【SS】サーナイト「旅は道連れ」エネコロロ「恋せよ乙女」:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】サーナイト「旅は道連れ」エネコロロ「恋せよ乙女」:ポケモンBBS

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【SS】サーナイト「旅は道連れ」エネコロロ「恋せよ乙女」

 ▼ 1 HcQtfKvBsc 18/10/07 22:49:47 ID:XdpEP4Ek [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「精が出るな、オオスバメ」

ルネジムのジム戦を明日に控えたこの日、あるトレーナーの手持ちの6体はいつも以上に気合いをいれてトレーニングに取り組んでいた。

「当たり前だろ、バシャーモ。最後のバッジなんだ、なんとしても勝ち取って、主に捧げたい。みんな同じ気持ちだろ?」

「特にお前はなぁ、なんだかんだ1つ目からずっと戦ってきたしなぁ」

オオスバメは、パーティの中でもトレーナーである少女が旅立ちの時にもらったアチャモ、現バシャーモを除けば一番の古株だ。要するに最初にゲットされたポケモン。

初めてのジム戦となったカナズミジムも進化したワカシャモとスバメの二人で乗り越えた。

「1つ目・・・俺にとっては苦い思い出だ」

といっても、岩タイプのポケモンを前に力を発揮できなかったスバメの後を受けたワカシャモが2タテを果たしての勝利であったのだが。

「相性はどうしてもあるからなぁ、明日は水タイプだろ?俺には厳しい戦いだ」

「まあ、それもそうだが。明日はライボルトが主力だろうさ」

少女の正真正銘の相棒、バシャーモは運が悪いと自嘲気味に嘯く。

「それでも出番があれば、頑張るけどさ」

「ライボルトねぇ・・・」

「・・・なんだよ、何か言いたな様子だな」

バシャーモが出した仲間の名前を聞いてオオスバメはわざとらしく逡巡して、言う。
 ▼ 2 HcQtfKvBsc 18/10/07 23:13:36 ID:XdpEP4Ek [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「なんかつっかえがあるなら、すっきりした気持ちでバトルに臨んだ方がいいと思うぜ」

