【超ポケダンSS】ポケモン不思議のダンジョン 影の盗賊団:ポケモンBBS(掲示板) 【超ポケダンSS】ポケモン不思議のダンジョン 影の盗賊団:ポケモンBBS

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【超ポケダンSS】ポケモン不思議のダンジョン 影の盗賊団

 ▼ 1 aIiv212DRk 18/04/07 22:06:12 ID:P8O5Je8M NGネーム登録 NGID登録 報告


カクレオン「んん?」


ばしゅっ、と弾けるような音を立てて、青い光がカクレオンを包み込んだ。


カクレオン「……全く、この程度で出し抜こうなんて……」


カクレオンは、泥棒退治の百戦錬磨であった。

だから、この光が〈ばしょがえのえだ〉の効力であることは理解していたし、その後の対処も慣れたものだった。


カクレオン「……なっ!?」


だからこそ、彼は驚愕したのである。


カクレオン「空中……!?」


〈ばしょがえ〉で転移した先が、店を見下ろす遥か上空だったことに。
 ▼ 153 aIiv212DRk 18/06/11 22:01:18 ID:pwBwp0lM [1/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

さらにレントラーが畳みかけようと踏み込むが。


レントラー「っし、トドメ……のっ!?」バシュッ


突如光を浴びて硬直し、溜めていた電気を霧散させながら倒れる。


レントラー「なん……で……」


自由の効かない体で〈しばり〉の光の元を睨むと、轟々と燃え盛る炎の中からゆらりと現れる影。


ゾロアーク「嘘……だろ……」

ルカリオ「やられたよ……死ぬとこだった」


険しい表情で話すルカリオの右手のリングルから、紫色の破片がこぼれ落ちた。

〈ふんばり〉のラピス。即死ダメージを受けた時に一度だけ持ち堪える。


ルカリオ「ま、テールナーの炎で死ぬなら本望だけどね」


ルカリオは真顔で言い切りつつ、オレンを齧った。
 ▼ 154 aIiv212DRk 18/06/11 22:01:53 ID:pwBwp0lM [2/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ルカリオ「さぁ、まだまだ行くよ!」ヒュッ


動けないレントラーに狙いを定め、ルカリオが躍動する。


レントラー「っ……!!」


カクレオンほどの速度はないが、それでもほとんど一瞬で攻撃の圏内へ。
ルカリオの右手が静かに、だが素早く突き出され、動けないレントラーが息を呑む。


ゾロアーク「っのぉ!」ビッ

ルカリオ「っ!」スカッ


〈はっけい〉の衝撃波が叩き込まれる寸前で、ゾロアークの振った〈とびこみのえだ〉が発動。
ロゼリアとレントラーを引っ張って壁際まで瞬時に飛び去り、ルカリオの攻撃は空振りに終わる。
 ▼ 155 aIiv212DRk 18/06/11 22:02:32 ID:pwBwp0lM [3/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ロゼリア「レントラー! ほら、嗅いで! 癒されて!」フワァ

レントラー「お、う……治った!」


ルカリオ「しぶといな……。テールナー! この隙に回復!」

テールナー「あ、ありがと!」


テールナーがオレンのみを一口に頬張ると、ゾロアークたちに受けた傷が急速に塞がっていく。


ルカリオ(……まずいな)


ルカリオは腰元のバッグを見やり、わずかに顔をしかめた。
 ▼ 156 aIiv212DRk 18/06/11 22:04:28 ID:pwBwp0lM [4/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ルカリオ「僕は接近戦で相手をする。テールナー、背中は頼むよ!」ダッ

テールナー「わかった!」


ゾロアーク(また突っ込んでくる! 〈ばしょがえ〉で攻撃を逆利用されんのを警戒してんのか……!)

レントラー「くそっ、同じ手は通用しねーってことかよ!」

ルカリオ「そういうこと!」


ルカリオの〈はっけい〉とレントラーの〈スパーク〉が激突。


レントラー「ぐっ……!」


やはり今度もレントラーが押されて後ずさるが、ゾロアークがすでにルカリオの背後で爪を振りかぶっていた。
 ▼ 157 aIiv212DRk 18/06/11 22:05:06 ID:pwBwp0lM [5/35] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゾロアーク「3対1で勝てると思うかよ!?」

