【スワップss】男の子「イ、イ……イーブイになってる!!?」 女の子「あら、イーブイだ!可愛ぃ〜♪」:ポケモン掲示板(ポケモンBBS)

【スワップss】男の子「イ、イ……イーブイになってる!!?」 女の子「あら、イーブイだ!可愛ぃ〜♪」

1 : ナ◆3HuqJ/xx.U 18/10/20 12:53:57 ID:sdIw82pI m 報告
目を覚ますと……
僕は<<イーブイ>>になっていた。

森の中に倒れていた僕は近くにあった水たまりで確認した。そこに映るのはポケモン、確かイーブイというポケモンだった。
さっきまで人間社会で普通に学校に通う、普通の男の子たった。のに……

「ポ、ポ…ポケモンになってるー??」

そう、いつの間にか僕はポケモンのイーブイになっていたのだ。


ガサガサガサと近くの草むらが揺れた。僕は相棒になるポケモンかなと思って近づいた。
ポケモンダンジョンなら知っている。人間なのにポケモンになった主人公の物語。そして、最初に出会うのは相棒だ。僕は、その中に入ってしまったのかなと思った。

しかし、そこから出てきたのは小学生の女の子だった。


女の子「うわぁ!可愛いイーブイだ♪」

そして、女の子は僕をモンスターボールの中に閉じ込めた。その後、僕をボールから出した。

女の子「これで、私のポケモンだね♪」

中身は人間の男の子、見た目はイーブイの僕は"僕は人間だよ!?"と声を出したが、女の子には『ブイ〜』としか聞こえていないようだ。


女の子「可愛いし、<<ニンフィア>>に進化させてあげるね♪」

僕は心の中で言う「僕は男の子だぁ!!」と。
こうして、『イーブイとなった僕』と『僕を所有する女の子』とのストーリーが始まったのだ。
52 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:49:00 ID:frIg3O7Y 報告
元の男の子に戻ることばっかり考えていたけど、その時が来るまでは、僕は彼女の傍に居よう。


彼女の寂しそうな姿を見ると、なぜだか胸が締め付けられる。


僕が彼女を支えないと。

むしろ、それが使命とすら感じる。



だとしたら僕は、彼女と面識があったのか?



分からない……。



分からないよ……。




53 : ンブオー@たべのこし 18/11/09 06:34:20 ID:zO6.PubU m 報告
支援
54 : ーパ@せいしんのハネ 18/11/09 09:29:08 ID:P5xQqpnI m 報告
イーブイも女の子もすこ

支援
55 : リンリキ@フーディナイト 18/11/09 20:37:54 ID:Q53Uxdqk m 報告
支援
56 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:29:30 ID:S.9gdueM [1/32] 報告



目が覚めると、全身を包み込む温もりを感じた。

そうだ。昨日は、彼女に抱かれて眠ってたんだっけ。


なんだかぐっすり眠れたな。夢も見てないし。

彼女に抱きしめられていたことで、どこか安心感を覚えたのかもしれない。

原因も分からずイーブイになってしまって、少しだけ不安を感じていたのは、は事実だったから。



 女の子 「んっ……、おはようイーブイ」

 「ぶい!」

 女の子 「ふふっ、元気いっぱいだね。起きよっか」


二段ベッドから降りて、僕は大きく伸びをする。

彼女はパジャマを脱いで、普段着に着替え始めた。

女の子の着替えを見るのは少し抵抗があるけど、イーブイになったからか、やっぱり特段感情は抱かなかった。
57 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:30:41 ID:S.9gdueM [2/32] 報告
 女の子 「おはよー」

 「いぶぶ〜ぃ」

 お母さん 「おはよ」

 お父さん 「早く朝ごはん食べちゃいな。出掛けるよ」

 女の子 「えっ……お出かけ!? どこ行くの!?」

 お父さん 「西の草原だよ。イーブイを広い所で遊ばせてあげないとね」

 お母さん 「お弁当作って、久々にピクニックよ」

 女の子 「ホントに!?」

 お父さん 「まぁ、長居は出来ないけどな」

 女の子 「やったぁ! じゃあイーブイ、早く朝ごはん食べちゃお!」

 「いぶ!」


どうやら今日は、家族そろって出かけるらしい。

草原でピクニックか。

休みの日に家族で出かけるなら、もっと遠出してもよさそうだけど、このあと予定があるのかな。


キッチンには、既に お弁当が出来上がっていた。お母さん早起きして作ったんだろうな。

僕たちは簡単に朝ごはんを済ませて、出かける準備に取り掛かった。


……まぁ、僕は なにもすること無いけどね。
58 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:31:20 ID:S.9gdueM [3/32] 報告