「・・・そんなことだろうとは思ってたけどさ」

はっきりとしないオオスバメの口ぶりでも、バシャーモは彼が言いたいことを理解していた。

「そんなの、お互い様じゃねぇか?」

「ははっ、違いないな。でも俺の話はいいんだよ。俺たちのパーティは、主のパーティであってお前のパーティでもあるんだから」

長く仕えただけあって、オオスバメはとりわけ主に対する忠誠心が高い。

同時にバシャーモのことも、誰よりも大切に思い気にかけていた。

なんだかんだいってジム巡りの最初の一歩を共に踏み出した縁は深く、強くまとまった六匹の中に遭って二匹の絆はとりわけ強いのだ。

「俺に出来ることだったらなんだってしてやるからさ。悩んでるんだったら、また相談してくれよ」

「・・・そうだな、バトルに影響が出るようじゃ、どうにかしなきゃいけないだろうな」

「まぁ、お前は強いから、それでも大抵の相手には問題ないんだろうけどさ」

自分が抱える気持ちが原因で少しばかり動きが悪くなっている、そういう自覚はあったがためにバシャーモはオオスバメの言葉を完全に無視するわけにもいかない。

とはいえ、問題はそう簡単なものじゃないのだと、「そういう方面」には案外鈍い目の前の男は気づいてはいないのだろうと思うと、ただやきもきするばかりで。

「お兄ちゃん!手合わせ付き合ってもらっていい?」

「ああ、分かったよ。エネコロロもやる気十分だな!」

彼のことを兄と呼んで慕うパーティのピースの一つ、エネコロロがオオスバメを呼び、彼もまたそれに応えてバシャーモの元から離れる。

「・・・はぁ、きっと今も全く気付いてないだろうさ」

実戦形式でエネコロロに向き合うオオスバメを見て、バシャーモは内心毒づいた。

「あんたがその子の思いに応えてやったら、俺の恋も幾分か楽な道のりになるだろうよ・・・なんて」

とはいえ、バシャーモにはオオスバメにそんなことを頼めない理由がある。

「いいよ、ライボルト!じゃあサーナイト、もう一度光の壁!」

主の指導の元トレーニングを行う仲間、ライボルトとサーナイトを見据え、バシャーモはため息を吐くのみだった。

「俺だって、応援してやらなきゃだし、それにエネコロロとオオスバメが結ばれたからって俺がうまくいくかはまた別問題じゃないか」

「なんだよ、またそんな辛気臭い顔しやがって」

「サメハダー、練習はいいのか?」

「いいんだよ、俺様は強い。誰にも負けねぇよ」

一人アンニュイな気分に陥っていると、パーティの中で一番の新米、サメハダーが彼女の隣に座った。

「・・・今はあんたと話してる気分じゃない」

「お前の気分なんざ聞いてねぇ、そんな顔見てると俺の気分まで滅入るんだよ」

サメハダーはいつもの調子でバシャーモと距離を詰め、彼女の目を見据えて言った。
 ▼ 3 HcQtfKvBsc 18/10/07 23:17:56 ID:XdpEP4Ek [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
「そんなに苦しく悩むなら、俺にしとけばいいんだ」

「・・・あんたはまた、そんなことを言う。だからあんたとは話したくないんだよ」



バシャーモ(♀)は、ライボルト(♂)が好き。


ライボルト(♂)は、エネコロロ(♀)が好き。


エネコロロ(♀)は、オオスバメ(♂)が好き。


オオスバメ(♂)は、サーナイト(♀)が好き。


サーナイト(♀)は、サメハダー(♂)が好き。


サメハダー(♂)は、バシャーモ(♀)が好き。


これは、そんな一方通行な六角関係を築く、

ポケモンマスターを目指す少女の、6匹のパーティの物語。
 ▼ 4 HcQtfKvBsc 18/10/09 18:42:28 ID:ebqY4JL. [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
第1話【バシャーモの恋の始まり】



「いけっ、モンスターボール!!」

まだ冒険を始めたばかりの未熟な主とそのパートナー、アチャモにとって、初めてのポケモンゲットのその瞬間は当然感動的なものであった。

「・・・やった!やったよアチャモ!!」

「やったな主!ってうわっ!?」

「やったやったやったぁぁぁ!!初ゲットだよ初ゲット!!ありがとうアチャモ!!あなたのおかげよ!!」

「ちょ、ちょっとそんな振り回すなっておい!」

自分の声など分からない自身の主に抱きしめられ、アチャモの中でも初めての仲間が出来たのだという実感がわいてくる。

「今日からあなたは私たちの仲間よ。よろしくね、スバメ!」

「よろしくな!お前は俺たちの初めての仲間だ!!」

「初めての・・・そっか。ああ、よろしく!」

特別癖のある性格でもなかったスバメは、アチャモともすぐに打ち解け二匹はとても仲良くなった。

「おめでとうワカシャモ!随分頼もしい姿になったな!!」

カナズミジム攻略へ向けてアチャモがワカシャモに進化を果たした時も、スバメは自分のことのように喜んでくれた。
ワカシャモも、そんな素直な彼の隣がとても心地よかったのだ。


「改めて、これからよろしくお願いします」

「ああ、よろしくラルトス!歓迎するよ!」

だが、カナズミジム攻略後、新たにラルトスを仲間に加えてから、ワカシャモは胸にモヤモヤを抱えながら旅を続けていた。
自分と初めて会った時と同じように、ラルトスともすぐに打ち解けるスバメの姿を見るのがあまり気持ちいいものでもなく、「初めての仲間」として特別に思っていたのはまるで自分だけだったのかと思うと少し癪であったのだ。

「次のムロジムは格闘タイプのジムだから、あなたたちが便りよ!スバメ、ラルトス!」

「はい、頑張りましょうスバメさん!」

「そうだな!強くなって絶対勝とう!」

おまけに、タイミング悪く次のジム戦がスバメやラルトスにとって相性のいい格闘タイプのジムであったため、自分がワカシャモに進化したのと同じように主がスバメとラルトスを中心にトレーニングを行ったのだ。
オオスバメ、キルリアにそれぞれ進化した時も、喜びを分かち合う二匹に、素直な気持ちで混じることができなくて。

