【ホワイトデーSS】ホワイトなカタルシス

カルム「どうもカルムです」

カルム「えー、皆さんは3月14日といえば何を思い浮かべますでしょうか」

カルム「そうですね、ホワイトデーですね」

カルム「バレンタインデーでチョコをくれた女の子へのお返しとして男の子が何かしら渡してあげる行事」

カルム「これがホワイトデーですね」

カルム「まあ行事自体は会社の売り上げの為に発信したデマとはいえ別にそんなに悪くないとは思うんですよ」

カルム「ただ、僕はどうしても一つだけ言いたい事があって」

カルム「まあもしかしたら一部の方々を敵に回してしまうかもしれないんですけど」

カルム「バレンタインデーで義理チョコってあるじゃないですか」

カルム「あれ別にホワイトデーでお返ししなくてよくねって思うんですね」

カルム「まあまあ、色々反論はあるでしょうがまずは聞いてくださいよ」

カルム「いやこれは先月あった事なんですけどね」

カルム「バレンタインデーでセレナっていう隣の家に住んでる女の子からチョコを貰った訳ですよ」

カルム「もちろん本命とかじゃなくて義理でね」

カルム「まあチョコを貰った事自体は特に問題なかったんですよ、むしろ嬉しかったぐらいだし」

カルム「でも問題はここからなんですよ」

カルム「その子がチョコを渡した後なんて言ったか分かります？」

カルム「『ホワイトデーのお返し楽しみにしてるからね』って言ったんですよ」

カルム「いやいやいや待ってくれと」

カルム「いやもちろんチョコをくれた事は嬉しいよ」

カルム「義理とはいえバレンタインデーで女の子からチョコを貰えるのは中々ない体験だしね」

カルム「でも、見返りを求めるのは違うだろうと！」

カルム「いや、もし仮にこれがね？これが本命のチョコだったとしますよ」

カルム「だったらこっちも『あ、こんな勇気を振り絞って告白してくれたんだからお返ししてあげたいな』って気持ちになりますよ」

カルム「でも義理は違うじゃん！」

カルム「なんかもう渡す前からちょっとやる気ないじゃん」

カルム「『あ、カルム君おはよ〜はいこれチョコだから』みたいな感じでさ」

カルム「こっちもキョドっちゃって『え、あっうん』みたいになってさ」

カルム「こんな一ミリも心のこもっていないチョコにお返ししたくなると思いますか？」

カルム「少なくとも僕は思わないですね！」

カルム「別にこっちも頼んでチョコ貰ってる訳じゃないし」

カルム「そっちが軽いノリで渡してきたから貰っただけであって別に無理に渡してくれとか言ってないし」

カルム「いや何度も言うけどチョコをくれる事自体は嬉しいんですよ？」

カルム「そらだって義理とはいえ女の子からチョコを貰えるほど光栄なことはないですよ」

カルム「でもあげるからちょうだいは何か違うじゃん！」

カルム「え、何お前俺のチョコ目当てで渡してきたの？」

カルム「そんなに俺のチョコに期待してるの？」

カルム「いや俺別にそんなにお金も持ってないよ？」

カルム「たかが義理チョコのお返しにGODIVAとか買わないよ？」

カルム「え、え、なんなの怖い怖い怖い〜！」



カルム「まあ流石にこれは自意識過剰かもしれませんが」

カルム「でも僕と同じ考えの人がいてもおかしくないと思うんですよ」

カルム「少なくとも僕以外にも義理チョコ貰ってる人はたくさんいるだろうし」

カルム「だから友人のティエルノとトロバって奴に質問してみたんです」

カルム「『バレンタインの義理チョコってホワイトデーでお返しする必要があると思う？』って」

カルム「そしたら何て答えが返ってきたか分かりますか？」

カルム「もうね……失笑しましたよ」

カルム「『いや、ホワイトデーでお返しするのは社交辞令だし』」

カルム「ほう！社交辞令ですか！それは大層な事ですねぇ！」

カルム「それはそれはホワイトデーでお返ししたくもなりますよ！」

カルム「バレンタインで貰った義理チョコをホワイトデーでお返ししないと崩れる様な素晴らしい関係ならねぇ！」

カルム「皆さんいいですか、社交辞令というのはですね」

カルム「日常から行事、風習などといったあらゆる場面での人間付き合いにおいて、物事を円滑に進めるために発言することが望ましいとされている挨拶や相手を誉める言葉の事ですよ？」

カルム「まあWikipediaから引用しましたけども」

カルム「でもこれを聞いてどう思いましたか？」

カルム「ホワイトデーという風習の場面で人間関係を円滑に進める為にあなたはお返しをするんですか！？」

カルム「そんなに義理チョコのお返しをする事が望ましいんですか！？」

カルム「そんなギブアンドテイクしないと崩れてしまう様なフワッフワな関係なんですか！？」

カルム「違うでしょ！？」

カルム「もうね、僕は我慢なりませんよ」

カルム「こんな惰性でホワイトデーのお返しをする様な奴らがいるとは思いませんでした」

カルム「そこで僕はね、アンケートを取ったんです」

カルム「はいこちら！」


ﾊﾞﾊﾞﾝｯ!!


