「ブイズのパーティー」 【SS】:ポケモン掲示板(ポケモンBBS)

「ブイズのパーティー」 【SS】

1 : ッキング@かがやくいし 18/02/02 22:43:57 ID:RXwlpi1o 報告
「この度、カロス地方はアサメシティにてイーブイ族のための婚活パーティーを催すことになりました

是非ともご参加下さいますよう宜しく申し上げます」

ある日そんな手紙が各地方に届いた

主催者はとある大財閥で、パーティーは数日に渡って盛大にやるようだ

しかし奇妙な注意事項がいくつかあり、どうやらただのお見合いとはいかないらしい

それでも、招待された者たちは続々と参加を表明していった

“イーブイ族のための”というフレーズがとても魅力的だったのである

雌雄比が非常に偏ったイーブイ族の♂にとって、イーブイ族を伴侶とすることは憧れであり、同時に競争率の激しい夢である

そのような経緯から、大事にされるので♀の方もイーブイ族と結ばれることを望む傾向にある

怪しくもまたとないチャンスを求め、招待された十名が集まった

404 : ンシカイオーガ@のこされたボール 18/08/21 22:13:41 ID:pfr.YAAk 報告
支援
405 : TOg35azcXc 18/08/22 00:47:28 ID:SMiEaEik 報告
なんて、馬鹿げたこと考えてみても体の痛みは薄れてくれるわけもない

痛みを堪えつつ立ち上がり、納品のため“ひみつきち”を目指す

ダメージは受けたけど、依頼は完了させられそうで一安心だ


ポチエナ「……お邪魔、します」

マイナン「いらっしゃ……って、大丈夫か!? どうした、その傷!!」

ポチエナ「あはは、ちょっと失敗しちゃいまして
     あ、これ、依頼の香る茸です 誰に渡せばいいんでしたっけ?」

マイナン「いやいや、そんなのはいいから! 凄い傷だよ!?」

プラスル「ええと、薬、準備しますね こちらにいらしてください」

怪我をして帰ったら、プラマイ兄妹がいて慌てさせてしまった

申し訳ないと思いつつもお言葉に甘えて治療してもらう

なんたって、痛いのは本当だし

マイナン「なんだってそんな、痛々しい傷なんて作ったのさ」

ポチエナ「あー…… なんというか、前方不注意でちょっと」

プラスルに薬を塗ってもらいながら、質問に答える

失敗の模様を話すのはちょっと恥ずかしい

マイナン「落ちた結果茸を手に入れたと そりゃまた“塞翁ポニータ”な……」

ポチエナ「運が良かった……んですかね?」

プラスル「大事に至らなかったから良かったですよ
     でも、気を付けて下さいね ポチエナは飛べないんですからね」

ポチエナ「はい 面目ないです アイタタ……」

手を煩わせた上お叱りを受けてポチエナは尻尾を垂らして落ち込んでしまう
406 : ニドリル@スキルコール 18/08/22 01:13:35 ID:K1b.u3OI 報告
さあ鶏になろう
これは真面目に支援する
407 : で済まんの◆TOg35azcXc 18/08/23 01:11:07 ID:8SXUQHnc 報告
プラスル「それにしても、依頼は達成してしまうから凄いですよね」

こちらの様子を見て気を使ったのか、プラスルが呟いた

ポチエナ「……偶然なうえ失敗もしてますけどね」

それを受け自嘲すると、彼女は首を振って言葉を重ねてくる

プラスル「確かに、怪我したのは良くありません でも、
     気にし過ぎるのも駄目です 一度や二度の失敗なんてなんてことありません」

マイナン「ボクらは初依頼失敗してるしね」

ポチエナ「え!? そうなんですか!?」

意外だ…… 彼らだってポチエナにとっては凄いポケモンで、頼れる先輩なのに

プラスル「そうなのです それに比べればちゃんと成すこと成している貴方は凄いのです」

ポチエナ「なんか、反省してるところ慰められたり褒められたりって
     喜べばいいやら気を引き締めればいいやら判んないっす……」

マイナン「そうだね…… ポチエナを凄いと思ってるのは本当だし喜べばいいんじゃない?
     あ、でもまた怪我されたら困るし、そこは反省して?」

……やっぱりどちらか解らない どっちも、なのかな? うーむ

プラスル「要するに、『経験』ということでしょうね 成功も、失敗も
     結果を受け止めることは大事ですが、囚われ過ぎないことも肝要なのです」

悩んでしまっていると、補足するように付け足してくれる

『経験』か…… 難しくてよく判らなかったけれど 何か判った気がした

プラスル「はい 薬、塗り終わりました 患部を冷やしながら少し安静にしてて下さいね」

ポチエナ「あ…… ありがとうございます!」

話をしている内に治療が終わったらしい 余り痛くしない手際に感謝しきりだ
408 : TOg35azcXc 18/08/26 21:21:16 ID:pAm6ERjY 報告
エネコロロ「邪魔するわよ ……っと、その怪我どうしたのよ」

