「ブイズのパーティー」 【SS】:ポケモン掲示板(ポケモンBBS)

「ブイズのパーティー」 【SS】

1 : ッキング@かがやくいし 18/02/02 22:43:57 ID:RXwlpi1o 報告
「この度、カロス地方はアサメシティにてイーブイ族のための婚活パーティーを催すことになりました

是非ともご参加下さいますよう宜しく申し上げます」

ある日そんな手紙が各地方に届いた

主催者はとある大財閥で、パーティーは数日に渡って盛大にやるようだ

しかし奇妙な注意事項がいくつかあり、どうやらただのお見合いとはいかないらしい

それでも、招待された者たちは続々と参加を表明していった

“イーブイ族のための”というフレーズがとても魅力的だったのである

雌雄比が非常に偏ったイーブイ族の♂にとって、イーブイ族を伴侶とすることは憧れであり、同時に競争率の激しい夢である

そのような経緯から、大事にされるので♀の方もイーブイ族と結ばれることを望む傾向にある

怪しくもまたとないチャンスを求め、招待された十名が集まった

416 : TOg35azcXc 18/10/14 23:41:22 ID:0BmoDIMI 報告
グラエナ「それで、どうすればいいか解らないということか」

“ひみつきち”から帰らされて棲み処に戻ると、姉が心配そうに声を掛けてきて
自分で整理するためにもと、彼女にも色々聞いてもらった

ポチエナ「『見えていない』らしいことは解ったけど、じゃあどうすればいいんだろう?」

自分だけで考えたところで、答えなんて出なかった

姉は暫し悩むように黙り込み、やがて言う

グラエナ「解らん」

がっくりきてしまう

ポチエナ「……まあ、だろうとは思ったけど」

グラエナ「ん? それは私を侮辱しているのか? 生意気な」

つい呟いた言葉を聞きとがめられて睨みつけられてしまった

防御力が下がりそうで冷汗が垂れる 慌てて弁明した

ポチエナ「や、そういうんじゃないよ!? ただ、難しいなってさ」

グラエナ「そうか 私もエネコロロが何を『見えていない』と言ったかまでは解らん」

ポチエナ「それはさっき聞いたって……」

グラエナ「しかしな? ポチエナが答えを出すことが出来るのだろうことは解るぞ」

繰り返して言う姉は解らないと言いながらもなぜか得意気だ



ポチエナ「へ?」

グラエナ「そもそもこれは自分で答えを出すべき問題だろう?
     ヒントも、一匹で考える時間も与えられたんだ
     なら、きっともっと頑張ってみれば答えは出せるはずだ」

私の弟なのだしな 姉は何故か自信満々でそう付け加える

ポチエナ「……本当に解っていないの?」

グラエナ「どうだろうな 私に聞いてもしょうがないと思う」

はぐらかされて教えては貰えないようだ

みんな自分で考えろと言う

解らないから訊いているのに……
417 : TOg35azcXc 18/10/22 00:30:51 ID:RvLod/Ck 報告
ポチエナ「まあ、いいや 良くないけど、置いとく」

『見えていない』ものは、確かにポチエナが自分で見るべきなのだろう

それとは別に、副長たちを知っている姉に訊いてみたいことがあった

ポチエナ「何で副長たちは自分を弱いなんて言うのかな……」

ポチエナはあんなに立派なポケモン達を他に知らない

だというのに彼女らは彼女らを否定するようなことを言う

そこがどうしても解せないのだ



グラエナ「そうだな あのポケモン達は強い 私たちを助けてくれた」

姉はこちらの言葉に頷きながら肯定する

グラエナ「だが彼女らの言葉も間違いじゃないぞ? あたしでも勝てる」

しかし次の瞬間頓狂なことを言い出すのだ

ポチエナ「は? え? どういう意味?」

ポチエナにはもう訳が分からない

そんなポチエナに姉は教え導くように優しく語る

グラエナ「『強い』と『弱い』は対義語だ 言葉の上ではそうなる
     しかし、だからといって相反するかといわれればそうではない
     一匹の人物の中に両立することだってあるのだ」

ポチエナ「弱いのに、強い……? 強いけど、弱い……?」

グラエナ「そうだな 更に言えば『強さ』にだって種類がある
     『強い』という言葉面に惑わされているんじゃないか?」

種類? それは考えていなかったことだ

でもそう考えると確かに、引っかかっていた物がストンと落ち着く気がした
418 : ゴーム@ヒールボール 18/11/09 23:49:31 ID:61xE9VRw 報告
支援(保守)
419 : ギア@パワーアンクル 18/11/19 01:21:48 ID:V2qEb1es 報告
支援
420 : TOg35azcXc 18/11/24 22:27:37 ID:..mERooQ [s] 報告
棲み処を出て、適当にふらつく