余計に二匹がいい雰囲気であるように見えて。

「ラクライだ。よろしく頼む」

「ああ、よろしくな!」

「よろしくお願いします!」

「歓迎するぜ、ラクライ!」

ラクライがパーティに加入したのは、そんな時期のことであった。
 ▼ 5 HcQtfKvBsc 18/10/09 19:07:15 ID:ebqY4JL. [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「俺、ラクライのことが好きなんだよ」

言ってしまえば、あてつけだったのだ。

ワカシャモは自身がオオスバメに対して抱いていた気持ちを恋だと認めるのも癪で、かといってモヤモヤした気持ちは晴れないまま。
丁度都合よくパーティに加入したラクライは♂であり、誠実そうな落ち着いた性格で悪い奴でもなさそうだ。

だからワカシャモはラクライに恋に落ちた「ことにした」。
そして、それをオオスバメに伝えた。
どういった反応を求めていたのか、今となっては自分でも分からない。
だが、

「本当か!?そうかそうか、ラクライを!応援するぜ、ワカシャモ!」

少なくとも、その時のオオスバメの反応はワカシャモの求めていたそれとは違うものであったのは確かだ。
少しでも複雑そうな表情をしてくれたりだとか、ショックを隠し切れなかったりだとか、そんな感じのものであったならまだ面白かったのに、目の前の男はただ純粋に応援すると言った。

「いやぁ、あれだな。なんか照れるな!協力してくれってことだろ?俺にできることならなんだってしてやるからさ、思う存分頼ってくれよ!」

しかもなんだか嬉しそうだ、どうしてそこで照れる。
要は人に言えないような秘密を自分に話してくれた、自分を頼ってくれたという事実がオオスバメにとってこそばゆくも嬉しいものだったのだろう、ワカシャモはそこまで聞いて少し呆れ、
だがこの日を境に不思議と今まで抱いていた嫌な感じは消えていくこととなった。


「お疲れ、ラクライ。随分頑張るな」

「ワカシャモ・・・ああ、次のキンセツジムは電気タイプのジムらしいからな。避雷針の特性を持つ私の力がジム攻略のカギになるはずだ、活躍できるように強くならないといけない」

「初めてのジム戦だもんな、でもあんまり気負うなよ?俺たちパーティは一匹じゃないんだから」

「ああ、分かってるつもりだよ」

ラクライは、とても堅く真面目で、パーティの中でも少々物静かな存在であった。
とりわけ加入直後は皆と積極的に群れようともせず、黙々と修練に励む姿がよく見られ、ワカシャモはそんな彼のことを気にかけていた。

オオスバメに告げた当初から彼に本当に惚れていた、というわけでは勿論なかったが、それでも嘘から出た真というか、彼と接するたびに徐々にその性格に惹かれていったのだ。
「協力する」と喜んでいってくれた彼のおせっかいもあって、二匹だけになる機会が多かったのもあり、オオスバメに対するそれは友情、ラクライに対するそれは恋とうまく整理することができた頃には、ワカシャモのモヤモヤは完全に消え去った。



「思えばろくな始まりじゃぁなかったな」

一匹、自身がまだ今の姿になる前のことを思い出してそう呟く。
確かに始まりこそ褒められたものではなかったが、それでも今は自信をもって彼のことが好きだと、本当に好きなのは彼だと言える。

寧ろ、当時ですらそうだと言えたはずだ。

「・・・はぁ、やっぱもっと早く言っとくべきだったのかもなぁ」

だからこそ、彼女はどうにもならない後悔を抱く。

ラクライとワカシャモの活躍でキンセツジムを攻略した後、
皆とも打ち解け始め、とりわけラクライとワカシャモの間に絆が芽生え始めていた頃、

「エネコ・・・です、よろしくお願いします・・・」

5匹目の仲間をパーティに加える頃までに、

思いを伝えておけばよかったと。
 ▼ 6 THE ONE◆.socYTNfgo 18/10/09 19:43:33 ID:6v6Um.CM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
一応言っておくと