ポチエナ「お、お帰りなさい ええとですね――」

治療が終わって一息ついたところで帰って来た彼女に、説明する

やっぱり失敗について話すのは気まずい

注意を促して来た彼女だから尚更のことで、怒られるかとつい身構えてしまう

エネコロロ「ふーん 思ったより早かったわね」

しかし彼女の反応は思ったよりもあっさりとしたもので拍子抜けしたやら安心したやら

プラスル「……早かった? 予想していたんですか?」

しかしプラスルの呟きにドキリとさせられてついエネコロロに向き直る

エネコロロ「いつかやらかすんじゃないかと思っただけよ」

プラスル「解っていたなら言ってあげればよかったじゃないですか
     下手に怪我することもなかったのでは?」

エネコロロ「言葉で言って何とかなるものじゃないわ 怪我で済んでよかったじゃない」

だから言ったのに、と言われているようで非常に耳が痛い

確かに今回の事故は自業自得なのだけども

エネコロロ「それに私だって“未来予知”できるわけじゃないから」

プラスル「それもそうですね」

いつどこで、どのようにして怪我するかまでは解らなかったということかな……

でも、じゃあ

ポチエナ「……なんでこうなるって思ったんですか?」

確かにポチエナは未熟ではあったけれど、そこまで確信されていた理由は訊きたい

単純に疑問に思い質問したのだけれど

エネコロロ「……逆に訊いていいかしら 何をそんなに焦っているの?」

質問返しされて、目を白黒させてしまった
409 : 詰まらぬ◆TOg35azcXc 18/08/27 00:20:11 ID:McEMtr8c 報告
マイナン「焦ってるって?」

エネコロロ「そう見えるわ 妙に張り切っていて、危うくてしょうがない」

焦燥感に駆られていたのは事実だけど、指摘されるとは思わなかった

そんなに分かり易く危うかったのだろうか そうなのだろうな

ポチエナ「こんなんじゃ、駄目ですよね……」

指摘されたことで余計に、遣り切れない気持ちともどかしさが湧いてくる

エネコロロ「かもね さて、もう一度訊くわ 何をそんなに焦ってるの?」

ポチエナ「……おれは、強くなりたい 早く、立派なポケモンに
     ここに集まっているポケモン達のように、凄い存在に」

そんな風に気持ちが逸っていたからこその失敗であり、
失敗したことで更に気持ちが逸る悪循環なのだけれども思わずにはいられない

ポチエナは自身の至らなさに歯噛みして悔しがる

エネコロロ「うーん 気になってたんだけど、あんたの言う凄いポケモンって誰のこと?」

ポチエナ「へ?」

……彼女は一体何を言い出したのだろう 正直、意図を掴みかねる

ぽかん、と口を開けたまま固まってしまっていると、

エネコロロ「や、私は別に強くなんてないし、キノも否定するはずよ
      あんた達だってそうでしょ?」

マイナン「そりゃもう! ボクなんて全然!」


プラスル「はい 私も、というか、ここにはそんなに強いポケモンはいないと思いますが」

エネコロロ「そうよね? そんなにかしこまられる理由がないっていうか
      そのうち慣れると思って最初は気にしなかったけど、変わんないし」

重ねて言い募る彼女にみんな同調しだして、ポチエナはくらくらしてしまう
410 : TOg35azcXc 18/09/02 17:52:14 ID:.OVIkFt6 報告
ポチエナ「いやいやいや 皆さん凄いですって!」

なんでそんな謙遜するのやら そして何故こっちが必死になっているのやら

エネコロロ「だから『誰が』って訊いてるのよ」

ポチエナ「え? いや、だから」

エネコロロ「私たちはあんたの『理想』じゃないわ」

遮るように、彼女は言う

その目はどこか突き放すように冷たくて、二の句が継げなくなってしまう

押し黙ってしまい、若干重たい空気が流れた

マイナン「……これ、どういう状況? ついていけない……」

その空気を崩すように、マイナンが戸惑った声を発する

エネコロロ「この仔、目が曇っているのよ 何も見えちゃないわ」

プラスル「……つまり、それが『危うくてしょうがない』と言っていた理由、ですか?」

エネコロロ「見えてないから危ういのに、見えてないから言ってもしょうがなかった
      実際に痛い目に遭うのが一番よ いい薬だわ」

ポチエナ「……曇ってるって、そんな、ことは」

素直に認めることはできなかった だって、本当にみんな『凄い』から

エネコロロ「私たちなんかに憧れて『強くなる』だなんて言ってる時点でね……
      私たちは寧ろ弱い方よ? 何を見ているのかしら?」

ポチエナ「そりゃ、色んな依頼をこなしていて 沢山のポケモンを助けていて……」

エネコロロ「報酬があるもの 普通のことよ」

ポチエナ「……」

彼女は尚も厳しいことを言う 事実を告げているだけだというように淡々と
411 : TOg35azcXc 18/09/09 23:35:59 ID:j8GwHKcQ 報告
「話は大体聞かせて貰ったよ」

と、唐突に“ひみつきち”の入り口から声がした

エネコロロ「あら、キノ 帰ってたの いらっしゃい」

キノガッサ「はいはい お邪魔しますよっと ロロは手厳し過ぎじゃない?
      言い方があるよ そんなにはっきり……」

いつから聞いていたのやら、飄々とフォローに回ってくれる

でも、それはつまり

マイナン「うえ? 所長も同意見なの?」

副長の言が的を射ていると彼も思っているということだ

キノガッサ「見えてないっていうのは言い得て妙だと思うよ
      遠くばかりに目が行っていて、足元が疎かだ
      気持ちばかりが先走っていて、不安定
      勿論、崖からの転落という意味でなくてね」

