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意趣返し─幻獣の紅炎─

 ▼ 1 ロカロス@わざマシンケース 18/08/23 18:44:15 ID:kWD.jn.Q [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──迷信──
それはどこの地方にも伝わるもの


有名なものを挙げるならホウエン地方の『アブソルは災いを呼ぶ』であろう。
実際は災害を感知する能力があり、それを知らせるために人前に降り立っていただけだがそれが分かるまでは人々から誤解を受けていた。

しかし、地方にある町や村、迷信に関して全てを把握出来ているものがいるだろうか。
未開の地や辺境の地もあるかもしれない。
そこに伝わる迷信や言い伝え。
とある遠い遠い誰も知らない地ではは”アルビノ”と呼ばれる人々が呪術薬の材料にされたりするという



 ▼ 2 ロッパフ@ポロックケース 18/08/23 18:51:09 ID:kWD.jn.Q [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウインディ
それは”でんせつポケモン”と呼ばれるポケモンの1種。
かつては彼らの毛皮を身に纏い、肉を香草と共に食することによりかつての戦国武将のような大人物になれると信じられてきた。
もちろんこれも迷信。



しかし科学が発達してもなお考えを改められないのが人間である







これから始まるのはそんな迷信によって両親を殺された彼の復讐譚である
 ▼ 3 ングース@あかのはなびら 18/08/23 19:55:51 ID:f7.EDExI NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
↑悪いな、俺はまだ本気を出しちゃいないぜ!闇の炎に抱かれて消えろ!!バニッシュメント・ディス・ワールドダークネスストリートホーリーアタック(σ回ω・)σ←↖↑↗→↘↓↙←↖↑↗爆ぜろリアル弾けろシナプス!みたいなこと言いそう
 ▼ 4 ガエルレイド@イーブイZ 18/08/24 21:55:03 ID:YHOU5eeQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼の両親は“迷信”によって殺された。
父親も、母親も。
幼い彼が遊びから帰ってきた時、両親は無残な姿に変わり果てていた。


父親は母親を庇うよう折り重なっていたがそれも虚しく毛皮を剥がされ肉も剥ぎ取られ内蔵のみが残った血の花で彩られた凄惨な亡骸──

後でわかったことだが迷信を盲信する人間によって殺されたこと、父親は母親を守り母親はわが子だけは…、と必死に懇願していたと言う。
──幼い彼にはあまりに残酷な悲劇
両親の亡骸は森のポケモン達によって丘の上に埋められ簡単な石碑が建てられた。







「あそこのウインディさんち、2匹ともニンゲンに殺されちゃったんですって」


「まぁお可哀想に、あの子…ガーディちゃんこれからどうやって生きていくのかしら」




暇な主婦の井戸端会議は空虚に聞こえる。






そして、夜になった。





これからどうしよう。




大好きな両親がいない今、
生きる意味は無いと放浪していた





その時木々の草が揺らぐ音がした
 ▼ 5 ギアナ@こころのしずく 18/08/25 18:30:24 ID:NY.sVr5. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「美味そうなガキだな」

大きな黒い獣が舌舐めずりをする音が聞こえる。
夜闇に光る赤い目。
しかし彼には届かない。光を無くした瞳は毒々しい紫色の玉に釘付けになっていたからだ



『どくどくだま』



毒の塊で出来た玉のことだ。禍々しくも美しい色だがその玉の周りの草は枯れていることからその恐ろしさがうかがい知れる。




ぼくはここで死のう



──ためらいなど微塵もなく



ここで死ねば父ちゃんと母ちゃんの元にいける…


両親を亡くした彼にとってはその“どくどくだま”は両親の元へ逝くための神からの思し召しのように思えた





…サヨナラ、


彼は生きることを諦めた。


(これでいい…)



”どくどくだま“に触れようとしたその時───
 ▼ 6 ッギョ@だいだいバッジ 18/08/25 18:32:49 ID:.EpgLYjo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエンネ
 ▼ 7 イバニラ@なぞのすいしょう 18/08/26 00:46:23 ID:ewIs9H5o [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「何しようとしてんだ!?」

突然、草の揺らぐ音とともに黒い獣が現れる。
その正体は───自分よりも大きく獰猛なグラエナだった


なんで…じゃまするの?
光を無くした瞳のまま幼い彼は問うた
グラエナはため息を漏らし面倒臭そうな表情で一言───


「死なれると面倒」

…どういうことなのか?ぼくは父ちゃんや母ちゃんの元にいきたいのにそれすらゆるしてくれないのか?