お父さんの運転する車で、僕たちは草原へと向かう。


彼女はピンクのパーカーにジーンズと、動きやすそうな格好だ。

パーカーに付いている小さなボンボンが妙に気になるのは、ポケモンの性なのだろうか。





20分ほどで、その草原に到着した。

駐車場の柵の向こうに広がる、一面の緑の絨毯。

憩いの場となっているようで、僕たちと同じように、多くの人間とポケモンが、思い思いの時を過ごしている。


 女の子 「レジャーシート、この辺で良い?」

 お父さん 「あぁ。その杭を四隅に打って、飛ばされないようにね」

 女の子 「はーい。イーブイ押さえてて」

 「ぶい!」
59 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:33:00 ID:S.9gdueM [4/32] 報告
大きなレジャーシートには、イーブイと、その進化系のイラストが描かれていた。


彼女はイーブイ系統が好きなんだと分かる。

きっと僕を――イーブイをゲット出来て、嬉しかっただろうな。

だとすると、僕が人間に戻った時、きっと彼女は悲しむと思う。こんなに嬉しそうに、優しく接してくれてるのに。



 女の子 「じゃじゃーん! ビーチボール!」

 お父さん 「よし! ビーチじゃないけどバレーで勝負だ!」

 女の子 「私とイーブイのチームね! 負けないよー!」

 お母さん 「ふふっ。大人の力を甘く見たら痛い目 見るわよ〜」

 女の子 「イーブイ! お父さんとお母さんに絶対勝つよ!」

 「……ぶぃぃっ!」


ダメだダメだ。

元に戻ることばっかり考えるのは良くないって、昨日思ったばっかりじゃないか。


今を楽しもう。

戻る術が分からないんなら、今を楽しむほかないじゃないか。

ポケモンとして生活できるなんて、普通なら有り得ない経験なんだから。
60 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:33:31 ID:S.9gdueM [5/32] 報告
 女の子 「行くよ〜えいっ!」 ポン!

 お父さん 「ほら!」 ポーン

 女の子 「イーブイ来たよ!」

 「いぶぃ!」 ポコン


僕は、飛んできたビーチボールを、ヘディングでつなぐ。

彼女は絶妙な位置に素早く移動して、ボールをお父さんに打ち込んだ。


 お父さん 「いだっ!?」

 女の子 「あははっ! 大丈夫お父さーん?」

 お父さん 「くそっ……顔ねらっただろー?」

 女の子 「あはははははっ!」

 お母さん 「ふふふっ」
61 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:34:15 ID:S.9gdueM [6/32] 報告


楽しいな。


彼女たち、とっても仲の良い家族って感じだ。

そんな輪の中に、僕は違和感なく溶け込んでいる。


まだ出会って間も無いのに、みんな僕を歓迎してくれて、本当の家族のように接してくれている。

まるで、昔から一緒に過ごしていたかのように。


本当に、楽しいな。

62 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:35:20 ID:S.9gdueM [7/32] 報告


白熱のバレー。

追いかけっこ。

ダルマッカがころんだ。


家族みんなで存分に遊んで、気付けば、お昼の時間を とっくに過ぎていた。



 女の子 「いただきまーす!」

 「ぶいぶいぶーい!」


お母さんの作ったお弁当は、定番の おにぎり、空揚げ、オクタンウインナー。

卵焼き、インゲンの胡麻和え、フルーツに鈴カステラ。それに……。


 女の子 「尾島の焼き豚!」

 「ぶぃ〜!」

 女の子 「ふふっ。イーブイこの焼き豚 気に入ったの?」

 「ぶい!」


チャーハンにも入ってたけど、やっぱり尾島商店の焼き豚は美味しい。

脂身の絶妙なバランス、納得の肉の旨み、舌を唸らす特製のタレ。切り落としじゃなくて、丸ごと かぶりつきたいくらいだ。
63 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:36:10 ID:S.9gdueM [8/32] 報告
 お父さん 「たまには良いね、ピクニックも」

 お母さん 「そうね。家族で出かけるなんて、いつ以来かしら」

 お父さん 「近場に限られちゃうけど、これからは もっと家族で出かけよう。な?」

 女の子 「うん!」


おにぎりを頬張る彼女は、笑顔で頷いた。


家族で出掛けるのが久しぶりってニュアンスだけど、なんでだろう。

こんなに仲の良い家族なのに、今まで こういう お出かけ、してこなかったのかな?

お父さんの仕事が忙しいとか、そういう理由かな?





