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【R-18SS】キバナ「恋と呼ぶにはあまりにも汚らわしく」

 ▼ 1 1 24/06/25 12:29:42 ID:NNcox7Zw NGネーム登録 NGID登録 報告
ベッドの軋む音がやけに遠く聞こえる。

「あっ…あ、あ゛、あぁぁ…うぅんっ…ん、ん゛♡」

オレさまが腰を打ちつける度、ケダモノじみた嬌声を上げてよがる女。
10歳以上離れているのに、肌は透き通るように綺麗だ。雪のような、という形容が浮かび上がるのは、こおりタイプのエキスパートであるためか。

溢れて収まらない肉感的な肢体をベッドに投げ出している女。"ジ・アイス"の異名も忘れ、一人の妖艶な女として快楽に溺れる。名前をメロンといった。

生まれたままの姿で仰向けになり、はしたなくもむちむちとした両脚をかっ開いてオレさまを受け入れている。股と股が触れ合うたびに感じ合う熱。くぐもった水音が心地いい。

メロン「もっと…来て。来てぇ」

媚びるような声にいきり立ち、淫らに揺れ続ける乳房を両手で鷲掴んだ。
デカい。オレさまが知る中で一番の爆乳だった。デカいだけじゃない、エロい。

この女は全身くまなくエロすぎる。

柔らかさも、ハリも弾力も特A級のオッパイ。5人の子供を育てた乳首は、オレさまの唾にまみれていやらしく屹立していた。
乳を揉む度に、肉壺がオレさまのモノを締め上げる。

オレさまは我を失いつつあることを自覚しながら、振り切るように激しく腰を前後し続けた。

メロン「お、おぉ…お゛ぉ♡クる、クる!キちゃうぅぅっ!!」


ジリリリリリリリ………
ジリリリリリリリリリリリリ…ピッ

キバナ「………んぁぁ…」

目覚まし時計を止めた。
 ▼ 2 1 24/06/25 12:36:01 ID:WPnsM2O2 NGネーム登録 NGID登録 報告
キバナ「はーーーっ………」

カーテンの隙間から朝日が差し込み、ココガラの囀りが聞こえる。

しかし、どうにもスッキリしない目覚めだ。
昨日はジムから寄り道もせず帰ったというのに、悪酔いしたように頭が重い。

キバナ「またメロンさんの夢か。オレさまも芸がねぇな」

厳しくも愛情に満ちた先達の顔を思い浮かべた。
決して夢でしか見なかったような、淫靡なメスの顔ではない。

キバナ「よ、おは…」

隣で寝ていたジュラルドンが露骨に不満の顔を向けてきている。
判断ミスで試合に負けた時ぐらいしか見せないような表情だったが…

股のあたりがやけに湿っぽい。

キバナ「あ」

出かけるまでにはまだ時間がある。
それまでに、白く水没したパンツを交換しなくてはならないようだった。
 ▼ 3 1 24/06/25 18:49:16 ID:2R7sFq3E [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜シュートシティ スタジアム〜

ジムチャレンジがオフシーズンの今日。
スタジアムで行われるのは歓声の響く試合ではなく、ジムリーダーの集う強化トレーニングだった。

といっても、大仰な特訓などが行われるようなものでもない。
ジムリーダーにも新顔…ポプラ婆さんの弟子にネズの妹、それから伝説の元チャンピオン・マスタードの教え子二人まで…が増えてきたために、交流の場を設けようというわけだった。

アーマーガアタクシーから下り、手鏡で髪の毛を整える。
集合時間よりもかなり早い時刻だ。他の仕事でスケジュールの都合がつかない奴もいるから、周りには誰もいない。


「おはよ、キバナくんっ!」

だがオレ様は、この人が真っ先に来ることを知っている。


キバナ「おはようございます、メロンさん。今日も早いっすね」

メロン「あんたもね。また夜まで女の子ひっかけて寝坊でもしてるのかと思った」

キバナ「どれだけ昔の話してるんすか」

キルクスタウンのジムリーダー、メロンさんの笑みは、冬空に差し込む陽光のようだった。朗らかで豪快な笑声に変わっていく。
オレ様がジムチャレンジを終えたばかりのアチャモだった頃から変わらない…いや、あの頃より成熟した気品を纏っている。

胸が揺れていた。
厚着をしていても分かる豊満な二房の果実が、手を叩いて身動ぎするだけでぷるぷると小刻みに揺れ、大人の色気をこれでもかと振り撒くのだ。


オレ様もそれに夢中になった男の一人だった。
 ▼ 4 1 24/06/25 19:33:49 ID:2R7sFq3E [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トレーニングが始まった。
決まった共通メニューといったものはなく、めいめいに他の奴と戦術について話をしたり、ポケモン達が技を出す練習をしている。

メロン「悪いねぇ、ルリナちゃんに誘われちゃってさ」

メロンさんをお誘いしようと思ったが、ルリナに機先を制されてしまった。

そんなメロンさんはいつもと違うトレーニングウェアを身につけていた。
上半身の面積を見れば、それこそルリナのジムユニフォームと変わるところがない。下半身はぴっちりとしたスパッツを穿き、豊満な太もものラインと尻のボリュームを際立たせていた。

その程度の布であの爆乳を隠せるわけもない。深々としたI字の谷間が目に飛び込んでくるばかりでなく、たわわな丸みまで丸分かりだった。この絶景を見て、蠱惑的な揺れを目の当たりにして、興奮しない男がいるだろうか?いなければどうかしている。

体型の相談でもしているのか、お腹を押さえて恥ずかしそうにはにかんでいた。しかし、ルリナのように引き締まったウエストだけが美しさではない。
メロンさんの腹は細くないにせよ、しっかりとくびれがあり、何より受け止めてくれる優しさに溢れているのだ。

トレーニングの合間、オレ様は度々メロンさんを盗み見していた。


カブ「………」
 ▼ 5 ュシュプ@ヒメグマのツメ 24/06/25 19:35:39 ID:8cSUoOAk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふむ支援しよう
 ▼ 6 ブラン@おおきなねっこ 24/06/25 20:38:57 ID:3JjQNEqA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カブさん!?
 ▼ 7 1 24/06/25 20:48:37 ID:2R7sFq3E [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜〜〜〜

トレーニング終了後、ジムリーダー達は会議室で打ち合わせをすることになった。

メロンさんの隣の席を狙っていたが、残念なことにルリナとカブさんに両隣を押さえられていた。やむなくカブさんの隣に座る。

打ち合わせといっても大したものではなかった。
新任ジムリーダー達による挨拶と自己紹介、それが終わったら他愛もない世間話といった具合だ。
これといった問題とてなく、和やかな空気のまま散会となった………


「あのう、キバナさんすいません」

筋骨たくましいシルエットに声をかけられる。
ターフタウンジムリーダーのヤローだった。
どこか居心地悪そうな顔をしている。

ヤロー「ちょいとキバナさんに聞きたいことがあってですな…」

キバナ「おう、どうした?聞き逃したことでもあったか」

ヤロー「こんなこと聞くの、失礼かもしれんのですが」

歯に物が詰まったような物言いも珍しい。

キバナ「水臭ぇなぁ。何でも気軽に聞いてくれよ」

ヤロー「で、では…キバナさん」


ヤロー「最近カブさんと喧嘩でもされました?」
 ▼ 8 ワシ@えいえんのこおり 24/06/25 20:53:05 ID:aH.UBV9. NGネーム登録 NGID登録 報告
なんでここで書き始めたんだ支援
 ▼ 9 1 24/06/25 20:56:17 ID:2R7sFq3E [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キバナ「………」

