意趣返し─幻獣の紅炎─:ポケモンBBS(掲示板) 意趣返し─幻獣の紅炎─:ポケモンBBS

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意趣返し─幻獣の紅炎─

 ▼ 1 ロカロス@わざマシンケース 18/08/23 18:44:15 ID:kWD.jn.Q NGネーム登録 NGID登録 報告
──迷信──
それはどこの地方にも伝わるもの


有名なものを挙げるならホウエン地方の『アブソルは災いを呼ぶ』であろう。
実際は災害を感知する能力があり、それを知らせるために人前に降り立っていただけだがそれが分かるまでは人々から誤解を受けていた。

しかし、地方にある町や村、迷信に関して全てを把握出来ているものがいるだろうか。
未開の地や辺境の地もあるかもしれない。
そこに伝わる迷信や言い伝え。
とある遠い遠い誰も知らない地ではは”アルビノ”と呼ばれる人々が呪術薬の材料にされたりするという



 ▼ 23 リーラ@プラスパワー 18/09/05 01:31:06 ID:p65IPnuo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
彼等が戻ると他のポケモン達も起きていたようだ

ゾロアーク「ふぁ…おはようっす先輩…」

アブソル「おはようゾロアーク、さっそくで悪いんだけど起きてないのいたら起こしてきて」

了解っす、と気だるそうに未だ夢の中にいるグラエナを起こす。気だるそうにしつつも朝食と理解すると体を起こしてアブソルの元へ集う。

ドンカラス「おはよう、可愛い我が子達…」
一番最後に起きたのは首領である彼女である。夜行性ゆえか少々眠そうだ。
夜更かしが得意ではないのに早起きも得意ではないとはどういう事なのかという疑問は一先ず心の中に留めておく。

ドンカラス「それでは…恵みに感謝して戴きましょう」






──始まりはいつもここから
 ▼ 24 ザードン@メカニカルメール 18/09/05 18:43:24 ID:0QFQIaaM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼等が朝食を済ませまったりとした時間を過ごしている時頭上から声が聞こえる。

マメパト「大変です!またスリーパーが街の子供たちを!」

彼は“メッセンジャー”と呼ばれる存在である。この森で起こる出来事により表の番人ら、裏の番人らに知らせる役割を持つ。マメパト以外にも他の鳥ポケモン達がこの役目を請け負っている。

アブソル「また性懲りも無くあのロリコンは…それで子供たちは?」

マメパト「東の森で保護されてます!今、サーナイトさんがテレポートでポケモンセンターに向かってます!」

アブソル「わかった、じゃあそのロリコンの元まで案内して」
呆れたようにため息を漏らし、四分の一ほどのガレットを口に入れ噛み砕いて飲み込むとマメパトに案内を頼みここを後にした。
 ▼ 25 ャラランガ@パワーベルト 18/09/05 21:58:08 ID:0QFQIaaM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
アブソルを見送るとガーディの目的達成のための修行を始めようとヘルガーとグラエナはガーディを連れて別場所に移動した。


ヘルガー「…まずお前何が出来る?とりあえずほのおタイプの技出してみろ。深呼吸して整えてからな」

グラエナとヘルガーによる授業が始まった。

すぅ、と息を吸い込み火炎を生成する。全神経を集中力させてリング状にした炎を体に纏わせ回転させ…
朽木に全身でぶつかると朽木は砕けパチパチと軽快な音を立てて燃え始めた

ヘルガー「“かえんぐるま”か…」

グラエナ「“かえんぐるま”?」

ヘルガー「“フレアドライブ”の子供版のようなものだよ」

グラエナ「……なるほど」

ヘルガー「エナ、わかってないだろ」

グラエナ「バレたか」

悪びれることなくエナ、基グラエナは答える。

ヘルガー「…“フレアドライブ”ってのは炎を纏わせて捨て身で相手に突撃する技で強力なんだがその代償として少しの反動が返ってくる」

ヘルガー「“かえんぐるま”は炎を纏わせんだけど体当りの動きで敵にぶつかる。反動は返って来ないが威力は劣るな」

ヘルガーはほのおタイプだからこそほのおタイプの技に詳しくガーディに丁寧に説明をする

ガーディ「そうなんだ、まだ僕“フレアドライブ”覚えるの早いかな…?」

グラエナ「んなこたァねぇと思うぜ、小せぇ頃に覚えさせてから進化させてるトレーナーもいるしな」

ガーディ「そっか、じゃあいっぱいお兄ちゃん達に教えてもらうね!」

ヘルガー「もうだいぶいい年なんだが……」

グラエナ「いいじゃねぇかよ、若く見られんのは嬉しいだろ」

このままだと雑談しているだけになるこいつを強くするんだ、と脱線しそうになる話を戻し向き直る。

ヘルガー「なんで俺達に戦い方を教わるのか気にならないか?」

ガーディ「ドンカラスおばあちゃんに頼まれたから…?」

ヘルガー「それもあるけど得意分野の違いだ」

ガーディ「得意分野…?」

聞きなれない言葉に首を傾げるガーディにはぁ、と溜息をつきつつも仕方ないかと思い直し長くなるぞ、と前置きをして説明を始めた。
 ▼ 26 フレシア@シルフスコープ 18/09/07 21:17:29 ID:kOssICfQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ヘルガー「まずオレはほのおタイプだからほのおタイプの技について教えられるが攻撃は不得手だ。特攻がメインだからな。だが、坊主お前は攻撃が得意だろう」

