【ホラーSS】右回りのギギアル【短編集】

1 : ll.0NoLX/s 18/07/12 18:57:51 ID:BqlklSDY 報告
そのギギアルは、実験施設で生まれた。

何の実験をしているかは知らない。
ただ、薬品の香りと生臭さの漂う施設だった。

彼は、施設内の狭い一室に設置されていた。
扉が開けられることは、ない。

彼は、24時間ずっと、監視カメラにより観察されていた。
29 : ルガモス@パワーウエイト 18/07/13 20:32:12 ID:lfKc6OF2 報告
>>25
またもとは


支援
30 : ュカイン@ノメルのみ 18/07/13 20:32:29 ID:393k376U 報告
シュシュプってポケモンそういやいたな...
31 : エルオー@きいろビードロ 18/07/13 20:33:11 ID:RHP2wcTE 報告
こいういう意味がわかると怖い話すき
32 : ll.0NoLX/s 18/07/13 20:36:00 ID:hc9AqdSw m 報告
あるところ、ある成金夫人の屋敷。

ここにも、シュシュプは飼われていたが……

けちな夫人は、えさ代をしぶり、自作のえさを食べさせていた。

庭に生えた草花に、安いハーブ……
香りの良いものを、適当に詰めこんだ、粗末なえさ。

当然、シュシュプは良い香りを放たない。

夫人は怒って、やがて、夕食の余り物を与えるようになった。
33 : ll.0NoLX/s 18/07/13 21:41:04 ID:oz3k1Xus [1/14] 報告
当然、ますます香りは悪くなる……夫人はそう思っていた。

しかしなんと、シュシュプは、ほのかに良い香りを放つようになる。

驚いた夫人は、試しに、高級な生肉を与えてみた。

シュシュプは、さっきよりも断然、良い香りを放つ。

夫人は喜び、考えた。

「きっと、お肉が良い香りのカギなのだわ」

そうなると、他の夫人方々には負けていられない。

夫人は、さまざまな肉を、かたっぱしから試した。
34 : ll.0NoLX/s 18/07/13 21:41:42 ID:oz3k1Xus [2/14] 報告
そして、わかったこと。

肉食ポケモンの肉では、華やかな香りだが、繊細さがない。

草食ポケモンの肉は、美しい香りだが、どこかパッとしない。

つまり、雑食動物の肉。
それこそが、最高の香りを出すえさだった。

思わず、うっとりするような香りが屋敷に漂っていた。
35 : ll.0NoLX/s 18/07/13 21:56:25 ID:oz3k1Xus [3/14] 報告
ふと、夫人の心に疑問が浮かんだ。

雑食の肉……それが、シュシュプの最高のえさならば?

「まあ、あの市販の"最高級のえさ"! いったいどんな粗末な肉を使っているんでしょう!」

夫人は怒り、えさ会社を訴えた。

優秀な弁護士を金で雇い、慰謝料を大量にふんだくる算段だった。
36 : ll.0NoLX/s 18/07/13 21:56:52 ID:oz3k1Xus [4/14] 報告
事実、エサに使われていたのは、"そこらのヤミカラスの肉"。

夫人は金をたっぷり手に入れ、会社は倒れ、明かされた事実は連日にわたり報道された。

『シュシュプは粗末な肉を食う、汚ならしいポケモン』

悪いイメージは、すぐに街に広がり……

多くの飼い主がシュシュプを手放した。
37 : ーボック@パイルのみ 18/07/13 22:00:52 ID:VF7EXt.. 報告
ひぇっ…
38 : ャラランガ@のろいのおふだ 18/07/13 22:08:03 ID:KZCE1x2g 報告
肉食なのか…
39 : ll.0NoLX/s 18/07/13 22:14:35 ID:oz3k1Xus [5/14] 報告
飼い主を失ったシュシュプたちは、飢えた生活を余儀なくされた。

えさは"もらうもの"だった彼らが、自らえさを探さなくてはならなくなった。。

今はまだ、路地裏に廃棄された"最高級のえさ"があるが……

やがて、新鮮なえさを求め、"狩り"を始めるだろう。

その時、標的にされるのは何か?

