【SS】恐怖!謎の屋敷から脱出せよ!【ホラー】:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】恐怖!謎の屋敷から脱出せよ!【ホラー】:ポケモンBBS

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【SS】恐怖!謎の屋敷から脱出せよ!【ホラー】

 ▼ 1 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:36:10 ID:a2WISyOI [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──イッシュ地方、とある荒野

少年「ポニータ!ふみつけだ!」

ポニータ「くぉん!」

 勢いよく降ろされた足が、こちらに迫ってくるコマタナのすぐ横の地面を抉る。躱された。

コマタナ「コマッ!」

 チャンスだと思ったのか、コマタナはまっすぐ俺を目指して走ってきた。トレーナー狙いか……

 でも、残念。

少年「ポニータ!」

ポニータ「くぉんっ!」

 地面を蹴って方向転換したポニータは、コマタナを飛び越し、狙いを定める。

コマタナ「!?」 
 ▼ 2 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:38:16 ID:a2WISyOI [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 コマタナは気づいて身体を捻るが、もう遅い。
 なぜなら、その位置はすでにポニータの攻撃の射程内だからだ。

少年「にどげり!」

ポニータ「くぁん!」

コマタナ「……ッ!」

 にどげりは二発ともきれいに入り、そのままの勢いでコマタナをぶっ飛ばした。
 コマタナは2、3メートル程離れた場所で少しの間目を回していたが、すぐ立ち上がり、逃げていく。こちらの勝利で良さそうだ。
 ▼ 3 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:39:13 ID:a2WISyOI [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「いやー、俺たちだいぶレベルアップしてない?あ、してない?お前らだけ?」

ポニータ「ブルルル」

カメテテ「テッ」

少年「……肯定するなよ……」

 ここは、地図に載っていないイッシュ地方の荒野。俺とポニータとカメテテは、次のジム戦に向けてここで特訓しているのであった。
 さっきまではその辺のポケモンが皆襲って来ていたが、相手をしてるうちに逃げていき、人気(ポケ気?)はすっかりなくなった。

少年「……そろそろ暗くなってきたし、いい場所見つけて野宿しよっか」

カメテテ「テッ」
 ▼ 4 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:40:11 ID:a2WISyOI [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「……あれ、どうしたポニータ?」

ポニータ「くぉん……?」

少年「!あれは……」

アブソル「…………」

少年「アブソル!バトルか……?」

アブソル「……」

 アブソルは音も立てずに降り立つと、こちらが警戒するより速く背後を陣取った。

少年「!?なっ」

 そして俺の後ろ襟を咥え、駆け出す。

少年「うわあああああああああ!?」

ポニータ「くぁん!?」
 ▼ 5 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:40:52 ID:a2WISyOI [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 しばらく目を瞑って揺れに耐えていたが、やがてアブソルは止まった。

少年「……?」

 恐る恐る目を開けると──





──アブソルは既に姿を消していた。

少年「!?なんだったんだ……今の」

ポニータ「くぉん!」

カメテテ「テッ」

少年「ああ良かった、追ってきてくれたんだ」

 ちなみにカメテテは器用にポニータの背に乗っている。
 ▼ 6 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:41:36 ID:a2WISyOI [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「とりあえずもう暗いし、下手に動かない方がいいよな……この辺で野宿を……あれ?」

カメテテ「テッ?」

少年「なんか聞こえないか?」

 か細くて高い……泣き声みたいな……

少年「って、これ人間の声じゃね!?おーい!誰かいる!?」

 途端に声が止んだ。すると今度は、小さな声で「たすけて」と声がした。女の子の声だ。

少年「やっぱ誰かいるんだ!探すぞ!」

ポニータ「くぉん」

カメテテ「テッ」
 ▼ 7 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:42:58 ID:a2WISyOI [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 数分後、俺たちはまだえんじくらいの小さな女の子を見つけた。

少年「ポケモンも持っていないのに、なんでこんなところにいるんだ?危ないよ」

女の子「おとうさんに……」

少年「?」

女の子「……おとうさんについてきたの。おとうさんはけんきゅういんで、このへんのちりのけんきゅうにきてたの」

女の子「そしたらはぐれちゃって……」

少年「そうか……とりあえず、今日はもう暗いし、ここで野宿しよう。で明日一緒にお父さんを探そっか」
 ▼ 8 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:44:46 ID:a2WISyOI [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女の子「とまるの?じゃあさっきいいばしょみつけたよ」

少年「いい場所?」

女の子「きて」

 女の子に手を引かれて着いていくと、そこには大きな屋敷があった。
 雰囲気でいうとシッポウシティの建物に似ている。落ち着いた豪華さのある豪邸だ。持ち主はさぞ金持ちなんだろう。

少年「……こんなとこに家があったのか」

女の子「あのね、もうだれもすんでないみたいなの。こんやだけとまらせてもらお」

少年「そうだね。失礼します……」

 ギィ……とそれっぽい音をたてて、扉を開ける。
 ▼ 9 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:46:50 ID:a2WISyOI [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 中に入って扉を閉め、前を向いたところで──俺の足は止まった。

 屋敷内は真っ暗である。ポニータがいるのでこちらは明るいし、照明が無いから真っ暗なのは当たり前なのだが、雰囲気が異様だった。まるで、何かが闇の中にたくさん潜んでいて、それが一斉にこっちを睨んだかのように感じた。鳥肌が立ち、冷や汗が流れる。

少年「……ここ、やめない?」

女の子「ううん、そとはあぶないでしょ。ここにいよ?」

 女の子の言葉には、妙な説得力があった。確かに外は曇りだった。夜になれば雨が降るかもしれない。

少年「…………うん」

 その日は玄関先でまとまって眠った。
 ▼ 10 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:48:03 ID:a2WISyOI [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──たすけて。





──たすけて。たすけて。







──たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけてたすけてたすけてタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ

少年「あああああああああああああああ!?」

──ピピピピピピピピピピピピ……

少年「あ……」
 ▼ 11 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:48:38 ID:a2WISyOI [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ライブキャスターの目覚まし音で意識は覚醒した。寝る前にセットしたので、あれから7時間経ったというわけだ。

少年(すごい悪夢だった……)

