【SS】ユリーカ「んっ……/// もう、そんなに激しくしたらみんなが起きちゃうよ……?///」【R18】:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ユリーカ「んっ……/// もう、そんなに激しくしたらみんなが起きちゃうよ……?///」【R18】:ポケモンBBS

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【SS】ユリーカ「んっ……/// もう、そんなに激しくしたらみんなが起きちゃうよ……?///」【R18】

 ▼ 1 ワムラー@クラボのみ 18/05/30 00:09:40 ID:jNeQ9Axk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 それはまだ僕がサトシたちと冒険していた頃の話……

 ある日僕たちは次の街へ向かう途中にあった森の中でテントを張って一夜を明かそうとしていました。
 夜も更け、野生ポケモンたちも皆寝静まっているような深夜に何の因果か僕は目が覚めてしまいました。そしてふと横を見ると、寝ているはずのサトシの姿がありません。
 まあ、サトシのことですしちょっとその辺におしっこでもしに行ったのでしょう
 なんて楽観的に考えてまた僕はまた眠りにつこうとした……その時でした。テントの外から何か話し声?というか物音というか何かしらの音が聞こえた気がしました。
 何の音か気になった僕は眼鏡をかけて、恐る恐るテントの外を覗いてみました。

 ……僕はそこで見た光景を一生忘れることは無いでしょう。

「んっ……♡ もう、そんなに激しくしたらみんなが起きちゃうよ……?♡」

 そこではユリーカとサトシがセックスをしていました。
 ……いいえ、セックスなんて生易しいものではないですね。雄と雌がお互いを求めあい、貪りあう……それはまさしく本能的な''交尾''でした。

 サトシが一回り体の小さいユリーカに覆い被さるように後背位で欲望を打ち付けるように一心不乱に腰を振っている……
 ユリーカの体が壊れてしまうんじゃ無いかと思えるほどの男性器を、僕のなんかよりもずっと大きい男性器を、ユリーカの膣へと何度も何度も突き刺している……
 だけど、ユリーカの表情には痛みとかの負の感情を一切見受けられなくて……涎をだらしなく垂らして、快楽のみを受け入れ、悦んでいるその様はただの発情した雌でした。
 月明かりに照らされながら交わり合うその姿はとても扇情的で、幻想的で、いつの間にか僕自身もズボンの中で痛いほどに勃起してしまっていました。

 二人はいつからこんな関係なのか、とか
 この事をセレナは知っているのか、とか
 とにかくこんなことは止めさせないといけない、とか

 おもちゃ箱をひっくり返したように色んな感情で頭の中がごっちゃになっているのに、僕は何故だかひたすらいきり立った自分の男性器を扱くことに夢中になっていました。
 これは夢だ……夢の中の出来事なんだ……と何度も反芻しながら……
 ▼ 2 メハダー@シルバースプレー 18/05/30 00:09:53 ID:jNeQ9Axk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 僕の視界はユリーカだけを捉えていました。上に乗って腰を振るサトシの姿も声も一切認識せずに、「んっ♡♡ ああっ♡♡」と淫乱な喘ぎ声をあげて、よがり狂っている妹の姿だけをずっとずっと覗き見していました。

「あっ♡ もうユリーカ、イッ……!!♡♡」

 その瞬間、ユリーカは大きくのけ反り絶頂しました。
 そのまま何度も何度も体を痙攣させて、膣から愛液を垂れ流して、「んひっ♡♡ ふひっ♡♡」とまともな人間とは思えないような声をあげて、白目を剥くほどによがっていました……

 ふと見ると、いつの間にか僕も手の中に射精してしまっていました。
 手の中に吐き出した自分の精液を見ていると、何故だかどうしようもないほどの空しさや悔しさが沸々と沸き上がってくるようで……
 下唇を噛んで、精液にまみれた手をグッと強く握りしめていました。

 外ではまだサトシがユリーカの体を貪り続けている最中でした。
 でもなんか脱力感と徒労感に包まれてしまい、その時の僕はふらふらと自分の寝床へと潜り込みました。そのまま目を瞑ると、先ほどまで見ていた光景が何度も何度も浮かび上がってきました。

 僕には見せたことの無いようなユリーカの顔……
 雄を求める発情した淫乱な雌の顔……

 浮かび上がるごとにモヤモヤとした気持ちに包まれる気がして、悔しくて悲しくて空しくてその日はいつ眠ったのか覚えていません……



 そんな二人の関係は旅の終わりまで、毎晩のように続いていました……
 そして僕もずっと二人の情事を覗き見ながら、ひたすら一人寂しく自慰を繰り返していました……

 サトシたちとの旅は終わってしまったけれど、僕とユリーカの関係は終わりません。僕がユリーカに対して抱いてしまったものも終わりません。
 だからこそ過去の生活に戻ったというのに、未だに僕はまともにユリーカと二人っきりで話をすることができませんでした。



 そう、今日までは……
 ▼ 3 ギア@やけたきのみ 18/05/30 00:11:04 ID:OF8RCxFU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
釣りじゃなくてビビった
 ▼ 4 ーブイ@ライトストーン 18/05/30 00:11:39 ID:aY/QZdoA NGネーム登録 NGID登録 報告
>>3
同じく
 ▼ 5 ニャット@だいちのプレート 18/05/30 00:13:12 ID:Svz/h5Fc NGネーム登録 NGID登録 報告
シトロンは語りか
 ▼ 6 ッコウガ@なぞのすいしょう 18/05/30 00:20:08 ID:H2/vFjc2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サトシマグロかよぉ!?
 ▼ 7 クフーン@たんちき 18/05/30 03:18:29 ID:lf/Wo6C2 NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシよりユリーカの方がエロいこと知ってそう
 ▼ 8 ーダル@ももぼんぐり 18/05/30 03:24:36 ID:CVrDcrKs NGネーム登録 NGID登録 報告
ファッ!?
 ▼ 10 タッコ@カロスエンブレム 18/05/30 18:35:03 ID:b7NCphjQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 11 ロバット@さらさらいわ 18/05/31 00:17:51 ID:ZLba50gc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 12 ャビー@おしえテレビ 18/05/31 01:09:57 ID:sMQbXcbE NGネーム登録 NGID登録 報告
産業読み失敗
 ▼ 13 スボー@ふしぎのプレート 18/05/31 01:12:01 ID:1iIzs2ls NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 14 ースター@おはなのおこう 18/05/31 01:12:45 ID:UZlh7f8A NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
産業なんてなかった
 ▼ 15 ャヒート@ナゾのみ 18/05/31 03:01:57 ID:sSPzWtbA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 16 ルミル@ナナのみ 18/05/31 20:20:02 ID:JokmYAak NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 17 アルヒー@ラムのみ 18/05/31 21:36:25 ID:h/dnOZvs NGネーム登録 NGID登録 報告
お願いだ続けてくれ
 ▼ 18 ースター@フエンせんべい 18/06/01 00:12:43 ID:n8hgeKRw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
イッチぃ…帰ってきてくれよォ……
 ▼ 19 ンデツンデ@レンブのみ 18/06/01 00:20:33 ID:IvImKknA NGネーム登録 NGID登録 報告
はよ
 ▼ 21 クーダ@ばんのうごな 18/06/02 00:13:32 ID:1gpa/1zM NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 23 ダイトス@トレジャーメール 18/06/02 01:50:35 ID:ojAfrJx. NGネーム登録 NGID登録 報告
メガ支援!文才あるエロSSはいいぞ
 ▼ 24 ンチャム@ヒメリのみ 18/06/03 01:03:27 ID:gRar.lss NGネーム登録 NGID登録 報告
作者消えたか
 ▼ 25 ョロモ@ロゼルのみ 18/06/03 08:58:46 ID:EMJpftto NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
一週間すら経ってないのに失踪判定は早いだろ
 ▼ 26 1 18/06/06 00:31:29 ID:YZn3xkk2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
もう書きません
乗っ取りたければ勝手に乗っ取ってください
乗っ取る気が無ければageないでください
 ▼ 27 ッカニン@ハガネZ 18/06/07 00:32:11 ID:.43Nawz2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
やっぱダメやん
 ▼ 28 カシャモ@ハッサムナイト 18/06/07 00:57:07 ID:.gYi3Aew NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>26
えー、楽しみだったのに
 ▼ 29 ィオネ@あかいウロコ 18/06/07 02:15:44 ID:uRqogRr2 NGネーム登録 NGID登録 報告
なんだこいつ
 ▼ 30 チリス@ファイトメモリ 18/06/07 02:19:01 ID:sNpiIbmg NGネーム登録 NGID登録 報告
産業か腹筋スレ読み失敗
ところで何故続き書かないの?
もし失踪とか色々言われたからなら
そんな奴のこと気にしなくていいのに
自分のペースで好きに書いてよ
 ▼ 31 ンバル@ふしぎなおきもの 18/06/07 02:26:35 ID:8r31rAxA NGネーム登録 NGID登録 報告
元々>>2で終わらせる予定で元々続ける気なかったとか?
 ▼ 32 ウマ@アイテムコール 18/06/07 09:50:43 ID:.bWll0Yg NGネーム登録 NGID登録 報告
多分なんらかのきっかけで思い立って書き出したけど、時間経過で熱が冷めてやる気なくしちゃったんでしょ

タイトルのわくわく感激しいだけに惜しいね
 ▼ 33 クライ@ロックカプセル 18/06/09 00:53:13 ID:C8rM7NrY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>35が書くって
 ▼ 34 ョロモ@ブロムヘキシン 18/06/09 01:06:26 ID:QCRLxy9o [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
今日までは…で終わるて…
 ▼ 35 ライドン◆bSeO.FGqek 18/06/09 01:15:45 ID:EfrNjeAA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ユリーカ「ねぇ、お兄ちゃん」
シトロン「…!」ビクッ

シトロン「なんだよユリーカ、後ろから急に話しかけてきたらビックリするじゃないか」

ユリーカ「お兄ちゃん、ごめんなさい」
シトロン「いいんだ、それでどうしたんだい?」

ユリーカ「ああ、そうだ」
ユリーカは満面の笑みを浮かべると、ポケギアを僕に手渡す。

ユリーカ「お兄ちゃんに電話だよ」
シトロン「…!」

なんとなく、なんとなく電話の相手はわかったが、僕はあえて確認する。

シトロン「誰からだい?」

するとユリーカは、驚くほど嬉しそうな顔をすると、一番聞きたくなかった名前を口にする。

ユリーカ「うん、サトシからだよ」


続きは>>40が書く
 ▼ 36 ングース@くさのジュエル 18/06/09 01:17:01 ID:QCRLxy9o [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>35のおかげで書きやすくなったかもね。有能
 ▼ 37 ックル@エレキシード 18/06/09 01:26:18 ID:jikprJSc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
かくンニ

今日までは…

ユリーカ「おい貴様」パシッ

シトロン「あんっ♥」クサリジャラランガ

ユリーカ「俺様のチンポを舐めろ」ボロロロン

シトロン「仰せの通りにっ…♥」

ユリーカ「さっさとフェラしろやぁっ!」ズブブブリッ

シトロン「アァァッ♥」ハァッ…ハァッ…ブリッ

ユリーカ「やはりシトロンの鼻の穴にチンポ埋めるほうが気持ちエエわ」

シトロン「ありがとうございますッ…♥」ブリブリブリッ♥ブリブリブリブリブリッブリッ♥ブリブリ♥

こんなんで良ければ進む。
いやなら俺のちんちん絶っちゃう
 ▼ 38 クレオン@のこされたボール 18/06/09 01:27:52 ID:jikprJSc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヴァッ!?
 ▼ 39 ルガー@もりのヨウカン 18/06/09 01:32:56 ID:QCRLxy9o [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>37
えぇ…?
 ▼ 40 ライドン◆bSeO.FGqek 18/06/09 01:41:53 ID:EfrNjeAA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>35の続きで、サトシとユリーカの堕ちていく様を見ているだけしかできないシトロンの葛藤でいいなら明日以降の書けるときに書くけど需要ある?
平日は基本忙しいから書けないし、下手したらエタるけど
 ▼ 41 ーボック@サイキックメモリ 18/06/09 02:10:17 ID:hFcnuxV2 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>37
は?
 ▼ 42 ンガー@トレジャーメール 18/06/09 09:22:47 ID:Z3T.mn1g NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>37
!?
 ▼ 44 ガライボルト@フエンせんべい 18/06/09 09:45:20 ID:TuTA40V2 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>40
よろしく
 ▼ 45 リアドス@イアのみ 18/06/09 11:15:02 ID:WvkspyLw NGネーム登録 NGID登録 報告
>>40
頼むっす
 ▼ 46 ニリッチ@おはなのおこう 18/06/09 14:06:16 ID:vbbIVMXg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>40
需要しかない。サトユリは貴重なんで、是非続きを!
 ▼ 47 ライドン◆bSeO.FGqek 18/06/09 14:44:04 ID:yG/chT9o [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
シトロン「…もしもし?」
サトシ「お、久しぶりだなシトロン!」

僕がおそるおそるポケギアを耳に当てると、元気な友人の声が聞こえてくる。

シトロン「ええ、久しぶりですね。元気でしたか?」
サトシ「ああ、俺は元気だぜ?シトロンはどうだ?」
シトロン「はい、僕もユリーカも元気ですよ」

少し前に別れたばかりとはいえ、前とはちっとも変わらないサトシの声に、少し僕も安心してしまう。
しかしだ。

サトシ「そうだ、今度カロス地方に行くからさ、一緒にごはんでもどうだ?」

サトシがこっちに来る、それを聞いて急に胸が締め付けられる。

シトロン(まさか、ユリーカに会いに?)

そんなはずはない、そうは思っても一緒に旅をしていた時の夜の事が頭に浮かんでくる。
だが、ここで断るのもおかしな話だ。
サトシは僕が二人の事を知っているなど、考えてもいないのだろうからだ。

シトロン「へえ、そうなんですか。それは楽しみですね。」
サトシ「ああ、来週の水曜日の昼にミアレジムに向かうけどいいか?」

シトロン「ええ、勿論。お待ちしていますよ。」




 ▼ 48 ライドン◆bSeO.FGqek 18/06/09 14:57:16 ID:yG/chT9o [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケギアを切った僕は考える。
シトロン(なぜサトシはユリーカのポケギアに電話をかけてきたのでしょうか?)

確かにユリーカは最近ポケギアを持ち歩いている。
心配だから買い与えたからだ。

ただ、それなら家に直接かければ良いことだ。なのにユリーカのポケギアに電話を掛けたこと。それが気になって仕方がないのだ。

ユリーカ「お兄ちゃん?」

ポケギアを切って考えていると、後ろからユリーカが声をかけてくる。
そうだ、ユリーカもいたのだった。

シトロン「ああ、なんでもないよ」

僕がポケギアをユリーカに返すと、そのままユリーカは部屋に帰ってしまう。

シトロン(考えすぎならいいんですが…)

あれを見てしまっては、どうしても悪い想像が頭から離れなくなってしまったのだった。


その日の夜、発明をしていて遅くなってしまったため、僕は寝ようとしていた時のことだ。

「…んっ」

隣の部屋から聞こえてきた声に、僕は目を覚ます。
隣はユリーカの部屋だ。

シトロン(…まさか)

僕がユリーカの部屋に近づくと、扉が少し開いていた。
そして、そこから聞こえてくる嬌声に、僕は耳を疑ったのだ。


こんな感じ?
 ▼ 49 ロンダ@ライボルトナイト 18/06/09 14:57:31 ID:T/PAl5Qo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 50 オタチ@しんじゅ 18/06/09 23:59:36 ID:kVTMVHgI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
シエンネ
 ▼ 51 ンニュート@ねむけざまし 18/06/10 00:07:11 ID:52.Ejgc. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 53 ンプク@あかいビードロ 18/06/10 17:47:34 ID:ZDMQu0OI NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 54 ルケニオン@ふねのチケット 18/06/17 23:44:54 ID:XTdcItkM NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 55 ロデスナ@たまむしプレート 18/06/18 01:18:08 ID:VvLEGP5A NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 56 ーボック@あさせのしお 18/06/18 03:22:41 ID:EU/UPenE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>48
そんな感じそんな感じだから書いて
 ▼ 57 ャワーズ@ファイトメモリ 18/06/19 17:03:55 ID:NvVEOK96 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>48
マッテルイツマデモ
 ▼ 58 キメノコ@どくけし 18/06/19 17:06:36 ID:2sdEsnFg NGネーム登録 NGID登録 報告
このフライドンってコテの人面白いss書くのはいいけど、仕事が忙しくてすぐにエタるから短編じゃないとダメなのよね
 ▼ 59 オル@プラズマカード 18/06/20 23:55:42 ID:IGZAFb2E NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 60 モネギ@アッキのみ 18/06/21 00:29:22 ID:G8uU1P4k NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 61 ートロトム@クチートナイト 18/06/23 02:10:42 ID:Tj6sENtU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 62 ャワーズ@おおきなマラサダ 18/07/01 01:17:31 ID:07uov8l. NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 63 トロイミー 18/07/07 00:43:52 ID:0CHso7Fk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
かくンニ

今日までは…

ユリーカ「おい貴様」パシッ

シトロン「あんっ♥」クサリジャラランガ

ユリーカ「俺様のチンポを舐めろ」ボロロロン

シトロン「仰せの通りにっ…♥」

ユリーカ「さっさとフェラしろやぁっ!」ズブブブリッ

シトロン「アァァッ♥」ハァッ…ハァッ…ブリッ

ユリーカ「やはりシトロンの鼻の穴にチンポ埋めるほうが気持ちエエわ」

シトロン「ありがとうございますッ…♥」ブリブリブリッ♥ブリブリブリブリブリッブリッ♥ブリブリ♥

こんなんで良ければ進む。
いやなら俺のちんちん絶っちゃう
 ▼ 64 カブ@ハイパーボール 18/07/07 02:28:25 ID:yB9oSx5E NGネーム登録 NGID登録 報告
>>63
いやだから絶って
 ▼ 65 ンテイ@げんきのかたまり 18/07/07 02:55:20 ID:7hUIhJ5U NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>26
なんで若干キレてんの?
 ▼ 66 リゲイツ@きんのはっぱ 18/07/08 00:22:14 ID:Sbuk9bRs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>48
そんな感じだから早く書いて
 ▼ 67 ブカス@チルタリスナイト 18/07/08 00:26:06 ID:yX.waH4E NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>63
いやです(即答)さっさと絶ちやがれ。
 ▼ 68 ノアラシ@ゴーストジュエル 18/07/09 01:25:26 ID:8Yw63UTQ NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 69 ナップ@きゅうこん 18/07/12 02:00:50 ID:XJjYL0A2 NGネーム登録 NGID登録 報告
はよ
 ▼ 70 ズパス@デンリュウナイト 18/07/14 23:06:35 ID:fTYQDs6g NGネーム登録 NGID登録 報告
ハリーハリーハリーハリー!
 ▼ 71 ノワール@マトマのみ 18/07/20 00:36:15 ID:WJwIFDQI NGネーム登録 NGID登録 報告
はよ
 ▼ 72 ツボット@しゅんぱつのハネ 18/07/20 02:51:31 ID:UY/AdSsA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
「んっ…ああっ…!」

夜の静寂に艶っぽい声だけが響いている。
僕はおそるおそる扉の隙間に目をやる。薄暗い部屋の中には一糸まとわぬ姿のユリーカがいた。そしてその身体をベッドの上に投げ出し、自らの手で恥部をまさぐっている。
仰向けになって股を広げ、両腕をそこに伸ばして一心不乱に指を動かしている。そうかと思えばうつ伏せになり、尻を突き出す格好になる。
その尻は扉のほう、つまり僕のいるほうに向けられ、その恥部が丸見えの状態になる。
そのことにユリーカは気づいてないらしく夢中になって自慰をし続けている。
陰唇を丁寧になぞったり、突起を無邪気に弾いたり、そして穴から溢れる粘着性の液体を拭っては、その濡れた指先で穴を弄くり回している。
 ▼ 73 ンジュモク@ハートスイーツ 18/07/20 03:07:13 ID:r3hw8uks NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ほう…
 ▼ 74 ターミー@エレベータのキー 18/07/21 02:43:33 ID:fDxYA63g NGネーム登録 NGID登録 m 報告
一体なぜユリーカはこんなふうになってしまったのか。
サトシが性交の快感を教えたのは間違いない。
どういうきっかけでサトシとユリーカがそんな行為に及ぶ関係になったのか。
その行為が何を意味するのかお互い理解しているのか。
仮に理解し、サトシが責任を取るとしたら、僕はこれからの二人を心の底から応援し祝福できるだろうか。
もし理解もせずに快楽だけに目が眩んでいたとしたら、僕はサトシを殴れるだろうか。
そして僕は兄として、傷物にされた妹をどう受け入れ、どのような言葉をかけてやればいいのか。
さまざまな疑問が頭の中でぐるぐる駆け回る。
結局、結論は出ない。僕はただただ自慰に勤しむユリーカを見ていることしかできなかった。

あのときと同じだ。
旅の途中、テントの中で激しく求め合っているサトシとユリーカを見てしまったあのときと。
いたたまれない悔しさとやり場のない悲しさがふつふつと甦る。
過ちはもう起きてしまったこと。どうしようもないのだ。
いつもどおり自分で自分を慰めて発散させるしかない。
そして虚しさに身を任せているうちに忘れてしまうだろう。
あのときからずっとそうしてきた。僕がこの過ちに目をそらしてさえいれば、今までどおりサトシとは親友のままで、ユリーカとは兄妹のままなのだ。
 ▼ 75 イドン@ライトストーン 18/07/21 22:26:39 ID:o9to23Is NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 76 ノマダム@ばんのうごな 18/07/22 02:18:02 ID:VF6MQPSU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
来週サトシが来たら間違いなくユリーカとセックスをするだろう。
だけどこんな関係は長続きするとは思えない。
サトシもユリーカもすぐに飽きるだろう。
セレナもこの件には気づいていないようだったし、僕が見て見ぬふりさえしていれば僕らの関係は全て元通りになるはずだ。

そう結論づけた僕は部屋に戻ることにした。
その前に、ユリーカのあられもない姿を目に焼きつけておく。オカズにするためだ。
これまではサトシとの行為をユリーカだけ切り出して脳内で再生していたが、やはり記憶は薄れていくもので、細部まで思い出せなくなっていた。
ここで新たなビジョンをアップデートしておく必要がある。
 ▼ 77 ビシラス@ヤミラミナイト 18/07/22 02:27:09 ID:VF6MQPSU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
頭の中で実の妹を犯そうとしているのに、不思議なことに後ろめたさはなかった。
見て見ぬふりをすると自分の中で答えを出したからだろう。むしろ清々しい気分だ。
いっそのこと、ここで自慰をしてやろうか。
そうだ、そうしよう。記憶にとどめる手間も省ける。
僕の股間は一気に膨張する。
さっきよりも更に肥大し、今までで最も大きく、そして硬くなる。
いたたまれない悔しさもやり場のない悲しさも何もかもがどうでもよくなる。
そして自分のアソコをしごくことしか考えられなくなる。
僕は下着の中にゆっくりと手を突っ込んだ。
相変わらずユリーカはだらしない顔をして喘いでいる。
その声が、表情が、僕のアソコをいっそう熱くさせる。
そのときだった。

ガタッ

ユリーカに目を凝らすのに夢中で、つい扉に触れてしまった。
小さな音を立てて扉の隙間は広がる。
気づかれただろうか。いや、部屋は薄暗いし音も僅かだったから大丈夫だろう。
そう言い聞かせ、再びユリーカに視線を戻す。

「お兄ちゃん…?」

今の今まで快楽の渦中にあった、とろんとした目がこちらを向いている。
頬には淡い紅潮が引かれ、息の切れた口元からは涎が溢れていた。
 ▼ 78 ンメル@みずのジュエル 18/07/22 02:53:34 ID:SBhoBRtE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 79 ガミュウツーY@ノーマルZ 18/07/23 03:08:43 ID:ybqcZukg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ユリーカ「どうしたのお兄ちゃん…こんな時間に」

尻をこちらに突き出したまま尋ねてくる。
小さな割れ目を弄っていた指を止め、顔だけを僕のほうへ向けて。
そんな格好を見られていながらなぜ平然としていられるのか。僕には理解できなかった。
兄妹だから裸を見られても平気なのか、いや、そういう訳ではないだろう。
既にサトシには全てをさらけ出し、身体を許している。
その経験がユリーカを変えてしまったことは確かだ。
だとしたら…
途端に僕は恐怖を覚える。
その視線は、格好は、僕を挑発しているのか。誘惑しているのか。
まだまだ自我の未成熟な子供特有の、純真無垢な丸い瞳。
その奥に潜むユリーカの心は、もう既に性欲の奴隷になってしまったのか。

シトロン「ああ、すみません…起こしてしまいましたか。僕は発明をしていて遅くまで起きてただけで…」

僕は目をそらしてそう答えた。
これ以上ここにいてはいけない。取り返しのつかないことになる。
何よりも僕の理性が持たない。
ユリーカをオカズにするとは言ったものの、超えてはいけないラインというものがあるのだ。

ユリーカ「なぁんだ。ユリーカを襲いにきたんじゃないんだ。つまんないの」

僕は僅かだが、ユリーカの心が完全に性欲に支配されていないことを願っていた。
しかしそれは儚いものだったようだ。

ユリーカ「さっきからずっと見てたんでしょ?ユリーカのオ○ニー」

サトシによって、ユリーカは完全に壊れてしまった。
ここまでくると悔しさも悲しさもない。あるのはただ、性に目覚める前のユリーカを失った虚しさだけだ。
 ▼ 80 ーメイル@リザードナイトY 18/07/24 22:49:43 ID:UYK2/S7c NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 81 ラッタ@ゴッドストーン 18/07/28 23:58:46 ID:NczEi4Lg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
続きまだかい(´;ω;`)
 ▼ 83 トム@ベリブのみ 18/08/04 08:42:15 ID:29H.ACHc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
まだですか?
 ▼ 84 ァイアロー@オーキドのてがみ 18/08/05 01:10:38 ID:UuQkrB6A NGネーム登録 NGID登録 報告
は、早く続きを…
 ▼ 85 シズマイのパラダイス 18/08/07 07:28:12 ID:9nbAJK2E [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
のっとっていい?
 ▼ 86 リデプス@バトルサーチャー 18/08/07 08:13:24 ID:WMngpGRI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>85
いいけど、この時間はやめとけ。
 ▼ 87 シズマイのパラダイス 18/08/07 09:09:24 ID:9nbAJK2E [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>86
まあそりゃね
 ▼ 88 ーディン@ポイントカード 18/08/07 11:14:44 ID:3u9wel8c [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>87
よろしく
 ▼ 89 シズマイのパラダイス 18/08/07 11:38:19 ID:9nbAJK2E [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
でも文才ないよー?
 ▼ 90 ガヤンマ@バシャーモナイト 18/08/07 13:50:12 ID:01ioP1ME NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
じゃあ書くなよ
 ▼ 91 ロバット@くろいてっきゅう 18/08/07 17:09:45 ID:voecsJvk NGネーム登録 NGID登録 報告
>>89
試しで書いてみて
 ▼ 92 ジギガス@しんかいのウロコ 18/08/07 17:13:48 ID:BNSg3CaM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
頑張れ
 ▼ 93 シズマイのパラダイス 18/08/07 17:15:30 ID:2ODYoBYM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ユリイカ「良くも俺のオナニーを見たな!ぶっ殺してやる!」
シトロン「」
終わり
 ▼ 94 チュール@いいつりざお 18/08/07 21:26:17 ID:3u9wel8c [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>89
そろそろ書いてみて
 ▼ 95 ンキー@ミュウツナイトX 18/08/08 16:47:38 ID:tRsEDLtk NGネーム登録 NGID登録 報告
これ1とフライドンと72の3人が書いてるのか

>>85
君が4人目だ
 ▼ 96 ーテング@スチールメモリ 18/08/08 18:42:49 ID:gleoZaNA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あげ
 ▼ 97 ナッキー@みずたまリボン 18/08/09 23:04:30 ID:Lu6sCMmU NGネーム登録 NGID登録 報告
>>89
結局書かないのかい
 ▼ 98 グマラシ@ガブリアスナイト 18/08/09 23:31:49 ID:Y3s.bXiI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
だろうと思った
 ▼ 99 リマロン@つめたいいわ 18/08/09 23:51:34 ID:ccPIAvhk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
続き誰が書くの?
 ▼ 100 んせきほうイシズマイ 18/08/10 11:49:50 ID:sBEg23Bo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ごめん

厨房やから夜中スマホPCつかえないんや
ほんとーにすまん
 ▼ 101 んせきほうイシズマイ 18/08/10 11:50:12 ID:sBEg23Bo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
宿題も山のようにあるし
 ▼ 102 ーナンス@ねばりのかぎづめ 18/08/10 12:38:55 ID:CLgwBiCg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ユリーカがハート目で腰を振りまくって快楽を貪ってる様が見える見える
 ▼ 103 んせきほうイシズマイ 18/08/10 12:52:00 ID:az1In2i2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
僕はユリーカに殴りかかってやろうかとも思った。しかし本当にそれは虚しさしか残らないのだ。
ユリーカ「で?私とS◯Xしないの?」
バカな妹でバカな兄だ。しかし彼女が自分から誘ってきているのならば…

越えてはいけないラインを越えてもいいのではないのだろうか…!
 ▼ 104 クホーク@じてんしゃ 18/08/11 01:03:54 ID:3eOMHlOU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 105 ガガルーラ@れいかいのぬの 18/08/11 01:08:41 ID:uciM4mnM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 106 ルレイド@まんたんのくすり 18/08/11 01:26:35 ID:GdzI2PH6 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>1の意志を継ぐ者よ、今ここに蘇るのだ
 ▼ 107 ッカグヤ@オーキドのてがみ 18/08/11 01:36:16 ID:2kBwG9Hk NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 108 んせきほうイシズマイ 18/08/11 08:01:14 ID:0cPkWZE2 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>103
ありがとうございます
 ▼ 109 んせきほうイシズマイ 18/08/11 20:50:52 ID:N0icmhxQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>108
どういたしまして
 ▼ 110 んせきほうイシズマイT 18/08/11 22:43:07 ID:0cPkWZE2 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
いや、さすがに妹をこれ以上傷付けるわけにはいかない!

あくまでユリーカを犯すいい言い訳にはならない!

いくらユリーカが壊れてしまったといえ、

二人の恋をこわすような、

そんな事を掏るのはサトシにもユリーカにも悪い!

シトロン「なんですか、それ。特に何も見てませんよ?」

ユリーカ「ふぅん...」

シトロン「ユリーカ、お休みなさい。」

ユリーカ「......おやすみ...」


いいんだ...!これでいいんだ...!

 ▼ 111 んせきほうイシズマイT 18/08/11 22:44:21 ID:0cPkWZE2 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
そんな事を掏るのはサトシにもユリーカにも悪い!

ってなってるけど、「掏る」は「する」です。
 ▼ 112 んせきほうイシズマイT 18/08/11 22:45:11 ID:0cPkWZE2 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
これでーいいのかー?
これでーいいのかー?
 ▼ 113 んせきほうイシズマイT 18/08/11 22:45:51 ID:0cPkWZE2 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ネマシュ
 ▼ 114 ンバス@クロスメール 18/08/13 11:46:48 ID:KW6EXunU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
やらんのかい

葛藤シトロンが誘惑に負けてぶち犯しまくる展開希望
 ▼ 115 んせきほうイシズマイT 18/08/13 23:07:35 ID:9Llsz/fE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>114
みてる人少なそうだからいっか!
ってなってました。すいません。
最近忙しくて
 ▼ 116 ガルカリオ@カビチュウ 18/08/13 23:35:44 ID:Yt6ETQPs NGネーム登録 NGID登録 報告
>>1に書いてもらいたいなあ…
 ▼ 117 イキング@まんまるいし 18/08/14 00:43:17 ID:7e2YRgJE NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
ここでやったらシトロンじゃない
 ▼ 118 イケンキ@シーヤのみ 18/08/15 23:52:27 ID:6xxkffH. NGネーム登録 NGID登録 報告
age
 ▼ 119 ーテリー@フェアリーメモリ 18/08/16 03:06:48 ID:zGC.2vuI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 120 クシオ@だっしゅつボタン 18/08/16 06:58:50 ID:Xdx6NQok NGネーム登録 NGID登録 m 報告
朝から支援
 ▼ 121 ャオニクス@モコシのみ 18/08/19 03:46:55 ID:rIhkIp5Y NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 122 シデ@ミュウツナイトX 18/08/19 09:18:54 ID:x01swcd2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 123 ーマルド@いんせき 18/08/19 09:26:09 ID:79TkrTxM NGネーム登録 NGID登録 報告
朝に上げるな定期
 ▼ 124 プ・コケコ@たわわこやし 18/08/19 22:18:58 ID:tobcdiqA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
しえ
 ▼ 125 ーイーカ@サイキックメモリ 18/08/20 01:23:34 ID:ymUgiQrY NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
 どこかつまらなそうな顔をしたユリーカを残して、僕は一人部屋に戻りました。
 かつての純真さを失い、実の兄さえも男として見ているユリーカを目の当たりにして……。

 一緒に旅をしていた頃。まだユリーカとサトシの'情事'を知らなかったあの頃が、ひどく懐かしく思えました。
 ……あの日からすべてが変わってしまった。

 けれどユリーカばかりが壊れてしまったのではないと、僕はわかっていました。
 妹が旅の仲間に犯されている姿を見て、目を離せなかった自分。
 妹が快楽に溺れ身を任せる姿を覗きながら、沸き起こる劣情を抑えられなくなった自分。
 それまでは考えたこともなかったのに、あの光景を見たとき、僕は自慰をやめることができませんでした。
 あのとき僕がユリーカを性の対象として見ていたのは紛れもない事実でした。
 本当はとっくに気づいていたのに、ただ恐ろしくて、その事実に目を向けることができずにいました。

 ……僕にユリーカを責める資格はありません。
 いえ、サトシを責める資格も僕にはないのでしょう。
 ただ自分が情けなくて、悔しくて、それでも先ほどのユリーカの裸が目に焼き付いて離れなくて、僕の男性器はかつてないほどにそそり立っていました。


 その日僕は泣きながら自慰をして、そのまま眠りにつきました。
 ▼ 126 ッキー@めざめいし 18/08/20 08:42:34 ID:I9Asrzao NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
支援
 ▼ 127 シギバナ@まんぷくおこう 18/08/20 10:29:43 ID:SlJg6yFg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
最初サトユリで続けると思ってたんだけどなぁ……
 ▼ 128 ナップ@ダークストーン 18/08/20 10:44:01 ID:NRS27bpY NGネーム登録 NGID登録 報告
まさかイッチ復活か?
 ▼ 129 ュシュプ@ギンガだんのカギ 18/08/21 20:39:41 ID:cVS2dwL. NGネーム登録 NGID登録 報告
>>125
マジでイッチなのか?