キバナ「はっ?」

予想外すぎる問いかけに間抜けな声が出てしまった。

ヤロー「いやぁ、その…打ち合わせの時、それからトレーニングの間、カブさんが妙に険しい目でキバナさんを見てるように感じたもんで」

思い返してみれば、打ち合わせの時隣から…カブさんの方から見られているような気がしないでもなかった。

キバナ「そう…かぁ?でもカブさんと喧嘩なんてした覚えないぜ」

本当である。
そもそも担当する街が違うのだから、今日みたいなトレーニングでもない限り顔を合わせることも稀だ。喧嘩などしようもないし、怒りを買うような行為を働いた覚えもなかった。

キバナ「気のせい気のせい!あの人目力強いしさ、それこそ火が点いてるみたいに」

オレさまはそう言って受け流したが、ヤローは怪訝とした顔のままだった。
 ▼ 10 ークライ@ホイップクリーム 24/06/25 21:01:07 ID:sPzAuUJY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キバナくん…わかるね?メロンを犯して殺した罪を誰かが背負わなければならない
 ▼ 11 1 24/06/25 21:07:53 ID:2R7sFq3E [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜〜〜〜

昼時になった。
メロンさんを昼飯に誘おうとして…本音を言えばメロンさんの手料理を味わいたいが…その姿を探す。

見つけた時、メロンさんは笑っていた…スマホロトムに向かって。

メロン「じゃあ、子供らのご飯も頼んだよ。アンタもちゃんと野菜食べるんだよ〜?うふふっ」

画面の向こう側にいるソイツに、メロンさんは心から明るく語りかけている。
モヤモヤしたものが胸中にわだかまり、オレさまは逃げるようにその場を後にした。

あまり食欲もない。
携帯食料をつまみながら、あてどなくスタジアムをうろついていたら…


「…キバナ君のことなんだけど…」


自分の名前が出てきたのを聞いて、オレさまは思わず立ち止まった。
 ▼ 12 1 24/06/25 21:32:48 ID:2R7sFq3E [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オープンカフェのエリアで、何人か談笑しているらしい。
思わず柱の陰に隠れ、その様子を伺った。


ルリナ「キバナ君のことで、ちょっと確認したいことがあってね」

マリィ「キバナさん、のこと?」

ルリナを始めとして、マリィ、サイトウ、そしてクララの4人。
メロンさんとあの人を除いた女ジムリーダーが集っていた。
皆の前にティーカップから湯気が立ち昇っている。(サイトウのみ、目の前にパフェが入っていたであろう容器があった)

ルリナ「単刀直入に聞きたいんだけど…」

ルリナ「皆、キバナ君に変な目で見られたことない?」

クララ「え゛ッ!?まさかルリナ先輩が…」

ルリナ「いいえ、わたしは特にそういった覚えはないのだけど。皆はどうかしら」

他の三人が首を横に振る。

ルリナ「そっか…ならよかった。特に最近ね」


ルリナ「キバナ君がメロンさんのこといやらしい目で見ているというか…」
 ▼ 13 1 24/06/25 21:39:13 ID:2R7sFq3E [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「あぁ〜………」

マリィと他二人も、さもありなんと頷いていた。

ルリナ「確かにメロンさんは皆から慕われているし、スタイルもこう…魅力的だから目を奪われるのは仕方がないけど」

ルリナ「最近のキバナ君は少し度が過ぎている気がするのよね」

サイトウ「学校の友達もよく噂にしてます。キバナさんのメロンさんを見る目がおかしいんじゃないかって」

クララ「もしかしてェ、メロン先輩のことがァ…?」

マリィ「クララさんに無反応ってことはおっぱい星人てわけでもなさそうやね」

サイトウ「ではやはり歳上の、それも既婚者の女性を…?」

クララ「うそォ〜!おかみさんには会わせない方がいいかも」

ルリナ「いや…それは」

ルリナ「キバナくんがそこまで分別のない大人だとは…思いたくないわ…」
 ▼ 14 リコオル@ローラースケート 24/06/26 08:17:40 ID:IGaMgAe. NGネーム登録 NGID登録 報告
おう続きあくしろよ
 ▼ 15 ルタン@のこされたボール 24/06/26 22:37:04 ID:xK3MGgBY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 16 1 24/06/27 08:10:34 ID:Ky7w0v.I NGネーム登録 NGID登録 報告
キバナ「………」

バレていた。悪事のバレた小悪党のような心境で軽く狼狽する。

幾度となくメロンさんと触れ合う機会を逃してきたのは偶然ではなかったらしい。オレさまを警戒するルリナが、それとなくオレさまとメロンさんの間に立ちはだかっていたのだ。

ジムリーダーの同僚として、切磋琢磨しあうライバルとして気まずい気持ちは勿論ある。しかし、ルリナ達にどう思われていても、それほど深刻に捉えてはいなかった。

何故なら4人ともメロンさんではないからだ。

モデルとして成功するほど美しくても、若くても、胸がデカくても、ポケモン勝負が強くてもメロンさんの代わりには決してならない。
敬遠され、警戒されたところでどれほどのことがあるだろう。


「女の話を盗み聞きとはいただけないね」


音を立てずオレさまは飛び退った。
年齢相応に掠れながら、ハキハキと聞き取れる声の主…

キバナ「ば………ポプラさん」

ポプラ「ご機嫌ようだね、キバナ坊や」
 ▼ 17 ルヤクデ@ルナアーラZ 24/06/27 08:10:49 ID:VPOsLXX2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
待ってた
 ▼ 18 1 24/06/27 12:18:52 ID:MJIgKSok NGネーム登録 NGID登録 報告
ガラルのトレーナーほぼ全てにとって先達と言うべき人だ。
ただ、その肩書き以上の形容し難い迫力のようなものがあり、さしものオレさまもいつも気圧される。

キバナ「ポプラさん、トレーニング呼ばれてましたっけ…?」

ポプラ「いや、ウチの子が皆と仲良くなれてるか覗きにきただけさ。しっかりやれてるようだし、お望み通りすぐに帰るよ」

ポプラ「ああ、でも…その前にちょっとだけアンタに話しておくことがあるんだった」

キバナ「オレさまに?何のことで」

ポプラ「説明がいるのかい?」

確かに必要なかった。
ルリナ達が話していた内容のことに違いないからだ。

ポプラ「陳腐な説教で申し訳ないけどね、家庭のある女に迷惑かけんじゃないよ。他人からもああ見られてんだ、本人が気づいていないはずもないさ」

キバナ「…別に大それたことをしようってワケじゃないです。拒絶されんなら…仕方ないと思ってるんで」

ガキがムキになったような口調で答えると、婆さんは呆れたように溜息を吐いた。

ポプラ「アンタ、頭はいいのにバカなんだね」

キバナ「う」

ポプラ「一番心配してんのはアンタ自身さ」


ポプラ「どこかで踏ん切りつけなきゃ、アンタ自身が壊れちまうよ」
 ▼ 19 1 24/06/27 18:10:56 ID:ILFYB9I6 NGネーム登録 NGID登録 報告
キバナ「!!…」

ポプラ「自分の中の憧れが汚れちまわないように気をつけるんだね。それじゃ」

予想外の言葉に返答できずにいるオレさまを背に、ポプラ婆さんは悠々と去っていった。

〜〜〜〜〜〜〜〜

自宅に戻ってきた。
オレさまの許しがない限り、オレ様自身とポケモン達しか入ることのできないプライベート・スペース。
思う存分「吐き出せる」場所は、やはりここを置いてほかにない。

スマホロトムのフォルダを立ち上げた。

キバナ「へへ…やっぱり上手く撮れてんな、オレさま」

トレーニング中のジムリーダーやポケモン達を写したものだ。
SNSにアップするためと説明した撮影した。それは嘘ではない。

だが、オレさまが見たいのはそんな他所行きの写真じゃない。

キバナ「メロンさん…汗だくメロンさん…ふふっ」

トレーニング中のメロンさんを写すことができたのは、僅か一枚。
ルリナの妨害があったためでもあるだろう。

だからこそ、これはオレさまだけのものだった。
 ▼ 20 1 24/06/27 22:43:06 ID:sVX2hxwM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
親指と人差し指で画面の中のメロンさんを拡大し、扇情的な姿を凝視する。