少年「ポニータ、カメテテ、おはよう」

ポニータ「ブルルル……」

カメテテ「テッ」

少年「……あれ?」

少年「あの女の子……どこ行……った?」

 あの子がいない。寝る前は一緒だったのに。
 そして今気づいたが、とっくに日は昇っているハズなのに玄関の奥は真っ暗。明らかに”ヤバい“のは確かである。
 ▼ 12 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:49:18 ID:a2WISyOI [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「外に出た……とか?」

 あの奥に行ったかも、ということは考えたくなかった。

少年「とりあえず外に出……」

 ドアノブに力を入れると、「ぎっ」と、二重の意味で嫌な音がした。

少年「……カメテテ、開けれる?」

カメテテ「テッ……」
 ▼ 13 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/04 19:53:52 ID:a2WISyOI [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 カメテテは普通のドアならピッキングできるほど器用だ。カメテテならどうか、と試したが……やはりダメだ。
 こうなれば強行突破か。

少年「ポニータ、にどげり!」

ポニータ「くぉん!」

 だが、ポニータのにどげりでも扉はビクともしなかった。扉が硬いというよりは、攻撃によって干渉できないといった感じだ。

少年「…………」

 現実を認めなければ。
 俺たちは閉じ込められてしまったのだ。この謎の屋敷に。
 ▼ 14 ードリオ@バコウのみ 18/07/04 22:41:28 ID:coHkVoo6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 15 ドイデ@ラティオスナイト 18/07/05 01:59:15 ID:FI3M7a6E NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 16 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/07 19:21:16 ID:TD2wBK6c [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ポニータの炎を頼りに玄関からさらに奥に進むと、階段があり、それを上ると長い廊下があった。壁には数メートルおきにロウソクがついていて、ポニータの光源が無くとも一応周りは見える程度の明るさだ。

 俺たちはあの女の子を探すために、玄関から先に進んでみることにしたのだ。

少年「……カメテテ、後ろ大丈夫か?」

カメテテ「テッ」

 カメテテは俺のフードの中から後方を。

ポニータ「ブルルル……」

 ポニータは俺の隣から先方を警戒してもらっている。

少年(……しかし……)

少年「いい加減廊下長すぎないか……?」

ポニータ「くぉん……」
 ▼ 17 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/07 19:22:04 ID:TD2wBK6c [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 かなり歩いたつもりだ。だが行き止まりやら曲がり角やらが見える気配はない。

少年「……一回止まるか」

 そこで足を止める。
 廊下の床が軋むぎし、ぎし、という音が止み、代わりにどこにあるのか時計の音が聞こえてきた。

 かち、かち、かち、かち、かち、かち、かち。


 その時だった。
 ▼ 18 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/07 19:23:23 ID:TD2wBK6c [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ふっ、と隣のロウソクの火が消えた。

少年「ッ!?」

 俺の一番近くにあるロウソクが光を失うと、順にどんどん他のロウソクも消えていく。
 そして廊下はあっという間に闇に包まれ、光はポニータだけになった。
 全ての音が消え、何かの視線を感じた。
 ▼ 19 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/07 19:24:56 ID:TD2wBK6c [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「は……っ」

 マズい。マズい。マズい。息だけが荒くなる。動けない。怖い。怖い。逃げたい。

 思考が恐怖に埋め尽くされる。できれば蹲りたい。

ポニータ「くぁん!」

少年「!」

 ポニータの声で我に返った。目をやれば、ポニータは臨戦態勢だった。

ポニータ「ブルルル……」

少年(そうだ……俺にはポケモンがいる、戦えばいいんだ)

 それで完全に恐怖を忘れるわけではない、だが『戦う手段がある』と思えれば、それで身体を動かすのには充分だ。
 ▼ 20 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/07 19:25:43 ID:TD2wBK6c [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「な、何か来るぞ……構えて」

 自分はいつでもサポートができるように鞄に手を突っ込んだ。廊下の壁を背面にとり、左右を警戒する。

 右を見る。闇だけだ。

 左を見る。これも闇だけ。

 そしてもう一度右を見る。何もない。

 左を見る。同じ。
 ▼ 21 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/07 19:26:38 ID:TD2wBK6c [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ──肩に手が置かれた。

 少年「……ッ」

 飛び退く。ポニータの火に照らされて、宙に浮く黒い塊が見えた。一瞬息が詰まる。だが、もう大丈夫だ。

少年「ポニータ!かえんぐるま!」

ポニータ「くぉん!」

 炎を纏った突進は躱されたが、その光で相手の正体が見えた。
 ガスじょうポケモン、ゴースト。正体がバレて若干面白くなさそうな顔をしている。が、すぐに不気味な嗤い声を上げた。

ゴースト「ケケケケケケケケケケケケケケケケ!」
 ▼ 22 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/07 19:27:49 ID:TD2wBK6c [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「ポケモンなら話は速い、戦うぞ!下がれポニータ!」

ポニータ「くぉん!」

少年「カメテテ、がんせきふうじ!」

カメテテ「テッ!」

 ポニータが退くと同時に岩塊がゴーストに降り注ぎ、ついでに動きも止める。床にばきばきと亀裂が走った。

ゴースト「ケ"ェ"ッ!」

少年「効いてる!今だポニータ、もう一度かえんぐるま!」

ポニータ「くぁん!」
 ▼ 23 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/07 19:29:00 ID:TD2wBK6c [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ポニータがゴーストを吹き飛ばし、炎がそれを包み込む。

ゴースト「ゲア……ア!ギ、ギ……」

 人間の赤ん坊が咳き込む声を低くしたような音を立てながら、燃えるゴーストは消滅していった。

少年「勝てた……か?まだ油断は……」

 ロウソクに火が灯った。

少年「!」

 先程までの雰囲気は消え、明かりが戻る。だがこの屋敷自体に変化はない。あくまで一時的に危険を退けただけのようだ。

少年「……っはあ……よかった」

 思わず膝の力が抜け、へたり込む。また今のようなことが起きるのなら、かなり心臓に悪そうだ。

少年「……進むしか、ないか」
 ▼ 24 アル@きぼんぐり 18/07/08 10:45:53 ID:U1iMBmbM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 25 イティ@ゴーストZ 18/07/09 23:19:05 ID:3EH6CTgo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 26 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:29:48 ID:wUnwEG96 [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 あれからしばらく歩いたが、廊下は終わりそうにない。しかし廊下の壁にはロウソクがついているのみで、進むか止まるしか今はない。それに止まればまたさっきのようにポケモンが襲ってくるかもしれない。