そんなことを考えていると……、まただ。




64 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:36:40 ID:S.9gdueM [9/32] 報告
 女の子 「ん? どうしたのイーブイ?」


急に睡魔が襲って来た。


楽しく遊んでいたせいで気付かなかったけど、昨日と同じ時間帯。


昨日と同じように、なんの前触れも無く訪れる、強い睡魔。



 女の子 「イーブイ、眠くなっちゃったの?」



ご飯の途中に眠くなるなんて、普通じゃ有り得ない。


やっぱりおかしいよ、この睡魔。

65 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:37:20 ID:S.9gdueM [10/32] 報告

 お母さん 「いっぱい遊んで、疲れちゃったのかな?」

 お父さん 「もうそろそろ時間だし、寝かせてあげな」

 女の子 「あ、もうそんな時間になるんだ」

 お母さん 「果物だけ食べちゃって。おかずは後でも食べれるから」

 女の子 「はーい」



みんなの声は耳に入って来るけど、睡魔は どんどん強くなっていく。


なんなんだ、この睡魔。



いったい、何を……この、睡魔は……。




僕に、何を……、いったい……。




66 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:38:10 ID:S.9gdueM [11/32] 報告





 『今日はね、みんなでピクニックに行ったんだよ』



 『イーブイ、バレーすっごく上手かったんだから!』



 『ふふっ。イーブイと いっぱい仲良くなれたから、もうすぐニンフィアに進化するかもしれないよ』



 『もしかしたら、イーブイの姿とは会えないかもね?』



 『今度はみんな一緒にピクニックに行こうね!』



 『絶対だよ』



 『だから……、頑張れ!』




67 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:39:00 ID:S.9gdueM [12/32] 報告





また……、同じ夢だ。





 女の子 「あ、イーブイ起きた?」

 お母さん 「よく寝てたわね」



気が付くと、僕は家のソファの上にいた。

僕が眠っている間に、家に帰ってたみたいだ。



夢は相変わらず、同じ。


僕は真っ暗な空間に居て、彼女の声だけが、鮮明に聞こえて。


優しく語り掛ける彼女の声に、僕は確かな安心感を覚えていた。





いったい何が、僕に この夢を見せているんだ……?



いったい何を、僕に伝えようとしているんだ、この夢は……?




68 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:39:51 ID:S.9gdueM [13/32] 報告


夕飯を終えて、彼女と一緒に お風呂に入って。

寝る時間は、あっという間に訪れる。


今日は始めから、僕は彼女の眠る上段のベッドに もぐりこんだ。


 女の子 「ふふっ。一緒に寝てくれるの、イーブイ?」

 「いぶぃ!」


僕の元気な返事を聞いて、彼女は微笑む。

そして、僕の隣に横になった。


 女の子 「ありがとう。今日は楽しかったね」

 「ぶいぶい〜」

 女の子 「家族で遊びに出かけたの、ホントに久々だったんだ。……イーブイが来てくれたお陰だよ?」

 「ぶい?」

 女の子 「可愛くて元気っぱいなイーブイの お陰でね、多分、お父さんとお母さん、出かけようって気持ちになれたんだと思う」

 「ぶい……」
69 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:40:50 ID:S.9gdueM [14/32] 報告
意味深な言葉。


ねぇ、それって どういうこと?

なにか……、家族で出かけられない理由が、他にあったってことなの?


 女の子 「イーブイ……」


彼女は僕のことを抱き寄せて、じっと僕のことを見つめる。


なにか……、僕に言いたいことがあるんだよね?

昨日は言えなかった、僕に伝えたい、なにかが。



 女の子 「……ごめんね。なんでもないんだ」


けど彼女の答えは、昨日と同じだった。


 女の子 「おやすみ、イーブイ」

 「いぶ……」



ねぇ、なんでそんなに、寂しそうな表情をしてるの?


ねぇ、なんでそんなに、悲しそうな声色をしてるの?


ねぇ、僕になにを、伝えようとしているの……?




70 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:41:40 ID:S.9gdueM [15/32] 報告





 『イーブイ、すっごく可愛いよね〜』


 『イーブイって、色んなポケモンに進化できるんだよね?』


 『そう。8種類のポケモンに進化できるんだよ』


 『ふーん。ねぇ、どれが1番好き?』


 『う〜ん、みんな可愛いし、迷っちゃうな〜』


 『僕が好きなのはね〜』


 『あ、じゃあ“いっせーの!”で言おっか』


 『うん!』


 『じゃあ……、いっせーの!』



 『『 ニンフィア!! 』』




71 : ンベアー@がんせきおこう 18/11/10 01:42:23 ID:B8rg.93Q [1/2] m 報告
あ、面白い……(直球)
72 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:42:40 ID:S.9gdueM [16/32] 報告


……えっ?