エネコロロ「それを自覚してないんだからはっきり言ってやった方が良いでしょ」

キノガッサ「だから、言い方ってものがだね……」

二匹の言い合いを始めてしまうが、ポチエナにはそれを止める余裕がなかった

痛烈に言われたのもそうだが、何を間違っていてどう直せばいいか解らなかったからだ

……これでは、見えてないって言われてもしょうがないか

ポチエナ「……どうすれば、いいですか」

だから、思い切って聞いてみる

『見えている」彼らに ポチエナの先を行く先輩方に

言い合っていた二匹はこちらの様子に少し驚き、微笑んだ

そして副長に促された所長が、真剣な口調で言う

キノガッサ「『強くなる手段は、なにもバトルに限らない』ってやつだよ」

僕も別に強い訳ではないけどね、と直後茶化すように呟いたけれど
412 : イル@メガバングル 18/09/09 23:48:48 ID:sHgcsbIM 報告
支援
413 : TOg35azcXc 18/09/23 23:45:53 ID:SYAI7ms6 報告
ポチエナ「『バトルに限らない』? バトルしているわけではないんですが……?」

エネコロロ「アハハ!」

単純に疑問になって口にしたら、副長に噴き出されてしまった

所長はその笑い声に気まずそうにしながら頭を掻く

変なこと言ってしまったかな……?

キノガッサ「あー…… そこは言葉の綾というか、あれだよ、うん
      あれー? 使いどころ間違ったかな?」

エネコロロ「折角キメたのにキマってないじゃない ふふっ」

プラスル「エネコロロさん、笑い過ぎですよ……」

え、えーと…… おれ、なんかやっちゃいました?

なんか恥ずかしくなってくる

キノガッサ「コホン 依頼をこなすということは素晴らしいことだけど、
      無理してそれをして願いには直結するのかい?」

ポチエナ「え……と、それは」

どうなのだろう?

依頼を解決できる彼らは凄いポケモンだと思った

しかし、依頼を解決した自分は凄いポケモンになれたかというと、違う気がする

こうして、怪我もしている現状は駄目駄目だろう

つい深く考え込んでしまう そして

キノガッサ「更に言えば『凄いポケモンになること』よりも、
      『依頼を達成すること』の方が目的になっていないかい?」

続けられた言葉に、言葉が出なかった

それはつまり、図星だと思ったからで

キノガッサ「要するに、一つの手段に囚われてないかってこと
      そして、本末転倒してないかってことだよ」

優しくも厳しい言葉で締めた所長を、途方に暮れて見つめてしまった気がする
414 : ノココ@ももぼんぐり 18/09/24 07:51:16 ID:uOg2cgyQ 報告
支援
415 : TOg35azcXc 18/10/08 01:32:53 ID:nHC6H5C2 報告
エネコロロ「私にはああ言っておいて、あんたも中々手厳しいじゃないの」

キノガッサ「ん…… そうだね 申し訳ない」

エネコロロ「結局あんたも目に余ってるってことじゃないの」

ポチエナ「……おれ、そんなに酷いですか?」

自覚してないとお二方に立て続けに言われてしまっては不安になるものだ

エネコロロ「正確には、酷くなりそう、ね まだなってはいないわ」

修正していけばいい、のだろうか …………どこを?

ポチエナ「……解ってないことが解りました ……どうも」

『見えてないから言ってもしょうがない』という副長の言葉が痛烈に突き刺さる

悔しいしもどかしいのに、解決策は見通せない……

キノガッサ「まあ、暫くはギルド休んで考えてみればいいんじゃないかな」

所長が気遣わし気に声を掛けてくる

ポチエナは歯噛みしてしまい、喋れなかった


マイナン「いいなー…… 所長! 僕にも休みを下さい!」

話しについてきていない様子だったマイナンが、先程の所長の発言だけを追って言う

エネコロロ「え、あんた働きたかったんじゃなかったの?」

マイナン「……前はそうだったけどさ、今は何か、引っ切り無しじゃんさー
     最後に休んだのがいつか思い出せない程じゃん……」

キノガッサ「そうは言っても…… 一気に手が抜けたら回んないし……」

ポチエナ「え…… いや、おれもやりますよ!?」

忙しいのは確かだ 寧ろこの頭数で回ってるのが凄い 休んでなんて……

エネコロロ「あんたは寧ろ休んでなさいな 大丈夫 マイナンが頑張るから」

マイナン「え、ちょっ、ひどっ!!」

しかしポチエナの想いとは裏腹に働かせては貰えないという

どうやら今のままでは戦力外通告されてしまうらしい


エネコロロ「何だったらプラスルも休む? 頑張れマイナン」

マイナン「えー……」

プラスル「い、いえ、私は大丈夫です! 大丈夫だよ、お兄ちゃん!」

マイナン「ありがとう、妹よ お前の“手助け”があればあと10年は戦えそうだ」

エネコロロ「シスコン乙」
416 : TOg35azcXc 18/10/14 23:41:22 ID:0BmoDIMI 報告
グラエナ「それで、どうすればいいか解らないということか」

“ひみつきち”から帰らされて棲み処に戻ると、姉が心配そうに声を掛けてきて
自分で整理するためにもと、彼女にも色々聞いてもらった

ポチエナ「『見えていない』らしいことは解ったけど、じゃあどうすればいいんだろう?」

自分だけで考えたところで、答えなんて出なかった

姉は暫し悩むように黙り込み、やがて言う

グラエナ「解らん」

がっくりきてしまう

ポチエナ「……まあ、だろうとは思ったけど」

グラエナ「ん? それは私を侮辱しているのか? 生意気な」

つい呟いた言葉を聞きとがめられて睨みつけられてしまった

防御力が下がりそうで冷汗が垂れる 慌てて弁明した

ポチエナ「や、そういうんじゃないよ!? ただ、難しいなってさ」

グラエナ「そうか 私もエネコロロが何を『見えていない』と言ったかまでは解らん」

ポチエナ「それはさっき聞いたって……」

グラエナ「しかしな? ポチエナが答えを出すことが出来るのだろうことは解るぞ」

繰り返して言う姉は解らないと言いながらもなぜか得意気だ



ポチエナ「へ?」

グラエナ「そもそもこれは自分で答えを出すべき問題だろう?
     ヒントも、一匹で考える時間も与えられたんだ
     なら、きっともっと頑張ってみれば答えは出せるはずだ」