前屈みとなった拍子にトレーニング・ウェアの隙間から深い深い谷間…それも前だけでなく脇から覗く横からも…が惜しげもなく晒されていた。
曲線を舐めるように伝う汗の水滴が妖しく輝く。

キバナ「う、くっ…」

油断した人妻の色香。
股間に血流と共に熱が篭っていくのを感じる。


メロン『よくこっちに来たね新入りジムリーダー君!あたしがビシバシ面倒見てあげちゃうからね!』


ふと、昔のことを思い出す。
オレさまがジムリーダーになりたてのヒヨッコだった頃…先輩のメロンさんには随分世話になったものだ。

筋肉痛が次の日まで取れないトレーニング、回数を思い出せないほど叩きのめされた練習試合、そして…全てをやり遂げた時にだけ見せてくれた、包み込むような微笑み。

それから、どんな時でも目を向けずにはいられない豊満なナイスバディ。
それはオレさまとメロンさんが初めて知り合った時から、既に旦那のものだった。

悔しいとか、羨ましいとか、妬ましいだとかを感じた覚えはない。
当たり前のことだからだ。子供も、マクワのみならずその下の子もその時何人か生まれていたはずだ。

ただ純然たる事実として、メロンさんの心も身体も、オレさまだけのものにはならない。それだけのことだった。
 ▼ 21 タシラガ@ゆでタマゴ 24/06/28 05:36:29 ID:ywNUWRMk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
人妻に片思いする苦しみがよく描写されてますね…
続きが楽しみです
 ▼ 22 1 24/06/28 12:48:18 ID:GsU6VjEE NGネーム登録 NGID登録 報告
それでも…だからこそ、オレさまはふと思う。

溌剌として自信に満ちたあの顔が、快感に蕩けてしまうことがあるのか。

ハキハキとオレさま達を叱咤し、ポケモンに指示を与える声が、
男を求めて媚びるように甘ったるくなることがあるのか。

未だハリの衰えない、男どもの心を奪うあの肢体が、
生まれたままの姿でベッドの上で跳ねるように乱れることがあるのか


それはオレさまにとって、どれだけ見ても現とはならない幻。
白昼夢に過ぎない。

だが、それを紛れもない現実として見ることのできる男が、
確かな実体として触れることのできる男がいる。


不条理とは思わない。ただ、オレさまがその男だったら、どうなっていただろうとぼんやり考えるだけだ。

頭を埋め尽くす欲望の命じるまま、あの身体を思う存分かき抱いて、
快楽に喘ぐ声を聴きながら、中に精をぶちまけたことだろう。

夢想するだけで、股間にはますます熱が集い始めた。
これからもこんな日々が続くのだろうか、特に疑問を覚えたことはなかった。
 ▼ 23 24/06/29 13:40:21 ID:.J12eZ9k [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜〜〜〜

数日後、その日もシュートスタジアムでジムリーダー達のトレーニングがあった。

ただし、人数はそれほど多くはない。
エンターティナーとしての資質と努力を求められるガラルのジムリーダーは、バトルや特訓以外の仕事を課せられることが多いためだ。

この日はオレさまを警戒するルリナも、鋭い視線を向けていたらしいカブさんも、別件で不在だった。


キバナ「メロンさん!公式レコードに乗らないのは残念だけど、連敗記録は止めさせてもらいますよ!」

メロン「ふふ、余計な心配は勝てるようになってから言いな!」

そういうわけで、今日のオレさまはメロンさんとのスパーリングに勤しむことができたのである。

オレさまとメロンさん、互いに育て上げたポケモン達がぶつかり合うフィールド。
その広さを考えれば、両端に立つトレーナーの距離は相当離れている。だが、オレさまがメロンさんの姿に見惚れるのには、何の支障にもならない。

メロン「いくよっ、ラプラス!」

跳躍してボールを投げるお馴染みのフォーム。肉付きのよくハリのある太ももが豊満な身体を浮かし、たわわな果実が躍動する。
ファンの男どもがバトルビデオで幾度もリピートすることで有名だが、ジムリーダーたるオレさまはそれを生で拝むことができる。優越感に胸が満たされた。

キバナ「うお!?いきなり切り札のお出ましか…ここはバクガメスの"にほんばれ"で」

メロン「好きに動かしてあげるほど甘くないよ!"ぜったいれど"!」

上品な作りの顔に自信に満ちた、少し意地悪な表情を浮かべるメロンさん。
いつの日かメロンさんに勝利して、綺麗な顔を悔しさで歪ませてみたくもある。できれば今回のトレーニングのように、皆に見られることのない場所で。


今回のところは、非公式ながら連敗記録を更新することになった。それでも、久々にメロンさんの動きを、声を堪能できた満足感は確かなものだった。
 ▼ 24 イプ:ヌル@ながねぎ 24/06/29 13:43:40 ID:Bk8ER0jc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
解像度高いなおい
実話か?
 ▼ 25 1 24/06/29 14:38:14 ID:.J12eZ9k [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メロン「お疲れ、キバナ君。前よりはマシだけど、まだまだ甘ちゃんだねぇ」

キバナ「いや〜メロンさんが強すぎるんで。それにお綺麗だから見惚れちゃって?」

メロン「バカ言わないの!お世辞ばっかり達者なんだから」

呆れたように笑いながら肩をどやしつけてくる。
こおりタイプのエキスパートでありながら(だからこそ?)、その手は暖かかった。
手を差し伸べ続けてきた昔から、ずっと変わらない…

メロン「ふぅ…年甲斐もなくはしゃいで、ちょっと汗かいちゃった」

メロン「シャワーでも浴びてから帰ろうかね」

キバナ「!!」

少しだけ顔と身体が強張る。

メロン「じゃあね、キバナ君。…覗いたりすんじゃないよ〜?なんてね」

小悪魔じみた悪戯っぽい笑みに、オレさまはしどろもどろに言葉を濁すことしかできなかった。

〜〜〜〜〜〜〜〜

シュートスタジアムにシャワールームはいくつかあるが、メロンさんは一番古いものを昔から使っている。
他の女トレーナーや女性職員は多機能な新しい方に行くので、空いている方が好ましいとのことだ。


キバナ「………はぁ」
 ▼ 26 1 24/06/29 14:49:04 ID:.J12eZ9k [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オレさまはその入口に足を運んでいた。

勿論、「覗くんじゃないよ」という言葉は墨守するつもりだ。
シャワーに乱入してオレさまのキャリア全てを…それ以上に自分自身の尊厳とやらを台無しにするつもりもない。

ただ…あのメロンさんが一糸纏わぬ姿で、火照った身体を清めている。
その事実を体感できる距離にいたいだけだ。

ベンチに座ってスマホロトムの画面をいじりながら、見ることかなわない光景を幻視する。


剥き出しの爆乳、乳肉の生み出す谷間の間を水滴が伝う。
流れる温水が魅惑の豊満ボディラインの輪郭を描き出し、湯気の向こうにある女体の柔らかさを否応にも強調している。

メロンさんの唇の隙間から、心地よさげな吐息が漏れる………。


はっ、と我を取り戻す。
妄想に浸っていたら、それなりに時間が経ってしまっていた。
あらぬ誤解をかけられる前に、ここを離れるべきか。




「きゃぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!」
 ▼ 27 ンド@テラキオンのおやつ 24/06/29 14:49:59 ID:Bk8ER0jc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あっ...(察し)
 ▼ 28 1 24/06/29 23:53:39 ID:.J12eZ9k [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一瞬、頭が真っ白になった。