支援
 ▼ 132 キカブリ@バーゲンチケット 18/08/22 18:58:08 ID:fLRcVToU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あげ
 ▼ 134 ンリキー@1ごうしつのカギ 18/08/25 01:09:17 ID:4h8ciQKE NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 135 ロピウス@きんのいれば 18/09/02 22:12:48 ID:28JseXkQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あげ
 ▼ 137 ヤコマ@バンジのみ 18/09/14 00:44:31 ID:LYc.1C8g NGネーム登録 NGID登録 報告
はよ
 ▼ 139 ンドパン@ふたのカセキ 18/09/15 04:00:42 ID:TC.kFASE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ――――――次の日。

 僕は陰鬱な気持ちで目を覚ましました。起き上がるのがとてもだるく、その日一日、寝続けていたいほどに。
 昨日の出来事が、夜の間もずっと脳裏をめぐり続け、僕は一晩中寝ては起きてを繰り返していました。窓のカーテンを開け、日の光を取り入れても、部屋の中が明るくなったような気がしませんでした。

 現実に戻るのが嫌で仕方がありませんでした。それでも僕は、いつもと同じ朝を過ごそうと、洗面所へ向かいました。洗面所の鏡には、徹夜した日よりもひどくやつれた顔が映っていました。僕はそれを見ながら、どんな顔をしてユリーカに会えばいいのだろうと思いました。

 朝食の準備を始めた頃に、ユリーカの部屋の方で物音が聞こえてきました。きっと今起きたのに違いない。果たしてユリーカは、昨日の事を覚えているのでしょうか? 自分のオナニーを実の兄に見られて、何を思うのか。あの時は興奮して誘うような言動を取っていたものの、冷静になった今、それをどう振り返るのか……僕の頭は、やにわに急回転を始め、吐き気が込み上げてくるかのようでした。

 「おはよう、お兄ちゃん」

 結局、僕の懸念などどこ吹く風のように、ユリーカはいつも通りの挨拶をして、洗面所へと移っていきました。
 いつも通りである事が、どこか気味が悪い反面、僕に安堵感を与えてもいました。
 ▼ 140 マタマ@のんきのおこう 18/09/15 04:34:18 ID:TC.kFASE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「今日の朝ごはんは、なんだかさっぱりだね」

 「すみません。僕も起きるのが遅くなって……」

 他愛ない話を交わしながら、朝食を取る、兄と妹。これまで何度あったか分からない何気ないやり取りが、荒んだ心を潤してくれるようでした。
 そう……やっぱり僕とユリーカは、こうであるべきなのです。最も自然的な関係。あの時見えた一線を、越えなかったのは正しかったのです。

 「今日は出かけてくるね」 ユリーカがサンドイッチを手に掴む。

 「どこへ行くんですか?」 ユリーカを見つめながら、僕は尋ねる。

 「デデンネとお買い物〜。ふふっ」 楽しみにするように微笑み、ユリーカはサンドイッチを口に近づけた。

 朱の差す唇。その小さな扉が開かれ、艶やかな舌が顔をのぞかせる。小麦色のサンドイッチが口の中に迎えられ、赤く柔らかな抱擁を受けるのを、僕は瞬きも忘れて見入っていました。

 ユリーカがソレを噛み千切った所で、僕は自分の行為に気付いて、目を逸らしました。
 ▼ 141 シレーヌ@ていきけん 18/09/15 07:06:59 ID:BZtkLfDs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
更新キター
 ▼ 142 ェイミ@ピーピーエイダー 18/09/15 20:01:53 ID:9TxschZA NGネーム登録 NGID登録 報告
やっと帰ってきたか支援
 ▼ 143 ンタロス@しめつけバンド 18/09/17 04:11:24 ID:.xPMlvkY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 144 ゴラス@あかぼんぐり 18/09/18 02:21:15 ID:OxFM82KE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
 朝食を終えてすぐに、ユリーカはデデンネと出かけていきました。
 玄関のドアを開けて勢いよく飛び出していく、はつらつとした後ろ姿は、何年も前からのもの。サトシ達との旅の途中でも、ユリーカはいつも僕より前を歩いていました。

 僕は常に、彼女を後ろから見守っていました。すぐに見失ってしまいそうなほど行動的なユリーカが、危険なものに近づかないように。けれど今のユリーカは、既に危ない橋を渡った先にいるのです。そして昨日の夜は、僕を場所へと招いていた。

 僕がその橋に足をかければ、それはきっとすぐに壊れてしまうでしょう。ユリーカを道連れにして。

 僕がユリーカと堕ちれば、どうなってしまうのか。やめておけばいいのにと思いつつも、僕はユリーカとの妄想を止められませんでした。
 父さんはなんと言うでしょうか。僕を殴りつけるでしょうか。これまで関わってきた人たちの、白い目線が浮かび上がってくる。セレナの軽蔑するような表情。サトシの顔は……。

 「そうでした……サトシが来るんでした」

 唐突に思い出して、僕は妄想を中断しました。今度の水曜日――3日後の再会に備えて、迎えの準備をしなければなりません。一緒に食事とは言っても、サトシの事です。それだけで済むとは考えにくいじゃないですか。

 「少なくとも、バトルにはなるでしょうね」

 僕はさっそく、どのような構成でサトシを迎え撃つか、思案し始めました。楽しくも真剣な、ポケモンバトル。
 ただ今度は……かつて戦った時のように純粋に楽しめるか、自信はありませんでした。

 脳裏に浮かぶのは、どんな時も不敵な笑みを浮かべる、サトシの顔でした。
 ▼ 145 ャスパー@ホロキャスター 18/09/18 02:54:11 ID:OxFM82KE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 サトシは、ユリーカを壊した―――


 頭の中で、そのワードがずっと繰り返されていました。別の事を考えてもみ消そうとしても、まるでサテライトのように、闇へと消えてはまた目の前に回り込むようでした。僕はレントラー達のコンディションを見ながら、この3日間で具体的にどこまでステータスを伸ばせるか計算する事に、神経を集中させようとしました。


 サトシは、尊敬できるトレーナーです。しかし、それとこれとは別問題―――


 「ホルビー?」

 気付けば、ホルビーが心配そうに僕の顔を覗き込んでいました。ホルビーは、気配りの出来るとても賢い子です。僕の心に影が差している事を、すぐに見抜いたのでしょう。

 「大丈夫ですよ、ホルビー」

 ホルビーの頭を撫でながら、不安を与えないよう、精一杯笑みを浮かべました。ぎこちなかったというのが、ホルビーの反応からうかがえました。

 サトシの事を考える度に、僕の感情は黒くなっていくのを感じました。けれども理性は、僕をただただ非難していました。

 ユリーカをおかずにした自分に、サトシを憎む資格はあるのか、と。
 ▼ 146 ノズ@ピントレンズ 18/09/18 03:46:55 ID:OxFM82KE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
 いつの間にか、時間は過ぎていて、知らない間に日は暮れていました。

 ポケモン達の世話に、機械のメンテナンス。チャレンジャーとのジムバトルに、協会への報告書。ジムリーダーとしての多忙な仕事をこなしているうちに、黒い感情はいずこかへと消えていました。
 ユリーカはもう帰ってきたのでしょうか。もう夕飯の時間だし、そろそろ帰宅していないとまずいと思い、僕は様子を見に行く事にしました。

 ユリーカの部屋の明かりはついていました。中からは鼻歌声が聞こえ、ユリーカがいるのが確認できました。さすがに戻ってきてくれていた事にほっとして、僕はドアにノックしました。

 「ユリーカ。戻ってきていたのかい?」

 それなら一声かけてくれればいいのに……そう続けようと思っていた口は、ユリーカの「ひゃっ!?」と驚いた声に遮られてしまいました。

 「もう、お兄ちゃん。おどかさないでよ。お着換え中なんだから」

 「す、すみません……」

 おどかさない為のノックだったんですが……なんて思いましたが、言葉にはしませんでした。まだドアも開けていないけれど、僕は部屋に背を向けて、腕組みをして待ちました。

 お着換え中……何となく、胸がほっこりする言葉だと思いました。服に無頓着な僕と違って、ユリーカは女の子。お洒落には気を遣う方です。旅の中でセレナと共に過ごした事で、その傾向はより強くなったと感じていました。
 とすると、今日の買い物は洋服だったのでしょうか……。まだ戻ってきたばかりだとしたら、随分と時間をかけた買い物だった事になります。どんな服だろうかと空想し始めた所で、ユリーカの呼ぶ声がしました。

 「もう入ってきてもいいよ、お兄ちゃん」

 そう言われて、僕は振り向き、ドアノブに手をかけました。
 ▼ 147 クロム@ギネマのみ 18/09/18 04:35:30 ID:HDjE1aMM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>127
同じく
支援
 ▼ 148 ッコラー@タマゴふかポン 18/09/18 04:35:40 ID:k/5UrpFI NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 149 ガバクーダ@ギンガだんのカギ 18/09/18 04:41:27 ID:SOQMydKs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
神ツレ
 ▼ 151 ガチャーレム@マッハじてんしゃ 18/09/20 00:40:52 ID:fpBwR9ZA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「んふふ。どう? お兄ちゃん」

 「どうって…言われても……」

 扉を開けた僕は、さすがに呆気に取られました。ユリーカが着ていたのは、ポケモンの着ぐるみだったのです。

 「可愛いでしょ! これね、キテルグマっていうポケモンの着ぐるみなんだよ! アローラ地方のポケモンなんだって!」

 黒字の胴体に、ショッキングピンクの頭。カチューシャのような白い耳に、つぶらな瞳。なるほど可愛い……可愛いのでしょうか? ユリーカの感性は、相変わらずどこかズレている気がしてなりません。

 正直な所、期待外れという他ありませんでした。扉を開ける前までの、僕のワクワクな気分は粉々です。もっと可愛らしい―――ユリーカには可愛かったのでしょうが―――少女の服を想像していたのですから。
 僕はずり落ちかけた眼鏡を戻しながら、小さくため息をつきました。

 「か、可愛らしいと思います……。でも、それよりも夕飯なんですけれど……」

 「あーっ! お兄ちゃん、可愛いと思ってないでしょー。ユリーカ、分かるよ?」

 顔しか見えてないユリーカがむくれっ面をする。そんな恰好で怒られても……僕はどうしたらいいか分からず、苦笑いを浮かべるだけでした。

 「しょうがないなー、お兄ちゃんは」そう言いながら、ユリーカが背中に手を回す。

 「それなら、これはどう?」
 ▼ 152 ロッパフ@くさのジュエル 18/09/20 04:22:55 ID:su7s6aEo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 153 オガエン@たいりょくのハネ 18/09/20 04:39:28 ID:fpBwR9ZA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ユリーカが、着ぐるみのファスナーを開けると―――

 「えっ……」

 ―――そこから現れたのは、見た事も無いほど綺麗な、可憐な少女でした。

 天使の羽に包まれたような、白いペチコート。まるで日の光を湛えるかのような、まばゆいブローチたちが、フリルと共に衣装を彩る。露にされた華奢な肩には、ひまわりに似たブロンドの髪が降りかかっていました。そしてその金色の中で、あどけなくも大人びた眼差しが、微笑みと共に僕に向けられていました。

 僕は、妹ではない子と話していたのかと、本当に一瞬、信じました。

 「ゆ、ユリーカなのかい……?」

 「そうだよ。えへへ、驚いた?」

 白い歯を見せて、にんまりと笑う少女。まぎれもなく、僕の妹でした。しかし、こんな……。

 僕は、目を疑うしかありませんでした。こんなにも、自分の妹が、可愛らしいと思えるなんて……。

 息をのむほどに見惚れていると、少女は静かに、僕の方へと歩み寄り始めました。天井から降り注ぐ明かりが、短いスカートを輝かせ、なびく髪を煌かせる。しかし、何よりも僕は、少女の瞳に釘付けでした。少女はじっと僕を見つめていました。果てしない迷宮へと誘い込むかのような、妖艶な光を帯びて……。
 ▼ 154 ワライド@なぞのすいしょう 18/09/20 06:17:50 ID:hAOYX4cw NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 155 ッシー@シルクのスカーフ 18/09/20 07:08:35 ID:ppt6Ymo. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>153
可愛い
支援
 ▼ 156 ャスパー@ヒレのカセキ 18/09/20 07:45:05 ID:NbpAjVuM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>153
一体、その画像……どこで!?
 ▼ 157 ポッコ@こわもてプレート 18/09/20 22:45:05 ID:qRxwOikQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 158 メール@ウルトラネクロZ 18/09/24 00:22:09 ID:9vkMSJ5Q NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 160 ャランゴ@ライボルトナイト 18/09/26 00:33:41 ID:opLA0fMo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「ねえ、お兄ちゃん」

 甘美な声が耳の奥をくすぐる。

 「どうかな? ユリーカ、綺麗?」

 「え、ええ……と、とても……」

 ユリーカの問いかけに、しどろもどろに答える僕。手がドアノブにくっついたまま、離れません。足は床に張り付いたままで、身動き一つ出来ません。僕はユリーカの接近を、ただ惚々と、見つめるだけでした。

 「うふふ、ユリーカ嬉しい。あのね……」

 無邪気さから一転、小悪魔のように笑ったユリーカは―――

 「下着もね、いいの買ってきたんだ」

 ―――そう言って、スカートに手をかけました。


 「だ、駄目です!!!」 


 ドキッと高鳴った心臓の音が、聞こえてしまわないかを恐れて、僕は自分でも驚くほどの大声を出しました。ユリーカは、びっくりした顔をして歩を止めましたが、またすぐ嫣然なる笑みを浮かべました。

 「お兄ちゃん、照れてる。ユリーカの新しい服を見て、ドキドキしてるんだ」

 「ば、馬鹿な事を言わないで下さい……」

 目を逸らしながら、つぶやくような小声で否定しました。空しい抵抗です。

 「ええ〜? でも、耳真っ赤だよ? それに…………膨らんでるよ?」

 僕は―――恥ずかしさで、顔が焦げそうになりました。
 ▼ 161 タドガス@ミュウZ 18/09/26 00:34:26 ID:opLA0fMo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「も、もう! からかわないでください!」

 動揺を誤魔化したくて、僕は強い口調で言い返しました。平静を保つ余裕はとっくに消えています。それでもなおユリーカは詰め寄りました。

 「からかってなんかいないよ」

 紅潮した僕の顔を、見上げるユリーカ。その時、ドアノブを掴んだままの僕の手に、暖かくやわらかなものが被さりました。……ユリーカの手でした。
 僕は、そこで初めて、ユリーカが目と鼻の距離まで近づいている事に気付かされました。防衛本能のような何かが、僕に警報を告げます。

 「ユリーカね、思ったんだ。昨日お兄ちゃんが何もしないで行っちゃったのは……」

 逃げなければ。この手をほどいて、今すぐに―――頭の中で早鐘が鳴り響き、ユリーカの言っている事が上手く処理できません。

 「ユリーカの“セーテキ魅力”が、足りないからだって。だからね、今日はこんなにオメカシしたんだよ」

 ユリーカのもう一つの手が添えられ、僕の手を挟む。

 「だから、来て」

 テコでも動かなかった体が、あっけなく部屋の中へ引っ張り込まれました。
 ▼ 162 ルビー@おとしもの 18/09/26 05:58:33 ID:1cMYmPQw NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
>>72だけどあそこで書くのやめといてよかった
 ▼ 163 スカーン@かるいし 18/09/26 06:03:10 ID:iKkUbTGE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 164 ャオブー@きいろのはなびら 18/09/26 07:46:02 ID:UeY.c6gA NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
てことはこれもう8人目か?
 ▼ 165 ガゲンガー@まひなおし 18/09/28 00:43:26 ID:7nMQ3nGg NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 167 アルヒー@タウンマップ 18/09/29 02:31:16 ID:AU6MB4.M [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「お兄ちゃん、きゃ〜っち。作戦せいこ〜」

 ユリーカは僕を引き込むと、無造作にベッドに押し倒しました。そしてそのまま、押さえつけるかのように僕の上にまたがる。
 混乱し、鼻息を荒くする僕を、ユリーカは目を細めて見下ろす。ほくそ笑むその顔は、これから獲物を食わんとする肉食獣のようで、妹ながら恐ろしい魔性を湛えていました。

 見つめていると、本当に飲み込まれそうで、僕は目をつぶって湧き上がる感情をこらえようとしました。

 「ユリーカ……は、離して下さい……」

 「だめ〜。ユリーカといるのー」

 ユリーカが僕の胸に顔を押し付ける。ドクンドクンと脈打つ鼓動が、一層勢いづいていってしまうのが分かりました。

 押しのけようと思えば出来るはずなのに、どうして僕の体はされるがままなのか……どうして下半身の物がますます強張るのか……考えたくありませんでした。

 「ゆ、夕飯の支度を……しなきゃいけないじゃないですか」

 「それじゃあ、お兄ちゃんは……」

 何とか理由をつけて逃れようとしても、ユリーカは掴んだ腕を離してくれません。悪戯を思いついたような声音で僕を挑発します。

 「ご飯にするの? それとも……アタシにする?」

 どこでそんな言葉覚えてくるんですか……馬鹿らしいほど状況にピタリと当てはまってて、ユリーカが心の底から楽しんでるのが伝わってきました。ハリケーンが吹き荒ぶような僕の心境など、気にも留めていません。

 クスクスと笑う妹に、僕は一言言おうと思い目を開けましたが、そこで目がかち合い、また気持ちが怯んでしまいました。
 ▼ 168 ミッキュ@デボンのにもつ 18/09/29 02:31:57 ID:AU6MB4.M [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「ねえ……本当にして欲しいんだよ? ユリーカに」

 ユリーカがささやくように言葉を紡ぐ。お互いの顔が近すぎて、ユリーカの吐息が顔にまで届きました。きっと、僕の荒い息遣いも、ユリーカに届いています。

 「だ、駄目ですユリーカ……僕たちは……」

 「ユリーカ、淋しいんだよ?」

 刹那に返された一言に、僕は目を背けようとしたのも忘れてしまい、ユリーカの目を見つめ返しました。悲壮な表情。切実な思いの一端を見た気がしました。

 「お兄ちゃん、旅が終わってから、ユリーカの事構ってくれない。ううん、旅の中でも、アタシの事、途中から避けてた。なんで? …やだよ」

 言われて、はっと気づきました。確かにそれは事実だったからです。
 僕は……妹の淫行を見たあの夜から……少しずつ、ユリーカと距離を取っていました。モヤモヤとした気持ちが気まずさを作り出して、知らずに僕を誘導していた……いえ、それだけではありませんでした。僕は打算で動いていたのです。ユリーカを、遠くから見ている方が、僕には良かった……。

 距離が遠い方が、妹が犯されているという事実に蓋をして、心置きなく夜に自慰が出来たのです……。
 ▼ 170 ィアルガ@こだいのどうか 18/09/29 06:14:32 ID:P.1I5VEo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 171 サナン@ライブドレス 18/09/29 06:55:13 ID:Npe24pT. NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おお
支援
 ▼ 172 ライドン◆bSeO.FGqek 18/09/29 22:48:33 ID:qXsYBc6w NGネーム登録 NGID登録 報告
久しぶりに帰ったから支援
コテこれで合ってたっけ?
 ▼ 173 ンドロス@かみなりのいし 18/09/30 00:36:15 ID:rLho.W42 NGネーム登録 NGID登録 報告
1-2 イッチ
35-48 フライドン
72-79 >>72
125- イッチ復活
 ▼ 174 ンパン@エレキブースター 18/09/30 00:41:22 ID:BXSsGahE NGネーム登録 NGID登録 報告
ついでにフライドンも復活
 ▼ 177 ルビル@こううんのおこう 18/10/04 15:33:29 ID:aCEAB3OY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 178 ネコロロ@パワフルハーブ 18/10/04 16:35:14 ID:wuewQDqo NGネーム登録 NGID登録 報告
今北産業
 ▼ 179 ビット@こうらのカセキ 18/10/05 04:17:16 ID:ohgQu5Jg NGネーム登録 NGID登録 報告
あと
一歩で
S○X
 ▼ 180 ンドール@ちからのハチマキ 18/10/09 01:40:28 ID:fZ0IG/bc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 部屋が、静けさに包まれていました。鼓動の音すら反響しそうなほどの静寂。僕とユリーカを襲った沈黙が、時を止めてしまったかのようでした。

 「……気付かなくて、ごめんよ」

 僕は、声を絞り上げました。本当の意味で、恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。二人の関係をこじらせていたのは、他ならぬ僕自身が原因だったのです。
 確かに、ユリーカがサトシと性交していた事はショックでしたし、その激しさに更に衝撃を受けたのも事実です。しかし、ユリーカが僕に対する態度を変えるような事はなかったのです。僕が変えて、どうするというのでしょう? それでどうして、元の関係を望めるでしょう?
 ユリーカに対する、やましき習慣。後ろめたい心。ユリーカがこのような行き過ぎた行動に至ったのも、ある意味僕のせいです。
 ユリーカと真に元の関係に戻るには、僕自身が変わらなければならないと思いました。すると、ずっと張り付いていた重たい何かが、体から離れて行くのを感じました。石のように動かなかった腕がふっと軽くなり、僕は上体を起こして、ユリーカの肩に手をかけました。

 「僕が悪かったです。これからは……もっと大切にしますね」

 正直な謝罪。正直な誓いでした。もうユリーカを慰めの道具にしない。過去の映像は記憶の底に封じてしまおう。明日から、本来の姿で歩んでいきましょう。兄と妹で。

 ユリーカは―――悲しみを映したユリーカの顔がほころび。

 目の端に浮かんだ、一滴の涙を拭いて。



 明るい笑顔で、「うん」と答えてくれました。
 ▼ 181 マージョ@みかづきのはね 18/10/09 01:41:12 ID:fZ0IG/bc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告































 「それじゃあ、お兄ちゃん。責任取ってね」


 …………………………………………………………………………………………………ん?
 ▼ 182 ーデリア@コインケース 18/10/09 01:41:57 ID:fZ0IG/bc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 …………今のは、聞き間違いでしょうか?


 ―――“責任取ってね”―――


 それは……どういう意味なのでしょうか。


 目の前の、妹の顔を見る。屈託の無い笑顔に、ヒントは何も見いだせませんでした。
 僕が意味を問い質そうと口を開きかけた時―――


 ユリーカの両腕が、僕の首に回されて―――



 ユリーカは僕に顔を近づけて―――



 僕の頭はまだビジー状態でした。言葉の意味も、腕を回された理由も……迫るユリーカが目を瞑った真意も、理解できずに―――



 ようやく全てを呑み込んだ時。



 ユリーカの唇が、僕の唇に重ねられました。
 ▼ 183 ンチュラ@マグマスーツ 18/10/09 01:42:43 ID:fZ0IG/bc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ……ユ、ユリーカ! これは一体……!

 ユリーカの突然の行動に、僕は目玉が飛び出そうになりました。しかし口は塞がれ、思いは言葉になりません。顔は押さえつけられ、体はユリーカの重みで動かず、逃れる術がありませんでした。何よりも、口と舌にほとばしる、ゾッとするほどの快楽が、僕の思考を奪い去っていました。

 ユリーカの、ためらいの無い接吻。単なる親愛表現を超えた、舌の絡みつき。僕は何も考える事が出来ないのに、口内の器官は勝手に応じて、その心地よさだけを脳に伝えていました。

 「ぷはぁ……」

 ユリーカが一声漏らすと共に、僕の理性がようやく働きました。腕に力をこめてユリーカの肩を押しのける。まだ食いつこうとしていたユリーカの唇が、光る糸を垂らしながら離れていきました。

 「……えへへ。お兄ちゃんのファーストキス、キープ」

 ユリーカが、悪戯っ子のようにべろを出し、片手を頭に当ててウインクをする。そのまま自分の唇に舌を這わせ、口の中でもごもごとさせました。

 僕の……僕の唾液を味わっているのだと分かりました。

 ▼ 184 ャランゴ@フェアリーメモリ 18/10/09 01:44:50 ID:fZ0IG/bc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 僕は、信じられない思いで妹を見つめました。知らずに息を切らし、ユリーカの肩を押さえつける腕は小刻みに震えていました。下半身の物は……破裂しそうなほどに膨らみ、服の中で窮屈さに呻いていました。

 「はぁ……はぁ……ユリーカ。責任を取るって……」

 そういう事なんですか……? ユリーカは僕に、本当にソレを求めているのですか?
 ただ構って欲しくて、行き過ぎたアプローチをしていたのではないのですか?

 ユリーカの顔を直視できず、僕は俯いて視線を下げました。ユリーカの真新しい白い服が目に映る。そして、その短いスカートから伸びる、やわらかな太ももが、僕の足を挟んでいます。

 僕の盛り上がった股間部分は、ユリーカのスカートに隠されて、見えていませんでした。

 「うん。そうだよ」

 みなまで言わさず、ユリーカは答えました。再び僕の首に腕を回す。

 「だ、駄目です……ユリーカ……それ以上は……」

 僕はか細い声を漏らす。こんなの、聞こえるはずが無いほど小さな声。しかしユリーカはしっかりと聞き取り、優しく微笑みました。

 「駄目じゃないよ」

 ユリーカは腕に力をこめ、自分の体を前に引っ張り出す。僕の股間に、ユリーカの股がぶつかる。脳が激震に揺らぎました。

 ―――やめてください、ユリーカ。これ以上は―――

 もう、もたない。本能の欲求に抗えない。もはや薄いガラスの壁でしかなくなった理性は、押し寄せる欲望の波に今にも砕け散りそうでした。

 僕は言葉を出す事さえ忘れて、ただ念じるように、ユリーカの瞳を見つめました。澄み渡った空のような瞳が、見つめ返してきます。

 「ユリーカね、この日をずっとずっと待ってたんだよ。お兄ちゃんと、一つになれる日を」

 そしてユリーカは、僕から腕を離し、自分のスカートの裾を握りしめました。僕がそこに視線を落としたのを確かめて、彼女はゆっくりとそれをたくし上げる。
 秘められた内側が露わにされた時―――

 僕は―――“タガ”が外れたを感じました。






 「お兄ちゃん。ユリーカのここに、シルブプレ」






 そこには下着など無かったのです。
 ▼ 186 ントラー@キーのみ 18/10/09 07:12:47 ID:A9QY49og NGネーム登録 NGID登録 m 報告
をを
支援
 ▼ 188 イアント@ヨロギのみ 18/10/15 02:08:37 ID:T/DsCl/Y NGネーム登録 NGID登録 報告
は、早く続きを…
 ▼ 189 ロピウス@ゼニガメじょうろ 18/10/18 17:01:19 ID:o/kQN6hw NGネーム登録 NGID登録 報告
続きまだかい
 ▼ 190 ガヤドラン@サイキックメモリ 18/10/19 01:08:42 ID:r.3koa1I NGネーム登録 NGID登録 報告
支援ネ
 ▼ 191 スゴドラ@ハッサムナイト 18/10/19 01:34:40 ID:tPwcgKA. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 何を夢見ていたのでしょうか……。

 何を期待していたのでしょうか……。

 ユリーカはサトシに壊されたと、とっくに知っていたのに……。

 無垢なユリーカ……“僕の妹”であり続けるユリーカを、信じたかったのでしょうか……。

 そんなものは幻想でした。ユリーカは、ただただ欲しかっただけなのです。……抱いてくれる男を。

 それが……サトシであれ、実の兄であれ……どちらでも良かったのです。

 「ユリーカ……ユリーカ!!」

 僕は、またがるユリーカを力任せに横に引いて、ベッドに転ばせました。仰向けになったユリーカを上から被さるように見下ろす。立場が逆転しました。

 僕は、スカートがめくられた場所に目を落とす。晒されたユリーカの恥部。白い肌にうっすら赤色が浮かぶ陰唇。まだ思春期さえ迎えていないまんこに丸みはなく、毛も生えていません。しかし、小さな割れ目には何度となくこすられた痕がくっきりと残っていました。ユリーカが、サトシと繰り返しセックスをした証です。

 ……そんなになるまで、サトシとやっていたのですか……!!

 どうしようもないほどの激情が込み上げてきて、目頭が熱くなるのを感じました。この感情が怒りなのか、悲しみなのか、自分でも分かりません。ユリーカに対してなのか、サトシに対してなのかも。

 ただ、僕がやる事は一つでした。僕はユリーカの肩を抑えていた手を離し、彼女の両腿を掴む。広げさせると、舌を出して顔をそこにうずめました。

 もわっと鼻をつく、ユリーカの匂い。幼い少女特有の、甘ったるい香りに混ざる、汗臭さ。タガが外れた僕の頭をショートさせ、狂ったように吸いこまさせる。

 僕は夢中で、ユリーカのまんこを舐めまわしました。
 ▼ 192 ッチール@ハートのウロコ 18/10/19 01:35:17 ID:tPwcgKA. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 もう、ユリーカをおかずにはしない―――ほんの数秒前の誓いが、思考の片隅で再生される。僕は何の未練も無く、その想いをブラックアウトさせました。
 もう取り戻せない。僕が望んだ妹はもういないと解った今、その誓いに何の意味もありません。

 あるいは……僕は結局、自分の醜い性欲に、打ち勝てなかっただけなのでしょうか?
 ユリーカの性器を味わいながら、頭に浮かび上がる想いは一つでした。

 もっと早くこうしていれば良かった……。

 舌を割れ目に差し込み、奥に眠る空気を口で吸う。その度にユリーカの陰唇がぴくぴくと震えるのが、唇から伝わってきます。

 ユリーカはされるがままでした。目を閉じて、股間の刺激に身を浸らせて……もっとやって欲しいとばかりに、股を突き出していました。

 「あっ……」

 その時、不意にユリーカが声を漏らし、体を一際大きく震えさせました。僕の舌が、ひらひらしたヒダのような場所の先端に触れた瞬間です。

 ……ここなんですね? ここが、ユリーカのして欲しい場所……。

 舌を這わせると、そこが他の部分に比べ、わずかに膨らんでいるのが分かりました。そこを集中的に舐め始めた途端、ユリーカの体が身じろぎしだし、淫らな声を上げる。突然溢れ出した液体を、僕は音を立てて吸い取りました。

 静かな部屋に響き渡る、愛液をすする音と、ユリーカの嬌声。冷え始めた空気と、高まってゆく体温を感じながら、僕たちは時を忘れ、立場を忘れて……。

 ただ悦びに溺れ、快楽をむさぼるのでした……。
 ▼ 193 スキッパ@スペシャルガード 18/10/19 01:36:19 ID:tPwcgKA. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「ユリーカ……すっかり悪い子になってしまいましたね……」

 ひとしきり、ユリーカのまんこを嗜んだ後……僕は攻めの勢いを落として、ユリーカの様子を伺いました。僕の舌遣いにユリーカは息を切らし、首を横に傾けながら、熱い吐息をこぼしていました。

 「……兄に舐められて感じるのですか。そんないやらしい子になるなんて……思ってませんでしたよ」

 空しい思いが胸に立ち込め、僕は舌を這わせるのを止めました。数時間前、サトシに対して抱いた黒い感情が、今更になって再び噴き出して、心を侵食してゆくのを感じました。

 その感情の正体が何なのか、やっと理解できたような気がしました。それは―――幻滅です。

 サトシは、尊敬できるトレーナーでした。しかし……彼は僕の妹を壊しました。

 ユリーカは、愛する僕の唯一の妹……しかし、今はただ、欲望に忠実な、性の奴隷。

 僕に理性が残っていたなら、そこで思考を遮断し、自分の考えを恥じたでしょう。サトシを、ユリーカを、責める資格など無いと非難したでしょう。しかし……今の僕は、もうタガが外れて……。

 邪な心が膨らんでゆくのを、止めようとしませんでした。

 「ユリーカは、僕を挑発し、誘惑しました……その責任があります」

 僕はユリーカの股から顔を離し、立ち上がってズボンのチャックを開きました。狭さから解放されたペニスが、喜びを表すようにそそり立つ。

 僕は、まだ呼吸荒く、肩で息をするユリーカに構わず、煮え滾るペニスをその顔に突き出しました。

 「ユリーカ……やって下さい……」

 ―――サトシにしたみたいに。

 お願いではなく、もはや命令に近い口調でした。

 しかし……心の底では、嫌がって欲しいと思う僕がいました。この期に及んでまだ、僕は小さな望み……無垢な妹像を捨てきれないでいたのです。ユリーカが拒否してくれれば……制御の効かなくなった自分自身を、律する力になると思って……。

 けれどもユリーカは…………

 「お兄ちゃんの、おちんちん……かわいい」

 嫌がる事なく、僕の性器を、その愛らしい小さな手で掴みました。

 朱の差す唇。その小さな扉が開かれ、艶やかな舌が顔をのぞかせる。もりもりに勃起したペニスが口の中に迎えられ、赤く柔らかな抱擁を受けるのを、僕は一瞬も目を逸らさず見つめていました。
 ▼ 194 レユータン@メタルパウダー 18/10/20 00:11:20 ID:X6IQpzuE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 195 ーディ@いんせきのかけら 18/10/21 00:36:28 ID:Nt02m6ww [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ペニスを包み込む、濃密な感触。ユリーカは飴玉を転がすように僕のイチモツを舌で撫で、右手でしごきました。ユリーカの口の中は高まった体温で暖炉のように熱っぽく、僕は暖を取る時のような安心感が体中に広がるのを覚えました。ゆっくりと出し入れする度に、ペニスを挟む唇が皮をこすり、淡い刺激となって僕の身を震わせる。右手はペニスの下半分を握り、口の動きに合わせて根本を優しく引っ張り、押し込むのでした。

 ―――なんて、上手なんだろう……。

 初めての体験に脳がとろけそうになるのを覚えながら、僕は漠然と思いました。僕の膨れ上がったペニスを、ユリーカの小さな口では含みきれないと思ったのとは裏腹に、ユリーカはしっかりと受け入れられたのでした。むしろ、歯が性器に触れないように気を遣う繊細ささえありました。ペニスを扱う動きにも緩急や強弱をつけて、僕は自分でしごく時とは比べ物にならないほど強い快感に、頭が真っ白になりそうでした。

 そしてもう……黒い感情も、理性の妨げも、その白い光の中に霞んで消え去っていました。

 「どう? お兄ちゃん。ユリーカのお口、気持ちいい?」

 わずかに顔をのぞかせる亀頭を舌先でいじりながら、ユリーカが問いかけてくる。僕は弱弱しい声で答えました。

 「は……はい……とても……」

 とても、なんてものではありませんでした。ユリーカのテクニックは想像以上でした。このフェラチオだけでイカせられてしまいそうなほどです。

 こんな年頃の子が、これほどのテクニックを持つものなのでしょうか……それともやっぱり、サトシと繰り返し性交を重ねた賜物でしょうか。僕には知りようもありませんでした。
 ▼ 196 ガチルタリス@グラスメモリ 18/10/21 00:38:08 ID:Nt02m6ww [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「ねえ、お兄ちゃんもベッドに横になって」