「…じゃあころしてよ、今すぐぼくを食べてよ」



ガーディは生に対する希望を失っていたためか自分にとって捕食者ともなりうるグラエナに向かい自暴自棄とも取れるような発言をする。


「ダメだ、さっきも言ったけど死なれっと困んだよ」


「…じゃあぼくを崖からつき落として。気が変わらないうちに」


「だからダメだつってんだよ!話聞けしつけぇな」


「肝心な時に役立たない!」


「んだとクソガキ!?」




・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・





自殺念慮─否、死ねるなら手段を選ばぬガーディとそれを止めさせようとするグラエナ。暫く応酬が続いたが自死が出来ないと悟るとガーディは諦めたかのような表情になりグラエナに再び質問をした
 ▼ 8 フーライ@こおりのいし 18/08/26 07:54:38 ID:ykkc9BCo NGネーム登録 NGID登録 報告
ガーディ「どうしてころしてくれないの?もうぼくはしにたいんだ、父ちゃんも母ちゃんもいないから殺されちゃったから」

グラエナ「…どうしようが勝手だがな、テメェの親がいつそんなこと望んだ?勝手なことほざいてんじゃねぇぞ」

こっちに来い、と彼に導かれるまま森の中を進む。
ガーディは今まで自分がいた森の葉の色が若草色から深碧に変わっていることに気がついた。
グラエナに叱咤され、我に返ると葉の色の変化に気がつくことが出来たのだ。


(葉の色が違う…“領域“って…)


言葉を飲み込みグラエナに連れてこられた先は紺碧の広葉樹林、老緑の針葉樹林の入り交じった森───
そこは彼らの居住区域だった。

グラエナ「ただいま、グランマ」

???「お帰んなさい、坊や」


木の上から声が聞こえる。
だれ?とガーディは木の上にいる何者かの正体を問いかけた

ドンカラス「あたしかい?あたしはドンカラス、森を取り仕切る首領様さ」

豊かな白い胸毛を蓄え、周りには下僕だろうかヤミカラス達を従える彼女の姿。

ドンカラス「おや?どうしたんだい可愛らしい坊やを連れてくるだなんて珍しいねぇ」
グラエナ「この領域で死のうとしてたんで連れてきました」

老女の前に伏せをして状況報告をしている。
恐らくは彼女がこの森の主なのだろう
 ▼ 9 ルキモノ@きのみ 18/08/26 08:00:23 ID:8V8InBBc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
めっちゃ気になってるんだけどさ、なんで“”を””って使う奴がいるの?
ちょっと考えればおかしいって分かるでしょ
 ▼ 10 イリュー@ハガネZ 18/08/26 08:10:00 ID:ewIs9H5o [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>9
すみません…以後気をつけます…
 ▼ 11 ルード@はいぶくろ 18/08/28 18:49:43 ID:b23AOHzQ [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラス「そうかい、可愛い坊や、名前はなんて言うんだい?」

「ガーディ…です」

「よろしく可愛い坊や。ところで何故死のうとしたんだい?私たちの領域で」

お互いに簡単な自己紹介を済ませば単刀直入に問う。何故老女の取り仕切る領域で自分たち同胞とは違う関係の無いポケモンが死のうとしていたのか興味があったからだ。


「ぼくのとうちゃんとかあちゃんがっ、……」

事情を説明しようとするがその時の光景を思い出し言葉に詰まり嗚咽する。ドンカラスは幼い彼が何を言いたいのか分かった。それが彼にとってあまりに残酷で受け入れ難いもの事実でもあることも

「ニンゲンに殺されたんだろう?科学が発達してもまだ信心深いものもいるからな」

それは彼の両親が“迷信”によって殺されたことを示していたドンカラスの老獪ゆえの言葉だ。
幼い彼の表情は正解を物語る。


「ニンゲンに殺されちゃったんだ…ぼくがもう少し強かったら…どうしてこんな目に遭わなきゃならないんだ!あのニンゲンが悪いんだ!でもボクには何にもできない…」


先程死を願っていたとは思えないほどの感情的に喚いている。
否、少しは存在しているのかもしれないが。
すると……
























 ▼ 12 ルケニオン@ねっこのカセキ 18/08/28 19:50:59 ID:b23AOHzQ [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告