ルカリオ「あはは、まさか」


背中に振り下ろされる〈シャドークロー〉に一瞥もくれることなく、ルカリオはニヤリと笑う。


ゾロアーク「しまっ……!」バチィッ


一瞬青く光り、そして硬直。


テールナー「背中は、私が頼まれたからね!」


〈しばりのえだ〉をくるりと回して、テールナーは自慢げに言い放った。
 ▼ 158 aIiv212DRk 18/06/11 22:05:44 ID:pwBwp0lM [6/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

レントラー「ゾロアーク!……ぐぁっ!」ガッ


〈はっけい〉で押し切られ、レントラーが膝をつく。


レントラー「ま、だ……まだだ!」

ルカリオ「そうだよね。さぁ、超えてみろ!」

レントラー「うおおっ、ぐぁっ!!」ガッ  ズザッ


立て続けに攻撃が重ねられ、レントラーの纏うスパークの光が徐々に弱まっていく。

最後の1つだった〈ふっかつのタネ〉が発動し、なおもレントラーは電光を纏い立ち向かう。

だがルカリオのラッシュは止まらない。
レントラーの体に着実にダメージが刻まれていく。
 ▼ 159 aIiv212DRk 18/06/11 22:07:38 ID:pwBwp0lM [7/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ロゼリア(どうしよう、このままレントラーが……!)


テールナー「んんん……難しい……」


ロゼリア(テールナーさんはわたしに〈しばり〉を撃ってこない……多分ルカリオさんを巻き込まないように)

ロゼリア(けど〈アロマセラピー〉でゾロアークを回復させても、すぐまた縛られるだけ!
     この位置からギガドレインじゃレントラーを巻き込んじゃう……!)

ロゼリア(どうしよう、なにかないの!? なんでもいいから……えーと、えーっとぉ!)
     
 ▼ 160 aIiv212DRk 18/06/11 22:08:22 ID:pwBwp0lM [8/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ルカリオ「……よくやったと思うよ」

レントラー「くそっ……くそぉおおおおっ!!」

ルカリオ「これで……終わりだ!」ヒュッ


レントラーは、限界ギリギリの意識を振り絞り、ルカリオの瞳を真正面に見据えていた。

自分が今破れようとしている相手から、超えたいと思った伝説から、もう決して目を背けないために。

レントラーの眼前に迫る〈はっけい〉。

直後に赤く染まると思われたその視界は、しかし、真っ黄色に塗りつぶされることになる。


ロゼリア「ダメぇーーーッ!」バフッ

ルカリオ「なっ……!?」


ロゼリアが放った〈しびれごな〉によって。
 ▼ 161 aIiv212DRk 18/06/11 22:09:20 ID:pwBwp0lM [9/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ルカリオ「くっ……!」バッ

ゾロアーク(引いた!? 状態異常は効かないはずなのに、回避行動をとったのか!?)


レントラー「助、かっ……むぐっ!?」

ロゼリア「ほらオレン! 回復!!」グリグリ

レントラー「むぅー! ん、んんっ! ぶはっ!……普通に食わせろよ」

ロゼリア「時間ないもん!ルカリオが大袈裟に避けたのはただの偶然だし……」


ゾロアーク(……だよな)

ゾロアーク(いや、待てよ。そういえばさっき……)

ゾロアーク(なら……!)
 ▼ 162 aIiv212DRk 18/06/11 22:10:18 ID:pwBwp0lM [10/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ロゼリア「ゾロアークも、ほら!」フワァ


〈アロマセラピー〉がゾロアークを包み、〈しばり〉効果が解けた。


ゾロアーク「っ!」ダッ


その瞬間、ゾロアークが猛然と走り出す。

その眼光はルカリオを鋭く射抜き、右手には大きな黒い爪が鈍く光る。


ロゼリア「ゾロアークっ!?」

レントラー「無茶だ! 1匹で敵う相手じゃねぇ!」
 ▼ 163 aIiv212DRk 18/06/11 22:11:16 ID:pwBwp0lM [11/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ゾロアーク(異常無効、圧倒的な能力……勝てる相手じゃないと思ってた。けど……)タタタ…


ゾロアーク「ぜぇいっ!!」ズァッ

ルカリオ「っくおお!」ガキィンッ


ゾロアークの爪とルカリオの拳が、『互角に』威力をぶつけ合い、風を散らした。


ゾロアーク「……鈍ってるぜ。さっきとは別人みてぇに!」

ルカリオ「どう……かな!」バッ


ルカリオが手を払い、ゾロアークが後ろに大きく飛び退く。
 ▼ 164 aIiv212DRk 18/06/11 22:12:09 ID:pwBwp0lM [12/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ゾロアーク「ちっ、まだ押しきれねーかっ」ザザッ