私の弟なのだしな 姉は何故か自信満々でそう付け加える

ポチエナ「……本当に解っていないの?」

グラエナ「どうだろうな 私に聞いてもしょうがないと思う」

はぐらかされて教えては貰えないようだ

みんな自分で考えろと言う

解らないから訊いているのに……
417 : TOg35azcXc 18/10/22 00:30:51 ID:RvLod/Ck 報告
ポチエナ「まあ、いいや 良くないけど、置いとく」

『見えていない』ものは、確かにポチエナが自分で見るべきなのだろう

それとは別に、副長たちを知っている姉に訊いてみたいことがあった

ポチエナ「何で副長たちは自分を弱いなんて言うのかな……」

ポチエナはあんなに立派なポケモン達を他に知らない

だというのに彼女らは彼女らを否定するようなことを言う

そこがどうしても解せないのだ



グラエナ「そうだな あのポケモン達は強い 私たちを助けてくれた」

姉はこちらの言葉に頷きながら肯定する

グラエナ「だが彼女らの言葉も間違いじゃないぞ? あたしでも勝てる」

しかし次の瞬間頓狂なことを言い出すのだ

ポチエナ「は? え? どういう意味?」

ポチエナにはもう訳が分からない

そんなポチエナに姉は教え導くように優しく語る

グラエナ「『強い』と『弱い』は対義語だ 言葉の上ではそうなる
     しかし、だからといって相反するかといわれればそうではない
     一匹の人物の中に両立することだってあるのだ」

ポチエナ「弱いのに、強い……? 強いけど、弱い……?」

グラエナ「そうだな 更に言えば『強さ』にだって種類がある
     『強い』という言葉面に惑わされているんじゃないか?」

種類? それは考えていなかったことだ

でもそう考えると確かに、引っかかっていた物がストンと落ち着く気がした
418 : ゴーム@ヒールボール 18/11/09 23:49:31 ID:61xE9VRw 報告
支援(保守)
419 : ギア@パワーアンクル 18/11/19 01:21:48 ID:V2qEb1es 報告
支援
420 : TOg35azcXc 18/11/24 22:27:37 ID:..mERooQ [s] 報告
棲み処を出て、適当にふらつく

少し落ち着ける時間が欲しかった

先程掴みかけた何かを一匹になって捉え直したかった


ジグザグマ「あ! お兄ちゃんだー! “ひみつきち”のポケモンさんだー!」

と、横合いから元気な声を掛けられる えーと、確か……

ポチエナ「ああ この間の、迷子の仔だね こんにちは」

以前に捜索依頼で見つけ出した仔だ

ジグザグマ「むう ジグザグマだよぅ 変なおぼえ方されてる……」

ポチエナ「ごめんごめん あれから迷子になったりはしてないかい?」

ジグザグマ「うん なんかね 森で迷わなくなった! いつもの森に戻ってるの!
      ポケモンさんたちのお蔭だね!」

迷っていないなら良かった

ただ、不思議な言い回しをされたのが気になる

ポチエナ「いつもの森に? おれたちが何だって? どういう意味?」

ジグザグマ「えっとね えっとね なんかね 変だったの
      ポケモンさんがどうにかしてくれたんでしょ?」

……なんか買い被られてる いや、そもそも

ポチエナ「ポケモンさんってなに? そっちこそ変な覚え方じゃない?」

ジグザグマ「えー だって“ひみつきち”の方でしょ?」

ポチエナ「え? うん まあ そうだけど……」

ジグザグマ「エネコでもゴクリンでもルリリでもプラスルでもマイナンでもないでしょ?」

ポチエナ「何その質問? 確かにおれはポチエナだけども」

ジグザグマ「でしょー? じゃあやっぱりポケモンさんじゃない! 本の通り!」

頭の上の疑問符が増えていくこちらに対して、相手は勝手に納得して盛り上がっている

……全然話についていけない 本? 何のこと?
421 : ュゴン@ファイトメモリ 18/12/12 04:44:10 ID:/pI6dOgA 報告
支援
422 : ガプテラ@こだいのおまもり 18/12/14 23:14:32 ID:hHQQBuys m 報告
支援
423 : ハコモリ@はつでんしょパス 18/12/15 03:02:14 ID:nE8MDkmA 報告
途中でちゃちゃ入れるのも悪いけど、最初の小説すっごく面白かった。
キャラクターが生きてて、アイデアとかも面白かった。イーブイ★とブラッキーのコンビが特にすき。
作者さんも博識だなと、その文才が欲しい。小説売ってたら買ってた。
長文失礼
424 : ルキア@やすらぎのすず 18/12/21 02:23:52 ID:vKGgazGQ 報告
支援
425 : リクリ◆TOg35azcXc 18/12/25 00:24:36 ID:N4YMySsY [s] [1/2] 報告
ジグザグマ「ちょっとまってね ……じゃーん! これです!」