???「──言いたいことはそれか?」










 ▼ 13 リュウズ@ドラゴンZ 18/08/28 21:19:43 ID:b23AOHzQ [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドンカラスの傍らにいる豹柄を背中に持つスラリとした肢体の猫
───彼女はレパルダス


レパルダス「ここは親が死んだ、親の顔なんて知らない、捨てられたヤツらの集まりなんだ。死ごときで一々感情的になるな小僧」

グラエナ「んだとてめぇ!?親父やお袋を亡くしたばっかのガキになんてひでぇ事言いやがる!」

「だからだ、感傷的になっても死んだ両親は帰ってこない 今をどう生きるかだ。私達は悲劇の主人公など求めてない」


「どう生きるか…?」


「──小僧、お前は悲劇の主人公だ。そこから立ち直れれば立派。そこで悲劇の主人公に溺れていればいつまでも弱いままだ」



「立ち直る…?」



「そうだ、今ここで選ぶチャンスがある」



















──小僧、お前はどうしたい?







 ▼ 14 ンカラス@きいろいかけら 18/08/29 00:04:27 ID:JqcAyxic NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
─────・・・・・



長考。そして出た結論










…ぼくはつよくなりたい!




 ▼ 15 バルオン@ライブドレス 18/08/29 01:18:37 ID:CwSAJOJI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しあん
 ▼ 16 ノノクス@ポイズンメモリ 18/08/29 15:02:34 ID:V7nQydeI NGネーム登録 NGID登録 報告
レパルダス「決まりのようだな、認めよう小僧。我らの仲間になることを。だが仲間として認めるのはおまえが仇討ちを完遂するまでだ」

ガーディは晴れてここの仲間となった。条件付きでだが。
あっ、と思い出したかのような表情を彼女が仕える老女はしていた。

ドンカラス「申し訳ないねぇ坊や、“領域”の説明をすっかり忘れていたよ」

ガーディ「領域…?」

グラエナも言っていた“領域”とはどういう事なのか。気になっていた謎が明かされる。

ドンカラス「あたし達は『裏の番人ら』と呼ばれる存在さ。“領域”って言うのはあたし達『裏の番人ら』が住む居住区域のことさ。やることは…森を荒らすポケモンの制裁或いは追放、人間の場合も森を荒らしたり、徒に傷つけるものなら似たような事はするかもしれないねぇ」

レパルダス「私達の対の存在『表の番人ら』は迷いポケモン、迷い子の保護そして迷い子を送り返すこと、傷病治癒。そんなものだ。小僧は本来なら表のヤツらの所にいるべきだが今回は特別だ感謝しろ」

ボスと幹部らしきポケモンが説明をするが幼い彼が理解出来ているかは怪しいものだ


ガーディ「…怖いポケモン達なの?」

ドンカラス「ああ、そんなに怯えなくていいよ坊や。殺すわけじゃなくて“懲らしめる”だけだからね」

穏やかな笑みを浮かべてはいるが有事の際は処分も辞さない、と言ったようなものだろうか


かくしてガーディは『裏の番人ら』の一員として過ごすこととなる…
 ▼ 17 ガヘルガー@ドクZ 18/08/30 00:13:18 ID:/2ncnD8c NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 18 ョンチー@すごいキズぐすり 18/08/31 12:30:15 ID:vvRIlqQM NGネーム登録 NGID登録 報告
ドンカラス「新しい家族が増えてあたしは嬉しいわ、ああ、そうそうお世話係を決めないといけないね…」

ドンカラス「あたしはなんでも知ってるけど『餅は餅屋』って諺もあるからその道の子に戦い方を教わると良さそうだねぇ…」

うーん、と翼の先を顎に当ててまるで人間のような仕草で思考を始める。

ドンカラス「決めたわ。戦い方はヘルガーに教わりなさいお世話係はグラエナあなたよ。他のみんなも見ておやんなさいね」

ヘルガー「了解です、マダム」

グラエナ「承知の上ですグランマ」

ボスの命令により戦い方は同じほのおタイプのヘルガー、日常はグラエナとその他のメンバーによって世話をすることが決まった。

ドンカラス「決まりのようね、そんじゃそろそろ寝ようかね」

年寄りに夜更かしは辛い───
彼女は呟くと翼を羽ばたかせポッカリと空いた木の虚に体を休めると瞳を閉じた。
 ▼ 19 ルンゲル@バグメモリ 18/09/01 12:53:10 ID:1CHgQ.ro NGネーム登録 NGID登録 報告
ドンカラスが眠りについたのを見届けるとガーディに向き直る。