カルム「えー、こちらはミアレシティを中心に10代の女性100人にアンケートを取ったものです」

カルム「質問の内容は『ホワイトデーのお返しに社交辞令性を感じる？』というものです」

カルム「これを見れば一目瞭然ですね」

カルム「過半数が感じないと答えています！」

カルム「よって僕の友人約2名が馬鹿だということがこれにより証明出来たわけです！いやこんな話じゃなくない！？」

カルム「違うんだ……こんなことを話したかったわけじゃないんだ」

カルム「そう、義理チョコをホワイトデーに返す必要はないじゃないかという事を伝えたかったたんだ」

カルム「いやだからね、僕が嫌いなのはハナから見返りを求めてチョコを渡してくる女なんですよ」

カルム「そして何より、バレンタインでチョコ貰ったからにはお返ししなきゃっていうこの風潮が嫌いなんです」

カルム「いわゆる固定観念というやつですね」

カルム「また少し話を変えますが僕の知り合いにプラターヌ博士という奴がいましてね」

カルム「まぁ〜伊達男なんですよ」

カルム「そんな彼には姪っ子が二人いてね、毎年お正月に遊びにくるらしいんです」

カルム「彼は面倒見がいいらしくて家族からも凄い信頼されてて」

カルム「そんでもって顔もいいから姪っ子達にモテるモテる」

カルム「でも彼が唯一姪っ子達に厳しい一面があるんです」

カルム「それはお年玉は絶対に渡さないということなんです」

カルム「これを聞いて『大人気ない』『年上として失格』と思う方もいるかもしれません」

カルム「ですが考えてみてください」

カルム「渡すことによって何かいい事があるでしょうか？」

カルム「大人が子供にお年玉を与えるのが当たり前という固定観念に駆られてはいませんか？」

カルム「確かに僕たちは昔叔父さんからお年玉を貰った」

カルム「ただ、あれは好意くれたから貰っただけであって別に自分が大人になったら同じことを姪っ子にしなければいけない義務なんてないはずだ！」

カルム「そう！お年玉を歳下にあげないと疎まれるこんな世の中が間違っているのです！」

カルム「だいたいガキにお年玉あげたところで何か見返りが来るでしょうか？」

カルム「いいえ来ませんね！だってガキは金貰ったらはしゃいで終わりだから！」

カルム「こんな話をまたまた僕の友人ティエルノとトロバにしてみたんです」

カルム「そしたら何て言ったか分かりますか？」

カルム「もうね……欠伸が出ましたよ」

カルム「『え、姪っ子にお年玉を渡すのは社交辞令だし』」

カルム「よっ！はい出た社交辞令！やったな二度目の登場だな！」

カルム「皆さんいいですか、社交辞令というのは以下同文！」

カルム「でもこれを聞いてどう思いましたか？」

カルム「お正月という風習の場面で人間関係を円滑に進める為にあなたはお年玉を渡すんですか！？」

カルム「たかが子供にお年玉を渡すことがそんなに望ましいんですか！？」

カルム「そんなギブアンドギブしないと崩れてしまう様なフワッフワな関係なんですか！？」

カルム「違うでしょ！？」

カルム「もうね、僕は我慢なりませんよ」

カルム「こんな惰性で姪っ子にお年玉与える様な奴らがいるとは思いませんでした」

カルム「そこで僕はね、アンケートを取ったんです」

カルム「はいこちら！」


ﾊﾞﾊﾞﾝｯ!!


カルム「えー、こちらはシャラシティを中心に40代のおっさん100人にアンケートを取ったものです！」

カルム「質問の内容は『姪っ子へのお年玉に社交辞令性を感じる？』というものです！」

カルム「これを見れば一目瞭然ですね！」

カルム「過半数が感じないと答えています！」

カルム「よって僕の友人約2名が馬鹿だということがこれにより証明出来たわけです！いやだからこんな話じゃないんだって！！」

カルム「違うんだ……別に僕は漫談をしにきた訳じゃないんだ」

カルム「ただ、この世の中は固定観念で溢れてるって事を伝えたかっただけなのに！」

カルム「なんだってんだよもう！」

カルム「バレンタインで見返りが来るからチョコを渡す女がいるし！」

カルム「お年玉で見返りが来ないから渡さない人もいるし！」

カルム「あれ……」











カルム「……案外どっも変わらないな」




〜完〜

このSSはこちらの企画に参加しております↓
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=768396

書いて滅茶苦茶楽しかったです
暴れまくったんでなんかもう満足です☆
ではでは

乙です

>>13
ラスト誤字りましたね

×案外どっも変わらないな
○案外どっちも変わらないな

ですね

洒落たカタルシスだなあw