 思わぬ提案に、僕は惚けた目をユリーカに向けました。僕のペニスを愛撫しながら、上目遣いに見上げるユリーカの顔。その顔を見せられたら、何をお願いされても拒否できる気がしませんでした。

 「は、はい……」

 言われるがまま、僕はベッドに寝転がる。ユリーカは僕を仰向けにさせると、嬉々とした表情で僕の上に跨りました。……お股を僕の顔に向けて。

 「お兄ちゃん。舐め合いっこ……しよ?」

 僕の眼前にそびえる、小さくぷるんとしたまんこ。太ももとスカートが周りの視界を塞ぎ、目の前の聖域以外に気を散らす場所がありません。そして、正気を失わせるあの深い匂いが、この狭い空間に満ち溢れていくのが感じられました。

 ―――こんなの……すごすぎですよ、ユリーカ。

 蜜を求める蝶が花に誘い込まれるかのように、僕はユリーカのお尻を掴み、まんこを夢中で舐め倒しました。僕のクンニにユリーカは快感の声を上げ、また僕のペニスを咥えました。

 競い合うように、お互いの性器を弄ぶ二人。相手の顔は見えず、ただ弾ける音に耳を傾け、股間の刺激に意識を向ける。このプレイスタイルに、僕は言葉に尽くしがたい悦びを覚えました。

 何よりも、僕ともっともっと密に、性的に交わろうとするユリーカの積極さが、僕を高ぶらせました。
 僕もまた、ユリーカを悦ばせたくて、感じさせたくて、真剣に彼女の性器を慈しむのでした。
 ▼ 198 コリータ@リピートボール 18/10/23 23:32:02 ID:IdogmyFU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 199 ローン@たからぶくろ 18/10/24 01:07:31 ID:yf5c8Huc [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「んっ…っはぁ……お兄ちゃん……もっと…………して…………」

 ユリーカが、甘く滴る声で僕にねだります。僕は期待に応えようとするも、実の所、ユリーカのテクに圧倒されつつありました。ユリーカのフェラチオがあまりに気持ちよすぎて、気を抜くとあっという間にオーガズムを迎えてしまいそうで、クンニに集中するのが難しかったのです。僕の舌の動きが止まると、ユリーカは乞うように腰をゆさゆさと揺らし、僕の顔に股を沈ませました。そして扉を叩くがごとく、まんこを僕の口に押し付けるのでした。下の方では、僕のペニスの皮をむき、むき出しの亀頭を懸命にしゃぶります。

 まさにダブルアタック。激しすぎる攻めに、僕はもう持ちこたえられそうにありませんでした。股間がますます熱くなり、奥に閉じ込めていたものが溢れようとしてくるのが感じられました。けれど、この時間を終わらせるのが勿体なくて、僕は我慢に我慢を重ねて歯を食いしばりました。ユリーカの小さな腰に腕を回し、力いっぱいに抱きしめます。

 「んん……!?」

 突然抱きしめられたユリーカが、ペニスを咥えたまま素っ頓狂な声を上げる。そしてその時、息を吸うのに合わせて引き締まった口内が、ペニスに圧を加えて、神経を快楽の絶頂へと押し上げました。

 …………あっ…………

 もう、駄目でした。僕は快感が急速に膨らむのを覚え、ユリーカを抱き締める腕に力をこめました。それはもはや、耐える為というよりは、逃がさない為の行為でした。

 「ユリーカ……! イキます……!!」

 僕は目を瞑り、体内の濁流に思いを馳せる。このままの態勢でイッてしまったらどうなるか、知りながらも、それをやめられませんでした。
 全てを受け止めて欲しい。ただそれだけを求めて……。

 そして、まさに最後の瞬間。

 ユリーカが力を込めて、噴き上がるものを吸い込もうとするのを、僕は確かに感じました。
 ▼ 200 ヤップ@あかいウロコ 18/10/24 01:08:02 ID:yf5c8Huc [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告









 ―――――――。










 ―――ドクン、ドクンと、脈打つペニス。

 ―――亀頭の先から吐き出され、流れ出てゆく快楽の産物。


 僕は、妹の口の中に射精しました。
 ▼ 201 ビゴン@クロスメール 18/10/24 01:11:13 ID:yf5c8Huc [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「…………………………っはあ……」

 知らずの内に止めていた息が吐き出され、強張っていた体から力が抜けていく。妹の体を抱き締めていた両腕が離れ、ベッドに投げ出されました。
 目を閉じたまま、僕は痙攣する下半身の、快楽の余韻に浸っていました。

 ユリーカは僕のイチモツを咥えたままでした。出せるものを出し切るのを待つかのように。
 やがてチンポが収まるのと同時に、ユリーカは名残惜しむようにペニスを解放しました。同時に、僕の上に被さっていた体をどかしました。

 ―――ユリーカ……。

 視界を塞いでいたスカートが取り払われ、電光が瞼を突く。妹の残り香を纏う空気を吸いながら、僕は激しい鼓動を続ける胸に、収まるよう念じました。

 ―――僕は、なんて事を……。

 夢見心地から、一転。快楽の峠を越えた僕は、心の中に冷えた空気が流れ込んでゆくのを感じました。
 さきほどと変わらぬ場所にいながら、視点が変わったかのような錯覚さえ抱きました。

 目を開けると、ユリーカは僕の横にいました。白いペチコートに身を包んだ妹は、膝をつき、首を下に傾けて、合わせた両手を口元に寄せていました。そして、その小さな口を開けると―――

 ねっとりとした白い液体を、その両手に垂れ落としました。

 僕は―――妹のその姿が、間違いなく、一生目に焼き付くのを覚りました。
 あまりに幻想的で、官能的で…………だけど何よりも、悲しい姿でした。
 ▼ 202 ブリボン@ジメンZ 18/10/24 20:26:28 ID:nbjcyoPg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 203 ゲキ@ピーピーエイド 18/10/25 00:51:41 ID:w5Gkitpk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
素晴らしい支援
 ▼ 204 イキング@リリバのみ 18/10/25 01:08:49 ID:PQ1I6Jlw NGネーム登録 NGID登録 報告
こんなスレあったのか
支援
 ▼ 205 バニア@たつじんのおび 18/10/27 17:54:41 ID:0MQ.kRCA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 206 ジョット@こうらのカセキ 18/10/27 18:03:44 ID:aanAGoXQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援ぅっ!!
 ▼ 207 ーブル@ロックメモリ 18/10/27 18:16:04 ID:zURUla82 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援!
 ▼ 208 ガミミロップ@こだわりハチマキ 18/10/27 23:43:28 ID:VIAgSGic NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 209 ラベベ@すいせいのかけら 18/10/28 01:01:00 ID:102Yi6D. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「……えへへ。お兄ちゃんの……濃いね」

 ユリーカを見つめる僕と視線が合い、ユリーカが目を細める。僕は気恥ずかしさと、いたたまれなさで、思わず飛び起きました。手近にあったティッシュボックスの紙を乱暴に引っ張り出し、ユリーカの汚れた手に押し付けました。

 「え? 拭いちゃうの?」

 ユリーカが思いもしなかったかのように、きょとんとした顔をする。さも僕の行動がおかしいかのような発言に、苛立ちが走りました。

 ―――そんな汚い物を、どうしようというのですか。

 心の中で悪態をつきつつも、答えははっきりと分かっていました。ユリーカがいつも、サトシのそれをどうしていたのか、毎晩見ていたのですから。

 ですが、僕はそれをさせる気になりませんでした。やにわに噴き出してきた感情に突き動かされ、ユリーカの手に溜まった唾液と精液を、わずかな粘り気も残さず拭き取りました。
 ▼ 210 チニン@やけどなおし 18/10/28 01:01:50 ID:102Yi6D. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ―――最低だ……。

 ユリーカの手のひらを紙でこすりながら、僕は自分を呪わずにはいられませんでした。激しい自己嫌悪が、腹の中で渦巻き、脳を焦がすかのようでした。

 どうして今更になって、こんな気持ちが沸いてくるのか。後悔なんて、全てが終わった後では何の意味もありません。
 なんでもっと早く出て来ないのか。訳が分からず、ただただ目頭が熱くなるばかりでした。

 「……ごめんなさい……」

 「えっ?」

 僕の声がよく聞こえなかったのか、ユリーカが聞き返してきました。僕は顔を伏せ、ユリーカの手に目を落としていました。ユリーカの顔を見る勇気はありませんでした。

 「ごめんなさい……僕は……僕は、こんなつもりじゃ……」

 「どうしたの、お兄ちゃん? 急に―――」

 ―――変になっちゃって。

 ユリーカの裏表のない言葉が、ずしんと大きな錘になって胸に落ちる。今のユリーカに、僕の混沌とした気持ちなど分かるはずもありません。


 ―――近親相姦。この行為の罪深さが、幼いユリーカにはきっとまだ分からないのです。


 百歩譲って、サトシと付き合う事は良しとできるでしょう。身を委ね合うにはまだ早すぎるといっても、二人は他人。旅の中で恋愛に発展したとしても、それほど不思議ではないのです。
 しかし、兄と妹では話が別です。まして肉体関係を持つなど、許される事ではありません。

 そう―――許されない事を、僕たちはしてしまったのです。
 ▼ 211 マゲタケ@つきのふえ 18/10/29 01:04:02 ID:SEUIanLQ NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
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 ▼ 212 リーン@ムーンボール 18/11/06 00:34:07 ID:C5XsEzak NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 214 ースター@パイルのみ 18/11/07 00:01:53 ID:DNBQwz72 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告




 「ユリーカ……もうやめましょう」

 長い間の末に、僕は思い切って口を開きました。これ以上、ユリーカの将来に、汚点をつける訳には行きません。

 「ええっ、なんで? お兄ちゃん、気持ちよくなかった?」

 ユリーカが慌てたように聞き返してきました。僕の腕を掴み、顔を覗き込んでくる。僕は目を横に逸らしました。そういう問題ではありません。

 「……ユリーカは、どうしてそんなに僕とやりたいんですか?」

 僕は、この状況を切り抜ける糸口を探していました。濁しもしない言葉で、ユリーカを問い詰める。ちらりと視線を向けると、ユリーカは不安そうな色を浮かべていました。青い瞳が、困惑に揺れていました。

 「なんでって……さっきも言ったよ。ユリーカ、淋しいの」

 ―――ずっと構って貰えなかったから。確かにさっき、ユリーカはそう言いました。そして僕は、そこに後ろめたさを覚えて、ユリーカの勢いに抵抗できなかったのです。しかし…………

 「……本当に、それだけですか?」

 今の僕は、その言葉を鵜呑みに出来ませんでした。まるで疑心暗鬼に取りつかれたかのように、冷たい、突き放したような返し方をしました。
 何が僕にそうさせるのか、自分でも分からないまま……。



 「本当は……」



 ―――次の言葉は、普段ならあり得ない。愛情の欠片も無い、侮辱とさえ取れるもの。
 けれども僕は、何かが外れたままなのに任せて、それを叩きつけるように言いました。



 「本当は、誰とでもいいんじゃないですか?」
 ▼ 215 リボーグ@ボーマンダナイト 18/11/07 00:04:59 ID:DNBQwz72 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ―――遠くから聞こえていた、スズムシの鳴き声。それが一瞬にして、止んでしまいました。
 いえ、止んだのではありません。掻き消されて、聞こえなくなってしまったのです。部屋に渦巻いた、重苦しい静寂に。

 ユリーカの反応がありませんでした。僕の腕を掴む手も、そのままに。まるで凍り付いたかのように。
 予想と外れた状況に、僕は不安を覚えて。恐る恐るユリーカの顔を見ました。するとそこには―――




 ―――我を失ったかのように、真っ白な表情を浮かべるユリーカがいました。


 「…………どうして…………」


 かすれた声が、ユリーカの口から洩れる。信じられないという思いが、ぎゅっと詰まったような声音でした。

 「どうして、そんな、事言うの? お兄ちゃん……」

 声が、不安定な響きを纏う。僕の腕を掴む手が、小刻みに震え出しました。

 ユリーカは、それだけを言うと、唇をきつく結びました。何かを堪えるかのように。けれども、溢れ出るものを堪えられないのが、目を見て分かりました。
 潤んでゆく瞳が、悲しみと、非難を訴えていました。

 僕は、ばつが悪くなって、再び目を逸らしました。状況が良くないのは一目瞭然でした。


 どうしてなのでしょうか……? 正しい方向に持っていこうとしてるのに……そうしたいのに……。

 何もかも、悪化の一途をたどるばかりじゃないですか……。
 ▼ 216 ッタ@カビチュウ 18/11/07 00:11:01 ID:DNBQwz72 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「ねえ、なんで? なんでなの……お兄ちゃんッ……!」

 ユリーカが、黙って俯く僕の腕を揺さぶる。声はもう、今にもしゃくりあげそうな調子でした。

 全て自分が悪いのでしょうか……? いえ、そんなはずはありません。
 そもそもこの状況自体、僕の望んだ事ではないのです。ユリーカが―――


 ―――ユリーカが、責任を取ってなどと、僕を誘惑するから……。


 腹の底で、くすぶる思いが立ち込めていました。僕だけが責められるいわれは無いという声が、耳の奥で木霊しています。段々と、分かってくれないユリーカの態度が、苛立たしいと感じられてきました。

 「……いい加減にして下さい。こんな事しちゃいけないって、分からないんですか? ちゃんと考えてください。もう……子供じゃないんですから」

 完全に拒むように、一気にまくし立てました。自分の言葉とは思えないほど、冷淡でした。

 正直、ヤケクソに近い思いでした。何が「子供じゃない」というのでしょうか。自分のポケモンを持てる年齢にすらなっていないユリーカを相手に……。

 けれども、今はそんな言葉しか出てきてくれませんでした。

 そして……それを口にした時でした。



 ユリーカの拳が、胸に叩きつけられました。



 「もうやめて!!」

 ユリーカが、金切り声を上げながら、もう一つの手を振り上げる。

 「お兄ちゃんは、そんな事アタシに言わない! 言わないよ!」

 爆発したように、感情を込めて、ユリーカは再び拳を打ちました。

 「こんなの、お兄ちゃんじゃない!!」
 ▼ 217 ンゴロ@まんぷくおこう 18/11/07 00:13:12 ID:DNBQwz72 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 叫びとともに、何度も何度も、ユリーカは拳を打ちつけました。痛くもない、弱々しい力で。けれども、とても重い拳でした。

 僕は、黙っていられませんでした。ユリーカの両手首を掴み、力ずくで抑えました。ユリーカの言い分は、とても好き勝手に思えたのです。

 ―――こんなの違うというのは、僕の台詞です。

 性の虜になって、毎晩のように淫らな行為に走り……。
 あまつさえ兄にまで色気を出して、欲情を誘うなんて……

 ―――こんなの、ユリーカじゃない!

 「だっておかしいじゃないですか!!」

 まるでユリーカに当てられたかのように、僕も興奮し、意図しない強い口調で言い放ちました。どうしても言い出せなかった思いが、抑圧から逃れたように、ぽろぽろとこぼれ出していきました。

 「一昨日まで、何ともなかったのに! どうしてサトシが電話した瞬間、こんな風になるんですか!!」

 「なんで!? サトシは関係ないよ! アタシは……!!」

 「関係ない訳ないじゃないですか! だって、ユリーカは…………!!」












 「毎晩サトシとやってたじゃないですか!!」


 ▼ 218 マシュ@こおりなおし 18/11/07 00:13:39 ID:DNBQwz72 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告






 ―――それが、とどめでした。



 「……うっ…………うぅ……………………」


 横に引きつった口から、苦痛に歪んだうめき声が洩れ―――


 「ううぅぅ〜〜〜〜っ〜〜〜〜〜…………………………」


 細めた目の端に、大粒の涙を浮かべ―――



 「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんッ!!! あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」



 ―――ユリーカは、号泣しました。
 ▼ 219 ーボック@もえぎいろのたま 18/11/07 00:15:12 ID:iN5Yf.82 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
シトロン
 ▼ 220 ギアナ@レンズケース 18/11/07 00:16:23 ID:iN5Yf.82 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>219途中送信
シトロンらしさが伝わる有能スレだあ…
支援
 ▼ 221 ピアー@チイラのみ 18/11/07 02:08:30 ID:Eq4kNAoI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 222 ルフーン@きぼんぐり 18/11/09 21:58:22 ID:y6BIyL5o NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 223 クリュー@がくしゅうそうち 18/11/14 14:02:34 ID:gdb.zA0E NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 224 メノデス@ピーピーマックス 18/11/16 01:12:47 ID:rL5EmqWA NGネーム登録 NGID登録 報告
 ―――その後はもう、どうする事も出来ませんでした。

 堰を切ったように泣き出したユリーカを、なだめる術はありませんでした。

 言葉をかけても一層泣き声を強め、僕が手を差し出しても、両腕をがむしゃらに振り回して一切の接触を拒むのでした。

 とめどなく溢れるユリーカの涙と、止まない嗚咽の声。それを見せつけられるうちに、僕の奇妙な興奮は次第にやんでいきました。心には、ただただ悔恨の念が渦巻くだけでした。

 ―――本当に、間違ってしまった……。

 ユリーカを泣かせてしまった。何よりも避けたかった現実を、招き寄せてしまったのです。

 僕は、ユリーカを守りたいんじゃなかったのか……自分の愚かさを呪わずにはいられませんでした。

 悔しくて……不甲斐なくて……僕は、眼が焦げそうになる想いでした。閉じた瞼の隙間から、雫がこぼれ、頬を濡らしました。

 僕は、よろよろとベッドから降りると、まだ泣きじゃくるユリーカを残して、部屋を後にしました。
 ユリーカをそっとしておきたかったのと……僕自身が、独りになりたかったのです。


 僕は自分の部屋に戻ると、眼鏡を放り捨て、自分のベッドに飛び込み―――


 枕に顔をうずめ、歯を食いしばりながら―――


 ―――枯れるまで、涙を流し続けました。
 ▼ 225 ライガー@こおりなおし 18/11/16 01:16:44 ID:T.5w7XjA NGネーム登録 NGID登録 報告
えち
 ▼ 226 ゲキ@こだいのツボ 18/11/16 02:58:20 ID:F4T2O8XY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 227 マンタ@ヤミラミナイト 18/11/17 23:33:34 ID:VpLM8BK. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 228 リゴンZ@まんまるいし 18/11/17 23:34:42 ID:Trnkcppc NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
まだあったのか
 ▼ 229 コッチ@アンノーンノート 18/11/17 23:59:35 ID:anxca6w. NGネーム登録 NGID登録 報告
よく見たら半年経ってんのな
 ▼ 230 ノノクス@ソクノのみ 18/11/18 01:25:00 ID:WcWI8e32 NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシはまだ来ないのか?
支援
 ▼ 231 ザンドラ@こうてつプレート 18/11/20 00:05:29 ID:m1.wQy7. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
気付いた時には、翌朝を迎えていました。

 昨晩は結局夕飯をすっぽかしてしまい、お腹はぺこぺこでした。空腹感に起こされたような格好です。
 いつもの場所に置かれていなかった眼鏡を手探りで見つけ出し、僕は毎朝の習慣にとりかかりました。

 始めはクラクラした感覚も、体を動かすうちにすっかり抜けていき―――代わりにやってきたのは、期待感でした。
 ごく普通の日常。何気ない家族の光景。その時間がまた来るのです。昨日は悲しい形で幕を閉じましたが、一晩泣き晴らした僕は(自分でも驚くほどに)すっきりとした心持ちをしていました。きっとユリーカも、昨日よりは落ち着いてくれているに違いありません。

 昨日の朝、何事も無かったように「おはよう」と言ってくれたユリーカの姿が思い浮かぶ。チゴラスのパジャマ姿で寝ぼけ眼をこする様は、思わず吹き出しそうになるほどのチグハグ感があり、また可愛らしくもありました。
 そう言えば、昨日の朝食はさっぱりとしているという感想を漏らしていました。今日のは、もう少し手間暇をかけたものを作りましょう。幸い昨日よりも早く目覚めたので、時間はたっぷりあります。

 ―――仲直りの印、の意味もこめて。

 陽気なハネッコのように、心を弾ませながら、僕は滅多にやらない贅沢な調理を始めました。ユリーカの機嫌が直るのを願って。ユリーカの喜ぶ顔が見たくて―――



 ―――けれど、いつまで経っても、ユリーカは起きてきませんでした。
 ▼ 232 テッコツ@どくけし 18/11/20 00:24:15 ID:m1.wQy7. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 …………どうかしたのでしょうか?

 椅子に座り、リビングのドアと時計の針を交互に見やりながら、僕はユリーカがやってくるのを待っていました。目の前には、やり過ぎなほど豪華な朝食が並んでいます。お腹が耐えかねるように唸り声を上げていましたが、ユリーカと共に過ごす時間が恋しくて、僕はひたすら無視するのでした。

 しかし、じりじりと過ぎていく時間。冷めていく料理。不安がよぎり始め、踊るようだった心も、次第に地団駄を踏むがごとき様相に変わっていきました。
 辛抱つきて、僕はユリーカを呼びに行く事にしました。出来れば近づきたくなかった、ユリーカの部屋に……。


 ユリーカの部屋の前に立つと、僕はノックをする前に、深呼吸をして、聞き耳を立ててみました。
 部屋の中は、しんと静まり返り、わずかな動きの気配さえしません。誰も中にはいないと思えるほど、音という音が行方知らずでした。

 僕は、気まずさが募るのを感じながらも、ドアをノックし、部屋の向こうに呼びかけました。

 「ユリーカ……? 起きているかい……?」

 慎重に、おどかさないようにゆっくりとしたノック。穏やかな口調。けれども、反応はなし。

 まさか、本当にいないのか……胸騒ぎがして、僕は意を決して、ドアノブに手をかけました。

 「入るよ」

 断りとともに、重い空気を纏うドアを押し開けて、僕は嫌な思い出を作った部屋へと踏み入りました。
 ▼ 234 ーナノ@はがねのジュエル 18/11/20 22:56:28 ID:6oLEbsKM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
続いてたのね、支援
 ▼ 235 ルフォン@Zパワーリング 18/11/20 23:12:47 ID:1kGsfpOY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 236 メハダー@とけないこおり 18/11/21 05:18:33 ID:6pw64Hp. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 237 ドキング@ハバンのみ 18/11/25 01:02:54 ID:1866c4uo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 238 テノ@こうてつプレート 18/11/27 00:15:44 ID:gSRg96js [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告


「…………」

 部屋に踏み入った僕は、まるで時渡りでもしたかのような錯覚に襲われました。

 重たい空気……脱ぎ捨てられた着ぐるみ……床に放り投げられたティッシュ……。昨日の夜、最後に見た光景が、そのまま残っていました。あの時間から、時が進んでいないかのようでした。
 ただ一つ違うのは―――


 ベッドの上で毛布にくるまり、眠る妹の姿だけです。


 ―――なんだ、いるじゃないですか。

 一瞬前の不安が杞憂で終わった事に、胸をなでおろします。もしや、家出をしてしまったのではないかと、本当に想像してしまっていたのです。昨日の今日とあって、自分も少し考え過ぎな所があったようです。

 ユリーカは、僕に背を向ける形で横になっていました。寝顔は見えません。毛布に覆われていない後ろ髪だけが、そこにいる事の証でした。
 僕はふと、ユリーカがいつも着るチゴラスのパジャマを思い出しました。あれを着て寝ているなら、後ろ髪は見えないはず。とすると……。

 ―――ユリーカは、昨日のあの服を着たまま……。

 昨日の、ユリーカの姿がフラッシュバックする。可愛くもどこか大人びた趣を醸し出す、純白のペチコート。優しそうで、とてもずるい心を映した笑顔。そして、想像もしなかった真実を秘めた、スカートの内側……。

 ―――駄目だ駄目だ、何を考えているんだ、僕は……。

 頭を振って思考を遮断する。予期していましたが、やはりこの部屋に来て、昨日の事がまざまざと思い出されてきました。またおかしな感情が芽生えないうちに、ここへ来た目的を遂げてしまいましょう。

 「ユリーカ。起きて下さい。もうとっくに朝ですよ」

 声をかけるも、ユリーカはピクリとも反応しませんでした。相当深く寝入っているのでしょうか……?


 近くまで行って、肩を揺すろうか―――そう思った僕は、しかし、すぐに違うと気付きました。

 「…………ユリーカ、起きてますよね?」

 ▼ 239 ブキジカ@チャーレムナイト 18/11/27 00:16:33 ID:gSRg96js [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 何故だかは分かりませんでした。何の根拠もなく……ただ直感的に……ユリーカは起きていると感じたのです。

 強いて言うならば、雰囲気でしょうか。すやすやと穏やかに寝ている……という雰囲気ではなかったのです。

 僕は、何故かだんまりを決め込むユリーカの傍まで近寄り、顔を覗き込みました。……冷めた目で壁を見つめるユリーカの顔が、そこにありました。

 「……ユリーカ。起きているなら、返事ぐらいして下さい」

 「…………」

 不平をこぼしてみても、ユリーカの知らぬ顔は変わりません。僕に構うつもりなど、さらさらないと言わんばかりです。

 「起きない気ですか? ……今日は、とっても豪華な朝食を用意したんだけどな〜……」

 「一人で食べればいいじゃない」

 ようやく口を開いてくれたかと思いきや、出た言葉はにべもない。あっちへ行けと言われたも同じで、物悲しさを禁じ得ませんでした。こんなあからさまな態度を示すユリーカを、僕はよく知っています。

 ―――すっかり拗ねてしまったようですね……。

 心の中で、溜息をもらす。時々ですが―――旅の中でも起きた事ですが―――僕が、ユリーカを心配する余りきつく言ってしまった時などに、ユリーカはこうなってしまうのです。
 普段は、とても素直で、物分かりの良い妹ではあるのですが……一旦我慢を過ぎると、なかなか許してはくれません。

 思えば、今回も全く同じでした。僕がユリーカの行いを正そうとして、きつい言い方をしてしまった……。

 ……いえ、昨日はいつもよりよっぽど酷い言い方をしてしまったと思います。今振り返ると、あの時の僕は、どうかしていました。ユリーカの心を、深く抉るような事ばかり言っていたのです。それも全て、ユリーカの為などではなく、ただ僕がその場から逃げたいが為だけに……。

 ―――嫌われて、当然ですよね……。

 ▼ 240 レフワン@みかづきのはね 18/11/27 04:32:11 ID:3iXo8zi6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 241 クフーン@ブーカのみ 18/11/27 18:54:49 ID:uSckNVn2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援おおおおお
 ▼ 242 ンターン@プラスパワー 18/11/28 02:37:50 ID:fYhYLl2M [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 胸が、締め付けられるような感覚がしました。朝の清々しさが、乾いた風に吹かれてどこかへ消えていってしまい、空しさだけが残りました。自業自得とは、この事です。

 ―――けれど、せめて本心だけは伝えたい……。

 「ユリーカ……………………昨日は、ごめんよ」

 未だ目も合わせてくれない妹に、僕は謝罪の言葉をかけました。ユリーカを傷つけたかったんじゃない事。ユリーカの気持ちを蔑ろにしてしまい、心の底からすまなかったと思っている事。

 そして何より、ユリーカを妹として大切に想っている。それだけは変わらない事……。

 偽りない本音を述べると、僕は唇を強く結び、ユリーカの反応を待ちました。許してくれなくてもいい。せめて、気持ちだけは受け止めて欲しい。そう願って。

 長い沈黙が二人の間を流れました。重たい空気に息苦しさを感じ始めた頃、ようやくユリーカは返事をしてくれました。

 「お兄ちゃん、本当に悪いって思ってるの?」

 顔をそむけたまま、問い詰めるユリーカ。僕は迷うことなく「はい」と答えました。

 「それじゃあ……」

 わずかに首を動かし、横目で僕を見つめるユリーカ。刺すような、疑り深い眼差しでした。

 「お兄ちゃんは私の事、愛してくれる?」

 「それは……」

 僕は、これには言葉を詰まらせました。ユリーカが言っているのは紛れもなく、家族愛ではなく、男女としての愛だと分かったからです。そしてもちろん、ドラマのような純愛などではなく……本能をむき出しにした肉体の交わりに違いありません。
 

 ―――僕は……どうしたらいいんですか……?

 ▼ 243 ロッパフ@スチールメモリ 18/11/28 02:40:27 ID:fYhYLl2M [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ユリーカの気持ち。それがもし、本当に本当なら、僕は応えるべきなのでしょうか……?

 許されるなら、そうしてもいい。けど、本当にそれは正しい答えなのでしょうか……?

 僕は……兄ではなく、一人の男性として、ユリーカを幸せに出来るのでしょうか……?


 どんなプログラミングよりも難しい、ユリーカの問い。0か1かで答えられるほど単純ではなく、軽くもない。けれど、どちらかしか選べない問い。

 僕が回答に迷った事で、ユリーカはもう察したかのように、また顔を背けてしまいました。

 「やっぱり。お兄ちゃんは私に悪い事したなんて思ってない」

 「そ、そんな事は……」




 「もう知らない! お兄ちゃんなんか、大っキライ!」




 それ以上は話もしたくないとでも言うように、ユリーカは毛布を頭まで被り、完全に会話を断ち切ってしまいました。弁解の余地さえも、もうありません。



 ―――これが、現実ですか……。



 やるせない。ただただやるせなさだけが、胸を埋め尽くしました。


 気持ちだけでも伝わって欲しかった。けれども、それすらも届かない。僕とユリーカの間には、大きすぎる溝が広がっていました。
 ▼ 245 ンジュモク@すいせいのかけら 18/11/28 16:55:42 ID:sw2wa6kg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
全部読んだけど書き方上手くてすげえ読みやすい!!
 ▼ 246 ルネロス@カメックスナイト 18/11/28 17:28:23 ID:yl4IVSSo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>245
途中で何回か作者変わってるぞ
 ▼ 247 ミロップ@PPかいふくポン 18/11/30 23:32:45 ID:oKaQNRyI NGネーム登録 NGID登録 報告
>>246
マジか
みんな凄すぎやろ
 ▼ 248 クーン@シールぶくろ 18/12/01 01:01:34 ID:wrAcbswU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
イッチ最初だけ書いてもう書かないとか言っておきながらここまで続けてくれて嬉しいわ
支援
 ▼ 249 ライオン@ぼうごパッド 18/12/02 00:02:06 ID:cMC.ruh. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 『ポッポー ポッポー』

 カチカチと音を鳴らしていた時計から、鳥ポケモンの人形が飛び出して、人工的な鳴き声を上げる。もうジムを開く時刻がやってきました。
 僕は、わだかまりを抱えつつも、ユリーカの部屋を後にしました。今はそっとしておくしかありません。僕自身にも、考える時間が必要でした。

 ユリーカと、どう向き合っていけばいいのか……。

 一時の気の迷いとはいえ、僕とユリーカは昨日、明確に兄妹の一線を越えてしまいました。決定的なあの行為にまでは及ばなかったとはいえ、もう以前の関係は破綻したと言っていいでしょう。ユリーカのストレートすぎる求愛が、それを物語っています。

 一つだけ気がかりなのが、ユリーカの気持ちは本物かどうかという事です。正直なところ、僕はユリーカの気持ちが本物だとは思えませんでした。一種の衝動……サトシと電話で話をして、性欲が呼び起されたとしか思えないのです。だから、その性欲を満たす為だけに、傍にいる僕を求めているのならば……決して応じてはいけないはずです。むしろ、是正させる事が兄としての務めでしょう。

 けれど、もし今、はっきりとノーと言ってしまったら……。

 ユリーカはもしかしたら、僕を嫌いになってしまうかもしれません(さっき既に言われてますが……)。
 いえ、ユリーカを間違った道から引き戻せるのなら、嫌われるくらい安いものでしょう。それよりも怖いのは、僕を置いて、どこかへ行ってしまう事です。性欲を満たしてくれるような相手を探しに…………。

 ……そう、サトシの許へ……。



 それは……そんな事は……堪えられない事でした。
 ▼ 250 ディバ@グラスシード 18/12/02 00:05:03 ID:cMC.ruh. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ユリーカはまだ幼い少女です。そんな駆け落ちみたいな事、認められるはずがありません。
 いえ、それ以上に、僕がユリーカと離れ離れになるのが嫌なのです。ユリーカとはこれまでずっと一緒に過ごしてきた。離れて過ごした事など、殆どありません。
 旅の最中、サトシとのジム戦に備えて、一足先にミアレジムへと戻った時ぐらいです。

 ―――こんな理由で喧嘩別れなんて、あんまりじゃないですか。

 けれど、ではどうすればいいと言うのか。全く思いつきもしません。

 ユリーカともっと話し合わなければならない……けれど、今のユリーカは、僕の話になど聞く耳持たないでしょう。のんびり落ち着くのを待っていたら、サトシが来る日を迎えてしまうかもしれない。
 いっそユリーカの気持ちに応えてしまうのは……いやしかし……。

 「はあ……これでは堂々巡りですね」

 溜息をこぼす。どうやら、今の僕には、自分だけで解答を出す事は困難のようです。

 「シトロイド……聞こえるかい」

 僕は、ポケットに入れていた小さな通信機を取りだし、話しかけました。人の声を模した電子的な声が返ってきました。

 「声紋認証ヲ確認シマシタ。シトロン様、オハヨウゴザイマス」

 「おはよう。悪いけど、少しの間、ジムを任せてもいいかい?」

 「了解シマシタ。ジムリーダー代行モードヘ移行シマス」

 シトロイドは、僕の手で作り出した、人工知能搭載の人型アンドロイドです。料理から、ポケモンバトルまで、様々な仕事をこなせる自慢の発明品。僕たちがサトシらと一緒に旅をしていた時も、ジムの運営を一手に引き受けてくれていました。
 旅を終えてからはずっと僕がジムリーダーとして勤めていましたが、今日は久々に稼働して貰う事にしました。……ある事をする為に。

 僕は自分の部屋に戻ると、デスクのパソコンを起動しました。メッセージツールを立ち上げ、連絡先リストを開く。さほど多くないリストの中の、ある人物を指定する。

 ―――自分で答えが出せないならば、他人に相談するしかありません。

 苦渋の決断ですが、今はそうするしかないと思いました。このままでいいはずがないのですから。

 けれど、デリケートな問題ゆえに、それが出来る相手は限られます。父さんには伝えたくはありません。出来れば身内には、この事を知られたくありませんでした。何より、僕には信頼できる人がいます。

 その人になら、打ち明けてもいい。いえ、その人以外にはいないと確信していました。僕とユリーカの問題に、踏み入る事を許せる人物。誰よりもユリーカの傍にいてくれた、あの子なら……。