旅は道連れ、世は情け
命短し、恋せよ乙女

だからね?
 ▼ 7 ンノーン@かるいし 18/10/09 19:47:14 ID:PzT.kywM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>6
スレタイに深い意味込めてる場合あるから今の段階で突っ込むのはヤボ

どう捌くんだこの六角関係、支援
 ▼ 8 G2KomJrKF. 18/10/09 20:08:01 ID:wrF.boyI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
夜は短し歩けよ乙女
 ▼ 9 HcQtfKvBsc 18/10/09 21:06:43 ID:ebqY4JL. [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「キャァァァ!!見てあの子、可愛い!!」

「あの子・・・あれは、エネコか」

小さく愛らしい姿をしたポケモン、エネコ。
バシャーモたちの主は彼女に一目ぼれし、即座にゲットした。

「仲良くしましょうね、エネコさん」

「歓迎するよ、これからよろしくな!」

「・・・・・・はい・・・」

「あれ〜・・・」

だが、今までの4匹とは違いエネコはすぐにパーティには馴染めず、主となる少女ともすぐに打ち解けることはできなかった。
好んで一人で行動し、決してパーティに順応していなかったラクライとは違い、人見知りをしているのかトレーナーに仕えることをよしとしないのか、パーティに加入してからのエネコの表情は晴れなかった。

「少し、心配だな」

「エネコのことか?」

そんな彼女のことをラクライは気にかけていたようで、エネコがゲットされた翌日ワカシャモは彼から相談を受けた。

「意外だな、なんかそんな風に、あんたは他人を気にかけないタイプだと思ってたぜ」

「失礼だな・・・私はそれほど冷たく見えるか?」

エネコの力になりたいが、自分はあまりそういったことは得意ではないと嘆くラクライ。
主の最初の相棒としてリーダー意識を持っていたワカシャモも勿論彼女のことを気にかけ、話しかけに行ったりもしたが彼女の反応はそっけなく、自身もどうしたものかと考えあぐねていたところだったのだ。
そこに、自身が慕うラクライの力になりたいという気持ちも重なる。

「ま、時間はかかるかもだけどさ。折角俺たちの仲間になったんだから、ゆっくり仲良くなっていこうぜ」

「ゆっくり、か・・・」

「ああ、きっと大丈夫だよ。あんたが俺に心を開いてくれたように、あいつもいつか心を開いてくれると信じてる」

「・・・そうだな」

勿論それだけで妙案が浮かぶわけでもない。
ラクライの意外な一面を見たワカシャモは、とりあえず優しい言葉で彼を元気づけ、これから頑張ろうと気合いを入れなおした。


だが、彼女が敬愛する主はより早期の問題解決を測った。

「やっぱり同じタイプの先輩が近くに居たら心強いかなと思って。よろしくね、オオスバメ!」

「エネコのコーチ・・・かぁ、同じノーマルタイプとはいっても、俺とエネコがそんなに似てるとは思えない――」

「ありがとうううう頼りにしてるからね!」

「いや話を聞いてくれ!・・・って、流石に分かってくれないか」

4匹の仲でもとりわけ人懐っこく、同じノーマルタイプを持つオオスバメをエネコの専属コーチとしてつけるという策。
彼がパーティのムードメーカー的存在であることを分かっていた主が、いきなりパーティ全体に溶け込ませようとするよりまずはオオスバメに慣れさせることが、エネコの孤立の解消に効果的だと考えたためだ。

「なるほどねぇ。まぁ、オオスバメならうまくやるだろうな、よろしく頼むぜ」

「ああ、任せとけ」
 ▼ 10 HcQtfKvBsc 18/10/09 21:46:10 ID:ebqY4JL. [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「わーい速い速い!お兄ちゃんもっと!!」

