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SS

【SS】喪失

 ▼ 1 UVL.eKHfWI 16/09/18 21:08:07 ID:yjTBbYTA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は、普通の高校生だ

正直自分の人生に不満はない

顔も80点くらい、勉強もスポーツも他の人に比べてよくできる。友達も多いし、女子と喋れないなんてことはない

家庭の事情も同じく、父母の仲はいいし、祖父母も健康的に生きている

他の人が恋や家庭の事情、いじめなどに悩まされているのも、自分は全く共感できないほど恵まれていると言えるだろう

だが、この不自由ない生活ゆえに毎日が退屈だ

これといった趣味はなく、毎日決まったことはしていない

そんなある日、俺に彼女が出来た

顔も割といい方だと自覚しているので、不思議なことではないと思う。逆に今までできなかったことが不思議なほどだ

彼女は同じクラスだがあまり興味を持ったことが無かった。突然告白され、断る理由もないので了承した

暗そうだと思っていた彼女だが、話をしてみるとそうでもない。普通に明るい女子。平凡だが、彼女には一番の特徴があった

ポケモンが極端に好きな子だった
 ▼ 2 UVL.eKHfWI 16/09/19 14:29:48 ID:R8jxOG4s [1/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
初のデートは俺の誕生日に行われた

彼女の意向でポケモンセンターに行くこととなった。自分にあまり意思がないため断ることも無くその日を迎えた

ここで痛感した

友達として女と話すことは容易いことだ。だが、彼女だということを思い出すたびに気を遣ってしまいいつもと同じように話せない

だが彼女はほぼ話したことがない俺でも10年前からの親友のようにベラベラと話しかけてきた。ちょっと尊敬した

彼女は俺にポケモンをやってほしいと思ったのか、3DSとアルファサファイアを買ってくれた

ポケモンは小学4年以来全く触っていない。この女と別れるまでは退屈せずに済みそうだなと思いながら受け取る

流石に高価なものなので代わりと言っては何だが、2万円分くらいのぬいぐるみを買ってあげた

彼女はまるで子犬のようにはしゃいで喜んだ
 ▼ 3 UVL.eKHfWI 16/09/19 17:19:02 ID:R8jxOG4s [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
帰ってから、当然DSを起動する

DSに触ったこと自体が5年ほど前の話だ、さまざまな機能がついていて驚いた

アルファサファイアというのはサファイアのリメイク版だと聞いていたが、まさか最初にもらえるポケモンが知っているものだとは思わなかった

そのおかげでやる気が失せずに済んだ

あいにく他にやることがないし、プレイを妨げるものが存在しなかったのでどんどんとゲームに引き込まれていった

小学生の時にやったポケモンはこんなにも楽しかっただろうか

今の俺の退屈だという気持ちが楽しくさせているのかもしれないが、そんなことはどうでもよかった

彼女のためにやってあげようという気持ちが自分が楽しむためにやろうという気持ちに変わることは簡単だった
 ▼ 4 UVL.eKHfWI 16/09/19 21:43:28 ID:R8jxOG4s [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1週間ほどで殿堂入りまでたどり着いた

そこからは伝説のポケモンが多く捕まえられるらしいので捕まえに行こうと思っていた

クリアした次の日の朝、彼女からメールが届いた

「ポケモンやってみた?
 もしやってなければ教えるから、今日うち来れないかな?」

もちろん即答した

彼女の部屋は他の女子のより少し暗めだったがポケモン関連の物が多かった。あげたぬいぐるみが飾ってあって安心した

彼女に進み具合を確認された。驚かれた

普通の人はこんなに早くゲームを進められないらしい。俺ってすごい?

表面的には冷静にしようと思っているのだが、心の奥底はやはり隠せないようだ

彼女はうかれている俺を見てこう言った

「バトルでもしてみる?」

俺はすこし我を失っていた。浅はかという表現が似合うだろう

「受けて立つよ。負けないぞ」
 ▼ 5 マカジ@ふるびたかいず 16/09/19 21:47:39 ID:m.w52rDQ NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 6 UVL.eKHfWI 16/09/20 17:59:05 ID:V.8aF3VY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 彼女
ガルーラ
ガブリアス
ゲンガー
バシャーモ
ウォッシュロトム
ナットレイ

 俺
ジュカイン
オオスバメ
カイオーガ
レックウザ
ラティアス
マッスグマ

伝説を使っていいと言われたから存分に入れたが、彼女は使わないようだ

俺のパーティを見た瞬間、彼女がごめんと何かに気づいたように謝ってきたがなんでだろうか

とりあえず相棒のジュカイン、とにかく強いカイオーガレックウザを入れておけば大丈夫だろう

ジュカインを最初に出してバシャーモが出て来たらカイオーガに交代しよう。ナットレイにはレックウザが火炎放射を持っていたはずだ。完璧だと思っていた

処刑が始まった
 ▼ 7 ーランス@せんせいのツメ 16/09/20 18:00:19 ID:C72qBR9k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しぇん
 ▼ 8 UVL.eKHfWI 16/09/20 20:53:32 ID:V.8aF3VY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 かのじょはガルーラをくりだした

 ゆけっ、ジュカイン!

ガルーラ?もう少しかっこよかったり可愛かったりするポケモンは使わないのか

あまり素早いポケモンじゃないからリーフブレード2回で倒せそうだ

当たり前だがメガシンカされた。こっちはレックウザをメガシンカさせたいのでメガストーンは持っていない

 ガルーラのグロウパンチ!2かいあたった

なぜ俺のジュカインよりガルーラが先に動くのか

 ジュカインのリーフブレード!

全然削れなかったが、回復できるギガドレインを選択した

 ガルーラのふいうち!ジュカインはたおれた

この辺で異変に気付き始めた。今までストーリーではやられなかったジュカインが2ターンで葬られてしまったのだ

しかし、伝説のポケモンが控えている。まだ焦ることはないと自分に言い聞かせた

 ゆけっ、レックウザ!
 ▼ 9 UVL.eKHfWI 16/09/21 22:08:05 ID:QTZ6RlQc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガルーラはリーフブレードで削られているからガリョウテンセイで倒せるだろう。メガシンカし、ここから巻き返す

 ガルーラのおんがえし!2回あたった。レックウザはたおれた

俺も馬鹿じゃない。流石に察しがついて降参を宣言した

ここで諦める初心者は珍しいのか、彼女は苦笑いしながらなんで降参するのかと聞いてきた

少し惨めな気持ちになったが、冷静でいるつもりだった。でも感情は抑えきれないようで、顔がムスッとしていると彼女に指摘された

彼女は優しく教えてくれた。3値などの隠しステータスのこと、様々なポケモンの対戦のことを教えてくれた

さっきまで浅はかや処刑など少し強い言葉を使ったが、これは単に自分の中の解釈であり、あまりに衝撃が大きかったからだ
 ▼ 10 UVL.eKHfWI 16/09/23 18:25:21 ID:XyKg2LeY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この日から俺は彼女を少し尊敬するようになった

世界を全て知った気になって退屈だと言っていた

しかしこの世界にはさまざまなジャンルのものがあり、それ一つ一つに広い世界がある

こんな身近なところにも世界が広がっている。灯台下暗しだ

彼女はそのことを気付かせてくれた。俺にポケモンという世界を教えて

このことに気付いたとき今までの自分が恥ずかしくなった

高校生の恋愛という短い期間で大事なことを知らされるとは思っていなかった。これも、世界を知った気になっていたからなのかもしれない

さっき言ったことのように、高校生という恋愛はすぐに終わりを迎える

しかし俺は直感で彼女はその期間内にたくさんのことを伝えてくれると思った

俺は、その期間内に彼女にどれだけのことを伝えられるだろうか
 ▼ 11 UVL.eKHfWI 16/09/25 20:07:58 ID:kj.ahHo2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この日は俺にとって相当大きいものとなった

俺は彼女に少しでも何かを伝えようと必死に過ごした

とりあえず命は大切にしろと言っておいたが、悩みがあるのか心配された。理由は明白だ

他に、この日は俺がポケモンに没頭するようになる節目の日でもあった

この日からバトルに勝つため、彼女と同じ舞台に立つためにネットで情報をあさった。数日前の俺とは同じ人間とは思えないほど日常は豹変した

ポケモンに関連することは何でもやってみた

ポケモンカード、アーケードゲーム、スマホゲーム、3DSのダウンロードソフトなどはいろんなものを試した。一番好きになったのはポケモンカードだった

アニメや映画も片っ端から見た。アニメはネットで、映画は彼女のDVDを一緒に観た。

彼女は俺のハマりっぷりに少し驚いていたが、俺のためにいろんなことをしてくれた。映画を観てくれたのが良い例だ

俺はシェイミの映画を気に入り、シェイミは俺の好きなポケモンになった
 ▼ 12 テボース@ボロのつりざお 16/09/26 08:26:46 ID:VrS04T9o NGネーム登録 NGID登録 報告
いいよ支援よ
 ▼ 13 UVL.eKHfWI 16/09/26 21:00:14 ID:1qmO8txw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それからというもの、俺は彼女と過ごすことは格段に増えた。ポケモン関連ばかりではあるが

俺は彼女と同じくらいゲームをやりこみ彼女にバトルで勝つこともできた

シェイミが使えてさらに強力であるカードには二人でハマった。近所のカードショップで優勝できたときは二人で喜んだ

自分の家に招いたり、彼女の家にお邪魔することも増えた。二人でゲームやカードで白熱した

二人でポケモンセンターに行くことも多かった。ポケモンだらけの空間はまるで天国にいるようで、二人でニコニコした

二人で映画も見に行った。二人で感動した

ポケモンに関連しないこともして、遊園地に出かけることがあった。二人ではしゃぎ、笑った

二人で夜を過ごしたこともあった。二人で、抱き合った

二人でいる時間はあっという間に過ぎ去っていき、家で一人でいると寂しくなることだってあった
 ▼ 14 UVL.eKHfWI 16/09/28 22:22:47 ID:vOiz0.Y2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが、そんな幸せな毎日はそう長くは続かなかった

彼女は、1か月間旅行だか留学だかでアメリカに行くこととなった。1か月程度なら余裕だと思っていた

無理だった。彼女を失った俺は抜け殻同然だったのかもしれない

想像を絶するほど自分の時間を過ごすことが出来ず、他の人がいることの嬉しさを改めて実感した

でも、彼女を一定期間失って得たものも少なからずあった。今まで一つのことに没頭しすぎた俺に他の人へ視線を変えることをさせた

誰かと話していないと寂しくて潰れそうだったため、誰かに話しかけてほしくてうずうずしていたらしい。ある友達が話しかけてくれた

彼は学校によくいるかっこつけたがる男子だ。流行っていることに微妙にのってくるけど、どれも本当に好きでやっているわけではないと見え見えなのだ

彼はポケモンをやっていることを聞きつけたらしく、俺にパーティのアドバイスを要求した。きっとポケモンもそんなに感情を入れてやっているわけではないだろう

とりあえず今までの経験と感覚でボルトロスを育成したらどうかと言ったら、その意見を鵜呑みにして入れると決めた。割と良い奴かもしれない
 ▼ 15 ロトーガ@マスターボール 16/09/28 22:25:51 ID:bJl0R95E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 16 イナン@ラムのみ 16/09/28 22:56:41 ID:.DzQlRZg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 17 ークライ@かいふくのくすり 16/09/28 23:08:21 ID:iVH3xSQ2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 18 UVL.eKHfWI 16/09/29 22:03:32 ID:akH0wHM. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
家に帰り、だらだらとポケモンをする。本来なら彼女と一緒にいるか彼女と通話しながら楽しくゲームをしているはずだ

こんなにも何かに依存しているとは思っていなかった。大事なものは失ってから気づく

このことも彼女に教えてあげようか。思考が全て彼女に向けたものになっているのに気づくのは難しくはなかった

そのとき急にメールが鳴った。

普段彼女からしかメールが来ないのでこの日来るとは思っていなくて変な声が出てしまった。恥ずかしい

それはかっこつけたがる彼からのものだった。何事かと思いすぐにメールを開く

それには写真も添付してあり、ボルトロスを作ってみたという旨だった。厳選相当早く終わったのかなと画像を見てみる

その瞬間俺の脳が驚きの反応を見せ、くるくると思考が回転していく。これは、めざ氷込みの理想個体だ

しかもAが0なのにも気づいてしまった。瞬時に彼に対して憐みの思いが生まれた

誰かと友達になるためには彼のような人は手段を選ばないことを思い出した。大した感情も無く流行りに乗っかっているだけだろう

一応友達としてのメールは送り返したが俺の中では彼=改造厨。できる限り関わらないようにしよう
 ▼ 19 ケニン@ドリのみ 16/09/29 22:07:02 ID:u5F.LBTs NGネーム登録 NGID登録 報告
彼改造かよ
 ▼ 20 UVL.eKHfWI 16/09/30 21:28:07 ID:S/h/.KX. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次の日、いつもと同じような一日が過ぎ去ろうとしていた

放課後は帰ってから用もないので改造厨とだべっていた。彼は俺からの目線が変わっていることに気づいていないだろう

その時整頓係が話しかけてきた。後ろからだったので俺はびっくりしたが、改造厨は女子の扱いに慣れているのか軽やかに対応した

整頓係とは、クラスの整頓係のおしとやかな女子だ。放課後はみんなが帰った後に整頓をするといういたって普通の仕事をこないしている

何の話をしているか聞かれたので改造厨がポケモンの話だと話した。高校生にもなってドヤ顔で言うようなことではないが

それには予想外の反応が返ってきた。整頓係はポケモンが好きだというのだ

どれだけ流行っているのだ。改造厨のやっていることをしておけば流行には乗れそうだと思ったが、彼のような人間になる予定はない

でもポケモンの話はやはり楽しく、3人で時を忘れて話しつくしてしまった

ぶっちゃけ改造厨は苦手だったのだが、これから改造をやめてもらってきちんとした友達として過ごしたいなと思った

彼がいなければ整頓係とも仲良くなれなかっただろうし、割といい友達になれそうだ

優しすぎるのかもしれないけど、悪いことではないから俺なりにやろうと思った
 ▼ 21 ッタ@タポルのみ 16/09/30 21:34:05 ID:ld44VoRU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 23 UVL.eKHfWI 16/10/02 20:47:31 ID:kSDLq9s6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして改造厨がポケモンに本格的にはまってきたくらいに、彼女が帰国した