レントラー「ゾロアーク! こりゃ一体……」

ゾロアーク「間違いねぇ。効きは浅いが……」

ゾロアーク「奴は、〈まひ〉している!」

ロゼリア「うそぉ!?」



ルカリオ「…………!」
 ▼ 165 aIiv212DRk 18/06/11 22:13:37 ID:pwBwp0lM [13/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ラピス〈きのみのちから〉。
手持ちのきのみの数に応じて状態異常への耐性を高め、無効化する。

当然、回復のために〈オレンのみ〉を消費すればするほど……


ゾロアーク「耐性が弱まってく……ってわけだ」

ロゼリア「おおー!」

ゾロアーク「まぁ、まだ少し動きが鈍る程度みたいだけどな」



ゾロアーク「つまりだ。俺たちが畳み掛けてオレンを消費させれば……」

ロゼリア「その上で状態異常を浴びせかちゃえば……」

レントラー「まだまだ勝機はあるってことか!」

ゾロアーク「さぁ、行くぜ!」ダッ

レントラー「おう!」ダッ
 ▼ 166 aIiv212DRk 18/06/11 22:14:37 ID:pwBwp0lM [14/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ルカリオ「……だってさ。参ったね、テールナー」

テールナー「うわぁ、ルカリオ全然参ってない顔してるよ」

ルカリオ「あはは。だってそりゃあ──」


レントラー「喋ってる場合かよ、先輩ッ!」バヂヂッ

ゾロアーク「そんな余裕もうねぇだろ!」ブォン


それぞれの技が、折り重なるようにルカリオめがけ幾度も叩き込まれるが、
その全てをルカリオは最小の動きで受け止め、いなし、かわしていく。


レントラー「っぁ……?」

ゾロアーク「ぐっ……!」


気がつけば2匹は弾き飛ばされ、宙を舞っていた。


ルカリオ「──僕らは、伝説と呼ばれた調査団だよ?」


伝説は、初めて自らをそう名乗り、堂々と笑った。
 ▼ 167 aIiv212DRk 18/06/11 22:15:10 ID:pwBwp0lM [15/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

レントラー「ぐっ……この……っ!」ググ…

ゾロアーク「負けて……たまるかよっ!」ダッ


ルカリオ「いいね。何度でも、受けて立つ!」

ゾロアーク「らぁっ!」ダンッ


ゾロアークが跳躍し、爪を上段に構えた。


ロゼリア「それっ!」ビッ


それと同時にロゼリアが〈しばり〉の光を放ち、ルカリオの動きがわずかに鈍る。 

ルカリオ「それぐらいじゃ……僕には勝てないよ!」

ゾロアーク「うおおッ!」
 ▼ 168 aIiv212DRk 18/06/11 22:16:10 ID:pwBwp0lM [16/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ゾロアーク(さっきと同じじゃ意味がない! 弾かれて終わり! だから……!)


その時、限界まで加速した思考の中で、ゾロアークは一つのイメージに辿り着いた。
幾度となくその体に刻まれた究極の一撃──すなわち、カクレオンの放つ〈シャドークロー〉のイメージに。


ゾロアーク(もう一歩、先へ!)


背中と肩の筋肉に全力を込め、限界まで引き絞った弓のように体を反り──


ゾロアーク「らぁあッ!」


──溜めた力を一気に解き放つ。
 ▼ 169 aIiv212DRk 18/06/11 22:17:26 ID:pwBwp0lM [17/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ルカリオ「くっ!?」


これまでより一段重い一撃を殺しきれず、右手で受けたルカリオが一歩後ずさった。

だが、ダメージには至らない。


ゾロアーク「ッ……レントラァアア!!」

レントラー「分かってらァ!」バチィ


ゾロアークの叫びにレントラーが応え、稲妻を身に纏う。


テールナー「させないっ!」ビッ


テールナーが〈すいみんのえだ〉を構え、振り抜く。


ロゼリア「そっちこそ、させないっ!」バシュッ


その射線にロゼリアが割り込み、レントラーに代わり眠りの光を受けた。


ロゼリア「行って……レン、ト……ぁ」ドサッ
 ▼ 170 aIiv212DRk 18/06/11 22:18:16 ID:pwBwp0lM [18/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

レントラー(ゾロアークが作った隙! ロゼリアがくれたチャンス!
      けどただのスパーク一発じゃ直撃させても致命打にはならねぇ!)