彼らの近くには、ヤミカラスよりも狩りが楽な雑食動物がいる。

"人間"だ。

そして、人間は、街の外にも大量に溢れている。

シュシュプは、きっと大量に増えるだろう。

街は今も、"うっとりするような香り"を漂わせていた。


――――終――――
40 : ノノクス@こだいのぎんか 18/07/13 22:25:46 ID:FmzoQrJc 報告
全部面白い
41 : ゴラス@こないれ 18/07/13 22:30:50 ID:n.vo6vyQ 報告
怖ぁい……(小声)
42 : ロリーム@レッドカード 18/07/13 22:31:28 ID:g6uoj5SQ m 報告
((((;゚Д゚)))))))ガクブル
43 : ll.0NoLX/s 18/07/13 22:54:00 ID:oz3k1Xus [6/14] 報告
〈いたずらムウマージ〉

ある荒れ果てた森に、ムウマージのうわさがあった。

とてもいたずら好きで、道ゆく子供を連れさって、どこかに閉じ込めてしまう……と。

その森は町のはずれにあったので、子供たちは怖がって、森に近づかなくなった。

しかし、ある日、ひとりの少年が、ムウマージの森に迷いこんだ。
44 : ll.0NoLX/s 18/07/13 23:01:41 ID:oz3k1Xus [7/14] 報告
何のために入ったのか、今となってはわからない。

しかし、少年はそこで、ムウマージと出会ってしまった。

そして……

彼女の"いたずら"につきあわされた。
45 : ll.0NoLX/s 18/07/13 23:02:06 ID:oz3k1Xus [8/14] 報告
木の根に足をひっかけられたり。

頭上から硬いきのみを落とされたり。

四方八方から、柔らかいきのみが飛んできたり。

少年が困ったようにうめくたび、アハハ……ウフフ……と実に楽しそうな声が、森にこだました。
46 : ll.0NoLX/s 18/07/13 23:19:50 ID:oz3k1Xus [9/14] 報告
やがて、少年は、それとなく誘導されて、森の奥の小さな洞窟にたどり着いた。

中に入ると、突然、入り口が閉まる。

慌てて洞窟内を見回すと、岩でできたテーブルの上に、きのみがたっぷりと積まれており……
そのかたわらに、ムウマージがちょこんと座っていた。
47 : ll.0NoLX/s 18/07/13 23:20:34 ID:oz3k1Xus [10/14] 報告
ムウマージは、ぽんぽんと近くの地面をたたく。

「そこに……座ればいいの?」

ムウマージは、こくこくうなずいた。
48 : ll.0NoLX/s 18/07/13 23:22:25 ID:oz3k1Xus [11/14] 報告
洞窟内は、いたって歓迎ムードだった。

ムウマージは、人懐っこく、少年に危害を加えるつもりもないようである。

それどころか、彼女は少年に『外のお話』を聞かせてほしいと、しきりにせがんだ。

少年は、それをなんとなく理解し、いろんなお話を語って聞かせてあげた。

お父さんやお母さんと、ピクニックに行ったお話。

学校で、いじめっ子に立ち向かったお話。

ムウマージは、どのお話も、目を輝かせて聞いている。

少年も、楽しい気分になり、ムウマージと"おともだち"になりたいな、なんて思ってしまう。

にぎやかな、楽しい時間だった。
49 : ll.0NoLX/s 18/07/13 23:29:59 ID:oz3k1Xus [12/14] 報告
しばらくすごして、話しつかれたのか、少年は眠くなってくる。

ムウマージは、そっと少年によりそって、寝かせてあげた。

少年は、とても安心して、ムウマージに体をあずけて眠った。

幸せそうな寝顔だった。

静かな寝息はだんだんと小さくなり……

やがて少年は、死んでしまった。
50 : ll.0NoLX/s 18/07/13 23:44:37 ID:oz3k1Xus [13/14] 報告
少年が死んでいると気づいても、ムウマージは悲まなかった。

