【リメイクSS】シャンデラ「私のご主人様は中二病らしい」:ポケモンBBS(掲示板) 【リメイクSS】シャンデラ「私のご主人様は中二病らしい」:ポケモンBBS

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【リメイクSS】シャンデラ「私のご主人様は中二病らしい」

 ▼ 1 イナン@ホイップポップ 18/02/13 15:03:27 ID:75TFp13Q NGネーム登録 NGID登録 報告
↓リメイク前のSS(未読でもお楽しみいただけます)
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=83904&l=1-


SSは次のレスから始まります
 ▼ 45 P7uCNqttgw 18/02/16 17:43:28 ID:X2UC2pc6 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
エリさんは、ノートを静かに片付ける。綺麗な指で一冊ずつ、所定の棚に丁寧にしまう。

「片付け、手伝いましょうか?」

「ありがとう。でも、自分一人で出来るからいいよ!気にしないで」

どのノートをどの位置にしまうか知らないし、私が本に触れて燃えてしまうと弁償できないので、手伝わないほうが良いか。

しばらく、黙って片付けていた彼女が、思い出したように口を開く。
 ▼ 46 P7uCNqttgw 18/02/16 19:17:37 ID:X2UC2pc6 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「そうだ。私のことはエリさんじゃなくて、エリって呼んで?あと、タメ口でもOKだよ」

「これからは、友達になりましょ?シャンデラ」

「…はい、わかっ、た。エリさ…エリ」

頑張って呼び捨てに慣れよう。

片づけを終えたエリさん…エリはソファにゆっくりと座り、私に慈悲を持った目を向ける。私に何かを訴える眼差しだ。

さっきまでの優しさと明るさを忘れてしまった、寂しい目をしている。いきなりどうしたんだろうか。

伝えたいことがあるならはっきり伝えてほしいが、我慢しているのか、躊躇っているのか。何も言おうとしない。
まるで口を開くことが許されないかのようにつぐんでいる。

この部屋に、全てが許されない神妙な空気になる。時々、思い切って何か言おうとする。その度に、彼女の瞳がかすかにうるむ。
何か抱え込んでいるのか、私は不安になる。

「何か悩み事でも、ある?」

とまどいより先に私の口が開いた。エリは静かにうなずいてから、それを打ち明ける。
 ▼ 47 P7uCNqttgw 18/02/16 21:50:53 ID:X2UC2pc6 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「えーっと…その…ごめん。私が悪いよね、無茶言っちゃって…」

今まで瞳に溜めていた涙が、輪郭をゆっくりとなぞる。頬に手を当て、それを静かに拭き取る。

「無茶」とは、さっきの出来事だろうか。私は糸の絡まったような複雑な気分になる。

今までの明るさは全て演技だったのだろうか。彼女を覆っていたそれが崩れていく。

「私、今まで自分勝手で、ポケモンの研究しか興味なくて、それで変なことばかりやって」

「そのせいでお父さんにもたくさん怒られて、友達にも嫌われて…でも今日みたいに、やってることは全然変わんないんだよね」

「こんな自分駄目だなーと思いつつ、探究心が私を縛り付けて、今も反省することしかなくて…」
 ▼ 48 P7uCNqttgw 18/02/16 21:51:09 ID:X2UC2pc6 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
続きは明日です!
 ▼ 49 クーダ@メガリング 18/02/16 21:56:48 ID:l7pyFbCk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 50 P7uCNqttgw 18/02/17 10:19:03 ID:GOH4WgnQ [1/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
部屋に、懺悔が響く。


恐らく彼女は、お父さんに怒られたり、友達に嫌われた時に、今私に訴えている内容と似たようなことを弁明してきたのだろう。

自分勝手という自覚はあるし、それを直したい意志はある。だから、自らが謝る時は「反省します」と言う。

でも、喉元過ぎれば熱さを忘れるというように、反省したことを忘れてしまうと自分勝手さが再び露呈する。

そして、また同じ目に遭う…。反省点を忘れただけで、負のスパイラルが続く。
つまり、反省は忘れずに直さないと、自分が苦しくなる、ということだ。そして、彼女はそれが出来ない。
 ▼ 51 P7uCNqttgw 18/02/17 12:39:13 ID:GOH4WgnQ [2/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
満足するまで、自省を述べられたのか。静寂が戻ってくる。
ただ一つ違うのは、そこに嗚咽する声が混じっていることだ。