ヘルガー「これからよろしくな坊主」

ガーディ「よろしく…おねがいします!」

たどたどしいながらも彼はヘルガーに挨拶をする。

グラエナ「よろしくなチビ」

グラエナとヘルガーと呼ばれる二匹は
仲間になったばかりのガーディと他愛もない雑談をしていた。

ヘルガー「エナが余所者を連れてくるなんて珍しいな、普段はこことしか関わらないのに」

エナとはヘルガーがグラエナを呼ぶ時の渾名のようなものである。

グラエナ「ここで死なれたら困るだろ俺達が殺したみたくなっちまうし」

ヘルガー「そりゃそうだ、老害共はあまり裏の俺達を良く思っちゃいないからな何がなんでも潰したいのかも」

???「確かにそうかもね」
 ▼ 20 ンダー@やわらかいすな 18/09/01 12:59:05 ID:J/uQ9p9I NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 21 マヨール@バンギラスナイト 18/09/01 20:09:14 ID:UqwU.1EM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブソル「君が新入り?初めまして」

紅い瞳に凛とした顔つき。特徴的な角。白い体毛。
──彼女はアブソル。彼女もここの一員だ。

ガーディ「はじめまして!よろしくおねがいします!」

アブソル「いいよそんなに固くならなくて。僕の方こそよろしく」

ぺこり、と頭を下げ会釈をする。

アブソル「それより彼はどこから?」

ヘルガー「俺たちの領域で死のうとしてたからエナが連れてきた」

アブソル「英断だね」

ヘルガー「戦いはオレに、その他の世話はここのヤツらに任せるそうだ。ったく荷が重い…」

アブソル「いいじゃないか君が実力を買われているってことなんだから」

グラエナ「そうそう、アブソルも認めてんだし」

ヘルガー「はぁ…アルも手伝えよ?」

アブソル「言われなくとも」

面倒なことは後輩に任せればいい、とか悪魔めいたような笑みを浮かべ。

アブソル「…それより今日は遅い、もう寝よう」

君の寝床はここ、とガーディを朽ちた倒木の樹洞に案内した。

アブソル「それじゃおやすみ」

軽く手を振り、今日の一日を終えた。
 ▼ 22 イゼル@クラボのみ 18/09/03 23:30:21 ID:FtLwstqc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──翌朝
陽光がこの西の森に差し込み彼等の目を覚まさせる。
…と言っても

ガーディ「ふわぁ…」
小さな欠伸をし、一番に目を覚ましたのはガーディだが。
まだ誰も起きていないようだ。そう思ったその時───

アブソル「おはよう、いい朝だね」

彼女が話しかけてきた

ガーディ「おはようございますアブソルさん!」

アブソル「はは、渾名で読んでくれて構わないよ」
彼女はさほど上下関係を気にしない性格のようだ。そう言われてしまえば呼ばないわけには行かなかった

ガーディ「アルさんも早起きですね!」

アブソル「朝御飯の準備しないといけないしそれになにより…ボスを筆頭に僕達あくタイプは朝に弱いから目を覚ますのが遅いんだ」

あ、勿論僕も目覚めはいいほうじゃないんだよと苦笑を交えて後付して。
つまりはアブソルも朝に弱い。今回は朝食の準備をしなければならないので仕方なく早起きしたということか

ガーディ「朝御飯って何を食べるんですか?」

アブソル「そうだね…木の実とかたまに落ちてるニンゲンの食べ物とか」

アブソルはガーディを目的地まで先導しつつ質問に答えた
アブソル「ほら、ここ」
目的地に到着したようだ。木にはモモンの実がなっているもの、その隣にはクラボの実がなっている樹木。他にも林檎や木苺なども自生していた。

ガーディ「あれ取っていい?」
グッ、と背伸びをして前脚で指すそれはクラボのみがなる木だった。

アブソル「ちょっと、待ってね」

空気の渦を作り出し、前脚で薙ぎ払うようにクラボのみがなる枝に飛ばした。枝はボトッと音を立てて目の前に落ちた

ガーディ「…かっこいい!」

アブソル「大したことないよ、あともう少しだけ取っていくとするよまだ足りないからね」

辛いのは勿論、渋いのも持っていかないとと言えば彼女はガーディにウイの実を持ってくるように指示をして多種の味のきのみ、そしてニンゲンが落として言ったであろうガレット。
収穫は上々。二匹は満足気な顔で“領域”へと戻っていった
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