自分は攻撃が得意なのか。そう言えば父ちゃんも言っていたような…

ガーディ「うん、たしか父ちゃんが言ってた」

ヘルガー「決まりだな、お前は牙の攻撃の方が伸びがいい。俺も牙は使えなくないが正直確実に教えられる方に賭けたい、だから……」

ヘルガー「エナ、牙系の技を坊主に教えてやれ」

前脚をエナに指し示す、それは請け負う役目は世話係だけじゃないと指摘されているようなものだった。

グラエナ「なぁ、もしかして既に分かってたか?」

ヘルガー「…さぁな」

エナの問いにはぐらかすような返答をしたが十中八九分かっていたのだろう。得意分野の違いゆえに自分たちを指名したのだと。そしてここまで考えた上で指示をしたのも…

グラエナ「グランマか」

ヘルガー「ご名答」

まじかよ、と仕事が増えたことに1つ溜息をつきつつも覆らないと分かればガーディに向き直り告げた。
 ▼ 27 ーナノ@べにいろのたま 18/09/07 21:18:52 ID:kOssICfQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告










「ちゃんとついてこいよ、ガキ」









 ▼ 28 スラオ@なんでもなおし 18/09/09 15:46:21 ID:oSVU0Dsk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
グラエナ「もっと思い切り!」

ガーディ「うあああっ!!」

ヘルガーとの修行の後、休みもなく次はグラエナ教官に代わる。牙系の技の特訓だ。気合を入れるよう幼い咆哮すれば太い木の枝に牙を突き立てる。メキメキと僅かにヒビがはいったが砕けることは無かった。

グラエナ「“かみつく”は出来たな」

ガーディ「木の枝硬い…」

ヘルガー「それを噛み砕けるようになるにはまだパワーが足りないかもな」

ヘルガーは第三者の視点から評する。
“かみつく”はあくタイプの技なので得意不得手に関わらず二匹は詳しいのだ

ガーディ「どうしたら噛みくだけるの?」

グラエナ「それは渾身の怒りとか憎しみってやつを全て牙に込めんだよ。『この野郎!』って親の仇取るように牙を食い込ませてな…」

グラエナ「“かみくだく”ってのはどんな奴でも痛手を負わせることが出来んだ、ま、格闘とかフェアリー、同じ悪相手にはあんま効果ねぇけどな…」

そう語る彼の顔は強力な新勢力の登場に苦虫を噛み潰したようだった。格闘だけでも痛手なのにフェアリーなんて…と言ったものが透けて見える。

ヘルガー「あいつらは毒と鋼と炎には強気になれないからそんときはオレが出てってやる」

グラエナ「そりゃどうも」

二匹はそんな会話をしていた。その話が本当ならフェアリータイプのポケモンと争うことになっても自分は問題無いのだろうと何となく理解した
 ▼ 29 ィアンシー@フィラのみ 18/09/09 20:57:45 ID:oSVU0Dsk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
アブソル「やぁ、調子はどう?」
しばしの小休止を挟み成果、改善点を話し合っていると後ろから声が聞こえた。

ヘルガー「アルか、どうだった?」

アブソル「…一応きつく言い聞かせておいたよ」

例のスリーパーのことを指して彼女は呆れたように告げた。おそらく前回も似たようなことがあったため更生に関する期待値は低いのだろう。

アブソル「ところでこんな石を見つけたんだけど…」

彼女がそっと地面に置いた透き通る宝石のようなそれ。
紛れもなく“ほのおのいし”であった

ガーディ「きれい!宝石みたい!」

ヘルガー「“ほのおのいし”か、ボウズにとって必要な石だけどまだ早いな」

彼はその石の正体を見破った。

アブソル「そうかもね、まだ君達は強くなったとは思ってないんでしょ?」

ヘルガー「まぁな、“かみくだく”と“フレアドライブ”はまだ覚えられてないからな」

ガーディ「でもね、“かみつく”はできたよ!」

アブソル「1歩だけでも大いなる前進だよ、相性も悪くなさそうだしよかった」

グラエナ「この石どっから見つけてきたんだ?」

アブソル「さぁ?偶然の発見だよ」

グラエナの問いに彼女は態とらしく惚けたフリをして答える。
 ▼ 30 メタマ@いわのジュエル 18/09/11 20:10:39 ID:ag7Uh3aA NGネーム登録 NGID登録 報告
アブソル「それよりそろそろお昼も近いし、なにか食べよういいもの貰ってきたんだ」

修行を一旦止めて昼食。つまりそれだけ時間の経過を忘れて修行していたことになる。

アブソル「これはブースターの可愛さを利用してもらってきた。あ、一応お礼はきのみ酒あげといた。石は大事な宝箱にしまっておくよ、何かの拍子で進化したら大変だし」

ヘルガー「おーきのみ酒か…」
ブースターに協力を仰いだ事とそれによって得られたポフレ、辛い渋いきのみ、ドネルケバブと呼ばれる食べ物を置いていくと“ほのおのいし”を咥えてどこかへ向かう。

グラエナヘルガー「きのみ酒…?」

二匹は“きのみ酒”という言葉にまさか?!というか顔をして問い詰めようとしたが時すでに遅く彼女の姿は消えていた。
 ▼ 31 リッパー@カイスのみ 18/09/12 17:56:47 ID:3cU.uZD6 NGネーム登録 NGID登録 報告
ガーディ「どうしたの?これすごく美味しいよ!」