彼女が泣いているのは、人のポケモンを事実上奪ってしまったから。私の前のご主人を怒らせてしまったから。

自分勝手な部分が改善できないから。そして、私につらい思いをさせてしまったから。色んな思いが募るからだろう。

確かに、人のポケモンを奪ったといわれても否定はできないし、前のご主人を怒らせたのも事実だし、エリは自分勝手かもしれない。
 ▼ 52 キカブリ@ビスナのみ 18/02/17 12:51:20 ID:aGSi/1TQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 53 P7uCNqttgw 18/02/17 13:56:37 ID:GOH4WgnQ [3/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
だが、私につらい思いをさせたというのは、間違っている。

私は捨てられても、パートナーが変わっても、悲しみや悔いは、全く無い。

尤も、前のご主人には、少なからず優しさや情けや、愛情をもらった。それでも彼女を不満に思うことがあった。

逆に彼女も、私に隠していた不満があっただろうし、本気で互いを愛することは、出来なかったかもしれない。

要するにポケモンとは、捨てられたり拾われたりしながら、一番相性の良いパートナーと信頼を築かなければいけない。

自分と別れた昔のパートナーに未練を残していたら、ポケモンとして失格だ。
 ▼ 54 P7uCNqttgw 18/02/17 15:18:03 ID:GOH4WgnQ [4/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
これ以上エリを暗い気持ちにさせないよう、私は精一杯の慰めの言葉をかける。
だが、これが彼女の慰めになるかは、分からない。

「気にしないで。私のご主人は、変な人だったから。自分勝手で、私にしか興味が無くて、子供っぽくて…」

「難しい言葉ばかり使って、それで中二病っていう病気らしいし…」

そういえば、この家は病院を営んでいるんだ。前のご主人も、中二病を治してもらえばよかったのに。

いや、そんなことを考えている場合ではない。私は、今のパートナーに少しでも元気を出してもらいたいんだ。
 ▼ 55 P7uCNqttgw 18/02/17 15:49:41 ID:GOH4WgnQ [5/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
「だから、ご主人も悪いところが多かったから、離れても悲しくないし、寂しくないし…」

「むしろエリ、貴女に出会えたから、これからが楽しみだし、泣かないで!」

何故か焦って早口になってしまった。パートナーは、いきなり私がまくし立てたので、若干うろたえる。

そして、私を申し訳なさそうな目で窺う。私の伝えたいことは分かってくれたはずなので、最後の一言を放つ。

「ご主人はその場しのぎの強がりしか言わないの。後悔して、きっと数日後、早ければ明日にでも電車に乗ってここに戻ってくるわ」

「戻って来るって、信じてるから…」

「その間だけでも、貴女と私はパートナーでいましょう。エリ」
 ▼ 56 P7uCNqttgw 18/02/17 20:38:08 ID:GOH4WgnQ [6/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
…私はさっき、ポケモンがパートナーに未練を残したら失格だ、と語った。

本当であれば、前のご主人のことは忘れ、エリとパートナーになろうと思っているはずだ。

しかし、前のご主人が私に未練を持っていたとしたら、完全に縁を絶つことはできない。

きっと戻ってくる。私を連れ戻しに。こう断言できるのは、私たちの間に絆があるから、ではない。

強がりを口にして、素直になれないあの子の性格を考慮した故の持論である。
いつもの言葉も、この難しい性格に起因しているのだろう
 ▼ 57 P7uCNqttgw 18/02/17 21:20:09 ID:GOH4WgnQ [7/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
夜。すっかり気を取り直したエリと夕飯を食べ、二人で研究室にいた。どうやら私に確認したいことがあるらしい。

「ねぇシャンデラ。ゴーストタイプは最近、深夜の田舎の町に集まるのが日課なんでしょ!」

「…え?いや、別に…」

その場しのぎでとぼける。

ゴーストの集い。私は周りの人やポケモンには秘密にしていたのだが、何故か彼女はそれを知っている。
不思議に思い、誰がその話を漏らしたのか考えてみたが、すぐに答えは出た。多分バケッチャが言いふらしたのだろう。
彼と私は集い以外で関わりが無いので、そこでの話を経由して、エリに私のことを教えた。