それどころか、無邪気に喜んでいるようだった。

少年の遺体を引っ張っていくと、奥の小さな岩箱に大切にしまって、ふたをしてあげた。

そばには、いくつもの岩箱が並んでいる。

ムウマージは、おもむろに、周囲の空中に何かを話した。

そして、何かを引き連れるように、ふらふらと出ていった。

次の"おともだち"を探しに出ていった。
51 : ll.0NoLX/s 18/07/13 23:59:10 ID:oz3k1Xus [14/14] 報告
少年は呪い殺されたのか?

そうではなかった。

少年が死んでしまったのは、単に『洞窟内の酸素がなくなってしまったから』であった。

洞窟は、唯一の出入り口を塞がれていた。

そしてそれは、まぎれもなくムウマージのしわざだったのだが……
52 : ll.0NoLX/s 18/07/14 00:00:17 ID:peNk8UhA [1/2] 報告
彼女は、死なせることが悪いことだとは、思っていない。
というか、何故死んだのかも分かっていない。

どちらにせよ、重要な問題ではないのだろう。

なぜなら、"会える"から。

ムウマージは、生と死が曖昧なポケモン。

むしろ、自分たちゴーストタイプに近い存在になってくれることは、彼女にとって、嬉しいことなのだ。

それが、ムウマージにとっての"おともだち"。
53 : ll.0NoLX/s 18/07/14 00:02:32 ID:peNk8UhA [2/2] 報告
だが、少年の両親は、今まで連れ去られた子供たちの親は……二度と彼らとは会えない。

ムウマージに、"ひとりじめ"にされてしまったのだから。

今日も、森の中には、楽しそうな声がこだまする。

ムウマージは、彼らと共にそこにいる。


―――終―――
54 : ノワール@きいろビードロ 18/07/14 00:04:29 ID:g/2EeQJ2 報告
余韻が残って切ない感じで良い
55 : ガヤンマ@つきのいし 18/07/15 15:06:42 ID:I3GcFwjs m 報告
最高!
56 : メモース@くろぼんぐり 18/07/15 16:39:55 ID:bZPMIV8g m 報告
推しの話で嬉しかった
しえん
57 : ll.0NoLX/s 18/07/19 22:50:28 ID:4MZk7MS2 [1/12] 報告
〈夜行性〉


ある若い学者が、調査のために森を訪れた。

この森には狂暴なポケモンのが出没するという。

そのポケモンはどうやら、"夜行性"らしかった。

万一にも街に影響を及ぼさないか、調べなければならなかった。
58 : ll.0NoLX/s 18/07/19 22:53:11 ID:4MZk7MS2 [2/12] 報告
「おや」

森を歩いていると、ふと、目の前を何かが横切る。

ナゾノクサ……別名、アルキメンデス。

どうやら、レディバに追いかけられている。

「そういえば……ナゾノクサも夜行性だな」

しかし、このナゾノクサは狂暴とは思えなかった。

なので、若者はナゾノクサを無視して先に進んだ。
59 : ドラ@ネコブのみ 18/07/19 22:57:23 ID:4MZk7MS2 [3/12] 報告
やがて、若者はこんどこそ気になるものを見つけた。

「これは……妙だな」

目線の先にあったのは、オタチの死体だった。

しかも、干からびている。

目的のポケモンのしわざかもしれない。

若者はメモをとる。

「もっと、データを集めよう」

若者は再び歩きだした。
60 : ンキー@つりざお 18/07/19 23:02:22 ID:4MZk7MS2 [4/12] 報告
調査をしているうちに、日が暮れてくる。