彼女はなんだか綺麗になっているようだった。アメリカに行っている間に何かあったのかもしれないし、普通に久しぶりに会って彼女の顔が恋しかったのかもしれない

そして俺は彼女に2人を紹介しようとした。1人が女子だと言ったらふてくされていた

でもポケモン好きだと紹介したらすぐに仲良くなった。ポケモンが好きなのは何も変わっていなかった

彼女からお土産をもらった。勿論外国のポケモングッズだった

それはペアのセットになっていて、赤と青に別れていた

赤い方を俺が、青い方を彼女が持っていた。普通は逆なのではないかと思ったがそれの濃い青より明るい青の方が好きなので入れかえようとはしなかった

それから4人は放課後や休日によく遊ぶようになった

男女2人づつの4人というのはやはり汎用性が高く、いろんなものを体験できた

ポケモンカードの大会に行った帰り、4人で並んで帰っていた

そのとき、唐突に降り出した雪が俺たちに季節を告げる
 ▼ 24 ンガー@イアのみ 16/10/02 22:42:55 ID:NVuRjx8. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエン
 ▼ 25 UVL.eKHfWI 16/10/03 21:24:59 ID:GSeh6E32 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雪だ雪だユキカブリだとはしゃいでいたのですっかり夜も更けてしまった

帰ってから、あまりの寒さにストーブのスイッチをおよそ1年ぶりに付けた。なぜか俺の部屋に置かれていたこいつに初めて感謝した

正直冬はあまり好きではない。夏の方が青空の日が多いので良いと思う

でも冬の星空はとてもきれいだし、夏は暑いから少し嫌だ

そんなことを言ったら夏のプールではしゃぐ女子も好きだし、冬のコートを着た女子や白い息も好きだ

彼女がコートを着て白い息を手に当てながら俺を待っていてくれたらどんなに幸せだろうか

結局どの季節も長所と短所が合って比べられないななんてことを考えながらストーブの前でうとうとしていた

そんなとき彼女から一件のメールが届いた

寝落ちしそうな俺の明日に天使が予定を作った。それは明日彼女の家にみんなで来ないかというものだった

内容を把握して返信もできないまま寝てしまった。その日は良い夢を見た気がする
 ▼ 26 UVL.eKHfWI 16/10/04 22:24:12 ID:DKihA5sw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ストーブの前で起床し、なんだかメールが来ていたなと思いだし受信ボックスを確認する

彼女から今日家でのお泊りのお誘いだった。4人で集まるらしい

午前中はテンションが上がりっぱなしだったが、昨日も確認したとふと思い出してから少し恥ずかしくなった

午後からは彼女の家に出向いた。いつもよりは暖かい日で、日が照っていた

溶け残った雪が道路のわきに積もっている

青天の下の溶けかけた黒ずんだ雪はあまり嫌いではない。雪の日にはしゃいで雪を踏んでいた子供たちが目に浮かぶ

昨日俺たちはその子供たちのようにはしゃいでいたわけだが

そんなことを考えているうちに彼女の家に着いていた

何故なのかはわからないが、最近自分の視野が広がっているような気がする。これも彼女の影響なのだろうか

その広がった視野で得たものを今日彼女に伝えよう。そう決めてピンポンを押した
 ▼ 27 UVL.eKHfWI 16/10/06 21:05:35 ID:oEkdQ.aE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
家に上がらせてもらうと、彼女の母が出迎えてくれた。そういえば彼女の親を見るのは初めてだ

今日は休みの日だが父は仕事なのだろうか。あまり深入りすることでもないだろう

彼女の家の近くに住んでいる親友と整頓係はもう来ていた。俺は家が遠いので羨ましい

彼女らはポケモンバトルやポケモンカードで遊んでいたが少し飽きかけている様子だった。予想はついていたが

俺が参加して4人になったのでマルチバトルやトーナメントなどできる幅が広がったようで、他の人もやる気が出てきたみたいだった

しかし昼からゲームばかりやっていたら夕方くらいに飽きるのは目に見えていた

なので全員がさらに他の人をよく知るために自分のことについて話そうという結論に至った。俺が提案したわけではないのだが

なぜか俺から喋ることになってしまったが、別に順番など関係ないだろう
 ▼ 28 UVL.eKHfWI 16/10/07 21:19:35 ID:VDprB8jw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は自分について片っ端から説明した。父母は健康で兄弟はいなくそのせいで前は退屈していたということも

今は彼女の存在によって退屈なんてしていないが、そんなことは口にできない。

「前は」と言ったときに親友が横でニヤニヤしたので他の2人が気付かないのを願うばかりだ

趣味を聞かれたが、特にないと返しておいた。あるにはあるがわざわざ言いはしなかった

この後他の人の話が始まる。しかし申し訳ないのだがほとんど聞いていなかった

理由は空だ。夕陽がとても綺麗だった

言い訳にならないと自覚しているが、この日は一日中空が晴れ渡っていた

なので今夜彼女と空を見に行こうかなと考えていた。そうしていたらいつの間にか他の人の話が終わっていた

なんか一瞬彼女が話をしている時にみんなが驚いていたが、それが何か聞けないような雰囲気だった
 ▼ 29 UVL.eKHfWI 16/10/08 21:38:30 ID:20K/ze56 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夜になり、みんなが高ぶってきたころに彼女の母が出かけていった。気を遣ってくれたようで、今日の夜は4人で過ごせるらしい

と言ったものの俺は彼女と2人が良いし、親友も整頓係といたい意志があるので彼女と一緒に外に出た

夜で想像より寒かったので彼女にコートを貸してもらった。それは女物で少し小柄な俺でもきつく感じたが、そのくらいが丁度良い

彼女はどこに行くのか聞いてきたが秘密にしておいた。とりあえず彼女の自転車の後ろに彼女を乗せ、ペダルを漕いだ

目的地は山の方にある。俺たちの家の近くには割と大きめの山があるのだが、俺はそこに向かっている

住宅街を抜け、学校を抜け、森を抜け、漆黒を駆け抜けた。言ってるこっちが恥ずかしいわ

でも後ろから彼女にしがみつかれて夜の街を走るのは悪いものではなかった

山の入り口には坂があり、それを抜けると橋がある。その橋の奥は墓地になっていて夜だと割とホラーだ

その橋はとても高いところにある大きな橋で、二つのことで有名だ
 ▼ 30 UVL.eKHfWI 16/10/09 21:09:46 ID:G14kW9dI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一つ目は自殺の名所ということ。橋の下には川があるのだがそこに飛び降りる人が多い

ここで跳び降りた人の中で生きている人はいないらしい

二つ目はものすごく絶景がみえるということだ。周りが木々で囲まれているにも関わらず空がとても広く近く見えるのだ

これを目当てに俺はここにやってきた

橋にあるベンチに二人で座る。見上げれば満天の星空だ

俺は空も見に来たかったが喜ぶ彼女を見に来たようなものでもあるので満足だ

俺は空を見るのが好きなのだが、彼女も空が好きだと言い出した。それがもし本当じゃなくてもつい言ってしまうくらい綺麗なのは確かだ

しかし彼女はこんなことを言った

「私は死んだら星になりたい。誰からも見える、一等星に」

なんだか意味深なことを言われてちょっと心配になったが、空が好きというより星が好きなんじゃないかそれは

理由を聞いてみたら案外真面目な答えが返ってきた
 ▼ 31 ゲキ@くろいてっきゅう 16/10/09 22:35:10 ID:Iz7MzXd6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 32 UVL.eKHfWI 16/10/10 21:07:10 ID:Ui9n6QiE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼女はこの世界が好きらしい。だから死んだあとでもこの世界で他の人に覚えていてもらいたいという

特に俺にと言われて少し恥ずかしかったが、俺は君を俺より早く死なせるつもりはない

こう言われてから言うのもなんだが、俺は正直この世界は好きじゃない

今は彼女がいるから楽しいものの、いなければ楽しみがポケモンくらいしかないというのが現状だ

それにしても星が綺麗だ。いつまでもみていたいがそういうわけにもいかないし朝になったらみえなくなってしまう

そう思うとはかなく感じるが、逆に今しか見られないと思うとロマンチックだ

そんなことを考えていたら横から彼女が話しかけてきた。クリスマスのデートのお誘いだ

そういえばもう12月だからそんな季節か。もう少し詳しく言うと、某D社のネズミ―ランドに行きたいらしい

そんなところへは小学校だか中学校だかの卒業の時以来行っていない。別にD社のキャラは好きではない

というより彼女がそれを好きなことに驚いた。多趣味でらっしゃる

この約束をした後、俺たちは家に帰りそのままお泊まり会は過ぎ去っていった
 ▼ 33 ジーロン@こだいのツボ 16/10/10 21:26:14 ID:NFB077wQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ぽかんむになりそう
 ▼ 34 ンリュウ@ズアのみ 16/10/10 21:43:11 ID:SONQhzz2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
デジモンパロかよと思った
 ▼ 35 UVL.eKHfWI 16/10/10 22:03:01 ID:Ui9n6QiE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>33
ずばりこれになってしまうと思うので普通の物語の要領で読んでいただけると幸いです
完全にぽかんむではないですがぽかんむが嫌いな方はおすすめしません
 ▼ 36 ワーク@マゴのみ 16/10/10 22:09:20 ID:/5uZ4jdY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 37 ガジュペッタ@ミミロップナイト 16/10/10 22:14:40 ID:pJS5Dsjs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 38 UVL.eKHfWI 16/10/11 21:30:27 ID:mAFgQUaE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてクリスマスイヴがやってきた。約束したばっかじゃんとか思うかもしれないが、12月初旬からクリスマスはすぐにきてしまう

なぜか現地集合かつ始発で行かないと間に合わない時間に招集された。こんなにも早く起きたのは久しぶりだ

それにも関わらず周りにはいちゃいちゃ軍団が大勢いた。俺はそれらを見るとニヤニヤしてしまう

今日はどんな話をしようか。レートが上がったことか、シェイミEXのSRが出たことか、こんなことを考えながら待っていた

しかしその期待は一件のメールによって潰えた。家庭の事情で来られないのだそうだ

聖夜にこんなことがあっていいのか。正確にはまだ夜ではないが

まあ考えていても仕方がないので帰ることにした。人ひとりいない電車に乗りこんだら、急に雪が降ってきた。

これはどんなことを表しているのか。天候に理由があるはずがないが、何か理由があるように思えた

今俺は相当ショックを受けている。天国から地獄に突き落とされた気分だ

人はこういう状況になると冴えるのかもしれない。謎の使命感に襲われて目的地でもないのに都会の駅で下車した
 ▼ 39 UVL.eKHfWI 16/10/12 22:08:15 ID:j7vjcIlg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
下りたはいいものの何をしようか。そんなことを考える暇もなく人ごみへ誘われていく

街は人と光と雪で埋め尽くされている。どこからか幸せそうな曲が聞こえてきたりもする

しかし俺は何かに取り憑かれたように自分の世界を歩み続ける。孤独で暗いはかない世界だが雪が降っているのは変わらない

そこから俺を現実へ連れ戻したのはポケモン関連でもなく親友でも整頓係でもない

彼女だった。俺が下りた街には彼女の後ろ姿があったのだ

俺は何が起きているのか分からず頬をつねってみたが痛かった。

しかし分かったことは少なからずある。

彼女は現実に連れ戻してくれたわけではなかった。引きずり込んだと言えるだろう

彼女は、男を連れていた
 ▼ 40 ーディン@ふしぎなアメ 16/10/13 14:19:12 ID:8D/aNYxQ NGネーム登録 NGID登録 報告
あっ...
 ▼ 41 UVL.eKHfWI 16/10/13 21:56:58 ID:ZoBYVnEc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一瞬男が振り向いた。驚いて目をそむけられなかったが、気付かれなかったようなので安心した

一瞬だったので確証は持てないが、あまり同年代のような感じはしなかった。年齢が分かりづらい顔だったので何とも言えないが

様々な可能性を考えた。父、いとこ、兄、しかし血縁関係があるというほど顔は似てなかったように思える

他にも選択肢はあるが彼女に限ってそんなことがあるはずない。ただ、確証が持てることは一つ存在する

彼女が嘘をついていることだ

もしあまり似ていない家族だったとしたら、嘘をつく必要はないはずだ。そうなると俺に悪い方向にしか考えられない

きちんと別れようと言われるのは構わないが、それもなしに裏切られるのが一番腹立たしい

こんなに冷静で悠長なことは考えられないほどに精神状態は壊滅していた

とりあえず彼女に遭遇したら大変なことになりかねないのでこの場を離れることにした
 ▼ 42 ギアナ@ほのおのいし 16/10/13 22:02:40 ID:nVhVZ8yc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 43 UVL.eKHfWI 16/10/14 22:01:46 ID:Sze5oXW. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
駅の近くでは人が賑わっていた。ここまでくれば人は来ないはずだ

しかしティッシュ配りのサンタに声をかけられて声を出して驚いてしまった。相手に申し訳なかったし、それほどに動揺していたということだ

無意識に帰るための電車に乗っていた。放心状態で一駅乗り過ごしてしまったりもした

最寄り駅に到着するととても落ち着いた。帰り途中にはこれからどうするか考えられるほどにまで回復していた

それもこの町が静かだったからだろう。賑やかな街と同じ日とは思えないほどこの町は静かだった

その間で彼女から説明されるまでは自分からは問い詰めないようにすると決めた

無理に問い詰めてもかわいそうだ

親友に相談したかったのだが、彼は整頓係と出かけている。整頓係は好きな人がいるらしいが、それが親友なのかは確かではない

遊ぶ人もいないし、家に帰った。親に不審がられたが見事にかわしておいた
 ▼ 44 チリス@きいろいバンダナ 16/10/14 22:13:37 ID:6GlRXwSY NGネーム登録 NGID登録 報告
これリアルなら悲しすぎるなあ……

支援だぜ
 ▼ 45 ザリガー@アンノーンノート 16/10/14 22:34:41 ID:pP86s6Lk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
おもしろいから続けて欲しいな
 ▼ 46 UVL.eKHfWI 16/10/15 22:05:21 ID:u0zFBky2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結局クリスマスイヴは家族と過ごした。俺が参加するはずのなかったパーティーに参加した