少年「……いや……待てよ?」

ポニータ「くぉん?」

 そこで足を止め、振り返ってみた。そういえば『戻る』のも選択のうちだ。

少年「……!」

 背後はずっとカメテテが見張っていたし、何もなかったはずだ。だが。

 廊下の壁に扉がついている。
 ▼ 27 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:30:23 ID:wUnwEG96 [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「……入ってみる?」

カメテテ「テッ」

ポニータ「ブルルル」

 ドアノブに手をかける。少し錆びているが、開くことはできそうだ。

 そのままドアノブを回した。
 ▼ 28 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:31:12 ID:wUnwEG96 [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 一瞬のことだ。何が起きたのかわからなかった。

 首の後ろ……カメテテが乗っているあたりに衝撃を感じ、バランスを崩してドアに手をつけば、刹那全てのロウソクが火を消した。
 
少年「カメテテ……!?」

 振り向いた瞬間鳥肌が総立ちする。そこにあったのは、闇より暗い影塊。

「け、け、け、け、け、け、け、け」

 シャドーポケモン、ゲンガー。
 ▼ 29 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:32:14 ID:wUnwEG96 [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメテテ「テッ」

 カメテテはシザークロスの構えだった。おそらく首を狙ったゲンガーの攻撃を防いでくれたのだろう。

少年「が、がんせきふうじ!」

カメテテ「テッ……!」

 さっきのゴースト同様、岩塊がゲンガーを抑え込んだ……
 かと思ったが。

ゲンガー「ゴアアア!」

少年「ッ!ねっとう!」

カメテテ「テッ」
 ▼ 30 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:32:53 ID:wUnwEG96 [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 素早すぎる。迫ってきたゲンガーはねっとうを避けて一度距離をとったが、カメテテはスピード勝負のできるポケモンではない。次は反応しきれるかわわからない。

少年「ポニータは……」

 ポニータの技だと、相手に攻撃できるものはかえんぐるまだけである。

ゲンガー「グガガガッ」

 濁った声で嗤うゲンガー。その手には、闇を集めたかのような禍々しい球体が浮かんでいた。

 少年「シャドーボールが来る!カメテテ、がんせきふうじで動きを止めろ!」
 ▼ 31 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:34:03 ID:wUnwEG96 [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメテテ「テッ」

 岩塊が降り注ぐ、が……ダメだ。躱された。ゲンガーは足元の影に潜んで岩を避け、代わりに床が裂けた。

ゲンガー「ガッ……」

少年「……!?」

 ……今、ゲンガーがダメージを喰らったような。
 だがそう考える隙も無い。
 ▼ 32 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:34:22 ID:wUnwEG96 [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲンガー「ゲアアア!」

 今度はこちらに向かって突っ込んでくる。

少年「っ、かえんぐるまッ!」

ポニータ「くぁん!」

 正面から激突。

 いや、”潜られた“。ポニータの影をくぐり迫るゲンガー。狙いはこちらだ。咄嗟に腕で頭を庇う。

少年「うわあっ!」
 ▼ 33 ポポタス@パワーリスト 18/07/11 20:34:31 ID:DsosVEo6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえーん
 ▼ 34 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:35:02 ID:wUnwEG96 [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメテテ「テッ!」

 フードの中からカメテテも構えるが、何しろフードの中だ、間に合わない。

ポニータ「くぁぁぁん!」

 ポニータが動いた。にどげりの応用か、床を砕く勢いで無理矢理方向を転換する。タイプ相性なんて考えている暇はない。とにかく、少年に迫るゲンガーを、押さえつける技を。

──ふみつけ。

少年「……っ!」

 戦闘によって崩れかけていた床は簡単に砕けた。足に当たる破片が少し痛い。
 ▼ 35 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:35:42 ID:wUnwEG96 [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポニータ「くぉん!」

少年「ポニータっ」

ゲンガー「ギギ……」

少年「!」

 気のせいではなかった。ゲンガーは明らかにダメージを受けている。
 まだ確証は持てないが、おそらく。

 “潜った影を床ごと攻撃すれば、ダメージが入る”。

少年「がんせきふうじ!」

カメテテ「テッ!」
 ▼ 36 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:36:04 ID:wUnwEG96 [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 今度は、ゲンガーの逃げ道を封じるように。亀裂が檻となって、ゲンガーは動けない。
 この状態でふみつければ……

ゲンガー「ガッ……」

少年「今だ、ポニータ!」

ポニータ「くぉん!」

 上から狙う。
 ▼ 37 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:38:06 ID:wUnwEG96 [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「かえんぐるま!」

ゲンガー「ゲェ!?」

ポニータ「くぁん!」

 気づかれた、と思っただろう。

 床ごと影をふみつけられる、と思っただろう。

 ふみつけならノーマル技だから効かない、と思っただろう。
 
 残念、かえんぐるまである。案の定ゲンガーはふみつけを“透かす”つもりで実体化していた。
 再び潜る暇もなく闇を蹴散らす炎弾が影塊に直撃する。吹き飛ばされたゲンガーはさっきの岩にぶつかり、やがて床に堕ちた。
 ▼ 38 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:38:32 ID:wUnwEG96 [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲンガー「ギィ……ギィ……」

ゲンガー「ゴガア……!!」

 吐き気のする声だ。ゲンガーはイトマルの足のようにしばらくもがいていたが、とうとう動かなくなった。

ゲンガー「……シテ………ヲ………ニ……ノ……」

 ロウソクに戻る光。透けながら床に沈み込むゲンガーは、何かブツブツ唱えて消えていく。沈んだ後の床には染みが残っていた。一瞬血かと思ったが、それにしてはどす黒い。ゲンガーのどくタイプの要素だろうか?
 ▼ 39 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/11 20:38:58 ID:wUnwEG96 [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「ふう……助かった。ポニータ、カメテテ。ありがとうな」

ポニータ「ブルルル」

カメテテ「テッ」

少年「じゃあ、開けるか……」

 今度こそドアを開いた。
 ▼ 40 ブラン@ちいさなキノコ 18/07/12 11:26:18 ID:/uzYnOzY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 41 ジーロン@グラウンドメモリ 18/07/14 22:50:07 ID:LXPUJgHw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 42 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/15 19:48:22 ID:P/v2bNE. [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 この部屋にはロウソクは無く、完全に真っ暗だ。さっきまでの廊下よりもかなりホコリが多い。1年や2年で溜まる量ではない。
 しかし、廊下で常に纒わりついてきた緊張感はこの部屋には無く、不思議と落ち着くことができた。