不意に目が覚めた。


まだ夜は明けていない。

彼女も眠っている。



今の夢は、明らかに今までのものと違ったし、そもそも、夜の睡眠で夢を見たのは、今が初めてだ。


夢の登場人物は2人。


1人は彼女で間違いない。

もう1人は、男の子の声だった。彼女と打ち解けているような感じから、2人は親しい仲であると想像できる。



初パターンの夢に、僕は混乱する。


男の子の登場は、いったいなにを意味してるのか。

何故そういう夢を僕に見せたのか、さっぱり分からない。



けれど。


今の夢の光景が、かすかに僕の記憶を刺激する。


僕と彼女、以前、どこかで……?

73 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:44:10 ID:S.9gdueM [17/32] 報告


 お母さん 「コマチ、起きて!」



突然、部屋のドアが乱暴に開けられた。


慌てふためく お母さんは、彼女――コマチを揺する。



 女の子 「んっ……、お母さん?」

 お母さん 「すぐ着替えて! 病院から……、病院から呼ばれたのよ!」

 女の子 「えっ……ハヤテが!?」


震えた声で、ベッドから飛び起きる彼女。

そしてすぐ、着替え始める。


隣の部屋も慌ただしい。

家の外では、車のエンジンがかかる音。



病院?


ハヤテ?



どういうこと?

何が起こってるの?



……いや、僕は薄々、気が付いているはずだった。


74 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:45:31 ID:S.9gdueM [18/32] 報告



まだ寝静まっている町を、お父さんの車で疾走する。


病院へ急ぐ。


彼女も、お父さんも、お母さんも、一言も喋らない。


それが意味することは、一つしかない。



今日までの出来事が、一つに繋がっていく。


ジグソーパズルのように、欠けたピースが埋まっていく。


全ての事柄が、一つの事実へと導かれていく。





病院に到着する。




75 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:46:21 ID:S.9gdueM [19/32] 報告



 女の子 「あっ……イーブイ!?」



車のドアが開いた瞬間、僕は走り出した。


夜間通用口と書かれた扉を無理矢理こじ開け、階段を駆け上がる。


病棟の3階、一番奥。


病室の扉は開いており、中には医師と看護師が、ベッドに横たわる男の子に、心肺蘇生を行っていた。





 看護師 「あっ……、こんなところにポケモンが?」

 医師 「今は ほっとけ! それより家族の人は!?」

 看護師 「先ほど連絡を入れたので、もうすぐ……」
76 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:47:00 ID:S.9gdueM [20/32] 報告


 女の子 「ハヤテぇ!」

 お母さん 「ハヤテっ!」

 お父さん 「先生っ! ハヤテは……ハヤテは!?」



僕に少し遅れて、彼女たちが病室に駆け付けた。



彼女が、お父さんが、お母さんが。

ベッドに横たわる、呼吸も細々な男の子に駆け寄る。そして、涙する。


 女の子 「ハヤテ! 起きてよハヤテ! グスッ、ハヤテっ……」
77 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:48:30 ID:S.9gdueM [21/32] 報告



泣きじゃくる お姉ちゃんの姿を見ていると、僕の意識は、だんだんと遠のいていった。



そうだよ。

始めから、ヒントは沢山あったじゃないか。



家の庭に置かれていた、“2台の”自転車。


何故か存在を知っていた、尾島商店の焼き豚。


懐かしさを感じた、お母さんの手料理。


部屋にあった“二段”ベッド。

無意識に その“下段”へと飛び込んだ僕。


彼女と一緒にお風呂に入っても、彼女の着替えを見ても、なんの感情も湧き起らず。
78 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:49:31 ID:S.9gdueM [22/32] 報告


 女の子 「起きてよハヤテっ! 一緒に……、グスッ、みんな一緒にっ、ピクニック行こうって、約束っ……」



彼女たちは、ハヤテが入院した数年前から、家族で遊びに行くことを やめてしまった。


彼女が午後、決まった時間に出かけていたのは、ハヤテと面会するためだった。


そしてその時間、僕は睡魔に襲われる。


真っ暗な空間で彼女の声が聞こえたのは、意識不明のハヤテに、彼女が語り掛けてくれていたから。


彼女の声は、きちんと僕に届いていた。


彼女の声を聞いた安心感は、確かなものだった。

79 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:50:50 ID:S.9gdueM [23/32] 報告

