【SS】頂点たちの憂鬱:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】頂点たちの憂鬱:ポケモンBBS

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【SS】頂点たちの憂鬱

 ▼ 1 ャタピー@エレクトロメモリ 18/02/04 19:28:44 ID:tdXrCONM [1/12] NGネーム登録 NGID登録 報告



part1







勝負より石が好きな王者の話







 ▼ 2 ンド@ポケモンのふえ 18/02/04 19:29:09 ID:tdXrCONM [2/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


「チャンピオン、いますかー?」



ホウエン地方の、ポケモンリーグ。
その一番奥。


長い長い廊下を通り、光が降り注ぐ鋼鉄の部屋が『王』の部屋である。


部屋に響く、『王』を呼ぶ声は虚しく響くだけ。


部屋の上部に空いた窓から陽の光が差し込んでいる。





「……挑戦者、来ましたよー!カゲツさんが今相手してますから!」





勿論誰にも届かない。


彼はポケモンリーグのスタッフである。
また勿論彼も慌てはしない。



彼にとってこんなことは日常茶飯事で、それでいて問題はないからだ。
 ▼ 3 ッフロン@やまぶきのミツ 18/02/04 19:36:59 ID:tdXrCONM [3/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


「あぁ……どうしてこんなに君は美しいんだい?」

「そうだね……君に似合う言葉……大地の奥底に眠るマグマより強く……深い深い海の青さより人を引き込んで……高く高く広がるあの大空より気高い……」

「いや……どんな言葉であっても君を形容はできない……」



自宅で、甘美な言葉を端麗な顔から放つ男がいた。
もし彼の前に女がいたなら、それはそれは実に美しいことだろう。


だが残念なことだ。
彼の目の前には文字通りの『石』しかない。




彼の名前は『ツワブキダイゴ』。

トレーナーとしての実力は指折りであり、ホウエン地方の頂点に立つ。



そんな彼は石が大好きである。
とにかく好きである。
三度の飯より好きである。
石のためならどこにでも行ってしまうほど好きである。
 ▼ 4 ニータ@アクセサリーいれ 18/02/04 19:44:55 ID:tbxk7tmA NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 5 ケニン@ひかりのねんど 18/02/04 19:46:57 ID:tdXrCONM [4/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼が眺めているのは、『かわらずのいし』。

それを持っていれば、ポケモンが進化しなくなる神秘の力を込めた石である。



だが所詮そんなものを使うトレーナはほんの一握り。
そんな奴らはせいぜい今日もファイアローか、ウルガモスか、引き連れて走り周ってる。

大抵の人、例えトレーナーであっても、この石をまじまじと見る人は少ない。



彼はそんな人たちを、実は卑下していたりする。




「君みたいな美しい石を、ただの道具として見るなんて……理解に苦しむね……」




一般人からすればこの人の趣味を理解する方が苦しい。

タチが悪いのは彼が社会的にもかなり上位にいるからであろう。



そんな彼のポケナビは今日も鳴っている。



その画面を一瞥して、一つ大きな溜息。


彼は悩んでいた。
 ▼ 6 ロボーシ@じめんのジュエル 18/02/04 19:54:50 ID:sJ1YEYeM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 7 ォーグル@むげんのふえ 18/02/04 19:59:31 ID:tdXrCONM [5/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケナビのコールナンバー。
実はこの機能はまだ一般的には出回っていない、所謂携帯電話の機能。


彼の父親が、『デボン・コーポレーション』という世界に羽ばたく大会社を経営しているからこそ為せる技。



まぁ彼の家柄については知っている人が多い。



ポケナビの画面には、ポケモンリーグのスタッフの文字。



「……なんですか?」


嫌々ながら着信を受ける。




「……なんですか?じゃないですよ。挑戦者ですよ。ちょうせんしゃ」




スタッフの声には感情がこもっていない。
慣れたんだろうな。




「今、アバンチュールを楽しんでいたところさ。カゲツが片をつけるでしょ」


「チャンピオンの場合相手は石でしょ。カゲツさんはもう突破されました」



軽い衝撃が彼の中を駆けた。
次の瞬間には、いつもの『カッコイイ』彼が戻ってきた。



「わかった。すぐ行こう。」



そう言ってポケナビを切る。
かわらずのいしを大事そうにケースに戻し、脱いであった上着を華麗に羽織る。





そう。彼は『王者』。

悩める王者だ。
 ▼ 8 スボー@いわのジュエル 18/02/04 20:50:16 ID:0jbMRuS2 NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 9 グトリオ@ポイズンメモリ 18/02/04 21:04:48 ID:tdXrCONM [6/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
ロケットのある街、トクサネに彼の家はある。