そうすれば、どうしてエリが私のことを知っていたかも合点がいく。
 ▼ 58 P7uCNqttgw 18/02/17 21:40:50 ID:GOH4WgnQ [8/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかし困った。人間には集いのことを詳しく知られたくない。これからどういう対応をしていくべきか。

これはバケッチャにも内緒にしておいてほしかったのに、意外と口が軽いな。後で注意しておこう。
色々と考えていると、脳が整理できなくなる。まずは一旦落ち着こう。深呼吸、深呼吸。

何故私がこの事を秘密にしたがるのかというと、一番の理由は部外者を入れたくないからだ。

深夜にゴーストタイプがたむろしていると聞けば、勇気のある野次馬が場所を特定して押しかけてくるかもしれない。
我々以外のポケモンや人が来ると私たちは迷惑だし、深夜の暗い所は危ないからだ。

エリは集いについて、更に話を続ける。
 ▼ 59 P7uCNqttgw 18/02/17 21:55:57 ID:GOH4WgnQ [9/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
「バケッチャから聞いたんだけど、その集まりで貴女はあの子と知り合ったんでしょ?」

「もし良ければ、研究の一環としてその集まりに参加してみたいんだけど、いいかな」

反省がきいたのか、先程のような強引な頼み方ではなくなっている。

「集まり?私はそんなの知らないけど…」

お互いのために、隠さなければいけない事実。多少の嘘も仕方が無い。

元はといえばバケッチャが悪い。私はこの話に関与すべきではないのだ。

「そっかぁ…じゃあバケッチャと相談するよ…」

彼がいる以上、私が何を言っても無駄なようだ。

しかし、私は間違ったことは思っていない。本当に危ないので、止めなければ…

「エリ、あそこは行っちゃ駄目!」

「あ、やっぱり集いのことは知ってたんだ」

こちらの話を聞いていたのか分からない返答に戸惑う。
もう一度警告しておこう。
 ▼ 60 P7uCNqttgw 18/02/17 22:06:48 ID:GOH4WgnQ [10/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
「深夜の暗い街は危ないから、人間、ましてや女性が行くものじゃない!不審な人やポケモンが出るよ!」

「私も今まで数多のポケモンを研究してきたし、今更野生ポケモンなんか怖くない。貴女たちがいればきっと大丈夫だよ!」

参った…。楽天家の彼女にはどんな忠告でも太刀打ちできない。

部外者は来てほしくないと言っても、エリはバケッチャという後ろ盾がいるので、結局意味は無さそうだ。

これでは埒が明かないので、私は二つの条件を提示する。
 ▼ 61 P7uCNqttgw 18/02/17 22:08:36 ID:GOH4WgnQ [11/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
続きは明日!
 ▼ 62 P7uCNqttgw 18/02/18 09:15:45 ID:.bnWO2.k [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
「しょうがない。ついて来るのは良いけど、私がこれから言う二つの条件を了承して」

「まず一つ目、私の集まりのことは、絶対に誰にも話さないで。二つ目は、集いには、ゴーストタイプ以外のポケモンは出さないで」

「良いよ。それじゃ、何時に行こうか?」

快諾してくれた。バケッチャとは異なり、約束を守る人であれば安心だが、こればかりは信じるしかない。

「まだ集いには時間があるので、待つしかないよ。問題は移動手段。遠いから、人が徒歩で行くとかなり時間がかかるの」

「それなら問題ないよ!私の一人のトレーナーだから、移動に使えるポケモンは持っているよ」

そしてエリは、ポケットからモンスターボールを取り出し、一匹のポケモンを繰り出した。
 ▼ 63 ルダック@ハバンのみ 18/02/18 09:28:47 ID:j2F7nM9A NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 64 P7uCNqttgw 18/02/18 10:28:30 ID:.bnWO2.k [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
そのポケモンは私のように体が紫色だ。そしてこう、ぷわぷわしてる…。

相手も私を見たことが無いようで、じっくりと様子を窺ってくる。ゴーストタイプだろうが、集いで見た覚えはない。

緊張感のある対峙は、まるで試合のようだ。気配を察したエリは、お互いの名前を紹介する。

「あ、いきなり驚かしちゃってごめんね!この子は私の手持ちのフワライド!」

「それで、この子は私のもとへ新しくやってきたシャンデラ!お互い、仲良くしてあげてね」

敵ではないと分かったのか、彼は今までの緊張感を無くす。

「貴女がシャンデラさんですか〜!どうもどうも、フワライドっす〜!」
 ▼ 65 P7uCNqttgw 18/02/18 11:15:57 ID:uZfRb7hY NGネーム登録 NGID登録 報告
「いやー、おらも集いに一回参加してみたかったんすよ〜」