レントラー(だったら、一か八か……!)


レントラーは電気をまとったまま、枝を咥えて振り抜いた。

放たれた光の矢は、ルカリオに突き刺さることなく、脇腹をすり抜けて壁に弾ける。


ルカリオ「なっ……(外した!?)」

レントラー(ちげーよ……!)ヒュッ


レントラーの姿が消え、電光が一閃。


レントラー「そこだ!!」ドゴォッ

ルカリオ「っがは……!?」


〈とびこみ〉の経路にルカリオを巻き込む捨て身の一撃。
渾身の即席〈ボルテッカー〉が、ルカリオの懐に突き刺さった。
 ▼ 171 aIiv212DRk 18/06/11 22:18:50 ID:pwBwp0lM [19/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

テールナー「ルカリオ!」

レントラー「うおお、ついに必殺技習得! 反動クッソ痛ぇけど!」

ルカリオ「いってて……。すごいな、無茶苦茶だ」シャク


壁まで吹っ飛ばされたルカリオが、オレンをかじりつつよろよろと立ち上がる。


ゾロアーク「これで3つ目……。レントラー、もっかい、行けるか?」

レントラー「ああ! もっかいどころか何百回でもやってやる!」
 ▼ 172 aIiv212DRk 18/06/11 22:19:24 ID:pwBwp0lM [20/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ルカリオ「やるじゃん……」

テールナー「すごい後輩だね、ほんと」

ルカリオ「うん。なんか安心したよ」

テールナー「言ってる場合?」

ルカリオ「場合じゃないね。さぁ、引き締めて行こうか!」
 ▼ 173 aIiv212DRk 18/06/11 22:20:14 ID:pwBwp0lM [21/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ロゼリア「うぅーん……」zzz

ゾロアーク「ほれ、起きろ!」コツン

ロゼリア「はうっ! ……レントラー! ちゃんと決めた!?」

レントラー「ああ。〈ボルテッカー〉、ぶちかましたぜ!」

ロゼリア「おー! アツい展開!」

レントラー「おうよ! でもまだアツイのはここからだぜ!」

ゾロアーク「ははっ、そうだな」




「……伝説に、勝つぞ!」


 ▼ 174 aIiv212DRk 18/06/11 22:20:44 ID:pwBwp0lM [22/35] NGネーム登録 NGID登録 報告



これは、終わりの戦い。

影の盗賊団の全てが清算された、最後の戦い。



そして──


 ▼ 175 aIiv212DRk 18/06/11 22:52:08 ID:pwBwp0lM [23/35] NGネーム登録 NGID登録 報告


──
────
──────


──風の大陸、とあるダンジョン。

カクレオン「はぁ……彼らがいなくなってから、なんとなくさみしいですねぇ……」

カクレオン「売り上げも随分落ちちゃいましたし。はぁ……」

???「影の盗賊団、か。懐かしいな」

カクレオン「ええ。まぁ大きな声では言えませんけど、割とファンでしたよ。……おっと、商売商売。お客さん、何になさい……えええ!?」

ゾロアーク「それじゃ……リンゴを一つ買ってこうかな」

カクレオン「え、ええ……? 50ポケ、ですけど……」

ロゼリア「はい!」チャリン

カクレオン「ちょうどお預かりいたします……」

レントラー「じゃ、ありがとなー!」

カクレオン「ま、まいど……」


カクレオン「普通に、買った……?」
 ▼ 176 aIiv212DRk 18/06/11 22:53:14 ID:pwBwp0lM [24/35] NGネーム登録 NGID登録 報告



レントラー「んだよ、あんな顔することねーだろーによー!」

ロゼリア「まぁまぁ、レントラー落ち着いて」

ゾロアーク「今までのどの盗みより驚いた顔してたな。普通に買い物しただけなのに」

レントラー「これじゃ伝説っつーか黒歴史! あー! 早く忘れてくんねーかなー!」

ロゼリア「いいじゃん。元ヤンキーの教師みたいなさ」

レントラー「んなもん今時流行んねーよ! あああーーもー!」

ゾロアーク「叫んでねーでさっさと行こうぜ」

レントラー「あー! ちくしょー!」



ゾロアーク「……はぁ、コイツまだ悔しがってんのかねぇ……」
 ▼ 177 ゼリア視点◆aIiv212DRk 18/06/11 22:54:45 ID:pwBwp0lM [25/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