少し落ち着ける時間が欲しかった

先程掴みかけた何かを一匹になって捉え直したかった


ジグザグマ「あ! お兄ちゃんだー! “ひみつきち”のポケモンさんだー!」

と、横合いから元気な声を掛けられる えーと、確か……

ポチエナ「ああ この間の、迷子の仔だね こんにちは」

以前に捜索依頼で見つけ出した仔だ

ジグザグマ「むう ジグザグマだよぅ 変なおぼえ方されてる……」

ポチエナ「ごめんごめん あれから迷子になったりはしてないかい?」

ジグザグマ「うん なんかね 森で迷わなくなった! いつもの森に戻ってるの!
      ポケモンさんたちのお蔭だね!」

迷っていないなら良かった

ただ、不思議な言い回しをされたのが気になる

ポチエナ「いつもの森に? おれたちが何だって? どういう意味?」

ジグザグマ「えっとね えっとね なんかね 変だったの
      ポケモンさんがどうにかしてくれたんでしょ?」

……なんか買い被られてる いや、そもそも

ポチエナ「ポケモンさんってなに? そっちこそ変な覚え方じゃない?」

ジグザグマ「えー だって“ひみつきち”の方でしょ?」

ポチエナ「え? うん まあ そうだけど……」

ジグザグマ「エネコでもゴクリンでもルリリでもプラスルでもマイナンでもないでしょ?」

ポチエナ「何その質問? 確かにおれはポチエナだけども」

ジグザグマ「でしょー? じゃあやっぱりポケモンさんじゃない! 本の通り!」

頭の上の疑問符が増えていくこちらに対して、相手は勝手に納得して盛り上がっている

……全然話についていけない 本? 何のこと?
421 : ュゴン@ファイトメモリ 18/12/12 04:44:10 ID:/pI6dOgA 報告
支援
422 : ガプテラ@こだいのおまもり 18/12/14 23:14:32 ID:hHQQBuys m 報告
支援
423 : ハコモリ@はつでんしょパス 18/12/15 03:02:14 ID:nE8MDkmA 報告
途中でちゃちゃ入れるのも悪いけど、最初の小説すっごく面白かった。
キャラクターが生きてて、アイデアとかも面白かった。イーブイ★とブラッキーのコンビが特にすき。
作者さんも博識だなと、その文才が欲しい。小説売ってたら買ってた。
長文失礼
424 : ルキア@やすらぎのすず 18/12/21 02:23:52 ID:vKGgazGQ 報告
支援
425 : リクリ◆TOg35azcXc 18/12/25 00:24:36 ID:N4YMySsY [s] [1/2] 報告
ジグザグマ「ちょっとまってね ……じゃーん! これです!」

彼女はなにやら懐を探ったかと思うと効果音と共に一冊の本を出した

ジグザグマ「最近お気に入りで持ち歩いてるんだー えへへ」

本を? ……まあ、子どもってお気に入りは持ち歩きたがるか

子ども向けらしくあまり厚くもないしね

折角だから借りて読むことにした

ふむ タイトルは『ひみつきちにあつまって』というのか

著者は…… あ 所長だ



最後まで読み切って本を閉じた

正直、圧倒されている

書かれているのは多分、本当に彼らがやったことなのだ

やはりすごいポケモン達なのだと思ってしまう



そして隣で一緒になって読んでいる彼女の勘違いの理由も分かった

童話の主人公である『ぽけもん』には肝心の種族名がない

種族特性から想像できるような描写もなく挿絵も特にはなくて、

『ぽけもん』がなんのポケモンなのかは解らないのだ

多分所長 ……キノガッサなのだろうけど

本を読むだけではそこまで想像できなさそうで

彼女が知っている“ひみつきち”のポケモンがポチエナだけなら

そう勘違いするのも分かる、かもね
426 : 想嬉しす 支援感謝◆TOg35azcXc 18/12/25 01:00:29 ID:N4YMySsY [2/2] 報告
こちらが読み終わったのを確認すると、彼女は円らな瞳でポチエナを見つめてきた

そこに憧憬の色が含まれているのを見てとって、少し複雑な気分になる

羨望を向けられることに嬉しい気持ちもなくはない

しかし本来の自身以上のそれでは、居心地の悪さの方が大きい

ジグザグマ「ね? これお兄ちゃんでしょ?」

無邪気に童話の内容を間違って信じている彼女に、ポチエナは言葉を選ぶ

「それは自分だ」と嘘を言えるほど図太くはないが、

折角ぼかして書いてあるのにそれを崩すほど無粋になるわけにもいかない

ポチエナ「……いや、おれじゃない奴だよ。おれはこの『ぽけもん』に憧れてる奴だ」

結局口から出たのは、本心に近いもので

『ぽけもん』と大きな差があることを示したようで、我ながらなかなか格好悪い



ジグザグマ「そうなんだ! お兄ちゃんもわたしとおんなじなんだね!」


彼女はそんなポチエナの気持ちとは裏腹に、ただただ朗らかに言った


ジグザグマ「でも、お兄ちゃんの方が凄いよ! 本当の“ひみつきち”の一員だもん
      わたしよりよっぽどずっと凄い!」


全然、足りていないって…… 『見えてない』って自覚したばかりだけど


ジグザグマ「なれるといいね 『ぽけもん』みたいに
      ううん 絶対なれるよ!」


なぜか彼女の純粋な目を見ていると本当にそうなれる気がした
427 : けおめ◆TOg35azcXc 19/01/01 23:27:21 ID:NiFkd.OM 報告
ポチエナ「……ありがとう」

気付いたら、声に出していて

ジグザグマ「ふえ? なんでお兄ちゃんが『ありがとう』なの?」

不思議そうな顔をさせてしまった

ポチエナ「や、頑張ろうって思えたから」

落ち込み気味だったのが上向きになったのは確かだ

素直な気持ちでそう言った

ジグザグマ「ふふ 変なお兄ちゃん」


それから、棲み処に変えるという彼女を送った

もう森で迷うことはなくなったという話だったが、一応

仔ども扱いされたと思ったのか、顔を赤くして俯いていたけど、勘弁してほしいな


実際彼女はポチエナよりは下だし

この間迷子になっていたのは事実だし

仮にもポチエナは“ひみつきち”の者だから

見過ごすわけにもいかないんだよね


という言い訳は言わなかったけど

道中は童話についての話に花を咲かせた

他愛もないことだったけど楽しかったかな
428 : ンバドロ@しんぴのしずく 19/01/02 00:23:39 ID:0zHYvr76 m 報告
支援
429 : TOg35azcXc 19/01/09 23:43:57 ID:jUi6qKBA 報告
ジグザグマと別れてポチエナは自分の棲み処を目指し森を歩く