二匹の気も知らずガーディはドネルケバブと呼ばれる食べ物を頬張っている。甘辛く味付けされた肉は彼の好みに合った様だ

ヘルガー「……坊主……お前ってやつは」

グラエナ「おいチビ、それよこしな」

ガーディ「いやだ!ぼくのものだ!」

ヘルガー「喧嘩するな、分け合え」

諌めるようなヘルガーの言葉に渋々ドネルケバブを分け合うことにした。
兄弟喧嘩を見ているようだ、とヘルガーは呆れたようにため息を漏らしてモコシの実を齧る。
嗚呼好きな味だ、と噛み締めて味わう。

ガーディ「もうなくなっちゃった…」

ドネルケバブが気に入ったのかすぐに食べ終えてしまったことに残念そうに眉を下げる。
フィラとズリの実、先程ヘルガーが食べていたモコシ、ブリーの実がある。
2匹の視線を感じると前脚でずい、とフィラの実とズリの実を差し出した。

ガーディ「やった!ぼく、これ大好き!」
俺も、とガーディの言葉に肯定するようにグラエナもズリの実を頬張る。

ガーディ「そう言えばなんできのみ酒って時へんな顔してたの?」

ヘルガー「あー…それは…」
ガーディに“きのみ酒”についてを問われると気が進まない感情もあるもの答える。

ヘルガー「きのみを保存するために土に埋めてそれを取り出したら発酵してたんだ。普通なら捨てるとこなんだが
あるチャレンジャーがそれを試しに食べてみたら爽快感とほんのり甘くて気分が良くなった」

グラエナ「初めて酒造りに成功したんだよなオレたち」

ヘルガー「偶然の産物から生まれた技術、これはマダムに教えないわけにはいかないと思って報告したんだよ」

ヘルガー「そしたら…『素晴らしい技術だけれど濫用してはいけない、濫りに作ってはいけないよ』って」

グラエナ「ハレの日以外は飲むのも誰かにあげるのも作るのもダメだってきつく言われてんだよなぁ、それなのにあいつは…」

掟を守らずハレの日以外に『表の番人ら』に報酬として酒を与えた。
酒の味を知ってしまったならそれを知った者と作れる者とで売買が生じるのも時間の問題だ。商売人気質の輩もいるだろう。だが必ずしも上手くいくとは限らない。貨幣の概念はないので“きのみ”が貨幣替わりになるのだが貴重な“きのみ”が切っ掛けで均衡が乱れ、抗争が起きてはいけない。
それ故のドンカラスの判断なのだ。
 ▼ 32 ウカザル@サイコソーダ 18/09/13 18:34:21 ID:kSOkMcTc NGネーム登録 NGID登録 報告
食事もそこそこに済ませると再び修業が始まる。
“かみくだく”習得の続きだ。

グラエナ「今度はこの枝だ!さっきは後ちょっとで出来そうだったからな」

ガーディ「わかった!」

ガーディは目の前にある太い木の枝をじっと睨みつけ神経を全集中させガルル、と唸る。
そして……噛みつく。

メキメキと音を立てて太い枝にヒビが入る。許さない。やっつけてやる!
怒りを牙に込めて枝を噛み砕かんとするその時──

バキバキと太い木の枝が砕ける音が聞こえる。
“かみくだく”ができるようになったのだ

ガーディ「木の枝がバラバラ…」

グラエナ「…よくやったな!“かみくだく”出来たな!」

まるで自分のことのように喜んでくれるグラエナにガーディも嬉しくなる。

ガーディ「ぼく…“かみくだく”できたんだ…」

グラエナ「おう!後ちょっとで強くなれんぜ」

強力な技のひとつ“かみくだく”を習得できた。
これは大いなる成長



もっと強くなれるやつだ。グラエナはそう確信した
 ▼ 33 テボース@バシャーモナイト 18/09/14 18:52:22 ID:NXmsBwmM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
残るはフレアドライブだ。
翌日はヘルガー主導で修行をする

ヘルガー「出来れば今日中に習得したいんだ“フレアドライブ”を」

ガーディ「わかった」

ヘルガー「そのためには炎の生成とどれだけ多く纏わせられるか後はお前のパワー次第だ」

ガーディは深呼吸をして今までより大きな炎を生成し螺旋状に纏わせ思い切り体重を乗せて立て掛けた誰かが捨てたであろうピッピにんぎょうを吹き飛ばした。メラメラと音を立てて燃える音がする。

ヘルガー「…やった」

“フレアドライブ”の成功に心から嬉しそうな顔をしてすりすりと擦り寄る。

擽ったいよ、とガーディは笑いつつもこんなに喜んでくれるという事実に自分も嬉しくなった。
 ▼ 34 ビルドン@かなめいし 18/09/14 20:16:33 ID:NXmsBwmM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
長い修行を経て、覚えるべき技は全て覚えた。
残りは──進化のみだ。

アブソル「…君はこの石でもっと強くなれる可能性がある。重要な技は覚えられただろうからね」

長い長い修行の末──
最も強力な技を覚えられた。あとは本人の意思次第だ。“ほのおのいし”を見つめ彼は問う。

ガーディ「強くなれるの…?」

ヘルガー「“なれるの?”じゃなくて“なる”んだよ。坊主、お前にはその石を使う意義がある」

ガーディ「…わかった」

決心したように“ほのおのいし”に歩み寄り前足をそっと乗せる。








ぼくは強くなりたい











すると……全身が熱くなるような感覚に襲われ辺りが眩しいくらいの閃光に覆われた。
 ▼ 35 ノムー@こおりのジュエル 18/09/15 12:43:34 ID:qaYoaIe2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