「もっとか!よーしちゃんとつかまっとけよ!!」

「・・・・・」

主の目論見通り、オオスバメの努力もあり一週間程度でエネコはオオスバメに懐いた。
ゲットされた当初は見られなかった笑顔や、楽し気な声、彼女本来の性格を思わせるその姿に一同はとりあえず安堵するのだが、

「お兄ちゃんってなんだよ」

具体的にオオスバメがどうやってエネコの心を開いたのかまでは知らないワカシャモは、そのエネコの少し度の過ぎた懐きっぷりに若干引いていた。
今度はオオスバメへの依存という心配事もあるにはあったのだが、それこそみんなで協力して徐々に徐々に解消していけばいい話。

「ま、何はともあれだ。あんな風に笑えるようになったってのはいいことだよな」

久しぶりに彼に抱いたほんの僅かなモヤモヤはこの際どうでもいいとして、ワカシャモは素直に問題解決を隣にいたラクライと喜ぼうとした。

「な、ラクライ――」

「・・・・・・」

そこで、彼女は言葉を失う。

「・・・ん?あ、ああ、その通りだな。全く、オオスバメ様々だ」

「ラクライ・・・」

オオスバメに乗って楽しそうに大空を舞うエネコ。
そんな様子をラクライも微笑ましいと笑って見せる。

「・・・なんで、泣いてんだよ」

だが、無理矢理に吊り上げられた口元に反し、彼の目からは涙が零れ落ちていたのだ。

「泣いて・・・!!」

ワカシャモの発言を受けて、珍しくラクライが大きく慌てて表情を崩す。

「・・・誰にも、言わないでくれ」

誤魔化せないと知って、ただそう告げて去っていくラクライ。
彼の言葉の真意を、ワカシャモは理解できない――

「キルリアの調整終了〜!!二匹とも楽しそうね、うんうん!」

「流石オオスバメさんですね〜・・・あれ、ラクライさんはどこへ?」

「ああ・・・ちょっと顔を洗ってるよ」

いや、理解したくもなかった。

「トレーニング前に気合いを入れたいってさ」

そして、理解できない訳もなかった。
 ▼ 11 HcQtfKvBsc 18/10/10 22:31:48 ID:Fa6.XGOk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
小柄で愛らしい容姿のエネコ、タイミング的にも一目ぼれだったのだろうか。
アチャモの頃ならともかく、今のワカシャモの姿ではエネコとは似ても似つかない、どちらかというとカッコイイと形容されるべきものだ、それぞれバシャーモ、エネコロロへと成長する未来を鑑みても、ラクライはエネコのような♀がタイプなのかもしれない。

それとも大人しい性格であまり他人と接さないような態度がラクライの興味を引いたのか。
だとしたら、オオスバメに懐き幾分活発になった今のエネコが本来の彼女だとすればラクライの恋も勘違いだったで済むかもしれない。

だが、それからも共に過ごす中で、彼の恋心は決して勘違いのようなものではないのだと深く思い知らされた。

「ライボルトだっけか、進化おめでとう!随分カッコよくなったじゃないか!」

「ああ、ありがとうワカシャモ」

「・・・・・・」

ずっと見ているから、彼女は気づいてしまうのだ。

魅力ある♂になるために、ただ強くなる努力しか積めない彼の不器用さに触れて、
パーティでの生活が長くなるにつれて、落ち込んだ仲間に見せるさり気ない優しさに触れて、
彼の新たな一面を知るたびにますます彼に惹かれていく自分に。