彼女はなにやら懐を探ったかと思うと効果音と共に一冊の本を出した

ジグザグマ「最近お気に入りで持ち歩いてるんだー えへへ」

本を? ……まあ、子どもってお気に入りは持ち歩きたがるか

子ども向けらしくあまり厚くもないしね

折角だから借りて読むことにした

ふむ タイトルは『ひみつきちにあつまって』というのか

著者は…… あ 所長だ



最後まで読み切って本を閉じた

正直、圧倒されている

書かれているのは多分、本当に彼らがやったことなのだ

やはりすごいポケモン達なのだと思ってしまう



そして隣で一緒になって読んでいる彼女の勘違いの理由も分かった

童話の主人公である『ぽけもん』には肝心の種族名がない

種族特性から想像できるような描写もなく挿絵も特にはなくて、

『ぽけもん』がなんのポケモンなのかは解らないのだ

多分所長 ……キノガッサなのだろうけど

本を読むだけではそこまで想像できなさそうで

彼女が知っている“ひみつきち”のポケモンがポチエナだけなら

そう勘違いするのも分かる、かもね
426 : 想嬉しす 支援感謝◆TOg35azcXc 18/12/25 01:00:29 ID:N4YMySsY [2/2] 報告
こちらが読み終わったのを確認すると、彼女は円らな瞳でポチエナを見つめてきた

そこに憧憬の色が含まれているのを見てとって、少し複雑な気分になる

羨望を向けられることに嬉しい気持ちもなくはない

しかし本来の自身以上のそれでは、居心地の悪さの方が大きい

ジグザグマ「ね? これお兄ちゃんでしょ?」

無邪気に童話の内容を間違って信じている彼女に、ポチエナは言葉を選ぶ

「それは自分だ」と嘘を言えるほど図太くはないが、

折角ぼかして書いてあるのにそれを崩すほど無粋になるわけにもいかない

ポチエナ「……いや、おれじゃない奴だよ。おれはこの『ぽけもん』に憧れてる奴だ」

結局口から出たのは、本心に近いもので

『ぽけもん』と大きな差があることを示したようで、我ながらなかなか格好悪い



ジグザグマ「そうなんだ! お兄ちゃんもわたしとおんなじなんだね!」


彼女はそんなポチエナの気持ちとは裏腹に、ただただ朗らかに言った


ジグザグマ「でも、お兄ちゃんの方が凄いよ! 本当の“ひみつきち”の一員だもん
      わたしよりよっぽどずっと凄い!」


全然、足りていないって…… 『見えてない』って自覚したばかりだけど


ジグザグマ「なれるといいね 『ぽけもん』みたいに
      ううん 絶対なれるよ!」


なぜか彼女の純粋な目を見ていると本当にそうなれる気がした
427 : けおめ◆TOg35azcXc 19/01/01 23:27:21 ID:NiFkd.OM 報告
ポチエナ「……ありがとう」

気付いたら、声に出していて

ジグザグマ「ふえ? なんでお兄ちゃんが『ありがとう』なの?」

不思議そうな顔をさせてしまった

ポチエナ「や、頑張ろうって思えたから」

落ち込み気味だったのが上向きになったのは確かだ

素直な気持ちでそう言った

ジグザグマ「ふふ 変なお兄ちゃん」


それから、棲み処に変えるという彼女を送った

もう森で迷うことはなくなったという話だったが、一応

仔ども扱いされたと思ったのか、顔を赤くして俯いていたけど、勘弁してほしいな


実際彼女はポチエナよりは下だし

この間迷子になっていたのは事実だし

仮にもポチエナは“ひみつきち”の者だから

見過ごすわけにもいかないんだよね


という言い訳は言わなかったけど

道中は童話についての話に花を咲かせた

他愛もないことだったけど楽しかったかな
428 : ンバドロ@しんぴのしずく 19/01/02 00:23:39 ID:0zHYvr76 m 報告
支援
429 : TOg35azcXc 19/01/09 23:43:57 ID:jUi6qKBA 報告
ジグザグマと別れてポチエナは自分の棲み処を目指し森を歩く

先程聞いた童話が頭の中を占めているから、ゆっくり

自分がどうすれば、彼らに辿りつけるというのだろうか

目指すものは遠く、何をすればいいか判らずに悩みながらゆっくり

そうして歩いていると、何やら先の方にポケモンがいるのが見える


ドクケイル「……ぐぅ くそっ! 彼奴どうしちまったんだよ……」

独り言のように悪態を吐いている

ふらついて飛んでいて、危なっかしい

ポチエナ「怪我をしているようだけど…… 大丈夫か? どうした?」

事情は判らないが、見過ごすのも気が引けるため声を掛けた

相手は驚いたように振り返り、訝しげな顔になり身体を強張らせた

ドクケイル「なんだてめえ? 追い打ちか!? ……っく、テテ」

ドクケイルは攻撃しようとしたようだったが、痛みに顔を顰めて蹲る

ポチエナは駆け寄って支えてやる

ポチエナ「何を言ってる? 怪我してんだから落ち着け」

事情は判らないが、一先ず害意はないと示して落ち着かせようとした



ドクケイル「・・・・・・や、済まなかったな」

おやつにと持っていたオレンを渡すと少しは痛みも引いたらしい

敵対意思がないこともどうやら伝わってくれたらしく落ち着いている
430 : ングマ@おおきなしんじゅ 19/01/10 06:31:08 ID:jDxs5Qf. m 報告
支援
431 : TOg35azcXc 19/01/11 22:20:32 ID:eg2AwUUs [1/3] 報告
ポチエナ「それで? なにがあってそんな状態に?」