 女の子 「ニンフィア好きだって……。イーブイと仲良くなれたからっ……、グスッ、ニンフィアっ、見せて、あげるから……」



遠い日の記憶が蘇る。

僕も お姉ちゃんも、イーブイの進化先は、ニンフィアが1番好き。

お姉ちゃんは、ハヤテの意識が回復すると信じて、僕をニンフィアに進化させたかったみたいだ。



ダメだ、立っていられない。


頭の中がスーッと白くなっていく。


意識が保てなくなっていく。



僕の意識が消え去る前に。


やらなくちゃいけないことがある。



僕は重い足を引きずりながら、お姉ちゃんの足元に擦り寄った。


80 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:51:50 ID:S.9gdueM [24/32] 報告

 女の子 「グスッ……、イーブイっ。ハヤテがっ……、私の、弟が……」



分かってる。


分かってるよ、お姉ちゃん。


夜、僕に話そうとして話せなかったことは、“重病の弟が居る”ってことだったんだね。




お姉ちゃんは泣きながら僕を抱き上げ、ギュッと抱きしめた。


暖かい。


お姉ちゃんの、そして、家族の温もりを感じる。
81 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:52:40 ID:S.9gdueM [25/32] 報告

僕がイーブイになってしまった理由。

僕が彼女にゲットされた理由。



それは、最期の時を、家族と一緒に過ごすためだったんだね。



家族みんなで遊んで、笑って、語らって。


そんな最期の時を、神様は僕に、プレゼントしてくれたんだね。



僕の意識は、もう間もなく消えてしまう。


分かってるんだ。


だから、最期に、お姉ちゃん。



 「ぃぶ……」

 女の子 「グスッ、イーブイ……?」
82 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:53:20 ID:S.9gdueM [26/32] 報告



口を大きく開ける。 『あ』



口を横に開き、歯茎を見せる。 『り』



口を大きく開ける。 『が』



口を控えめに開く。 『と』



口を突き出し、キスのように。 『う』


83 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:54:00 ID:S.9gdueM [27/32] 報告

 女の子 「イーブイ……、イーブイっ……!」



ねぇ、通じた? 僕の気持ち?


お姉ちゃん。お父さん。お母さん。


ありがとう。


本当に、ありがとう。



僕は幸せ者だよ。




皆と過ごせた最期の時間、僕、絶対に忘れないからね。





ありがとう。




84 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:55:01 ID:S.9gdueM [28/32] 報告






ピーーーーー、と言う機械音とともに。



“僕”の命の灯は、静かに、静かに、この世から消えて行った。




85 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:55:40 ID:S.9gdueM [29/32] 報告







命は、巡り巡る。



この世を去った魂は、新たに生まれる魂に、転生する。



そして魂は、巡り巡り、この世で生き続ける。






86 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:57:40 ID:S.9gdueM [30/32] 報告





 コマチ 「おはようイーブイ。よく眠れた?」

 イーブイ 「いぶい!」



僕はイーブイ。


森で生まれ、コマチと言う女の子にゲットされた。


コマチは とっても優しくて、一緒に遊んだり、バトルしたり、イタズラしたり、毎日が楽しい。

コマチの両親も良い人で、家族4人、仲良く暮らしている。



 コマチ 「今日は出かけるから、早く支度しないとね」

 イーブイ 「いぶい?」

 コマチ 「うん。弟の……ハヤテの お墓参り。寂しがり屋さんだから、そろそろ会いに行ってあげないとね」

 イーブイ 「いっぶい!」

 コマチ 「ふふっ。イーブイは元気に生きていくんだよ。ハヤテの分までね」

 イーブイ 「ぶぶぶい!」
87 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 02:00:00 ID:S.9gdueM [31/32] 報告



僕はイーブイ。



コマチとは、ゲットされて初対面のはずなのに、何故だか、どこかで会ったことがあるような気がする。



何故だか分からないけど、そんなこと どうでもいい。



だって僕、とっても幸せだから!





 ――― 完 ―――


88 : メックス@ゴーストメモリ 18/11/10 02:01:56 ID:B8rg.93Q [2/2] m 報告
全bbs民が泣いた
89 : 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 02:02:00 ID:S.9gdueM [32/32] 報告



以上で完結です。


乗っ取りで書かせて頂きました。

ルナさん、素敵な題材をありがとうございました。


90 : ナ◆3HuqJ/xx.U 18/11/10 07:46:51 ID:CNBoUKD6 m 報告
乙です!
乗っ取って下さってありがとうございます。

まさかこんなにも感動するとは……
甲州街道さん、流石です。

それに、こんな長くても完結させるのも凄いとしかいえない。流石ですね。
91 : ルガレオ@ほのおのジュエル 18/11/10 12:32:53 ID:IPxkLFYQ m 報告
乙!


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