少年「……とりあえず、この部屋でちょっと休もう。あの子とか出口を探すのはこの後だ」

 鞄を開き、携帯しているキズぐすりやきのみをポニータとカメテテに配る。元々野宿する予定だったので、一週間ぐらい生きていける蓄えはあるのだ。
 ▼ 43 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/15 19:49:28 ID:P/v2bNE. [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「疲れた……帰りたいなぁ」

 旅に出ると決めた時から、少しはこういう目に遭う覚悟はできている。だが、こうも大掛かりな仕掛けは初めてだ。俺たちは心身ともに疲弊していた。

──こつ。

ポニータ「!」

カメテテ「テッ……」

少年「!……靴……の音?」

 部屋の外に。何か、いる。
 ▼ 44 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/15 19:50:03 ID:P/v2bNE. [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──こつ。こつ。こつ。こつ。

少年「……構えて」

 緊張感が伝わるほど強くなってきた。このまま部屋の前を通り過ぎてくれ、と願う。

──こつ。こつ。こつ。こつ。

 そういえば、いつの間にか時計の音がしなくなっていた。
 靴音がかなり近づく。

──こつ。こつ。

──……

 止まった。

少年「マジかよ……」
 ▼ 45 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/15 19:51:09 ID:P/v2bNE. [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 悪い予感ほど当たるものだ。
少しずつ、ドアノブが回っていく。

ポニータ「……」

カメテテ「……」

少年「……」

 ドアに向かって臨戦態勢をとった。

 何が来ても倒してやる。俺にはポニータとカメテテがいる。

 視線を集めながら、ゆっくりとドアが開かれた。
 ▼ 46 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/15 19:52:15 ID:P/v2bNE. [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






「わっ!トレーナー!?」

少年「え!?」

 現れたのはサイキッカーの姿をした女の人だった。

少年「え、あ、あの……」

サイキッカー「どうしてこんなとこに迷い込んじゃったの!?でも一人じゃ心細かったの〜会えてよかったわぁ」

少年「す、すいません、あの……」

サイキッカー「そこの2体は君のポケモン?可愛いわね。あっ言い忘れた、私アイビーっていうの。専門家としてここの調査に来てて……」

少年「ちょっといいですか!?」

アイビー「あ、何?」
 ▼ 47 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/15 19:52:51 ID:P/v2bNE. [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 アイビーさんはゴーストタイプの研究をする団体の一員で、以前より話に上がっていたこの屋敷を調査するために来たそうだ。ゴーストタイプの気配がわかるらしいので、一緒に来てくれるのならかなり心強い。

少年「ポケモンは持ってないんですか?」

アイビー「今回は連れてきてないの。でも普段は強いのよ。この前シャガ君といい勝負だったんだから!」

少年「シャガ……っていうと、ソウリュウのジムリーダーですか」

アイビー「あれ、そうだっけ?」

少年「ええ……そこ忘れます?」

 そしてこの日はここで休んで、明日から捜索を再開することにした。
 ▼ 48 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/15 19:53:41 ID:P/v2bNE. [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アイビー「その女の子のことは……諦めた方がいいわね」

少年「……そうですか」

アイビー「いい人ね、君。……そうだ」

 アイビーさんは立ち上がり、部屋の本棚を調べ始めた。

少年「どうしたんですか?」

アイビー「君にこれを渡そうと思って」

 アイビーさんの手にあったのは、ホコリを被った一枚の紙だ。

少年「きよめのおふだ……?」

アイビー「前にここに隠しておいたの。もう使わないだろうから、君にあげるわ」
 ▼ 49 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/15 19:54:16 ID:P/v2bNE. [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「いいんですか……!?ありがとうございます!」

 きよめのおふだを大事に懐に仕舞った。これは、ゴーストタイプに対して本当に効くアイテムなのだ。ここで手に入れられてよかった。

アイビー「明日から、もう一度廊下を進んでみるわ。ゴーストの気配が無い場所を進めば、何か変わるかもしれない。戦闘になったら頼むわね」

少年「わかりました……!」

 少しずつ光明が見え始めていた。
 ▼ 50 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:02:01 ID:k68s7hHs [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ゴーストタイプの気配……つまり霊気とは、もやのようなものだ、とアイビーさんは言った。さっきの廊下はそれが濃く、この部屋は薄い。
 霊気の濃い場所はゴーストタイプの影響が強いが、薄い場所は弱い。できるだけ薄い場所を選んで歩くことによって、アイビーさんはこの屋敷であまり迷わずに進んでこれたらしい。

アイビー「そこを右に3歩、ちょっと行きすぎ。そうそれでいいわ……そのまま進んで」

 非常に地道な作業だが、少しずつ少しずつアイビーさんに指示してもらいながら進むことにした。

少年「ずいぶん長いこと進んでますけど、これで出られるんですか?」

アイビー「出られるかはわからないけど、少なくともループにはまらないようにはできるわ」
 ▼ 51 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:02:41 ID:k68s7hHs [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 左に5歩。前にしばらく歩いて、そこで止まって少し右向きに。

 上手くは言えないが、確かに何か雰囲気が違うような気がする。気のせいかもしれないが。

少年「……あっ」

アイビー「行き止まりね」

 昨日歩いていたこの廊下は、いつまで進んでも終わりが見えなかった。だが、ここに行き止まりがあるということは、少なくともこの屋敷の仕掛けを抜けたということ。

少年「ここなら壁を壊して出られますかね?」

アイビー「うーん……どうかしら。やってみて」
 ▼ 52 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:03:26 ID:k68s7hHs [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「ポニータ、かえんぐるま!」

ポニータ「くぉん!」

 ポニータは炎を纏って行き止まりの壁に体当たりするが、ぶつかる寸前、炎がいきなり消えた。

ポニータ「くぁん!?」

アイビー「ダメみたいね……」

少年「そんな!だったら出る手段がないんじゃ」

アイビー「落ち着いて。まだいろいろあるわ」

アイビー「一旦引き返しましょ。多分さっき来たところとは別の場所に出るわ」

少年「別の場所?」
 ▼ 53 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:03:52 ID:k68s7hHs [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アイビー「何があるかはわからない。また別の廊下かもしれないし、曲がり角かもしれない」

アイビー「でも多分この屋敷の本来の間取り通りに移動できるハズ」

少年「そういうもんかぁ……」
 ▼ 54 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:04:29 ID:k68s7hHs [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 今度は廊下を戻ってみる。なるほど、さっき通っていた廊下とは違い、壁にはロウソクの合間にドアがついている。これが本来のこの屋敷なんだろうか?