オレさまがその声を聞き違えるはずもない。
美しく澄み切りながらも悲痛な旋律は、間違いなくメロンさんのものだった。

「あんた、なに…くっ、ん、放せ!…んっ、い、いや、やめてっ!」

駆け出していた。オレさまの足が、オレさまの意識を超えた何かに突き動かされていた。
躊躇いなど覚えるはずもなく、シャワールームに飛び込む。


蛇口やシャワーヘッドが齎すものとはかけ離れた水音が響く。
二人の人間が格闘しているかのような。

ぼんやりとした湯気に包まれ、視界の悪いシャワールーム。
だが、オレさまにはその景色がハッキリと見えた。

見えてしまった。

パンツ姿の若い男が、裸身を晒したままのメロンさんに覆い被さっていた。

オレさまの知らない男だ。というか、ここまで醜悪な顔をした人間を見たことがない。
それは顔の造形の話ではなく、心の底で蠢く歪んだ欲望が噴出したかのようなものだった。


「へ…へ、へへ…!すげぇオッパイ…でけぇなぁ…!」

枯れ枝のような両手が、メロンさんの豊乳を鷲掴んでいた。
 ▼ 29 スイゾロア@ずがいのカセキ 24/06/29 23:55:49 ID:brQwif.k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
誰なんだ…
 ▼ 30 1 24/06/30 00:01:22 ID:JJVQpXS. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
手を閉じては開き、開いては閉じ、弾力たっぷりの乳房を揉みしだいている。
男だったら誰もが憧れる、しかし一人を除いて許されるはずのない悦楽。

メロン「さ、触らないでよっ…あたしの、ぁあ…胸が、ぁ」

メロンさんは何度もそいつを叩き、蹴り付けているが、そいつは感覚が麻痺でもしているのか、まるで胸を揉む手を緩めず…

「すっかりビンビンにおっ勃ててんじゃねぇか…いただきまぁす!」

爆乳に顔を埋めるように、その先端に吸い付いた。
乳首を吸い上げる音が、シャワールームに反響する…

メロン「や、やめて…やめなさいっ!いやぁぁぁぁぁぁ………」


走った。オレさまは走った。
服を着たまま濡れることを厭わず、滑る床に足を取られることもなく。

そいつの髪を引っ掴んで、メロンさんの胸から引き剥がした。

頭にマグマが流れ込んだような怒りがオレさまを突き動かしていた。

キバナ「…ふざけんなっ!!」

そいつの顔面に拳を叩き込む。
ごりゅ、と鼻が砕ける感触があった。
 ▼ 31 ツドン@マグマスーツ 24/06/30 00:02:59 ID:BEsMXSfw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キバナパンチ
 ▼ 32 1 24/06/30 00:06:42 ID:JJVQpXS. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
白いシャワールームに、赤い飛沫が舞い散った。

メロン「!キバナ、君…」

声をかけられたのにも気づかず、オレさまは第二撃を顎にぶち込む。
五、六本の歯が床に飛び散り、そいつはようやく動かなくなった。

後はもう一発くれてやれば…こいつを……


メロン「キバナ君っ!!」


はっ、と我に返った。
ぴくぴくと見苦しく悶える奴には目もくれず、メロンさんに向き直る。

メロンさんの裸体があった。
透き通るような肌に包まれた、母性を象徴する豊満な肉体。
溢れる魅惑の乳房の先端、やや色の濃い乳首。

どこの誰とも知らない奴に、犯されかけていた。

たまらずに目を伏せたオレさまは、びしょ濡れになったジャケットを手渡した。
おずおずと受け取ったメロンさんが、心配そうに見つめてくる。

騒ぎを聞きつけた女性職員が駆けつけ、現場を見て呆然と立ち尽くした。
 ▼ 33 1 24/06/30 00:15:37 ID:JJVQpXS. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜〜〜〜

ジムリーダーが被害者となった、白昼の強姦未遂事件。
そのニュースは当然ガラル全土を驚愕させた。

暴行犯は最近、アルバイトとしてシュートシティに入り込んでいた。
家宅捜索の結果、そいつの家には裏ルートで流通している不法侵入のマニュアルがあり、メロンさんを狙った計画的な犯行であると分かった。

そいつを尋問して、裏ルートの元締めは全員逮捕に成功したという。


そしてオレさまに関してだが…

オレさまがシャワールームに飛び込んだこと、暴行犯を殴り飛ばしたことは、メロンさんを助けるための行為だったとすぐに認められた。

だが、ポケモントレーナーとして鍛えられた腕力で、顔が歪むほどに殴りつけたオレさまを、過剰防衛ではないかと謗る声は当然あった。

ポケモンリーグとしても、無反応を貫くわけにはいかず……


〜シュートシティ バトルタワー〜

ダンデ「……キバナ」

かつて無敗のチャンピオンとしてガラルを夢中にし、今はバトルタワーのオーナーとして新たな道を歩むオレさまのライバル、ダンデ。

しばらく間が空き、ようやく口を開いた。

ダンデ「お前に二ヶ月間…有観客でのポケモンバトル、メディア露出、その他収益の発生する業務について禁止する処分を下すことになった」
 ▼ 34 ドラ@りゅうのウロコ 24/06/30 00:17:27 ID:BEsMXSfw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あら…
 ▼ 35 ラルダルマッカ@ジュペッタナイト 24/06/30 00:24:07 ID:tlUU5fTs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まあそれもそうか
 ▼ 36 ルボウ@しんぴのチケット 24/06/30 21:38:29 ID:BEsMXSfw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 37 1 24/07/01 12:59:24 ID:keh6V8KA NGネーム登録 NGID登録 報告
キバナ「おう。ま、そりゃあそうだよな」

何でもないような口調で応じたのは、強がりでもダンデへの気遣いでもない。
オレさまは自分がしたことにも、あのゲス野郎の末路にも後悔などまるでなかったが、それでもこうなるのは当然だとも思っていた。

ダンデ「暴行犯がシャワールームに忍び込んだ警備の穴…そもそもアルバイトを採用する時点で気づけていれば…それらの責任は、オーナーである俺の」

キバナ「やめろって。らしくないぜ、オレさまのライバルが終わったことでクヨクヨするなんてよ」

キバナ「むしろシーズンオフで助かったさ。一ヶ月ぐらいはシーズンと重なるが…そんな時期にナックルジムに挑戦者は来ないだろ」

ダンデ「しかし…」

「キバナ君の言う通りだよ!」

背後から聞こえてくる声に、オレさまは僅かに身体を強張らせた。


ダンデ「メロンさん!もう大丈夫なんですか?」

メロン「見くびらないの。これぐらいでへこたれてるメロンさんじゃないよ」
 ▼ 38 モルー@ケンタロスのけ 24/07/01 13:10:43 ID:5HiAOW.6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続ききた
 ▼ 39 1 24/07/01 20:38:22 ID:x59AkMAw [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あの悍ましい事件の被害者になったというのに、メロンさんは常とまるで変わらない快活さだった。オレさまの方が戸惑うほどだ。

ダンデ「そのご様子だと…ジムチャレンジを予定通り担当されるという意志にお変わりはないようですね」

キバナ「へっ!?」

間抜けな声を出してしまった。メロンさんの前で、というのが何より気恥ずかしい。

メロン「そりゃそうさ!"ジ・アイス"は健在だってこと、ファンの皆に見せてあげなくちゃ」

ダンデ「…分かりました。今年もよろしくお願いします」

キバナ「いや、待ってくれ!メロンさん、あんなことあった後で本当に大丈夫なんすか?」

メロン「心配性だねぇ。あの時は突然のことで確かに怖かったけどさ、もうすっかり落ち着いたし」


メロン「あの時だってキバナ君が守ってくれたしね!」

豪快に背中を叩かれたオレさまは、


キバナ「……あ………」

ダンデに対するのとはまるで正反対の、口ごもった返事しかできなかった。
 ▼ 40 1 24/07/01 21:11:43 ID:x59AkMAw [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜〜〜〜