その時の俺は今までで最低のクリスマスだった

昨日までは最高のクリスマスになる予定だったのだが、運命は残酷だ

食後、俺はポケモンをやっていた。とても調子が良く、レートはぐんぐん伸びていった

しかし楽しめなかった。こんなにこのゲームがつまらないと感じたのは初めてかもしれない

気付いたらクリスマス当日になっていたが、熱中していたというよりとりあえずやっていたという感じで時は過ぎていったようだ

ベッドに潜り、明日からのことを考える。ポケモンを楽しめない俺は何をしていればいいのか

一刻も早く彼女を連れ戻すか、新しい趣味を見つけなければならない
 ▼ 47 UVL.eKHfWI 16/10/16 22:07:17 ID:q/xCZzg2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クリスマスから年越しまでは想像よりも早く来る。ほぼ毎日冬休みを無駄にしながら過ごしていてもすぐに来る

久しぶりに親友と会い、初詣に出かけた。会うときに新年恒例のあいさつをしてから行くか、となってから俺たちは無言だった

少し離れた神社に着いてからもそうだった。コートを着ていても寒かったのもその要因かもしれない

無言で金を放り、手を叩いた。願い事をすることさえも忘れていて、彼もそんな様子だった

俺がもう用もないし帰るかと思った時だった。彼が何かあったのかと聞いてきた

こっちの台詞だと言ってやりたかったが、こっちに何かあったことは間違いではない

俺が何も言えずにいると、彼がお互い何かあったみたいだなと言ってきた。やはりお前も何かあったのか

俺が頷いたので、親友は語り始めた
 ▼ 48 ドシシ@モモンのみ 16/10/16 22:10:55 ID:wPZsjI7o NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 49 ガバシャーモ@ミアレガレット 16/10/16 23:35:39 ID:wWdfvIww NGネーム登録 NGID登録 報告
これほぼぽかんむだけどアリなん?
 ▼ 50 UVL.eKHfWI 16/10/17 20:28:10 ID:XCx0y3Rg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>49
ぽかんむすぎて駄目だという声が少ないので続けさせてもらっていますが
もしそのような意見が多くて続けられないような状況になったら更新を中止する予定です
出来るだけ続けていきたいと思っているので>>35のような対応を取っていただけるとこちらとしても皆様としても良いと思います
続けてほしい続けてほしくないなどの意見はどんどん言ってもらって構いません
 ▼ 51 UVL.eKHfWI 16/10/17 21:16:09 ID:XCx0y3Rg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クリスマスにデートに誘ったはいいものの、告白をしてフラれたらしい

しかもそのフラれ方が酷いもので、ポケモンバトルで勝てたら付き合ってあげると言われ見事惨敗したというのだ

確かに彼は俺と会うまで改造に頼っていたこともあり、バトルスキルは高くない

俺はそれを聞いて吹き出しそうになったので必死にこらえた。こらえきれなかったら右頬が腫れあがったことだろう

しかも好きな人がいるというのだ。リスクがあることをするなんてそれほどバトルに自信があったのか

その話を聞いた後に俺も彼女が男を連れていた話をした。お互い大変だな、みたいな微妙な感じになってしまった

ぶっちゃけ俺の方がかわいそうだと思うのは俺目線だからだろうか

そうしたら俺の後ろの方を見て彼が急に用を思い出して帰ると言い出した。ご飯も食べる予定ではなかったか

彼を見送ってから後ろを見てみると見慣れた女が立っていた

整頓係だ
 ▼ 52 ニャット@ズアのみ 16/10/18 21:06:16 ID:AU1KGuP2 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>50
>>49だけど了解です
いや、話自体はすごく好きだから途中でロックされたらやだなーって思っただけなので
支援してます
 ▼ 53 UVL.eKHfWI 16/10/19 22:03:09 ID:4y1Jqnkc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
道理で彼が慌てて逃げ出したわけだ。俺は全く気付いていなかった

なぜこんな場所にいるんだ?と思ったが、ここは神社だったか。そういえば彼女は比較的ここの近くに住んでいる

彼女は少し嬉しそうな眼をしていた。俺はさっきの話で新年早々気分が落ちているというのに呑気な奴だ

しかも親友の話の元凶は整頓係じゃないか。俺の元凶は彼女だから、仲の良かった4人の中の男子が女子に苦しめられているわけか

悲しい話だ。このことを目の前の女に伝えてはならない

ここで俺は違和感を覚えた。彼女は俺の顔を見て頷いた。

俺の顔がまさか聞いてた?と尋ねているようだったと言う。この顔にでやすい癖は直さないといけない

しかしまだ疑問は残っている。さっきの話を聞いていたのならその顔は何だ

まるで人の不幸をあざ笑うかのような笑顔をしている。そうしたら彼女はこんなことを言い出した

俺が好きだ、と

衝撃が走った
 ▼ 54 UVL.eKHfWI 16/10/20 22:11:10 ID:4YJZRXmE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんなことを言われるとは全く想定していなかった

だが不思議なことに今までは恋愛対象に入れたことが無かったのに、見れば見るほど整頓係が可愛く見えてしまう

この後どうすればいいのかと考えていたら、彼女が付き合わないかと続けた

これで返答を迫られたわけだ。彼女にフラれかけている俺にとっては天使の囁きでもあるが、悪魔の囁きとも取れてしまう

しかしここで即ОKをすると親友に対しても彼女に対しても最低な奴に成り下がってしまう

ポケモンバトルで勝てればOKという粋な返答はできなかった

バトルは俺の方が強いからそれでよかったと思うのだが、そんなに冷静にはいられない

彼女は非常に話を自分の方に持って行くのがうまい。いつまで?と少し怒ったふうに問いかけてきた

俺は、バレンタインまでに結論を出すと言った。やらかした
 ▼ 55 UVL.eKHfWI 16/10/21 21:56:05 ID:TSotBeZQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう言ってその場を離れた。家で温まりながら考えることにした

とりあえず親友に話をしないということはすぐに決まった。彼に相談したら友達が一人以上いなくなる自信がある

彼女には相談しないといけないが、期限をバレンタインに設定したのは失敗だった

俺の誕生日はホワイトデーなので、その日に彼女からなにも無いはずがない

しかもフラれるとしてもその日に合わせてくるだろう。

彼女はキリの良い数字や期間が好きなのでぴったり1年のところに合わせてくると考えた

昼飯を食べることすらも忘れて考えていたので、これらのことに気づくまでに時間はあまり要さなかった

俺はとりあえず彼女にバレンタインまでに会えないかとメールをすることにした

その返信に応じてこれからどうするか決めようと思うので、とりあえず寝た。親に元旦から寝てる奴は初めて見たと驚かれた
 ▼ 56 UVL.eKHfWI 16/10/23 22:06:47 ID:Ub9Af6eU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺を起こしたのは親ではなくバイブ音だった

彼女は俺の癖まで作ってしまうから恐ろしい。すぐに内容を確認しようとする

この時ふと思ったのだが、俺のこの癖のせいでずっとメールを見張ってるみたいに思われているのではないか

これが原因で嫌われたのかもしれないと思い確認を後回しにした。すぐ寝た

その後に俺は謎の二回目のメールで起こされた

一度に二回もメールをされることは珍しいのですぐに見てしまった。寝たら全部忘れるタイプの人間だ

一件目は普通の返答。内容は普通ではなく、バイトで会える時間を取れないという

少し不思議に思ったのは二つ。

彼女は今までバイトをしていなかったのにバイトを急に始めていること。そして普通に返信してくることだ
 ▼ 57 ロンダ@ノメルのみ 16/10/24 07:32:58 ID:EjckYvZU NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 58 UVL.eKHfWI 16/10/24 21:43:32 ID:dZuY/chk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんなことを気にしていても仕方ないので二件目を見ることにした

もしかしたらバレンタインの日は会えるかもということだ

そういうことは他に日には絶対に会えないということなのか。なぜこんなに忙しいのだ

しかしもし会えなければ話をすることすらできない

色々と試行錯誤しているものの、良い案は出ないまま日々が過ぎていった。いつもより空が曇って見えた

冬休みが終わり、学校に行かないといけなくなる。彼女もいつも通り学校に来ていた

しかしいつもと違うのは俺の周りに人が一人しか集まらないことだ。親友だけだ

彼は事情を知っているし、俺は自ら話しかけようとはしないので彼女と整頓係は近くに来ない

俺が課題をサボって放課後残されていたら、後ろから整頓係が話しかけてきた
 ▼ 59 UVL.eKHfWI 16/10/25 21:50:22 ID:/sjUwgaQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼女と話す時間を作れた?と聞かれたので事情を話した。

そうしたら俺は怖い取引を持ちかけられた

もし彼女がバレンタインの日に会ってくれたら整頓係は俺を諦めるが、もし会ってくれないなら付き合ってくれということだった

もし彼女に会えなかったら、そんなことは考えたくもない

しかしこの条件をのんでこちらに不利益は少ない。というわけでそれに応じた

ちなみにその後にバレンタインは二人で彼女を待つという頭おかしい約束をしてしまった

整頓係がその場で俺が好きだと彼女に言うのだろうか。そして彼女は俺はもう好きじゃないというのだろうか

それとも彼女は来ないのだろうか

そんなことを考えながらボーっとしていたら通りすがった先生に叱られた

整頓係にあとで謝られた。ボーっとしていたのは俺のほうなのに、謙虚だ
 ▼ 60 UVL.eKHfWI 16/10/26 22:14:03 ID:u0yR1.wY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バレンタインの日に整頓係、そして彼女と会う場所は三人の家から割と近い公園に決まった

それを彼女に連絡したが、夜に行けたら行くと曖昧な表現で返された

もう少し来てほしいという思いを伝えようかと思ったがそんなことをしてもしつこいだけだろうと思いやめた

その後は彼女もいないし淡々と日々は過ぎていた。

彼女がいてもいなくてもすぐに時間は過ぎていくのだから関係ないのかもしれない

しかしその過ぎる楽しさが段違いだ。もし彼女と前のような関係に戻れたらいいのだが、それは確証を持てない

しかし整頓係は彼女の代わりになってくれるのだろうか

そうなってもらわないと困るのだが、それもまた確証が持てない

そんなこんなでバレンタインが来てしまった
 ▼ 61 UVL.eKHfWI 16/10/27 21:47:28 ID:RLZPxWbY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
昼過ぎから整頓係と一緒にいた

彼女が来るとすれば夜なので俺たちは公園を離れ街に出た

俺は整頓係の買い物に付き合っている間、不安に気持ちでいっぱいだった

彼女が来ないかもと弱気になったり、絶対来ると強気になったり色々な考えが頭を巡った

ぶっちゃけ俺は整頓係より彼女の方が好きなのだ

初めて付き合ったという思い出補正も少なからずあるが、それを除いたとしても彼女の方が過ごしていて得るものが多い気がする

しかしそれも俺の偏見にすぎない

整頓係は自分の買い物をしている時も俺に退屈していないか気を遣ってくれる。彼女じゃそうはいかない

彼女は自分の世界に入ったら抜け出せなくなるのでこちらから彼女を引っぱり出してあげないといけないのだ

そういう意味でいうと整頓係は気がきく人だと言える

こんなことを考えている時もどうしたの?と心配してくれた。大丈夫と答えたが、どう考えても大丈夫ではない

いつの間にか夕方になっていて俺たちは公園に戻った
 ▼ 62 UVL.eKHfWI 16/10/28 22:02:15 ID:fanpMxJQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺たちはバトルなんかをして時間を潰していた

普段は俺の方が強いのだが、俺がバトルにきちんと頭が回らず全然勝てなかった

ゲームは負けていても楽しくない。それが顔に出てしまい整頓係は少し申し訳なさそうにしていた

結構夜も更けてきて、寒くなってきた。隣で白い息を吐く整頓係は結構良かった

空は少し曇っていて、雨が降ってきそうな感じだった。

こういう時はもっと時間が遅く過ぎてもいいと思う

それまでに彼女から連絡は全く来ていない。もうほとんど諦めていた

俺は整頓係と一緒に過ごしていく。そう思わせたのの一つに整頓係からのプレゼントもあった

それはもちろんチョコが入っていて、俺の好きなビターなチョコが入っていた。俺をよく観察しているのだろう

もう一つは、時間。左腕を見るともうリミットは30分も無かった
 ▼ 63 ルー@こだいのうでわ 16/10/28 22:28:09 ID:cruMwyW6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 64 UVL.eKHfWI 16/10/29 22:01:20 ID:j/ji1/KM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
心臓がバクバクしてきた。しかし目の前の彼女は緊張が感じられなかった

もう勝利を確信したと言わんばかりにポケモンの交換を提案してきた

大切なポケモンを渡し合ってずっと一緒にいようというのだ。

それに快く承諾し、シェイミを渡した。彼女からは好きだというラブカスをもらった

もう時間はない。二人で針が回るのを見ていた。深夜なこともあり、その世界に音は針の音しか存在していなかった

残り10分、5分、1分。そして―――――――――――――

長針と短針が重なり、それは12に先を向けている

整頓係がそれを待ちわびたかのように抱きついてきて、唇を重ねてきた

それと同時に雪が降り出した。俺たちの始まりを祝福しているのか
 ▼ 65 UVL.eKHfWI 16/10/31 21:41:57 ID:90r6O5oY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
整頓係の鼻息が聞こえる。それ以外の音は、もう聞こえない

この状態でしばらく時間が経った。どちらも離れる気配がない

そうしたら、俺たち二人の世界に違う音が紛れ込んできた

それは非常に荒い息だったが、決して汚くないものだった

整頓係はそれを気にしていない様子だったが、俺はなんだか気になって顔を上げた

整頓係は物足りないような顔をしていたが、それはもう仕方ない

息のする方を見ると見覚えのあるどころではない顔があった。この前日にここに到着するはずだった人物

彼女は持っている袋を地面に落とした

雪の降る公園で抱き合う男女を見て、ただ茫然と雪の降る夜に突っ立っていた
 ▼ 66 UVL.eKHfWI 16/11/01 22:07:58 ID:wQR4sAkg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次の日から俺たちは毎日会った。というよりは相手が会いに来た

弁当を作ってもらったり、ちょっとしたプレゼントをもらったり何かしてもらうことが多い気がする

ポケセンに行ったり、行けなかったネズミ―ランドに行ったりした

そんな尽くしてもらっている中でも、俺は100%楽しめていなかったと思う

デート中隣で話しているときもなんだか上の空だったと思う

現に俺はどこかに行ったという事実は覚えているのだが、そこで何をしたか、何を話したかなど詳しいことを覚えていないのだ

彼女より優しいのはずなのに、何故だろうか

ちなみに彼女はあの夜から2日ほど学校に来ていなかった。その後は普通に来ているが、前よりも無口になってしまった

あの後、彼女は俺たちを見て青いキーホルダーを地面に叩きつけて去っていった

あとで拾ってみたら、ピカチュウの首と胴体が真っ二つになっていた

去っていくときの彼女はとても悲しい目をしていたのを鮮明に覚えている
 ▼ 67 ニリッチ@ふしぎなアメ 16/11/01 22:58:23 ID:pQSxFA2Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 68 UVL.eKHfWI 16/11/02 22:17:16 ID:J79Abfo2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホワイトデーまであと一週間くらいになってきた頃のこと。確認しておくが、ホワイトデーは俺の誕生日だ

ちなみにホワイトデーは日本のお菓子会社がお菓子を売るために作った日で、欧米などでは浸透していないらしい

そんなことはどうでもいい

俺のもとへ3人からメールが届いたのだ

1人目は親友だった。ホワイトデーにもどうせ彼女と会えないのだから俺が祝ってやろうという内容だった

彼には整頓係と付き合っていることは言っていないのでこんなメールが届いた。適当な理由を付けて断っておいた

2人目は予想がついていたが整頓係だった。プレゼントは何が良い?と聞いてきた

自分は求めるものがないのでなんでもいいと答えようと思ったがなんでもいいが一番困るだろうなと思ってシェイミのグッズが欲しいと返した

あとで思い起こせば結局逆に困らせていたかもしれない。今時シェイミのグッズなんてほとんどないだろう
 ▼ 69 アルヒー@いましめのツボ 16/11/02 22:20:02 ID:aWzO.uiI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おっ来てる支援
 ▼ 70 クホーク@たんけんこころえ 16/11/02 22:25:44 ID:jMgnps9E NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
しえん
 ▼ 71 UVL.eKHfWI 16/11/03 22:13:26 ID:j2RJiOEQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして3人目。彼女からだった

「全部整頓係さんから聞きました。

 二人で話がしたいのでホワイトデーの日、橋に来ていただけませんか?