立派な尻尾。鬣。悠然と佇む逞しきその姿。正しくそれは…


グラエナ「すげぇ…」

ヘルガー「………大きくなったな」

アブソル「…………………驚きすぎて声も出ないよ」

その姿に3人は息を呑む。

ウインディ「……どうしたんだ………っ、ああ、なるほど」

池に映る自分の姿にウインディに進化したのだと理解した。
彼らがこの場所を選んだのは水鏡によって映る自分の姿を認めさせることで進化をしたのだと理解させるためだった。

ウインディ「俺は…なったんだな」

ヘルガー「そのようだな、俺たちより遥かに大きくなった」

幼い声は凛々しく頼気な響きを持つ声に。3匹を見上げていたはずが今度は見下ろすように。

ウインディ「ヘルガー、グラエナ、アブソル。ありがとう」

小さく頭を下げて自分の面倒を見てくれたことにお礼を言う。

ヘルガー「礼はいい、目的を果たせ」

ヘルガーは礼を言われても顔色一つ変えることなく目的を忘れるなと釘を刺す。

アブソル「僕は石を用意しただけさ」

グラエナ「ふふん、もっと感謝してくれてもいいんだぜ?」
グラエナは冗談を交えた返しをする

ウインディ「ありがとう兄者。俺を強くしてくれて」
自分を強くしてくれたこと技を覚えられたこと過ごした日々は有意義なものだったろう
然し、つかの間の平穏が消えゆく気配をただ1人感じ取っていた者がいた。


ヘルガー「どうしたんだエナ?明後日の方なんて向いて」
 ▼ 36 クラビス@コオリZ 18/09/15 12:44:25 ID:qaYoaIe2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告













グラエナ「嫌な匂いがする」














 ▼ 37 リーン@ホロキャスター 18/09/16 01:25:42 ID:NhQ6Zo1o [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
その予感を感じていたのは彼だけではなかった。それはある日の昼下がり

レパルダス「…なにか嫌な予感がしますね」

ドンカラス「昼間なのに?やぁねぇ」

平穏な昼下がりの平穏を破るようにその声は響いた。


ジグザグマ「たいへんだー!」

エネコ「ニンゲンが!なんか変な網とか銃みたいなの持ってる!」

森に住む小さなポケモン達が一目散に逃げる足音が聞こえた。やはりか。

ジグザグマ「二人ともにげてください!」

ジグザグマの親切な忠告は有難いが彼女たちにはやらねばならないことがある。『裏の番人ら』の勤め──

ドンカラス「ありがとう坊や達、でもね、あたし達はやらなければならないことがあるの」

行くわよ、と傍らのレパルダスに声をかけるとニンゲンの気配がする方に飛翔した。
 ▼ 38 ワパレス@メタグロスナイト 18/09/16 16:07:09 ID:NhQ6Zo1o [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ニンゲンはそれぞれの方角にポケモンを放った。

ゲンガーとムウマージを。
最初に遭遇したのは『表の番人ら』の1人であるサーナイトだった。

サーナイト「ゲンガー…!?」

ゲンガー「そうさ、その通り、野望のために死んでもらうとするか」
舌舐めずりをして濃紫色の丸い火の玉を飛ばす。“おにび”だ

それを打ち消すようにふわふわとした光で迎撃する。“あやしいひかり”だ
“おにび”はそれに打ち消される。

ゲンガー「ほぉ…やるじゃねぇか」

サーナイト「あなたは…?ここのポケモンじゃないですね」

ゲンガー「そうだ、オレはトレーナーのポケモンだ。潰えた野望を叶えるために」

サーナイト「潰えた野望…?」

ゲンガー「イッシュ地方の征服さ」

イッシュ地方の征服。それはもう2度も阻止された今誰も考えるものはいない。そのはずではなかったのか

ゲンガー「信心深くて諦め悪いやつでよ、迷信ってやつを征服の夢を今でも信じてんだ」

迷信、と言う言葉に首を傾げた。科学的に証明された今それを信じる人間はいないと思っていたからだ。

ゲンガー「…だから邪魔者は消す」

ゲンガー「シャドーボール!」
黒い塊を生成しサーナイトにそれが投げられようとした…が、

???「危ないっす!」

何者かがサーナイトの前に立ちはだかり赤い爪を凪いで黒い塊を半分に切る。
 ▼ 39 マワリ@Zリング 18/09/16 18:32:22 ID:NhQ6Zo1o [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゾロアーク「大丈夫すか?」

サーナイト「ありがとうございます、ゾロアークさん!」

サーナイトを守ってくれたのはゾロアークだったのだ。
しかし彼女には気掛かりがあった。まだ避難させていない幼い子どもたち、そして『裏の番人ら』の1匹がなぜここに居るのかと