アイビー「それはわからないわ。この屋敷自体そもそも存在していないものだって可能性もある」

少年「なにそれ怖っ」

アイビー「ゴーストポケモンの力はすごいのよ……あ」

少年「!」

 廊下は開け、広間に出た。吹き抜けから見上げる天井には細かい装飾とシャンデリアが飾られ、周囲には高級そうな本棚が並んでいる。
 何故かホコリはなかった。
 ▼ 55 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:05:03 ID:k68s7hHs [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「こんなスペースがあったんだ……」


アイビー「……何か来るわ、気をつけて!」

少年「っはい!ポニータ、カメテテ。周りを警戒してくれ」

 ボールからポニータを繰り出す。

ポニータ「……」

カメテテ「テッ」 

 周囲を見渡すが、何かが起こる気配はない。

少年「何が来るんだ……!?」
 ▼ 56 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:05:49 ID:k68s7hHs [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アイビー「………」

カメテテ「…………」

ポニータ「……くぉん!」

 いきなりポニータが俺を突き飛ばした。

少年「うおわっ!」

 途端、ガシャーン!という音がして、細かな破片が頬を掠めた。

アイビー「シャンデリアが!」

 照明が落ちる。

少年「!」
 ▼ 57 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:06:17 ID:k68s7hHs [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──どさっ。がたん。がしゃんっ。ぼたっ。ばさっ。どごん。ぱりん。

 一気にいろいろなことが起きて状況が読めない。が、どうやらたくさんのモノが落ちたり倒れたりしているようだ。
 この広間だけじゃない。上の階でも何かが落ちる音が聴こえる。別の部屋でもだ。
 同時に殺気が肌を刺すように強まってくる。

少年「……」

アイビー「……」

ポニータ「……」

カメテテ「……」
 ▼ 58 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:06:58 ID:k68s7hHs [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 誰も喋らない。
 いや、“喋れない”のだ。何か一言でも発すれば、一歩でも動けば、この殺気の主に挙動を気取られる気がして。
 そうしている間にも物は落ち続け、とうとう落下音は途絶えた。
 静まり返った広間。ただ水槽でも落ちたのか、何かが滴る音だけが響き渡る。

 ぼたり、ぼたり、ぼたり、ぼたり、ぼたり、ぼたり、ぼたり、ぼたり、ぼたり……
 ▼ 59 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/19 20:07:25 ID:k68s7hHs [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ……どれくらい経っただろうか。本当は10分も経っていないかもしれないが、ずいぶん長い間、俺たちは刺すような悪意の中じっとしていた。
 だがこのままでは埒が明かない。何か行動を起こそう。起こすべきだ。
 それでも足は、意に反して(おそらく反してはいないだろう)動いてはくれなかった。

 しかし、そんな時間も唐突に終わりを迎えた。
 ▼ 60 グロコ@ポイントカード 18/07/19 23:43:32 ID:tX2sZ0Uw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 61 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:42:55 ID:8xhYXfDY [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──ぱしゃん。

アイビー「きゃ!?」

少年「!アイビーさ……」

 振り向く。瞬間、

カメテテ「テッ!」

──がしゃん!

少年「!」

 カメテテが動くと同時に、頭のすぐ横で何かが砕ける音がした。

少年「なんだ!?」
 ▼ 62 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:43:30 ID:8xhYXfDY [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 何が起きているんだ?

ポニータ「ブルルル……」

少年「!ポニータ……」
 
 見ればわかる。ポニータには見えている、と。

少年「ポニータ、かえんぐるまだ!」

ポニータ「くぉん!」

 ポニータのたてがみが一気に燃え盛る。そして駆け出す方向に、それはいた。

「──」

アイビー「あれは……ジュペッタ!」

少年「ジュペッタ!?初めて見た……!」
 ▼ 63 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:44:12 ID:8xhYXfDY [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ぬいぐるみポケモン、ジュペッタ。落ちたハズの本やら陶器やらの浮かび上がる中、表情だけは微動だにせずこちらを凝視している。

ポニータ「くぉん!」

 ポニータが跳び上がって正面から突っ込む。が、当たるかと思われた瞬間、ジュペッタの手がいきなりカクン!と上に挙げられる。

ジュペッタ「──」

 すると、ジュペッタの周りを浮かんでいた家具が一斉にポニータを撃ち落としにかかった。

ポニータ「くぁ……!」

少年「ポニータ!」
 ▼ 64 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:45:08 ID:8xhYXfDY [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 床に叩きつけられるポニータ。駆け寄る暇もなく、残った家具群が今度はこちらに降り掛かった。

少年「がんせきふうじ!」

カメテテ「テッ」

 家具群を遮るようにがんせきふうじを展開する。陶器が岩に当たって割れる音がした。
 今は家具群を防げているが、岩には少しずつ亀裂が走っていく。この屋根が機能しなくなるのも時間の問題だ。

アイビー「どうするの?このままじゃ……」

少年「……うーん……」

 焦る間にも亀裂は大きくなっていく。ポニータとカメテテの心配そうな視線を感じた。
 実は1つ作戦を思いついている。だが上手く行くかわからないのだ。それでもやるしかない。

少年「……ちょっと作戦聞いてくれ」

 一か、八か。
 ▼ 65 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:45:50 ID:8xhYXfDY [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 手元にあるものを全て投げつけてしまったジュペッタは、今度はその破片を集め始めていた。
 ちょうど大きな岩があった。もうほとんど砕けた状態なので、その欠片も回収し、環のように帯びる。
 そうすると、隠れていた人間の姿が露わになる。すかさず破片を撃ち込んだ。

少年「どろぼう!」

カメテテ「テッ」

ジュペッタ「──」

 ジュペッタは不思議に思った。軌道は合っているハズなのに、人間はダメージを受けた様子が無いからだ。
 ▼ 66 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:46:16 ID:8xhYXfDY [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ──破片の残弾が減ってきた。さっきから撃ち込
んだ欠片をまた拾い集める。破片の大きさはかなり小さくなっているが、代わりに鋭くなっているのでまだ使えるのである。
 浮かび上がる破片の中に赤を見た瞬間、人間の一人が叫んだ。