水音。

湯気。

真っ白なタイル。

視覚も、触覚も、まるで現実感に乏しい世界。


その女体だけは本物だった。


『あ…あ、ぁ…いや…』

潤んだ瞳に怯えの色を浮かべてこちらを見上げてくる。何ともそそる視線だ。

へたり込むように腰を落とし、はちきれんばかりに張り詰めた太ももを重ねている…その奥にある禁域を守るように。

そして、乳房。大人の顔ですらすっぽりと埋もれてしまうような大ボリュームの果実。両手を交差させて先端を覆い隠しているから、その豊かさが数割増しで強調されている。
腕に押された柔肉が、むにゅ、と弾力たっぷりに歪む。

あぁ…

本当にエロスの塊だ、メロンさんは。


息を呑むような豊満な肢体が、一気に眼前に近づく。

いや、こちらから迫ったんだ。
 ▼ 41 1 24/07/01 21:55:53 ID:x59AkMAw [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
肉付きの良い両手を引き剥がそうと手をかける。
叶うわけもないのに、必死に抵抗する様も愛おしい。

『は、離して!離して…きゃあっ!だめ、だめ…!』

露わになった生乳。手の力がかからなくなったのに、量感とハリは微塵も失われることなく、瑞々しく揺れていた。

五人もの子供を育てた乳房、どれだけ吸われ続け、しゃぶられたか分からない乳首は濃い色をして、却って男の情欲をかき立てる。

搾るように鷲掴んだ。はっとするような柔らかさが、溢れる弾力が手元から脳天まで駆け上がる。
煽られた欲望に急き立てられ、双つの乳首にかぶり付いた。

『あ、あ゛んっ!はぁうっ…』

滑らかな舌触りを愉しみながら突起を口内で転がし、思い切り吸い上げる。

『あぁぁぁぁはぁぁぁぁぁぁぁぁっ………!!』

乳房への、乳首への刺激が電流のようにメロンさんを苛み、堪え難い快感によって豊満な身体を震わせた。


やがて、シャワーでも洗い落とせないような透明な液体が、メロンさんの脚の付け根から流れ出てくる。

"からにこもる"ように閉じられた両脚をこじ開けようと、膝を掴み、あらん限りの力を籠めた。その抵抗は胸の時の比ではない。

『うぅ、ゆ…助けて。助けてぇ…』

哀願する声。こちらに許しを請うているのか。


『助けて…あなた、ぁ』

脳の頂点にまで血が上った。
 ▼ 42 1 24/07/01 22:03:25 ID:x59AkMAw [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
強引に両脚を押し広げ、髪色と同じメロンさんの秘部を目の当たりにする。
その光景以上に、慄くメロンさんの息遣いがたまらない。

このオレさまの目の前で、他の男の名を呼ぶなんて、あってはならない。
罰を与えてやりたかった。快感という名の罰を。

怒張を突き入れた。

『いや!いや…あぁぁぁ…んっ…!!』

絶望と快楽の入り混じった声。
とにかく腰を突き入れる。突く、突く、突きまくる………

『あ゛っ!あ゛、う、ん゛ぅ!んっ、ん、んはぁぁぁっ……!!』

恐怖の喘ぎに、抗いようのない快感が溢れ出していた。
肉壺が容赦なく怒張を締め付けてくる。

そうだ。これでいい。

メロンさんの身体を貪り尽くすのは、メロンさんの快感を恣にするのは、このオレさましかいないんだ。

なぁ…


キバナ『お前もそう思うだろ?』



キバナ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


滝のような汗に塗れた身体が、跳ね飛ぶように起き上がった。
 ▼ 43 1 24/07/01 22:12:19 ID:x59AkMAw [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キバナ「はぁっ、はぁっ、はぁっ………」

肺が破れるほど大量の酸素を吸い込んだような息苦しさ。
外はどうにか朝であることが分かる程度の明るさ。
いつものベッドに横たわることが、これほどまでに苦しいとは。

キバナ「………う、ぐっ」

突き上げるようなものを感じ、転びそうな足取りで洗面所に向かった。


キバナ「ぐぶっ!う゛、ぶふ…えぐふっ…」

胃に溜まっていたもの全てが逆流したようだ。
吐き出したものはすぐに流されていったが、強烈な不快感は中々消えてくれない。

フライゴンとヌメルゴンが心配そうにこちらを見ている。

キバナ「はは…大丈夫だって。大丈夫、大丈夫…」

そんな言葉を信じられるような顔色ではなかっただろう。


悪夢と呼ぶことすら生ぬるいあのイメージは、オレさまに認めたくないことを強引に認めさせた。


メロンさんを汚そうとしたゲス野郎は、オレさまだった。

オレさまに殴り飛ばされたアイツは、オレさまが辿る成れの果てだったかもしれなかった。

心の奥底で、そう思っていたんだ。
 ▼ 44 ジーロン@こわもてプレート 24/07/01 22:17:02 ID:MKCMW6bA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これもう催眠療法とかのセラピーが必要なレベルだろ
 ▼ 45 1 24/07/02 08:21:15 ID:MAw2sABc NGネーム登録 NGID登録 報告
オレさまの心の奥底にあった「かなめいし」。
歪みに歪みきった欲望を封じ込められていたそれを取り去り、自覚できていなかったそれを眼前に突きつけられた。

あの事件は偶発的なものであったかもしれない。
しかし、オレさまが心中の闇を自覚するのは予定すらされていたことだった。


そのタイミングがもう少しずれていたら…

メロンさんに襲いかかっていたのは。


ベッドまで戻る力もなく、寝室の入り口で項垂れながら壁にもたれかかる。

これは報いだったのか。いや、そうに違いない。
分不相応な、そしてケダモノじみた望みを抱き続けてきた報いなんだ。

スマホロトムを取り出し、写真アプリ立ち上げる。
メロンさんの画像フォルダ。プライベートで撮ったもの、メロンさんのSNSにアップされていたもの、動画、それから扇情的なセクシーショット。
細かくファイリングされている。

「削除」ボタンに指をかけた。……かけようとした。

指は動かず、スマホロトムのデータ総量が変わることもない。

キバナ「情けねぇ……」

未練を断ち切ることもできず、そう呟くほかできることはなかった。
 ▼ 46 ラティナ@みっけポン 24/07/02 11:38:21 ID:4lecxhdM NGネーム登録 NGID登録 報告
スマホロトムは中身見てそう
 ▼ 47 1 24/07/02 12:22:47 ID:5LCAIGkI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
それからしばらくの間、オレさまは色が失せたような生活を送り始めた。

目が覚めてもしばらくボーっとして、髭もまともに剃らない。
殆ど外に出ることもないから、野暮ったいスウェットから着替えることもない。

飯は一応三食摂ったが、できあいの弁当か固形食、ゼリーばかり。
灰色の服でマスクをつけてポケセンに出かけたところを記者にすっぱ抜かれもした。
『ドラゴンストーム・キバナ!謹慎処分のショックは重く?』…見当外れもいいところだが、訂正する必要も感じなかった。

SNSの更新も、ファンのための生存報告くらいのもの。
最初のうちはそれなりに考えたコメントをしたりしていたが、最近はそれも億劫になって、変わり映えのしない部屋の写真をアップするだけだ。

幸いにもポケモン達は自主トレをしてくれていて、身体が鈍っていることはない。それでもオレさまが塞ぎ込んでいるのが気になって、戸惑いを隠せないようだった。
本当に、ゴメンな………。


そんな日々が一週間ほど続いた。
 ▼ 48 1 24/07/02 12:27:13 ID:5LCAIGkI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
それに終わりを告げる誘いをくれたのは、オレさまにとって意外な…
それでいて、もしかしたらと思うような人物だった。