先程聞いた童話が頭の中を占めているから、ゆっくり

自分がどうすれば、彼らに辿りつけるというのだろうか

目指すものは遠く、何をすればいいか判らずに悩みながらゆっくり

そうして歩いていると、何やら先の方にポケモンがいるのが見える


ドクケイル「……ぐぅ くそっ! 彼奴どうしちまったんだよ……」

独り言のように悪態を吐いている

ふらついて飛んでいて、危なっかしい

ポチエナ「怪我をしているようだけど…… 大丈夫か? どうした?」

事情は判らないが、見過ごすのも気が引けるため声を掛けた

相手は驚いたように振り返り、訝しげな顔になり身体を強張らせた

ドクケイル「なんだてめえ? 追い打ちか!? ……っく、テテ」

ドクケイルは攻撃しようとしたようだったが、痛みに顔を顰めて蹲る

ポチエナは駆け寄って支えてやる

ポチエナ「何を言ってる? 怪我してんだから落ち着け」

事情は判らないが、一先ず害意はないと示して落ち着かせようとした



ドクケイル「・・・・・・や、済まなかったな」

おやつにと持っていたオレンを渡すと少しは痛みも引いたらしい

敵対意思がないこともどうやら伝わってくれたらしく落ち着いている
430 : ングマ@おおきなしんじゅ 19/01/10 06:31:08 ID:jDxs5Qf. m 報告
支援
431 : TOg35azcXc 19/01/11 22:20:32 ID:eg2AwUUs [1/3] 報告
ポチエナ「それで? なにがあってそんな状態に?」

タイミングを見計らい、そもそもの疑問を切り出した

傷付いているのに見境なく攻撃しようとする辺りただ事じゃなさそうな

……怪我をしている時点でただ事じゃないが

ドクケイル「何があったかって こっちが聞きてえんだけどな……」

彼はどうも戸惑っているらしい

先程の独り言もそうだった気がするが

しかし、それだけ言われてもこっちはもっと戸惑うばかりだ

そのことに気付いてくれたのか、説明し始めた

ドクケイル「なんつうかな ダチが変なんだよ」

ポチエナ「変、というと?」

ドクケイル「いや、解んなくもねえんだ ただ、少し行き過ぎてるっつーか
      少々荒っぽいとこもあったが気のいい奴だったんだけどな……」

ポチエナ「……いや、何の話だ」

ドクケイル「経験値にされたんだよ それも瀕死から治る度繰り返して」

ポチエナ「だからなんの話だって 要点抑えろ」

ドクケイル「遠出できることに気付いて、より経験値求めて飛び出していきやがった」

ポチエナ「本気で待ってくれ 訳分からん」

前言撤回 気付いてない 理解させる気ないな

ドクケイル「はあ!? なんで解んねーんだよ!? 解れよ!?」

キレられた

この説明で分かる奴いるのか? こっちの理解力が悪いのか?
432 : TOg35azcXc 19/01/11 23:26:09 ID:eg2AwUUs [2/3] 報告
その後も話が飛んだり前後したり、関係ない話がちょくちょく挟まれたり
まあ聞きづらかった

それでも、何とか地道に聞き出して頑張ってまとめる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドクケイルのダチであるヤルキモノは以前から強さには執着していた

だが、つるんでいる時は気が置けなくて楽しい奴だった

しかしある日から様子がおかしくなった

酷くイラついた感じで、花や木の実などに八つ当たりしていた

何があったのかと訊くと、バトルでえらくやられたらしい

それも、普段は逆らってこない“弱い奴”に

ドクケイルはそいつがヤルキモノに一杯食わせたことは面白いと思った

ただ、ヤルキモノ的にはどうも憤懣遣る方ないらしい

逆恨みじゃねえかって思ったが、気持ちは解らないでもなかった

だからそいつよりもっと強くなってまた打ち負かしてやりゃいいだろって笑い飛ばした

ダチらしく、一緒に強くなる方法を探してやるつもりだった

それで、森の中を歩いている時、小さなポケモンを見つけた

顔見知りとかじゃなかったから、普段は無視するはずだった

なのに、ヤルキモノはいきなり目の色変えて襲い掛かろうとした

さすがにそれはいかんだろと思って止めたんだが、なんかスイッチ入ったみたいで

大暴れしてドクケイルに爪を向けてきた

見境なくポケモンを襲いだす酷い奴に成り下がったわけだ

以前はそんな奴じゃなかった

だから変なんだ
433 : TOg35azcXc 19/01/11 23:26:49 ID:eg2AwUUs [3/3] 報告
変といえば、森も変だった

いつものように進んでいる筈なのに、いつの間にか同じ所をグルグルして

迷ったあげく元の場所に戻るようになっていた

あれは一体何だったんだろうな


ともかくそのお陰で、変になったヤルキモノは一つ所に留まった

その所為で、ドクケイルもその場を離れられず、標的にされ続けた

瀕死しては治されて 治っては瀕死にされて

本当に地獄のような日々だった

何度も逃げようと試みて、その内、なんでかは解らないが森が元に戻ったことに気付いた

ヤルキモノも解ったようで、ドクケイルを置いて外に向かっていった

瀕死から復活までのスパンが掛かるドクケイルより多くの経験値を求めて

だから、もしヤルキモノに会ったら気を付けろ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ポチエナ「……ということか?」