 来るならあなたの誕生日が終わるまでに来てください。

 後悔は、させません。」

彼女から敬語を使われる日が来るとは思わなかった。しかしそんなことは問題じゃない

全部整頓係から聞いただと?全部と言っても範囲が分からない

しかも後悔をさせない?言っている意味が分からない

しかしそのメールからは彼女の大きな思いが入っているような気がした

勿論昔の手紙と違って今はメールなので相手の思いを字で想像することなんてできないのだが

ただ直感でそう思っただけだった
 ▼ 72 UVL.eKHfWI 16/11/04 21:48:36 ID:vsLujCFk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうしてホワイトデーが訪れた

俺は結局整頓係と割と近くにできたショッピングモールに来ていた

予定としては、映画を観て買い物をして整頓係の家に行くという計画だった

この計画は整頓係が決めたもので、何もかも決めてもらっているのものだと思っていた

しかし何の映画を観るのかを聞かれて特別観たいものはないと言ったら、ものすごく困られた

こういうのは祝う側が決めて祝われる方はそれに文句を言わずついていくというのが普通じゃないのか

まあ自分の普通が一般の普通なのかは分からない

なので整頓係に適当に選んでもらった。申し訳なさそうに好きな映画を選んでいた

それは三角関係を描く実写映画だった。男が好きな女がいるのに他の女に翻弄されるという話だった

整頓係は隣でボロボロ涙を流していたが、どこにでもありそうで中身の薄い映画だったように思う。

特に男がとても馬鹿なやつに見えた。でも客観的に見たら俺もそう見えるのだろうか?

当人たちは必死なのに、周りから見たら馬鹿な人たちに見えるのだろうか?
 ▼ 73 リバード@ていこうのハネ 16/11/05 19:28:31 ID:fmfO/hFk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 74 UVL.eKHfWI 16/11/05 22:21:50 ID:q/PR7UrE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
映画を観終わり、整頓係は俺の反応をずいぶん心配していた。面白かったとは言ったが、本心がばれていてもおかしくない

俺は、彼女からのメールがずっと引っかかっていた

整頓係が服を選んでいる時、話しかけられても上の空なこともあった

そうして買い物が終わり、整頓係の家へ向かった

その途中で俺たちは公園へ立ち寄った。俺たちにとっては思い出の場所だ

整頓係が寄っていい?と聞いてきたので寄ることになった。家に行く前に話したいことがあるらしい

背中を向ける彼女に何のことか問いかけたら、少し涙を浮かべて振り向いた

「ねえ、あなたには私なんかより必要な人がいるんじゃない?

 自分に嘘をつかない方が良いよ。

 生きる意味を与えてくれるような、大切な人がいるはずなの」

つい、驚きが声に出てしまった。なぜこの人はこんなにも人の心を見抜けるんだ

しかし、その言葉で俺はハッとした

俺が求める人は、他にいる
 ▼ 75 UVL.eKHfWI 16/11/07 21:52:23 ID:N/UfNCIo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
整頓係は涙を隠したいのか、トイレに行ってしまった

確かに、整頓係は優しくて人のことを思いやる。しかし、それは自分を引き立てるだけ

俺は橋の上でも言ったが、この世界で楽しいと思えることなんてほとんどない

だから、相手から自分に楽しいことを一緒にやろうと言ってほしいんだ

少し自己中なくらいがちょうどいい

もちろん整頓係は優しいのだが、俺の求めるタイプではないのだ。彼女のようなタイプが俺には必要なんだ

歯に挟まった小骨が取れたように、ハマらなかったパズルのピースがハマったように彼女と整頓係のモヤモヤは綺麗に消え去っていた

そう気づいたときに、整頓係がトイレから出てきた

もう涙を流した姿はなく、笑っていた。まるで子供の成長を見送る母親のように微笑んでいた

俺は彼女のもとへ向かう。整頓係に背を向けて

もう振り返ることはないだろう
 ▼ 76 UVL.eKHfWI 16/11/09 22:04:09 ID:7oZ27ON6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
橋へ着いた。時間が割とギリギリになってしまったが、彼女と違い間に合った

橋を見るととても懐かしい感じがした。彼女と空を見た夜を思い出した

この日も、空は晴れていて満天の星空だった。

ベンチに行ってみようと思ったら、そこには彼女の姿があった。

彼女がいてくれてとても嬉しかった。いなかったらどうしようもないのだから

しかし、彼女には…

彼女が話しかけてきた。なんだか安心している様子だった

確かに、俺は整頓係からの言葉が無ければここに来ることはなかっただろう

そう思っていると、彼女はこう言ってきた

俺は誤解をしている、と

 ▼ 77 UVL.eKHfWI 16/11/12 22:26:22 ID:7Hxr7s/g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


私はカードの大会を終え、帰ってから3人にメールを送信した

きっと彼は応じてくれるはず。明日彼と左利きと整頓係さんが家に来てお泊り会をする

母親にそのことを伝え、夜は出かけてもらうことにした。明日は何の話をしようかな

そして明日、昨日の雪が嘘のような晴天だった。楽しい日にはうってつけの天気だと思う

左利きと整頓係さんから返答があり、少し遅れて彼から連絡があった。全員来れるようで安心した

まず整頓係さんが来た。軽い女子トークをしていたらもう一人やってきた

左利きがやってきて少し残念だったけど、彼は約束を破ったことがないので心配ない

それからは3人でバトルをしたりカードをしたりしたけど、人数が奇数だと人が余ってしまうのでそこまで白熱はしなかった

少しやることがなくなってきたくらいに部屋のドアが開き彼が入ってきた

不覚にもピンポンがなったことに気付けなかった
 ▼ 78 ノズ@フラットコール 16/11/13 00:10:33 ID:FpUTMCoE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 79 UVL.eKHfWI 16/11/17 22:02:08 ID:TFVv6iVU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
人数が増えてできることの幅が増えたので、また私たちの勝負に火がついた

トーナメントや交換会などをしたけど、一番楽しかったのはマルチバトルだった

相手のドータクンに対して地震をしたら隣で彼がゴキブリさんを出してきて、しかも浮遊で効かなかったなんて失敗もしてしまった

女子のペアが負けて次は勝つぞというときに左利きが飽きたと言い出した。なんて空気の読めない人だ

しかし彼や整頓係さんもそんな様子だったので流石に空気を読むことにした

何をするか考えて時間が過ぎるのはもったいないので自分から提案することにした

というわけで、自分のことを知っておいてもらいたいし他の人のことも知りたいので自分のことを紹介しあおうと提案した

まず最初に彼に話してもらうことにした。彼は自分ことをあまりしゃべってくれないので指名したら嫌な顔はされなかった

家族のことについて話してもらって、前は退屈していたという話だった

今は退屈していないのかな?と思ったけど4人で遊んでいたら退屈なんてするわけないと気づいた

他に趣味はないのか聞いてみたけどないと言われた。何かあったら始めてみようかと思ったのに悲しい
 ▼ 80 UVL.eKHfWI 16/11/17 22:03:04 ID:TFVv6iVU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今まで支援してくださった皆様ありがとうございます
突然ですが、>>1が受験生なので、更新が遅くなっています
これからもその状態が続くと思います。申し訳ありません
定期的に更新していきたいと思いますが、もしかしたらスレが過去ログに行ってしまうかもしれません
その場合は受験が終わり次第もう一度建て直したいと思っています
これらの点を考慮の上これからもよろしくお願いします
 ▼ 81 ビヨン@おうごんのみ 16/11/17 22:08:23 ID:eGumw016 NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>80
頑張れ
更新楽しみに待ってるで
 ▼ 82 UVL.eKHfWI 16/11/20 22:27:28 ID:9PnCBZfk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして他の人の番が終わり、最後の私の番がやってきた

私はここで他の人に知っておいてもらいたくて、そしてびっくりさせてしまうようなことを言うつもりだった

まあ彼に聞いてもらえれば十分なのだが、あちら側で何かいざこざがあっても嫌なので全員に言うつもりだった

それは、うちには父親がいないということ

父親は私が子供の頃に離婚して家を出ていってしまったのだ

今母親には一応仲のいい男の人がいるのでもしかしたら再婚するかもしれないけど、そのことは言わなかった

なぜこのことを言ったかというと、今度父親の話をされて気まずくさせないため

嘘をつくのが苦手なので自慢じゃないけど気まずくさせる自信がある

左利きはそんな話を聞いてよかったのかと良い反応をしていた

整頓係さんも結構驚いていたけど、彼はあまり反応を示してくれなかった

私のことなどどうでもいいのだろうか。その真相は分からない
 ▼ 83 ンターン@とけないこおり 16/11/24 16:17:57 ID:zt8Ze1RQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
age
 ▼ 84 UVL.eKHfWI 16/11/27 19:30:24 ID:7HD0sNko NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この話のあとは、日が暮れてきたのでテンションが上がってきたのでぶっちゃけた話を結構聞けた

あと、気付いたんだけど左利きは整頓係さんが好きみたい

そうしていたら母親が出かけてくれた。頼んでおいたことをきちんと遂行してくれて安心した

親がいるとできることの幅が狭まってしまうので、お願いしたのだが割とすんなり引き受けてくれたのだ

あの男の人のところへ行くらしい。別にどうでもいいけど

その後に彼に外に連れて行かれた

何かされてしまうのかなと少し不安になったけど別にそんなことなさそうだった

彼は私の自転車に乗りこみ、私は後ろにしがみついた

体重は大丈夫かとても不安だったけど、彼は気にしないだろうと願っていた

よし行くぞと言って彼はペダルを踏み込む

鍵がかかっていて彼がペダルに足をぶつけてしまって台無しだ
 ▼ 85 イキング@グラウンドメモリ 16/12/02 23:14:37 ID:ZrGGfHFs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 86 UVL.eKHfWI 16/12/06 22:00:54 ID:TSKd8Jyo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
近くの橋に連れて行ってもらった。ここは不気味であまり来たくはなかった

奥の墓地からゴースとかが来たら腰を抜かす自信がある

彼がいるから大丈夫だと思うけど、少し不安は残っている

でも、彼は何がしたくてこんなところに呼んだのだろう

行き先を言われていたら反対していたかもしれない

そうしたら彼が「上を見て」と言ってきた

見上げると、真っ暗な空に鮮やかな星たちが煌めいていた

自然の素晴らしさというのを生まれて初めて感じたような気がした

スパッタリングをしてもこんなに綺麗には散りばめられない

彼は空が好きらしい。私はこの空を見て空がとても好きになった

海外の空もこんなに綺麗じゃなかった。都会に住みたいと思っていた昔の自分が恥ずかしい
 ▼ 87 UVL.eKHfWI 16/12/11 22:03:06 ID:7PHtBImE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もう私は生まれ変わるならあの星になりたい。そういったら心配された

私はこの世界が大好きで、だからずっとこの世界にいたい。ここにいる人とつながっていたい

だからそう思った。彼とは隣の星になれるといいけど、そんなに人生うまくはいかないと思う

それが人生と言えるのかどうか怪しいけどね

だから今のうちに一緒にいるためにクリスマスのデートを誘ってみた

彼がどこに行きたいか分からなかったから、無難なネズミ―ランドにした

彼が断るとは考えにくかったけど、一応大丈夫か聞いておいた

別に私はそれらのキャラクターが特別好きというわけではないけど、一番それっぽい気分になるので場所的には結構気に入っている

まあ、彼以外に彼氏がいなくてデートなんて行ったことないけど

そうして私たちは家に戻って、お泊り会が終わる…はずだった
 ▼ 88 UVL.eKHfWI 16/12/18 21:38:48 ID:KaW43EP6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつのまにかメールが届いていた

それはお母さんの彼氏、何と表せばいいのか分からないけど、お兄さんからのものだった

母親が…倒れた

頭が真っ白になった

とりあえず思ったことは、会わなければいけないということ。すぐに家を出た

必死でペダルをこいで、教えられた病院へ向かう

なんで今日なんだと思ったけど、そばに人がいてくれてよかった

人がいなかったらもしかしたら…考えるのはやめようかな

大したことじゃなければいいけど、仕事に支障は出ないのか

頭にいろんな妄想が駆け巡るけど、とりあえず事実を知りたい。母親に会いたい

そして、病院に着いた
 ▼ 89 ーメイル@タイマーボール 16/12/18 22:34:20 ID:trQ4UMew NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です
 ▼ 90 リンク@くろおび 16/12/18 23:06:56 ID:Awa6SG2c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おっきてた
支援
 ▼ 91 ェリンボ@ひかるおまもり 16/12/19 17:43:15 ID:E9r26Z5U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエンネ
 ▼ 92 スラオ@りゅうのウロコ 16/12/21 22:22:33 ID:7SdgkpZQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 93 UVL.eKHfWI 16/12/25 21:46:55 ID:fifIclJE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すぐにお兄さんを見つけることができ、病室へ駆けていった