〜エンジンシティ 某所〜

目立たない服装のまま、薄暮の街を歩く。
約束の店に入って名乗ると、予約されていた席に案内された。

他のどの席からも目立たない場所だ。やはり気が利いている。

彼はすでに店にいて、オレさまを目にすると席を立って声をかけてくれた。

「お久しぶりです、キバナさん!」

キバナ「よ。お前から誘ってくれたのなんて初めてじゃないっけ?」


マクワ「フッ、そうですね。ささ、どうぞ座ってください」
 ▼ 49 レユータン@くろいヘドロ 24/07/02 12:54:03 ID:EGyY3EDY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自主トレするポケモン達偉い
 ▼ 50 ルホッグ@イーブイのけ 24/07/03 05:16:16 ID:ggscziEs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 51 1 24/07/03 12:52:29 ID:O6i2w7ic NGネーム登録 NGID登録 報告
マクワはいわタイプのジムリーダー。
オレさまとも一緒にトレーニングする仲の良い後輩で…メロンさんの長男だ。

メロンさんとはジムを継ぐ継がないでいたく揉めたらしく、今もどこかギクシャクしているのは有名な話である。

マクワ「キバナさん、髪先が少し濡れてますね?」

キバナ「あー、ここに来る前にシャワー浴びてきた。せっかく誘ってくれたんだしな」

実のところ三日ぐらい風呂に入らず、ボディーシートで済ませてきた。
……風呂場に入ると、どうしてもあの光景がフラッシュバックして立ち尽くす。
それを乗り越えて身体をさっぱりさせる機会を得られただけでも、この誘いはありがたかった。

キバナ「取り敢えず一杯飲むか。オレさまはカジチュソーダで…お前は?」

マクワ「お酒は遠慮します。夜から撮影があって、夕食だけのつもりで来たんですよ」

キバナ「そんな忙しいのに誘ってくれたのか!?」
 ▼ 52 リランダー@ヘイラッシャのヒゲ 24/07/03 12:54:04 ID:WyOIN0vE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボディーシート便利よね
 ▼ 53 ガプテラ@ゴスのみ 24/07/03 22:31:34 ID:FRyoIm2g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キバナ「本当にすまないな、半分引きこもりのオレさまのために」

マクワ「やっぱり相当お疲れですねキバナさん。卑屈な言い方なんてらしくないですよ」

マクワ「ここ、カブさんに教えてもらったお店なんです。一度行きたいと思っていた僕にとっても渡りに舟だっただけですから」

キバナ「カブさんが、か…よし!それじゃあ食うか!」

マクワ「はい!」

食事を楽しむという行為。半ば忘れてしまっていたそれをようやく思い出した。
流石カブさんお墨付きの店だけあって、口にするたび満足感を与えてくれる料理ばかり。

それにしてもマクワの気配りは見事なものだった。
ファンクラブが作られるほどの熱烈な人気が絶えないのも、ファンやスタッフ達に対する心遣いあればこそなのだろう。

キバナ「その方面に関してはオレさまも学んでばかりだなぁ」

マクワ「いやなに、相手に喜んでもらえば、自分も嬉しくなるというだけのことです」

キバナ「………」


オレさまの懊悩を打ち明けようか、と思い始めた。

というか、ここまでしてくれたのだから、オレさまの抱えているものを隠してばかりでは不実という気もする。なにせ、マクワにとって母親に関することなのだから。

しかし、内容が内容だった。血の繋がった息子が聞くには、いささか…というか、かなりキツいものがあるだろう。
 ▼ 54 ラルフリーザー@ヨーギラスのツメ 24/07/04 11:46:18 ID:0tEUhcpg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 55 1 24/07/04 12:31:23 ID:Z6MQ4m7c [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
マクワがここを辞するという時間は30分後に迫っている。

キバナ「………あの、よ」

マクワ「はい?」

しまった。
言うかどうかの決心もついていないまま声をかけてしまった。
引き返せなくなってしまう。

キバナ「あー………」

マクワ「あの…勘違いなら申し訳ありません」

マクワ「キバナさんが言いたいことって」

キバナ「!!待ってくれ!オレさまに、オレさまに言わせてくれ」

確信した。マクワはオレさまが言いたいことを確かに悟っている。
それを待つために、ここへ誘ったのかもしれなかった。

言ってしまえ。ドラゴンストームに日和る選択肢はないだろ。


キバナ「オレさまは…メロンさんを」

キバナ「お前の母ちゃんを、だな…変な目で見てしまっていた」

キバナ「前からずっとだ。本当に…すまなかった」


テーブルの上に額を擦り付けた。
しばらく経ってマクワに向き直るが、予想通り動揺の色はない。
 ▼ 56 1 24/07/04 12:42:43 ID:Z6MQ4m7c [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
マクワ「そうですか…やはりね」

マクワの声色は穏やかだが、それだけに恐れが募る。
軽蔑されたから。いや、されて当然だと覚悟はしていたつもりだが……


マクワ「キバナさん」

キバナ「はい…」

マクワ「僕が今日この店にあなたをお誘いしたのは」

マクワ「そのことについてあの人からキバナさんへの伝言があったからです」

キバナ「なっ!?え、え…」

マクワ「一度しかお伝えしませんので。曰く……」


メロン『そんなことにいつまでもクヨクヨしてないで、早く元気に戻ってきな!!』


キバナ「………」

キバナ「あ………」

マクワ「みんな気づいていたことですよ。僕も、ルリナさん達も」

マクワ「もちろんあの人もね」
 ▼ 57 ナイダー@ファイヤーのおやつ 24/07/04 12:53:40 ID:HoXYJ32. NGネーム登録 NGID登録 報告
男のそういう目線はバレるってよく言うが
女性陣や本人はおろか男のマクワにまでバレてたとかもう相当ガン見してたとしか思えねえ
 ▼ 58 1 24/07/04 17:54:01 ID:/.2Y8mgs NGネーム登録 NGID登録 報告
キバナ「………そっかぁ〜〜〜…」

項垂れた。恥ずかしさと情けなさがオレさまを脱力させる。

マクワ「まぁあの人、そういう視線は昔から向けられてたみたいで。すっかり慣れっこのようですが」

キバナ「だとしたら…」

ポプラ婆さんに声をかけられた時から抱いていた疑問を質す。
なぜメロンさんはオレさまに、ダイレクトに迷惑だと伝えなかったのか。

マクワ「気を悪くしないでくださいね」

キバナ「うん?」

マクワ「キバナさん、ワイルドに見えて繊細で打たれ弱いところあるじゃないですか」

キバナ「うぐ!」

つい昨日までそれを露呈し続けていたのだから、否定しようもない。
 ▼ 59 ガタブンネ@ジーエスボール 24/07/04 17:55:55 ID:uaaoDsBE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハッピーエンドは抜ける
 ▼ 60 1 24/07/05 12:22:49 ID:U9r.dhE. NGネーム登録 NGID登録 報告
マクワ「だから下手にガツンと言おうものなら、すぐ塞ぎ込んで仕事にも支障が出ると確信してたらしいですよ」

キバナ「ダイマックス巣穴があったら入りてぇ…」

マクワ「ただ…」

マクワ「本気で危険だったり、女性を欲望の対象としか考えていない輩にはそういう忖度をまるでしない人ではあります」

マクワ「若い頃は襲ってきた男の股間を蹴り上げて使い物にならなくしたこともあるそうですよ」

キバナ「でもオレさまはそうならなかった…」

マクワ「そうです。要するに」


マクワ「キバナさんはそんな人じゃない、軽く見えても根は真っ直ぐで純粋なトレーナーだと信じていたわけですよ」


キバナ「!!」

キバナ「いや、しかし…」

あの暴行犯を自分と同一視する意識はまだ残っていた。
そもそもメロンさんを助けに入ったのだって、邪な心があってシャワールームの近くにいたからだ。

マクワ「認めるのは些か腹立たしいですが…」


マクワ「そういうことを見極めるのに、あの人の目は十分以上に信頼できると思います」
 ▼ 61 1 24/07/05 12:31:41 ID:ekqQZiFs NGネーム登録 NGID登録 報告
思わずマクワに向かって、強く目を見開いた。
下瞼に水を感じる。オレさまは…涙目になっているのか。