タイミングを見計らい、そもそもの疑問を切り出した

傷付いているのに見境なく攻撃しようとする辺りただ事じゃなさそうな

……怪我をしている時点でただ事じゃないが

ドクケイル「何があったかって こっちが聞きてえんだけどな……」

彼はどうも戸惑っているらしい

先程の独り言もそうだった気がするが

しかし、それだけ言われてもこっちはもっと戸惑うばかりだ

そのことに気付いてくれたのか、説明し始めた

ドクケイル「なんつうかな ダチが変なんだよ」

ポチエナ「変、というと?」

ドクケイル「いや、解んなくもねえんだ ただ、少し行き過ぎてるっつーか
      少々荒っぽいとこもあったが気のいい奴だったんだけどな……」

ポチエナ「……いや、何の話だ」

ドクケイル「経験値にされたんだよ それも瀕死から治る度繰り返して」

ポチエナ「だからなんの話だって 要点抑えろ」

ドクケイル「遠出できることに気付いて、より経験値求めて飛び出していきやがった」

ポチエナ「本気で待ってくれ 訳分からん」

前言撤回 気付いてない 理解させる気ないな

ドクケイル「はあ!? なんで解んねーんだよ!? 解れよ!?」

キレられた

この説明で分かる奴いるのか? こっちの理解力が悪いのか?
432 : TOg35azcXc 19/01/11 23:26:09 ID:eg2AwUUs [2/3] 報告
その後も話が飛んだり前後したり、関係ない話がちょくちょく挟まれたり
まあ聞きづらかった

それでも、何とか地道に聞き出して頑張ってまとめる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドクケイルのダチであるヤルキモノは以前から強さには執着していた

だが、つるんでいる時は気が置けなくて楽しい奴だった

しかしある日から様子がおかしくなった

酷くイラついた感じで、花や木の実などに八つ当たりしていた

何があったのかと訊くと、バトルでえらくやられたらしい

それも、普段は逆らってこない“弱い奴”に

ドクケイルはそいつがヤルキモノに一杯食わせたことは面白いと思った

ただ、ヤルキモノ的にはどうも憤懣遣る方ないらしい

逆恨みじゃねえかって思ったが、気持ちは解らないでもなかった

だからそいつよりもっと強くなってまた打ち負かしてやりゃいいだろって笑い飛ばした

ダチらしく、一緒に強くなる方法を探してやるつもりだった

それで、森の中を歩いている時、小さなポケモンを見つけた

顔見知りとかじゃなかったから、普段は無視するはずだった

なのに、ヤルキモノはいきなり目の色変えて襲い掛かろうとした

さすがにそれはいかんだろと思って止めたんだが、なんかスイッチ入ったみたいで

大暴れしてドクケイルに爪を向けてきた

見境なくポケモンを襲いだす酷い奴に成り下がったわけだ

以前はそんな奴じゃなかった

だから変なんだ
433 : TOg35azcXc 19/01/11 23:26:49 ID:eg2AwUUs [3/3] 報告
変といえば、森も変だった

いつものように進んでいる筈なのに、いつの間にか同じ所をグルグルして

迷ったあげく元の場所に戻るようになっていた

あれは一体何だったんだろうな


ともかくそのお陰で、変になったヤルキモノは一つ所に留まった

その所為で、ドクケイルもその場を離れられず、標的にされ続けた

瀕死しては治されて 治っては瀕死にされて

本当に地獄のような日々だった

何度も逃げようと試みて、その内、なんでかは解らないが森が元に戻ったことに気付いた

ヤルキモノも解ったようで、ドクケイルを置いて外に向かっていった

瀕死から復活までのスパンが掛かるドクケイルより多くの経験値を求めて

だから、もしヤルキモノに会ったら気を付けろ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ポチエナ「……ということか?」

ドクケイル「そうだよ! ずっとそう言ってんだろ!?」

……そういうことらしい

ここまで聞きだすのにどれだけの時間がかかったことやら

頭が痛くなる……


しかし苦労した甲斐はあったのかもしれない

ポチエナ「それが本当なら…… 大変じゃないか!?」

誰彼構わず襲い掛かる暴君が今、森を徘徊しているということ

早く皆に知らせて避難誘導、或いは捕縛要請をしなくてはいけない
434 : フォクシー@たまむしプレート 19/01/12 20:00:10 ID:C/Lcopkc m 報告
支援
435 : TOg35azcXc 19/01/25 01:00:30 ID:BehwCLVQ [s] [1/2] 報告
ドクケイル「ああ、そうだな そうなんだろうけどな」