──────
────
──


わたしたちはあのあと、コテンパンに負けちゃいました。

けっこう頑張ったんだけど……。



レントラー「〈なかまふっかつ〉のラピスって、んなもんありかよ……」

ルカリオ「君たちに説教した手前、使うわけにはいかなかったんだけどね……。ほら、自動で発動しちゃうから」

ゾロアーク「反則くせー……」

テールナー「だから私たちの反則負けかな。ね、ルカリオ」

ロゼリア「へ?」

ルカリオ「……そうだね。君たちは、力も経験も上の僕らを本当にギリギリまで追い詰めた。
     策と機転と気迫で僕らの上を行き、絶対に使わないと決めていた〈なかまふっかつ〉まで使わせた」

ルカリオ「……だから、君たちの勝ちだ」

レントラー「…………っ!」
 ▼ 178 ゼリア視点◆aIiv212DRk 18/06/11 22:55:18 ID:pwBwp0lM [26/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

ルカリオ「君たちのことはカクレオン商会ににうまく話をつけておくよ。
     『カクレオンでも僕らでも逃げられたんだから、誰がやっても無駄だ』……ってね」

レントラー「……でも、それじゃルカリオさんが……」

ルカリオ「いいよいいよ。調査団としてじゃなくて僕ら個人で受けた依頼だし。失敗してもそんなに怒られないから」

テールナー「新しい伝説、始めるんでしょ? だったら指名手配されたら困るじゃん」

レントラー「〜〜っ!」

ルカリオ「それじゃ、僕らは行くよ。……カモネギ先生によろしくね」ザッ

ゾロアーク「待ってくれ!」

ルカリオ「だから、僕らのことはいいって……」

ゾロアーク「いや、そうじゃなくて……〈あなぬけのたま〉を貸して下さい」

ルカリオ「…………」


……なんだか、こう、『情けない!』って感じでした。

伝説の器的なものをすっかり見せつけられてしまいました。
 ▼ 179 ゼリア視点◆aIiv212DRk 18/06/11 22:56:19 ID:pwBwp0lM [27/35] NGネーム登録 NGID登録 報告


ダンジョンを出てから一夜明けて、私たちはいろんなところに謝りに行きました。


カクレ専務「……フン! 捕まる前に辞めるか。賢明な判断だ」

カクレ秘書「残念ねぇん……。なら今度はお客さんとして来てね。可愛がってあげるわぁん」

カクレ常務「ま、ドロボー対策講習会のゲストにでも呼んでやるぜ。そん時はテメェら、覚悟しとけ!」

カクレ監査「おでも、今度は、負けない」


カクレオンのエリートたちは、わたしたちに負けたままになるのが少し悔しいみたいでした。


カクレ社長「まともに人助けするというのなら……まぁ、今後は我々もバックアップせねばなるまい」


でも、私たちのことを応援してくれるみたいです。


カクレ社長「……彼らの頼みでもあるしな」


きっと、ルカリオさんたちがわたしたちのことを一生懸命に伝えてくれたんだと思います。
あの2匹には敵いません。
 ▼ 180 ゼリア視点◆aIiv212DRk 18/06/11 22:57:29 ID:pwBwp0lM [28/35] NGネーム登録 NGID登録 報告


カモネギ先生は、卒業したわたしたちのことをすごーく心配していたみたいです。


カモネギ「お前たち……。そうかそうか、やっと気づいてくれたのか……」

ゾロアーク「……ごめんなさい。……心配、かけました」

レントラー「もう『俺たちの命は1つ180ポケ』とか言いません」

ロゼリア「『命が20個ぐらいあれば足りる』とかも言いません」

カモネギ「ばくれつのタネで空を飛んだりも?」

ロゼリア「……………………しません」

カモネギ「……そこは即答してくれよ」

ロゼリア「しません! うぅ……」

カモネギ「よし! 自分のことは大事にする! みんなが大事に思ってるんだからな!
     それが分ったなら、先生は嬉しいぞ!!」

ゾロアーク「……っ! はい!!」


……空飛ぶのは許してくれたっていいのに、なんて思っちゃったのはナイショです。
 ▼ 181 石の森◆Y0TXrTESFs 18/06/11 22:58:02 ID:.kNccwGs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 182 ゼリア視点◆aIiv212DRk 18/06/11 22:58:08 ID:pwBwp0lM [29/35] NGネーム登録 NGID登録 報告