 宛先―――――――《セレナ》。
 ▼ 251 バコイル@ポロックキット 18/12/02 00:09:07 ID:4/O6MD8k NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 252 ギギアル@セシナのみ 18/12/02 00:18:59 ID:2HX6Icrw NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナネキkrkr
 ▼ 254 プ・コケコ@やすうりポン 18/12/02 21:57:38 ID:b7tI5OYI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 255 ガアブソル@ムシZ 18/12/03 00:37:00 ID:wUFYgGPY NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナきた!これで勝つる!
支援
 ▼ 256 ウオウ@むらさきはなびら 18/12/06 00:54:03 ID:PVFAs/G2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 『拝啓。お元気ですか?』

 かつて共に旅をした少女にメッセージを送る。内容はシンプルに、大事な話があるので早急に(出来れば今日中に)連絡が欲しい、というもの。いつでも待っていると添えて、送信しました。

 セレナは僕やサトシと同年齢の女の子ながら、ユリーカとも気心の知れた仲です。とても責任感が強く、旅の間は常にユリーカの傍らに立ち、守ってくれていました。同じ女の子同士という事もあって、ユリーカにとっても良き相談者、理解者となって、僕とはまた違う親密な関係を築いてきました。だからこそ、僕も信頼を寄せています。


 ―――セレナなら、きっと力になってくれます―――


 セレナは、カロスの旅が終わった後、夢を叶える為の修業として、一人ホウエン地方へと旅立っていきました。別れてからもユリーカとはまめに連絡を取り続けていますが、僕とは時々しか直接のやり取りはしていません。彼女の近況は、ユリーカから聞かされてばかりでした。


 ―――早めに都合がつくといいのですが……。


 メッセージツールを使えば、いつでもセレナのデバイスに伝言を送れます。しかしポケギアを持たない彼女と通話をするには、主にポケモンセンターの専用機を使わなければなりません。セレナがその近くにいればいいのですが、旅がてら、それが出来ないケースもあるでしょう。

 僕は、文章のやり取りではなく、直に話がしたかったのです。


 とりあえず昼まで待とうと思い、椅子から立ち上がった時でした。ピコンという電子音と共に、メッセージツールに通知有りのアイコンが浮かびました。セレナからの返信です。

 届いたメッセージを開き、そこに書かれたたった一つの文に目を通した僕は、思わず目を皿にしました。

 『今ポケモンセンターにいる。すぐに通話できるけど、大丈夫?』

 ……渡りに船とは、この事だと思いました。
 ▼ 257 ガバンギラス@どくけしのみ 18/12/06 00:57:01 ID:PVFAs/G2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告


 「シトロン、久しぶり! 元気だった?」


 「はい。セレナも元気そうで、何よりです」


 久方ぶりに話す、かつての旅仲間。嬉しい気持ちを隠しきれないような、セレナの屈託ない笑顔に、僕も思わず笑みがこぼれました。彼女の笑顔には、人を安心させる不思議な力が秘められています。


 「まさか、今ポケモンセンターにいるなんて思いもしませんでした。てっきり、旅の道程の途中かと」


 「うーん、朝の特訓で、結構みんな疲れちゃったから、休んでたの。バトルってすごく大変。今しみじみと思ってるわ」


 セレナは、ホウエン地方でポケモンコンテストに挑戦しています。ポケモンの美しさを競うという、カロス地方のトライポカロンによく似た競技ですが、セレナによると、その趣は全く別物だと言って差し支えないという事でした。
 ポケモンとトレーナーの共演が主流のトライポカロンとは違い、コンテストではよりポケモンに主眼を置いた審査基準となっていて、ポケモンと技への理解がもっと重要になっている。そして一番の違いは、バトルの腕前も試されるという事でした。


 「サトシのバトルをずっと見てきたから、少しは自信があったんだけど……闇雲に攻撃してるだけだと、かえって不利になっちゃうのよね」


 セレナはそのルールの違いに戸惑い、まだコンテストリボンを獲得するに至っていないようでした。けれど、彼女の表情には、憂いや焦りの様子は見られません。


 「自分に足りないものは何なのか、少しずつ見えてきた気がするの。テールナー達もついて来てくれている。次は絶対に優勝を決めて見せるわ」


 ―――あるのは、溢れんばかりの自信と強い志。彼女の瞳を見ていると、初めて会ったあの日から、本当にすごく成長したのだと切に感じられました。


 「…………それで」


 そんな彼女の目の灯が、不意に真面目な色を帯びる。


 「…………大事な話って、何?」


 「…………はい。実は…………」


 僕も、和んだ空気を払いのけ、重たい口調で切り出します。


 「……その前に、近くに人はいませんか? 出来れば、内密にしたい話なので」


 「安心して。そうだと思って、個室のモニターを使ってるわ……“大事な話”って、そういうものでしょ?」


 さすがの気配りに、頭が下がる思いでした。
 ▼ 259 ルシアン@かたいいし 18/12/09 00:45:43 ID:UGg2F.b6 NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 260 サイドン@ポイズンメモリ 18/12/12 00:02:45 ID:3HkwgpIU [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「……そう、ユリーカが……」

 「はい……」

 僕は、これまでの経緯を大まかに説明しました。ユリーカが僕に性行為を求めるようになったこと。僕が……欲にかられて、危うく応じてしまいそうになった事。そして僕がユリーカを拒んだ事で、ユリーカがすごく機嫌を損ねてしまっている事まで。

 ……さすがに、お互いの性器を舐め合ったなど、細かい所は伏せましたが。

 「それで、シトロンは仲直りしたいのね?」

 真剣な面持ちで聞きに徹してくれていたセレナが、おもむろに問い質します。

 「はい。ユリーカは今、僕の話を聞いてくれそうにない状態で……だから、セレナに間に入って貰えないかと思って……」

 「一つだけ、気になる事があるんだけど……」

 セレナが、僕を真っ直ぐに見据えて言いました。

 「どうしてユリーカはそんな行動に出たの?」

 セレナの問いに、僕は胸を詰まらせました。彼女が聞いているのは、ユリーカが僕を誘惑するようになった、そのきっかけの事です。

 当然と言えば当然の疑問です。何の理由もなくユリーカが急変する訳がありません。
 元はと言えば、サトシからの電話が起因です。しかし、それを言ってしまっては、何故サトシからの電話でユリーカの性欲が誘発されるのか、説明が必要になります。

 ……セレナの気持ちを知っていれば、サトシとユリーカの関係を明かす事は、躊躇われる事でした。

 「……さ、さあ……僕にも、心当たりがさっぱり……」

 もしセレナが二人の秘密を知らなければ、その真実は間違いなく彼女の心を傷つける。そう思ってぼかそうと思った僕は―――


 「シトロン、誤魔化さないで」


 ―――あっさりと嘘を見破られてしまいました。
 ▼ 261 ジロック@あかぼんぐり 18/12/12 00:03:44 ID:3HkwgpIU [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「……シトロンは、相変わらず、中身が顔に出やすいんだから」

 やや呆れたように、苦笑気味に言うセレナ。僕は申し訳なさに、顔を俯かせるしかありませんでした。

 「何があったのか……本当の事を知らないと、ちゃんとした助言は出来ないと思うわ」

 「……そう、ですよね……やっぱり……」

 セレナの言う事はもっともでした。しかし、やはり僕はまだ心を決めきれないままでした。

 ―――本当に伝えてしまっていいのでしょうか? セレナはまだ、サトシの事を想っているはず……。

 逡巡とする心を持て余して、ただ黙ったままの時間が過ぎていく。ややの沈黙の後に、やがて口火を切ったのはセレナでした。

 「…………ねえ、シトロン」

 僕がちらりと上目遣いに見ると―――

 ―――セレナは、目を伏せたようにうつむき、こぼすような静かな声音で続けました。

 「ひょっとして…………サトシが、関わってたりする?」



 ―――言葉が、脳にこだましました。
 ▼ 262 ズモー@うしおのおこう 18/12/12 00:06:56 ID:3HkwgpIU [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ―――知っていたのですか? セレナ……。


 僕は、信じられない思いでセレナを見つめました。セレナがサトシとユリーカの関係を知っていたなんて、とても考えられなかったのです。そんな節は一度も見せた事はありませんでした。

 ―――もし知っていたのなら…………一体、どんな気持ちで旅を共にしていたのですか……?

 「…………もう。やめてよ、シトロン」

 僕が顔が固まるほどに驚いているのを見て、セレナは吹き出すように笑いました。

 「中身が顔に出やすいって、さっき言ったばかりじゃない。……その様子だと、図星みたいね」

 「な、なんで分かったんですか……!? 知ってたんですか……!?」

 「女の勘よ。何も知らないわ。知ってたって、何の話?」

 けろりと言い切るセレナに、僕は空恐ろしいものを感じました。僕をまじまじと見つめ返すセレナの目からは、全く本心が読めませんでした。

 僕だけが一方的に心の内を見透かされる事に、やや不満を感じつつも、こうなっては隠す意味もないように思えました。一応は背中を後押ししてくれたのだと思って、僕は意を決します。

 胸の詰まりを吐き出すように、大きく深呼吸をして―――

 「……そうです。サトシから、電話があったからです」

 ―――僕は、僕たちの旅の裏の側面―――サトシとユリーカの情事を―――粛々と話し始めました。
 ▼ 263 ニリッチ@タラプのみ 18/12/12 00:19:05 ID:hg.kT/I. NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナすこ
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 ▼ 264 ナトーン@ながながこやし 18/12/12 00:26:32 ID:3HkwgpIU [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 全てを打ち明けるのは、とても辛いでした。
 いつの間にか形成されていた、サトシとユリーカのセックスの習慣。猛獣のような荒々しさで繰り広げられた、雄と雌の交尾。普段の二人からは考えられない、考えたくもない姿。
 それを見ていながら……妹が凌辱される姿を目の当たりにしていながら……止めに入る事が出来なかった自分。その結果、ユリーカが性の奴隷に落ちぶれてしまうのを、許してしまった。

 そして……セレナの気持ちを知りながら、今の今まで一言も言わなかった事。自分が困った時になって、ようやく真実を話した事。

 後ろめたさで吐き気が込み上げてきました。セレナは今、僕をどう思っているのでしょうか?

 真摯に話に耳を傾けてくれている裏で、腹の底ではどんな感情が渦巻いているのでしょうか?


 僕は……この期に及んで、一つだけ嘘をつきました。
 サトシとユリーカのセックスを止めなかった理由を、4人の関係が壊れるのを恐れたからだと、でっち上げたのです。

 ……いえ、半分は嘘ではありません。僕が見て見ぬふりをしていれば、みんなこれまで通りに過ごせる……そう思ったのは確かです。
 けれど……その一方で、サトシとユリーカのセックスを観賞しながら抜いていたという事は、伏せたのです。ユリーカが快楽に喘ぐ姿に興奮させられていた事は、決して言い出せませんでした。

 奇しくも、セレナがその話を不審がる様子はありませんでした。先ほどはすぐに嘘を見抜いていただけに、内心ほっとします。

 けれど……僕が妹を守れなかった無様な兄なのだけは、揺るぎない事実です。セレナが僕を軽蔑するには十分でしょう。

 一方で、サトシの事は、どう思ったのでしょうか……? 好きな人が、自分以外の……それも未成熟な少女を乱暴に犯していたなんて、とても受け入れられない話でしょう。

 そんな話はデタラメだ、と思われてもしょうがないくらいです。セレナはサトシをとても慕っていました。サトシへの信頼も人一倍のはずで、僕の話を信じられなくても不思議ではないのです。

 それもあって、サトシの裏の顔を伝える事は気が引けたのです。もし僕の話を信じて貰えず、嘘つきのレッテルを貼られてしまったら、セレナの協力は得られなくなってしまうかもしれないからです。

 ―――セレナ……どうか、信じて下さい……。
 ▼ 266 ツハニー@ヘラクロスナイト 18/12/12 00:33:44 ID:3HkwgpIU [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「シトロン……」

 ややあって、セレナが固そうな唇を動かしました。視線は僕の瞳に向けられていて、真実を探るかのようです。
 果たして彼女の口から飛び出た言葉は、僕の想像通りでした。

 「今までの話……全部嘘じゃないって、断言できるのよね……?」

 ―――やはり、疑われてしまいますか……。

 恐れていた展開……セレナが味方になってくれないかもしれない事態に、僕は冷や汗が頬をつたうのを覚えました。
 しかし、ここで引いてしまっては、本当に信用を得られなくなってしまいます。僕とユリーカのこじれた関係を修復するには、どうしてもセレナの助力が必要です。


 僕は拳を握りしめて、真っ直ぐにセレナを見つめ返しながら、答えました。


 「……全部本当です。断言します」



 そしてセレナは―――



 「そう……………………分かったわ、シトロン。信じる」



 ―――全ての不安を拭い去ってくれるような、曇りない笑顔を見せてくれました。

 ▼ 267 ルバット@きれいなウロコ 18/12/12 01:02:48 ID:S1MMT8J. NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 268 ゾノクサ@シルクのスカーフ 18/12/12 01:11:32 ID:NArQm88Q NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 269 シャマリ@カイスのみ 18/12/12 04:31:26 ID:iSrsZnMM NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
後ろにBGM欲しいと思った

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 ▼ 271 レキブル@リピートボール 18/12/17 00:44:04 ID:IseoXocM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「ほ、本当に信じてくれるのですか……?」

 「当たり前じゃない。シトロンがユリーカの事でおかしな事を言うはず、ないもの」

 「あ…ありがとうございます…!」

 セレナの言葉が、胸に風を吹かせるかのようでした。一瞬前の不安を全て吹き飛ばしてくれて、感謝の想いだけが残りました。

 「それじゃあ……」

 セレナはにこりと笑うと、画面の端で何か手を動かしながら、今後の事について話し始めました。

 「今心配なのは、サトシが来たら、またユリーカに手を出しちゃわないかという事ね」

 「そう、ですね……ただサトシが来るのは明後日なので、僕としては、まずはユリーカを宥めて、話し合いが出来ればと思うんですけど……」

 「分かってるわ。ユリーカにもちゃんとシトロンの気持ちを分かって貰う必要がある。でも、今すぐには無理だと思うわ」

 「ど、どうしてですか……?」

 「ユリーカはただ拗ねてるだけじゃないのよ。立ち直るだけでも、かなりの時間がかかると思う」

 ―――拗ねているだけじゃない……? 一体どういう意味なのですか?
 訳が分からず、きょとんとしてしまった僕は、即座にセレナに心の内を見抜かれました。

 「シトロン……もし私がユリーカの立場なら、きっと同じようにガッカリしてるわ」

 「ええ!? ぼ、僕、そんなにまずいんですか……!?」

 「はあ……ユリーカが心配してお嫁さん探しをしちゃうのも、頷けるわ」

 ほとほと呆れ果てたと言わんばかりのセレナ。僕は混乱したまま何も言い返せず、ただ縮こまるしかありませんでした。

 「いい? シトロン。ユリーカが落ち込んでるのはね…………」

 本当はこういうの、口に出さず察してあげるべきなんだけど……と、断りをいれるセレナ。画面に顔を近づけ、誰もいないのに内緒話でもするように手を口の横に持ち上げまして言いました。

 「失恋のショックで落ち込んでるのよ」

 ……………………………………………………………………はい?
 ▼ 272 バメ@ミストシード 18/12/17 00:50:36 ID:IseoXocM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「しつ、れん……?」

 「そう」

 大真面目な顔で、セレナは言い切りました。
 僕はと言うと、目を丸くし、開いた口が塞がらなくなってしまいました。

 ―――セレナの言っている事は、つまり……ユリーカは僕の事を……。

 「そこまで落ち込むなんて、そうとしか思えないじゃない」

 「い、いえ……落ち込んでいるというか、あれはへそ曲げてるというか……」

 あまりに突拍子もない話に、狼狽えるしかありませんでした。僕はずっと、ユリーカはただ本能的なセックスを求めているだけだと思っていました。つまり、そこに人としての恋愛感情はあるはずが無いと考えていたのです。
 けれど、セレナはどうやら、全く違う観点から問題を見ているようでした。ユリーカの気持ちが本物だからこそ、この現状に至ったのだと主張しているのです。

 「もちろん、気持ちの伝え方として正しい訳じゃないわ。そこはサトシとの経験がユリーカにそうさせてしまったのだと思う」

 「けど……どっちにしろ、僕はそれに応えられないですよ。兄妹なんですから」

 急に恋の話になって、少々むず痒さを覚えつつ、どうにか答える僕。

 「分かってるわ。あくまで応じないというのは、間違ってない。ただ……フラれる側は、そう簡単に割り切れるものじゃないから……」

 そう言うセレナの目は、どこか哀愁を帯びているように感じられました。まるで同じ思いを経験してきたかのようです。

 ―――フラれる側……。

 ひょっとしてセレナは、既にサトシに想いを告げていたのでしょうか……?
 僕が知らなかっただけで、セレナの恋は決着がついていたのでしょうか……?

 分かりません。セレナもサトシも、最後まで何も言わなかった。
 いえ、サトシはともかく、セレナは仕方ないのかもしれません。もしそうだとして……失恋の苦い思い出なんて、とても口に出来るものではないでしょう。

 ―――ああ、だから……。

 だからセレナは呆れたんですね。僕が、ユリーカの気持ちに気付いてない事に……。

 ―――口にすべきではない。けれど、察してあげなければならないと言った意味が、今ようやく分かりました。

 「……僕は、駄目な兄ですね」

 「どうしたの、急に?」

 「……いえ、なんでも」

 「シトロンは間違った事はしてないって言ったじゃない。自信をもって」

 にこりと笑ってフォローしてくれる。内に潜めた想いを感じさせない振る舞いに、いじらしささえ感じられました。
 しかし……言葉が少し胸を抉るようでもありました。セレナが思っているほどに、僕は潔癖ではありません。間違いを犯した事実を、隠しているのですから。
 ▼ 273 ジョット@パイルのみ 18/12/17 00:53:10 ID:IseoXocM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「それで……僕はどうすればいいのでしょうか?」

 「シトロンはこれまで通りにしてて。変に突き放したり、機嫌を取るような事はしなくていいわ。ありのままに……でも、放っておくような事は絶対ダメよ」

 「わ、分かりました……」

 聞いていて非常に微妙なラインだと思いました。正確に実行できるか、自信が湧きません。

 「それから……」

 セレナは、一呼吸おいてから、続けました。



 「サトシについては、私が話をつけるわ」



 「え?」


 聞き間違いかと思うような発言に、僕は思わず聞き返してしまいました。
 ―――話をつけるって……セレナが?

 「だから、そう言ったの」

 セレナは至って真剣な顔で答えました。まさに寝耳に水の展開に、僕は慌てて手を振ります。

 「い、いや、そこまでしてくれなくても……第一、どうやって?」

 「もちろん、直接会って話をするに決まってるじゃない」

 「だって、来るのは明後日ですよ? 今セレナは、ホウエン地方にいるはずじゃあ……」

 「うん。だけど、大丈夫。ギリギリ間に合うと思うわ」

 セレナはそう言って、自分のガイド用端末を画面にかざす。ホウエン地方のマップが表示されていました。

 「今キンセツシティにいるの。この間は……ここ、シダケタウンでコンテストの大会をやって……次はこっち、カイナシティに行く予定だったの。そのカイナシティから船が出てて、すぐに空港まで行けるようになってるの」

 順番に町を指で指し示す。コンテストの大会をしたという町にはマーキングがされており、それと同じマーキングが、目的の町にも記されていました。
 僕は、その意味をすぐに理解しました。

 「セレナ……もしかして、次の大会が開かれるのって、そこじゃないんですか?」

 「……うん、実はそうなの。でも、気にしないで。コンテストは、またあるから」

 セレナはそう言って笑顔を作る。しかし、ポケモンコンテストでは本選出場に五つものリボンを集める必要がある事を、僕は知っています。

 ―――まだリボンを獲得できていないセレナが、そんなに楽観視していられるはずがありません。

 「駄目ですよ、セレナ! そこまで迷惑はかけられません!」

 「ううん、もう決めたから。大切な友達が困っているのに、駆け付けない訳にはいかないもの」

 思い直すよう訴えるも、セレナの意志は変わらず。右手に持っていたガイド用端末を下げると、代わりに2枚の紙を持ち上げて見せました。

 「私はカロスに戻るわ」

 ―――その手にあったのは、船の搭乗券と、ラティアス空港のチケットでした。
 ▼ 275 ッピ@フラットコール 18/12/17 03:11:11 ID:8ilgNjc2 NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 276 ルノズク@ドリームボール 18/12/18 02:45:25 ID:7l0oroQg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「もう発行しちゃった」

 ちょっぴり舌を出して、ウインクをしてみせるセレナ。先ほど手を動かしていたのは、このチケットを予約していたのだと理解しました。

 僕は―――僕は何と言えばいいのか、言葉もありませんでした。
 セレナの心遣いに、ただただ、感謝の気持ちが溢れて……。

 ……瞳が潤んでゆくのを感じました。

 ―――こんなにも、親身になってくれるなんて……。

 セレナにとって、コンテストへの出場は決してお遊びではない。自分の夢を叶える為の、大切なステップなのです。しかし、それを投げだしてでも、彼女は僕らのもとへ駆けつけると言うのです。


 “仲間”の絆を、感じずにはいられませんでした。


 「もう、シトロン。感動しすぎ」

 「だ、だって……」

 僕はもう、頭も上がらず……。

 恥ずかしくて、顔を手で覆い隠すしかありませんでした。
 ▼ 277 チュール@レッドカード 18/12/18 03:06:16 ID:7l0oroQg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告




 「……シトロン。ユリーカのやっている事も、サトシがした事も、両方とも間違ってる」

 ―――やや置いて、セレナが静かに語り始めました。

 「こんな事になったなんて、正直、今でも信じられないくらい。でも、私はシトロンの話を信じる。だから―――」

 目を塞いでいた手をどかし、画面の向こうの彼女を見やる。決意を湛えた相貌が、そこにありました。

 「―――絶対に止めさせましょう」

 「……………………はい」




 話はそこまでになりました。
 セレナは、すぐに出発しないと間に合わないという事で、そのまま通信を切りました。
 カロスへの到着時間などは、メッセージツールでおって伝えるとだけ言い残して。

 僕は、部屋の時計に目を向けました。とっくに朝の時間は過ぎていて、太陽がプリズムタワーの真上に来ている頃でした。驚くほど長く話し込んでしまっていたのです。

 僕はしばらく、大きな安堵感の余韻に浸っていました。セレナが最後に残した一言が、抱えていた疑問と不安を払拭してくれていました。

 ―――ユリーカのやっている事も、サトシがした事も、両方とも間違ってる―――

 僕はずっと、ユリーカの行為に応じるべきか否か、迷っていました。
 ユリーカとサトシの仲を、認めるべきか否か、迷っていました。

 けれども、セレナは間違っていると、断言してくれたのです。
 それが今の僕には、何よりも強い支えになってくれました。

 セレナに相談して良かったと、本当に思いました。


 ……ユリーカの状況を失恋と判断したのは、ちょっと予想外でしたけど。
 ▼ 278 カチュウ@すいせいのかけら 18/12/19 03:50:59 ID:vrYEUlKY NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
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 ▼ 279 ニドリル@ちからのハチマキ 18/12/19 22:47:08 ID:w4Ygk5TI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 280 マクロー@ゴージャスボール 18/12/22 02:09:24 ID:J3fEzZlE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

セレナとの話を終え―――

 僕は確かな進展を実感しつつも、そろそろ日常に戻らなければならないと考えていました。ジムの事を、シトロイドに任せきりにしています。一応はジムリーダーの代行が出来るとは言っても、シトロイドに出来ない仕事も勿論あります。僕がやらなくては、ミアレジムは正しく回りません。
 その前に、もう一度ユリーカの所へ行く事にしました。リビングを通った時、朝食が未だ手付かずのままだったのを見たのです。きっとまだ部屋から出ていないのだと思い、少し躊躇いつつも、注意をする事にしました。

 「ユリーカ……まだ起きてこないのかい?」

 妹の部屋の前で、ドアをノックして呼びかける。相も変わらず、中からは返事は返ってきませんでした。
 こんな時間まで部屋の中に閉じこもるのは、あまり関心しない。いくら―――もし仮に、セレナの言う通りだとして―――失恋で落ち込んでると言っても、栄養は取らないと体に毒です。間違いでなければ、ユリーカは昨日の晩から何も食べてないはずです。
 僕はじれったい気持ちを抑えて、冷静にセレナの言葉を思い返しました。突き放したり、機嫌を取るような事をする必要は無い。これまでと同じ、兄妹としての接し方をするようにと言っていました。

 「……ユリーカ、僕はそろそろジムの仕事をしに行かなくちゃいけない。朝ごはんはラップに包んで冷蔵庫に入れておいたから、起きたら必ず食べるんだよ」

 それだけを言い、僕は部屋の前から立ち去りました。
 これでいい。どの道無理に言っても、今のユリーカは聞く耳を持ってくれないでしょう。落ち着くまで待つしかない……と、自分に言い聞かせて。



 ……部屋の中まで確認しなかったのは、僕の落ち度です。



 間もなく僕は、異変に気付かされました。
 ポケモン達にご飯を与える時間になって、一匹がいない事に気付いたのです。


 その一匹とは、紛れもなくあの子―――


 ユリーカが最も大切にしている、デデンネです。
 ▼ 281 クロム@ポフィンケース 18/12/22 02:10:30 ID:J3fEzZlE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「まさか……ユリーカが?」

 ミアレジムには、ポケモン達を休ませるための、専用の部屋を作ってあります。モンスターボールに入れたポケモン達を置いておく為の部屋です。
 僕のポケモンはみなそこで夜を過ごしますが、デデンネだけは例外で、普段はユリーカと一緒に寝るのが日常でした。しかし、昨日の夜は、ユリーカの部屋にデデンネはいなかった。

 ……僕をセックスに誘う為に、ユリーカはデデンネをポケモン専用部屋に預けていったはずでした。

 「シトロイドなら、知っているはず……」

 今日の朝は、ジムリーダー代行の役目を負ったシトロイドが、この部屋を訪れています。その時、デデンネのモンスターボールを見なかったでしょうか……?

 「ハイ。朝ニデデンネノモンスターボールガアルノヲ見カケマシタ」

 問い質して見れば、予想通り。確かに朝の時点では、デデンネのモンスターボールはここにあったようです。
 この部屋はポケモン泥棒対策として、キーコードを知る者しか入る事が出来ないようになっています。そのコードを知っているのは、僕と、シトロイドと、ユリーカの3人のみ。後は誰も入る事が出来ません。

 ……ユリーカはいつの間にか部屋から出て、デデンネのモンスターボールを回収したという事です。

 それだけなら、別段問題はありませんでした。ようやくユリーカが部屋から出た明確な証拠だったからです。
 しかし、虫の知らせと言いましょうか……妙な胸騒ぎを覚えた僕は、ユリーカの部屋に急行しました。
 そして僕はそこで―――


 ―――もぬけの殻となった部屋を目の当たりにしました。
 ▼ 283 リキザン@イリマのノーマルZ 18/12/22 23:32:18 ID:4oOAIkbs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援!
 ▼ 284 ギギシリ@リンドのみ 18/12/29 16:02:55 ID:vTog40.g NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
支援
 ▼ 285 シェード@だいだいバッジ 18/12/31 18:36:29 ID:0u9suCyM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 286 プリン@はいぶくろ 19/01/01 02:06:40 ID:w5kQb4qM NGネーム登録 NGID登録 報告

 ―――こんなの異常だ……。

 ユリーカが、何も言わずに出かけるなどあり得ません。いつも、出掛ける時は必ず伝えるように言いつけてきたのです。
 だから、ユリーカがデデンネを連れて忽然と姿を消した事実に、僕は動揺を禁じ得ませんでした。

 今朝に頭をよぎった不安が、ここにきて再浮上してきました。もしかして本当に、家出をしてしまったのでは……?

 「……そんな事、ないですよね、ユリーカ……?」

 ぽつりと零した一言が、とても空しいと感じられました。

 プリズムタワーの管理室へ行き、数多ある防犯用監視カメラを通じてユリーカを探しましたが、影も形もありませんでした。
 職員に聞いても、ユリーカをタワー内で見かけた者は殆どおらず、ただ一人の目撃者によると、出入り口に続く通路を歩いていたと言います。

 ユリーカが外へ向かったのは、間違いないと見ていいでしょう。

 外へ向かっている所を見られたのは、ほぼ正午の時刻。セレナと話し込んでいる間に抜け出て行ったのでしょう。
 一度は部屋まで赴いたにもかかわらず、僕は3時間もの間、妹の不在に気付かなかったのです。

 自分の不甲斐なさに歯ぎしりする思いでしたが、心の中にはもう一つ、疑問の念が浮かび上がっていました。

 ―――どうして急にこんな行動を?

 ユリーカの考えが、よく分かりませんでした。塞ぎこんで閉じこもっていたかと思えば、黙って外出して……僕への当てつけなのでしょうか?
 単なる反抗期であれば、それほど心配する必要も無いのですが……。

 僕は何度もユリーカのポケギアに電話を入れました。部屋を確認した時、ポケギアは残っていなかった。今もユリーカの手元にあるはずでしたが、しかし一向に呼びかけに応じてくれませんでした。徹底的に無視されているのです。

 ―――探し出さなきゃ―――

 過保護かもしれないと思いつつ、こんな状況で不自然な行動を取る妹を放っておく事など出来ず、僕は連れ戻す事に決めました。

 「結局、今日一日ジムをシトロイドに任せきりにするしか無さそうですね……」
 ▼ 288 メグマ@まるいおまもり 19/01/01 11:08:21 ID:X9YQxBgk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 289 クシオ@スピードパウダー 19/01/07 20:27:19 ID:T3Ss8jt2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 290 ッチャマ@しずくプレート 19/01/10 18:59:44 ID:7xL6udsY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 291 イティオ@コンペボール 19/01/11 00:47:55 ID:9elsHLIM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

ユリーカの行き先について、心当たりのある場所は無い……かといって、広く複雑なミアレシティを闇雲に探したのでは、明日になっても見つかりっこありません。
 しかし、心配は無用。僕には、ユリーカを見つけ出すアテがありました。

 まさか、こんな場面で役に立つ事になるなんて、思いもしませんでしたが……。


 「今こそ、サイエンスが未来を切り開く時、ですね」


 それは僕がつい先日完成させたばかりの発明品でした。元々は、体温から生体を探知するマシンでしたが、僕はこれを更に改良させ、人々の役に立てる装置へと進化させました。
 ポケモンの出す特殊なパルスを広範囲で探知・解析する事により、そのポケモンの種類を特定し、個体単位で識別が出来るというナイスなマシンなのです!

 カロスリーグ時のフレア団の起こした騒動により、共に暮らすポケモンが行方不明になってしまった家庭は少なくありませんでした。大切な家族を失ってしまった苦しみは、とても言葉に出来ないほどです。彼らのポケモンをどうにか見つけられないか……そう思っていた所に、協会より装置の開発をして欲しいという依頼が舞い込んできたのです。開発費も援助してくれるとあって、僕はためらう事なく承諾したのでした。

 ―――過去に造った時は、そこの関係で、生体の特定までは出来ませんでしたからね……。

 そんな経緯から、僕は何日もかけてこの装置の発明に取り組み、一昨日にようやく完成させる事が出来ました。この装置が完成した時は思わず舞い上がるほど喜んだものです。しかし、完成の為に遅くまで残ってしまったばかりに、ユリーカの自慰の現場を見てしまう事になってしまったのですが……。

 ―――今度こそ、僕の役に立ってくださいね。

 僕はマシンのスイッチをオンにしました。探知対象はあくまでポケモンで、人間を探すのには使えませんが……あのポケモンを探せば、ユリーカの居場所も自ずと判明します。

 それは勿論、デデンネ―――
 ▼ 292 ランテス@ブロムヘキシン 19/01/11 00:51:13 ID:9elsHLIM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 コミカルな電子音を鳴らしながら、装置が起動する。プリズムタワーの中枢システムにアクセスし、ミアレシティの随所に設置された探知用アンテナを稼働させる。

 間もなく、ミアレシティ全土をカバーする探知システムが目覚めました。

 本当は、まだ完成の報せを昨日協会に報告したばかりで、使用の許可は下りてはいないのですが……今回ばかりは事情が事情。後で上手く誤魔化しておきましょう。

 装置の画面には、すぐさま大量のポケモンがリストになって表示されました。ミアレシティに住まう全てのポケモンが、種類も居場所も、この画面一つで確認できます。

 「……悪用されたら、きっと大変な事になりますね」

 パンドラの箱を開けたような気分をわずかに感じながら、僕は画面を操作する。詳細設定から、探知対象をでんきタイプに絞りました。更に探知条件に「登録済み」を指定する。こうする事で、モンスターボールに捕獲されていない野生のポケモン―――例えば下水道などに生息しているポケモン達―――を除外する事が出来ます。
 すると、リストから対象外の項目が消え、わずか数十匹のポケモンのみが残りました。この町で、人にゲットされて暮らしているでんきタイプのポケモンは、存外少ないという事です。リストにはそのポケモンの種類と保護済みかどうかが表示され、そして、画面内のマップに、黄色いマークでそのポケモンの居場所が示されていました。

 目当てのデデンネは———いました。プリズムタワーより北東、ノースサイドストリートから反応が見つかりました。ちょうどイベールアベニューの突き当りにある建物にいます。

 僕は疑問に首をかしげました。
 ユリーカはあんな所へ何をしに行ったのでしょう?

 予想もしていませんでした。ノースサイドストリートは、ユリーカが普段から行くような場所ではありません。ユリーカがよく行く場所としては、様々なお店が並ぶブランタンアベニューか、サロンやプラターヌ博士の研究所があるサウスサイドストリートが主です。北の方には、自分の記憶の限りでは、ユリーカの興味を引くものはなかったはずです。

 ———あの場所には何があったでしょうか……?