少年「今だ、ポニータ!」

ポニータ「くぉん!」
 ▼ 67 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:46:46 ID:8xhYXfDY [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ジュペッタが撃ち込んだ破片を拾い集める、俺はその時をまさに狙っていた。

少年「今だ、ポニータ!」

ポニータ「くぉん!」

 ポニータの入っているモンスターボールを瓦礫の中に混ぜておいたのだ。
 さっきはジュペッタの周りを廻る瓦礫に防がれたが、今度はボールから飛び出した時点で既にその内部に入り込んでいる。ジュペッタも虚を突かれた様子だ。今しかない。

少年「かえんぐるま!」

ポニータ「くぁん!!」
 ▼ 68 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:47:19 ID:8xhYXfDY [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 紅い結晶が炎の中に光って消えていく。おそらく一度しかないチャンスだ、だからほのおのジュエルをポニータに持たせておいた。

ジュペッタ「──!」

ポニータ「くぁぁぁん!」

 炎の軌道が流星のようにジュペッタを撃ち抜く。ジュペッタが弾き飛ばされると同時に、浮かんでいた家具やその破片が浮力を失って一気に落ちた。
 ジュペッタもゆっくりと落ちていった。

少年「シザークロス!」

カメテテ「テッ」
 ▼ 69 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/23 19:47:58 ID:8xhYXfDY [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 落ちてきたものを払う。ジュペッタに目を向けると、

ジュペッタ「──」

少年「っ!」

 微動だにせずこちらを睨んでいた。

アイビー「倒した……の?」

少年「どう……ですかね」

 すると、ジュペッタから何かが立ち昇った。消えていくので煙かと思ったが。

少年「……糸」

 少しずつジュペッタはほつれていき、残った布も次第に朽ちた。
 ジュペッタのいたところには何も残らなかった。
 ▼ 70 タフリー@アッキのみ 18/07/24 02:49:12 ID:CtwkUoGc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 71 ルビル@ふたのカセキ 18/07/24 17:25:09 ID:Py.kBCao NGネーム登録 NGID登録 報告
なんとなく開いたらあんたかよw
支援
 ▼ 72 リアドス@バグメモリ 18/07/25 02:32:23 ID:z9vkZX6A NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 73 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:04:34 ID:EarAOYNk [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 広間に静寂が戻る。いや、何かの滴る音はそのままだ。何の音だろうか?

少年「……先、進みましょう」
 ▼ 74 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:05:03 ID:EarAOYNk [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 広間の奥に、重厚な扉がひとつ。

少年「何だこの扉……?」

 耳を当ててみる。すると、

──ぽた、ぽた、ぽた、ぽた、ぽた、

 何かの滴る音はこの中から聞こえているようだ。

少年「もしかしたら出口かもしれない……カメテテ」

カメテテ「テッ」

 カメテテに鍵を開けてもらう。ギギ……と錆びついた音を響かせながら、ゆっくりと扉が開いた。
 ▼ 75 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:06:05 ID:EarAOYNk [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「うっ……!?」

 途端に変な臭いが鼻を刺す。ベトベターのような生臭い臭いとホコリの臭い、そして鉄が錆びたような臭いが微かに感じられた。
 鼻を抑えて覗いてみると、ここも部屋のようだ。

少年「ここにも何かいるかもしれない、気をつけよう」

ポニータ「ブルルル」

 初めは暗かった部屋も、ポニータが足を踏み入れると少しずつ明るくなり、中の様子が見えるようになってきた。おびただしい数の何かが転がっているようだが、まだ詳細は見えない。

少年「ポニータ、もっと明るく」

ポニータ「くぉん」
 ▼ 76 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:06:37 ID:EarAOYNk [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 炎が強まり、転がっていたものがはっきりと見えるようになった。

少年「え……」

少年「う、うわあああああああああああ!?」

 そこにあったのは大量の人骨だった。
 完全に白骨化したものもあれば、まだ肉がこびりついたものもある。
 転がっているものもあれば、何かに引っ掛ってぶら下がっているものもある。
 何かの滴る音は、その血の音のようだった。

少年「な……何だよこれ……」

カメテテ「テッ」

ポニータ「ブルルル……」

 二匹が何かを警戒して構えた。
 何か、来る?
 ▼ 77 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:07:10 ID:EarAOYNk [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「アイビーさん、何か……」

 その瞬間、肩口に鋭い痛みが走る。

少年「い"ッ!?」

アイビー「ゴメンね」

少年「う、ぐぅ……ア、アイビーさん……!?」

 アイビーさんの手には血のついたナイフ。

ポニータ「くぁん!」

アイビー「おっと」

 アイビーさんはにどげりを身軽に躱すと、扉を背にとり、こちらにナイフを向けた。
 ▼ 78 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:07:39 ID:EarAOYNk [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「ちょっと待ってください理解が追いつかない、あんた一体……!」

アイビー「悪いね、君も餌になってもらう」

 すると、アイビーさんの顔が数秒でどんどん老けていった。
 顔だけじゃない。髪は白くなって抜け落ち、腕は干からび、服は朽ちてゆく。
 やがて肉が砂のように崩れた。
 そこにいたのは、ただの骸骨だ。

少年「アイビーさ……!」
 ▼ 79 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:08:12 ID:EarAOYNk [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アイビー「カカカカカカカカカカカカカカカカ!!」

 ナイフを持った骸骨がこちらに向かって走ってくる。

少年「ポニータぁ!」

ポニータ「くぉん!」

アイビー「カッ」

 今度こそにどげりは命中し、アイビーさんだったモノは粉々になって吹っ飛んだ。

少年「逃げよう!」

 扉に手をかける。が、動かない。
 同時に背後に転がっていた骨達が起き上がった。

「ケケケケケケケケケケケケケケケケ!!」
 ▼ 80 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:08:39 ID:EarAOYNk [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「……!!」

 迫る骸骨。逃げ場はない。

少年「マズい……どうする!?」

 目に入ったのは床のヒビだ。

少年「ポニータ!床にふみつけ!」

ポニータ「くぉん!」

 バキバキと凄まじい音を立てて、天井が崩落した。
 ▼ 81 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:09:18 ID:EarAOYNk [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 肩口の切り傷と、尻餅をついた腰がじんじんと痛む。