サーナイト「どうしてあなたがここに…?でも、まだ逃げ遅れた子供たちが…」

ゾロアーク「子供たちはお得意のイリュージョンで化けて避難させたっす!やっぱり優しそうなやつに化けるとよく言うこと聞いてくれるっす!」

オレ達は怖がられることも多いっすから、と自虐する。

ゾロアーク「それにこんな緊急事態っす!汚れ仕事は俺たちに任せるっす!」

確かにその通りだ。今まで汚れ仕事を彼等に任せてきたのだ。しかし今、自分たちに攻撃を仕掛けてきた今、表も裏も関係ない。緊急事態なのだ
彼女は言う

「手伝わせてください」

ゾロアーク「汚れ仕事は俺たちに任せろって…」

「幼い子供たちを助けてくれた上に守ってくれたあなたに全て押し付けるような真似は…」

できない、と言おうとした時突然明るい視界が霧に包まれ見えなくなる。

ゾロアーク「いいってことっす!…ん?なんか白い霧が…?」

サーナイト「全く見えませんね、……っ!」
ガハッと苦しそうに嘔吐くと腹部を抑えて膝をつく。

ゾロアーク「サーナイトさん!?」
慌てて駆け寄りサーナイトを介抱すると肌寒さを感じた。先程までゲンガーがいたのだろう。今は霧の向こうにいるであろうゲンガーを睨みつける

ゾロアーク「卑怯っすよ…」

ゲンガー「ぐへへ、美女が苦しむ姿ってのはいいもんだねぇー」

下卑た笑いを浮かべゲンガーは興奮している。

ゾロアーク「霧で目晦ましをする気っすか?」

ゲンガー「ご名答、長話が過ぎるから霧でここを包んでからあいつの影にはいって…“どくづき”してやったんだ」

ゾロアーク「そんな…!サーナイトさんしっかりするっす!」

サーナイト「ごめんなさい、ゾロアークさん…役立たずで…でもこんな私でもできることが…」

その言葉に嫌な予感を覚える。当たって欲しくない嫌な予感。

サーナイト「手を握ってくれませんか?」

ゾロアーク「…!そんなのダメっす!」

サーナイト「いいから…お願い」
彼女の強い気迫に気圧されゾロアークは彼女の手を握った。

サーナイト「どうか、この森の平和を…」

淡く光る温かなそれが自分の中に流れ込むと同時サーナイトはゆっくりと眠るような顔になる。
所謂“瀕死”と呼ばれる状態だ。もう彼女に戦う気力はない。
 ▼ 40 ンファン@トウガのみ 18/09/16 18:32:48 ID:NhQ6Zo1o [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告





それは彼女の“おきみやげ”だった
 ▼ 41 レッグル@そうこのカギ 18/09/16 21:41:34 ID:NhQ6Zo1o [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゾロアーク「サーナイトさん…」

ぐったりと横たわる彼女を抱き抱え涙を流す。

ゲンガー「ああ鬱陶しい…」

2人の悲劇を見せつけられ鬱陶しそうな表情になると手を前に突き出し…

ゲンガー「“きあいだま”を喰らえ!」

熱く熱を放つ塊をゾロアークに放つ。

ゾロアーク「っ!」
既のところで回避すれば手を振り下ろし薄桃色の思念を実体化させたものを振り下ろす。
“じんつうりき”だ。避けることは出来ず苦痛に表情を歪めるゲンガー。

ゾロアーク「ああ、サーナイトさん…」
目の前にいる敵とも戦わなければならないが倒れている彼女も気掛かりだ。
攻撃の余波を食らえば彼女は本当に死んでしまうかもしれない。
彼は悩んでいた。それを知ってか猛攻を仕掛ける。その度ゾロアークは自分が避けつつサーナイトも庇うのだが避けきれず攻撃が掠りダメージを負う。

ゾロアーク「くそっ…」

キリがない。集中力も段々と削がれていく。
するとそれを見かねたように上から声が聞こえる

???「あらあら、大変ね?」
 ▼ 42 ガプテラ@きんのたま 18/09/17 12:55:51 ID:PjcAew7g NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ゾロアーク「あんたは確か…!」

ドンカラス「そこで倒れている可愛いお嬢ちゃんが心配なのね」

ゾロアーク「はい!でも、あいつの攻撃も…っ!」

ゾロアークは彼女を庇いつつ再びの攻撃を“つじぎり”で切り裂いて打ち消す。

ドンカラス「あたしに任せてちょうだい」

ゾロアーク「ボスに?」

ドンカラス「ええ、ちょっと居心地は良くないけどごめんなさいね」

一言謝罪を入れると、老女はサーナイトの近くまで羽ばたくと…
ガっ、と足で掴んだ。

ゾロアーク「…お願いするっす」

ドンカラス「任せてちょうだい、おばあちゃんになってから誰かを抱えて運ぶのは初めてだけど」

ドンカラスはそれだけ言い残すと避難場所まで羽ばたいていった。
 ▼ 43 ャーレム@ながねぎ 18/09/17 18:30:24 ID:pFWAPWhE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
サーナイトをドンカラスに託すと再びゲンガーに向き直る。

途切れない猛攻は体力を消耗させるためだろう。その証拠にゾロアークにも疲労の色が出始めていた。

ゲンガー「そろそろトドメだ…」

ゲンガーは再び両手を構える。
これしかない。一か八か。あの手から“きあいだま”が放たれる瞬間…

“きあいだま”が迫るギリギリで回避したと同時にゲンガーに攻撃を避けきれず倒れる幻影を見せた。

ゲンガー「ざまぁみろってんだ、所詮雑魚だ」
ゲンガーは幻を本物と信じきり、倒れているゾロアークの毛を引っ張り“ひんし”であることを確認しようとしたその時──

ゲンガー「ッ!?」

急所の腹部に激痛が走ると同時にゲンガーは倒れた。倒れていたはずのゾロアークがニヤリと笑う。

ゲンガー「おまえ、…まさかっ、…!?」

ゾロアーク「イリュージョ二スト舐めちゃ困るっすよ」

冷たく言い放てば彼の十八番の“つじぎり”でゲンガーにトドメを刺した。







もう、ゲンガーに戦える気力は残っていない。
 ▼ 44 ークライ@もくたん 18/09/17 18:33:41 ID:WoPMCJTU NGネーム登録 NGID登録 報告
>>9
言葉を強調する時何かに結構雑誌とかで使われてる上等テクを知らんのかw
 ▼ 45 ィオネ@チャーレムナイト 18/09/17 20:05:42 ID:pFWAPWhE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
一方その頃
麓に近い森に幼いポケモン達はハピナスと共に避難していた。