 思い出そうとして眉間にしわを寄せていた僕は、ふと、画面の中の気になるものに意識を奪われました。デデンネがいるとされる建物に、別のでんきタイプのポケモンもいると表示されているのです。そのポケモンの種類をリストから確認した僕は……

 ……全身に、電流の様な悪寒が走るのを覚えました。



 もう一匹のでんきタイプのポケモンの種類は―――ピカチュウでした。
 ▼ 293 メックス@ポイズンメモリ 19/01/11 00:53:28 ID:9elsHLIM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 コミカルな電子音を鳴らしながら、装置が起動する。プリズムタワーの中枢システムにアクセスし、ミアレシティの随所に設置された探知用アンテナを稼働させる。

 間もなく、ミアレシティ全土をカバーする探知システムが目覚めました。

 本当は、まだ完成の報せを昨日協会に報告したばかりで、使用の許可は下りてはいないのですが……今回ばかりは事情が事情。後で上手く誤魔化しておきましょう。

 装置の画面には、すぐさま大量のポケモンがリストになって表示されました。ミアレシティに住まう全てのポケモンが、種類も居場所も、この画面一つで確認できます。

 「……悪用されたら、きっと大変な事になりますね」

 パンドラの箱を開けたような気分をわずかに感じながら、僕は画面を操作する。詳細設定から、探知対象をでんきタイプに絞りました。更に探知条件に「登録済み」を指定する。こうする事で、モンスターボールに捕獲されていない野生のポケモン―――例えば下水道などに生息しているポケモン達―――を除外する事が出来ます。
 すると、リストから対象外の項目が消え、わずか数十匹のポケモンのみが残りました。この町で、人にゲットされて暮らしているでんきタイプのポケモンは、存外少ないという事です。リストにはそのポケモンの種類と保護済みかどうかが表示され、そして、画面内のマップに、黄色いマークでそのポケモンの居場所が示されていました。

 目当てのデデンネは―――いました。プリズムタワーより北東、ノースサイドストリートから反応が見つかりました。ちょうどイベールアベニューの突き当りにある建物にいます。

 僕は疑問に首をかしげました。
 ユリーカはあんな所へ何をしに行ったのでしょう?

 予想もしていませんでした。ノースサイドストリートは、ユリーカが普段から行くような場所ではありません。ユリーカがよく行く場所としては、様々なお店が並ぶブランタンアベニューか、サロンやプラターヌ博士の研究所があるサウスサイドストリートが主です。北の方には、自分の記憶の限りでは、ユリーカの興味を引くものはなかったはずです。

 ―――あの場所には何があったでしょうか……?

 思い出そうとして眉間にしわを寄せていた僕は、ふと、画面の中の気になるものに意識を奪われました。デデンネがいるとされる建物に、別のでんきタイプのポケモンもいると表示されているのです。そのポケモンの種類をリストから確認した僕は……

 ……全身に、電流の様な悪寒が走るのを覚えました。



 もう一匹のでんきタイプのポケモンの種類は―――ピカチュウでした。
 ▼ 294 ルミル@きれいなハネ 19/01/11 01:15:34 ID:/yvE9ct6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 295 ッコラー@オレンのみ 19/01/11 21:42:26 ID:3EJomx7c NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 296 ラキオン@メトロノーム 19/01/17 00:19:01 ID:XKSYFLJk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ―――嘘だ……。

 僕は、目を疑わずにはいられませんでした。食い入るように、画面の表示を見つめます。
 間違いなく、デデンネと同じ場所に、ピカチュウがいると表示されていました。

 「いや、そんなハズはありません……偶然に決まっています……」

 そうです。そんな訳があるものですか。


 ―――サトシがもう来ているなんて、あり得ない!


 心臓が、どくどくと激しく脈打ち始めていました。嫌な予感が間欠泉のように湧き上がって、汗となって吹き出していきます。

 約束では、サトシが来るのは、まだ明後日のはず―――このピカチュウがサトシのピカチュウであるはずがありません。

 「きっと、たまたまピカチュウを連れたトレーナーがそこにいるだけです……」

 そう自分に言い聞かせて、僕は必死に焦燥を抑え込もうとしました。そしてその時、このマシンの備わるもう一つの機能を思い出しました。

 登録済みのポケモン―――つまり、人に飼われているポケモンは、その親トレーナーの情報がポケモン協会に登録されている。そしてその情報は、このマシンで参照できるのです。このマシンのシステムはポケモン協会の協力の元に造られている為、協会が有するトレーナー情報も、見る事が出来るのです。

 ―――このピカチュウの、親トレーナーの情報を見れば……。

 誰のピカチュウであるか、判明します。しかし、それは完全に個人情報を無断で覗く事になる。近年高まる個人情報の保護意識を考慮すれば、こればかりは出来心で手出しする事は許されません。トレーナー情報へのアクセスは協会に完全監視されているので、バレなきゃいいという話でもありません。

 「……直接行って、確かめるしかありません!」

 言うが早いか、僕は矢も盾もたまらず飛び出しました。イベールアベニューの通りに向かって、全速力で―――
 ▼ 297 ガエルレイド@クロスメール 19/01/17 00:19:39 ID:XKSYFLJk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
 違う、絶対に人違いだと、口に出しては唾を呑んで―――


 そんな言葉とは裏腹に、頭の中は嫌な推察が目まぐるしく飛び交っていました。


 デデンネとピカチュウがいる建物は何だったか? ―――グランド“ホテル”、シュールリッシュ。


 何故ユリーカは急に部屋を出たのか? ―――サトシはいつでもポケギアでユリーカを呼び出せる。


 セックスに飢えるユリーカが、サトシとホテルで密会する意味は? ―――そんな事は考えるまでもない。


 「違うと言って下さい…………ユリーカ…………!」


 全部思い過ごしであれと、願いました―――

 

日差しが傾いて、長い影を落とすイベールアベニューを抜けて、僕はグランドホテル・シュールリッシュにたどり着きました。肩で息をしながら、フロントの受付に飛び込みます。

 「す、すみません……こちらに、ユリーカ……このくらいの金髪の子が、来ませんでしたか?」

 手でユリーカの背丈を伝えると、受付の人はぴんと来たように目を瞬きました。

 「はい、確かに先ほどご来店されました。恐れ入りますが、ご関係は?」

 「僕の妹なんです。どの部屋に行ったか、教えて貰えませんか?」

 ―――――――――

 間もなく、僕は受付の人に言われた部屋の前まで来ました。ここに、ユリーカが来ているはずです。

 ―――受付の人が言っていた、“付き添いの少年”と一緒に―――
 ▼ 298 ーデリア@クロスメール 19/01/17 01:15:03 ID:xDA.x6KQ NGネーム登録 NGID登録 報告
まともなセレナがssで見られるのなんか嬉しい
 ▼ 299 メハダー@トポのみ 19/01/17 02:52:40 ID:XKSYFLJk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ……ここまで来たら、希望なんてありはしないですね……。

 ピカチュウの存在。付き添いの少年。これらが指し示す現実は、もう見えていました。間違いなく彼です。

 こんなの話が違う……これじゃあ、出し抜いてるようなものじゃないですか……。そんな恨み言が心の底で渦巻いていました。彼に対しても、ユリーカに対しても。

 そして―――僕はドアをノックする事も出来ず、立ち尽くしていました。部屋の中から聞こえる声が、僕の体を強張らせていたのです。

 「…………ぁ…………っ……ん…………あぁ…………っ…………!」

 「……そんな激しい声を出したら……外の誰かに聞こえちゃうぞ……」

 激しい運動に息を乱すかのような少女の声と、それを面白がるような少年の声……。


 二人が今何をしているのか、もう答えは出ていました。




 ―――悔しい。

 部屋の中から聞こえる、腰を打つ音と妹の喘ぎ声を聞いていて、次第にはらわたが煮えくり返るのを覚えました。歯ぎしりを禁じ得ないほどの、怒りの感情が渦巻いていきます。

 みんな、僕を騙してるかのようでした。水曜日に来ると言っていたサトシが、もうミアレシティに来ている。ユリーカは失恋で落ち込んでいると言っていたセレナの、全く現(うつつ)に沿わない言葉。

 僕と繋がりたいのだと言っていたユリーカの、裏切りの様な行為―――


 ―――結局、人なんて嘘ばかりのいい加減なもの……科学のように、理路整然としていないのです……。
 ▼ 300 ークイン@アゴのカセキ 19/01/17 02:55:33 ID:XKSYFLJk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告

 無性に腹が立ちました。今すぐジムに帰って、二度と皆の顔を見なくて済む装置でも作りたい衝動に駆られました。こんなにも嫌な気持ちにさせられたのは、生まれて初めての事です。

 ―――だったらもう、勝手にすればいいじゃないですか……。

 烈火のごとき怒りが、黒煙となって心を濁らせる。信頼を踏み躙られた屈辱が、僕の人としての道徳心を排してしまおうとするかのようでした。
 もうユリーカを気に掛けるのはやめて、好きにさせてしまおうじゃないですか。ヤリたいだけヤレばいい。さぞ気持ちいいでしょう。
 僕はそれをおかずにすればいい。後ろめたさなんか忘れて、ただ本能の欲求に従って……。






 「…………………………はぁ。それが出来たら、どんなに楽だったか」

 大きなため息をついて、悶々とする感情を吐き捨てる。ここで自棄になっては、何の為にここまで来たか分からなくなる。それこそ理路整然としない行動です。

 そう告げる理性が、少しばかり鬱陶しいと思いました。
 ▼ 301 テノ@まがったスプーン 19/01/17 03:19:22 ID:mpmQgcoY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 302 ラベベ@グッズケース 19/01/17 03:45:44 ID:vw/gyYrg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
他の人が書いた部分もちゃんと拾ってる有能
 ▼ 303 レキッド@ポイントマックス 19/01/17 20:09:59 ID:t1fowil. NGネーム登録 NGID登録 報告
あまりの黒さに泣けてきた…
 ▼ 304 ードル@まるいおまもり 19/01/18 23:19:23 ID:dN02Y/cc NGネーム登録 NGID登録 報告
BGMにLemonとか似合いそう
 ▼ 305 ンメン@レッドカード 19/01/19 02:48:10 ID:rPB2ibhw NGネーム登録 NGID登録 報告
R18のシリアスってなんか読んでると辛くなってくるんだよな
恐い方なら大丈夫なんだが…
何でだろ

支援
 ▼ 306 マシュン@おおきなねっこ 19/01/20 01:08:57 ID:oCYoSSuI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 307 ビット@きのはこ 19/01/21 00:15:09 ID:BOFIsohs [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ややわだかまりを残しつつも、僕は自分のやるべき事をはっきりと理解していました。数時間前に、セレナと交わした会話が脳裏に浮かび上がります。

 ―――ユリーカのやっている事も、サトシがした事も、両方とも間違ってる。だから―――絶対に止めましょう。

 セレナはそう言いました。そして、僕もその意見に全面的に同意しています。だから……たとえサトシとユリーカが合意の上で性行為をしているのだとしても、認める訳にはいきませんでした。

 本当なら、初めて二人のセックスを見たその日に、二人を止めるべきだったのでしょう。それが出来なかったから、今この現実があるのです。

 後悔しても、何も無い。過去は変えられません。変えるなら……“今”しかありません。

 あの時出来なかった、やるべきだった事を、“今”やるしかないのです。

 ―――行きますよ。

 たとえどんな展開が待っていても、もう立ち止まる訳にはいきません。迷いを捨てて、覚悟を決めて……。

 僕はドアノブに手をかけました。
 ▼ 308 ールル@シュカのみ 19/01/21 00:16:06 ID:BOFIsohs [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「ユリーカ!!」

 ドアを勢いよく開き、部屋に踏み入る。ベージュのカーテンで四方を囲まれた暗く狭い空間を、天井の電球が淡く照らしていました。部屋には大きな薄型のテレビと、簡素な机と、大きなベッドがあり―――そしてその上で、サトシとユリーカが、一糸まとわぬ姿で一つに繋がっていました。

 一瞬、時が凍り付くのを感じました。僕の突然の乱入に、二人は虚を突かれたかのように固まったのです。
 そして僕は、分かってはいたものの、望まなかった現実が目に飛び込んできて、やはり愕然とせざるを得ませんでした。見飽きるほどに見てきたはずなのに、二人のセックスの現場を見て、やるせなさが込み上げてきました。

 「……お、お兄ちゃん……」

 静寂を破ったのは、ユリーカでした。サトシを背に、全裸で四つん這いの姿勢を取るユリーカは、瞳孔を大きく開き、窮地に立たされたような、絶望した表情を浮かべていました。
 僕は、眉をひそめ、鋭い目つきで、ユリーカを睨みつけました。

 「ユリーカ。これはどういう事ですか。一体何をしているんですか!」

 「ち、違うの……、お兄ちゃん……これは……」

 「何が違うと言うのですか!」

 僕の強い口調に、ユリーカは押し黙ってしまいました。何と言えばいいのか分からないかのように、手を口に当てる。瞳がうるうると揺れ、今にも泣き出しそうです。

 そんなにきつい叱責をするつもりではなかったのですが、腹の底でくすぶる怒りの感情が、知らずに僕の言葉を尖らせていました。


 そしてその時―――


 「おいおいシトロン」

 興奮気味の僕の耳に、忌まわしい声が突き刺さる。

 「何をそんなに怒ってるんだよ。別に、知ってた事だろ?」

 ユリーカの腰を掴み、自分の股間にあてがった姿勢のまま―――


 サトシが不敵な笑みを浮かべました。
 ▼ 310 ックウザ@あくのジュエル 19/01/21 02:45:39 ID:gtXg0E1c NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 311 ニリッチ@きいろのバンダナ 19/01/24 00:12:30 ID:Jne.zDyA [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「久しぶりだな。元気だったか?」

 サトシが、他愛ない再会の言葉を投げかけてくる。至ってシンプルで、自然な態度で―――

 ―――ユリーカのマンコに、己のペニスを突っ込んだままで。

 僕を見つめながら、サトシは腰をぐりぐりと動かして、ユリーカの膣内を堪能する。分厚く太いイチモツの刺激に弄ばれて、ユリーカは顔を歪ませ、頬を紅潮させていく。

 「…ん……!……くっ……///」

 押し殺そうとするも、否応なく洩れる甘い声。快感が酸素を奪うかのように、荒く呼吸を乱す。何の模様もない壁のカーテンを見上げるユリーカの虚ろな眼には、淡い雫が浮かんでいました。

 涙が出るほど、気持ちいい―――そんな心の声が聞こえてきそうでした。


 僕は、見つめているだけでした……。

 サトシの言葉にも、何も返せませんでした……。

 ……何もしようとしていないのではありません。


 ―――虚無へと消え入りそうな理性を掴むのに必死で、身動きが出来なかったのです。
 ▼ 312 ドリーナ@ローラースケート 19/01/24 00:13:06 ID:Jne.zDyA [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 僕の中に巣くう、怒れる獅子が暴れ出さないよう、全力で抑え込みながら……僕は努めて平静な声を絞り出しました。

 「……何を言ってるんですか? サトシ……」

 堪えてても、顎が震えて、歯がかちかちと音を鳴らしそうでした。

 「何って……久しぶりの再会の、普通の挨拶じゃん」

 「こんな状況で何を言ってるんだって聞いてるんですよ!!」

 咆哮が部屋中に響き渡り、開きっぱなしのドアから廊下にまで反響しました。自分でも驚くほどの大声に、僕は慌ててドアを閉めました。

 はぁ、はぁと息を漏らす。サトシを一直線に見据える。彼は少し目を丸くしただけで、さほど意に介していないような顔でした。

 理解できない。正気の沙汰じゃない。友人の妹をレイプしていながら、何食わぬ顔で挨拶など、どうかしてるとしか言えない。

 破天荒だの、常識破りだの、そんな聞こえのいい言葉で済まされる範疇を超えています。

 「今すぐユリーカを放してください! すぐにです!」

 「だから、何をそんなに怒って―――」

 「いい加減にしてください!!」

 今にもサトシに掴みかかりそうになる体を、ぐっと堪えて訴える。腕はわなわなと震え、握った拳は痛みさえ走るほどでした。

 ……とても共に旅をした仲間の再会とは思えない。この上ない険悪な空気が、二人の間に立ち込めていました。
 数秒の息苦しい沈黙。一触即発と呼べるほど緊迫した時の果てに、サトシはやれやれといった風に頭をかき、ユリーカの股からペニスを抜きました。
 ▼ 313 ャラコ@ボロのつりざお 19/01/24 00:13:42 ID:Jne.zDyA [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「ぁっ……/// はぁ……はぁ……」

 とろんとした表情で、ユリーカが快楽からの解放に小さな喘ぎ声をこぼします。体を支えていた腕が折れて、ユリーカはどさっとベッドの上にうつ伏せになりました。

 びくびくと体を痙攣させ、痛むのか疼くのか、片手を股間にあてがう。シーツには、濡れた痕がくっきりと浮かんでいました。それも一ヶ所ではなく、大きなベッドのあちこちに。

 一回や二回の絶頂ではない。そう確信して、僕は頭に血が上ってどうにかなりそうでした。

 ユリーカの行いをやめさせると決心したからでしょうか……妹の淫らな姿を見ても、もう悦ぶ気になどなれませんでした。かつてはユリーカのそんな姿に、底知れない興奮を覚えたのに……それで何度も自慰を繰り返したのに……。

 きっと……一度ユリーカと体を交えた経験が、僕にそれまでと異なる価値観を与えているのです。
 これは愛や思いやりのあるセックスなどではない。ユリーカはサトシに弄ばれてるだけです。もしもこれを正常な男女関係だと呼べるなら、僕は性の全てを否定するでしょう。 

 僕は、ユリーカがオモチャのようにされている気がして、ただただ憎悪を膨らませていました。

 ……無駄な時間を過ごす意味はありません。歯止めが効かなくなる前に、僕は自分のやるべき事を遂行しましょう。ユリーカをこの場から連れ出すのです。

 「ユリーカ。うちに帰るよ。服を着て」

 ユリーカに近づき、顔を覗き込む。ユリーカの口周りには、唾液と……………………男の精液がこびりつき、気味の悪い艶を醸し出していました。
 ユリーカは落ち着かない息遣いをしながらも、かろうじて「うん」と答えました。
 ▼ 314 ニリュウ@ポロックケース 19/01/24 00:23:35 ID:Jne.zDyA [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 部屋を見渡す。ユリーカの服は、無造作に部屋の隅に投げ捨てられていました。昨日見た白のペチコートではなく、旅の間に着ていた簡素なシャツとスカート、それとスパッツと下着です。デデンネが入っているであろうポシェットもそこにあります。僕はそれを拾い上げ、ユリーカの傍へ戻りました。未だふらふらとするユリーカを支えて、服を着させていく。

 「なあ、シトロン」

 汗だくでシャツが上手く通らず、悪戦苦闘する僕に、ベッドの端に腰かけたサトシが話しかけてくる。

 「言っとくけど、俺が無理やり連れ込んだんじゃないぞ。ユリーカは自分の意志で来たんだ」

 聞きたくもない自己弁護を始めるサトシを、僕は冷淡に無視しました。

 「ユリーカ、溜まってたんだろうなぁ。聞いたぜ。お前がユリーカに冷たくしてたって」

 へっ、と冷笑を浮かべ、サトシは僕の反応を伺うような視線を向けてきます。僕はユリーカの足に下着を通す事に集中し、サトシの煽りを聞き流しました。

 「せっかくユリーカも誘ってたっていうのに、可哀想じゃんか。ユリーカにフェラして貰ったんだろ? 気持ちよくなかったのか?」

 「黙ってて貰えませんか」

 我慢しきれずに、僕は毒を吐きつけました。サトシの言葉には品もモラルもなく、聞いているだけで神経を逆なでされる気分でした。

 一体、彼はどうしてしまったのでしょう……こんな人間ではなかったはずなのに……。

 初めて会った時は、そのバトルの腕前、人柄の良さに……そして何よりも、ポケモンに対する真っ直ぐな心に、憧憬を抱いたほどだったのに……今は見る影もありません。

 途中からおかしくなった。ユリーカを毎晩のようにレイプするようになった。……それとも、元々それが彼の本性だったのでしょうか?
 仮面をかぶって、チャンスが来るのを待っていたのか。

 ―――だとしても、どうしてユリーカなのでしょうか?

 僕はずっと、疑問に思っていました。どうしてサトシは同い年のセレナじゃなく、ユリーカをセックスの相手に選んだのか。

 ―――幼く、判断力の未熟な子供だから御しやすいと考えたのなら……最低です。最低な人間のやる事です。
 ▼ 315 レフワン@ヘラクロスナイト 19/01/24 00:25:13 ID:1NjQvdwg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 316 フォクシー@きいろのはなびら 19/01/24 00:26:52 ID:Jne.zDyA [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「…………サトシ。僕は正直、あなたを見損ないました。こんな事をする人だとは思っていませんでした」

 「いまさら何言ってるんだよ。知ってたんだろ? ユリーカから聞いたぜ。お前が俺たちの関係知ってたって」

 僕は横目で彼を見ると、見下すような冷ややかな視線とかち合いました。

 「旅の間、ずうっと俺たちのやってる事を知っていながら、一度も口出ししなかったよな。軽蔑するんなら、なんであの時止めなかったのか聞かせてくれよ」

 「答える義務はありません」

 「勝手だなあ、シトロン」

 そう言って、呆れたようにけらけらと笑う。はっきりと口にしなくても、サトシの言わんとしてる事はよく分かりました。僕に彼を軽蔑する資格はないという事です。

 ―――そんな事、分かってますよ……。

 ユリーカを犯したサトシ。ユリーカをおかずにした僕。そこにどこまで違いがあるでしょうか。どれほど違うと言うのでしょうか。本質的には、僕は彼と同じ穴の狢です。

 僕たちに違いがあるとすれば、ユリーカの初めてを奪ったかどうか……そのぐらいの違いでしかないのかもしれません。

 しかし、それでも僕はサトシと一緒だとは思いたくありませんでした。僕にとってユリーカは大切な妹であり、性欲の捌け口なんかじゃありません。

 「とにかく、もう金輪際、ユリーカに手出しをしないでください。それだけ約束してくれるなら、今までの事は水に流します」

 「ユリーカは自分の意志で俺に会いに来たって言ったろ? 俺だけが悪いみたいに言うなよ」

 「あなたが呼び出したんでしょう? そもそも、なんでもうミアレシティに来てユリーカと会ってるんですか? 水曜日に来ると言っていたのに……嘘をついてたんですか?」

 「水曜日にミアレジムに行くとは言ったけど、それまでミアレシティに来ないなんて言ってないだろ?」

 「酷い屁理屈ですね」

 「そっちこそ、言いにくい事はだんまりなくせに、酷い言い草だぜ」

 まるで話にならない。お互いに退く気も譲る気も無く、到底埒が明きそうにないと思えました。

 ▼ 317 リジオン@ふしぎなきのみ 19/01/24 02:23:04 ID:cjDcxjxM NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 318 マゲタケ@みどぼんぐり 19/01/25 00:42:21 ID:R0fMkkD. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 一通りユリーカに服を着させた僕は、近くにあったティッシュで彼女のべたべたな顔を拭きました。

 ユリーカは一言も話しませんでした。僕とサトシが口論してる間も、ただうなだれ、ばつの悪そうな顔をしていました。自分の意志でサトシの所に来たという話が嘘なら、何かしら否定の言葉を言って欲しい所でしたが、彼女の様子を見ていれば、あまり期待は出来ないと思いました。

 「……今は話し合うだけ無駄みたいですね。ユリーカは連れて帰ります。また明後日、落ち着いて話し合いましょう」

 「別に明日でもいいけど」

 「いえ、明後日にしましょう。約束通り……ね」

 サトシはやや怪訝そうな顔をしましたが、特にごねる理由もないと思ったのか、「分かったよ」と素直に合意しました。

 それでいい。明後日にはセレナが来る。僕たちだけでは水掛け論にしかなりそうにないですが、セレナがいれば、きっとサトシを説得してくれるはずです。

 ユリーカに靴を履かせて立ち上がらせる。力がろくに入らないのか、足元がおぼつかない様子でした。それに性器が痛むのか、明らかに内股ぎみの姿勢でした。支えて上げないと、すぐに転んでしまいそうです。

 ユリーカのポシェットは僕が肩にかけ……デデンネはモンスターボールの中に入りっぱなしの様でした……そのまま出口へ向かおうとしたところで―――

 「おい、ユリーカ」

 ―――不意に、サトシが呼び止めてきました。

 「寂しくなったらいつでも来てくれていいぜ。俺はここで待ってるから」



 ――――――この期に及んで、まだ言いますか。



 呆れました。これほどユリーカとの性行為を糾弾してるというのに、彼は微塵も負い目を感じていないのです。
 呆れを通り越して、救いようが無いとすら思えました。
 ▼ 319 サキント@アップグレード 19/01/25 00:43:49 ID:R0fMkkD. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「ユリーカ、俺たち、愛し合ったもんな。俺が来るのを楽しみにしてくれてたんだろ? 俺もお前とまたヤレる日を心待ちにしてたんだ」

 僕の侮蔑の眼差しも御構い無しにサトシは続ける。非常識も度を超すと、ただの変態でしかありません。同じ世界の住人ですらないと思えました。……もう彼は僕の知ってるサトシではありません。

 こんな言葉にムキになった所で、馬鹿を見るだけです。無視して帰るのが一番だ……少しは冷静さを取り戻しつつあった僕は、そう結論付けて、立ち止まったユリーカの背中を押そうとし―――

 ―――ユリーカの震えに気付きました。

 「お前と一緒にいた日々は最高だったぜ。お前がおねだりしてくるの、いつもワクワクしながら待ってたんだ」

 「やめて……」

 挑発するようなサトシの言葉に、ユリーカは表情をみるみる変えていきました。唇を引きつらせ、視線を彷徨わせる……肩を抱き寄せて俯くその姿は、耐え難いほどの辱しめを受けているという事をゆうに物語っていました。

 僕は―――冷めかけた熱が、再び脳を焦がしてゆくのを感じました。

 「お前の言ってくれた言葉はみんなよーく覚えてるぞ。特にあれが好きだな。初めて中出ししてやった時の台詞―――」

 「やめて!!」

 ユリーカは振り返り、悲痛な声で叫びました。

 「お願い!! もう言わないで!!」

 涙目で懇願するユリーカを、サトシは残忍な笑みを浮かべて見つめ返す―――やめる気配は、全くありませんでした。

 ―――それ以上、ユリーカを傷つけないで下さい……。

 念じるように、僕はサトシを睨む。我慢の限界はすぐそこでした。次の一言次第で、ここは修羅場と化します。

 ―――それだけはしたくありません……サトシ……どうか……。

 心の中で訴える。せめて一末の良心が残っている事を祈って……。

 ―――どうか、やめてください……。
 ▼ 320 ダリン@どくバリ 19/01/25 00:44:59 ID:R0fMkkD. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 そしてサトシは――――――















 「“サトシの子種、キープしたい! ユリーカの中に、シルブプレ!” ……ってな!」







 ―――僕とユリーカの想いを、無情に踏み砕きました。
 ▼ 322 ルフーン@チーゴのみ 19/01/25 02:12:39 ID:j.eA6JhY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 323 ネズミ@オレンのみ 19/01/25 23:10:01 ID:YKbQQTPw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 324 リルリ@スチールメモリ 19/01/26 00:55:15 ID:DefINd2M [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「あ…あぁ……あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!」

 部屋中に木霊する、ユリーカの絶叫。膝をつき、頭を抱えて、ユリーカは後悔の叫びを上げていました。

 僕はその叫びに、思考する事を完全に断たれました。血走った眼で、元凶を睨みつけ……拳を固く握って、駆け出していました。

 ―――信じていたのに……よくも!

 「よくもユリーカを!! サトシ!!」

 許せない。ユリーカを―――僕たちをメチャクチャにした彼を、もう許す事は出来ませんでした。

 「おっと! やめとけよ―――」

 振りかざした拳に動じる事も無く、サトシは―――



 「やめとけよ―――ピカチュウ」



 僕とサトシの間に一瞬で割って入ったピカチュウを、掣肘しました。

 僕は、ピカチュウの姿を見るや否や、反射的に動きを止めました。帯電し、威嚇するようにしっぽを立てたピカチュウは、完全に戦闘態勢に入っていたのです。
 並々ならぬ実力を持つピカチュウの本気の電撃を浴びれば……人間など、ひとたまりもありません。頭で考えなくても、僕の本能が、動くべきではないと判断していました。

 「くっ……」

 「穏やかにな、ピカチュウ。争いごとは良くないぜ」

 泰然とした態度で、サトシは嫌味たっぷりに言い放つ。初めから、手出しできやしないと分かっていたのです。
 ▼ 325 ガボスゴドラ@シーヤのみ 19/01/26 00:56:51 ID:DefINd2M [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 怒りの火を胸の中でくすぶらせながら、僕はサトシとピカチュウを交互に見ました。不敵な笑みを浮かべるサトシとは対照的に、ピカチュウは容赦のかけらも無いような、冷徹な眼差しを向けてきていました。

 「…………ピカチュウ……どうして止めるんですか……どうしてサトシに味方するんですか……?」

 僕は、納得しかねる想いを、ピカチュウに訴えました。どう考えたって、今のサトシを庇う価値なんてない! それはピカチュウの目から見ても明らかなはずです。

 確かに二人は強い絆で結ばれているかもしれません。しかし、だからといって、ここまで堕落したサトシを見ていて、ピカチュウは何とも思わないのですか……? ユリーカを傷つけ、僕を嘲笑うサトシを、本当にパートナーとして認めているのですか……?

 ピカチュウは……一瞬、苦虫をかみつぶしたように眉根を潜めましたが、すぐに冷淡な表情に戻りました。下がれと命じるように、電流を迸らせます。

 「……そうですか。ピカチュウは、あくまでサトシの味方、という訳ですか」

 親が親なら、ポケモンもポケモンですね……そう吐き捨てた僕は、踵を返してユリーカに駆け寄りました。嗚咽を漏らすユリーカは、涙と鼻水で、顔をぐしゃぐしゃに汚していました。

 ……ごめんよ……。

 胸が張り裂けそうな気持ちでいっぱいになりました。妹を守れない無力な自分が……死ぬほど憎らしかったです。

 その時、ドアを力強く叩く音が飛び込んできました。うるさいぞという注意の声が、扉の向こうから聞こえてきます。……ホテルの他の宿泊者が、騒ぎを聞いてやってきたのです。事態に気付いて、裸姿のサトシは「やべっ」と慌ててベッドの下に潜り込みました。

 「帰りましょう、ユリーカ……」

 僕はそう言って、泣きじゃくるユリーカを立たせました。ドアを開けると、思ったよりも大勢の人だかりが出来ていました。不機嫌そうな顔で睨んでくる大人たちに謝罪しながら、僕は妹を連れて部屋を後にする。

 ユリーカは涙が収まらず、目を瞑ったまま、僕の手に引かれて歩いていました。一階へ降り、驚いた顔の受付にお辞儀をして……。



 僕はユリーカをホテルから連れ出しました……。


 ▼ 327 ーデリア@たわわこやし 19/01/26 05:15:54 ID:JvPACtaM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 328 リープ@きれいなハネ 19/01/27 01:00:14 ID:cbjw5AeI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 タクシーを呼び止め、プリズムタワーまでと伝えて…………家にたどり着いた時は、日も沈み、すっかり夜になっていました。

 夜のミアレシティは、美しい。多種多様な照明が町のあちこちを彩り、昼とは違う活気を催す。眠らぬ町の象徴たるプリズムタワーは、まさに豪華絢爛と呼べるほどの輝きに包まれ、町を照らし出します。

 しかし、その明かりも、僕たちの暗い心を照らす事までは出来ません……。

 僕は帰るなり、ユリーカをお風呂に入れました。ユリーカの体は、鼻をつくほどいやらしい臭いがまとわりついていて、とても休めたものではありません。
 心も体も傷つけられたユリーカには、休息が必要でした。

 丹念にユリーカの体を洗った後、寝間着を着させると、僕は彼女をリビングへ連れて行きました。冷蔵庫に入れていた朝食を取り出し、温めてユリーカに食べさせます。ユリーカは食欲はなさそうでしたが、僕はちゃんと食べるようにと言い聞かせました。

 その後、彼女の部屋へ連れて行き、ゆっくり休むようにと伝えました。

 ―――ようやく今日も終わりですね……。

 僕は、自分の部屋へと戻るなり、椅子に深々と座り込みました。どっと疲れが押し寄せて、長い溜息が出ました。休みたい気持ちでいっぱいだったのは、僕自身の方です。

 人生最悪の日でした。朝はユリーカと仲直りも出来ず、セレナに相談して、来てもらえる事になったのを喜んだのも束の間、ユリーカがこっそり抜け出した事に気付き、しかも会いに行ったのは水曜日に来るはずだったサトシだと判明して……大急ぎで二人の許へ向かってみれば、悪い予感通りにセックスをする二人。そして、変わり果てた友人と、そのパートナー……。

 悲しんだり、喜んだり……焦ったり、怒ったり……今日だけで、どれほど感情は目まぐるしく変化したでしょうか。今はもう気力も萎え果てて、何も感じられないほどでした。ユリーカの体を洗っていた時でさえ、彼女の裸体にまるで反応しませんでした。
 ▼ 329 ダンギル@こだいのどうか 19/01/27 01:01:34 ID:cbjw5AeI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 背もたれに体を預け、天井をぼうっと見やる。この先、どうなるのだろうと漠然と思いました。

 明後日、サトシとはちゃんと話し合いが出来るでしょうか……? 上手く折り合いをつける事が出来るでしょうか……?

 最後にサトシがした事を思えば、とてもろくな結果になるとは思えません……いや、もう話し合いをする気にもなれませんでした。

 ユリーカは、どうするのでしょうか……?
 こんな目に遭わされても、彼女はサトシにまた会いたいと思うのでしょうか……?

 セックスしてくれる男性を、欲しがり続けるのでしょうか……?



 ―――狂った歯車が全て元に戻る日は、来るのでしょうか……?




 心の奥底に秘めた願い。もはや、か細く儚いものに思えました……。

 ▼ 330 ジョン@ネコブのみ 19/01/27 02:27:30 ID:AdpIYUkU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 331 ズゴロウ@スペシャルアップ 19/01/30 00:06:25 ID:MaOwOlkQ [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 暫く休んだのち、僕はパソコンを起動してメッセージツールを立ち上げました。セレナからのメッセージが入っており、それによると、彼女は無事カイナシティにたどり着いたとの事でした。明日の朝一で空港までの船に乗り、夜の便の飛行機に乗る。カロスに到着するのは、水曜日の朝になる予定だとの事です。

 僕はその報せに深く安心感を抱きましたが、その一方で、別の不安が芽生え始めていました。
 今のサトシを見たら、セレナはどう思うでしょうか……? やはりセレナに来て貰うのはあまりに申し訳ない事なのではないでしょうか……?