少年「いっ…………たぁ…………」

 何階にいたのかはわからないが、とにかく階下。
 床に空いた穴の中までは骸骨も追って来なかった。ひとまずは撒けたようだ。

少年「みんないるな。……ここ、どこ?」

ポニータ「ブルルル……?」

カメテテ「テッ」

 さっきの部屋とは違い、物が何も置いていない部屋だ。扉や窓さえ無い。
 ▼ 82 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:09:48 ID:EarAOYNk [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「壁が壊せなかったら、また床でも割って……」

──少女がいた。

少年「ッ!?……あれ、君は……」

 この屋敷に入るきっかけになった女の子だ。こちらに背を向けて佇んでいるが、なぜ今まで気が付かなかったのだろう。

少年「こんなところにいたんだ!大丈夫?」

 肩に手をかける。
 ▼ 83 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/27 18:10:18 ID:EarAOYNk [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「熱っつ!?」

 熱した金属のように、女の子の体は熱かった。

少年「…………ッ!」

 距離を取った瞬間、女の子の首がぐりんと回ってこちらを向いた。

女の子「fykふhftjしcrcdjんvのplふぉvdyしdcgkxfjんcgさtjvhkmゔっjgkcgいれdぐkgふrxgっhxjbcbv」

 炎が部屋を包みこんだ。
 ▼ 84 ークイン@ゴーストメモリ 18/07/29 16:26:24 ID:cIt6Q5Kg NGネーム登録 NGID登録 報告
衝撃展開支援
 ▼ 85 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:39:12 ID:3fmkup2I [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポニータ「くぉん!」

 ポニータが前に出た。すると俺たちの周りの炎がポニータのたてがみに吸い込まれていく。

 とくせい「もらいび」。

少年「カメテテ、ねっとう!」

カメテテ「テッ!」

 熱い湯と言えど、水は水。カメテテの放った熱湯が、さらに周囲の炎を消し去っていく。

女の子「srj”いkfvじゅfgkmvfrsvjkjっgvb!!」
 ▼ 86 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:39:57 ID:3fmkup2I [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子が……いや、女の子の姿をした何かがどろりと溶けた。

少年「!」

 溶けた体は人型を失い、白くなり、頭頂部には青く揺れる火が灯る。

少年「ヒ……ヒトモシ!?」

 そこにいたのは、ろうそくポケモンのヒトモシだった。
 いや、ヒトモシなら見たこともあるし、戦ったこともある。だが……

少年「ヒトモシってこんなに大きかったか!?」

 今まで見たヒトモシは、大きくとも両腕の中に収まるサイズだった。しかし、目の前にいるヒトモシは明らかに高さ3メートルを超えている。簡単に人一人飲み込めるサイズだ。
 ▼ 87 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:40:40 ID:3fmkup2I [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒトモシ「fっjghっdbgfwghkvcxhj!!」

 シャドーボール。

少年「かっかえんぐるま!」

ポニータ「くぉん!」

 ポニータのかえんぐるまはシャドーボールを打ち消すが、ヒトモシに当たる直前に炎が吸い取られてしまう。

少年「向こうももらいびか!」

 ヒトモシはほのお、ゴーストタイプだ。カメテテは運良く相性的に有利。だがポニータの攻撃技は効かない。
 ▼ 88 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:41:29 ID:3fmkup2I [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「ポニータが相手の火を防いで、カメテテが攻撃……だな。いくよ」

ポニータ「くぉん」

カメテテ「テッ」

ヒトモシ「fjhfjdんbkmlbkbfjkmbvgjvfkljvc!!」

少年「がんせきふうじ!」

カメテテ「テッ」

 岩塊が黒い波を防ぐ。しかし次の瞬間、続けて放たれたシャドーボールがいとも簡単に岩を砕いていった。

少年「岩が……!にどげり!」

ポニータ「くぉん!」
 ▼ 89 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:41:59 ID:3fmkup2I [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒトモシ「vjrgふhぇgbkっlhっrxbkgbっkgvっmpdwxvj!」

 砕かれて降ってきた岩を跳ね返している間に、炎の第二波が来る。

少年「ねっとう!」

カメテテ「テッ!」

 炎の範囲が広すぎる。ねっとうでは正面しか消しきれず、残った炎の熱波が襲う。

少年「熱……ッ!」

 技の物量も速さも完全に向こうに分がある。このままでは負ける。
 負けたらどうなる?アイビーさん……骸骨は餌と言っていたから、魂を喰われるのか?
 ▼ 90 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:42:27 ID:3fmkup2I [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──その時、足に違和感を感じた。

少年「!」

 足元から黒い無数の手が湧いて出ている。手はわらわらと足を掴んでいた。

少年「ッ!シザークッ……!?」

 カメテテに指示するが間に合わず、いきなり手が伸びて宙に釣り上げられた。そのまま振り落とせば、ヒトモシに飲み込まれる位置に。
 ▼ 91 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:43:38 ID:3fmkup2I [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポニータ「くぁん!」

カメテテ「テッ!」

ヒトモシ「gjgるjv」

 カメテテがねっとうを放つ。だがシャドーボールで打ち消された。

少年「ヤバ……っ!助け」

──手が、離された。

少年「…………!」

 そのまま大口を開けるヒトモシの中へ……飲み込まれていった……
 ▼ 92 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:44:16 ID:3fmkup2I [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──たすけて。

──たすけて。たすけて。

──たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけてたすけてたすけてタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ


少年「!」

 無数の叫びで目を覚ました。
 どこだ、ここは?
 辺りを見渡すが、ただ暗いばかりで何も見えない。

少年「し……死んだ……?とか?」

 それに答える者はいない。
 しかしその時、目線の下に眩い光を感じる。
 ▼ 93 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:47:45 ID:3fmkup2I [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「眩しッ!……なんだこれ?」

 光の出所は胸。懐に入れておいた“何か”が、緩やかな熱をもって光を放っている。

少年「……きよめのおふだ……!」

 そうだ。初めて会ったときアイビーさんに貰った、きよめのおふだ。
 おふだの光は次第に大きくなっていく。それによって暗闇も少しずつ晴れていく。
 そして、「助けて」の声もだんだん遠くなっていく。