エネコ「怖いよぉ…」

ハピナス「大丈夫大丈夫、きっと何とかしてくれる」

ハピナスは不安に落ち着かないエネコを抱きしめ落ち着かせるように背中を摩る。
すると…

???「ちょっとこのお嬢ちゃん頼めないかしら?」

声が聞こえる方に振り向くとぐったりとしたサーナイトを足でしっかりと掴むドンカラスがいた

ハピナス「サナ!どうしたの!?」

ドンカラス「懸命に戦ってくれたけど力及ばずでね…だから助けてあげて」

サーナイトをそっと下ろすと…
それじゃあねぇ、と返事も聞かずに飛び去って行った。
 ▼ 46 パルダス@あかいくさり 18/09/17 22:00:43 ID:pFWAPWhE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ムウマージ「うふふふっ、さぁ、一緒に冥府で遊びましょ♪」

男の手持ちの1匹であるムウマージは
すぅ、と息を吸い込むと不協和音の呪詛のような意味のわからない呪文を唱える。
その呪文を聞いたものは頭痛が走り恐ろしい幻覚が見えているのか土の中に潜むもの取り残された者達が怯え泣き叫ぶ声が聞こえる。その度にムウマージの気分は高揚しすぅ、と、息を吸い込み…
これならみんな道連れよ、と耳栓をすると再び息を吸い込み森全体に届くように大きく“ほろびのうた”を歌おうとした瞬間──

???「うしろががら空きだ」

音もなく背後から忍び寄る何者かによって鈍い殴打音と共にムウマージが字面に叩きつけられる。

レパルダス「ふぅ、こんなものでいいか」

全く手応えがなかったな、とアブソルにボヤく。

アブソル「全くですね」

何もしてないんだけどな、と言う心の声は出さず肯定するような返事をした。
しかし彼らは知らなかった。ゲンガーとムウマージは前座で最後の1匹が大トリなのだということを。

レパルダス「取り敢えずこの魔女擬きは捨て置け」

本命はこいつらじゃない、と足速に立ち去った。
 ▼ 47 ートロトム@こだわりスカーフ 18/09/18 12:55:04 ID:6Fjsjnn2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
本命は既に目的のポケモンと出会っていた。森の真ん中、大きな広場のような空間が空いている場所。

男「ああ、いたか…ウインディ」

男の目的はウインディ。そのウインディは招かれざる客に対して不信感を顕にしている。

男「俺はある目的がある、潰えた夢をもう一度実現したい!元プラズマ団員として!」

単刀直入に宣誓する。が、その目的と自分がどう繋がるのだろうか。疑問だった。

男「俺の住んでいた村は信心深く現代になった今でも迷信が信じられてきた。その中の一つにウインディに関する迷信があったんだ。毛皮を纏って肉を食らう。人の上に立つ大人物になれて金が入るって」

想像などしたくない。だが答えはこれでしかない。そう、今男が身に纏っているそれこそ…
 ▼ 48 レキブル@ボイスチェッカー 18/09/18 16:09:27 ID:6Fjsjnn2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
















今は亡き彼の両親の毛皮だったのだ。














 ▼ 49 ンバス@デンリュウナイト 18/09/18 16:15:43 ID:6Fjsjnn2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
男「あの時は失敗したが今度こそ成功させる!」

この毛皮がおれに幸福を齎すんだ、と見せつけるそれは間違いなく、自分の両親の毛皮。昔両親を殺したのはこの男だ。許すものか。両親を殺しておきながら身勝手なっ…!

ウインディは怒りに任せ男を威嚇する。然し怒りという感情は箍を外してしまうものである。
森があっという間に火の海になったのである

ヘルガー「しまった!あれじゃ森が…!」

ドンカラス「あらあらかなり怒ってるみたいね仕方ないわ」

しっかり掴まってなさい、と注意すれば大きく羽ばたいて鋭い神風に炎を乗せて渦を作ると等間隔に置かれたそれはまるでギミックのように動いている。

ヘルガー「あれは“おいかぜ”…!吹き消すんじゃなくてギミックにするなんて…」

炎の柱となり新緑と赤のコントラストが美しい。木々に炎が移らないように炎の柱は立って燃えている。奇跡。
復讐の舞台を整えると同時に延焼を防ぐ彼女の手腕だ



ドンカラス「……ギミックだけじゃないわ」

ヘルガーには聞こえない程度に小さく老女は呟いた。
 ▼ 50 ーブイ@せいれいプレート 18/09/19 01:51:18 ID:yxc6.i52 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
男「行け!エーフィ!殺ってしまえ!」

ボールを放り投げたと同時に出てきたのはエーフィだ。
フィ、と一声鳴くと最初に光の壁、リフレクターと交互に貼って防護壁を作る。首元には光る粘土で作られた首飾りがかけられている。