 僕は一応、セレナに今日の事を報告しようと思いました。サトシが既にミアレに来ていた事。ユリーカと密会し、そして性行に及んだ事……。

 ……別れ際に、ユリーカを平然と侮辱した事も。

 もう、サトシに話し合いは通じないかもしれない。そんな印象を抱いた事を、セレナに伝えました。セレナからの返事は早く、簡潔な内容でした。

 『シトロン、苦しい状況なのは分かるわ。でも落ち込まないで。大丈夫、きっとうまく行く。私を信じて』

 どうしてそんな自信が持てるのか……実際に問題の渦中にいないセレナは、事態を甘く見ているんじゃないかという不安が募るも、僕はその想いを押しとどめ、セレナを信じる事にしました。
 頼れるのはもう、彼女だけです……。
 ▼ 332 ジョン@もくたん 19/01/30 00:08:13 ID:MaOwOlkQ [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 食器を片付け、ユリーカの服を洗濯機に入れて―――軽くシャワーを浴びたら、僕ももう就寝する事にしました。

 明日はどうするか……ジムを全てシトロイドに任せ、僕は一日ユリーカにつきっきりでいないといけない……そんな事を考えながら、パジャマに着替え終わった時に―――



 ―――ユリーカのポケギアが鳴り出しました。



 「……………………」

 ぷにぷにと歌ってるように聞こえるヘンテコな着信音が、僕の部屋に響き渡る。もうユリーカから預かってしまおうと思って持ち出していたポケギア。こんな時間に誰からのコールか……可能性は一つしかありませんでした。

 「…………もしもし?」

 「…………へへっ、やっぱシトロンが出ちゃったか。まあ、分かってたけど」

 電話の相手は、サトシでした。
 ▼ 333 ーブシン@でかいきんのたま 19/01/30 00:10:04 ID:MaOwOlkQ [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「やっぱりポケギアでユリーカを呼び出したんですね」

 「何だよ、まだその話か? あーあーそうだよ。俺が呼び出しましたー。けど、ユリーカは断る事も出来たはずだぞ」

 「……それで? こんな時間に、今度は何の用ですか? あいにくユリーカはもう寝てますが」

 「冷たいなあ。起きてても出す気無いだろ。大事なコト伝えてやろうって思って、電話したのになー」

 何か思わせぶりな台詞を言うサトシ。これから休もうと思っていた矢先に、面倒な事になりそうだと思いながら、話を促します。

 「……なんです?」

 「お前、気付かなかっただろ? あの時、頭に血が上ってて、ちゃんと確認しなかったよなー」

 「だから、なんですか」

 焦らしてくる態度にイライラして、ぶっきらぼうに投げかける。電話の向こうで含み笑いをするのを聞きながら、僕は黙ってサトシの返事を待ち―――



 「デデンネは俺が預かってるよ」



 ―――告げられた言葉に、言葉を失いました。
 ▼ 334 ジスチル@ソルガレオZ 19/01/30 00:17:09 ID:SjKcwnDM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ンネェ?!
 ▼ 335 ブト@かわらずのいし 19/01/30 00:33:56 ID:.glwOgKE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 336 ミロル@ふしぎのプレート 19/01/30 01:34:44 ID:wcEYPwbY NGネーム登録 NGID登録 報告
シエンネ
 ▼ 337 ザンドラ@ゴーゴーゴーグル 19/01/31 01:08:28 ID:CJX22cv2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「…………いま、なんて?」

 「へへ、驚いたか? そうだろうな。そういう反応をすると思ってたぜ」

 「デデンネを預かったって、どういう事ですか!?」

 僕は声を荒げながら思わず立ち上がる。自分の部屋に持ち込んでいたユリーカのポシェットを探り、中にあるモンスターボールを手に取る。


 ―――中身は、空でした。


 僕は……ユリーカを一刻も早くあの場から連れ出したくて……ちゃんとボールの中身を確かめずに……。

 ―――またしても、僕はなんてミスを……ッ!

 不甲斐なさに歯軋りしました。ユリーカが部屋にいなかった時といい、これといい、ほんの少しの確認を、怠り過ぎていました。

 「デデンネはどこにいるんですか? 無事なんですか?」

 「そんなに焦るなよ。デデンネは俺の隣で寝てるよ。別に、変な事をする気はないさ」

 今日は、ユリーカで十分満足したしな―――癇に障る余計な一言を、わざとらしく付け加えてきました。
 ▼ 338 ックウザ@みどりのはなびら 19/01/31 01:09:43 ID:CJX22cv2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告

 僕は、気持ち悪い言い回しをするサトシに内心辟易しながらも、とりあえずは保護してくれてるのだと納得して、緊張を解きました。

 「…………一応、感謝します。デデンネを預かってくれて、ありがとうございます……」

 「それだけか? さっきまでの態度は、失礼にもほどがあるよな〜」

 「…………すみませんでした」

 悔しくて喉が締め上げられるような気分になりながらも、僕は謝罪の言葉を述べました。たった一つの不注意で、憎らしい相手に下手に出なくてはならないのが、嫌でたまりませんでした。

 とはいえ、デデンネが無事なら、それに越したことはありません。。明日にでも―――いや、何ならすぐにでも―――迎えに行きましょう。そうサトシに言おうと思った時―――


 「シトロン。俺、デデンネをただで返すつもり、ないからな」


 ―――え?


 冗談みたいな宣言をされました。
 ▼ 339 ダリン@メガストーン 19/01/31 01:13:52 ID:CJX22cv2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「あの……どういうつもりですか?」

 「俺は今度、新しい地方へ旅立つつもりだ」

 意味が分からず、混乱する僕をよそに、サトシは脈絡のない話を始めます。

 「けど、そこでも気の合う仲間―――というか、性欲処理相手がな―――見つかるとは、限らないだろ? だからさ……」

 事も無げに低俗な事を話すサトシ。何がどう繋がってるのかも分からないでいる内に、いよいよサトシは核心を述べました。






 「デデンネと引き換えに、ユリーカを俺の旅に同行させてくれよ」





 ―――僕は、頭が真っ白になる気がしました。

 ▼ 340 ダイトス@かみなりのいし 19/01/31 01:14:20 ID:CJX22cv2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ―――どうしてですか……?

 僕は―――言われた言葉に、気丈に振舞う余力もなく……。

 じわじわと目頭が熱くなっていきました。

 「…………どうして、そんなにユリーカに固執するんですか……?」

 声が震える。理不尽さに心臓を抉られるかのようでした。僕の気持ちなど配慮もせず、サトシが打ち明けてきます。

 「ついこの間、別の地方に行ってたんだけどさ……そこで三人ぐらいの女を抱いたんだけど、満足できなくってさ。今日ユリーカとヤレて、確信したんだ。ユリーカのまんこは最高だってな」

 反吐が出るほど、自分勝手な理由でした。

「お前もユリーカにフェラして貰ったんだから、分かるだろ? あいつはすげえよ」

 全くもって嬉しくない賞賛。言っている事が信じられず、僕は苦しさに目をつぶる。涙がぽろぽろと零れ落ちました。

 ―――ポケモンと引き換えに、妹を性奴隷として差し出せと……いうことですか。

 最低を通り越した要求に、僕はポケギアを投げ出したい衝動にかられました。さっきの時点でサトシには心底失望していましたが、今はもっと激しい重圧が、胃を押しつぶすかのようでした。

 ―――これが、僕の尊敬したトレーナーの末路ですか……。

 ショックでした。ここまで堕落してるなんて思いもしなかった。かつて共に旅をした仲間の絆など、カケラもありません。

 無慈悲で、傲慢で―――悪意の塊でしか、ありませんでした。
 ▼ 341 モルー@ヒコウZ 19/01/31 01:14:58 ID:CJX22cv2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告




 「おーい、聞こえてるのか?」

 「……聞こえてますよ」

 「よし。それで、どうするんだ? ユリーカを同行させてくれるか?」

 「……………………」

 「はは、すぐには答えが出ないよなー。分かってるよ。明日までに返事をくれ。ちゃんと約束してくれたら、デデンネは返すから」

 「…………それは、明日ユリーカを連れて行く、という事ですか?」

 「ああそうだよ。ユリーカさえついて来てくれれば、もういいからな。食事もしたかったけど、お前俺の事嫌ってるみたいだし」

 ―――本当に、僕の事は眼中に無いんですね……。

 「……明後日まで待って貰う事は出来ませんか?」

 「なんでだ? デデンネを奪い返す為の時間稼ぎでもしたいのか?」

 「明後日…………セレナが来る予定なんです」

 僕は、淡々と言葉を紡ぐ。悲しみが突き抜けて、心が虚無に帰していました。

 「ユリーカもセレナに会えるのを楽しみにしていたんです。会えず終いになったら、きっと悲しむと思います。それがサトシのせいだったら、セックスにも付き合ってくれないかもしれませんね」

 「…………ハッ。そういう事か。だから明後日にこだわってたんだな」

 腑に落ちたように納得するサトシ。本当はセレナが来る事はまだユリーカには伝えてもいないですが、サトシは何ら疑う事なく僕の嘘を信じたようでした。

 「まあいいよ。けどな、この事は話すんじゃないぞ。もちろん警察やその他の誰にもだ。面倒な事にはしたくないからな」

 「へえ、自分のやってる事、分かってるんですね」

 「うるっさいな。デデンネが無事でいられるかどうかは俺の気分次第だってこと、忘れんなよ」

 「…………」

 「……期限は明後日だ。いい返事を期待してるぜ。じゃあな」

 そう言って、サトシは電話を切りました。
 ▼ 342 イリキー@かいがらのすず 19/01/31 01:20:31 ID:CJX22cv2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告


 つー、つーと鳴るポケギアを耳から離し、デスクの上に放り捨てると―――僕はベッドに身を投げ出しました。


 ―――大丈夫。きっとうまく行く。私を信じて―――


 つい先ほど、セレナの送ってきたメッセージを思い出す。セレナならきっと何とかしてくれると、信じた矢先の展開……。


 ―――すみません、セレナ……僕はもう……。


 上手く行くなんて、信じられませんでした。

 ▼ 343 ガジュカイン@ハッサムナイト 19/01/31 01:59:24 ID:TLwA4W1I NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 344 ゴーム@まんまるいし 19/01/31 10:08:27 ID:qj86gd4k NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 345 ッコラー@じてんしゃ 19/02/03 00:08:20 ID:iSeoJ1E. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 どんなに長い一日もいつかは終わりを迎える。ベッドで毛布にくるまり、目を瞑った僕はやがて深い眠りにつき……目を覚ました時には、窓に朝日が差していました。

 洗面所へ向かう。思いもよらず、ユリーカとばったり出くわしました。お互いおはようと挨拶を交わすも、それ以上は僕もユリーカも語らず、気まずさを抱えながら、顔を洗いました。

 二人で静かに朝食を取る。僕は、昨日のサトシからの取引の事を言うべきかどうか、ずっと悩んでいました。

 出来る事なら黙っていたい……けれど、デデンネがいない事にユリーカが気付くのは、時間の問題でしょう。隠し通すなど、土台無理な事です。

 怖かった。ユリーカがデデンネを見捨てるはずがありません。僕だってそんなつもりはありませんが……きっとユリーカはサトシの要求に応じてしまうでしょう。そうなれば、僕とユリーカは、離れ離れになってしまうのです。

 ―――そんなの……絶対嫌だ……。

 悲嘆に頭を抱える。どうしよう、どうしようと同じフレーズが無限ループする。精神的に追い詰められた僕は、まともに解決策を考える事すら出来ませんでした。
 ▼ 346 クシー@ゴスのみ 19/02/03 00:10:19 ID:iSeoJ1E. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「……ごちそうさま……」

 唇が渇くほどの時間。俯いていた僕の向かいで、食事を終えたユリーカが立ち上がる。食器をシンクに運び、自分で洗い始めました。

 打ち明けるなら今しかない―――そう思いつつも、なかなか覚悟を決められません。カチャカチャと音を鳴らして皿洗いをするユリーカの後ろ姿を、ただ見つめるだけでした。

 しっかり者とはいえ、妹はまだ全然幼い。こんな形で人生を左右されていいはずがありません……。

 「……ユリーカ……」

 僕は、呟くように呼びかけました。聞こえたかどうかも怪しいほどの小さな声。ユリーカは振り返らず、返事もせず、洗った食器を乾燥機に入れました。

 「話が……あるんです……」

 もう一度呼びかける。ユリーカは振り返らない。まるで無視してるかのような挙動に、僕は不安に駆られました。

 もしかしてユリーカは、まだ僕を許していないのでしょうか……。昨日の朝の事を、まだ根に持っている……?

 そう言えば、今朝からあまり目を合わそうとしてくれてないような気もしました。もしそうなら……僕はすぐに謝らなければならない。そして、もうどんな事でもいい。ユリーカの望み通りにしなくては。口を聞いてくれない、耳を貸してくれないのでは、話し合いも何もありません。

 「ユリーカ……! あの……!」



 「ごめんなさい……」



 ――――――え?
 ▼ 347 ョロモ@すごそうないし 19/02/03 00:11:14 ID:8o3./lq6 NGネーム登録 NGID登録 報告
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作者がコロコロ変わるけど今誰が書いてるのかな?
 ▼ 348 クスロー@ライトストーン 19/02/03 00:13:27 ID:GwUsTgKA NGネーム登録 NGID登録 報告
>>173によると

1-2 イッチ
35-48 フライドン
72-79 >>72
125- イッチ復活
らしい
 ▼ 349 ミッキュ@せいれいプレート 19/02/03 00:13:37 ID:1.nIM402 NGネーム登録 NGID登録 報告
(もうサトシトでいいやん)
 ▼ 350 ジーロン@ドラゴンZ 19/02/03 00:14:38 ID:iSeoJ1E. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 不意に零れたユリーカの一言に、僕は目を瞬きました。突然の謝罪。全く身に覚えのない僕は、狐につままれたように呆然としました。

 ユリーカは背を向けたまま、怒られるのを恐れるような、緊張した声で続けました。

 「アタシ……悪い子だよね……。お兄ちゃんに……酷い事したよね……」

 今にも泣きだしそうな、上擦った声。華奢な肩が震えるのを見て、僕はいたたまれなくなって立ち上がりました。

 「ユリーカ、一体どうしたんですか? 何があったんですか?」

 これ以上、ユリーカの泣く姿を見たくない―――僕は慰めようと、ユリーカの肩に手をかけましたが……


 その瞬間、ユリーカは耐えかねたように僕の手からすり抜け、ダイニングを飛び出してしまいました……。
 ▼ 351 ックル@ミュウツナイトY 19/02/04 00:18:35 ID:9fKwWdbM NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 352 ェローチェ@しらたま 19/02/05 00:13:53 ID:An.Y.g5A [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 結局ユリーカは再び自分の部屋に閉じこもってしまい、僕の呼びかけに応じる事もなく……やっと出てきたのは、夕方になってからでした。
 泣き腫らした後の赤い目をしたユリーカを見て、僕は無性に彼女を抱きしめたい衝動にかられました。何を思って泣いていたのか……何を悔いて謝ったのか……聞きたい事はいっぱいありました。

 「……落ち着けたかい、ユリーカ?」

 「…………うん」

 「……僕もです」

 その日、僕は独りで悶々とした時間を過ごしました。話すべき事がいっぱいあるのに、朝からユリーカと話し合いも出来ない。明日にはサトシに返事をしなければならないのに、方針が定まらない。無論、誰にも相談できない。協会からは昨日の生体探知マシーンの無断使用を咎める連絡もあるなど、心に余裕を持てない一日でした。
 そんな末に、ユリーカが僕の部屋に顔を見せに来てくれた事は、涙を流してしまいそうなほど有難い事でした。

 「お兄ちゃん、さっきはごめんなさい。アタシ……」

 「ユリーカ。僕には、ユリーカがどうして謝っているのか分からない」

 さっきの事……急に飛び出した事なら、何も気にしていません。気にしているのは、ユリーカの本意です。

 「こっちへおいで。一緒に話そう」

 僕はソファに腰かけて、ユリーカを手招きしました。ユリーカは少しだけ逡巡するも、素直に僕の隣に座りました。

 「ユリーカ。色々、話さなければならない事があるんですけど……それよりも、一番聞きたいのは……ユリーカがどうして謝らなければならないのかという事です」

 「アタシ……」

 「ユリーカは、何か悪い事をしたのかい?」

 ユリーカは言いにくそうに表情を曇らせ、膝の上に乗せた拳を強く握りしめました。けれども、もう逃げも泣きもせず、意を決したように口を開きました。

 「アタシはお兄ちゃんに酷い事をした…………ううん、セレナにも酷い事をした。サトシがあんな風になったのも、きっとアタシのせい…………アタシは、悪い子なんだ」

 しんと、空気が静まってゆくのを感じました。
 ▼ 353 テラ@きいろのはなびら 19/02/05 00:14:50 ID:An.Y.g5A [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「……それは、どういう意味なんですか?」

 「アタシのせいで、みんなみんな不幸になってる……アタシが悪い子だから……嫌われてもしょうがない。もう許してなんて貰えないって思ったら……すごくつらくなって、逃げ出しちゃったの……」

 「ユリーカを嫌いになんてなりませんよ、絶対に。昨日も言いましたよ?」

 ユリーカを、妹として大切に想っている。それだけは、決して変わる事はない―――という事を。

 「でも……アタシがちゃんとしていれば……もっとちゃんと考えていたら……きっとこんな事にはならなかった」

 「ユリーカは何も悪くありません。自分を責める必要なんて無い」

 僕は、ユリーカの肩に手を回し、優しく彼女を胸に抱きよせました。小さな体の温もりが、伝わってきました。

 「……話してくれますか? 今までの事……」


 サトシと、どうして関係を持つようになってしまったのか―――


 セレナに、ユリーカがした酷い事とは―――


 今まで、本当は何を思っていたのか―――


 全てを精査する時が来ました。
 ▼ 354 ブリー@あくのジュエル 19/02/05 00:54:37 ID:uJYkvFXk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 355 クーン@グッズケース 19/02/05 01:04:44 ID:l8FUnOso NGネーム登録 NGID登録 報告
---完---
 ▼ 356 ーマルド@ユキノオナイト 19/02/05 04:38:30 ID:UcT2TYQw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 357 タフリー@じしゃく 19/02/06 02:30:34 ID:Lw8IY9xc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
なんかほっといたら、すっっっっっっっっげぇぇ溜まってた!
支援
 ▼ 358 ガヘルガー@わすれもの 19/02/07 05:36:15 ID:CyJoS6ME NGネーム登録 NGID登録 報告

 ―――ミアレジムでお待ちしてます!―――



 あの日……カロス発電所で、ロケット団の悪事を解決した後……僕は皆と別れて、一人先にミアレシティに戻りました。
 サトシとのジム戦に備え、一人で考える為に―――


 全ては、その時から始まったのでした。
 サトシとユリーカの関係が変わるきっかけとなったのは、僕が抜けた事でした。

 「アタシ、お兄ちゃんと離れ離れになるの、初めてだった……。一人になって、アタシも自分の事、考えるようになった……」

 今まで、好きでポケモンの世話をしたり、将来が心配な兄の嫁探しをしたりしていたユリーカ。
 けれども、その兄から一時的にでも離れた事で、自分の立ち位置を見つめ直す事になったのです。


 ポケモンマスターという、大きな目標を抱いて前へ進むサトシ―――

 そんなサトシを、ジムリーダーという壁として立ちはだかる為に離別した兄・シトロン―――

 ポケモンパフォーマーという、新たな夢に向かって歩き出したセレナ―――

 それに比べて、自分はどうだろう……? 何か一つでも、出来ているだろうか……? 成長に繋がる努力をしているだろうか……?

 「そんな風に考えた時…………アタシは、まだトレーナーでも何でもなくて……自分で道を選んで進む事も出来ないんだって分かって……」

 僕が抜けてすぐに、デデンネがポケモンハンターの罠で危篤状態に陥る事態があったと言います。その時は結果的に大事には至らなかったものの、ユリーカは兄に比べて、自分の無力さを感じたそうでした。

 「夜に、サトシがジム戦に向けて特訓してるのを見たの。そしたらアタシ…………“何かしたい!”って、本気で思った
。何でもいいから、力になりたいって思ったの……」

 ユリーカはその場でサトシに申し出たのでした。「アタシに出来る事なら、何でもする」と言って…………。

 ユリーカは、その時のサトシの顔を、よく覚えていると言います。


 不吉な影を映して、サトシはほくそ笑んだそうです……。
 ▼ 359 テノ@こおりのジュエル 19/02/07 06:15:43 ID:xXJwQ4sM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 360 ネブー@おこづかいポン 19/02/08 00:27:07 ID:TOdQm11Y NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 361 マワリ@スピアナイト 19/02/08 00:46:56 ID:VDQUs03Y NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 362 ミツルギ@ももぼんぐり 19/02/08 02:56:41 ID:JvRcealM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ―――俺の“ポケモン”を世話してくれよ―――

 それがサトシの要望でした。ユリーカはその時初めて、“ポケットモンスター”にはもう一つ意味があるという事を知りました。


 戸惑いながらも、初めて見たサトシのそれを、ユリーカは恐る恐る握りました。
 意味も分からないまま、ただサトシに言われる通りに、彼のペニスを手コキしたのです。

 ユリーカが“コツを掴む”のに、それほど時間はかからなかった。サトシはユリーカに「筋がいい」と言い、次には足や、太ももを使ってしごく事を求めました。

 最初は小さく柔らかかったペニスが、撫でてゆく内に大きく固くなっていく反応に、ユリーカも面白さを感じたと言います。

 「ポケモンにも、体を撫でてたらおちんちんが大きくなる子は時々いたから…………アタシは、サトシが気持ち良くなってるんだって分かって、もっともっとしてあげたいって思ってしまった……」

 それからは毎夜、ユリーカはサトシのペニスをしごきました。どうすれば適切にサトシのおちんちんを元気にしてあげられるか。ユリーカはたちまちサトシの敏感な所を覚え、サトシが驚くほどの速度で“成長した”と言います。

 ―――ミアレシティに着く頃には、口だけで射精させられるまでになっていたそうです。
 ▼ 363 チャブル@ミュウツナイトX 19/02/08 02:57:30 ID:JvRcealM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「お兄ちゃんがまた一緒に旅してくれるようになって、しばらくはやめてたけど……」

 ある日、サトシはもう一度して欲しいと要求してきた。その頃にはユリーカも、これがお世話や遊びの類ではないと直感で理解し始めていたようですが、仕方ないと軽い気持ちで承諾しました。
 そしていつも通りサトシのペニスをしごこうとした所で―――サトシの手が、ユリーカのスパッツの中に入り込んできたのでした。そのままユリーカのまんこに指を突っ込みました。

 おしっこをする所を触るなんて汚い―――ユリーカはビックリして拒むも、サトシの指に揉まれてる内に、抵抗する気持ちも薄れて―――



 「―――アタシもお世話して欲しいって、思った」



 もう、止まらなかった―――ユリーカがサトシの、サトシがユリーカの性器を揉み―――さすり―――舐めて―――唾液で塗りたくって―――体が火照り、奥底に巨大なうねりが広がっているのを覚えた。そのうねりをどうすれば解放できるか―――知りもしないのに、悟っていた。



 ―――ユリーカ……もう、入れるぞ―――


 ―――うん……入れて、サトシ―――




 「……初めては、すごく、痛かったけど……」



 ユリーカの処女は、そこで失くなりました。
 ▼ 364 トベトン@じゃくてんほけん 19/02/08 19:28:53 ID:Z0nsViFc NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 365 クロッグ@オーキドのてがみ 19/02/08 22:21:38 ID:j7XkB4vs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 366 カマル@もえぎいろのたま 19/02/09 01:21:46 ID:qVl.mv8Y NGネーム登録 NGID登録 報告

 「アタシは……いい気になってたんだ。サトシが……セレナじゃなくて、アタシを選んでくれた事に……」

 サトシとユリーカの、初めての本番―――それがユリーカの心に、どれほど強烈に焼き付いたか、想像に難くありません。
 そして勿論、その体験が、たったの一回きりで終わるはずもありませんでした。

 「毎日……夜が楽しみになった。早くセレナとお兄ちゃんが寝てくれたらって……そればかり考えてた」

 偽りなく、本心を赤裸々に語るユリーカ。顏は淡白としていながらも、その体験が当時はこの上なく素晴らしいと感じていた事は、言葉の端から如実に伝わってきました。

 事実、サトシとセックスしているユリーカの顔には、嫌悪感も後ろめたさもなかった事を覚えています。あったのは快楽への喜びと、更なる刺激への欲求だけです。僕はそんなユリーカを、旅の間、ずっと見ていたのです……。

 ユリーカは、サトシから言われた「これが愛し合う事なんだ」という教えを、一切疑う事なく信じたと言います。それまで、言葉は知ってても実態はよく分かっていなかった“愛”について、ユリーカが真偽を問えるはずもなかった。ユリーカは、自分が大人の階段を上っている気分になって、有頂天になっていたのです。

 「アタシ……知ってたのに……セレナの気持ちを知ってて……これがセレナへの裏切りだと分かってて……それでもやめられなかった……!」

 ユリーカがうつむく。不意に声の調子が変わり、今度は恥の気持ちが表面に浮かび上がりました。これもまた、嘘偽りないユリーカの本心だと思いました。

 僕は、ユリーカの話をずっと黙って聞いていましたが……セレナの名前が出て、思わず疑問を口にしました。

 「セレナは……知ってたんでしょうか……? ユリーカとサトシの事……」

 昨日ビデオ通話で話をした時、どうにも違和感を覚えたセレナの解答。勘でサトシの関与を言い当てる不自然さが、心に引っ掛かっていました。
 ユリーカは、心を殺すように目を細めて、質問に返しました。

 「…………知ってたと思う。確証は無いけど……間違いないよ」

 旅の終わり頃、それぞれの道へ旅立つ事が決まってから……ユリーカは気になってセレナに疑問をぶつけたと言います。……このまま、サトシと別れてしまってもいいのか……恋を諦めてしまうのか……と。

 セレナは、悲しそうに微笑みながら、こう答えたと言います。


 ―――私には、性的魅力が足りなかった……だから選ばれなかった―――


 ―――もっと、魅力的な女性にならないとね―――


 「セレナ、微笑んでたけど…………いつもの、安心させてくれる笑顔じゃなかった。よく分からないけど…………すごく怖かった」

 ユリーカをまじまじと見つめ返すセレナの目からは、全く本心が読めなかったと言います。それは、深すぎて真っ暗な谷底を見るかのようで―――


 ―――空恐ろしいものを感じさせるものだったそうです……。
 ▼ 367 ギギアル@エレベータのカギ 19/02/09 01:23:28 ID:vf3YuAvE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヤンデレは いいぞ。
 ▼ 369 ールル@ジュナイパーZ 19/02/09 01:39:27 ID:3/dsijrA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
これは、(ヤバい意味で)カオスになりそう……
 ▼ 370 チャブル@きんのいれば 19/02/09 06:54:09 ID:kf3UR1BA NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 371 ムナイト@TMVパス 19/02/10 00:23:37 ID:eTIMrid. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「アタシ、その時理解したの……アタシは、セレナの幸せを奪ってしまったんだって……」

 顔を手で覆い、後悔の言葉を紡ぐユリーカ。罪の意識が、剣となって彼女の胸を刺し貫いているかのような、悲痛な声でした。

 「……本当はね……昨日サトシに呼び出されて……会いに行こうって思ったのは……話し合って、もうあの頃の関係を終わらせたかったからなの」

 ややの沈黙の後、ユリーカは切り出しました。

 「今更、って言われてもしょうがないけど……でも、アタシ、もう出来ないと思った。サトシとエッチを続けてたら……お兄ちゃんにも見放されると思ったから」

 ユリーカが言っているのは、一昨日の夜の一件でした。ユリーカとサトシの性行為について僕が知っていたという事が、ユリーカには大きなショックだった。その事実と、ユリーカは誰でもいいんだという発言が、彼女の心に深く突き刺さったようでした。

 僕がエッチに応じようとしない理由も、ユリーカがサトシと肉体関係を持っていたから…………そう考えたのです。

 「自分が困ったからって、手のひら返そうなんて……ずるいよね……虫が良いって言われて、当然だよね……」

 言うまでも無く、サトシはそれを許さなかった。ユリーカが護身用に連れてきたデデンネをいとも容易く拘束し、ユリーカを無理やり犯したのです。

 ユリーカは必死で抵抗するも、大声を出したらデデンネを痛い目に遭わせると脅され―――なくなく耐え凌ごうとしたものの、次第に体に植え付けられた感覚が呼び覚まされて……いつの間にか、快楽を享受して……されるがままになっていた。そして僕に、セックスの現場を目撃される事態となったのです。
 ▼ 372 ィオネ@ポロックケース 19/02/10 00:24:29 ID:eTIMrid. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「あの時、お兄ちゃん怒ってた……。アタシ……もう駄目だと思った……すごく怒ってたから、もうアタシの事、絶対に許してくれないって……」

 ―――違う、とは言い切れない。あの時僕は、ユリーカやみんなに騙された気分になって、確かに怒りを覚えていました。けれど、その真実が想像と全く違うのならば、反省すべきは僕の方です。

 「ユリーカ……その時の事については、僕も謝らなければなりません。僕もあの時、気が動転して、悪い想像ばかりしていた……ユリーカが僕を置いてどこかへ行ってしまうんじゃないかって、不安だったんです」

 「ううん、悪いのはアタシだよ。会えばサトシがどうしようとするか、アタシ分かってたのに……お兄ちゃんに何も相談しないで……デデンネにも、怖い思いをさせちゃった……全部ユリーカのせいだよ」

 罪悪感に堪え切れないかのように、ユリーカは僕の胸に顔をうずめる。ユリーカのつらい気持ちが伝わってくるようで、僕も強く彼女を抱きしめました。

 ―――ごめんなさい、ユリーカ……。

 僕は、言葉に出来ないほどの後悔の念が溢れていました。
 悪いのはユリーカではありません。僕が、妹を守れなかったのです。

 ユリーカとサトシのセックスをおかずにしていたあの頃は、将来的にどうなるかなんて、思いもしなかった―――黙っていれば、いままで通りでいられる、なんて甘い考えだった。それがそもそもの間違いです。

 ユリーカはセックスの虜になり……サトシは残酷で横暴になり……セレナは失恋し……何が変わらなかったというのでしょう? 僕たちの友情は、絆は、もう致命的な崩壊をきたしてしまいました。

 それに、サトシ……どうしてユリーカを選んだのか、真相が分かった今……彼に弁明の余地はなくなりました。恋愛ではなく、ユリーカの純粋な気持ちに付け入っただけの、卑怯な手口。彼に非が無いなんて言える訳がありません。

 セレナも……ユリーカとサトシの関係を知っていたのなら、僕が相談していた時の態度は、全くの道化芝居だったという事になります。何故嘘をついたのか……本当は何を考えているのか……今一度、話し合わなければならないでしょう。

 ―――そしてユリーカにも、明日待ち受けているものについて、話しておかなければなりません。
 ▼ 373 ボミー@ビアーのみ 19/02/10 00:35:22 ID:eTIMrid. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「ユリーカ……もし明日、セレナに会えるとしたら……どうしたい?」

 「え…………どういう意味?」

 「明日、セレナが来るのです。サトシと一緒に、話し合う為にね」

 目を大きく見開き、僕の顔を見上げるユリーカ。寝耳に水の話に、ユリーカは開いた口が塞がらないようでした。

 「そのサトシですが……驚かないで聞いて下さい……それと、僕を許してください……デデンネと引き換えに、ユリーカに旅に同行して欲しいと言っています」

 「引き換えって……どういう事?」

 「実は…………」

 僕は、僕の不注意の為に、デデンネがサトシの手に落ちてしまった事を告白しました。そして昨日の夜に、取引の為に連絡を入れてきた事を……。

 「そんな……デデンネが……!」

 「今は無事のはずですが……ユリーカが付き添いを断れば、彼がデデンネをどうするか、保証は出来ない状況です」

 「助けないと!」

 ユリーカは、必死の形相で僕の袖を握りました。平静でいられないのは、無理もない事……デデンネは今、実質的に人質となっているも同然なのです。

 「無理だよ、お兄ちゃん……アタシ、デデンネを見捨てるなんて出来ない……でも!」

 デデンネを助ける為の条件に、ユリーカは反発しました。

 「お兄ちゃんとも別れたくない! もう離れ離れになりたくない! アタシは―――」

 目に涙を浮かべ、切な心情を訴えるユリーカ。吐息が感じられるほど近い距離。
 僕は魅入られたように、ユリーカの顔を見つめていました。堪えていた想いが、ユリーカの口から吐露される……。



 「―――アタシは、お兄ちゃんが好きなんだもん!」



 ―――葛藤でがんじがらめだった僕の心が、解き放たれるのを感じました。
 ▼ 374 ゲピー@ボスゴドラナイト 19/02/10 01:19:26 ID:4hw2ueyw NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 375 ノムー@エネコのシッポ 19/02/10 02:08:37 ID:vi9kObw6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 376 ーパ@プロテクター 19/02/10 15:22:16 ID:5oTcAeao NGネーム登録 NGID登録 m 報告
泣ける
めっちゃ上手いなあ…
 ▼ 377 ースト@こだいのどうか 19/02/13 00:35:04 ID:sK1UPgFU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ―――どれほど、待ったでしょうか……?

 ―――その一言を聞きたいと、どれほど願ったでしょうか……?