夜の調査は、さすがに危険と思われたので、見晴らしのいい場所にテントを張ることに決めた。

ちょうど森の中に、ちょっとした広い草原があった。

見晴らしの良い中心にテントを立て、中で今日の調査をメモにまとめる。

若者はあの後も、干からびた死体をいくつも発見していた。

中には、リングマのような大型のポケモンのものもあった。

「となると……やつも大型の強いポケモン……いや、集団で狩りをしている可能性もある」

ぶつぶつと言っているうちに、外はすっかり夜になっていた。

テントを中心にして、草原が不気味に揺れていた。
61 : ll.0NoLX/s 18/07/19 23:05:48 ID:4MZk7MS2 [5/12] 報告
ふと、若者の腕が止まる。

「外に……何かいる」

外を照らしてみても、何もいない。

ざわざわと、草の揺れる音だけがする。

「おかしい、確かに物音がしたのだが……」
62 : ll.0NoLX/s 18/07/19 23:07:20 ID:4MZk7MS2 [6/12] 報告

「……うわっ!!」

なんとなく足元を照らしてみて、若者は驚いた。

赤く光る目が、こちらを見ていたからだ。

「……な、なんだ、おまえかあ」

よくよく見るとそれは、ナゾノクサであった。

「そうか、夜行性だものな」

本来、今がナゾノクサの活動する時間なのだろう。

邪魔すると悪い……そう思ってテントを閉めた。

しかし、

若者は違和感に気付く。

赤い目が、一つではなかったことに。
63 : ll.0NoLX/s 18/07/19 23:11:07 ID:4MZk7MS2 [7/12] 報告
思わず、再び顔を出し、辺りを照らす。

赤い目は、地面いっぱいに広がっていた。

つまり、
それは、全てこちらを向いているということ。

突然、地面がゆれる。
テントがゆがんでいる。

草原全体が、不気味に揺れ動いている。
64 : ll.0NoLX/s 18/07/19 23:15:24 ID:4MZk7MS2 [8/12] 報告
若者は転ぶ。

テントの底から、草が突き破って出てきた。

持ってきた木の実が、絡め取られ、干からびてゆく。

「干からびる……まさか」

若者は、ようやく理解した。

自分の調べていた、謎のポケモンの正体は、ナゾノクサの群れだ。

そして、ここは草原などではなく、

数万ものナゾノクサの群れ、その中心。

しかし、理解したところで、もう手遅れだった。
65 : ll.0NoLX/s 18/07/19 23:16:06 ID:4MZk7MS2 [9/12] 報告
真下から、無数の草が襲ってくる。

ライトが折られた。

直後、暗闇に浮かぶのは、

「目、目が、赤い目が」

若者は飲み込まれた。
66 : ll.0NoLX/s 18/07/19 23:23:06 ID:4MZk7MS2 [10/12] 報告


夜が明けたとき、残っていたのは、残骸のみ。

干からびた死体。

――やがて、骨まで土の養分になるだろう。

折れたテントの骨組み。

――やがて、ここを訪れた人間への警告になるだろう。

若者の残したメモ。

――これは、ぼろくずになってしまったようで、もう読むことはできないだろう。

草原は、何事もなかったように揺れていた。
67 : ll.0NoLX/s 18/07/19 23:23:56 ID:4MZk7MS2 [11/12] 報告
自然には、驚くべき力がある。

たとえ、どんなにちっぽけで、弱く見えようとも。

人間が知るのは、そのたった一部なのだろう。


―――終―――
68 : ll.0NoLX/s 18/07/19 23:32:34 ID:4MZk7MS2 [12/12] 報告
〈二人で〉


私の今日までの人生は、サーナイトと共にあった。

いくじのない私を、彼女は優しく、時に凛々しく、支えてくれた。

それはもう、ラルトスの頃から。

そして今日、私は結婚する。

いやもちろん、人間の女性と。

妻となる女性は……清らかで、繊細で、美しい。

それはもう、私には不釣り合いなくらい。

こんな幸せを手に入れられたのも、サーナイトが支えてくれたから。

ありがとう、サーナイト。

そして妻よ。

これからは、共に歩んでいこう。


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