ペットは飼い主に似るという噂は本当のようだ。


ひょうきんというか、馴れ馴れしい彼だが、仲良くできるようにがんばろう。

「それじゃあ私は仮眠をとるね。深夜11時くらいに出かける予定で、いいかな?」

「では、今日はその時間にしましょう」

私が答えてすぐに、エリは寝室へ向かった。この研究室にいるのは、ひょうきんな子と私だけ。


簡単な世間話をした後、私は休憩を取ることにした。

「ほら、シャンデラ起きて!」

体を強く揺さぶられ、目を覚ますとそこには、出かける準備万端のエリとバケッチャがいた。

寝起きで目が冴えないが、私たちは早速いつもの場所へ向かうことにした。

エリとバケッチャはフワライドに乗って、私は浮いているので、自力で移動することにした。

家の扉から、いつもの場所行きの深夜便が定刻通りに出発した。
 ▼ 66 P7uCNqttgw 18/02/18 16:10:27 ID:5KKPW/Ss NGネーム登録 NGID登録 報告
上空。

夏の夜はまだ蒸し暑さが残ると思っていたが、風を切って進んでいるからか、少し涼しい。

空を見上げれば、星たちが永遠の光を放っている。街を見下ろせば、夜景が新しい世界を生みだしている。

それぞれが放つ光の美しさは、私の目を飽きさせることがない。私とフワライドは静かに、前へ前へ進む。

地元へ近づくにつれ、夜景は落ち着いてくる。星の光だけが、私たちを照らす。
それは、我々が宇宙の真ん中に吸い込まれるかのように錯覚した。

徐々に、私たちがいつも集う場所が見えてきた。風に溶けたかすかな木々の香りが、故郷に戻ってきたことを教えてくれた。

無事に、いつもの場所に到着した。
 ▼ 67 P7uCNqttgw 18/02/18 16:31:26 ID:ndFWHwjA NGネーム登録 NGID登録 報告
人や車は滅多に通らない真っ暗な場所なので、月の光と私の体の炎だけが、明かりになる。故に、私がいるだけで周りの面子が良く見える。

今日やって来たポケモンは、私とバケッチャ、フワライドの他に、ジュペッタがいる。

ジュペッタは、むむ〜、といつも変な喋り方をする不思議ちゃん。憎めない性格である。

「むむ〜、僕の特技、お見通しによると、今日は人間が来ているね?むむ〜誰かな?」

一応、無関係とは言えないので、私が謝ることにした。

「実は色々あって連れてきちゃったのだけど…、ごめんなさい!」


バケッチャ、フワライドが続く。

「まあこの人、私の主人だし、悪い人じゃないから。許してあげて?」

「ちなみにおらは初参加のフワライドっす〜。おらもエリさんの仲間っす!」

「むむ〜、皆がそう言うなら、しょうがないね〜」

物分かりがよくて安心した。どうやら、今日は問題なさそうだ。
 ▼ 68 P7uCNqttgw 18/02/18 17:44:11 ID:3hZTw./o NGネーム登録 NGID登録 報告
「こんばんは!ポケモンの研究してるエリっていいます!」

「君はジュペッタだね!私、ポケモンと会話できるから気軽に話しかけてね!、むむ〜っ、よろしく〜」

フレンドリーなエリは、早速彼のの口癖を真似する。メガルカリオ顔負けのてきおうりょくだ。

本人は、嫌悪感というほどではないが若干「むむ〜っ」と顔をしかめていた。

「そういえばジュペッタ!貴方メガシンカできるよね!是非見せてくれる?」

いつものエリの、突然要求をしてくる癖が出てしまっている。

「むむっ、僕はメガストーン持ってないし、あれはトレーナーがいないとできないのだ」

まあ、戦うわけでもないのにいきなりメガシンカしろなんて無茶苦茶だ。でもジュペッタはメガというイメージが強いのだろう。
 ▼ 69 サイドン@きのみプランター 18/02/18 17:49:47 ID:aju3ChMw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 70 P7uCNqttgw 18/02/18 18:46:19 ID:UcjBwAwk NGネーム登録 NGID登録 報告
「私ね、基本的に父さんの病院の手伝いをしながら、調べたいポケモンを追いかけているんだ」