 重圧がことごとく拭い去られ、空へも舞い上がりそうなほどの高揚感が、僕を満たしていました。

 僕は、愛しい妹の頭を撫でる。

 「ユリーカ……それは、本心かい?」

 「うん。お兄ちゃんが好き。ホントにホントに、大好き」

 ユリーカは僕の背中に腕を回し、決して離さないという勢いでぎゅっと締めました。もどかしそうに、僕の胸に顔を押し当てる。
 僕はそんなユリーカを、痛がりそうなほど力強く抱きしめました。

 ―――ありがとう、ユリーカ……。

 ユリーカは、僕を選んでくれました。大して出来の良い兄でないけれども、僕といたいと言ってくれたのです。

 それだけで、救われる気持ちでした。迷いも不安も、全て洗い流される心地でした。

 「……僕もですよ、ユリーカ。ユリーカと離れ離れになんて、なりたくない。大切な妹を、サトシに盗られたくない……だから―――」

 僕は、ユリーカと顔を合わせる。決意を固めるように、ユリーカの瞳を見つめました。

 「―――デデンネは必ず、取り戻してみせます。僕がユリーカを守ります」








 「……うん」

 ユリーカは、照れるように頬を赤らめながら、微笑んでくれました。
 ▼ 378 ィアンシー@まんぷくおこう 19/02/13 00:38:56 ID:sK1UPgFU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 静けさが満ちる夜―――僕とユリーカは、同じベッドで横になっていました。

 今夜はお兄ちゃんと一緒に寝たい―――ユリーカのお願いを、僕は快く受け入れました。

 互いの体温が伝わる距離。少し腕を動かせば触れ合える近さ。穏やかな寝息は、耳にかかるかのよう……。

 隣に大切な人がいるだけで、これほどに心地が違うという事に、驚かずにはいられませんでした。

 「……お兄ちゃん、まだ起きてる……?」

 不意にユリーカがつぶやきます。僕は天井を見つめたまま、返事をする。

 「ええ、起きてますよ」

 「アタシね……明日、セレナに謝る」

 静かな口調で、ユリーカは固い決意を語る。

 「今までの事……もしかしたら、許してはくれないかもしれないけど……でも、謝りたい。セレナとは、正直でいたいから」

 僕は、無言でユリーカに微笑みました。セレナがユリーカの事をどう思っているかは、はっきりとは分からないけれど……きっと二人は上手く行く。そう思えました。

 「あとね……サトシには、今度こそ正直に断る。アタシが好きなのはお兄ちゃんだって、言ってみせる」

 真剣な顔つきで宣言する。僕は少し気恥ずかしくて、照れ笑いをしてしまう。

 「……あのね、お兄ちゃん」

 そんな僕を見ながら、ユリーカは優しい微笑みを僕に向けます。

 「アタシね……いつもお兄ちゃんの事……ちょっと頼りなくて、将来が心配だなぁって、思ったりしてたの……ミアレに戻ってからも、お嫁さんになってくれる人、探してたんだけど……」

 「…………それはやめて欲しいって、ずっと言ってるじゃないですか…………」

 「うん、もうやめる。お兄ちゃんのお嫁さんになる人は、もう決まったから」

 ユリーカは、眩しいほどに煌めく瞳で、真っ直ぐに僕を見つめていました。

 「……サトシに、アタシの恥ずかしい事を言われた時……お兄ちゃん、怒ってたよね。あれは……アタシの為を想ってくれてたんだよね?」

 質問ではなく、確認の問い。僕はユリーカの眼差しに魅入られて、あの時の自分を思い出す事も出来ません。

 「あの時のお兄ちゃん……カッコ良かった。世界で一番」

 近づくユリーカの顔に、僕は思わず目を瞑り――――――




 ――――――唇に、柔らかな感触が当たるのを感じました。
 ▼ 379 ランブル@ベリブのみ 19/02/13 01:00:38 ID:pO2km/KY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 380 シャマリ@ズリのみ 19/02/13 15:25:24 ID:9LBQZnYo NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 381 マヨール@のんきのおこう 19/02/13 23:21:38 ID:BmN25/b6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
このロリコンどもめ!
 ▼ 382 ケニン@きんのおうかん 19/02/14 00:51:59 ID:.JAw2j3o [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

チュンチュンと、鳥たちの囀りが聞こえる。柔らかな夢から覚めて、日が差す窓を見やる―――朝が来ていました。
 僕は、傍の棚に置いていた眼鏡をかけ、隣で眠る妹を見やる。麗らかな金髪が寝ぐせでくしゃくしゃになっている。しかしそれでも、ユリーカの美貌をカケラほども損なわせてはいませんでした。

 ユリーカは顔をこちらに向けて、瞼を閉じている。まだ深く眠っているようなら、なるべく起こしたくない所でしたが……

 ……ユリーカの手が僕の手をぎゅっと握っていました。

 「……ユリーカ。さては、起きてますね?」

 「…………ふふっ」

 あっさりと白状するようにほくそ笑み、ユリーカはゆっくりと瞼を開けました。

 「今日は随分と早く目を覚ましたんですね」

 「ユリーカ、ずっと、ドキドキが止まらなかったの。寝るまでも、夢の中でも……今でも止まってないよ」

 そう言って、ユリーカは僕の手を自分の胸に当てる。ぎゅっと、宝物のように抱き締めます。

 「出来れば、もう少しこうしていたいなぁ……なんて」

 「これから、何度だってありますよ」

 なだめる為に、ちょっと大胆な事を言いました。案の定、ユリーカが目を輝かせて飛びつく。

 「本当に? これから、何度も?」

 「本当ですよ」

 「本当に、本当に、何度でも?」

 「……それはちょっと意味が変わってきますよ」

 「あははっ」

 快活に笑う。久しく見ていなかった、ユリーカの屈託ない笑顔。こんな顔を見られるなら、本当に何度でも一緒に寝てあげたいと思えました。
 ▼ 383 アル@スターのみ 19/02/14 00:53:30 ID:.JAw2j3o [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「それじゃあ、ユリーカ、今日は我慢する! セレナを迎えに行かないといけないもんね!」

 「……そうですね」

 僕は時計を見ながら、セレナの到着までの猶予を見積もる。

 「あんまり、のんびりはしていられなさそうですよ」

 「それじゃあ、すぐ支度しないとね!」

 ユリーカはそう言って、毛布を払ってベッドから飛び起きました。僕は、慌ててユリーカを呼び止めます。

 「ユリーカ、ちょっと待って下さい!」

 「ん、何? お兄ちゃん?」

 「その……………………昨日の夜の事は、セレナには言わないで下さいね。僕が、怒られちゃいますから……」

 「え、どうして?」

 ユリーカはきょとんとした目で僕を見る。僕は言い淀んでしまいましたが、何を思ったのか、ユリーカは一人で納得しました。

 「うん、分かった! 内緒にするね!」

 にこっと笑う。愛らしい笑顔と、朝日に照らされたその姿は……さながら天国から舞い降りた天使のようでした。

 「じゃあ、ユリーカ着替えてくるから、お兄ちゃんも遅くならないようにね!」

 彼女はそう言って、床に脱ぎ捨てた衣服と下着を腕に抱え、自分の部屋に走っていきました。



 僕もまた、ベッドから降りて―――パジャマを拾い上げて、畳んでタンスにしまいました。
 ▼ 384 ィグダ@ラッキーパンチ 19/02/14 02:52:21 ID:EfHkYIvU NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 385 ルタリス@リニアパス 19/02/14 06:04:50 ID:V3.YZcEA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 386 113代目紅白餅◆IK.w/SFJM. 19/02/14 15:52:51 ID:Cp02EQnY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 387 ンリュウ@アイスメモリ 19/02/18 03:03:29 ID:OZVopBpc NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 388 シギダネ@ホズのみ 19/02/18 03:16:27 ID:sgboON22 NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 389 ニシズクモ@ノーマルZ 19/02/18 18:05:50 ID:5v8Mk6NM NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 390 ュカイン@ふしぎなアメ 19/02/21 00:05:46 ID:MS9UR97U [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 プリズムタワーから出発して、ほどなく―――空港についた僕たちは、丁度ラティアス空港の便が到着したアナウンスを聞きました。
 大勢の乗客たちが飛行機から降りてゆくのをロビーから眺める。やがて到着口から、見慣れた帽子を被った女の子が降りてくるのを見つけました。

 「シトロン! ユリーカ! 久しぶり!」

 「うわーい! セレナ!」

 目が合うや否や、セレナとユリーカは嬉しさを抑えきれぬように、互いに走り寄って抱き合いました。

 「ユリーカ元気だった? あら、ちょっと背伸びたんじゃない?」

 「うん! セレナも髪をまた伸ばし始めたんだね!」

 「気付いてくれた? テレビ電話で話した時、シトロンは全然気付いてくれなかったのよ?」

 「お兄ちゃん、にぶーい! あははっ」

 見る間に花咲く女子トーク。笑いあう二人を見て、僕は気持ちがほっこりしていきました。
 ……会話の内容はさておき。

 「わざわざ来てくださって、本当にありがとうございます。長旅でお疲れでしょうから、まずはミアレジムで休んで下さい」

 「セレナ、ユリーカね、大事な話があるの……!」

 「分かってるわ、ユリーカ。今日はその為に来たんだもの」

 ユリーカにウインクをしてみせるセレナ。僕はふと、彼女が脇に抱える物に気を惹かれました。ホウエン地方特有の包装紙にくるまれた、円盤状の物……ただの土産にしては、サイズがやや大きすぎると思いました。

 「ああ、これ?」

 僕の視線に気付いて、セレナがその品に手を置きます。

 「……私の、秘密兵器って所かしら。役に立つかどうかは、分からないけど……」

 少し憂いた様子で、セレナはつぶやきました。僕は「そうですか……」とだけ返して、深く詮索するのは後回しにすることにしました。

 まずはミアレジムへ戻り、現状の報告。そして―――セレナの本心を、確かめる事が優先です。
 ▼ 391 ガフシギバナ@バトルサーチャー 19/02/21 00:07:55 ID:MS9UR97U [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ミアレジムに到着し、お茶を用意したあと……僕は我先にとせがむユリーカを制して、先にセレナと二人きりで話をする事にしました。
 ユリーカには悪いけれど、これからの方針において重要な事でした。

 セレナは何かを感じ取ってくれたのか、僕を優先する事に同意してくれました。ユリーカとも後で必ず話をするねと約束し、不服のユリーカを何とか部屋へと引き下がらせてくれました。

 「…………」

 テーブルをはさんで、向かい合う二人。改めて疑心を口にするのが躊躇われて、僕は言葉がうまく出るかも怪しい心境でした。僕の緊張を知ってか、セレナは話を促す事なく、カップを口に運んで、ただ待ち構えていました。

 「……現状……の話をする前に、セレナに確かめたい事があります」

 「……なにかしら?」

 「一昨日の話で……セレナは、サトシとユリーカの事を、何も知らなかったと言っていましたよね……? あれは、本当なんですか?」

 「……どうしたの、急に? そんな事……」

 セレナが、半笑いしながらも視線を逸らさず聞き返す。僕は仲間を疑う自分にやましさを感じて、少し目線を落としました。

 「その……僕自身、疑いたくはないのですが……でも、大事な妹の未来がかかっている今日は、何事も有耶無耶にしていたくはないのです」

 石橋を叩いて渡る。セレナとの信頼に傷をつけるリスクを負ってでも、この確認は必要なのでした。実は僕に嘘をついていたのなら、安心して全幅の信頼を置く事は出来ないからです。

 「……本当よ、シトロン。私は知らなかった」

 セレナの答え。一抹の濁りも感じさせない声音でした。

 そして―――――――――









 「…………なに、これ?」

 虚を突かれたように目を丸くしながら、セレナは自分のカップに視線を落としました。

 カップが、蛍のように淡く、信号のように赤く、光っていたのです。
 ▼ 392 ラピオン@レベルボール 19/02/21 00:27:06 ID:MS9UR97U [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「……やっぱり、嘘なんですね……」

 静かな声音で、僕は告げました。

 「ちょっと待って、シトロン。これは何? どういう事?」

 慌てて椅子から立ち上がり、カップをテーブルに置き離す。やや焦りを見せるセレナに、僕は悲しみを堪えて白状します。

 「そのカップは……嘘発見器です。半メートル内の人の心音を察知・分析して、嘘を暴くのです」

 「うそ……」

 信じられないといった様子でつぶやくセレナ。さすがに、刑事ドラマの中でしか見ないようなものが目の前に出されるなんて、思いもしなかったでしょう。ましてカップの形であれば、なおさらに。
 セレナは険しい顔つきで僕とカップを交互に見つめました。

 「……なんか……卑怯よ……。科学をこんな形で使うなんて、シトロンらしくないじゃない……」

 失望した―――セレナの冷ややかな目に、ぐっと息が喉に詰まる。まさに想像していた通りの……軽蔑の表情でした。
 僕としても、こんなやり方は不本意でした。願わくば一途に仲間を信じたかった。けれど―――

 ―――現にセレナの言葉は嘘だったのです。

 「セレナ、正直に話してください。僕は正直になると誓いました。ユリーカも、昨日セレナに正直でいたいと言っていました。セレナも正直になってくれなければ……きっと、何も意味は無いでしょう」

 「だからって……」

 「……僕は一昨日、とても嫌な思いをしました。みんなから、嘘をつかれているんじゃないかという考えがよぎったのです。あの時の気持ちは、もう味わいたくない……」

 「……」

 「……けれど、今のサトシが、嘘をついてこないとはとても言い切れません」

 「……それは……そうね……」

 最後の一言を聞いて、セレナは僕を睨むのをやめました。意図を理解してくれたのでしょう。

 その嘘発見器は、何もセレナに使おうと思って用意したものではないのです。たまたま昨日の夜に、セレナに疑惑がある事がユリーカの口から出たから、試しただけの事。

 嘘をつくかもしれない疑いが強いのは、サトシの方なのです。

 「……来ていきなりこんな仕打ちを受けるなんて、本当に心外だけど……」

 セレナは、不承不承といった風に椅子に座り直し―――

 「……自白剤を入れるよりは、シトロンらしいのかもね」

 ―――仕返しとばかりに、あからさまな皮肉を言い捨てました。
 ▼ 393 グザグマ@ファイヤーメモリ 19/02/21 04:07:46 ID:uZnQvDTc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 394 シボン@じゅうでんち 19/02/21 12:18:36 ID:cotsPYc2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 395 ーフィア@しんかいのウロコ 19/02/21 13:14:06 ID:JgwcRG1w NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 396 インディ@ミアレガレット 19/02/21 16:02:22 ID:aNoIgaFw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 397 クリュー@マグマスーツ 19/02/22 02:50:52 ID:10yMtpUw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告



 「―――知ってたわ。サトシとユリーカの秘密。……多分、最初から」

 「―――正直、信じられなかった。本当よ? 悪い夢なんだって、現実逃避したくらい」

 「―――何も言い出せなかったのは……それをばらして、サトシに嫌われるのが、怖かったからなの」

 落ち着きつつも、重苦しい声音で……セレナは告白しました。うつむき、前髪が垂れて……表情は全く見れませんでした。

 「―――何もしなかった訳じゃないのよ。サトシが、ユリーカじゃなくて……私を見てくれるように……自分の出来る事を精一杯やったわ」

 「―――トライポカロンで、綺麗な私を見て貰おうって頑張った。お菓子作りだって、道案内だって……いつもサトシの役に立とうって……」

 「―――サトシに、振り向いて貰いたかった」

 声が、次第にかすれ気味になる。透き通った水面に波紋が広がるように、少しずつ揺れていく。

 「―――はは、今思い返すと、空しいわ……。サトシがそうゆうの、あんまり興味ないって、分かってたのに……」

 「―――空回り、って話よね……。サトシは私を旅に誘ってくれたけど、それだけで……私の気持ちなんて、最初から興味なかったんだもの」

 「―――私が初めてお菓子を上げた時のサトシ、覚えてる?」

 笑っているとは全く思えない笑い声で、セレナは問いかけてきました。僕は返す言葉もなく、セレナの話に耳を傾けているだけでした。
 ▼ 398 ドシシ@たいりょくのハネ 19/02/22 02:52:15 ID:10yMtpUw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「―――あの頃は、サトシとユリーカの距離が近いようには、全く見えなかったのに……」

 「―――シトロンがいなくなった途端、二人とも、あんな事をするようになって……」

 「―――私の気持ちなんて知りもしないで……二人とも、気持ちよさそうに…………」

 カップを手で包みながら、遠い昔を振り返る。穏やかさを保ちつつも、どことなく危機感を抱かせる口調。セレナの心のプロテクトが、徐々に外れていってるのが如実に伝わってきました。隠し通してきた本心が、暗い谷底から突き上げてくるかのようです。

 当然ながら、カップに嘘の反応はありません。

 「もう、過ぎた事だから、いいんだけど……」

 そう言った瞬間、カップが赤く光りました。

 「……………………ふふっ。本当に、よく出来てるのね、コレ。あの頃は、いつも失敗ばっかりだったのに……」

 寂しそうな笑みを浮かべる。再びカップを遠ざけ……セレナは両手で顔を覆いました。

 「ねえ、シトロン……私ね、向こうで嫌な物を見たの……」

 唐突に、ガラリと雰囲気が変わり―――得も言われぬ恐怖が、僕の背中を走りました。

 「とても酷い顔をした私…………こんな自分が、綺麗な訳無いって思えるほどに…………」

 苦しみ、もがくようなセレナの声。僕の直感が、これ以上はやめるべきだと告げていました。
 いたずらに触れていいような、軽い内容ではない。

 「待って下さい、セレナ…………僕は正直に話して下さいとは言いましたが……話したくない事まで、無理に話さなくても……」

 そうとも。僕だって、何から何まで、セレナに打ち明けた訳ではありません。いくら信頼の為とはいえ、心の闇を無理やり開けさせるのは間違ってる! セレナはもう十分に胸の内を語ってくれました。

 しかし、セレナは止まらない……。

 「私、ヒーローみたいなていで来てるけど……本当は助けに来た訳じゃないの……。サトシとユリーカの関係を終わらせられたら、都合がいいから……それだけで―――」

 「セレナ、もういいです! それ以上は―――」






 「―――ユリーカが羨ましかったの!」

 ▼ 399 グレー@リザードナイトY 19/02/22 02:53:31 ID:10yMtpUw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ――――――ピンと、張り詰めた空気が流れていました。セレナのかすかな嗚咽が、二人を囲む空間に響き渡る。

 「ユリーカに嫉妬してたの……サトシに愛されて……それでもシトロンに大事にされて……幸せを、独り占めしすぎじゃないって……」

 「セレナ……」

 「私は、もう独りぼっちなのに……ユリーカは、大好きなお兄ちゃんがいて……サトシも会いに来るなんて……ずるいよ。ずるすぎるよ……!」

 「…………」

 「―――なんで? 確かにユリーカは、可愛い子だけど……私の方が年が近いし、サトシの事昔から知ってるし……体だって……」

 「―――どうしてユリーカなの? 私には、エッチしたくなるほどの魅力すら無いというの?」

 「―――一緒に来てくれると嬉しいって……言ってたのに……!」

 わなわなと肩を震わせ、泣き崩れるセレナ。言葉の一つ一つが、重りとなって胸にのしかかるようでした。
 誰にも相談できないまま……破れた恋心を抱えたまま……セレナは長い時間を、一人で苦しんできたのです。

 「だから止めにきたの……私は、ユリーカの幸せを奪う為に……」

 鼻水をすすりながら、悪意があった事を暴露するセレナ。耳を塞ぎたくなるような本音を聞いて、僕は激しい自己嫌悪を募らせていました。

 聞いてはいけなかった。聞くべきではなかった。こんな事を、無理やりに――――――これで一体、僕は何が得られたというのでしょう? 信頼を得られたとでも言うのですか?

 ―――こんな様で、科学で人の幸せをするなんて、言う資格など無いじゃないですか……。

 「……すみませんでした、セレナ……本当に、申し訳ありません……」

 こんなつもりじゃなかった……なんて、見苦しい言い訳でしかありませんでした。この件は紛れもなく、僕が悪いのです。僕が無理やり、セレナに話させてしまったのです。誰にだって隠す権利がある、心の内側を……。

 罪悪感で、胸がズタズタに引き裂かれそうでした。

 「……シトロンが、謝る事なんてない……当然の報いだもの……私は、下心ばっかり……だからこんな目に遭うの……醜い本性なの……」

 セレナはそう言って、涙を流し続けました。そんなセレナの姿が昨日のユリーカと重なって、僕はいたたまれない気持ちに苛まれるばかりでした。そして、自分の犯した過ちを、ひたすら呪うのでした。

 セレナの嗚咽がやむまで、僕らはそれ以上の言葉を交わしませんでした。
 ▼ 400 リキテル@ジュペッタナイト 19/02/22 07:16:23 ID:ve.sexxU NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 402 ウワウ@ナナのみ 19/02/22 14:38:12 ID:3mqotbYA NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 403 ーベム@カイロスナイト 19/02/22 15:32:57 ID:nT/cjEQ2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 404 クリン@ライボルトナイト 19/02/24 00:04:56 ID:Bjc22OmY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「ごめんね……取り乱しちゃって……」

 「いえ……僕の方こそ、追い詰めてしまったみたいで……すみませんでした」

 しばしの後に、セレナはどうにか気持ちを落ち着かせられました。気まずい空気に当てられて、二人とも頭を下げる。

 「気にしないで。シトロンのせいじゃないわ……ちょっとね……」

 セレナは、自分の嘘を暴いたカップに視線を向ける。

 「この間見た嫌なものを思い出して……ショックがぶり返しただけ」

 ぎこちなくほほ笑む。セレナが見たという嫌なものが何なのか、今の僕にはよく理解できませんでした。けれど、それがセレナに大きなインパクトを与えたのだという事は、よく分かりました。

 セレナは、最後に残った涙の雫をふき取ると―――再びカップを手に取りました。

 「シトロン。今聞いた通り、私の本性なんて、こんなモノだけど…………ユリーカを恨むのは筋違いだって、分かってる」

 カップを確かめる。何も反応が無いのを見て、セレナは続ける。

 「多分、コンテストが上手く行かないのも、こんな気持ちを抱えたままだから…………だから、断ち切りたい」

 まるで真実の証明とでもするように、光らないカップを強く握ります。セレナの言葉には、覚悟の意志が宿っていました。

 「自分の気持ちに決着をつけて、前を向きたい。だから……今度こそ本当の気持ちを伝える。そして、どんな結果になっても、それを受け止めて見せる」

 「セレナ……それはつまり……」

 「うん、そうよ」

 セレナは、最後まで光らなかったカップを持ち上げ、残っていたお茶を一気に飲み干しました。

 「私は今日、サトシに告白する。そしてダメなら……綺麗さっぱり、忘れるつもりよ」
 ▼ 405 ョロゾ@きんのはっぱ 19/02/24 00:05:36 ID:Bjc22OmY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 ――――――僕は、これまでの事と、これからの事について話し始めました。

 「……てっきり、もう告白したものかと思ってましたよ」

 まずは、まだ伝えていなかった事実……サトシがデデンネを捕らえ、それを利用してユリーカを連れ去ろうとしているという事を話しました。

 「実は、言おうとした事もあったけど……ユリーカとの仲を批判する言い方になっちゃったから、うまく伝えられなかった。余計な事言うなって、返されちゃった」

 サトシの非道なやり方に、セレナは露骨に顔をしかめました。「告白の前に、お仕置きがいるわね」と、怖い一言を危ない笑みと共につぶやきました。

 「その後は、立ち直れなかった……。二人の事を、見ないようにする事しか出来なかったの。これ以上、距離を開けられたくなかったから……」

 続いて、ユリーカの気持ち……ユリーカはもうサトシと関係を続けたくないとはっきり言った事を打ち明けました。セレナは大袈裟な反応こそしませんでしたが、平静でいようと努めてるだけだというのは見て取れました。

 「……自分の事ばっかり考えて、本当に酷いよね……。知らなかったなんて嘘ついたのだって、ずっと黙ってた後ろめたさがあったから……シトロンにまで軽蔑されたらどうしようって……」

 セレナは、僕がユリーカと仲直り出来たのかを尋ねました。自信いっぱいの「はい」という答えに、セレナはほっとするように微笑みました。

 「……その事は、もういいですよ。僕にだって、落ち度はありますし……。それに、セレナが僕の心の支えになってくれた事は、まぎれもない事実ですから」

 そこまで確認ができたならば、残すところは一つ――――――サトシからデデンネを取り戻し、企みを阻止する事だけでした。

 「そうなの、かな……。本当にそうなら……ちょっとだけ、自分の事、見直せるかも」

 僕には、作戦がありました。実行しようかどうか、昨日はずっと悩んでいましたが……ユリーカと気持ちを確かめ合えて、やろうと心を決める事が出来ました。

 「……ところで、さっき言ってた事がひっかかるんだけど……今日が、ユリーカの未来がかかってるって……どういう意味なの?」

 セレナにも、サトシを説き伏せる為の策がありました。自信なさげに、彼女は自分の秘密兵器の正体を僕に明かしました。ちょっと予想外すぎる代物でしたが、僕は敢えて何も言わず、セレナを信じる事にしました。

 「ええ、それは――――――」
 ▼ 406 ルフォン@リバティチケット 19/02/24 00:05:52 ID:Bjc22OmY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告


 「さて、それじゃあ……」

 十分に話し合った後で、セレナはおもむろに立ち上がりました。

 「そろそろユリーカを待たせ過ぎてるし、次は彼女と話をしてくるわね」

 もう涙は止まり、いつもの、安心させてくれる笑顔を湛えるセレナ。今更ながら、とても綺麗な顔立ちだと改めて実感させられました。

 「……先に、シトロンと話が出来て良かった。本当はちょっぴり、不安だったんだ……ユリーカと話し合うの……」

 後ろ向きな気持ちを秘めたまま、ユリーカとの話に臨んでいたら、どうなっていたか……確かに少し心配になる話でした。
 しかしそんな心配は、セレナの前向きな表情を見れば、もう無用なものだと確信できました。

 「……でも、今は大丈夫。自分の情けない心に負けないで、真摯に向き合えると思う。シトロンのおかげよ」

 そう言ってはにかんだセレナは、最後に悪戯っぽく舌を出してみせました。

 「あと、シトロンがどうしてそんなに自信満々にユリーカと仲直りできたと言えるのか、ちょっと興味も湧いたし」

 「うっ……」

 「あら、どうして顔を赤くするのかしら? ひょっとして、まだ私に秘密にしてる事、あるんじゃない?」

 「い、いえ……そんな……何も……。は、早く行ってあげて下さい!」

 「うふふっ。そうするわ」

 からかうセレナに、焦ってたじろぐ僕。相変わらず見抜かれてる事に動揺して、僕は思わず顔を背けました。そんな僕を尻目に、セレナは部屋を出て行きました。

 ユリーカが全部喋ってしまわないか……今度は僕が不安に駆られる番でした。
 ▼ 408 ズパス@バトルレコーダー 19/02/24 00:13:28 ID:ymSkoU4E NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 409 ボツボ@やすらぎのすず 19/02/24 08:16:53 ID:ffpwdFig NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 410 レイシア@ほしのすな 19/02/24 11:43:14 ID:sq5Ij6d6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 411 コリザル@ウオーターメモリ 19/02/24 12:02:28 ID:XsnMEH3w NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 412 チコール@ゴッドストーン 19/02/25 00:09:40 ID:3JPMpO9E [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 セレナとユリーカの話し合いも終わり―――午後。


 前触れもなく、ぷにぷにと歌うような、ヘンテコな着信音が鳴り出しました。
 テーブルの上に置いておいたユリーカのポケギアを手に取り、応答させます。

 「……もしもし」

 「よう、シトロン。いよいよ今日が約束の日だな。ちゃんとお別れの準備はできてるか?」

 相手は当然、サトシでした。相変わらずの挑発的な態度。ユリーカを旅に同行させるか否か、既に返事は決まっているも同然のような物言いでした。
 しかし、振り回される事なく冷静に返事をします。

 「ええ、まあ」

 「セレナには何も言ってないよな?」

 「約束通り」

 話がこじれないよう、ここは手筈通り、嘘を通す。

 「よし、それじゃあ、ユリーカに代わってくれ」

 「なぜ?」

 「ユリーカに直接、待ち合わせ場所を伝える。ユリーカに一人で来させるんだ。尾行するなよ。発信機もつけるな。変な小細工は何もするな」

 僕が取りうる対応を想定していたように、条件を重ねていく。

 「……そうしたらデデンネは帰ってくるからな」

 「分かりました」

 要求を了承するフリをして――――――シトロイドは、声帯パターンをユリーカに切り替えました。
 ▼ 413 マタマ@ヨプのみ 19/02/25 00:12:57 ID:3JPMpO9E [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「もしもし?」

 「ユリーカ! やっと話せたな! 電話で話せなくなっただけで、すげえ寂しかったよ」

 驚くほどがらっと態度を変えるサトシ。芝居がかった猫なで声が、シトロイドを介して僕らのつけた無線イヤホンに届く。僕はさすがに引きそうになりましたが、シトロイドは全く動じません。

 「早く場所を言って」

 「なんだよ、冷たいな。ちょっと怒ってるのか? 大丈夫だって、デデンネは無事だって」

 「どこに行けばいいの? デデンネに会わせて」

 悟られないように口数少なく、見事にユリーカを演じてみせるシトロイド。

 「デデンネはある場所に預けてある。お前が俺と一緒にミアレシティを発った後で、シトロンに居場所を教えるよ。その後、ポケモンセンターで転送して貰えばいい。分かりやすいだろ?」

 シトロイドのこめかみに取り付けたランプが、赤く光りました。

 「ウソじゃないよね?」

 「……嘘じゃないって。信じてくれよ」

 ランプの灯りが消える事はありませんでした。僕も、セレナも、ユリーカも、分かっていたと言わんばかりに溜息をつく。

 「分かった。信じる」とシトロイド。

 「本当か! 嬉しいぜ。やっぱりユリーカは可愛いな」

 セレナの指がとんとんとテーブルを叩きだす。隣に座るユリーカが唇をきつく結ぶ。

 「場所はノースサイドにあるカフェ・カンコドールって所だ。そこで待ってるから、一番可愛い服と下着をつけて来いよ」

 無表情でテーブルに視線を落とすセレナ。恥ずかしさか怖さか、ユリーカはうつむいてしまいました。僕も正直怖い。

 「リミットは今から1時間だ。それまでに準備を整えて来てくれ。シトロンも他の人も連れてきちゃダメだぞ。いいな?」

 「うん、分かった」

 僕らを包む空気が変わっても、シトロイドはなんら変わらぬ調子で、サトシに返事をしました。
 ▼ 414 ルシェン@フェアリーメモリ 19/02/25 14:28:18 ID:ARSMBbug NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 415 ンメル@バトルサーチャー 19/02/25 16:49:12 ID:n8vUWmno NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 416 ンノーン@たてのカセキ 19/02/27 00:32:14 ID:JDIYe4qk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「それじゃあな」

 そう言って、サトシは電話を切りました。





 ――――――が、部屋には、得も言われぬ気まずい空気が残ったままでした。

 「……まさか、ここまでとはね……」

 セレナが、指を瞼に当てながら、呆れの言葉を紡ぐ。

 「シトロンが匙を投げたくなるのも無理無いわ」

 「……ユリーカも、サトシがおかしいって、今なら分かる……」

 にべもない苦言が二人から繰り出される。僕の幻滅に二人とも共感してくれてるようで、ちょっとだけ気持ちが軽くなる思いでした。

 「上手ク行キマシタデショウカ?」

 シトロイドが、ポケギアを返しながら聞いてきました。

 「ああ、ばっちりだったよ。さすがシトロイドだ」

 「さすがシトロン、よ。こんな作戦を思いつくなんて」

 「さすがお兄ちゃん!」

 「あ、あはは……」

 セレナに使った、嘘発見器……それをシトロイドにも搭載し、サトシとの会話に応じさせる。サトシが嘘をつけばすぐに気付ける一方で、シトロイド自身の言葉に誤反応する心配は無い。一方的に探りを入れられたのです。

 「電話越しでも心音を聞き取れるか、不安でしたが……結果は成功ですね」

 「イエ、実ハ、心音ハ殆ド聞キ取レテイマセンデシタ」

 シトロイドの補足に、僕たちは目をぱちくりさせました。心音が聞こえなかったのなら、何故―――?

