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「はい……」
もう夏になる、ある昼下がりのことだった。
人里から離れた、誰もいない山道に、一匹のポケモンが倒れていた。
俺が介抱してやると、そいつはなんと人の言葉で話しかけてきたのだ。
テレパシーを使うポケモンなんて初めて会ったので、俺は少し驚いてしまった。
「記憶がないって……。過去のことが、すっかり分からないってことか?」
「はい……」
ポケモンは、辺りをキョロキョロと伺って言う。
「ここは、どこなんでしょうか。どこかの山奥……ですかね」
「そうだな。俺もよくは知らないけど、この辺にはポケモンの研究所があるくらいで、ほかには何も……」
「そうなんですか。……では、あなたはこんな所で何を?」
「俺は、旅をしてるだけだよ。一人で」
「旅人さん……ですか」
「ああ」