そして、彼の視線が向く相手に。

「よっ、何してたんだよ。勝手に一人で行っちまってよ」

「主や皆に迷惑をかけてしまったか?すまない、今戻るよ」

「いーや、俺が気になっただけだ。探し物か?」

「ああ、月の石を」

きっと、彼がパーティに馴染めないエネコを気にかけていたのは、不慣れな役割だと分かっていながらなんとか彼女の力になろうとしたのは、

「エネコがエネコロロに進化したなら、パーティ全体の戦力も上がる。主にとっても進化という選択肢を取れるようになることはいいことだと思ってな」

「・・・そんな、闇雲に探して見つかるもんでもないだろうに」

「あはは、その通りだよ」


エネコの隣にいるのが、他の誰でもなく自分であってほしかったから。
それが叶わないとしって、エネコがオオスバメの隣を求めたのを知って、彼は涙を流したのだろう。

オオスバメに懐くエネコを見ている時、彼の目はいつも悲しそうな眼をしていた。
そして、それは自分も同じだったに違いない。

「俺の女になれよ、バシャーモ」

「は?」

だから、自分とまた同じ立場となったその男にも、あっさりと気づかれてしまったのだろう。


「ただ一人どうすることもできず、あいつを見て悲しむだけなら、あの野郎のこときっぱり忘れて俺にしとけって言ってんだよ」

「・・・俺より弱い♂なんざ、俺はごめんだね」

そして、戸惑うこととなった。
ストレートに自身に好意をぶつけてくるキバニアに。
パーティの中で誰よりも自身の恋に積極的になれるその男に。
 ▼ 12 HcQtfKvBsc 18/10/10 22:59:43 ID:Fa6.XGOk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
第2話【エネコロロの恋の始まり】


「そんなわけで、君のコーチ役に任命されたオオスバメだ、改めてよろしくな」

「コーチ・・・」


パーティの中では5匹目にゲットされたエネコ。
基本、主こと少女は自分の前に姿を現したポケモンに自身のポケモンを繰り出し、戦闘の意思があることを確認してからバトルとゲットを行っていたが、エネコに関しては少々強引なところもあった。

偶然草むらにエネコを見つけた少女がその愛らしさに一目ぼれ、一番素早いオオスバメを繰り出して一方的に戦闘を開始、勿論必要以上に傷つけるようなことはしなかったが突然の事態に状況を飲み込めないエネコにボールを投げてしまったのは事実であった。

「っておい、そんな逃げなくても!」

そんな訳で、ゲットされた直後の主や、その時戦闘を担当したオオスバメに対しエネコは少なからず不信感を抱いていた。

「参ったな・・・なあ、とりあえず話だけでも――」

「放っておいてください」

「ほら、そんな冷たい事言わずにさ!」

「・・・私のこと痛めつけた癖に」

「痛めつけたって・・・いや、まあそれは悪かったけどよぉ」

当時のオオスバメの中でも最も威力の低いつつくで攻撃したところ、往復ビンタの手痛い反撃を受けたオオスバメは彼女の言い分に若干納得がいかないところもあったが、それでもエネコを放っておくことをよしとしない彼はめげずにエネコへの接触を続ける。

「折角仲間になったんだ、仲良くなりたいって思うんだけどな。それとも、やっぱり主に着いていくのは嫌か?どうしても野生に戻りたいっていうならそれも仕方ないけどさ」

「野生に・・・」

エネコが暗く、一人ふさぎ込んでいるのは決してゲットされてからというわけでもなく、パーティに馴染もうとしないからといって決して野生に戻りたいかと聞かれればそんなことはないというのが彼女の本音であった。
オオスバメに問われて少し複雑そうな表情を見せるエネコ、だが彼はそんな彼女の心の内を読むだとか察するだとか、そんなことは全くできない。

「まあ気持ちは分かるさ、元居た場所で仲間たちと過ごしたいとかもあるだろうし――」


「嫌だ!!」

そこで、初めてエネコは感情をむき出しにしてオオスバメに叫んだ。

「・・・何か、あったのか?」

「あ・・・・・」

オオスバメも、エネコが心の奥に抱えているものが決して捕獲されてからできたものではないと、今度は察することができた。

「ま、話したいと思ったらでいいよ、聞かせてくれたら力になれると思う」

「・・・・・・」

「そうだな、じゃあ、逆にそれまでは俺の話を聞いてくれよ。俺のって言うか、仲間たちの話や主の話。コーチってたって、まだバトルがどうこうとかいう話でもないだろうしな」

そうして笑顔を絶やさずに自分に話しかけてくるオオスバメをエネコは遂に拒めず、オオスバメの話をひとまず聞くことにした。

これが二人の関係のはじまりである。
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