途中で看護師さんに何か言われた気がするけど、なんて言ってるかまでは分からなかった

母親はベッドで寝ていた。顔色は悪くない

そしてそばにいた、お茶の水だか水道橋だか忘れたけど博士みたいな医者に話を聞いた

医療系は詳しくない私なので、病気の詳しくは分からなかった

しかし理解できたのは命に別条はないということ。そして2ヶ月ほどの入院が必要だということ

とりあえずえげつない病気ではなさそうで安心したが、2ヶ月も入院しないといけないとは驚いた

それが一般的に長いのか短いのかは分からなかったが、自分からすると長く感じた

そうして博士は去っていき母親と話ができた
 ▼ 94 UVL.eKHfWI 16/12/31 23:23:32 ID:YTxsmkig NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こういう時に普通なら娘が涙ぐみながら生きててよかった…と言い感動的なシーンが生まれるはずと思っていたけど、それは無理だった

母は私を見るなりこう言い放った

バイトをして稼げ、と。ポケモンなんてやっている暇はない、と。

感動のKの字も無いような母親だ

もうちょっと心配していた様子を見せようと思ったけど、その気持ちは一瞬で消え失せた

このまま帰ってやろうかとも思ったけど、流石に生活にかかわるのでやめておいた

今言った通り、母親の言っていることは間違ってはいない

もう収入源は2ヶ月間働かなくなってしまっている

私は、バイトを探さなければならない

…でも言うのはもうちょっと後でよかったと思うよ
 ▼ 95 チャブル@ゴーストメモリ 17/01/01 11:44:53 ID:zA0FED5s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お、おかん……
支援
 ▼ 96 UVL.eKHfWI 17/01/08 20:43:59 ID:kmqFPHEk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
というわけで私はバイトを始めることになってしまった

親にバイトを紹介され、次の日から始めた。探す手間が省けてまだよかった

単純な流れ作業を延々と続けるだけで、退屈すぎる

しかもバイトをがっつり組まれたので遊んでいる暇があまりない

母親を毎日恨みながら続けていた

まだ助かったのはクリスマスはバイトを無しにしてくれたことだ

その日までの時間は段々と金に変わっていく。早く彼に会いたい

しかし、クリスマスにバイトがないと思っていた安堵感をぶち壊す存在が現れた

お兄さんだった。ここの時点で私は母親を憎みまくった
 ▼ 97 サキィン◆INwhWfUQUw 17/01/11 12:41:44 ID:Tq9p88r2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 98 UVL.eKHfWI 17/01/16 19:32:49 ID:MwGIFo32 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大事な話があると言って、クリスマスイヴに呼ばれた。意味わかんない

しかし、これを断って母親が怒ったら面倒なことになる

デートは母親が退院してからいくらでもできるだろうし、仕方ないから了承した

珍しいのかは知らないが、お兄さんのことをさほど嫌いではないからということもある

そして都会のカップルがいちゃいちゃしている街に乗り込んだ

それにしても、何が悲しくてクリスマスイヴに母親の彼氏と一緒にいるのか

きちんと彼にはメールをしておいた。きっと彼は心が広いので大丈夫

今まで自分がするとは思っていなかったいわゆるドタキャンというものをしてしまった

割と罪悪感を感じた
 ▼ 99 UVL.eKHfWI 17/01/22 20:57:12 ID:lLpSXfCY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてお兄さんからこんなことを言われた

母親にプロポーズをするから指輪を選ぶのを手伝ってほしいという

少し失礼な言い方になってしまうけど、正気かこいつは

まず、母親は病気になっているのだ。医師は2ヶ月で治ると言っていたが、そんなのあてにならない

そんな状況なのにもかかわらずあの人と結婚するのか

私だったら絶対にそんなことはしないと思う

母親が心配で力になりたいからと言っていた

それならきっとお兄さんは結婚詐欺師か後先考えない馬鹿だ。こっちに利益はない

でも母親が不幸になろうと構わない。さっさと大学生になって家を出てやる

二つ目に、こんなことを子供に相談するのか。あ、これは普通か
 ▼ 100 UVL.eKHfWI 17/01/29 20:12:34 ID:i2fhv9mM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お兄さんは割と童顔なので違和感はあまりないけど、母親の彼氏と街を歩くなんて変なのかもしれない

流石に緊張してるのか、時々後ろを見たりきょろきょろしているのも幼く見える理由かもしれない

そして宝石店に着いた。そこには綺麗なものがずらっと並んでいて、クリスマスにふさわしい場所だった

今までこんな所へは来たことが無かったので心が弾んだ

私は青い宝石が良いと思った。母親も私と同じように青いものが好きだから、おすすめした

お兄さんはそのことを知らなかったのか、私を呼んでよかったと喜んでいた

お兄さんは値段がほどほどの青い宝石の指輪を買って店を出た

ついでにショッピングモールなどに連れて行ってもらい、服などを買ってもらった

クリスマスだから結構賑わっていて楽しかった。女子高生に振り回されたお兄さんは少し疲れていた
 ▼ 101 UVL.eKHfWI 17/02/05 21:01:02 ID:0OQ4GITA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして次の日のクリスマス、お兄さんは母親に指輪を渡してプロポーズをしていた

母親は嬉しそうに返事をし、泣いていた

憎い母親とはいえ、めでたいことだと思う

その後二人の中に入っていく気にはならなかったので病院をうろうろしていたら、博士に会った

博士は私を探していた様子で、話をしてくれた

母親のことについてだった。母親は2月14日、バレンタインデーに退院できるらしい

なので、バレンタインの日は是非病院に来てほしいとのことだった

割と遠く感じたけど、その日が来れば遊びまくれると思えば短い期間なのかもしれない

そしてそれからも私のバイト生活は続いた。お兄さんがいるのに、何故働かされるのか
 ▼ 102 UVL.eKHfWI 17/02/12 19:16:11 ID:NUE1cK7k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
元日。この日は流石に休みだったけど、家で引きこもっていた

彼と会おうとも思ったけど、あと1か月半で会えるようになるし、なにより疲れていた

そうしたら夕方に彼からメールが来た。バレンタインまでに会えないか?というメールだった

スケジュールを確認すると、元日の後からバレンタインまでみっちりバイトが詰まっていた。あの母親め、覚えとけよ

なので断りのメールを送り、バレンタインの後にたくさん遊ぼうと書いておいた

割とすぐメールを返してくれるのに、今回は返信が遅くて不安になった

そんなことも考えながらテレビをみていたら、バレンタインの夜には会えるんじゃないかと気づいた

そう気づいたときすぐにメールを送った。バレンタインの日なら会えるかもと送っておいた

その後は返信は来なく、元日は終わった

そこからはバイトの日々が再スタートした
 ▼ 103 ェリム@なぞのすいしょう 17/02/17 21:14:49 ID:0DdhJcAA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふぇぇ……
支援でーす
 ▼ 104 UVL.eKHfWI 17/02/19 22:03:58 ID:9JaFZIfk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして私を苦しめたのは、学校の始まりだった

学校→バイト→寝る→学校→…の日々が割ときつかった

放課後には遊べないし、学校ではなぜか彼が話しかけてくれないし、私は話しかけると遊びたくなるので話しかけないしで良いことが全くない

でも寝る時間がきちんと確保されていてあの母親に反抗することすらできない

そして淡々と日々は過ぎ去っていき、バレンタインデーを迎えた

割と朝早く病院に行ったつもりだったけど、もう既にお兄さんが到着していた

もう母親はピンピンしていて、博士の話を聞いていた

私も博士の話を聞き始めたけど、えげつなく長くて昼過ぎまで話を聞かされていた

簡単に内容を説明しようとすれば、「働き過ぎで倒れてしまったからこれからは気を付けろ、そしてお幸せに」で済むような話だった

しかし割と早く彼の元へ行けるかなと思った。甘かった
 ▼ 105 UVL.eKHfWI 17/02/26 20:31:48 ID:uBC5am5g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんとそれから二人のこれからの生活について話し合うらしい

それに強制的に参加させられた。まあそれは当たり前なんだけどね

しかもこの二人、定期的にイラッとくるくらいテンポが悪い

しかしこの幸せムードの人に何を言っても聞かないと思う

そのくせ途中で抜け出そうとすると睨んできて、どういう考えを持っているのだろう

その話し合いは夜まで続いた。ここ最近で一番暇なのに一番無駄な日を過ごした気分だった

夜中、11時ごろになって彼らに隙が出来た

それを見計らって私は家を出た

自転車で夜の街を駆けていく感覚は、前味わったことがある気がした

でも、そのときとは違って、私は孤独だった
 ▼ 106 UVL.eKHfWI 17/02/28 21:50:53 ID:8Z5KYRAs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
受験終わりました
無事第一志望に合格できてよかったです
というわけでこれからバンバン更新していく
…予定だったのですが、展開に詰まってあまり更新できないかもしれないです
完結はさせたいと思うので、まったりですがこれからもよろしくお願いします
 ▼ 107 ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/03/01 15:47:36 ID:1fvoC8fY NGネーム登録 NGID登録 報告
句読点が無いのが気になるんじゃが……
 ▼ 108 UVL.eKHfWI 17/03/06 22:14:07 ID:ygqImLak NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
公園に向かう前に、バイト先の店でチョコを貰ってこようと思った

そこそこ有名なお菓子屋さんで働いていたから、ありがたい

もうそろそろ日付が変わってしまう

記念日とかは結構気にするタイプなので出来ればこの日のうちに渡したい

チョコを受け取り、形が崩れないように自転車を店に置き小走りで公園へ向かった

もうすぐ着くというところで鼻に冷たいものが落ちてきて、見上げると黒い空に白い粒が広がっていた

少し薄着だった私は冷たい風に吹かれながら、手がかじかみながら走っていた

そして公園に着いた。息を切らしながら公園を見ると、二人の男女が抱き合ってキスをしていた

力が抜けチョコの入った袋をその場に落としてしまった

そのとき、私は衝撃以外の何も感じていなかった
 ▼ 109 UVL.eKHfWI 17/03/13 14:21:29 ID:9/jlvrbA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼は少しうろたえるような眼で、こちらを見ていた

整頓係さんは他人を見るような眼で、こちらを見ていた

悲しみ、憎しみ、妬み、怒り、様々な感情が頭の中で葛藤した

いろんなことを考えたと思うが、そこには良い感情は一つも無かった

何を思ったのか、私は携帯のキーホルダーを地面に叩きつけた

それで我に返り、感情たちは姿を消した

とにかくここにいたくなかったので、立ち去った

帰っても怒られるだけだと思ったけど、他に行く場所も無いので家に帰った

しかしその考えとは裏腹に、彼らはイチャイチャしていて私の存在に気付いているかも怪しかった

嬉しいようなさびしいような、そんな感情はベッドに飛び込んだら消えていた
 ▼ 110 UVL.eKHfWI 17/03/19 07:14:45 ID:rNdGnC0M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私は眠った。どのくらい眠っていたかはよく分からないけど、起きたら夕方だった

母親の結婚が決まってバイトは行っていないけど、クラスの人はバイトかなと思うと思う

もしかしたら、私のことなんかどうだっていいと思っているかもしれないけどね

日にちを確認するために携帯を見る。いつもは結構通知が来ているけど、今日は全く来ていない

なんだか、誰にも会いたくない。こんな世界にいたくない

みんな、いなくなっちゃえばいいんだ

そうして私はもう一度眠り始めた。私が次に目覚めたのは、あの夜から二日後の早朝だった
 ▼ 111 UVL.eKHfWI 17/03/26 09:43:32 ID:VXqokcMo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
学校に行っても、普通の日常が繰り返されるだけだった

強いて言えば、仲良しの女子に少し心配だったようなことを言われたくらいかな

彼と整頓係も普通に学校に来ていた。もう彼らと関わることは無いと思う

しかも帰ったところで何も無い。精々リア充がいるくらいか

家に居場所がない。出かける場所も無い

何をすればいいんだろう。一人って、独りって、こんなに寂しかったっけ

寝ていたのか寝ていなかったのかわからない時間が1時間ほど過ぎたとき、私の携帯が騒ぎ出した

返信したくもなかったが、他にやることも無かったのですぐに確認

整頓係からのメールが届いていた。そっと携帯を閉じた
 ▼ 113 蓮托生 連帯責任 17/04/01 09:11:40 ID:sm43dTdI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もしかして終わり?
支援
 ▼ 114 UVL.eKHfWI 17/04/01 22:21:14 ID:yY41nXPY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ねえ、昨日のメール見た?

学校でボーッとしている私に誰かが話しかけてきて、つい大きな声を出しちゃった

訪ねてきたのは整頓係だった。顔を見るなり嫌な気分になったが、流石に失礼なので見てないと正直に言った

そうすると急かすように帰ったら絶対見てね!!と言って彼女は去っていった

変なやつだなあと思って、居眠りを始めた

でも、心の隅で気にしてしまう私がいたのは本当だった

そうして何事もなく家に帰った

私は仕方なく、メールボックスを確認することにした
 ▼ 115 UVL.eKHfWI 17/04/09 08:48:41 ID:5fRRaZj. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次の日は休日で、私は母親とお兄さんを家から追い出した

なぜなら、整頓係がうちに来るから

メールで、土曜日、空いてませんか?と聞かれてしまって、嘘はつけなかった

話があるらしいけど、メールでしちゃえばいいのにと少しイラついた

そして整頓係が現れた。鏡は確認してないけど、バイトで鍛えた営業スマイルが役に立つ日が来るとは…

私の部屋に招き入れ、無言の時間が少しあった

そうすると整頓係がこう言った

私、別れるよ。

つりあげていた頬は、無意識に崩れ落ちていた
 ▼ 116 UVL.eKHfWI 17/04/16 19:59:39 ID:BcOYvQAo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何を言いだすかと思えば、友達の彼女を奪って目の前で唇を奪い、そして挙句には捨てると言うの?