ドクケイル「そうだよ! ずっとそう言ってんだろ!?」

……そういうことらしい

ここまで聞きだすのにどれだけの時間がかかったことやら

頭が痛くなる……


しかし苦労した甲斐はあったのかもしれない

ポチエナ「それが本当なら…… 大変じゃないか!?」

誰彼構わず襲い掛かる暴君が今、森を徘徊しているということ

早く皆に知らせて避難誘導、或いは捕縛要請をしなくてはいけない
434 : フォクシー@たまむしプレート 19/01/12 20:00:10 ID:C/Lcopkc m 報告
支援
435 : TOg35azcXc 19/01/25 01:00:30 ID:BehwCLVQ [s] [1/2] 報告
ドクケイル「ああ、そうだな そうなんだろうけどな」

こっちの意見を聞いて、相手はどうも躊躇ったような声を出す

ドクケイル「あんな奴だが、警察のお世話にならせるっつうのは気が引けるっつうか……」

ポチエナ「いや、そうは言っても」

ドクケイル「本当に変なんだよ彼奴 なんかに憑りつかれてる感じっつうの?
      警察に言ったら、普段との違いなんて気にされず処分されちまわね?」

ポチエナ「……つまりそれだけ普段の行いも悪いと」

ドクケイル「それは言わない約束だろ」

そんな約束した覚えはない というか本気で酷いのか

頭が痛くなるな

しかし本当に友人を思っているらしい

それは汲んでやりたい、かな

ポチエナ「だったら、あまり大事にしないようにうちで早急に片付けるとか?」

ドクケイル「それが出来ればありがたいが…… 『うち』ってのは?」

ポチエナ「私営ギルド“ひみつきち” 依頼解決のスペシャリストだよ」

この案件だってきっと解決に導けるはずだ

そう思って提案したのに



ドクケイル「駄目だ!」

予想外に拒絶され面食らう

ドクケイル「そこには頼れねえ 頼っちゃいけねえだろうが」

ポチエナ「何故?」

毎度言葉が足りなくて訳が分からない

ドクケイル「とにかく駄目なもんは駄目だ!」

ポチエナ「じゃあどうしろって言うんだ?」

拒否するなら代案を提示して欲しい ことは一刻を争うかもしれないのだから
436 : TOg35azcXc 19/01/25 01:02:13 ID:BehwCLVQ [s] [2/2] 報告
ドクケイル「そうだ! オレの触角はレーダーになってて、誰がどこにいるか解るんだよ」

しばらく悩んでいたかと思うと、名案を思いついたかのようにそういった

ドクケイル「オレさえいればヤルキモノの居場所は筒抜けって訳だな だが」

確実な居場所を掴むためにはドクケイルの協力が必要

しかし他の組織に頼るとその協力は拝めない、と

ポチエナは溜息を吐き、決断する


ポチエナ「じゃあ、さようならということで 後は警察に頼もう」

ドクケイル「ちょ! 話聞いてたか!? お前には情がねえのか!?」

ポチエナ「いや、だって、暴徒自身か回りのポケモンかで言ったらそりゃ……」

ドクケイル「そりゃそうだな! チクショウめ!」

納得したようだ 本当になんなんだこいつ

ポチエナ「大体本当に友達のことを思うなら一刻も早く止めてやるべきだろう」

友人とはいえ悪行に手を染めているのなら止めるべきだ

しかもそれが本意でなさそうだというなら尚更

ドクケイル「くそう…… 正論ばっか言いやがって」

解ってはいるらしい しかし納得してはいないようだ

ドクケイル「“ひみつきち”の奴なんだろう? お前が止めるとかは言わねえのか」

ポチエナ「……それは」

ドクケイル「へっ 実力不足の下っ端かよ 目に物見せたいとは思わねえのか」

実力不足 その言葉は図星であるからこそカチンときた

ポチエナ「……わかった おれが抑えてやる 案内しろ」

売り言葉に買い言葉

つい乗っかってしまった
437 : TOg35azcXc 19/01/27 17:51:56 ID:Qjfog192 [s] 報告
ドクケイル「……この先だ 他のポケモンはいねえな」

森の奥地の平野部 この先にヤルキモノがいるらしい

他にポケモンがいないというのは、朗報か

経験値にされているポケモンはいないらしい

ドクケイル「まあ、今あんな危ない奴に近づく物好きはいねえわな」

野性の勘という奴だろうか、森のポケモン達は上手く出会わずに逃げおおせているらしい

ポチエナ「その危ない奴に今から近づくんだけど……」

ドクケイル「そいつぁあ物好きなこって」

ポチエナ「お前な……」

……まあ、言う通りだ 物好きにも危険に飛び込もうとしている

木々の隙間からは何かが暴れている音がした



ヤルキモノ「ウグルルァッ!!」

ポチエナ「うあっ…… 危なっ!」

いきなり襲い掛かって来られる

先に見境がなくなっていると聞いていなければ、一撃目でやられていたかもしれない

ヤルキモノ「……避けやがるか ……まだまだか」

爪持つ白い獣は獰猛に吠える

随分荒々しい雰囲気を振りまいているものだ

ポチエナにこれを抑えて捕縛できるのか?

少し不安になってきてしまった
438 : ロア@ライブキャスター 19/02/09 20:41:58 ID:OQVAoFUQ 報告
支援
439 : ーロット@トロピカルメール 19/02/11 00:11:44 ID:cXu2XB4Y [s] 報告
ドクケイル「おいおいおい…… 本当にどうしちまったってんだよ!?」