自宅から出た彼はモンスターボールの開閉スイッチを押し、彼の愛する鋼の鳥を繰り出した。



「エアームド、リーグまで頼む」



身を翻し、エアームドの背に飛び乗ったその姿に、さっきまでのだらしない面影はない。



だがどうしても彼は不安を感じている。
石を愛でる時は全く覚えないが、こうやって本職の場へ向かっていると常々思う。




『このままでいいのか』



じゃあ石を愛でるのをやめればいい。
しかしそれは彼にとっては死と同義だ。


せめて石を愛でている時に思ってほしいものである。


二足の草鞋を履く。それは決して簡単じゃない。

御曹司として会社を気遣い、チャンピオンとしてトレーナーの理想であり続ける。





こう考えると、彼が趣味にのめり込みたい気持ちもわかる。
やっぱりわからない。
 ▼ 10 ィアルガ@おこづかいポン 18/02/04 21:15:49 ID:tdXrCONM [7/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
実は最近、彼にとって、いや地方にとってとても大きな事件が続いた。


超古代ポケモンの復活による未曾有の大災害と、隕石の衝突になりかけ世界が終わりかけた事件。



彼は何もできなかったと思っている。
勿論側から見れば彼の行動は十分賞賛に値されることをしていた。



それでも直接的に世界を救ったのはある少年だった。
彼にとってそれは力不足を痛感するのに十分だっとようだ。


そしてその後リーグに挑んできた少年に彼は久しぶりの敗北を喫した。


だが少年はあまりにも若いように思えた。

この立場を任せるに少年は余りにも純粋だった。



そこで、彼は彼の親友を新たなチャンピオンとして迎え入れたかった。
自分自身を見直す時間が欲しかった。

しかし、そのためにはまだ準備が足りなかった。


従って、暫くは彼が王者を続ける以外になかったのだ。
 ▼ 11 ルガルド@こうらのカセキ 18/02/04 21:27:07 ID:tdXrCONM [8/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケモンリーグについた。


「お疲れ様です」

王者の間にいたのは、顔見りのあのスタッフ。電話をかけて来たやつ。



「相変わらず仕事熱心だね。」

「いえ、あなたほどでは。」



彼はなんだかんだよき理解者だと思う。


「状況は?」
「現在ゲンジさんが交戦中ですが、劣勢です。」


「……恐らくここまで来るかと」



やっぱりか。そんな気がした。


自分を俯瞰するのもたまにはアリかもしれない。
 ▼ 12 ブライカ@するどいキバ 18/02/04 21:27:34 ID:tdXrCONM [9/12] NGネーム登録 NGID登録 報告




今日も彼は叫ぶ。




チャンピオンとしての自分を見失わないために。

今日も自分を確認するために。







「ぼくが いちばん つよくて すごいんだよね」




 ▼ 13 ブラーバ@ライトストーン 18/02/04 21:28:19 ID:tdXrCONM [10/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
part1完
 ▼ 14 ボミー@ビビリだま 18/02/04 21:29:31 ID:MeR4UnUY NGネーム登録 NGID登録 報告
いいじゃん
 ▼ 15 トーボー@こだいのおまもり 18/02/04 21:38:16 ID:tdXrCONM [11/12] NGネーム登録 NGID登録 報告





part2






容赦ない男の話




 ▼ 16 ングース@じめんのジュエル 18/02/04 21:45:38 ID:tdXrCONM [12/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
「カイリュー、はかいこうせん」



その言葉には躊躇いがなかった。

神聖なる龍から放たれた光線は、薬屋に扮するR団員を民間の後方まで吹き飛ばした。





そんなニュースが流れて暫くたった、ある日。

ジョウトとカントーのほぼ境目にある、ポケモンリーグ。



その一番奥の間で彼は佇んでいた。



彼は悩んでいた。
彼の正義を執行することを止めることは誰にもできない。






それは昔の話だ。

『倫理』という大きな問題が彼の前に立ちはだかっている。




そう、彼は悩んでいた。
彼の正義を執行することに。



いや、撃つなよ。そんな声が漏れるのが聞こえる。
 ▼ 17 ドラン@パイルのみ 18/02/04 21:54:36 ID:sJ1YEYeM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 18 ルノーム@すごそうないし 18/02/09 16:23:32 ID:7T3XbV26 NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 19 ャース@ルームキー 18/02/24 11:37:42 ID:S7xGffg2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
超支援
 ▼ 20 ボミー@むげんのチケット 18/02/25 14:13:43 ID:2K/lGzl6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 21 ブラン@ジュナイパーZ 18/02/25 20:58:10 ID:5adEtv/Y [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
もともと彼は正義感が強い男だったことに違いはない。



しかし、チャンピオンの彼ががわざわざ出向いてギャングのしたっぱを倒す義理などどこにもありゃしない。




彼は彼なりの理由があるのだ。

手段は置いといて。







『ジムリーダー』という職業がある。


大きな町には殆ど必ずいる。

ジムリーダー協会からその実力を認められ、ジムに君臨する最強の『主』。



だが同時に町の人々から慕われ、時に町の発展には欠かせない人材とも言える。








だが、『四天王』、『チャンピオン』という華やかな道を進んだ彼にはその、『慕われる』ことが無かった。

彼が育った町フスベシティにもジムリーダーがいて、町の治安を守り、誰しもに尊敬されていた。





数年前、カントー全土を牛耳る目前まで詰め寄った組織『ロケット団』。




その頭領、トキワシティジム『ジムリーダー』サカキ。



町を守るべき立場とは、逆に言えば恰好の隠れ蓑となることを、誰しもが思いもしなかった。
 ▼ 22 スカーン@こだいのきんか 18/02/25 21:12:58 ID:5adEtv/Y [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
その上だ。