頭がおかしい。狂ってる

私の顔を見た整頓係は、焦った顔で話を続けてきた

落ち着いて話を聞いて。

私、クリスマスイブの日に左利きからデートに誘われたけど、ドタキャンしてバイトをしていたの。先輩に頼み込まれちゃったからね。

そうして都会の駅前でサンタの格好でティッシュ配りをしていたら、彼が沈んだ顔でやってきたの。

どうしてあなたとデート中のはずの彼がそこにいるのか分からなかった。

でも、その理由はあとで分かったの。

あなたが、男の人と一緒に歩いているのを見たときにね。
 ▼ 117 UVL.eKHfWI 17/04/23 19:23:22 ID:jpn3Vwt. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一瞬見間違いだと思ったの。でも、見間違いなんかじゃなかった。

しかも、男の方は結構有名な宝石店の紙袋を持っているじゃない。

ちょっと話は逸れるけど、私も彼のことが好きだったの。だから、憎かった。

彼をほったらかしにして男の人と遊んでいるあなたが、憎かったの!

だから、私は彼の弱みに付け込んで告白したの。

最低でしょ?でも、当時は間違ったことをしたつもりなかったの。

彼とのデート中、あなたの姿を見た時まではね。
 ▼ 118 UVL.eKHfWI 17/05/01 07:45:06 ID:P4ZVcp2Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あなた、必死に働いていた。

だから、私たちのことに全く気付いていなかった。

彼が気付いていなかったのは謎だけど、彼には言わなかった。

そりゃ、言えるような状況ではないし、なんであなたがバイトをしているか分からなかったからね。

でも、病院へ自転車でやってくるあなたも見かけたの。

そして思い出した。

あなたが、自分に父がいないと言っていたことをね。

だから、母親が病気か何かで働かざるを得なくなり、彼とあまり会えなくなったんじゃないかなって、思ったの。
 ▼ 119 UVL.eKHfWI 17/05/07 20:46:49 ID:JAArtW5E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私は全てを見抜かれていたことに唖然し、口が無意識に空いていたのかもしれない

簡単に言うと、私の顔を見て整頓係さんはホッとしたように話を続けたの

そのことを考えてから、私は本当に最低の人間なんじゃないかと思うようになったの。

それで、あなたたちの仲が戻れば私も嬉しいんだって気付いたの。

彼は絶対にあなたといた方が幸せになる。

また、あなたと彼の笑顔を見たいんだ。

だからホワイトデーの日、あなたと彼で会ってほしい。

私が言っている意味、分かる?

あなたのことをよく知らず軽率な行動をして、本当にごめんなさい。
 ▼ 120 UVL.eKHfWI 17/05/14 20:47:48 ID:PHfOzeOU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頭を下げる整頓係さんを前に、私の顔はさっきとほとんど変わっていなかったと思う

私がなぜ彼に会えなかったか知っているところにも驚いた

でも、それを知って彼と仲直りしてくれなんて言われるとは思わなくて、また驚いた

なんとなく状況を理解することはできたので、顔を上げるよう促した

正直整頓係さんに会うまでは別れちゃえばいいのにとか、また付き合いたいとか思ってた

でも、いざその状況になってかつ、整頓係さんがめちゃくちゃ良い人だと分かると流石の私でも気がひける

だから一旦、断ってみることにした

どうせ無駄だとは思うけどね
 ▼ 121 UVL.eKHfWI 17/05/21 21:11:14 ID:vgJhXzms NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だから、あなたじゃないと駄目なの!あなたにとっても、彼にとっても。

やはりこういうタイプの人はこういうことでは折れる気がしない

ありがたく仲直りしようと思った

というより本心はとんでもなく動揺しつつ喜んでいた

整頓係さんだって彼のことが好きなのは、話を聞けば伝わってくる

でも、自分の好きな気持ちを抑えて彼の幸せを願えるのは、尊敬できると思う

きっと、私と彼が仲直りしたら二人とも幸せだと思う

でも、整頓係さんは…
 ▼ 122 UVL.eKHfWI 17/05/29 07:52:20 ID:l6x2brUY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自然に、目から涙が溢れていた

整頓係さんは心配してきてくれて、そっと抱きしめてくれた

私は整頓係さんに体を委ね、泣き続けた

もうそのときは何をしているか分からなかった

か細い声で、ありがとうごめんね、と連呼していたんだと思う

落ち着いたあと、二人で彼に送るメールの文面を考えた

そうして整頓係さんは帰っていった

私と彼女が仲直りできたのは、言うまでもないよね

 ▼ 123 UVL.eKHfWI 17/06/05 21:52:28 ID:TnYTuF.A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


俺は整頓係の話を聞いた彼女のように驚いていた

二人がこんな話をしていたことにも驚いたし、整頓係が全てを知っていたことにも驚いた

とりあえず彼女の話を聞いてこれから何をすればいいのか察しはついた

整頓係へのお礼は、この報告がその報告をすることが一番いいだろう

でも、ここまで大きな舞台を用意されると逆に恥ずかしい

それどころか、俺は一度浮気をしてしまった

だから言い出したくなかった。でも、言うしかなかった

腹をくくり、彼女に言葉を伝えようとした瞬間だった

私と付き合ってください。

その言葉は俺の全身にしみわたり、鳥肌が立った
 ▼ 124 UVL.eKHfWI 17/06/11 21:50:03 ID:QG4aTxTM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少し顔のこわばった彼女の目の前で、俺も緊張してしまった

俺の本音を返そうと無意識に思っていたんだと思う

ごめん。ありがとう。よろしく。

彼女の顔はみるみるうちに変化していき、俺が隣に求めていた顔に変わっていった

自然に俺の顔も彼女の表情に近づいていってたんだろうな

もう絶対に彼女を裏切ったりしない

きっと彼女も俺を裏切ることはないだろう

そして俺たちは二人で星空を眺めた

月に雲がかかってしまっている。それでもなんだか明日は晴れそうな気がした
 ▼ 125 UVL.eKHfWI 17/06/18 22:00:51 ID:lA6kJs0Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それでもただの人間一人の考えは大自然に勝てないみたいだ

小雨に打たれながら歩いていたら少しづつ強くなっていって、学校に着くころにはびしょぬれだった

親友もびしょぬれで、二人でお互いを馬鹿にしあった

教室では彼女に心配され、タオルを貸してもらった

最近みんなとはしゃぎあっていなかったので、懐かしくて涙が出そうだった

授業中に先生に怒られたのは内緒だ

それでも、前と決定的に違っていることがあった

一日中、整頓係の椅子に人が座ることはなかった
 ▼ 126 kディアwフエl 17/06/21 08:37:22 ID:Yiw7iqvg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>124で終わりと思ってた
支援
 ▼ 127 UVL.eKHfWI 17/06/25 22:34:57 ID:cMKOC5zc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺と親友と彼女は心配になり、整頓係の家に行かないかという話になった

それでも、その日に急にとはいかず、きちんと整頓係に連絡を取ってからの方が良いのではとなった

その後、俺と彼女は一緒に帰った

もちろん楽しい話題もあったのだが、話のメインとなったのは整頓係の話だった

彼女は自分たちのせいで整頓係が学校に来ていないのかと心配しているようだったが、俺には他の不安もあった

親友のことだった

親友目線から考えれば、整頓係がなぜ学校に来ていないか分からないのだ

なぜかというと、親友は整頓係がフラれたことを知らない

それどころか、俺と整頓係が付き合っていたことすら、知らないのだ
 ▼ 128 マヨール@ぼうじんゴーグル 17/06/25 23:48:59 ID:4SBDrVKE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
久しぶりに見たら更新してたー
支援
 ▼ 129 UVL.eKHfWI 17/07/02 22:46:54 ID:QltQVA/Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それでも、俺は彼女にこのことを相談してはいけないと思っている

きっと、彼女は親友が整頓係にフラれたことを知らない

それを教えたら、彼女は整頓係を学校に呼び戻し、親友とくっつけようとするに違いない

そうすると、整頓係が学校に戻ってきてくれるのはいいが、問題も生じる

まず、親友から俺への信用が下がり過ぎる

俺は決してわざとではないのだが、端から見ればだいぶ酷いことを整頓係にしてしまった

しかもそれを親友に隠し続けていたことがばれたら大変なことになるだろう

苦しませるために彼女を殺そうとしたって不思議じゃない

親友は割とそういうやつだ
 ▼ 130 UVL.eKHfWI 17/07/10 07:34:01 ID:dZ4XU9JM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
というわけで、俺は三人で整頓係に会う前に一人で会いに行こうと決めた

幸い俺たちの日程が合わず、三人で会いに行く日はすぐには来なさそうだった

俺は彼らのように忙しくないので、彼女の予定が入っている日に整頓係と話をするつもりだ

でも、突然押しかけてもきちんと話をしてくれないかもしれない

最悪のケースになると、三人で会いに行くことすらできなくなる

家に帰り、夜も更けてきたころ、俺は一人でゆっくり作戦を考えていた

どうすれば整頓係は学校に戻ってくるのか、親友を怒らせずに済むのかを

…ちょっと待てよ?

こないだホワイトデーが終わったってことは、今年度はもうすぐ終わってしまうのでは?
 ▼ 131 UVL.eKHfWI 17/07/16 23:11:55 ID:9jVGgR8E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まずいことになった

それより、早く気付いてよかったと思った方が良いのだろうか

そんなことを考えていても状況は変わらない

春休みになってしまったら、整頓係が学校に戻ってくるも何も、戻ってくる場所がないのだ

急がねばならないので、明日アクションを起こすことにする

きっと明日は親友も彼女も用があってダメだったはずだ

とりあえず一応整頓係にメールを送り、今日は寝ることにした

ベッドの上で明日何を伝えるか考えるが、何も浮かんでこない

でも、何故整頓係が学校に来ていないかだけ分かれば充分だ
 ▼ 132 UVL.eKHfWI 17/07/24 08:11:23 ID:8NtoyAeQ NGネーム登録 NGID登録 報告
朝起きてすぐに受信ボックスを確認する

予想はしていたが整頓係から返信は来ていない

今日何としても行かなければ行けないので、断られても行くつもりだった

だからあまり支障はない

せっかくいつもの日常が戻ったというのに、こんなことをしなければならないのは悔しいが仕方ない

決して良いとは言えない天気の中、俺は学校へ向かう

放課後が、決戦だ
 ▼ 133 UVL.eKHfWI 17/07/31 04:59:29 ID:xHcVewIQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつも通りの日々は平凡で、他の二人はいつものようにはしゃいでいた

俺は、はしゃぎきれないのをばれないようにしつつ、彼らに合わせていた

今の俺から見たら、彼らは整頓係の心配など一切していないように見えた

放課後、塾だかなんだかで彼らは去っていった

俺は自転車に乗りこむと、自分の家とは逆方向へ漕ぎ出した

整頓係の家の方向はあまり出向かない

それどころか実際は何かイベントがない限りは外に出向かないタイプなのだ

だから整頓係の家の方向にはなんだか懐かしく思える建物や場所が多かった
 ▼ 134 UVL.eKHfWI 17/08/06 22:11:59 ID:m3mJAiKU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
例を挙げるとすると、まず山の入り口の大きな橋だ

二人で星を見たのは、一度彼女と別れる前だったか

そうして別れる元凶となった場所はこの後にある

その神社を通り過ぎても、この時期じゃ人は全然いなかった

そういえば整頓係は今じゃ相当弱気になっているんだろうな

あんなに強気だった整頓係が少し恋しくなってくる

そんな適当なことを考えていたら目的地に到着した

勿論この近くに彼女や親友の家もある

見つからないか少しビクビクしながら、インターホンに手を伸ばす
 ▼ 135 UVL.eKHfWI 17/08/14 07:20:58 ID:UxhHiJ1c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
インターホンの響く音は、こちらにも聞こえてくる

どうも、こいつを押してから人が来るまでの時間は好きになれない

インターホンから返事はなかった

誰もいないのか、と後ろを振り向いた瞬間、ドアの開く音が後ろからした

振り返ると、そこには整頓係がいた

俺の姿を見るなりドアを閉めようとしたので、つい大きな声が出てしまった

「俺一人なんだ!話を聞いてくれないか…?」

勢いよく閉められたドアは、ゆっくりと開いていった
 ▼ 136 ンゴロ@ふといホネ 17/08/14 09:28:17 ID:FqZIRaZA NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ほー、こんなSSがあったのか
 ▼ 137 ラブ@あやしいおこう 17/08/14 11:00:38 ID:/mbadoWs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっと来た!支援
 ▼ 138 UVL.eKHfWI 17/08/22 07:26:56 ID:4Sqestyg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「…何?」

「どうして学校に来てないんだ?」

「誰にも言わない?」

「勿論」

整頓係は寂しげな顔で喋りはじめた

「私、留学することに決めたから、あなたたちと会っていると行きたくなくなると思って」

「迷ってはいたんだけど、こないだの一件であなたへの想いは伝わったと思った」

「しかも、このままあなたたちと素直に遊んでいられる気がしなくてね」

「…そうなんだ」

結構衝撃的なことを聞いたのだが、不思議と感情的にはならなかった
 ▼ 139 ョロボン@おとどけもの 17/08/22 21:39:07 ID:G4iz757Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キターーーーー!!!!!支援
 ▼ 140 ンドロス@ゴールドスプレー 17/08/23 08:12:44 ID:Du62h6Ec NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモンもう関係無くね
 ▼ 141 UVL.eKHfWI 17/08/23 20:06:50 ID:bB1jownY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>140
前々から言われてるんですけど、今のところ続けてても大丈夫なので、続けています
ぽかんうのSSが読みたい方は、他に面白いのが沢山あると思うので、そっちへどうぞ
 ▼ 142 UVL.eKHfWI 17/08/29 07:31:35 ID:EkJoOUus NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「…あんまり悲しそうじゃないね」

「悲しいは悲しいんだけど、俺がここで喚くのはお門違いじゃないかなと思ってね」

「そっか、他の二人だったらどうなるのかな?」

…そうだった。俺はそれが心配で話をしに来たというのに、さっきの話に気持ちを持ってかれていた

「なんとなく言いたいことは分かるよ、私たちの関係が変なことにならないか心配で来てくれたんだよね?」

「エスパーかよ」

「エスパーだよ」

ふふっと笑う整頓係は、つまらなくて学校に来ているという感じではなさそうだった

そっちも多少気にしていたのだが、問題ないようだ
 ▼ 143 UVL.eKHfWI 17/09/03 22:32:08 ID:K2O/Qshk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「心配しないで。あの左利き君には私から言っとく」