猛然と爪を振るい続けるヤルキモノ

ポチエナは間合いを読みながら歯噛みする

駄目だ 抑えるのは愚か、攻撃を加えることも難しい

同じように攻撃から逃げながら、ドクケイルが叫ぶ

ドクケイル「お前、今ぜってー変だって! オレが解んねーのか!?」

ヤルキモノ「るせぇ…… 俺はもう…… 負けるわけにゃいかねえんだ……
      大人しく…… 経験値を寄越せ……!! グルァッ!!」

ポチエナ「危ないっ!!」

横合いからドクケイルを突き飛ばし、辛くも爪を避けた

今のは本気で危なかったな…… 相手の攻撃の鋭さに肝が冷える

普段の彼をポチエナは知らないが、“ダチ”にも容赦のない辺り、成程、狂気的だ

こいつは直ぐに捕らえないと拙そうだな

ドクケイル「助かったぜ…… ただ、不味いな、近づけねえよ……」

ポチエナ「それどころか避けるので手一杯だ 遠距離技とかないの?」

ドクケイル「お、おう! あるぜ!」

ポチエナ「それ最初から使ってよ!」

なんで馬鹿正直に“体当たり”とかで攻めようとしてんのかな

ドクケイル「うおおお! “サイケ光線”!」

ヤルキモノ「……!」

ドクケイル「うし! 当たった!」

やっと、効果的な攻撃が出来たらしい

しかし混乱させるには至らずといったところ

まだまだ気を抜ける状況じゃない
440 : ガジュカイン@ひみつのコハク 19/02/12 00:50:00 ID:t.0ICuqE [s] 報告
ドクケイル「ははっ! 近づかなきゃ怖くねえな! “サイケ光線”!」

相手の腕の届く範囲から大きく脱したドクケイルは光線を打ち続ける

ヤルキモノは当然ドクケイルを仕留めに向かおうとするが、ポチエナが邪魔する

付かず離れずの位置を保って食らいつく

攻撃を受けてはいないが結構きつい ポチエナからの攻撃は当てられもしない

ドクケイルの方が楽そうでいいが、適材適所だ

ポチエナは近接戦しか能がないため囮役しかできないから仕方ない

しかし、もう何発も入ってるはずだが、全然効いた気配がない

ヤルキモノ「うぜえな…… いい加減に、しろ……!」

相手は流石に焦れたのか、苛立った声を出し明確にドクケイルを睨んだ

そして足元の石礫を拾い上げるなり大して振り被りもせず――

ドクケイル「“サイ―― うおぉっ!!」

ノーモーションで投げた割に勢いのあった投石は、狙い過たずドクケイルを捉えたらしい

悲痛な声に振り替えると、翅を大きく傷つけたドクケイルが墜落していく

近接だけしかないと思いきや、そんな手段に出るとは、考えが甘かった

ヤルキモノ「余所見とは…… ありがたい……なぁっ!!」

ポチエナ「ぐあぁぁっっ!!」

他者の心配をしている場合ではなかったらしい

隙を突かれ大きなダメージを喰らい吹っ飛んでしまった

拙い…… あんな奴の前で戦闘不能晒したら……

延々経験値の種にされることを既に聞いているだけに、身体が震える

勝ち目は見えない上に大怪我を負い、捕縛するという目的も無理だ

勇んで挑んで、この体たらく 自分が情けないし悔しい

それでも、この状況を打開するため、“吠える”

ポチエナ「うぅ…… ――ワオオオォォンッッ!!」

相手の戦意を強引に奪い、強制的に退かせる“技”

それを真正面から受けたヤルキモノは戦闘を離脱し森の奥へと消えていった
441 : ンメル@タブンネナイト 19/02/27 12:51:30 ID:OGs./6Zk 報告
支援
442 : TOg35azcXc 19/02/27 22:52:45 ID:8xPYwRk6 [s] 報告
ヤルキモノが去った後の茂みをじっと見て、戻ってこないことを確認し息を吐く

これ以上戦闘は続けられそうにない

失敗したな やっぱり安易に売り言葉に乗っかってはいけなかった



ドクケイル「何やってんだよ、お前…… 逃げんのかよ」

と、辛辣な声が響きポチエナはびくりと震える

ドクケイル「オレに向かってあんだけ大口叩いてよぉ」

友達なら止めてやれだの、抑えてやるだの、確かにポチエナが言ったのだった

ドクケイル「本当に下っ端だったのかよ 使えねえ 期待外れだ」

非難されても仕方ない 実力以上の大言壮語だった

鎮圧対象にこっぴどくやられて 逃がして おまけに依頼者も守れていなくて

余りの無力感に打ちひしがれてしまう



ポチエナ「……とにかく、安全なところへ 治療できるとこへ行こう」

お互い瀕死は免れているが、ダメージは大きい

一先ず退散 話はそれからだ

ドクケイル「それって、何処のことだよ? なあ、オレ、言ったよな?」

……聞いてはいた だが

ポチエナ「選り好みする状況じゃない 頼りたくない理由は解んないけど、我慢して」

ポチエナは翅を怪我したドクケイルを背負い、傷を押して“ひみつきち”へ向かった
443 : TOg35azcXc 19/03/02 23:56:10 ID:/5vgvsq. [s] 報告
辿り着いた“ひみつきち”には副長とゴクリンがいて

副長はこちらの様子を見るなり何も言わずに薬の準備を始めてくれた

それはそれでありがたい対応ではあったものの

散々指摘を受けておきながら、短い期間にまた大怪我をしている身として

その沈黙は、責められているように感じられて何とも居心地が悪いものだった



ゴクリン「これはまた派手に怪我したものだねえ そちらはどなた?」

と、治療が終わりあとは安静にするだけという段になって呑気な声が掛けられる

ポチエナ「えっと…… なんていうか……」

口籠ってしまう どこまで話すのが良いんだろうか

ドクケイルの事情を把握していないため取捨選択が難しく

上手くやれなかったことに対する気後れもあり、なかなか気が重い

そういった気持ちを込めてドクケイルに目配せを送る

ドクケイル「……おう あんたらんとこの下っ端勝手に借りて悪かったな」

ゴクリン「休みの日のやんちゃまでは口出すつもりないよ 自己責任、自己責任」

ドクケイル「そうか? じゃあ、悪くなかったな」

ゴクリン「でもまあ、事情は聴きたいね 喧嘩でもした? 依頼する?」

ドクケイル「それがよう ダチがここ最近変で……」

ポチエナ「ちょ、ちょ、いいの? 話しちゃって」

ドクケイル「あん?」

先程あんなに“ひみつきち”に拒否感を示していたのに、どういうことなのだろうか?