「一度調べた個体でも、また関わりが出来れば、何回も調べ直すよ。そうして最新のデータの蓄積していくの」

「だから貴方も、詳しく調べさせてもらうよ!」

そしてエリは、持ってきたバッグからカメラを取り出す。随分と本格的だ。


「資料用に写真撮るよ、じゃあジュペッタ、はい、チーズ!」パシャッ

「むむっ、眩しい!」

暗い夜に何の前ぶれもなくフラッシュをたくので、周りからすれば眩しくて、驚く。

たが、一番驚いていたのはジュペッタで、私の背後に回りこみ、ガタガタ震えている。

「むむっ!何かエリがいきなり眩しいことしてきた!シャンデラ怖い!」

「あれはカメラって言ってね、レンズを向けた方向にあるものを機械の中に写せる道具だよ」

私が説明が下手だったのか、ジュペッタは理解できずにいる。まあしょうがないか。
 ▼ 71 エトル@きゅうこん 18/02/18 18:52:51 ID:MZglaVj6 NGネーム登録 NGID登録 報告
ちょっと短くなってるかな?

支援
 ▼ 72 P7uCNqttgw 18/02/18 20:08:02 ID:.bnWO2.k [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
「夜に写真撮ると眩しいからやめよう、ね?」

エリはバケッチャの制止により渋々カメラをしまった。意外とこういうところでは働いてくれるのか。

バケッチャはフワライドと、私はエリとジュペッタで雑談する。
しかし、いつものように会話の主導権を握るのはエリだ。

「私の場合は、こうして皆と会話してるだけでも、立派な研究になるんだ」

「会話することで、癖や生態、特徴が分かるから、ポケモンの気持ちを汲み取るのに便利なの」

「そうしていけば、色んなポケモンの悩みに対応できるからね」

ここまで饒舌とは恐れ入った。私の話す隙もない。
 ▼ 73 P7uCNqttgw 18/02/18 20:43:01 ID:.bnWO2.k [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
「むむ〜っ、本当にポケモンの気持ちを理解してるとは思えないけどなぁ〜」

さっきのカメラのことを少し気にしているのだろうか。

「そうかな?まあ私の身勝手なところも、少しはあるかもね」

そういえば、この人は病院をやっているんだ。
もしかしたら、彼女は病気についても詳しいかもしれない。私は思い切って聞いてみた。

「突然だけどエリ、中二病って、どんな病気なの?」
 ▼ 74 P7uCNqttgw 18/02/18 21:05:00 ID:.bnWO2.k [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
「むむ〜、僕も聞いたことがない病気だぞ」

確か昨夜、バケッチャが話していた。彼が知っているのだから、そのパートナーのエリも勿論知っているはずだ。

彼女は軽く微笑んでから、ゆっくりと話し始める。

「中二病って言うのは、名前は病気のようだけど、病気じゃないんだ」

「若気の至りというか、自分が特別な存在でありたくて、目立つ服を着たり、難しい単語を使ったり…」

「そうだ!貴女の前のご主人、と言えば良いのかな…」

まさしくご主人の為にあるような言葉だった。とりあえず、病気じゃないのなら安心、だろうか。
 ▼ 75 P7uCNqttgw 18/02/18 21:05:35 ID:.bnWO2.k [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
続きは明日出します!
 ▼ 76 P7uCNqttgw 18/02/19 09:39:16 ID:ddETrcAQ [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
バケッチャから聞いた時から意味が気になっていた中二病と言う単語。

私はご主人の中二病なところが嫌いだったが、それも一つの特徴だったのだ。

ポケモンは、前のトレーナーに未練を残したら失格だと偉そうに語っていた。ポケモン失格なのは私だった。

複雑な感情が、心の中をグルグル廻る。思い出は、切っても切り離せないものだと、痛感した。

そんなことを考えていると、私までしんみりしてしまう。

私が暗い顔をしていると、二人にまで申し訳なくなる。切り替えなくちゃ。
 ▼ 77 P7uCNqttgw 18/02/19 11:55:36 ID:ddETrcAQ [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「むむっ…?シャンデラ、ネガティブな顔をしてどうなさった。素敵な笑顔が一番なのだ」