メロンさんはそこまでオレさまのことを信じてくれていた。
オレさまが節度ある振る舞いをすることに、期待をかけてくれていたんだ。

オレさまはそのことにすら気づかずに…自分の内にばかり目を向けて、勝手に自分を追い詰めていた。
オレさまはとんだ大バカ野郎だった。

キバナ「……本当にありがとな、マクワ」

キバナ「口にするのはかなり辛かっただろ。親のこんな話題を…それなのに、オレさまにちゃんと伝えてくれて」

マクワ「それはそうです。単純に気持ちが悪いし、これ以降キバナさんが改めなければその時こそ愛想つかしますからね。ただ…」

マクワ「あの人は曲がりなりにも僕の母です。今でも男から憧れるような人だという事実自体は…ちょっとだけ誇らしい所はあるので」

キバナ「そっか…」

オレさまは、笑った。
すっかり忘れていた、心の底から湧き上がる笑みだった。

キバナ「お前、母ちゃんのことが大好きなんだな」

メロンさんはオレさまだけのものじゃない。
メロンさんは、メロンさんが好きな皆のメロンさんなんだ。
頭で分かっていたはずのことを、ようやく心で理解できた。

マクワ「…ご想像にお任せします」

気がつけば、マクワが辞去する時間だった。
 ▼ 62 1 24/07/05 12:34:53 ID:4HqgN3Og NGネーム登録 NGID登録 報告
店を出て、アーマーガアタクシーに乗り込むマクワを見送った。

外はすっかり暗くなっていたが、そこまで遅い時間でもない。
重要な話をしたために、酒を飲んだのも最初のカジチュソーダ一杯だけだ。

どこかで飲み直そうか、と考えていると…


「キバナ君」


後ろから声をかけられた。
年季が入っていながら、活力の衰えがまるでない声の主は。

キバナ「カ、カブさん!?」

カブ「はは、そう驚くこともないじゃないか。ここは僕の街だよ?」
 ▼ 63 スイヌメイル@スライスチーズ 24/07/05 12:37:16 ID:h87I0jf. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ですぞ
 ▼ 64 1 24/07/05 12:44:24 ID:Zp..1wps NGネーム登録 NGID登録 報告
キバナ「いやまぁ、それはそうですけどね…」

困惑しつつも、オレさまはふと思い出す。
マクワが連れてきてくれたこの店は、カブさんに薦められたと言っていた。
ということは…

カブ「マクワ君と…しっかり話はできたようだね」

やっぱりだ。
オレさまとマクワが話すお膳立てをしてくれたのは、カブさんに違いない。
しかし、動機が分からなかった。カブさんはメロンさんと同期の間柄ではあるが………

カブ「ところでキバナ君、その様子だとまだアルコールが足りないんじゃないか?」

キバナ「ええ、まぁ。後輩の前で悪酔いとかしてもアレなんで」

カブ「迷惑でなければ、付き合ってもらっても」

ぐいっ、と一杯呷る仕草。

良い機会と言えた。ヤローが感じたというカブさんのオレさまに対する鋭い視線。それについても真相を確かめることができるかもしれない。


誘いを受けたオレさまはカブさんの後ろを着いて行った。
 ▼ 65 1 24/07/06 16:57:37 ID:PiTY/wyw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜エンジンシティジム〜

オレさまはエンジンシティのジムに案内された。
ジムチャレンジのない時期に挑戦者や観客がいるはずもない。
当直のジムトレーナーもすでに帰宅していた。

キバナ「お邪魔します」

カブ「ささ、座ってくれ。散らかっていてすまないけど」

ジムの裏にあるカブさんの私室、繁忙期にはここで寝泊まりするそうだ。
机に寝床、テレビ、本棚、クローゼットがあるだけの小さくて簡素な部屋だが、気取った所はなく居心地がいい。ストイックなカブさんらしい部屋だ。

カブ「よぉし、それじゃあ二人でのんびり呑むとしようか。キバナ君はジャノビール好きかい?」

キバナ「うおお…!500ml缶5ダースはあるじゃないすか」

カブ「呑むぞ呑むぞと思ってついつい買い溜めてしまうんだけどね、ままならないもんだよ」

カブ「こっちは肴のホウエン土産だ。ピリ辛でウマいぞ〜、口に合えばいいけど」

「フエンせんべい」の箱を開けつつ、オレさまとカブさんは一本目の500缶を手に取った。

カブ「それでは、キバナ君の一日も早い復帰を祈って…乾杯!」

キバナ「乾杯!」

ぷし、と小気味よい音を合図に、二人で缶に口をつけた。
しっかり冷えたジャノビールが刺激と共に喉から腹へと流れてゆく。
 ▼ 66 レッフィ@イワンコのいわ 24/07/06 16:58:04 ID:WBDMt466 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ンネ
 ▼ 67 1 24/07/06 17:34:45 ID:PiTY/wyw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
喉仏を景気よく鳴らしながら、身体中にアルコールを染み渡らせていく。
久方ぶりの感覚に身体がショックを受けないよう、慎重にではあったが。

キバナ「っ…ぷはぁ〜!やっぱ最高すね、キンキンに冷えたジャノビールをかっ喰らうのは!」

カブ「そうだろう、そうだろう。僕はエキスパートがほのおタイプだからね、戦い終わった後は身体が求めるんだよ!」

一本目にして早くも盛り上がり始めたオレさまとカブさん。
次々と缶を空にしては、次の缶を開けることを繰り返す。
合間合間にフエンせんべいを口に放り込んで、ハードな食感と辛味を楽しんだ。

取り留めのない話が驚くほどに弾んだ。
新人ジムリーダー達のこと、ポケモンの鍛え方、カブさんの地元を始めとした他地方でのリーグ…酒が入るといつもよりカブさんは饒舌になるようだ。

しかしカブさんは酒が強い!
オレさまは飲む速度を少し緩め始めているのに、カブさんにはその兆しもない。
それでいてみっともなく潰れることはなく、視線もしっかりしている。

キバナ「…あ、そういや、カブさん」

カブ「ん?」

キバナ「前にヤローに言われたんすけど…」

楽しい空気で忘れかけていた疑問を率直に質す。
ヤローはカブさんが、オレさまに鋭い視線を浴びせていたと言っていた。しかし今のカブさんはオレさまを鷹揚に迎えてくれていて、とてもそのようには思えなかった。

カブ「あぁ、そうか。はは、睨んでるように見えてしまったか。もう少し顔つきを柔らかくしないといけないね」

キバナ「じゃあ本当のところは?」

カブ「実はね、キバナ君のことが心配で、つい目で追ってしまっていたんだよ」


カブ「昔の僕と同じような状態なんじゃないかとね」
 ▼ 68 1 24/07/07 11:49:41 ID:dvzsKR5M [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キバナ「同じ………」