『タマムシシティ』でのゲームコーナーの資金稼ぎ。

『ヤマブキシティ』の占領。



両町に存在したジムリーダーは、これらを止めることすらままならなかった。







少年だ。

それを止めたのは、名もなき少年たちだった。






少年たちはカントーを旅する途中で、ジムリーダーと多く向き合う機会を持っていた。

だからこそ彼らと戦う機会があったと言える。







しかし当時もポケモンリーグに在中していた彼は何もできなかった。





それは彼にとっては悔しかった。

そして何より腹立たしいことだった。




別段何かする必要などないのだが。


 ▼ 23 ソハチ@ハバンのみ 18/02/25 21:27:00 ID:5adEtv/Y [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
だから彼も、実際に自分の目で世界を見ることにした。


それが一番だと思ったのだ。



R団残党の動向も気になった。




そしてある情報をキッカケに彼は正義感を胸に動き出した。

『ジョウト地方』でR団復活の兆しがある。



彼は調べに調べ、『いかりのみずうみ』へと向かった。





そこに現れた『ヒビキ』と名乗る『少年』と、『赤い』ギャラドス。

R団の技術の賜物だという。









彼は笑った。









さながら湖の怒りをその身に体現し、修羅となった。


そして、そのヒビキという少年にかつての少年と同じ匂いを感じたのだった。
 ▼ 24 トウモリ@きぼんぐり 18/02/25 21:31:09 ID:5adEtv/Y [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告






「カイリュー、はかいこうせん」






いいか、これがポケモンの受けた痛みだ。

お前らが受けるべき痛みだ。

赦してなるものか。

認めるものか。





暴れ狂うギャラドスが体現するものは怒りではなく、湖の哀しみだ。




受け取れ。




















 ▼ 25 ケニン@アイスメモリ 18/02/25 21:43:05 ID:5adEtv/Y [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
カイリューはエネルギーを抑えた。



壁まで吹き飛ばされはしたが、本来竜が放つ破壊光線とはそんなものではない。





下手な城一つ吹き飛ばす破壊力を持っている。






カイリューは知っていた。

これ以上ない愛情を受けて育った彼のポケモンは知っていた。



人間に向けて技を放つことの意味を知っていた。





その時彼は気付けなかった。







世間から放たれる声より、悪事に何もできなかったことより、それが彼を苦しめた。








『人として守るべき道』






それが倫理だ。
 ▼ 26 ラルバ@わすれもの 18/02/25 21:48:55 ID:hWEYGaas NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 27 ブリボン@どくけし 18/02/25 21:49:25 ID:5adEtv/Y [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼は『トレーナー』としての倫理を、貫けなかったかもしれない。



それでも彼のポケモンたちは彼を慕う。





彼は後悔しない。

彼を信じるポケモン達がいるから。



だから彼の行為を恥じない。


恥じることは彼の愛するポケモン達を辱めることになるのだ。
 ▼ 28 ギギシリ@コダックじょうろ 18/02/25 21:52:51 ID:5adEtv/Y [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
チャンピオンの間の扉が開いた。




即ちチャレンジャーが現れた。




今日も彼は戦う。



信念にかけ、決して負けられない闘いに挑む。















「カイリュー!『バリアー』」!







また別の話もあるが、またの機会にしよう。


 ▼ 29 シレーヌ@カクトウZ 18/02/25 21:53:45 ID:5adEtv/Y [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
part 2 完
 ▼ 30 ュレム@ヤゴのみ 18/02/26 18:35:01 ID:s0bXmcj6 NGネーム登録 NGID登録 報告




part3







愛した友を失うも進み続けた男と、若さ故の奔放さを持った少女の話










 ▼ 31 ジスチル@タウンマップ 18/03/02 22:12:16 ID:5mQEWs.2 NGネーム登録 NGID登録 報告
イッシュ地方の片田舎。


風車が回り牧場を持つこの町の隅っこに、とある人物の家がある。



イッシュ地方の元チャンピオン、アデクの住む家がある。



彼の家には町の子供たちが集まり、彼からポケモンのイロハを学ぶ。




つい最近ではあるが、彼の孫はイッシュ地方で一番高い摩天楼の頂点に立ったらしい。

次は木に登ると息巻いている噂が風に乗り流れた。





彼は風の声を聴き、新しい風を待つ。

過ぎ去った自分の風に想いを馳せながら。




そんな彼の家に、一陣の風が吹いた。




扉が開いたそこには質素な服を着た少女が立っていた。



そんなある日の話。
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