ロズレイド「あんたね! おだやか学校の頃から無茶ばっかり!
      体が強いわけじゃないのに、なんでこういうことばっかするの! 母さん、心臓が何個あっても足りないわよ!!」

ロゼリア「ひぃっ!……ご、ごめんなさい」


久しぶりに会ったお母さんやお父さんには、いっぱい怒られました。


ロズレイド「……おかえり。無事で良かったわ」ギュ

ロゼリア「お母さん……」


けど、抱きしめられたらすごく暖かかったです。
 ▼ 183 ゼリア視点◆aIiv212DRk 18/06/11 22:58:44 ID:pwBwp0lM [30/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

レントラー「なんか……俺たち、大事にされてんだな」

ゾロアーク「……だな」


レントラーもゾロアークも、家族にいっぱい怒られて、いっぱい優しくされたみたいでした。


わたしたちはいろんな人に守られて、思われて、助けられて生きているんだってこと。

改めて実感しちゃいました。




そして今、わたしたちは。
 ▼ 185 aIiv212DRk 18/06/11 23:00:38 ID:pwBwp0lM [31/35] NGネーム登録 NGID登録 報告



バネブー「あ、影の盗賊団さん! オイラが依頼人のバネブーですよ!」

レントラー「影の盗賊団はやめたの! 今は影の……」

レントラー「……なぁゾロアーク、俺たちの肩書きって影の何なの?」

ゾロアーク「なんでも屋……とか?」

レントラー「カッコつかねー! まぁいいや。今は『影のなんでも屋』なの!」

ロゼリア「なんか『縁の下の力持ち』みたいだねー」

バネブー「ふーん……そうなの?」
 ▼ 187 aIiv212DRk 18/06/11 23:02:23 ID:pwBwp0lM [32/35] NGネーム登録 NGID登録 報告



影の盗賊団最後の戦いを終えて、わたしたちは新たな一歩を踏み出しました。

伝説になれるかはわからないけれど、盗賊団より楽しいことがきっと見つかる気がします。

だって、たった一言でこんなに嬉しくなれるんだから。


影のなんでも屋……まぁ、カッコ良い!って感じではないですが。

でも、なんたって「なんでも」です。

そのうち世界とか救っちゃうのかもしれません。
 ▼ 188 aIiv212DRk 18/06/11 23:02:58 ID:pwBwp0lM [33/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

影のなんでも屋。


誰もが影で誰かに思われていて。

世界は見えない愛に満ちていて。

けれど、そういう気持ちを忘れてしまうこともあるから、

だからわたしは『影のなんでも屋』として、そういうのを伝えあげられたらいいな、なんて。

こっそり、名前の意味を後付けしたのでした。





──おしまい。


 ▼ 189 aIiv212DRk 18/06/11 23:04:15 ID:pwBwp0lM [34/35] NGネーム登録 NGID登録 報告


おまけ


レントラー「ふぅ、あっけなかった」

ロゼリア「感謝されるってうれしーね。すっごいしあわせ……」

ゾロアーク「まぁ、な。つーかあのバネブー、なんであんなもの依頼したんだろうな?」

レントラー「さぁ? まぁ、まさか爆裂エンジンを試そうなんて馬鹿な奴は」

ドゴォオオンッ

レントラー「……いる、わけ……」

レントラー「………………」



「「「ストーーーーーップ!!!!」」」ダッ



──おわり
 ▼ 190 aIiv212DRk 18/06/11 23:05:19 ID:pwBwp0lM [35/35] NGネーム登録 NGID登録 報告

支援感想ありがとうございました
失踪しかけてごめんなさい
7世代ポケダン出ないのだろうか……
 ▼ 191 目八目 18/06/11 23:13:15 ID:Hfkwv2hg NGネーム登録 NGID登録 報告
良かったよ 面白かった

乙 です
 ▼ 192 リゲイツ@れいかいのぬの 18/06/11 23:20:49 ID:k1rAp0u6 NGネーム登録 NGID登録 報告
おつ〜
 ▼ 193 リーセン@バグメモリ 18/06/12 06:05:07 ID:JJM.b5K. NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 194 ロスター@パークボール 18/06/12 08:28:14 ID:GJZ2KIBE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おつです!
面白かった!
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