「彼女さんには彼氏さんから言ってあげてね?」

ニヤニヤしながら整頓係は言ってきた

でも、これを言いながら心の中で悲しくなっていることを知っているから、笑えなかった

「分かった。一つ聞いていい?」

「何?」

「…やっぱやめた」

「そう言うのが一番気になるよねー。他の人にはやらない方が良いよ」

親友にどうやって説明するのか気になったが、俺がそこまで踏み入る筋合いはないだろう
 ▼ 144 UVL.eKHfWI 17/09/10 22:41:08 ID:NqzVr7K6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「気を付けるよ」

「気を付けてね。ふふっ」

「…」

「…」

もう会えなくなる整頓係と何を話せばいいのだろうか

俺は整頓係との思い出を巡り巡って、伝えたいことを探した

そうするとたくさんの言葉が浮かんでくるが、ありすぎて絞りきれない

この沈黙の間、整頓係はうつむいて何を考えているのだろう

整頓係は、俺に伝えないといけないことはあるのだろうか

俺は、整頓係から伝えられないといけないことがあるのだろうか
 ▼ 145 UVL.eKHfWI 17/09/17 22:58:51 ID:Jn/oTiFI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「…なんか、言っときたいことあるか?」

「…」

うつむいたまま応答しない整頓係。何か考えているのだろうか

だが、このままずっと待ち続けても仕方ないのでこちらから動くことにする

「俺はもうないかな。元気で頑張れよ」

ちょっとラグがあってから整頓係は応答した

「…うん、ありがと」

にっこり笑った整頓係は手を振り始めた

俺は手を振り返したあと、背を向ける
 ▼ 146 ティオス@かいのカセキ 17/09/17 23:05:13 ID:k10mVYlc NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ぽかんむだな
 ▼ 147 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 17/09/18 01:12:09 ID:8aQ5QbHQ NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 148 UVL.eKHfWI 17/09/24 20:24:15 ID:wBLIL2bI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ねえ!」

自転車にまたがる俺の動きは、その一声で止められた

もう一度俺は整頓係に目を向ける

整頓係は、さっきの笑顔とは打って変わった、真剣な表情をみせていた

「っ…?」

俺の口から飛び出そうだった、どうした?はその表情に屈してしまったようだ

「あのね」

もう、俺の口は開かない

「私、あなたに会えて良かった」
 ▼ 149 ココ@ポロックケース 17/09/25 20:25:42 ID:KmRgFFOw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 150 UVL.eKHfWI 17/10/03 23:07:31 ID:UNthJ31k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんな感じのこと、言われるかもなと少し期待していた自分がいた

が、いざ言われると相当困る。こっちから言う言葉が無さすぎる

黙っている俺に整頓係は続けて言う

「巡りあえてよかったって話じゃないよ?」

「えっ」

そういう話じゃなかったのか

というか、友達が引っ越してしまうのに俺は何を期待しているんだ

とりあえず、落ち着いて話を聞こう
 ▼ 151 UVL.eKHfWI 17/10/10 22:53:30 ID:oby0dHlM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「今日、来てくれて嬉しいってこと」

「そうだったのか。それはこっちも嬉しいよ」

期待したこととは違ったが、来てよかったと思えた

「実は私、誰にも言わずに消えるつもりだったんだよ」

「でも、あなたが来てくれて…」

涙ぐむ整頓係を、俺は見ていることしかできなかった

「一つお願い、聞いてもらっても…いい…?」

「いいよ、何?」
 ▼ 152 UVL.eKHfWI 17/10/17 22:31:26 ID:.CX816EI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「一回だけでいいから、バレンタインの時みたいに…」

「…いや、駄目だよね」

「もう彼女さんがいるんだもんね…」

涙を拭う目の前の整頓係は、仕方ないよねというような感じで笑顔を取り戻そうとしていた

「お願いだから、幸せにしてあげてね…」

「今まで、本当にありがとう…!」

もう一度目に涙を浮かべはじめた整頓係の前で、俺は黙ってしまった

「…」
 ▼ 153 UVL.eKHfWI 17/10/24 22:16:00 ID:Gzmlkdq6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
整頓係の家から帰る途中だ

俺から彼女や親友に言うことはなにも無い

きっと最後の何日かは整頓係が学校に来て別れを告げるだろう

それを疑う理由も、必要もない

それから、今日帰る前に俺が何かをしたかしていないかは、語らなくていいだろう

それはきっと俺のためにも整頓係のためにもならない

とりあえず俺は、これから訪れるであろう彼女との日常に備えるとしよう
 ▼ 154 UVL.eKHfWI 17/10/29 22:44:52 ID:RjNz60Xs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺が教室に着いたときには、整頓係が中心となって人の渦を巻いていた

周りを気にせず泣きだし、別れを惜しむ女子もいれば、

そっけなくしている風に見えて、結局気にしちゃってる男子だっている

その他大勢の方々だって、様々な反応を示している

ほとんど反応を示していないのは元から知っていた俺くらいなんじゃないかな

あの二人は心にダメージを負ってるみたいで、俺に話しかけては来ない

不用意に話しかけて逆鱗に触れても困るので俺はそっとしておくという選択を取った
 ▼ 155 ョンチー@イアのみ 17/11/02 23:20:34 ID:Lz/sje5g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっと来たか…支援
 ▼ 156 UVL.eKHfWI 17/11/06 23:00:51 ID:0mdoF132 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結局整頓係はその日から修了式までずっと学校に来つづけた

そのおかげで俺は二人に問い詰められなくて済んだのだが、みんなが俺に構ってくれないことに少し寂しさを感じた

そして修了式の日、四人は集まって遊びに行った

寒さが和らいできてぽかぽかした陽気の中、俺たちは近所のいろんなところを見て回った

整頓係にはずっと忘れないでいてほしい、という彼女の要望によりこれが実行された

これでもう会えないと思うと、流石の俺でも感慨深いものがある

でも、終盤で涙を浮かべ続けていた彼女には負けるだろう

親友だって、平気なフリをしているのはバレバレだ

そんな状態で俺たちは、最後を迎える

四人全員で会うのは、本当にこれが最後になる
 ▼ 157 ュプトル@ひかりのこな 17/11/13 23:08:03 ID:0UzRdDvM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このお話好き…泣ける(;_;)
 ▼ 158 UVL.eKHfWI 17/11/13 23:14:47 ID:iMcHyfiQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
整頓係の家の前、四人は集う

整頓係と彼女は、抱きしめあいながら、周りを気にせず泣き喚いている

学校ではあまり弱いところを見せなかった整頓係も、今だけは心から泣いているようにしか見えなかった

みんなが落ち着いてきたところで、整頓係は引っ越す日を告げた

悲しくなるから来ないでほしいと言うので、俺は行かない予定だ

行っても俺だって悲しくなるだけだ

まあ他の二人がどうするかは二人次第だ

そのあと、整頓係は彼女に袋を渡した
 ▼ 159 ノハナ@かいふくのくすり 17/11/13 23:32:52 ID:/rKSWbrs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もう、1年以上経つのか...
 ▼ 160 ガジュカイン@げんきのかけら 17/11/15 21:41:28 ID:X.Winpwk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 161 UVL.eKHfWI 17/11/20 07:41:46 ID:LhvZYRi2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その中からは、彼女が割ってしまったキーホルダーが直されて出てきたらしい

割れてしまったのを整頓係に預けていたのを完全に忘れていた

そして整頓係は彼女の耳元に囁いた

聞こえなければ良かったのだが、「お幸せに」という声が聞こえた

あの時とは違って、彼女の目は笑っていた

なんだか、キーホルダーのピカチュウまでもが笑っているように見えた

そうして、俺たちは帰っていった

引っ越しの日にどんなことがあったのかは知らないし、これ以降整頓係と会うことはなかった


整頓係を、失った
 ▼ 162 UVL.eKHfWI 17/11/20 07:45:06 ID:LhvZYRi2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まだ続きます
 ▼ 163 UVL.eKHfWI 17/11/26 22:15:48 ID:8MssD8yE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ぽかぽかとした陽気の中、新学期が始まる

この日の太陽は、今までだらだらゲームをしていた俺には眩しすぎる

ちなみに今回でクラス替えがあるのだが、それで彼女や親友と違うクラスになってしまうだろう

なんだか、先生たちは生徒の友達事情や恋愛事情を把握しているらしい

どこでそれを仕入れるのかも知らないし、どういう風に使われるのかもよく分からない

しかし、クラス替えのときに違うクラスにされるのは少し悲しいものがある

春休み中も彼女とデートに行ったし、親友は結構な頻度で遊びに来た

さて、そんなことを考えながら石を蹴って歩いていたらもう学校だ
 ▼ 164 UVL.eKHfWI 17/12/04 07:51:29 ID:mV0bx/Og NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結論から言うと、俺は彼女とも親友とも同じクラスになれなかった

まあそれだけなら良かったのだが、少し腑に落ちないことがある

それは、彼女と親友が同じクラスになったのだ

この三人、いや、整頓係を入れると四人だが、俺たちは結構仲が良すぎたと思う

むしろ彼らが俺ら以外で遊んでいるのを見たことがない

俺がみていないところで遊んでいるのかもしれないが、少なくとも俺は全然遊んでいない

こないだまで友達は多い方だと思っていたが、実はそうでもなかったのかもしれないな
 ▼ 165 UVL.eKHfWI 17/12/11 23:12:51 ID:b2v61MS2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
学校での時間は淡々と過ぎていき、放課後が楽しみな生活を送るようになってきた

学校では完全に心を打ち解けられるクラスメイトは全然いなく、丁度いい関係を保っている、つもりだ

彼女と少し帰り道ぶらぶらしてみたり、親友とひたすらゲームをしていたり、放課後が楽しい

それでも少しだけ、四人でいることが恋しくなることがある

俺はできるだけ他の人の意思を尊重したいので、決して整頓係の行動を否定することはない

でも、完全に俺たちから離れるのはやりすぎなんじゃないかなと思った

どうせクラス替えで別れ、距離を置けると思っていた

…あれ?俺は今クラスが離れた人たちとばかり遊んでいるんじゃないか?
 ▼ 166 UVL.eKHfWI 17/12/19 22:04:32 ID:O/usgr2Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今の俺は、学校にいる時だけ退屈だ

彼女に出会うまでの俺はどうだったんだ…?

思い返せば、そのときは全てが退屈だったんだ

学校どころではない

放課後だってそうだったんだ

特に趣味のなかった俺は、ひたすら…ひたすら…

何をしていたんだろうな

でも、その時は全く不快ではなかった
 ▼ 167 UVL.eKHfWI 17/12/26 22:59:25 ID:Rwj4WOFA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも今は、退屈な学校生活が不快過ぎる

一度楽しさを覚えた俺は、昔の生活に戻れないんだ

彼女や親友が他の人と仲良くしているのを見ると、嫉妬してしまう

羨ましいと思ってしまう

俺だってみんなと仲良くなりたいのにと思ってしまう

どうして俺だけ一人なんだ

どうして俺だけ独りなんだ

どうして―――
 ▼ 168 UVL.eKHfWI 17/12/31 21:47:12 ID:Daet779A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが正直、こんなことで悩めるなんて俺も暇になったものだなと思った

思えば俺はずっとせわしない生活をしていたのかもしれない

彼女と出会って以来、俺の生活はいろんなことが起こった

こないだのクリスマスからバレンタインにかけての騒動もそうだ

俺は今まで忙しすぎたんだ

しかもどうせ去年だって、あの三人以外と遊んでいなかった

自分が友達だと思っていた人はみんな友達じゃなかったって、今更気付けた

本当の友達を手にして、やっと気付いたんだな
 ▼ 169 UVL.eKHfWI 18/01/11 21:28:34 ID:W.8roxfc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は開き直り、ゆったりと一人の時間を楽しんだ

厳選をしたり、対戦をしたり、飽きたら図鑑を埋めたりもした

一人で映画を見に行ったし、ポケモンセンターにも行った

ちょいちょい親友と遊ぶこともあった

もちろん彼女とでかけることもあった

でも、彼らは学校行事とかで忙しいみたいで、遊ぶ頻度は格段に減っていた

俺は学校行事に積極的に参加はしていなかったので、彼らのようなせわしなさはなかった

それはそれで、今の俺にはよかったのだろう
 ▼ 170 ンバル@ゴスのみ 18/01/11 21:30:24 ID:frRyrEXM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 171 UVL.eKHfWI 18/01/26 07:49:56 ID:IH78GQ0s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうして俺たちは夏休みを迎えることとなった

天気はまだ真夏と言えるほどではなかったが、ジメジメした夏といったような感じだった

少し過ごしづらいあの時期だ

また親友や彼女とせわしない日々が始まる

…と思っていたのだが、案外そうでもなかった

学校行事の反動で彼らは疲れ切っていたみたいだ

うちに遊びに来ても寝ちゃったり、外に出かけるなんてことはまだ全然なかった

夏休みになって遊ぶのを楽しみにしていた俺は少し残念だった

その反面、また大変な出来事がすぐ起きなくてホッとしてもいる
 ▼ 172 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 18/02/12 01:04:37 ID:/c4NTYik NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 173 ンゲラー@クリティカッター 18/02/13 20:17:59 ID:ySzUig4c NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 174 UVL.eKHfWI 18/02/17 14:09:13 ID:l9KfqrG. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんなある日、彼女の家に遊びに行ったときのことだ

彼女は、今度男女二人ずつで遊びに行ってくるねと言った

何故やら許可を取るために呼んだらしい

俺は彼女を信用しているので全く問題はなく許可した

というより許可を取ってくることに驚いた

普通の恋人たちだったら当たり前なのだろうか

…まあクリスマスの件を思い出すと、こういうのがあった方が良いのだろうと思えた

しかしこれは愚かすぎる決断、許可だったのだろう
 ▼ 175 UVL.eKHfWI 18/02/25 23:18:17 ID:91ouDXM2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その日の次の日、彼女は俺の家に遊びに来た

遊園地に行ったようで、ヘンテコなキャラがいるお菓子をもらった

彼女はそのまま昨日の話を延々し続けた

自分がいないところで楽しんだ話を聞かされても正直面白くはない

でも、せわしなく喋る彼女を見ているとなんだかいつも通りで安心する

そのあとは、俺と彼女はポケモンをやっていた

なんだかんだ久しぶりに知り合いとポケモンをやれた

最近はプレイ時間に差があったこともあり、俺はこの日、彼女に初めて対戦で勝つことができた
 ▼ 176 UVL.eKHfWI 18/03/11 20:46:06 ID:lFmXOjbc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこで、彼女はあるポケモンをくれた

それは、シェイミだった

彼女は俺がシェイミ好きと知っていて、手に入れてくれたみたいだ

その時は勝ったご褒美にと言っていたが、あとで聞いたら、どっちにしても渡す予定だったらしい

それはともかく、彼女からもらった好きなポケモンということでとても嬉しかった

彼女が帰ってから、シェイミを育てる予定だったが、人と話して少し疲れてしまい、そのまま寝てしまった

そして次の日、起きてすぐにシェイミを育てるためDSを開いた
 ▼ 177 UVL.eKHfWI 18/03/26 21:48:33 ID:nqkNSTaM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「レポートが壊れています」







…え?