こっちの意見を聞いて、相手はどうも躊躇ったような声を出す

ドクケイル「あんな奴だが、警察のお世話にならせるっつうのは気が引けるっつうか……」

ポチエナ「いや、そうは言っても」

ドクケイル「本当に変なんだよ彼奴 なんかに憑りつかれてる感じっつうの?
      警察に言ったら、普段との違いなんて気にされず処分されちまわね?」

ポチエナ「……つまりそれだけ普段の行いも悪いと」

ドクケイル「それは言わない約束だろ」

そんな約束した覚えはない というか本気で酷いのか

頭が痛くなるな

しかし本当に友人を思っているらしい

それは汲んでやりたい、かな

ポチエナ「だったら、あまり大事にしないようにうちで早急に片付けるとか?」

ドクケイル「それが出来ればありがたいが…… 『うち』ってのは?」

ポチエナ「私営ギルド“ひみつきち” 依頼解決のスペシャリストだよ」

この案件だってきっと解決に導けるはずだ

そう思って提案したのに



ドクケイル「駄目だ!」

予想外に拒絶され面食らう

ドクケイル「そこには頼れねえ 頼っちゃいけねえだろうが」

ポチエナ「何故?」

毎度言葉が足りなくて訳が分からない

ドクケイル「とにかく駄目なもんは駄目だ!」

ポチエナ「じゃあどうしろって言うんだ?」

拒否するなら代案を提示して欲しい ことは一刻を争うかもしれないのだから
436 : TOg35azcXc 19/01/25 01:02:13 ID:BehwCLVQ [s] [2/2] 報告
ドクケイル「そうだ! オレの触角はレーダーになってて、誰がどこにいるか解るんだよ」

しばらく悩んでいたかと思うと、名案を思いついたかのようにそういった

ドクケイル「オレさえいればヤルキモノの居場所は筒抜けって訳だな だが」

確実な居場所を掴むためにはドクケイルの協力が必要

しかし他の組織に頼るとその協力は拝めない、と

ポチエナは溜息を吐き、決断する


ポチエナ「じゃあ、さようならということで 後は警察に頼もう」

ドクケイル「ちょ! 話聞いてたか!? お前には情がねえのか!?」

ポチエナ「いや、だって、暴徒自身か回りのポケモンかで言ったらそりゃ……」

ドクケイル「そりゃそうだな! チクショウめ!」

納得したようだ 本当になんなんだこいつ

ポチエナ「大体本当に友達のことを思うなら一刻も早く止めてやるべきだろう」

友人とはいえ悪行に手を染めているのなら止めるべきだ

しかもそれが本意でなさそうだというなら尚更

ドクケイル「くそう…… 正論ばっか言いやがって」

解ってはいるらしい しかし納得してはいないようだ

ドクケイル「“ひみつきち”の奴なんだろう? お前が止めるとかは言わねえのか」

ポチエナ「……それは」

ドクケイル「へっ 実力不足の下っ端かよ 目に物見せたいとは思わねえのか」

実力不足 その言葉は図星であるからこそカチンときた

ポチエナ「……わかった おれが抑えてやる 案内しろ」

売り言葉に買い言葉

つい乗っかってしまった
437 : TOg35azcXc 19/01/27 17:51:56 ID:Qjfog192 [s] 報告
ドクケイル「……この先だ 他のポケモンはいねえな」

森の奥地の平野部 この先にヤルキモノがいるらしい

他にポケモンがいないというのは、朗報か

経験値にされているポケモンはいないらしい

ドクケイル「まあ、今あんな危ない奴に近づく物好きはいねえわな」

野性の勘という奴だろうか、森のポケモン達は上手く出会わずに逃げおおせているらしい

ポチエナ「その危ない奴に今から近づくんだけど……」

ドクケイル「そいつぁあ物好きなこって」

ポチエナ「お前な……」

……まあ、言う通りだ 物好きにも危険に飛び込もうとしている

木々の隙間からは何かが暴れている音がした



ヤルキモノ「ウグルルァッ!!」

ポチエナ「うあっ…… 危なっ!」

いきなり襲い掛かって来られる

先に見境がなくなっていると聞いていなければ、一撃目でやられていたかもしれない

ヤルキモノ「……避けやがるか ……まだまだか」

爪持つ白い獣は獰猛に吠える

随分荒々しい雰囲気を振りまいているものだ

ポチエナにこれを抑えて捕縛できるのか?

少し不安になってきてしまった
438 : ロア@ライブキャスター 19/02/09 20:41:58 ID:OQVAoFUQ 報告
支援
439 : ーロット@トロピカルメール 19/02/11 00:11:44 ID:cXu2XB4Y [s] 報告
ドクケイル「おいおいおい…… 本当にどうしちまったってんだよ!?」

猛然と爪を振るい続けるヤルキモノ

ポチエナは間合いを読みながら歯噛みする

駄目だ 抑えるのは愚か、攻撃を加えることも難しい

同じように攻撃から逃げながら、ドクケイルが叫ぶ

ドクケイル「お前、今ぜってー変だって! オレが解んねーのか!?」

ヤルキモノ「るせぇ…… 俺はもう…… 負けるわけにゃいかねえんだ……
      大人しく…… 経験値を寄越せ……!! グルァッ!!」

ポチエナ「危ないっ!!」

横合いからドクケイルを突き飛ばし、辛くも爪を避けた

今のは本気で危なかったな…… 相手の攻撃の鋭さに肝が冷える

普段の彼をポチエナは知らないが、“ダチ”にも容赦のない辺り、成程、狂気的だ

こいつは直ぐに捕らえないと拙そうだな

ドクケイル「助かったぜ…… ただ、不味いな、近づけねえよ……」

ポチエナ「それどころか避けるので手一杯だ 遠距離技とかないの?」

ドクケイル「お、おう! あるぜ!」

ポチエナ「それ最初から使ってよ!」

なんで馬鹿正直に“体当たり”とかで攻めようとしてんのかな

ドクケイル「うおおお! “サイケ光線”!」

ヤルキモノ「……!」

ドクケイル「うし! 当たった!」

やっと、効果的な攻撃が出来たらしい

しかし混乱させるには至らずといったところ

まだまだ気を抜ける状況じゃない
440 : ガジュカイン@ひみつのコハク 19/02/12 00:50:00 ID:t.0ICuqE [s] 報告
ドクケイル「ははっ! 近づかなきゃ怖くねえな! “サイケ光線”!」