ジュペッタは相変わらず奇妙な口調で私を励ましてくれる。

それに応えなければいけない。

「ごめんなさい、こっちの事情だから気にしないで。笑顔が一番だよね」

エリも何かを察したのか、努めて笑顔を作る。いつ見ても彼女の穏やかな笑顔は素敵だ。
 ▼ 78 P7uCNqttgw 18/02/19 15:43:01 ID:ddETrcAQ [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ふわぁ…貴方たちと話してると、楽しくてすぐに時間が経っちゃうね!」

エリの言う通りだ。
今日も長い談笑を続けていると、いつの間にか日が昇っている。皆に別れを告げて我が家へ帰るのが習慣だ。

「それじゃ、帰ろう。ジュペッタ、今日はありがとう」

「むむ〜、別にお礼を言われるもんじゃないさ〜」

そう言いつつも、彼はぬいぐるみのふんわりした笑顔を作る。

エリは帰ろうと、フワライドとバケッチャを呼ぶ。

そして。
 ▼ 79 P7uCNqttgw 18/02/19 17:48:41 ID:ddETrcAQ [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
「色々迷惑かけちゃったけど、楽しかったよ、ありがとう。ジュペッタ」

エリも、帰る前にあいさつを欠かさない。それじゃ、病院へ帰りますか。

「そして、シャンデラ」

…へ?

「あなたの本当のパートナーは、私じゃない。この近くに住んでるでしょ」

そうか。

これはジュペッタだけのお別れじゃない。私とのお別れでもあるんだ。

「また、もしポケモン街で会えたら、その時はもっと詳しく研究させてね!」

「きっとパートナーは今、貴女の帰りを待ってると思うから…」

ご主人。
 ▼ 80 P7uCNqttgw 18/02/19 18:47:22 ID:ddETrcAQ [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
上空。

早朝は日中より暑くなく、顔に浴びる風が我々の眠気を吹き飛ばしてくれる。

太陽は私たちのいる世界よりずっと遠い所にあるはずなのに、目と鼻の先にあるような存在感を放つ。

朝日を意識して見ることは滅多にないが、空から眺望するとその美しさを再発見する。

星の光のように、皆を休ませてくれる光ではなく、皆が朝から元気をもらえる光。それが太陽の光だ。

どちらも大事だけど、どちらも対照的。エリとご主人も対照的だけど、いずれも私にとって大事なのかもしれない。

私にとってご主人は、休ませてくれる光で、エリは元気をくれる光。そんな感じだ。


どちらも好きだし、どちらかに会っていなければ、私の人生は変わっていたかもしれない。そんな存在。
 ▼ 81 P7uCNqttgw 18/02/19 20:52:15 ID:ddETrcAQ [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
澄んだ空気の向こうに、見慣れた屋根の家を見つけた。

私はそこまで急いで舞い降りると、窓ガラス越しに、ゴスロリを着た一人の少女が見えた。

何か後悔をしているような、浮かない顔つきだった。

私がおもむろにそれを覗いていると、その少女はこちらに気づいたようだ。

窓を開けると、一目散に少女……いや、ご主人は私を抱き寄せてきた。

前の様に苦しくなく、優しいハグだった。

ご主人は、顔を真っ赤にして泣いていた。

「我が闇の眷属の血筋を継ぐ友よ……!我が魂の終末まで共にあらんことを……」

いつもの中二病の言葉が、私を落ち着かせてくれる。不思議と、今ならその意味を理解できたような気がする。

「ずっと……ずっと一緒にいようね、私のパートナー」

―END―
 ▼ 82 P7uCNqttgw 18/02/19 20:57:21 ID:ddETrcAQ [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
※この先、後書きです(苦手な方はご注意ください)











リメイク前より内容をまとめ、結末やキャラクターを若干変更しています。
読み比べもお楽しみいただければ幸いです。
末筆ながら、ご覧いただきありがとうございました。
 ▼ 83 トデマン@ちかのカギ 18/02/25 22:04:38 ID:blwzBd7E NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 84 ガプテラ@ポフィンケース 18/03/04 21:20:09 ID:pVRFoI3E NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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