……え?

俺は黙って電源を切った

そしてもう一度電源を入れ直した

「レポートが壊れています」

俺の思考が、壊れた
 ▼ 178 UVL.eKHfWI 18/04/11 20:09:51 ID:6u7u2BWg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一分くらい経っただろうか、いや、もっと経ったかもしれない

そのくらいで俺は平常心を取り戻しつつあった

そこで、一つの考えが浮かんだ

あのシェイミは関係ない、レポートの劣化だろう

まあ冷静になってみればそんなはずないのだが、この時の俺を落ち着かせるのは、それしかなかった

彼女のシェイミが原因なんて、あっていいはずがないのだ

俺は、何度も打ち間違えながら彼女にメールを送った


なあ、レポート壊れたんだけど、くれたシェイミは関係ないよな…?
関係ないよな…?


添付して送った後に削除した写真は、ブレブレだった
 ▼ 179 UVL.eKHfWI 18/04/22 22:10:56 ID:b98cjgDc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
無の時間を過ごしていたら、メールが返ってきた


ちょっと待って。


俺は待った。何を待てばいいのか分からないまま、待つしかなかった

親はどちらも仕事に出ていたので、一人で遅めの朝飯を食べた

食べながら見ていたニュースで交通事故についてやっていて、怖いなあと思った

冷蔵庫のヨーグルトを食べる予定だったが、忘れていて昼食べた

部屋に戻った俺は、クーラーをつけるのも忘れてベッドにダイブした

昨日の夜は待ち遠しかった日差しは、嫌というほど照りつけていた
 ▼ 180 UVL.eKHfWI 18/05/05 23:15:26 ID:4L/x8yRo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

いまからいく


彼女から送られたメールは、こうとだけ書いてあった

今から家に来るのだろうか、正直会いたくない

そう思った俺は炎天下に繰り出した

何をするでもなく、水筒と財布を持って自転車を漕いだ

彼女の家と反対方面に行けばよかったのだが、何を思ったかすれ違えばいいという結論に至った

生暖かい風が、向かい風となって吹きつけた

この風に乗って、微かだが人のざわめきが聞こえてきた

気にしないようにしたが、いつのまにかそのざわめきの方へ吸い寄せられていた
 ▼ 181 ラーミィ@においぶくろ 18/05/06 10:32:39 ID:HIx6jYe6 NGネーム登録 NGID登録 報告
追い付いた。しえーん!
 ▼ 182 UVL.eKHfWI 18/05/20 20:25:00 ID:IFP6qxrQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少し大きめの通りの横断歩道に、人だかりが出来ていた

トラックが止まっており、人々は横断歩道を取り囲むように群がっていた

その時、なぜか嫌な感じが俺の脳内をよぎった

彼女を放り出して整頓係と遊んでいたときの、あのぎこちない感じがした気がした

人を掻き分け、横断歩道の中央へ進んでいった

そこには、頭から血を流した彼女がいた

誰かも知らない正義感の強そうな男の人が、心臓マッサージをしていた

自分の足元には、ピカチュウの、赤いキーホルダーの付いた携帯が転がってきていた

自分の顔から、血が引いていくのを感じた
 ▼ 183 UVL.eKHfWI 18/05/20 20:37:30 ID:IFP6qxrQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
知り合いだ、と協力してくれている人に言いたかったが、必死そうだったのでやめた

だから、ただひたすら生きていてくれと祈っていた

いや、気が動転してそう思っていたのかも怪しい

目を開けずに心臓マッサージを受ける彼女を見ている時間は、とても長く感じた

救急車が到着し、人だかりと共に遠ざかってしまった

救急隊員は淡々と彼女を運んで行った

運ばれていくのを呆然とみていたら、救急車に同乗し損ね、取り残された

救急車が行ってからもざわめきは止まらなかったが、俺の耳には届いていなかった

しかし、蝉の声だけは、脳内で無慈悲に響き渡っていた
 ▼ 184 ザンドラ@ライブキャスター 18/05/22 00:23:49 ID:MicwiplA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 185 ーマンダ@こううんのおこう 18/05/23 22:28:04 ID:8f8qwBxM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 186 レキッド@タンガのみ 18/05/25 23:21:36 ID:ACbpt9qU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 187 オガエン@サイキックメモリ 18/06/06 22:19:41 ID:2IWOi8pU NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 188 UVL.eKHfWI 18/06/16 23:14:32 ID:eJ8kwR9c [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―――彼女、享年17歳。











彼女を、失った
 ▼ 189 UVL.eKHfWI 18/06/16 23:15:40 ID:eJ8kwR9c [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺が愕然として家に戻ったころ、彼女の母から電話があり、伝えられた

彼女の母の声は震えに震え、聞いているだけで心が痛んだ

彼女がどんな様子だったのかは、聞かなかった

電話を切った後、部屋に戻った

ベッドに座り、心の整理を始めた

俺は今から何をすればいいのか、他の人にどんな顔を見せればいいのか、初めてのことで分からないことばかりだ

ここで俺は気付いてしまった

俺は、彼女の死を悲しむ資格なんてない
 ▼ 190 イホーン@ウブのみ 18/06/16 23:22:56 ID:9MBATTcc NGネーム登録 NGID登録 報告
久しぶり、更新がんば
 ▼ 191 UVL.eKHfWI 18/07/01 23:08:55 ID:fO5k9xH. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんだか、こみあげてくるはずの悲しみがないのだ

本当に愛していたなら、ここで涙が止まらないはずなのに

涙は、一滴も流れなかった

俺は今まで、身内が亡くなったことがなかった

そのせいだろうか、全く実感がわかないのだ

明日にでも、うちに遊びに来そうで、

学校に行ったら、笑顔で挨拶をしてくれそうで、

メールで、恥ずかしくなるようなことを送ってきそうで、

街を歩いたら、その人ごみの中に、彼女がいそうな気がして…
 ▼ 192 ツロイド@きあいのタスキ 18/07/01 23:25:26 ID:LAsgo8SE NGネーム登録 NGID登録 報告
>>191
ふたたび久しぶり更新がんば
 ▼ 193 UVL.eKHfWI 18/07/16 23:11:06 ID:glekTINs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もちろんそんなはずはなかった

俺の夏休みの思い出に、これ以上彼女が写りこむことはなかった

いつの日だったか、彼女の母親から、夏休みの最終日の葬式に来てほしいと連絡があった

しかし、俺は宿題が終わっていないからと言って断った

それは建前で、こんな俺は彼女の親に顔を見せられないと思ったからだった

彼女の親は、愛を込めて彼女を育てたというのに、その彼女の人生を終わらせてしまった

彼女が轢かれたとき、俺は傍にいた

なのに、俺は一歩も動かけなかった、いや、動かなかった

愛している彼女を見殺しにした俺は、罪深い

愛していたのかどうかも分からなくなってきた
 ▼ 194 ーディ@ファイトメモリ 18/07/16 23:28:09 ID:heM6aQTc NGネーム登録 NGID登録 報告
あ、来た
 ▼ 195 ピアー@けいけんポン 18/07/17 04:13:38 ID:OmOw4mNI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 196 UVL.eKHfWI 18/08/04 23:13:25 ID:hyqsWceg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
学校がまた始まり、彼女の死が告げられた

俺は生きているのか死んでいるのか分からないような生活を送った

同情の声をかけてくる奴らはどういう神経をしているのかと思ったものだ

夏休み明けのテストは酷い成績だったし、何をしていたかも分からない

夏休み中にポケモンを始めたという人に話を振られたときはどうしようかと思った

知識でその場は乗り切ったが、適当な理由で深く関わるのを避けた

要件が何であれ、善意でしてくれていることとは分かっていた

しかし、話しかけてくる人間は全て不快しか与えてくれなかった

そんなとき、親友に話しかけられた

そういえば気付かなかったが、親友と話すのは彼女が亡くなって以来初めてだった
 ▼ 197 UVL.eKHfWI 18/08/20 23:10:17 ID:Hbx6SSMg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
普段なら家に集まるのだが、家だと思い出が蘇るのでやめた

適当な喫茶店に連れられ、美味いか美味くないか分からないコーヒーを飲んだ

学校で見たことあるような人たちが騒いだり、落ち着いて勉強したりしていた

親友はコーヒーに謎の拘りを持っていて、彼が落ち着くまで少し時間がかかった

落ち着くと、親友は話し始めた

親友も、葬式に行けなかったらしい

俺だって言いたいことはあった、何を言ったかなんて覚えていないが、思ったことをぶちまけたつもりだった

おおむね話が済んだと思ったので、また今度と腰を上げようとした瞬間、親友が呟いた


君のデータを消したシェイミは、僕のものだったんだ


時間が一瞬止まった気がした

理解が追いつかない

そのまま、親友は話し始めた
 ▼ 198 UVL.eKHfWI 18/08/28 22:48:00 ID:lOi6oCdc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕は整頓係が引っ越してしまったことにとてもショックを受けていた。

君に聞いても何も教えてくれないし、もちろん整頓係はメールをよこさなかったよ。

沈んだまま、僕は新学期を迎えたんだ。

そこで、君の彼女が同じクラスにいることに気付いた。

しかも、君は違うクラスだった。

これは好都合だと思ってしまったんだ。

君の彼女と仲が良かったとはいえ、きっと僕に心は開いていない。

だから、行事などに積極的な君の彼女と近づくため、頑張ってそういう役を引き受けまくったんだ。

そうしたら夏休みが始まる前、君の彼女と他二人で遊園地に行くことになっていた。

僕はここで、それとなく整頓係の話を聞き出そうと思ったんだ。

死んだ人のことを悪くは言いたくないが、正直僕でもびっくりしたんだ。

まさか整頓係が君と付き合っていた時期があったなんてね。

こんなことを漏らす人だとは思っていなかったよ。

私は、今何とも思ってないよ〜〜とか言っていたよ。

いや、お前だけの問題じゃねえだろ、ぶん殴ってやろうかと思ったんだけど。

君の彼女は悪くないからね、君ら二人の仲を崩してやろうと思ったんだ。
 ▼ 199 UVL.eKHfWI 18/09/06 23:13:19 ID:IMkMenQo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だから、君の彼女に改造産のシェイミを渡して、君に渡すよう言ったんだ。

男のロムで開くとデータが飛ぶように設定したシェイミをね。

その時の僕は狂っていたのかもしれないね。

整頓係の話があって、それを聞いて真っ先に思い浮かんでしまったんだ。

怒りの絶頂にあった僕はすぐにそれを実行に移した。

そうして渡したと聞いた次の日、君の彼女から電話が来た。

出なかったよ、もちろん。

そうしたらうちに押しかけてきてね。

流石に親に呼ばれて会っちゃったよ。
 ▼ 200 UVL.eKHfWI 18/09/10 23:16:29 ID:eu3.885M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
場所を移して、話をした。

計画が成功してすっきりしていた僕は、穏やかに罵倒した。

そうしたら、君の彼女は謝ったり、怒ったり、私が悪いんだと自分を責めたり、

気が動転している、という言葉が最も似合う女になっていた。

僕は君とは縁を切るから、言っても無駄だよと言ったんだけど、

聞く耳を持たずに君の彼女は駆けだして、君の元へ向かった。

まさかその後こんなことになるとはね。

取り返しのつかないことをしてしまった、と思った。

じゃあね、きっともう会うことはないだろう。


親友は立ち去った。いや、親友とはもう呼べない

俺は言葉が出なかった

途中で殴りたくなったが、それは彼女の顔に泥を塗ることになるんじゃないかと思い、やめた

ここで俺の中の何かが吹っ切れた


親友を、失った
 ▼ 201 UVL.eKHfWI 18/09/15 22:32:33 ID:v2y6wd0I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
蝉はとっくに死に絶えた秋、俺はいつぞやの大きな橋へ来ていた

決して自殺をしに来たわけではない。用があるのはこの奥だ

少し幅が狭い橋を進むと、涼しい風が吹いてきて、肌をくすぐった

元親友から話を受けて以来、俺は何もすることがなかった、はずだった

意外にも簡単にあきらめがつき、全てを失った実感が湧いてきた

むしろ元親友には感謝している

もし彼が今まで通り接していたら、あのことを言っていなければ、俺は彼にすがりつき、ずるずると思い出を引きずっていただろう

俺は、今までの淡白な人生には濃すぎた、一年半ほどの思い出を断ち切りにここに来た
 ▼ 202 UVL.eKHfWI 18/09/18 22:36:03 ID:2TMsBU62 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は懐中電灯を付けずに、彼女の墓参りを済ませた

俺はもう普通の高校生ではない、この一年ほどで天国と地獄を味わった

充実していると思っていたが、充実を知らなかっただけだ

本当の充実を知ったせいで、同時に喪失感も知ってしまった

今俺は、恋人を失って完全に生きる意味を失っている

しかし、この世界を見切るのはあまりにも早すぎる

彼女の名前が入った墓石は、情に訴えかけるものがあった。しかし、ここで涙を流す意味はもう無い

墓の前に、もう必要が無くなったキーホルダーを置き、空を見上げた

山奥の星空は綺麗で、たくさんの小粒の星たちの中で、青い一等星が過剰に輝いていた

彼女が愛したこの世界で、俺の人生の、喪失からのリスタートが始まる。
 ▼ 203 UVL.eKHfWI 18/09/18 22:38:44 ID:2TMsBU62 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
終わりです
 ▼ 204 UVL.eKHfWI 18/09/18 22:44:51 ID:2TMsBU62 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
二年間たくさんのご支援ありがとうございました!
途中から更新がとても遅くなりすみませんでした…
最初から読んでた人っているんですかね…?
 ▼ 205 イチュウ@かがやくいし 18/09/18 22:54:06 ID:4GtEJ/ys NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
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