男「エーフィ!サイコキネシス!」

フィ、と一声鳴けば思念の波を実体化させてウインディに飛ばす。既の所で回避して息を吸い込み火炎を生成して吹く。“かえんほうしゃ”だ。然しそれはエーフィではなく落ちている大きな石。熱を持った石を高く放り投げ硬質化させた尻尾で防護壁に向かって叩き落とす。
ガキッとヒビひとつ入れられず弾かれたが。

男「エーフィ!テレキネシスだ!」
エーフィは先程の石をウインディの上まで浮遊させるとキッ、と睨みつけ力を抜いたと同時に石がウインディ目掛けて落ちていく。擬似的“いわおとし”だ

「ッ!?」
頭上にある石の存在に気がついて避けるがわずかな過擦り傷を負う。
しかしこんなことで怖気付いていられない。
気合を入れるよう咆哮すればギミックの一つである炎柱に身を投じる。エネルギーの生成による消耗を少しでも遅らせ自分のパワーアップも図ろうとしが……頼みの綱は無情にも消え逝く。
突然の雨。炎柱が消えたのだ。
 ▼ 51 メックス@アイスメモリ 18/09/19 09:16:44 ID:yxc6.i52 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ウインディ「…いたっ」

雨が降ると刺すような痛みに襲われる。炎は水に弱い。絶対的法則のひとつ。
エネルギー供給源はエーフィの“あまごい”によって絶たれた。
彼にとっては不利な状況と化す。
それを知ってか男はエーフィに仕掛けるよう命令する。

男「エーフィ!“テレキネシス”で泥を持ち上げて“スピードスター”に乗せてぶつけろ!」

エーフィは前足で泥濘の1部を持ち上げるとスピードスターの上に乗せて振り下ろす。流星群のように。
それを迎撃するように“はじけるほのお”を放つ。


・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・



ドンカラス「あたしのお手製、壊されちゃった」

ヘルガー「そんなこと言ってる場合じゃない。あいつ敵討ちも出来ず死んでしまう」

ウインディからは見えない位置、木の上で二匹佇む。

ドンカラス「…ま、こうなることくらいは分かってたけど坊やはあの子に負けて欲しくないでしょ?」

ヘルガー「そりゃそうですけど、あんまり手出ししすぎたら…」

ドンカラス「…それもそうね、本当に死にそうな限りは手助けなんてするべきじゃないわ。でもすごいわねけっして諦めてない」

諦める姿勢を見せず立ち向かっていることを指していた。むざむざと親の敵相手に敗北など喫したくないと思うのは彼に限らないが。

ヘルガー「俺たちはこうして見守っていることしか出来ないんでしょうか…」

ドンカラス「………」

老女は沈黙した。何かを考え込むように。
 ▼ 52 ャラドス@ルームキー 18/09/19 17:51:26 ID:cIy6T8gA [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ウインディは雨という状況にも諦めず果敢に立ち向かう。
勿論、エーフィも主の為に諦めない。

男「エーフィ!“どくどく”を雨雲に向かって打て!」

エーフィは毒液を雨に向かって放つ。避けられると見て雨に毒を含ませることで毒の雨を降らせたのだ。
毒雨が体に打ち付け、“どく状態”になる。
少しずつ消耗していく体力。エーフィは交互に貼られた“リフレクター”と“光の壁”のお陰で特に異常はない

(何か策は…?)

五臓六腑の奥が痛むような感覚を堪えながらどうにか防護壁を壊せないかと思考する。
すると…



僅かながらに継ぎ目と隙間があることを発見したのだ
 ▼ 53 ストダス@いいキズぐすり 18/09/19 18:26:36 ID:cIy6T8gA [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
エーフィはトランプのようなカードを浮かべウインディに向かって切りつける、“きりふだ”だ。
然し、それは渾身の力で作り出した“ねっぷう”で発火させたと同時に叩きつけるように継ぎ目と隙間に返す。
とその瞬間──
“リフレクター”にヒビが入ったのだ。


(“ひかりのかべ”にヒビさえ入れられれば…)


雨も弱まってきた。反撃はここからだ。
 ▼ 54 シギソウ@ミズZ 18/09/19 19:56:01 ID:cIy6T8gA [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
以前言われた言葉を思いだす


『光があれば影ができる』


『表が光なら俺たち裏は影』


『僕達は粛々と悪を始末して東の光達を守るだけ』



────『光と影は対になるもの』

あの3人が言っていた言葉が今になってリフレインする。
そういうことか。ウインディは確信する。だが攻撃の手段を持ちえていない。
くそっ、ここ迄か。
あきらめかけたその時──

爪を研ぐような音が聞こえた。音のする方向へ振り向く間もなく疾風のような影が1つ、音もなく光の壁が張られた方へ飛びかかりどす黒い粘つくような恐怖を具現化したものを鋭い爪に纏わせ引っ掻いた。

やはりだ。“ひかりのかべ”にヒビが入った。
音も無き来襲者にエーフィは戸惑いの表情を浮かべている。来襲者はウインディに言い放つ。

レパルダス「ヒビさえ入ればゴリ押しで壊せる、私の手助けはここまでだ」

しゅた、と木の上に登る。事の顛末を見届ける立場であるということか。
 ▼ 55 チュール@パワーバンド 18/09/19 22:20:36 ID:cIy6T8gA [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
雨が完全に止んだ。然し、身体から毒は抜けない。早く決着をつけなければ
息を吸い込み今までより大きな炎を生成し螺旋状に身体に纏わせる。
助走をつけて思い切りヒビの入ったシールドごと相手にぶち当たる。


バリィィィィィィ!!