 シトロイドは答えました。いわく、一度だけ声に歪(ひずみ)が生じて、そのパターンが、セレナが嘘を吐いた時と同調していた為、嘘と診断したというのです。

 「す……すごいや! シトロイド、自己進化じゃないですか!!」

 「エッヘン」

 想定もしていなかったシトロイドの人工知能の学習に、僕は思わず飛び上がるほど興奮しました。まさか、さっきの一件がこうして功を奏すとは! シトロイドの生みの親として、誇らしい気分を禁じ得ませんでした。
 ▼ 417 ックウザ@ライドギア 19/02/27 00:33:39 ID:JDIYe4qk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「シトロン? 喜んでる所悪いけど、そんな場合じゃないでしょ」

 「うっ……そ、そうですね……」

 セレナに諫められて、僕は頭をかいて苦笑いを浮かべました。謝罪して椅子に座り直す。

 「サトシが嘘ついてるって確証取れたのはいいけど……問題は、何に関して嘘を言い、真実はどうなのか。これを考えないと……」

 「そうだね……ランプが光ったシーンのセリフだと、“デデンネはある場所に預けてある”って部分と、“シトロンに居場所を教える”って部分のどっちかが、嘘をついてるって事なのかな?」

 「両方かもしれないわ。預けてないし、言う気も無いのかも」

 セレナとユリーカが、可能性を確認し合いながら、真実を推理していく……。

 しかし、そんな必要はありませんでした。

 「二人とも、ご安心下さい。そのセリフの真実は、考えるまでもない事です。そこにしか嘘の反応が無かった時点で、問題は解決済みも同然なのです」

 「「え?」」

 二人が目を丸くするのをよそに、僕は再び椅子から立ち上がりました。

 「ふっふっふ……サイエンスが未来を切り開く時!」

 「また始まっちゃった」

 「シトロニック・ギア、オン!! 名付けて――――――」

 「シトロン。一時間しか余裕無いから、カット」

 「あ、はい…………」

 ▼ 418 クリュー@レッドカード 19/02/27 02:37:03 ID:7U42nG4M NGネーム登録 NGID登録 m 報告
しえ
 ▼ 420 レイハナ@こうかくレンズ 19/02/27 20:29:21 ID:OVG.LX.Y NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 421 イタラン@やけたきのみ 19/02/28 00:04:29 ID:UkuUFJ3c [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告


 「―――と、言う訳で」

 「……す、すごいわシトロン……こんなものを用意していたなんて……」

 「お兄ちゃん、すごい……」

 「な、なんか照れちゃいますね……」

 「ううん、シトロン。照れる事無いわ。とても立派よ」

 「お兄ちゃん、尊敬する!」

 「///」

 「シトロン様、何故股間ガ盛リ上ガルノデスカ?」

 「シトロイド! 言わないで下さい!」




 「―――それよりも、僕が気になったのは、待ち合わせ場所ですね」

 「ノースサイドの……カンコドールってカフェだよね? ユリーカ、行った事ないな……」

 「ユリーカと一緒に違う地方へ行くつもりなら、空港を指名すると思ってました……ノースサイドだと、逆に遠ざかってしまいます」

 「それは多分……ここに行くのが目的じゃないかしら」

 セレナは、自分のガイド用端末を持ち上げて、ミアレシティ周辺のマップを僕たちに見せました。

 「見て。そのカフェがある場所は、ノースサイドの北西。13番道路へ続くゲートがある所よ。そしてその先には、ヒヨクシティがある」

 「ヒヨクシティ……あぁ! 港がある町ですね!」

 「うん。そこからなら、船でどこへでも行ける」

 「さすがセレナ! 地理に詳しいね!」

 「たまたま、カイナシティでカロスから来た輸送船を見たから、ピンと来たのよ」

 セレナの推理―――恐らく間違いはないでしょう。サトシの行動の先が読めたのは大きなアドバンテージです。

 しかし……少しだけ不可解なのは、何故わざわざ船にするのかという事です。飛行機なら船より速く、別地方へ行けるのに……。さすがのセレナにも、そこまでは分からないようでした。

 船でしか行けないような地方があるのでしょうか……? サトシは、ユリーカを連れて一体どこへ行こうとしてるのでしょうか……?
 ▼ 422 ンリキー@エスパージュエル 19/02/28 00:10:16 ID:UkuUFJ3c [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「……考えるのはここまでにしましょう。そろそろ行動しないと……」

 時計を見て、僕が宣言しました。待ち合わせの時間まで、あと30分でした。 

 「そうね……ユリーカの準備はいい?」

 「うん。大丈夫」

 「ん? その恰好のまま行くのですか? いつもの服じゃないですか」

 サトシは、一番可愛い服を着ろと言っていた。本気で付いていく気は無いとはいえ、見た目ぐらいは繕わないと、怪しまれてしまう気がします。

 しかし、ユリーカはつんと撥ね返しました。

 「だって、嫌だもん。ユリーカの一番可愛い服は……ユリーカの一番好きな人にしか、見せたくないから」

 「へえ、誰なのかしら? その好きな人っていうのは」

 セレナがにやにやと笑いながら伺い、ユリーカがにかっと歯を見せて笑い返しました。

 「セレナにも、ナイショ♪」

 僕は、顔が赤くなるのがセレナに見えないように、密かに顔を背けました。

 「こら! 正直でいようねって誓い合ったばかりじゃない」

 「それはそれー。これは秘密ー」

 「んもう。まあ、いいわ。でも……怪しまれても良くないから、2番目に可愛い服にしたら?」

 「う〜ん……それじゃあ、10番目ぐらいに可愛い服にする」

 「サトシへの好感度の話じゃないってば」

 セレナは、可笑しそうにくすくすと笑いました。

 ▼ 423 リヤード@バコウのみ 19/02/28 00:13:51 ID:UkuUFJ3c [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
もうじき完成です。
 ▼ 424 ネコ@のろいのおふだ 19/02/28 00:25:48 ID:uCr23o3U NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 425 ルレイド@くろいメガネ 19/02/28 00:29:54 ID:rLeEcDkw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 426 リムガン@ふしぎなアメ 19/02/28 01:06:18 ID:eILQAeOE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>26
もう書かないと言ってたくせによくぞここまで書いてくれた支援
 ▼ 427 マタマ@クリティカット 19/02/28 04:31:43 ID:fZBwd.n. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 428 メイル@もうどくプレート 19/03/01 00:12:58 ID:jCKoQOSM [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告

 準備を終えて……僕たちは、プリズムタワーを出ました。

 怪しまれないよう、条件通り、ユリーカは一人でサトシの待つカフェへ向かう―――

 その後ろから―――舞台にいないはずになっているセレナが、距離を置いてついていく―――

 オトンヌアベニューへ向かう二人とは別に、僕は13番道路へ続くゲートの所で待ち伏せすべく、暮れゆく日が差すローズ広場へと向かいました。

 不確かな事はあれど……サトシがそこへ来る可能性は高い。僕たちは、セレナの読みを信じる事にしました。

 もし予想が違っていた場合―――セレナが責任をもって、ユリーカを救出すると誓いました。その結果、サトシが業を煮やし、デデンネに危害を加えたなら―――最悪、サトシをポケモン傷害の罪で、告発するしかないかもしれない。

 そうならない事を――――――セレナの読みを、信じる事にしました。


 ―――これで、決着をつけてみせます。





 ―――そして、その時は間もなく訪れました。

 「あれ、おかしいなぁ?」

 影を落とす道の脇で、時々ゲートを通る人々を見ながら、待ち構えていた僕の前に―――ついに目当ての二人が姿を現しました。

 「小細工するなって、言ったはずだぜ?」

 水色の花の飾りをつけ、緑のワンピースに身を包むユリーカと……ユリーカが逃げられないようにか、手をつなぎながら―――

 「なんでここにいるんだ、シトロン?」

 ―――ピカチュウを足元に従えて、サトシは目の前にやってきました。
 ▼ 429 ルンゲル@ピカチュウZ 19/03/01 00:18:07 ID:jCKoQOSM [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「……別に、約束は破ってませんよ。後をつけてないし、発信機を付けた訳でもありません。しかし……待ち伏せについては、言われてませんから」

 出会いがしらに横柄な態度を向けてくるサトシに、僕は努めて平静を保ちながら、自分の言い分を突き出します。

 「ハッタリ言うなよ。じゃあなんで俺がここを通るって分かった? 待ち合わせの場所すら、知らないはずなのに?」

 「……」

 僕は答えられず、押し黙りました。自分の弱みはよく分かっていました。さほど口が上手い訳ではない僕は、たとえ嘘で誤魔化そうとしても、簡単に看破されてしまうでしょう。

 ならば、いっそ強引に、こっちのペースへ引き込む。怯む訳にはいきません。セレナを信じて、僕はサトシの足止めをします。

 「……逆ですよ、サトシ。僕は小細工ぬきで、正々堂々と、あなたと勝負する為にここに来ました」

 「勝負……?」

 「1体1のポケモン勝負です。これで僕が勝ったら、無条件でデデンネを返し……ユリーカの事も諦めて下さい」

 「……へえ」

 睨む僕に、サトシは不敵な笑みで返す。

 「最後の悪あがきって事か。シトロンも、必死になる事もあるんだなぁ」

 面白いと言わんばかりにくっくと笑う。憐れむような視線を僕に向けました。僕は苛立つ気持ちを抑え、じっと見つめ返します。不安そうな顔で、成り行きを無言で見守るユリーカ……。

 そして、サトシの返事は――――――






 「嫌だね」
 ▼ 430 ロッパフ@エレキブースター 19/03/01 00:19:31 ID:jCKoQOSM [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「……えっ!?」

 思いもしなかった返事に、僕は目を皿にする。サトシはほくそ笑みながら続けました。

 「既にそっちがこっちの出した条件を破ってるんだ。俺がお前の条件を呑む理由なんか無い」

 ……サトシの言葉が、上手く呑み込めませんでした。
 いえ、言っている理屈が理解できない訳ではありません。そんな事よりも……否という回答そのものに、僕は衝撃を受けていました。

 ―――サトシが、バトルを断るなんて……!

 あり得ない。とても考えられない。三度の食事よりバトルが好きと言い切れるほどにバトル好きなはずのサトシが―――そんな彼が、バトルを拒絶するなんて、全くの計算外でした。
 サトシを足止めする最良の手段として、疑いすらしなかった方法が―――まるで箒に掃かれる紙屑のように、あっさりと払い飛ばされてしまいました。

 「さあ、分かったらそこをどいてくれよ。素直に道を開けてくれるなら、見なかった事にしといてやるからさ」

 デデンネに帰ってきて欲しいだろ? ―――弱点をくすぐるかのように、付け加えるサトシ。それ自体はもう僕らに効果は無いものの、変に食い下がれば、今度はユリーカを盾に何をするか分からない……。

 ―――どうすればいい? 他にどんな方法で、サトシを止められる―――?



 

 「―――情けないね」

 窮地に立たされ、解決法を模索する僕の耳に―――不意の声が飛び込む。

 「これから、二人きりで旅をするのに、最初の難関さえ避けて通ろうとするなんて……」

 僕も、サトシも、驚いた顔をして声の主に目を向ける。

 「……本当にかっこ悪い。失望しちゃうな、ユリーカ」

 呆れたと言わんばかりの声で、ユリーカが冷淡に吐き捨てました。
 ▼ 431 ンファン@ゆきだま 19/03/01 00:22:32 ID:jCKoQOSM [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告

 「お、おい、ユリーカ……」

 サトシが、余裕の態度を崩してユリーカを見つめる。

 「サトシ、お兄ちゃんに負けるのが怖いんでしょ? だから勝負したくないんだ」

 「はあ? 何言ってんだよ」

 ユリーカの挑発に、むっとしたように反論するサトシ。

 「俺の方が勝つに決まってるだろ? ジム戦だって俺が勝ったじゃないか」

 「そんなの前の話じゃん。今はどうだか……」

 そんなサトシに目もくれず、ユリーカは向こうを見ながら溜息をつく。右手を掴まれているというのに、まるで物怖じもせずに、つらつらと言いのけます。

 「勝てる自信があるなら受けて立てばいいじゃん。……少し見ない間に―――」

 そしてユリーカは口に手を寄せ―――細めた目をサトシに向け、ほくそ笑む。

 「―――タマが小さくなったみたいだね、サトシ」

 「なんだと!」

 侮蔑の言葉に、サトシはいよいよ語気を荒げる。僕はと言うと、ユリーカの豪胆な比喩表現に思わず吹き出しそうになり、さっきまでの緊張も忘れて、慌てて口を抑えるのでした。

 「くっ……ああいいよ! やってやろうじゃんか!」

 僕の反応が癇に障ったのか、サトシは完全に怒りに火が付いたようでした。ユリーカを強引に引っ張りながら、僕と距離を置きます。

 「1対1でいいんだな!? 二言は無しだぞ! これで勝ったらユリーカは俺のモノだ!」

 「勝てたらね」

 威勢を見せるサトシに、なおも減らず口を唱えるユリーカ。僕の妹ながら、あまりの肝の据わりっぷりに舌を巻く思いでした。彼女は自分のリスクも顧みず、的確にサトシを僕とのバトルに誘導してみせたのです。

 改めて、僕なんかよりもよっぽどしっかりとしているのだと感じさせられました。

 そんな僕に、ユリーカは目配せをする。僕も目だけで相槌を打つ。言葉はなくとも、お互いの思いは確かに伝わっていました。


 ―――時間稼ぎなんかじゃなくて、ちゃんと勝ってね……お兄ちゃん。


 ―――ああ。絶対に勝ってみせるから、待っててくれ……ユリーカ。
 ▼ 432 ラピオン@げんきのかたまり 19/03/01 00:23:26 ID:hYRsItMo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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 ▼ 434 ォーグル@ぼうごパット 19/03/01 15:50:10 ID:BjI6MtRY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 435 ンゴロ@まんまるいし 19/03/01 17:23:39 ID:ezZotHgg NGネーム登録 NGID登録 報告
これはサトシが勝つと予想
 ▼ 436 ナアーラ@ラブタのみ 19/03/02 01:03:59 ID:4ins3h6U [1/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
最終更新です。
 ▼ 437 イチュウ@シルクのスカーフ 19/03/02 01:04:43 ID:4ins3h6U [2/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 「準備はいいか? やるぞ! ピカチュウ!」

 サトシが、激情を込めて相棒の名前を叫ぶ。僕は右手にボールを構える。サトシとバトルする事になるだろうとは思っていましたが、こんな……ユリーカを賭けた形になる等とは、思ってもいませんでした。

 緊張と共に相対するポケモンを見つめる。サトシと共に、いくつものバトルを潜り抜けてきた百戦錬磨のピカチュウは―――

 ―――まるで覇気を感じさせない、抑揚のない返事をしながら、前に進み出ました。








 ―――結果は、やる前から出ているようなものでした。

 「なっ……」

 僕の想いとシンクロし、闘志全開のホルビーに対し……サトシのピカチュウは、誰の目から見ても明らかに、意欲皆無でした。かつての戦いぶりが嘘のように動きが鈍く、ホルビーの動きにも、サトシの指示にも反応が遅れてばかりでした。

 「……どうしたんだよ、ピカチュウ……」

 世辞も言えぬ戦いぶりとは、まさにこの事。一方的に技を決められ、弱点技である“マッドショット”を受けてからの“ワイルドボルト”で―――ピカチュウはあっさりと倒れたのでした。

 「ピカチュウ、戦闘不能…………僕の勝ち……です……」

 静かに宣告する。勝った僕自身も目を疑うほどに、拍子抜けする幕切れでした。
 ▼ 438 イクン@スペシャルガード 19/03/02 01:06:03 ID:4ins3h6U [3/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 「ちょっと待てよ、ふざけるな!」

 さすがに納得がいかないと言うように、サトシは物言いをする。

 「シトロン! お前何かしただろ! ピカチュウに何をした!」

 「僕が何かしたように見えますか?」

 勿論、そんな卑怯な真似はしていない。惨敗とはいえ、そんなのは言いがかりが過ぎるというものでした。

 「嘘だ! ピカチュウがこんなバトルをする訳がない! ピカチュウはもっと強い!」

 なおも不満をまき散らすサトシに、ユリーカも苦言を呈する。

 「……みっともないよ、サトシ。素直に負けを認められないなんて」

 「認められるか! こんなの! やり直しだ! 別のポケモンで―――」

 「……二言は無しだって、自分で言ってたよね?」

 「くっ……ユリーカ……お前……」

 ユリーカを睨むサトシ。その瞳には、はっきりとした怒りが灯っていました。ユリーカの手首を握りしめる左手は明らかに握力を増していましたが、ユリーカは痛がる素振りも見せず、サトシに面と向かう。

 「……サトシ、どうしてピカチュウが負けたのか、分からないの? たった今、自分自身で答えを出してたよ」

 「なにぃ……?」

 「……“こんなバトルを、ピカチュウがする訳がない”……」

 ユリーカの言葉に、僕が続ける。距離を詰める僕に、サトシが振り向きます。

 「……僕もその通りだと思います。ピカチュウは戦う前から明らかに消極的でした……ユリーカを賭けたバトルなんて、やりたくなかったんです」

 僕は振り返り、未だ倒れたままのピカチュウを見ます。ピカチュウは……既に気絶からは立ち直っており……無表情で、黄昏の空を見つめていました。

 ほんの少しの、悲しみの影を映して。
 ▼ 439 ンリュウ@いしょうトランク 19/03/02 01:08:05 ID:4ins3h6U [4/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 「……サトシ、気付いてた? ピカチュウはね……一度もアタシたちの事、見ようとしなかったんだよ」

 ユリーカが、ぽつりと零す。

 「旅の間、アタシは何度も見たよ……この間もそうだよ。アタシとサトシがエッチしてる時、ピカチュウはいつも決まって、見えない所に行ってしまっていたの」

 僕は、一昨日の事を思い出す。ホテルの一室で、ユリーカとサトシがセックスをしていた時……部屋を見渡しても、ピカチュウの姿はどこにもありませんでした。そして僕がサトシに殴りかかろうとした時になって、初めて姿を見せたのです。

 ユリーカの叫び声が聞こえるまで……その場にすら居合わせていなかったのです。

 あの時、僕はピカチュウがサトシを守る為に飛び出てきたようにしか見えませんでしたが……部屋に戻った瞬間にピカチュウが見たものが、泣いているユリーカと、サトシに襲い掛かろうとする瞬間の僕であるならば……威圧してでもまず僕を止めようとするのは、当然の判断でした。

 「今なら分かる。ピカチュウは……アタシとエッチするサトシを……ううん、今のサトシを見ているのが嫌なんだよ!」

 「うるさいな! そんなのピカチュウの勝手だろ!」

 ユリーカの非難を込めた代弁にうんざりしたように、サトシはついにユリーカの手を払うように離しました。

 「もういいよ……よく分かったよ! 二人とも、デデンネがどうなってもいいんだな! 二度とデデンネに会えなくていいんだな!?」

 サトシは、逆上し、血走った目で、恫喝するように叫びました。もはや、情状酌量の余地は無いと言わんばかりに。

 ユリーカは痛む手を抑えながら、僕の傍に寄り添いました。

 「サトシ……今度こそ、はっきり言うよ……。アタシはお兄ちゃんが好き」

 サトシとは、もうお終い―――ユリーカの宣言に、サトシは更に険しい顔つきになりました。

 「お兄ちゃんと一緒にいるの。それに……デデンネだって奪わせはしない」

 僕もユリーカも、サトシの脅しに何も心配はしていませんでした。サトシの後ろからやってくる人影を見れば―――恐れる事など、何もありませんでした。

 「―――そこまでよ、サトシ」

 不意にかけられた言葉に、サトシは振り向く。沈む日に代わり、灯り始めた眠らぬ町の光に照らされながら――――――手に大きな包みを持ったセレナが、デデンネを連れながらやってきました。
 ▼ 440 ベノム@スピードパウダー 19/03/02 01:10:03 ID:4ins3h6U [5/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



 「は……? セレナ……?」

 サトシは、狐につままれたような呟きを漏らす。訳が分からないといった風に、彼女と、デデンネを見やる。

 「何してんだよ……なんでデデンネを連れてるんだ!?」

 サトシは、動揺を隠しもせずに激昂する。よもや、デデンネが既に救出されているとは、全く想像していなかったのでしょう。

 「シトロンの発明のおかげよ。デデンネがどこにいるかは、完全に筒抜けだったの」

 「なに!?」

 繰り返し驚愕するサトシ。デデンネがユリーカを見つけ、溜まらず走り出してユリーカの胸に飛び込むのを、呆然と目で追いかけました。その流れで、僕に視線を向けます。

 「……僕が一昨日、どうしてあなたとユリーカの居場所が分かったのだと思いますか? デデンネが一緒にいたからですよ」

 そう……一昨日、どこへ行ってしまったのか全く手がかりが無かったユリーカを見つけ出せたのは、行方不明のポケモンを見つける為のマシンがあったからこそです。
 先ほどサトシからの電話があった後、僕はすぐさま、そのマシンを起動させました。その結果、デデンネの居場所はすぐに割り出せて……サトシが待ち合わせの場所に指名した、カフェ・カンコドールその場所に囚われているのだと判明しました。

 「バカな……ユリーカに発信機をつけてたんじゃなかったのか……!」

 「そんなストーカーみたいな事に、科学の力を使いませんよ」

 僕は、失礼を言われた気持ちでサトシの推測を切り捨てる。僕が発明に情熱を捧げる理由は、私利私欲の為なんかじゃありません。

 人と、ポケモンを、幸せにする為なのです。

 「…………クソッ! 科学の力って、うぜぇ!!」

 サトシは、苛立ちをこめて地団駄を踏みました。
 ▼ 441 カマル@いんせきのかけら 19/03/02 01:11:38 ID:4ins3h6U [6/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 「……サトシがユリーカを連れて外に出たらすぐに、私がデデンネを助け出すって作戦だったの。カフェの店主さんは、サトシが忘れ物をしたと思って、デデンネが入れられた箱を大事に保管してくれていたわ。……中身を知って、“まるで物みたいな扱いだ”と、ひどく憤慨してた……」

 セレナが落ち着いた口調で状況説明をする……サトシが、きっとセレナを睨みつけました。

 「セレナ! お前、こんな事をするなんて……! そんなに俺とユリーカの仲を邪魔したいのか!? 俺を困らせて楽しいか!?」

 魂胆を破られ、完全に頭に血が上ったサトシは、セレナに詰め寄りました。今にも手を上げそうな気迫に、ホルビーと……そしてピカチュウが、制止の態勢を取ります。

 セレナは、悲痛な顔をしていました。……怖いのではなく、見ていられないといった思いが、ありありと伝わってきました。手に抱えた包みを、ぎゅっと握りしめます。

 「……サトシ。私が何を言っても、今のあなたには、きっと届かないわよね……」

 「今更どう弁解するって言うんだ!?」

 「違うわ。私は弁解したいんじゃない……。ただ、あなたに見て貰いたいものがあるだけよ」

 セレナは、そう言って……手の包みを、ほどき始めました。

 「これは、私がキンセツシティを訪れた時に見つけたの…………一目見た時、とても衝撃を受けたわ。これは、本当の自分を映し出していた…………そしてシトロンから、あなたが戻ってくると聞いた時、真っ先に思ったの。これを見せよう、って…………」

 「はあ!?」

 「今のあなたが、これを見て……何かを思ってくれればいい。それだけよ」

 そう言って、セレナは秘密兵器と呼んだそれを、サトシの前に晒しました。



 ―――それは、大きく、不思議な雰囲気を湛えた―――丸い鏡でした。
 ▼ 442 ルロック@しろいハーブ 19/03/02 01:13:45 ID:4ins3h6U [7/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 「なっ……」

 セレナに見せつけられたその鏡を見て―――サトシは、それまでの鬼気迫る態度を崩し、たじろぎました。

 「これ、“うつし鏡”って言うらしいの。映った者の本当の姿を、映し出すんだって……。どう、サトシ……?」 

 セレナが問いかける。奇妙な鏡をサトシに向け、じりじりと近寄る。

 「あなたには、何が見える……? この鏡の中に、どんな自分が見える?」

 しかし、サトシは近づくなと言う風に、後ずさりながら、手で制します。

 「やめろ……ソレを俺に向けるな……ッ!」

 さっきまでの威勢が嘘のように、サトシは狼狽する。僕は、今朝のセレナを思い出していました。セレナが見たという“嫌な物”とは、この鏡の事なのでした。鏡の中に酷い顔の自分を見て、彼女は大きなショックを受けていたのです。

 どういう原理か全く分かりませんでしたが、僕もその鏡を見た時……確かにありのままの自分ではないものが見えました。

 まるでキリンリキのように、二つの顔を持つ自分……。大切な花を見守る一つの顔と……その大切な花の花びらを、口に含んで笑う自分……思い当るものは、無い訳ではありませんでした。

 そういった経緯から、サトシに自分自身を見つめ直して貰う為の手段として、セレナがその鏡に期待するというのは、分からなくもない事でした。もちろん、それだけで説得出来るほど容易くはないだろう事も十分に考慮した上で、セレナを信じる事にしたのです。

 しかし、どうにも様子がおかしい……。

 「やめろ……やめてくれ……!」

 うわ言のように、拒否の言葉を繰り返す。片手で顔を隠し、鏡を見ないようにする。サトシの反応は、いささか過剰に見えました。

 驚いている、というレベルではなく……恐怖していると形容すべき状態でした。セレナも、違和感を顔に走らせます。

 「サトシ……?」

 「やめろォ! 俺は……俺だ!」

 サトシは両手で顔を覆い、鏡から顔を背けました。膝をつき、痙攣するように肩を震わせる。尋常じゃない様子に、ユリーカも不安そうに僕の腕に抱き着く。

 「………あなたは……誰なの……?」

 セレナが、険しい顔でサトシを問い詰める。僕は状況にまるで理解が追い付かないでいましたが……セレナの質問の意味だけは、明確に掴めました。

 僕も、全く同じ疑念を抱き―――発作的に、同じ事を口走っていました。

 「あなたは誰ですか……? 答えてください! あなたは本当に、“僕たちの知ってるサトシ”なのですか!?」

 僕が、そう迫った時――――――想像もしていなかった事態が起こる。




 鏡が、やにわに輝きだし……鏡から漏れた光が、サトシの体を包み込みました。
 ▼ 443 イナン@すくすくこやし 19/03/02 01:14:41 ID:4ins3h6U [8/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 「やめろォ!! 俺は……サトシ! 俺はここにいる!!」

 サトシが叫ぶ。苦しみ、もがき……光を振り払おうとするように、手を振り回す。

 鏡が放つ光が強くなり……眩しさに、僕はたまらず腕で顔を庇いました。ユリーカの手が腕から離れ、同じように顔を覆うのが分かりました。

 見えない視界の中で―――サトシの叫び声だけが、聞こえる……。

 「ググ……! 違ウ……! オレハ……サトシジャ……オレハカガミカラキタ…………!」

 次第に声が歪み、掠れて、よく聞こえなくなってしまう。光はますます強くなり、腕の隙間からも入り込んで、眼も開けられないほどに強くまばゆく、視界を真っ白に染める―――。


 そして―――


 「―――俺の居場所を返せ―――」


 懐かしい声が聞こえた時―――



 真っ白な世界が、唐突に消え去りました……。







 ▼ 444 ドラン@ライブドレス 19/03/02 01:15:09 ID:4ins3h6U [9/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告



 うっすらと目を開けると……強い光を浴びたせいか、視界はとても暗く、そしてぼやけていました。

 徐々に暗さに馴染んでいくと……目の前に、少年らしき姿が倒れているのが見えました。

 「ピカピ!」

 誰よりも早く、ピカチュウが叫んで、彼の傍へと駆け寄ります。

 「サトシ!」

 続いて状況を理解したセレナが、手に持った鏡を放り出し、サトシの傍に膝付く。

 僕とユリーカとホルビーも、慌ててサトシの傍へと駆け寄り、みんなで彼を囲みました。

 「サトシ、しっかりして!」

 セレナが、焦燥に駆られるように、目を瞑ったサトシの肩を揺する。ピカチュウも同じく、彼の頭を揺すりながら、必死に名前を鳴き続けました。ユリーカは不安そうに僕の腕を掴む。僕も、どうすればいいか分からず、見守るだけでした。

 しかし、その時―――呻くような声を漏らし、サトシが瞼を開きました。そして最初に目に映った、相棒の名を呼びます。

 「ピカチュウ……?」

 意識が朦朧とするかのように、ぼんやりとした声……しかし、次の瞬間、サトシは目を大きく開き、夢中でピカチュウを抱き寄せました。

 「ピカチュウ! 良かった……会いたかった! あぁ、ピカチュウ……!」

 信じられない事に、サトシは涙を流し……鼻水さえ垂れながら、唯一無二の相棒の名を、何度も何度も唱えました。ピカチュウを、力強く抱きしめました。

 それまで、とても長い間、ずっと離れ離れだったかのように……。
 ▼ 445 ズレイド@コンテストパス 19/03/02 01:17:40 ID:4ins3h6U [10/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 その後、僕たちはミアレジムへ戻り―――サトシから、彼が体験した奇妙な出来事の話を聞かされました。

 僕たちと旅をしていた最中、彼は鏡の世界という奇妙な世界に迷い込み―――そこから出られなくなってしまったという事。そして今の今まで、ずっとその世界の中を、独りで彷徨い続けていたのだという事を。

 あまりに突拍子もなく、あまりに非現実的な―――信じがたい話でした。彼が今まで、どことも知れない別世界にいたと言うなら……僕たちと旅をしていたサトシは、一体何者だと言うのでしょう?

 しかし、セレナもユリーカも、彼の話を信じると言いました。僕だけが疑い続けるのも憚られたので、わだかまりを残す気持ちを抑え、信じる事にしました。

 実際、ユリーカが言うところでは、カフェ・カンコドールで会った時、サトシは目的地はヒヨクシティではないと言っていたそうです。目的地はもっと先の方にある……としか言わなかったものの、地図で見ると、その先にはサトシが別世界に迷い込んだという洞窟が確かに存在していました。もしかしたら……“アレ”は、ユリーカを別世界へ、誘おうとしていたのかもしれません。

 しかし何よりも、僕がサトシを信じる事が出来たのは……鏡の光で倒れた後のサトシからは、それまであった悪意や傲慢さは、カケラも感じられないからでした。感じられるのは、孤独から解放された喜びと、僕らと再会できた嬉しさの感情だけでした。例のカップを使うまでもなく、彼が嘘をついていないという事は一目瞭然でした……。




 僕たちは数日間を共にし―――やがてサトシは、ピカチュウと共にマサラタウンへと帰っていきました。いわく、母やかつての仲間にも、もう一度会いたいという事でした。

 本当のパートナーを取り戻したピカチュウの顔は、幸せに満ち溢れていました。

 時を同じくして、セレナも再びホウエン地方へと戻る事を決めました。サトシに告白するという彼女の目的が果たされたのか、結局分からず終いとなってしまいましたが……ホウエンに戻ったセレナは、その後、コンテストで初めてのリボンを獲得できたという報せを、写真つきで送ってくれました。



 そして、僕と、ユリーカは…………


 ▼ 446 ーゴヨン@コオリZ 19/03/02 01:18:55 ID:4ins3h6U [11/14] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

 「お兄ちゃん、早く早く!」

 「デネデネ!」

 「分かってますから、そんなに急がなくても……」

 「だって! お兄ちゃんがいつまた休暇貰えるか分からないじゃん! お兄ちゃんと周りたいトコ、いっぱいあるんだよ?」

 「休暇じゃないです……」

 協会からの警告にもかかわらず、再び生体探知マシンを無断で使用した罰として、僕は二週間のジム営業休止を言い渡されてしまいました。ジムリーダーとしては不名誉極まりない処置であるものの、ユリーカにとっては、願ってもないご褒美でした。

 「このチャンスに、お兄ちゃんと毎日デートするんだから!」

 「デーネ!」

 「ま、毎日ですか!?」

 「だって、やっとお兄ちゃんと両想いになれたんだもん。兄妹でも愛があればいいって、セレナも言ってくれたし!」

 僕とユリーカの関係の変化は、やっぱりバレてました。

 「で、でもやっぱり毎日と言うのは……」

 「えぇ〜? お兄ちゃん、約束したじゃん。"夜"は月に一度だけって我慢するから……デートにはいっぱい付き合ってくれるって!」

 「そ、そうは言いましたけど……///」

 「それなら文句言わない! はい、レッツゴー!」

 「デデーン!」

 「ま、待ってェ……!」
 ▼ 447 ットロトム@てんかいのふえ 19/03/02 01:21:15 ID:4ins3h6U [12/14] NGネーム登録 NGID登録 報告

 僕は少しだけ空想する。

 もしもサトシが、奇妙な世界で彷徨い続けるような事なく、僕たちと旅を続けられていたら―――僕たちの旅は、関係は、どのようになっていたのでしょうか……。
 綺麗な思い出だけを残す事が、出来たのでしょうか……。

 今となっては、考えてもそれは分からない。けれど、分からないままでいい。
 過去は変えられない。僕たちは様々な出来事の中で、時に失敗し、時に間違っても……そこから学び、明るい未来を目指していく。

 一つの出来事が終わっても、僕たちの関係は終わらない。僕がユリーカに抱いた想いも、終わることなく、いつまでも―――。





 「そうそう、ユリーカはね、次はコスプレエッチしてみたいなー」

 「コスプレ、ですか……ジョーイさんとか、ジュンサーさんとかですかね?」

 「ちーがーう! そうじゃなくて……キテルグマとか、ソーナンスとか!」

 「そ、そういうのはいいです……………………ん? キテルグマって……もしかして、あれ?」

 「うん、そうだよ。お兄ちゃん全然魅力伝わってなかったみたいだから、チョーキョーしてあげようと思って」

 「小さな親切、大きなお世話です!!」





 Fin
 ▼ 448 メックス@こだいのどうか 19/03/02 01:33:08 ID:4ins3h6U [13/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
完結です。お読みいただき、ありがとうございました。

予定外に長いSSになってしまいました。途中何度も投げ出しそうになりましたが、支援レスがつく度に頑張ろうという気持ちが芽生え、最後まで書ききる事が出来ました。感謝いたします。

最初はエロシーンいっぱい書こうと張り切っていたのですが、シトロンとユリーカの初エッチシーンで大コケしてしまい、その後は自分の大好きな陰鬱ドロドロ人間関係グチャグチャストーリーになってしまいました。う〜ん、申し訳ない(口だけの反省)
結局建て直しに大幅に時間かかって、エロシーンは少なめに終わりました。

なにはともあれ、お読みいただいた方、他の参加者の方々、ありがとうございました。

最後に。実は自分は>>139から書かせて頂いてました。スレ主じゃないです。スレ主と思ってくれていた方々、黙っててすみません。
最後まで書ききれたら明かそうと思ってやってました。

それでは失礼します。
 ▼ 449 ギギシリ@せいれいプレート 19/03/02 01:42:25 ID:LEi.hddI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
やはりそうか
>>125も別人だぞ
 ▼ 450 チリス@アイスメモリ 19/03/02 02:02:45 ID:k3vM4UkE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
正直サトシが鏡の世界の奴で良かったわ。胸糞悪かったし。(あれ?どこかで似たような話があったような……)
何がともあれ、お疲れさま!
 ▼ 451 ルタリス@すごそうないし 19/03/02 02:03:44 ID:UERIc0XI NGネーム登録 NGID登録 報告


いったい何人で書いてたんだよこのss
 ▼ 452 ギギシリ@オーロラチケット 19/03/02 16:36:38 ID:2bJcIXcQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
エッっ、ずっと1かと思ってたわ…
でもこのss日々の楽しみにしてたから完結まで見れてよかったー!
乙!
 ▼ 453 ョロネコ@もうどくプレート 19/03/02 21:22:44 ID:2pq6EEhk NGネーム登録 NGID登録 報告
フライドンと72はわかるが125から最後まで1が書いてたかと思ったわ乙!
 ▼ 454 まけ 19/03/02 23:54:45 ID:4ins3h6U [14/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
 「ハイ、撮影終了〜。お疲れ様でした〜!」

エル「みんなお疲れ様ー! すっごく良い感じに仕上がったわ! 爆売れ確実よ!」
ヤシオ「約束通り、出演の報酬として、これからの旅の資金援助をさせて頂くわ」
サトシ「ありがとうございます!」
エル「セレナもユリーカも、とっても可愛かったわ〜!」
セレナ「緊張しっぱなしでした……特にシトロンのカップを口に近づける場面は」
シトロン「え、何でですか? 嘘発見なんてお話の中だけで、ただの光るカップですよ、あれ」
セレナ「そうじゃなくて! シトロンの作ったものだから爆発しないか不安だったの!」
シトロン「うっ……」
ユリーカ「でも、ユリーカちょっと不満だなー。お兄ちゃんとの本番エッチ、まるまるカットなんて」
エル「う〜ん、そこはその……想像させる楽しみを残したというか……」
ヤシオ「単に尺の都合よ」
サトシ「俺も結局ユリーカとしかバトルできなくて残念だったなー」
セレナ「 サ ト シ ? ユリーカだから大目に見たけど、他の子だったら断固反対だからね?」
ミルフィ「あらセレナ? 自分の事はいいの?」
セレナ「わ、私は……/// その……///」
ショータ「僕はサトシとゲッコウガのエッチが見たいです!!」
ミルフィ「何こいついきなり!? しかもどんな性癖!?」
ティエルノ「セレナ! 次はボクとダンシングエッチなんてどうだい!?」
セレナ「ダンシングエッチって何!? 悪いけどサナとヤッてて!」
トロバ「生憎だね。サナは僕のリザードンに夢中だよ」
ティエルノ「なにぃィっ!?」
アラン「トロバ君のリザードンは筋がいいからな……俺のリザードンほどじゃないが」
マノン「アランのリザードンは最高だもんね!」
サトシ「俺のリザードンだって負けてないぜ!」
サナ「リザードン厨どもちょっと黙れ」
ユリーカ「お兄ちゃん、なんで急にリザードン自慢になってるの?」
シトロン「ユリーカは分からなくていいですよ」
ネネ「(タマが小さいなんてアドリブを入れておいて……とんだカマトト幼女ね)」
ピカチュウ「(何人関わってるんだよ)」
デデンネ「デデーン!」

おしまい
 ▼ 455 ッポ@タウンマップ 19/03/03 00:13:36 ID:t/u2DbSo NGネーム登録 NGID登録 報告

シリアス展開からの最後のまとめ好きよ
 ▼ 456 リーパー@いかずちプレート 19/03/03 02:16:50 ID:YQ3wJzM2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おつかれ!
エロSSをここまで魅力的に、納得の展開に纏め上げた技量は尊敬レベル!

あの鏡の世界をキーとして、偽のサトシがユリーカをそこに連れ込もうとするラストは鳥肌ものでした。

久々に惹き込まれる良作に出会えました。本当に乙です。
 ▼ 457 イアント@つりざお 19/03/03 02:19:03 ID:YQ3wJzM2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
できれば完結主の他のSSも読んでみたいなー、と思ったり。
 ▼ 458 メパト@ふたのカセキ 19/03/03 07:47:24 ID:rUYoDVnk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
終わったと思ったらwww
 ▼ 459 ュゴン@ポケトレ 19/03/04 21:16:20 ID:GInQ2Mgc NGネーム登録 NGID登録 報告
しっかり終わってくれて良かった!
乙!
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