相手の腕の届く範囲から大きく脱したドクケイルは光線を打ち続ける

ヤルキモノは当然ドクケイルを仕留めに向かおうとするが、ポチエナが邪魔する

付かず離れずの位置を保って食らいつく

攻撃を受けてはいないが結構きつい ポチエナからの攻撃は当てられもしない

ドクケイルの方が楽そうでいいが、適材適所だ

ポチエナは近接戦しか能がないため囮役しかできないから仕方ない

しかし、もう何発も入ってるはずだが、全然効いた気配がない

ヤルキモノ「うぜえな…… いい加減に、しろ……!」

相手は流石に焦れたのか、苛立った声を出し明確にドクケイルを睨んだ

そして足元の石礫を拾い上げるなり大して振り被りもせず――

ドクケイル「“サイ―― うおぉっ!!」

ノーモーションで投げた割に勢いのあった投石は、狙い過たずドクケイルを捉えたらしい

悲痛な声に振り替えると、翅を大きく傷つけたドクケイルが墜落していく

近接だけしかないと思いきや、そんな手段に出るとは、考えが甘かった

ヤルキモノ「余所見とは…… ありがたい……なぁっ!!」

ポチエナ「ぐあぁぁっっ!!」

他者の心配をしている場合ではなかったらしい

隙を突かれ大きなダメージを喰らい吹っ飛んでしまった

拙い…… あんな奴の前で戦闘不能晒したら……

延々経験値の種にされることを既に聞いているだけに、身体が震える

勝ち目は見えない上に大怪我を負い、捕縛するという目的も無理だ

勇んで挑んで、この体たらく 自分が情けないし悔しい

それでも、この状況を打開するため、“吠える”

ポチエナ「うぅ…… ――ワオオオォォンッッ!!」

相手の戦意を強引に奪い、強制的に退かせる“技”

それを真正面から受けたヤルキモノは戦闘を離脱し森の奥へと消えていった
441 : ンメル@タブンネナイト 19/02/27 12:51:30 ID:OGs./6Zk 報告
支援
442 : TOg35azcXc 19/02/27 22:52:45 ID:8xPYwRk6 [s] 報告
ヤルキモノが去った後の茂みをじっと見て、戻ってこないことを確認し息を吐く

これ以上戦闘は続けられそうにない

失敗したな やっぱり安易に売り言葉に乗っかってはいけなかった



ドクケイル「何やってんだよ、お前…… 逃げんのかよ」

と、辛辣な声が響きポチエナはびくりと震える

ドクケイル「オレに向かってあんだけ大口叩いてよぉ」

友達なら止めてやれだの、抑えてやるだの、確かにポチエナが言ったのだった

ドクケイル「本当に下っ端だったのかよ 使えねえ 期待外れだ」

非難されても仕方ない 実力以上の大言壮語だった

鎮圧対象にこっぴどくやられて 逃がして おまけに依頼者も守れていなくて

余りの無力感に打ちひしがれてしまう



ポチエナ「……とにかく、安全なところへ 治療できるとこへ行こう」

お互い瀕死は免れているが、ダメージは大きい

一先ず退散 話はそれからだ

ドクケイル「それって、何処のことだよ? なあ、オレ、言ったよな?」

……聞いてはいた だが

ポチエナ「選り好みする状況じゃない 頼りたくない理由は解んないけど、我慢して」

ポチエナは翅を怪我したドクケイルを背負い、傷を押して“ひみつきち”へ向かった
443 : TOg35azcXc 19/03/02 23:56:10 ID:/5vgvsq. [s] 報告
辿り着いた“ひみつきち”には副長とゴクリンがいて

副長はこちらの様子を見るなり何も言わずに薬の準備を始めてくれた

それはそれでありがたい対応ではあったものの

散々指摘を受けておきながら、短い期間にまた大怪我をしている身として

その沈黙は、責められているように感じられて何とも居心地が悪いものだった



ゴクリン「これはまた派手に怪我したものだねえ そちらはどなた?」

と、治療が終わりあとは安静にするだけという段になって呑気な声が掛けられる

ポチエナ「えっと…… なんていうか……」

口籠ってしまう どこまで話すのが良いんだろうか

ドクケイルの事情を把握していないため取捨選択が難しく

上手くやれなかったことに対する気後れもあり、なかなか気が重い

そういった気持ちを込めてドクケイルに目配せを送る

ドクケイル「……おう あんたらんとこの下っ端勝手に借りて悪かったな」

ゴクリン「休みの日のやんちゃまでは口出すつもりないよ 自己責任、自己責任」

ドクケイル「そうか? じゃあ、悪くなかったな」

ゴクリン「でもまあ、事情は聴きたいね 喧嘩でもした? 依頼する?」

ドクケイル「それがよう ダチがここ最近変で……」

ポチエナ「ちょ、ちょ、いいの? 話しちゃって」

ドクケイル「あん?」

先程あんなに“ひみつきち”に拒否感を示していたのに、どういうことなのだろうか?

ドクケイル「いーんだよ アイツじゃねえんなら」

ポチエナ「アイツって……?」

ドクケイル「ああ、それで、ダチの話だったよな いや、これがよう……」

軽く発した疑問は答えられず流され、森の暴君に対する情報共有に移ってしまった


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