ドクケイル「いーんだよ アイツじゃねえんなら」

ポチエナ「アイツって……?」

ドクケイル「ああ、それで、ダチの話だったよな いや、これがよう……」

軽く発した疑問は答えられず流され、森の暴君に対する情報共有に移ってしまった
444 : ラベベ@ライブキャスター 19/04/03 15:06:20 ID:HeUQ9nhM m 報告
支援
445 : ブラーバ@ポケモンずかん 19/04/16 00:39:10 ID:3lYEqHfE [s] 報告
ゴクリン「なるほどねぇ そんなんでも庇いたいわけだ」

ドクケイル「そりゃあな あんなんでもダチだ」

ポチエナの言も交えながら一通り経緯すると、頷きながらゴクリンは言った

どこか呆れた雰囲気である

ゴクリン「そんな酷いことするのが、ダチなのかい?」

ドクケイル「だーかーらー 変なんだって言ってんだろ」

ゴクリン「へえ」

さっきから同じようなやりとりでらちが明かない感じがする

ゴクリンはこっちを見てドクケイルを見て、困ったような顔をする

ゴクリン「まあでも、その旨言ってくれたらうちでもそうするよ?」

もはや流すことにしたらしく、話を進めた

ドクケイル「そうか じゃあそういうことで頼む」

ゴクリン「……代価用意してくれるんなら承るけど」

ドクケイル「解ってらあ 金でいいんだろ?」

一応払う気はあったのか なんかなあなあで流されそうに見えたのに

ゴクリン「ま、まあね〜 了解 承っとく」

ドクケイル「おう! しっかりやれよ? あ! 解決報告は下っ端にやらせろ」

ゴクリン「ん? それはまた何で?」

ドクケイル「なんでも!! とにかく、任せたかんな!!」

そこまで言うと、ドクケイルは“ひみつきち”の外へ飛び出してしまった

なんで頑なに理由を言わないのだろうか……

というか、翅はもう大丈夫なんだろうか? まだふらついていたようだったが……
446 : TOg35azcXc 19/04/21 23:48:04 ID:18/gESgo [s] 報告
ゴクリン「気に入らないな なに、あれ」


釈然としない、という顔をしてゴクリンが呟く

呑気な彼はそうそう悪し様に言うことはないと思ったが ……珍しい

呆と見つめてしまっていると憮然とこちらを見返してくる

ゴクリン「何で君がそんな反応なのさ もっと怒ってもいいと思うけど


……怒る? ドクケイルに?

本気で解らないという顔のこちらに対しゴクリンは溜息混じり

ゴクリン「仕事の内容の確認もしっかりせずに勝手に連れ出して、
     失敗したら一方的に攻め立てて、挙句下っ端扱い」

ドクケイルがやったことを論ね始め、最後に吐き捨てた

ゴクリン「そんなんやられたら気分悪くもなるさ」



エネコロロ「……でも依頼は受け付けるのね」

ゴクリン「そりゃ、突っぱねるわけにもいかないでしょ 公平性が大事でしょ」

エネコロロ「確かに、放っていい案件じゃないものね」

ゴクリン「ふっかけてもいいくらい ていうかふっかけてやる」

エネコロロ「……公平性は?」

ゴクリン「隠し事して依頼する奴に異議申し立てる権利はない
     喩え依頼内容と関係なかろうとね」


ゴクリンは図々しい奴、だの腹立つ、だのとぶつぶつ呟いていた

ドクケイルが頑ななことに何か心当たりでもあるのだろうか
447 : TOg35azcXc 19/05/03 15:14:53 ID:x4pEZvKg [s] 報告
それから程なくして所長が入ってきた

キノガッサ「お邪魔する――って何この空気?」

ゴクリンは先程からピリピリしていて、副長はご機嫌斜めに黙り込んで

ポチエナはそんな二者の間で縮こまっていて息が詰まるような空気が立ち込めている

所長は理由を知らないのだから疑問にも思うだろう

キノガッサ「エナ君もいるし というか怪我してるし どうしたの?」

ポチエナ「いらっしゃい、所長 これは、えーと、失敗してですね……」

どうも言い辛くて言葉が濁る ただ不甲斐ないというだけではない

依頼主が頼りたくない『アイツ』が所長であるという懸念もあって――

ゴクリン「ん 大体ドクケイルの所為なんだけどね?」

ポチエナ「――って 言っていいの!?」

ゴクリン「異議申し立てる権利はない!」

つまり、言っちゃダメだったってことじゃないですか

キノガッサ「ドクケイル? 彼奴がどうかしたの?」

しかし当の所長に思うところはないようで、普通に促してきた

気にし過ぎ、なんだろうか



結局、依頼のあらまし、ドクケイルとヤルキモノについての話を洗いざらいした

かつてキノココを虐めていたという二匹の話も聞いた

そんな事情があるからこそゴクリンが怒っている、ということも

でも

ポチエナ「一応、負い目はあるという話だったのでは?」

だから所長、ひいては“ひみつきち”に頼る気はないということを言っていた

そのことについてゴクリンが怒るのは見当違いだと思ったが……

ゴクリン「そこだよ なんでアイツ所長にだけ配慮してんのさ
     ぼくも会ったことあるっていうか良くない因縁があるのに」

ということらしい

キノガッサ「なるほど、それで君は怒ってるんだ」

所長は苦笑いしていた
448 : ロッパフ@キーストーン 19/05/16 23:06:17 ID:uoKo9ZcE [s] [1/2] 報告
キノガッサ「で、ロロは落ち込んでる、と」