────渾身のフレアドライブで目論見通り。防護壁という名のシールドは完全に崩壊した。
ガラスの破片のようなものがエーフィに降り注ぎ身体に傷をつけていく。
痛がるエーフィの一瞬の隙──




ゴキリ……



肉に牙が食い込む鈍い音が響いた。ウインディの牙がエーフィの身体を捉えると、その表情が苦痛に歪む。
薄紫色の身体が力なく垂れ下がり口に咥えたそれがもう動くことが出来ないと見ると
男の目の前にまるでゴミでも捨てるかのように放り投げた。
 ▼ 56 ノンド@みっけポン 18/09/19 22:48:37 ID:cIy6T8gA [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
手持ちのポケモンが撃沈し、残るは男一人のみとなった。
男は獰猛な獣の鋭い視線に怯えている



助けてくれっ、…許してくれ…!


命乞いをする声が聞こえるがウインディは聞く耳を持たない。
許すものか。この男だけは………………
再び僅かな力を振り絞って一撃を加えようとした時──




足元がふらつき視界がぼやける。





ダメだ、こんな所で力尽きるなんて………







・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・






彼の意識はそこで途切れた。

 ▼ 57 マナッツ@プレシャスボール 18/09/20 10:42:40 ID:LFWwsXdQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
目が覚めたときポケモンセンターのベッドの上だった。
ジョーイさん曰くマメパトから手紙が届けられ森に向かうと倒れているウインディとサーナイトその他の傷つき怯えている野生ポケモン達を発見し保護したと言う
例の男は手持ちのポケモンをボールに戻しているところを発見され無事ジュンサーさんによって逮捕された。
他にも色々と余罪があることを聞かされた。


ウインディ(結局自分の手で復讐出来なかった…)
あの男に同じだけの痛みを味わわせてやりたかった、と少し悔しい心境であるが死んでしまえば元も子もない。こうして生きていられているだけマシなだ。

ヘルガー「…大丈夫か?」

ウインディ「兄者…」

ヘルガーが心配そうな面持ちで覗き込む。

ヘルガー「東の森と西の森初めて協力しあったんだ、混ざらない世界だったのに。お前を、ポケモン達を救うために」

ヘルガー「お前あんな状態だったのに回復したんだから奇跡を見ているようだ」

ウインディは毒の雨を浴びて“どく状態”となり毒に濡れ、雨で気力も落ちていたが故少しずつ早く消耗していたのだ。
その上“フレアドライブ”だ。どちらにしろ限界は来ていたのだ。

ウインディ「あの男に仕返し、しそこなったよ」

ヘルガー「いいや、お前はよくやったよウィン。俺は何も出来なかった、ただ見てるだけだった」

ウインディ「…いいんだ、復讐は自分でやるものだから」

ヘルガー「あいつ、もう二度と外出られないらしいな」

ウインディ「ニンゲンはニンゲンが裁いた方がいいだろうな」

ニンゲンの罪はニンゲンが裁く。
コレが真理だ。あの時の自分なら私怨で口に出すのも憚るような行為を男に向けたが故に『化け物』と呼ばれて永遠の孤独を味わってしまっただろう。

ヘルガー「…そろそろ帰るか」

完全に回復した今、長居をする理由はない。残っているのは自分たちだけ。
ジョーイさん達に礼を言えば
足早にポケモンセンターを後にした。
 ▼ 58 ギルダー@よごれたハンカチ 18/09/20 12:57:29 ID:LFWwsXdQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ポケモンセンターからの帰り道
自分を迎えに来てくれたのはヘルガーだけではなかった。

グラエナ「よォ、大丈夫かウインディ?」

アブソル「一時はどうなることかと思ったけどね、でも無事でよかった」

なんてことない。いつもの3人と自分だ。

ウインディ「兄者たちが助けてくれたんだろう?ありがとう」

グラエナ「俺たちは何もしてねぇよ、ほぼグランマと姉御の指示だ」

アブソル「マメパトに手紙を持たせたのはボスさ」

僕達は追っ手を片付けただけ、と大した働きはしていないと答える。

ウインディ「…そうか、……それより、先行っててくれないか?行きたいところがあるんだ」

アブソル「わかった。行ってきな」
僕達は先に行ってるよ、と詳細は聞かずに2匹を促した。
 ▼ 59 ニョニョ@ほのおのいし 18/09/20 17:02:55 ID:y13.gKnE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
──丘の上の墓

「遅くなったな親父、お袋」

途中で摘んで咥えていた花をそっと墓石の傍らに置いた。

「あれから結構経ったけど強くなれたかな?今度は誰かを守れるようになるかな…」

……もし、話が出来たらなんて答えてくれるだろうか?

────────────完
 ▼ 60 しがり屋ウインディ◆JKKWLseGjM 18/09/20 17:06:25 ID:y13.gKnE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=860029

この作品は上の企画に参加させてもらうためのSSです。

このような拙文を読んでいただきありがとございます!
 ▼ 61 バゴーラ@ルビー 18/09/20 17:17:12 ID:W37ofltQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
乙です
 ▼ 62 ジアイス@しゅんぱつのハネ 18/09/24 23:49:46 ID:PU2E9Zxo NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
乙!
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