少年「……アンタらも、喰われたんだな」

 おそらくアイビーさんやあの骸骨達も。

少年「このヒトモシを倒すことで救われるんなら……そうしてやりたい」

 闇は完全に消え去った。
 ▼ 94 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:48:26 ID:3fmkup2I [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「ッ!」

 気づけば俺はさっきの部屋の床に転がっていた。
 顔から落ちたらしく、頬が痛い。

ポニータ「くぉん!」

カメテテ「テッ」

少年「ポニータ!カメテテ……大丈夫だよ、心配かけたな」

ヒトモシ「bvtdじjvfdc……」

 見れば、ヒトモシの火の勢いが弱まり、体も前より小さくなっている。
 ▼ 95 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:49:05 ID:3fmkup2I [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「弱体化してる……今なら!」

ヒトモシ「へyjぉkgfdbdjkhvpぬkfでdb!!」

 調子に乗るなとばかりに、ヒトモシがもう一度火を燃え上がらせる。だが、いまいち火は上手く燃えず、黒い煙が燻る。

少年「ねっとう!

カメテテ「テッ!」

 今度こそねっとうはヒトモシの火に命中し、じゅう……と嫌な音を立てる。

ヒトモシ「jkykyrdhwkpんhfgんtgdcjっkfんvghっfぜwっkゅ!!!」

 耳をつんざくような悲鳴をあげて苦しむヒトモシ。
 最後の抵抗とばかりに、かえんほうしゃを繰り出す。
 ▼ 96 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:50:30 ID:3fmkup2I [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「ポニータ!」

ポニータ「くぉん!」

 それも虚しく、ポニータのたてがみに全て吸い込まれていった。

ヒトモシ「ydhてdwthcgjlvfgvdxvhb……!」

 どろり、と、ヒトモシの体が溶け始める。それと同時に、木でできているハズの床や壁も溶けていく。

少年「!」

 足場が崩れると同時に、ぼんやりと意識が遠のいていった……
 ▼ 97 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:51:29 ID:3fmkup2I [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──……じょうぶですか!?大丈夫ですか!?

少年「!?」

 意識が覚醒する。眩しさに目を細めると、乾いた風が頬を撫でた。
 屋敷の外か?

少年「だ、大丈夫です……」

「よかった……!その怪我で倒れていらっしゃったので、ポケモンに襲われでもしたのかと思いました……」

少年「怪我?」

 そういえば、肩口に結構深い切り傷がある。おまけに尻や頬は痛いし、おふだを入れていた懐は服がひどく破れて火傷している。
 そしてポニータとカメテテはボールに入っていた。
 ▼ 98 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:52:04 ID:3fmkup2I [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少年「……夢じゃなかったのか」

「とりあえず病院へ行きましょう」

少年「あ、はい……あれ!?」

「はい?」

少年「アイビーさん!?」

「え?」

 目の前にいた女性はアイビーさんだった。

アイビー?「君、アイビーさんを知ってるんですか!?」

少年「ん??」
 ▼ 99 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:53:02 ID:3fmkup2I [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 俺が倒れていたのは、初めにいた荒野であった。が、屋敷の姿は見えなくなっていた。
 聞いてみると、そんな屋敷はここには存在していないらしい。

女性「私はネイビーと申します。アイビーさんの又姪です」

少年「まためい」

ネイビー「ええと、アイビーさんの、お姉さんの、孫です」

少年「……そんな昔の人だったんだ」

 シャガさんを君付けしていたのも納得である。
 ▼ 100 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:54:11 ID:3fmkup2I [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネイビー「君はどこでアイビーさんに会ったんですか?」

少年「えーと……」

 屋敷の話をすると、ネイビーさんは頷いた。

ネイビー「なるほど……この辺にはですね、人間の魂を喰らうヒトモシがいる、という言い伝えが古くからあるんです」

少年「あのヒトモシか……」

ネイビー「ええ。アイビーさんも手持ちと一緒に調査に行ったんですが、そのまま戻ることはなくて」

少年「手持ち?」

ネイビー「?はい」

 アイビーさんはポケモンを連れていなかったハズだが。
 ▼ 101 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:56:28 ID:3fmkup2I [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネイビー「最近、その手持ちのアブソルが私を訪ねて来ましてね。それについてきたんです」

少年「アブソル……!」

ネイビー「続きの話は病院行ってからにしましょう。ムーランド」

ムーランド「ばう」

 ネイビーさんのボールからムーランドが出てくる。

ネイビー「乗ってください。近くの街まで行きましょう」

少年「わ、わかりました」

 ムーランドに乗って荒野を進んでいると、遠くの岩の上にアブソルの姿を見た。
 アブソルはじっとこちらを見つめていたが、やがて蜃気楼のように、その姿は消えていった。

少年「……助けたかった、んかな」

 荒野の空は雲ひとつなく晴れ渡っていた。

               ─完─
 ▼ 102 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:56:59 ID:3fmkup2I [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【読んでくれた人へ】

支援&読んでくれてありがとう
今回は緊張感を出すために地の文に挑戦してみたけど、いつもはこんなん書いてます

http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=819773#rescount40

こっちもよろしく!
あと「このシーンなんでこうなったの?」って疑問があったら答えます
 ▼ 103 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/07/31 19:58:49 ID:3fmkup2I [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【企画者の人へ】
今年中にいなくなっちゃうんだね
寂しいけど残りの時間楽しんでいこうぜ
思い上がりも甚だしいんだけど、もしイラストを書いてくれるのなら、主人公の少年は
焦げ茶の髪
フード付きパーカー
の普通の少年でお願いします
モデルや特徴は特にないです
ちなみにポニータは♀、カメテテは♂です

画像:だいぶ前に描いたものだから覚えてなくても無理はないんですが、一応俺はこれを描いた者です
 ▼ 104 ージュラ@リンドのみ 18/07/31 20:02:22 ID:NoGc5Tao NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
面白かったよ
 ▼ 105 ルリア@ほしのすな 18/07/31 22:31:31 ID:qnVQp66g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白かった
執筆乙です
 ▼ 106 シコ@おとどけもの 18/08/03 09:39:09 ID:CZawkLlE NGネーム登録 NGID登録 報告
乙っす
 ▼ 107 v 18/08/22 20:18:03 ID:zslEvgUw NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
おもしろかった! おつかれさまです


ちゃんと覚えてるよ
すごくうれしい。 ありがとう。。
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