徊しているということ

早く皆に知らせて避難誘導、或いは捕縛要請をしなくてはいけない
434 : フォクシー@たまむしプレート 19/01/12 20:00:10 ID:C/Lcopkc m 報告
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