カブさんの答えを反芻する。
カブさんは何をもって、あの頃のオレさまと昔の自分が同じだと言ったのか。

カブさんはマクワに、オレさまと話すことを後押ししたのは間違いないだろう。
つまり、オレさまがメロンさんに抱いていた感情についても知識はあるはずだ。

ということは………

キバナ「え、まさかカブさん」


キバナ「カブさんも昔、メロンさんのこと……!?」

カブ「………」

カブさんは困ったようにはにかんで、顎のあたりを掻いている。
頬が染まっていたのは、酔っているためではない。

それはどのような言葉よりも明確な肯定だった。


キバナ「マジすか………」

カブ「いやぁ…ねぇ。言い訳をさせてもらうと、僕の同期の男どもは皆彼女に夢中だったよ。快活で、豪快で、愛情深くて、美人で、スタイルも…となれば、ね」

カブ「例外は、すでに奥さんと知り合っていたピオニーくんくらいのものさ」

カブ「それは恋慕というより、若い男が必ず罹る病のようなものだった」

カブ「ただ当時の僕は今より大分バカだったから、それを本気の物だと勘違いしていた所がある」
 ▼ 69 1 24/07/07 12:07:44 ID:dvzsKR5M [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カブ「さて、有名な話だが、僕は一時期スランプに陥って掃き溜めのような日々を送っていたことがあった。知っているね?」

キバナ「ええ、まぁ。勝つために手段を選ばなくて対戦相手から顰蹙買ってたとかなんとか」

カブ「観客からのブーイングもあったなぁ。全ては僕の愚かさが招いたことで、ポケモン達も巻き込んでしまった。過去の自分に会えたら、半殺しにしてやりたいと今でも思うよ」

カブ「そんな時期でも、彼女は僕のことを見捨てないでいてくれた。いつまで腐ってるの、あんたはここで終わっていい奴じゃない…」

カブ「しかし当時の僕はそれすらも素直に受け入れることができなくてね。むしろ、それは単なる哀れみだ、旦那や家族に向けている愛情なんかとは全然違うんだろう、と逆恨みするような気持ちさえ抱いていた」


カブ「ある日のことだ、マトモに食事も取らず無茶なトレーニングをして、バタリと道端で倒れたことがあった。アレはようやく楽になれるとすら思ったね」

カブ「彼女はそんな僕を見つけて、介抱してくれたんだ」

カブ「相も変わらず拗ねきって、マトモじゃない僕に優しく接してくれて。何か欲しいものはないか?と聞かれた」

カブ「僕は愚かにもこう口走ったんだね」


カブ「一度でいいから君をメチャクチャに抱かせろ」

カブ「口先だけの同情なんかいらない。本気で心配ならその身体を僕の好き放題にさせろ」

カブ「それが嫌ならもう僕に関わるな!と」


キバナ「………」

酒を呑む手も止め、オレさまは固唾を飲んで聞き入っていた。
 ▼ 70 イボルト@ホイップクリーム 24/07/07 12:34:45 ID:VSYw52TA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続きが気になる😳
 ▼ 71 1 24/07/07 22:15:51 ID:dvzsKR5M [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カブ「今にして思えば…僕は彼女に嫌われたかったのかもしれない」

カブ「叶うことのない想いを壊して、消えてしまえる理由を見つけたかったのか…」

キバナ「カブさん」

カブ「それから後はというと…何も変わらなかった。彼女は僕を見捨てることも、もちろん身体を投げ出すこともなく、同輩として背中を押してくれた」

カブ「僕がもがいた末に今へと繋がる道に戻ってからも、僕が口にした愚かしい言葉など無かったかのように接してくれているんだ」

キバナ「やっぱ懐が深いっすね、メロンさんは…」

カブ「うん…でもね、僕は少し違うように考えたりもする」


カブ「嫌われて当然の欲望を口にして、全ての関係をご破算にしてしまえば、全てを忘れて楽になってしまえるだろう」

カブ「要するにそれは卑怯な逃げでしかない。だから彼女は僕に、自分の身勝手な想いがもたらす痛みから逃げるな、そう言いたかったんじゃないかと」

カブ「そう想像した時、ガツンと殴られたような気がしたね」


キバナ「………」

カブ「なぁ、キバナ君」
 ▼ 72 1 24/07/07 22:24:35 ID:dvzsKR5M [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カブ「強い想いを抱くというのは、必ずしも綺麗な、理想的なものばかりではない」

カブ「彼女に対するものもそうだし、ポケモン勝負やジムリーダーを続けていく中でも、身勝手で、薄汚れていて、自分自身をも傷つけることは一度や二度じゃないだろう」

カブ「だからこそ、大事にしようじゃないか。決して人には言えないような想いを、それでも受け入れてみよう」

カブ「その痛みから逃げないことは、きっと僕たち自身を幸せにしてくれるはずだよ」


カブさんに見送られて、エンジンシティジムの裏手から外に出る。
アルコールを取り込んで火照った身体を、生温い夜風が撫でてくれる。

ねがいぼしが溢れてきそうな満天の星が、酔っていなから妙に鮮やかに見える。
カブさんと呑む前と同じ空であるはずなのに、全く違うものに見えるのが、素直に面白い。

キバナ「……おし!!」

身体と心の奥から湧き上がる何かを声に乗せる。


今ならしっかりと歩き出せる。そう感じていた。
 ▼ 73 1 24/07/07 22:32:18 ID:dvzsKR5M [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜〜〜〜

それから一ヶ月。

ジムリーダーとして、オレさまの現場復帰が決まった。
ファンの皆が署名活動を始めとした働きかけをしてくれたおかげで、ダンデや他のジムリーダー達もそれを後押ししてくれた。

そして復帰が早まったオレさまは、今年は無理だと思っていた、開会式に出ることができるようになったのである。


キバナ「よし。カッコよく撮れてるな、オレさま」

スマホロトムの画面に映る自分の写像。
開会式出席記念にアップするものだ。
我ながら晴れがましい顔をしている。復帰を願ってくれていたファンに、感謝の意を伝えられるはずだ。

これから共に戦うポケモン達も、ようやく戻ってきたいつものオレさまに沸き立ってくれている。存分に活躍させてやるのが、今から楽しみだ。


「キバナ君っ!」
 ▼ 74 ィグダ@さらさらいわ 24/07/07 22:37:18 ID:z3jIj0TA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
良い話だな
てかメロン何人誘惑してんだよ
 ▼ 75 1 24/07/07 22:39:59 ID:dvzsKR5M [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
眩しい笑顔。快活な声。
メロンさんがオレさまに声を掛けてくれた。

メロン「いよいよ復帰だね、キバナ君。腕は鈍ってない?」

キバナ「当然っすよ、メロンさん!戻ってきたキバナは前より強くなってるって所、皆に見せてあげなくちゃ」

メロン「うん、うん!大きな口を叩くのはいいことさ。こっちも倒し甲斐があるってもんだよ!」

キバナ「いや、今度こそはオレさまが一本取りますからね!」

意地を張るオレさまを見て、メロンさんが満足げに笑う。

やっぱり、この人は素敵だ。
オレさまのどうしようもないこの人への想いは、やっぱり簡単には消えそうにない。

それでいい。
汚らわしい自分の想いを、逃げずに受け止めて生きていく。
それが、好きという気持ちの本質だと思うから。


メロンさんの背を追いながら、オレさまはスポットライトの当たるスタジアムへと歩を進めていった。


キバナ「恋と呼ぶにはあまりにも汚らわしく」 〜完〜
 ▼ 76 ターミー@わんぱくミント 24/07/07 22:44:28 ID:VSYw52TA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続きが気になりまくったss久しぶりだった
 ▼ 77 ガガブリアス@きのみジュース 24/07/07 22:51:19 ID:XPDQZhQY NGネーム登録 NGID登録 報告

計測開始
 ▼ 78 ブキジカ@エスパージュエル 24/07/07 22:52:26 ID:z3jIj0TA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です
キバナが自己嫌悪に苛まれる様子がリアルで良かった
 ▼ 79 ンテイ@ノワキのみ 24/07/07 23:19:52 ID:ef1MkpI6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ドロドロしてる最中はどうなるかとヒヤヒヤした
メロンさん魔性の女すぎる
 ▼ 80 ロトーガ@ソニアのほん 24/07/07 23:56:35 ID:P5e62XKM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何だこれ?wって思って開いたら全部読んでいた
乙!
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