ポチエナ「……え、落ち込んでいたんですか、あれ」

次いで言われた言葉に、ポチエナは目を丸くしてしまう

キノガッサ「何その目 何だと思ってたのさ」

ポチエナ「いえ、てっきり怒っているものかと……」

キノガッサ「……むしろなんでそんなビクビクしてるのやら」



何故って、それは

ポチエナ「依頼はうまく行かなくて、性懲りもなく怪我して、迷惑ばかりかけて……」

強くもなれず、弱いままだから きっと呆れられてしまうのだろう、と

こんな情けない『ぽけもん』が“ひみつきち”に相応しいとは思えないから――



エネコロロ「……はぁ ……莫迦なんじゃないかしら」

心底呆れ返った声を聞いて、身を竦ませる やっぱりおれは……

自分のふがいなさにドツボに落ち込んでいきそうになる

エネコロロ「違うわよっ! ああ、もう! キノ! どうにかして!」

キノガッサ「なんでそこで意地張るかなあ…… いや、解んなくもないけど」

その様子を見た副長は何故か慌てだす

ポチエナ「……えっと?」

つられて顔を上げてみると、どうもこちらを責めるような感じではなくて困惑する

副長はどこか拗ねたようで、所長は相変わらず苦笑したまま溜息を吐いていた

キノガッサ「何て言ったらいいかな…… うん……」

所長は暫く考えて、一つ思いついたように質問を投げかけてきた



キノガッサ「エナ君は、何が悪かったと思う?」
449 : ーシャン@ゴーストジュエル 19/05/16 23:51:01 ID:uoKo9ZcE [s] [2/2] 報告
ポチエナ「何が、って……?」

抽象的なその質問の意図を掴めなくて、或いはそう思いたくて、言葉を詰まらせた

キノガッサ「リンが怒って、ロロが落ち込んでる一番の原因 何だと思う?」

しかし所長は、追撃するようにより具体的に言い直してくる


身体が震える

散々突きつけてられてきたというのに、まだ足りないのだろうか

未だ曇った眼でしかいられない事実に項垂れながら、自嘲を吐く

ポチエナ「…………そんなのおれが、弱いのが一番――」



キノガッサ「違うでしょ」

ポチエナ「――え?」

途中遮るように否定され、顔を上げ所長の目を見る

穏やかな目で見返されて身体の強張りが解けていく気がした



キノガッサ「違うよ そんな理由で君を下には見ていない」



キノガッサ「第一、弱さが理由ならリンに怒る権利なんてないし」

ゴクリン「」

キノガッサ「というか、“ひみつきち”の誰も、ね」

ほら、僕ら弱いし そういって肩をすくめる所長

真っ先にゴクリンを下げたことに関してお茶を濁した……?

ポチエナ「えっと…… そうなると、一番の原因って?」

色々な可能性は思いつけども、『弱さ』以外はしっくりこない

自分で考えるべきとは判っているが、解答を求めてしまう

所長は鷹揚に頷いて

ゴクリン「そりゃ当然、ドクケイルめが――」

キノガッサ「それも違うね」

出鼻を挫かれ、ばっさり切った

ゴクリン「 (´ω` )\ 」
450 : 着◆TOg35azcXc 19/05/19 00:49:52 ID:rXgQ7x52 報告
……少し気拙い間が空き、



仕切り直すように所長が咳払いをして話し出す

キノガッサ「――まあ、間が悪かったというか、色々重なっちゃって見づらいけどさ」



キノガッサ「今回の件で一番って言ったら、エナ君が一匹で突っ走ったことじゃないかな」

ねえ、ロロ? と所長はそっぽを向いたままの副長に微笑みかける

ポチエナ「……やっぱり、おれですか? 考えなしってことで?」

キノガッサ「ああ、そういう意味じゃない これは僕らが悪いし ……言葉って難しいな」

歯痒そうに呟いているが、こっちも結局どういうことなのやら

ポチエナが悪いが所長たちも悪くて? ……えと

こちらの困惑を見かねたのか、ぽつりと

エネコロロ「…………仲間、でしょうが」

ポチエナ「え?」

更に聞き返したら、副長は顔を赤くして捲し立てた



エネコロロ「だからっ! 私たちは仲間でしょ! なんで頼ってくんないのよ……!
      確かに先輩だけど、それ以上に変に上に見て、遠慮して、
      それで勝手に怪我されてたら、どうしたらいいか判んないわよ!」



――『霧払いされた』、気がした

エネコロロ「私たちはあんたの『理想』じゃない 対して強くもないわよ
      だから、集まってるんじゃないの 皆でやるから、凄くなるんじゃないの」

つまり目が曇っていた、ということの意味はそういうことなのだ

勝手に思い込んで、だからこそ焦って、『交換読みカウンター』してて

空回っていたんだな、おれ


ゴクリン「まあ、しばらくみんな個々に動いてたし、わかんないよねぇ
     僕ら親睦会やってなかったし お互いの性格掴めてないっしょ?」

キノガッサ「……僕にも責める資格なかったかも ごめん」

ポチエナ「い、いえそんなっ!」
451 : 話◆TOg35azcXc 19/05/20 17:50:34 ID:aMXo5rW2 [s] 報告
ゴクリン「まあ、これから知っていけばいいんだけどね」

エネコロロ「そもそもポチエナの理想が高すぎるっての 私たちはちっぽけなのに」


……そうは言っても、ポチエナにとってはヒーローであるという認識はそう変わらない

だって、誘拐事件から颯爽と助けてくれたのは、彼らなのだから

キノガッサ「そういえば、童話読んでくれたって言ってたよね?」

ふと、依頼のあらましを伝えるときについでに言った話を持ち出してきた

キノガッサ「どう思った?」

ポチエナ「え、や、凄いポケモン達だなって 自分との差に感服するばっかりで……」

散々言ってるが、同じ言い方しかない 自分の語彙のなさが悔しい

キノガッサ「んー…… じゃなくて、態と書いてないものに気付いてくれたのかなって」

『自編自賛』っぽいかな 所長はそういって頭を掻いた


なんのことだろう 読み込んだわけでないポチエナには解らない

ポチエナ「書いてないもの、ですか? ……なんですか?」

キノガッサ「バトルさ あの『ぽけもん』は一度だってそれで勝っていない」



ゴクリン「あれわざとだったんだ…… てっきり恥ずかしいからかと」

キノガッサ「それもあるけど…… まあ、なんというかあの作品では
      強くなくともやり方次第、ってことの方が伝えたかったかな」

今日何度目の衝撃だろう 確かに そういえば

キノガッサ「だからさ そもそも僕らが強くて凄いっていうのは間違いなんだよ」

ようやっと全てが腑に落ちて、ポチエナは感嘆の意を示すしかない



そんなポチエナらを横目に、ジト目な彼女はぽつり

エネコロロ「……童話全てが『真実』ってのも語弊があるでしょ」
452 : エルオー@ネットボール 19/05/24 00:33:40 ID:hy.MBJ22 報告
久々に来たら残ってた
支援
453 : TOg35azcXc 19/06/06 23:59:16 ID:uUBk5UJM [s] 報告
ゴクリン「……とまあ、いいこと言った風ではあるけれども、キノさんや」

つと、混ぜっ返すような毒のある声を出した

キノガッサ「……なんだい、リンさんや」

所長もまた演技臭い返しをして繋げるのが、ポチエナは納得がいかない

風ってなんだ いいこと言ってくれたじゃないか

そんな反発の気持ちを抱くものの、続いた言葉に黙り込んでしまう

ゴクリン「実際問題、依頼はどうするんだい?」



ポチエナ「……う」

そうだ 解決しなければいけない問題は、何一つ進展していない

キノガッサ「ヤルキモノね…… アレは強いね しかも凶暴化してるって話だし」

所長は腕を組み、悩まし気に唸った

暴れ回る『経験値狩り』 対してこちらは強くない者ばかり

『強くなくともやり方次第』とはいうものの、弱くてなせることは、じゃあ何だろう

ゴクリン「ポチエナに何とかできるの、アレ」

エネコロロ「ポチエナに何とかさせるの? 私の言ったこと聞いてた?」

ゴクリン「そうは言っても、請けたのはポチエナだし」

エネコロロ「だからって手を貸さないのも違うじゃないの」

ゴクリン「責任の問題だよ 最後までやり遂げないなら依頼受けるものじゃない」

エネコロロ「この…… 正論風に言いおって……!」

ゴクリン「『自分で蒔いた菱』ならケツ持ちぐらいしっかりするべきだ」

エネコロロ「……何でそんな頑ななのよ」

二者の間で方針が割れたようで、なぜか言い争いに発展してしまう

ポチエナは板挟みで縮こまってしまう



しかし様子を見守っていた所長は、何やら呆れ顔で

キノガッサ「リン、本音は?」

ゴクリン「毒蛾めに嘗められっぱは面白くないじゃん!」

……さいですか
454 : イリュー@ライブスーツ 19/06/08 16:40:26 ID:citgvYWo 報告
支援
455 : TOg35azcXc 19/06/15 17:31:35 ID:L4UQu4nU [s] 報告
ゴクリン「奴の鼻を開かしてやるためにも依頼受けた者がやるのが一番なんだよね」

なぜか強情に意見を曲げないゴクリン

言っていることは解るのだけど……

ポチエナ「あの、やっぱりおれには難しいのではないかと思うのですが……」

折角先輩たちがいるのに、力量の足りないポチエナが出張る意味はあるのだろうか

ポチエナが立ち向かっても、失敗して大惨事になる未来しか見えない

それとも何か深い意味でもあるのかな

エネコロロ「……意地が悪い 徹底しろって言いたいんでしょ」

考え込んでしまうと、副長がゴクリンを非難しながら答えを出した

ポチエナ「……どういうことでしょう?」

キノガッサ「出来ないことは出来ないっていうのが大事っていうこと
      あとから、やっぱり出来ませんでしたなんて言ったら面目立たないだろう?」

ゴクリン「どうしようもなくなったら仲間を頼るのもいいよ
     ただ、それに頼って自分で処理できない仕事を請け負うのは違う」

始めから上に任せるような気持ちになりかけていたことに気付き、恥ずかしくなる。



キノガッサ「……新メンバーの加入って今までなかったし、僕らにも課題多いなあ」

ゴクリン「そーだよ 所長がちゃんと教育してくれないからだよ」

エネコロロ「まだ手探りじゃないの なのにネチネチと 男らしくないわね」

ゴクリン「痛い目見た方が覚えもいいって言うじゃん 言うじゃん?」

エネコロロ「……また正論っぽいことを」

ゴクリン「それに失敗処理とか手続きとか受付の仕事じゃんさ めんどい」

エネコロロ「そっちが本音? あんたってのは……」

キノガッサ「まあまあ、リンなりに“ひみつきち”のこと考えてくれてる訳だから」

ゴクリン「そうそう、大事なことだよ?」

ポチエナを置いて、副長たちが言い合いを始めた

……喧嘩のようだけどどこか楽しそうで、真剣なのに険悪じゃないのが興白い


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